これからを紡ぐ世界


PC1:“大きなお口(オールカインドイート)入栄 朽葉(いりえ くちは)(キャラシート)PL:いーさにうむ
PC2:“外なる天使(ヴォイジャー)境 結良(サカイ ユラ)(キャラシート)PL:カキ
PC3:“ジャガーノート”真神(まがみ)コルト(キャラシート)PL:かあねりあん

メインログ雑談ログ

目次

プリプレイ

GM:それではセッションを開始します。
真神コルト:よろしくお願いします!
入栄朽葉:どうぞよろしくお願いします~
境 結良:よろしくお願いします!
GM:う~ん顔が良い
GM:今回はスーパーシンプルシナリオクラフト(SSSC)を運用します
GM:猫口@さん(第8支部支部長PL)発案、里村邦彦さん(第4支部支部長PL)編纂・データ作成の
GM:簡易セッション構築システムですね。
GM:その機能の一つ、セッションアジャスター……ようはシナリオテンプレートの中から今回使いますのはこれ!

【SA-02/変貌していた世界】

 あなたの知り合いの態度が、ここしばらく、急激に変わってしまった。
 妙によそよそしかったり、露骨に生活態度が変わったり、危険な場所に出入りしている。
 何かが、おかしい。口を出せずにいる間に、君のもとに組織からの指令が舞い込んだ。
 街で、オーヴァードの仕業と思われる事件が続いているという。

 このSAのBOSSは、「変わってしまった人物」、もしくは「追われている人物」である。
 (追われている人物については、下記SANPCの設定を参照すること)

 SANPC:金崎珠美(変わってしまった人物)
 彼もしくは彼女は、最近オーヴァードとして目覚めた、あるいはジャーム化しています。
 オーヴァードとして目覚めた場合、UGNと接触せず、自分を覚醒させた元凶を追っています。
 確固たる意志によっての場合も、あるいは衝動に押し流されている場合もあるでしょう。
 だいたいの場合、クライマックス突入時、ボスによって戦闘不能に追い込まれます。
 ジャーム化している場合は、残念ながらそれだけの話です。ボスとして撃破しましょう。

GM:上記のものは、通常のシステムでいうところのトレーラーにあたるものでしょう
GM:それではハンドアウトと、それを担うPCの自己紹介と行きましょうか
GM:それではPC1……入栄朽葉さんからどうぞ!
GMhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYrdP42QIM
入栄朽葉:かしこまりました!
入栄朽葉:「入栄朽葉(いりえ くちは)。ごく普通の高校生よ」
入栄朽葉:「用があるなら手短にお願い。……ごめんなさい、バイトまで、あまり時間がないから」
GM:バイト戦士!
入栄朽葉:エグザイル/バロールのオールレンジ対応可能な白兵型。
入栄朽葉:握り拳程度の魔眼を展開し、そこから『口』を生やして対象を喰らう。
入栄朽葉:FHの実験体として、「なんでも圧縮して食べられる身体」に弄られ、その名残として腹に大きな『口』が常時発現しています。
入栄朽葉:UGNイリーガルとして登録はされていますが、オーヴァードそのものに不信感があるため、現在まで依頼を受けたことはありません。
入栄朽葉:腹の『口』が大食漢のため、その食費を稼ぐためバイト戦士と化しています。
GM:せちがらい
入栄朽葉:以上です!
GM:OK!スピーディーな良い自己紹介です!
入栄朽葉:絶対に人前で服は脱ぎません。よろしくおねがいします。
GM:そんなあなたの物語は……これだ!

 HO-02-01:金崎珠美
 あなたは金崎珠美の友人だ。
 あなたは金崎珠美の様子が変わった理由を知り、できればそれを解決したいと願っている。
 あなたのシナリオの目的は「金崎珠美の身に起きた事件を終わらせる」ことだ。

金崎珠美:こんな感じの女の子です。
入栄朽葉:珠美さんは(現状の認識では)非オーヴァードなんでしょうか?
金崎珠美:知らないよ!
入栄朽葉:あ”ッ友人が非常にカワイイヤッター
御傘つむぎ:私も知りません
入栄朽葉:承知しました。友人のために友人として奔走します!
御傘つむぎ:おねがい~
GM:それでは続きましてPC2!境結良くん!よろしくおねがいします!
GMhttps://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY3NDS0QIM
境 結良:はい!
境 結良:名前は境 結良(サカイ ユラ)。ノイマン/ハヌマーン/バロールのトライブリード。
境 結良:コードネームは『ヴォイジャー“外なる天使”』。
GM:どことなくコズミック!
境 結良:幼少期に覚醒し、親元を離れUGNチルドレンに。のちにUGNからも正式に離れ、宇宙開発系の企業へ所属。
境 結良:その後なんやかんやあり火星へ行きますが、火星で未知の何かと出会いそれと同化して地球へ帰還しました。
境 結良:現在は『ヴォイジャーリサーチ』という調査会社を営んでいて、レネゲイド事件の調査・解決を目的に行動しています。
境 結良:戦闘時は、肉眼では視認できない、獣の爪で引き裂かれたような傷を対象に与える『インビジブル・マスアクション』という現象を発生させ戦います。
境 結良:力を発動すると眼が虎の眼のような金褐色に光ります。
境 結良:データ的には情報収集は生き字引、戦闘はサイレンの魔女で戦います。
境 結良:以上です!
GM:さてはめちゃくちゃ格好良いな……?
境 結良:そう言ってもらえるとありがてぇです
GM:観測不明パワーで年下乙女たちと頑張ってください
GM:続いてPC3!真神コルトさんお願いします!
GMhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY7sTy2QIM
真神コルト:イエッサー!
真神コルト:真神(まがみ)コルト、二十歳。北欧系のハーフですが日本人です。
真神コルト:一般見習いシスターでしたが、ある事件で修道院の関係者ともども皆殺しにされ
真神コルト:一人だけオーヴァードとして覚醒し助かった……という経緯でUGNのイリーガルになりました。
真神コルト:既に信仰は断っていますが、R案件に立ち向かう覚悟と決意を込めて今も修道女の格好を正装にしています。
真神コルト:性能はシンプルな白兵キュマイラ。人狼に変身して近寄ってケモ(獣王の力)パンチします。
真神コルト:それしか出来ない! ミドルはコネとお金で何とかします。よろしくお願いします。
真神コルト:以上!
GM:シスター服の下から現れるキュマイラパワー、今回も楽しみにしてるぜ!
GM:それではお2人の共通ハンドアウトはこちら!

 HO-02-02:嘆きの乙女
 あなたたちはUGNの協力者だ。
 あなたたちはこのところ起こっている幻覚事件、その元凶となったオーヴァードを追っている。
 あなたたちのシナリオの目的は「嘆きの乙女を止める」ことだ。

真神コルト:嘆きの乙女……一体何者なんだ……
小子内渚:私は第9支部エージェントですが、近頃幻覚を見る人たちが多いようで……
百合島柊:僕も第9支部チルドレンとして同行しますので、一緒に頑張りましょう!
真神コルト:正規人員の支援が手厚い!
小子内渚:ちなみに現在進行している第9支部の事件とは別の時間、ということでお願いします
真神コルト:了解です!
小子内渚:そんな大変なことになっている第9をわざわざ引っ張り出すのは、真神さんとの縁が深いからですね
真神コルト:人間関係がそこにしかないから……
百合島柊:とはいえ境さんもあまりお気になさらず。みんなで協力して事件を解決しましょう!
境 結良:僕はどこでも活動できますからね…頑張るぞ!
GM:それではダブクロの世界へレッツゴー!

OP1

GM:OP1 入栄朽葉/金崎珠美/御傘つむぎ
GM:登場可能PC:PC1のみ
GM:登場侵食をどうぞ。
入栄朽葉:はい!
入栄朽葉:1d10+35
DoubleCross : (1D10+35) → 8[8]+35 → 43

GM: 
GM: 市立星辰館学園 高等部 中庭にて
GM:星辰館学園……それはここN市において最大規模を誇る学園である。
GM:きみ、入栄朽葉はそこに通う生徒の一人だ……登校頻度は少ないが。
入栄朽葉:留年しない絶妙なラインを守って登校しています。
GM:それに比例するわけでもないが、友人は少ない……
GM:そしてその少なさに比例するわけでもないが、彼女たちは結構きみを心配しているようで。
御傘つむぎ:「今日は来る日と分かっていたので」中庭にレジャーシートなんて広げてみたりして
御傘つむぎ:「しっかり作ってきました」その上に重箱なんて、広げてみちゃったりする。
入栄朽葉:「おお……」 太陽の下、眩しそうに細めていた目を見開いて、重箱を見つめる。
入栄朽葉:「つむぎ、今日は一段と気合入ってない? 無理しないでいいんだよ」
金崎珠美:「……ほんとだよ、運動会じゃないんだからさ」
入栄朽葉:言いつつ、嬉しそうに中身を想像している。
金崎珠美:「それなら、つむぎちゃんはお母さん?」
入栄朽葉:「ふふ、つむぎはきっといいお母さんになるね」
御傘つむぎ:「はいはい、みんなたんとお食べ」ぱかっと蓋を開けると、その中は、うん。
御傘つむぎ:珠美ちゃんの言葉も実に的確なものだったのだろう。大きなおにぎりとか、からあげとか、きんぴらごぼうとか。
金崎珠美:「……全部食べれる?」
入栄朽葉:「任せて」 薄っすらと笑顔を見せる。
入栄朽葉:普段、バイトばかりでろくに自炊も出来ていない入栄には、彼女の作る『母の味』が堪らなく沁みるように思えるのだ。
入栄朽葉:……母の味など、とうに忘れてしまったが。
金崎珠美:「……まあ、朽葉ちゃんがよく食べるのも知ってるけどさ」苦笑しながら手を合わせて。
入栄朽葉:「有り難く、いただきます」 言うが早いか、箸を唐揚げに伸ばす。
入栄朽葉:見た目は唐揚げそっくり。つむぎ特製の、肉じゃない唐揚げ。
御傘つむぎ:「うんうん、いっぱい食べてくれるの好きだよ~」幸せそうに笑う。
御傘つむぎ:菜食主義の友人のための試行錯誤。それも楽しい挑戦だったと彼女はかつてそう言った。
金崎珠美:「……おからかあ」
入栄朽葉:「ああうん、これ……いつ食べても本当に美味しい」 手作りでないと出せない工夫の篭もった味に、顔を一層綻ばせる。
入栄朽葉:「おから、嫌いだったっけ?」
御傘つむぎ:「ヘルシーで良いでしょう」自慢げである。
金崎珠美:「つむぎは気にしてるもんね」
金崎珠美:「おからがどうこうって訳じゃないけど、ね」
金崎珠美:アンニュイな溜息。
入栄朽葉:そういえば、今日は言葉の端々に陰りのようなものが見える。珠美の些細な変化に感じる、違和感。
入栄朽葉:「……ねえ、珠美。あまり来ない私が言うのもなんだけど」
金崎珠美:「ん……なに?」
入栄朽葉:「困ったことがあったら、相談に乗るよ?」
金崎珠美:「……」まじまじと見つめる。見つめること、3秒?
入栄朽葉:学生の悩みといえば、恋愛か学業か友人関係か。はたまた。友人の悩み事をぼんやりと思案する。
入栄朽葉:箸をきんぴらに伸ばす。咀嚼する。おにぎりも玄米入りの感触がたまらない。嚥下。
入栄朽葉:「……」 食べながら見つめ返してみる。
金崎珠美:友人の言葉は、実に普通の心配であって。まるで不自然なものではないのだが。
金崎珠美:何気ない会話の中では、時が止まったと言っても過言ではないぐらいに動きを止めて。
金崎珠美:「……別に、大したことじゃないよ」薄く微笑んで、どうにか返す。
金崎珠美:「ただ……そう。なんとなくひっかかっただけ」
入栄朽葉:「……そう? なら、いいけれど」 その時は、食べるのを止めて、真剣に。
金崎珠美:箸でおからをつまみ上げて
御傘つむぎ:なおシェフはこれを「おから揚げ」と名付けている。安直なやつである。
入栄朽葉:「ケータイに連絡くれたら、時間空いたら返すからさ」 視線をそらして。
入栄朽葉:「バイトは大事だけど、友達を蔑ろにするほど薄情者じゃないつもりだし、ね」
金崎珠美:「……ありがと」
金崎珠美:「でもさ、本当に大したことじゃないんだ」
金崎珠美:「これ、見た目だけから揚げに似せてあるじゃない」
金崎珠美:「偽物とか代用品とか、そういうのにちょっと引っかかるものがあるという」
金崎珠美:「実に思春期めいた普通のお話なのさ」
入栄朽葉:「サテ、つむぎシェフ。私はそろそろ甘味が食べたいのですが」
入栄朽葉:つむぎに甘味を催促しつつ、珠美の言葉を聞く。
御傘つむぎ:「あるよ~。購買で買ったプッチンプリン」
入栄朽葉:「中身は別モノ、かあ……引っ掛かり、わからなくはないけど。美味しいの前では無力」
御傘つむぎ:「特に甘いのね!」
御傘つむぎ:「甘味の暴力に身を委ねるが良いよ!」
入栄朽葉:プッチンプリンをプッチンするかやや思案して、外なので諦めてそのまま蓋を開ける。
入栄朽葉:「最後にカラメルのほろ苦さだけ味わうのも乙なものよね……」 甘味の快楽に溺れる。
金崎珠美:「このプリン甘すぎて駄目なんだよね……」
入栄朽葉:用意されたプッチンプリンの数は……?
御傘つむぎ:5個!
御傘つむぎ:※3個パックx2だが既に1個食べた
入栄朽葉:「同志珠美、手が伸びないようなら私が食べるが?」 茶化すように演技かかった口調で。
金崎珠美:「同志朽葉、つむぎのお腹戦線を守るため、奮戦してくれたまえ」
御傘つむぎ:既に3個目を食べ終えようとしている。
入栄朽葉:「承知」 珠美が道化に応えてくれたのを見て、少し安心したように、プリンを一気飲みする。
入栄朽葉:「ふー……ご馳走様でした」
入栄朽葉:「つむぎ、改めてありがとう。美味しかったよ。珠美も、たまのお昼にこうやって付き合ってくれて嬉しいよ」
入栄朽葉:微笑む。大事な友人たちとの大事なひとときを慈しむかのように。
入栄朽葉:その友人の言葉の端に見えた翳りを、誤魔化すかのように。
御傘つむぎ:「はあい、お粗末様でした」てきぱきと始末をつける。友人は特に授業へ遅刻してはいけないし。
金崎珠美:「なに、お礼を言われるようなことじゃないでしょ」同じく素早く。手の動きの淀みなさは依然変わらず。
金崎珠美:「ぼくだって……朽葉やつむぎと楽しんでるんだからね」
GM: 
GM:後日。きみが、入栄朽葉が次に登校するよりも前の日のこと。
GM:金崎珠美に連絡が着かないのだと、もう一人の友人からメールが届いた。
GM: 
GM:シーン終了です。
GM:ロイス取得をどうぞ。
入栄朽葉:金崎珠美 ○友情/不安 で取得します。
GM:OK!
GM:それでは次のOPへ行ってみよう!
GM: 

