竜骨島逗留奇譚 第一章『青の逆月亭の四人』
PC1:時雨(キャラシート)PL:ナケミン
PC2:河路 緑郎(キャラシート)PL:サムトー
PC3:畔戸 笑理(キャラシート)PL:敗者T
PC4:錺 十也(キャラシート)PL:さささ
PC5:夏祭 らむね(キャラシート)PL:しろい
GM:OBAKEra
サブGM:占任
メインログ|雑談ログ
目次
プリプレイ
GM:ニンニン
GM:あーあーテステス
GM:本日はお日柄もよく
GM:絶好の死に日和、というわけではじめていきましょう、バケビガミ4
GM:竜骨島逗留奇譚、第一章『青の逆月亭の四人』
GM:これより開幕となります
GM:本セッションは特殊型、サイクルリミット3、退魔編となっております
GM:舞台は太平洋のいずこかに入り口が存在する竜骨島。そこは外界から隔絶された、ヒト・人外問わず様々を受け入れる異界です。かつてこの世を荒らし黄金を喰い漁ったと伝えられる竜の死骸がこの島の原型であり、巨大な富の塊である竜の血肉を求めて集った採掘者たちの街が無秩序に膨れ上がり現在の形を取ったと言われています。
GM:そこは現在も死した竜の魔力に囚われており、"富"が何よりのちからとなる特殊な場所として存在しています。
GM:全てのものは値踏みされ、財で交換可能な世界
GM:そこに集うは5人の忍び……はたして、どのような物語が待っているのでしょうね
GM:というわけで、各PC紹介からやっていきましょうか
GM:番号順でいくぜ!おいでませPC1!
時雨:はいさい!
GM:あら、妖しい~~~
時雨:(キャラシート)
GM:えっちなPC1です、紹介しな!自己を!
時雨:「時雨(しぐる)。そう名乗っています。どうぞお見知りおきを」
時雨:というワケで斜歯忍軍は指矩班、怪人物です!
時雨:年齢不詳、性別不詳となっていますが、これはわからないというワケではなく、
GM:そうなんだ
時雨:映像記録を自身の肉体で再現する術の行使により、どういった状態も同時に存在しているので、曖昧である、と言った状態ですね。
時雨:術の行使時にはブロックノイズのようなエフェクトと時雨のような音が流れる……らしいです!
GM:謎に満ちてるぜ
時雨:そんなわけで自己が曖昧!代わりに誰かの死に様を記録するのが趣味ですが、おおむね好人物です!!
GM:好人物、よろしくお願いします
時雨:竜骨島へは使命のほかにも、自分探しにやってきたということで、よろしくお願いします!
GM:早速濃いのが来ましたね、そんなあなたのハンドアウトはこちら!
GM:フリーの忍びであるあなたは謎の依頼主から仕事を受け、異街へと足を踏み入れた。あなたの【使命】はとある品を競り落とすことである。
GM:謎だらけですね
時雨:謎だ~!
GM:それが解き明かされることもあるかもしれません、頑張ってください
時雨:がんばります!!!
GM:では次へいきましょう、PC2!カモン!!
河路 緑郎:あいよお。でも俺の紹介とかいる?
GM:いるいる
GM:みんな聞きたがってるよ
河路 緑郎:それより金貸してくれない?ちょっとピンチなんだよ。明々後日にはちゃんと返すって
GM:んもう、またそれ?
河路 緑郎:今日明日はちょっと脚が重いからさあ……
GM:しょうがないな~~、ちゃんと返すんだよー
河路 緑郎:悪いなあ、へへ……
河路 緑郎:(キャラシート)
河路 緑郎:はい、河路 緑郎(かわじ ろくろう)29歳、独身男性です。元比良坂機関、現ハグレモノ世界忍者連合の中忍やってます。
河路 緑郎:比良坂の忍びらしく情報工作やら暗殺やらブラックなところで働いていたのですが、
河路 緑郎:数年前、さる令嬢の暗殺任務で暗殺対象とランデブーしてハグレモノになりました。
GM:波乱万丈だ
河路 緑郎:まあ連れ出した女はすぐに追手にやられたんすけどね!独り身は気楽だガハハ!
GM:かなしすぎる
河路 緑郎:ハハ……はあ……
河路 緑郎:そんなわけで色々あった結果やさぐれまくり
河路 緑郎:無事死んだ眼で薄ら笑いを浮かべそこら中に借金を抱えた中年男性にクラスチェンジしつつあります
GM:いきて……
河路 緑郎:結構な額借りてもはや首も回らない。まあ回らなくても首がついてるだけ幸せなんじゃない?うんうん
河路 緑郎:いつ回る首もなくなるかなあとか想像しながら今日も頑張って生きていくよ
河路 緑郎:構築は体力がいっぱいあります。それだけだから特に怖くないです、ほんとだよ
GM:コワクナイコワクナーイ
河路 緑郎:こんなこと言いながら死ぬほど生き汚い構築してる
GM:……なんだこのデバフモンスター!!?
河路 緑郎:2d6で5なんて出ないんだからデバフとかかけられても関係なくない?
河路 緑郎:とりあえず目標はお金がほしいなあ……とかそんな感じです よろしくお願いします
GM:よろしくお願いします、そんなあなたのハンドアウトはっ
GM:借金で首が回らなくなってしまったあなたはとうとうオークションの"商品"として出品されてしまった!あなたの【使命】はドカンと稼いで己を買い戻すことである。
GM:爆発してください
河路 緑郎:借金爆発RTA,はーじまーるよー
河路 緑郎:あかん冗談言ってたらほんまに首がなくなる!
河路 緑郎:なんとか回る首を残すためがんばります。生き残りたい!
GM:はじまるぜっ!果たして終了時首は無事なのか!
GM:ではでは続いてPC3、おいでませ~~
畔戸笑理:はあい
GM:あら可愛い
畔戸笑理:(キャラシート)
畔戸笑理:畔戸笑理(くろと えり)です。異街で医療・サービスを提供する機関、こがね総合病院で看護師をやっております。
畔戸笑理:物心つく前から竜骸島にいた地元民。父が男手一つで育ててくれました。
GM:えっちな……えっちな看護師さんだッ!(ワナワナ
畔戸笑理:ただし、忍者としての修行については上記の病院に預けられて行っていたという経緯があります。主に体質の関係から。
GM:体質の
畔戸笑理:師である院長は表の世界で言う麝香会総合病院の手管に詳しく、その薫陶を受けたことで、毒薬や房中術の扱いに長ける立派な忍びになりました。
畔戸笑理:なるべくしてえっちな看護婦になったということですね。
GM:毒薬や、房中術
GM:なっちまったのならしょうがない
畔戸笑理:でも性格は臆病。クエストが発生すれば真面目にこなすものの、極力危ないことはしないで達成したいなあと考えるタイプです。
畔戸笑理:性能的にもミドル寄りということになるんじゃないのかな……? 変わったところとしては、誰かと一緒に寝ることで兵糧丸が湧く忍法、薬師閨を修得しています。
畔戸笑理:薬師閨を修得しています。
GM:大事なことですね
畔戸笑理:そんな感じです。よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします、そんなえっちなあなたのハンドアウトはこちら
GM:あなたは六塔電子に雇われの忍びである。あなたの【使命】は雇い主から請け負った依頼を成し遂げることである。
GM:成し遂げてください
畔戸笑理:できるかな……
畔戸笑理:死なないように手を尽くします
GM:できるできる、よろしくお願いします!
GM:それでは次ぃ!PC4、イラッシャーイ!
錺 十也:はーい
錺 十也:(キャラシート)
GM:ワオ、クールな男がやってきたぜ
錺 十也:「どーも。カザリです。ちょっとした修理ならお任せを。壊す方もいいけど……」
錺 十也:錺 十也(かざり・とおや)。22歳男性。斜歯忍軍・指矩班の者です。
錺 十也:キャラシには書いてなかったんですけど、島には稼ぐためにふらっと来たのだろうと思います。
GM:出稼ぎだ
錺 十也:やってやるぜ
錺 十也:現在は『カジノ』に雇われの身ということで、普段の服装にはちょっと気をつけている……そしたらベストがかぶりました。
GM:島では一般的なファッション
錺 十也:天国かな(PL的に)
錺 十也:大体は長髪一つ結び・変なバイザー・ベストにネクタイでディーラー風を気取っている気の良さそうな感じの青年です。
錺 十也:あんまり好戦的ではなく、裏方でいたいなーという気持ちが強いのですが、なかなかそうもいかない。
錺 十也:雇われだし……。
錺 十也:本人はあんまり強くなさそうなのでテクノロジーに頼っており、表の顔も趣味も機械いじり。
錺 十也:能力的には裏コードで器術を爆破したり、補給で忍具を回復したり、鎖陣で避けにくくしたりくらいです。
GM:くらいという表現はいささか控えめですが、なかなかのお点前
錺 十也:まだまだですよー
GM:まだまだだそうです、皆安心してね
錺 十也:こわくないよ!
GM:らしいです
錺 十也:(PLが初心者なので)
錺 十也:臨機応変に秘密道具していきたいなあと思っています。
錺 十也:よろしくお願いします!
GM:そんな臨機応変なあなたのハンドアウトはこちら!
GM:あなたは『カジノ』に雇われの忍びである。あなたの【使命】は雇い主から請け負った依頼を成し遂げることである。
GM:成し遂げちゃってください
錺 十也:成し遂げねば……
GM:期待しています……ではお次!
GM:PC5、召喚ッ!
夏祭らむね:ウオオオオオオオオオオオオオオーーッ
夏祭らむね:はーい!!
夏祭らむね:(キャラシート)
夏祭らむね:夏祭らむねなのだよーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
GM:げんきいっぱいだねー
夏祭らむね:げんきなのだ!
夏祭らむね:そういうわけで、夏祭らむねです。斜歯忍軍の鍔鑿組です。
GM:斜歯忍軍がいっぱい
夏祭らむね:同窓会かな?
夏祭らむね:自称・リアル系Vチューバーとして日々全く面白くない動画を投稿しています。
GM:リアル系Vチューバーの何たるかを我々は思い知ることになるでしょう
夏祭らむね:映っているのはどこからどう見ても生身の人間であり、本人も「VはビクトリーのV」と自称しています。
夏祭らむね:つまり勝つのはらむねってことね
夏祭らむね:自称・さいきょー天才忍者ですが、アホであるという噂もあります。
GM:そんな……こんなにかしこそうなのに
夏祭らむね:どこからどうみても天才なのだ 実際天才
夏祭らむね:斜歯忍軍にて改造しゅじゅちゅを受け、さいきょーのロボット忍者としての一面もあり、身体がインターネットに接続しています。
GM:5Gに!?
夏祭らむね:くくく……らむねは7Gもいける
夏祭らむね:インターネットに違法アップロードされた他流派の忍法をダウンロードして使うことができます。
GM:7!?
GM:違法ダウンロードは犯罪!犯罪です!
GM:でもそんなの島の外の法律なんだよなぁ
夏祭らむね:犯罪をしなくて何が忍なのだね~!
夏祭らむね:データ的には【機忍】【法盤】でいろんな流派のサポート忍法いっぱいとってハッピーって感じです。
GM:ハッピーになってきましたね
夏祭らむね:そんな感じです!よろしくお願いします!
GM:よろしくお願いします、そんなあなたのハッピーなハンドアウトはこちら
GM:あなたはの夢は異街の動画配信ランカーの仲間入りをすることである。何やら面白そうなネタを耳に入れたあなたはそれを追いかけてみることにしたのだ!あなたの【使命】は己のチャンネルを週間ランキング入りさせることである。
夏祭らむね:ウオオオオーーッ100億まん再生してスパチャ毎秒100億もらうのだよ~~!!!
GM:ゲッツサクセス!
夏祭らむね:ガッポガッポなのだ!よろしくお願いします!
GM:よろしくです
GM:本セッションは私OBAKEraと、無敵のサブマスター占任さんの提供でお送りいたします
GM:よろしくね!
河路 緑郎:よろしくお願いします!
錺 十也:よろしくお願いします!
時雨:よろしくお願いします!
夏祭らむね:よろしくお願いします!
畔戸笑理:よろしくお願いしますー!
サブGM:ただいま紹介に預かりましたサブGMです、よろしくお願いします
OP1 時雨
GM:じゃあ……やってきましょうか
GM:オープニングをよぉ
夏祭らむね:オープニングだあああーーー!!!
GM:異街、と呼ばれる街が存在する。
GM:入り口は、太平洋のどこかであると。
GM:だがそれは正確な位置の足がかりにすらならない。入口の先、多重の結界に折りたたまれた異界の果てにそれはある。
GM:竜骨島、あるいは竜骸島。
GM:かつて、この世を荒らし黄金と財宝を喰い漁った竜。
GM:それが死して、島となった。
GM:竜の骸は価値の塊、それを求め最初のひとびとが現れた。
GM:採掘者が増え、建物が立ち、島は様子を変えていった。
GM:今や巨大に膨れ上がった街は、外部からの人と財を飲み込みながらなおも成長を続けている。
GM:異街、そんな秘たる異界への招待状が時雨の元へと届いたのは数日前のこと。
GM:あなたは誘われるままに船に乗った。
GM:何日も波に揺られ、みっつめの結界を潜ったあたりで、自分の位置を完全に見失う。
GM:真っ暗な海を、船は進んでいく。
時雨:(竜骨島。巨大な、竜の遺骸)
時雨:船の進行方向を見据える。
時雨:忍びの夜目を持ってなお、その先には何の影も見えない。
GM:中型の、貨物船だ。
GM:コンテナがギッシリと詰まった甲板。
GM:その中のひとつが、あなたに充てがわれた部屋。
GM:どう見ても"人間"には見えぬ船長が、あなたの"運搬"は異街と取引のついでであると、そう語ってくれた。
時雨:(巨大な死の上に立つ、おどろおどろしい、異形の生たち)
時雨:(──なればこそ、また馨しき死も、看取れるものでしょうか)
時雨:潮の匂いを深く肺に取り込んでみる。
GM:ところが、潮の香りはしない。
GM:なぜならここに生き物はいない、異街と外界を隔てるここにあるのは
GM:ただの真っ黒な水であるからだ。
GM:あなたは懐の封書を思い出す、依頼の文。
GM:誰にも明かしていないはずのあなたの拠点、その部屋の机上に忽然と置かれていたソレを。
時雨:懐に入っているソレを、取り出し広げてみる。
GM:『異街にて、とある品を競り落として欲しい』
GM:『詳しくは、現地にて』
GM:文は、ただこれのみ。
GM:残りは船のチケットが一枚。
GM:それに触れる、あなたは悟る。呪がかかっている。
GM:破り捨てれば、契約は不成立。
GM:それを受け取れば……。
GM:封を開けて数時間後、あなたの持つ口座へと前金の名で振り込まえた大層な額のそれを見て、この依頼が本物であると確信を得る。
GM:そうして、今、あなたは船の上。
時雨:(──さてさて、実に異な経緯、ではありましたが)
時雨:(私のようなものに依頼をする、ということには)
時雨:(それ自体に意味、があるのでしょう)
時雨:ふ、と笑う。
時雨:(嗚呼、このたびは、真に興味深いものになりそうだ)
時雨:(願わくは──)
時雨:口をついた祈りは、波間に溶けていった。
GM:到着まではまだいくらかある、もう一眠りでもしようかと踵を返したあなたは……気づく。
GM:己に充てがわれた部屋、そのコンテナの中にいる、誰か、何かが。
時雨:(隠形? 何者だろうか)
時雨:ゆっくりとコンテナを覗き込む。その動きは、奇妙に警戒の色が薄い。
時雨:「もし、どなたかいらっしゃるのですか」
GM:そこには──
草原コヨリ:「はぐっ はぐっ ンガッ グッグッ!!」
草原コヨリ:あなたの持ち込んだ食料を一心不乱に食い漁る狼に似た耳の少女がいた。
───────
草原コヨリ:「いや~~~、忍者のサー、携帯食ってさ~~」
草原コヨリ:「や~~ぱちょーーマズイのね、年号が変わってもこれは変わらん変わらん!」
草原コヨリ:「あ、ゴチっした!」パン、と両手を合わせる。
時雨:「あ、お粗末様でした」思わず礼を返す。
草原コヨリ:「いや~~~、マジピンチでさっ、命拾いしたワーー、アンガトー、アンガトー」ばしばしと馴れ馴れしく肩を叩いてくる。
草原コヨリ:「船底の隙間にずっと隠れてたからさ、もう餓死寸前ってワケ!」
時雨:(狼の耳、隠忍だろうか)バシバシと叩かれながらその姿をじっと見る。
草原コヨリ:「あ、ウチ、コヨリね、草原コヨリ」
草原コヨリ:「よろしく!オニーサンは?」
時雨:「草原さん。よろしくお願いします」
時雨:「私は時雨。そう名乗っています」
草原コヨリ:「オニーサン?オネーサン?」
草原コヨリ:「まいっか、間違ってたら訂正してね、そういうの最近大事だからんね、時代時代」
時雨:「おや……今は、男の姿のはずですが」自分の身体をきょろきょろと見回す。
時雨:「鼻がおききになるようだ」
草原コヨリ:「イシシ、ウチそれは得意分野だかんね」鼻をヒクヒクと
草原コヨリ:「時雨っちか~~、時雨っちはさ、何?異街?お仕事??」
草原コヨリ:「ウチ?うちはさ、密航、ミッコーよ、ウケるでしょ!」
草原コヨリ:聞いてもいないことをべらべらと喋りながらゲラゲラと笑い始める
時雨:「ええ。異街に──密航ですか」人ならざる姿の船長を思い出す。
時雨:密航がどのような罪に当たるかわからないが、彼女が無事に済むのかは不安に思う。
草原コヨリ:「いやーもうね、途中でバレてそこらへんに放り出されようものなら」
草原コヨリ:「結界の中で迷子迷子のサメの餌……ってサメもいないかこんなとこ」
草原コヨリ:「だいぶ近づいてきたからさー、これならマンガイチあっても泳いで行けるっしょって這い出てきたってワケ」
草原コヨリ:「ワンパクなお腹もぐーぐーうるさかったしね~~」
時雨:「ああ、成程」それで自分の糧食は消えてしまったのだな、と経緯に納得がいった。
