無伴奏ソナタ


PC1:“少女黒鍵(ニグレド・メイデン)桟坂(さんざか) カレン(キャラシート)PL:いーさにうむ
PC2:“カオナシ”生駒 均(いこま さとる)(キャラシート)PL:サムトー
PC3:“トロンプルイユ”初芝実 透(はしばみ とおる)(キャラシート)PL:さささ
PC4:“灰被り姫の誤謬(シンダー・エラー)不知火 蛍(しらぬい ほたる)(キャラシート)PL:ウィンD
GM:すかいはい

メインログ雑談ログ

目次

プリプレイ

GM:それでは、これからダブルクロスのセッションを始めていきたいと思います。
GM:まずはPCの自己紹介からです。
GM:最初はPC①、桟坂カレンさん。お願いします。
GM:(キャラシート)
桟坂 カレン:わかった。
桟坂 カレン:「いずれ人形になるの、私は」
桟坂 カレン:桟坂加蓮(さんざか・かれん)、16歳。漆黒のトランクバッグがトレードマーク。
桟坂 カレン:薄い桃色の入ったブロンドヘア、人形のように整った顔立ちを持ち、やや無愛想で遠慮の乏しい物言いをする。
桟坂 カレン:UGNのバックアップ企業の一つ、『椿屋』創業一族の傍系にあたる桟坂家の娘。
GM:きゃー。カレンさーん!
桟坂 カレン:むず痒いわね……
桟坂 カレン:傭兵、或いは便利屋としてUGNの貸し出されており、イリーガルとして前線任務に従事したりと便利に使われています。
桟坂 カレン:一族に伝わる霊装"少女黒鍵(ニグレド・メイデン)"の当代継承者。
桟坂 カレン:継承者に全ての抑圧に抗う力を与える代わり、いずれ心を失い人形のようになる──という曰く付きの品。
桟坂 カレン:トランクバッグに収められており、戦闘時は開放することで戦うための装いに変化します。武器もこの霊装による顕現。
桟坂 カレン:また、生まれつき脚が悪く、膝より下を特殊義肢に置換しています。膝部が球体関節になっているので、普段はタイツやニーハイソックスで隠している。
桟坂 カレン:やがて心を失う定めだと諦念しており、最初から血の繋がった繋がりなどいらない──と、その辺りが無愛想な所以。
GM:クールだ。
桟坂 カレン:……でしたが、「感情を励起し続けることで、喪失を先延ばしにできるのでは」というある人の助言を受けて以来、多少社交的になっているようです。
桟坂 カレン:データ的にはノイマン/ブラックドッグ。レッテンを優良兵器エピックポルターして単体をぶん殴る。ミドルは生き字引で破壊。
GM:強いぜ。
桟坂 カレン:今回、成長に伴って《マグネットフォース》を持ってきました。侵蝕効率が比較的良いので、良い感じに壁役もしていきたいです。
桟坂 カレン:そんな感じ。宜しくお願いします!
GM:カバーリングもできる!
GM:はーい、よろしくお願いします!
GM:では、そんなカレンさんのハンドアウトはこちらです。

PC①(桟坂 カレン(さんざか・-)用ハンドアウト
ロイス:“天才ピアニスト”阿奏戯一生(あそうぎ・いっせい)  推奨感情 P:懐旧/N:疎外感
 キミはUGNに力を貸して戦う傭兵だ。ある日、任務を終えて帰還しようとしていたキミは、美しいピアノの旋律を耳にする。その音色に釣られて、ホールに向かったキミは阿奏戯一生という少年と再会を果たす。阿奏戯とは、キミが幼い頃にほんのわずかな間だけ一緒にピアノのレッスンを受けていた仲だった。
 彼はあれからずっとピアノの練習を続けており、近いうちに世界的なコンクールに出るのだという。ピアノの音色とともにキミたちは心穏やかな時を過ごした。――それから少しして、キミは彼が事故に遭ったという知らせを受けることになる。


桟坂 カレン:幼馴染の気配!
GM:シナリオロイスは阿奏戯一生。朗らかな天才肌の青年です。
GM:キミが幼い頃に一緒にピアノのレッスンを受けていたことがあったようです。
GM:今回はそんな彼と再会することになります。
桟坂 カレン:まだ実家の闇を知らない頃の穏やかな記憶、といったところかしらね
桟坂 カレン:……まあ、彼が今の私を見てどう思うか分からないけれど。
GM:気になりますねえ。
GM:では、そんな感じで今回も傭兵として頑張ってください。
桟坂 カレン:そうね、頑張りましょうか。
GM:では、次!
GM:次はPC②。生駒さん、お願いします。
GM:(キャラシート)
生駒均:はーい!
生駒均:生駒 均(いこま さとる)です。やたら仰々しいゴーグルと丈の合ってないロングコートがトレードマークの高校生。
生駒均:事故で死にかけた折にオーヴァードに覚醒、親元を離れてUGNチルドレンをやっています。
GM:すごいトレードマーク
生駒均:実はこれらには重大な秘密が……
GM:な、なんだって
生駒均:当初は覚醒の悪影響で肉体・精神両面で不安定になっており、日常生活も難しいぐらいだったのですが
生駒均:職員さんや仲間達のおかげで回復し、今は元気に青春過ごしてます!
GM:よかったー
生駒均:とはいえ若干後遺症はあり、ゴーグルは専用の補助器具だったりします。怪しくて悪いね
GM:怪しいなぁ
生駒均:あ、コートはただのおしゃれです。かっこいいだろ?袖長いけど。秘密は打ち止めしました
GM:ただのオシャレなんだ……
生駒均:いいじゃん!かっこいいじゃん!
生駒均:そんな感じのノリで前向きで楽天家、ひょうきんものです。気軽に名前かあだ名で呼んでもらえると嬉しいな
生駒均:シンドロームはバロール/キュマイラのクロス、狩りの統率者で盛大にバフをばらまきながら攻撃しつつ
生駒均:孤独の魔眼とか時の棺で守りを固めるバランス型です。今回はバディムーブも持ってきたので、R1回まで気軽に頼って!
GM:強い
生駒均:今日も今日とて人助け、皆のために頑張るぞお!よろしくおねがいします
GM:わーい、人助けだ
GM:では、そんな生駒さんのハンドアウトはこちら!

PC②用ハンドアウト
ロイス:“ピアノ少女”来堂波奏(らいどう・はかな)  推奨感情 P:好意/N:不安 カヴァー/ワークス:高校生/指定なし 
 キミは、N市の高校に通うごく普通の高校生であり、オーヴァードだ。来堂波奏は、少し不思議な雰囲気のあるクラスメイトの少女である。波奏は、幼い頃からピアノをしており、今度ようやく大きなコンクールに出ることができるようになったのだという。喜びながらも、波奏はどこか不安そうにしている。
 彼女の話では、“呪いのピアノ”の噂が界隈で流れているのだという。その“呪いのピアノ”は、才能あるピアニストの前に現れてはその心を奪うのだという。しかも、ただの噂ではなく、実際に被害に遭っている人もいるそうだ。彼女には何もないといいのだが。


GM:シナリオロイスは来堂波奏(らいどう・はかな)。同じクラスのピアノ好きの少女です。
生駒均:おやおや、クラスメイト(美少女)のピンチだ
生駒均:これは放って置けないぜオレ
GM:積極的!
GM:怪しい噂に困っているので、UGNの任務の傍らにでも助けてあげるといいでしょう
生駒均:お任せあれ!
GM:では、そんな感じでお願いします。
GM:次!
GM:次はPC③、初芝実さん。お願いします。
GM:(キャラシート)
初芝実 透:はい!
初芝実 透:初芝実 透(はしばみ・とおる)、27歳UGNエージェント長身男性。カヴァーは葬儀屋。
初芝実 透:いつも喪服の黒ずくめで丸眼鏡、丁寧語喋り。本人はあんまり気付いてないですがそれなりに顔は良いようです。
GM:それなり!
初芝実 透:あんまりわからないんですよね、自分だと……
初芝実 透:以前は飢餓衝動のせいで盗癖があり、警察のお世話になったこともありますが、今は無事UGN入りし、なんとかやっています。
初芝実 透:遺産の手袋『空盗鳥(夜の小鳥相当)』と出会って多少衝動と折り合いがついたりして、捕まったりとかはなくなりました。盗癖はあります。
GM:なんとかなってよかったなぁ。
初芝実 透:羨ましがりなのと、物そのものが欲しいというより『物が消えた後の空白』を求めていたり、それを我慢したりしているようです。
初芝実 透:桟坂カレンさんとは以前同卓しており、いろいろあって何かと気にかけていたりします。今回もご一緒でうれしい。
GM:優しくしてあげてください。
初芝実 透:よしよし
初芝実 透:エンジェルハィロゥ/ハヌマーンで、隠密してデスストーカー火力をぶちかますタイプです。
初芝実 透:今回はさらに獅子奮迅で範囲選択攻撃ができます。
GM:万能!
初芝実 透:夜の小鳥の代償で財産点は使えませんが、エブリシングレディを持っていたり財産点使い切ったコネもあったりするので、ミドルも上手くやっていきます。
初芝実 透:常備化ポイントだ
GM:さすがだ
初芝実 透:あとなぜか情報:裏社会もあるのと、なぜか隠密するとお買い物が上手くなるサービスが使えます。
初芝実 透:実は特に侵蝕効率は良くないという噂ですが、鉄板ネタなので毎回言っています。
GM:なぜなんだ
初芝実 透:なぜだろう
初芝実 透:今回も、エブリシングをどこからともなくじっくりレディしていきたいです。
GM:さては盗んで……
初芝実 透:よろしくお願いします!
初芝実 透:シッ
GM:あっ
GM:よろしくお願いします!
GM:では、そんな初芝実さんのハンドアウトはこちらです

PC③(初芝実 透(はしばみ・とおる)用ハンドアウト
ロイス:“才能を奪うジャーム”  推奨感情 P:執着/N:敵愾心 
 キミは、UGN・N市支部で活動するUGNエージェントだ。任務を終えて街外れの音楽大学の近くを通りかかったキミは、ワーディングとオーヴァードの気配を察知する。駆け付けたキミは、梟の姿をした怪物が人を襲う場面を目撃した。その梟の怪物はキミに対し、「自分は義賊であり、分不相応な才能は全て奪い去る必要がある」のだと告げる。そして、そのまま“才能を奪うジャーム”は逃げ去ってしまう。
 あのオーヴァードを野放しにしていては、また事件が起きるに違いない。キミはすぐに支部に戻り、対策を講じることにした。


初芝実 透:あやしいやつ!
GM:冒頭からジャームに出くわしてしまうようです。敵はフクロウのような姿をした怪物です。
初芝実 透:骨はありそうなので抜けますね。よし。
GM:犯罪者ではなく、あくまでも義賊だそうなので大丈夫なのかも。
GM:よしなのかなぁ。
初芝実 透:でもジャームらしいし……。
GM:そうね……。
初芝実 透:対策を講じます。
GM:頑張って警戒したりするといいでしょう。
GM:では、そんな感じでお願いします!
初芝実 透:はい!
GM:次!
GM:最後はPC④、不知火さん。お願いします。
GM:(キャラシート)
不知火蛍:はい!
不知火蛍:「あはは、元気出して笑ってこ! 女の子は笑顔が一番!」
不知火蛍:○<情報:UGN>4
不知火蛍: 黒檀のような深い黒色の長髪と、弾けるような笑顔が特徴的な少女。
不知火蛍:気さくな性格で、初対面の相手にも砕けた口調で対応する。
GM:情報収集始まった
不知火蛍: 蹴りが主体の近接戦闘技術の他、エグザイルのエフェクトを活かした潜入工作等にも長ける。
不知火蛍: 年齢に似合わずエージェントとしては5年近いキャリアを持つ。
不知火蛍:かつては日本支部直轄のエリートエージェントだったと言うが、彼女自身は過去の任務についてはあまり語りたがらない。

不知火蛍:「不知火蛍はもう死んでるんだ。今のわたしは……そーだね、死体のなりそこない、みたいなものかなあ」

不知火蛍:このように口走る彼女を見たものもいると言うが、その実態は……。
不知火蛍:(詳細はキャラシの解説に記載してあるのでそちらを見るか、ミドルで情報を抜いてください)
不知火蛍:(情報:UGN10、及び情報:不知火蛍30)

不知火蛍:データ的にはブラックドッグ/エグザイル/opサラマンダー。
不知火蛍:オートでのダメージ軽減エフェクトとDロイス屍人の効果で、自他問わずとにかくダメージを軽減します。
不知火蛍:また、加速装置+ヴァジュラで、見た目より速度も速め。
GM:固いぞ
不知火蛍:その分火力はやや控えめですが……まあ何とかなるでしょう、きっと、恐らく。
GM:たぶんね
GM:では、そんな蛍さんのハンドアウトはこちら!

PC④用ハンドアウト
ロイス:“楽器商人”桟坂エリカ(さんざか・えりか) 推奨感情 P:友情/N:不信感 カヴァー/ワークス:指定なし/指定なし
 キミはUGN・N市支部に所属するエージェント(もしくはイリーガル)だ。楽器商人の桟坂エリカとは、古い馴染みである。スーツ姿の男装の麗人で、セールスマンとして各地を巡っている彼女は仕事で久しぶりにこの街を訪れていた。
 “人形の為りそこない”を自称する彼女と、キミは和やかに会話を交わす。彼女は、この街で大きな仕事を終えたらしばらくのんびり過ごすつもりなのだという。彼女と別れようとするとキミのもとにも、UGNから仕事の連絡が入った。だが、キミは別れ際に彼女が言った「“呪いのピアノ”には近付くな」という言葉がどうにも気にかかった。


GM:シナリオロイスは桟坂エリカというキミの古い友人です。
不知火蛍:お友達!
GM:ちなみに蛍さんは経歴的に色々大変なこともあったようなのですが
GM:イメージ的には、その前後どちらからの付き合いがいいですかね?
不知火蛍:そうですねー、ではその以前からの付き合いにしましょう。
不知火蛍:何だかんだで、事情もある程度は知られてしまっている感じで。
GM:了解です。
不知火蛍:(大事故にあって大変だった、ぐらいにはぼかしますが)
GM:では、エリカも過去に大きな事故で片手を失って義手にしているのですが
GM:蛍さんもそのことは知っていて構いません。
不知火蛍:なるほど……了解です!
GM:では、そんな感じでお願いします!
不知火蛍:はい! よろしくお願いします!
GM:それでは、これでPCの自己紹介は終了です。
GM:ここからはPC間ロイスの取得に移りたいと思います。
GM:セッションの導入をスムーズにするために、キミたちには前もってPC間でロイスを取得しておいてもらいます。
生駒均:おおっと 絆!
初芝実 透:わーい
桟坂 カレン:あっ普段あんまりやらないやつ!
不知火蛍:わいわい
初芝実 透:あると確かにスムーズなやつ
GM:カレンさんは生駒さんの、生駒さんは初芝実さんの、初芝実さんは不知火さんの、不知火さんはカレンさんのロイスを取得してください。
GM:PC番号順ってやつやね。
生駒均:ぐるっと一周!
GM:一周するのだ
初芝実 透:不知火さんはそうですね、多分最近の知り合いで詳細については知らないくらいがいいかなーと思いますが
不知火蛍:そうですねー。最近お仕事で顔を合わせた、ぐらいでしょうか。
初芝実 透:○誠意/不安とかかなあ
GM:UGN同士ですからねぇ
不知火蛍:時々ふっと目のハイライトが消えるタイプのエージェントです。
初芝実 透:お仕事だと○信頼/不安とかがいいかな
初芝実 透:そうします
生駒均:初芝実さんとは正規同士だし先輩として知ってる感じかな
初芝実 透:そうですね、こっちもUGN同士
生駒均:眼鏡ならぬゴーグルはとらないでねな関係
GM:みんなプロフェッショナルだ
初芝実 透:とっちゃだめか……
生駒均:だめだよー
桟坂 カレン:イコマはUGNチルドレンだから……任務で顔合わせたことにしましょうか。 ◯有為/隔意 辺りかしら。
生駒均:初芝実 透 ○P好奇心/N隔意で取得しよ!
GM:隔意抱きがち
生駒均:わーい!名前で呼んでくれても良いよ?
桟坂 カレン:イコマ。
GM:コマちゃん……
生駒均:無念
初芝実 透:好奇られた わーい
不知火蛍:で、カレンちゃんですね。こちらもお仕事で顔を合わせたぐらいでしょうか。
不知火蛍:初対面でも割と馴れ馴れしいエージェントです。
GM:馴れ馴れしい
桟坂 カレン:仕事で会った以上は最低限の会話は交わしたでしょうし。好きに取るといいわ
GM:馴れ馴れしくされるカレンさん、気になるな…w
桟坂 カレン:見世物じゃないわよ
不知火蛍:では、桟坂 カレン 〇親近感/劣等感 で取得します。
生駒均:ツンツンしてる
GM:親しげ!
GM:では、皆さん、PC間ロイスの取得は終わりましたね
生駒均:はーい!
不知火蛍:親しくするよ!(なお実体)
不知火蛍:はーい!
桟坂 カレン:OK
初芝実 透:はい!
GM:キミたちの絆なので、しっかりとどこかにメモしておくんですよ。
初芝実 透:しましたー
GM:それでは、最後にもう一度トレーラーを読み上げたらいよいよセッションに入っていきましょう!

かつて世界は音に満ちていた。
風のざわめき。小鳥のさえずり。木々のさざめき。
その全てが、手の中にあった。
けれど、ある日を境に、音は世界から消え去った。
遠雷の響きも。虫の羽音も。波の轟きも。
一切の音が手のひらから零れ落ちていった。
今や万象は、沈黙した。
静寂に包まれた大地へ、最後にもう一度だけ音階を。
この曲を、少女黒鍵に捧ぐ。

ダブルクロス The 3rd Edition 『無伴奏ソナタ』

ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。


GM:それではダブルクロス The 3rd Edition シナリオ『無伴奏ソナタ』、始めていきたいと思います!
GM:よろしくお願いします!
不知火蛍:よろしくお願いしまーす!
生駒均:よろしくお願いします!
初芝実 透:よろしくお願いします!
桟坂 カレン:宜しくおねがいします!

【目次へ戻る】

マスターシーン

GM:では、まずはオープニングフェイズから。
GM:オープニングフェイズ、最初のシーンはマスターシーンです。
GM:優しくて楽しげな音色が空気を震わせる。
GM:それは、キミが『少女黒鍵』に選ばれる前の幼い日の記憶。
GM:その日は、いつも暖かい日差しが降り注いでいた。
GM:週に一度、ピアノの先生がやってきて演奏を教えてくれた。
GM:近所に住む友達の男の子も一緒で、二人で無邪気に鍵盤を叩いた。
GM:触れば音が響くということが楽しくて、弾けば弾くだけ上手に音を鳴らせるようになるのが嬉しかった。
GM:週に一度だけ。穏やかに過ごす、満ち足りた時間。
GM:鍵盤の上で指を滑らせると、軽やかな音が響く。
GM:誰かがキミに微笑みかけ、こう尋ねた。
GM:「――カレン、ピアノは好き?」
桟坂 カレン:「うん、だいすき!」
GM:「そう。よかった」
桟坂 カレン:艷やかな桃色のブロンドをツインテールに結わえた幼い少女は、太陽のような朗らかな笑みを浮かべて応える。
桟坂 カレン:その瞳は希望に満ちていた。この幸せな時間が続くと信じて疑わぬ、真っ直ぐな瞳をしていた。
桟坂 カレン:隣に座る少年と、これからもこうして楽しい時間を過ごせるのだと、
桟坂 カレン:信じて、笑っていた。──幼く、無知であったが故に。
GM:しかし、その暖かな時間は、唐突に終わりを迎えた。
GM:『遺産』は、キミを選んだ。
GM:その瞬間、世界から音は消えた。

GM:シーン終了。
GM:では、マスターシーンはこれで終了です。


【目次へ戻る】

OP1

GM:ここからは改めて各PCのオープニングに入っていきたいと思います。
GM:まずはカレンさんのオープニングからです。
GM:ダイスを振って侵蝕率を上げてください。
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (40 → 49)
GM:いい感じ
GM:では、このシーンは、任務帰りのキミがたまたま音楽ホールの近くを通りかかったところである少年と再会するというシーンになります。
GM:まずはシーンの描写から。

GM:――それは、ごく簡単な任務だった。
GM:いつものように心を殺し、引き金を引いた。
GM:UGNの傭兵としての仕事を終えたキミは、さほど消耗することもなく帰路についていた。
GM:帰還する途中、キミはたまたま街外れにある音楽ホールの近くを通りかかった。
桟坂 カレン:コツコツと、ブーツがアスファルトを踏み鳴らす音は速く。黒いトランクバッグを提げた少女が路地を抜けていく。
GM:キミが路地を歩いていると、不意にピアノの音が聞こえてくる。音楽ホールの方からだ。
桟坂 カレン:閑静な地域だ。人通りの多くない場所ゆえに、その音はより一層意識を引いた。
GM:優しくて明るい音色だ。ピアノを弾いていることが心底楽しくてたまらないというような、そんな演奏だった。
桟坂 カレン:(……これは、)
桟坂 カレン:自然、足は止まって。
GM:その音色は、キミにとってはどこか懐かしさを感じさせるものでもあった。
桟坂 カレン:──モーツァルトのピアノソナタ。幼い頃、よく『先生』が弾いてくれた曲だった。
桟坂 カレン:練習が一段落付くと、よく弾いてほしいとせがんだものだ。そんな記憶が、ふと泡沫のように蘇って。
桟坂 カレン:コツ、コツ、と。緩やかな足取りが、ホールへと向く。
GM:キミがホールに入ると、そこには一心不乱にピアノを弾く青年の姿があった。
GM:周囲のことなどまるで目に入っていないかのように、真剣な様子で鍵盤を叩いている。
GM:情熱的で、楽しげで、聞いている人の心を揺さぶるような旋律だった。
GM:青年は延々とピアノを弾き続け、やがて満足したのか疲れたのか手を止めて大きく息を吐く。
桟坂 カレン:「……『ピアノソナタ 第2番ヘ長調 K.280』」
桟坂 カレン:「懐かしいわね」 青年に、声を投げかけた。
GM:青年はキミに気付き、朗らかな笑みを浮かべる。
阿奏戯一生:「知ってるの? 俺の好きな曲なんだ!……って、あれ。もしかして」
阿奏戯一生:「カレンちゃん?」
桟坂 カレン:そんな風に親しげに呼ぶ人間は、今となっては数少ない。僅かな擽ったさを覚えながら、
桟坂 カレン:「……ええ、久しぶり。一生」
阿奏戯一生:「やっぱりそうだ! 最初は気付かなかったよ。でも、音が一緒だったからすぐわかった」
阿奏戯一生:「俺のことも覚えててくれたんだ。懐かしいなぁ。小さい頃、よく一緒にピアノ弾いたよね」
桟坂 カレン:「音?」 もう数歩、ピアノに──青年に近寄って。
阿奏戯一生:「そう、カレンちゃんの音」
阿奏戯一生:ピアノに触れ、音を鳴らす。
桟坂 カレン:「……同じかしら。随分と──変わったと、思うけど」
阿奏戯一生:「雰囲気は少し変わったけど、旋律は一緒だよ」
桟坂 カレン:例えば、ブーツの踵の音に僅か混ざる、関節の軋む音であったり。
桟坂 カレン:──挙げればキリがない。それでも、彼が同じだというのなら、
桟坂 カレン:「相変わらず。不思議な人ね」
阿奏戯一生:「なんていうかなぁ。体の音じゃないんだよ。心の音?上手く言えないな」
阿奏戯一生:「あはは、よく言われる」
桟坂 カレン:心の音があるなら、きっとその音は随分と小さくなってしまっているだろう、とは言わなかった。
桟坂 カレン:「……突然入ってきて言うのもなんなのだけど。此処で、何をしてるの?」
阿奏戯一生:「何って、ピアノがあったから」
桟坂 カレン:「あった、って」
阿奏戯一生:「見たらつい弾きたくなっちゃって」
桟坂 カレン:「……何かコンサートとか。そういう準備じゃないの?」
阿奏戯一生:「あはは、違う違う。コンサート……というかコンクールはまだ少し先だよ」
阿奏戯一生:「ピアノ、あったら弾きたくならない? そこに山があるからだ、みたいな」
桟坂 カレン:「……触らなくなって、随分久しいわ。もう、何年も前になる」
桟坂 カレン:「貴方は、続けていたのね」
阿奏戯一生:「うん。俺、カレンちゃんと会えなくなってからもずっとピアノ続けてたんだ」
桟坂 カレン:子供の遊びの延長上だった私と違って、紛れもない才覚を持っていることを、当時から感じていた。
阿奏戯一生:「何でだろうね。あの時間が楽しかったからかなぁ」
桟坂 カレン:近所に大きなピアノがある家が桟坂の離れだけだからという理由で訪れていた少年。
桟坂 カレン:その目覚ましいまでの成長を見ているのは、子供心に楽しいものだったと憶えている。
桟坂 カレン:「……そう、それなら」
桟坂 カレン:「あの頃にも少しは意味があった、ということかしら」
阿奏戯一生:「なんか変な言い方だ。あ、カレンちゃんはあれからどうしてたの?」
桟坂 カレン:その問いに一瞬、言葉に詰まって── 「別に、何てこともないわ。普通の生活よ」
桟坂 カレン:普通の。桟坂の家に生まれ、選ばれてしまった者としての。
阿奏戯一生:「そっか。そういうものか」
桟坂 カレン:「ええ。だから、特段面白い話ができなくて悪いのだけど」
阿奏戯一生:「そんなことないよ。カレンちゃんと久しぶりに会えただけですっごく嬉しい」
GM:青年はあの頃と変わらぬ無邪気な笑みをキミに向ける。
桟坂 カレン:「……ピアノだけじゃなくて、口も上手くなったようね」
桟坂 カレン:ほんの少しだけ、唇を吊り上げるように笑って。
阿奏戯一生:「……? ピアノ以外は全然練習してないけど、俺」
GM:青年は不思議そうにキミを見つめる。
桟坂 カレン:「自覚がなさ過ぎるのも、問題よね」 呆れたように呟いて。
桟坂 カレン:──無性に。
桟坂 カレン:──欲が。まるで、奥底に閉じ込めた記憶の箱から這い出て来るように、のそりと滲み出て。
桟坂 カレン:「……どうせ、面白い話ができないのなら。もう少し、貴方のピアノが聴きたいわ」
阿奏戯一生:「あ、いいよ。もちろん」そう言ってピアノに向き直る。
GM:と、その時。
GM:眼鏡をかけた中年の紳士がホールの入り口の方から青年に声をかける。
紫東響次:「阿奏戯くん、時間ですよ。次のスケジュールがあります」
阿奏戯一生:「はい。分かりました、先生」
阿奏戯一生:「ごめん、カレンちゃん。俺、行かなきゃいけないみたい」
桟坂 カレン:「……あら」 男性の方に、視線を遣って
阿奏戯一生:申し訳なさそうに頭を下げる。
桟坂 カレン:「いえ。邪魔したのは、私の方だから」 す、と一歩。ピアノから距離を取る。
阿奏戯一生:「あ、そうだ。近々このホールで大きなコンクールがあるんだ。良かったらカレンちゃんも聴きに来てよ」
桟坂 カレン:「……そうね」 逡巡。何に悩んでいるのか、自分でも分からないまま──
阿奏戯一生:「賞とかは正直あんまり興味ないんだけど、たくさんの人にピアノを聞いてもらえるのってなんかそれだけでワクワクするよね。……先生はそれじゃあダメだって言うんだけど」少し小声になって言う。
桟坂 カレン:「此方の都合が付くかどうかは、わからないけれど」 言い訳のように前置きをして
阿奏戯一生:「ああ。それはもちろん。暇だったらでいいから」朗らかに笑う。
桟坂 カレン:「……ええ。貴方の晴れ舞台、良ければ見せてもらうわ」
阿奏戯一生:「やった。楽しみにしてるね!」
紫東響次:「阿奏戯くん。急いでください」低い声で言う。
阿奏戯一生:「ごめん、カレンちゃん。じゃあ、また会おうね!」
GM:青年は荷物をまとめると、ホールの入り口の方に走っていく。
桟坂 カレン:機械じみた動きで、緩やかに一礼。去っていく二人を眺める。
桟坂 カレン:「…………」
桟坂 カレン:懐かしい音色、懐かしい顔。幼い日々の淡い思い出に、"らしくない"ことをした、と思った。
桟坂 カレン:あの頃、確かに私は幸せだった。それは間違いない。──だけれど、それは、
桟坂 カレン:記憶の箱の内側に、仕舞っておくべきものだ。
桟坂 カレン:今となっては、ただ燃えるだけの薪に過ぎない。
桟坂 カレン:──だけれど、そうだと割り切るには。
桟坂 カレン:あの音色は、あまりにも情熱的で、楽しげで、心が揺さぶられるようで──
桟坂 カレン:「…………立ち寄るべきじゃ、なかったのかもね」
桟坂 カレン:自嘲気味に、誰もいないホールの中、そう零して。
桟坂 カレン:まるで次に誰かが弾くために残されたかのような、蓋の開いたままのピアノに躙り寄る。
GM:キミの目の前にはよく手入れされたピアノがある。
桟坂 カレン:陶器のような手が和音を弾いた。教えられた記憶、まだ"少女黒鍵"と出会う前の、ただ満ち足りていた頃に導かれるように──
桟坂 カレン:「……だめね」
桟坂 カレン:私の時間は、止まったままだ。
桟坂 カレン:世界から、音は既に消えている。
GM:か細い音がホールに響き、すぐに消えた。
GM:キミは、1人そこに取り残されていた。

GM:シーン終了。
GM:シナリオロイスは阿奏戯一生に取得してください。
桟坂 カレン:阿奏戯一生 懐旧/◯疎外感 で取得。
GM:おお、ありがとうございます。ネガティブが表だ。
GM:では、改めてこのシーンは終了です!

【目次へ戻る】

OP2

GM:次のシーン。
GM:次は、初芝実さんのOPになります。
GM:ダイスを振って侵蝕率を上げてください。
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (40 → 48)
初芝実 透:あがるなあ
GM:あがるあがる
GM:このシーンは任務帰りのキミが、どっかの音楽大学で怪しげな怪物と出くわすというシーンになります。
GM:では、まずはシーンの描写から。

GM:――それは、キミがUGNの任務を終えた後のことだった。
GM:通信で任務完了の報告をすると、事務員の女の子がキミを労う。
GM:『ご苦労様でした、初芝実さん。寄り道せずに戻ってきてくださいね』
初芝実 透:「了解しました。多分……多分、大丈夫ではないかと思います」
初芝実 透:黒い喪服のような上着の裾を翻しながら、歩く。
初芝実 透:「多分、何も気になる物がなければ……」
GM:帰路についたキミはN市郊外の音楽大学の近くを通りかかっていた。
初芝実 透:背の高い眼鏡の青年。端末を持つ手には白い手袋。
GM:『ぜ、絶対に真っ直ぐ帰ってきてくださいね』そっけなく言って、通信が切れる。
初芝実 透:(音楽大学、か。音は盗めないからなあ……)
GM:大学の広いキャンパスが目に付く。
初芝実 透:ふつり、と通信が切れた端末をポケットにしまい込む。
GM:と、その時。
GM:不意に《ワーディング》が貼られる。
GM:音楽大学の構内からのようだ。
初芝実 透:(触れられないものを盗むには。……?)
初芝実 透:瞬間、そちらに迷いなく踏み切る。
GM:では、キミが音楽大学の構内に踏み込むと。
初芝実 透:構内へ。ワーディングの発生源へと急ぐ。
GM:そこには、血を流して倒れる青年とその前に立つフクロウのような怪物の姿がある。
GM:フクロウのような姿の怪物は、トドメを刺そうとしているのか青年に歩み寄り鋭いカギ爪を振り下ろそうとする!
初芝実 透:「すみません。真っ直ぐは無理でした」今は繋がっていない相手に対して呟き。
初芝実 透:ふ、と姿が周囲に溶け込むように消える。
GM:キミの目の前で、フクロウの妖爪がゆっくりと振り下ろされる。
初芝実 透:次の瞬間、姿が現れる。そのすぐ前に。
フクロウの怪物:「……ッ!」
初芝実 透:爪を持つ腕をはじき返そうと手袋を振るう。
GM:キミに阻まれ、フクロウのような姿の怪物は数歩後退する。
初芝実 透:「いけませんよ。それは」
GM:倒れている青年はケガはしているが、命に別条はなさそうだ。
初芝実 透:す、と振るった手を引く。青年を横目で見て安堵。
GM:怪物はキミと距離を取り、警戒する。
フクロウの怪物:「何者か知らんが、邪魔をしないでいただこう」
初芝実 透:「邪魔というと、この方への攻撃ですか?」
初芝実 透:「これ以上は危ないですよ。命は、奪うのは少し大きすぎる」
フクロウの怪物: 「そうだとも。一見乱暴に見えるかもしれないが、私は世の中のためになることをしているのだよ。言わば私は義賊だ」
初芝実 透:目を細め、相手を見定める。
初芝実 透:「義賊?」
GM:怪物は猛禽のような手を後ろ手に組み、ゆっくりと歩く。
フクロウの怪物:「この世界には雑音が多すぎる」
フクロウの怪物:「雑音を奏でるだけの余計な才能ならば奪い去ってしまった方がいい」
初芝実 透:「……音楽大学」
初芝実 透:(学生か、この青年は?)
フクロウの怪物:「想像してみたまえ。余分な音のない世界がどれほど美しいか」
初芝実 透:「……音のない」
初芝実 透:「空白の……世界?」
初芝実 透:少しだけ想像する。あるべき音が抜けた、奇妙に静かな世界。
フクロウの怪物:「そう、空白の世界だ。そこでこそ、旋律は本当の価値を持つ」
初芝実 透:「そうですね。私もそれは美しいと感じますが……」首を少し傾げる。
初芝実 透:「きっとあまり正しくは、ないですね」
フクロウの怪物:「美しさこそが正しさではないのかね?」
初芝実 透:「私の中では少し、違います」
初芝実 透:「むやみに血が流れるのはちょっとなあ……」咀嚼するように考えて、言う。
フクロウの怪物:「やむを得ない犠牲だよ、その血は」
初芝実 透:「聞こえるべき旋律とやらが響くのは美しいですが、やっぱり、人様に迷惑をかけるのは、見過ごせないので」
フクロウの怪物:「そうか。実に残念だ」
初芝実 透:「そうですね。あなたがなりますか? やむを得ない犠牲」
初芝実 透:「それもあまり好ましくはない」
初芝実 透:「止めてください」
フクロウの怪物:「何やらキミは物騒だな。私はこの辺りで退散するとしよう」
初芝実 透:「えっ」
初芝実 透:「あなたに物騒とは言われたくないんですが……」
初芝実 透:倒れている青年を見ながら。
フクロウの怪物:「ははは。では、お互い様ということだな」
初芝実 透:「いや、お互い様でもありませんよね……?」
GM:フクロウのような姿の怪物はハヌマーンのエネミーエフェクト《ワールウインド》を使用。
初芝実 透:言いながら、距離を詰めようとする。
GM:そのままシーンから退場します。
GM:怪物はキミに向き直ると、黒い霧を吐く。
初芝実 透:「……っ!」
GM:その黒い霧が広がり、晴れた頃には怪物の姿は消えている。
初芝実 透:顔を庇う。
初芝実 透:(……しまった。遅かったな……)
GM:同時に《ワーディング》も解除されている。
初芝実 透:周囲を見回す。まずは怪我人への対処。
GM:キミの背後に倒れた青年だけが、そこに残されている。幸い、すぐに救護すれば大事には至らなさそうだ。
初芝実 透:(……さて。あれこれと言っていた相手だが……)
初芝実 透:(困ったな。わからなくはないんだ。あの理屈は)
初芝実 透:(わからなくはないからこそ、しかし……)青年の
初芝実 透:青年の血を軽くハンカチで拭う。
初芝実 透:白地に赤い染みが咲く。
初芝実 透:(肯定も、してはいけない。きっと。この色がある限り)
初芝実 透:「……さて」
初芝実 透:ポケットから端末を再び取り出す。先ほどの番号に連絡をし直す。
初芝実 透:「……初芝実です。あの、すみません」
初芝実 透:「これは、寄り道ではないと判断するんですが……」
初芝実 透:恐縮するように縮こまって、支部へと連絡を行った。
GM:最初は非難めいた声色だった事務員の女の子の声が、徐々に真剣なものになっていく。

GM:キミが市民を救護し、その対処に当たったところでこのシーンは終了だ。
GM:シナリオロイスはフクロウのような怪物に取得してください。
初芝実 透:はい! 共感/○否定 で取得したいです
GM:了解しました!
GM:ちゃんと否定してて偉い!
GM:では、改めてこのシーンは終了です。

【目次へ戻る】

OP3

GM:次のシーン!
GM:次は、生駒さんのオープニングになります。
生駒均:はーい!
GM:生駒さんはダイスを振って侵蝕率を上げてください。
生駒均:生駒均の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (36 → 45)
生駒均:皆興奮してるね?
GM:どんどん興奮していきましょうね
GM:このシーンは、キミが学校の教室でクラスメイトの波奏とワイワイするシーンになります。
GM:では、まずはシーンの描写から。

GM:――N市公立高校。キミが学生として通っている高校だ。
GM:この日も滞りなく時間が過ぎ、昼休みがやってきた。
GM:クラスの生徒たちは思い思いに席を立ったり、弁当箱を広げたりしている。
生駒均:「──♪」
生駒均:一昔前に流行った歌を、下手くそな口笛で吹きながら弁当を広げる。
GM:その時、ドアが開き、色素の薄い髪色をした小柄な少女が教室に入ってくる。
GM:無表情な少女はフラフラとした足どりで進む。
GM:そして、キミの席のすぐ近くで倒れる。
来堂波奏:「ぱたり」
生駒均:「んお?」
生駒均:そちらの方に視線を移して、ジロジロと少女の顔を見つめる。
GM:キミの目の前で少女は倒れている。
来堂波奏:「きゅー」
生駒均:「お、波奏ちゃんじゃん!どしたのどしたの、腹減った?」
生駒均:「ダメージボイスが聞こえてくる、これは結構へこんでると見たね!」
来堂波奏:「腹減った……? これはもしかしてお腹が空いたせい?」
来堂波奏:「なぜか体が動かなくなった」
生駒均:「や、そこはオレに聞かれましても。お疲れ?」
GM:不意に、少女の方からお腹の音が聞こえる。
生駒均:「今度は口からじゃなかったねえ」
来堂波奏:「昨日からずっと音楽室でピアノを弾いていたのだけれど、いつの間にかお腹が空き、いつの間にか体が動かなくなった」
来堂波奏:「……ふしぎ」ぼんやりと呟く。
生駒均:「ほんと好きなんだねえ、打ち込めることあるのは素晴らしいけども!」
来堂波奏:「わたしは凡人だからたくさん数をこなさないといけない」
生駒均:「頑張ってる君を応援したい!茶色で。」
来堂波奏:「茶色?」顔だけそちらを向ける。
生駒均:肉のやたら多い弁当を差し出す。
生駒均:「肉肉しいでしょ。生焼けはないはずなので茶色ー」
来堂波奏:「おお……!」お弁当を見て、瞳をキラキラさせる。
来堂波奏:「食べてもいいの……!?」
来堂波奏:きゅるきゅるとお腹が鳴る。
生駒均:「いいよいいよ、まだまだあるから。こんなこともあろうかと」
来堂波奏:「さすが生駒均。こんなことまで想定しているとは」
生駒均:鞄から2つ目の弁当を取り出して開く。似たような内容。
生駒均:「フルネーム呼びは愛称としてカウントしよう。もっとホメ給え!」
来堂波奏:「2つも食べていいの……!?」瞳をキラキラさせる。
生駒均:「いやこっちはオレんよ?結構食い意地張るね君!」
来堂波奏:「食い意地は張ってない。お腹が空いているだけ」
来堂波奏:「生駒均。あなたは良い人。将来は次の千円札になるでしょう」
生駒均:「すごそう。どんだけやったら万札昇格できるかな」
来堂波奏:「それにはもっとわたしに食べ物を与える必要がある」
生駒均:「ま、とにかく食べちゃってよ。足りなかったら交渉には応じるぜ?」
来堂波奏:もぞもぞと起き上がり、キミの席の前に座る。
来堂波奏:「では、お言葉に甘えて」
生駒均:「皆食い終わった時間の売店行くのもなかなか楽しんだ、余りを漁れて……ん、どうぞ、そしていただきます!」
来堂波奏:「ご相伴に預かります。いただく」手を合わせる。
生駒均:パシンと手を合わせ箸を手に取る。
GM:少女はすごいスピードでパクパクとお弁当を食べ進める。
生駒均:「しかしあれね、最近は特に頑張ってるね」
来堂波奏:「もっともっと練習をする必要があるから」
生駒均:「普段からえらいけど最近は特に努力が見えるぜ。はなまるをあげよう」
来堂波奏:「はなまる、ありがとう」
来堂波奏:「このよく分からないお肉、おいしい」
生駒均:「多分牛肉」
来堂波奏:「牛肉はえらいな。将来的に次の五千円札になれる」
生駒均:「差し出したもんに負けたんだが!」
生駒均:「で、なんかあるんだっけ?部活の大会とかもうそんな時期?」
来堂波奏:「コンクールがある。今までわたしが出たことのないような大きなコンクール」
生駒均:「……おう?マジでか」
来堂波奏:「ようやく出られるようになった。必ず良い成績を残さないと」
生駒均:「やったじゃん!そういうの、出るだけでも大変なやつっしょ?」
生駒均:「いいねいいね、均ちゃんは頑張る若者を応援するぜ!」
来堂波奏:「そう。わたしは出られるようになるまで15年かかった」
生駒均:「でもご飯はちゃんとお食べね、いつもオレが余分な弁当抱えてるとは限らないぜ……っと」
来堂波奏:「完璧ではまだ足りない。もっともっと弾き続けないと」食べながら鍵盤を弾くような動きで手を動かす。
生駒均:「……厳しい世界なんだなあ」
来堂波奏:「そのためには、練習が必要」
生駒均:「それで最近ずっと、かあ。んー……」
生駒均:ポリポリと頬をかいて、うんうんとうなりだす。
来堂波奏:「ごちそうさまでした」箸を置き、満足げに微笑む。
来堂波奏:「茶色は美味」
生駒均:「うおっ早っ。お粗末さまでした」
生駒均:「肉は力をくれるからね。パワー湧いた?」
来堂波奏:「湧いた。むきむき」ポーズを取っている。
来堂波奏:「生駒均に、一宿一飯の恩ができた」
生駒均:「宿貸しましたっけ?」
来堂波奏:「お弁当とセット販売ではなかった?」
生駒均:「美少女ならウェルカムと言いたいとこだけど、世間の目がなー」
来堂波奏:「世間は厳しい。特に生駒均に厳しい」
生駒均:「不審者には生きづらい世の中だぜ……」
生駒均:カチカチとゴーグルを指で叩く。
来堂波奏:「あ。不審といえば」不意に、不安げな表情を浮かべる。
生駒均:「ん?」
来堂波奏:「生駒均は聞いたことある? 呪いの噂」
来堂波奏:「呪いのピアノ。今、この街で噂が流れている」
生駒均:「呪い?花子さんの人体模型が動いた的なやつとは違くてか」
来堂波奏:「近からず遠からず」
生駒均:「遠くもないんだ」
来堂波奏:「それはとてもとても素晴らしいピアノで、才能のあるピアニストの前に現れるそう」
生駒均:「そこまでなら良いことに聞こえるけど」
来堂波奏:「でも、そのピアノに魅了されてうっかり演奏してしまうと――」
来堂波奏:「心を奪い去られてしまう」
生駒均:「ホラーだ」
来堂波奏:「ホラーかつミステリー」
来堂波奏:「わたしにはあまり関係ないけれど……少し気がかり」
来堂波奏:「生駒均はどう思う?」
生駒均:「関係ないこたないじゃん。ピアノの話だろ?」
来堂波奏:「わたしはあまり才能のある方じゃない」
来堂波奏:「つまり、そのピアノの前では無敵」ブイサインをする。
生駒均:「ん……そっか」
生駒均:「(現れてほしいのかな)」
生駒均:口には出さずに少し考える。
生駒均:「えっと、どう思うかだっけ?」
来堂波奏:「そう。やはり眉唾?」
生駒均:「んー、そうだなあ」
生駒均:顎に手を置いてしばし考え込み、
生駒均:「呪いのピアノは波奏ちゃんの前に現れるが、そこで秘めたる才能が開花」
生駒均:「あまりに素晴らしい音色の前に呪いが解けて」
生駒均:「2人は伝説のピアニストとピアノコンビとして世界に羽撃くのでした……」
生駒均:「みたいな感じでどう?ハッピーエンドで!」
来堂波奏:くすりと笑う。
生駒均:「あっ、受けた?喜んでいいのか微妙、結構真面目に考えたんだがね!」
生駒均:ゴーグルに指を添え「キラーン」と擬音を口に出す。
来堂波奏:「荒唐無稽すぎる。そんなお話は今時流行らない。新人賞、一次予選で落選」
生駒均:「審査員評価は辛辣!」
生駒均:「良いじゃん、夢見たって。オレたちまだまだ若いんだぜ?」
来堂波奏:「ありがとう」ポツリと呟く。
生駒均:「ん?どういたしまして」
来堂波奏:「……今のは、ただのお弁当のお礼」
生駒均:「1000円か5000円かな」
来堂波奏:「二千円札くらいにはなれるかも」
生駒均:「絶滅が危惧される。優しく接してもらえると」
来堂波奏:「なぜかやる気が出てきたからわたしは練習に戻る」
生駒均:「はいよー、行ってらっしゃい。今度は倒れる前に帰ってくるのよー」
来堂波奏:「先公には午後の授業はフケるぜって伝えておいてほしい」
生駒均:「ピアニストなのにロックぅ」
生駒均:手の代わりに袖をパタパタと振る。
来堂波奏:「では、また放課後に」小さく手を振る。
生駒均:「ほいほーい」
GM:その時、キミの通信端末にメッセージが届く。
生駒均:「ん」
GM:UGNからの呼び出し。新たな任務のようだ。
生駒均:「ありゃ、お仕事。ヒーローに休息はないわね」
生駒均:「……むー」
生駒均:波奏の話した呪いのピアノ。よくある噂話、都市伝説の類……
生駒均:そういう話は聞き捨てならない。なにせ真実なことが往々にしてある、っと知っているわけで。
生駒均:「タイミング、よろしくないねえ……関係なきゃいいけど」
生駒均:「(……いや、)」
生駒均:「(波奏ちゃんにとっては、どっちが良いのかな)」
生駒均:ただの噂で、現れない。真実で、現れない。
生駒均:「あ、どっちでもないな」
生駒均:『素晴らしい音色の前に呪いが解けてハッピーエンド』。
生駒均:それが一番良いに決まってる。
生駒均:「っと、やべ、次移動じゃん。急げ急げっ」
生駒均:止まっていた箸を再度動かして弁当の中身をかっこむ。
生駒均:やれ、青春は忙しい。

GM:では、キミが慌てて弁当を食べ、移動教室の準備を始めたところでこのシーンは終了だ。
GM:シナリオロイスは来堂波奏に取得してください。
GM:推奨感情はポジティブが好意、ネガティブが不安ですが変えてもいいよ。
生駒均:じゃあロイス! 来堂波奏 ○P好意/N隔意
生駒均:心配はしないぜ!ハッピーエンドになるからな!
GM:えらい!
GM:ハッピーエンドになるかどうかはキミの頑張りにかかっている
GM:では、改めてこのシーンは終了だ。

【目次へ戻る】

OP4

GM:次のシーン。
GM:最後は蛍ちゃんのOPです。
GM:ダイスを振って侵蝕率を上げてください。
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (31 → 39)
GM:いい具合に上がる。
不知火蛍:ぴろりーん
GM:このシーンは、キミが地下のバーで旧友のエリカと話すシーンになります。
GM:まずはシーンの描写から。