OP2

GM:OP2 境結良/真神コルト/百合島柊
GM:登場可能PC:PC2/3のみ
GM:登場侵食をどうぞ。
境 結良:シーン登場。境 結良の侵蝕率が+3(1D10->3)上昇 (侵蝕率:30->33)
真神コルト:真神コルトの侵蝕率を+7(1D10->7)した(侵蝕率:32->39)
GM: 
GM: N市 第9地区 住宅街
GM:近頃、この辺りでは怪現象が発生しているのだという噂がある。
GM:曰く、あり得ざる幻を見たとか。
GM:曰く、その幻を見せるのは喪服を纏った貴婦人であるとか。
GM:そしてその上にUGNの間で、厳然たる事実として知れたことには。
GM:幻覚を見たものにレネゲイドの反応があるのだとか。
百合島柊:「……というわけで、イリーガルのお2人に協力してもらうことになったわけです!」
百合島柊:「今回はパトロールにご参加いただきありがとうございます」
百合島柊:大きなコートに身を包んだ、透き通った瞳の少年がハキハキとお礼を述べる。
真神コルト:「いえいえ。他ならぬ第九支部からのご指名ですから。頑張りますとも」
境 結良:「レネゲイドが関わっているなら、黙って見過ごせませんからね」
境 結良:(厳密にはイリーガルではないのだけど……まあいいや)
百合島柊:第9支部に所属するUGNチルドレン"アストロフェ"だ。モルフェウス/バロールの力を持ち、防御能力に優れているのだという。
真神コルト:かつて共に事件に立ち向かったことがある。信頼できる少年だ。
百合島柊:「今のところ、現象の正体は不明です。その上原因も定かなりません」
百合島柊:「倒すべきものなのか、保護すべきものなのか。そもそも犯人というべきものが居るのかも」
境 結良:「となると、しばらくは一帯をパトロールするしか対処のしようがないわけですね」
百合島柊:「ええ、分かっているのは被害者の身体にオルクスの因子が感知されたこと。それに……」
真神コルト:「それに?」
百合島柊:「彼らの見た幻が、どれも穏やかならぬ光景であったことばかりです」
真神コルト:「……それはまた。意地の悪い幻ですね……」
百合島柊:「この街が火に包まれているとか、この世のものとも思えない怪物が暴れているとか」
百合島柊:「まったくもって良くないことですね。はい」
境 結良:「幻覚かぁ……僕らも気をつけましょうね、コルトさん!」
境 結良:恐らくさっき会ったばかりだが気さくに話しかける。
真神コルト:「ええ。私たちまでやられては元も子もありません……と言っても」
真神コルト:「防御手段、あるんですかね……?」
百合島柊:「領域、本当によく分からないですからね……」
境 結良:「レネゲイド・コントロールや自分の意志の力で……なんとかなりませんかね?」
百合島柊:「なんとかなりそうな攻撃については、僕がなんとかしますので」
百合島柊:「ぼくたちではなんとかならなそうなら、直ちに撤退しましょうね!」
境 結良:「わかりました。安全に配慮して調査しましょう!」
真神コルト:「そうですね。スリーマンセルとは言え、無理は禁物です」
GM:そしてきみたちは歩いて往く。守るべきこの場所を。
GM:時刻にして18時を回る、夕暮れ時を過ぎ越して。
GM:黒い街並みを照らす街灯、その一つの下に。
境 結良:「ん……?」
真神コルト:「どうしました?」
境 結良:手持ちライトを照らす。
喪服の女:二つの明かりに照らされて。それでもなお昏い服を纏った女が立っていた。
真神コルト:「……!」同行する二人より一歩前に出る。臨戦態勢だ。
境 結良:「……あのー、そこで何をしてらっしゃるんですか?」
境 結良:女に話しかけてみる。
喪服の女:「あら、こんばんは」
喪服の女:返ってくるその言葉は、背格好とは些か不釣り合いなトーン。
喪服の女:ともすれば、学校に通っている少女であるとか。そちらの方が相応しいとも思える音色。
真神コルト:(喪服の、貴婦人……。それにこの声の高さは……)
喪服の女:「見ていたんですよ。この街を。色々ね、嫌なことが多いものだから」
真神コルト:「嫌なこと、ですか?」
百合島柊:(……噂に上る、怪人の特徴に一致します)小声で話す。
喪服の女:「例えばそうね」口元に、白魚のように細い指を添えて。僅かに逡巡。
境 結良:柊さんの言葉に静かに頷きながら様子をうかがう。
喪服の女:「繋がっていない想いだとか……駄目ね、それこそ伝わらない」
喪服の女:「今のは忘れて。初対面では詩的に過ぎた」
喪服の女:「例えばそれは、隠し事」
喪服の女:「忘れ去られた思い出だとか」
喪服の女:「私が見るのはそういうもの……興味、あるかしら?」
境 結良:「やはり街の人に幻覚を見せて、恐怖させているのはあなたなんですね?」
喪服の女:「率直なのね。鋭いお方」
喪服の女:「端的に言えば、そう。結果を見れば、そういうことになるのでしょう」
真神コルト:「理由を、伺っても?」
喪服の女:「丁寧なのね。勇ましいお方」
喪服の女:「端的に言えば、そうね。実際に見たら、もしかしたら分かるかもしれないわね」
境 結良:「何……?」
境 結良:警戒する。
GM:その時ぞくりと、悪寒が走る。
百合島柊:「……来ます!」
真神コルト:「う……っ!?」
百合島柊:瞬時に携帯資材を魔眼に纏わせて、作り出すのは盾。無数に浮かぶ、小さな盾。
喪服の女:突き出した左腕。その袖口から鮮やかな光が放たれる。
百合島柊:「恐らく、見てはいけません!」小さな盾に阻まれて、照射は遮られた。
境 結良:腕で顔をガードしている。
真神コルト:光を遮るように手を目の前にかざしている。
百合島柊:「僕の粒子操作で、完全に袖口を封じ込めます。お2人は攻撃を!」
境 結良:「よしっ……!」
百合島柊:大きな外套の中から、更に粒子が排出されて。纏わりついて動きを止めた。
喪服の女:「……あらあら、困ってしまうわね」
境 結良:眼を金褐色に光らせ、喪服の女を見つめる。そして、見えない爪により左腕を傷付ける!
境 結良:相手はどこからともなく攻撃を受け不思議に思うかもしれない。
喪服の女:か細いか細い左腕は、メキャリと硬い音を立ててへし折れた。
境 結良:(脆いな……?)
真神コルト:その一瞬。その刹那。修道女の姿が一跳びに喪服の女へと迫る。
真神コルト:(まずはこの左腕を、完全に奪う……!)
喪服の女:「見えないのね、酷いお人──」拗ねるような物言いをしながら、前を向いたその先には敵が居て。
真神コルト:折れた左腕に向けて手刀を一閃。
真神コルト:手応えは……微妙だ。あるのか、ないのか、はっきりしない。だが。
真神コルト:(これで、意識を断てれば!)
真神コルト:「はぁっ!!」
真神コルト:右手に拳を作り、喪服の腹部に叩き込む。
GM:ばぎゃり
境 結良:(やったか……!?)
GM:いよいよ以て、隠しようのないほどに。弁解もまるでしようのない程に。
GM:その破壊音は硬質的であり、つまり。
喪服の女:《困ったわ》
喪服の女:《鋭いお方、勇ましいお方。上映前に機材が壊れてしまうなんて》
真神コルト:(こ、この手応えは……機械……!?)
喪服の女:ノイズ交じりに音声を吐き出す、その総身はまさしく機械仕掛け。
境 結良:「人形か!本体は……!?」
喪服の女:《これ以上、想い繋げないなんて。悲しいことだわ、泣いてしまいそう》
境 結良:辺りを見回す。
GM:では、辺りを見回した境くんが気付くものがある。
GM:それは探したものではない。見つけたかったものではない。
GM:巧妙に隠されて気付けなかったものであり、見つけられていればよかったものではあった。
喪服の女:昏いスカートの裾の下から、闇に紛れるように延びるものがあった。
喪服の女:暗闇に紛れ、蔓延ったその薄く長いものはフィルムテープ。
喪服の女:光が当たっている場においては、実に美しく目に映るもので、
百合島柊:「う……あ……」それは傍らの少年にびっしりと巻き付いて、
百合島柊:透き通った瞳に、しかと映っていた。
真神コルト:百合島さんの声で振り返る。
喪服の女:《でもまあ、一人。眩き子と》音量が徐々に縮んでいく。
真神コルト:「百合島さん!」
真神コルト:破砕音を立てて腕を引き抜く。だが、あと一手、間に合わない。
境 結良:「柊さん!?くっ……」
喪服の女:《あと、あの──。疚し──に繋げたから、今回は──としましょ─》
喪服の女:がくりと崩れ落ち、アスファルトに固い音を響かせた。
百合島柊:同時に、巻き付いていたものもほどけ落ちる。ぐらりと身体が崩れかける。
境 結良:「っ、待て!どこだ──ッ!」
境 結良:怒りに任せ叫ぶ。
真神コルト:もう一跳び。崩れ落ちる百合島さんの体を支える。
真神コルト:「百合島さん! 百合島さん! しっかりしてください!!」
百合島柊:「……そんな……ママが……」
境 結良:「クソッ……! っ!柊さん……!」
百合島柊:瞳こぼれそうなほど大きく見開いて、何やらうわ言を吐き出している。
境 結良:虚空に向け叫んでいたが、振り返り柊さんの元へ。
真神コルト:「幻覚……! 百合島さん! 私です、コルトです! 聞こえますか!?」
真神コルト:頬をぐにぐにと摘まんでみるが、反応は変わらない。
境 結良:「あの一瞬でこれほどまでに……! 救援を呼びます!」
真神コルト:「……お願いします……!」
境 結良:聞いておいた支部の他の人たちの連絡先へ通信します。
GM: 
GM:端的にその後の行く末を述べるならば、百合島柊はそう時間を置かずに回復した。
GM:そしてあの怪人は、この夜を境に姿を消した。
GM:最後に、もう一つ付け加えるならば。
GM:金崎珠美という少女が行方を眩ませたのも、この夜の出来事であったという。
GM: 
GM:シーン終了です。
GM:ロイス取得をどうぞ
真神コルト:では、境さん ●P:連帯感/N:不安
境 結良:コルトさんに◯連帯感/脅威で!
真神コルト:更に、百合島さん P:信頼/●N:悔悟
境 結良:ロイスはとりあえず以上で!
GM:OK!
GM: 

ミドル1

GM:ミドルフェイズ1 合流
GM:登場可能PC:全員登場
入栄朽葉:登場します!そーい
入栄朽葉:入栄朽葉の侵蝕率を+9(1d10->9)した
境 結良:シーン登場。境 結良の侵蝕率が+2(1D10->2)上昇 (侵蝕率:33->35)
真神コルト:真神コルトの侵蝕率を+3(1D10->3)した(侵蝕率:39->42)
GM: 
GM:このセッションのミドルフェイズでは、リサーチシーンによる進行が採用されています。
GM:これから皆さんには、こちらの判定に挑戦していただきます。

 プライズ判定
 使用技能:<情報:ウェブ>、<情報:UGN>、<情報:噂話>
 目標値 :8
 最大値 :30
 プライズ:0/6
 シーン数:0/5

GM:目標値の達成で1、達成値10で2、20で3……とプライズポイントが溜まっていきます。
GM:6まで溜まればクライマックスに到達できます。
GM:この判定は1シーンに1人一度まで挑戦でき、シーン内で最大値を叩き出した判定のみが採用されます。
GM:この判定には財産点の使用が可能です。
GM:何か、進行上の質問はありますか?
真神コルト:私は大丈夫です!
入栄朽葉:ありません~
境 結良:大丈夫です!
GM:それではさっそく判定どうぞ!
真神コルト:では情報:UGNで振ってみましょう
真神コルト:社会2、コネも使って
真神コルト:4dx>=8
DoubleCross : (4R10[10]>=8) → 10[2,3,9,10]+7[7] → 17 → 成功

真神コルト:回りおった……
入栄朽葉:おお……
GM:財産点の使用は他のPCの判定を見てからで可!
入栄朽葉:出目期待できませんが、コネ:噂話使ってやります。社会2,コネ+2
入栄朽葉:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 6[2,5,5,6] → 6

御傘つむぎ:ごめんね、大した噂用意できなくて……
真神コルト:情報源……
入栄朽葉:「いや……普段から交流図ってない私が悪いんだよ。つむぎは悪くない」
境 結良:では自分も振らせていただきます。
境 結良:オリジン:レジェンドと生き字引を使用!
境 結良:境 結良の侵蝕率が+3上昇 (侵蝕率:35->38)
GM:行け!虎!
境 結良:6DX+2+8 精神
DoubleCross : (6R10+2+8[10]) → 10[2,3,4,7,10,10]+4[1,4]+10 → 24

境 結良:精神的に調査しました。
GM:虎、最高~!
GM:というわけでプライズポイントは3/6!