時雨:「して、草原さん。自分は仕事、のようなものですが」
時雨:「あなたが密航までして異街に行く、その理由は何ですか?」
草原コヨリ:「え、そんなん決まってんじゃん!」
草原コヨリ:「お宝よ、お宝!!」
草原コヨリ:「ウチ、トレジャーハンターやってんのね!協会ランク83位!」
時雨:「お宝」鸚鵡返し。
草原コヨリ:「異街ってたら、もうっそりゃ、スイゼンのマト、アコガレの地!!」
草原コヨリ:「異街の連中ってのはオークションに珍品を出せばハクがつくってあれこれかき集めやがるかんねー」
時雨:「オークション、ほう」
時雨:「それは確かに。珍しいものが集まりそうです」
草原コヨリ:「この世界の行方不明ってことになってるお宝の1%はあの島にあるって話よ?ヤベーっしょ」
時雨:「1%も。しかしそれは、噂でしょう?」
草原コヨリ:「だからそれを確かめに行くんじゃ~~ん」
時雨:「命の危険を冒してまで挑みたいものでしょうか」
草原コヨリ:「浪漫よなぁ~~~」
時雨:「浪漫ですか」
草原コヨリ:「そうよ!浪・漫!」
時雨:悦に入った様子の草原コヨリの表情を見る。
草原コヨリ:「時雨っち、その様子だと異街ははじめて?もしかしてウチのが詳しいんじゃない??」
時雨:(なるほど。このような生き方の者も、あの街には集まるのか)
時雨:「ええ。つい最近知ったばかりで」頷く。
時雨:(そして──どう散るか)
時雨:「楽しみでなりません」
草原コヨリ:「やっぱそう?じゃあウチが教えてあげんよ、ご飯のお礼お礼」
草原コヨリ:言うなり懐から巻紙を取り出す、それを広げるコヨリ。
時雨:「是非お願いします」紙面を覗き込む。
草原コヨリ:「じゃーん!異街の地図!」
草原コヨリ:「これ手に入れるのに三ヶ月分の食費かかったかんね!お宝よ!」
草原コヨリ:「異街ってのは、あらゆるものがオークションでやり取りされる魔都って話」
草原コヨリ:「それは基礎だから知ってるっしょ」
草原コヨリ:「んで、そこを分割統治してんのがよっつの勢力」
時雨:「ええ。およそどんなモノや、概念でも商品になると」
GM:ひとつ、商業区、六塔電子。
GM:異街における"竜血"の発掘の大部分を賄うこの土地は、竜血を利用した特殊な動力、技術を用いてみるみると発達。
GM:外部から訪れた六塔電子はそこへと食い込み、外の法や倫理に囚われない自由な開発競争を謳い文句に莫大な富を生み出した。
GM:異街で最も財力を有する地区。
GM:ふたつ、狂楽区、通称『カジノ』。
GM:街の娯楽施設、宿泊施設の多くが集中する地区。
GM:文字通り巨大なカジノから映画、演劇、歌劇といった大衆娯楽、芸術に身を焦がすアーティストやそのパトロンが集う文化街である。きらびやかな歓楽街から、薄汚くも熱気のあるドヤ街までを内包する異街に住まう民の中心地。
GM:異街で最も"愛される"地区。
GM:みっつ、希族街。
GM:磨羯一家をトップに、そこの【クイーン】である「千十嵐リンネ」が強力な権力を持って支配する地域である。
GM:異街において最初に訪れた人々がそのルーツであり、どこよりも土地やインフラ利権の多くを確保している。他の地区はその多くが希族街よりオークションで土地などのレンタル権を買い取ることで成立しているのが実態だ。
GM:断崖地帯に居を構え、住民の多くに人外を有する。
GM:異街で最も戦力を有する地区。
GM:よっつ、竜信教区。
草原コヨリ:「ん~~~、ここはよく知らないんだよねえ」
草原コヨリ:「やっぱシューキョーって秘密主義?」
草原コヨリ:「でもま、今から行くんだからそこで知るっしょ」
草原コヨリ:そう言って地図を指差す。
草原コヨリ:「港がさー、みっつあるわけよ」
草原コヨリ:「宗教区は、竜骨島の玄関グチ、ウチらは多分ここに行くね」
草原コヨリ:「カジノの港は、島全体に出る渡し船の集う場所さ」
時雨:「おや、狂楽区とばかり……はい」
草原コヨリ:「六塔の港は……商品を外に持っていったり外から材料を持ち込むための、自分たち専用のやつなんだって」
草原コヨリ:「宗教区は、なんか親切らしいよ」
草原コヨリ:「ボランティア精神てやつ?」
時雨:「施しの精神ですかね。ありがたい」
草原コヨリ:「んだから旅人の窓口もやっているんだとか」
時雨:(最も外と触れるのに、情報が無いというのも妙に感じますが)
草原コヨリ:コヨリが、鼻をヒクヒクと動かす
草原コヨリ:「あ、……」
草原コヨリ:「潮の匂いだ」
GM:遅れて、時雨の鼻もそれを捉える。
時雨:「む……」
GM:黒が、明けていく。
GM:最後の結界を抜けたのだ。
時雨:(潮の、生きものの匂い……つまりは、死の香りだ)
GM:この先には、命がひしめいている。
GM:おおきな死骸の上に、欲望をたぎらせて。
時雨:船の進行方向に目を凝らす。
GM:島が……見えてきた。
───────
聖女・"瞳":「ねえ……」
聖女・"瞳":「あなた、もしかして私の話をさっきから、聞き流してる?」
聖女・"瞳":「ひどいわ、退屈で死にそうだってのに」
GM:薄暗く、静謐な雰囲気の支配する場所であった。
GM:異街、宗教区大聖堂……その最奥で、
聖女・"瞳":無邪気に笑うは、竜新教区、その中核である聖女、"瞳"
聖女・"瞳":黙々と書類へと向き合うひとりの男へ声を投げる、引き続き。
聖女・"瞳":「あなた、今日お客様が来るんでしたっけ?」
聖女・"瞳":「連れてきてくださいな、私、退屈よ?外に出られないんだもの」
聖女・"瞳":足をパタパタと、退屈と言ったその言葉に違わぬ態度で。
聖女・"瞳":「はぁ」嘆息。
聖女・"瞳":懐から出したコインを弄び始める。
聖女・"瞳":青く輝くそれが、クルクルと宙を舞う。
聖女・"瞳":「ねえ、これ、見てみる?」
聖女・"瞳":「他の色もあるわよ」
聖女・"瞳":「私、退屈だからいっぱい集めちゃった」
サブGM:その無邪気な言葉に、書類の束から顔を擡げ、男が応える。
"霊輿":「聖座の主、勝れて甘しくまします聖女様」
"霊輿":異貌の男である。
"霊輿":男は黒地の祭服の上に、奇妙な極彩色の紋様を刺繍した肩帯をかけている。
"霊輿":またその周りには、蔦のような、骨のような、鮮彩な細い飾りを這わせている。
"霊輿":しかし何より奇怪なのは、その容貌。
"霊輿":男の顔は──数え切れないほどの『人間の写真』で、覆い隠されていた。
"霊輿":「恐れ多くもこの"霊輿"、言上いたします」
聖女・"瞳":「楽しいことが良いわ」
"霊輿":男の声は、さながら老若男女の声が縒り合わさったような、奇妙な響きを持っている。
"霊輿":「勿体なくも、あなた様が弄んでおられます、その"黄"」
聖女・"瞳":青、赤、黄……
聖女・"瞳":色とりどりのコインが、その手にある。
聖女・"瞳":黄をつまみ、首をかしげる。
聖女・"瞳":「?」
"霊輿":「『あの者』が焦れておりましたよ」
聖女・"瞳":「……」
聖女・"瞳":「だめ……」
聖女・"瞳":「だめよ、そんなの」
聖女・"瞳":口を尖らせ、拗ねたように言う。
聖女・"瞳":「わかるわ、あの子の気持ち、私だって……」
聖女・"瞳":「渡してあげたい、きっといっぱい喜んでくれるもの」
聖女・"瞳":「でもだめ」
聖女・"瞳":「だって、これを手にしたらあの子……自分の運命と対決しなきゃならなくなっちゃうもの」
聖女・"瞳":「ひとはよわいもの、きっと砕け散っちゃうわ……」
聖女・"瞳":「私は、そんなの、かなしいもの」
"霊輿":「勝れて御哀憐なる聖女様」
"霊輿":「あなた様であれば、そう仰るとは思っておりました」
"霊輿":「しかしあの者にも、己の運命を見つめ、運命と闘う機会を持たせてやりたいと、わたくしは考えております」
"霊輿":「それが如何なる結果を迎えたにせよ──」
"霊輿":「未練を残させるはしのびない」
"霊輿":「何しろ、我ら人間たる者には、定めがありますれば」
"霊輿":聖女の小さな身体へ、恭しく頭を下げる。
聖女・"瞳":「……」
聖女・"瞳":「きっと、あなたが正しいのでしょうね」
聖女・"瞳":「あなたいつだって正しいもの」
聖女・"瞳":「ちょっと不愉快ね」
聖女・"瞳":「いいわ、ならば」
聖女・"瞳":コインを放る。
聖女・"瞳":黄色の軌跡を引いて、それが、"霊輿" の手の内へ。
"霊輿":「おっと」
聖女・"瞳":「見せてみなさい、今回も」
聖女・"瞳":「あなたのほうが正しいってことを」
"霊輿":「御柔軟にて慈愛遍き聖女様──」
"霊輿":「わたくしはただ、一人でも多くの救抜成ることを望むのみでございますれば」
聖女・"瞳":「はいはい、汝に竜の救いあらんことを」
聖女・"瞳":不服そうに、手をヒラヒラと振る。
聖女・"瞳":「それより、良いの?時間」
聖女・"瞳":「さっきも聞いたのだけど、来るんでしょ、お客さま」
聖女・"瞳":「待望のね」
"霊輿":「ああ──」
"霊輿":コインをしまった懐から、真白い懐中時計を取り出す。
"霊輿":「これはいけませんね。お迎えに向かわなければ」
聖女・"瞳":「行ってらっしゃい、"霊輿"」
聖女・"瞳":「これから忙しくなるわね」
聖女・"瞳":「ああ、退屈しないですみそう……」
"霊輿":「ええ──」
"霊輿":「願わくば、"お客様"が聖女様の御眼鏡にかないますことを」
聖女・"瞳":「いいえ、いいえ違うわ"霊輿"」
聖女・"瞳":「あなたでも間違うことはあるのね」嬉しそうに笑う。
聖女・"瞳":「乗せるのは、私の秤へじゃないもの」
聖女・"瞳":「御眼鏡は、わたしのものじゃあないわ」
聖女・"瞳":「どうなるのでしょうね、たのしみね」
聖女・"瞳":「ああ、はやくその時が来ないかしら」
───────
GM:そして、ひとりの忍びと、ひとりの密航者は"異街"へと降り立った。
草原コヨリ:「うぉぉ、ぉぉぉ」
草原コヨリ:「マジの異街だ……っハァ、興奮してきたァ~~~」
草原コヨリ:ぶるりと震える。
草原コヨリ:「んぢゃ、時雨っち!ウチはここらで!」
時雨:「これは──確かに。異なる街ですね」
時雨:「宝探しですか?」
草原コヨリ:「イエッス、お宝がウチを呼んでるのさ~~~」
草原コヨリ:「ごはん、ありがとねー!この恩はいつか返す!」
草原コヨリ:「まーずは、会場を見に行きたいよねえオークションの」
草原コヨリ:シシシと笑い
時雨:「オークションは、やはり狂楽区に?」
草原コヨリ:「一番でかいのはそうらしいよ、希族街寄りの、中央あたりだって話ぢゃん」
草原コヨリ:「んじゃ、まったね~~!」
時雨:「ええ。できれば命あるうちに、また。」
草原コヨリ:言うやいなや、屋根と飛び乗り駆け出していった。
時雨:(溌溂としていた。彼女もまた……)
時雨:辺りを見渡す。
GM:それと、目が合う。
GM:いや、目は見えない。覆われている、おおよそ人の顔面にはあるまじきものによって。
"霊輿":「──ああ、あなたが」
"霊輿":長身の、異貌の男が、そこに立っている。
時雨:「こんにちは。いや……今晩は、なのでしょうか」
時雨:少し驚いたが、やはり警戒心は薄く、挨拶する。
GM:港は、薄暗い。
GM:夜と昼との合間。
GM:話によると、希族街は異街の時刻――空模様の、ひとつきのゆうに7割を買い占めるのだという。
GM:だから異街は夜が多い。
"霊輿":「さて、誰彼とも彼誰ともつきませぬが」
"霊輿":「それがこの島でございますれば」
"霊輿":「──ああ、申し遅れました」
"霊輿":「わたくしは"霊輿"」
"霊輿":「この《教区》において、勿体なくも教主の座を賜りたる者」
"霊輿":「そして──あなたの、"案内人"の役をいただいた者にございます」
時雨:「それは、ありがたい」
時雨:「ご存知かもしれませんが、私は時雨。そう名乗っています」
時雨:「手紙をくださったのは、あなた方と考えてよい、ですか?」
"霊輿":「さて──」
"霊輿":「少なくとも、我ら《教団》ではない、とは申しておきましょう」
時雨:「ふむ──」顎に手を当てる。
時雨:(今聞くべきことでもない、か)
"霊輿":「わたくしは単なる"案内人"。あなたを迎え、その忍務を遂げる手助けをすることこそ、今の私の役目とお思いください」
"霊輿":「さて──立ち話もなんです」
"霊輿":「ただでさえこの異界、上陸したばかりでは戸惑うことばかりでしょう」
"霊輿":「この街を少しご案内しましょう」
時雨:「至れり尽くせり、ですね。ありがたい」
時雨:「ええ。この街の住民の生活──生き様にはとても興味が、あります」
GM:あなたたちは、連れ立って歩き出す
GM:道中で、教主を名乗る男は色々と話した。
GM:これからのこと、宿は教区で既に用意してあること。
GM:使い勝手の良い商店、外の者には刺激の強い食べ物、行くのはおすすめできない地域。
GM:ほとんどが、世話ばなしのようなものだ。
GM:道行く人々が話しかけてくる。
異街の住民:「"霊輿"さま、ああ……あなたがお医者様を紹介してくれたおかげで母が」
異街の住民:「"霊輿"さま、崩れた橋の補修に教会のものを送ってくださりなんと感謝したことか」
異街の住民:「写真マン!写真マンだ!!わーーー!!」
GM:どうやらこの男は見た目からは考えられぬほど、街に馴染み、そして慕われているようである。
時雨:「──好かれていますね」走り去る子供たちを振り返りつつ。
"霊輿":「勿体ないことです」子供達の背中へ軽く手を振り、低声に呟く。
"霊輿":「この島は、平穏な場所とは言いがたいですが──」
"霊輿":「だからこそ、人々が良く在る手伝いができればと。微力を尽くしております」
時雨:「ええ。良い生活を送っていることが、伝わってきますよ」目を細めている。
"霊輿":「この島は、竜の骸から成り立っているということはご存知でしょう」
"霊輿":「畏くもその御体は我らの住まう土地となり、その御血と魔力とはこの島の富となって人々の暮らしを支えてくださっている」
"霊輿":「我ら人はその上で生まれ、その上で生き、その上で死ぬ」
時雨:「ほう」
"霊輿":「そしてその骸は御血の魔力を浴び、竜の御体へと還ってゆく」
"霊輿":「なればこそ、我ら《教団》はこの島を──その礎となり給うた竜を、崇敬しているのです」
時雨:「それがあなた方の、教義であると」
GM:ふたりは歩を進める
GM:狭く、薄暗い路地を行き、やがては行き止まり。
GM:いや、そこには一軒の店がある。
GM:古ぼけた、表通りからは忘れられた小さなバー。
GM:『青の逆月亭』
逆月亭の店主:「いらっしゃい」
逆月亭の店主:髭面の、ムスッとした顔の男が出迎える。
逆月亭の店主:「あー、なんだぃ、教主さまか」
逆月亭の店主:「残念だけど、今日はシマモノは無いよ」
逆月亭の店主:シマモノ、とは文字通り、この島で育った作物のみで作られた酒、それ全般を指す。
逆月亭の店主:「あんたらシマモノだったら飲んで良いって、アリなんかそれ、破戒僧だろ」
逆月亭の店主:「おっと、見ない顔だな」
逆月亭の店主:じろじろと、新入りをねめつける。
時雨:「ああ、こんばんは」
逆月亭の店主:「こんばんは、お好きな席にどうぞ」
時雨:「いや、今日は、なのか。ともあれつい先ほどやってきたばかりでして」
逆月亭の店主:「見ての通り、満員だがね」
逆月亭の店主:そう行って、ガラあきのテーブルを指し示す。
逆月亭の店主:ひとつの席を除いて、客はいない。
逆月亭の店主:「本当に来たばっかりなのか、じゃあ色々食ってけよ、異街料理の試し時だ」
時雨:瞬きをする。
ナキ:「えーーー、最初に口にするのがマスターのじゃ可愛そうじゃん!」
ナキ:唯一埋まったテーブル、そこから声がかけられる。
逆月亭の店主:「何だお前喧嘩売ってんのか」
ナキ:「いーだ、偉そうな口はレビュワー平均で3点超えてから言うんだね!」
ナキ:顔をマスクで覆った人物、その声は若い女性のものだ。
"クテン":「だあなァ。セッカクの初物、ここよりゃいいとこなんて幾らでもあるだろォ」
"クテン":横からその声へ同意を返したのは、がっしりとした体格に白い短髪の若い男。
ナキ:「ねね、写真マン、お客さん?何しにきたの??」
ナキ:多人数掛けのテーブルに移動し時雨を席に押し込む、当然のように横へ腰掛け、
時雨:「おお、お」押されるままに席につく。
ナキ:「なんか商品持ってきたのかな?オークションに?それとも別なお仕事?」
ナキ:「特別な腕をもってらっしゃる??」
時雨:「この店エンは使えるんでしょうかね」誰ともなく訊ねる。
ナキ:矢継ぎ早に
"クテン":「おっとと。仕事しに来たのか、仕事持って来たのか、どっちかだろ」
時雨:「ええ、はい。オークションが目的で」
ナキ:「大丈夫だよ、お金は価値だからね、お外のお金でもそれ自体が持つ価値がここではちからになる」
ナキ:「だから安心して注文しなよー」
時雨:「なるほど。それはありがたい。混乱せずに済む」
時雨:「競り落とす側、としても」
"クテン":「それじゃなきゃ、写真の旦那がこんなトコに引っ張ってくるわきゃねェしな──酒がある日ってんならまだしもよ」
ナキ:「え、買い物来たんだ、てことはめっちゃお金持ち???」
ナキ:「オゴッテオゴッテー」
時雨:「いえ。今は持ち合わせがないです」
ナキ:「ナーンダ」
時雨:本当に何も持ってきていない。一円も。
"霊輿":「なればこそ」
"霊輿":「あなた方へ引き合わせに来たのです」
ナキ:「え、なに?ナキにお仕事?」
ナキ:「この人のお手伝いすりゃいいの?いくら??」
時雨:「この方たちが?」依頼人の関係者?