GM:――それは、キミが古い友人の桟坂エリカと久しぶりに会った時のことだった。
GM:ある夜のこと。
GM:キミは、繫華街の地下にあるバーで彼女と待ち合わせていた。
GM:キミがバーに入ると、カウンター席には既に彼女の姿があった。
GM:人形のような整った美貌の彼女は、いつものように男ものの黒いスーツ姿。傍らにはバイオリンケースを立てかけている。
GM:キミの姿を認めると、彼女はグラスをかざして微笑みかける。
桟坂エリカ:「やあ、蛍。先に始めていたよ」
不知火蛍:「エー
不知火蛍:    リー
不知火蛍:       カー!」
桟坂エリカ:「わっ」その声に驚いて見せる。
不知火蛍:一歩、二歩、三歩。抱き着きかねないような勢いで駆け寄る。
不知火蛍:「あっはは、元気そうじゃない! 連絡ほとんどないから何してるのかと思ったわよ!」
桟坂エリカ:「世界中を飛び回っていたんだ。こう見えても一流のビジネスマンだからね、私は」
不知火蛍:ぽんぽんと背中を叩く。力があまり強くないのは、相手が飲料を手に持っているからに他ならない。
桟坂エリカ:「キミとこうして会うのも随分と久方ぶりな気がするな」
不知火蛍:「そうねー。えーと……1年? もうちょっと経ってるかな?」
桟坂エリカ:「それくらいかな?キミも座るといい。何か頼みたまえ」気障っぽく笑う。
桟坂エリカ:「このバーは、モスコミュールが美味い。私のオススメだ」
不知火蛍:「うーんいい笑顔。わたしじゃなければ惚れてたぜ……あ、バーテンさん、ノンアルのモヒートください!」
桟坂エリカ:「ノンじゃなくても構わないというのに。マスターは私の顔馴染みだ」
不知火蛍:「おっと、じゃあそれを次に頼もうっと。一杯目はわたしの好みで行かせてね」 にひひ、と笑う
GM:すぐにキミの前にノンアルコールのカクテルが運ばれてくる。
不知火蛍:「そーゆー訳にも行かないの。飲んで捕まるのはわたしなんだからね。最近は夜の街も見回りが多くてさー」
桟坂エリカ:「はは。それもそうか」
桟坂エリカ:「変わらず元気にしてたかい、蛍」話しながらグラスを傾ける。
不知火蛍:「うん、こっちは相変わらずよ。勉学にもバイトにも大忙し、ってね」 いただきます、と手を合わせてからグラスを口に運ぶ
不知火蛍:バイト。……UGNでの様々な任務は、エリカには『バイト』で通している。
桟坂エリカ:飲む前に軽くグラスを寄せ、無言で乾杯をする。
桟坂エリカ:「私はこの街で大きな仕事があってね。それで帰ってきたのさ」
桟坂エリカ:「その仕事の前に、一目キミを見ておこうと思ってな」
不知火蛍:「へえ。こんな街にもエリカのお仕事するようなところあったんだ……こういう時何て言うんだっけ? 光栄?」
桟坂エリカ:「楽器商人だからな。どこにでも仕事はあるさ」
桟坂エリカ:「光栄なのは私の方」芝居がかった礼をする。
不知火蛍:「にゃははは、照れちゃうなもう」 ニコニコとエリカに笑いかける
桟坂エリカ:「私のような“人形の為り損ない”と仲良くしてくれるのなんてキミくらいのものだからな」
不知火蛍:「……」 グラスを口に運んで、こくりと飲み込む。「まあ、それを言ったらわたしだって"死体のなりそこない"だもの。似たものどーし似たものどーし」
桟坂エリカ:「蛍は蛍だろう。こうして生きている」軽く手を伸ばし、手の甲でキミの頬に触れる。
不知火蛍:「あうあう」 頬はとても柔らかく、少し暖かい。
桟坂エリカ:「ほら。こんなに暖かい」
GM:彼女はグラスを飲み干す。酒の勢いが早く、彼女の顔はあっという間に赤くなっていく
GM:やがて彼女の体がぐらぐらと揺れ、キミの肩にもたれかかる。
不知火蛍:「……エリカだって」 手を伸ばし、お返しとばかりに頬をつつく。「血が流れてるし、生きてるじゃない」
不知火蛍:「って、おっとと……だいじょぶ? 飲みすぎてない?」
桟坂エリカ:「それは……私が人形に為り損なったからだ……」
桟坂エリカ:「今の私は……本当に望んでいた私じゃない……」
不知火蛍:「またその話かぁ……人形じゃなくたって、エリカは素敵なのになあ」 エリカに飲ませるように、バーテンさんに水を頼む。
桟坂エリカ:「だから、やるしかないんだ……桟坂家のために……」ふにゃふにゃとした口調で言う。
桟坂エリカ:「ねえーー、やだーーー、蛍ーー」
桟坂エリカ:「お仕事つらいよーーー!」
不知火蛍:「ちょ、エリカ……ここでこのモード入っちゃうの!? まずいよバーテンさんめっちゃこっち見てるって!」
GM:彼女はそう言いながらさらに酒をあおる。
桟坂エリカ:「これがねー、飲まずにやってられるかってのー!」
桟坂エリカ:「何が営業だよ、バカ―!」
不知火蛍:「わあんノリが完全に場末の居酒屋だよぉ。エリカー、落ち着いてエリカ―っ」 ぺちぺち頬を叩いたり水を与えようとしたり
桟坂エリカ:「あ、待って。気持ち悪い……」
桟坂エリカ:「あんまり動かさないで……」
不知火蛍:「……トイレまで自力で行けそう?」
桟坂エリカ:「オーケー。こう見えても一流のセールスマンだから……」
桟坂エリカ:震える手でキミを制する。
不知火蛍:「う、うん。お願いね……流石にまた床掃除するのはわたしだっていやだからね……」
GM:――数分からもしくは数十分後。
GM:彼女は、キミの隣の席で気障な笑みを向けていた。
桟坂エリカ:「心配かけたね、蛍。もう大丈夫だ」
桟坂エリカ:「もう二度とお酒は飲まない」
不知火蛍:「前もそう言った」
桟坂エリカ:「記憶力がいいな。さすがは蛍だ」
不知火蛍:「それはまあね……忘れられない傷痕(おもいで)ですよ……」
桟坂エリカ:「あの時は本当にごめん……」
不知火蛍:「……まあ、うん。反省してるならオッケー」
桟坂エリカ:「いや、そうじゃなく。本当にもう心配要らないのさ」
不知火蛍:「?」 首をかしげる 「どういうこと?」
桟坂エリカ:「私は、この街での大きな仕事が終わったらしばらくのんびり過ごそうと思ってね」
桟坂エリカ:「休暇だよ、休暇」
桟坂エリカ:「仕事のストレスが無くなれば、こんなやつともオサラバさ」グラスを指でつつく。
不知火蛍:「わお」 びっくり 「いいなー、休暇。すごいじゃん」 頬を指でつつく。背中を叩かないのは刺激を与えないために他ならない
桟坂エリカ:「そうなったら、どうするかな。南の島にでも行ってのんびり過ごすってのもいいな」
桟坂エリカ:「なんなら蛍も一緒に来るかい?」
不知火蛍:「羨ましいー。一足お先に人生すごろくゴールじゃん」 あはは、と笑った後
不知火蛍:「え、わたし?」
桟坂エリカ:「そう。蛍と一緒ならきっとどこに行っても楽しい」
不知火蛍:「ま、まあそれは光栄だけど……」 視線をエリカから逸らして、ノンアルカクテルの入ったグラスを持ち上げる
不知火蛍:――一瞬、グラスに反射する照明光が、揺らめく炎に見えた
桟坂エリカ:「まあ、パスポートの申請でもしながらのんびり考えておいてくれ」
不知火蛍:「……うん。考えておくね」
GM:その時、キミの通信端末にメッセージが届く。
GM:UGNからの呼び出し。新たな任務のようだ。
不知火蛍:「……」 通信端末に視線をやって 「げ、バイト先から……マジかー、結構な時間なのに」
桟坂エリカ:「おやまあ。学生の身なりで大変だな」
桟坂エリカ:「なら、先に行くといい。私はもう少し酔いを醒ましてから帰ることにするよ」
桟坂エリカ:「いや、酔っているわけではないが」
不知火蛍:「ん、そうする。ゴメンねエリカ。また今度、ゆっくり話そ」
桟坂エリカ:「ああ、そうだな」
不知火蛍:「……確実にアルコール抜けるまでゆっくりしてるよーに」
桟坂エリカ:「そうさせてもらうとしよう……」
桟坂エリカ:「あ、蛍。一つだけ」
不知火蛍:「ん、なにー?」
桟坂エリカ:「この街で、決して“呪いのピアノ”に近付かないように」
桟坂エリカ:どこか神妙な顔でそう言う。
不知火蛍:「……呪いのピアノ」 きょとんとして 「そういうのがあるの?」
桟坂エリカ:「ああ、いや。特に深い意味はない。おまじないのようなものさ」
桟坂エリカ:「ただ、もし見かけても決して近付かないこと」
不知火蛍:「う、うん……分かった、気をつけるね」 笑い飛ばそうかとも思ったが、エリカの真剣な様子にこちらも神妙になる
桟坂エリカ:「それじゃあ、また」気障に笑って手を振る。
不知火蛍:「ん。またねー、エリカ」 笑顔を浮かべながら手を振り、バーを後にする。
桟坂エリカ:「……そう。これは、“人形の為り損ない”に与えられた最後の使命だ」去ってゆくキミを見送りながら小さく呟く。
不知火蛍:――しばらく後。二人が出会っていたバーからやや離れた場所に位置する、公衆トイレにて。
不知火蛍:「…………」
不知火蛍不知火蛍(わたし)は、笑顔を浮かべながら、鏡に向かい合っている。
不知火蛍:「……大丈夫、だよね」
不知火蛍:「わたし、今日もちゃんと笑えてた、よね……?」
GM:公衆トイレの薄暗い電灯の下、鏡にはキミの顔が映っている。
GM:電灯がパチパチと明滅し、一瞬だけ鏡に映る笑顔が見えなくなり、また元のように少女の笑顔が映った。

GM:シーン終了。
GM:シナリオロイスは桟坂エリカに取得してください。
GM:推奨感情はポジティブが友情、ネガティブが不信感だけど変えてもいいよ。
不知火蛍:はい! ではそうだな
不知火蛍:桟坂エリカ 〇親近感/劣等感 で取得します
GM:はーい、了解です。
GM:では、改めてこのシーンは終了だ。

GM:オープニングフェイズはこれで全て終了。
GM:ここからはミドルフェイズに入っていきます。


【目次へ戻る】

マスターシーン2

GM:ミドルフェイズ、最初のシーンはマスターシーンです。
GM:マスターシーン。
GM:大学の教授室。
GM:眼鏡をかけた中年の紳士は穏やかに微笑む。
紫東響次:「お久しぶりです、桟坂さん」
GM:対面に座るのは、黒いスーツを身に纏った男装の麗人だ。片手にはバイオリンケースを下げている。
桟坂エリカ:「お声掛けいただき大変光栄です。紫東先生」
紫東響次:「桟坂さん。あなたにご忠告いただいた通り阿奏戯くんの才能は実に見事なものでした」
紫東響次:「そこで、彼のために新しいピアノを1つ用立てていただけませんか。特製のものをね」
紫東響次:「あなたほど腕の良い楽器商人はいませんからね」
桟坂エリカ:「もちろん。構いませんよ」整った美貌に張り付いたような笑みが浮かぶ。
紫東響次:「今回は私1人でもなんとかなるかと思ったのですが、なかなか上手くいきませんでした。やはりこういうのは本職の方にお願いするのが一番ですね」
桟坂エリカ:「ご安心ください。あとは全て私にお任せを」
桟坂エリカ:「良いご報告をお待ちください、紫東先生。……ああ、それと」
桟坂エリカ:「教授はまだご存知ないようですが、この街にもう1人とても優秀なピアニストがいるようですよ」
GM:男がピクリと反応する。
紫東響次:「いったい誰でしょう。少しばかり興味があります」
桟坂エリカ:「それはまた追々」
GM:スーツ姿の女は優雅に一礼をすると、教授室を後にする。
桟坂エリカ:「……あなたのためじゃありませんよ、教授。全ては、桟坂の家のために」
GM:大学の廊下に、女の革靴の音が響く。
桟坂エリカ:「『少女黒鍵』は、桟坂の悲願だ」
GM:女は、人形のように整った顔を少しも変えずにそう言った。

GM:マスターシーン終了。

【目次へ戻る】

ミドル1

GM:次のシーン。
GM:次は、カレンさんが阿奏戯ともう一度会うシーンになります。
GM:シーンプレイヤーはカレンさん。
GM:他のPCの登場はまだなし。
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (49 → 55)
GM:いい感じ
GM:このシーンは、キミが音楽ホールにもう一度やってくるというシーンになります。
GM:たまたまでもいいし、もう一度彼と会いたかったとかでもいいよ。
桟坂 カレン:では……らしくもなく、気が向いた、ということにして。
GM:はーい。
GM:では、まずはシーンの描写から。

GM:阿奏戯一生と再会した数日後。
GM:キミは、再び音楽ホールを訪れていた。
GM:偶然か、それとももう一度彼と会うためか。
GM:だが、ホールから聞こえてきたピアノの音はどこか乱れていた。
桟坂 カレン:通り掛かったのは偶然か、或いは再会を望んでいたのか。
桟坂 カレン:あの日、ピアノの音を聴いた道を無意識に選んで歩いていた時。聞き咎めた音色の揺らぎに、足は自然そちらを向いていた。
GM:聞こえてくるピアノは音を外し、途切れ、たまに不協和音を奏でる。
GM:とても美しいとは言えない演奏だった。
桟坂 カレン:自分が、らしくもない挙動を取っているのだとすれば。その演奏もまた、らしくないものだ、と。
桟坂 カレン:そんなことを考えながら、ホールの中に踏み入れる。
GM:ホールに入ると、あの日と同じようにピアノを弾いている姿がある。
GM:だが、その様子はどこか苦しげで、焦りも感じられる。
桟坂 カレン:「…………」 気付かれないよう。少し離れた場所で、演奏が終わるのを待つ。
GM:そのうち大きな音を立ててピアノの演奏は止まる。
阿奏戯一生:「あ、カレンちゃん。また会えたね」すぐにキミに気付き、笑顔を向ける。
桟坂 カレン:「……一生」 僅かに、逡巡したように声を返す
阿奏戯一生:「いやー、なかなか上手くいかないな~」苦しそうな顔で笑っている。
桟坂 カレン:「何かあったの?」 数歩近付いて。
阿奏戯一生:「事故に遭っちゃってさ。自分でははっきりとは覚えてないんだけど」
阿奏戯一生:「怪我は大したことないけど、手に軽い麻痺が残ってるらしくて」
桟坂 カレン:「えっ」 思わず声を上げる
阿奏戯一生:「こんなにピアノを難しいと思ったの初めてだよ。困ったな~!」笑いながら言う。
桟坂 カレン:どこで。いつ。身体は大丈夫なのか。
桟坂 カレン:色々な言葉が喉元から出ようとして、だけれども口から溢れたのは、
桟坂 カレン:「……麻痺が残るような怪我をしたのに。どうしてこんなところにいるの」
桟坂 カレン:優しさの籠もらない言葉。
阿奏戯一生:「どうしてって、コンクールも近いし。本番と同じ環境で弾いておいた方がいいだろ?」
桟坂 カレン:「コンクール、って……」
阿奏戯一生:「でもなー、コンクールもどうしようかなって感じ」笑いながら話してる。
桟坂 カレン:「そんな状態で出るなんて、正気じゃないわ」
阿奏戯一生:「そうだよね。でも、俺にはピアノしかないし」
阿奏戯一生:「もっと小さいコンクールからやり直すとか、色々考えてはいるんだよねー」
桟坂 カレン:かぶりを振る。よく見れば、その身体にはまだ何箇所も包帯を巻いた部分や、ネットで保持されたテープ剤などが見える。
桟坂 カレン:「……休む、って選択肢はないの」
阿奏戯一生:「休んでもいいけど、きっと休んでる間にピアノ弾きたくなっちゃうよ」
桟坂 カレン:冗談ではないだろう。その言葉は、真剣そのものだ。
阿奏戯一生:「身体は元気だしなぁ」
桟坂 カレン:「元気じゃないから困ってるんでしょう」
阿奏戯一生:「た、確かに……!」
桟坂 カレン:「……本当に、貴方は昔から」 嘆息して
桟坂 カレン:「ピアノ馬鹿ね。それ以外形容する言葉が見つからないわ」
阿奏戯一生:「でも、カレンちゃんが俺の立場でもきっと同じことしてたって」
桟坂 カレン:「……しないわよ。同じ立場なら、すっぱり諦めてたでしょうね」
阿奏戯一生:「そうかな~。俺の知ってるカレンちゃんだったらしてたよ!」
桟坂 カレン:「それは……」 木漏れ日と、柔らかな音が満ちていた離れの空間での、
桟坂 カレン:幼い頃の私しか、知らないから。
桟坂 カレン:「……今はもう、あの頃の私じゃないの」 知らないから、そう言えるのだ・
阿奏戯一生:「そうなの……?」不思議そうに首を傾げる。
GM:その時、キミの通信端末にメッセージが届く。
GM:UGNからだ。新しい任務だろう。
桟坂 カレン:「……ごめんなさい、少し外すわ」
阿奏戯一生:「ああ、大丈夫。俺もそろそろ帰るところだったから」
桟坂 カレン:開いた端末から、再度視線を外して。「そう、なら……」 送っていくべきか。逡巡して
阿奏戯一生:「体力的にきつくてさ~。老化かな?」ふざけた口調で言いながら、震える手を押さえている。
桟坂 カレン:「……気をつけて、帰りなさい」
阿奏戯一生:「カレンちゃんもね。今度は一緒にアイスでも食べに行こうよ!」
GM:青年はそう言うと荷物を持って歩き出す。
桟坂 カレン:努めて明るく振る舞っているのか。それとも、その笑顔だけは事故によって奪われなかったと喜ぶべきなのか。
桟坂 カレン:それが分かるほど、機微に聡いわけではない。だけれど、後者であってほしいとは、思う。
桟坂 カレン:「ええ、次の機会があれば」
阿奏戯一生:「あるでしょ! ポッピングシャワー知ってる?俺、あれ好きなんだ」
阿奏戯一生:「じゃあね!」
GM:彼は手を振って去っていく。
桟坂 カレン:「……ほんと」「変わらないわね」
桟坂 カレン:幼い頃に並んで食べた、色鮮やかな粒の踊るアイスを思い出して。
桟坂 カレン:──去りゆく背中が追えなくなって、ようやく。端末に再び視線を落とした。
GM:メッセージはN市支部への招集命令だ。
GM:市内に現れたジャームへの対策を取るとのことで、キミにも声がかかったようだ。
桟坂 カレン:……そうだ、私はもう、彼の知っている自分ではない。
桟坂 カレン:”少女黒鍵”を継承し、いずれ人形になるだけの女。
桟坂 カレン:ただ容れ物となるだけの身体に、音も、ましてそれを奏でる素養の必要など、ありはしないのだ。
桟坂 カレン:自嘲気味に笑み。黒いトランクを抱え直した。

GM:では、キミがUGN支部へ向かったところでこのシーンは終了だ。
GM:ロイスの取得や感情変更、購入判定が可能です。
桟坂 カレン:ロイスは変更なし。
桟坂 カレン:では応急キットを調達チャレンジ
桟坂 カレン:1dx1>=8
DoubleCross : (1DX1>=8) → クリティカル値が低すぎます。2以上を指定してください。

桟坂 カレン:1dx+1>=8
DoubleCross : (1DX10+1>=8) → 10[10]+8[8]+1 → 19 → 成功

GM:あっ、達成値が無限になるやつ
GM:成功してる!
GM:では、応急手当キット、入手成功です!
桟坂 カレン:マジか 取得で以上です
GM:では、改めてこのシーンは終了です。

【目次へ戻る】

ミドル2

GM:次は、合流シーン兼任務の説明を受けシーンになります。
GM:シーンプレイヤーは初芝実さん。
GM:他の三人も登場してください。
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (48 → 55)
生駒均:現れます!
生駒均:生駒均の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (45 → 55)
初芝実 透:あがる
GM:全員ダイスを振って侵蝕率を上げるのだ。
生駒均:落ち着かないな!
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (39 → 46)
GM:みんなどんどん上がるな。
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (55 → 64)
桟坂 カレン:ふええ
初芝実 透:高くない!?
GM:はっはっは。
不知火蛍:みんな高い……
生駒均:孤独と棺がんばるね
GM:このシーンは、キミたちがN市支部に集まって顔合わせをし、任務の説明を受けるシーンになります。

GM:――UGN、N市支部。ブリーフィングルーム。
GM:キミたちは、新たな任務の説明があるとのことでここに集められていた。
GM:説明が始まるまではまだ少し時間があるようで、事務員の女の子がキミたちの前にお茶を並べたりしている。
生駒均:「あっ、来客用のちょっといいお茶の香り!いただきまーす」
不知火蛍:「あ、どうもどうも」 ニコニコ笑いながら事務員さんにお礼を言っている
初芝実 透:「いつもありがとうございます」事務員さんにお礼を。
初芝実 透:飲み終わった後、茶碗をポケットに忍ばせると怒られることは学習している。
桟坂 カレン:「ありがとう」 抑揚のない口調で言いつつ、視線がちら、とスーツ姿の男を捉える。
生駒均:「おっと失礼、ありがとです!」一つ遅れてペコリと頭を下げる。
初芝実 透:視線に対してゆったり微笑む。
初芝実 透:「お久し振りです、カレンさん」
生駒均:「あれ?透さんカレンちゃんと友達だったっけ?」
桟坂 カレン:「ええ、久し振りね。……以前、少し縁があって」
初芝実 透:「友達ですよ」さらっと。
桟坂 カレン:「えっ、あ、友達?」
桟坂 カレン:「……友達、まあ、そうなのかしら」
生駒均:「おっと認識のズレが……そうでもなかった!」
初芝実 透:「友達です」真顔。
不知火蛍:「珍しいね、カレンちゃんが押し切られるの」
生駒均:「ほんとほんと、オレにはめっちゃクールだったのにー」
生駒均:「……いやもしかしてオレのキャラのせいかそれ?」
不知火蛍:「んー、どうだろ。わたしの時も割と邪険に扱われた気がするし」
桟坂 カレン:困ったように、僅かに眉を顰める。「……イコマやホタルと同じように、一度仕事をしただけよ。その時は巻き込まれたようなものだったけど」
桟坂 カレン:「別に、邪険に扱ったつもりはないわ」
桟坂 カレン:「……距離感に少し、戸惑っただけ」
初芝実 透:その眉の形に少し微笑む。
不知火蛍:「あはは、確かに。不知火は顔が近い!ってよく言われる」 けらけら笑う
初芝実 透:「難しいですよね、距離感。わかります」
初芝実 透:「不知火さんは以前から元気がいいですから。確かに距離感が近いのかもしれませんね」
生駒均:「顔が近いに関しちゃ何も言えねえ」
生駒均:「あっ、じゃあオレも名前かあだ名呼びで……」
桟坂 カレン:「イコマはイコマよ」 断言。
生駒均:「メソメソ」
生駒均:袖で涙を拭う仕草。
初芝実 透:(あの袖、物を隠すのに便利そうだな……)
初芝実 透:(攻撃の時には向かないかな……)
桟坂 カレン:「ミト、また何か考えてるでしょう」
生駒均:「透さんなんか目があやしいひかり放ってる」
初芝実 透:「考えてはいましたが、怪しかったでしょうか……」
不知火蛍:「……」 ニコニコ笑いながら 「ま、それがわたしの距離感って事で一つ。えーと……初芝実さん、だっけ」
初芝実 透:「初芝実です」
不知火蛍:「よっし、合ってた」 ガッツポーズ 「一応もう一回名乗っとくね。"灰被り姫の誤謬(シンダー・エラー)"不知火蛍。えーと、そっちの、生駒さん?とは初めてか」
生駒均:「あ、そっかそっか。蛍ちゃんとは一緒すんの初めてだっけ?」
生駒均:「改めまして生駒均でーす。生存の生に将棋の駒、均一の均でいこまさとるね!」
生駒均:「気軽に名前かあだ名で呼んでもらえると嬉しいな!……な?」
生駒均:チラッチラッとわざとらしくカレンの方を見る。
不知火蛍:「オッケー、イコマね。よろしく」
初芝実 透:「生駒くんもよろしく」
桟坂 カレン:「”少女黒鍵(ニグレド・メイデン)” 桟坂カレン」 視線を敢えて無視するように名乗る
生駒均:「なかなか通らないんだなあこれ!」
桟坂 カレン:「正規の人員ではないけど、足手まといにはならないつもりよ」
初芝実 透:「彼女の実力は保証します」
生駒均:「存じておりまーす。今回もよろしくー」
不知火蛍:「んー、なんていうのかな」 ちょっと逡巡した後 「イコマ、なんかサトルってよりイコマって感じがする」
桟坂 カレン:ホタルの言葉に小さく頷いている
生駒均:「あー……まだまだ修行不足ですかねえそりゃ……」
生駒均:少し無念そうにぼやく。
生駒均:「あ、そだ。蛍ちゃんちょいと失礼」
不知火蛍:「ん?」
初芝実 透:「私は年下をあだ名で呼ぶ感じのキャラではないしなあ……」ぶつぶつ言っている。
生駒均:ゴーグルに指を当てて少し歩み寄り、顔を近づけ少女を覗き込む。
初芝実 透:「均くん……?」悩んでいる。
不知火蛍:「……」 「な、何かな」
生駒均:「ん……よし、オッケー!失礼しました」
生駒均:「いやほら、透さんとカレンちゃんにもやったじゃん。初対面で顔じっくり見んの」
初芝実 透:「されましたね」
生駒均:「顔覚えるの下手くそだからオレ!失礼ないようしっかり覚えさせてもらってんの」
桟坂 カレン:「……あれ、そういうことだったの」
生駒均:「あ、言わなかったっけ?そっか、あんときカレンちゃん何も言わなかったもんな」
生駒均:「大体こんな感じで聞かれると答えるんだけど、説明責任果たしてなかった」
生駒均:「女の子相手だし先に言っとくべきだったな、ごめんごめん」
桟坂 カレン:「そうね、何か喋る前に手が出たわ」
生駒均:「何も言わずにね!正しい反応かもね!」
桟坂 カレン:(そういう趣味なのかと思って、別に理由を訊かなかったのだけど……)
不知火蛍:「な、なるほどね……そゆことか」 ギリギリ納得できたらしい
初芝実 透:「……さとくん……?」考えている。
初芝実 透:ちなみに、初対面当時は堂々と見つめ返していた。
不知火蛍:「……初芝実さん、ひょっとして今までずっとイコマの仇名を?」
初芝実 透:「そうですね、考えていましたが……」
生駒均:「えっ、マジ!?嬉しい!」
初芝実 透:「あんまりしっくりきません。やはり生駒くんかな」
不知火蛍:「分かる」
生駒均:「上げて落下ぁ!」
初芝実 透:「さっつん、だと学生時代の別のさとるくんと被るんですよね」
初芝実 透:「困ったな」
桟坂 カレン:「ミトは真面目ね……」
生駒均:「割とポピュラーな名前がここに来てネックになるとはね」
生駒均:「いいもーん、そのうち仲良くなって呼んでもらうしー」
初芝実 透:「私はここまでです。あとはお若い皆さんにお任せします」
初芝実 透:真面目な顔で言う。
生駒均:「お任せされたお二人からはなにか」
不知火蛍:「イコマでファイナルアンサー」
桟坂 カレン:「イコマ」
生駒均:「道は遠いぜ」
生駒均:がっくりと肩を落とす。
GM:では、その時。
GM:モニターに日本支部長の霧谷雄吾の姿が映る。
GM:霧谷は柔和な笑みを浮かべてキミたちを見る。
霧谷雄吾:「皆さん、お集まりのようですね」
初芝実 透:普段から良い姿勢を正す。
生駒均:「おっと?……あ、霧谷さんだ!こんにちは!」
生駒均:モニターを覗き込んで挨拶。
霧谷雄吾:「ええ、こんにちは」
桟坂 カレン:静かに目礼する
不知火蛍:「あ、霧谷さん! お久しぶりです!」 ぺこり
初芝実 透:「本日はお日柄も良く」
生駒均:「ここ屋内ですけど」
初芝実 透:「そうか……」
初芝実 透:考えながら礼をする。
霧谷雄吾:「ううん、地味に緊張感がありませんね」
生駒均:「ああっ落ち込まないで!天気良いに越したことないって……っと」
霧谷雄吾:「まあ、いいでしょう」
生駒均:「失礼しました。お仕事でした」
生駒均:表情を引き締める。
霧谷雄吾:「そう、お仕事なのです」
生駒均:「(ちょっと言い方可愛い)」
不知火蛍:「(霧谷さん、割とこのレベルのノリには付き合ってくれるよね)」
霧谷雄吾:「今回お集まりいただいたのは、初芝実さんが出くわしたというオーヴァード……いえ、ジャームと言っても差し支えないでしょう。そのジャームへの対策を取るためです」
初芝実 透:「はい」表情を引き締める。
霧谷雄吾:「N市内の音楽大学で初芝実さんが交戦したとのことで、このままでは他にも被害が出る可能性があります」
霧谷雄吾:表情を引き締めている。
生駒均:「音楽大学……」
初芝実 透:「『才能を奪い去る』というようなことを言っていましたね」
桟坂 カレン:「……音楽の才能、ということかしら。可能かどうかは別として、目的もよくわからないわね」
初芝実 透:「一般人が一名負傷。その方は救護されましたが」
霧谷雄吾:「ええ。幸いにも、被害者は大した怪我もなかったようで何よりです」
霧谷雄吾:「目的は分かりませんが、そのジャームのお眼鏡に叶えば他にも狙われる人が出てもおかしくはありませんね」
生駒均:音楽、才能。先に聞いた話と頭の中ですり合わせ、
生駒均:「えっと、その一般人って」
生駒均:「ピアニストさんだったりします?」
霧谷雄吾:「よくお分かりですね、生駒さん。被害者はまだ若いピアニストだったようです」
桟坂 カレン:(若いピアニスト……)
初芝実 透:「……こちらではそこまでは把握していませんでしたが」
初芝実 透:「何か心当たりでも?」
生駒均:「や、学校で聞いた噂話なんですけど」
生駒均:「呪いのピアノってのが流行ってるらしくって」
生駒均:「なんでも、才能あるピアニストの前に現れて」
生駒均:「演奏すると心を奪われるとか……もしかして関係ありますかね?」
不知火蛍:「……呪いのピアノ」 滅茶苦茶最近どこかで聞いたぞ。渋い顔をする。
霧谷雄吾:「呪いのピアノ、ですか。今はまだその関係まではわかりませんね」
生駒均:「無関係の都市伝説ってパターンもありますしね。ただ一応関連が気になったので報告を」
生駒均:「透さん……は発見者だし、知ってたら報告してるか。カレンちゃんと蛍ちゃんは聞いてない?そんな話」
桟坂 カレン:「……最近、ピアノを昔からやってる昔馴染みに会ったわ。事故に遭って怪我をした、とも言っていたわね」
桟坂 カレン:「ただ、詳しくは訊いてないし、覚えてもいないようだったから。それが関係があるかは分からない」
桟坂 カレン:才能は、どうだったのだろう。ただ怪我をしていたが故の音のぎこちなさだったのか、それとも。
不知火蛍:「覚えてない、か……でも、ワーディング絡むと普通の人の記憶って割と飛んじゃうからなあ」
初芝実 透:「……ふむ。それにしても関連が続きますね」
初芝実 透:「『雑音を奏でるだけの余計な才能ならば奪い去ってしまった方がいい』というのが相手の言葉でしたが」
不知火蛍:「……上から目線なうえにはた迷惑な話だなあ」渋面
初芝実 透:「その方のピアノは、どうでしょう。雑音というのはいかにも失礼ですが……」
生駒均:「弾いてる人は頑張ってるのに雑音ってのはなあ」
不知火蛍:「あ、関係は分からないけど、呪いのピアノの話はわたしもちらっと聞いた。イコマが言ってたほど詳細じゃないけど」
生駒均:「そっか、結構もう広まってんのかな……学校の噂?」
不知火蛍:「いや。知り合いに楽器のディーラーの人がいるんだけど、その人から」
桟坂 カレン:視線が蛍の方を向く。
不知火蛍:「呪いのピアノには近づくな、みたいなことを。酔ってたし、どこまで本気か分からないけどね」
初芝実 透:「あちこちで聞かれているんですね……」少し顔をしかめる。
生駒均:「界隈じゃ広まってんのかな……もし関係ありならそっちの情報工作も必要かも」
霧谷雄吾:「ふむ。となると呪いのピアノの件も念のため調査はしておいた方がいいかもしれませんね。無関係ならばそれでいいですが」
初芝実 透:「向こうから現れたり、こっちが近付いたりするんですね」
初芝実 透:「大きいのにな、ピアノ」
生駒均:「流石に物理的に運んでるわけじゃないんじゃない……?多分」
初芝実 透:「ともあれ、気に留めておきたいと思います」
桟坂 カレン:「直接奪いに来たり、近付いたら何かあったり。関係性があるのかないのかもはっきりはしないけど……」
桟坂 カレン:「……もし、”才能を奪う”という言葉が。非科学的な現象ではなく、物理的に身体を壊す、という意味なら。危険だわ」
生駒均:「ピアノの噂の方にも注意しつつ、ジャーム探し!でいいかな?」
桟坂 カレン:「ええ、実際に危害を加えた存在は確かなようだし」
不知火蛍:「だね。無差別障害犯……初芝実さんが気づいてなかったらもっとまずかったかも」
初芝実 透:「それは不幸中の幸いでした」
霧谷雄吾:「では、皆さん、そういった方針で調査を進めていただければと思います」
生駒均:「了解!」
初芝実 透:「了解しました」
初芝実 透:「"トロンプルイユ"これより任務に就きます」
初芝実 透:白い手袋の手を胸に当て、軽く礼を。
桟坂 カレン:「ええ。──”少女黒鍵”、確かに承ったわ」
不知火蛍:「了解でっす! “灰被り姫の誤謬(シンダー・エラー)”、同じく調査に入りまーす」
生駒均:「あっコードネーム!"カオナシ"、えーと……頑張ります!」
霧谷雄吾:「それでは、皆さん。よろしくお願いします」
GM:霧谷雄吾がキミたちに軽く頭を下げると、モニターが消える。
桟坂 カレン:「……ふぅ。霧谷雄吾、こうして顔を合わせるのは初めてだったけど」
桟坂 カレン:「案外気さく、なのかしら」
初芝実 透:ホワイトボードのところのマグネットをこっそり1個外す。
初芝実 透:「フットワークの軽い方ですね。映像ですが」
不知火蛍:「そうだよー。たまーに手料理を振舞ってくれたりもするみたい」
生駒均:「結構気楽に前線出てくるからえらい人なの忘れそうになる」
生駒均:「さって、そんじゃ動きますか!噂周りはオレが行こっかな」
生駒均:「あ、あと数が必要なときは呼んで!そういうの得意だから」
GM:事務員の女の子がそそくさとお茶を片付けながら初芝実さんの方を睨んでいる。
初芝実 透:「あ、後で事務室に返しますので……」頭を下げる。
初芝実 透:下げながらポケットに入れている。
生駒均:「反省はしてるけど後悔はしてないムーブだ」
桟坂 カレン:感想を呟きながら、黒いトランクバッグを抱えて立ち上がる。
初芝実 透:「とにかく調査ですね……。皆さんもよろしくお願いします」
初芝実 透:2個目はさすがに怒られるかなあ、という顔で眺めている。
不知火蛍:「はーい、改めてよろしくね」
生駒均:「はーい、おまかせ!」
桟坂 カレン:「ええ、行きましょうか」
GM:事務員の女の子が牽制するように初芝実さんの方を睨む。
不知火蛍:「?」 事務員さんの視線に気づいて首をかしげつつ
初芝実 透:もう持っていません、という風に白手袋の手を広げた。

GM:では、キミたちが調査に乗り出したところでこのシーンは終了だ。
GM:ロイスの取得や感情変更、購入判定が可能ですよ!
初芝実 透:生駒くんに○親近感/あだ名は難しい で取得します。
桟坂 カレン:不知火蛍 親近感/◯食傷 で取得 前に会った時に距離感が近かったのを未だにちょっと警戒してる
生駒均:名前呼びでもいいんだけど他のさとるくんも居るんよな……
GM:あだ名は難しいねぇ
不知火蛍:生駒均 親近感〇/劣等感 で取得します。ロイス以上。
初芝実 透:購入は応急手当キットですかね
桟坂 カレン:2dx+1>=15 照準器購入チャレンジ
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 6[1,6]+1 → 7 → 失敗

桟坂 カレン:失敗で以上。
初芝実 透:2dx+1>=8
DoubleCross : (2DX10+1>=8) → 5[4,5]+1 → 6 → 失敗

GM:おしい
初芝実 透:財産点を使えない民
生駒均:ロイス 不知火蛍 ○P:連帯感/N:隔意
生駒均:おっと
生駒均:バディムーブ……あるよ!
初芝実 透:あっあなたは
初芝実 透:伝説の!
GM:バディ!
初芝実 透:よろしければください……
GM:盗みの片棒を担ぐってコト……!?
生駒均:あいよ、<バディムーブ> コンボ:ワーカーアシスト
桟坂 カレン:ちゃんと購買で買ったかもしれないでしょ!
生駒均:バディってルパンと次元みたいなあれだったのかな
初芝実 透:ありがとー!
初芝実 透:9になりました。買って持っています
不知火蛍:調達はー、どうしようかな。応急手当キットにチャレンジ
不知火蛍:1dx+2>=8
DoubleCross : (1DX10+2>=8) → 6[6]+2 → 8 → 成功

不知火蛍:ピタリ賞! 手元に持っておきます。
生駒均:さて、調達 あんま高くないから私も素直に応急行くか
生駒均:2DX+2+0@10>=8 調達
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 7[7,7]+2 → 9 → 成功

生駒均:よし成功、キープしておきます
生駒均:以上!
GM:みんな準備がいいな!
不知火蛍:UGN薬局、大忙し
GM:薬局で買ってたのか
GM:では、全員終わったようなので改めてこのシーンは終了です。

【目次へ戻る】

ミドル3

GM:次のシーン。
GM:ここからは情報収集に入っていきたいと思います。
GM:シーンプレイヤーは蛍さんにしましょう。
不知火蛍:はい!
GM:他にも情報収集をしたい人は自由に登場が可能です。
生駒均:出ます!
生駒均:生駒均の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (55 → 62)
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (64 → 66)
生駒均:10じゃないだけよしとしよう
桟坂 カレン:ようやく低い値
GM:シーンに登場する人はダイスを振って侵蝕率をあげてください。
初芝実 透:出ます
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (46 → 56)
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (55 → 59)
不知火蛍:おうふ
GM:カレンさん、ようやく落ち着いた。
初芝実 透:あっギリダイボ逃した
生駒均:ダイボ入っちゃった
GM:では、先に情報収集の判定からやっていきましょう
GM:現時点で調査が可能な項目は次の5つ
生駒均:いっぱいある!

・阿奏戯一生について〈情報:噂話、ウェブ〉難易度7
・来堂波奏について〈情報:噂話、学問〉難易度6
・フクロウのような姿のジャームについて〈情報:UGN、裏社会〉難易度8
・桟坂エリカについて〈情報:UGN、裏社会〉難易度8
・“呪いのピアノ”について〈情報:噂話、UGN〉〈知識:楽器〉難易度7

GM:自由に調べてもいいし、調べなくてもいい
生駒均:噂話とUGNはコネあります!
GM:傘をさして雨の中を歩く人がいてもいい。自由とはそういうこと……
生駒均:お金は4点、あとバディムーブあるのでR一回どうぞ
GM:生駒さん、優秀だ
初芝実 透:UGNはコネ技能あります。裏社会は技能も。
生駒均:ゴーグルキラーン
初芝実 透:あと知識:窃盗もあるんですが役に立ちますか
不知火蛍:何に……?
桟坂 カレン:《生き字引》があるから後詰は効くわ。とはいえ、この場面だと阿奏戯一生について知ってるのは私だけだし、彼について調べるつもりよ
生駒均:今回は怪盗する事件じゃないからなあ
初芝実 透:そうか……
生駒均:阿奏戯君はじゃあカレンさんに任せましょう
GM:知識窃盗はなぁ
初芝実 透:まあ、順当にフクロウジャームにいけたら嬉しいかな
GM:盗品について調べる機会があればボーナスをあげましょう
初芝実 透:わーい
生駒均:蛍ちゃんはどれ行きます?エリカさん気になるかな
初芝実 透:あとGM、ここでエブリシングレディ使えますでしょうか
不知火蛍:そうですねー、呪いのピアノっていう符合が気になるので、エリカに行けるならそうしたいです。
GM:ここで使っても構いませんよ
不知火蛍:呪いのピアノ先でもいいんですけど
生駒均:ではそちらおまかせします!呪いのピアノはこっちで調べよう
初芝実 透:では使います
GM:というわけで、判定をしたい人からどうぞー
初芝実 透:コンボ『レディ・メイドの花束をひとつ』。エヴリシングレディ使用して強化ビジネススーツを入手・装備。社会達成値+2
生駒均:波奏ちゃんについても気になるけど、まだ事件に関係するか分からないし先にこっちだ
不知火蛍:では、シーンプレイヤーなので一番槍行きます
初芝実 透:ゴー!
生駒均:頼みます
不知火蛍:コネ:UGN幹部を使用しつつ情報:UGNで判定。ダイスボーナスはないです。
不知火蛍:3dx+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 10[1,3,10]+8[8]+1 → 19

生駒均:バッチリ
初芝実 透:たかい
不知火蛍:いえい
GM:高いな!お見事!
桟坂 カレン:なんでもわかる
生駒均:次行っちゃっていいかな?
GM:どうぞー
初芝実 透:どぞー
生駒均:では“呪いのピアノ”について〈情報:噂話〉で、コネ:噂好きの友人の力を借ります、浸蝕でダイスボーナス+1
生駒均:5DX+1+0@10>=7 情報(噂話)
DoubleCross : (5DX10+1>=7) → 8[3,5,6,6,8]+1 → 9 → 成功

GM:さすが!
生駒均:ちょっと危ないけど成功
初芝実 透:ばっちり
桟坂 カレン:できる子
初芝実 透:では次やりたいです
生駒均:どうぞ!
GM:どうぞー
初芝実 透:・フクロウのような姿のジャームについて〈情報:UGN、裏社会〉難易度8 これをUGN、コネありダイボなし
GM:がんばれー
初芝実 透:4dx+4>=8
DoubleCross : (4DX10+4>=8) → 9[2,4,6,9]+4 → 13 → 成功

初芝実 透:よしよし
生駒均:よしよし
GM:やりますね……!
桟坂 カレン:流石ね。次は私
桟坂 カレン:阿奏戯一生について。《生き字引》で情報を代替して<意志>で判定するわ。DB+1
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1増加 (66 → 67)
桟坂 カレン:(5+1+1)dx+2+2>=7
DoubleCross : (7DX10+4>=7) → 9[3,3,5,6,8,9,9]+4 → 13 → 成功

GM:完璧!
初芝実 透:さすが!
不知火蛍:ひゅー!
生駒均:全員オッケーかな!
GM:全員、判定は成功ですね。
GM:では、順番に情報を公開していきましょう。
GM:まずは桟坂エリカについて
不知火蛍:どきどき

 『桟坂家』というUGNのバックアップ企業に属する男装の麗人。『桟坂家』は、表の仕事として楽器の製造や販売を行っており、彼女は断トツの売り上げを誇る一流のセールスマンである。普段は世界各地を飛び回っており、彼女の仕入れる楽器は非常に質が良いとの評判。
 また、彼女は過去に『桟坂家』が保有する『少女黒鍵』という遺産の適合実験に失敗している。それ以来、彼女は自分の感情を押し殺しながらセールスマンとしての表の仕事を死に物狂いでこなすようになったらしい。
また、判定の達成値が高かったのでボーナスとして、彼女は男装しているから普段は分からないが意外とバストが大きいことが分かります。

不知火蛍:お得情報だ。
不知火蛍:お得か?
GM:この項目を抜いたことで、新しい情報収集項目が追加されます。
GM:・桟坂エリカの裏の顔について〈情報:UGN、裏社会〉難易度13
GM:次のシーン以降から調査は可能です
不知火蛍:なんか怖い物が出た……
GM:次!

・“呪いのピアノ”について
 N市に流れている都市伝説。才能のあるピアニストの前に不思議なピアノが現れ、そのピアノに魅了されてつい演奏してしまうと心を失ってしまうというもの。実際にこのピアノに取り憑かれて消息を絶ったピアニストもいると言われている。
 N市の郊外にある廃墟となった洋館で不審なピアノの音色を聞いたという噂があり、この“呪いのピアノ”との関連性が疑われる。

GM:この項目を抜いたことで、洋館に向かうとイベントが発生するようになります。
GM:向かってもいいし、向かわなくてもいいというわけ。
GM:では、次!

・フクロウのような姿のジャームについて
  N市に出没するフクロウのような姿をしたジャーム。猛禽じみた強靭な力と、触れたものの重力を操作する黒い霧を使う。才能のある音楽家を狙っているらしく、放置しておけば他にも被害が出る可能性がある。一人目の被害者は阿奏戯一生という若いピアニストだったが、UGNの対処が早かったためそちらは軽傷で済んでいる。
 FHなどの組織には属しておらず、コードネームを名乗っていないのもそのためのようだ。

GM:情報は以上。ここではまだ正体とかは分かりません。
GM:では、最後!