メイントピック PP 0/6→3/6

GM:既に半分終わっちまったなあオイ!
GM:それでは明かされる情報はこれだ!

 プライズポイント2:まぼろしの正体
 喪服の女の手によって、直接幻影を見せられた百合島柊の証言により判明。
 彼が見せられたのは4年前……家族も友人も奪われた<崩落戦>その日に目にした光景である。
 これを基に推測するに、かの幻影は被害者が過去に目の当たりにした忘れたいような記憶を正確に再生したものだ。
 他の証言も加えるならば、この再生は忘却処理された記憶にも届く。

GM:ここで大N市独自ワードの紹介をするよ!

  <崩落戦>
 4年前、N市で同時多発的に発生した、7つのセルによる大規模テロ。
 エージェント及び一般市民の被害総数は現在も算出できておらず、UGNの情報統制によって“震災被害”として扱われている。
 N市の支部が今の13支部制となった契機の事件でもある。

GM:ということが分かった!
GM:そしてこのシーンは……きみたち3人が合流する場面でもあるのだ!
GM: 
GM: N市 第9支部 会議室
GM:喪服の女は姿を消した。しかし未だに心残りはある。解決すべき問題がある。
GM:少女、金崎珠美の失踪とこの一連の怪事件に関与が疑われる……故に君たちはここへ集まった。
小子内渚:「……というわけで、実戦力として。これから動くのはこの4人となります」
小子内渚:「改めまして、第9支部医療エージェント。"ケ・ヴォイ"、小子内渚です。よろしくおねがいします」
入栄朽葉:「……」 こくりと、無言で首肯。緊張した面持ちで、ほぼ初めて踏み入れた支部に落ち着きがなさそうにしている。
真神コルト:「改めまして。"ジャガーノート"真神コルトです。えっと、小子内さんは確か、医務室の担当では……?」
境 結良:「境 結良です。よろしくお願いします」
境 結良:『ヴォイジャーリサーチ 境 結良』と書かれた名刺を一応渡しておく。
小子内渚:「そうですね。私に戦う力はありません」白衣の女は名刺を受け取りつつ、あっさりと肯定した。
入栄朽葉:「……入栄、朽葉です。登録は“大きなお口”(オールカインドイート)だったと記憶しています。UGNから呼び出しを受けるのは初めてですが……よろしくおねがいします」
入栄朽葉:UGNから初めてとも言える呼び出しを受けた上、内容が内容。動揺を隠しきれていない。
小子内渚:「はい、よろしくおねがいします」微笑みながら、穏やかな香りのするハーブティーを淹れる。
境 結良:「あの……柊さんは、大丈夫だったんでしょうか?」
小子内渚:「ええ、問題なく」
真神コルト:「回復した……とは伺ってますけど。後遺症とかは……?」
小子内渚:「私の仕事と適性は戦うことではありませんが、そのサポートは出来ます。今回は出来ました」
小子内渚:「柊くんの治療に効果を出せたから、今回出動することになったわけですね」
真神コルト:効果を出せた、と聞いてほっと胸を撫でおろす。
小子内渚:「後遺症も残さず、即座に。喪服の女が齎す現象に対抗できますから」
小子内渚:「……ほんと、戦いは無理なんですがね」
小子内渚:弱気な言葉を封じるようにハーブティーを啜る。聞いての通りしっかり漏れてるが。
境 結良:「すごい……!渚さんはとても優秀な方なんですね!人を治す、医療という行為において……!いやぁ、すごいなぁ……!」
境 結良:自分のことのように喜んでいる。
真神コルト:「境さんのおっしゃる通りですよ。私だって何度お世話になったか……」インク塗れにされたり、ワイバーンにやられたり。
小子内渚:「……それはその、ありがとうございます」若干面食らいながら。
小子内渚:「ですが、はい。レネゲイドの力は戦うためのものではないとも思っています」
小子内渚:「少なくとも、私たちの場合は抗うために使うものですね、ええ」
入栄朽葉:「……抗う、ですか」 聴こえるか聴こえないか、程度の声で呟く。
入栄朽葉:「その……すみません。私には良く話が見えてないのですが」
入栄朽葉:「小子内さん。珠美の……私の友人の失踪に、レネゲイドが関係しているんですか」
小子内渚:「……恐らくは」
真神コルト:「……何か根拠や痕跡でも見つかったんでしょうか?」
入栄朽葉:「そう、ですか」 小さく、息を吐いて。
境 結良:「同じタイミングなんですよね。喪服の女が消えたのと、朽葉さんのご友人がいなくなったのが……」
小子内渚:「そして彼女の家の近くにて、喪服の女が力を使った痕跡が発見されました」
入栄朽葉:「……!!!」 傍から見てわかるほど、表情を引き攣らせる。が、言葉は挟まず、続きを待つ。
小子内渚:「事件に巻き込まれたものとして、私たちは調査を進めています」
小子内渚:「……それから」彼女の目を静かに、しっかりと見つめながら言葉を続ける。
小子内渚:「被害者の一人、柊くんの証言と治療過程から、敵方が齎す影響について判明しました」
小子内渚:簡潔に分かるように整えられた資料を、部屋の大型モニターに映し出す。
入栄朽葉:先程より明らかに強い意志を持った目で、モニターを見つめる。
小子内渚:「被害を受けた場合に見せられるものは、過去に目の当たりにした最悪の光景であると」
小子内渚:「……私は判断しました」
真神コルト:(ママ、って言ってた……)
真神コルト:それを想像して、表情を歪ませる。
小子内渚:「……あれは、過去を思い出すのとは違うものです。写し取った映像記録のように、鮮明に」
小子内渚:「一切の誤魔化しを挟まずに、ありのままの姿を直接叩きつけるものでした」
小子内渚:「……まあ、柊くんは既に出撃させろと元気いっぱいなんですが」
入栄朽葉:想像する。自分にとって「最悪」を見せられた時の自分を。ありのままの記録を叩き付けられて、果たして正気でいられるか。
境 結良:「……許せません」
境 結良:「人が、乗り越えてきたものを、嫌がらせのように……」
境 結良:静かに怒る。
入栄朽葉:珠美は? 『喪服の女』が力を使ったと言っていた。もし彼女が、彼女の中の「最悪」を見せられていたのなら──彼女は?
入栄朽葉:「珠美も、その「最悪」を見せられた可能性がある……ということですか」
小子内渚:「はい。そしてその場合の問題が1つ」
小子内渚:「では、どうして彼女は姿を眩ませたのかということです」
入栄朽葉:「正気を失って、彷徨っている……のであれば、いいんですけどね」
入栄朽葉:流石に日本の警察はそこまでザルではないだろう、と分かっていながら。
小子内渚:「……過去を暴く、記録を覗く」
小子内渚:「保護するための行いでも、こんなに心が重いのに」
小子内渚:「つくづく度し難いものですよ。私たちの敵は」
小子内渚:「……行き先を把握するためにも、金崎珠美さんの背景について調べる必要があります」
入栄朽葉:「正直言って、私は……彼女について、深くは知りません。大事な、友人ですが」
入栄朽葉:「珠美が巻き込まれているとしても、私は未熟です。オーヴァードとしてあまり力になれないかもしれない」
小子内渚:「………」
入栄朽葉:「期待はしないで下さい。頼りにもしないで下さい。ですが、不躾ですが、お願いです」
入栄朽葉:「もし、珠美が巻き込まれているとするなら、助けたい。どうか、力を貸してください」
入栄朽葉:段々と早口に、熱意を込めて。自分の力不足を嘆くよりも、やらなければならないことがあると信じて、頭を下げる。
境 結良:「わかりました!」
真神コルト:「……未熟であるとか。力になれないとか。それを言ってしまうと、私はパンチしか出来ないんですよね」苦笑しながら。
真神コルト:「でも。私は、この破壊と暴力が何かを救えると信じて、戦うことに決めました」
真神コルト:「……きっと。貴方にとって。今がその時なのかもしれません」
真神コルト:『天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある』
真神コルト:『生まるる時。死ぬる時。愛する時。憎む時』
真神コルト:「──そして、戦う時」
真神コルト:「私と境さんもいます。やれるだけ、やりましょう」
入栄朽葉:「……はい!」 力強く、頷く。
境 結良:「そうですね」
境 結良:「何かあったら、僕たちをすぐに頼ってください。助けますから!」
境 結良:「手伝いますよ。朽葉さんの友達を探すの。オーヴァードだからじゃなく、一人の人間として!」
入栄朽葉:「人間として……」
入栄朽葉:オーヴァードは信用できない。そう信じて生きてきた。信用できるオーヴァードになど逢ったことがなかったから。
入栄朽葉:だが、この人達なら──信じていいかも、しれないと。
入栄朽葉:「ありがとうございます。とても、心強いです」
入栄朽葉:信じたい、と。自分も誠意ある言葉で、応える。
真神コルト:「異能を持ったとしても、私たちの全てが変わってしまったわけではありません」
真神コルト:「覚醒するまでの自分と、覚醒してからの自分は、きっと繋がっています」
真神コルト:「ですから。繋がりを辿って、帰ってきましょうね」
入栄朽葉:「友人として、必ず、彼女を見つけます。辿り着きます。それまで……たくさん、助けていただくと思います」
入栄朽葉:「教えて下さい、小子内さん。私は、どうすればいいですか。どうすれば、彼女に辿り着けますか」
小子内渚:少女の瞳をじっと見つめる。
小子内渚:不安と恐怖を湛えたその瞳は、それでも立ち向かうと決めた者の顔つきに。
小子内渚:「それでは一緒に、彼女らの足跡を辿りましょうか」
小子内渚:「何処へ行ったのか、ではなく。何処から来たのか」
入栄朽葉:無言で首肯する。先程とは違う、決意を込めた瞳で。
小子内渚:「……彼女が繋げられた過去を、見つけなければなりません」
GM: 
GM:シーン終了です。
GM:購入判定とロイス取得をどうぞ。
境 結良:朽葉さんに◯感服/不安で取ります。
真神コルト:ロイス取得、入栄さん ●P:尽力/N:憐憫
入栄朽葉:ロイス取得→真神さん ○信頼/劣等感    境さん ○誠意/疎外感 で取ります
入栄朽葉:ボデマチャレンジ! 2dx>=12
入栄朽葉:2dx>12
DoubleCross : (2R10[10]>12) → 7[5,7] → 7 → 失敗

入栄朽葉:失敗! お買い物ならず
真神コルト:では私もボデマチャレンジ
真神コルト:2dx+2>=12
DoubleCross : (2R10+2[10]>=12) → 6[3,6]+2 → 8 → 失敗

真神コルト:だめですね~
境 結良:5DX+1 調達 手配師
DoubleCross : (5R10+1[10]) → 10[1,1,2,3,10]+10[10]+6[6]+1 → 27

GM:やる~
境 結良:入手したUGNボディアーマーを朽葉さんに譲渡!で以上です。
GM:OK!
GM: 

ミドル2

GM:ミドルフェイズ2
GM:登場可能PC:全員任意
GM:登場侵食をどうぞ。
真神コルト:真神コルトの侵蝕率を+1(1D10->1)した(侵蝕率:42->43)
境 結良:シーン登場。境 結良の侵蝕率が+10(1D10->10)上昇 (侵蝕率:38->48)
入栄朽葉:入栄朽葉の侵蝕率を+1(1d10->1)した
GM
GM:此度も続いてリサーチシーン!