"霊輿":「ええ。──この島に来たばかりで、なんの伝手もないあなたに」
"霊輿":「きっと役に立ってくれるはずです」
ナキ:「ふーん」
ナキ:「ま、ナキたちそれぞれが4つの下働きだもんね」
ナキ:「エリィとカザも合わせりゃまとめて伝手ゲットってわけだ」
時雨:(なるほど、四つの勢力それぞれの情報通、というわけか)
ナキ:「抜け目ないなぁ、写真マンは」
"クテン":「コイツが教区、俺が磨羯」
"クテン":「今ここにいない連中が、それぞれカジノと六電って訳だ」
"クテン":「一石四鳥ってェやつかい? 旦那」
時雨:「情報をいただけると──して、自分には約束できる対価はありませんが」
ナキ:「いやいや、いいっていいって」
ナキ:「周到な写真マンが、そんな盤石、こいつはデカいヤマの匂いってね」
ナキ:「噛ませてもらえるなら、こちらからお願いしたいくらい」
時雨:「そういうものですか」
ナキ:「そういうもんなの」
"クテン":「そういうもんさ」
時雨:「それでしたら、ありがたく。自分は時雨、そう名乗っています」
時雨:「どうぞよろしくお願いします」礼。
ナキ:「シグルね、どもよろしく、ナキはナキだよ」
"クテン":「そう硬くなるこたァないさ。俺はクテンだ。よろしく」
GM:かくして、島へとたどり着いた時雨は逆月亭へと流れ着く。
GM:なんてことはない、小さな、寂れた酒場の一角。
GM:此度の話は、すべてここから始まる。
GM:その結末を知るものは、今はまだ……
───────
OP2 河路
GM:それでは再開していきましょう、続いては、PC2のOPになります。
───────
GM:異街には、大小を合わせるとふた桁を超えるオークション会場が存在する。
GM:ここはそんなひとつ。
オークショニア:「では続いてこちら、水波の地より持ち込まれた妖刀バチクビ!これなるツルギは……」
GM:貴品、珍品、様々なものが次々にやり取りされていく。
GM:そんななか、ひとりの男が"品物"として壇上へと上がる。
河路 緑郎:「……」
河路 緑郎:無造作に伸びた髪、無精髭。皺だらけのシャツ。
河路 緑郎:濁った光を宿した瞳は虚空を見つめ、喧騒を右から左に聞き流す。
オークショニア:「えー、こちら」
オークショニア:「河路 緑郎、成人男性」
オークショニア:「二週間という限定品にはなりますが……これなる人物、こうみえて腕の立つ忍びであります」
河路 緑郎:「(こうみえてな)」
河路 緑郎:どう見えているのか、自嘲するように笑う
異街の住人:「腕の立つって……こんなところにあげられちゃうような奴が?」
異街の住人:「うぅ……ん、もう少し若ければなあ」
異街の住人:「いや、吾輩は良いと思うなァ」
河路 緑郎:「(悪かったね、しくじったんだよ)」
河路 緑郎:何度となく金を借りた相手だった。多少の遅れを見逃してもらったこともあった。
河路 緑郎:今回もしばし多目に見てもらおうと算盤を弾いていたのだが、仏の顔も三度、だったらしい。
河路 緑郎:「……あぁ、三度どころじゃねえや。仏より優しかったね奴さん」
河路 緑郎:誰にも聞こえぬ声で呟き、乾いた声で笑う。
GM:オークショニアが脚色に満ちた身の上をツラツラと謳い上げる。
オークショニア:「さあ、どなたか入札は!?」
油舐ニャオ:「よぉし、買ったァ!!」
GM:あなたは買われた。
───────
油舐ニャオ:「やー、借金だって?やべーわね」
油舐ニャオ:「ちゃんと返済しないと、次は限定品じゃなくて生涯品よ」
油舐ニャオ:「六電あたりに買われた日にゃあ、一生地下で採掘奴隷の未来、ナーハハ、お先真っ暗」
河路 緑郎:「ああ、そうだねえ」
河路 緑郎:「一働きして希望の未来?ってやつを掴まにゃならんわけだ」
油舐ニャオ:「良かったねぇ、優しい優しいニャオさまの目に止まって」
河路 緑郎:「(良くない)」
河路 緑郎:子供は苦手だ。いや、この街の”子供”が見た目通りとは限らないが。
油舐ニャオ:「あ、あちし油舐ニャオ、一応二週間はあなたの飼い主なんだからせいぜい尽くすことね」
河路 緑郎:「河路緑郎。ええ、精一杯尽くさせていただきますよ」
河路 緑郎:「それで、優しい優しいお嬢さん」
河路 緑郎:「俺を何にお使いで?」
河路 緑郎:まともな買い手だ、などと甘い夢は見ていない。
油舐ニャオ:「ふっふふ、よく聞いてくれた」
河路 緑郎:あんな場所で人を買う輩など大抵は人でなしだ。さっさとご満足いただいておさらばしたいところだが。
油舐ニャオ:「あちし、取りたいのさ、ドラゴン・オスカー」
GM:ドラゴン・オスカー
GM:狂楽区において、好事家たちによって決められる異街における年でいちばんの映像作品へと与えられる称号。
河路 緑郎:「……はあ。監督さんでしたか」
油舐ニャオ:「レッドカーペットを歩くのよさ~~~!」
油舐ニャオ:「まだ"志望"だけんどね」
油舐ニャオ:「あちしは……撮る、あなたを主役に」
油舐ニャオ:「とびっきりのドキュメンタリィ!」
河路 緑郎:「……」
河路 緑郎:「……はあ?」
油舐ニャオ:「借金返済逆転人生!目指せトップエージェントへの道」
油舐ニャオ:「ナーハハ、まさに大衆が好みそうな味ってやつだニャア」
油舐ニャオ:くるくると回る。
河路 緑郎:「ええ……俺が主役ってあんた……」
河路 緑郎:「マジで言ってんの?もうちょい顔で釣れる奴呼んできたほうが良くない?」
油舐ニャオ:「なにせエージェントランク戦に参加するとあっちゃあ、自然とド派手なバトルも付いてくる」
油舐ニャオ:「スタントなし!特殊効果なし!おまけに人件費ゼロ!」
河路 緑郎:「聞いてねえ!」
河路 緑郎:「っつか、つまりあれかあんた」
河路 緑郎:「人件費の節約のために俺を買ったのか……」
河路 緑郎:「俺の二週間分の値段のほうが安かったわけね……」
油舐ニャオ:「ナーハハ、あちしは天才だニャア!」
油舐ニャオ:「さあてさあて、忙しくなるぞォ」
油舐ニャオ:「でもさ、欲しいんでしょ、マネーよマネー」
油舐ニャオ:指で輪っかを作る、うりうり
河路 緑郎:「いや、そりゃあ……必要ですけども」
油舐ニャオ:「映画は当たるとでっかいよぉ~~」
油舐ニャオ:「当たりによって当然、追加報酬もあり」
油舐ニャオ:「どう、やる気出た?出た??」
河路 緑郎:少女の夢と希望に溢れた瞳。
河路 緑郎:「(思ったより人でなしではなさそうだが)」
河路 緑郎:「(変なのに当たった……)」
河路 緑郎:不幸中の幸いと思って良いのか、どうか。
河路 緑郎:「(……幸い、ね)」
河路 緑郎:はっ、と笑い
河路 緑郎:「ええ。出てきましたとも、やる気がむんむん」
河路 緑郎:「一発でかいの当てて大儲けと行きましょうや」
河路 緑郎:「分前は弾んでくだせえよ、お嬢さん」
油舐ニャオ:「その意気やよし!」
油舐ニャオ:「んでんで」
油舐ニャオ:「いったいぜんたい、どうしてそんなにおちぶれちゃったわけ?」
河路 緑郎:「………」
油舐ニャオ:「監督としては、役者のナイメンってやつを把握しておきたいわけなんだけど」
河路 緑郎:「それも、撮ります?」
河路 緑郎:「さして面白い話じゃないですけど」
油舐ニャオ:「それを判断するのは視聴者だニャア」
油舐ニャオ:「みんなアカの他人のことがだぁいすき、特に本人が話したがらないようなことはねえ」
油舐ニャオ:「どうせ、オークション壇上の説明なんてみんな嘘なんでしょお」
河路 緑郎:「説明……あー、なんて話してましたっけ」
GM:話半分に聞き流してはいたが、適当なことをまくし立てていたのはたしかだ
GM:大きなヤマ、親友の裏切り、悪逆な罠
GM:愛する女を救うために蛇の巣へと踏み込んだ河路 緑郎は哀れこんな末路!
河路 緑郎:「……存外、大外れでもねえな」
河路 緑郎:「しかしあんた……悪人には見えないけど、趣味は悪いね、お嬢さん」
油舐ニャオ:「趣味が悪いのは大衆だニャア、あちしはそれに寄り添うだけなのね」
河路 緑郎:「なるほど。”志望”とは言うが、立派な監督精神だ」
河路 緑郎:くはっ、と笑い
油舐ニャオ:「んもー、褒めても何もでないぞぉ」
油舐ニャオ:顔を赤らめクネクネと
河路 緑郎:「(わかりやすっ)」
河路 緑郎:本当に子供のような態度を見て微妙に調子が崩される。
河路 緑郎:「でかい事件も裏切りも、罠もないですよ……いや」
河路 緑郎:「むしろ裏切ったのは俺の方でね」
河路 緑郎:そのせいか、口が軽くなった
油舐ニャオ:「ほほう」
河路 緑郎:「ただ、最後は割と間違ってない」
河路 緑郎:「お姫様を救えると思って、騎士様気取りで調子に乗ったら」
河路 緑郎:「蛇に出くわして食われたんだ。所詮は蛙だったと思い知らされてねえ」
油舐ニャオ:「うーん、なかなかのものを背負っているようで」
油舐ニャオ:「こいつは思った以上のイツザイ?あちしのカンに狂いはなかったニャア」
油舐ニャオ:にまにまと笑う
河路 緑郎:「どうだか。……ああ、この島に来たのは成り行きだが」
河路 緑郎:「”蛇”がもう死んでるってのは気分が楽で良いよ」
河路 緑郎:声を落として、トン、と足踏みする。
油舐ニャオ:「映画が大ヒットしたら自伝でも書くがいいニャア、きっとバカ売れするよぉ~」
河路 緑郎:「大衆の趣味の悪さを信じ過ぎだぜ、あんた……」
油舐ニャオ:「ナハハ、そうかしらぁ?」
河路 緑郎:「っと、話が逸れた」
河路 緑郎:「とにかく、ランク戦に勝ち上がって」
河路 緑郎:「良い画が撮れれば良いんだな?」
油舐ニャオ:「そうそう、あとはその場のドラマをこう」
油舐ニャオ:「うまい感じに脚色してぇ」
油舐ニャオ:「画が集まったら編集のお手伝いさんも雇わないとニャア~~」
河路 緑郎:「取らぬ狸のってご存知?」
GM:楽しそうに先の展望を語る少女。
GM:苦笑交じりにそれを見守る男。
GM:異街の夜は更けず、明けず、ただ薄暗い闇と街頭がふたりを包んでいる。
油舐ニャオ:「うぇーーー、観たこと無いの?ケッサクだよぉ!?」
河路 緑郎:「マジ?PV見るからにクソの塊かと……宣伝もうちょい頑張るべきだって」
油舐ニャオ:「白夜座でリバイバル上映してるからね、んじゃ今からオールでシリーズ制覇!」
油舐ニャオ:「これは急務、業務、義務」
油舐ニャオ:「アレを観ずして映画を作ろうだなんてちゃんちゃらおかしいことニャア」
河路 緑郎:「うーい、見ますよお。ポップコーンって経費で落ちますぅ?」
河路 緑郎:子供は苦手だ。もっとできる、もっとやれると、根拠もなく未来に希望を持って。
河路 緑郎:こっちにまでそれを期待しないでくれよ、頼むから。そういうのもう懲り懲りだ。
河路 緑郎:「(眩しい)」
河路 緑郎:外灯の光が眼に入り、眉をひそめる。
油舐ニャオ:「落ちる落ちる、オラ走れー!今ならまだ時間間に合うからーー!!」
油舐ニャオ:そういって駆け出していく。
河路 緑郎:「あっおい……分かった分かった、ちょっと落ち着きなってお嬢さん!」
河路 緑郎:慌てて追いかけて走り出す。
河路 緑郎:……こうして振り回されるのは、いつ以来だろうか。
河路 緑郎:嫌ではない、と。感じる自分に驚きながら。その背を見つめる。
河路 緑郎:「(思ったより燃え残ってるもんだ)」
河路 緑郎:「(どうだっていいか。いずれにせよ、まだ死ねない)」
河路 緑郎:やるべきことがある。金がいる。
河路 緑郎:せいぜい彼女の言う悪趣味な大衆に媚びるとしよう。
───────
OP3 畔戸
GM:続いて、PC3。
───────
GM:人界より隔絶された孤島、それにあるまじき、高層建築の群れ。
GM:商・工業地区、六塔電子管轄地。
GM:ひときわ高い、六塔ビルその上階に畔戸笑理は呼び出されていた。
GM:眼前には、六塔電子竜骨島支社長そのひとである、真渕伴蔵
GM:この地区の王にして、あなたの雇い主。
真渕伴蔵:異形に繋がれた、老人である。
真渕伴蔵:蟹に乗った病人、と揶揄されることもある。
真渕伴蔵:異街の技術であろう、甲殻の、足の生えた車椅子に鎮座し
真渕伴蔵:椅子からは大小様々な管が伸び、老人の体中にからみつく。そこから命を送っているのだ。
真渕伴蔵:男は死にかけていた。
真渕カヅキ:「……」
真渕カヅキ:付き従うのは、真渕カヅキ。
真渕カヅキ:彼の一人娘にして、次代支社長。
真渕カヅキ:老人のそばを片時も離れず、様々な補佐を務めている。
真渕伴蔵:「畔戸……で、あったな」
真渕伴蔵:異形の呼吸器の下から、かすれた声が漏れる。
真渕伴蔵:「この……たびは、お悔やみ……申し上げる」
畔戸笑理:「……は、はいぃ」
畔戸笑理:おどついた様子も露わに応じる。女中と看護師の合いの子のようなお仕着せの女だ。
畔戸笑理:「恐れ……入ります」
畔戸笑理:言葉を交わしながらも、目線は伏せて合わせることはない。
畔戸笑理:異形を恐れている……というわけでもない。普段からこうだ。
GM:畔戸笑理、あなたはつい先日父を亡くしたばかりである。
GM:あなたの誕生日の出来事であった。
───────
GM:笑理の父親、畔戸耕一郎が要件を事前に伝えることもなしにあなたを呼び出すのははじめてのことであった。
GM:いつもは、ただ事務的なやりとりがあるのみ。
GM:家族と言えるのだろうか、と思ったことも何度も。
GM:この日は、様子が違っていた。
畔戸耕一郎:「……笑理か」
畔戸耕一郎:暗い書斎の奥で、男が立ち上がる。
畔戸笑理:「……はい」
畔戸耕一郎:「今日は、お前の誕生日だな……」
畔戸耕一郎:「いくつになる?」
畔戸笑理:「はい……?」
畔戸笑理:「……24、かと」
畔戸耕一郎:「そうか……」
畔戸耕一郎:「大きく……いや、なんでも無い」
畔戸耕一郎:「誓約を……覚えているか?」
GM:思い当たることがある、たしか、あれは5年前のこと
GM:中央オークションへと出向き。
GM:魔神たる渡来人、グランド・オークショニアの前で誓った。
畔戸耕一郎:『この者、畔戸笑理が24の齢を迎える際に……我が財の一部を譲渡』
畔戸耕一郎:『いや……"返却"する』
GM:あなたは覚えていただろうか?今日がその日である。
畔戸笑理:「覚えております……が」
畔戸笑理:困惑が、返答を歯切れ悪いものとする。
畔戸耕一郎:「今日がその日だ」
畔戸耕一郎:「そして、私はお前に謝らなければならない」
畔戸笑理:「お父様……?」
畔戸耕一郎:「アレは……3年前、この家に入った賊により盗み出されてしまった」
畔戸耕一郎:「手は尽くした……しかし一度流れた品を追いかけることは容易いことではない」
畔戸耕一郎:「私は失敗したのだ」
畔戸笑理:珍しく、真っ直ぐに父の顔を見つめる。意図を測りかねている。
畔戸耕一郎:「お前は……ただの、後継者であればよかった、その立場さえあれば」
畔戸耕一郎:「そう思っていた、はずなのにな……」
畔戸耕一郎:「どうしてあのような誓約など……」
畔戸耕一郎:「私は……怖くなったのだ」
畔戸耕一郎:「許しが欲しくなったのだ」
畔戸耕一郎:「こんなにも弱かったのだ」
畔戸耕一郎:「すまない……」
畔戸耕一郎:「私は、今日死ぬだろう」
畔戸耕一郎:「中央の"誓約"は絶対だ」
畔戸笑理:「……!」
畔戸耕一郎:「それを破った私は、その代償を支払わねばならないだろう」
"ラプトル":「そうだ、流石は鉄人畔戸、理解がハッキリとしている」
GM:気配はなかった。
GM:ただ、いつのまにかそこに立っている。
畔戸笑理:「な」
GM:あなたは知っている、赤い大爪、鏡面の仮面、かすかに聞こえるモーター音。
"ラプトル":ラプトル、異街ナンバーワンのエージェント。
"ラプトル":「こんばんは、お邪魔してるよ」
"ラプトル":「あたしが"取り立て人"さ」
畔戸笑理:理解を置き去りにして、体が動く。懐に忍ばせた猛毒の瓶を。
畔戸笑理:あの時まで、父が自分の誕生日に──自分に関心を払うことなど、そうは無かった。
畔戸笑理:それ以降も。だからあれは、何か白昼夢のようなものだったのではとも思いかけていた。しかし。
"ラプトル":「おっと、"それ"自体は良い」
畔戸笑理:飛び退くと共に、投擲しようとして──
"ラプトル":「だが勝てないよ、中央の"誓約"は絶対だ、だからあたしがわざわざやってきた」
"ラプトル":そう言って、ラプトルが爪先に載せた"瓶"をクルクルともてあそぶ。
畔戸笑理:──腕を振るう。手元から放たれていくべき重みが無いことに気付く。
"ラプトル":それをぐびりと飲み干して。「良い毒だ、並の忍びじゃひとたまりもないね」
畔戸笑理:「……嘘」
"ラプトル":「私は今からアンタの親父を取り立てる」
"ラプトル":「だが、勘違いをしてくれるなよ」
"ラプトル":「あんたもエージェントだっていうならね」
"ラプトル":「これは代行だ、仕事なんだよ」
畔戸笑理:「何故」
畔戸笑理:顔は“ラプトル”に向けたまま。
"ラプトル":「アタシを、父のかたきだなんて腑抜けた思い込みはしてくれるなってことさ」
畔戸笑理:「何故ですか、お父様」
畔戸笑理:「奪われたのが三年も前だと言うのなら」
畔戸笑理:「私は……!」
畔戸耕一郎:「……」
"ラプトル":「さっき自分で言ってただろう」
"ラプトル":「何故って、弱くなったのさ……畔戸耕一郎ともあろう男がさ」
"ラプトル":「しなくてもいい誓約に、かける必要もない命をかけて」
"ラプトル":「畔戸笑理……お前が怖くて怖くて仕方なかったのさ」
"ラプトル":「ああ、だから今のあんたにとってはこの死はある意味名誉なのかもな」そう、耕一郎に向けて。
畔戸耕一郎:「笑理……六塔を頼れ」
畔戸耕一郎:「それとアレを探せ、アレは元々お前のものだ」
畔戸耕一郎:「そして最後に……すまな……」
畔戸耕一郎:「いや」
畔戸耕一郎:「ありがとう……」
畔戸耕一郎:深々と、頭を下げる。
畔戸耕一郎:感謝の言葉、父の口から出たのははじめてのこと。
"ラプトル":「そんじゃ、お勤めご苦労さん」
GM:ゴトリ、と垂れた頭が滑り落ちた。
"ラプトル":「んーー」
"ラプトル":「ま、わかったろ、"誓約"はおいそれとやっていいものじゃあない」
"ラプトル":「まあこの場合、この男には覚悟が伴っていたようだがね」
"ラプトル":「ではお嬢さん、いずれまた、仕事で相まみえることあろうなら」
"ラプトル":そう言って、ラプトルは開け放たれたドアからまるで正式に招かれた来客であるかのような態度で出ていった。
GM:玄関口の閉じる音がして、静寂が訪れる。
GM:残されたのは、畔戸笑理と物言わぬ父。
───────
真渕カヅキ:「話は聞いています、相続の手続き等、必要なサポートはこちらですべて行いましょう」
真渕カヅキ:無機質な声で老人の言葉を引き継ぐ。
畔戸笑理:そこで初めて、傍らの女性に顔を向ける。
真渕カヅキ:「あなたの捜し物についても……こちらにアテがあります」
畔戸笑理:実際には、先からちょくちょく盗み見てはいた。忍びならずとも気付くほど露骨に。
真渕カヅキ:「目下調査中でございますので……あなたには引き続き弊社の依頼に注力していただきたく」
真渕カヅキ:「何か、質問はございますでしょうか?」
畔戸笑理:「い、いえ……その」
真渕伴蔵:「耕一郎は……良い……取引相手だった」
真渕伴蔵:「六塔に……財をもたらした……」
真渕伴蔵:「ならば此度は六塔が……畔戸の助けになろう」
真渕伴蔵:苦しそうに、老人は喋る。
畔戸笑理:俯く。身内を亡くした悲しみに浸ってみせるような仕草ではあるが。
畔戸笑理:その下から上目で窺うのは、やはり令嬢の側。
真渕カヅキ:「六塔の総力をもって耕一郎さまの『遺品』の行方を追いましょう」
真渕カヅキ:「あなたは現在弊社と契約中のエージェントですので、此度の忍務の報酬という形をもってそれをお渡しします」
畔戸笑理:「お世話に……なります。あれこれと」
畔戸笑理:「……ご依頼は、必ずや」
真渕カヅキ:「いえ、あくまで公正な取引でありますので……探してほしいものがあります」
真渕カヅキ:コトリ、とテーブルの上に置かれるものがある。
真渕カヅキ:赤の混じった黄金の光を放つ、テニスボール大の鉱石。
真渕カヅキ:「ご存知ですね?」
真渕カヅキ:"竜血"。
真渕カヅキ:異街固有の資源で、最大の財。
畔戸笑理:小さく首肯する。
真渕カヅキ:「この大きさで、六塔所有の全プラント4日分の動力をまかなえます」
真渕カヅキ:「純度の問題もありますが……」
真渕カヅキ:「失礼、少々脱線しましたね」
真渕カヅキ:「あなたに探してほしいのは"竜の心臓"です」