・阿奏戯一生について
 桟坂カレンの幼馴染である青年。朗らか性格だが、たまに変な言動をする。天才的な腕前を持つピアニストで、周囲からも将来を期待されていた。ピアノの先生に連れられてN市の音楽大学にやってきた時にたまたま事故に遭ったようだ。
 大きな怪我などはなかったが手に軽い麻痺が残っており、コンクールへの出場は絶望的と言われている。また、N市郊外にある廃墟となった洋館で、彼を見かけたという噂がある。

GM:情報は以上!
GM:では、情報共有の演出やロールをやっていきましょう。

GM:――N市内にある落ち着いた雰囲気の喫茶店。
GM:シックな調度の店内には、穏やかな音楽が流れている。
GM:調査を進めたキミたちは、この店に集まっていた。
GM:キミたちの座る席の近くにはグランドピアノも置かれている。良い店だ。
生駒均:「というわけでー」
生駒均:落ち着かない様子で時折周囲を見回しながら。
生駒均:「ピアノについての噂はこんなとこ?基本は最初話したときと似た感じだけど」
生駒均:「実際に被害が出てるっぽいんだよねどうも」
初芝実 透:シンプルなコーヒーを一杯。ミルクを注いで混ぜる。
初芝実 透:スティックシュガーをそっと二本抜いて、一本はポケットに。
桟坂 カレン:「単なる都市伝説以上であることは、間違いないようね」
桟坂 カレン:角砂糖をカフェオレに溶かし入れつつ、ミトの指先を視線で追うも咎めることはせず。
生駒均:「だねえ。成果に喜んでいいやら被害に悲しんでいいやら、複雑」
不知火蛍:「郊外の廃墟かあ。いかにもだけど、実際に被害が出てるとなるとまずいね」
不知火蛍:カレンの視線に気が付き、初芝実さんのポケットを見つつ
初芝実 透:「足を踏み入れる必要はありそうです」
初芝実 透:さらさらと砂糖を溶かし、かき混ぜる。
生駒均:「ま、そうなるよね。素直に例のジャーム?が待ってりゃある意味話は早いんだけど」
生駒均:砂糖を大量に入れたコーヒーを雑にかき混ぜる。
不知火蛍:「話が早すぎて終わっちゃうなあ。もちろんその方がいいんだけど」 熱めのコーヒーをブラックで、冷ましもせず口に運ぶ。
初芝実 透:「才能のある音楽家、というのが共通点ですからね」
生駒均:「あ、興味引けなかったら出てこないかもってこと?」
生駒均:溢れそうになったカップに口をつける。
初芝実 透:「可能性はありますね……どうなのかな」
桟坂 カレン:「……郊外の廃墟。洋館なのなら、少し──気になるわね」
初芝実 透:「気になりますか」
桟坂 カレン:「ええ、さっき昔馴染みに会った、という話はしたと思うけど」
桟坂 カレン:「何故か、郊外の廃墟で姿が目撃されているそうなの」
生駒均:「おいおい」
不知火蛍:「……なるほど? あの辺、他に何か施設とかなかったよね、確か」
桟坂 カレン:「……まあ、元々変わったところのある人ではあったけど。かといって、怪我した身でそんな場所に行く理由も分からないし」
生駒均:「ピアニストなんだよね?その人も」
生駒均:「まさかほんとに呪いに魅入られて、ピアノを弾きに行ってる……とか」
桟坂 カレン:「そうみたいね。N市の音楽大学には指導の先生たっての希望で来たとか……」
桟坂 カレン:「ああ、名前は阿奏戯一生、というのだけど」
初芝実 透:「……音楽大学……」
初芝実 透:「それは」
初芝実 透:「私が遭遇して、救護された青年の名前です」
桟坂 カレン:「……!」
不知火蛍:「わあ」
生駒均:「……つながっちゃったか」
初芝実 透:「幸い軽傷で済んだそうですが……」
桟坂 カレン:「……そう、だったの。じゃあ、事故というのも、恐らくは──」
初芝実 透:「そうですね、私が遭った時の話と考えると辻褄が合う」
生駒均:「ってことは、その音楽大学ってのも」
初芝実 透:「はい。あの時も、場所は音楽大学の構内でした」
生駒均:「じゃあますます放っとけないな。ほんとに呪われたのか知らないけど、止めないとだ」
初芝実 透:「例のジャームは、特に所属はないようです」
初芝実 透:「楽でもあり、厄介でもあるな」
生駒均:「後ろでどこぞのセルが動いてるとかはないと」
不知火蛍:「野良のジャーム? そんなのが普通に居たんだ」
初芝実 透:「大きな件ではないようですが、逆に動きも掴みづらい……」
不知火蛍:「うん。本人……本フクロウ?の意志以外に縛るものが無いわけだからね」
桟坂 カレン:「そうね、目的の推察が付きづらい──衝動に則って突発的に動いているのなら、尚更」
生駒均:「ちなみに透さん、どの程度の相手だった?やりあったんよね」
初芝実 透:「といっても、こちらは防いだ程度ですよ」
初芝実 透:「鋭い鉤爪、黒い霧を吐く」
初芝実 透:「こちらの調査では、重力を操作する力があるとの話も」
初芝実 透:「恐らくはバロールシンドローム、でしょうね」
生駒均:「同じタイプかあ。やだやだ」
桟坂 カレン:「応用の効く能力の持ち主となれば、戦闘に長けているならより一層厄介ね」
不知火蛍:「バロール、めんどくさい事多いからなあ」
生駒均:「めんどくさい男でーす」
不知火蛍:「ははは」 イコマの言葉は否定しない 「……あ、そうだ。カレンちゃん、ちょっと確認なんだけど」
桟坂 カレン:「何かしら」
不知火蛍:「カレンちゃんの苗字の『サンザカ』って、この字であってる?」 消せるボールペンを取り出し、紙ナプキンにさらさらと"桟坂"と書く
生駒均:「あら、字上手い」
桟坂 カレン:頷く 「ええ、そうだけど。……知り合いにでも会ったかしら」
初芝実 透:紙ナプキンを一枚、ポケットに忍ばせようか迷っている。
不知火蛍:「うん。呪いのピアノの話してくれた、楽器ディーラーの知り合いの人がいるんだけど」
桟坂 カレン:楽器ディーラー。幾人かの名前が思い浮かぶ。「名前は?」
不知火蛍:「名前が、桟坂エリカ。……漢字で名前意識することほとんどないから、今まで気づかなかったけどね」
生駒均:「同じ名字……知ってる人?」
桟坂 カレン:「……そう」 自分と何処か似通った顔立ちの女性を、思い出す
桟坂 カレン:「親戚よ。あまり親しいわけじゃないし、家の集まりで挨拶したことがある程度だけれど」
初芝実 透:「ご親戚ですか」結局一枚もらった。
生駒均:「……妙に色んな所で繋がるな。偶然なら良いけど、やけに多いというか」
不知火蛍:「なるほどね。……呪いのピアノの話し方がちょっと気になったから、UGNのネットワーク借りて調べてみたんだけど」
不知火蛍:初芝実さんの方をチラ見しつつ
生駒均:「まずいもん持ってきそうならこっちで止める、続けて」
初芝実 透:視線に応えるように穏やかな表情で、続けて、と手で促す。
不知火蛍:「助かる」 頷き 「……桟坂家の保有してる遺産の適合試験受けて、失敗したことがあるんだって」
桟坂 カレン:「……"少女黒鍵(ニグレド・メイデン)"」 瞳を閉じ、小さな声で呟く。
生駒均:「それって……」
初芝実 透:「……それは」カレンさんの方を見る。
不知火蛍:「……うん」 皆までは口にせず、頷き
桟坂 カレン:「私は、その当代継承者よ。そのままそれが、コードネームになっているから」
桟坂 カレン:「……私の前に、何人か適合者が選抜されていたことは知っているわ。エリカも、その一人だったのね」
不知火蛍:「なるほどね……」 コーヒーを一口 「わたしが調べられた範囲だと、適合失敗後は商売に精を出しました、って感じだったけど、なんかもう1枚底がありそうなんだよね」
不知火蛍:「後で当たってみるつもりだけど、わたしの情報網だと厳しいかも」
桟坂 カレン:会合で顔を会わせた時の──あの、何とも言えない表情の理由はこれだったのか、と。今更ながらに納得する。
生駒均:「オッケ、こっちでも手伝えそうなとこは手出そう」
初芝実 透:「私の方でも、当たれるところは当たってみましょう」
桟坂 カレン:「……そうね、なら。もう一つ、厭な符合の話をするわ」
生駒均:「?」
初芝実 透:「厭な……」
不知火蛍:「……嫌な符合?」
桟坂 カレン:「"呪いのピアノ"。魅了され、演奏してしまうと──心を失ってしまう。そういう話だったわね」
初芝実 透:「…………」
桟坂 カレン:足元に置いていたトランクバッグを掴み、膝に寝かせるように置く。
不知火蛍:「うん」 一回頷いた後 「……ん、あれ、それって……」
桟坂 カレン:「"少女黒鍵"の継承者は、いずれ心を失い人形のようになる」
生駒均:「……なんだって?」
初芝実 透:「……と、いう話でしたね」
初芝実 透:少し目を伏せる。
不知火蛍:「…………」
生駒均:「ちょっと、透さん」
初芝実 透:「はい」
生駒均:「そういう話だった、って……」
初芝実 透:「以前、少しお話を聞いたことが」
生駒均:「……そっか」
生駒均:「まあ……そんな悪趣味な冗談、言わないわな」
桟坂 カレン:「……別に、私が心を失おうが。傭兵として働いている分には、関わりのない話だから。そう、大っぴらに話しているわけではないの」
桟坂 カレン:「ただ──その、"呪いのピアノ"の話が、桟坂の人間の口から出たのだとしたら」
桟坂 カレン:「もしかすると、と考えてしまうのよ」
不知火蛍:「……エリカね。普段は格好つけて、気障で、ピシッと決めてるんだけど」
不知火蛍:「お酒が入ったり、疲れたりすると、いつも零してた言葉があるの」
桟坂 カレン:「……それは?」
不知火蛍:「自分は、"人形のなり損ない"だって」
桟坂 カレン:静かに、唇を噛む。
初芝実 透:「…………」
生駒均:「なんか」
生駒均:「……嫌だな、すごい嫌だ」
生駒均:苛立たしげにガリガリと頭をかく。
初芝実 透:(……『以前、少しお話を聞いて』)
初芝実 透:(『どうにかならないものだろうか、と思った』)
初芝実 透:(そう、正確に言うべきだったろうか)
初芝実 透:素直な言葉を口にする少年を見て。
生駒均:「むー、ぐー……」
生駒均:卓に肘をついて、呻く。
桟坂 カレン:「……馬鹿らしい。本当に……」 呻く言葉が、光を反射しないトランクに落ちる。
桟坂 カレン:「……ええ、だけど。あくまでも推測に過ぎない」
桟坂 カレン:「それに、"少女黒鍵"の事情は──あくまでも、私と、家の話」
桟坂 カレン:「あまり気分の良くない話をしたわね。ごめんなさい」
生駒均:「……あのさ」
生駒均:肘をついたまま顔をカレンへと向ける。
桟坂 カレン:「何かしら」
生駒均:「カレンちゃんが今話してくれたのって」
生駒均:「ただ、事件と関係してるかもしれないから?」
桟坂 カレン:「……そうよ。そうでなければ、こんな情報、必要でもなんでもないでしょう」
生駒均:「必要なくねえ」
生駒均:「必要なくはないぞ。絶対」
桟坂 カレン:「何故かしら。ただ契約者が、その(ことわり)に則って──対価を支払っているだけの話よ」
生駒均:「だってそんなの、一人で抱えてちゃ怖いだろ」
桟坂 カレン:「……怖い?」 トランクに落ちていた視線が、僅かに上向き、少年に向く
不知火蛍:「……イコマ」 驚いたように視線を向ける
生駒均:「透さんは知ってたみたいだけどさ」
初芝実 透:「……はい」
生駒均:「オレだって知ってたら何か……何ができるかわかんねえけど」
生駒均:「考えたいじゃん!」
桟坂 カレン:「考えても、これは、そういう──」
初芝実 透:「友達なので、と言っては、自惚れでしょうか?」
桟坂 カレン:「…………っ」
初芝実 透:「そういうことですよね、生駒くん」
生駒均:「そういうこと!」
生駒均:びしっと透の方に指を向ける。
初芝実 透:「そういうことだそうです」カレンさんに。
生駒均:「なんていうかさ。……イヤな想像だけど」
生駒均:「もしカレンちゃんが……そう、なっちゃった時」
生駒均:「知らないで何もできなかった、なんて嫌だぜ」
桟坂 カレン:いつ焚べるべき薪が空っぽになるかは、誰にも分からない。自分自身にも。
生駒均:「知ってても何もできないかもだけど」
生駒均:「……泣くぐらいは、したいじゃん」
初芝実 透:目を細める。
桟坂 カレン:──焚き火が小さくなって、ふつ、と息絶えるようにそうなるのだと思っていても。その瞬間は、誰にもわからない。
生駒均:「ごめん、我儘だけどさ……オレの」
生駒均:「困らせてたらごめんなさい」
生駒均:顔を伏せる。
初芝実 透:そう。それに近いことを言いたかったのだと、少しわかった気がした。
桟坂 カレン:「……いえ」 困っているのは、確かだ。だが、それは──
桟坂 カレン:何処かで諦めてしまっている自分がいるからだ。こうして、自分でない人が諦めずにいる、その申し訳無さに、困惑している。
不知火蛍:「…………」 眩しい物を見るように、他の皆を順にみる。
桟坂 カレン:「……そう、思ってもらえるのは。嬉しいことだわ」
生駒均:「ほんと?」
桟坂 カレン:「だからといって──濫りにこのことを話すのが、正しいとは思わない」
桟坂 カレン:「……この結末(おわり)は、私が背負うべきものだから」
初芝実 透:「たくさん考えて、たくさん困って、たくさん決意をするといいですよ」
初芝実 透:「それがあなたの心です」
桟坂 カレン:「……そうね」
桟坂 カレン:「イコマ。貴方がそう思ってくれていること、本当に嬉しいと思うの」
桟坂 カレン:「……ミトが、前に言ってくれたことがある。『感情を励起し続ければ、その喪失は先延ばしにできるかもしれない』って」
桟坂 カレン:「だから……今、私が。困っているのだとしたら」
桟坂 カレン:「それは、感情が揺れ動いた、ということ。少しだけ、きっと」
桟坂 カレン:「──先延ばしに出来た、ということだから」
生駒均:「……そっか!」
生駒均:「んじゃ、色々考える!友達だしな!」
生駒均:「教えてくれてありがと!」
桟坂 カレン:「……こちらこそ、ありがとう」 少年の言葉に、僅かに目を細めて。
初芝実 透:目の前の少女の表情を少し崩した、少年に感謝を。
桟坂 カレン:「ホタルも。貴重な情報を、ありがとう」
桟坂 カレン:「貴女の話がなければ、このことを話すことも、なかったと思うし」
不知火蛍:「……ん、どういたしまして」 にっこりと笑みを返して
初芝実 透:そのきっかけになった、少女の笑みにも感謝を。
不知火蛍:「……エリカが呪いのピアノの話をした時、あれは明確に『実在する危険に対する警告』だった」
桟坂 カレン:「……エリカは何を知っているのかしらね」 独りごちるように呟く
不知火蛍:「そういううわさ話がある、じゃなくて、例えるなら……『そこに穴が開いているから落ちないようにきをつけて』みたいな感じの」
生駒均:「……」
不知火蛍:「うん。多分そうだと思う」 カレンの言葉には頷き
初芝実 透:「確実に存在をしている、呪いのピアノ……」
生駒均:どうしてその存在を知っているのか。
初芝実 透:楽器のディーラー。桟坂家。
生駒均:「(自分が仕掛け人だから……)」
生駒均:不確定な最悪の想像は、心にのみ留めておく。
初芝実 透:(人形のなりそこない……か)
生駒均:「ともかく、洋館とピアノとフクロウさんだ」
生駒均:「蛍ちゃんがお友達……エリカちゃん?のこと調べるならそちらも手を出すとして」
生駒均:「バチッと解決しねえとな!」
桟坂 カレン:「ええ。まだ分からないことばかり……調査を続けましょう」
生駒均:顔を上げて前を向く。
桟坂 カレン:くい、と冷めたカフェオレを飲み干す。溶け残った砂糖が、口の中に噎せるような甘みを残して、喉奥に消えた。
不知火蛍:「了解、っと」 残っていたコーヒーを一気に飲み込む。あんなに熱かった黒い液体は、いつの間にか冷めていた。

GM:では、キミたちが調査の継続のために顔を上げたところでこのシーンは終了だ。
GM:ロイスの取得や感情変更、購入判定が可能ですよ!
生駒均:ロイス 桟坂 カレン ○P:親近感/N:不安
初芝実 透:生駒くんへの感情を○感謝/あだ名はもうちょっと考えます に変更します
生駒均:早くもいっぱいになっちゃった
GM:あだ名は難しいからねぇ
生駒均:えへへ こちらこそねー
桟坂 カレン:生駒均 ◯有為/隔意 → ◯友情/困惑 に変更で
生駒均:わーい
初芝実 透:お友達だー
GM:これが友情……!
桟坂 カレン:2dx+1>=15 照準器チャレンジ
DoubleCross : (2DX10+1>=15) → 10[5,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

不知火蛍:生駒均  〇親近感/劣等感→〇憧憬/劣等感 に変更
桟坂 カレン:めちゃくちゃ回すじゃん 装備して以上です
GM:おお、憧憬
生駒均:みんなありがとう
生駒均:装備っていうか使用かな?
初芝実 透:アームドスーツチャレンジかな……で、あれをやろうかな
GM:やるんだな、あれを……!
初芝実 透:マイナー、コンボ『白紙委任状を君に』。《陽炎の衣》。隠密して侵蝕3上昇。
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を3増加 (59 → 62)
初芝実 透:ダイスがダイボ入れて4個増えるはず
桟坂 カレン:一応使用になるのかな! レッテン相当の"カンタービレ"に使用して使用した射撃命中判定+1です
生駒均:あっごめん、隠密されるとバディは届かない……
初芝実 透:自力でがんばる
生駒均:オレは真の泥棒ではなかった
生駒均:いったれー!
初芝実 透:6dx+3>=15
DoubleCross : (6DX10+3>=15) → 10[2,5,7,8,10,10]+5[3,5]+3 → 18 → 成功

初芝実 透:しゃあ!
GM:あっ、すごい!
生駒均:やったぜ!
初芝実 透:ウェポンケースに入れておきます
桟坂 カレン:素晴らしい
生駒均:ウェポンケースコンボだ!
初芝実 透:以上!
GM:いったいどこから……
生駒均:蛍ちゃんもアームドスーツいります?他の防具が良ければそっち狙いますが
初芝実 透:隠れて持ち出してきました
GM:怪しい……
不知火蛍:あ、蛍ちゃんは自前で防具があるのでそっちは大丈夫
生駒均:あ、そっか スーツあった
不知火蛍:そう、あのあんまり名前が覚えられないスーツ
生駒均:じゃあ自分用のアルティメイド服ワンチャン狙い!
生駒均:3DX+2+0@10>=20 調達
DoubleCross : (3DX10+2>=20) → 10[6,9,10]+3[3]+2 → 15 → 失敗

生駒均:微妙に惜しいのが悔しい!以上!
GM:おしい!
生駒均:バデムは自分には届かない
初芝実 透:おしい
初芝実 透:1たりないのか……
不知火蛍:こっちはワンチャン狙いで強化素材を買いに行こう
不知火蛍:1dx+2>=15 ものすごくぶん回れば買える!
DoubleCross : (1DX10+2>=15) → 8[8]+2 → 10 → 失敗

生駒均:とりあえず<バディムーブ> コンボ:ワーカーアシスト
生駒均:達成値+3、どうせまだ使ってないので使っちゃう
生駒均:お金使うかどうかはお任せ!
不知火蛍:わあい。では財産点2使用して成功!
生駒均:やったぜ
GM:めでたい!
不知火蛍:決闘者の剣相当のレガースにセットして攻撃力+1
生駒均:全員以上かな?
GM:強くなった!
初芝実 透:以上!
桟坂 カレン:以上~
GM:では、全員終わりましたので、改めてこのシーンは終了ですよー。

【目次へ戻る】

ミドル4

GM:では、次のシーン。
GM:次は情報収集の続きです。
GM:シーンプレイヤーは生駒さん。
生駒均:はーい!
生駒均:生駒均の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (62 → 65)
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1D10(→ 10)増加 (67 → 77)
GM:他にも情報収集をしたい人は登場するといいでしょう。
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (62 → 69)
桟坂 カレン:もー!
初芝実 透:ちょっと
GM:カレンさん、侵蝕率上がりがち。
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (56 → 58)
初芝実 透:格差
不知火蛍:大分低くなった

GM:では、まずは情報収集の判定からやっていきましょう。
GM:残っている情報収集項目は次の二つ
GM:・来堂波奏について〈情報:噂話、学問〉難易度6
GM:・桟坂エリカの裏の顔について〈情報:UGN、裏社会〉難易度13
生駒均:波奏ちゃんの情報はオレが調べましょう
初芝実 透:いけー
生駒均:先に動かせてもらうかな!情報:噂話で、噂好きの友人に声をかけます
生駒均:5DX+1+0@10>=6 情報(噂話)
DoubleCross : (5DX10+1>=6) → 6[1,2,5,6,6]+1 → 7 → 成功

生駒均:あぶねえな!まあ成功です
初芝実 透:いい感じ
GM:成功!お見事です!
桟坂 カレン:優秀~
桟坂 カレン:追加の情報が出るか気になるところだけど、「来堂波奏について
桟坂 カレン:派生はあるかしら?
GM:ないですね。このシーンでは、新しい情報は増えません。
初芝実 透:なかった
生駒均:ふむふむ
桟坂 カレン:であれば、このまま"桟坂エリカの裏の顔について"調べるわね
GM:なので、気にせず残りの情報も抜いてしまって大丈夫です。
生駒均:バディ準備しておくね
初芝実 透:応援しますね
桟坂 カレン:《生き字引》で情報を代替して<意志>で判定するわ。DB+1
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1増加 (77 → 78)
不知火蛍:ふぁいとー
桟坂 カレン:(5+1+1)dx+2+2>=13
DoubleCross : (7DX10+4>=13) → 10[1,1,5,5,6,7,10]+1[1]+4 → 15 → 成功

初芝実 透:ばっちり
桟坂 カレン:問題なしね。成功よ
GM:高い!さすが!
生駒均:ナイス固定値
初芝実 透:応援が効きましたね(?)
不知火蛍:そうだね(?)
GM:では、順番に情報を公開していきましょう
生駒均:行動前に応援でバフは基本
GM:まずは来堂波奏について

・来堂波奏について
生駒均のクラスメイトの少女。両親が音楽家で、自身も幼い頃からピアノを習っていた。楽譜通りに完璧にピアノを演奏するほどの腕前を持つ。だが、自分ではピアノの演奏に納得がいっていないらしく、実際に今まで大きなコンクールへの出場経験などもなかった。
今度N市内で開かれるコンクールに出る予定だが、自分のピアノがどこまで通用するのか思い悩んでいるようだ。周囲に悩みを打ち明けられる人もおらず、1人で色々と葛藤しているらしい。

GM:この情報を抜いたことで、生駒くんにイベントが発生します。
生駒均:おおっと
GM:先に洋館に行ってもいいし、波奏のイベントをこなしてもいいし
GM:そこはお任せだ
GM:では、次の情報!
GM:この辺から情報量が増えるので、捕捉が必要な時は気軽に聞いてくださいね
生駒均:了解!
不知火蛍:どきどき

・桟坂エリカの裏の顔について
 桟坂エリカは、桟坂家に財政的に貢献する目的で、音楽界の権力者たちと密かに通じている。彼女は音楽界の権力者たちが手を染めてしまった犯罪を、ノイマンのエネミーエフェクト《アンタッチャブル》を使って隠蔽している。その見返りとしてEXレネゲイドの楽器に使う『材料』やその販売先の斡旋を受けていた。
 美しい音色を奏でるようになったEXレネゲイドの楽器を売りさばくことで、彼女は自分の家のために莫大な利益を上げていた。“呪いのピアノ”も彼女が取り扱う『商品』の1つであり、噂自体も彼女が流布したもの。N市でも何者かから依頼を受けて隠蔽工作のために動いているようだ。

GM:情報は以上です。
GM:では、ここから情報収集の演出をやっていきましょう。

GM:――放課後。N市公立高校、校舎の片隅。
GM:街で流れている噂やジャームの情報を探るうちにキミたちはここに集まっていた。
GM:遠くからは学生たちが部活動に励む声や吹奏楽部の演奏の音が聞こえてくる。
生駒均:「ここなら誰も聞いてないかなー。おっ、よっくん頑張ってら。ファイトー」
生駒均:背伸びしてグラウンドの方に軽く手をふる。
GM:グラウンドから運動部の生徒が手を振り返している。
GM:校舎の窓からは夕陽が差し込む。
不知火蛍:「初対面の時から気になってたんだけど」
不知火蛍:「イコマって、学校でもそのかっこなんだね……」
生駒均:「ん?ああ、これ?」
生駒均:コンコン、と指でゴーグルを叩く。
不知火蛍:「うん。あとそれ」コートを指差し
生駒均:「や、ちょっとこっちは外せなくてねー。ちょっと覚醒の後遺症で」
桟坂 カレン:「視力矯正の都合上、仕方ないのだったかしら」
桟坂 カレン:別に聞いてもないのに話していたので覚えていた。
生駒均:「そうそう、それそれ。ちょっとした視覚異常?」
不知火蛍:「はー、なるほど。そういうのもあるのね……大変だ」
生駒均:「コートはほら、かっこいいじゃん」
生駒均:バサリバサリと翻してみせる。
桟坂 カレン:「……動きづらそうに見えるけれど」
生駒均:「もともとそんな肉体派じゃないしー。あとほら、これ地味に便利なんだぜ。手の動きが相手に見えない」
不知火蛍:「その理由で先生によく怒られないわね……」
生駒均:「視覚と一緒に皮膚が弱いことにしていることをここに懺悔します」
不知火蛍:「バレないといいわね」 苦笑い
GM:三人は調査と情報共有のためにここに集まっていたが、場所が場所だからか初芝実の姿はない。
桟坂 カレン:「私も、脚が悪いという理由で体育の授業は全部免除になっているし」
桟坂 カレン:脚が悪いのは事実だが、それを補って余りある性能の義肢がある。支障はないが。
桟坂 カレン:「……それで上手くやれるなら、嘘も方便ね」
生駒均:「……まあ、そういうことで。楽しいしね、学校」
桟坂 カレン:ふい、と視線をいずこへかに遣って
桟坂 カレン:「流石に、ここだとミトの格好は目立つかしら」
不知火蛍:「そだね……」 それを言うならそもそもUGNも、と思考の迷路に入りかけるのをギリギリで踏みとどまる
生駒均:「まあ来れないのは流石に仕方ないっしょ、見つかったら説明面倒だし」
生駒均:「オレらだけならまあ、ごまかし効くからねえ」
不知火蛍:「警備員さんに怒られるだろうしね。あー、でも」
不知火蛍:「意外とその辺りにいたりして」 冗談のつもりでけらけらと
生駒均:「いやそんな妖怪みたいな」
初芝実 透:……その時、教室に先ほどと少し変化が起こっている。
桟坂 カレン:「……もしかするかもよ?」
初芝実 透:明るかった夕日が、いつの間にかカーテンで遮られている。音もなく。
生駒均:「へ?」
不知火蛍:「えー、そんなまさか……」
不知火蛍:「……まさか?」
初芝実 透:《無音の空間》解除。
初芝実 透:「まさかですが」
初芝実 透:《天使の外套》解除。
初芝実 透:黒づくめの男がひとり、窓の前に立っている。
生駒均:「おわあびっくりしたあ!」
生駒均:のけぞった勢いでガタガタと机にぶつかる。痛い。
不知火蛍:「…………」 流石に言葉もない
桟坂 カレン:「ふふっ」 小さく、声を上げて笑う。
初芝実 透:「すみません、学生同士の会話をしていただいた方がいいかと思い……」
初芝実 透:「あと、出ていくタイミングを見失っていました」
生駒均:「あ、これは気遣いご丁寧に……でも寂しいだろうし気にしなくて大丈夫よ?」
不知火蛍:「……な、なるほどね。お気遣いありがとうございます」 謎の敬語
初芝実 透:「少し寂しかったですが、寂しいのも嫌いではないので」
初芝実 透:カレンさんの微かな笑い声に少し応えるように視線をやり、皆に近付く。
桟坂 カレン:「まあ、カーテンを閉めてしまえば早々見つかることもないでしょうし」
初芝実 透:「見つからないようにはしますね……」
生駒均:「ともあれこれで全員揃った!始めますか、作戦会議」
桟坂 カレン:「ええ、戻ってから話す必要もないわね」
不知火蛍:「だね! えーとじゃあまずはわたしからなんですが」
生駒均:「ほいほい、どうぞ」
不知火蛍:「エリカについて色々と根掘り葉掘り調べてみたんだけど」
不知火蛍:「何の成果もあげられませんでした……」
生駒均:「そっちもダメかー」
初芝実 透:「こちらもですね。UGN側からいろいろと調査しましたが」
初芝実 透:「なかなか上手くはいきませんでした」
生駒均:「オレも色々翔び回らせて探ってみたんだけど、いまいちだった」
生駒均:「カレンちゃんは?」
桟坂 カレン:「……」 僅かに視線を彷徨わせて 「……ヒットしたわ。あまり、嬉しくない話ばかりだったけど」
生駒均:「む」
初芝実 透:「さすがですが……そうですか。伺っても?」
不知火蛍:「……」 一瞬沈黙して 「そっか。どんなだった?」
桟坂 カレン:「桟坂の家は、UGNのバックアップ企業──『椿屋』の傍系一族。だから、多少なりともUGNと繋がりがある」
桟坂 カレン:「だから、その伝手を辿った。流石に家の人間に直接訊いても、話してはくれないだろうから」
桟坂 カレン:「……結論から言うと。桟坂エリカは、表の犯罪を、レネゲイドの力を以て揉み消してる」
不知火蛍:「…………」
初芝実 透:「……それは」眉を顰める。
生駒均:「……UGNもまあ、犯罪云々は言えないとこあるけど。その範疇の外でってことよな」
桟坂 カレン:頷く。「独断か家の意向かは分からないけれど、UGNに見咎められれば処罰の対象にはなるでしょうね」
桟坂 カレン:「音楽の世界の権力者と、密かに通じてね。その見返りに、EXレネゲイドの楽器に使われる素材や、製品の販売先を斡旋してもらっていたみたいよ」
桟坂 カレン:「……その『商品』の一つが、"呪いのピアノ"」
不知火蛍:「!」 流石に笑顔が消える。
生駒均:「商品……んじゃピアノの噂は」
初芝実 透:「……なるほど」
桟坂 カレン:「──レネゲイドの力が宿った楽器は、それ自体が作り方次第で、あらゆる歴史ある楽器を凌駕する音を奏でるわ」
桟坂 カレン:「それを見越した上でかは分からないけれど……"呪いのピアノ"の噂自体も、彼女が流布したもののようね」
桟坂 カレン:「意図は、正直掴みづらいけれど」
生駒均:「ってなると」
生駒均:「例のフクロウもその人……エリカさんってこと?」
初芝実 透:「……どうでしょうね。断言はできないな」
初芝実 透:出会った相手のことを思い出しながら。
不知火蛍:「……どうだろ。レネゲイドの力で情報操作って事はノイマンだよね」
生駒均:「あ、そっか。そもそもシンドロームが合わない?」
桟坂 カレン:「……桟坂エリカは、誰かに依頼されて動いているという話だった」
桟坂 カレン:「だから──この件の本命は、他にいるのかも。エリカが関わってるのは、確かだとしてもね」
桟坂 カレン:シンドロームの話もあるし、と付け加えて。
生駒均:「なるほど……」
不知火蛍:「……エリカ、この街で『大きな仕事』があるって言ってた」
桟坂 カレン:「そう……なら、きっとこの件のことでしょうね」
不知火蛍:「これが終わったら南の島でのんびり暮らせるレベルの奴」
初芝実 透:「困りますね。南の島では、探すのが面倒になってしまう」
初芝実 透:「早めに……少なくとも話を聞かないと」
不知火蛍:「……そう、だね」
初芝実 透:それだけで済むのかどうか、という顔。
桟坂 カレン:「ホタル、エリカが何処に行くのか、そういう話はなかった?」
不知火蛍:小さく首を振る 「しばらくこの街にいるってのと、終わったらのんびり、ぐらいかな。詳細な居所までは」
桟坂 カレン:「そう……なら。次は『商品』を当たってみるべきかしら」
桟坂 カレン:「"呪いのピアノ"。──郊外の廃墟に、音色が聴こえていたという話だったわね」
生駒均:「ん、方針はそれでいいと思うんだけど……」
桟坂 カレン:「……何か、気になることがある?」
初芝実 透:生駒くんの方を見る。
生駒均:「や、蛍ちゃん大丈夫?友達のことだろ」
生駒均:「カレンちゃんにとっても身内のことみたいだし……無理そうなら早目に言っといたほうがいいぜ」
初芝実 透:不知火さんの方も見る。
初芝実 透:カレンさんの方も見る。
初芝実 透:ぐるぐる。
不知火蛍:「あ……」 一瞬表情がこわばる、が
不知火蛍:「……大丈夫。多分ね」 すぐに、繕うように笑顔が浮かぶ
桟坂 カレン:「……別に。家の人間に、そういう──良くない話があるのは、今に始まったことではないから」
桟坂 カレン:「私のことは、気にしなくていいわ」 それで動くほどの感情は、もう燃え尽きた後だ。
生駒均:「ううーん、むむ……」
生駒均:「透さん透さん、どう?大丈夫そうに見える?」
初芝実 透:「そうだなあ……」ぐるぐるした後に少し考えて。
初芝実 透:「大丈夫かどうか、ではなく」
初芝実 透:「知りたいかどうか、を聞きたいですね」
不知火蛍:「……知りたいかどうか?」
初芝実 透:「遭ってみなければ何もわかりませんし。気持ち。意志。そういうもの」
初芝実 透:「あなたは、あなたの友人について、これ以上踏み込んで知りたい気持ちがありますか?」
不知火蛍:「気持ち……」 しばし思考する
初芝実 透:「カレンさんも、ですね。もちろん」
桟坂 カレン:「……え、私も?」 目を幾度か瞬かせる
初芝実 透:「そうですよ。平等です」
生駒均:「うんうん。気持ちは大事。だろ?」
桟坂 カレン:「……心配される道理はないのだけど。家の人間と黒い噂の時点で、ある程度分かっていたつもりだし」
桟坂 カレン:「それでも、そうね。知りたいか──と、問われれば」
桟坂 カレン:「それには、肯定を返すわ。私には、必要なことだと思うから」
初芝実 透:「わかりました。良いことだと思います」頷き返す。
初芝実 透:また不知火さんに目線を戻す。
生駒均:「蛍ちゃんは?……あ、すぐに答え出ないなら焦んなくていいと思う」
不知火蛍:「……わたしも、うん。知りたい、かな」 一言一言、噛みしめるようにゆっくりと
生駒均:「ちょうどこっちも用事あったし……っと」
初芝実 透:その声をしっかりと聞く。
不知火蛍:「エリカとは、昔から……『ずっと昔』からの親友で、ずっと仲良くしてた。そりゃ、お互い色々隠し事もあるけど」
桟坂 カレン:頷く。きっと彼女は、私の知らないエリカをたくさん知っているのだろう。
不知火蛍:「でも、わたしは……『不知火蛍』は、『エリカの友人』であると同時に『UGNエージェント』」
不知火蛍:「エリカが悪い事をしてるなら、知りたいし、止めたい。それがUGNにとって問題行為なら、なおさら」
桟坂 カレン:ひとつひとつ噛み締めるような物言いに、僅かな違和感を捉えながらも、
初芝実 透:「……なるほど」まだ若い同僚を見る。
初芝実 透:言葉のひとつひとつに込められた意味は、わかるはずもないが。
桟坂 カレン:「──そう。なら、私は大丈夫だと思うけど」 ちらとミトを見る
生駒均:釣られるように透の方を見る。
初芝実 透:「そうですね。失礼しました。どうも、あなたはまだお若いので、少し心配をしてしまうが」
初芝実 透:「優秀なエージェントです。確かに」
不知火蛍:「ふふっ。お褒め頂いて光栄だね」 にこり、とほほ笑んで
初芝実 透:「……という感想を持ちました。以上です」生駒くんを見て。
初芝実 透:何か用事があったのでは?という顔。
生駒均:「ん、ありがと透さん! じゃ分かった、一緒にやろうぜ。引き止めてごめんな!」
生駒均:「あ、でもあれ。本気できつくなったら早目に言ってくれよ、オレ表情読むのマジで苦手で……ごめんだけど」
不知火蛍:「じっくり見てたもんね。了解、その時はよろしくっ」
生駒均:「んでもひとつごめん、ちょっと出発前に時間もらっていい?」
桟坂 カレン:「何か用事?」
不知火蛍:「ん、出発自体は一刻一秒って感じじゃないだろうからいいと思うけど……」 なんだろ、とイコマを見る
生駒均:「うん。オレに噂教えてくれた友達、ピアニストでさ」
生駒均:「今度コンクールに出るってんですげえ頑張ってんだけど、悩んでるみたいなんだよね」
生駒均:「今回の件とはまた別の、個人的なやつとは思うんだけど……ちょっと心配で」
生駒均:「悩んでるとこにピアノが現れてー、とかなったら怖いじゃない?」
初芝実 透:「日常との繋がりは大事ですし、確かにピアノ絡みでは心配もわかります」
不知火蛍:「あー、なるほどね……確かに心配だ、それは」
生駒均:「流石にこっち側の話はできないけどさ、先にお悩み相談?ぐらいはできるかなって」
桟坂 カレン:「そうね。先に警戒を兼ねて、様子を見に行った方がいいかもしれないわ」
GM:波奏はどうもクラスメイトたちに楽器屋さんに行くという話をしていたようです。道すがらそこに立ち寄れば彼女に会うことはできるでしょう。
生駒均:「あんがと!んじゃちょちょいっと寄らせてもらうわ」
初芝実 透:「お友達、多いんですね」生駒くんに。
初芝実 透:「さっきのよっくんとか」
不知火蛍:「……そ、そこからいたんだ……」 最初じゃん……
生駒均:「オレは人大好きだからね!」
生駒均:「一回会って話したやつは大体友達感覚だぜ」
初芝実 透:「良いことです。そのお友達も、大事にしてあげないと」
初芝実 透:不知火さんに微笑んでみせる。
不知火蛍:「あ、あはは……」 これにはさすがの不知火も苦笑い
生駒均:「はーい! オレが聞いてなんとかできたらいいんだけど、どうなっかなー……」
桟坂 カレン:「それは、話してみなければ分からないことだわ」
桟坂 カレン:「それに、貴方は。どうにかできるか分からないからといって、止まる人ではないでしょう?」
生駒均:「……」
生駒均:少し驚いたような顔でカレンを見て、
生駒均:「分かってもらえてる感じの事言われると嬉しくなっちゃうぜ」
生駒均:「そりゃそうだ。わかんなくても考えなきゃ、だ!」
桟坂 カレン:「……別に、そういうつもりはなかったのだけど」 視線をふいと反らす
生駒均:「へへ、いいのいいの。あんがと!やったろって気にはなった!」
生駒均:「よっしゃ、準備進めて向かいますか!」
桟坂 カレン:『知らないで何もできなかった、なんて嫌だぜ』という言葉を、反芻する。その言葉に、確かに私の感情は揺れた。
桟坂 カレン:──だから、私もほんの少し。力になれたのなら。
桟坂 カレン:「ええ」 立ち上がる。トランクは、夕陽を反射せずただ其処に黒く在る。
GM:では、言葉を交わしたキミたちが夕陽の差す教室を後にしたところでこのシーンは終了だ。

GM:ロイスの取得や感情変更、購入判定が可能ですよ!
初芝実 透:カレンさんに対して、○庇護/不安から○信頼/不安にできそうな気がしてきました
桟坂 カレン:わー 信頼になった
桟坂 カレン:不知火蛍 親近感/◯食傷 → ◯連帯感/食傷 に変更。
初芝実 透:なんか今のシーンの感じはそうかなって……
不知火蛍:わー、うれしい
生駒均:さて、ロイスは取りきったし変更もひとまずなく
初芝実 透:購入の前にあれをします。
不知火蛍:こちらのロイスは変更なしかな……初芝実さんはもうちょっと考えよう
初芝実 透:コンボ『レディ・メイドの花束をひとつ』。エヴリシングレディ使用して強化ビジネススーツを入手・装備。社会達成値+2
生駒均:例のあれ!
初芝実 透:で、何買おうかな……
生駒均:蛍ちゃん用のアームドスーツとか?
生駒均:あいやいらないんだった二度目
初芝実 透:そうだった
初芝実 透:何もなければ自分用強化素材
生駒均:メイド服は欲しいけど流石に難易度高いから
生駒均:強化素材優先で良さげ!
初芝実 透:じゃあ先に!
初芝実 透:3dx+3>=15 強化素材
DoubleCross : (3DX10+3>=15) → 9[4,5,9]+3 → 12 → 失敗

生駒均:おや
初芝実 透:あっ
桟坂 カレン:おっこれは
生駒均:<バディムーブ> コンボ:ワーカーアシスト
初芝実 透:ありがとーーー
生駒均:自分以外のダイスロール直後に使用、達成値を+3!
生駒均:働き蜂です
桟坂 カレン:そういえば購入忘れてた 応急キットもう一つ買っちゃおう
初芝実 透:助かります。15で買えました
桟坂 カレン:2dx+1>=8
DoubleCross : (2DX10+1>=8) → 10[7,10]+10[10]+8[8]+1 → 29 → 成功

GM:お、またもや共犯!
生駒均:やば
桟坂 カレン:なんかめちゃくちゃいいのが買えました
GM:カレンさん!?
生駒均:めちゃくちゃいいとこの手当キット
初芝実 透:自分のダメージグローブに使用します!
初芝実 透:以上!
GM:すごい高級なのを買ってる
初芝実 透:すごいな
不知火蛍:そうだ購入、私も手当キットを買います
生駒均:私も手当キットでいいか
不知火蛍:1dx+2
DoubleCross : (1DX10+2) → 7[7]+2 → 9

生駒均:3DX+2+0@10>=8 調達
DoubleCross : (3DX10+2>=8) → 7[4,6,7]+2 → 9 → 成功

不知火蛍:普通に成功!
GM:成功してる!
生駒均:オッケー成功、持っておきます。以上!
初芝実 透:書き忘れてた。ダメージグローブに使用して攻撃力を+1します。
初芝実 透:以上!
GM:了解です。
不知火蛍:おっと。こちらも以上で!
GM:では、全員終わったみたいですので、改めてこのシーンは終了です。
GM:次のシーン。

【目次へ戻る】

ミドル5

GM:次は、生駒くんに波奏関係でイベントが起きるシーンになります。
GM:なので、シーンプレイヤーは連続にはなってしまいますが、生駒くん。
GM:初芝実さんもちょっとしたあれで、登場してもらえると嬉しい。
GM:他の人は自由です。
初芝実 透:はーい
生駒均:はーい!
生駒均:生駒均の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (65 → 75)
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (69 → 77)
生駒均:うおおん
初芝実 透:なに?
桟坂 カレン:私は廃墟について事前に調べたりしている……という体で今回は休み。
GM:一気に上がるな
GM:では、このシーンは繫華街の楽器屋さんで生駒くんたちが来堂波奏と会うシーンになります。