 プライズ判定
 使用技能:<情報:ウェブ>、<情報:UGN>、<情報:噂話>
 目標値 :8
 最大値 :30
 プライズ:3/6
 シーン数:1/5

GM:というわけで達成値20出せば即クライマックス突入だ!
GM:頑張れ~!
入栄朽葉:初回と同じく、コネは噂好きの友人! 情報:噂話を振ります。
真神コルト:とりあえず振るだけ振る! 情報:UGNwithコネ
入栄朽葉:4dx
DoubleCross : (4R10[10]) → 10[2,5,5,10]+3[3] → 13

真神コルト:4dx>=8
DoubleCross : (4R10[10]>=8) → 7[2,4,5,7] → 7 → 失敗

境 結良:再びオリジン:レジェンドと生き字引を使用!
境 結良:境 結良の侵蝕率が+3上昇 (侵蝕率:48->51)
境 結良:6DX+2+8 精神
DoubleCross : (6R10+2+8[10]) → 8[3,3,5,6,8,8]+10 → 18

入栄朽葉:惜しい……!
GM:フォーフォフォフォ
境 結良:財産点使えましたっけ?
GM:達成値が2点足りないようですねェ~
GM:財産点が2点残っていれば話は別ですが……
境 結良:では財産点を消費して成功させます!
真神コルト:金の……力!
入栄朽葉:大人のパワーだ……
GM:ギョボッギャァアアア!

メイントピック PP 3/6→6/6

GM:というわけでリサーチシーン終了です!おめでとうございます!
真神コルト:境さんカッコイイ!
GM:というわけで、情報公開!
入栄朽葉:華麗なリサーチ力、流石は調査会社経営……

  プライズポイント4:喪服の女の正体
 調査により回収された機体は、既に壊滅した研究型FHセル『シー・ノー・イーヴル』の製作物と判明した。
 高度な技術を無軌道に運用する技術者集団であったが、UGNとの戦闘でセルリーダーを失い、残党は離散している。
 この機体について判明したことは、オルクス能力者が端末として運用するため特別にチューンアップしたということ。
 そして境、真神、百合島との交戦記録と一致しない損壊があったことだ。
 即ち、それ以前にUGNとの面識を持たない第三者との戦闘が起きていた可能性が高い。

  プライズポイント6:金崎珠美の正体
 UGNの情報に於いて唯一挙がった金崎珠美の情報は崩落戦についての報告であった。
 曰く、戦禍に巻き込まれながらも無傷で発見されたという。
 恐らく彼女は4年前の時点で覚醒しており、誰にも知られないまま日常を過ごしてきた。
 そして今回、当時の情景を思い出させられて改めて覚醒、現在は暴走状態にあると思われる。

GM: 
GM: 第9地区 ファミレスチェーン店 隅っこの方に団体様4名ご案内
GM: 
GM:その後、きみ達は手分けして情報収集を行った。
GM:そして何名かは進展があったので、その成果を披露しに再び集まったのだ。
小子内渚:「好きに注文してくださいね。今後の活動に支障のない範囲で」
小子内渚:ホットコーヒーを一杯だけ頼んだ。なおこれらは経費で落ちる。
入栄朽葉:「すみません、会議室の予定だったのに、無理を言ってしまって」 言いつつ、メニューを目を皿にして見ている
小子内渚:「良いんですよ。落ち着かないでしょうから」
入栄朽葉:「その……体質のせいか、やたらとお腹が空くんですよ」 少し恥ずかしそうに。
真神コルト:ドリンクバーの紅茶とミルクジェラートを一つ。控えめに。
境 結良:ドドドド……店の外から低く唸るエンジンの音がする。少し遅れて、バイクに乗ってきた結良も合流する。
境 結良:「すみません。遅れました」
小子内渚:「いえいえお疲れ様です。好きなもの頼んでくださいね」
入栄朽葉:暫く遠慮と逡巡と空腹の間でせめぎ合った後、「マルゲリータピザ、カルボナーラ、ミラノ風ドリア……それから、ええと、」 言って、その辺りで自重する。
境 結良:「はい。ありがとうございます」
境 結良:と言いながらも無料の水を飲む。
真神コルト:(健啖家なのかな……?)
小子内渚:(両極端ですね……)
小子内渚:「……では、まずは真神さんからお話を伺いましょう」
小子内渚:「境さん、今来たばかりですからね」
境 結良:「珠美さんのこと、ですね?」
真神コルト:「はい。失踪と言うことで、UGNのデータベースに当たってみました」
入栄朽葉:ぴたり、と。食べるのを止める。頬張っていたドリアを嚥下して、続きを待つ。
真神コルト:「……結果。4年前の"震災"に関するトピックに、彼女の名前が見つかりました」
真神コルト:公共の場なので、言葉を選びながら。
真神コルト:「彼女は当時、その"災害"に巻き込まれながらも、無傷で発見、保護されたそうです」
真神コルト:「これはトピックに付記されていた事項ですが……」
真神コルト:「おそらく、その時点で"目覚めて"いたのではないかと」
小子内渚:「……もしも負傷者か覚醒者であったなら、当時の私が見知っていた可能性もあったんですがね」
真神コルト:「もしかすると、金崎さんは……そのことに気付かずに過ごしてきた」
真神コルト:「そして、あの喪服の女に幻覚を見せられて、そのことを思い出してしまったのではないでしょうか」
入栄朽葉:「珠美が……」 オーヴァードかもしれない。という言葉は、口に出さずに飲み込んで。
GM:ある種のオーヴァードは《無面目》と言うように、オーヴァードである事を隠す能力を持ちうる。
真神コルト:「で、あれば、失踪も……"暴走"という形で説明がつきます」
GM:そうでなくとも、4年前にこの街が負った傷は膨大だ。捜査の網に引っかからなかった案件は今でも数多い。
小子内渚:「自分が覚醒した時の記憶を失う、という事例は散見します」
入栄朽葉:「私の知る限り……彼女が、“そう”である素振りを見せたことはありません」
入栄朽葉:「仮に、目覚めていたのだとしたら、本当に知らなかったんだと思います」
入栄朽葉:そのまま、知らずに生きていられたらどれだけ幸せだっただろう。と、友人を憂う。
小子内渚:「……そういったケースの原因として、最も多いのは心に受けたショックです」
小子内渚:「恐ろしい想いをした、大きな怪我を負った。それによって覚醒した時の記憶を忘れてしまうことが」
小子内渚:「そしてあの喪服の女は、そういったものを呼び起こす力を持っていました」
入栄朽葉:「珠美は、全部忘れてしまっていたのに……思い出してしまったんですね」
入栄朽葉:「私は、できるだけ学友たちを当たって、珠美について知っていることを調べたんですが」
入栄朽葉:「その……いなくなった、という話以外は、何も。データベースがあることすらも知らなくて……」
入栄朽葉:自身の不甲斐なさに、きゅっと唇を噛む。
入栄朽葉:想いだけでは届かない。すり抜けるように日常から零れ落ちていった友人の行方が、何も掴めない。
真神コルト:「ま、まあまあ……私も支部に出入りするようになってから、そういうの知りましたし……」
境 結良:「あまり気にしないでください。専門家の僕たちでも、情報を引き出すのが難しいときもありますし……」
小子内渚:「超人だなんだと言ったところで、1人で出来ることってたかが知れていますからね」
小子内渚:「だから私たちはこうしてチームで動いています……境さんは何を掴んできましたか?」
境 結良:「はい。珠美さんを襲った喪服の女のことですが、これを」
境 結良:持っていた封筒から書類を取り出す。その中には、あの機体の設計図のようなものも混じっている。
境 結良:「これは、あの機体を制作したFHセル『シー・ノー・イーヴル』についての資料です」
真神コルト:「ファルスハーツ製、ですか……」
小子内渚:「……ああ、あの研究系セルですね」眉を顰める。
境 結良:「ええ、現在は壊滅したようですが……」
入栄朽葉:無言で聞いている。ファルツハーツ。否応なく、腹が疼く。
境 結良:「やはり、オルクスシンドロームのオーヴァードが遠隔操作できる仕組みになっているようです」
小子内渚:「私も詳しくはありませんが……町工場のリーダーの元へ集まったエンジニアたちに由来していたとか」
真神コルト:(あれ、思ったよりも下町っぽい……?)
境 結良:「技術の後始末はしっかりしてほしいものですね」
小子内渚:「自由気儘にレネゲイドアイテムを開発する技術者と、それらを使わせるために拾ったチルドレンなどが主な構成員だったとか」
小子内渚:「……おそらく彼女はチルドレン、ですかね」
小子内渚:「カリスマでまとめ上げていたリーダーが数年前に倒れ、そのまま離散した構成員の一人といったところでしょう」
小子内渚:「UGNで保護された子も居ますが、在野や他セルに吸収された者も多いようですからね」
入栄朽葉:「なるほど……」 身柄をUGNに移された身として、複雑な思いでいる。
境 結良:「自由に技術を研究するというセルの気質と、今回の事件は噛み合わないと思っていましたが、被験者のチルドレンの犯行なら合点もいきますね」
小子内渚:「彼女の言葉の意味や動機は不明……恐らくは相互理解不可能のもの」
小子内渚:「追跡する必要はもちろんあります。ですが……」
小子内渚:「このチームの目的は、ジャームの討伐ではありません」
小子内渚:カップを机の上に置いて、はっきりと言い切る。
境 結良:「“真実”……」
境 結良:「僕は、理解は出来なくても、理由が知りたいですね」
入栄朽葉:「私は……珠美の保護を最優先に、したいです」
入栄朽葉:「珠美のような被害者が他にも増えるのを止めたい、とも思いますが……」
真神コルト:「元々請け負ったお仕事は、幻覚事件の調査と解決でした」
真神コルト:「喪服の女は壊しましたが、それに絡んで失踪した人がいるのなら」
入栄朽葉:自分にその力があるのか分からない。なので、言い淀む。
真神コルト:「その人を見つけ出す。元凶が残っているなら、それもどうにかする」
真神コルト:「そこまでやって、解決と言えるんじゃないでしょうか」
境 結良:「……あの人形には、僕らのもの以外の戦闘の傷が確認されたようです」
境 結良:「事件を追っていれば、もしかしたら珠美さんも……」
入栄朽葉:「珠美は、少し前から様子が変でした。もしこの件が関わっているなら、追ってみたいと、そう思います」
小子内渚:「……強気な発言は嫌いではありません。理想が高いのを悪いとも言いません」
小子内渚:「私が意気地なしである、というのも前提には置いていただきますが」
小子内渚:「無理はしないでくださいよ?誰かを助けたいならば、事件の後も寄り添わないといけないですから」
小子内渚:「見送る側って、本当に辛いんですからね」
入栄朽葉:「……肝に、命じておきます」
GM:……というような会話をしている内に、小子内が持つ端末へ連絡が入った。
小子内渚:「……金崎珠美さんの過去を基に動いていた調査班が、彼女を発見したそうです」
入栄朽葉:「……ッ!!!」 がたっ! と、音を立てて衝動的に立ち上がる。
入栄朽葉:冷静になって、座り直す。「彼女は……無事、なんですか?」
小子内渚:「……彼女に外傷は発見されず、ですが彼女には黒い帯のようなものが巻き付いており……」
小子内渚:「声を掛けようとしたエージェントが、接近しただけで倒れたとのことです」
真神コルト:「……百合島さんと同じ、ですか」カップを持つ手に力が入り、ミシ、と音を立てる。
小子内渚:「場所は震災復興記念公園……4年前に彼女が発見された一帯」
小子内渚:「──恐らくは彼女が覚醒した場所です」
入栄朽葉:「(珠美……どうか、無事で)」
真神コルト:「行きましょう。……これ以上、誰かが傷つく前に」
GM: 
GM:シーン終了です。
GM:購入判定とロイス取得をどうぞ
真神コルト:ロイスは保留。
入栄朽葉:ロイスは保留です
境 結良:ロイス保留で応急手当キット挑戦します。
境 結良:2DX+1 購入
DoubleCross : (2R10+1[10]) → 9[3,9]+1 → 10

入栄朽葉:同じく応急手当キット挑戦します
入栄朽葉:2dx
DoubleCross : (2R10[10]) → 9[2,9] → 9

真神コルト:ブルーゲイルチャレンジ
真神コルト:2dx+2>=20
DoubleCross : (2R10+2[10]>=20) → 6[2,6]+2 → 8 → 失敗

真神コルト:全然だめですね!
GM: 