畔戸笑理:「……心臓」
GM:竜血は、文字通り竜の血の結晶であるとか化石であるとか、そう言われるものである。
GM:そしてその中核、血の源流、至宝の財、心臓部が必ずやどこかに存在すると。
GM:それを掘り当て、望外の報奨を受け取ることが採鉱労働者の夢とされている。
GM:ただ、長きあいだ必死に地面をほじくり返す六塔が未だそれを見つけられないでいる。
GM:その事実を前にこのような噂がいつの日か語られるようになった。
GM:「心臓は、既に掘り返されており、誰かが隠し持っているのだ」と
GM:六塔支社長真渕伴蔵は心臓に取り憑かれている。
GM:それが己の命をつなぐ最後の希望であると信じているのだ。
真渕カヅキ:「無論、現物を手に入れろ、というわけではありません」
真渕カヅキ:「あなたが調査に協力し、定期的なレポートを提出してくれれば」
真渕カヅキ:「内容の査定を行い、評価が定量に達した時点で忍務達成というかたちを設けます」
畔戸笑理:「……」
真渕カヅキ:「どうでしょう、契約の更新を行いますか?」
真渕カヅキ:「あの……笑理さま、さきほどから……私の顔に……なにか?」
真渕カヅキ:少々困ったように。
畔戸笑理:「あっ……い、いえ、違うのです」
畔戸笑理:「そうではなく……あの」
畔戸笑理:「……そう、質問を」
畔戸笑理:「よろしいでしょうか……三つほど」
真渕カヅキ:「……なんでしょう」
畔戸笑理:「……評価が定量に達したら、ということですけれど」
畔戸笑理:「“定量”がどこであるかと、レポートの提出によってどれだけ近付いたのか」
畔戸笑理:「それは、明らかにしていただけるのでしょうか」
真渕カヅキ:「それについては、過去の調査結果の一部をお渡しします」
真渕カヅキ:「それを参照すれば、おおよその評価値、というものが判断できるでしょう」
畔戸笑理:「……ありがたく存じます。二つめの質問も、お陰で済みました」
畔戸笑理:「何か調査の手掛かりになるものがあるかと、お尋ねするつもりでしたので」
真渕カヅキ:「それはなによりです」
真渕カヅキ:「それで、最後のひとつというのは」
畔戸笑理:「はい」
畔戸笑理:「今回のご依頼は、あくまでも……捜索までで、よろしいのですよね」
畔戸笑理:「万に一つか、億に一つか……現物を探し当てることが叶ったとしても」
真渕カヅキ:「……そうですね」
畔戸笑理:「入手までは範疇にない……少なくとも、別の依頼になると」
真渕カヅキ:それは考えていなかった、というような表情。
真渕カヅキ:「こちらとしては安易に単独で動き、入手の難易度を上げてしまうことは望みません」
真渕カヅキ:「報奨に気がはやり無茶をするよりも、しっかりとした報告を優先して欲しいところですが」
真渕伴蔵:「が、」
真渕伴蔵:「それが千載一遇の好機である……と……」
真渕伴蔵:「判断……できたなら……」
真渕伴蔵:「迷わず……手に入れろ……」
真渕伴蔵:「言い値を……払う」
真渕伴蔵:「"六塔電子が、言い値を出す"」
真渕伴蔵:「その意味が……わかる……はずだ」
畔戸笑理:「…………」
畔戸笑理:相好を崩す。弱々しい微笑み。
畔戸笑理:「承知しました……いえ。ほんとうに、念のための話です」
畔戸笑理:「不安性なものですから。無いだろうと分かっていることでも、あれこれ考えずには済ませられず」
真渕カヅキ:「いえ、こちらも思うことは事前に確認してもらう方がありがたいです」
真渕カヅキ:「では……重ねてお悔やみ申し上げます」
真渕カヅキ:「困ったことがあれば、些細なことでも構いませんので私どもに相談くださいませ」
GM:老人が激しく咳き込む。
真渕カヅキ:「お父さま、お薬の時間です」
真渕カヅキ:「笑理さま、申し訳ありませんが私どもはこれで」
真渕カヅキ:「こちらはいつもの定期連絡先ではなく私個人のアドレスになっております」
真渕カヅキ:「何かあれば、こちらでも」
真渕カヅキ:そう言って名刺を差し出す。
畔戸笑理:僅かに目を見開く。
畔戸笑理:「……頂戴いたします」
GM:ふたりが退出し、あなたも部屋をあとにする。
GM:高層を貫くエレベーター、異街の技術によってあなたに思考にふける暇も与えず到着を告げる。
GM:豪奢なエントランスを抜け。
GM:排気の匂いが鼻腔をくすぐる。
畔戸笑理:生ぬるい風を受けて跳ねかけた前髪を、指先で押さえる。
畔戸笑理:……父との関係を疑ったことが、ないわけではない。
畔戸笑理:だからと言って、調べたこともない。父は有力者なのだから、その娘でいれば守ってもらえる。
畔戸笑理:だが死んでしまった。ならば。
畔戸笑理:知りたい。自分たちが何者であったのか。何を託されようとしていたのか。
畔戸笑理:……最後に見せた心情が何であったのか。
畔戸笑理:ふらりと歩き出す。細いからだに、また一陣の風。
畔戸笑理:ひと瞬きの後には、女の姿は既にそこにない。
───────
OP4 錺
異街の住民:「楽しいものは、全部ここにあるのさ!全部だぜ!」
GM:対価は必要だがね、と続くが決り文句。
GM:狂楽区、通称『カジノ』
GM:異街の"遊び場"である。
GM:そんなカジノの一角で、男は機械いじりに精を出している。
"ホテルマン":「おっと、いたいた」
"ホテルマン":「なにそれ、照明装置?専属の職人に任せればいいじゃあないか」
"ホテルマン":「きみを雇ったのはエンジニアとして、じゃあないんだぜ」
"ホテルマン":気さくに話しかけてくるのは"ホテルマン"
"ホテルマン":一切の迫力が感じられない柔和な表情の男であるが、これでもここの"王"である。
"ホテルマン":襟口から覗く刺青がミスマッチな印象を与える。
錺 十也:声をかけられ、妙なバイザーをかけた顔を上げる。
錺 十也:バイザーは軽くひび割れており、下に透けて見える顔はまだ若い。
錺 十也:「いや、つい……どうしても光度が弱いなって思ったら気になっちゃって」
錺 十也:中背の男。長い髪を一つ縛りにして、ディーラーかバーテンダーか、という服装。
錺 十也:『それらしく』しているつもりだが、一張羅という雰囲気で、あまり板についてはいない。
"ホテルマン":「はァ……凝り性だねえ、サガってやつなのかな」
"ホテルマン":「もっと表で遊んだらどうなんだい、一世一代の身を焦がす勝負とかさ」
錺 十也:「出来る事ならなんでもやりますよ、俺。お得でしょ」
"ホテルマン":「遊び場はおれがたんまり用意してあるんだからさ」
錺 十也:「……まあ、気が向いたらっすねえー」笑う。
"ホテルマン":「そこが君の良いところであり、不満なところでもある」
"ホテルマン":「おれはもうなかなか勝負ってのができないからね、残念無念」
錺 十也:ははあ、立場ってやつはなかなか大変なんだな、と思う。
GM:本名不詳、通称"ホテルマン"
GM:彼は一切の財を持たずにこの地へと流れ着いた。
GM:口先八丁度胸のみを武器とし、悪魔的とも言える勝負勘の強さだけで連戦連勝。
GM:気づけばギャンブルの王としてこの地へと君臨していた。
"ホテルマン":「昔はただのボーイだったんだぜ?"ホテルマン"なんて名はその頃の名残さ」
"ホテルマン":「あの頃は楽しかったなぁ」
錺 十也:(今はそうでもないんだろうか……)
"ホテルマン":「1対1、後も先も無い命がけの勝負」
"ホテルマン":「相手は、傲慢であるほど嬉しいね」
"ホテルマン":「金持ちってのはだいたいそうだ、観客気取りさ」
"ホテルマン":「一段上の、殻のそとから眺めている気でいやがるもんさ」
"ホテルマン":「おれはねえ、皆に当事者でいてほしいんだよ」
"ホテルマン":「自分の人生のさ」
錺 十也:手を入れていた照明器具をかちりと嵌め直しながら、話を聞く。
錺 十也:「当事者、ですか」
"ホテルマン":「楽勝のはずの勝負で、泥沼に引きずり込んでね、レートを引き上げて……限界まで追い詰めてやれば」
"ホテルマン":「それになれる、どんな奴だろうとね」
"ホテルマン":「あなたとわたし、ふたりの勝負、当事者同士の戦いってやつさ」
錺 十也:「真剣勝負だ」
"ホテルマン":「絶望と悲観の中に輝きが見えるよ」
"ホテルマン":「真剣になってるんだ、自分のことに」
"ホテルマン":「それを最前線で見れる。これ以上の楽しみはない」
"ホテルマン":「おれはね、勝ちたくてギャンブルやってるんじゃないんだ」
錺 十也:「へえ」
"ホテルマン":「その光景が見たいだけなんだよねえ」
錺 十也:ごくり、と唾を飲み込んだ。
"ホテルマン":「それがどうだい」
"ホテルマン":「今や、己の全霊を賭けた勝負なんてできやしない」
"ホテルマン":「おれは持ちすぎてしまってるよ、悲しいねえ」
錺 十也:「……俺なんかからすりゃ、あまりに羨ましいってなもんですけど」
錺 十也:「そういう悩みってのはあるんだな……」
"ホテルマン":「そう?じゃあ代わる?王に興味ない?」
"ホテルマン":軽い口調で言ってのける。
錺 十也:「ええっ、それはなんか……一足飛びすぎやしないですか」
錺 十也:ああ、でも。
錺 十也:この男は、やってのけたのだった。
"ホテルマン":「いいじゃないか、異街じゃそれができるんだぜ」
GM:できる。
GM:異街に置いては、立場、地位、肉体。
GM:それすらも取引可能なモノでしかない。
GM:もしかすると、この男は……本気で言っているのではないだろうか。
GM:あなたの脳裏にそんな考えが浮かぶ。
錺 十也:「…………」
錺 十也:「その、対価は? 勝負がしたいってだけなんですか?」
錺 十也:「俺が払うものがわかんなきゃ、ホイホイもらえはしないすよ」
"ホテルマン":「そっかあ、そう簡単には乗ってくれないか」
"ホテルマン":「じゃあ、ま、おれは引き続きここでみんなの遊び場を守ってますよっと」
"ホテルマン":はぐらかすように
"ホテルマン":「遊んでるうちはさ、それどころじゃなくなっちまうだろう?」
"ホテルマン":「戦争とかさ、おれはね、異街の平和を守っているんだよ」
"ホテルマン":「勝負は好きだけど、おれは戦争は嫌いだからね」
"ホテルマン":「あれは、なんというか人間を大きな物語の一部にしちゃうだろ?」
錺 十也:「ははあ」
"ホテルマン":「おれはやっぱ当事者いてほしいんだよね、自分の物語の」
錺 十也:個を見たいのだな、と理解する。
"ホテルマン":「だから"個人的"に他の王に喧嘩を売る手段がないかと日々考えているんだが」
"ホテルマン":「こいつがなかなか難しい」
錺 十也:(すっごいこと言うな)
"ホテルマン":「リンネちゃんなんかは買ってくれそうなんだけどね」
"ホテルマン":「今のままだとおれぜったい負けるからさ」
"ホテルマン":「そこは計画練らないとだよね」
錺 十也:「軽く言いますね……」
"ホテルマン":「何せあの子はアーティストとしておれより格上だからねえ」
"ホテルマン":「暴力以外でも勝てないんじゃ、どうしたものか」
錺 十也:この島の情勢。有力者たち。それが、まるで盤面の駒ひとつひとつのようだ。
"ホテルマン":「興奮するよね、勝ち目が薄いって」
錺 十也:「そうっすかー?」思わず本音が漏れる。
錺 十也:「俺慎重派なんで……」
"ホテルマン":「え?しない?」
"ホテルマン":「一度覚えてみたら病みつきになるよ」
"ホテルマン":「今度とっておきの"地下"に招待しよっか?」
錺 十也:「クスリ勧めるみたいに言わないでほしい」
"ホテルマン":「しょうがない、そんな真面目なきみには真面目なお仕事だ」
錺 十也:胸ポケットから垂れる鎖を指で弄りながら。
錺 十也:「あ」
錺 十也:手を止める。
錺 十也:「仕事ですね」姿勢を正す。
"ホテルマン":椅子をがらがらと引き、横へと腰掛ける。
"ホテルマン":「そうそう、最近映像部門アツくってね」
"ホテルマン":「やっぱ個人で作品を作るハードルが下がってきてるってのが大きいんだろうね」
錺 十也:「ああ、ウェブとかの」
"ホテルマン":「配信とかも人気だよね」
"ホテルマン":「カジノにね、ちょっと厄介な奴が入り込んだんだよね」
"ホテルマン":少し、声のトーンを下げる。
錺 十也:(玉石混淆って感じすけどねやっぱり個人じゃ機材の方に限界があるし)などと語りそうになって止める。
錺 十也:「厄介な」こちらも声を下げる。
"ホテルマン":「外では"ショベル・マン"なんて自称でやってたみたいでね」
"ホテルマン":「深く埋まった人間の心の闇を暴き立てる、だのなんて言ってさ」
"ホテルマン":「作る映像作品が、これまたセンスの欠片もない悪辣下劣極まりない」
"ホテルマン":「見てみる?あとで送るよ、データ」
錺 十也:「そこまで言われると逆に興味湧きますね」
錺 十也:いただきます、とだけ。
"ホテルマン":「どうやら異街に目をつけちゃったみたいなんだよね」
"ホテルマン":「ここに外の法は適応されないからね」
"ホテルマン":「こりゃいいやと思ったようだけど」
"ホテルマン":「それは好き勝手やっていいって意味じゃあない」
"ホテルマン":「おれが守っているからね」
"ホテルマン":「それを示さなきゃならないわけだ」
錺 十也:語る王をじっと見ている。
"ホテルマン":「お帰り願いたいわけなのですよ」
錺 十也:「その係を、俺が?」
"ホテルマン":「というわけで、その謎のショベル・マンの正体を突き止めてほしいわけ」
錺 十也:「まず正体から、か……」
錺 十也:「了解です。出来ることならなんでも、のカザリなんで」
錺 十也:「照らすのもお手の物ですよ」持っていた照明をぴかりとつけてみる。
"ホテルマン":「まったく、頼りになる男だな」
"ホテルマン":「そこが好きだし、物足りない」
錺 十也:「満点、遠いなあー」
錺 十也:多分。この男に気に入られ過ぎるのもきっと恐ろしい。そうも思う。
"ホテルマン":「満点なんてつまらないじゃないか、それでいいんだよきみたちは」
錺 十也:「ありのままで、当事者でいれば、ですか」
"ホテルマン":「まさにまさに、さ。きみの物語をおおいに楽しみ給え」
錺 十也:「俺は……機械が好きなんで。部品が全部揃って、綺麗に動いてんのがいいと思いますが」
錺 十也:「そういうのもアリってんなら、アリなんでしょうね」
"ホテルマン":「やっぱり似てないねえおれたち」
"ホテルマン":「おれはデタラメに動く部品が一つくらいあったほうが楽しいかなって」
"ホテルマン":「この前作らせてみたんだよ、そういう時計をね」
錺 十也:「へえ」それはそれで興味が湧く。
"ホテルマン":「もうほんとてんでバラバラに鳩が飛び出て時間を教えてくれるんだ」
"ホテルマン":「可愛くてお気に入りのやつだ、オークションには下ろさないよ」
錺 十也:それ、役に立ちます?と言いかけて。
錺 十也:役に立たないからいい、というやつなんだろうな、と思い直す。
錺 十也:ここの地区にはそんなものばかりある。
錺 十也:……嫌いではない。実は。
"ホテルマン":「それじゃあ頼んだよ」
"ホテルマン":「会食の時間だ、やになるぜ」
錺 十也:「了解しました。俺は役に立ちますよ」
"ホテルマン":そう言ってコツコツと腕時計を突く。
"ホテルマン":「おっと、こいつの時間は正確だぜ」
"ホテルマン":「きみと同じようにな」
錺 十也:「光栄っす」
錺 十也:嫌いではないが、まあ、多分。
錺 十也:自分はそういう風にはなれないんだろうな、とも思いつつある。
"ホテルマン":「役に立ってくれよカザリ、役に立ってくれてる間はおれはきみの味方だ」
"ホテルマン":「役に立たない、言うことを聞かないようなら」
"ホテルマン":「そりゃ敵ってことになっちゃうなあ」
"ホテルマン":「勝負ができる、そりゃあいい」
"ホテルマン":「それを期待するのは贅沢ってものか」
錺 十也:「……怖い事言わないでくださいよ」
"ホテルマン":「それじゃあ、楽しい夜を」
錺 十也:この男と勝負をする、だなんて。あまりに恐ろしい。
錺 十也:「失礼します」
錺 十也:はあ、と息を吐いて。
錺 十也:(今俺、何回冷や汗をかいたかな……)
錺 十也:ここは狂楽区ではあるが。雇い主との会話は純粋に楽しいばかりとはいかない。
錺 十也:駆け引きが何回もあって。
錺 十也:いつか、誘い込まれてしまいそうだと思った。
───────
OP5 夏祭
GM:それでは夜の部、やっていきましょうイエイ
GM:最後のOP、PC5になります!
───────
GM:世は、配信者戦国時代!
GM:参加の容易さから玉石混交群雄割拠、石を投げたら動画に当たる。
GM:老若男女が夢見て走る、
GM:嗚呼、憧れのトップランカー、ドラゴン・オスカー!
GM:異街の片隅に、野望を秘めたる忍びが今日も、ひとり。
夏祭らむね:らむねの名前は夏祭らむね!
夏祭らむね:リアル系Vチューバー!
夏祭らむね:Vはビクトリーのブイブイっ!なのだよ~!
夏祭らむね:縁日地獄魔界からやってきた、強炭酸系フェアリーなのだね~~!!
夏祭らむね:好きなものは孤独!嫌いなものはお前!
夏祭らむね:世界中の人と仲良くなるために地球にきてやったのだ!
夏祭らむね:だから今頃らむねの投稿した動画は大バズりまくりでみんなが感動して涙を流しているはずなのだが……
夏祭らむね:再生数は30未満!高評価は2!(1は自分で押した)、チャンネル登録者数は1!
夏祭らむね:こんなに面白い動画を投稿しているというのに
夏祭らむね:https://www.youtube.com/watch?v=v82Mqgf71uc
夏祭らむね:どうしてみんならむねに気づかないのだね~!?
夏祭らむね:世間の目が憎い!曇った世間の目が憎い!
夏祭らむね:ぜーったいトップランカーになって毎秒5000兆億万円のスパチャを手に入れて億万長者になるから
夏祭らむね:高評価チャンネル登録お願いします!
GM:そんなあなたが今日も元気にエゴサーチや最新の情報をチェックしていると……
GM:メールボックスにメッセージが届いていることに気づく。
GM:『動画を見た、仕事を頼みたい』
GM:送り主は不明……なんとも怪しい一通であるが……。
夏祭らむね:「にゃふ~~~!」
夏祭らむね:「やっぱり気づく人は気づくのだね!らむねの才能に!!」
夏祭らむね:「もちろん承諾!」二つ返事で承諾!
夏祭らむね:『おっけー☆』とメールを返信します。
GM:待ち合わせに指定された場所は「青の逆月亭」。あなたは意気揚々とその場に向かった!
小鼠:「ウス、来ちゃな奇天烈ニンゲン」
小鼠:そこには、負けず劣らず珍妙な格好した少女(?)が待っていた。
夏祭らむね:「キテレツでもコロッケでもないのだよ!らむねはらむねなのだね!」
小鼠:「はいなはいな、ま、座んな」
小鼠:「シャオシューだ、よろしく」
小鼠:そう言って席を促す。
夏祭らむね:「んふふふ!」嬉しそうに席にシューッ
小鼠:小魚の骨を揚げたスティックをモリモリと口に放り込んでいく少女。
小鼠:「けふ」
小鼠:「前評判通り、微妙に美味しくない店ぢゃんね」
小鼠:「ま、おかげで立地も相まって閑古鳥、密談には最適ってワケだ」
夏祭らむね:「通好みの味なのかもしれないのだよ」
夏祭らむね:「そうそう!プロ向けのお店なのだなーっ」
小鼠:「あちゃしの舌は高級志向、スキモノのこたぁわかんねーのよ」
小鼠:「んでんで」袖の中にごそごととナプキンを突っ込み、拭き拭き。
小鼠:「見たよ、動画」
夏祭らむね:「!!」
小鼠:「なかなかのお点前、執念、データ量、隙がない」
夏祭らむね:「んふふふふ!!もっと褒めて褒めて!!」
小鼠:「あれだけの量を網羅しているのは、あんちゃだけだった」
小鼠:微妙に、会話が食い合わない。
夏祭らむね:「さいきょー配信者だからねらむねは」完全に自分の動画の事だと思っている!
夏祭らむね:「やっぱりらむねの動画見てお仕事頼みたいってことはきぎょーあんけんってやつなのだね?」
小鼠:「きぎょー?」
小鼠:「それよりこの動画のことなんだけんどね」
小鼠:そう言って端末を差し出す少女(?)。
夏祭らむね:「いい具合の動画で宣伝してほしいってやつでしょ?……む?」
夏祭らむね:ほわーっと端末をのぞきこむ。
小鼠:その画面を見たあなたの顔からサッと血の気が引く。
GM:「全存在詳細レビュー、配信者レビューチャンネル!」
GM:あなたの別名義のチャンネルである。
GM:誰にも正体を明かしていないはずなのに!