GM:――N市、繫華街。
GM:調査の傍ら、キミたちは楽器屋を通りかかった。
GM:すると、そこには悩まし気な顔でピアノを見つめる少女の姿があった。
生駒均:「楽器屋さんって言ってたから、多分こっち……っと」
来堂波奏:「むむむ」
GM:色素の薄い髪色をした小柄な少女は何やら難しい顔をしている。
生駒均:「居た居た。じゃ透さん、ちょっと行ってきます」
初芝実 透:「おや。いってらっしゃい。気をつけて」
初芝実 透:少し離れたところから見守ることにする。
生駒均:「はーい!」
生駒均:やかましく足音を立てて少女に寄っていく。
来堂波奏:「やはりピアノの問題……?」
来堂波奏:「む。このやかましい足音は」
生駒均:「波奏ちゃんおっす!何見てんの?ピアノ?」
生駒均:バタバタと袖を振る。
来堂波奏:「生駒均。丁度いいところに」
生駒均:「ん、丁度いい?オレが」
来堂波奏:「そう。あなたに頼みがある」
生駒均:「都合よく出現できたなら嬉しいね、なになに?」
来堂波奏:「はぐれメタル並みに都合が良くて助かった」
生駒均:「逃走率は低めに設定しております。チャンスタイム!」
来堂波奏:「生駒均、わたしのピアノを聞いてほしい」
生駒均:「ん」
生駒均:むむ、と少し顔を引き締めて
来堂波奏:「わたしのピアノには何かが足りない。誰かに聞いてもらえばそれが分かるかも」
生駒均:「そりゃもちろん良いけど……オレ素人だぜ?」
生駒均:「技術とかそういうのは先生方みたいに言えないと思うけど、それでいい?」
来堂波奏:「いい。むしろ何も知らない人の心にも響くかどうかが重要」
来堂波奏:「……なのだと思う」
生駒均:「なるほど。そういうもんかな……難しそうだ」
来堂波奏:「気軽に感想を聞かせてくれればそれでいい」
来堂波奏:「では、ご清聴ください」
生駒均:「了解!楽しみ!」
GM:そう言って彼女は真剣な様子でピアノに向き直る。
生駒均:それきり口をつぐんで、傍に椅子を置いて座り込む。
GM:それは楽譜通りの完璧な演奏だった。
GM:一度も間違うこともなく、リズムも完璧。まるでCD再生のように。
GM:だが、どこか無味乾燥な旋律だった。
GM:弾き終えると彼女はキミに向き直る。
来堂波奏:「……どう?」
生駒均:パチパチパチと手を叩いて拍手する。
生駒均:「すんげー上手かった!やっぱめちゃめちゃ頑張ってんだなって!」
来堂波奏:「ありがとう……」
生駒均:「……今のも満足いかなかった?」
来堂波奏:「聞いていてどうだった?」
来堂波奏:「ピアノのせいかと思って、普段と違うピアノを弾きにきたのだけど違ったみたい」
生駒均:「元の曲をちゃんと知らないから間違ってたらごめんだけど」
生駒均:「すげー正確に演奏してんだなって思った」
来堂波奏:「正確に演奏できるように何度も練習したから」
生駒均:「ちょっとのずれも許さないって感じの」
来堂波奏:「そう。わたしは完璧な演奏を目指している」
来堂波奏:「でも、それでも何かが足りない」
生駒均:「完璧、かあ……」
生駒均:むう、と呻いてコツコツとゴーグルを叩く。
生駒均:「波奏ちゃんの中で、今の演奏」
生駒均:「どこか失敗したってことはないの?音がずれちゃったとか、そういうの」
来堂波奏:「ない。なかったはず」
来堂波奏:「ただ正確に弾くように、それだけを考えていたから」
生駒均:「そっか……ううーん、ってなると……」
生駒均:「むむむ……」
生駒均:頭を抱えて考え込む。
来堂波奏:「変なことに付き合わせて申し訳ない」
生駒均:「やや、ダイジョブダイジョブ!今日はこっちから付き合いに来たぐらいだから」
生駒均:「なんかお悩み中っぽかったので」
来堂波奏:「生駒均、もしかしてお人好し?」
生駒均:「実はヒーローなんだぜ、これでも」
生駒均:自嘲するように嘯く。
来堂波奏:「あまりそうは見えない」
生駒均:「見た目を言われると辛い!」
来堂波奏:「……わたし、昔はもっとピアノを弾くのが楽しかったのに、今はちっとも楽しくない」
来堂波奏:「やはり才能がないのだと思う」
生駒均:「ん……」
生駒均:「波奏ちゃんさ、ちょっと聞いていいかな」
来堂波奏:「……何?」
生駒均:「『完璧な演奏』って、どんなイメージ?」
来堂波奏:「それは、もちろん一度のミスもなく、楽譜通りに弾ききるような演奏」
来堂波奏:「の、はず」
生駒均:「はず、か」
生駒均:「じゃあ多分、そこがなんか……ずれちゃってるんじゃないかなあ」
来堂波奏:「ずれている……?」
生駒均:「あ、音の話じゃないぜ?なんていうかな」
生駒均:「思い浮かべてるイメージと、目指してる方向がずれてるっていうの?」
来堂波奏:「…………」
生駒均:「さっきの波奏ちゃんの演奏、オレから聞いたら完璧だったんだよ」
生駒均:「間違ってるところは多分どこにもなかった。波奏ちゃんの感覚でもそうだったんだし」
来堂波奏:「……あ」
生駒均:「だからそもそも、波奏ちゃんの目指してる『完璧な演奏』が」
生駒均:「そういう正確さとは別なとこにあるんじゃないかなー、って」
生駒均:「あ、でもあれだ。これは大事なとこだけど」
生駒均:「だからって今の波奏ちゃんの演奏が悪かったとか、頑張ってたのが間違いだった、ってこたないぜ?」
生駒均:「正確に弾ける、ってのは間違いなく技術だし。練習の成果はきっと出てるだろ?」
来堂波奏:「生駒均。さっき、わたしの演奏を『楽しみ』って言ってくれた」
生駒均:「ん?うん」
来堂波奏:「なのに、わたしは生駒均を楽しませるつもりで弾いていなかった」
来堂波奏:「ただ楽譜通りに弾くことだけを考えていた」
生駒均:「あー……そっか」
生駒均:「目標と過程が逆になってた、みたいなの?」
来堂波奏:「たぶん、そう。生駒均。あなたに謝ります」
生駒均:「え、や、そんなかしこまらなくても」
来堂波奏:「……もう一度聞いてもらってもいい?」
生駒均:「もち!」
来堂波奏:「今度はあなたも知ってる曲」
GM:彼女は穏やかな笑みを浮かべてもう一度ピアノに向き直る。
生駒均:「……」
生駒均:笑みを浮かべて、背中を見つめる。
GM:そして、楽しげな様子で『猫ふんじゃった』を弾き始める。
GM:軽やかで、弾むように、聞く人の心を暖かくするような音色が高い技巧と合わさって紡ぎ出される。
生駒均:「おお……」
来堂波奏:「……どう?あ、音外した」
来堂波奏:そう言って愉快そうに笑う。
生駒均:「すごい楽しそうだった!」
来堂波奏:「よかった」
来堂波奏:「わたしも、弾いていて楽しかった」
生駒均:「ん、それが一番だ」
生駒均:「せっかく好きなことやってんだから、楽しまなきゃな」
生駒均:「お客さんも大事だけど、自分もね」
来堂波奏:「好きなこと……。そうか、わたしはピアノが好きだったんだ」
来堂波奏:「どうして忘れていたんだろう」
生駒均:「……そういうのね」
生駒均:「結構忘れたり、手段と目的裏返ったりとか」
生駒均:「よくあるんだよ。悲しいけど」
来堂波奏:「でも、今は嬉しい」
来堂波奏:「生駒均。あなたは本当にヒーローかもしれない」
生駒均:「へへっ。そうかな」
生駒均:「(ちょっとは人間らしくやれたかねえ)」
GM:その時。楽器屋の店先で拍手の音が響く。
紫東響次:「素晴らしい。実に素晴らしい演奏でした」
生駒均:「んお?」
GM:眼鏡をかけた中年の男性がキミたちに声をかける。
生駒均:拍手に振り向く。知らない男。
来堂波奏:「誰……?」不審そう。
生駒均:「波奏ちゃんも知らんの? えーと、お兄さん失礼ですが……」
紫東響次:「ああ、申し遅れました。私は大学で音楽を教えている紫東というものです」
紫東響次:「彼女の演奏がとても素晴らしかったので、つい声をかけてしまいました」
生駒均:「あ、そうでしょうそうでしょう!」
生駒均:「(……大学?)」
紫東響次:「彼女は実に優れた才能をお持ちだ」
GM:生駒くんと初芝実さんは、言葉とは裏腹に彼からどこか危険な雰囲気を感じ取るでしょう。
生駒均:「(透さん……見てるよな、よし)」
初芝実 透:棚の影で商品を見ていたが、静かに近付く。
紫東響次:「彼女の前にならば、噂の“呪いのピアノ”も現れてくれるのではないかな」
生駒均:「……」
来堂波奏:「それは……嬉しいけれど……」
生駒均:波奏と男の間を塞ぐ。
初芝実 透:いつでも男と二人に駆け寄れる距離を保つ。
紫東響次:「ああ、すみません。急にこんな話をしたものだから驚かせてしまったかな」
生駒均:「お兄さん、勧誘とかセールストークなら」
生駒均:「また今度改めてでできないかな?この子今ちょっと疲れてるとこだし」
紫東響次:「では、そうさせてもらいましょうか。ご迷惑をおかけしました」
GM:男は申し訳なさそうに頭を下げる。
生駒均:「ん、こっちもごめんねー。演奏褒めてくれてありがと!」
初芝実 透:(……引き下がるのか)
生駒均:「(引くならとりあえず良いんだけ、ど)」
紫東響次:「いえいえ。とても素晴らしい演奏でしたよ」
紫東響次:「あなたなら、すぐに阿奏戯くんのようになれるでしょう」
初芝実 透:「!」
生駒均:「……なんだって?」
紫東響次:「では、失敬。お騒がせしましたね」
初芝実 透:(紫東……音楽大学の。あの、阿奏戯一生が襲われた……?)
生駒均:「(透さん、追える?いや、一人じゃ危ないか)」
GM:男は去り際、ちらりと初芝実がいるであろう方向を見る。
初芝実 透:さほど不審のない様子で紛れていた、つもりだ。
紫東響次:「この店、どうも雑音がしますね。調律が行き届いていない楽器でも置いてあるのかな」
紫東響次:「あまり良くありませんねぇ」
GM:男はそれだけ言うと、店から立ち去っていく。
生駒均:男が出ていったのを確認して、
生駒均:「あーっびっくりした!」
生駒均:「いきなり話しかけてくんだもんなあ。波奏ちゃんだいじょぶ?疲れたっしょ」
来堂波奏:「どうしてそんなに驚いている……?」
生駒均:「や、だって知らないお兄さんと話すのとか……オレ人見知りの恥ずかしがりで……」
初芝実 透:「……ふう」息を吐き、生駒くんの方へ。
初芝実 透:周囲に警戒を払いながら、来堂さんの無事を確認。
来堂波奏:「人見知りの恥ずかしがりや……?」不審そう。
生駒均:「なんだよお、今どきのシャイボーイだぜ。友達万人できるかな?」
生駒均:「あ、透さん。そっちの用事終わった?」
初芝実 透:「ええ、どうやら……」
初芝実 透:「目当てに近いものはあったような、気はしますね」
来堂波奏:「そっちの人は生駒均の知り合い?」
初芝実 透:「あいにくポケットには入りませんでしたが……ああ」
生駒均:「うん、バイト先の先輩!」
初芝実 透:「そうです、生駒くんの知り合いです」情報量の増えない自己紹介をする。
来堂波奏:「何のバイト……? 反社会的な……?」不審そう。
生駒均:「見た目で誤解されがち~」
生駒均:「っと、そだ。波奏ちゃんこの後どうする?帰るんなら送ってこっか、噂されると恥ずかしいかもだけど」
来堂波奏:「生駒均と噂されても痛くも痒くもない」
生駒均:「なんだか微妙な弱者感を感じる!」
来堂波奏:「……ありがとう。嬉しい。でも、家はすぐ近くだから大丈夫」
生駒均:「そっか。んじゃオレらもバイト行きますか」
初芝実 透:「そうですね、今日はええと、シフトが早いので……」微妙な誤魔化し方をする。
来堂波奏:「生駒均。バイト先の人も。よければコンクールも聞きにきてほしい」
初芝実 透:「コンクールですか」
来堂波奏:「きっとあなたたちを楽しませる演奏をする」軽やかに笑う。
生駒均:「そうそう!超すごいんだぜ波奏ちゃん。絶対行くわ!」
初芝実 透:「あ、そうだ。言い忘れていましたが。先ほどの演奏は素晴らしかったですよ。私から聞いても」
初芝実 透:「ああいうのは盗めないので、羨ましいことです」静かに笑う。
生駒均:「あっ、なんだ聞いてたんだ」 気づいていなかった、という風に
初芝実 透:「それはまあ、近くにいましたから……」
来堂波奏:「違う。盗み聞き」
初芝実 透:「あ」
生駒均:「一本取られましたね」
来堂波奏:「窃盗犯許すまじ」
初芝実 透:「盗んでしまっていましたか……」
生駒均:「逮捕される前に逃げますか」
初芝実 透:「そうですね」
来堂波奏:「窃盗の罰としてコンクールもきちんと聞きにくること」
初芝実 透:「日本の警察は優秀なので」
初芝実 透:「こうやって、すぐに罰則が来るんですよね」
初芝実 透:ふっと笑って、了承の意を表す。
来堂波奏:「わたしも将来は警察官になってもいいかもしれない」
来堂波奏:「では、また。生駒均、バイト先の人」
生駒均:「あいよー。んじゃまたね!」
初芝実 透:「お疲れ様です。お気をつけて」
生駒均:ひらひらと袖を振って店を出ていく。
初芝実 透:一礼して、生駒くんと一緒に出ていく。
生駒均:「さ、って」
生駒均:周囲を見回して確認し、
生駒均:「透さん、今の奴」
初芝実 透:「はい」
生駒均:「当たりだと思う?」
初芝実 透:「勘を信じるならば、かなりの確率で」
初芝実 透:「……私を見た。性急すぎますが、顔を知られていたとしたら」
生駒均:「だよなあ。オレもそう思う……むー」
生駒均:ガリガリと頭をかいて、
生駒均:「悩みが晴れたっぽいのは良いんだけど、まずいことになっちゃったかな……」
初芝実 透:「まだ、間に合いますよ」
初芝実 透:「まずいことを止めれば、後に残るのは」
初芝実 透:「ピアノが大好きな女の子がひとり」
初芝実 透:「そうしませんか。急いで」
生駒均:「……それに観客な。聞きにいかんと。あんがと透さん!」
初芝実 透:「いえいえ。仕事ですしね」
生駒均:「とりあえず支部に連絡して、波奏ちゃんの周り気をつけてもらお」
生駒均:「隠れてになるからどこまで守れるか分かんねだけど、少なくとも何かあれば気付けるはず」
初芝実 透:「そうですね。あとは、紫東について知りたい」
生駒均:「後は洋館だな……どっちが優先?」
初芝実 透:「手掛かりとして大きいのは洋館、かもしれませんね」
生駒均:「そうだな、もう2人も準備してるだろうし」
生駒均:「支部に諸々連絡して、警戒だけしといてもらお」
初芝実 透:「向かいましょうか」
生駒均:「あいよ、了解!」
初芝実 透:(この世界には雑音が多すぎる……か)
初芝実 透:(そういうものなのだろうか……?)
初芝実 透:聞いた言葉を思い返して、首を傾げる。

GM:では、キミたちが急ぎ足でバイト先へと向かったところでこのシーンは終了だ。
GM:シーンの最後に新しい情報項目が追加されます。
GM:・紫東響次について〈情報:UGN、学問〉難易度7、15
生駒均:おおっと
GM:難易度は二段階。次のシーン以降で調査が可能になるぞ。
初芝実 透:たっか
生駒均:了解!
GM:では、ロイスの取得や感情変更、購入判定があればどうぞ!
生駒均:ロイスはひとまず保留
生駒均:私はこれからひたすらアルティメイド服を狙うだけの存在と化す
生駒均:というわけでアルティメイド服調達狙い!
初芝実 透:生駒くんを ○信頼/あだ名が決まらないんですよね に変更
生駒均:へっへっへー
GM:まだあだ名が決まってなかった
生駒均:ゆっくり考えて
生駒均:3DX+2+0@10>=20 調達
DoubleCross : (3DX10+2>=20) → 10[6,9,10]+10[10]+10[10]+3[3]+2 → 35 → 成功

生駒均:は?
初芝実 透:すご
生駒均:買えちゃった
GM:やばい
生駒均:ウェポンケースに入れておきます。以上!
初芝実 透:えーと、そしたら何か買うものある??
生駒均:ブルーゲイル?
初芝実 透:ブルゲか念のための盾くらいか……
GM:ブルゲでも狙いますか
生駒均:重ね着系の防具、盾、ブルゲぐらいですかね
初芝実 透:じゃあまずブルゲかな……
初芝実 透:コンボ『レディ・メイドの花束をひとつ』。エヴリシングレディ使用して強化ビジネススーツを入手・装備。社会達成値+2
生駒均:まあワンチャンあればぐらいだから
生駒均:浸蝕までは使わなくても良さげかな
初芝実 透:そうですね
初芝実 透:3dx+3>=20
DoubleCross : (3DX10+3>=20) → 5[1,5,5]+3 → 8 → 失敗

初芝実 透:ぜんぜんだめ
生駒均:ドンマイ!
GM:残念
生駒均:こちらは以上!
初芝実 透:バディム載せでもボデマも買えない
初芝実 透:では以上!
生駒均:ドンマイ……
GM:では、2人とも終わったので、改めてこのシーンは終了です!

【目次へ戻る】

ミドル6

GM:次のシーン。
GM:次は、キミたちが郊外の廃屋を調べにいくシーンになります。
GM:シーンプレイヤーはカレンさん。
GM:他の人たちも全員登場だ。
生駒均:登場します!
生駒均:生駒均の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (75 → 85)
生駒均:流石にどうなってんだ
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (77 → 87)
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (58 → 59)
初芝実 透:は?
GM:蛍ちゃん、全然上がらん
不知火蛍:キャラ格差がひどい
生駒均:いやこれは
生駒均:蛍ちゃん以外の三人が上がりすぎ
初芝実 透:はい
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (78 → 82)
生駒均:私ミドルエフェクト使ってないのに!
初芝実 透:カレンさんよかった!
生駒均:ほっ
桟坂 カレン:ま、まだセーフ
生駒均:こっちが心配される側ですが
初芝実 透:一気にトップだよ
GM:こんなにガンガン上がるとは
GM:では、まずはシーンの描写から。

GM:――キミたちは、“呪いのピアノ”の噂を追って、N市郊外にある無人の洋館へとやってきていた。
GM:打ち捨てられた洋館はあちこちが朽ちてきており、人の気配もない。
GM:廃墟となったそこは、今はひっそりと静まり返っている。そのはずだった。
GM:だが、キミたちが洋館に一歩足を踏む入れた時に聞こえてきたのはピアノの音だった。
GM:身の毛がよだつほど美しいピアノの旋律が館内に響いている。
生駒均:「噂通り……かな、これ」
生駒均:足音を殺して通路を歩く。
初芝実 透:「弾いている人間も居る……のでしょうか。やはり」
初芝実 透:「居なかったら怖いな……」
GM:音は、広間の方から聞こえているようだった。
生駒均:「本物のホラーになっちゃうじゃん、なくもないけど」
桟坂 カレン:「いなければいないで、そういう楽器として処理すればいいだけの話よ」
不知火蛍:「EXレネゲイドつきの楽器って話だし、動くタイプもあってもおかしくはないよね」
桟坂 カレン:「自動演奏のピアノというのもあるにはあるし……とはいえ、噂が此処まで流れている以上。あまり楽観的な期待はできなさそうね」
初芝実 透:「なるほど、頼れます」
生駒均:「頼りまーす。さて、こっちの方……」
GM:キミたちは音のする広間に入る。
桟坂 カレン:ブーツの音は、限りなく静かに抑えて。ゆっくりと広間に踏み入れる。
GM:不気味なほどに綺麗なピアノの旋律が響いている。
GM:そこには一心不乱にピアノを弾く青年の姿があった。
初芝実 透:(……居る方でした。が)
初芝実 透:そちらを見る。
GM:青年は鬼気迫った様子でピアノに向かっている。その手は怪我などなかったかのように、軽快に動いている。
桟坂 カレン:「……一生」 音に掻き消えてしまう程の小さな声で、青年の名を口にする。
生駒均:「じゃ、やっぱりあの人が……?」
初芝実 透:「ああ、ではあの時の……」
初芝実 透:ハンカチに滲んだ、血の赤を覚えている。
不知火蛍:「……とても素晴らしいピアノだけど、演奏すると……だっけ」
不知火蛍:イコマから伝え聞いた、呪いのピアノの噂を反芻する
GM:どこか狂気すらも感じられるようなピアノの音色だ。ひとしきり演奏を終えると、彼は顔を上げる。
阿奏戯一生:「やっぱり思い通りに弾けると楽しいな」無邪気な笑みを浮かべる。
GM:青年はキミたちの方にも気が付く。
桟坂 カレン:「……貴方。こんなところで何してるの?」
阿奏戯一生:「あれ、カレンちゃん?」
阿奏戯一生:「聞いてよ。また前みたいにピアノが弾けるようになったんだ!」嬉しそうに笑って言う。
阿奏戯一生:「これなら普通にコンクールにも出られるかも!」
阿奏戯一生:だが、そう語る彼はどこかやつれたように見える。
桟坂 カレン:「…………」 嘆息する。
GM:では、全員そこで〈知覚〉で判定を行ってください。難易度は7です。
桟坂 カレン:3dx>=7
DoubleCross : (3DX10>=7) → 10[6,7,10]+5[5] → 15 → 成功

初芝実 透:6dx+1>=7
DoubleCross : (6DX10+1>=7) → 9[1,4,6,7,8,9]+1 → 10 → 成功

生駒均:3DX+0+0@10>=7 知覚
DoubleCross : (3DX10>=7) → 3[1,1,3] → 3 → 失敗

不知火蛍:2dx>=7
DoubleCross : (2DX10>=7) → 10[7,10]+8[8] → 18 → 成功

GM:では、失敗した生駒さん以外の三人は気付きます。
GM:彼が弾いていたピアノはEXレネゲイドであり、ピアノが何らかのエフェクトを使用していたような気配があります。
阿奏戯一生:「だからさ、約束通りカレンちゃんにもコンクールで俺のピアノ、聞いてもらえると思う!」嬉しそうに話している。
桟坂 カレン:「……いつから此処で弾いているの。最後に食事を摂ったのはいつ?」
桟坂 カレン:喜ぶ声を遮るように、問いかける。
阿奏戯一生:「ちゃんとご飯食べてるよ。何時間前だったかな、晩ご飯は食べた」
生駒均:「(二人共、やっぱあれ……)」
生駒均:透と蛍に小声で、ピアノを指して
初芝実 透:「(ええ、何かエフェクトの気配がする……)」
生駒均:「(やっぱりそうか……でも、聞いてくれるかな)」
初芝実 透:「(どうでしょう。カレンさんの声に応えてくれればいいのですが……)」
不知火蛍:「(聞いてくれないなら強硬手段しかないよね……でも……)」
桟坂 カレン:(……このやつれよう、明らかに尋常じゃない。それに、あのピアノ──)
GM:では、その時。
桟坂 カレン:「……誰に、ここに連れて来られたの。──?」
阿奏戯一生:「えっと。楽器商人だっていう女の人。確か、名前は――」
桟坂エリカ:「私の商品にあまり手を触れないでいただけませんか」《ワーディング》を展開する。
GM:コツコツと靴音が響き、キミたちの前にスーツ姿の女が現れる。片手にはバイオリンケースを下げている。
桟坂 カレン:「桟坂……エリカ」
初芝実 透:「なるほど、彼女が」
不知火蛍:「エリカ……」 わかってはいたが、実際に目にすると
桟坂エリカ:「……蛍、どうして忠告を守らなかった」キミに気付くと一瞬だけ悲しそうな顔をし、すぐに人形のような無表情に戻る。
生駒均:「……あんたがそう、ね」
生駒均:「商品ってのは、そこのピアノのこと?」
桟坂エリカ:「このピアノは私の大事な商品でして。あなた方にビジネスの邪魔をされるわけにはいきません」
GM:《ワーディング》によって阿奏戯はピアノにもたれかかったまま意識を失っている。
初芝実 透:「ビジネスに関しては、私、ずっと邪魔をしてばかりなので……」阿奏戯の様子を見ながら。
初芝実 透:「触れないのもちょっと難しいな……どうしようか……」考えている。
桟坂 カレン:「……この件は、貴女の独断? それとも、家の意向によるものなのかしら」
桟坂 カレン:黒いトランクバッグを、強く握り直す。
桟坂エリカ:「桟坂カレンさん。全てはあなたのせいですよ」手袋を外し、義手でバイオリンケースを握る。
桟坂 カレン:「……私のせい?」
桟坂エリカ:「あなたが、変な思い違いを起こさなければ、こうはならなかった」
桟坂エリカ:「『少女黒鍵』は桟坂の悲願だ。それだというのにあなたは」
桟坂 カレン:「…………」 その蒼い硝子玉のような瞳を、見つめ返す。
初芝実 透:(……思い違い?)白い手袋が、黒く染まる。
生駒均:「お兄さんを連れて帰って終わり……って、」
生駒均:「わけにもいかないよな?蛍ちゃん」
桟坂エリカ:「……蛍。これは『人形の為り損ない』である私に与えられた最初で最後の役目だ。お願いだから止めないでくれよ」
不知火蛍:「……」 ぎゅ、とこぶしを握り締める
桟坂エリカ:バイオリンケースを強く握る。
不知火蛍:「商品、ビジネス、大きな仕事……役目」 エリカ自身の言葉を反芻する 「何してるのよ、エリカ。貴方は何を売って、何を貰って、何をしようとしてるのよ!!」
桟坂エリカ:「……蛍。キミとは戦いたくなかったが」
桟坂エリカ:「『人形の為り損ない』である私が、ようやく桟坂の家のために役に立てるんだ。キミであろうと容赦はしない」
桟坂エリカ:「商品を守るのもセールスマンの大事な務め。あくまでも邪魔をするのでしたら、手荒にいかせていただきます」
不知火蛍:「『人形の為り損ない』……『人形の為り損ない』、『人形の為り損ない』って。貴方いつもそうよねエリカ」
不知火蛍:「人形なんかにならなくても貴方は素敵だってずーーーっと言ってるのに聞きもしないで」
桟坂エリカ:「……そう言うなら、キミだって『死体のなりそこない』なんかじゃないぞ」
桟坂エリカ:苦しそうにそう言うと、キミの言葉を遮るようにバイオリンケースを強く握る。
生駒均:「(……死体の?)」
桟坂エリカ:義手からバチリと電流が迸る。
桟坂 カレン:陶器を思わせる艷やかな白い肌。どこか人形めいた顔立ちは、自分が同じ家の血を引くことを嫌でも想起させた。
桟坂 カレン:「……貴女が、家のために尽くそうと思うのは立派なことだと思うわ」
桟坂 カレン:「だけど、"少女黒鍵"に選ばれたからといって。その行末までも、桟坂が決められると思い上がらないで」
桟坂エリカ:「何……?」
桟坂エリカ:「思い上がっているのは、キミだ!」
桟坂 カレン:「──私には、私の思い描く終わりがある。それだけは、誰にも奪わせない」
桟坂エリカ:「私が……私が、どんな気持ちで……!」
桟坂 カレン:「奪われたくないと思わせてくれた、人達のためにも」
桟坂エリカ:「――偽典楽章(マグヌム・オーパス)、起動」バイオリンケースが小さく開く。
GM:開いたバイオリンケースから無数の機械パーツが現れ、寄り集まるとドローンのような形へと変わっていく!
不知火蛍:「!! エリカ、それは……!?」
桟坂エリカ:「メゾフォルテ、アレグレット、リタルダンド、ファルツァンド。展開」
桟坂エリカ:「言ったろう。キミであろうと容赦はしないと」
GM:銃口を備えた戦闘用ドローンがキミたちを狙う!
不知火蛍:「っ~~~~~、こんの……分からず屋!!」
不知火蛍:手に持っていたケースを蹴り飛ばす。格納されていたモノたちが展開し、蛍を包み込む
不知火蛍:「そっちがそのつもりならこっちだって考えがあるわ」
不知火蛍:「蹴っ飛ばしてでも止めてやるんだから!!」
桟坂エリカ:「残念ながら、計画はまだ中途でね。こんなところで止まるつもりはない」
GM:無数の戦闘用ドローンがキミたちを前に展開する。
GM:では、ここからはミドル戦闘に入っていきます!
GM:エネミーは戦闘用ドローンのメゾフォルテ、アレグレット、リタルダンド、ファルツァンド。全部トループで、データは一緒です。
GM:行動値は全部12です。
生駒均:はやーい
GM:キミたちは、全員が1エンゲージ。
GM:5メートル離れた位置にメゾフォルテ、アレグレット。同じ距離で別エンゲージにリタルダンド、ファルツァンドがいます。
GM:桟坂エリカ本人は戦闘には参加しません。
GM:トループ全てを倒した時点でミドル戦闘は終了となります。
GM:説明はざっとこんなところかな。
生駒均:了解!こちらオッケーです!
初芝実 透:はい!
桟坂 カレン:了解。分かったわ
不知火蛍:こちらも問題ないです。
GM:では、ここからミドル戦闘を開始していきましょう!

▼エンゲージ
(メゾフォルテ[12]、アレグレット[12])
   5m
(桟坂[7]、初芝実[10]、生駒[9]、不知火[4])
   5m
(リタルダンド[12]、ファルツァンド[12])
[]内は行動値

GM:ラウンド進行を開始します。
GM:1ラウンド目。
GM:まずはセットアップから。
GM:セットアップでの行動がある人は宣言をお願いします。
初芝実 透:コンボ『レディ・メイドの花束をひとつ』。エヴリシングレディ使用してリアクティブコートを入手・装備。
GM:トループは全て何もなしです。
初芝実 透:行動値が8になります
生駒均:さて、では
生駒均:<ターゲットロック>+<攻性変色> コンボ:コロニーガード
生駒均:生駒均の侵蝕率を6増加 (85 → 91)
GM:来たか
生駒均:対象はメゾフォルテで良いかな
生駒均:シーン中、対象のみを目標とした攻撃の攻撃力を+24 暴走を受けます
GM:すごい上がる!
桟坂 カレン:問題ないでしょう。同じ行動値だし。
生駒均:行動以上!
桟坂 カレン:こちらは何もないわ。
不知火蛍:すごい!
初芝実 透:こちらも以上!
生駒均:すごいっしょー 本気はクライマックスでね
不知火蛍:こちらは、まずセットアップ直前のオートアクションで
不知火蛍
ドレスに着替えてお城に行こう(チェンジ・イントゥ・ザ・ドレス、ゴー・トゥー・ザ・キャッスル)
ウェポンケースを使用×2
デュエルレガース、アリベイトスーツを装備

不知火蛍:演出ではやってましたがこれ
GM:すごい装備してる!
不知火蛍:そしてセットアップで
不知火蛍
さあ、舞踏会が始まるよ(カモン・ザ・ダンス・ビギンズ)
加速装置+ヴァジュラ セットアップ 侵蝕5
ラウンド間行動値+8、暴走付与、シーン間暴走持続時ブラックドッグのエフェクトのダメージ+6。

不知火蛍:これ!
GM:了解です。
不知火蛍:不知火蛍のイニシアチブを12に変更 (4 → 12)

▼エンゲージ
(メゾフォルテ[12]、アレグレット[12])
   5m
(桟坂[7]、初芝実[10]、生駒[9]、不知火[12])
   5m
(リタルダンド[12]、ファルツァンド[12])
[]内は行動値

GM:では、演出がある人はどうぞ!
生駒均:私は攻撃でやるからオッケー!
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を5増加 (59 → 64)
初芝実 透:こちらも大丈夫かな
不知火蛍:こっちも攻撃とまとめちゃうか。ちょうど最初(のはず)だし
GM:オーケーです。
GM:では、セットアップはこれで終了。
GM:ここからは行動値順に処理していきましょう。
GM:まずは行動値12の蛍ちゃんとトループ4つですが
GM:PC側優先なので、蛍ちゃんの手番から!
生駒均:いったれー
不知火蛍:はい!
不知火蛍:マイナーで5m戦闘移動して、メゾフォルテ&ファルツァンドのエンゲージに突入
不知火蛍:あ、違う
不知火蛍:メゾフォルテ&アレグレットのエンゲージに突入
GM:名前ややこしいな、こいつら
不知火蛍:かっこいいのでOKです
GM:やったね

▼エンゲージ
(不知火[12]、メゾフォルテ[12]、アレグレット[12])
   5m
(桟坂[7]、初芝実[10]、生駒[9])
   5m
(リタルダンド[12]、ファルツァンド[12])
[]内は行動値

不知火蛍:で、メジャーではこれ!
不知火蛍
灰被り姫は一歩踏み出す(シンダーエラ・テイクス・ア・ステップ)
コンセントレイト:ブラックドッグ+アームズリンク 侵蝕4
(100未満)白兵攻撃(装甲有効) (7+侵蝕)dx7+6 攻撃力17(強化素材で+1して18)

不知火蛍:アレグレット対象に単体攻撃です。
GM:では、命中判定どうぞ!
不知火蛍:8dx7+6 うおー
DoubleCross : (8DX7+6) → 10[1,2,2,5,5,6,9,10]+10[8,10]+10[2,10]+4[4]+6 → 40

不知火蛍:ピタリ賞!
生駒均:回ってる!
GM:高いな!?
GM:アレグレットは《イベイジョン》持ちなので、ドッジの達成値は14で固定!
GM:なので、攻撃は命中です!
GM:ダメージどうぞ!
不知火蛍:5d10+18 どーん。装甲有効!
DoubleCross : (5D10+18) → 37[8,10,8,7,4]+18 → 55

生駒均:でかっ
GM:ダメージも出目がいいな……!?
GM:そのダメージなら、アレグレットは一撃で破壊されます!
GM:演出どうぞ!
不知火蛍:はい!

不知火蛍:「さてと……それじゃ、まず機先を制しますか」
不知火蛍:小さく呟くと同時、白色の電光が彼女の全身を包む
GM:戦闘用ドローンは宙に浮かびながら銃口をキミたちに向けている。
不知火蛍:「……よし、あの辺!」 ドローン群の一角に狙いを定め、次の瞬間
不知火蛍:蛍の姿が消える。否、捉えられないほどの速度で踏み込んだのだ。
GM:戦闘用ドローンはその速度に反応することもできない!
不知火蛍:「まっすぐ行って……蹴り、飛ばすっ!」 電光を纏った蹴撃が、ドローン群の一角を纏めて薙ぎ払う。
不知火蛍:「……っし、結構飛ばした! 四分の一ぐらい!」
GM:鋭い蹴りによってドローン群が吹き飛ばされる!
桟坂エリカ:「早い。しかも一撃で……!」
生駒均:「ナイス!気をつけて、反撃来るよ!」
不知火蛍:「オッケー、ありがとイコマ!」 姿勢を整え、銃撃に備える
桟坂 カレン:「此方にも向いているわ、備えて!」
初芝実 透:「お見事です。あとは警戒を」
桟坂エリカ:「いいでしょう。では、次はこちらの番です」

GM:では、蛍ちゃんの番はこれで終了。
GM:次は同じく行動値12のトループ3つの行動です。
GM:まずはリタルダンドから。
生駒均:うおー 来い!
GM:マイナーはなし。
GM:メジャーで《雷光撃》+《アームズリンク》+《急所狙い》+《コントロールソート》を使用。
GM:リニアキャノンで生駒くんに攻撃します。
生駒均:あ、暴走してるのでリアクションできないから
GM:命中判定いくぜ!
生駒均:今のうちにオートでアルティメイド服着ちゃいまーす
GM:な、なんてやつ
GM:喰らえー!
GM:12dx+2
DoubleCross : (12DX10+2) → 10[1,2,3,4,6,6,7,7,7,8,9,10]+8[8]+2 → 20

GM:いい感じ!
GM:命中の達成値は20です
生駒均:リアクション不可なのだ!
生駒均:さて、ちょっと対応の相談を!
GM:よかろう
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を4増加 (64 → 68)
生駒均:オーケーです、ひとまずそのまま!ダメージお願いします
GM:では、喰らうがいい!
GM:3d10+20
DoubleCross : (3D10+20) → 12[1,8,3]+20 → 32

生駒均:お、これは
GM:32点、装甲は有効!
生駒均:ありがとメイドならぬ執事服!装甲10点軽減で耐えます。残り9!
生駒均:生駒均のHPを22減少 (33 → 11)
GM:装甲さえなければ……!
生駒均:あ、自分のHP過小評価してた。11です
GM:では、演出いきます。
GM:意外と残ってる!

桟坂エリカ:「さて、ビジネスの邪魔をした報いを受けていただきましょう」
GM:戦闘用ドローンが生駒に対して銃口を向ける!
生駒均:「おっと」
生駒均:回避行動──遅い。
GM:その銃口から雷光をまとった銃弾が放たれ、キミの体を貫く!
生駒均:「づーっ、痛ってぇ!」
生駒均:弾丸を受けてふっとばされる。 銃弾は、抜けていない。
生駒均:「耐弾仕様で助かった……って、まだ終わってねえか!」
桟坂エリカ:「しぶといね。けど、こちらにはまだまだ手札は残っている」

GM:次はファルツァンドの行動。
GM:マイナーはなし。
GM:メジャーで《雷光撃》+《アームズリンク》+《急所狙い》+《コントロールソート》を使用。
GM:同じくリニアキャノンで攻撃します。対象は初芝実さん!
初芝実 透:むっ
初芝実 透:では先に
初芝実 透:オートでアームドスーツをウェポンケースから取り出し装備。行動値-2、ドッジ-2、白兵攻撃力+3
初芝実 透:ドッジを不利にして挑みます
GM:来たか
GM:では、命中判定いきます
GM:12dx+2
DoubleCross : (12DX10+2) → 10[3,3,4,5,6,6,8,8,9,9,9,10]+5[5]+2 → 17

初芝実 透:わ、ワンチャン? ドッジしときます
GM:ドッジのダイスはマイナス2個される!
GM:リアクションどうぞ!
生駒均:おっと
初芝実 透:なさそう
初芝実 透:1dx-2
DoubleCross : (1DX10-2) → 3[3]-2 → 1

初芝実 透:ww
生駒均:ぴったり
GM:低い!
桟坂 カレン:ちょっと動いた
GM:余裕!
生駒均:ピタリ賞とかダメかな
GM:そんなルールはないw
GM:では、ダメージを喰らいがいい!
生駒均:無念!
初芝実 透:うおー
GM:2d10+20
DoubleCross : (2D10+20) → 14[6,8]+20 → 34

GM:いい感じ。
初芝実 透:まず装甲がリアクティブコート+アームドスーツで16
GM:34点。装甲は有効です。
初芝実 透:ダメージが18かな。耐えるけど……
初芝実 透:リアクティブコートぶっ壊してさらに軽減しちゃお
GM:ひええ
初芝実 透:18-3d10
DoubleCross : (18-3D10) → 18-16[7,3,6] → 2

生駒均:硬い!
初芝実 透:2点くらってHP22になりました
桟坂 カレン:安い!
GM:つ、強い!
初芝実 透:あ、行動値も上がるかな
初芝実 透:6に下がったのが8に戻るはずです
初芝実 透:以上!
GM:な、なんて有効利用
GM:では、演出いきます!

GM:戦闘用ドローンが初芝実を取り囲む。
桟坂エリカ:「UGNのエージェントくん。キミたちは健全な経済活動の妨害までするのですか?」
GM:戦闘用ドローンが初芝実を目掛けて雷光をまとった弾丸を一斉に放つ!
初芝実 透:「大変申し訳ないのですが……」
初芝実 透:「私はわりと、そういう傾向にありますね。いつも」
初芝実 透:先の攻撃は見ていた、よって。
初芝実 透:ピアノにかけられていたカバーを即座に剥ぎ取り、マントのように大きく振る。
初芝実 透:弾丸を、全てではないにしろ叩き落とす。
初芝実 透:「……妨害しました」肩に一発、傷を受ける。
GM:雷を帯びた弾丸はそのほとんどが弾き返される!
桟坂エリカ:「どうにも手癖が悪いようですね。秩序の番人の癖に」
初芝実 透:「そこは本当に否定できないのが、辛いところですね」
初芝実 透:ふっと笑って、次に備える。
桟坂 カレン:「だけど、一線は決して超えない。──彼は、そういう人よ」
桟坂エリカ:「……気に要らないな。桟坂カレンさん」
桟坂エリカ:「いつの間にそんなに他人を深く理解するような人間になったんだい?」
桟坂 カレン:「さて、どうかしら。知ったような口を利いているだけかもしれないわよ」
桟坂エリカ:「とても気に入らない」
桟坂エリカ:指を鳴らすと、戦闘用ドローンがカレンさんの方に殺到する。

GM:では、ファルツァンドの行動はこれで終了。
GM:最後にメゾフォルテの行動です。
GM:マイナーはなし。
GM:メジャーで《雷光撃》+《アームズリンク》+《急所狙い》+《コントロールソート》を使用。
GM:リニアキャノンでカレンさんに攻撃します!
桟坂 カレン:来なさい。
GM:命中判定!
GM:12dx+2
DoubleCross : (12DX10+2) → 8[2,2,3,3,4,4,6,6,6,7,8,8]+2 → 10

桟坂 カレン:ほほう
GM:あ、低い!
GM:でも、キミのリアクションのダイスがマイナス2個される!
生駒均:ワンチャン!
桟坂 カレン:ドッジダイスが2個減るから、DB分が相殺ね
桟坂 カレン:2dx>=10
DoubleCross : (2DX10>=10) → 3[3,3] → 3 → 失敗

生駒均:無念
桟坂 カレン:ぬぬ……
GM:よし!
GM:では、ダメージ!
GM:2d10+20
DoubleCross : (2D10+20) → 6[5,1]+20 → 26

GM:26点。装甲は有効!
桟坂 カレン:それなら平気。蛇王の外套で装甲7、ダメージは19。
桟坂 カレン:10点残るわね。
桟坂 カレン:桟坂 カレンのHPを10に変更 (29 → 10)
GM:外套、固いな!
GM:では、演出いきます!

桟坂エリカ:「その減らず口も……癪に障る!」
GM:キミのもとに殺到した戦闘用ドローンが次々に銃弾を放つ!
GM:電撃をまとった無数の銃弾が飛び交う!
桟坂 カレン:一発目、二発目。四分休符、三発目の着弾。
桟坂 カレン:直線的な軌道、一発ずつは──見える。だが、無数の弾丸は、全てを避けるには至らず。
桟坂 カレン:肩口と脇腹を掠めて抜ける弾丸。血が溢れるが、修復が始まる程ではない。
桟坂 カレン:「口を噤んでほしいなら、もっと良く狙って」
桟坂 カレン:「例えば、弾丸とキスするようにね」
桟坂エリカ:「舐めるなよ、私を……ッ!」
桟坂エリカ:「……さすがは『少女黒鍵』の継承者。この程度では倒れませんか」荒げていた呼吸を落ち着けながら言う。
桟坂 カレン:ぎしりと歪むように、不敵な笑みを向けた。

GM:では、メゾフォルテの行動はこれで終了。
GM:トループ群の行動が終わり。
GM:次は行動値8の初芝実さんの行動です。
初芝実 透:はい!
初芝実 透:マイナー、コンボ『大家族は羽ばたく』。《陽炎の衣》《光芒の疾走》。隠密して戦闘移動。侵蝕4上昇。
初芝実 透:リタルダンドたちのエンゲージに移動します。
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を4増加 (87 → 91)

▼エンゲージ
(不知火[12]、メゾフォルテ[12])
   5m
(桟坂[7]、生駒[9])
   5m
(初芝実[10]、リタルダンド[12]、ファルツァンド[12])
[]内は行動値

初芝実 透:メジャー、コンボ『光の帝国はここ』。《光の舞踏》《見えざる死神》《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》で白兵攻撃。
初芝実 透:対象は、じゃあリタルダンド。侵蝕6上昇。
GM:では、命中判定どうぞ!
初芝実 透:10dx7+4
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[1,1,3,3,3,4,4,4,4,10]+10[9]+10[8]+4[4]+4 → 38

初芝実 透:うむ
GM:結構高いな……!
生駒均:おっ
生駒均:入れます?そこまでいらないかな?
初芝実 透:そうですねー、次に備えててもいいかも
生駒均:了解、こちら待機!
GM:リタルダンドは《イベイジョン》持ちなのでドッジの達成値は14で固定!攻撃は命中です!
初芝実 透:いえーい
GM:ダメージどうぞ!
初芝実 透:4d10+26+1+3 装甲有効 強化素材とアームドスーツ
DoubleCross : (4D10+26+1+3) → 26[8,6,8,4]+26+1+3 → 56

初芝実 透:おっ
生駒均:このダメージなら!
GM:初芝実さんも火力高いな……!
桟坂 カレン:前例がある!
GM:では、リタルダンドは一撃で粉砕されます!
初芝実 透:(眼鏡クイッ)
初芝実 透:やった!
不知火蛍:すごいぜ
GM:では、演出どうぞ!
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を6増加 (91 → 97)
初芝実 透:侵蝕……

初芝実 透:肩口の傷、そこから血が一滴落ちた瞬間。
初芝実 透:周囲に溶け込むよう、隠し絵のようにその姿が消える。
初芝実 透:機械相手といえど一瞬は誤魔化せる程度の迷彩。
GM:戦闘用ドローンは次の攻撃に備え、銃弾のリロードと周囲の警戒を行っている。だが、その警戒網は容易く突破される。
初芝実 透:そうして。
初芝実 透:「機械相手は、まあ、楽とも言えます」
初芝実 透:バキン、と小さく音がして、何かが折れる音。壊れる音。砕かれ、消える音。
初芝実 透:バラバラと、幾らかの部品が床に落とされる。
初芝実 透:それらを盗まれた、ドローンたちもまた。
GM:機能を失った戦闘用ドローンが地面に落ちる。
初芝実 透:「ああ、空白ができた」目を細める。
桟坂エリカ:「何だ……いったいいつの間に……!?」
初芝実 透:「今ですよ。妨害活動を継続させていただきました」
初芝実 透:いつの間にか、黒づくめの男がそこに立っている。
桟坂エリカ:「本当に手癖の悪い方だ。この不埒者」人形のような美貌に笑みを浮かべる。

GM:では、初芝実さんの行動はこれで終了。
GM:次は行動値7のカレンさんの番です。
桟坂 カレン:では、オートでレッテン相当の"カンタービレ"を装備。
桟坂 カレン:マイナーはなし。
桟坂 カレン:メジャー。"Rondo -輪舞曲-"《C:ノイマン》《コントロールソート:射撃》 侵蝕[+4] 射程:300mの単体射撃攻撃 同エンゲージ対象不可
GM:やばそう
桟坂 カレン:対象はファルツァンド。何もなければ判定するわ。
GM:命中判定どうぞ!
桟坂 カレン:(5+2)dx7+7+2+1
DoubleCross : (7DX7+10) → 10[1,1,2,4,5,5,10]+10[10]+1[1]+10 → 31

GM:やるな……!
GM:《イベイジョン》によりドッジの達成値は14!攻撃は命中です!
GM:ダメージどうぞ!
桟坂 カレン:4D10+31 装甲・ガード値有効
DoubleCross : (4D10+31) → 25[1,4,10,10]+31 → 56

桟坂 カレン:ミトとお揃いね。
GM:何アピールなの
生駒均:嬉しそう
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を4増加 (82 → 86)
GM:だが、いいダメージ!
初芝実 透:おそろいだー
GM:ファルツァンドはその攻撃で破壊されます!
GM:演出どうぞ!

桟坂 カレン:「──そんなに望むのなら、見せてあげる」
桟坂 カレン:「「「"少女黒鍵(ニグレド・メイデン)"──起動(オーヴァーチュア)」」」
桟坂 カレン:此処にいない少女たちの輪唱が、廃墟に凛と響き渡った。
桟坂 カレン:漆黒のトランクが、その顎門を開く。
桟坂 カレン:あらゆる光を通さぬ闇の如き奥底から、身を包み込むように影が蜷局を巻いて伸び上がり、
桟坂 カレン:少女の髪と手元にて、緩やかに実体を持つ。──"少女黒鍵"は、現し世に侵蝕する。
桟坂エリカ:「これが、少女黒鍵」思わず身じろぎする。
桟坂 カレン:「ええ、桟坂の悲願であり彼岸。貴女が継ぐことの、叶わなかったもの」
桟坂 カレン:挑発的に、笑む。唇を嘲るように強く、歪めて。
桟坂エリカ:「……ファルツァンド。あの娘を撃て」
GM:戦闘用ドローンがその銃を警戒し、飛び交う。
桟坂 カレン:──こんなもの。望むべきではないのだ。墓の下にでも、永久に閉じ込めてしまう方が良い。
桟坂 カレン:だけれど、焦がれてしまったのなら──二度と届かぬのだと、知る方がずっといい。
桟坂 カレン:黒衣に身を染めた少女は、手元に形度られた身丈ほどの無骨なライフル銃を、羽でも抱くように──ゆるりと構えた。
桟坂 カレン:「啼け、"カンタービレ"」
桟坂 カレン:ドローンが弾丸を放つより、一小節早く。その中枢へ向けて、銃爪を引いた。
桟坂 カレン:滑らかに躍り出た弾丸は、違わずドローンを打ち砕く。
GM:ライフルの一撃によって戦闘用ドローンの一群が、いとも容易く吹き飛ぶ!
初芝実 透:(……困るな。あまりに美しい……)その攻撃する様を見つめて。
桟坂エリカ:「素晴らしい。これこそが……!」恍惚の表情でその光景を見つめている。
桟坂 カレン:「……何故、焦がれるの。こんなものに」 つう、と唇の端から血を零しながら。
桟坂エリカ:「桟坂カレンさん。それは誤解だ」
桟坂エリカ:「私は、桟坂の悲願が果たせればそれでいい。誰かが……キミが『少女黒鍵』を継いでくれるならそれで」
GM:戦闘用ドローンが宙を舞いながら、次の攻撃のために動き出す。
生駒均:「悲願ってなにさ」
生駒均:「それ、人の心より大事なもの?」
桟坂 カレン:「……イコマ」
桟坂エリカ:「一族に課せられた使命。何よりも尊ぶべきものだ」
生駒均:「そっか。……気が合わなくて残念だよ」

GM:では、次は行動値6の生駒さんの番!
生駒均:マイナー、暴走を解除
生駒均:メジャーアクション、<コンセントレイト:キュマイラ>+<魔獣の衝撃> コンボ:ワンフォーオール
生駒均:対象は残ったメゾフォルテ、対応なければ命中判定!
GM:命中判定どうぞ!
生駒均:10DX+8+0@7 (侵食上昇4、侵蝕80~)
DoubleCross : (10DX7+8) → 10[1,3,3,4,4,5,7,9,9,10]+10[2,3,7,10]+10[5,9]+1[1]+8 → 39

生駒均:おっと、1足りないか。39!
GM:高いな!バディムーブが欲しくなる達成値!
生駒均:惜しいね!バディはオレだ!
GM:メゾフォルテは《イベイジョン》持ちなので、ドッジの達成値は14で固定!
GM:攻撃は命中です!
GM:ダメージどうぞ!
生駒均:4d10+29
DoubleCross : (4D10+29) → 28[5,5,9,9]+29 → 57

生駒均:皆ダメージ近いな!57です
GM:火力高い!
桟坂 カレン:すごい!
生駒均:生駒均の侵蝕率を4増加 (91 → 95)
GM:では、メゾフォルテは一撃で戦闘不能だ!
GM:演出どうぞ!