クライマックス

GM:クライマックス
GM:全員登場
GM:登場侵食をどうぞ。
真神コルト:真神コルトの侵蝕率を+8(1D10->8)した(侵蝕率:43->51)
境 結良:シーン登場。境 結良の侵蝕率が+4(1D10->4)上昇 (侵蝕率:51->55)
入栄朽葉:入栄朽葉の侵蝕率を+6(1d10->6)した
GM: 
GM: 震災復興記念公園 慰霊碑
GM:芝生の上に夜風吹く、広い、その起源を思えば空恐ろしいぐらい広い公園にて。
GM:失われた多くのものを悼むモニュメントの前に、一人の少女が立っていた。
金崎珠美:「……」石碑に手を置き、瞳を閉じている。
入栄朽葉:見間違うはずもない、探していた友人の姿がそこにあるのに。
入栄朽葉:声を掛けることを、躊躇ってしまった。
入栄朽葉:意を決して、一歩。更に一歩。近付いていく。
金崎珠美:「……朽葉」
入栄朽葉:「……珠美」
金崎珠美:友人の方を振り向かぬまま、背中越しに声を掛ける。
金崎珠美:「ぼくはさ、朽葉になんて言えばいいのか分からないんだよね」
金崎珠美:「こんばんは、なのか。久しぶり、で良いのか。それとも……」
金崎珠美:「はじめまして、の方が正しいんじゃないのか、なんてね」
入栄朽葉:背中を冷たいものが奔る。
入栄朽葉:目の前にいるこの少女は、自分が友人だと認識している少女は、もう「そうではない」のかもしれない、と。
入栄朽葉:それでも。
入栄朽葉:「……珠美。随分、探したよ。もう、帰ろう」
金崎珠美:「帰る……それも少し、分からないんだよね」
金崎珠美:「ここに来るのが正しいんじゃないかって、今は思えるんだ」
入栄朽葉:何を言っているのか分からない。彼女の言葉の意味が理解できない。
入栄朽葉:「あなた──一体、『何』を見せられたの?」
金崎珠美:ゆっくりと、きみの方へと振り返る。
金崎珠美:その身には無数の黒い帯が、昏い輝きを収めたフィルムテープが巻き付いており。
金崎珠美:瞳、爛々と輝いている。どこか遠くを見るように。
金崎珠美:「金崎珠美が、死ぬところ」
GM:情報開示:金崎珠美のDロイスは【転生者】である。
GM:彼女は人の"記憶"という形で意識を得たレネゲイドビーイングである。
入栄朽葉:全身が粟立つ。総毛立つ。明らかに、「見てはいけない」ものを目にした、本能的な拒否感。
金崎珠美:「ぼくはぼくじゃなかったんだ。ずっと忘れていたんだけどね」
入栄朽葉:「何を、言って……」
金崎珠美:「ぼくはさ、人間じゃなかったんだ。死んだ金崎珠美のかたちを取っていただけの、何かだったんだよ」
入栄朽葉:理解が追い付かない。だが、思考を必死で巡らせる。
金崎珠美:「4年前に彼女は死んで、彼女を殺した何かも死んで、みんな死んだことさえ忘れて、のうのうと生きてきたんだ」
金崎珠美:顔が歪む。偽りの人生を歩んできた自分を嘲笑う。
金崎珠美:口だけ笑って、涙を零す。
入栄朽葉:言葉を探す。彼女の言う通りなら、では、高校で出来た友人である、彼女は。
入栄朽葉:最初から。出会った時から、偽りだったと言うのか。
入栄朽葉:「珠美は、珠美でしょう」 声を、絞り出す。
入栄朽葉:「おから揚げ。珠美は、そんな好きじゃないって言うけど。唐揚げと比較すれば、そうかもしれないけれど」
入栄朽葉:「あれはあれで、美味しいじゃない。あの味が、私は好きなの」
入栄朽葉:「私にとって……金崎珠美は、あなただけよ」
金崎珠美:「……朽葉」
入栄朽葉:「私の、大事な友達であることに。偽物も、人間じゃないことも。関係ない」
入栄朽葉:必死で。彼女のありあまる絶望を、どうにか埋めたくて。
入栄朽葉:「珠美、一緒に帰ろう。また、一緒にお弁当、食べよう」
入栄朽葉:手を伸ばす。あと、数歩で。手が届く。
金崎珠美:「朽葉は……」
GM:カラカラと音が鳴る。夜の公園に音が響く。
GM:それはリールの回る音か、あるいは誰かを嘲笑う声か。
喪服の女:「やっぱり、私は間違っていなかったのね。素敵だわ」
入栄朽葉:「だ、誰……ッ?!」
喪服の女:「これが絆を結ぶということ。なんて素敵な光景なのでしょう」カツカツとハイヒール鳴らして近づいてくる。
喪服の女:「教えてくれる人はいたけれど、それは私のものではなかったもの」
喪服の女:「やっぱり、この方法で良かったのね。失われた想い、再生して。元通りにして」
喪服の女:「……貴女にも、してあげないとね」
喪服の女:その視線の先には、入栄朽葉の姿。
入栄朽葉:「……えっ?」
喪服の女:「ヒトの記憶は不完全、想い薄れて、擦り減ってしまう」
喪服の女:「だから私が紡いで、繋げて──」
真神コルト:「生憎ですが」
真神コルト:一陣の風が通り過ぎる。その後に……
真神コルト:「そう思い通りには、させません」
真神コルト:入栄さんと金崎さんを背に、修道女の姿がある。
境 結良:「あなたが手を出す必要はありませんよ」
境 結良:喪服の女に毅然と応じる。
喪服の女:「あら、お久しぶりが2人に初めましてがお1人ね」
小子内渚:「……」距離の離れた位置に、1人立つ。
入栄朽葉:「この人が……『元凶』ですか?」
入栄朽葉:頼れる“オーヴァード”の存在を感じ、呆けた意識を再び張り詰めさせながら問う。
真神コルト:「いえ、これは先ほど境さんが見せてくれた図面の機械です。一度叩き壊したんですが……」
喪服の女:「いえ、合っているわよ。元凶呼ばわりは心外だけれど」
喪服の女:「あの機材、一つしかないものだから。こうして直接やって来たの」
境 結良:「……何故、過去に囚われるんです?」
境 結良:神妙な面持ちで尋ねる。
喪服の女:「ふふ、私は今を生きているつもりよ。あなた達と違ってね」
喪服の女:「私にあるのはただ機能、記憶を読むこと、記録を読み上げること」
"メモリア・ループ":「シー・ノー・イーヴルの"メモリア・ループ"に与えられた力は、それだけ」
"メモリア・ループ":「……でもね、私はある人に生き甲斐を貰ったの」
"メモリア・ループ":「だからこれは試運転。これで合っているかの試行錯誤」
"メモリア・ループ":「ヒトは過去に囚われる、覚えることもままならないのに。良い言葉を貰ったわ」
"メモリア・ループ":「お礼にあなたにも、見せてあげようかしら」
小子内渚:「……皆さん」
小子内渚:「超高濃度の、爆発的なレネゲイド高揚が……その……」
小子内渚:その声、僅かに震えを帯びている。
小子内渚:その瞳、向けた先は黒衣の女ではなく。
金崎珠美:「朽葉はさ」
金崎珠美:「怖がって、逃げてくれないんだね」
入栄朽葉:小子内さんの言葉に導かれるように、珠美を、見る。
入栄朽葉:「……どうして。逃げる必要なんて、ないでしょう」
金崎珠美:「さっき声を掛けようとした……スーツの人は」倒れたエージェントのことを指している。
金崎珠美:「すぐにボロボロになって、倒れちゃったんだけどね」
嘆きの乙女:それは静かに浮かび上がった。
嘆きの乙女:金崎珠美の頭上に。何の音も気配もなく。
入栄朽葉:「な……に……?」
嘆きの乙女:例えばそれは幽霊のように、不意に現れて。
金崎珠美:「……たぶん、こっちが本当なんだ」
嘆きの乙女:一瞬ノイズが走るように震えて。ただ、それだけで。
嘆きの乙女:《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《鮮血の鎖》《ブラッドウェブ》《ハザードコール》
"メモリア・ループ":「あ、アァァアアアア!」全身から血を流し、肉体は砕けて、ボロボロになる。
金崎珠美:「だって、そうだもの。オバケだからね」
金崎珠美:「こうして一緒に居るだけで、人が死ぬんだ。そういうものなんだよ」
入栄朽葉:先程まで喋っていたものが。血みどろの肉塊になるのを目の当たりにして。
入栄朽葉:それをいとも容易く行ったのが、自らの友人である事実に愕然として。
入栄朽葉:それでも、それでも──
入栄朽葉:「私は、死なない」
入栄朽葉:微かに震える声。そんな保証がどこにあるものか。
入栄朽葉:「私は死なないよ、珠美……」
金崎珠美:顔を伏せる。その身体に巻き付いたフィルムは、未だ光を失わない。
GM:情報開示:Eロイス【ファイトクラブ】
GM:掘り起こされたメモリーにより、彼女を構成する情報子の一部がジャームとして顕現している。
GM:撃破により、彼女を日常の世界へ帰還させることが可能である。
真神コルト:一跳びして距離を取る。
真神コルト:「小子内さん。安全な距離まで下がって、支部に状況の報告をお願いします」
真神コルト:そうして、金崎さんの方に向き直り。
真神コルト:「……貴方がそうなった経緯には、思う所がなくもないのですが」
真神コルト:「まずは、大人しくしてもらいます……!」
真神コルト:構えを取る。
小子内渚:「……失礼、情けないところを見せてしまいましたが」
小子内渚:「それでも、ええ。私も肉体と精神を治す能力者ですので」
小子内渚:「多少荒っぽくやってしまっても、問題はないとだけ言っておきます」
小子内渚:「……では、頼みます」それだけ残して撤退した。
境 結良:RC能力の高さゆえ、まだ珠美の存在の一部だけがジャーム化していることを感じ取る。
境 結良:「まだ、希望はあります。あれは珠美さんの歪みです。あれさえ断ち切れば……!」
金崎珠美:「……断ち切るなんて、どうやるのさ。これがぼくなんだ」
金崎珠美:「ハサミでもなんでも、持ってるって言うの?」
境 結良:「ありますよ」
境 結良:「僕たちは、『心に牙を持つ者』ですからね」
境 結良:笑顔で応える。
金崎珠美:「……あなたも、あの女の人も強いんだね」
金崎珠美:「ぼくはこんなに、怖いのに」
嘆きの乙女:頭上の怪異が拡大変容を遂げる。
嘆きの乙女:白い人魂か、赤い魂の実体化のようなそれは泡立つように膨れ上がり。
嘆きの乙女:強烈なレネゲイドの奔流を、しかして静かに与えてくる。
GM:難易度9の衝動判定です。
GM:意志で判定して失敗したら暴走。
GM:成否にかかわらず侵蝕率+2d10だ!
境 結良:5DX+2 意志
DoubleCross : (5R10+2[10]) → 10[6,6,6,9,10]+9[9]+2 → 21

入栄朽葉:2dx+1 衝動判定
DoubleCross : (2R10+1[10]) → 5[4,5]+1 → 6

真神コルト:1dx+1>=9
DoubleCross : (1R10+1[10]>=9) → 1[1]+1 → 2 → ファンブル

真神コルト:真神コルトの侵蝕率を+9(2d10->6,3)した(侵蝕率:51->60)
入栄朽葉:2d10+59
DoubleCross : (2D10+59) → 7[4,3]+59 → 66

境 結良:2D10 侵蝕率
DoubleCross : (2D10) → 18[9,9] → 18

真神コルト:暴走!
境 結良:境 結良の侵蝕率が+18上昇 (侵蝕率:55->73)
GM:それではエンゲージ状況を説明します。

(嘆きの乙女[10])
  (10m)
(境[7] 入栄[6] 真神[3])
[]内は行動値


GM:それではセットアッププロセス。
真神コルト:ありません!
境 結良:セットアップなし!
入栄朽葉:ありません!
嘆きの乙女:【いなくなって】《レネゲイドキラー》
嘆きの乙女:対象は嘆きの乙女以外全員。このラウンド中、エフェクトを1種使うたびに8点のHPを失います。
嘆きの乙女:この効果はリザレクトにも適用されます。
真神コルト:ちょっとォ!?
入栄朽葉:無限ループって怖くね?
嘆きの乙女:侵蝕率が低いからちょうどいいよね
嘆きの乙女:ぶぶ、と虚ろで巨きなその姿がブれるように動くと共に。
嘆きの乙女:周囲の全てのオーヴァードに、背筋の凍るような悪寒が走る。
GM:イニシアチブプロセス!
GM:嘆きの乙女の手番!
嘆きの乙女:マイナーアクションで《オリジン:ヒューマン》
嘆きの乙女:シーン中のエフェクトを使用した判定達成値を強化します。
嘆きの乙女:メジャーで【こっちへ来ないで】《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《血の宴》《鮮血の鎖》《ブラッドウェブ》《ハザードコール》
嘆きの乙女:対象は範囲選択でPC全員。
嘆きの乙女:命中すると、侵蝕率+10。更に次判定のクリティカル値+1。ラウンド中に戦闘移動、全力移動、ドッジのたびHPダメージ12点。
嘆きの乙女:7dx7+10 死ね!
DoubleCross : (7R10+10[7]) → 10[3,5,6,7,9,9,10]+10[3,4,5,7]+10[7]+10[7]+10[10]+1[1]+10 → 61