夏祭らむね:「はわわわわ……」
夏祭らむね:「どうしてこれを…………」
小鼠:「一部辛辣だけど、なかなかスゴイ、愛のなせるワザってやつかナ?」
小鼠:「どうしてもクソもシャオシューさまの前じゃ隠し事なんて無理無理」
小鼠:「特にウェブのはナ」
小鼠:ニマニマと笑いかける。
夏祭らむね:「むむむ……!インターネットのひとだ……」
夏祭らむね:「え!?ってことはお仕事ってらむねの可愛い動画の方じゃないってこと!?」
小鼠:「おう」
小鼠:「詳しんだろ、あんちゃ」
小鼠:「こういうのにさぁ」
夏祭らむね:「面白いネタ考えてきたのに!?」
夏祭らむね:「『写真マンの写真貼ったマン』の小道具まで作ってきたのに!?」
小鼠:「……なんぢゃそれ……」
小鼠:面食らう
夏祭らむね:「これどうやってとめてるんだろ、テープでなんとかはってるけどとれちゃうのだよ」
夏祭らむね:写真マンさんの写真を大量に顔に貼っている。写真マンさんの真似だ。
小鼠:「……お、おう」
小鼠:「ええと、それで、な」
夏祭らむね:「うむ」小道具を外す。偉そう。
小鼠:「(ばかな……このあちゃしが……主導権を……乱され……)」
小鼠:「探してたわけよ」
小鼠:「ここの映像分野に明るくて、誰の息もかかっていない」
小鼠:「そ~んな都合のいい人材をナ」
夏祭らむね:「しかもセンスが良くて動画が超絶面白い……」
夏祭らむね:「そんな人材を……って、ワケね」
小鼠:「あんちゃ、合格」
夏祭らむね:「やったー!合格だ~~!!」
小鼠:「んぢゃ、本題ぢゃん」
夏祭らむね:「うむ、話したまえよ」偉そう
小鼠:「あんちゃ、オスカー目指せ」
夏祭らむね:「ぷいぷい!?」
小鼠:「そんでなるっべく話題になれ」
小鼠:「最低でも前評判今度のノミネートは間違いなしってくらいにはいってもらう」
夏祭らむね:「だってオスカーってすごくすごいやつなのだよ!?」
小鼠:「アシスタントもこっちで用意する、あちゃしは裏で色々やることあんからね、あんまり顔は合わせらんねだろけどナ」
夏祭らむね:「は、はわわ…………」
GM:ドアベルが鳴る。
GM:ドタドタと騒がしい足音。
GM:そうして。
草原コヨリ:「お、おおおおおやび~~~~ん!!!」
草原コヨリ:狼に似た耳の少女が飛び込んできた。
草原コヨリ:「おーいおいおいおよよん、ありがどう、ありがどう保釈金を」
夏祭らむね:「保釈金……ってことは……つかまっていたということなのでは!?」
草原コヨリ:「あっし、あっし一生懸命はだらくよ"ぉ!!」
小鼠:「おう」
小鼠:「こいつコヨリ、アシスタント代理」
夏祭らむね:「はわわ~~!」
草原コヨリ:「ウス、代理っス」
夏祭らむね:「前科のある人と組むことになっちゃった~!」
夏祭らむね:「んむ、代理?」
草原コヨリ:胸を張る。
小鼠:「本来一緒にこの島に来るはずだった奴が遅刻して迷子して間に合いそうにねえかんね」
小鼠:「これ、拾った。さっきそこで」
夏祭らむね:「ほわ……」
夏祭らむね:「人って拾えるんだ」
草原コヨリ:「えへへ、えへへ」
夏祭らむね:「いいなー、らむねも人拾いたい」
夏祭らむね:「ちゃんとお世話するし、おやつもわけてあげる」
草原コヨリ:「ウヒョー、VIP待遇」
小鼠:「ま、"外"の忍びは都合がいい」
小鼠:「ここでのしがらみがねっちゃらな」
夏祭らむね:「でもそこのグルメ氏はなんでそんなにオスカーほしいのだ?撮って欲しいものがあるとか?」しゃおしゅーちゃんを見ている。
小鼠:「あちゃしはドラゴン・オスカーとやら、そのものにゃ興味なんぞねーな」
夏祭らむね:「ってことは……」
小鼠:「映画もテレビも嫌いだしナ」
夏祭らむね:「らむねが輝いていくシンデレラストーリーをその目で見たい……ってことね!?」
小鼠:「そいことそいこと」
小鼠:面倒くさそうにあしらう
草原コヨリ:「聞いたよ、らむちん……」
草原コヨリ:「やるからには、トップよトップ」
草原コヨリ:「ランキング、挑んでこそっしょ」
夏祭らむね:「それは……」
夏祭らむね:「本当にそう!!!!!!!」
夏祭らむね:「やるからには絶対トップなのだね!!!!」
草原コヨリ:「ウチ……これでもNInstagramでブイブイ言わせてたかんね」
草原コヨリ:「お役立ちよ?」
夏祭らむね:「ええ~~!ぶいぶいと!?ビクトリービクトリーと!?」
夏祭らむね:「すご~~~!!」
草原コヨリ:「そりゃあもう」
草原コヨリ:「新しいもの大好きだかんね」
夏祭らむね:「ええーっ、じゃあそのコヨリのビクトリーテクを生かして……コヨリに脱いでもらうか」
夏祭らむね:「セクシー路線でオスカー優勝間違いなし!」
草原コヨリ:「ひと肌もふた肌も脱いじゃろうじゃん」
草原コヨリ:「BANの限界手前……攻めてみっかぁ!」
小鼠:「それはやめろバカタレども」
夏祭らむね:「ウオーッ!センセーショナルセンシティブセンタッキ!」
夏祭らむね:「グルメ氏は着衣のほうが好きなタイプ?」
小鼠:「あ”?」
草原コヨリ:「おやびんはたぶん難解なヘキだもんね」
夏祭らむね:「そうなんだ……」
草原コヨリ:「ここで聞いても教えてくんないよ」
夏祭らむね:「わかってあげられなくてごめんね……」
夏祭らむね:「何が好きかは……自由だからさ……」
小鼠:「人選……失敗したか?……」げんなり。
草原コヨリ:「んぢゃんぢゃ、何撮る?」
草原コヨリ:「やっぱここでしか撮れないようなもの撮りたいよねぇ」
夏祭らむね:「セクシー路線はNGでたから……」
草原コヨリ:「そもそもらむちんは、どんな動画を目指してんの?」
夏祭らむね:「なんだろう……円周率どこまでも唱えてみたとかはどこでも撮れるし……」
夏祭らむね:「みんながね、元気になるヤツ!」
草原コヨリ:「サイコーじゃん」
夏祭らむね:「それでね、思わずらむねにお金あげたくなるやつ!」
夏祭らむね:「ニコニコー!はい百万円!って!」
草原コヨリ:「超サイコーじゃん」
夏祭らむね:「らむねはここにいるよって」
夏祭らむね:「それでみんなを元気にしたいのだね~」
草原コヨリ:「いいねいいね~~」
草原コヨリ:「んじゃさー、例えばさ~~」
草原コヨリ:「これとかさーー」
草原コヨリ:「んで~~~」
草原コヨリ:「オッホホ」
夏祭らむね:「なるほどなるほど」
小鼠:「アホくさ……」
夏祭らむね:「そんな過激なものを!」
草原コヨリ:「おやびん……ウチらに任せて」
草原コヨリ:「テッペンの景色……見せてやるからよ……」
夏祭らむね:「最強のタッグを組んだ予感が早くもするのだね」
夏祭らむね:「テッペンの景色は譲らないよ……!」
草原コヨリ:「イイナイイナ、ウチも別でなんか作ってエントリー狙っちゃおうかな~~」
夏祭らむね:「どゆこと!?ライバルになるの!?親友が!?」
夏祭らむね:「決勝戦で会うやつ!?」
草原コヨリ:「出会った二人がやがて決着をつけることは」
草原コヨリ:「運命なのだよっ」
夏祭らむね:「そんな~~~~!!!」
草原コヨリ:「つってもウチ機材とか持ってないかんなー、外のスマホはここ来た途端動かなくなっちったし」
夏祭らむね:「じゃあやっぱりらむねにお任せってことね!」
小鼠:「ここじゃ、ドラゴンブラッドとやらがエネルギーのやつしか動かねよ」
草原コヨリ:「さっすが、おやびんは何でも知ってるなぁ~~」
夏祭らむね:「まあらむねはさいきょーだからどこでもインターネットだけどね」支離滅裂
草原コヨリ:「らむちん頼りになるぅ~~」
草原コヨリ:「でもやっぱ自前のが欲しいよねェ、カメラはギャルの一本刀」
草原コヨリ:そんなコヨリが、店の一角に目ざとくあるものを見つける。
夏祭らむね:「買っちゃうか……さいきょーカメラ……お?」
草原コヨリ:「あんじゃん、カメラ!」
草原コヨリ:そそりと駆け寄る。
草原コヨリ:「骨董品っぽいけど、マイクもこれは結構なモノで」
草原コヨリ:「ねえおっちゃーん、これホコリ被ってるけどゴミ?まだ動く?」
夏祭らむね:「………………!!!!」
逆月亭の店主:「ああ、それな」
夏祭らむね:「うごく!?うごく!?」
逆月亭の店主:「客が置いてったんだよ」
逆月亭の店主:「いっつもここにたむろしてるバカ四人組がな」
逆月亭の店主:「一時期暇つぶしにって配信めいたことやってたんだが、すっかり飽きてな」
夏祭らむね:「え!?!?!?」
夏祭らむね:「じゃあ………………じゃあ………………」
夏祭らむね:「らむねのってことね!?!?!?」
逆月亭の店主:「……は?」
夏祭らむね:「ほしい~~!!ほしい~~~!!!!」
逆月亭の店主:「でもまあ、いいぞ、持ってっても」
逆月亭の店主:「持ち帰れつってんのに聞きゃしねえ」
夏祭らむね:「やった~~~~!!!!!!」
逆月亭の店主:「あんたらが持ってったって文句言われる筋合いねーわな」
逆月亭の店主:そう言ってグラスを磨く動作に戻る。
夏祭らむね:「やったーー!!やったーー!!」喜んでくるくる回る。
夏祭らむね:「バランス~~!!」バランスをとるために反対周りに同じ回数回る。
草原コヨリ:「やりぃ~~、これで勝利に一歩近づいちゃったねっ¥」
草原コヨリ:同じくくるくる回る。
小鼠:「(う、うるせーー、動作がうるせえ)」
夏祭らむね:「さいきょーを超えた……ちょーさいきょーになっちゃったのね」
夏祭らむね:「えへへへへへ~~!!!すっごーーい!!」
夏祭らむね:「んふふふふ……」大事そうに機材をナデナデしている。
草原コヨリ:「じゃさじゃさ、早速撮ろうぜぇ~、動画をヨッ」
草原コヨリ:「ウチら最強チーム結成ブチアゲ↑↑宣言ってな!」
小鼠:「あちゃしは映らんぞ」
夏祭らむね:「いいね~~~!!!あげてこ!テンションと芋はガンガン!!」
夏祭らむね:「え~~~~!?!?!?!」
草原コヨリ:「……ってな!!」
小鼠:「……」
草原コヨリ:「てなっ!!!!!」
夏祭らむね:「なんでなんでなんで~~~!?!?プロデューサーなのに~~~!?!?うつってくれなきゃヤダヤダヤダヤダヤダ~~~!!!」
夏祭らむね:「やーだーやーだーやーだー!!」床をころがる
小鼠:「(ああもう……やっぱ失敗したかもしれん……人選)」
GM:こうして、3人の他愛もない作戦会議が続いていく。
GM:久しぶりに表へと引っ張り出された、古い機材と店主だけがそれを見ていた。
───────
マスターシーン
GM:四人は、空き時間があればよくなんとはなしに逆月亭を訪れる。
GM:見知った顔がいるかは運だが、会えることはそれなりに多い。
GM:その日畔戸笑理が逆月亭を訪れると、幸い先客がいた。
ナキ:「おーーー、エリィじゃん」
ナキ:「よかったよかった、今日誰か来てほしかったんだよね」
畔戸笑理:「……ナキさん」
畔戸笑理:小さく会釈をして、その席に近付く。
ナキ:「あのねあのね、お願いがあるのね」
ナキ:「最初に来た誰かにお願いしようかと思ってたんだけど」
畔戸笑理:服装は先と同じ。制服がそのまま普段着のようなものだ。
畔戸笑理:「はい?」
ナキ:「次のナキのお仕事、エリィを雇いたいのね」
ナキ:「ぜっっったい失敗できないお仕事入っちゃったのよ」
畔戸笑理:まばたきをする。
ナキ:「ここの3人だったら、動きとか、連携とか打ち合わせいらないでしょ」
ナキ:「知らない人雇うよりやっぱそれかなって」
畔戸笑理:「……」思案するように頬に手を当てて。
畔戸笑理:「ちなみに、依頼主は」
ナキ:「うちの雇い主」
ナキ:「教区からのお仕事ね」
ナキ:「内容はただのお届け物だけど」
ナキ:「たぶん妨害ぜったい入るからさ」
ナキ:「ナキここんとこ頑張りすぎちゃったからさー、ポイント溜まってるんだよねー」
GM:異街のエージェントは妨害上等である。
GM:依頼者は仕事を害されたところで、そんな弱いエージェントを雇っている方が悪いとされるのだ。
ナキ:「というわけで、手伝ってほしいのね」
ナキ:「もちろん報酬出すからさ」
ナキ:そう言って提示された額は、相場より高い。
ナキ:高すぎるかも知れない。
ナキ:あなたは少々面食らう。
ナキ:金にがめついナキが、こんなこと。
ナキ:どうやら次の仕事というのは本当に大事なものであるらしい。
畔戸笑理:「……ううん……」彼女の得意先はよく知っている。その職務態度の熱心さも。
ナキ:「う……」
ナキ:「足りない?」
ナキ:困ったような声色。そわそわと足が揺れる。
畔戸笑理:「……いえ」
畔戸笑理:「こういうのはどうでしょうか」
畔戸笑理:「お金は結構です。そのかわり」
畔戸笑理:「そちらが済んだら、私の方の仕事も手伝っていただくというのは」
ナキ:「っわ、わぁ!」
ナキ:「ありがと、ありがとう!!」
ナキ:「手伝う!絶対!頼りにしてるね!」
畔戸笑理:「え、ええ……」喜びようにやや面食らいつつも。
ナキ:手を握りブンブンと振る。
畔戸笑理:「が、がんばります」
GM:そうして、
───────
GM:迎えた当日。
ナキ:「んひー、いるねいるね」
ナキ:「こっちの隙を伺ってる」
畔戸笑理:「……」黙って控えている。顔色は悪い。
ナキ:「とりあえず、こいつを六塔のプラントに届けりゃお仕事は完了」
ナキ:高層ビルの屋上から、眼下を見下ろす。
ナキ:びょうびょうと風が吹きすさぶ中。
畔戸笑理:あのような交換条件を持ち出したのは、そもそも自分の腕に自信がないからだったが。
畔戸笑理:彼女ほどの手練れが助力を乞うほどの難事に首を突っ込むとなれば、リスクも当然──
ナキ:「んじゃ、ま」
ナキ:「いきますか」
畔戸笑理:「ど、どのように」
ナキ:「もっちろん、まっすぐ突っ切る!」
畔戸笑理:「えっ」
ナキ:そう言って、ナキは屋上の縁を蹴り。
ナキ:飛び出していく!
ナキ:「ひぃふぅみぃ」
ナキ:「やーっぱ皆も来てるか」
ナキ:「とりあえず、っと!」
ナキ:懐から針を投擲。遠くで悲鳴が上がる。
ナキ:「雑魚エージェント一匹!」
ナキ:「どんどん行くよゥ!」
畔戸笑理:「無」
畔戸笑理:その傍らにぴたりと並走する。
畔戸笑理:「茶、な……っ!」
サブGM:摩天楼の谷間を跳び移るその影へ──
サブGM:視界を埋め尽くすほどの弾丸の雨が飛来する。
ナキ:「んっひょーーー!」
ナキ:まとっていた外套を引き剥がし、振り上げる。
ナキ:それは一瞬で膨れ上がり、弾丸を絡め取る。
ナキ:身体をねじり、雨粒を吸ったそれを下方へと投げ捨てた!
ナキ:が、その動作によってできる、大きな「隙」。それを見逃す"彼"ではない。
サブGM:視界を埋め尽くす弾雨を/外套が打ち払ったその刹那。
"クテン":「もらったァッ!」
ナキ:「やっ、べ」
"クテン":その影から現れたのは、白髪の男。
"クテン":牙を剥くがごとき凶暴な笑みと共に、改造銃を腰だめに構え、吶喊する。
ナキ:「ん、のぉ」
畔戸笑理:「……!」瞬間的な加速。
畔戸笑理:横合いから飛び出し、男へと遮二無二しがみ付いて。
畔戸笑理:その掌で、彼の目元を撫でる。
"クテン":「うおッ!?」
畔戸笑理:子供を寝かしつけるような優しげな手付き。
畔戸笑理:しかし塗布されるのは、強烈な痛みを伴う目潰しの毒だ。
"クテン":「ッッ……~~~~があああッッ!?」
ナキ:「ナイッス!!」
ナキ:とっさに、とっておきの"竜針"を取り出す。
畔戸笑理:「ごっ、ごめんなさいクテンさん……!」
畔戸笑理:「明日には多分痛みも引きますから……」
"クテン":「お、おま」
"クテン":「エリまで雇いやがっ……!」
ナキ:腕にある点穴へとそれをねじり込み、経絡を通り全身へと高純度の竜血が流れ走る。
ナキ:「アハハ、エージェントはルールおよびに問答無用!」
ナキ:全身の筋を引きちぎりながら身体は急加速。
ナキ:今まさに放たれた弾丸をーー空中で掴み取る。
"クテン":視界を潰されながらも尋常ならざる気配を感じ、離脱用のエアカートリッジに換装する──が。
ナキ:「ピッチャー返し!」
畔戸笑理:「あっそこまでします……!?」
ナキ:実際のソレとは意味のズレることを叫びながら投げ返す。
ナキ:放たれた勢いと遜色のない速度でそれは迫り。
ナキ:「ドッ死ねやぁーーーーーーーー!クテェーーーン!!」
"クテン":その刹那、脳裏に閃いた動物的なまでの直覚に身を捻る。
"クテン":直撃は避けた。避けた、とはいえ──
"クテン":「ぐッあああああ────ッッ!!」
"クテン":その身に受けたダメージは、戦闘続行を不可能とするのに十分!
ナキ:「チッ、脳天狙ったんだが……相変わらず野生の猛獣みてぇなヤツ」
ナキ:「あれでオツムさえ良ければうちらで一番強いのにね」
畔戸笑理:「……だったとしても」
畔戸笑理:「一番怖いのはナキさんだと思います」
"クテン":「て、てめぇらァ、覚えてやがれェェェェ……!」
"クテン":月並みな捨て台詞と共に、ビルの谷間に墜落していった。
ナキ:「ヒヒヒ、お互い呑んだら忘れるくせにさ」
ナキ:笑いながらそれを見送り。
ナキ:「見たアレ?ウケるよね」
ナキ:「それより怖いってナキが?え~~怖さで言えばエリィがトップでしょ」
ナキ:「正直雇えてかなり安心したんだからね」
畔戸笑理:「そ、そんなぁ……心にもないことを……」
錺 十也:その墜落と入れ違いのようにして。
錺 十也:じゃらり、とビルの下から鎖が延びる。
錺 十也:鎖に導かれるように、ひとりの男が飛び出してくる。
ナキ:「おいでなすったな!!」
錺 十也:「……ナキ、にエリさん」
錺 十也:いつもの服装とは違う、ツナギのような装束。
錺 十也:「今、なんか落ちてったけど。あれか」顎で指す。
錺 十也:「今まさにやり合ってるところか?」
ナキ:「そうそうアレよ」
畔戸笑理:「錺さんまで……」情けない顔をする。
錺 十也:「そんな顔されると困るな……仕事だろ」
錺 十也:「いつもの通りの」
錺 十也:右の袖口から、じゃらりと一本の鎖が飛び出す。
ナキ:「そんじゃさ、いつもみたいに情けなく泣いて退場しろやっ!」
錺 十也:「そんないつもは知らん!」
錺 十也:鎖は蛇のようにうねり、相手の肩に執拗に絡みつこうとする。
ナキ:ジャラリと袖の下から針が滑り出る、それを指で挟み、迎撃の構え。
畔戸笑理:タイトスカートの内側。腿に巻き付けたベルトからクナイを数本まとめて抜き取り──直後、それが目に入る。
夏祭らむね:「うぇーいオタクくんみてる~?オタクくんの大好きなエージェントたちのバトル、撮影しちゃってまーす!」
夏祭らむね:ビルの下、撮影機材を構え、葉っぱで顔を隠しながら戦闘の様子を撮っている。
夏祭らむね:「草葉の陰から、撮影しちゃってまーす!」
草原コヨリ:「うおーーー撮れ高撮れ高」
草原コヨリ:「やってんねぇやってんねぇ」
夏祭らむね:「敗者インタビュー!」
夏祭らむね:「ずばり敗因はなんでしたか~?」
夏祭らむね:クテンさんにマイクをつんつんする。
"クテン":「だ、誰なんだよ……お前はァ……!」
畔戸笑理:「……なんかいる……!」
ナキ:「なんだあれ……」
錺 十也:「なんか?」その隙を突いて。
錺 十也:鎖がもう一本!