生駒均:「"それ"の先がどういうものか、オレ知らないけどさ」
生駒均:「見せてやろうか、ろくでもないもん」
桟坂エリカ:「ろくでもないもの……?」
生駒均:「"虫けら"」
生駒均:イージーエフェクト:<眠れる遺伝子>──"解除"
生駒均:ぞぶり。
生駒均:生駒均を形成していた姿が、溶ける。
生駒均:戦場に虫の羽音が響く。
桟坂エリカ:「こ、れは」
生駒均:蜂だ。
生駒均:一匹や二匹ではない。赤い瞳を輝かせた無数の蜂。
生駒均:魔眼と翅持つ、死をも恐れぬ兵士の群れ。
桟坂エリカ:「これが……こんなものがオーヴァードの能力か……!?」
生駒均:その牙が、針が、瞳が操る重力が──残ったドローンへと襲いかかる。
GM:戦闘用ドローンのAIにすら戸惑いが生じ、動きが鈍る。
生駒均:迎撃の弾丸を受け、幾匹かが弾け飛ぶ、
生駒均:虫たちは、それを一顧だにしない。
生駒均:群れに個への執着など必要ないからだ。
桟坂エリカ:「バカな……自分の体だぞ……!」
生駒均:まとわりつき、刺し貫き、噛み砕き、
生駒均:魔蜂の去った後に残るのはズタズタに引き裂かれた機械兵の残骸。
GM:鉄の塊は虫の群れによって蹂躙され、次々と破壊されていく!
桟坂エリカ:「……ッ!」
生駒均:ずるり。
生駒均:残った蜂達が再び集まり、"生駒均"が現れる。
生駒均:「今の」
生駒均:「怖かった?」
桟坂エリカ:「……バケモノめ」
生駒均:「否定はしない。オレはまだ人じゃない」
生駒均:「でも」
生駒均:「ああいうのかもしれないぜ。君が目指してるの」
桟坂エリカ:「何……?」
生駒均:「同じかはしらないけど、ね」
生駒均:顔に残った黒い痣。”潰された”傷。
桟坂エリカ:思わず顔を上げ、カレンを見る。
桟坂エリカ:「私は……」
桟坂 カレン:何の感慨も浮かばぬ、凍り付いた顔貌。人形のような。人形の如く。人形のように、人でないような。
初芝実 透:(……しかし、もし人とバケモノを分かつものがあるとしたら……)
初芝実 透:(それは、人形になっては消えてしまう、そういう類いのものではないだろうか……?)
不知火蛍:「…………」
桟坂エリカ:「……蛍。もう私を追ってくるな。キミとは戦いたくない」
桟坂エリカ:義手の手に手袋をはめる。
不知火蛍:「……ごめんね、エリカ。そういう訳にもいかないんだ」
不知火蛍:「わたしは……『UGNエージェント』だからさ」
桟坂エリカ:「……『不知火蛍』ではいてくれないんだな」
不知火蛍:「どっちでもあるけどね。片方だけじゃ、だめだから」
桟坂エリカ:「……そうか。なら、次会った時には『人形の為り損ない』である私が『死体の為り損ない』であるキミを倒そう」
桟坂エリカ:一瞬だけ悲しそうな顔をすると、人形のような無表情に戻る。
桟坂 カレン:(……死体の、為り損ない)
不知火蛍:「オッケー。……って言っても、素直に逃がすつもりはないんだけど」
桟坂エリカ:「さすがですね、皆さん。まさかここまでとは」小さく拍手をする。
桟坂エリカ:「ですが、商品は無事に守らせていただきました」うやうやしく礼をする。
GM:いつの間にか阿奏戯一生とグランドピアノは忽然と姿を消している。
GM:桟坂エリカの《瞬間退場3》の効果だ。
生駒均:「!あのお兄さんまで……!」
初芝実 透:「……なるほど、遅かった」少しだけ顔を顰める。
不知火蛍:「まあ、そんな気はしてた。エリカ、仕事はちゃんとするタイプだものね」
桟坂 カレン:「……ヒトは『商品』ではないはずでしょう」
桟坂エリカ:「商品ですよ。彼は商品の一部になります」
桟坂エリカ:「きっとコンクールでも素敵な演奏を披露してくれることでしょう」
桟坂 カレン:「……! そういう……」
生駒均:「コンクール……!?まさか……!」
桟坂エリカ:「皆さんも是非お楽しみにしていてください」
桟坂エリカ:「桟坂カレンさん。もう一度言おう」
桟坂エリカ:「全ては、キミのせいだ」
桟坂エリカ:「……またお会いしましょう」
桟坂エリカ:芝居がかったように一礼する。
初芝実 透:「……彼女に」
初芝実 透:「あまり、何もかもを負わせないであげてください」
初芝実 透:「"桟坂"」
初芝実 透:低い声で。
桟坂 カレン:「ミト……」
桟坂エリカ:「…………」わずかに顔を歪める。
初芝実 透:「少なくとも、彼女が望むものだけを。それは、言わせてほしい」
初芝実 透:「以上です」
桟坂エリカ:「選ばれた人間には、果たすべき使命がある」
桟坂エリカ:「あなたのそれは、優しさなどではない」
桟坂エリカ:「彼女を堕落させているだけだ」
初芝実 透:「そうですね、これはただの……」
初芝実 透:「欺瞞と我儘かもしれませんが。私が望むものです」
桟坂 カレン:「……彼に出逢わなければ、貴女の望む私で在れたでしょうね」
桟坂 カレン:「だけど、歯車は動いた。私は、私の望むようにさせてもらう」
桟坂 カレン:「──貴女の仕事も。必ず止めるわ」
桟坂エリカ:「……そう。残念だよ、桟坂カレンさん。本当に残念だ」
桟坂エリカ:「使命の前では、個人の望みなど叶うべくもないということを思い知るがいい」
GM:《瞬間退場》を使用。
GM:きびすを返すと、雷鳴が迸り、彼女は姿を消します。
生駒均:「むー、ぐー」
生駒均:女の去っていった方へと苛立たしげに声を上げる。
生駒均:「何が堕落だよ」
生駒均:「良い方に変わったなら成長じゃんかよ!もう……もう、ほんと!」
生駒均:「なんか……悔しい!」
生駒均:バタバタと袖を振り回しながら地団駄を踏む。
初芝実 透:そんな生駒くんを見て、ほっと息をつく。
桟坂 カレン:「……そういう、妄執に囚われた家なの」
初芝実 透:「差し出た口を、利いたかもしれません」カレンさんに。
桟坂 カレン:ふるり、と首を振る。「……いえ。嬉しかったわ」
初芝実 透:「そう、ですか」
生駒均:「ん、そう!透さんかっこよかった!」
初芝実 透:手袋が、裏返るように白に色を変える。
初芝実 透:「かっこいい、はなかなか言われませんね。嬉しいことです」
桟坂 カレン:「──話しておくべきかもしれないわね。"少女黒鍵"について」
生駒均:「……っと、いけね。ごめん、バタバタしてる場合じゃなかった」
不知火蛍:「……」 小さく息を吐いた後 「そだね。少女黒鍵……伝承されてる遺産、って事は聞いてたけど」
初芝実 透:カレンさんに改めて向き直る。
桟坂 カレン:「"少女黒鍵(ニグレド・メイデン)──遺産コード、蛇王の外套。……契約者は徐々に良心を失っていくとされているけれど」
桟坂 カレン:「これは、少し特殊。感情を薪のように燃やして"力"に変えるモノ。燃えるべき感情が尽きた暁には」
桟坂 カレン:「──その“殻”は眠りに就く。そして、桟坂の技術が望むべき域に達した暁には。眠った“殻”は、完璧な人形として蘇る」
不知火蛍:「……完璧な、人形」
生駒均:「……眠る、か」
初芝実 透:軽く目を伏せて聞いている。
桟坂 カレン:「……冗談のような話よね。だけど──先代達は、確かに。地下の棺に眠っている」
桟坂 カレン:「私は、当代で唯一の適合者だった。順番が回ってきたのは、最後だったと記憶してるわ」
生駒均:「……冗談だって、悪い方の冗談だよ」
生駒均:「さっきのエリカさんは、遺産を継げなかった……そうならなかったんだったよな」
初芝実 透:「それで、彼女は自分を為り損ないと」
桟坂 カレン:頷く。「ええ、そうなのでしょうね。──それを幸福だと思えないような教えられ方を、されてきたから」
初芝実 透:(人。物。商品。人形。バケモノ。為り損ない。在り方)
初芝実 透:考え込んでいる。
初芝実 透:(定義。定義。定義、か)
初芝実 透:(それが人を人にする。人を人形にする。他者をバケモノに、自己を為り損ないに)
不知火蛍:「……何それ。バカみたい」
生駒均:「蛍ちゃん……」
桟坂 カレン:「そう言ってくれて構わないわ。むしろ──そう感じてしまうのは間違いだって。ずっと、思っていたから」
不知火蛍:「ごめんね、カレンちゃん。でも、生きてた人の体が長く長く眠った後、もう一回動き出したって」
不知火蛍:「そんなの、ゾンビか何かとどう違うのよ」
桟坂 カレン:「……人では、ないでしょうね」
桟坂 カレン:「それを、桟坂は悲願と呼ぶ。人の殻で作った、完璧な"人形"なのだと」
不知火蛍:「……」
初芝実 透:(…………)
生駒均:「んー」
生駒均:「どうなんかな。オレはちょっと、その辺りに関しては……」
生駒均:歯切れ悪く。
生駒均:「なんとも言えない?」
生駒均:「や、その桟坂の人たちはひどいと思うし。カレンちゃんにそうなってほしいとは思わないけど!」
初芝実 透:「当人の自覚次第、あるいは」
初芝実 透:「周囲の認識次第、とも考えられますが」
初芝実 透:「とはいえ、そうですね。カレンさんにそうなってほしいとは思わない」
不知火蛍:「……イコマはなんていうか、イコマらしいよね」 フフッと笑い
生駒均:「そうかね?なんていうかほら、結局本人の気の持ちようだと思ってるから」
生駒均:「その起きてきた人がどう思うか次第な気はする。……まず今まで起きてこれてない人が一杯いるのが大問題だけど!」
不知火蛍:「本人次第、か……まぁ、うん、そうだね」
桟坂 カレン:「……まず、実現可能かすら不明瞭な──未来に夢を託す、なんて聞こえのいい言葉だけど」
桟坂 カレン:──メイカは、どうだったのだろう。不完全ながら、"殻"となってから目覚めた少女は、どう答えたのだろう。
初芝実 透:「私もよくその辺り、わからなくなりますからね。大体人に勘定していますが」
初芝実 透:「人は盗んではいけないので、そちらを多めにしておいた方が安全です」
初芝実 透:真面目な顔をしている。
生駒均:「……透さんのそれも難儀よなあ」
初芝実 透:「難儀ですが、一応個性に勘定していますね」
桟坂 カレン:「……ミトに、私の『感情』を盗んでもらえないか、訊こうとしたことがあるの」
初芝実 透:「……ええ、ありました」
桟坂 カレン:「だけど、それは譲渡だって。断られてしまった」 薄く笑う。
不知火蛍:「……何それ」 釣られるように笑う
初芝実 透:「だって、自分からそんなことを頼むんですから……」
生駒均:「いや、そもそも譲っていいようなもんじゃ……」
桟坂 カレン:「真面目に言ったのに」 少し拗ねたように言う
桟坂 カレン:「……私の行末は分からないわ。でも、私として在ってほしいと、言ってくれる人がいる」
桟坂 カレン:「だから、抗うわ。"桟坂"の掌の上で踊るのは、厭だもの」
桟坂 カレン:「そのせいで──エリカの言葉通りなら。巻き込んでしまっているのは、申し訳なく思うけれどね」
生駒均:「……ん。そう思ってくれるのはオレとしては大変うれしい!」
初芝実 透:「……私も真面目に答えましたし、今も真面目に」
初芝実 透:「あなたのその在り方の手助けができれば、と思っています」
初芝実 透:(そう。定義を、他者に預けてはいけない。そういうことなのかな……)
不知火蛍:「……そっか、うん」 にっこりと笑って 「いい出会いができたんだね、カレンちゃんは」
初芝実 透:為り損ない、などと、本当は彼女にも思ってほしくはない。
生駒均:「あ、”は”ってのはちょっと寂しいぞー。"も"だともっと嬉しい」
生駒均:「んで、巻き込むとかは気にしないでいいんだけど」
生駒均:「問題はさっきの……エリカさん」
生駒均:「あの人は多分、その"桟坂"の目標?を最重要にしてるってことなんかな」
桟坂 カレン:「ええ、良い縁が、ね」「……エリカは、きっと。そうね」
桟坂 カレン:エリカが繰り返した、『死体の為り損ない』という言葉が、妙にこびり付いて離れなかった。
生駒均:「んー、でもその"桟坂"の使命に、ピアニストとかあのピアノがどう関係してんだ……?」
初芝実 透:「そこはまだわかりませんね。あの紫東という男性がどう絡んでいるのかも」
不知火蛍:「その辺りは調べてみないと、かなあ……」 そう言うと、くるりと踵を返して
不知火蛍:「……わたし、先に支部の方帰ってるね。なんか、ちょっと疲れちゃったかも」
不知火蛍:「報告とかも済ませとくから、みんなはおいおい帰ってきといて」
生駒均:「えっ、一人でだいじょぶ?」
不知火蛍:「だいじょぶだいじょぶ」 にっこりと笑って 「じゃ、またあとでー」 足早にホールを後にする
桟坂 カレン:「……大丈夫かしら。いえ、身体の方というよりは」 消えていく蛍の姿を見ながら
生駒均:「友達と戦うことになっちゃったしなあ。それに」
生駒均:「なんか……気になる感じだった。言い合いが」
初芝実 透:「……気には、なりますね。いろいろと」
桟坂 カレン:「『死体の為り損ない』」
桟坂 カレン:「……どういう、意味なのかしらね」

不知火蛍:ホールを出て、中から見えなくなったあたりで、駆けだした。
不知火蛍:戦闘用のスーツとレガースを解除し忘れた事に気が付いて、一旦足を止めて操作を行う。
不知火蛍:「はあっ……はあっはあっはあっ……」
不知火蛍:息が荒い。戦闘行動は短時間で、攻撃もほとんど受けなかったのに。
不知火蛍:「……わたしは、『不知火蛍』。『高校生』で『UGNエージェント』、『笑顔の素敵な女の子』……」
不知火蛍:「……大丈夫、大丈夫大丈夫。わたしはまだちゃんと笑えてるし」
不知火蛍:「人の形もしてるし」
不知火蛍:「それに……」
不知火蛍:「……」
不知火蛍:完璧な人形。人の形を保ったままの。
不知火蛍:「……はあっ……はあっ……!」
GM:暗い洋館の入り口。割れた姿見には、今は何も映っていなかった。

GM:シーン終了。
GM:このシーンでのイベントにより、新たな情報収集項目が追加されます。
GM:・“呪いのピアノ”の正体について〈情報:UGN〉〈知識:楽器〉難易度14
GM:次のシーン以降で調査が可能になるぞ。
GM:このシーンでは頑張って戦っていたので、購入判定はなし!
生駒均:はーい!
GM:ロイスの取得や感情変更のみあればどうぞ!
桟坂 カレン:レッテンのHPロスを忘れてたので今やっておきます
GM:あと、応急手当キットも持っている人は使っていいよ。
桟坂 カレン:10-1d10
DoubleCross : (10-1D10) → 10-9[9] → 1

生駒均:あぶなっ!
桟坂 カレン:あぶなッ
GM:全然減らん
生駒均:ナイス食いしばり
生駒均:とりあえず応急で回復していきますか
不知火蛍:怖い怖い
初芝実 透:まず減った皆さんが使ってからにします
桟坂 カレン:取り敢えず手持ちの応急2個を使います~
生駒均:まずは自分の回復!応急使います、2つ持ってる
GM:初芝実さん、かすり傷
生駒均:11+2d10
DoubleCross : (11+2D10) → 11+11[8,3] → 22

初芝実 透:大丈夫そうだな……
桟坂 カレン:1+2d10+2d10
DoubleCross : (1+2D10+2D10) → 1+11[4,7]+9[6,3] → 21

生駒均:もう1つ!
生駒均:22+2d10
DoubleCross : (22+2D10) → 22+11[7,4] → 33

生駒均:お、ぴったり全快!
生駒均:こっちはこれで大丈夫です
生駒均:生駒均のHPを22増加 (11 → 33)
GM:すごい
初芝実 透:あ、HP現在値22ですね
初芝実 透:22+2d10
DoubleCross : (22+2D10) → 22+9[6,3] → 31

初芝実 透:24で全回復!
生駒均:どうしよう、カレンちゃん蛍ちゃんに借りてHP全快しとく?
桟坂 カレン:もし貰えるなら使っておきたい!
初芝実 透:あ、そっか、カレンさん全快してなかったや
不知火蛍:あげるよーー
初芝実 透:余っててよかった
生駒均:ありがと!
桟坂 カレン:じゃあお一つもらいます
桟坂 カレン:21+2d10
DoubleCross : (21+2D10) → 21+3[2,1] → 24

桟坂 カレン:しょぼん
GM:惜しい
生駒均:地味にカレンちゃん回復の出目が
不知火蛍:つらい
初芝実 透:そういうこともある……
生駒均:まあまた購入の機会あったら手の開いてるときに買いますか
生駒均:こっちはオッケー以上!
初芝実 透:そうですね!
桟坂 カレン:HP24に回復して以上!
生駒均:あっと、メイド服をウェポンケースに入れ直しておきます。改めて以上
初芝実 透:あっ同じく
GM:では、全員良さそうなので、改めてシーンを終了しましょう!
初芝実 透:アームドスーツをウェポンケースに入れて以上!
不知火蛍:あ、ロイスだけちょっと変えます
GM:お、どうぞどうぞ
不知火蛍
桟坂 エリカ        〇親近感/劣等感→親近感/〇劣等感
桟坂 カレン        〇親近感/劣等感→親近感/〇劣等感
生駒均           〇憧憬/劣等感→憧憬/〇劣等感

GM:あ、あわわわわ
不知火蛍:ふふ、以上。
生駒均:ひぇーっ
桟坂 カレン:あわわ
初芝実 透:ひえ
GM:では、改めてこのシーンは終了です。

GM:次のシーン。
GM:次は、マスターシーンです。
GM:マスターシーン。

【目次へ戻る】

マスターシーン3

GM:――『少女黒鍵』は桟坂の悲願だ。
GM:遺産を受け継ぎいずれは人形になるのだと、私は子供の頃からそう教えられて育った。
GM:だが、待ち望まれた適合実験の日。私は失敗した。
GM:周りの大人たちの冷淡な視線を忘れない。実験の失敗で失ったこの手の痛みを私は忘れない。
GM:その日、その瞬間。そうあるべくして生まれたはずの私の存在価値は全て消滅した。
GM:私はただの『人形の為り損ない』だった。
GM:大好きだったバイオリンもこんな手ではもう弾けない。
GM:それでも、きっと誰かが私の代わりに『少女黒鍵』を継いで桟坂の悲願を遂げてくれる。
GM:そう信じて、私は少しでも一族に貢献すべく身を粉にして働いた。
GM:罪悪感と良心の呵責を押し殺して、死に物狂いで働いて働いて、働き続けた。
GM:友人の少女とのたまの交流がなければ、とっくに心は折れていたかもしれない。
GM:――そんなある日、一族の者から当代継承者についての話を聞いた。
GM:このままでは桟坂の悲願は遂げられそうもないのだ、と。
GM:その瞬間、これは『人形の為り損ない』である私に与えられた役目だと、そう悟った。
桟坂エリカ:「……私の最後の大仕事だ。もう十分に働いたしな」
桟坂エリカ:黒いスーツ姿の男装の麗人は受話器を手に取る。
桟坂エリカ:「紫東教授。私がご紹介したピアニストはいかがでしたか」
紫東響次:「あなたのおっしゃる通り、とても素晴らしい才能の持ち主でしたよ」
紫東響次:「……桟坂さん。ピアノをもう一台、用立てていただけませんか。あの少女のために」
桟坂エリカ:「ええ。喜んで」
GM:人間のような美貌の女は張り付いたような笑みを浮かべた。
桟坂エリカ:「……もう、これで最後だから」そして、苦しそうな声で小さくそう呟いた。

GM:マスターシーン終了
GM:では、次のシーン。

【目次へ戻る】

ミドル7

GM:次は、PCたちの交流のためのシーンになります。
GM:交流をするだけで購入判定や情報収集判定を行うことはできませんので、侵蝕率を上げる必要はありません。
GM:全員1d0を振ってシーンに登場してください。
桟坂 カレン:1d0
DoubleCross : (1D0) → 0

生駒均:1d0
DoubleCross : (1D0) → 0

初芝実 透:1d0
DoubleCross : (1D0) → 0

不知火蛍:1d0
DoubleCross : (1D0) → 0

GM:みんな、お揃いだ~
生駒均:わーい!
不知火蛍:おそろい!
初芝実 透:まるーい
桟坂 カレン:永遠の0
GM:無限……

GM:――UGN、N市支部。休憩室。
GM:事件のさらなる対応の前にも、ある程度の休息は必要だ。
GM:支部に戻ったキミたちは戦闘で受けた怪我の手当てをしていた。
GM:事務員の女の子が手早く救急箱や飲み物、お茶菓子の準備をしたりしている。
生駒均:「やー、すっきりすっきり」
生駒均:傷に処置を施し、コートを新品に着替えてほっと一息。
初芝実 透:「ありがとうございます、助かります」事務員さんに礼を。こちらは軽傷。
生駒均:「あっ、こっちもありがとです!」
桟坂 カレン:リザレクト一歩手前まで損傷した身体も、動くに支障のない程度には回復した。首元や腕に巻かれた包帯には、真新しい血が滲んでいるが。
桟坂 カレン:「……色々と整っていて助かったわ。ありがとう」
GM:「あまり無理ばっかりしないでくださいね。見ている方は心配なんですから」事務員の女の子が救急箱を片付けたりしている。
生駒均:「はーい……約束はできないけど気をつけます」
初芝実 透:「心配していただきありがとうございます」また礼を。
桟坂 カレン:膝下が問題なく駆動するのを、椅子に座ったまま曲げ伸ばしして確認している。
初芝実 透:「脚を傷めましたか?」カレンさんに。
不知火蛍:「あ、わたしは救急箱大丈夫だよー、カレンちゃんに回してあげて。ありがとね」 事務員さんにぺこりとしつつ椅子に座っている
桟坂 カレン:「問題ないわ。想定の範囲内」
桟坂 カレン:「……そういえば、前に見せる見せないの話をしたっきりね」 ほんの少し、からかうように笑みを浮かべる。
初芝実 透:「ああ、そんなことも」
生駒均:「えっ、何だかいろっぽいお話?」
初芝実 透:「色っぽいかな……どうでしょう……」首を捻っている。
桟坂 カレン:「内緒よ」
初芝実 透:「その場合何色で……ではなくて」
生駒均:「蛍ちゃんは怪我ないん?あんまりゆっくりしてられないかもだし、かすり傷でもあれば治しといた方が良いぜ」
不知火蛍:「だいじょぶだいじょぶ。あのスーツ、見た目の割に結構防弾できるんだ。あんまり狙われなかったのもあるし」 イコマには笑って返しつつ
生駒均:「んー。なら良いんだけど……」
桟坂 カレン:「……ところで、ホタルは。問題ないのかしら」
初芝実 透:カレンさんの言葉に、不知火さんの方を見る。
不知火蛍:「ん? 問題って?」 カレンの言葉に首をかしげる
生駒均:ちら、と2人の方を見る。
桟坂 カレン:「さっき『疲れた』と言って先に離脱したでしょう」
桟坂 カレン:「今後に支障があっては困るから」
初芝実 透:「そうですね。負傷はなくとも、気になっていました」
不知火蛍:「ああ、その話ね」 あはは、と口を開けて笑いつつ
不知火蛍:「まあ、大丈夫大丈夫。ちょっと気疲れしただけだったみたいで、戻ってから休憩したら何とかなった」
不知火蛍:「だから……うん、『大丈夫』」
桟坂 カレン:「……気疲れしたのは」
桟坂 カレン:「エリカの言葉が理由?」
桟坂 カレン:『大丈夫』と、自らを鼓舞するような、或いは定義するような言葉を遮るように。
不知火蛍:「…………」 笑顔のまま、しばし言葉を詰まらせ
生駒均:「エリカさんの言ってたのって……」
生駒均:言葉に詰まる。口に出していいものかどうか
不知火蛍:「……『死体のなりそこない』、ね」
初芝実 透:「…………」
不知火蛍:「あれに関してはエリカは悪くないの。元々は私が言った言葉だしね。それに、エリカも細かい事情までは知らないはず」
生駒均:「自分でって……どういうこと?なんで、そんな」
桟坂 カレン:「……自己の定義」
桟坂 カレン:「自らを定義するような物言い。……間違っていたらごめんなさい──貴女」
桟坂 カレン:「一度、"死"んだの?」
生駒均:「………」
初芝実 透:(定義……)
不知火蛍:「……」 くすっと、口元を釣り上げるような笑みを浮かべて
不知火蛍:「大正解。鋭いね、カレンちゃん。スーパーほたるちゃん人形をあげちゃう」
初芝実 透:「価値がありそうですね」
不知火蛍:「盗らないで」
初芝実 透:"死"という言葉が、頭の中で全てをつなぎ合わせたような気がした。
桟坂 カレン:「……そう」 僅かに視線を下げて、ぽつりと零した。
生駒均:「……流石に笑えないぜ、ここでジョークは」
生駒均:「いや、ごめん。怒ってるわけじゃなくて……ああ、もう」
生駒均:乱暴に髪をかく。
不知火蛍:「ジョークじゃないよ。……"G市の大火災"、知ってる? 2年ぐらい前のやつ。表のニュースでも流れてたけど」
桟坂 カレン:頷く。「街一つを焼き尽くした不審火……生存者無し、未だに詳しい出火原因について特定されていない──あの?」
初芝実 透:「ええ、表の仕事でだいぶ……同業が忙しかったと」
初芝実 透:葬儀業者間での話題を思い出す。
生駒均:「こっち関係のでかい事件だったってぐらいは……」
生駒均:「そこに居たの?」
不知火蛍:「よく知ってるね、みんな。……そう。あれ、わたし達のチームの担当だったんだよね」
不知火蛍:「話としてはよくあるジャームハント。強力なサラマンダーのジャームを処理するために、わたし達はG市に向かった」
不知火蛍:「……で、結果は御覧の有様。ジャームは燃え尽きたけど、ついでに街も、わたし達みんなも、燃え尽きた」
桟坂 カレン:「……」
不知火蛍:「処理班が戦闘現場に到着した時には、そこには“灰しか残ってなかった”らしいわ」
不知火蛍:「……『わたし』が灰から成型されたのは、その直後」
初芝実 透:灰。仕事で良く見る光景だ。だからと言って、思うところは決してなくならない。
初芝実 透:そうして、普段そんな現象が起こることは、まずない。
生駒均:「(『生きてた人の体が長く長く眠った後、もう一回動き出したって』……)」
生駒均:彼女がそれをなんと言ったか思い出す。 常よりも厳しい口ぶりで。
初芝実 透:「リザレクトが良く働いて、あなたはなんとか一命を取り留めた……」
初芝実 透:「という話では、終わらないのですね」
初芝実 透:(もしそれで終わるなら、オーヴァードは誰しも同じだ。彼女があんな言い方をするはずもない……)
不知火蛍:「うん。もちろんいろんな検査は受けた。外見、DNA、歯形に人格に記憶にシンドローム」
不知火蛍:「どれもこれも、わたしが『不知火蛍』だって事を示してはいた。……でもさ」
不知火蛍:「『それは、本当にわたしなの?』」
不知火蛍:「『わたしが、不知火蛍と同じ形をしたまがいものじゃないって、なんで言えるの?』」
桟坂 カレン:「……貴女は。その疑念に囚われているのね」
不知火蛍:「うん。……哲学の思考実験で、『スワンプマン』っていうのあるじゃない」
不知火蛍:「本人が死んだ直後、本人の隣にあった沼の土から同じものが生まれたらそれは本人と言えるのか、って奴」
不知火蛍:「笑っちゃったもの、あんまりそのままだから」
生駒均:自分の答えは変わらない。それは結局、当人の認識次第。
生駒均:「(……けど、答えが出せるとは限らない)」
生駒均:そうやって割り切れることばかりではない。良い悪いの問題ではなく。
初芝実 透:「難しいなあ」ぽつりと。
桟坂 カレン:「……ええ、本当に」 ミトに同調するように頷く
生駒均:「蛍ちゃんは……」
生駒均:「君にとっては、どっちがいいの?」
不知火蛍:「……わかんない」
不知火蛍:「とりあえず、この2年間は『不知火蛍』として生活してはみたんだ。特に支障が出たりはしなかった」
不知火蛍:「でも……本当にそうなのか、本当にそれでいいのかは、わかんない」
不知火蛍:「……ちょっとずれちゃったかな。イコマの質問への答えとしては『まだ分からない』ってなると思う」
生駒均:「そっか」
生駒均:「……頑張ったんだね、2年も」
生駒均:「オレ、気づかなかった」
生駒均:「……気づかない方が、君にとっては嬉しかったのかもだけど」
桟坂 カレン:2年。自己の定義を絶えず行いながら、気軽に吐露出来ない不安を抱えて生きるのは──どれ程の、恐怖だっただろう。
桟坂 カレン:「……気軽に触れていい話ではなかったかもしれないわね」
桟坂 カレン:視線が落ちる。唇が固く閉ざされる。
初芝実 透:「……難しいのは、何故かというと」
初芝実 透:「私は、その以前のあなたを知らないからですね。連続性がない」
初芝実 透:「私の前にいたのは、いつでも『あなた』だったんですよ」
初芝実 透:ゆっくりと話し出す。
不知火蛍:「……」 初芝実の言葉に、少し驚いたように
初芝実 透:「スーパーほたるちゃん人形に価値があるのは、名前のためじゃないでしょう」
初芝実 透:「あなたが、カレンさんと話していて、あげたくなったものだから」
初芝実 透:「だから、私はそれをいいなと思いました」
初芝実 透:「盗ってはいけないようですが、そもそも盗れないんですよね……」
初芝実 透:最後の方は独り言のようになる。
桟坂 カレン:「私が貰ったものだもの、そう簡単にあげないわ」 引き結んだ唇が、僅かに緩んで。
初芝実 透:「だそうです。私は、『あなた』のことすらよく知らないのかもしれませんが」
初芝実 透:「でも、一緒に居て好ましい相手だとはずっと感じていましたから」
生駒均:「……うん、そっか」
生駒均:透の言葉に頷いて、
生駒均:「友達!だもんなもう!」
生駒均:「君がどっちなのか、オレには分からないし決められないけど」
生駒均:「2年も頑張った君が、君なのは間違いないだろ?」
生駒均:「そうしてきた君をオレはすごいと思うし」
生駒均:「オレはそういう君と友達だと……思う!」
生駒均:「これから君が、『不知火蛍』を続けるか分からないけど」
生駒均:「もうオレたちは知っちゃったからさ。知った上で友達なわけで」
生駒均:「どっちにしたって応援したいと……思う!オレは!」
生駒均:勢いよくまくしたてて、ふうと息をつく。
桟坂 カレン:「……そうね。私の知っている『不知火蛍』は、貴女ひとり」
桟坂 カレン:「どんな過去があれ、それは変わらないわ」
桟坂 カレン:「悩んで、答えの出る問題ではないと思う。……だから、これは参考になるか分からないのだけど」
桟坂 カレン:「──数多の神話で。人は灰や、塵芥から生まれたものとされているわ」
桟坂 カレン:「キリスト教の祈りにもこうある」
桟坂 カレン:「──『汝灰にして、灰に還る』」
桟坂 カレン:「人は皆、最後には灼かれて灰に還る。……ともすれば、人は皆、灰と同じだわ」
桟坂 カレン:「同じなら、貴女がそう在りたいと思う貴女でいなさい。そう在ってくれることが、私は好ましいと思うから」
不知火蛍:「……初芝実さん、イコマ、カレンちゃん……」 目を瞬かせて
不知火蛍:「……ありがと。みんながくれた言葉、すぐに飲み込めるかは分からないけど」
不知火蛍:「でも、少なくとも今は、みんながわたしの事に向き合ってくれて、言葉をくれたのが、すごくうれしい」
不知火蛍:「……不知火蛍、高校生でUGNエージェント、笑顔の素敵な女の子。色々あるけど……」
不知火蛍:「……少なくとも、『わたし』は、みんなにありがとうって伝えたい」
不知火蛍:「……あ、あと心配かけてごめんね」
GM:事務員の女の子がそんなキミたちに声をかける。
GM:「皆さん、そろそろ調査班からの報告も届く頃ですよー」
生駒均:「おっと、はーい!……へへっ」
初芝実 透:しーっ、と白手袋の指を立てて。
初芝実 透:「今、ちょっといいところなんですよ」少しだけ笑う。
桟坂 カレン:目を閉じ、ほんの少し唇を吊り上げて。冷めたコーヒーを口に含む。
不知火蛍:初芝実さんの言葉に、くすっと笑みがこぼれる
生駒均:「事件は待ってくんないね、困ったことに」
生駒均:「行きますか?」
GM:事務員の女の子は不思議そうに首を傾げている。
桟坂 カレン:「ええ、まだ心ゆくまで談笑するには早いわね」
桟坂 カレン:「──被害が拡がる前に。私達が辿り着きましょう」
不知火蛍:「おっけー。エリカも止めなきゃだしね」
初芝実 透:「了解です」
初芝実 透:すっと、白手袋の手を鳥のように羽ばたかせた。

GM:シーン終了。
GM:購入判定はなし!ロイスの取得や感情変更のみあればどうぞ!
初芝実 透:不知火さんへの感情を ○『あなた』/不安 に変更します。
生駒均:あ、蛍ちゃんへのPを友情に変えよう!以上です
GM:あなた!
GM:これが絆の力……
不知火蛍:わあい
不知火蛍:ええと、まずは既存ロイスの感情を
不知火蛍
桟坂 エリカ        親近感/〇劣等感→〇親近感/劣等感
桟坂 カレン        親近感/〇劣等感→〇親近感/劣等感
生駒均           憧憬/〇劣等感→〇憧憬/劣等感

不知火蛍:こう。そして初芝実さんへの感情を
不知火蛍:初芝実 透 〇尊敬/劣等感
不知火蛍:これで取得。以上!
初芝実 透:えへへ
GM:尊敬だ!
桟坂 カレン:不知火蛍 ◯連帯感/食傷 → ◯友情/不安 へ変更。以上よ。
GM:友情!
GM:では、全員終わったようなので、改めてこのシーンは終了です!

【目次へ戻る】

ミドル8

GM:次のシーン!
GM:次は、最後の情報収集になります。
GM:シーンプレイヤーは初芝実さんにしますか。
初芝実 透:はあい
GM:他のPCにも全員出てもらいましょう。
生駒均:出ます!
GM:シーンに出る人は1d10を振って侵蝕率を上げてください。
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (97 → 102)
生駒均:生駒均の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (95 → 102)
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (86 → 92)
初芝実 透:うむ……
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (68 → 72)
生駒均:10じゃないだけましと考えよう
初芝実 透:ダイボがついたよ
GM:うむ……
桟坂 カレン:まだクライマックスではないのに……
GM:エフェクトレベルも上がったよ
生駒均:やったー
GM:選択次第では、このシーンがミドル最後になりますので安心していいですよ。
生駒均:うおー
GM:では、残っている情報は次の2つ
GM:・“呪いのピアノ”の正体について〈情報:UGN〉〈知識:楽器〉難易度14
GM:・紫東響次について〈情報:UGN、学問〉難易度7、15
GM:紫東については難易度が二段階になっていますね
GM:調べたい人から判定するといいでしょう
桟坂 カレン:なら、・紫東響次について 調べるわ。
桟坂 カレン:"Recitativo -叙唱-"《C:ノイマン》《生き字引》 侵蝕[+3] 全ての<情報:>を<意志>で判定可
桟坂 カレン:(5+1+2)dx7+2+2
DoubleCross : (8DX7+4) → 10[1,1,4,7,8,9,9,10]+10[3,3,6,8,8]+10[2,10]+10[10]+5[5]+4 → 49

GM:やる気だ……!
GM:や、やばい
初芝実 透:たっか
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を3増加 (92 → 95)
GM:全知全能
生駒均:やったー
桟坂 カレン:全てを理解してしまったわね……
初芝実 透:じゃあ“呪いのピアノ”の正体について〈情報:UGN〉で……の前に
不知火蛍:カレンちゃんが調子に乗ってる……
初芝実 透:コンボ『レディ・メイドの花束をひとつ』。エヴリシングレディ使用して強化ビジネススーツを入手・装備。社会達成値+2
初芝実 透:まずこれ!
初芝実 透:で、要人への貸しがあったので使います。ダイス+3個
不知火蛍:スーツ男子!
生駒均:あった!貸しが!
GM:貸し借りがあったか
初芝実 透:11dx+4>=14
DoubleCross : (11DX10+4>=14) → 8[2,2,2,2,2,3,5,6,6,8,8]+4 → 12 → 失敗

初芝実 透:あったりないぞー
生駒均:ふふふ
初芝実 透:こまったなー
桟坂 カレン:これはー?
生駒均:<バディムーブ> コンボ:ワーカーアシスト
生駒均:自分以外のダイスロール直後に使用、達成値を+3!
初芝実 透:やったー
生駒均:はたらくよー
初芝実 透:これで15!
GM:素晴らしい!
不知火蛍:はたらくイコマ
GM:バディの力!判定は成功です!
GM:では、順番に情報を公開していきますねー
GM:この辺も情報量が多かったりするので、分かりにくかったりしたら遠慮なく聞いてねー
GM:まずは難易度7の情報から

・紫東響次について
N市内の音楽大学で教授を務める中年の紳士。穏やかで礼儀正しい性格。世界的に有名なピアニストでもある。優しくて丁寧な講義が評判で、学生からの人気は高い。ピアノの講師として、阿奏戯一生の指導も行っていた。

GM:いい人っぽいですね
生駒均:すごい人なんだなー
不知火蛍:こんないい人の15の情報ってなんだろう
桟坂 カレン:裏の顔……
初芝実 透:いい人だ
GM:次に難易度が高い方の情報

その正体は、フクロウのような姿をしたジャームであり、阿奏戯一生を襲った張本人。世の中に美しいものが増えれば増えるほど、真に美しい物の価値が損なわれてしまうという価値観を持ち、過去に何度も才能ある音楽家を襲っている。そのたびに桟坂エリカや裏社会の人間を使って事実を隠蔽していた。
また、来堂波奏に対して、自分の音楽の価値を揺るがすようなピアノの才能を感じ取っており、彼女を次の標的にするつもりのようだ。

桟坂 カレン:フゥン?
初芝実 透:こらーっ
生駒均:させんぞ!
GM:いい人ではないっぽいですね……
不知火蛍:そうですね(そうですね)
GM:この情報は以上!
生駒均:誠に遺憾です
GM:そんなに
GM:次!

・“呪いのピアノ”の正体について
 “呪いのピアノ”の正体は、レネゲイドウイルスに感染したEXレネゲイドである。“呪いのピアノ”を弾く者は、ピアノの持つハヌマーンのエネミーエフェクト《ミューズの調べ》の効果により、自分で思い描いた通りの素晴らしい演奏をすることができる。
高濃度のレネゲイドに触れる代償として演奏者の精神は著しく摩耗するが、それによってピアノはさらに美しい音色を奏でるようになる。最終的に演奏者が自我を失うと、ピアノは最高級の楽器として完成することになる。
阿奏戯一生も、このピアノを使えばまるで怪我をしていないかのような演奏が可能だが、このままでは近いうちに廃人と化すだろう。その瞬間、桟坂エリカの使用する《アンタッチャブル》によって『呪いのピアノに魅入られた』という名目で彼の存在は消される。
そして、『商品』として完成したピアノは高額で売りに出されることになる。

GM:情報は以上!
生駒均:えらいこっちゃ
初芝実 透:ひえー
GM:全ての情報が明らかになったことにより、このシーンの最後でイベントが発生します。
不知火蛍:うわーん、エリカー
GM:というわけで、軽く情報共有をしてもらったところでイベントを起こしますね。

GM:――N市支部、ブリーフィングルーム。
GM:調査班からの報告と合わせて、事件の調査結果を共有するためにキミたちはここに集まっていた。
初芝実 透:「……ピアノに関しては、この通りですね」机の上にざっと資料を開く。
初芝実 透:「とても放ってはおけないと考えます」
桟坂 カレン:「……一生が元のように弾けていたのは、やはりピアノの影響だったのね」
初芝実 透:「ええ。しかしそれも時間の問題のようです」
生駒均:「想像の通りだね、悪い意味で……急がんと」
不知火蛍:「……うわあ」 嫌そうなのを隠しもしない 「えげつないね。ピアニストを何だと思ってるんだか」
桟坂 カレン:「まるで生贄ね」
桟坂 カレン:「──ピアノに備え付けられた人形のよう」
初芝実 透:「そして、人間は人形とは……やはり違う」
初芝実 透:「気軽にやり取りしていいものではないので。止めないといけません」
桟坂 カレン:「ええ。それに──あの演奏は、どれだけ上手くても。一生のものじゃないわ」
桟坂 カレン:目を閉じる。浮かぶのは淡く美しい記憶、かつて手にしていた、当たり前だった日常。
桟坂 カレン:「どれだけ技巧を凝らした演奏も、奏者の『魂』がそこになければ意味がない」
不知火蛍:「……カレンちゃん……」
初芝実 透:楽器屋で聴いた演奏を思い出す。あの最後の曲には、確かにそれがあったように思えた。
桟坂 カレン:「……彼の身体は、もう傷つけられてしまった。だけど」
桟坂 カレン:「ピアノを愛する『魂』まで奪われることを──私は、認めたくない」
生駒均:「……魂か。うん、良いね」
生駒均:「取り戻さなきゃだ」
生駒均:「(……ちょっと嬉しいな。そういうもの、大事に思ってくれてるの)」
桟坂 カレン:ふぅ、と息を付いて。「……紫東響次。本命は、この男で間違いないわ」
初芝実 透:「やはり、ですね」
生駒均:「やっぱりか」
生駒均:僅かに緩めた口を結ぶ。
桟坂 カレン:資料を回す。「表の顔は、それは優秀なピアニストで、優れた講師──だけれど、その本性は、歪んだ価値観で動くジャーム」
桟坂 カレン:「その上、とても狡猾よ。自分の所業を世間から隠し通す術を知っているし、事実今までそれを成し得てきてる」
生駒均:「話した通り、オレの友達に接触してきたんだ。狙われてる?」
桟坂 カレン:「……ええ、間違いないでしょうね」
不知火蛍:「となると、その子が危ないか……出来るだけすぐ保護したいけど」
生駒均:「したいけど、下手に騒ぎになるとまずいんだよね……」
生駒均:「最悪ターゲット見失って雲隠れとか、大暴れされても困るし」
初芝実 透:「ふむ……」顎に手を当てる。
生駒均:「保護と襲撃を同時に行うか、バレないようにこっそり保護しつつか……」
生駒均:「なんにせよちょっと準備はいるかなあ?」
初芝実 透:「そうですね、迅速と慎重を両立させないといけない」
初芝実 透:「結構これ求められるんですけど、大変ですね……」
初芝実 透:大変なんだよなあ、という顔をしている。
桟坂 カレン:「事情を全て話すわけにもいかないし、ね」
不知火蛍:「UGN(うち)の弱みだよねえ。カバーストーリーをうまい事考えないと」
初芝実 透:「その辺りは、友人である生駒くんにある程度お願いすることになるかもしれませんね」
生駒均:「オレか!まあオレだよなあ!頑張ります!」
初芝実 透:「私が接近しても不審者になりますので……」
不知火蛍:「微妙に生々しい……」
生駒均:「透さんはもう顔見知りなのにー。友達まであと一歩だぜ?」
初芝実 透:「迅速に一歩を踏み出しても、踏み外しかねませんしね」笑う。
生駒均:「んじゃちょっとそのへんも含めて準備しますか!」
生駒均:「あ、透さん手伝ってくれる?場合によっては手借りるかもだし」
初芝実 透:「了解しました。構いませんよ」
桟坂 カレン:「そうね、二人に行ってもらう方が良さそう」
初芝実 透:生駒くんの方へと向かう。
不知火蛍:「お願いねー。その間にこっちでも色々詰めておくから」
生駒均:「あんがと!じゃ行ってきます!」
生駒均:透の手を引いて部屋を出ていく。
初芝実 透:引かれていく。
GM:生駒くんと初芝実さんは2人きりになる。
生駒均:「さって、と」
生駒均:部屋の方を振り返り、声が届かないのを確認。
生駒均:「透さん、ちょっとさ」
初芝実 透:「はい?」
生駒均:「打ち明けたいことと相談したいことと、半々?があるんだけど、良い?」
生駒均:「仕事とはまた別の奴なんだけど」
初芝実 透:「ふむ、構いませんよ」
初芝実 透:「内容にもよりますが、聞かないとわかりませんしね……」
生駒均:「そりゃそっか。……んーっとね、じゃ打ち明ける方から。相談にも関わるし」
生駒均:「あ、まずは最初にこれだ。ごめんなさい」
生駒均:ぺこりと頭を下げて謝罪。
初芝実 透:瞬きをする。
生駒均:「今まで黙ってたんだけど」
生駒均:「オレ、透さんの顔、ちゃんと見えてないんだ」
生駒均:「正確には皆の顔?全くってわけじゃないんだけど」
初芝実 透:「顔ですか」自分でぺたぺたと触る。
生駒均:「区別がつくぐらいにしか見えてないみたい。皆から人の顔がどう見えてるかわかんないけど、違うんだって」
生駒均:「オレさ、ほら、キュマイラであの通りじゃない?」
生駒均:袖をバサバサと動かして翅のように。
初芝実 透:真面目な顔で聞いている。
生駒均:「おかげで覚醒したときに体の変異が大きくてさ」
生駒均:「脳がおかしくなっちゃったらしいんだよね」
初芝実 透:「……なるほど。負担がかかった」
生駒均:「負担……とはちょっと違うな」
生駒均:「蜂みたいになったんだよ」
初芝実 透:「……ああ」
生駒均:「人を、群れの1つにしか見れなくなった」
初芝実 透:あの群れを思い出す。人の形からああ離れては、確かに違うことも多かろう。
初芝実 透:「そういう、ことですか……」
生駒均:「自分の生命は群れの為のものだし、他人だってそう」
生駒均:「"個"は必要ないし、愛着は無駄だから同族の区別はつけられない」
生駒均:「言っちゃえばさ。そんとき一回、心をなくしたんだよね」
生駒均:「あ、っつってもさ!今は全然そんなことないぜ?」
生駒均:「傍にいる人がすげえ頑張ってくれてさ。視覚はまだちょっと怪しいけど」
生駒均:「心の方は元気です!透さんもカレンちゃんも蛍ちゃんも、みんな違って大好きだし!」
初芝実 透:「ふむ」
初芝実 透:「今はどちらかと言えば人であろうとしている、という理解でいいでしょうか?」
初芝実 透:「あと、大好きなのは嬉しいですね。素直に」
生駒均:「もっと積極的かな。オレ、人間になりたいの」
生駒均:「納得いかないところあるから、人間です!とは言い切れないんだけどね、まだ」
初芝実 透:「なりたい、か」
生駒均:「まあこれとか、色々不完全だし」
生駒均:とん、とゴーグルを叩く。
初芝実 透:「似合っていますよ」
生駒均:「少なくとも皆の顔をさ、皆が見てるようには見たいなーって」
生駒均:「かっこいいのはそうかも」
生駒均:ふへへ、とだらしなく笑う。
初芝実 透:「…………」
初芝実 透:「君は偉いな」
生駒均:「む?そう?」
初芝実 透:「相互理解を諦めていないので」
生駒均:「……透さんは諦めちゃった、ってこと?」
初芝実 透:「そこまではさすがに、ですが……」
初芝実 透:「時々、わからなくなりますね。私の思う価値と他人の置く価値の違いだとか、社会との関わりだとか」
初芝実 透:「顔の話でもそうですが」
初芝実 透:「正直、私だって自分の顔がどういうものなのか、きちんと認識できているのか、よくわかっていません」
生駒均:「……そういうものなんだ」
初芝実 透:「他人がどう見ているか、とかもね」
初芝実 透:「なので、それを共有できると、したいと考える君の考えは、眩しいです」
生駒均:「そ、そっかな。なんか照れる」
生駒均:「オレはほら、オレを助けてくれた皆が好きだから」
生駒均:「そういう風になりたいってだけなんだけど……」
生駒均:「それにほら、価値観の違いとかは個性だし?ちゃんと大事にできれば大丈夫って思うけどなあ」
初芝実 透:「いいと思いますよ。それは『あなた』の望みだ」
生駒均:「うん、それは間違いなくそう!」
初芝実 透:(……衝動や代償にせき立てられるようなものではない)
初芝実 透:(あなたは、きちんと『あなた』なんですよ)
初芝実 透:「大事にしてあげてください」
初芝実 透:「『あなた』の置く価値は、私には盗めないのでね」
生駒均:「はーい!ありがと!」
生駒均:「で、秘密ってほどでもなかったけど、黙ってたんだけどさ」
生駒均:「カレンちゃんも蛍ちゃんも話してくれたのに、オレだけ黙ってるの……なんか、なんかだなって思って」
生駒均:「それで話しときたいなー、ってのが半分」
初芝実 透:「……他の皆には言わなくても良かったんでしょうか?」
生駒均:「ん。話したいとは思うけど……」
生駒均:「女の子に顔が見えてないですっていうの、ちょっと勇気がね。いや真面目に」
初芝実 透:「ああ、なるほど……!」
初芝実 透:そういえば残りは二人とも女子だったなという顔。
初芝実 透:「と、あと半分でしたね」
生駒均:「で、残りの半分がさ。カレンちゃんの件」
初芝実 透:「はい」
生駒均:「考えたんですよ、オレはオレで。宣言通り?」
生駒均:「で、一応……ちょっと思いついたことはあるんだけど」
初芝実 透:じっと聞く姿勢。
生駒均:「さっきも言ったとおりさ、オレ、一回精神が……なくなったようなもんだったのよ」
初芝実 透:「言っていましたね」
生駒均:「……そこからオレが元気になって、また人間に戻れたらさ」
生駒均:「心を失っても、積み上げられるって見せられたら」
生駒均:「何か、ちょっとは……変えられるかな?心とか、気分とか」
初芝実 透:「……なるほど」
生駒均:「全然的はずれかもしれないし……傷つけるだけかもだから」
生駒均:「どうなんだろうと思って……頼れる人に相談してるわけです」
初芝実 透:「そうですね、さっきも言った通り、私は他人のことはきちんとはわからない」
初芝実 透:「カレンさんのような特殊なケースはなおさらです。ですが」
生駒均:「うん」
初芝実 透:「きっと、君がそう考えてくれていること自体が、彼女の支えになってくれるのではないかと」
初芝実 透:「そう思います……祈ります」
生駒均:「そう……かな」
生駒均:「今の蛍ちゃんみたいに、自分はどっちなの、って」
生駒均:「悩ませるだけかもしれなくて……」
初芝実 透:「そして」
生駒均:「うん?」
初芝実 透:「あなたがあなたでいようと思うことそのものが、他人を傷つけるかも、なんてことは」
初芝実 透:「考えなくていいんですよ」
初芝実 透:「私くらいに図太くなってください。この間も『初芝実さんは本当に初芝実さんですね』って悪い意味で言われましたから」
生駒均:「図太く、かあ」
初芝実 透:フードの頭に軽く手を乗せる。
生駒均:「わ」
初芝実 透:「いや、なんとなくやりたくなっただけですが」
初芝実 透:「均くん」
生駒均:「ん、どうぞどうぞ。……なに?」
生駒均:「……あ、名前!」
初芝実 透:「いや、だいぶあだ名を考えたんですが……」
初芝実 透:「これくらいの方がいいな」
生駒均:「うんうんうん!大変うれしい!」
生駒均:「名前とかあだ名で呼ばれるとさ、こうぐーってくんだ!」
生駒均:「オレはオレだ、って言ってもらえるみたいで」
生駒均:へへ、と笑う
初芝実 透:「……ああ、なるほど」
初芝実 透:世界で、一人だけに呼ばれるあだ名を思い出す。
初芝実 透:「それは、大変によくわかります」
生駒均:「でしょ!」
初芝実 透:眼鏡の奥で、目を細め、手を離した。
生駒均:「あんがとね、透さん。なんか……すっきりしたと、思う!」
生駒均:「図太く行きます!」
初芝実 透:「それは良かった。では、図太く作戦を行っていきましょう」
生駒均:「おっす、了解!」
GM:話を終えた初芝実と生駒がブリーフィングルームに戻ってくる。
桟坂 カレン:「……準備は整った?」 資料に落としていた目を上げて、二人に問う。
生駒均:「おまたせ!完璧なるカバーストーリーを練ってきたぜ!」
初芝実 透:「ええ、問題なく」
生駒均:「今なら大統領だって口先でそれっぽく保護できる気がする!」
初芝実 透:(……いつか、改めて伝わるといいんだが)
初芝実 透:(あなたの力になりたいと考えている相手が、こんなにいるんだと)
桟坂 カレン:「そう、なら安心ね。二人に任せるわ」
生駒均:「はいよお!それじゃ、いよいよ出撃と」
GM:では、その時。ブラックドッグのエネミーエフェクト《通信支配》によって支部の通信が何者かに割り込まれる。
生駒均:「っと?」
初芝実 透:(…………)
GM:モニターに映ったのは黒いスーツ姿の男装の麗人。桟坂エリカだ。
生駒均:「!」
桟坂エリカ:「やあ。ごきげんよう」
初芝実 透:「ジャック、かな。これは」
桟坂エリカ:「ラブコールさ」
桟坂エリカ:「今回の件についてはおおよそ調べが付いたようだね。今のうちに大切な話をしておこうじゃないか」
桟坂 カレン:「……いいわ、聞いてあげる」
桟坂エリカ:「桟坂カレンさん。私が知っているキミよりも随分と人間らしくなったね」
桟坂エリカ:「人形になる宿命を背負った女とはとても思えない」
桟坂エリカ:「――桟坂が、キミの心変わりに気付いていないとでも思ったかい?」
桟坂エリカ:「『少女黒鍵』は桟坂の悲願だ。だというのにキミは、一族の願いを潰すのにも等しい行いをしようとしている」
桟坂 カレン:「…………」 すっと細められた瞳が、画面越しに蒼い瞳を見つめる。
桟坂エリカ:「桟坂としては到底看過することなどできない事態だ」
桟坂エリカ:「だが、もしキミが多大なる犠牲を払ってでもその道を選ぶというのなら私も止めはすまい」
桟坂 カレン:「──多大な犠牲?」
桟坂エリカ:「来堂波奏と阿奏戯一生。ジャームによる哀れな犠牲者だ」
桟坂エリカ:「少女の襲撃は、青年の最後のピアノ演奏と同じタイミングで起きる手筈になっている。コンクールのその瞬間にね」
桟坂 カレン:「…………!」
桟坂エリカ:「いくらキミたちが優秀でも同時に2人を守るのは難しいだろう?」
桟坂エリカ:「ジャームに堕ちた者の衝動を止めるのは難しい。彼らはただ欲望に突き動かされて行動するだけだ」
桟坂 カレン:「(……二人を無事に守りきることが難しいのは、事実。だが、それを知らせずにいる方が、襲撃は確実に成功する)」
桟坂エリカ:「だが、そんなジャームでも保身を図ることはある。彼の弱みを握っている私なら、まだ止めることができる」
桟坂エリカ:「桟坂カレンさん。キミが心を入れ替えて一族の使命のために生きるというならば」
桟坂 カレン:「(何のために? 決まっている──これは)」
桟坂エリカ:「私は紫東教授を優しく諫めて凶行を止め、私自身もこの件からすっぱり手を引こうじゃないか」
桟坂 カレン:「……悪辣な取引ね。取引と呼ぶ価値もない」
桟坂 カレン:「桟坂随一の楽器商人が、墜ちたものね」
桟坂エリカ:「墜ちたのは、キミの方だろう」人形めいた美貌に張り付いたような笑みを浮かべる。