真神コルト:リア不!
入栄朽葉:リア不!
境 結良:リア不!
嘆きの乙女:OK!それでは直ちに侵蝕率+10したまえ!
境 結良:境 結良の侵蝕率が+10上昇 (侵蝕率:73->83)
嘆きの乙女:テキセにおいてはいくつに上昇したかもしっかり書き残すのが大事だぜ!
真神コルト:侵蝕率60->70に。
入栄朽葉:侵蝕率66→76です
GM:OK!
金崎珠美:「もう、嫌なんだよ」再び顔を伏せて、ぽつりと囁くように。
金崎珠美:「見たくないんだよ、来ないでよ」
嘆きの乙女:例えば怨念というものを、人が感じ取れたなら。
嘆きの乙女:あなた達を襲うのはそれだ。息を吸うだけで身体が重くなる。息を吐くだけでその身が凍り付く。
嘆きの乙女:恐怖、嫌悪、不快感。それらがきみ達の全身を支配する。
嘆きの乙女:力を使えば、それ以上に拒絶されるだろう。
入栄朽葉:明確に、敵意を向けられたのはいつぶりだろう。それを、ましてや友人から、など。
入栄朽葉:生温い日常に浸り続けていた自分に、その苦痛は、あまりにも酷だった。
入栄朽葉:それでも、死なないと告げたのだ。
入栄朽葉:「……う、ぐ……」苦痛を、声を押し殺して、耐える。
真神コルト:レネゲイドのコントロールが狂う。無理矢理に励起され、一方で、力を入れようとすると全身を悪寒が貫く。
真神コルト:(こ……れは……。良くない、ですね……!)
真神コルト:だが、それを口にはしない。おそらく初めての戦いであろう入栄さんを、不安がらせてはいけないから。
真神コルト:ただ耐える。幸か不幸か、耐えることには、慣れている。
境 結良:「僕たちにはあるはずだ……恐怖に勝つ力が……っ!」
境 結良:オーヴァードも人間も、垣根の無い力が自分たちには備わっているはずだ。
GM:それでは再びイニシアチブプロセス
嘆きの乙女:《夜魔の領域》行動値0になり未行動に。
GM:それでは行動値7の境さんどうぞ!
境 結良:まず嘆きの乙女のロイスを取得しタイタス昇華でバッドステータスを打ち消したいです。
GM:良いですよ!
GM:嘆きの乙女から食らったの全部解除してOK!
境 結良:了解です!
GM:絆(を燃やして得た)パワーだ!
境 結良:「どんなに恐ろしいものでも、自分の力に変えることが……出来るんだ!」
境 結良:立ち上がり、叫ぶ。
境 結良:「いくぞ……!」
境 結良:マイナーで《オリジン:レジェンド》!
境 結良:メジャーはコンボ『アトモスフィア・マスアクション』(《サイレンの魔女》《スキルフォーカス》《黒の鉄槌》《終焉の残響》)。
境 結良:7dx+2+8+4 リアクション不可
DoubleCross : (7R10+2+8+4[10]) → 9[3,5,6,6,7,9,9]+14 → 23

嘆きの乙女:ゲェ~ッ、《終焉の残響》の効果でリア不だと~~!
GM:ダメージどうぞ!
境 結良:2D10+22 装甲無視
DoubleCross : (2D10+22) → 14[10,4]+22 → 36

嘆きの乙女:めちゃ痛いッス
GM:そのまま通った!演出どうぞ!
GM:すいません、ダメージロールもう1個足してください!
境 結良:1D10
DoubleCross : (1D10) → 5

嘆きの乙女:41ダメージ!?
嘆きの乙女:つらい
GM:改めて演出どうぞ
境 結良:瞳を金褐色に輝かせる。そして嘆きの乙女を見据える。その恐怖を身に受けた今こそ、対象の存在をはっきりと認識できる。
境 結良:対象をこの世界に存在する事象と捉え、“爪”で切り裂いていく。この世界から消し去るように。
境 結良:そしてトドメに、その“牙”で刺し貫く!
境 結良:境 結良の侵蝕率が+14上昇 (侵蝕率:83->97)
嘆きの乙女:異能の使い手による観測を以て、怨念の実体は否応に増す。
嘆きの乙女:それを直視するだけで並の者は精神を侵されるが、物ともせずに振るわれる荒々しい暴力にただただ引き裂かれる。
GM:イニシアチブプロセス。
嘆きの乙女:《加速する刻》を使用。行動します。
嘆きの乙女:メジャーで再び【こっちへ来ないで】《コンセントレイト:ブラム=ストーカー》《血の宴》《鮮血の鎖》《ブラッドウェブ》《ハザードコール》
嘆きの乙女:対象は範囲選択でPC全員。
嘆きの乙女:命中すると、侵蝕率+10。更に次判定のクリティカル値+1。ラウンド中に戦闘移動、全力移動、ドッジのたびHPダメージ12点。
入栄朽葉:命中判定前に《孤独の魔眼》を宣言!
嘆きの乙女:ぬわーっ!
入栄朽葉:入栄朽葉の侵蝕率を+4した(侵蝕率:76->80)
嘆きの乙女:攻撃対象が入栄さんだけに!
嘆きの乙女:ただし侵蝕率+10と、レネゲイドキラーの効果は受けてもらう!
嘆きの乙女:HPを8点失いたまえ!
入栄朽葉:グッ 先にタイタス昇華するんだった
入栄朽葉:入栄朽葉の侵蝕率を+10した(侵蝕率:80->90)
金崎珠美:「やめてよ。そんなことして……」
金崎珠美:「もう、見たくないよ。一人にさせてよ」
嘆きの乙女:彼女の言葉に応じるように、きみたちを拒絶する。
嘆きの乙女:彼女の想いを無視して、きみたちの命を貪ろうとする。
入栄朽葉:HP減少 36→28
入栄朽葉:珠美の悲痛な声が、耳に届く。
入栄朽葉:声を聞きながら、近くにいる二人に告げる。「少し、下がっていてください」 硬い声で、呟く。
入栄朽葉:「できれば、目を閉じて」 敵前で目を瞑るオーヴァードがいるものか、と自虐的に思いながら。
入栄朽葉:目を大きく見開く。自分と、二人を丸ごと飲み込むであろう攻撃の全てを視界に入れ、一つ息を吐く。
入栄朽葉:(二度と、見せたくはなかったけれど)
入栄朽葉:(『これ』が役に立つのなら。彼らのためになら、使ってもいい。晒してもいい)
入栄朽葉:瞬時。腹が裂ける。否。腹部の、白いブラウスが内側から吸い込まれるように、食い破られる。
入栄朽葉:そこには、『口』があった。痩せた少女特有の、そう幅のない腹に、唇のない、裂け目から牙をいっぱいに覗かせた醜悪な奇形が。
入栄朽葉:降り注ぐ攻撃が軌道を変え、朽葉に——その腹の『口』に、収束する。
嘆きの乙女:まるで世界が歪むかのような、現象としては視認可能な不可視の波動が君たちに押し寄せて──
入栄朽葉:歓喜するかのように『口』が、不快な音を立てながら『牙』が蠢く。襲い来る波動を、まるで質量を持つご馳走を与えられた獣のように咀嚼する。
入栄朽葉:『口』からもたらされる味覚情報。過去の記憶が脳を焼く。あらゆるモノを食べた感触が。無機物、有機物、好きなもの、嫌いなもの、全て。
入栄朽葉:(全て咀嚼し、喰らってきた。あの苦痛に比べれば、この痛みなど、些細なもの————!!!)
入栄朽葉:荒く息を吐きながら、それでも膝はつかず。
入栄朽葉:入栄朽葉は、醜悪な『口』を晒したまま、二人の前になお、立ち続けていた。
GM:イニシアチブプロセス。入栄朽葉の手番。
入栄朽葉:まず、“嘆きの乙女”にロイス取得。即座にタイタス昇華し、受けている不利な効果を全て解除します。
GM:承認!
入栄朽葉:マイナー:《骨の剣》侵蝕+3 素手データ変更
メジャー:《コンセ:バロール》+《巨人の斧》+《伸縮腕》
技能:白兵 射程:視界 対象:単体 攻[+15] 侵蝕+7

入栄朽葉:対象は当然、嘆きの乙女! 命中判定いきます!
GM:GO!
入栄朽葉:6dx8+0
DoubleCross : (6R10+0[8]) → 10[1,6,6,8,8,10]+10[7,8,10]+10[1,10]+10[9]+10[9]+10[9]+4[4] → 64

入栄朽葉:は?
GM:つっよ
嘆きの乙女:リアクションは《死者の肉体》《イベイジョン》により達成値26で固定。命中!
GM:ダメージを出しな!
入栄朽葉:7D10+15
DoubleCross : (7D10+15) → 34[8,7,2,6,4,1,6]+15 → 49

嘆きの乙女:ウギャーッ!そのダメージは死んじゃう!
嘆きの乙女:《不死不滅》で復活!
GM:演出どうぞ!
入栄朽葉:境さんの言葉を、噛み締めるように反芻する。……あれさえ、断ち切れば。
入栄朽葉:自分にできるのは、『食べる』ことだけだ。『食べる』ことしか、自分は知らない。できない。だが。
入栄朽葉:震える身体を鼓舞するように、宣言する。
入栄朽葉:「珠美を一人にはさせない……絶対に、取り戻すんだ」
入栄朽葉:展開するは、握り拳程度の小ぶりな魔眼。紅い色をしたそれの、中央には更に暗く、紅い亀裂が走っている。
入栄朽葉:その一つが、音もなく空中を滑り、“嘆きの乙女”に肉薄する。
入栄朽葉:「——喰らえ」 震える声。呟きと同時に、魔眼が裂ける。
入栄朽葉:ぞ ろ り、と。我先にと這い出るように、十数本の牙が溢れ出す。その奥に、やけに長い蛇のような舌が見え隠れする。
入栄朽葉:表現するなら、それは。生理的嫌悪を催すような、醜悪な『口』。
入栄朽葉:ば ぐ ん と音を立てて噛み付いた『口』は、牙の擦れ合う耳障りな音を立てながら咀嚼を開始する。
入栄朽葉:圧縮、咀嚼、圧縮、咀嚼、圧縮、咀嚼、圧縮、咀嚼、咀嚼、咀嚼、咀嚼、咀嚼、咀嚼、咀嚼、咀嚼————そして、嚥下。
入栄朽葉:……ごきゅり、と物体が喉を滑り落ちるその音が、確かに入栄朽葉の喉から漏れた。
入栄朽葉:ヒトの形をしていないものの、あまりにも懐かしい“肉”の味が胃の腑に落ちていく。
入栄朽葉:青褪めた顔、片膝を付いて、嗚咽を漏らして。視線だけは逸らさず、“乙女”を睨め付けて。
入栄朽葉:(届いて。どうか。私に、珠美を取り戻す、力を)
金崎珠美:「……どうして」その姿をじっと見ている。涙、零しながら。
金崎珠美:「どうしてそんなにまでなって、立ってるんだよ……」
入栄朽葉:「言ったでしょ」 青い顔をしながらも、無理に笑みを作って。
入栄朽葉:「私は、死なない」
金崎珠美:「……そんなこと言って!」
嘆きの乙女:喰らわれて、喰らわれて、縮んだ分を引きずり出す。
入栄朽葉:少しだけ、胃の腑がゴロリ、と音を立てる。嫌な感触だが、“圧縮”すれば、大丈夫。自分に言い聞かせる。
嘆きの乙女:主体である金崎珠美と、そのメモリーの補強材より。力と源を吸いだして、ジャーム体を強化する。
GM:即ち、切除するべき好機到来だ。
GM:イニシアチブプロセス。真神コルトの手番です。
真神コルト:では、まず金崎さんにロイスを取って即タイタス昇華。バステを全部解除します。
金崎珠美:しょんぼり
GM:承認!
真神コルト:マイナー、《完全獣化》《破壊の爪》
真神コルト:真神コルトの侵蝕率を+9した(侵蝕率:70->79)
真神コルト:続いてメジャー、《超侵蝕》《コンセントレイト》《獣の力》《獣王の力》《一閃》

(嘆きの乙女[10 真神[3])
  (10m)
(境[7] 入栄[6])
[]内は行動値


真神コルト:百合島さんのロイスをタイタス昇華。ダイス+10個を選択。
真神コルト:境さんのロイスをタイタス昇華。C値-1を選択。
GM:めっちゃ綺麗な身になりよる
GM:断捨離ってやつか
真神コルト:入栄さんのロイスをタイタス昇華。C値-1を選択。
真神コルト:19dx5+14
DoubleCross : (19R10+14[5]) → 10[2,3,3,3,3,3,3,3,4,4,5,5,5,6,6,6,8,9,9]+10[2,2,3,3,6,7,8,8,10]+10[1,3,4,6,9]+10[1,9]+10[7]+10[5]+10[8]+10[6]+1[1]+14 → 95

嘆きの乙女:リアクションは《死者の肉体》《イベイジョン》により達成値26で固定。命中だよ!
GM:ダメージどうぞ!
真神コルト:ダメージロール!
真神コルト:10d10+39
DoubleCross : (10D10+39) → 56[10,8,5,6,2,3,1,7,9,5]+39 → 95