錺 十也:中距離捕縛忍器『腐蜘蛛』。錺の主たる武器だ。
錺 十也:「はいはい、集中!」
畔戸笑理:「あわっっ」咄嗟にクナイを振って弾く。
錺 十也:一本は、バチ、と電気の火花が散って弾かれる。
ナキ:「出たな得意のウネウネ」
ナキ:「だぁが、今日のナキに出し惜しみは無し!」
ナキ:2本目の竜針を取り出す、1日に使える限界量。
錺 十也:「あ、まずいな……」眉を顰める。
夏祭らむね:「悔しいですか~?」
夏祭らむね:「どんなきもちですか~~???」
"クテン":「悔しいに決まってんだろォ……! いやつーかマジで誰だよ……!」
夏祭らむね:「らむねの正体はナイショなのね……謎の美少女さいきょー忍者リアル系Vチューバーということしか分かっていない……」
草原コヨリ:「はい、目線くださーい」
草原コヨリ:「無様~~~www」
草原コヨリ:「お、なんかコメント来てんじゃん」
"クテン":地上に横たわり、痛みに悶え、マイクでつんつんされながらも律儀に答える。
草原コヨリ:「『クテン羨ましすぎブッコロ』」
草原コヨリ:「なんだこれ」
夏祭らむね:「羨ましいんだ???」
"クテン":「また増えやがった……!」
草原コヨリ:「世の中には女の子にいじめられたいニンゲンが思いの外多いらしいよ」
草原コヨリ:「ウチそういうのよくわかんねえけどさ」
夏祭らむね:「そうなんだー、あなたもそういう感じなんですかー?」クテンさんつんつん
草原コヨリ:「ウチの知り合いもJKにいじめられてよくウネウネ喜んでるよ」
草原コヨリ:「トバリクンはほんとクソザコでね~~」
夏祭らむね:「そうなんだあ~」
: ナキがさらなる切り札を斬らんとする、その寸前。
: 「ああ、その辺りにしといてくれ」
: 「これ以上消耗されると盛り上げに欠けるんだ」
: 何かが飛来し、ドサリと。構える三人の中央へと落下する。
畔戸笑理:「!」
錺 十也:「……!」耳元でぶん、と虫の羽音のような音を聞きながら。
ナキ:「んっ」
ナキ:突如として現出した気配、手練れだ!
ナキ:気づかなかった、カザという強敵を前に注意が散漫になっていたのもあるが、それでもこいつは!
錺 十也:「……俺ら以外の……」
: 周辺に潜んでいたエージェントの一人。気を失っている。
: 男を縛り付け投げ込んだのは錺の鎖よりはるかに細い、漆黒に染められた"糸"。
: ──竜骨島には非公式に、『エージェントランク』という番付が存在する。
: 島に在住する裏の仕事人……多くは忍びの、実力の格付けだ。
: もともとは雇い主へアピールするためにエージェント側が始めた腕試しだったが
: 今やスポンサーまでバックにつき、運営が試合のスケジュールを組む一大娯楽へと発展している。
: トップランカー同士の戦いとなれば観戦は困難で、映像すらも好事家に高額で取引される有様。
: 『トップランカーへの成り上がりの映像化』。油舐ニャオの目論見はあながち的外れなものではない。
油舐ニャオ:『なのさね』
: 問題はいかにして上位に食い込むか。金も実績もない立場、地道に試合を組んでも間に合わない。
: 『だったらどうすんだい、お嬢さん』
: ならばどうするか。聞くまでもなく、決まっている。手は一つ。
油舐ニャオ:『そりゃあ、当然大物喰らい』
: つまりはストリートファイト。ランカー相手に実力を示し、話題性を作り上げる。
: 拘束の糸が解け巻き戻っていく、その先に。
河路 緑郎:「教区所属のナキ」
河路 緑郎:「六塔電子の畔戸笑理に、カジノの錺十也」
河路 緑郎:「で、間違いないかな?お嬢さんがたに、お兄さん」
河路 緑郎:腕から糸を伸ばした、くたびれた男が立っている。
GM:間違いはない。
GM:『青の逆月亭の四人。』
GM:異街のエージェントランク、中堅上位。話題性も上々。
GM:緒戦の相手としては、これ以上無いだろう。
錺 十也:「…………」目に不審と敵意の色を宿しながら、男を見る。
河路 緑郎:「さっき落ちていったのは磨羯のクテン、横にいるのは……なんだありゃ。まあ良い」
河路 緑郎:「ナキ狙いだったんだが、他にも随分と多く釣ってるもんだ。」
河路 緑郎:「相手してってくれよ。ちょいと人気をね、稼がなきゃならんもんで」
夏祭らむね:「おっ!どんどんふえるね!もりあがるね!ありがたいのだね!」
"クテン":「ありゃア……誰だ?」忍の視力でビルの下からその影を見、訝しむ。
"クテン":「すっ飛んできたのは、磨羯んとこの"クリスタル・ディンゴ"だぞ」
"クリスタル・ディンゴ":「……」(気絶)
"クテン":「文字通り『一筋縄』でどうにかされるようなヤツじゃねェはずだが……」
夏祭らむね:「おそらくは……」ごくりとつばをのむ。
夏祭らむね:「人間……」
草原コヨリ:「まさしく……」
"クテン":「推測の範囲がデカすぎだろ……!」
錺 十也:「釣りねえ。その糸で?」じゃら、と鎖を巻き戻す。
畔戸笑理:そういう物言いをする手合いには覚えがある。
畔戸笑理:「ランカー狩り……」
河路 緑郎:「そういうこと。わかりやすいだろ?」
河路 緑郎:余裕綽々といった態度でニヤリと笑い、背筋には冷や汗。
河路 緑郎:「(この質と数相手に正面からかよ、嫌になるね)」
河路 緑郎:「あんたらも散々返り討ちにしてきた手合さ」
錺 十也:「わかりやすく……"敵"だよな」
河路 緑郎:「我こそ最強と調子に乗った井の中の蛙」
河路 緑郎:「叩き返してみたらどうだ?」
畔戸笑理:「ま、毎度毎度懲りずに来ますけど」
畔戸笑理:「そういうの、本当に興味ないので……! 他所でやってもらえませんか……!」
河路 緑郎:「(同感、俺も興味ねえ)」
河路 緑郎:そもそも、こんな正面からまともに勝負するなど馬鹿げている。
河路 緑郎:戦いの収束を待っての不意打ち、あるいは罠に誘い込めば勝算も増える。
河路 緑郎:だが、だからこそ意味がない。有利な条件で勝ったところで実力の証明とは言えない。
河路 緑郎:忍びならば問題ない、むしろ願ったりな話なのだが。
河路 緑郎:「("主人公"には相応しくねえ)」
河路 緑郎:不利な条件を突破する。それでこそ観客は盛り上がる──らしい。
河路 緑郎:「(ほんと、期待してくれんなっての)」
ナキ:「新手は……流石に……ッ」
ナキ:竜血を全身に充填し、絡め取った鎖をぎりぎりと引く。
ナキ:錺の相手で精一杯、乱入者に対する用意はない。
河路 緑郎:「おいおい、そんな構えるなって」
河路 緑郎:「ちょっと勉強させてもらうだけさ」
夏祭らむね:「勉強……英語の小テストで8点とったらむねだからわかるけど……」
夏祭らむね:「あのひと……つよそう」
草原コヨリ:「ウチにもわかる……つよそうってことがね」
草原コヨリ:「コメント来てんじゃん、ええとなになに『何かひとつでも意味のあること喋れ』」
草原コヨリ:「コメントありがとー♡引き続き見てってねーw」
"クテン":(コイツらはコイツらで『できる』っぽいんだが)己へマイクを突きつけ、撮影している二人組を盗み見る。
錺 十也:「エリさんもナキもこう言ってる。釣果はボウズだよ、あんた」
河路 緑郎:「はっは、さっきから妙なことを言うね兄さん」
河路 緑郎:「釣られたのは俺の方なんだよ」
河路 緑郎:「馬鹿な蛙が食いついた餌を離すと思うか?」
錺 十也:「あっそ」
錺 十也:「食われた蜘蛛が」
錺 十也:「そのままでいると思うか?」
錺 十也:「腸食いちぎられんうちに帰れ」
河路 緑郎:「そうもいかねえ。まあ、釣り上げてくれねえってんなら仕方ない」
河路 緑郎:「水中に引きずり込むぜ」
河路 緑郎:ひゅるり。
河路 緑郎:風を斬る音。鋼線が三人へと襲いかかる。
夏祭らむね:「!糸……!あれは……!」
夏祭らむね:「当たると……絶対痛い!」
草原コヨリ:「それにきっと……跡が残る!」
"クテン":(……どこまでマジなのかわからん)
河路 緑郎:「(そこから見えてんのかよ)」
河路 緑郎:下で騒ぐ乱入者の声に苦笑する。怪物どもめ。
ナキ:高速で思考、「(追加の竜針を使うか……?重ねがけはリクスが大きすぎる!それに既に2本を打っている……)」
ナキ:「(いっそ、奥の手を……)」
ナキ:「(いや、ここで見せるわけには……)」
錺 十也:再度鎖を取り出す。左腕に巻き付け、それで糸を弾こうとする。
錺 十也:「……跡が残んのは、嫌だね」
畔戸笑理:再びクナイを振るい、直撃を避ける……が。
畔戸笑理:落ちかかったワイヤーが生物めいて動き、左腕を絡め取られる。
河路 緑郎:この一手で決められるとは思っていない。未だ全員が混乱している間に
河路 緑郎:錺に対応させ、畔戸を抑え。
河路 緑郎:「もらうぜ、大物……!」
河路 緑郎:最も消耗し、かつ最も価値のある相手、ナキを本命──鋼線によって放たれた鎌鼬が襲う!
錺 十也:「…………っ」
錺 十也:自分の対処に気を取られていた。それをただ見ている。
ナキ:「ッ」
ナキ:迫るは避けようのない一撃。
ナキ:覚悟を迫られる――奥の手を
河路 緑郎:「(長期戦はまずいんだ、さっさと落ちな……!)」
畔戸笑理:……だが、この場の全員が、すぐに察する。
錺 十也:ワイヤーを弾いたところで、それに気付く。
畔戸笑理:狙いが逸れている。避けようと避けられまいと、最初から、それはナキには当たらない軌道だ。
河路 緑郎:「……!?」
河路 緑郎:狙いが外れた。いや、外された。
畔戸笑理:「……お喋りはあまり、得意ではないのですが」
錺 十也:(……知ってる)
畔戸笑理:「殺し合いよりは、まだ頑張る気にもなりますね」
畔戸笑理:摩天楼を風が吹き抜ける。
夏祭らむね:「あれえ、あのひと投げたのハズレなのだねえ」
夏祭らむね:「ピッチングに自信ナシ?肩が大事なのだよ肩が!」
草原コヨリ:「んーー、ありゃあナースさんが何かやってんねぇ」
"クテン":「ああ」
"クテン":「敵の中にアイツがいるだけで、相手は相当やりにくくなる」
"クテン":「……散々やられたからなァ……!」
夏祭らむね:「へえ~」
河路 緑郎:「(いつ仕込まれた?)」
河路 緑郎:毒、麻痺、認識阻害……比良坂の手管は知っている。
河路 緑郎:受けたことが問題ではない。気づかなかったのが問題だ。
錺 十也:(エリさんがいざやろうと思うと、こうなんだよな……)
畔戸笑理:かすかに、甘い香水の香りが余人の嗅覚をくすぐる。
畔戸笑理:無論、戦いの初めからそうあったものだ。
畔戸笑理:それが毒である、ということは、普通ない。仲間がいる戦場であれば。
畔戸笑理:……共に戦っているのがナキでなければ。
畔戸笑理:無差別に効果を及ぼす類の毒の香。普段からガスマスクを着けているような奇特な忍者と組む限り、その使用にリスクはない。
河路 緑郎:追撃の手が止まる。肉体の感覚がズレ、まともに動きが定まらない。
ナキ:「(やっぱり、いちばんこわいのは)」
ナキ:「エリィだよッっと!」
ナキ:千載一遇のチャンス、これ以上はない!
ナキ:追加の3本目を首筋に突き立てる。
ナキ:「だっっっりゃあああああ!!!」
ナキ:空中で独楽のように回転!鎖を巻き上げ、振り回す。
錺 十也:「ぐわっ」引かれ、思い切り振り回される!
錺 十也:「な、な、な、ナキっ!」
ナキ:鎖を手放し、目もくれない
錺 十也:「こっっっの」
ナキ:禁断の3本目だ、自分に残された時間は少ない。
錺 十也:「オーバードーズバカ!!!!」そのまま、すっ飛んでいく。
河路 緑郎:「なっ……!」
ナキ:全身が焼けるように熱い、マグマのようなエネルギーが駆け巡るのを感じる。
ナキ:たまらず、駆ける。
ナキ:走れ、走れ、――走れ!
ナキ:もっとはやく、誰も追いつけないくらいに、エリィがくれたチャンスを無駄にはするな。
河路 緑郎:錺が吹き飛んでいくその先には、未だ感覚を乱されたままの男。脚が思うように動かない。
錺 十也:もう片方の鎖で勢いを止める事もできた、が……。
錺 十也:(……ええい、ここはこうか……!)
錺 十也:そのまま、砲弾のように突っ込んでいく!
河路 緑郎:「やろっ……!」
錺 十也:「どうも」へらっと笑う。
錺 十也:「釣り餌です」
河路 緑郎:「はっはっは」
錺 十也:どうせ狙いは狂わされている。
錺 十也:それならば、自分ごと相手を潰すことができれば……!
河路 緑郎:「釣りなら引っぱれや馬ぁぁぁ鹿っ!ぐおおおっ!?」
河路 緑郎:受け止め、勢いを殺しきれず一緒にふっとばされる。
畔戸笑理:その吹っ飛ばされる男の得物は、未だ自分の腕に絡んだままなので。
畔戸笑理:「ひぇああ!?」まさしく釣り上げられる魚めいて、男二人と運命を共にする。
ナキ:喧騒を置き去りにして走る。
ナキ:慌てて飛びかかる他のエージェント、――追いつけない。
ナキ:「サンキューエリィ、最初にきたのがあんたで良かった」
ナキ:街の光が目まぐるしく眼下を流れていく。
ナキ:誰も彼も振りほどいて、ナキは遠くへと。
夏祭らむね:「おそらく……勝因は」走るナキを映す。
夏祭らむね:「一人より、二人の方が強い……ってことね」
草原コヨリ:「ってことは、ウチらは3人だから、最強ってこと?」
夏祭らむね:「ほんとだ!」
夏祭らむね:「さいきょーなのだよ~~~!!」
───────
ナキ:「あーーーーー、死ぬかと思った」
GM:時はしばらくして、青の逆月亭。
GM:そこでは祝勝会と敗戦会が同時に行われていた。
錺 十也:「そりゃーこっちのセリフだっていう……」
畔戸笑理:「ほ、本当に……と言うか」
畔戸笑理:「多くないですか。人が」
錺 十也:「……多いな」
夏祭らむね:「人口増加問題のやつ?」
夏祭らむね:「出生率と死亡率が?」
河路 緑郎:「だからよお、俺は無理だっつったんだよ」
河路 緑郎:つまみを齧り、グチグチと不満をこぼす。
河路 緑郎:「せめて一人の時狙おうぜっつったんだけど、あの数相手に勝ったら盛り上がる!とか無茶振りしてきてよお……」
河路 緑郎:「それができたら苦労しねえっつうの。現場知らんスポンサーはこれだから……」
"クテン":「だから誰なんだよコイツらはよ」
GM:多い、逆月亭にあるまじき大繁盛。
GM:あの場にいなかったはずの客すら押しかけて、今や満員御礼である。
馴染みの客:「いやあ、配信みててさあ、どうせここにいるんだろって来てみたら」
河路 緑郎:「配信?……ああ、あの変な嬢ちゃんたちか?」
草原コヨリ:「うおーーーーシャンペンタワァ、ついに6段目ェ!!」
夏祭らむね:「たかいたかーい!なのだ~!!」
草原コヨリ:「うおほほほほ注げ注げ注げぇ~~!」
馴染みの客:「そうそう、クテンいつもとおんなじだったじゃん、もっと頑張れよ」
"クテン":「うるせェよ! ナキだけでも楽じゃねェのにエリまでいてどうしろってんだ!」
錺 十也:「もっと頑張れよ」
錺 十也:ちびちびと酒を舐めるように飲みながら。
夏祭らむね:「そうだぞ、がんばりたまえ」クテンさんをぱしぱし
"クテン":「俺は俺なりに頑張ってんだよォ~~!」
"クテン":ジョッキの地ビールを呷り、悔しさとも憤懣ともつかない唸り声を上げる。
夏祭らむね:「泣かないで……飴あげるから……」
草原コヨリ:「よしよし、ガムもあげるから」
夏祭らむね:「ガムとチョコっていっしょに食べると溶けるってほんとう?」
草原コヨリ:「試してみました」(カメラを構える)
河路 緑郎:「おおよしよし、飲みねえ飲みねえ」
河路 緑郎:「そいや錺君とタイミング合わせるのはなしだったわけ?兄さん」
河路 緑郎:「(酒癖悪そうだなこいつ、ポロッと情報漏らさんか)」
錺 十也:「あれは俺が勝手に来ただけだし」
錺 十也:「あー、落ちてんなあって」
河路 緑郎:「そんなもんか。他にも勢力居るなら待つのも手だったと思うがねえ」
河路 緑郎:「ま、俺が言うことじゃねえか」かは、と笑う
畔戸笑理:「と言うか……頑張るからですよ」
畔戸笑理:「クテンさんに本気で来られたら、私だって本気じゃないと危ないし……」
畔戸笑理:「だいたい、なんで本気で来るんですか」
河路 緑郎:「忍びにそれを聞くかねお嬢さん」
畔戸笑理:「し、知りません……野蛮だと思います……」
畔戸笑理:誰とも顔を合わさずにぶつぶつと言っている。
畔戸笑理:いつもそうなのだが、今日は一段と身を縮こまらせるようにして。
河路 緑郎:「確かにお嬢さんのは上品なやり口だったな」
"クリスタル・ディンゴ":「まあまあ、どうぞもう一杯……」
夏祭らむね:「おねーさんきんちょーしてる?こーゆーのはじめて?」笑理さんにチョコを渡す。
河路 緑郎:「どこの店だよ、いくつだお前」
草原コヨリ:「お仕事なにされてるんですかぁ?」
草原コヨリ:ぐいぐいと迫る
錺 十也:「何これ」
河路 緑郎:「この場に居るのはだいたい同じだろ」
畔戸笑理:「に、忍者と……その……」
畔戸笑理:「い、言えません……」
夏祭らむね:「恥ずかしいの?(笑)」
錺 十也:「はいはい、嫌がってますんでねー」
ナキ:「あーーーーー」
ナキ:「ふへへ、肩の荷おりちった」
ナキ:だらりと、テーブルに顎を乗せ。
ナキ:「ずっとこのために頑張ってたんだよねぇ」
ナキ:きみたちの知るナキは、働き者だった。
ナキ:何かに急かされるように、無茶をしてるようにも見えた。
夏祭らむね:「がんばってきてえらーい」ナキちゃんなでなで
河路 緑郎:「……しかしよくまあ、やりあった後にこう」
河路 緑郎:「遺恨無く飲めるもんだね」
ナキ:「仕事は仕事、オフはオフじゃん」
錺 十也:「……ま、なんかこいつらがそういうノリだから。俺もそうなった」
ナキ:「最初は何だっけ」
ナキ:「クテンがナキに絡んできたんだよね」
ナキ:「カザは最後に入ってきたかな」
"クテン":「ああ~~……」
"クテン":「今日みたいにブッとばされた日によ」
"クテン":「やってらんねェ、酒でも呑むかっつって来たら」
"クテン":「そのブッとばされた相手が呑んでやがったんだからな」
"クテン":「そりゃ絡みもするだろが!」
ナキ:「すんごい剣幕でさぁ、んだから野良犬なんて呼ばれんだよ」
夏祭らむね:「えっ野良犬なの?拾っていい?」
"クテン":「誰が野良犬だァ!? やめろやめろ~ッ!」
畔戸笑理:「もはやおなじみのパターンですね……」
錺 十也:「その話、30回は聞いたわ」ナッツをぽりぽり食べている。
ナキ:「エリィは悪漢に絡まれてるのをナキが助けてやったんだよね」
ナキ:「ま、その悪漢が親切心でやってたなんて」
ナキ:「エリィが気づくまでだいぶかかってたけど、ブハハ」
畔戸笑理:「そ、それはその……」
河路 緑郎:「仲の良いことで」
河路 緑郎:グラスがカランと鳴る。中身は茶だ。
夏祭らむね:「らむねも人ひーろーいーたーいー!」
ナキ:「クテンったら『何だァてめぇ、ひとりで飲むのが好きなのか?』『ダチはいねェのか?』とか」
ナキ:「ありゃないでしょ」
畔戸笑理:気まずげに冷酒のグラスを傾ける。
錺 十也:「それも20回くらいは聞いた」ぽりぽり。
河路 緑郎:「聞き上手は大変だねお兄さん」
錺 十也:「別に、ただいるだけだよ……」
河路 緑郎:「あらそう?余計なこと言わないのも能力だと思うがね」
錺 十也:「おっさんの事情はわかったが、一応まだ警戒はしてっからね、俺」じろりと見る。
河路 緑郎:「分かったほうがむしろ警戒するだろ、食い詰めの野良犬だよこっちこそ」
錺 十也:「……あいつらみたいにはそうそういかないってこと」
夏祭らむね:「ケロちゃんも大変ね~」パッションな色のジュースをすすっている。
河路 緑郎:「あーほんと大変ですよ、参った……ランク上げなんて次はどうしたもんかねえ……」
時雨:酔客たちの喧噪の合間に、ドアベルの音が鳴る。
時雨:「わっ、たくさんいる」
錺 十也:「……ん、また増えんの?」
錺 十也:ぽりぽりとまだ食べている。
河路 緑郎:「お前さんは楽しそうだな……ん、客か?」
時雨:眼帯姿の女性が来店する。
"クテン":「……あん?」
畔戸笑理:「……?」
草原コヨリ:「いらっしゃー」
草原コヨリ:「ん?」
草原コヨリ:鼻をひくひくと
時雨:「今晩は、クテンさん──」手を振る。
夏祭らむね:「コヨリのともだち?」
草原コヨリ:「時雨っちじゃーーーん!なにそれ、イメチェン???」
時雨:「ああ、草原さん。イメチェン、というか」
時雨:「どちらもあまり変わりはないんですが」
河路 緑郎:「知り合いかい兄さん」
"クテン":「あ? 俺はこんな姉ちゃんなんて知らね──……」
"クテン":「……いや、おま、なんて言った? 時雨?」
ナキ:「ほらクテン、あれよあれ」
ナキ:「写真マンの」
ナキ:「次あった時性別変わってるなんてここじゃそう驚くことじゃないでしょ、ま、珍しいけどさ」
時雨:「わかりづらかったでしょうか。二回目ですからね」
時雨:ぱん、と手を合わせる。ブロックノイズが走る。
時雨:次の瞬間には、”新入り”の姿がそこにある。
ナキ:「……?」ぱちくり
"クテン":「な……」
畔戸笑理:少し驚いた顔でそれを見ている。
河路 緑郎:「ほう」
錺 十也:バイザーの奥の目をぱちぱちとさせる。
夏祭らむね:「わーー!!すごいすごいのだ~~!」カメラを回している。
ナキ:「あれま、自前の……こいつは驚きだ」
錺 十也:「えー、なんか投影かなんか……」
時雨:「や、初めての方も多くいらっしゃる。時雨と、そう名乗っています」カメラに礼。