GM:というわけで、キミたちには3つの選択肢があります。
GM:まず1つ目。
GM:カレンさんが『少女黒鍵』の継承者としての本来の生き方に戻ること。
GM:これを選んだ時点で、桟坂エリカは紫東を説得して襲撃を諦めさせ、同時に任務を中止して即座に撤退します。
GM:ただし、その場合、カレンさんには『少女黒鍵』以外の取得している全てのロイスをタイタス化してもらいます。
桟坂 カレン:ひっ
GM:この選択肢を選ぶとクライマックスフェイズが消滅してそのままバックトラックとエンディングに移り、今後カレンさんは人形になる道をひた走ってもらうことになります。
GM:クライマックス戦闘もないので、タイタス化したとは言えすぐにジャーム化することはないので安心してください。
GM:一番楽なので、個人的にはこの選択肢がオススメです。
GM:次に、2つ目。阿奏儀を説得して、呪いのピアノを使うことを止めさせる。
GM:阿奏戯は今はエリカにかくまわれていますが、コンサートの前には音楽ホールに姿を現すと考えられます。
GM:音楽ホールの控え室で、阿奏儀を説得して呪いのピアノを使うことをやめさせることができれば彼は心を失わずに済むでしょう。
GM:ただし、エリカが警護として戦闘用ドローンを配置していると予想されるため、戦闘用ドローンを排除するための判定と彼を説得するための判定が個別に必要になってきます。
GM:もし判定に手間取った場合、来堂波奏を助けるのには間に合わなくなる可能性があります。
GM:2人とも守ることができますが、一番難易度は高いです。
GM:3つ目。阿奏戯のことは諦め、来堂波奏を助けに行く。
GM:真っ直ぐに来堂波奏を助けに向かえば、高確率で襲撃を防ぐことができます。
GM:この選択肢を選ぶと次のシーンでクライマックスフェイズに突入することになります。
GM:その代わり、阿奏戯はエンディングフェイズには呪いのピアノによって確実に自我を失うことになります。
GM:キミたちがどうするかは自由に選んで構いません。
GM:カレンさんが心を捨てるのが一番シナリオの難易度が低いのでGMとしてはオススメですが……。
桟坂 カレン:そんな……
生駒均:却下却下!
初芝実 透:だめ!
GM:だめか……
不知火蛍:だめどす
生駒均:2つ目行きますか
初芝実 透:そのつもりよ!
桟坂 カレン:2つ目を選べるなら、そうしたいわ
GM:い、いいのか。失敗した時に失うものも大きいぞ……!
不知火蛍:ふむ……(ちょっと考える)
初芝実 透:他も大きくないですか?
生駒均:諦めんぞ 例え浸蝕が100超えてても!
GM:カレンさんが元の生き方に戻るだけで2人の人間を救えるんですよ
GM:と、いうことをこれからエリカが言います
初芝実 透:自分だけはそれを勧めてはいけないんですよ
GM:なるほどな
初芝実 透:そそのかしちゃったから……
不知火蛍:基本方針は二つ目として、ちょっと思いついたことがあるんですけど
GM:お、なんでしょう
不知火蛍:要は、阿奏戯さんが呪いのピアノを弾かなければいいわけですよね
GM:そうですね。このままだと精神を蝕まれ続けるので
不知火蛍:ですよね。
不知火蛍:で、相談なんですけど
不知火蛍:ピアノ、すり替えられません?
GM:あー、でもピアノ自体もミドル戦闘後にエリカが持ち去ってしまったので……
不知火蛍:はい。ただ、演奏するのはコンサートですよね
GM:コンクールの阿奏戯一生の番の直前には、ステージ上にありますが
GM:ただ、そのタイミングまで待ってしまうと、波奏の襲撃を防ぐのに間に合わなくなってしまうように思いますね。
生駒均:ちょっと気づかれずに入れ替えるのは難しいか!
不知火蛍:ふむ……なるほど。替えのピアノがあればいいってだけではないか
不知火蛍:さすがにピアノ側に警備が無いとは思えないしな……
不知火蛍:ピアノ自体は初芝実さんにレディしてもらうつもりでしたが、方向性が変わるだけで難易度は変わらなそうだ。

GM:――桟坂エリカは冷たく笑う。
桟坂エリカ:「血に塗れた自由か、祝福に満ちた棺か。好きに選びたまえ」
桟坂エリカ:「もっともたった1人が心を入れ替えるだけで2人の人間を守れるんだ。UGNにとってはそう難しい問いではないと思うがね」
桟坂エリカ:「そう、キミたちにとっての最良のハッピーエンドさ」
桟坂 カレン:唇を引き結ぶ。──一人の犠牲で二人が助かる。言う通りだ。
桟坂 カレン:いずれ尽きる薪が、灰になるのが早まるだけだ。何を迷うことがある?
初芝実 透:「…………」
不知火蛍:「……」 画面に映るエリカを半眼で睨む
桟坂エリカ:「キミだって答えは決まっているのだろう。カレン?」
桟坂 カレン:──それでも。それでもだ。
桟坂 カレン:「……私は」
桟坂 カレン:「……ええ、貴女の言う通り。犠牲になるべきは、私なのでしょうね。それで救われる命があるなら」
桟坂エリカ:感情のこもらない瞳がキミを見つめる。
生駒均:「……カレンちゃん!」
初芝実 透:ゆっくりと、カレンさんの方に目を向ける。
不知火蛍:「……カレンちゃん」 カレンに視線を向け、小さく頷く。
桟坂エリカ:「犠牲だなんて。本当の姿に戻るだけさ」
桟坂 カレン:「(本当の私とは、何なのでしょうね)」 遠くを見つめて。
桟坂 カレン:「──言ったはずよ。最後まで抗う、と」
桟坂エリカ:「……何?」
桟坂 カレン:「桟坂の掌の上で踊るのは、厭。だけど、それ以上に」
桟坂 カレン:「私は、裏切りたくないの。私の行く末を案じてくれる──」
桟坂 カレン:「──大切な、友人たちを」
桟坂エリカ:「友人だと……?」モニター越しに三人を見る。
不知火蛍:「……」 にっこりと笑顔を浮かべ
初芝実 透:「……はい」軽く会釈を。
生駒均:「友達だよ」
生駒均:「自由を祝福して、棺を泣くね!」
桟坂エリカ:「友人だなどとそんなものに何の……いや、それは……」
初芝実 透:「それならば」
初芝実 透:「『家』にはどうでしょう?」
初芝実 透:「あなたが家を大切に思うほどに、我々は友人を大事にしていると」
初芝実 透:「そう思ってはいただけませんか」
生駒均:「"一族の"、"桟坂の"」
生駒均:「あんた、オレ達と話すときはそういうのばっかりだけど」
生駒均:「蛍ちゃんと話してるときは、違うだろ」
生駒均:「分かるんじゃないの?ほんとはさ」
桟坂エリカ:「それは、だって」
不知火蛍:「……エリカ」
桟坂エリカ:「……分かるんだよ。私にも分かるんだ」泳いだ視線を蛍に向け、すぐに逸らす。
初芝実 透:「そうですよね」
初芝実 透:「桟坂さんは他にも居ます」
初芝実 透:「あなたはエリカさんだ」
桟坂エリカ:「私は……」辛そうに首を振る。
桟坂エリカ:「今の私は、『人形の為り損ない』でいい」
桟坂エリカ:「桟坂カレン。これは最後のチャンスでもあった」話を遮るように言う。
桟坂 カレン:「桟坂の可愛いお人形に戻るチャンス、ということかしら」
桟坂エリカ:「今、私の手を取らなければキミは本当に桟坂を敵に回すことになる」
桟坂エリカ:「……頼むよ」
桟坂 カレン:「…………それでも」
桟坂 カレン:僅かな、逡巡を見せて。
桟坂 カレン:「──エリカ。音のない世界を、知っている?」
桟坂エリカ:「何……?」
桟坂 カレン:「自分だけが取り残されていく。何もない、暗闇に在って──ただ心の中の薪が、燃え尽きる痛みだけがある」
桟坂 カレン:「いずれ、私は無くなる。"殻"だけが残って、棺の中に眠るのでしょう」
桟坂 カレン:「……そう、なるだけだと。"終わり"を待つだけだと、諦めていたの。ずっと」
桟坂エリカ:「諦めたままでよかったんだ」悲しそうに言う。
桟坂 カレン:感情の籠もらない顔が、僅かにゆるりと微笑んで。
桟坂 カレン:「……あの日。ミトと踊った日。久し振りに、聴こえたの」
桟坂エリカ:顔を上げて、キミを見る。
桟坂 カレン:「──音が。人と聴く音楽が、こんなに綺麗なものだったなんて」 ダンスホール、響く緩やかなヴァイオリンの音色。
初芝実 透:軽く目を伏せて微笑む。
桟坂 カレン:「思い出した"感情"を、もう暫く持っていたいと願うのは」
桟坂 カレン:「──我儘なのでしょうね。だけど、今の私にとっては、何よりの望み」
桟坂 カレン:「そう思わせてくれた人と、思わせ続けてくれた人全てに」
桟坂 カレン:「私はまだ何も、返せてないから」
桟坂エリカ:エリカは眩しそうにキミを見る。
桟坂 カレン:「──貴女も、遅くはない」
桟坂 カレン:「貴女には、ホタルがいる」「それだけは、忘れないで」
桟坂エリカ:「……卑怯者。今、彼女の名前を出すな」
不知火蛍:「卑怯はどっちよ、バカエリカ」
桟坂エリカ:「ほ、蛍……?」
不知火蛍:「決めたわ。今回の事を終わらせたら、わたしはエリカに」
不知火蛍:「しこたま酒を飲ませる」
桟坂エリカ:「は……?」啞然としている。
不知火蛍:「それで、溜まった弱音とか本音とかぜーーーんぶ吐かせる」
桟坂エリカ:「な、何を馬鹿なことを言っているんだ。私は、この作戦が成功しても失敗しても、もう」
不知火蛍:「うっさい。わたしはもう決めたの」
不知火蛍:「……もう二度と、貴方を『人形のなりそこない』になんてさせない」
桟坂エリカ:「蛍……」
桟坂エリカ:「不知火蛍。私の親友……」
不知火蛍:「それだけよ、エリカ。じゃ、またあとで会いましょ」
桟坂エリカ:「ああ。蛍。私を止めに来い」懇願するように
桟坂エリカ:そう言う。
不知火蛍:「おっけー。ま、親友だもの」
不知火蛍:「たまには、喧嘩した後河原で横になって笑い合うぐらいはしないとね」
桟坂エリカ:「UGN諸君。そして、桟坂カレン」
桟坂エリカ:「懸命な判断に感謝する」
桟坂エリカ:泣きそうな顔のまま不格好なお辞儀をする。
GM:通信は切れる。
桟坂 カレン:「…………」 ふぅ、と一つ息を吐く
不知火蛍:「…………」 息を吐いて、椅子に寄りかかる
初芝実 透:「…………」
初芝実 透:「踊りましょうか。全部終わったら、また」
初芝実 透:「……その前に、ピアノの音をどうにかしないと」
桟坂 カレン:これで良かったのだろうか、と喉元まで迫り上がった言葉が、呑み込まれて消えた。
桟坂 カレン:「……そうね、ええ」
生駒均:「良かった!断ってくれて!」
生駒均:「はい、なんて言ったらどうしてくれようと思ったぜ」
桟坂 カレン:「イコマ……私」
生駒均:「うん?」
桟坂 カレン:「……良かったの? 私がはいと言えば、貴女の友人は。傷付くリスクを負わずに済んだのよ」
生駒均:「……波奏ちゃんのことは心配だし、条件次第じゃオレも迷ったかもだけどね」
生駒均:「そうはさせないってのは、当然としてさ」
生駒均:「沢山のために誰かが犠牲になれってのはね、群れの論理だ」
生駒均:「人間もそういうことをするときはある……ある、けど」
生駒均:「それは、悲しむべきことで、なくすべきことだよ」
生駒均:「犠牲を正当化して賛美するなんて絶対嫌だし」
生駒均:「カレンちゃん一人に義務を押し付けるなんて、オレはごめんだね!」
桟坂 カレン:「……そう。貴方は、この選択を良しとしてくれるのね」
桟坂 カレン:「ありがとう」 小さく笑む。
生駒均:「ん、こっちこそ」
初芝実 透:微笑んでそのやり取りを聞いている。
不知火蛍:「……そういえば、初芝実さん」
初芝実 透:「はい?」
不知火蛍:「いつの間に、カレンちゃんと踊るなんて耽美なシーンを……?」
生駒均:「そこツッコむかぁ!」
初芝実 透:「え、以前、招かれた先でダンスを……」耽美?という顔。
初芝実 透:「楽しかったですね」
不知火蛍:「そっかー」
初芝実 透:「また、ああいうことをしたい。ですから、行きましょう」
桟坂 カレン:「ええ、一通り仕込んだつもりよ」 真顔で言う。
不知火蛍:「仕込んだ」
初芝実 透:「教わりました」
生駒均:「なにそれ楽しそう!オレらも教えてもらっていい?」
桟坂 カレン:「興味があるなら、ええ」
初芝実 透:「はい、じゃあ、皆で」
不知火蛍:「さらっと混ぜられてる!? まあ、興味が無いわけじゃないけど」
生駒均:「うん……皆で」
生駒均:「エリカさんもね」
生駒均:でしょ?と、蛍の方を向く
不知火蛍:「うん。……いや、エリカは割と教える方かも」
桟坂 カレン:「そうなるかもしれないわ」
桟坂 カレン:──ピアノの音色に合わせて踊りたい、と思った。心弾むような、優しくて明るい鍵盤の響きの中で。
初芝実 透:(……そう。あの時音が聞こえたというなら。心が動いたというなら)
初芝実 透:(何度でも、何度でも、繰り返す)
生駒均:「そりゃ頼もしい。そんじゃ」
生駒均:「助けに行こっか、ピアニストとダンサー」
不知火蛍:「おーらい。それじゃ、行きましょっか」
初芝実 透:(彼女も。それ以外の人でも)
初芝実 透:「はい。向かいましょう」
桟坂 カレン:「ええ、──行きましょう」
初芝実 透:黒いコートを翼のようにはためかせる。
桟坂 カレン:踵を返す。長い髪が、ドレスのように舞い上がって──重力に従って、落ちた。

GM:では、キミたちが出撃に向かうところでこのシーンは終了だ。
GM:本当なら、ミドルフェイズはもう1シーンある予定だったのですが
GM:このシーンでの会話を通して、エリカは阿奏戯の控室から警護の戦闘用ドローンを撤退させています。
GM:侵入のための判定も不要になるため、ミドルフェイズでのシーンを省略して、クライマックスでの冒頭で阿奏戯との会話だけを少しやりたいと思います。
GM:なので、先ほどのシーンがクライマックス前最後のシーンとなります!
生駒均:うおーっ
GM:最後の購入判定やロイスの調整などがあれば今のうちにどうぞ!
生駒均:購入どうしようかな
生駒均:カレンちゃん用のホローポイント弾とか自分用のハードコート辺りかしら
GM:あと、蛍ちゃんは1人だけ侵蝕率が低いのでもしジェネシフトしたいなら今のうちにやってもいいよ。
初芝実 透:ロイス、生駒くんへの感情を ○均くん/不安 に変更
生駒均:いやこれは
不知火蛍:次がクライマックスなら、カレンさんに余ってる応急手当キットを手渡ししておこうかしら
生駒均:蛍ちゃんが低いのではなく……我々が高すぎるのでは……?
生駒均:そういう研究結果が出ています
桟坂 カレン:そうかも……
初芝実 透:素人質問ですが
初芝実 透:その通りではないかと思います
GM:そうかもしれん
GM:HPの回復もしたければどうぞー
不知火蛍:それはそう。そして蛍は80あればエフェクト面では機能するので
生駒均:私はHP最大かな 欲しい人はどうぞ
不知火蛍:ジェネシフトはなくてもいいかな。
桟坂 カレン:では貰って使ってしまいます
生駒均:シーンインとか含めれば十分そうね
桟坂 カレン:24+2d10
DoubleCross : (24+2D10) → 24+14[6,8] → 38

GM:なるほどね。
生駒均:バッチリ
GM:いい感じに回復した
桟坂 カレン:いいのだった HP最大値、29になりました
初芝実 透:あと最後のロイスはエリカさんだな。○親近感/わからない
生駒均:ロイスは一杯
GM:わからんか
生駒均:ワンチャン狙ってハードコート買っておきます
不知火蛍:わからんかー
初芝実 透:わからんけど大変そうなのはわかった
GM:よかった
初芝実 透:自分は何かお買いものあれば手伝います
桟坂 カレン:桟坂エリカ 罪悪感/◯隔意 で取得
生駒均:皆防具は大体行き渡ってる?
初芝実 透:盾くらいかな
生駒均:重ね着用の服かホローポイント弾
GM:罪悪感……
生駒均:あ、盾も装備できるならありですね
桟坂 カレン:そうね、元々の防具があるから マイナーは埋まりがちだからホローポイントはあまり使えないかも
生駒均:私は暴走するので重ね着重点
生駒均:あ、了解
生駒均:あとはいつものブルーゲイルか
初芝実 透:自分用にリアクティブシールドとか買ってもいいな
不知火蛍:こちら、ロイスはそのまま、購入は……自分用にはいいか。何か欲しいものある人いればフォローします。
生駒均:とりあえずこちらハードコート買います 自分用
GM:コート重ね着だ
生駒均:5DX+2+0@10>=9 調達
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 7[3,3,5,5,7]+2 → 9 → 成功

初芝実 透:おお
生駒均:あ、ぴったり。装備します、装甲+2の行動値-2
GM:お、成功してる
GM:めでたい
生駒均:以上と言いつつバディムーブの構え!
桟坂 カレン:リアクティブアーマーワンチャンします
桟坂 カレン:3dx+1>=24
DoubleCross : (3DX10+1>=24) → 7[2,3,7]+1 → 8 → 失敗

生駒均:流石につらい
桟坂 カレン:流石に無理! 以上
GM:さすがに厳しいか……!
初芝実 透:ではリアクティブシールド試してみましょっか
初芝実 透:強化ビジネススーツは装備中、手配師使用!
生駒均:いけー!
初芝実 透:8dx+3>=18
DoubleCross : (8DX10+3>=18) → 6[2,3,3,4,4,5,6,6]+3 → 9 → 失敗

初芝実 透:だめーー
GM:だめか
生駒均:無念
生駒均:蛍ちゃんにも行ってもらいます?シールド
初芝実 透:ジュラルミンならバデムでいけてた……以上!
生駒均:リアクティブきつそうならもうちょい安めの盾行くのもありか
GM:盾で殴る初芝実さん……
初芝実 透:もらえたら嬉しいです、他になければ
初芝実 透:そうですね、他でもあるだけありがたい
初芝実 透:命中下がっちゃうけどまあ
不知火蛍:ふむふむ
不知火蛍:ちなみに蛍ちゃん、現状で調達が2dx+2(+財産1)なので
不知火蛍:物にもよりますが大分チャレンジャー
生駒均:まあ無理はせず狙えそうなところで!
GM:ジュラルミンシールドは購入難易度12なのでワンチャンあるくらい
初芝実 透:そうですね!
初芝実 透:ジュラルミンチャレンジして無理ならいいやくらいかな
生駒均:ですかね
不知火蛍:了解です! ではジュラルミンチャレンジ!
不知火蛍:2dx+2>=12
DoubleCross : (2DX10+2>=12) → 9[7,9]+2 → 11 → 失敗

初芝実 透:あっ
GM:あ、惜しい……!
生駒均:<バディムーブ> コンボ:ワーカーアシスト
桟坂 カレン:やったー!
生駒均:達成値+3!
初芝実 透:ひゅー!
生駒均:わっはっは
GM:これは……絆の力……!
GM:では、判定は成功!
初芝実 透:二人のパワーだ
GM:ジュラルミンシールドの購入は成功です。
不知火蛍:ありがとうバディ! という訳でジュラルミンシールドを初芝実さんにパスします
初芝実 透:ありがとー! いただき装備します
生駒均:どうぞ
生駒均:全員以上かな?
初芝実 透:ウェポンケースもうないから……
GM:では、全員終わったようなので改めてこのシーンは終了です。

【目次へ戻る】

クライマックス

GM:次のシーン。
GM:次は、クライマックスフェイズになります。
GM:シーンプレイヤーはカレンさん!PCは全員登場だ!
GM:全員ダイスを振って侵蝕率を上げてください!
生駒均:生駒均の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (102 → 105)
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (102 → 112)
初芝実 透:!?
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を1D10(→ 3)増加 (95 → 98)
初芝実 透:ちょっとー
生駒均:と、透さん
桟坂 カレン:み、ミトさん
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (72 → 77)
GM:初芝実さん、頑張って……

GM:――N市、音楽ホール控室。
GM:本来の計画通りならば配置されているはずの警備用ドローンの姿はない。
GM:控室では、阿奏戯が物思いにふけっているのかどこか遠くを見つめている。
桟坂 カレン:こつこつと、硬いブーツの音が艶めいた木張りの床を踏みしめて往く。
桟坂 カレン:「──一生」
GM:青年はキミに気付いたのか、笑顔を浮かべる。
阿奏戯一生:「あれ、カレンちゃん。どうしたの、こんなところで。本当にコンクール聞きに来てくれたの?」
桟坂 カレン:「……ええ」 静かに頷く
阿奏戯一生:「そっか。嬉しいな」
阿奏戯一生:そう言ってから少し迷うような様子を見せる。
桟坂 カレン:「……本当に。弾きたいと、思っているの?」
阿奏戯一生:「弾きたいのは本当」
桟坂 カレン:「質問を変えるわ」
桟坂 カレン:「──このままでいいと、思ってる?」
阿奏戯一生:「…………」
阿奏戯一生:「俺さ、自分にはピアノしかないって思ってた」
阿奏戯一生:「でも、こうやってカレンちゃんが会いに来てくれて、それは違うのかもって思った」
桟坂 カレン:「……私は」
阿奏戯一生:「思い返してみたらそもそも俺がピアノを弾き続けてたのは、カレンちゃんがいたからだったし」
桟坂 カレン:「貴方の生き方に何か変化をもたらせるような、そういう生き方をしてきたつもりは、ないわ」
桟坂 カレン:「……ただ、ピアノは。確かに、特別なものだった」
桟坂 カレン:「それは──きっと、貴方と過ごした時間が。ピアノを介してでしかなかったけれど」
桟坂 カレン:「……輝いていたからなのでしょうね」
阿奏戯一生:「俺もきっとそうだと思う」
阿奏戯一生:「俺、ピアノ弾いてくるよ。でも、あのピアノは使わない」
阿奏戯一生:「たぶん子供の頃みたいにめちゃくちゃ下手くそだと思うけど」
阿奏戯一生:「でも、行ってくる」愉快そうに笑いながら言う。
桟坂 カレン:目が見開かれる。頑なに「ピアノを弾ける自分」に固執していた青年が、今──
桟坂 カレン:「……ええ、きっと。聞くに堪えない演奏だわ」
阿奏戯一生:「だよなー。今から恥ずかしいもん」
桟坂 カレン:「だけど、何よりも心が弾む。……貴方が弾くピアノは、そういうものよ」
阿奏戯一生:「あはは。そりゃあ頑張らなくちゃ」
阿奏戯一生:「カレンちゃん。何か危ないことしに行くんだろ。なんとなく分かるよ」
GM:愉快そうに笑顔を浮かべていた青年は、少し真面目な顔になってそう言う。
桟坂 カレン:「……意外と聡いのね」
桟坂 カレン:「そういう機微は一生身につかないものだと思っていたけれど」 こちらは冗談めかして。
阿奏戯一生:「分かるよ。音が普段と少し違ったもん」
阿奏戯一生:「気を付けて。無事に帰ってきてね」
桟坂 カレン:「……ええ」
桟坂 カレン:「全て片付けて戻ってきたら。改めて、聴かせてもらうわ」
桟坂 カレン:「貴方が今弾ける、最高の音を。聴かせて頂戴」
阿奏戯一生:「うん。その時は、俺の全身全霊を込めて演奏するよ」
桟坂 カレン:黒いトランクバッグを提げた少女は、長い髪を揺らして、僅かに微笑んだ。
桟坂 カレン:踵を返す。──妄執が一つ、打ち払われたのだと信じて。
桟坂 カレン:であれば、今こそ。この演目の、アウトロを奏でる時だ。
GM:「よし、やるか!」キミが背にした楽屋から、気合いの入った声が聞こえた。
――――
GM:N市音楽ホール。入り口。
GM:色素の薄い髪色をした小柄な少女は慌てた様子で、会場に向かっている。
来堂波奏:「練習してたら遅くなっちゃった。急がないと」
来堂波奏:「……生駒均、見に来てくれているかな」どこかはにかんだ表情でそう呟く。
GM:その時、眼鏡をかけた中年の紳士が少女の前に立ちはだかる。
紫東響次:「こんにちは。またお会いしましたね」
来堂波奏:「す、すみません。わたし、急いでいて……!」
紫東響次:「来堂波奏さん。あなたのピアノは本当に素晴らしい。とても美しい音色を奏でている」
紫東響次:「故に、その才能はこの世界には不要です」
来堂波奏:「えっ……?」
GM:男の手が、猛禽のようなカギ爪に変わる。
紫東響次:「これでまた世界は静寂に包まれ、音楽は価値を取り戻す」
GM:その鋭い爪が振り下ろされる!
来堂波奏:「い、嫌……!」
GM:猛禽のようなカギ爪が少女に迫る。
生駒均:その爪は届かない。
生駒均:受け止められたからだ。丈の合わない袖に包まれた腕によって、軽々と。
紫東響次:「バカな……」
来堂波奏:「……?」ゆっくりと顔を上げる。
生駒均:「ちょっと、お兄さん!いつまで酔ってんの」
生駒均:「よくないぜ、関係ない子に迷惑かけちゃさあ」
生駒均:常と変わらない調子で、平然と語る。
紫東響次:「無関係なのはあなたの方ですよ。この世界に響く音に何の関心もない癖に邪魔をするとは」
生駒均:「ごめん波奏ちゃん、遅れた。大丈夫?」
生駒均:男を無視して少女へと振り返る。
来堂波奏:「生駒均……」
来堂波奏:驚いたようにキミを見つめる。
生駒均:「この人のことは気にしないでよ。酔っ払って暴れてるだけだから」
来堂波奏:「あなた、本当にヒーローみたい」
生駒均:「ああ、みたいなだけさ。これも」
生駒均:掴んだかぎ爪を示して、
生駒均:「ただの玩具だしね。だからオレでも止められるわけ」
生駒均:「なんにもおかしなことなんて、ない」
生駒均:「そういうわけで、早く行っちゃってよ。大事な舞台だろ?」
生駒均:「おまわりさんが来たらすぐ追いつくからさ!」
来堂波奏:「本当に大丈夫?」
生駒均:「やだ、心配してくれんの?ちょっと嬉しい!」
生駒均:「お代は演奏でお願い。ここまで届くぐらいすんごいの!」
来堂波奏:「生駒均。もしあなたが何者でも、あなたはわたしの友達だから」
来堂波奏:「ありがとう!」
GM:そう言って彼女は会場の方に駆け出していく。
生駒均:「うん。何者でも、君の友達さ」
生駒均:「さあて」
生駒均:重力制御を解除し、逆転させる。
生駒均:ようやく正しく作用した力によって地面に無数の亀裂が走る。
紫東響次:「逃がすものか!」猛禽のような翼を広げ、彼女を追おうとする!
紫東響次:「バカなやつめ。貴様のようなバケモノが、本当にお友達ごっこなどできると思っているのか」
GM:フクロウのような姿の怪物が、少女の背を追う。
生駒均:「行かせないよ……お願い!」
初芝実 透:「はい」横合い、何もない空間から声がする。
紫東響次:「……ッ!」
初芝実 透:黒いコートが翼のように翻り、怪物に追いつく。
紫東響次:「貴様……!」
初芝実 透:「ああ、これは先ほどのあなたの言葉に対してではなく……」
初芝実 透:回り込むように、姿が現れる。
初芝実 透:「均くんへの返答です。彼はバケモノではないし、お友達にもなれるでしょう」
初芝実 透:「そして、義賊、でしたか」
初芝実 透:立ち塞がりながら、訥々と。
紫東響次:「そうだ。私は世界をより良くするために行動している。それをお前たちは台無しにしようとしているのだ!」
初芝実 透:「もう、やめましょう、そういうの」
紫東響次:「何……?」
初芝実 透:「全のために一は切り捨てられろだとか」
初芝実 透:「一のために全は消えろとか」
初芝実 透:「うんざりだ」
紫東響次:「な、何を、貴様……!」
初芝実 透:「私はそれを正しいとは思わない」
初芝実 透:一歩進む。
初芝実 透:「私が愛するのは、雑多な何もかもがあって、その中に」
初芝実 透:「その中に混じって咲いているからこそ美しい、そういう花です」
初芝実 透:「ああ、結構言語化できるものですね……あなたのおかげだ」後半は独り言のように。
紫東響次:「分かっていない」大きく首を振る。
紫東響次:「何もない真っ白な空間でポツリと咲く一輪の花こそが最も美しい」
紫東響次:「そのために世界はあるべきだ」猛禽のようなカギ爪を構える。
初芝実 透:「それがあなたの義なら、それでいい」
初芝実 透:「ただ、そこに……」
初芝実 透:「盗人の手が届くことは、ないんです」
紫東響次:「私を盗人呼ばわりするか……!」
桟坂 カレン:「……その通りでしょう?」
桟坂 カレン:「『才能を奪う』と、自分がそう言っていたのでしょう。今更それを否定するのは愚かしいわ」
桟坂 カレン:黒いトランクバッグを提げた少女は、口元に嘲るような笑みを浮かべて歩み寄る。
紫東響次:「愚か者ばかりがこうも集まるか……」
紫東響次:「いいでしょう。何者であろうと。私の邪魔をするならば消えてもらうだけだ」
GM:そこに、黒いスーツ姿の女が、バイオリンケースを下げながら姿を現す。
桟坂エリカ:「お一人では大変でしょう、教授。契約通り、お手伝いしますよ」
桟坂 カレン:「……エリカ」
桟坂エリカ:「やあ。カレンさん。最後まで付き合ってもらおう」
桟坂エリカ:「私の仕事はまだ終わっていないのでね」
桟坂 カレン:「……そうだったわね、貴方は商人だもの。契約を完遂しようとするのは、道理だわ」
桟坂 カレン:「なら、此方も。私達の"仕事"をやり遂げるとしましょう」
桟坂エリカ:「私のビジネスの邪魔をするならば、消えていただくしかありますまい」
不知火蛍:「そーだね。エリカ、お仕事はちゃんとやるタイプだもんね」
桟坂エリカ:「……蛍。来たんだな」
不知火蛍:「うん。わたしもバイトはきっちりこなすタイプだから」
不知火蛍:「まあ、たまに失敗もしちゃうけど」
桟坂エリカ:「楽じゃないだろう、そのバイト」
不知火蛍:「そだね。お賃金はそれなりに貰ってるけど、結構きついなーとは思う」
不知火蛍:「でも、一旦請け負っちゃったしね。足抜けするつもりはないよ」
桟坂エリカ:「そうかい。なら、戦うしかないな」
不知火蛍:「そういうこと。……エリカと喧嘩とか、そういえば初めてかな?」
桟坂エリカ:「私は手加減できないタチだ。泣くんじゃないぞ」
不知火蛍:「そっちこそ。……じゃ、みんなをあんまり待たせるのもなんだし」
不知火蛍:「始めよっか」
桟坂エリカ:「桟坂カレンさん。UGN諸君。決着を付けましょう」
GM:女は祈るように一瞬だけ目をつむり――。
桟坂エリカ:(神よ。もしいらっしゃるのでしたら――)
桟坂エリカ:(どうか、この決着は“人間”の手だけで付けさせてください)
桟坂エリカ:目を開き、キミたちを見据える。
桟坂エリカ:「一族の誇りにかけて、私はあなた方を倒します」
桟坂エリカ:「偽典楽章(マグヌム・オーパス)、――最終起動」
桟坂エリカ:黒い燕尾服に、その身が包まれる。
桟坂エリカ:小さく開いたバイオリンケースから機械パーツが現れ、寄り集まると無骨なライフル銃が組み上がっていく。
桟坂エリカ:燕尾服姿の女は、踵を鳴らしながら着地するとスクラップじみたライフル銃を構える。
桟坂エリカ:「――さあ、始めましょう」
GM:強烈なレネゲイドによって大気が震える。
GM:キミたちの体内のレネゲイドが共振していく。衝動判定だ!
GM:〈意志〉で難易度は9です!
桟坂 カレン:7dx+4>=9
DoubleCross : (7DX10+4>=9) → 9[1,1,1,2,8,9,9]+4 → 13 → 成功

生駒均:10DX+1+0@10>=9 意思
DoubleCross : (10DX10+1>=9) → 10[1,1,3,5,5,5,6,9,9,10]+9[9]+1 → 20 → 成功

初芝実 透:5dx+3>=9 思い出の一品(ブランケット)使用
DoubleCross : (5DX10+3>=9) → 9[2,3,6,8,9]+3 → 12 → 成功

桟坂 カレン:98+2d10
DoubleCross : (98+2D10) → 98+11[8,3] → 109

生駒均:まあこの後暴走するんですが!
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を2d10(→ 9)増加 (112 → 121)
初芝実 透:まあ……なんとか……
生駒均:生駒均の侵蝕率を2d10(→ 5)増加 (105 → 110)
生駒均:よし落ち着いてる!
GM:生駒くんが落ち着いている
不知火蛍:2dx>=9 実は意志は弱い
DoubleCross : (2DX10>=9) → 5[4,5] → 5 → 失敗

GM:あ、蛍ちゃんが!
不知火蛍:ふふ
不知火蛍:まあ、どうせヴァジュラで暴走するのでよし
不知火蛍:77+2d10
DoubleCross : (77+2D10) → 77+11[4,7] → 88

GM:いい感じに上がっている
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を11増加 (77 → 88)
GM:――フクロウのような姿をした怪物がキミたちを睨む。
紫東響次:「では、私の邪魔をした報いを受けてもらいましょう!」

GM:では、ここからクライマックス戦闘に入っていきます!
GM:エネミーは桟坂エリカ、紫東響次。戦闘用ドローンのトループのラルゲットとビバーチェ。
GM:トループは名前は違いますが、ミドル戦闘の時のやつとデータは一緒です。
生駒均:了解!
GM:エネミーは桟坂エリカが行動値15、トループ2つが行動値12、紫東響次が行動値7です。
GM:キミたちは全員が同一エンゲージ。
GM:5メートル先に紫東響次とトループ2つのエンゲージがあります。
GM:さらに5メートル先には桟坂エリカのエンゲージがあります!
生駒均:前衛後衛別れてる!
桟坂 カレン:小癪な~
GM:エリカはあまり接敵されたくない理由があるみたいで……。
生駒均:ほうほう
初芝実 透:なんだろ
GM:なんでだろね
GM:勝利条件はエネミーを全て戦闘不能にすること!
生駒均:わかりやすい!
GM:説明はこんなところかな
生駒均:こちらはオッケーです!
不知火蛍:こちらもOK
桟坂 カレン:了解。いけるわ
初芝実 透:オッケーです!
GM:では、最後に少し描写を挟んだら、戦闘に入っていきますね!

GM:――N市音楽ホール。
GM:舞台に、1人の青年が上がる。青年は満員の客席に向かってお辞儀をする。
阿奏戯一生:「演奏の前に、すみません。1つお断りしておきます。私の演奏は皆さんにとってお聞き苦しいものになるかもしれません」
阿奏戯一生:「ですが、今の私の力だけで精一杯弾かせていただきますので、お聞きいただけると嬉しいです」
GM:観客席がにわかにざわつき出す。
阿奏戯一生:「この曲を、私の友人に捧げます」
GM:青年はピアノに向き直ると、鍵盤に触れる。
GM:その気迫に、ざわついていた観客席は静まり返る。
GM:ピアノの旋律が響く。

GM:では、ここからはクライマックス戦闘です!
GM:ラウンド進行を開始します!

▼エンゲージ
(エリカ[15])
   5m
(紫東[7]、ラルゲット[12]、ビバーチェ[12])
   5m
(カレン[7]、生駒[7]、初芝実[10]、不知火[4])
[]内は行動値

GM:1ラウンド目!
GM:まずはセットアップから。
GM:セットアップの行動がある人は宣言をお願いします。
生駒均:セットアップエフェクト使用前にオートアクションで<狩りの統率者> コンボ:セイブザクイーン
GM:エリカとトループは行動はなし。
生駒均:生駒均の侵蝕率を4増加 (110 → 114)
生駒均:オレの使用したターゲットロック(+攻性変色)の効果を対象にも適用します
生駒均:同エンゲージのカレンちゃん透さん蛍ちゃんを対象に!
GM:ひええ
生駒均:そして<ターゲットロック>+<攻性変色> コンボ:コロニーガード
初芝実 透:いただきます!
生駒均:生駒均の侵蝕率を6増加 (114 → 120)
GM:つ、強そう
生駒均:シーン中、対象のみを目標とした攻撃の攻撃力を+32 オレは暴走を受けます
GM:た、ターゲットは!
生駒均:対象は紫東響次!以上!
不知火蛍:いただきました!
GM:怖い!
初芝実 透:うおー
桟坂 カレン:いただくわ。
初芝実 透:こちらはコンボ『レディ・メイドの花束をひとつ』。エヴリシングレディ使用してリアクティブコートを入手・装備。
生駒均:皆でぶっとばそうぜ~
初芝実 透:行動値が-2で8に下がります。装甲は+6
桟坂 カレン:こちらはセットアップなし。
不知火蛍:こちら、セットアップ前にオートアクションで
不知火蛍
ドレスに着替えてお城に行こう(チェンジ・イントゥ・ザ・ドレス、ゴー・トゥー・ザ・キャッスル)
ウェポンスーツを使用×2
デュエルレガース、アリベイトスーツを装備

不知火蛍:ケースを蹴っ飛ばして着装!
GM:紫東響次は「Dロイス:野獣本能」の効果で《完全獣化》+《破壊の爪》+《鷹の翼》を使用。判定のダイスを増やしたり、素手のデータを変更したりします。
不知火蛍:セットアップではこちら
不知火蛍
さあ、舞踏会が始まるよ(カモン・ザ・ダンス・ビギンズ)
加速装置+ヴァジュラ セットアップ 侵蝕5
(100未満)ラウンド間行動値+8、暴走付与、シーン間暴走持続時ブラックドッグのエフェクトのダメージ+6。

不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を5増加 (88 → 93)

▼エンゲージ
(エリカ[15])
   5m
(紫東[7]、ラルゲット[12]、ビバーチェ[12])
   5m
(カレン[7]、生駒[7]、初芝実[8]、不知火[12])
[]内は行動値

GM:では、セットアップの演出がある人はどうぞ!

紫東響次:その姿が、フクロウのような怪物へと変わっていく。翼を広げ、猛禽のようなカギ爪を構える。
紫東響次:「あなた方では、私の力にすら敵わないでしょう」猛禽のごとき瞳がキミたちを睨む。
初芝実 透:ひらりと舞い落ちた羽をひとつ、手の中に。何に役立つものとも思わないが。
初芝実 透:「そうでしょうか。もう……」
初芝実 透:「あなたの一部は、私の手の中にありますよ」
生駒均:生駒の片袖が重力に従い、ぱたりと落ちる。支えていたものを失って。
生駒均:「力じゃ敵わないかもねえ。数で行かせてもらうよ」
生駒均:魔蜂が姿を現す。紫東の周囲にまとわりつくように。
生駒均:「合わせて打ち込む、ガンガン狙っちゃって!」
桟坂 カレン:「頼もしいわね」 ざり、とコンクリの地面をブーツで踏んで。トランクをぐ、と握り込む。
不知火蛍:「おっけー。それじゃ、こっちも、っと!」 言葉と共に手にしていたケースを蹴り飛ばす。内部に収納されていたスーツとレガースが射出され、蛍の体を包み込む。
不知火蛍:「……こういう時ってなんか台詞あった方がいい? ま、いっか」 気の抜けた言葉とは裏腹に、表情は引き締められ。全身を白い電光が覆う。

GM:では、セットアップはこれで終了!
不知火蛍:不知火蛍のイニシアチブを12に変更 (4 → 12)
GM:ここからは行動値順に処理していきたいと思います。
GM:まずは行動値15のエリカの番から。
GM:マイナーはなし。
GM:メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》+《コンバットシステム》+《神機妙算》+《バリアクラッカー》を使用してフォールンガトリングで攻撃します!
GM:範囲選択で対象は四人全員!
生駒均:そいつはまずいねえ
生駒均:<孤独の魔眼> コンボ:キープスウォーム
生駒均:生駒均の侵蝕率を4増加 (120 → 124)
生駒均:私を対象に含んだ対象:範囲、または対象:範囲(選択)の攻撃対象を対象:単体、かつ対象を私に変更します
GM:あっ、きゃー!?
生駒均:この攻撃でオレはカバーリングの対象になりませんが
生駒均:というわけで、オレを狙ってもらうぜ!
GM:で、では、攻撃の対象は生駒くんになる!
GM:改めて命中判定いくぞ!
生駒均:暴走してるぜ!どうぞ!
GM:12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,1,2,4,5,7,7,7,9,9,10,10]+10[3,4,4,4,4,5,7]+3[3]+4 → 27

GM:達成値は27!
生駒均:くっ暴走さえしてなければ……!
生駒均:というわけでダメージどうぞ
GM:では、ダメージいくぞ!
GM:22+3d10
DoubleCross : (22+3D10) → 22+18[8,9,1] → 40

生駒均:このままだと倒れちゃうなあ!
GM:40点、ガード不可、装甲無視!
不知火蛍:それは困るね!
不知火蛍:という訳でダメージ適用直前にこれ!
不知火蛍
招待状はお持ちですか(ドゥ・ユー・ハブ・ア・インビテーション?)
電磁バリア+異形の加護 オート 侵蝕6
(100未満)視界内対象(自身不可)のダメージ適用直前に使用。ダメージ4d10+2軽減。

GM:そ、そんなものまで……!
生駒均:助かるー!
不知火蛍:軽減ダイス行きます!
不知火蛍:4d10+2
DoubleCross : (4D10+2) → 14[6,3,3,2]+2 → 16

不知火蛍:で、出目……
桟坂 カレン:でも生存圏内!
生駒均:大丈夫、地味にHPは33ある!24ダメージ受けて残り9点!
GM:16点減って、ダメージは24点!
GM:た、倒れない!
生駒均:生駒均のHPを24減少 (33 → 9)
GM:クソー!
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を6増加 (93 → 99)
生駒均:助かったー!
GM:では、攻撃の演出いきます!