GM:それは3回死ぬ!
GM:ただし只では死なん
真神コルト:真神コルトの侵蝕率を+9した(侵蝕率:79->88)
嘆きの乙女:Eロイス【絶対拒絶】の効果発動。エンゲージした者は直ちに侵蝕率+1d10してもらう。
真神コルト:なにーッ!?
真神コルト:真神コルトの侵蝕率を+10(1D10->10)した(侵蝕率:88->98)
嘆きの乙女:生き残ったら闇の呼び声で他の2人も強制エンゲージさせるとこだったんだがなあ。残念。
嘆きの乙女:蘇生は無し!あなたたちの勝利!
GM:演出をどうぞ!
金崎珠美:「どうしてそこまでするのさ!」
金崎珠美:怒り、露わにして叫ぶ。
真神コルト:「貴方に、伝えたいことがあるからですよ」
真神コルト:(……貴方にも、きっと"きっかけ"が要る。私が、伝えなきゃ)
真神コルト:ロザリオに口づける。
真神コルト:体内に眠る二つのレネゲイドが励起し、その昂ぶりと共に修道女の双眸が輝きを増す。
真神コルト:「行きますよ」
真神コルト:金色の緒を引いて、修道女が跳ぶ。その先には、金崎さんのひとかけらたるジャームの姿。
真神コルト:その端を無造作に掴み、地面に向かって投げ落とす。
嘆きの乙女:確かにその手で掴まれて、芝生の上に引き倒される。
嘆きの乙女:その昂ぶりに呼応するかのように、一際強く放たれる死へ誘う波動がきみを襲うが──
真神コルト:着地。疾走。衝動を受けながらも獣化し、体勢を立て直す前のジャームに掴みかかる。
真神コルト:「金崎さん。私を見てください」
金崎珠美:「……ぼくの言う事は、ぜんぜん聞いちゃくれないんだ」
金崎珠美:「見てるよ!朽葉が、知らないひとたちが苦しむ姿、たくさん!」
金崎珠美:「ぼくはそんなの、見たくないのに!」
真神コルト:「聞いてください。私ね、この力に目覚めた時に死にました。殺されたんです」
真神コルト:命が潰える間際に覚醒し、リザレクトで息を吹き返した。
真神コルト:「次に気が付いた時にはこうなっていて。ずっと、この姿が、この力が、嫌いでした。怖かった」
真神コルト:「でも。少し前に、こんな自分を受け入れるきっかけがありました。そんな出会いがありました」
真神コルト:獣の膂力でジャームを押さえつけながら、獣の口で言葉を紡ぐ。
真神コルト:「貴方はどうですか?」
真神コルト:「自分がこうありたい、手放したくないと思えるような出会いは、ありませんでしたか?」
真神コルト:ちら、と入栄さんの方を見、ジャームへと向き直る。
真神コルト:「『これ』が今、貴方を追い詰めるのなら……」
真神コルト:ジャームの胴と思しき箇所に拳を振り下ろす。
真神コルト:「私たちが破壊します」
真神コルト:ジャームの胴を持ち上げ、上方に低く放る。
真神コルト:「この"牙"で、この拳で!」
真神コルト:落ちてきたその肉体を、振り上げた拳で粉砕する。
真神コルト:「だから、どうか」
真神コルト:獣の姿が砂のように解け、修道女の姿に戻り。
真神コルト:「積み重ねてきた時間は偽りではないと、気付いてください」
真神コルト:「それは他の誰でもない"貴方"の物なんですから」
真神コルト:にっこりと、微笑んで見せた。
金崎珠美:「……あったよ」笑顔を見つめながら、脱力してその場にへたり込む。
金崎珠美:「だから、壊したくなかったんだ」身体に巻き付いたフィルムテープも、はらはらとほどけ落ちていく。
金崎珠美:夜明けの光に照らされる中、その様子と返す笑顔は。
金崎珠美:言うなればそう、憑き物が落ちていくようだった。
入栄朽葉:ひどく、その笑顔が懐かしい気がした。
入栄朽葉:笑顔を見せる珠美に、一歩ずつ近付き、足を止める。
入栄朽葉:「お帰り、珠美」 朽葉も、まだ青い顔にできるだけの笑顔を浮かべる。
入栄朽葉:だが、それ以上近付こうとはしない。
金崎珠美:「……朽葉」
入栄朽葉:視界に入れたくはない。珠美も知っているはずだ。彼女は、決して人前で服を脱がない。
入栄朽葉:「隠し事をしてた。珠美にも、つむぎにも」
金崎珠美:「見てたよ。見える分は知った」
入栄朽葉:意思に関係なく蠢く牙が、まだ歓喜状態にあるのか耳障りな音を立てている。
入栄朽葉:「ごめんね。あなたを抱き締めて、お帰りって言いたいのに」
金崎珠美:「……ぼく、色々なことを知ったんだよね」
金崎珠美:「朽葉のこと、4年前のこと、格好良くて強い人たちがぼくらを守っているってこと」
金崎珠美:「それから、ぼくが結構欲張りらしいってこととかさ」
金崎珠美:ふらつく身体を、どうにか制御。なんとか立って、目線を合わせる。真正面。
入栄朽葉:目線を、真っ直ぐに受け止める。
金崎珠美:「おかえりより、ごめんなさいより」
金崎珠美:「朽葉のいただきますが聞きたい。それもうんと元気なやつ」
入栄朽葉:「……ふふ」
入栄朽葉:泣き笑いのように、顔を綻ばせて。
金崎珠美:「……たくさん、学校で会ってよね」
金崎珠美:まるでかたちは違うけど、鏡に映したように同じ笑み。
入栄朽葉:「できるだけ、ね。頑張るから」
入栄朽葉:珠美と表情が溶け合うように、暖かな気持ちが満ちる。
入栄朽葉:穏やかな表情で、ゆっくりと珠美に向かって、2歩、3歩、目の前に。
金崎珠美:「……ただいま。心配かけてごめんなさい。それから」
金崎珠美:「ありがとう、朽葉」
入栄朽葉:「これからも、友達でいてね」
入栄朽葉:晒した肌が、触れるのも厭わず。その背に手を回し、ぎゅっと引き寄せる。
入栄朽葉:『口』は、不思議な程に静かだった。
入栄朽葉:それは多分。彼女の、最初で最後の、友人への接吻。
入栄朽葉:「……つむぎには、どうか内緒にね? こんなの見たら、きっと気絶しちゃうから」
入栄朽葉:そう言って、笑う。腹に触れる彼女の体温に、生きていることを感じながら。
金崎珠美:「良いよ。2人だけの秘密」
金崎珠美:「ダイエット方気にしてるから、注意しなきゃね」
金崎珠美:強く、しっかりと抱きしめ返す。
金崎珠美:変わり果てたこの世界の、変わり果てたこの2人で。
金崎珠美:手放したくないたった一人に、何物にも引き裂けない繋がりを求めて。
GM: 
GM:バックトラック
GM:というわけで
GM:感動の再会を終えたところでオヌシラがジャームとなるか決めようではないか。ファファファ……
GM:全員100%以下やんけ
入栄朽葉:ところがどっこい、メインプロセスの侵蝕値増加を忘れておりました……!
GM:おっ!
入栄朽葉:入栄朽葉の侵蝕率を+10した
入栄朽葉:90→100% きっちり乗ってしまったのでバックトラックしましょう
GM:感動シーンをやりおえたところだが100%以上のようだな~……
GM:100%やんけ
GM:ではまず!
GM:Eロイスが【ファイトクラブ】【絶対拒絶】【闇の呼び声】(不発)の3つ!
入栄朽葉:大丈夫です!!!!(遠慮する方の宣言)
GM:振りたければ3d10減らせるけど、たぶん振らないですね……
GM:他の2人も持ってるロイス分、等倍で振りな!
入栄朽葉:残ロイス5枚、振ります!
入栄朽葉:100-5d10
DoubleCross : (100-5D10) → 100-20[2,4,1,10,3] → 80

真神コルト:最後に大放出したので残り2個、侵蝕率は98
真神コルト:98-2d10
DoubleCross : (98-2D10) → 98-10[6,4] → 88

境 結良:2D10
DoubleCross : (2D10) → 12[9,3] → 12

境 結良:境 結良の侵蝕率を-12した
GM:全員生還おめでとうございます!
GM:経験点配布!
入栄朽葉:恵みを受け取る構え!
GM:シナリオの目的を達成──10
セッションに最後まで参加、よいロールプレイ、他プレイヤーを助ける言動行動、セッション進行の助け、連絡もろもろ──合計5
敵のEロイス3つ、Dロイス1つ──4

GM:合計19点に各自の侵蝕率分を合計!
GM:全員24点!GMは合計を3で割って1足して25点!
GM:いただきます!
真神コルト:おいしくいただきます
入栄朽葉:ゴチになります!
境 結良:ありがたく頂戴
GM:食いねえ食いねえ
GM:お疲れ様でした!
GM: 

エンディング1

GM:ED:1 境結良/真神コルト
GM: 
GM: N市UGN 第9支部 屋上
GM: 
GM:きみたちの奮戦により、記憶再生事件は収束に向かった。
GM:"メモリア・ループ"は死滅を確認、暴走状態にあった金崎珠美の症状もひとまずは沈静化。
GM:関係者の記憶処理を初めとするケアは、小子内渚などUGN所属の専門家たちの仕事である。
GM:故に、きみたちの仕事はここでおしまいだ。
境 結良:屋上の手すりのそばで、雲一つない青空の下、街並みを眺めながら一人佇んでいる。
真神コルト:「……ああ、やっぱり境さんでしたか」
真神コルト:階段を上がり、ドアを開けて、屋上に足を踏み入れる。
境 結良:「!……コルトさん」
境 結良:気配に気づいて、笑顔で振り返る。
真神コルト:「屋上に上がっていく姿が見えましたもので。……まだ、お帰りにならないんです?」
境 結良:「少し、ここからの景色を見てから帰ろうかなって」
真神コルト:境さんの言葉を聞きながら、手すりの傍までやってくる。
真神コルト:「……良い天気です。世界が二十年前に丸ごと変わってしまったなんて、嘘みたい」
真神コルト:「と言っても。私自身が、それを証明しているのですけど」と苦笑。
GM:眼下に広がる光景は、きみたちが守った日常。平穏に見える街並み。
境 結良:「世界が変わっても、人はそう簡単に変わりませんよ」
境 結良:笑みを崩さず言う。
境 結良:「……この街も、人々が平穏への歩みを変えずに復興してきたんでしょうね」
真神コルト:「そうですね。……私も、私の知る人たちも、崩落戦で多くのものをなくしたけど……」
真神コルト:「そこから立ち上がって、こうして営みを取り戻してきました。まだ、その途上でしょうが……」
真神コルト:「……境さんは。崩落戦の頃には、どちらに?」
真神コルト:言ってから、何て不躾な質問だろうと口許に手を当てる。
境 結良:「国外です。だから、当時の実感は無いんですが……」
真神コルト:「実は、事件の調査でデータベースを覗いた時に……その。つい、ヴォイジャーリサーチのことも調べてしまって」
真神コルト:「貴方が、かつてUGNのチルドレンだったこと。UGNを出たこと……最近、第一支部と関わりを持ったこと」
真神コルト:「知ってしまいました。済みません」
真神コルト:「それで、疑問に思ったことがあるのですが……」
境 結良:「気に病まないでくださいよ!僕みたいなやつのことを調べるのはUGNからすれば当然の仕事でしょうし……!」
境 結良:特に動揺する様子はない。
真神コルト:「なぜ、お一人で活動されているのです? それも、R案件に関わるなんて……」
真神コルト:「せめて、イリーガル登録しておけば、UGNから組織だったバックアップも受けられると思いますが」
真神コルト:「どうしてそんな危険なことを?」
境 結良:「僕もイリーガル制度は有用だと思いますよ。オーヴァードが路頭に迷うことを防げますし」
境 結良:「きっと、どこにも属さないから出来ることもある。……今はそんな気がするんです」
真神コルト:「UGNが全てではない……というのは分かります。別口で動いている人たちも大勢いますからね」
真神コルト:「それならば、貴方はどこにも属さずに……」
真神コルト:「何のために、戦っているんです?」
境 結良:再び街の方を見据える。
境 結良:「……繰り返し時を刻むこの世界で、見えない今日の風に立ち向かっている人たちがいます」
境 結良:「僕はその瞬間、瞬間の微笑みを守りたいんです。それが今の自分にできることだと思っているから」
境 結良:「今を明日に繋げようとしている、みんなのことが好きなんです」
真神コルト:「……そう、ですか」疑問の全てを解決する答えではない。きっと、彼は全てを語ってはいない。
真神コルト:それでも。
真神コルト:これまでに聞いた、彼の怒りの声も。金崎さんへの宣言も。今、こうして語った言葉も。
真神コルト:「私、分かったような気がします」
真神コルト:「貴方は、ヒーローみたいな人なんだ、って」
真神コルト:きっと、嘘はないのだろうと、そう思えた。
境 結良:「ヒーロー? ……なんか、恥ずかしいなぁ!アハハ!」
境 結良:照れながら無邪気に笑う。
境 結良:「コルトさんだって、ヒーローみたいでしたよ! ……こう、ヒーローレスラー!って感じで……」
境 結良:褒めてるつもり。
真神コルト:「へ? レスラー?」
真神コルト:「いや、その。確かに投げ飛ばしたりパンチしたりしましたが……」
境 結良:「かっこよかったですよ!」
真神コルト:(褒められてるのかな……? いやしかし、レスラー……レスラーか……)
GM: 
GM:20年前に、4年前に、昨晩に。
GM:変貌した世界で、変わり続ける世界で。
GM:君たちは戦っていく。見えなくても、覚えられずとも、ただ守るために。
GM: 