"クテン":「アンタ……"そういうタイプ”の術か」
草原コヨリ:「ホー、変化……とも違うか」
草原コヨリ:「こいつぁ驚きだぜ」
夏祭らむね:「らむねはらむねなのね~」カメラごしに手を振る。
河路 緑郎:「二人ともそっちに挨拶してどうすんだ」
河路 緑郎:苦笑する
"クテン":「いや悪い、気づかなかった」
時雨:「いえいえ。変化と言うか、どちらも私なんですよ」席に座る。
錺 十也:何か装置がないかと辺りを見ていた。
河路 緑郎:「ランキングで見た覚えがねえな。こっちに来たのは最近か?」
時雨:「記録には、姿を残していないと思います」
時雨:「”うつり”が悪いので」苦笑。
時雨:らむねさんはカメラの映像に、ブロックノイズの塊しか映っていないことに気づくかもしれない。
"クテン":「……別に悪くもねェか? 一発で分かる方がおかしいよな」ナキの笠の頭に手を置きながら
ナキ:「うんうん、ま、ナキはわかったけどね」
畔戸笑理:「……あの、彼? は」
畔戸笑理:こちらもナキに尋ねる。
"クテン":「お前、まだ話してなかったのか?」
"クテン":「いや俺も話してねェが……」
錺 十也:「俺も知らん。教えろよー」
ナキ:「ほら、エリィは最近ここに来れてなかったから」
ナキ:「色々あったし……」
ナキ:「カザは知らん」
錺 十也:少し酒が入って、卓に肘をついている。
錺 十也:「なんだよハブかよ」
ナキ:「拗ねてる拗ねてる」
夏祭らむね:「プライバシー保護のタイプのひとだ」映像を見て目をぱちぱち
錺 十也:「すねてませんー」
夏祭らむね:「泣かないで~」錺さんなでなで
ナキ:「お客さんだよ、"外"からのね」
ナキ:「正式な招待客、珍しいっしょ、密航客じゃないのは」
時雨:「ん──、その口ぶりから、察するに」
時雨:「エリィさんと、カザさん」
時雨:「お二人が、情報通でしょうか」
錺 十也:「リ」短く補足。
錺 十也:「カザリが名字。錺十也」なでられながら。
"クテン":「あ~、アレよ。写真の旦那がよ」
"クテン":「この前珍しく……シマモンが入る日でもねェのに珍しく。ここに来てな」
錺 十也:「ふーん、ずいぶんなマレビトだ」
"クテン":「仕事で呼んだだか、来ただかっつってな。色々サポートしてやれってよ」
"クテン":「ほら、俺ら四人、それぞれバラバラだろ。雇い主がよ」
畔戸笑理:「へえ。しかし……いえ」
畔戸笑理:「……畔戸笑理です。どうぞよろしく」珍客に小さく頭を下げる。
夏祭らむね:「よろしくしてあげたまえよ」偉そう
河路 緑郎:「ふうん……そっちはそっちで色々ありそうだが」
河路 緑郎:「……金になる話か?」
河路 緑郎:「ああ悪い、名乗ってなかったな。河路緑郎だ。金が欲しい」
ナキ:「どういう自己紹介だよそれ」
河路 緑郎:「わかりやすいだろ、どういう人間か」
"クテン":「いいね、分かりやすいぜ。俺も金はほしい」
夏祭らむね:「らむねもお金ほしい~」
錺 十也:「俺だって欲しいわ。次はオーディオ新調するんだ」
時雨:「ああ、皆さん、生き方が素直なんですね」目を細めている。
錺 十也:「それ、ほめてる?」
時雨:「さあ、ただの感想ですので」
河路 緑郎:「受け取り側の心の清らかさが問われるね」
錺 十也:「水清ければなんとやらですよ」最後の一滴を飲み干す。
錺 十也:「蛙はどうかな。住める?」だいぶ酔っている。
河路 緑郎:「濁ってるほうが住みやすいね」
ナキ:「アハハ、相変わらずよわっちい」ナキはウワバミである。
"クテン":「俺は"クテン”だ。まあ時雨には名乗ったが、アンタらにはまだだったしな」
時雨:「ともあれ、よろしくお願いします」
ナキ:「よろしくねー」
ナキ:「いよし」
ナキ:ふらりと立ち上がる。
錺 十也:「そういうこと……ん」
ナキ:まだ、うまく力が入っていない様子であるが
ナキ:「だいぶ動けるようになってきた」
ナキ:「んじゃ、はやいけどナキはさよならね」
畔戸笑理:「どちらへ?」
ナキ:「はやく報酬を受け取りたいのさ」
ナキ:「写真マンに会ってくる」
夏祭らむね:「らむねも欲しい~」
河路 緑郎:「報酬って言葉を辞書で引きな、嬢ちゃん」
"クテン":「もう行くのか? お前にしちゃ珍しい」
"クテン":「大抵は最後まで呑んでんだろ。ザルだし」
ナキ:「待ちきれないかんねー」
ナキ:「んじゃ、そゆことで」
錺 十也:「……あそ。その」少し考えて。普段はあまり言わないことを言った。
錺 十也:「気ぃつけて」
錺 十也:酔っていたからだろう。
ナキ:「ん?」
畔戸笑理:「……もし良ければ、ご一緒しましょうか」
畔戸笑理:「またこの人みたいなのが湧かないとも限りませんから」少し湿度のある眼差しを河路さんに注ぐ。
畔戸笑理:「報酬を受け取るまでが仕事、ということで……」
河路 緑郎:「みたいと言わず俺が湧く可能性もあるわな」
夏祭らむね:「雨降った後道にわくもんね蛙」
"クテン":「おう。気ィつけて行けよ、さっき"三本"も使ってただろ」
"クテン":「……というかよ、だからお前は誰なんだよ」らむねへ向かって胡乱な目を注ぐ
夏祭らむね:「らむねがらむねなことはナイショなのね」
ナキ:「んへへ、ありがと」
ナキ:マスクの裏で、微笑むのがわかった。
ナキ:「エリィもあんがとね」
ナキ:「でも良いよ、教区はナキの庭だしさ」
ナキ:「それに、これは……ひとりで行きたいかな」
河路 緑郎:「……ふぅん」
畔戸笑理:「……そうですか」
畔戸笑理:たぶん、自分以外も同じものを感じている。
畔戸笑理:その上で、深入りはしない。忍者同士の弁えた付き合い方。
畔戸笑理:「わかりました。お気をつけて」
河路 緑郎:「次会う時は、ランクか儲け話を手土産に頼むわ」
河路 緑郎:「後者なら話が速くて助かる」
ナキ:「おうさね、じゃあ……また」
草原コヨリ:「バイ☆」
錺 十也:「おう、また」
錺 十也:手をぱたんと上げて、ぱたんと下ろす。
時雨:「随分と生き急いでいらっしゃる」見送る。
"クテン":「──おう。またな」
ナキ:そうして、ナキは店を後にした。
GM:カウンターの店主が小さく会釈。
GM:だらだらと、たわいのない話が続き。
GM:ひとり、またひとりと家路についていく。
GM:そうして、最後のひとりが帰ったあと、外はすっかり日が昇って。
逆月亭の店主:「おや、久しぶりのお天道さまだ」
逆月亭の店主:「摩羯の日じゃあないわけだな」
逆月亭の店主:「さあて、仕入れだ仕入れ」
逆月亭の店主:「あいつら一週間分をカラにしていきやがった、商売繁盛も考えもんだねぇ」
GM:ドアに、"準備中"の札が久々にかかる。
GM:青の逆月亭に、しばしの静寂が訪れた。
───────
マスターシーン2
GM:続いてマスターシーンその2、登場PCは1となっています
───────
GM:しばらくは何事もない日々が続いた。
GM:依頼について竜信教区の教祖へ何度か質問をしてみたりもしたが、「しばらくは、ここに慣れてください」との返答ばかり。
GM:そんなある日、あなたは目覚めると部屋の様子がいつもと違うことに気づいた。
GM:机の上、ソレが目に入る。
GM:あの時見たのと同じ、封筒。
時雨:(これは、また)
時雨:この土地にやってきてから、警戒を解くような事態はまだない……不慣れな土地ゆえ、当然のことだ。
時雨:それというのに、”また”。しかも今度は、在室中だ。
時雨:「一体、何者なんでしょうね」
時雨:封筒を取り上げ、中を覗く。
GM:そこには――
GM:あのときと同じ、短い文章の記された紙と、一枚のチケット。
GM:『ここへ向かえ。』
GM:と、ただそれだけ。
時雨:紙片をつまみ上げ、窓の光に透かすように読む。
GM:チケットを見る、「大闘技場武技展覧会」。
GM:場所は……狂楽区であるようだ。
時雨:(シンプル──どんな生き方の人物、なのか。伝わっても来ない)
GM:指定の時間まではまだ余裕があるが、寄り道をしている暇はなさそうだ。
時雨:(ですが、意志はある。”私”を選んだのなら、それは確かでしょう)
時雨:「次も手紙があるといいのですが」
時雨:姿見の前に立つ。
時雨:「大闘技場……まあ、あまり目立たない姿の方がよさそうです」
時雨:ブロックノイズが走る。
時雨:次の瞬間には、姿を変え、宿を後にした。
GM:狂楽区は、今日も盛況だ。
GM:喜び、怒り、嘆き。
GM:なるほどここには全てがある。
時雨:あちこちに視線をやっている。
時雨:平時の彼女を知る者であれば──尤も、”現在の”彼女を知る者はこの島にはいないが──興味を惹かれ、興奮していることがわかるだろう。
GM:あなたは目的地へとたどり着く。目立つ建物だ、記憶に残っていた。
GM:しかし勝手がわからない、チケットを手にあたりを見回していると。
"ホテルマン":「おや」
"ホテルマン":「お困りですか?」
"ホテルマン":緩やかな雰囲気の男が話しかけてくる。
時雨:「あら……御機嫌よう」
時雨:困った表情を浮かべる。
時雨:「ええ、なにぶん、ここは初めてなものでして」
"ホテルマン":「失礼、見ない顔だったものでね。あなたは、噂の"お客様"だね」
"ホテルマン":「こう見えておれはここの王、困ったことがあればなんなりと」
"ホテルマン":「偶然の出会いに感謝を、あなたを手伝わせてくれても?」
時雨:「──その、お客様というのは」
時雨:「そこまで珍しいものなのですか? 親切な王様に存在を知られるほど──」
"ホテルマン":「あなたは特別なお客様みたいだからね、おれは興味津々さ」
"ホテルマン":「白状するとね、これも偶然じゃない」
"ホテルマン":「会って話がしてみたくてね」
"ホテルマン":「行こう、おれの席は隣だ」
"ホテルマン":淀みのない所作で貴方をエスコートする。
時雨:「光栄です」
時雨:「私もあなたの生き方を風の噂で聞いて以来、興味がたえません。お互い様、ですね」
時雨:大人しく引かれ、会場まで歩みを進める。
"ホテルマン":豪奢な廊下を抜け、階段を上がり、そこへとたどり着く。
"ホテルマン":貴賓席、と呼ばれる場所だろうか。
"ホテルマン":少ない席に、個室のようになっている。
GM:そこには、先客がいた。
"ホテルマン":「おや、お早いですね」
"霊輿":「──ええ」
"霊輿":設えられた席から応えるのは、異貌の男。
時雨:「霊輿さん。ご無沙汰しています」
"霊輿":「お待ちしておりましたよ。本日は少し、装いが異なるようですが」
時雨:「ああ、この姿では、初めてでしたが──」彼であれば、それくらいは悟るだろう。
時雨:「異街のドレスコードも、わからないかったもので。失礼があったら申し訳ありません」
GM:席はちょうど3つ、中心があなたのチケットの番号と一致する。
"霊輿":「『盛運赫々たる』ホテルマン殿も。時雨さんをご案内いただきありがたく存じます」
"霊輿":「さあ、お掛けください」
"ホテルマン":「いえいえ、私利に基づきやっていることですから」
"ホテルマン":席に導き、続いて腰を降ろす。
時雨:「それでは、失礼します」礼を返し、席につく。
"ホテルマン":「このような施設ははじめてですか?」
時雨:「きっと、いつかは見たことがあったかと。不確かで申し訳ないのですが」
"ホテルマン":「正直、おれの趣味じゃあないのでできれば廃業して欲しいと思っているくらいなのだけど」
"ホテルマン":「ここの持ち主は一番のパトロンだ、そうも言ってられなくてね」
GM:世話ばなしを進めるあなたたち、その背中より――
千十嵐リンネ:「何だ、好きだと言っていたではないか、真剣勝負が」
"ホテルマン":「……おやおや、あなたの席は無いはずですが」
"ホテルマン":「チケットはお持ちで?」
千十嵐リンネ:「必要か?私に、そんなものが?」
"ホテルマン":「相変わらず横暴だなぁ……」
千十嵐リンネ:「いいからどけ、貴様の席をよこすが良い"ギャンブラー"」
"ホテルマン":「はぁ……言い出したら聞かないんだから」
"ホテルマン":しぶしぶ、といった様子で椅子を譲り、
"ホテルマン":3人の後ろに立つ。
"霊輿":「これは、『卓爾にして絶類たる』千十嵐殿」
千十嵐リンネ:「よう"龕教"の、あいも変わらず顔も真意も見せぬ男だ」
時雨:(千十嵐。希族街のトップ)聞いた情報と照らし合わせる。
時雨:(なるほど。彼女もまた、確固たる生き様を感じます)目を細める。
"霊輿":「勿体なくもその御名を直截に仰るのも、あなたくらいのものでありましょう」
"ホテルマン":「ところでここへ何を?お客様の顔を見たくて、というタイプでもないでしょうあなたは」
千十嵐リンネ:「阿呆が、逆だ。"私の顔を見せに来た"」
千十嵐リンネ:「この地にこの千十嵐リンネの顔を知らぬものがいることなど許せるか」
"ホテルマン":「相変わらず、すごいプロ意識だ、襟を正す思いだね」
"ホテルマン":「あ、写真集予約しましたよ、おれ」
時雨:「それは。私のことでしょうか」
時雨:「これは失礼を」頭を下げる。
千十嵐リンネ:「当然のことだ、わざわざ口にするな」
千十嵐リンネ:「それで、だ」
千十嵐リンネ:「今日は異街の王めら雁首揃えて何とする」
千十嵐リンネ:「この客人は、そんなにも大事か?貴様ら」
千十嵐リンネ:「おい、お前、いつまで頭を下げている。上げろ鬱陶しい」
千十嵐リンネ:「そうだ、それでいい、見ろ、私を」
千十嵐リンネ:「なるべく目に焼き付けるのだな」
千十嵐リンネ:「紹介しよう、千十嵐リンネ」
千十嵐リンネ:「希族街が磨羯一家、その女王にして異街のトップスタァ」
千十嵐リンネ:「いずれ、異街のみならず世界に君臨する芸の王であるぞ」
時雨:顔を上げる。
千十嵐リンネ:「ふぅむ、なかなかに"面白い"」
千十嵐リンネ:「お前、摩羯に来るか?私が使ってやるぞ?」
時雨:沈黙。
時雨:「──きっと」
時雨:「きっとあなたは。本当に成し遂げられる力が、あるのでしょうね。私には想像も、つきませんが」
時雨:「世界に君臨する方の生き様を見るのは、初めてです」
時雨:「是非、その暁には。──看せていただきたい」
時雨:緋眼を、熱の籠った視線で見ている。
千十嵐リンネ:「ク、ク、ク」
千十嵐リンネ:肩を震わせ、笑い出す。
千十嵐リンネ:「吸血鬼を相手に、よくも言うものだ」
千十嵐リンネ:「残念ながら、貴様の願いは叶わない」
千十嵐リンネ:「私の願いが、全てを飲み込む」
千十嵐リンネ:「いずれ、貴様ら全員我が眷属の身だ」
千十嵐リンネ:「それまで、健気に生きるが良い」
時雨:「吸血鬼、なるほど」
時雨:「益々一層。あなたの未来を魅力的に思いました」
"ホテルマン":「おや、そろそろ始まりますよ」
GM:ブザーが鳴る。
GM:舞台に上がった精悍な男が、演舞を披露する。
GM:未だ前座。
"ホテルマン":「が、これが目的だ」
"ホテルマン":「"本番"じゃあないんでしょう?お客様に見せたいのは」
GM:シルクハットをかぶった解説の男が告げる、「特別興行」を。
"ホテルマン":「"こういうの"なんですよね、おれがここが更地になってほしい理由」
司会者:「今宵も皆様ようこそおいでくださいました!」
"霊輿":「ホテルマン殿は趣味ではない、と仰った」
司会者:「血湧き肉躍る暴力の祭典!」
"霊輿":「わたくしも、衷心より同意します」
時雨:舞台を観察する。
司会者:「皆様にはまずこれをご覧になっていただきたい、そう……頂点!」
時雨:恐らくは──悼ましい、催しが起こる。
司会者:「我が闘技場が誇る、最強の闘技者、"キング・レックス"のちからを!!」
司会者:激しいドラムロール、スモークが焚かれ。
司会者:逆光の中よりそれが悠然と現れる。
"レックス":「……」
GM:歓声が上がる。
GM:巨大な体躯、トカゲの頭を持つ男が拳をかかげてそれに応える。
司会者:「対するは、これなる奇妙な」
GM:ステージが変形する。
GM:割れ、せり上がってくる新たな舞台。
GM:その上にいるのは――。
クユ:「……。」
司会者:「おやおや、皆様……がっかりされないでいただきたい」
司会者:「一見して華麗なる少女ですがなんとこれなる者、」
司会者:「恐らくは妖魔、驚くべきはその性質!」
司会者:「なんと、"不死身の生き物"なのです!!」
司会者:「かような相手ならば、見れるはずだ」
司会者:「未だ見たことがない、"キングレックス"、その全力を!」
"ホテルマン":「好きな人がいるんですよね、こういうのが」
時雨:「不死身──」言葉を口内で転がしている。
GM:壇上では、司会者の男がいまだ口上を並べ立てている。
時雨:(真実はさておき、やはりは”キングレックス”の一方的な、蹂躙が期待されているようです)
GM:ゴングが打ち鳴らされ、
GM:まさしく、予感した通りの光景が目の前に展開した。
クユ:「ッ……」
GM:少女は一切の抵抗をしない。
GM:戦意、というものを元々持っていないかのような、何の感情も感じられない顔で自分の顔面に迫る拳を眺めている。
GM:少女の身体が跳ね、3階席に届こうかという高さまで飛んだ時、ひときわ大きな歓声があがった。
時雨:(ああ、これは、”見たことがあります”ね。諦め、無気力に、死を待っている)
GM:最初は抵抗を覚えていたような顔をした観客も、しだいに空気に飲まれていく。
GM:そもそも、彼らはここへ「暴力」を見にやってきたのだ。
GM:その頂点たるキング・レックスが目の前で技の限りを尽くしている。
時雨:(目新しくは、ないな)会場の熱狂に反比例するように、視線は冷めていく。
"レックス":「……」
"レックス":地面に蹲った少女へと、距離を詰めていく。
"レックス":「どうした、立ちなさい」
"レックス":「我々はプロなのですよ」
"レックス":「お客様を、楽しませてあげなくては……」
"レックス":大きく手を広げ、客席に向け朗々と叫びかける。
"レックス":「我々にっ」
"レックス":「どうして!嗜虐心というものが備わっているのか!わかるかね!?」
"レックス":「それはね、"役割を満たしてあげるため"だよ」
"レックス":「人には役割がある、そう、私は強者の義務として」
"レックス":「ああ、きみを殴らなければならない!」
千十嵐リンネ:「わけがわからんな」
千十嵐リンネ:つまらなさそうに、それを見ている。
"霊輿":「……地におわします、万事かない給う我らが竜よ。御身の御計らいに頼り奉る」
"レックス":「これは私の思いやる心!高潔な魂!ンンンーーーキング・レックスッ!!」
GM:観客が叫ぶ、「レックス!レックス!レックス!」
千十嵐リンネ:「アホくさ」
"ホテルマン":「もう、良いでしょう」
"ホテルマン":「これ以上見ても、得られるものはない」
"ホテルマン":「案内しますよ、時雨さん」
"ホテルマン":「おそらくあなたの向かう先はおれと同じだ」
"ホテルマン":「でしょう?"霊輿" さん」
時雨:「あ、でも」
時雨:「一応もう少しで、終わりそうですので」冷めた目で舞台を見ている。
"ホテルマン":「そうですか……では、おれはお先に」
"ホテルマン":そういって、男は貴賓席をあとにする
千十嵐リンネ:「これつまらんぞ、私が飛び入りしてもいいか?」
"霊輿":「したところで──でしょう」
千十嵐リンネ:「それもそうだな、つまらんままか」
千十嵐リンネ:「はぁ……帰る」
"霊輿":「いっそ初めから千十嵐殿が一人で立っていたほうが、よほど人は喜びましょう」
千十嵐リンネ:「"龕"の、お前いい加減聖女を私のコンサートに連れてこいよ」
千十嵐リンネ:「あいつの減らず口を塞いでやるわ」
"霊輿":「であれば、千十嵐殿に聖堂までお出でいただくのがよろしいかと」
"霊輿":「畏れ多くも、退屈しきりの聖女様なれば。大層お喜びになりましょう」
千十嵐リンネ:「それじゃああべこべだろう、客とは言えん」
千十嵐リンネ:「ちゃんとチケットを買い、並んでくるのだ」
千十嵐リンネ:「私のコンサートに関係者席なぞ無いぞ」
千十嵐リンネ:「ふん、では」
千十嵐リンネ:「またな」
時雨:会釈。
GM:千十嵐リンネが去り、やがて会場も。
"霊輿":「さて──」
"レックス":「GOOOOOOAAAAAAAHHHHaaaaa―――――!!!」
"レックス":赤く染まった両拳を突き上げ咆哮をあげるキング・レックス
クユ:対する少女は、見る影もない。
クユ:もはやもとが人のかたちであったと、わからぬありさまである。
"霊輿":眼下の闘技場へと向いた顔は、写真の上からでも分かる憂色を漂わせている。
"レックス":「フゥ、フゥ―――」
"レックス":「いいでしょう、次が最後の一撃です」
"レックス":「この私の渾身の、最大の、最強の一撃をもってして」
"レックス":「この特別興行の終了としたい」
時雨:(ああ、死んでしまう)
GM:そうして、観客席すら割り叩かんばかりの轟音と共に、特別興行は終わりを迎えた。
GM:悠々と立ち去るレックス。
GM:ステージが変形し、少女が仕舞われていく。
GM:その指先……指だろうか?が、かすかに動くのを、あなたは見た。
時雨:(──)
時雨:(動いた)
時雨:(ただの筋肉の反応。見間違い。何かの仕込み。錯覚)可能性が頭を巡る。
時雨:だが、時雨の記憶では”見たことがない”動きだった。
時雨:(生きている?)