GM:黒い燕尾服姿の女は踵を鳴らして立つと、無骨なライフル銃を構える。
GM:ゆったりとした動作でライフル銃の照準をキミたちに合わせ、引き金を弾く。
桟坂エリカ:「――踊れ、メヌエット」
GM:次々に乱射される銃弾がキミたちに襲い掛かる!
生駒均:弾丸の軌道を観測。狙われているのは──
生駒均:「カレンちゃん、ごめん!」
生駒均:傍に居た少女を突き飛ばし、
生駒均:「透さん、オレから離れて!」
桟坂 カレン:「え、きゃっ」
初芝実 透:「!」
生駒均:仲間から離れ、ゴーグルを押し上げ、現れた紅の魔眼が閃く。
生駒均:「鬼さん、こちら……ってさぁ!」
生駒均:巨大な重力場。それは攻撃を押しつぶし、無力化できるだけの出力はないが
生駒均:引き寄せることで目標をずらすことはできる。仲間たちへと届かぬように。
GM:無数の銃弾が生駒の方に収束していく!
生駒均:「(引き寄せる中心がこっちになるのは、まあ)」
生駒均:些細な問題だ。そう思えてしまう自分を罰するように、弾丸が迫る。
桟坂エリカ:「愚かな。自殺行為だぞ」クルクルとライフル銃を回し、次弾を装填する。
桟坂エリカ:「では、まずは1人」
不知火蛍:銃弾が生駒に到達する直前、白い電光が彼の眼前に奔る
不知火蛍:電光に触れた弾丸は、弾かれるかのように反転、あるいは落下する。
不知火蛍:「1人落とした……とか思ってた?」
生駒均:「痛ぅっ……おっ?」
桟坂エリカ:「蛍……!」
生駒均:着弾の衝撃は、想像より遥かに小さく。耐えぬいて立ち続ける。
不知火蛍:「甘いよ、エリカ。わたしの守りをそう簡単に破れると思わないでね」
生駒均:「蛍ちゃん助かった、あんがと!」
不知火蛍:「どーいたしまして! ほら、姿勢直して、次来るよ!」
桟坂エリカ:「いいだろう。私も腹を括ろうじゃないか」無骨なライフル銃を再び構え直す。

GM:では、エリカの行動はこれで終了!
GM:次は行動値12の蛍ちゃんとトループ2つですが
GM:PC優先なので蛍ちゃんの行動から!
不知火蛍:はーい!
不知火蛍:マイナーで戦闘移動。紫東とトループたちのエンゲージに侵入

▼エンゲージ
(エリカ[15])
   5m
(不知火[12]、紫東[7]、ラルゲット[12]、ビバーチェ[12])
   5m
(カレン[7]、生駒[7]、初芝実[8])
[]内は行動値

不知火蛍:メジャーはこれ!
不知火蛍
灰被り姫は止められない(シンダーエラ・キャント・ストップ)
コンセントレイト:ブラックドッグ+アームズリンク+バリアクラッカー 侵蝕8
(100未満)白兵攻撃(装甲無視、ガード不可) (7+侵蝕)dx7+6 攻撃力17(強化素材効果でさらに+1)

GM:来るか……!
不知火蛍:対象は紫東! いくぞー
GM:では、命中判定どうぞ!
不知火蛍:9dx7+6 ごー!
DoubleCross : (9DX7+6) → 10[1,2,3,3,7,8,9,9,9]+10[5,6,7,9,10]+10[2,4,10]+4[4]+6 → 40

不知火蛍:わお
生駒均:ピッタリ!
GM:いい値……!
GM:ガードができないとなると……ドッジをするしかないか
GM:いや、待て。こっちだな。
生駒均:むっ
GM:リアクションを放棄して《復讐の刃》を使用!
不知火蛍:きゃーっ
生駒均:ぬわーっ
GM:このためのセットアップ完全獣化よ
不知火蛍:け、計画的犯行
初芝実 透:おのれー
GM:では、お互いにダメージを出し合いましょう!
生駒均:あ、狩りの統率者分
生駒均:ダメージ+32をお忘れなく
GM:た、高くない!?
生駒均:高いね!
不知火蛍:助かるー
GM:では、こちらも命中判定いきます
GM:15dx7
DoubleCross : (15DX7) → 10[1,2,2,2,4,5,5,5,7,7,8,9,9,9,10]+10[1,5,5,8,8,9,10]+10[1,6,9,10]+10[8,9]+6[4,6] → 46

GM:いい感じ!
生駒均:流石にダイス多い!回るなあ
不知火蛍:ぎゃー
初芝実 透:たか
桟坂 カレン:あわわ
GM:では、ダメージいきましょう!
不知火蛍:はい!
GM:11+5d10
DoubleCross : (11+5D10) → 11+34[8,5,5,7,9] → 45

不知火蛍:5d10+17+1+32
DoubleCross : (5D10+17+1+32) → 31[9,7,9,2,4]+17+1+32 → 81

GM:出目がいいな。45点、装甲有効。
GM:81点!!?
初芝実 透:ひゅー!
GM:ダメージ高くない!?
桟坂 カレン:良いダメージ!
不知火蛍:大体イコマのパワーです。
GM:蛍ちゃんは99%だったからまだリザレクトもできるか……!
不知火蛍:あ、そうですね。
不知火蛍:そして、この効果が自動で発動します
不知火蛍
灰の誤謬に心はない(シンダー・エラー・ハズ・ノー・ハート)
D屍人
自身へのダメージを常に2d10軽減

GM:か、固い……!
不知火蛍:自前のオート防御エフェもあるけど、そっちはまだ温存。
不知火蛍:2d10 ダメージ軽減ダイス!
DoubleCross : (2D10) → 5[1,4] → 5

不知火蛍:出目!!
GM:む、振るわないか……!
不知火蛍:装甲が5点なので、35点通って倒れる。リザレクト!
不知火蛍:1d10 リザレクトダイス
DoubleCross : (1D10) → 1

不知火蛍:……ま、まあいいや
生駒均:リザ上手
GM:リザレクトが上手い
GM:紫東は蛍ちゃんの攻撃で一気に半分以上のHPを持っていかれました!
GM:もうピンチなんだが!?
不知火蛍:不知火蛍のHPを1に変更 (31 → 1)
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を1増加 (99 → 100)
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を8増加 (100 → 108)
GM:では、演出どうぞ!

不知火蛍:「それじゃ……行きますか!」 白い電光が勢いを増した次の瞬間、蛍が一気に前方に駆ける
紫東響次:猛禽のようなカギ爪を後ろ手に構え、鳥の瞳がキミを睨む。
不知火蛍:梟のような怪人との距離を詰めると同時に、突き刺すようなハイキックを見舞う。狙い通りなら、相手の頭部を捉えるだろう。
紫東響次:キミのハイキックは狙い通りに命中する。
紫東響次:だが、同時に反射的に繰り出された鋭い爪が、キミの胴をえぐる!
紫東響次:強烈な蹴りを見舞われ、怪物はその場でふらつく。
紫東響次:「よくも、この私に……!」
不知火蛍:「……痛いなぁ」 胴の部分に爪が突き刺さった感触。確かな痛みはある。
不知火蛍:だが、血は流れない。代わりに、黒い灰のような粉末が、突き刺された部分から零れ落ちている。
紫東響次:カギ爪に付着した灰を見て笑う。
紫東響次:「あなたもその中身は立派な怪物のようだ」
不知火蛍:「……かもね。人の形とどっちが元々だか、分かんなくなっちゃった」
不知火蛍:「でも、これも『わたし』だから」
桟坂エリカ:「蛍……」辛そうな顔をしながら戦闘用ドローンに指示を下す。

GM:では、蛍ちゃんの番はこれで終了。
GM:次は同じく行動値12のトループ2つの行動!
GM:まずはラルゲットの行動から。
GM:マイナーはなし。
GM:メジャーで《雷光撃》+《アームズリンク》+《急所狙い》+《コントロールソート》を使用。
GM:リニアキャノンで初芝実さんに攻撃します!
初芝実 透:ぐっ
初芝実 透:じゃあその前に
初芝実 透:オートでアームドスーツをウェポンケースから取り出し装備します。行動値-2、ドッジ-2、白兵攻撃力+3
初芝実 透:行動値6になりました
GM:固くなった……!
GM:では、命中判定いきます!
GM:12dx+2
DoubleCross : (12DX10+2) → 10[3,3,4,5,5,5,5,6,7,8,9,10]+4[4]+2 → 16

GM:回った!
GM:リアクションどうぞ!
初芝実 透:まあ、ガードをします
初芝実 透:ジュラルミンシールド使用
GM:が、ガードだと……!
GM:では、ダメージ!
GM:撃ち貫いてやるー!
GM:2d10+20
DoubleCross : (2D10+20) → 9[7,2]+20 → 29

GM:29点!装甲ガード有効!
初芝実 透:装甲ガードで22、7ダメージで……
初芝実 透:リアクティブコートの効果を使用します。ダメージ3d10軽減
GM:ウワーッ!?
初芝実 透:7-3d10
DoubleCross : (7-3D10) → 7-24[8,8,8] → -17

初芝実 透:わーい
生駒均:バッチリ!
GM:の、ノーダメージ……!
初芝実 透:ゼロになり、リアクティブコートは破壊
初芝実 透:行動値は8に戻ります
桟坂 カレン:レディしてきた甲斐があった
GM:ひ、ひええ
GM:マッチポンプじゃん!
初芝実 透:ぎゅんぎゅん
GM:なんてやつだ……
不知火蛍:ぐるんぐるん
GM:では、演出いきます!

桟坂エリカ:「以前戦った時はほんの小手調べでしたが、此度は違いますよ」
GM:戦闘用ドローンが展開し、初芝実に銃口を向ける!
桟坂エリカ:「私は、あなた方を殺すつもりでやる」
GM:戦闘用ドローンの砲口に光が満ちる。電流によって加速した銃弾が初芝実に放たれる!
初芝実 透:「……そうですか」
初芝実 透:《天使の外套》
初芝実 透:それまで立っていた場所に、ひらひらと一枚の羽が落ちる。
初芝実 透:そうして、すぐ横に黒い姿が立っている。
GM:雷光をまとった弾丸は、その羽を吹き飛ばして地面に着弾する。
桟坂エリカ:「何……!」
初芝実 透:「難しいルートを選びますね、それは」
初芝実 透:「我々と同じだ」
初芝実 透:小さく一礼。
桟坂エリカ:「仕事はいつだって困難なものさ」気障な笑みを浮かべる。

GM:では、ラルゲットの行動はこれで終了。
GM:次は、同じく行動値12のトループ、ビバーチェの行動です。
GM:マイナーはなし。
GM:メジャーで同じく《雷光撃》+《アームズリンク》+《急所狙い》+《コントロールソート》を使用。
GM:生駒くんを狙うか。
生駒均:きゃーっ
GM:時の棺や孤独の魔眼が厄介なんだよ!リニアキャノンで生駒くんに攻撃します!
生駒均:そう言われればそうかも
GM:喰らえー!命中判定!
GM:12dx+2
DoubleCross : (12DX10+2) → 10[2,2,2,4,4,4,6,6,8,10,10,10]+9[1,5,9]+2 → 21

GM:お、いい出目!
桟坂 カレン:"Elegy -哀歌-" 《マグネットフォース》 侵蝕[+2] 行動権を消費せずカバーリングを行う
GM:命中の達成値は21です
GM:か、庇ってきたか……!
生駒均:暴走してリアクションできない!
生駒均:た、助かる!
GM:では、ダメージ! この際、カレンさんでもいいから落としてやる!
GM:20+3d10
DoubleCross : (20+3D10) → 20+22[5,7,10] → 42

桟坂 カレン:殺意が高くない?
不知火蛍:高い高い
生駒均:おわっダメージでかい!
GM:42点。装甲とガード値は有効です。
GM:これはやったか……!
不知火蛍
招待状はお持ちですか(ドゥ・ユー・ハブ・ア・インビテーション?)
電磁バリア+異形の加護 オート 侵蝕6
(100以上)視界内対象(自身不可)のダメージ適用直前に使用。ダメージ4d10+4軽減。

桟坂 カレン:装甲7点。ダメージは35点、HPは29……足りないが!
初芝実 透:うおー
GM:あ、まだ使えるのか……!?
不知火蛍:そう。電磁バリアは……回数制限がない!
桟坂 カレン:そして彼女は暴走しているから、異形の加護のラウンド制限は無い!
生駒均:電磁バリアにはなにげに回数制限がない!
GM:強くない!?
GM:では、ダメージを軽減したまえ!
不知火蛍:4d10+4 軽減ダイス!
DoubleCross : (4D10+4) → 18[4,3,6,5]+4 → 22

不知火蛍:22点軽減!
桟坂 カレン:では、最終ダメージは13点。HP16点で生存!
GM:ゲーッ!?普通に生きてる!
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を2増加 (109 → 111)
桟坂 カレン:桟坂 カレンのHPを16に変更 (29 → 16)
生駒均:助かったー!ありがとう!
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を6増加 (108 → 114)
GM:全然ロイスを削れない……!
GM:では、ビバーチェの攻撃演出いきます!

桟坂エリカ:「なるほど。この戦力をどこから削るべきか、よく分かりました」
GM:女が指を鳴らすと、戦闘用ドローンが生駒のもとに殺到する!
生駒均:「そう来るよな……!」
生駒均:仲間から距離を取る。流れ弾で被害を増やす訳にはいかない。
GM:戦闘用ドローンは一斉にリニアキャノンを放とうとする!
桟坂 カレン:たん、と一つ足音。生駒のフードの首元をぐいと掴み、後ろへ放り投げるように。
生駒均:「なっ」
桟坂 カレン:「護られてばかりというのは、性に合わないから」
GM:放たれた無数の銃弾は、生駒の代わりに
GM:カレンさんを貫こうとする!
桟坂 カレン:(──攻守ともに、生駒は要。ここで止められるわけにはいかない)
生駒均:「なんで……!危ない!」
不知火蛍:カレンへと向かった銃弾もまた、白い電光の壁が阻む
不知火蛍:「はーい、踊り子さんには手を触れないでくださいね、と」
GM:電流を帯びた銃弾は電光の壁によって阻まれ、カレンの体を掠めるだけにとどまる!
桟坂 カレン:「大丈夫よ」 背中越しに、生駒に。
桟坂 カレン:「そして、ありがとう。助かったわ」
桟坂エリカ:「またしてもか……!」
生駒均:「良かった……けど無茶しないで、危ないよ」
初芝実 透:「やはり難しいルートですよ、こちらは」
桟坂 カレン:鐘の音が響くにはまだ遠い。だが、彼女は"灰被り姫(シンダーエラ)"ではなく、"灰被り姫の誤謬(シンダー・エラー)"だ。
桟坂 カレン:彼女は、いつだって踊れる。

GM:では、ビバーチェの行動はこれで終了!
GM:次は行動値8の初芝実さんの番です!
初芝実 透:はい、まずイニシアチブでジュラルミンシールドを破棄します。
初芝実 透:今までありがとうな
GM:ありがとう、ジェラルミンシールド
初芝実 透:これでガードが下がった代わりに命中率がプラマイゼロになったはず
GM:すごい戦況分析!
生駒均:やっちゃえーっ
初芝実 透:で、マイナー、コンボ『大家族は羽ばたく』。《陽炎の衣》《光芒の疾走》。隠密して戦闘移動。侵蝕4上昇。
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を4増加 (121 → 125)
初芝実 透:紫東たちのエンゲージに移動します。

▼エンゲージ
(エリカ[15])
   5m
(初芝実[8]、不知火[12]、紫東[7]、ラルゲット[12]、ビバーチェ[12])
   5m
(カレン[7]、生駒[7])
[]内は行動値

GM:来たか……!
初芝実 透:メジャー、コンボ『人の子らに告ぐ』。《光の舞踏》《見えざる死神》《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》《獅子奮迅》で白兵攻撃。
GM:う、うおお
初芝実 透:対象は範囲(選択)でエンゲージ内のエネミー全員。侵蝕10上昇。
初芝実 透:命中判定します。
GM:命中判定どうぞ!
初芝実 透:11dx7+4
DoubleCross : (11DX7+4) → 10[1,2,3,3,4,6,6,7,7,8,8]+10[2,4,9,10]+5[5,5]+4 → 29

初芝実 透:あーっと
生駒均:あ、ごめん透さん……
生駒均:隠密にはバディムーブが届かない……!
初芝実 透:そうなんだよね
GM:あ、そうか。隠密だから!
生駒均:無念
初芝実 透:リアクションどうぞー
GM:トループは《イベイジョン》持ちでドッジの達成値14なので攻撃は命中!
GM:紫東は《復讐の刃》を使用して、リアクションを放棄!
初芝実 透:来たな
GM:あ、違う
生駒均:おっと?
GM:隠密じゃん、この人!
初芝実 透:そうだった
GM:ターゲットに取れない!
生駒均:あ、
生駒均:オートの対象にできない!
初芝実 透:や、やったー
生駒均:天敵だった
GM:ええー、困る……
不知火蛍:さすばみさん
初芝実 透:こまってー
GM:え、えっとでは、
GM:紫東は《復讐の刃》が使えないので、紫東はガード!
GM:ダメージどうぞ!
初芝実 透:3d10+28+1+1+3 装甲有効
DoubleCross : (3D10+28+1+1+3) → 24[10,9,5]+28+1+1+3 → 57

初芝実 透:出目
GM:つ、強い……!
生駒均:やった!
GM:トループ2体はその攻撃により戦闘不能!
GM:紫東も一度は戦闘不能になります!
生駒均:倒れた!
初芝実 透:初芝実 透の侵蝕率を10増加 (125 → 135)
初芝実 透:あがるよー
GM:では、演出どうぞ!

初芝実 透:銃弾に紛れるように、黒く染まった手袋をひと撫で。
初芝実 透:周囲に溶け込むように、姿が消える。だまし絵(トロンプルイユ)が始まる。
初芝実 透:静かに駆けて、手を伸ばし、ただ、何かを盗み取る。空白を作る。
初芝実 透:(……空白。周囲の何もかもがなくなり、美しいひとつだけが残る世界、か)
初芝実 透:最初から違和感があった、その概念を咀嚼する。惹かれたが、正しいとは、思えなかった。
初芝実 透:(そう、真逆だ。何もかもがある上で咲く花の美しさ。そして)
初芝実 透:(本当は、その美しいひとつだけが抜け落ちた、何もない静かな空白をこそ……)
初芝実 透:魔法のように、姿が現れる。手には、今しがたドローンから抜き取った機械部品。
初芝実 透:そうして、それを小さなナイフのように使って、紫東の胴体に手ごとめり込ませる。
紫東響次:姿を現した瞬間、反射的に猛禽の爪がキミの頭を抉ろうと迫る。
初芝実 透:《天使の外套》
初芝実 透:そこには、頭は無い。ただの空間だ。
初芝実 透:「……先ほども言いましたが、紫東さん」
紫東響次:猛禽の爪は、大きく空振る。
初芝実 透:「真に美しく、尊いと思い、焦がれるようなものには……」
初芝実 透:「盗人の手は、決して届くことは、ありません」
初芝実 透:「届かせてはいけない」
初芝実 透:「それが義によるものだろうと、衝動によるものだろうと、決して」
紫東響次:「……!」腹部から血が滴り落ちる。
初芝実 透:じっと目の前の敵を見据え、突き刺した手刀を、ずぶりと抜く。
GM:異形の怪物が、その場に倒れ伏す!
初芝実 透:(だから私は、一番大切なものは、きっと盗まないでいるのだろう。ずっと)
初芝実 透:(そもそもそれは、他人が手を出して掴み取れるようなものでは、ない)
初芝実 透:倒れ伏した相手を見下ろす。その手から、赤い血が地面を濡らす。
GM:だが、その瞬間
GM:ミシミシと地面が重みに耐えきれずにひび割れていく。
GM:異形の怪物は再び立ち上がり、咆哮する。
紫東響次:《魔獣の証》を使用。
紫東響次:戦闘不能から復活します!
初芝実 透:「……こちらも、これで終わるはずもない、か」呟く。手袋を振ると、血液は流れ落ちる。
初芝実 透:夜の小鳥の羽が黒いのは、滴る血が紛れて見えないように、だ。
初芝実 透:白いハンカチに赤く滲んだ、花のようなあの時の血とは、違う。
紫東響次:「手が届かないだと……!」
紫東響次:「ならば、こちらに引き寄せればそれでいい……!」
紫東響次:「私が、私が手に入れるのだ……!」
初芝実 透:少し哀しげに目を細め、それをもって答えとした。
GM:重力の波が周囲を押し潰していく!

GM:では、ここで紫東が《時間凍結》を使用!
生駒均:うおっと!
GM:割り込み行動を行います!
生駒均:こっちは割り込めない、どうぞ!
GM:では、紫東の行動。
GM:マイナー。飛行状態なので、戦闘移動でエンゲージを切って1メートル後ろに下がります。
生駒均:下がる!?

▼エンゲージ
(エリカ[15])
   4m
(紫東[7])
   1m
(初芝実[8]、不知火[12])
   5m
(カレン[7]、生駒[7])
[]内は行動値

GM:同エンゲージ不可なので、シーン攻撃を撃とうと思うと下がるしかない
生駒均:怖い単語が見えた
GM:メジャーで《コンセントレイト:キュマイラ》+《魔獣の本能》+《天を統べるもの》+《黒の鉄槌》+《アースシェイカー》+《さらなる波》+《神速の鼓動》を使用。
GM:シーン攻撃!対象は四人全員!
生駒均:させないぜ
生駒均:<時の棺> コンボ:サクリファイス
生駒均:生駒均の侵蝕率を10増加 (124 → 134)
GM:ゲーッ!?
生駒均:その判定は失敗だ。 引き寄せはお断り
GM:で、では、紫東の攻撃は失敗になります!
GM:演出いくぞ!

GM:異形の怪物は翼をはばたかせると、黒い霧を噴出する!
GM:その霧に触れたものは、重力によって次々と押し潰されていく!
生駒均:「皆、下がって」
生駒均:全身を蜂へと変えて、3人それぞれの元へと現れる。
GM:地面を陥没させながら、その黒い霧はキミたちの方に迫る!
生駒均:「大丈夫。届かせないよ」
生駒均:姿はなくとも、いつものように笑っている。
紫東響次:「私のものだ。全て私が手に入れる!」
生駒均:「せーっ……の!」
生駒均:無数の蜂の瞳が一斉に輝く。紅が奔り、霧の進行が止まる。
生駒均:「お、おおおっ……!」
GM:全てを圧壊させる黒い霧が、急速に勢いを失う!
生駒均:蜂が落ちていく。限界を超えた駆動でその身を潰して。
生駒均:瞳が弾け、体が砕ける感覚。それが無数に。
紫東響次:「虫けら如きに何ができる……!」
生駒均:ああ、そのとおり。虫けらだろう。
生駒均:だって、怖くてもできちゃうんだ。こんな恐ろしいことが。
生駒均:「(オレはまだ、人じゃない)」
生駒均:群れの為なら自分を犠牲にする、それが当たり前の虫けら(ヒーロー)
生駒均:それが、どうしようもなく悔しい。悔しい、けれど。
紫東響次:「お前みたいなちっぽけな存在に、守れるものなどあるものか!」
生駒均:「(ああ、悔しいんだ)」
生駒均:広がった視界に、後ろの仲間たちの姿が映る。
生駒均:「(ごめん、心配かけてるよね)」
生駒均:ずっとがんばっていた子が居て。見守って諭してくれる人が居て。身を挺して守ってくれた人が居て。
生駒均:だから、人間は大好きで──憧れる。
紫東響次:異形の猛禽が大きな翼を羽ばたかせ、キミを嘲笑う。
生駒均:「残念だったね、お兄さん」
生駒均:もう1つ、気合が入り直した。重力が霧を集めていく。
紫東響次:「何を……!」
生駒均:「憧れるけど、そういうの気にしない程度には」
生駒均:「オレ、図太いんだぜ!」
生駒均:集まった霧を、押しつぶし、消し飛ばす。
GM:重力を操る霧が、収束して霧散する!
紫東響次:「バカな……こんなことが……ッ!」怪物が咆哮する。

GM:では、紫東の割り込み行動はこれで終了!
GM:次は行動値7の生駒くん、カレンさん、紫東の番ですが
GM:PC側優先なので、生駒くんかカレンさんから!
生駒均:オレから行こっか!
GM:オーケー。では、生駒くんの行動から!
生駒均:まずはマイナーで暴走解除
生駒均:メジャーアクション、<コンセントレイト:キュマイラ>+<魔獣の衝撃> コンボ:ワンフォーオール
生駒均:生駒均の侵蝕率を4増加 (134 → 138)
生駒均:あっと、浸蝕上がるのメインプロセス後だ。ともかく対象は紫東!
GM:了解です。
生駒均:対応なければ命中判定
GM:では、命中判定どうぞ!
生駒均:おっと命中判定直前に
GM:な、なんだなんだ
生駒均:オートアクションでウェポンケースからアルティメイド服装備!
生駒均:これで達成値+3
GM:執事服!
生駒均:あらためて命中!
GM:き、来やがれー!
生駒均:13DX+8+0@7 (侵食上昇4、侵蝕100~)
DoubleCross : (13DX7+8) → 10[1,2,3,3,4,4,5,5,5,5,6,7,9]+4[1,4]+8 → 22

生駒均:腐ったなあ!
GM:この距離だと《復讐の刃》は使えない……!
GM:いや、少しでも生き残る目にかけてガード!
生駒均:ではダメージ!
GM:ダメージどうぞ!
生駒均:3d10+37 (侵食100~)
DoubleCross : (3D10+37) → 21[9,7,5]+37 → 58

生駒均:58点、装甲ガード有効!
GM:う、うおおお
GM:さっきの時間凍結でHPを20点消費していなければ……
生駒均:やったか!?
GM:残りHP30点だったので、その攻撃で落ちます!
生駒均:よし!
桟坂 カレン:よし!
初芝実 透:やった!
GM:今度こそ完全に戦闘不能です!
不知火蛍:やったー
生駒均:やったぜ!
GM:では、演出どうぞ!

生駒均:蜂が梟の怪人へと襲いかかる。
生駒均:この能力は既に割れている。エリカとの闘いでも、この戦闘でも既に。
生駒均:先の攻撃のダメージも抜けていない。
生駒均:「(蜂だけじゃ厳しいか。なら)」
紫東響次:「私の手は、まだ、まだ届くぞ……!」猛禽の爪を振るう。
生駒均:突如。なにもない空間から、梟を重力波が襲う。
紫東響次:「何……!?」
紫東響次:大きな翼が、その勢いを失う。
生駒均:なにもない? いいや、たしかにそこになにか居る。
生駒均:感覚に優れたものなら察知できるだろう。
生駒均:ごくごく小さなテッポウエビが、そのハサミと紅の魔眼を向けている。
紫東響次:「これは……」
生駒均:走り寄ったネズミが牙をむく。蟻がまとわりつく。蜂の針が突き刺さる。
生駒均:共通点は1つ。群れという集団の利益の為に、自らの生命を捨てることも厭わない。
生駒均:真社会性生物のキュマイラ。
紫東響次:「何だ、これは……! よせ、矮小な生き物どもが……!」
生駒均:「そうやって」
生駒均:「これまで沢山の人を、要らないって潰してきたの?」
生駒均:「……それとも、分かってたからなのかな。その人たちの凄さを」
紫東響次:「ち、違う……」
紫東響次:「私だ。一番優れているのは、私なんだ!」
GM:異形の猛禽が力無く翼を羽ばたかせる。
生駒均:「そう」
生駒均:その心が、どんな風に歪んでたどり着いたものか。自分には分からない。
生駒均:だが、どんな理由があっても。
生駒均:「オレ、群れは嫌いだけどさ。皆は好きなんだよね」
生駒均:異形の背の背後に現れる、人の姿。
紫東響次:フクロウの怪物がゆっくりと振り返る。
生駒均:「だから、あんたのやることは許せない。……おやすみ」
生駒均:力場をまとわせた拳が、男の頬に突き刺さる。
GM:男の体が地面に叩き付けられ、地面が大きくえぐれる!
GM:怪物は、その場に倒れ伏す。
生駒均:再び動かないのを確認し、
生駒均:「こっちは片付いた!あと、お願い!」
生駒均:痣だらけの顔で仲間へと振り返る。
桟坂 カレン:「──ええ、任せて」
桟坂エリカ:「おや、やられてしまったか、教授。キミの無念を晴らすためにも最後まで契約を履行してやるとしよう」人形のような無表情で言う。

GM:では、生駒くんの番はこれで終了!
GM:次は同じく行動値7のカレンさんの番です!
桟坂 カレン:わかった。
桟坂 カレン:マイナー。"Prélude -前奏曲-"《ポルターガイスト》 侵蝕[+4] "カンタービレ"を選択し、破壊。エピックにより破壊を無効に。シーン間、攻撃力[+31]
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を4増加 (111 → 115)
桟坂 カレン:メジャー。"Rondo -輪舞曲-"《C:ノイマン》《コントロールソート:射撃》 侵蝕[+4] 射程:300mの単体射撃攻撃 同エンゲージ対象不可
桟坂 カレン:対象は──桟坂エリカ。
GM:やばそうだ
GM:来るがいい
桟坂 カレン:(5+0+3)dx7+7+2+1
DoubleCross : (8DX7+10) → 10[1,1,3,4,6,6,8,10]+10[4,9]+10[8]+6[6]+10 → 46

GM:高くない!?
初芝実 透:いけー
GM:では、ドッジを宣言!
GM:6dx+3
DoubleCross : (6DX10+3) → 10[4,7,8,9,9,10]+6[6]+3 → 19

GM:全然だめ!
生駒均:こわっ
不知火蛍:ちょっと頑張った
初芝実 透:こわい
GM:ダメージお願いします!
桟坂 カレン:5D10+31+31 装甲・ガード値有効
DoubleCross : (5D10+31+31) → 25[2,3,5,5,10]+31+31 → 87

桟坂 カレン:1d10 HPロス
DoubleCross : (1D10) → 8

GM:つ、強い、強い!
初芝実 透:つよい
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を4増加 (115 → 119)
不知火蛍:すごい事になってる
GM:オートアクションで《ひらめきの盾》を使用!
GM:ダメージを10点軽減!
GM:77点喰らって
GM:それでも、半分以上のHPを持っていかれた……!
生駒均:なかなかタフ!
GM:カレンさんも強いな……!
初芝実 透:なかなかの体力
桟坂 カレン:やるわね……
GM:では、演出どうぞ!

桟坂 カレン:「律儀に契約履行する必要はないと思うわよ」 燕尾服の女に、声を投げる。
桟坂エリカ:「これでも商売人としてのプライドがありますので」
桟坂 カレン:「……そう、交渉は失敗ね」
桟坂エリカ:「そして、何よりもあなた方との決着がまだ付いていない」ライフル銃を弄んで言う。
桟坂 カレン:「──なら。望むように」
桟坂 カレン:「「「"少女黒鍵(ニグレド・メイデン)"──起動(オーヴァーチュア)」」」
桟坂 カレン:呼応するように、奈落の顎門が、花開く。
桟坂 カレン:見通せぬ闇の内より這い出でた漆黒の蛇が、絡みつくように少女の肢体に影を落とす。
桟坂 カレン:傅くは、影を煮詰めたような黒。長いツインテールが対称的に少女性を顕し、陽光を反射して煌き靡いた。
桟坂 カレン:「(──これを、美しいと人は言う。こんなにも醜悪で、血に塗れた姿だというのに)」
桟坂エリカ:漆黒の燕尾服姿で無骨なライフル銃を構え、迎え撃とうとする。
桟坂 カレン:「一族の悲願も、彼岸も馬鹿らしい。私は、全てに"抗う"わ」
桟坂 カレン:「──それが、この"少女黒鍵"の与えてくれる唯一のもの。感情を薪として燃やし、全ての抑圧に抗う力を与えうるもの」
桟坂 カレン:艶消しの無骨なライフル銃が、真っ直ぐに女に向く。
桟坂 カレン:「──謳え、"カンタービレ"」
桟坂 カレン:顎門が咆える。反動が身体を、髪を揺らす。
桟坂 カレン:ただ一発の弾丸が、女の喉元を穿たんと迫る。
桟坂エリカ:銃撃を逸らそうと、ライフル銃を放つ。だが、ほんのわずかだけ照準をずらすことしかできない。
桟坂エリカ:「チッ……!」まともに銃撃を受け、その場で大きく体勢を崩す!
桟坂 カレン:女が苦悶の表情を浮かべたように、少女の表情も罅割れるように歪んだ。
桟坂 カレン:全ての抑圧に抗う力を与え得るもの。代償として、"感情"を喰い尽くす魔性の遺産。
桟坂 カレン:臓腑の灼かれるような痛みに、嗚咽が溢れそうになる──全てを呑み込む。
桟坂エリカ:血に塗れた燕尾服姿で、女はなおも立つ。
桟坂エリカ:「こんなものか……『少女黒鍵』の力は……!」
桟坂 カレン:「いいえ、まだ」
桟坂 カレン:「燃やすべき薪は、この身の内に」
桟坂エリカ:「それでこそだ。当代継承者、桟坂カレン!」
桟坂エリカ:「キミが一族の宿命に抗うというのなら、私の屍を越えてゆくがいい!」

GM:では、カレンさんの行動はこれで終了!
GM:1ラウンド目はこれで終了になります!
GM:2ラウンド目!
GM:まずはセットアップから。
GM:行動がある人は宣言をお願いします。
初芝実 透:もうないです
生駒均:どうしよっかな!
GM:エリカは無し。
桟坂 カレン:こちらもないわ。
生駒均:ターゲットロックだけ使っておきます。対象はエリカさん!
生駒均:生駒均の侵蝕率を3増加 (138 → 141)
GM:オーケー!
生駒均:エリカさんのみ攻撃のとき攻撃力+12。以上!
不知火蛍:加速装置のみ使用。行動値が4から12上がって16になります
GM:あっ、行動値16!?
不知火蛍:これが100%越えの力だ
生駒均:先手だ!
GM:蛍ちゃん、エリカの行動値を超えるのか……!
初芝実 透:なるほど!
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を2増加 (114 → 116)
不知火蛍:不知火蛍のイニシアチブを16に変更 (12 → 16)

▼エンゲージ
(エリカ[15])
   5m
(初芝実[8]、不知火[16])
   5m
(カレン[7]、生駒[7])
[]内は行動値

GM:オーケーです。
GM:では、演出ある人はどうぞ!
GM:なければそのまま進めるよ!
生駒均:私はなし!
不知火蛍:ないです!(攻撃とまとめる予定)
GM:了解です。
GM:では、セットアップはこれで終了!
GM:ここからはイニシアチブ順にやっていきます。
GM:まずはエリカを超えて一番早くなった行動値16の蛍さんの番!
不知火蛍:はーい!
不知火蛍:マイナーで戦闘移動、エリカのエンゲージに接敵

▼エンゲージ
(不知火[16]、エリカ[15])
   5m
(初芝実[8])
   5m
(カレン[7]、生駒[7])
[]内は行動値

GM:ぎゃー、来た
不知火蛍:そりゃ行きますって
不知火蛍:メジャーでこれ!
不知火蛍
灰被り姫は止められない(シンダーエラ・キャント・ストップ)
コンセントレイト:ブラックドッグ+アームズリンク+バリアクラッカー 侵蝕8
(100以上)白兵攻撃(装甲無視、ガード不可) (8+侵蝕)dx7+6 攻撃力20(強化素材効果でさらに+1)

GM:やばそう
不知火蛍:ふつうふつう
GM:では、命中判定をどうぞ!
不知火蛍:はい!
不知火蛍:11dx7+6 とりゃー
DoubleCross : (11DX7+6) → 10[1,2,3,6,7,8,9,9,10,10,10]+10[3,5,8,9,9,10,10]+6[1,2,2,3,6]+6 → 32

GM:いい出目……!
不知火蛍:ぼちぼち!
GM:こちらはドッジを宣言!
GM:6dx+3
DoubleCross : (6DX10+3) → 8[1,5,6,6,8,8]+3 → 11

GM:ドッジ失敗……!
GM:ダメージどうぞ!
不知火蛍:4d10+21 ダメージどーん!
DoubleCross : (4D10+21) → 31[9,5,8,9]+21 → 52

不知火蛍:さ、殺意
GM:高い……!
不知火蛍:装甲無視!
GM:オートアクションで《ひらめきの盾》を使用!
GM:10点軽減!
GM:だが、どうにもならん……!
GM:エリカは一度戦闘不能になります……!
GM:まずは演出どうぞ!

不知火蛍:「それじゃ」 友達と呼んだ女性に銃弾が撃ち込まれるのを見届け、深紅のブーツの踵を2回、地面に打ち付ける
不知火蛍:幾度となく繰り返したルーティン。敵を本気で狙いに行くときのおまじない。
桟坂エリカ:それを見て、すぐさまライフル銃を構え直す。
不知火蛍:「行くよ、エリカ……歯食いしばりなよっ!」 言葉と同時、発生した電光すら置き去りにして、少女が疾駆する
桟坂エリカ:「蛍……!」牽制のためにライフル銃を放つ。ほんのわずかに勢いを殺す。
不知火蛍:「っ……!」 銃弾が肩を抉る。抉られた部分が黒い灰となって散る。勢いを殺させない最短ルート
桟坂エリカ:「バカな……! 自分の体を犠牲にして……!」
不知火蛍:「っらぁぁぁぁっ!」 その勢いのまま、半分飛び蹴りにも近い前蹴りを、エリカに見舞った。
GM:少女の体が軽々と吹き飛ぶ!
桟坂エリカ:「蛍……ッ!」
不知火蛍:「エリカっ……!!」
GM:倒れた彼女の体が、起き上がってキミを睨む。
GM:《ラストアクション》を使用。
GM:このままエリカはメインプロセスを行います!
GM:と言っても、フォールンガトリングは同エンゲージ不可なので
GM:素手だな
GM:マイナーはなし
GM:メジャーで《バリアクラッカー》を使用。
GM:素手で蛍さんに攻撃します!
不知火蛍:す、素手パンチ!
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を8増加 (116 → 124)
不知火蛍:ひとまずメジャーの侵蝕を上げて……こーい!
GM:命中判定いきます!
GM:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 7[1,2,3,4,5,7] → 7

GM:達成値は7
GM:リアクションどうぞ!
不知火蛍:かわすのはなんか違うな……
不知火蛍:ガードします!
GM:オーケー。
GM:では、ダメージいきます。
GM:素手の攻撃力、-5か
GM:1d10-5
DoubleCross : (1D10-5) → 10[10]-5 → 5

GM:5点ダメージ。装甲無視!
不知火蛍
灰の誤謬に心はない(シンダー・エラー・ハズ・ノー・ハート)
D屍人
自身へのダメージを常に2d10軽減

GM:あっ
不知火蛍:5-2d10
DoubleCross : (5-2D10) → 5-9[2,7] → -4

不知火蛍:ごめんね
GM:防ぎきった……!

GM:起き上がった女は、拳を振りかぶりってキミに殴りかかる!
桟坂エリカ:「蛍ッ!お前は、どうしてそう、自分の体を大切にしないんだッ!」
桟坂エリカ:「何が、死体のなりそこないだ!お前は、人間だって、不知火蛍だって、私は何度も何度もそう言ったじゃないか!」
GM:わずかに雷光をまとった拳が振り下ろされる!
不知火蛍:「っ……!」 反射的に手で防ごうとする。防げない。エリカの拳が肩口を捉え
不知火蛍:そのまま、肩が灰になって崩れ落ち、貫通する
不知火蛍:「……だって、しょうがないじゃん」
桟坂エリカ:「その体のこと、なんでもっと早く私に相談しなかった。知っていたらもっと……!」
不知火蛍:「知ってたら、どうしたの? 優しくしてくれた? 慰めてくれた?」 「……自分を人形のなりそこないって言うの、やめてくれた?」
桟坂エリカ:「もっとキミのそばにいれた!」
不知火蛍:「っ!!」
桟坂エリカ:涙を拭いながらライフル銃をもう一度構え直す。
桟坂エリカ:「見ていろ、蛍。全てを終わらせる」

GM:オートアクションで《自動体内式除細動器》を使用。
GM:エリカは戦闘不能を回復します!
GM:このまま行動値15のエリカの番に移ります!
GM:マイナーアクションで《ポルターガイスト》を使用。
GM:フォールンガトリングを指定。その分の攻撃力が上がりますが、メインプロセスの終了時に武器は破壊されます。
GM:メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》+《コンバットシステム》+《神機妙算》+《バリアクラッカー》を使用。
GM:フォールンガトリングでカレンさんと生駒くんのエンゲージを狙います!
GM:命中判定いくぞ!
生駒均:さて
桟坂 カレン:来なさい。
生駒均:<孤独の魔眼>……と言いたいところだけど
生駒均:通したほうが良い?カレンちゃん
桟坂 カレン:大丈夫。任せて
生駒均:了解、任せた。そのまま通します
GM:では、このまま命中判定いきます!
GM:12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,2,2,2,3,4,5,6,6,7,8,8]+10[2,5,9]+4[4]+4 → 28

生駒均:やるだけドッジ!
GM:命中の達成値は28!
生駒均:7DX+1+0@10>=28 回避
DoubleCross : (7DX10+1>=28) → 10[1,3,3,7,7,9,10]+7[7]+1 → 18 → 失敗

桟坂 カレン:5dx>=28 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=28) → 8[3,3,3,5,8] → 8 → 失敗

生駒均:がんばったけど!
初芝実 透:回ってる
GM:生駒くん、頑張った
桟坂 カレン:では、"Elegy -哀歌-" 《マグネットフォース》 侵蝕[+2] 行動権を消費せずカバーリングを行う
生駒均:ごめんよ、助かる!
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を2増加 (119 → 121)
GM:では、ダメージいきます!
GM:40+3d10
DoubleCross : (40+3D10) → 40+25[10,10,5] → 65

GM:65点。装甲無視、ガード値無視!
桟坂 カレン:殺意が……装甲で7点カット、58点の二倍値を受けて、当然耐えきれない。HPゼロ。
桟坂 カレン:であれば、ここでオート。"da capo -ダ・カーポ-"《ラストアクション》 侵蝕[+5] メインプロセスを行う
GM:ラストアクション……!
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を5増加 (121 → 126)
桟坂 カレン:マイナーはなし。
桟坂 カレン:メジャー。"Rondo -輪舞曲-"《C:ノイマン》《コントロールソート:射撃》 侵蝕[+4] 射程:300mの単体射撃攻撃 同エンゲージ対象不可
桟坂 カレン:対象は勿論エリカ。
GM:では、命中判定どうぞ!
桟坂 カレン:(5+0+3)dx7+7+2+1
DoubleCross : (8DX7+10) → 10[1,3,3,4,4,6,10,10]+5[1,5]+10 → 25

生駒均:一応投げようか?
桟坂 カレン:ありがたく!
生駒均:そんじゃ<バディムーブ> コンボ:ワーカーアシスト
生駒均:自分以外のダイスロール直後に使用、達成値を+3!
桟坂 カレン:達成値28に。リアクションを!
GM:ワンチャン回避狙いだな
GM:6dx+3
DoubleCross : (6DX10+3) → 8[1,2,3,5,5,8]+3 → 11

GM:だめか……!
GM:ダメージどうぞ!
桟坂 カレン:3D10+31+31 装甲・ガード値有効
DoubleCross : (3D10+31+31) → 20[10,3,7]+31+31 → 82

GM:強い……
桟坂 カレン:桟坂 カレンの侵蝕率を4増加 (126 → 130)
GM:その攻撃は、どうしようもない!
GM:桟坂エリカは今度こそ完全に戦闘不能です!
桟坂 カレン:良し……
初芝実 透:よし!
生駒均:勝った……!
不知火蛍:エリカ……ばか
GM:では、演出いきます。

GM:桟坂エリカは、ボロボロの燕尾服姿で不知火蛍のそばに立ち、ライフル銃を構える。
桟坂エリカ:「……キミに見届けて欲しい。私の大勝負の行方を」
桟坂エリカ:「そして、願わくば私の勝利を応援してくれないか」冗談めかして言う。
不知火蛍:「……もう、しょーがないわね」
不知火蛍:「友達のお願いだもん、つきあってあげますか……たーだーし」
桟坂エリカ:「ただし?」
不知火蛍:「勝利は応援してあげるけど、勝ったか負けたかはわたしが決めます。OK?」
桟坂エリカ:「オーケー。十分だ」
桟坂エリカ:クルクルとライフル銃を回し、遠方のカレンたちに照準を合わせる。
桟坂エリカ:スクラップ部品が組み合わさったような無骨なライフル銃がバチバチと帯電する。
桟坂エリカ:「失敗作だった私は、今キミを超える」
桟坂エリカ:「勝負だ、桟坂カレン」
桟坂 カレン:「──来なさい」
桟坂エリカ:一条の雷光が迸り――
桟坂エリカ:「――踊れ、“メヌエット”」
GM:無数の銃弾が二人を目掛けて乱射される!
生駒均:手をのばす。重力によって、攻撃を引き寄せようとして
生駒均:「……っ」
生駒均:その手を止める。止めてしまった。
桟坂 カレン:打ち出されると同時、軌道上に躍り出る。まるで弾丸を迎えるように、疾走った。
桟坂 カレン:黒衣が翻る。その手を遮るように。
生駒均:「……うん」
生駒均:「分かったよ。勝負するんだね」
桟坂 カレン:「大丈夫よ」「そこで待っていて」
生駒均:「うん。止めないから」
生駒均:「無事で」
生駒均:ただ、言葉だけを。
GM:飛来した弾丸が煌めき、カレンの体をえぐる!
桟坂エリカ:「私の勝ちだ……ッ!」
桟坂 カレン:数歩。真っ直ぐに向かい来る弾丸が、肢体を抉った。
桟坂 カレン:為す術なく撃ち抜かれる。その身は穿たれ、血を吐き零し、──されども漆黒の戦装束には一つの疵もなく。
桟坂 カレン:「望み通り、踊ってあげる」
桟坂エリカ:「……!」
桟坂 カレン:少女の疾駆は止まらない。赤い血の軌跡を残し、壇上に駆け上がるように。
桟坂 カレン:駆け寄る様──無音のまま、ライフル銃が黒いリボンのように解け、手元で結い直されていく。
桟坂 カレン:幾重にも呪句が刻まれたショットガン。桟坂カレンが"少女黒鍵"を初めて手にした日、形どった"原点"。
桟坂 カレン:少女の"魂"の形が、そこに在った。
桟坂 カレン:「さあ」「踊りましょう」
桟坂 カレン:"機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)"は、此処にはいない。
桟坂 カレン:在るのは、己の矜持を奮い立たせて立ち続ける女が二人。
桟坂 カレン:決着を望むのならば、それは己が手によって。
桟坂 カレン:「──啼け、"カンタービレ"!」
桟坂エリカ:咄嗟にライフル銃を構え直す、向けるが。
桟坂エリカ:先ほどの射撃の反動で、ライフル銃は既に作動していない。
桟坂エリカ:「……ああ、そうか」
桟坂 カレン:顎門は、女の傍らに。
桟坂 カレン:その身体に、口吻を落とすように、触れる。
桟坂 カレン:「──眠って」
GM:女は胸を撃ち抜かれ、その場で力なくクルクルと舞う。
GM:そのまま傍らの少女にもたれかかるようにして女は倒れる。
桟坂 カレン:「…………」「急所は、外してある」
桟坂 カレン:「……エリカは、怒るでしょうけど」
桟坂エリカ:「……ピアノの音、私にも聞こえたよ」息も絶え絶えにそう言う。
桟坂 カレン:「……っ」
桟坂エリカ:「ようやく聞こえた」
桟坂 カレン:返ってくると思わなかった言葉に、僅かに戸惑いながら。
不知火蛍:「……」 エリカの背を抱え、静かに撫でる
桟坂 カレン:「──そう。なら、良かったわ」
不知火蛍:「お疲れ様、エリカ」
桟坂エリカ:「……ありがとう」
不知火蛍:「……どういたしまして」
不知火蛍:それ以上は言葉にならず、静かに頬を寄せた
初芝実 透:……その様を静かに見守りながら、倒れた男の方へ。
GM:紫東は倒れ伏したままだ。
初芝実 透:エージェントとしてその様子を確認しながら、思う。
初芝実 透:(私は、あなたが正しいとは思わない。紫東さん)
初芝実 透:(同時に、私自身が本当に正しいのかどうかもわかってはいないんです)
初芝実 透:(でも、美しかったでしょう?)
初芝実 透:(ああして何もかもに立ち向かい、傷つきながら可憐に咲く花は)
初芝実 透:(私はそれが、生きて輝き咲き続けるところをこそ、見守っていたい)
初芝実 透:(……道は分かたれました。より困難な方に。それでは)
初芝実 透:ひらり、と血の染みを残した白いハンカチを男の顔に。
初芝実 透:いつも表の仕事でするのと同じように。慣れた手つきで。
GM:コンクール会場の方から聞こえていた不格好だが美しかった旋律が鳴り止む。
GM:その代わりに、そちらの方から割れんばかりの大きな拍手が響いてきた。

GM:シーン終了。
GM:では、クライマックスフェイズはこれで終了になります!
GM:ここからはお待ちかねのバックトラックになります!
生駒均:うおー
生駒均:無事帰るぞ!
不知火蛍:どんどこどんどこ
初芝実 透:うおー
初芝実 透:なんだかんだ全員なかなかになってる
桟坂 カレン:帰るぞ~~~
GM:まずメモリーを持っている人はこの段階で1つにつき侵蝕率を10点引き下げてください
初芝実 透:帰る!
生駒均:下げます!
桟坂 カレン:備えがある えらい
生駒均:生駒均の侵蝕率を-10増加 (141 → 131)
不知火蛍:持ってない……
GM:これが思い出の力……!
初芝実 透:なし!
生駒均:自分だけ上がる構築なので……
GM:いい感じに下がった
GM:次に今回のEロイスが紫東が持っていた6つ!抱え落ちしたものも多かったけど
GM:自分への攻撃に対して使用されたタイタス昇華を無効化するEロイスとか使うタイミングが難しいんですよね
生駒均:もらっていきます 全部振ります
生駒均:そんなのあったんだ
初芝実 透:そうとは
GM:そんなわけで、振る人は6d10引き下げてください!
桟坂 カレン:あったなーそんなの
初芝実 透:振ります!
生駒均:全部振ります!
不知火蛍:振ります!
初芝実 透:135-6d10
DoubleCross : (135-6D10) → 135-25[1,2,8,1,10,3] → 110

桟坂 カレン:130-6d10
DoubleCross : (130-6D10) → 130-37[10,7,8,2,4,6] → 93

生駒均:131-6d10
DoubleCross : (131-6D10) → 131-33[1,6,8,5,7,6] → 98

生駒均:よし確定!
不知火蛍:124-6d10
DoubleCross : (124-6D10) → 124-32[6,2,7,8,4,5] → 92

GM:初芝実さんがまだ危ない!
初芝実 透:出目ーー
桟坂 カレン:ミトさんの出目がちょっと低い……
生駒均:まあこんだけ下がれば大丈夫大丈夫……
初芝実 透:ロイス6個か。等倍!
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を32減少 (124 → 92)
生駒均:そのまま等倍振ります
GM:では、あとはタイタス化してないロイスの数だけ侵蝕率を下げてください
初芝実 透:110-6d10
DoubleCross : (110-6D10) → 110-25[1,5,5,1,10,3] → 85

生駒均:98-6d10
DoubleCross : (98-6D10) → 98-30[10,6,3,5,5,1] → 68

生駒均:あっ4点!
初芝実 透:うっし
生駒均:帰還です
初芝実 透:5点で帰還です
GM:えらい
桟坂 カレン:93-6d10
DoubleCross : (93-6D10) → 93-31[1,9,8,2,6,5] → 62

桟坂 カレン:4点。帰還よ
GM:結構下がった
不知火蛍:帰還は確定してるけど、D屍人の処理の関係で計算式じゃなくてダイスを振ります。
不知火蛍:等倍!
不知火蛍:6d10
DoubleCross : (6D10) → 39[7,8,7,2,5,10] → 39

不知火蛍:で、10が1になります。
GM:結構デメリットがキツい!
桟坂 カレン:デメリットェ……
不知火蛍:不知火蛍の侵蝕率を30減少 (92 → 62)
GM:帰還!
不知火蛍:4点で帰還!
GM:では、皆さん、無事に帰還することができましたね
GM:おめでとうございます!
桟坂 カレン:よかったー
初芝実 透:よかったーーー
生駒均:よかった!ただいま!
不知火蛍:ただいまー!
初芝実 透:ただいま!
GM:それでは、バックトラックはこれで終了になります!