エンディング2

GM:ED2 入栄朽葉
GM: 
GM: 市立星辰館学園 高等部 中庭にて
GM:星辰館学園……それはここN市において最大規模を誇る学園である。
GM:きみ、入栄朽葉はそこに通う生徒の一人だ……登校頻度は少ないままだろうか。
GM:きみと昼休憩を共にする2人は、つむぎの用事により少し遅れてくるそうだ。
GM:僅かに暇を持て余した君に、着信があった。
入栄朽葉:表示されているのは、昨日登録したばかりの番号。すぐに電話を取る。
入栄朽葉:「もしもし、入栄です」
小子内渚:『もしもし、小子内です……今、大丈夫でしょうか』
入栄朽葉:「ええ、大丈夫です。放課後にも、こちらから連絡させていただこうかと思っていたところで」
小子内渚:『すいません、こんな時間に……時間、やっと取れて』
入栄朽葉:「お気になさらず。あまり詳細には聞いていませんが……その後、色々と仕事をしておられたのですよね」
入栄朽葉:「昨日は、本当にお世話になりました。感謝してもし切れません」
小子内渚:『こちらこそ、私たちがすべきことを手伝ってもらったぐらいですから』
小子内渚:『とはいえお礼はしっかり受け取ります。その上でこちらからもお願いを少々』
入栄朽葉:「お願い……ですか?」
小子内渚:『ええ、入栄さんにしか頼めなくて、とても重要なことです』
入栄朽葉:ごくり、と唾を飲む音は、電話の向こうにも聴こえただろうか。
小子内渚:ずず、と一口。コーヒーを啜る音。
小子内渚:『私は"記憶探索者"と分類される、人の記憶を操作する力を持ったオーヴァードの一人です』
入栄朽葉:『記憶』。それが人の精神にどれほど大きい影響を与えるか、昨日厭というほど目にした。
小子内渚:『特に、強いショックを受けて不安定な状態の患者の記憶に関わるのが』
小子内渚:『私の仕事です……金崎珠美さんについても』
入栄朽葉:「彼女の、記憶……」
小子内渚:『過去や思い出は、大切なものです。繊細なものです。他人が踏み入ってよいものではありません』
小子内渚:『摩耗して、忘れ去るのも人間の機能です。思い出したくないことなんて、それで良い』
小子内渚:『ですので、金崎さんにも問診と検査を行ったうえで施術を行いました』
入栄朽葉:「……施術」
入栄朽葉:「それで……彼女は、どうなったんですか?」
入栄朽葉:不安げに。問い掛ける。
小子内渚:『……金崎さんは、怯えていました』
小子内渚:『思い出してしまった自分の過去に、それに起因して人を傷つけたことに』
入栄朽葉:「……無理もないことです」
入栄朽葉:“情報量”が多過ぎる。絶望が絶望を喚ぶような出来事に、正気でいろという方が難しいだろう。
小子内渚:『……だけど』
小子内渚:『だけど、忘れたくないって。自分が何者なのか、何をしてしまったのか』
入栄朽葉:(……ああ、なんて、強い子なのだろう)
小子内渚:『皆さんが助けてくれたのはどんな自分だったのか、それを忘れたりしたくないのだと』
入栄朽葉:「では……全部、覚えているんですね。昨日のこと。全て」
小子内渚:『ええ、私の仕事は忘れさせるのではなく、繋ぐことだけ』
小子内渚:『過去の記憶を残したままに、あなた達への想いと結びつけました』
入栄朽葉:「《ロイス》……」
入栄朽葉:UGNに保護された時。オーヴァードと関わるのを拒否した自分に、それでもと掛けてくれた言葉を思い出す。
入栄朽葉:『絆』を大事にしなさい、と。想いを繋ぎなさい、と。
小子内渚:『……とはいえ、私に出来るのはせいぜい手助けぐらいのこと』
小子内渚:『支部に来てもらって、レネゲイドコントロールを教えるとか、それぐらいしか出来ません』
入栄朽葉:「それは……もしかすると、私も同行した方がいいかもしれませんね」 苦笑して。
小子内渚:『ええ。それがお願いです』くすりと微笑んで。
入栄朽葉:「私にしか出来ないこと。確かに、承りました」
入栄朽葉:「ついで、と言っては不躾かもしれませんが。こちらからもお願いがあります」
小子内渚:『ええ、それ以外でもあの子と一緒に歩いて、素敵な思い出を作ってあげてください……はい?』
入栄朽葉:「ご存知かと思いますが、私はオーヴァードに不信感を持っていました」
入栄朽葉:「ですが、今回の件で……真神さんや、境さん。そして、小子内さんと出会って、考えを改めるべきだと思っています」
入栄朽葉:「この力と今後も付き合っていくためにも。珠美のことを理解するためにも。UGNに協力し、必要な知識を得るべきではないかと」
入栄朽葉:「UGNにおけるイリーガル活動。可能であれば、私も人員として加えていただけませんか」
小子内渚:『……喜んで、とは個人的に言いたくないですが』
小子内渚:『戦える方は引く手あまたです。能力の問題ではなく、誰かのために戦える人を』
入栄朽葉:この身体は嫌いだ。この力は醜悪だ。自分の過去は、はっきり言って最悪だ。
入栄朽葉:だが、この力が誰かを守れるということも、今の自分は分かっている。
入栄朽葉:「守りたい人がいるんです。そのためになら、戦えます」
入栄朽葉:力強く。宣誓する。
小子内渚:『……では、これからもよろしくお願いします』
小子内渚:『正式なお話は後程……はふ』
小子内渚:『すみません。これから仮眠室で7時間の休息を取らないといけなくて』
入栄朽葉:「本当に、お疲れ様でした。ご自愛なさってください」
小子内渚:『ええ、自分を大事にするのが一番大切です……』
小子内渚:『支部に来たり、連絡を取っても私が対応できるとは限りませんが』
小子内渚:『怖がらなくても大丈夫ですから。安心して来てくださいね』
入栄朽葉:「ふふ……ええ、もう大丈夫ですよ」
入栄朽葉:自分の目は、過去のせいで曇っていたのだと。今ではそう思える。
小子内渚:『……それは、ええ。本当に良かった』
GM:そうして、君たちのささやかな連絡は終わった。
入栄朽葉:電話を切り、中庭に歩き出す。
入栄朽葉:入栄の腹に消えることなく存在する『口』。FHの実験体だった証。
入栄朽葉:異常な食欲と空腹感を絶え間なくもたらしていたそれは、昨日の一件の後、不思議なほどに落ち着いたままだ。
入栄朽葉:今は、腹に一本の紅い亀裂が走っているだけのように見える。
入栄朽葉:……これは、推測に過ぎないが。
入栄朽葉:レネゲイドそのものである“嘆きの乙女”を喰らったことで、一時的に『満たされて』いるのではないかと。
入栄朽葉:イリーガル活動を希望したのは、それも理由の一つだ。
入栄朽葉:この『口』の飢えを満たせるのであれば、バイトに明け暮れる理由は乏しくなる。
入栄朽葉:それはつまり──今、中庭で待っているであろう、大事な友人との時間が、増えるということでもある。
入栄朽葉:そして、それを。今の私は、何よりも望んでいる。
御傘つむぎ:「あ~!朽葉ちゃん!」中庭にレジャーシートを広げて待っている。
入栄朽葉:「ごめんね、遅くなって。待った?」 足早に駆け寄り、靴を放るように脱ぎ捨てる。
御傘つむぎ:「ううん、こっちこそ集合時間遅らせてもらっちゃって」待ち望んだのは、お互い様。
入栄朽葉:料理上手で、こんな自分のことを心配し、『待っていて』くれる、大事な友人。御傘つむぎ。
金崎珠美:「まあ、いちばん困るのは朽葉だよね」それは彼女も同じことで。
入栄朽葉:その隣に、そこにいるのが当然のように、自然に。
入栄朽葉:「珠美も、おまたせ」
金崎珠美:「ん、待った。ちょっとだけね」
金崎珠美:「でも、ちゃんと来てくれたので許します」
入栄朽葉:「当たり前、だよ……」
入栄朽葉:その光景は、夢のようで。朽葉が守りたかった景色そのもので。
入栄朽葉:右目から、一筋。つう、と零れ落ちた雫を、隠すように拭い去る。
金崎珠美:「そうだね、当たり前当たり前。信じてるよ」くすりと微笑んで。
御傘つむぎ:「……むむむ」
御傘つむぎ:なんとなく腕を組んでみたりして。
入栄朽葉:可愛らしい仕草に、微笑みながら。「どうしたの、つむぎ」
御傘つむぎ:眉間にしわを寄せようとして、力の入れ方をなにか勘違いしているのか首を20度ほど曲げる。
御傘つむぎ:「えっと、蚊帳の外?」
入栄朽葉:「気にしない、気にしない」 言いつつ、お弁当の姿を目で探す。
金崎珠美:「そろそろ虫よけスプレー欲しい時期だね」てきぱきと食事の準備を進める。
御傘つむぎ:「もう。今日のお弁当もしっかり作ってきたんだからね!」
入栄朽葉:「ほほーう……」 目を輝かせて。
御傘つむぎ:「ちゃんと食べてくれないと許しません」むすっとしてみるのを継続。
入栄朽葉:「当然、美味しく食べさせていただきます。有り難く、ね」
入栄朽葉:「だからほら、機嫌を直して、ね?」
金崎珠美:「ほら、このから揚げとか美味しいよ?」
入栄朽葉:「やっと珠美もその『唐揚げ』の美味しさに気付いたみたいね」
入栄朽葉:偽物でも本物でもない。そのものを、好いている。
金崎珠美:「何その先輩目線」つむぎの頬袋に突っ込みながら。
金崎珠美:「それぐらい知ってるさ。美味しいに決まってるよ」
入栄朽葉:「なんたって……つむぎの作った、愛情たっぷりのお弁当だもんね」
入栄朽葉:頬を膨らませた姿が、リスみたいで可愛らしいなあ、と思う。
入栄朽葉:「……ところで、一つ、いい報告があります」
御傘つむぎ:(もきゅもきゅ)
金崎珠美:「ふうん、彼氏でも出来た?」
御傘つむぎ:「ん"っ!」
入栄朽葉:「ん”ッ!」
入栄朽葉:珠美の不意打ちに窒息しそうになりながら。
金崎珠美:「あ、そっちにも通るんだ」飲み物をつむぎに渡しながら背中をとんとんと叩く。
入栄朽葉:「げほ……もう、やめてよね」 苦笑しながら。
御傘つむぎ:「……出来たの?」若干涙目だ。
入栄朽葉:「新しいバイト、始めることになったんだけど。今やってる他のバイト、全部辞めちゃおうかなって」
金崎珠美:「彼氏さんの紹介……?」
入栄朽葉:「だ、だから違うってば……」
入栄朽葉:彼氏からは離れなさい、と前置きして。
入栄朽葉:「……だから。今までみたいに出席ギリギリとかに抑えなくていいし。学校来る時間、もっと増やせると思う」
入栄朽葉:「たくさん。学校で会えるよ」
入栄朽葉:珠美に。昨日の答えだと言うように。
金崎珠美:「……ぅ」
金崎珠美:ちょっと気恥ずかし気に顔を逸らして、だけど視線は逸らさないで。
御傘つむぎ:「……まあ!」両手を合わせて、食事中でなければ小躍りでもしそうなぐらいに喜ぶ。
御傘つむぎ:「それじゃあたくさんレパートリーを増やさないとね」
入栄朽葉:「ありがとう。でも、無理しなくていいからね」 この会話も、何度目か。
御傘つむぎ:「だって、たくさん会えるってことは、一緒にたくさん好きなものを見つけられるってことなのよ」
入栄朽葉:「つむぎは、良いことを言うね」 微笑みながら。
御傘つむぎ:「そこは頑張ります。張り切ります」腕を組んでみたりする。今度は自慢げ、得意満面。
入栄朽葉:「つむぎの好きなものも、珠美の好きなものも。これからもっと、見つけていこう」
金崎珠美:「つむぎ、朽葉の興味ご飯だけと思ってない?」
入栄朽葉:「……それは心外だなあ」 今度は朽葉が、むくれたように。
金崎珠美:「まあまあ、このから揚げとか美味しいよ?」
金崎珠美:けらけらと笑いながら口元へ運ぶ。
入栄朽葉:大きなお口で。それを頬張る。
入栄朽葉:この味は、大好きなこの味は。
入栄朽葉:自分が、大好きな日常を守れた、誇らしい味だった。
金崎珠美:「……一緒に過ごせる時間が増えるなら、さ」
金崎珠美:「朽葉のごちそうさまも、好きになれそう」
入栄朽葉:ごくり、と最後のおから揚げを嚥下して。
入栄朽葉:にぃ、と悪戯っぽく笑って。
入栄朽葉:「何度でも、聞かせてあげるよ。——ご馳走様!」
金崎珠美:その目に笑顔を焼きつけて。耳に言葉を刻み込んで。
金崎珠美:浮かべるのはどこまでも穏やかな笑み。不安のなくなった、影一つない微笑み。
御傘つむぎ:「はあい、お粗末様でした」
GM: 
GM:昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
GM:世界は変わる。想いは揺らぐ。記憶も常に定かならず。
GM:だけど、きみたちが過ごす日常は。こんなにも輝いて。
GM: 
GM:【SA-02/変貌していた世界】
GM: 『これからを紡ぐ世界』 完