【目次へ戻る】

ED1

GM:ここからはエンディングフェイズに入っていきます。
GM:まず最初は蛍さんのエンディングになります。
不知火蛍:はーい
GM:蛍さんのエンディングは、バーでエリカと再会するシーンになります。

GM:――N市、繁華街。地下のバー。
GM:雰囲気の良い音楽が流れる中、黒いスーツ姿の男装の麗人がカウンター席で居心地悪そうにしている。
桟坂エリカ:「…………」
不知火蛍:「…………」
不知火蛍:男装の麗人を半眼で見つめる女子高生ありけり
桟坂エリカ:「あー、お疲れ様……」
不知火蛍:「はい、お疲れ様」
桟坂エリカ:「私の負け、だな」
不知火蛍:「んー……」
不知火蛍:「いや、確かにあそこはカレンちゃんの勝ちだけど」
不知火蛍:「それはそれとしてエリカは勝ち」
桟坂エリカ:「どこで勝ってた?」不思議そうに言う。
不知火蛍:「生きて帰ってきたじゃん」
桟坂エリカ:「は……?」ポカンとした顔でキミを見る。
不知火蛍:「あの時わたしが決めた勝敗ラインは、『エリカが後でお酒飲む約束を守ってくれたら勝ち』だからね」
桟坂エリカ:「な、何だ、それ……!」
桟坂エリカ:「全然あの場あの時に関係ないじゃないか!」
不知火蛍:「関係なくないよ」
桟坂エリカ:「どう関係ある?」
不知火蛍:「エリカがあそこで死んだら、あの後ジャーム化してたら、してなくてもここに来れないような状況になってたら」
不知火蛍:「……わたしが決めた事、大事に思ってなかったら」
不知火蛍:「そのどれかだったらダメだったからね」
不知火蛍:「正直、結構分の悪い勝負だと思ってましたが」
桟坂エリカ:「……そうか」
桟坂エリカ:「だったら、確かにこれは私の勝ちだな」
不知火蛍:「そういうこと」 にっこり笑って
桟坂エリカ:「私は今キミと会って話をして、こんなに満ち足りた気持ちになっている」
桟坂エリカ:「私の勝ちだ」気障な笑みを浮かべて言う。
桟坂エリカ:「……蛍とまたこうして会えて良かった。本当に」
不知火蛍:「ん」 笑い返して
桟坂エリカ:「蛍。私はこの後UGNに出頭するつもりだ」
桟坂エリカ:「色々と汚いことに手を染めてきた。罪を償うよ」
不知火蛍:「……そか」
桟坂エリカ:「なあ、蛍。よかったらこれからもあの子の……桟坂カレンの友達でいてやってくれないか」
桟坂エリカ:「蛍にも友達は必要だし。私の代わりにね」
不知火蛍:「うん。それはもちろん」 頷いて 「カレンちゃんにはちょっとした恩もあるしね」
桟坂エリカ:「私はほら、良くて無期懲役、悪けりゃあ縛り首だろ?」冗談めかして自分の首元でジェスチャーをする。
不知火蛍:「それはダメ」
桟坂エリカ:「ダメか」
不知火蛍:「無期懲役になっても、模範囚になって刑期短縮してもらうように」
桟坂エリカ:「蛍先生は厳しいな」
不知火蛍:「エリカは甘やかすとダメだからねー」
桟坂エリカ:「いや、私としてはもっとベタベタに甘やかして欲しいんだが……」
不知火蛍:「甘やかしてたら悪いお家に捕まってた子が何か言ってる」 つーん
桟坂エリカ:「いや、その、それは私のせいか? 私のせいか……」
桟坂エリカ:「蛍だって私の知らないうちに死んだり生き返ったりしてたじゃないか!」
不知火蛍:「うぐ」
不知火蛍:「それは、まあ、その」
不知火蛍:「……ゴメン」
桟坂エリカ:「謝るようなことじゃないさ」
桟坂エリカ:「というか、蛍に言ってなかったことがあるんだ」
不知火蛍:「?」
桟坂エリカ:「私はね、今も昔もずっとキミに救われていたんだ」
桟坂エリカ:「キミとこうして会って話をすることだけが私の支えだった」
不知火蛍:「エリカ……」
桟坂エリカ:「私はキミの些細な変化にも、キミの悩みにも気付いてあげられなかったけど」
桟坂エリカ:「今も昔も、不知火蛍は私を救ってくれていたよ」
不知火蛍:「……そか」
桟坂エリカ:「だから……何だろう。自信を持って」
桟坂エリカ:「キミは、キミだ」
不知火蛍:「……ふふっ」 こぼれるような笑み
不知火蛍:「ありがと、エリカ。エリカがそう言ってくれるなら」
不知火蛍:「『わたし』は、不知火蛍でいられそう」
桟坂エリカ:「そうしてくれ。キミがキミでいてくれるのが、私も一番嬉しい」
桟坂エリカ:「こう見えても一流の楽器商人だ。審美眼は確かだぞ」
不知火蛍:「うん。……ありがと、エリカ」 噛みしめるように、もう一度
GM:話しているうちに、キミたちが頼んでいたカクテルが手元に届く。
桟坂エリカ:「話し込んですっかり遅くなってしまったけれど、乾杯しようか」
不知火蛍:「おっけー。何に乾杯する?」
桟坂エリカ:「うーん……」人形のようなすまし顔で考え込む。
桟坂エリカ:「私たちの友情に?」
不知火蛍:「んー。……あ、それならさ」
桟坂エリカ:「お。何だい?」
不知火蛍:「これまでのわたしたちの友情と」
不知火蛍:「これからのわたしたちの友情に」
桟坂エリカ:「ああ。それがいい」
桟坂エリカ:グラスを小さく掲げる。
不知火蛍:同じく、グラスを手に取って
桟坂エリカ:「乾杯」小気味のいい音が響く。
不知火蛍:「乾杯っ」 涼やかな音を耳に残しながら、カクテルを口に運んで
桟坂エリカ:「それ、アルコールか?」グラスを傾けると言う。
不知火蛍:「ノンアルー。あと3年お待ちください」
桟坂エリカ:「えー。今日くらいいいだろう、蛍」
不知火蛍:「だーめ。エリカの刑期これ以上伸ばしたくないもの」
桟坂エリカ:「……今のうちに聞いておくんだが、UGNって泥酔した状態で出頭したら良くないかな?」
不知火蛍:「心証は確実に死ぬんじゃないかな……」
桟坂エリカ:「ま、いっか! 優しい蛍先生がきっとフォローしてくれるさ!」
桟坂エリカ:そう言ってグラスを一気にあおる。
不知火蛍:「ま、いっかではないが!?」
不知火蛍:「……まあ」
不知火蛍:「今日ぐらいは、いいか」
桟坂エリカ:「蛍。キミほど優しい人間はいないな」愉快そうに笑って言う。
不知火蛍:「そうかな。そうかも」
不知火蛍:「……シャワーか何かで抜くのはやっといた方がいいかな……」
桟坂エリカ:「一度寝てから出頭した方がいいかな……」
桟坂エリカ:「もちろんホテルにも付き合ってくれるんだろ?」
不知火蛍:「まあ、そのぐらいは」
不知火蛍:「……ちゃんとしたとこだよね?」
桟坂エリカ:「ちゃ、ちゃんとしてないところの可能性は考えていなかったな……」
不知火蛍:「…………」
桟坂エリカ:「お望みならエスコートするけれど」そっとキミの手を握る。
不知火蛍:「やめてー、補導されるー」
桟坂エリカ:「その前に私が捕まる」
不知火蛍:「それはそう」
桟坂エリカ:「あと3年くらいは待ってることにするよ」
不知火蛍:「……ふふっ。そうしてもらえると幸いです」
桟坂エリカ:「それじゃあ、今日はのんびりと飲もうか」
不知火蛍:「3年ぐらいで出てきてね」
桟坂エリカ:「そりゃあよっぽどの模範囚にならなきゃな」
不知火蛍:「うん。でもエリカならできるでしょ?」
桟坂エリカ:「それはまあ、こう見えても一流のビジネスマンですから」芝居がかった礼をする。
桟坂エリカ:「そう長くはキミを待たせないさ」
不知火蛍:「うん。期待して待ってるからね」
桟坂エリカ:「ご期待には全力で答えましょう」
桟坂エリカ:「…………ありがとう、蛍」小さな声で呟く。
不知火蛍:「んー? 何か言った?」 満面の笑みで
桟坂エリカ:「いいや。何も」愉快そうに笑い返す。
桟坂エリカ:「ほら。グラスが空いているぞ、蛍」
不知火蛍:「おっとと。じゃあ、そうだね」
不知火蛍:「モスコミュールもらおっと。ノンアルで!」
不知火蛍:エリカのおすすめのモスコミュール。
不知火蛍:もう3年ぐらいは、愛飲することになりそう、かな。

GM:夜は徐々に更けていく。
GM:キミたちは笑い合いながら心穏やかな時間を過ごした。
GM:シーン終了。

【目次へ戻る】

ED2

GM:では、次は初芝実さんのエンディングになります。
GM:初芝実さんのエンディングは、霧谷雄吾から事件の後処理についての話をされたり何かをもらったりするシーンになります。

GM:――事件から少しして。
GM:UGN、N市支部。
GM:キミは事件の後始末のため、通信越しに霧谷雄吾と会話をしていた。
GM:モニターには温和な表情を浮かべた男の姿がある。
霧谷雄吾:「初芝実さん、今回は本当にお疲れ様でした」
初芝実 透:「はい」姿勢を正し、その声を聞く。
霧谷雄吾:「ジャーム……紫東のこれ以上の凶行を防げたのは何よりでした」
初芝実 透:「……全くです」
初芝実 透:あのまま放置していれば、どれほどの才能が摘み取られていたのか、と考える。
霧谷雄吾:「このまま対処が遅れればより被害は拡大していたでしょう。改めてお礼申し上げます」
初芝実 透:「勿体ないことです。均くん、不知火さん、カレンさんの力があってこそ、ですし」
霧谷雄吾:「ご謙遜を」
初芝実 透:(謙遜は特にしていないんだけどなあ……)していない。
霧谷雄吾:「……ただ被害者である阿奏戯さんには、まだ軽い後遺症が残っているそうで」
霧谷雄吾:「初芝実さん。これはちょっとした世間話なのですが」
初芝実 透:「……? はい」
霧谷雄吾:「一般的にはレネゲイド由来の医療技術というのはそう簡単に民間に解放すべきではないとされています」
霧谷雄吾:「情報操作の観点などもありますからね」
初芝実 透:「……そうですね。秘匿に問題ありとされることが多いように思います」
霧谷雄吾:「今回、労働厚生省絡みでたまたま最先端医療の被験者の協力要請がありまして」
初芝実 透:「…………」
初芝実 透:重要な話の際に突然される世間話には、それなりの意味があるということは知っている。
霧谷雄吾:「誰かそういった最先端医療の被験者を、日本支部として探していたところだったのですが」
霧谷雄吾:「初芝実さんの周りでどなたか心当たりがあったりはしませんでしょうか」
初芝実 透:「……そうですね。ええと、世間話ですが」
初芝実 透:「一名、負傷をして後遺症に苦しんでいる方を知っています」
初芝実 透:「医学の進歩のためでしたら、快く協力をしていただけるのでは、と」
初芝実 透:(……私が)
初芝実 透:(もう少し早く到着していれば、もしかしたら、救えたかもしれない相手です)
初芝実 透:そんなことは、目の前の人物はよく知っているだろうが。
霧谷雄吾:「そうですか。では、もしよろしければ話を通しておきたいと思います」
初芝実 透:「……よろしくお願いします」
霧谷雄吾:「通常の治療を受けるよりも格段に回復は早くなるでしょう」
霧谷雄吾:「もちろん、本人のリハビリも重要でしょうが」
初芝実 透:「きっと、やり遂げるでしょう。彼は」
初芝実 透:「もう一度、思うがままにピアノを弾くために……」
霧谷雄吾:「そうですか。では、その件はそういった形で進めさせていただきます」
初芝実 透:頭を下げる。
霧谷雄吾:「それと、もう一件」
初芝実 透:「はい」
霧谷雄吾:「これはあなたに話しておきたいと思います」
霧谷雄吾:「『桟坂』のことです」
初芝実 透:「……!」
初芝実 透:頭を上げる。
霧谷雄吾:「今回の件について私から先方を問いただしましたが、全ては桟坂エリカの独断での行動であるとの一点張り」
霧谷雄吾:「ていの良い尻尾切りですね」
初芝実 透:「そう、ですか……」
霧谷雄吾:「今はまだUGNと正面から事を構えるつもりはないということなのかもしれませんが、ここから何を仕掛けてくるかは分かりません」
初芝実 透:UGNとは関係浅からぬ家だと聞いた。
霧谷雄吾:「つまり、カレンさんの身にもいつまた危険が迫るか分からない、ということです」
初芝実 透:(……なるほど。今はしらばっくれる、か……)
初芝実 透:「支部長」
霧谷雄吾:「はい。何でしょう」
初芝実 透:「彼女の身柄をどうにか保護していただくわけにはいきませんか」
初芝実 透:「彼女個人は傭兵とはいえ、我々に協力的な立場です」
霧谷雄吾:「桟坂はUGNにとってはまだ協力企業の立場です。我々が今の段階で大きく動くのは、あまり上手くない」
霧谷雄吾:「ですが」
初芝実 透:「……ですが?」
霧谷雄吾:「任務を通して知り合った仲の良いエージェントが彼女のそばにいて、何か危険があった時に守ってあげる、というのは」
初芝実 透:「…………」瞬き。
霧谷雄吾:「いかがでしょうか、初芝実さん。それならばUGNとしても大きく動かずに済む」
初芝実 透:「……あ、もしかして」
初芝実 透:「ここまでも世間話でしたか……」
霧谷雄吾:「いえ。これは個人的なお願いです」
霧谷雄吾:「……初芝実さん。彼女のことをお願いできませんか」
霧谷雄吾:「私としても、守れるものは守りたい」
初芝実 透:(いろいろ種類があるな……)などと思いつつ。
初芝実 透:「……はい」
霧谷雄吾:「ありがとうございます」
初芝実 透:「お願いがあって、非常に安心しました」
初芝実 透:「何もなければ私、独断専行をしていたかもしれませんので。個人的に」
初芝実 透:「世間話です」
霧谷雄吾:「私も初芝実さんを安心させられて何よりでした」苦笑いをする。
初芝実 透:(日本支部長を苦笑させたと言ったら、同僚は泡を吹くだろうな……)
霧谷雄吾:「ああ、そうだ。初芝実さん。あなたに渡したいものがあります」
初芝実 透:「はい?」
霧谷雄吾:「あなたの目の前に封筒が置いてあるのが分かりますか?」
GM:キミの目の前には、これ見よがしに封筒が置かれているはずだ。
初芝実 透:「ええ……先程から気になっていました」
霧谷雄吾:「どうぞ、開けて構いません」
初芝実 透:言葉に従い、手袋を嵌めた手で封筒を開く。
GM:封筒の中には、N市内の高級ホテルの最上階にあるレストランの招待券が2枚入っている。
初芝実 透:「……?」
初芝実 透:手の中でひらひらと揺らしてみる。
霧谷雄吾:「私がもらったものなのですが、どうにも行く暇が無さそうでして。よければもらっていただけませんか?」
初芝実 透:「え、あの、はい、その」
初芝実 透:「ご厚意はありがたくいただきますが……?」
霧谷雄吾:「たまには骨休めも必要でしょう。あなたにも、彼女にも」
初芝実 透:(彼女というのは、話題的に彼女のことなのだろうな……)
初芝実 透:(…………)
初芝実 透:(話を、したい。今の話も、これからの話も)
初芝実 透:「……ありがとうございます」
霧谷雄吾:「受け取っていただけて助かります」
初芝実 透:「なんというか、ずいぶんと品のある場所ですが……」
初芝実 透:「……彼女には、似合うかもしれませんね」
霧谷雄吾:「初芝実さんにもよくお似合いかと思いますが」
霧谷雄吾:「ああ、ドレスコードはお忘れなく」
初芝実 透:「あ、はい。そこは以前学びました……」
初芝実 透:「エスコートの振りくらいはやってみせようかと」
初芝実 透:盗人なりに、と目を細める。
霧谷雄吾:「上手くいくことを期待していますよ」
霧谷雄吾:「では、また何かあればよろしくお願いします」
霧谷雄吾:「今回は本当にご苦労様でした」
初芝実 透:「……はい。こちらこそ」
初芝実 透:感謝と、いくばくかの疑問を抱きながら頭を下げる。
GM:霧谷雄吾からの通信が切れる。
初芝実 透:チケットを封筒にしまい直す。
初芝実 透:(……連絡をしないといけないな。ただ、その前に……)
初芝実 透:最後の区切りとして、やっておきたいことがあった。
初芝実 透:(ええと、音楽大学に向かえばいいのかな。それとも、インターネットでどうにかできるだろうか)
初芝実 透:(……紫東響次の演奏を聴くのは)
初芝実 透:(あなたが、他の才能を摘み取ってまで大事にしていたもの)
初芝実 透:(何よりも美しいと信じていたもの。私にそれが響くかどうかはわかりませんが)
初芝実 透:(それでも、その音があったことは、覚えていますから)
初芝実 透:くるり、と踵を返し、ドアへと向かう。
初芝実 透:美しさが正しさであると信じていた、一人の男のことを思いながら。

GM:――音楽大学のアーカイブ。または、インターネットの動画で。
GM:1人の今はもういない男がピアノに向き直り、どこか寂しそうに笑った。
GM:シーン終了。

【目次へ戻る】

ED3

GM:では、次は生駒くんのエンディングです!
GM:生駒くんのエンディングは、コンクールが終わった直後に波奏と話をするシーンになります。

GM:――N市音楽ホール。
GM:来堂波奏の演奏は、楽しげで熱意に満ちていてほんの少しだけミスはあったけれど、綺麗な音色を奏でていた。
GM:演奏が終わると、観客席からは拍手喝采が巻き起こっていた。
生駒均:拍手を送る。皆に混ざって、でも紛れないぐらい大きく。
GM:波奏は、興奮した様子で舞台上からお辞儀をしている。
GM:キミに気付くと、彼女はほんの少し笑顔を浮かべる。
GM:――控え室。
GM:波奏はキミの前で放心状態で立っている。
来堂波奏:「し、奨励賞だって。わたしが……!」
生駒均:「やったじゃん!お疲れ様!」
生駒均:「すっげー良かったもん。聞いてて楽しかった!」
来堂波奏:「こんなに良い賞をもらったのわたし初めて」信じられないという顔をしている。
来堂波奏:「生駒均のおかげ。あなたがわたしに気付かせてくれた」
生駒均:「オレの?」
来堂波奏:「そう。誰かのために弾くピアノはこんなにも楽しいんだってこと」
来堂波奏:「わたし、このコンクールで良い結果が出なかったらもうピアノを止めるつもりでいた」
来堂波奏:「でも、今はもう全然これっぽちも止めたくない」
来堂波奏:「まだまだわたしの演奏を聞いていてほしい人がいるし」
生駒均:「……そっか」
生駒均:少し照れくさそうに鼻をこする。
来堂波奏:「……ところで生駒均。ずっと気になっていたのだけれど」
生駒均:「ん?」
来堂波奏:「あなたってもしかして……」じっとキミの方を見る。
来堂波奏:「じーっ……」
生駒均:「な、なにかなー」
生駒均:ぴーぴーとかすれた口笛を吹く。はて、傷はちゃんと消しといたはずだが。
来堂波奏:背伸びをして、グッと顔を近付ける。
生駒均:「わわっ」
来堂波奏:「もしかしてあまり目が良くない?」
生駒均:「………」
生駒均:「そこからかぁ!?」
生駒均:思い切り後ろにのけぞり、おもわずすっ転びそうになる。
来堂波奏:「大問題。つまり、生駒均は……」
来堂波奏:「あっ」
来堂波奏:背伸びをして顔を近付けていたので、思わず一緒に転びそうになる。
生駒均:「や、目の話してなかったっけ……っていうか最初会ったときに、っと」
来堂波奏:「つまり、生駒均はわたしのプリティーフェイスもちゃんと見えていなかったという……」
来堂波奏:「そういうこと?」
生駒均:「……はは」
生駒均:少し、自嘲するように笑って。
生駒均:「ん、まあ……多少は?でもさ」
生駒均:「見えなくても見えてるよ。波奏ちゃんが超絶美少女なのは!」
生駒均:ニカッ、と笑う。
来堂波奏:「自分で言うのはいいけど、他人に言われると恥ずかしい」
生駒均:「やだ、照れ屋さん。……さっきの話さ」
来堂波奏:「さっきの話?」
生駒均:「オレのおかげだって奴」
来堂波奏:「そう言った」
生駒均:「役にたてたなら嬉しいけど、オレが力になれたのはきっと、思い出してもらうとこまで」
生駒均:「自分と皆を喜ばせることができたのは、波奏ちゃんの力だし」
生駒均:「その賞を取れたのは、波奏ちゃんのがんばりだ」
生駒均:「辛くても、分かんなくても、今日までずっと続けてきたんだろ?」
生駒均:「頑張った。すごいんだ。だから、君はプリティーで素敵な女の子」
生駒均:「見えなくたってそれぐらいは分かるもんよ」
来堂波奏:「……」瞳を潤ませながらその言葉を聞く。
来堂波奏:「おたんこなす。外じゃなかったら泣いてた」
生駒均:「うぇ、ごめん」
来堂波奏:「謝ることじゃない」震える声で言う。
来堂波奏:「……ありがとう」
生駒均:「ん!」
来堂波奏:「生駒均。人間には視覚以外にも触覚や聴力がある」
来堂波奏:キミの手を優しく握ると、自分の顔に導く。
生駒均:「わっ」
来堂波奏:小さな顔の形や柔らかな肌の触感がその手に伝わる。
来堂波奏:「これで少しは分かる?」
生駒均:「………」
生駒均:呆けて口をぽかんと開ける。
来堂波奏:「わたしがあなたを感じているように、あなたにもわたしを感じてほしい」
来堂波奏:「あなたはわたしのヒーローだから」
来堂波奏:「『みたい』じゃなく。正真正銘の」そう言って微笑む。
生駒均:「……ふふ」
生駒均:「今、笑ったのは分かった」
生駒均:「でも」
生駒均:「緊張しちゃって大変です!」
来堂波奏:「緊張……?」
来堂波奏:「…………」自分の状況に気付く。
生駒均:「もうー!ちょっと女子ー!」
来堂波奏:顔が真っ赤になる。
生駒均:「あ、熱いですね」
来堂波奏:「言わなくていい」
来堂波奏:「生駒均。このままではわたしは、あなたを婦女暴行拉致監禁その他諸々の罪で訴えることになる」
生駒均:「大変申し訳ありませんでしたー!」
生駒均:「へへ」
生駒均:「ありがと、波奏ちゃん」
生駒均:「……そんな見方もできたんだ」
生駒均:「そっか……そうかあ」
来堂波奏:「また感じたくなったら、いつでもどうぞ」
来堂波奏:「少し恥ずかしいけれど、恩人の頼みなら」
来堂波奏:「わたしのプリティーフェイスをお見せするのもやぶさかではない」
生駒均:「大変にありがたい」
生駒均:手の中に残る熱を、大事に握りしめて
生駒均:「……いつかさ」
来堂波奏:「いつか?」
生駒均:「ちゃんと顔を見て話すよ」
生駒均:「こいつも抜きで」
生駒均:瞳を覆うゴーグルを叩いて、
生駒均:「楽しみにしてるぜ、プリティーフェイス」
来堂波奏:「他人に言われると恥ずかしい……」
生駒均:「オレも割と照れてるので!お互い様!」
来堂波奏:「そう。では、お互い様」
来堂波奏:「でも、あまり時間をかけすぎると、わたしは世界をまたにかけるピアニストとしてあなたの前からいなくなっているかもしれない」
生駒均:「ほっほう、じゃあそうなる前にか」
生駒均:「頑張ろうぜ、お互いに」
来堂波奏:「そういうこと。なんていったって、わたしは奨励賞だから」
来堂波奏:「うふふ。あはは」賞状を手にしてクルクルと回る。
生駒均:「あははは!」
来堂波奏:「笑った……」
来堂波奏:「あ、そうそう。言い忘れていた」
生駒均:「ん?」
来堂波奏:「生駒均。明日もあなたのお弁当、楽しみにしている」
来堂波奏:「あれは実に美味」
生駒均:「なんと」
生駒均:「明日からは一人分、増やしてくるよ」
来堂波奏:「おお。気前がいい」
来堂波奏:「明日からのお昼休みの楽しみができた」
生駒均:「楽しみだね、明日が。その先も」
来堂波奏:「その先。わたしはもっとピアノが上手くなるし、あなたは……」
来堂波奏:「きっと顔を見てわたしとおしゃべりをする」
生駒均:「うん」
生駒均:「楽しみにしててよ。オレも楽しみ!」
来堂波奏:「わたしも楽しみにしてる」
来堂波奏:「きっとわたしたちの未来は素敵なものになる」そう言って笑う。
生駒均:「そいつは」
生駒均:こつんと、ゴーグルを叩いて。
生駒均:「ちゃんと見えてる」
来堂波奏:「…………」嬉しそうな、照れ臭そうな笑みを浮かべる。
生駒均:オレを助けてくれた皆のようになろうと頑張って、
生駒均:今日も沢山もらっちゃった。知らないもの、知らない見方も。
生駒均:生駒均、夢は人間になること。いつか、必ず
生駒均:ちゃんと顔を見て話すよ、皆

GM:また明日学校で会う約束をして、キミたちは別れ――
GM:明くる日、普通の日常がやってきてキミたちは学校の教室で約束通りに会い
GM:キミの顔を見た少女は、明るい声で朝の挨拶をした。
来堂波奏:「おはよう、生駒均」
GM:シーン終了。

【目次へ戻る】

ED4

GM:というわけで、最後のエンディングです!
GM:最後はカレンさんのエンディングになります!
GM:カレンさんのエンディングは、事件の少し後にコンサートホール近くの公園で阿奏戯と話し、それから初芝実さんと高級レストランで話してもらうシーンになります。

GM:――事件から少しして。
GM:N市音楽ホールの近くの公園。
GM:キミは、阿奏戯と一緒にそこを訪れていた。
阿奏戯一生:「あー、楽しかったなー」
桟坂 カレン:目を細めて、満足げな笑みと声を浮かべる青年を見る。
阿奏戯一生:「観客賞だってさ。 賞とか別に興味ないつもりだったけど、もらえるとやっぱり嬉しいもんだね!」
桟坂 カレン:「貴方は弾ければいいのだものね」
阿奏戯一生:「まあ、グランプリじゃないのか~、とは思ったけどもらえるものはもらっとく!」
桟坂 カレン:「……それでも、その賞は貴方の演奏に対する正当な評価だと思うわ」
阿奏戯一生:「正当かなぁ。そうだったらいいけど」
桟坂 カレン:「……傷が癒えれば、きっと。グランプリも遠くはないわ」
阿奏戯一生:「あ、そういえば怪我のこと」
阿奏戯一生:「労働厚生省ってところから連絡があってさ、最先端の治療を受けられるようにしてくれるって」
GM:君には分かるだろう。おそらくUGNの手回しだ。
桟坂 カレン:「……そう。良かったわね」
阿奏戯一生:「リハビリは少し大変かもって言ってたけどね」
阿奏戯一生:「今のままでも別に困ってないけど、綺麗な演奏ができるようになるならそれに越したことはないしね」
阿奏戯一生:「俺、治療を受けてくるつもり!」
桟坂 カレン:「大変でも、どうせ止められるまでやってる姿が見えるようだわ」
阿奏戯一生:「カレンちゃんの中の俺のイメージ、なんか酷くない!?」笑いながら言う。
桟坂 カレン:「そうかしら。"正当な評価"だと思うけど」
阿奏戯一生:「いやー、ないない!それはないよ!不正だって!」
桟坂 カレン:「先生が帰る時間になっても、『まだ弾く』ってピアノに齧りついて離れなかったのは誰かしら」
阿奏戯一生:「こ、子供の頃の話だろー!」
桟坂 カレン:「子供の頃の話よ。……でも、貴方のピアノに対する熱意は、その頃から微塵も変わらない」
桟坂 カレン:「だから、良かった、と心底思うわ。貴方が、ピアノを諦めずに済んで」
阿奏戯一生:「ありがとう」照れ臭そうに笑う。
阿奏戯一生:「でもさ、カレンちゃんも全然変わってないよ」
阿奏戯一生:「なんていうか、負けず嫌いなところとか」
桟坂 カレン:「……そうかしら」
阿奏戯一生:「あの頃のまんま……というか」
阿奏戯一生:「あの頃よりも、ずっと強くなった気がする」
桟坂 カレン:幼い頃の自分と、今の自分を比較する者は少ない。──そして、大抵その場合、『変わった』部分に目を向けられる。
阿奏戯一生:「もう子供じゃないんだし、当たり前だけどね」
桟坂 カレン:"少女黒鍵"の継承者であるというフィルターを通さずに見れば──そうなのだろうか。
桟坂 カレン:或いは、私にも。変わらずに持ち続けられているものが、あるのだろうか。
桟坂 カレン:「……そうね。強くなければならない、理由もある」
阿奏戯一生:「だったら、くれぐれも無茶はしないように!」
桟坂 カレン:ほんの少し、目を細めて。「貴方がそれを言うの?」
阿奏戯一生:「じゃあ、お互いにってことで」
桟坂 カレン:「……そうね。そういうことに、しておきましょう」
阿奏戯一生:「カレンちゃんが危ない目に遭ったら心配する人、たくさんいるんだからね!」
桟坂 カレン:少し前ならば、「そんな人はいない」と一蹴していただろう。──今は。
桟坂 カレン:「努力はするわ」
桟坂 カレン:ちら、と時計を確認する。「……そういえば、この後新しい先生候補と会う約束だと言っていたけれど。時間、大丈夫なのかしら」
阿奏戯一生:「げ、そうじゃん。初日から遅刻はヤバイな」
阿奏戯一生:「二回目とかならまだしもね……」
阿奏戯一生:「じゃあ、俺も行くよ。次に会う時はバリバリ元気になってると思うから!」
桟坂 カレン:「楽しみにしてるわ。……その時には」
桟坂 カレン:「また聴かせて頂戴。貴方の演奏を」
阿奏戯一生:「もちろん。喜んで!」
GM:青年は朗らかな笑みを浮かべて手を振ると、去っていく。
桟坂 カレン:「……元気でね」 ぽつり、と零すように。
桟坂 カレン:──この一件で、桟坂の家との確執は決定的なものとなった。明日、どのような処遇を受けるか分からない身だ。
桟坂 カレン:次に会う時、自分が無事でいるのかどうか。それも、分からない。
桟坂 カレン:──神など、信じてはいないが。もし、万が一、いるのだとすれば。
桟坂 カレン:愛されるべきは、彼のような人だ。
桟坂 カレン:その未来に、幸福があらんことを。
桟坂 カレン:漆黒のトランクを提げ直し、少女は踵を返す。
桟坂 カレン:あとには、木漏れ日の差し込む公園だけが残った。

GM:――N市内にある高級ホテル。その最上階のレストラン。
GM:初芝実から連絡を受けたキミは、ここにやってきていた。
GM:日本支部長の気遣いなのか、高級レストランにはキミたち以外の客はおらず貸し切り状態だ。
GM:キミたちが案内された窓際の席からは、美しい夜景を見渡すことができる。
GM:店内には、ピアノとバイオリンの演奏が響いていた。
初芝実 透:「来ていただけて良かったです」
桟坂 カレン:「…………」 人形のように、感情の籠もらない顔の少女は、黒いレースのドレスに包まれて在った。
初芝実 透:ドレスコードに沿った、というよりはややかっちりしすぎるくらいの黒いスーツ。
初芝実 透:その様を見て、少し微笑む。
桟坂 カレン:僅かに視線が彷徨っている。見る者が見れば、落ち着かないのだと分かるだろう。
初芝実 透:「カレンさんがいらっしゃらなかったら、私は一人でここで食事をする羽目に……」
初芝実 透:貸し切り状態の店内を見る。さすがにこれは聞いていなかった。
桟坂 カレン:「……ドレスコードがあると聞いていたから、少し覚悟はしていたけれど」
桟坂 カレン:これは想定外ね、と小さく零す。
初芝実 透:「そうですね。折角綺麗な格好をしていただいたのに」
初芝実 透:「見ているのがお店の方と、私くらいになってしまう」
桟坂 カレン:「別に、見せたいわけではないから」
初芝実 透:「そうですか?」
初芝実 透:「似合っていますよ」
桟坂 カレン:「…………」「……ありがとう」
初芝実 透:「いえいえ」
桟坂 カレン:ゆるりと彷徨った視線が、夜景を捉える。「……良いところだと思うわ」
初芝実 透:「そうですね。ずいぶんいいお店のいい席を譲っていただいたものだと思います……」
桟坂 カレン:「日本支部長からのプレゼントともなると、流石に豪勢ね」
初芝実 透:「……多分」
桟坂 カレン:最初は驚いたし、断ろうとも思ったが。戴き物のチケットが既にあるとなれば、無下にすることもできなかった。
初芝実 透:「私とあなたに、色々と話をしてほしかったのだと思っています」
初芝実 透:「今後の話を」
桟坂 カレン:「……今後の話」
初芝実 透:「UGNは、組織としてはまだ動きが取れない状況のようですが」
初芝実 透:「あなたのことを心配……でもないか。ええと、留意はしているようですので」
初芝実 透:「なので、私が来ました」
桟坂 カレン:「……そう。『桟坂』との関係は──今の所、変わらないけれど」
桟坂 カレン:「個人的に気にかけることはできる、そういう話ね」
初芝実 透:「あ、そうです。理解していただけて助かります」
初芝実 透:「言われた言葉を全部そのまま復唱するのはなんというか」
初芝実 透:「格好悪いなと思っていたところだったので……」
桟坂 カレン:「……ありがとう」
初芝実 透:「いいえ。これくらいは」
桟坂 カレン:「組織として──UGNが動くことは難しいのは、当たり前だわ。そもそも、『桟坂』として、敵対行動を取っているわけではないもの」
桟坂 カレン:「……ただ、桟坂がそうするのは。本家に倣っているということもあるけど──最も動きやすいから。主たる理由は、それだけでしょうから」
初芝実 透:軽くグラスを傾け、水を飲む。
桟坂 カレン:「いつ、どうなるかは分からない」
桟坂 カレン:「私自身にも」
初芝実 透:「はい」
桟坂 カレン:「……だけど、これだけは言わせて」
桟坂 カレン:「貴方の助力は、とても嬉しい。有難いと思っているの」
桟坂 カレン:「だけれど──根本的なところで。これは、家の問題だから」
桟坂 カレン:「……貴方が身を危険に晒す必要はないの。そうなれば、身を引いてほしい」
初芝実 透:「…………」
初芝実 透:「どうしても、その辺りが出てきますね」
初芝実 透:群れの話をした少年がいた。友人個人と向き合った少女がいた。
初芝実 透:「カレンさんの意向は、よくわかりました」
初芝実 透:「これは、理解をしましたという意味ですね」
初芝実 透:「納得とは少し違う」
桟坂 カレン:「素直にはい、と聞き入れてくれるとは思っていないわ」
初芝実 透:「そうなんですよね……」
桟坂 カレン:「……これは、"友人"としてのお願い、と言ってもいい」
初芝実 透:その言葉に、少し嬉しそうにして。
桟坂 カレン:「私は、数少ない友人を失いたくない。私のせいで、傷付くのは厭。だから、そうしてほしい」
桟坂 カレン:「……そういう、我儘よ。これは」
初芝実 透:「言質を取ってもいいでしょうか?」
初芝実 透:「『私は、数少ない友人を失いたくない。私の目の前で、傷付くのは厭』」
初芝実 透:「我儘です」
桟坂 カレン:「…………」
桟坂 カレン:「……狡いわ、その言い方は」 ほんの少し、唇を下げて、拗ねたように。
初芝実 透:「知ってますよ。我々、意地を張るのはお互い得意だ」
桟坂 カレン:「負けず嫌いだって、言われてきたところよ」
初芝実 透:「少しくらい狡い真似はします。これでも大人ですから」
初芝実 透:「だから、あなたの意向は理解します。私の希望も、わかってください」
初芝実 透:「友人、というのはいいですね」
桟坂 カレン:引き結んだ唇は、陶器のように固く見える。だが、それはひどく人間じみた動作だ。
桟坂 カレン:「……そうね」 諦めたように、唇が歪む。
初芝実 透:「『私』と『あなた』だ。余計な要素がない」
初芝実 透:まっすぐに目を向ける。目の前の少女に。
初芝実 透:「家も組織も置いておいて、今差し向かいでこうして話せるのが、嬉しいです」
桟坂 カレン:斜に構えた顔貌が、真っ直ぐに向く。ひたりと正面から、その視線を受ける。
桟坂 カレン:「……ええ、少なくとも、今は」
桟坂 カレン:ただの、ミトと。ただの、カレンだ。
初芝実 透:「それが今だけでなく、ずっとになればいいと思います」
初芝実 透:ずっと。目の前で咲いていてほしい。時間は限られていたとしても、できるだけ長く。
桟坂 カレン:「その、保証はできないけれど」
桟坂 カレン:「──努力はするわ。そう在りたいと、私も。思うから」
初芝実 透:「あなたがそう思ってくれることが」
初芝実 透:「今回の、何よりの報酬ですよ」
桟坂 カレン:「……ミトと。逢えて良かったわ」
桟坂 カレン:感慨深く、息を深く吐いて。
初芝実 透:「……そう思ってもらえるなら」
初芝実 透:「生きていて、良かったなあ」
初芝実 透:目を少しだけ逸らして、水のグラスを揺らす。
桟坂 カレン:「それは大層よ」
桟坂 カレン:くすりと笑って。
初芝実 透:水に映った光を盗み取ろうと何度も試しているような、そういう人生だった。
初芝実 透:誰かに逢えて良かった、などと、思ってもらえる日が来るとは思わなかった。
初芝実 透:「はい」
初芝実 透:「それくらいのことなんですよ」
桟坂 カレン:ぱち、ぱち、と。目を瞬かせる。
桟坂 カレン:「……本気で言ってるの?」
初芝実 透:「え、いけませんでした?」
桟坂 カレン:「別に……そういうわけじゃ、ないけれど」
初芝実 透:「私は基本的に本気ですよ」
初芝実 透:(良かったな。生きていて。他人に会えて)
桟坂 カレン:「……そう、それなら」
初芝実 透:(盗みたいが、盗みたくない、そういうものがあって)
桟坂 カレン:「私がこうして、いる意味も。あるのかもしれないわね」
初芝実 透:「ありますよ」
初芝実 透:「あります」頷く。
桟坂 カレン:「ミトが言うなら、そうなのかも」
初芝実 透:「均くんも不知火さんもそう言うと思いますが」
桟坂 カレン:冗談めかして。だけれど、その表情には隠しきれない安堵がある。
初芝実 透:「代表して、今回は私が」
桟坂 カレン:「……なら、"友人"の総意、かしら」
初芝実 透:「そういうことで」
初芝実 透:……目の前の少女の目を見ていて、何か揺らぐものがある、と感じた。
初芝実 透:大切な友人。心配な相手。その他に、何か……名前のつかないものがある。
初芝実 透:感情が。
初芝実 透:カレンさんへのロイス感情を変更します。
初芝実 透:○カレンさん/不安
GM:了解です。
初芝実 透:(……あなたがあなたとして在ることを)
初芝実 透:(私は何よりも尊いと思います)
桟坂 カレン:ミトへのロイス感情を変更します。
桟坂 カレン:◯友情/わからない → ◯親愛/不安 へ。
GM:了解です。
桟坂 カレン:(……私は、この人を失いたくないと思っている)
桟坂 カレン:(どうせ心を失うなら。繋がりなんていらないと、思っていたのに)
桟坂 カレン:(──不思議ね)
桟坂 カレン:この変化こそを、桟坂は良しとしないのだろう。
桟坂 カレン:──ならば、かつての"少女黒鍵"の継承者たちは、どうだろうか。
桟坂 カレン:唯一、言葉を交わした少女は。メイカは──どう、評するのだろう。
桟坂 カレン:(分からない、だけど)
桟坂 カレン:(私は、私のままで在りたい)
桟坂 カレン:(それを望んでくれる人達のためにも)
桟坂 カレン:「……ねえ、ミト」
初芝実 透:「はい」
桟坂 カレン:レストランの一区画、開けたスペースを見遣って言う。
桟坂 カレン:「踊りましょうか」
初芝実 透:その言葉に一瞬目を開いて、そうして手を差し出す。
初芝実 透:「ええ」
初芝実 透:「喜んで」
桟坂 カレン:白い手袋に包まれた手に、黒いレースに包まれた手が触れる。
GM:店内で演奏されるピアノとバイオリンの音色が二人を包むようにゆったりと流れ出す。
桟坂 カレン:その接触は、羽のように軽い。
桟坂 カレン:回る、廻る。今この時、定められた運命も、結末も、全てを置き去りに。
桟坂 カレン:この一瞬が、今だけでなく、ずっとになれば。どれほど良いだろう。
桟坂 カレン:──どれだけ時計の針を遅らせても、いずれは辿り着く。そう、分かっていても。
桟坂 カレン:私は随分と、我儘になってしまった。
桟坂 カレン:美しい顔貌が、いつもより近くに見える。
桟坂 カレン:その顔が歪むのを、私は望まない。
桟坂 カレン:──同様に、彼も。そう、願ってくれている。
桟坂 カレン:だから、今。迫り上がる"感情”を言葉にするなら、そう──
桟坂 カレン:「生きていて。良かったと思うわ」
桟坂 カレン:頬には、作り物ではない。確かな紅が差していた。

GM:窓の外には、夜の街並みが見える。あの騙し絵のような眩い灯りの一つ一つが誰かの日常だ。
GM:下界の日常から少し離れた店内で、ピアノとバイオリンの旋律が手を取って踊る『二人』を見守るように静かに響いていた。
GM:何者でもない、ただの『少女』とただの『男』を。
GM:願わくば、この時間がいつまでも続きますように、と。そう祈るように。
GM:このかけがえのない時を、二人に捧ぐ。
GM:シーン終了。

GM:というわけで、エンディングフェイズはこれで全て終了です!
GM:ダブルクロス The 3rd Edition シナリオ『無伴奏ソナタ』、これにて完結です!
生駒均:お疲れさまでした!
GM:皆さん、最後までお付き合いいただきありがとうございました!お疲れ様でした!
初芝実 透:お疲れ様でした!!
桟坂 カレン:お疲れ様でした!
不知火蛍:お疲れ様でしたっ!

【目次へ戻る】