GM:そう、たしかに生きていた。
GM:不死身の妖魔、それが何故こんな場所で、あのような境遇にあるのか。
GM:それを知るための場所がこの先にあるのか。
時雨:「不死身、というものは」ぽつりと口をつく。
時雨:「存在するはずがない」
───────
GM:龍信教区の"霊輿" に導かれ、長い廊下を歩いていく。
GM:何度扉を潜ったろうか、目の前には今までもとびきり豪奢な扉。
GM:開け放つ、はたしてそれが最後の扉であった。
"ホテルマン":「そうはいってもですね、おれの方でも色々あるんですよ」
"美食卿":「相変わらず口だけは達者な男だねぇ」
"美食卿":巨大なひとであった。
"美食卿":いや、巨大すぎる。身体の至るところから異形のあぎとがパクリパクリとこちらを睨む――明らかに人外の者。
"美食卿":「おやぁ……"霊輿" 」
"美食卿":「じゃあ、そいつが"そう"なのかい?」
"ホテルマン":「ああ、来ましたね」
"ホテルマン":「こちら、麗しきは"美食卿"」
"ホテルマン":「"異街で最も裕福な個人"です」
"美食卿":「グェ、グェ、グェ」
"美食卿":彼女を取り囲む所狭しと並べられたテーブル、その上には豪奢な食事の数々。
"美食卿":油にまみれた手でそれを掴み、喰らっていく。
"霊輿":「『光輝に満ち、見霽かし給う』美食卿」
"美食卿":「おう"霊輿"、ああ"霊輿"、あんたは働き者だねえ」
"美食卿":「あの女にゃあもったいない、うちで働けばどうだい?今の10倍はだしてやろうぞ」
"霊輿":「格別の御言葉、ありがたく存じます」
"霊輿":「とはいえ──わたくしが望むのは、畏くも信仰の道なれば」
"霊輿":「それに」
"霊輿":言葉を切り、隣に立つ時雨を示す。
"霊輿":「今、卿が御声をおかけになるべきは、わたくしでなくこちらの方でしょう」
"美食卿":「ああ、ああ」
"美食卿":「そうだったねえ」
"美食卿":「それで、そこの小娘……いや小僧?」
"美食卿":「なんだいお前、妙だねえ」
時雨:美食卿を見上げる。
時雨:なるほど、生命力に満ちている。
"美食卿":「まあそんなことはどうでもいい」
"美食卿":「私の"クユ"をそいつに引き渡せって?」
"美食卿":「あれは食っちまおうかと思っていたんだがねえ」
時雨:(クユ? 先ほどの、”不死身”の)腕の動きを想起する。
"美食卿":「不死身の妖魔、食べたことがないもんだ、どんな味がするやら」
"美食卿":「肉は叩けば柔らかくなるんだ、毎日下ごしらえしていたっていうのに」
"美食卿":「急に横からやってきて"よこせ"だなんて」
"美食卿":「いくら"あいつ”の言うことだって、ねぇ?」
"美食卿":「それに、それにだ」
時雨:そもそも、クユを貰い受けるという話は、何処から来たのか。
時雨:随分流されてきたが、そろそろ訊いたほうがよいのかもしれない。
"美食卿":「どうなるってんだい、あんな"からっぽ"のやつをここから連れ出して」
"美食卿":「それじゃあ意味がないんだってわかってるだろぅ。なぁ"霊輿"、おい"霊輿"」
"美食卿":蝦蟇蛙のような笑い声をあげ、肉汁に濡れた指をベロべロと舐める。
"霊輿":「まさしく。仰る通り、今の彼女は"空虚"です」
"霊輿":「なればこそ、卿はあのように扱うことをお選びになったのでしょう」
"霊輿":「しかし」
"霊輿":「"空虚"でない、ということを示すことができるとすれば?」
"美食卿":「グェ、グェ、グェ!」
"美食卿":ひときわ甲高く笑う。
"美食卿":「誰か?ソイツがかい?」
"美食卿":「その他人の"生き様"になんざこれっぽっちも興味がないってツラをした奴がかい?」
"美食卿":「どうなんだい?お前、アレを哀れに思うかい?ここから連れ出してやりたいかい?」
時雨:「──正直なことを申し上げれば」口を開く。
時雨:「彼女、クユさんの行く末には、あまり興味はありません」
"美食卿":「じゃあ終わりだ、破談だよ」
"美食卿":「残念だったねぇ"霊輿"、帰って聖女に伝えな」
"美食卿":「失敗しましたってなぁ」
時雨:「ただ──」
"美食卿":「ただ?」
時雨:「ただ、そうですね。彼女はあなたのもとで命を落とすのでしょうが」
時雨:「それには、立ち会いたい」
"美食卿":「食ったら死ぬのかねぇ、試したことはないからわからないねぇ」
"美食卿":「どういうことだい?あんた、私に雇ってほしいのかい?」
"美食卿":「図々しいやつだねぇ」
時雨:「すみません。新参者でして」
時雨:「ですが、死はどこまでいっても個人的なものです」
時雨:「それが無い、などということがあるのか」
時雨:「あるいはそれを見届けることが、私の目的です」
"美食卿":「じゃあなんだい、あんたあいつが死ぬのかどうか確かめるって」
"美食卿":「じっと見てるっていうのかい」
"美食卿":「図々しくも、この私の懐に」
"美食卿":「ただそれだけのためにひっついて回るってのかい?」
時雨:「必要とあらば」目を細める。
"美食卿":「私がそれを許可すると?無作法な新参者に」
"美食卿":「なあ"霊輿"、おい"霊輿"」
"美食卿":「これはいったいどういうことだい」
"美食卿":「こんなやつを連れてきて」
"美食卿":「お前共々、ここでまとめて食っちまおうか?」
"霊輿":「彼女とわたくしだけであれば、それでことは済みましょう」
"霊輿":「しかし、彼女を食べてしまったところで──」
"霊輿":「畏れ多くも、卿の本願は叶うものでしょうか?」
"霊輿":「あるいは叶うやも知れません。しかし、或いは叶わぬやも知れません」
"美食卿":「本願、本願、ああもう聞き飽きた」
"美食卿":「あいつはあいつで好きにやればいいじゃあないか」
"美食卿":「私はもうね、すっかり拗ねちまってるんだよ」
"美食卿":「こうして美味いものを食えればそれでいいって、自分を騙し騙しやってきたっていうのにさぁ」
"美食卿":「わざわざの頼みだからって、会ってみりゃあなんだいこいつは」
"美食卿":「死を見届けたいだの何だの」
"美食卿":「そんなの、魚屋のまな板でも眺めておけばよかろうだろう」
"霊輿":「なればこそ、ではありませんか」
時雨:「ああ、いや──なるほど」
時雨:「これは、失礼しました。やはり私は、まだ”ここ”の考え方を掴みかねていたようです」美食卿に向き直る。
時雨:「魚屋の軒先。その表現は正しくもあり、間違ってもいます」
時雨:「確かに私は、クユさんの行く末に興味はありません。しかしそれは、彼女の死を妥協し、受け入れているというわけではないのです」
時雨:「つまり──私にとっては、クユさんも」
時雨:「あなたも」霊輿さんを指す。
時雨:「あなたも」美食卿を指す。
時雨:「そして、私も。等しく行く末がどうなるか、ということには興味がない。魚を誰が買おうと、同じです」
時雨:「しかし、魚では、ないのですね。ええ」
時雨:得心がいったように、頷いている。
時雨:「この島では、なんでも金で買える、と」
"美食卿":「ああ、そうさ、なんでもさ」
"美食卿":「そして私はここで一番のお金持ちなんだよぅ」
"美食卿":「だから、なんでもできるんだ」
"美食卿":「例えば、さっきから目の前でフワフワと掴みどころのないことを並べているやつを飽きてぺしゃんこに潰したって許されるんだ」
時雨:「つまりは、この島で言うところの”所有権”が、私にはわからなかったのです」
時雨:「誰だって、咀嚼され、胃の中に入った魚を取り出そうとはしません」
時雨:「ですが、どうやら。そういうではないらしい。あなたは確かに、クユさんを持っているのでしょうが」
時雨:「クユさんとあなたは、不可分ではない」
"美食卿":「?いったい何が言いたいんだい」
時雨:「はい。こう言いたいのです」
時雨:「あなたからクユさんを、買い上げましょう」
"美食卿":「お前が?私から?一文無しの御上りさんが!」
"美食卿":「グェ、グェ、グェ」
"美食卿":「面白い」
"美食卿":「"霊輿"、ああ"霊輿"」
"美食卿":「”出品した"ぞ」
"美食卿":「たった今、だ、あとで確認してみろ」
"美食卿":「ただ、この価格を出せるのは……私の他に誰かいたか?ん、グェ、グェ」
"美食卿":「そうさねぇ、そう、意味がない」
"美食卿":「空っぽのままじゃあ、意味が」
"美食卿":「お前、おいお前」
"美食卿":「言わせてみろ、アイツに自分の口から」
"美食卿":「"ここから出ていきたい"と」
"美食卿":「"おまえに買われたい"と」
"美食卿":「クユを預けよう」
"美食卿":「オークションの落札期限、一週間」
"美食卿":「それまでに本当にアレを揺らして見せたならば」
"美食卿":「全額、出してやろう」
時雨:「わかりました。一週間」
時雨:「面白いものをご覧に入れましょう」
時雨:「必ず」
"霊輿":「寛大なる御計らいに感謝いたします」
"霊輿":「そして、時雨さんにも」
"霊輿":「あなたの決断へ、深甚なる感謝を」
"霊輿":彼女へと向き直り、深々と頭を下げる。
"霊輿":「ゆえにこそ──一つ、お伝えしましょう」
時雨:「なんでしょうか」
"霊輿":「今の彼女──クユは、文字通りの不死身です」
"霊輿":「それは堅牢さへの綽名や美称でもなく、人や妖魔がしばしばもつ、いわゆる異能の名でもない」
"霊輿":「文字通りの、『死な不る身』なのです」
"霊輿":「空虚なればこそ、その身に実はなく、色もない」
"霊輿":「空虚なればこそ、血は通わない」
"霊輿":「言わば、今の彼女は『生きており、しかして死んでいる』のです」
時雨:「──」
"霊輿":「ゆえにこそ、あなたは彼女の最期を見ることは叶わない」
"霊輿":「──少なくとも、今のままでは」
時雨:「信じがたいことです」だが、事実として。彼女の肉体は動いていた。
時雨:そして、きっと今も、生きていて。
時雨:それには終わりがない。
時雨:「ですが、私は」
時雨:「不死者の死を見たことがないだけです」
時雨:「見てみたい。そのために私は、ここに来たのですから」
"ホテルマン":「そのために」
"ホテルマン":それまで、口をつぐみ成り行きを見計らっていた男が、
"ホテルマン":「異街最強の個人とも言える、かの美食卿に挑むと」
"ホテルマン":「いや、まったくもって素晴らしい」
"ホテルマン":「おれはね、あなたを測りかねていた」
"ホテルマン":「かの惨劇の舞台で、何か観察でもするかのようなあの目」
"ホテルマン":「おれが嫌う手合いなのかと、膜でも隔てているのかと」
"ホテルマン":「おお、汝観客であることなかれ!」
"ホテルマン":「ようこそ、異街へ」
"ホテルマン":「ようこそ、君だけの舞台へ」
"ホテルマン":「おれは心より応援しよう」
"ホテルマン":大仰に手を広げる、芝居がかった動作で
"ホテルマン":「『カジノ』の王が、きみを認めよう」
時雨:「ありがとうございます」微笑みを返し、頷く。
時雨:「ああ──まだ、名乗っていませんでした。とんだ無礼を」
時雨:ブロックノイズが走る。
時雨:「時雨、と。そう名乗っています」
"ホテルマン":「狂楽区、”ホテルマン”」
"ホテルマン":「以後、お見知りおきを」
"ホテルマン":「ならば、おれも腑抜けてはいられないな」
"ホテルマン":「美食卿、勝負をしましょう」
"美食卿":「ああ?」
"ホテルマン":「あの不愉快な催しの中止を賭けて」
"美食卿":「ああそういえば、言ってたねぇ、たびたび」
"ホテルマン":「もとよりおれは"ギャンブラー"」
"ホテルマン":「勝ち目がないと言うならば、その方が燃えるってものさ」
"ホテルマン":「時雨さん、おれはきみに賭ける」
"ホテルマン":「おれのすべてをね」
"美食卿":「グーーーヒャエヒャエ!!」
"美食卿":「いいのかい、それじゃあ、狂楽区は私のものになっちまうよぉ」
"ホテルマン":「それは、やってみるまで"わからない"」
"ホテルマン":「信じているのではない、ただ、見てみたいのさ」
"ホテルマン":「おれも久々に当事者の景色ってやつをね」
時雨:「美食卿、私は何も知らない、新参者です」
時雨:「無一文で、力もありません」
時雨:「ですが、そんなことはどうでもいい。”行く末に興味はない”んです」
時雨:「今ここにあるのが、私の生き様です」
時雨:「どうぞ、よろしくお願いします」深く礼。
"美食卿":「ただのばかなのか」
"美食卿":「あいつが見込むだけのものはある大物なのか」
"美食卿":「ぜひ、成功を……見せてほしいものだねぇ」
"美食卿":大きく裂けた口が、ひときわおかしそうに笑い声を吐き出して――、
───────
ナキ:「それで」
ナキ:「それがお土産ってわけ?」
クユ:「……。」
時雨:「そうなりますね」
GM:ところ変わって青の逆月亭。
河路 緑郎:「随分無茶したもんだな」
時雨:「いやはや。自分でも、驚いています」
河路 緑郎:「その場の勢いで美食卿に喧嘩売るか。かはっ」
ナキ:「ひゃー、相手はあの"美食卿"だよ、驚きだね」
夏祭らむね:「時雨も人拾ってるーーーーー!!!」
夏祭らむね:「ずるいずるいずるいずるいずーるーいー!!!!!」
"クテン":「ズルいとかそういう話か?」
河路 緑郎:「やかましい。人拾うなんてない方がいいんだぞ、お嬢ちゃん」
河路 緑郎:「”落ちてる人間”が増えてほしいってか?」
畔戸笑理:「……並ならぬ御仁、とは思っていましたが」
畔戸笑理:「まさかこれほどとは……」
畔戸笑理:クユと、またも姿の変わった時雨を見比べるようにして。
時雨:「皆さん人が悪い。教えてくれればよいのに」
時雨:あまり気にした風ではなく、グラスを傾けている。
河路 緑郎:「なんだ、教えたらやめていたのか?」
河路 緑郎:「それならこっちも謝るところはあるがね」
時雨:「ふふ、いや──」
GM:まずは手当てを、と思ったものの肝心のクユはといえば時雨に引き渡された際にはほぼ、完治と言っていい状態にあった。
クユ:「(サラサラ)」砂糖壺の中身を飲み干している。
時雨:「もし知識があれば、もっと早く預かれたかも、と思いまして」
夏祭らむね:「甘党だあ」クユちゃんのほっぺをつついている
クユ:「……?」
河路 緑郎:「いやおい、何やってんだ」
河路 緑郎:「甘党とかそういう問題か……?」
クユ:「こんにちは、クユです」
"クテン":「うおッ喋った」
クユ:「あなたは……蝶?」
夏祭らむね:「らむねはらむねなのね!」
クユ:「たくさん色があります」
夏祭らむね:「蝶を超えた存在……超・蝶といってもいいかもしれないのだね」
クユ:「蝶ではないのですね」
錺 十也:「…………」今日はパーカー姿で席に掛けている。
錺 十也:「俺はまあ、ホテルマンの話に……ビビったというか」
時雨:「”ホテルマン”さんの協力も、ありがたいですね」クユさんにグラスを差し出す。
"クテン":「"カジノ"全部ってんだろ? 豪気なもんだよなァ」
錺 十也:「ついにやったか……と思った」
"クテン":「ついに、って、薄々思ってたのかよ」
錺 十也:「いや、やるよ。あの人。やるとなったら」
畔戸笑理:「……どういう子なのでしょうね」少女を見る。
河路 緑郎:「聞いていた印象よりは話が通じてる……が」
畔戸笑理:「“美食卿”に、”ホテルマン”に、教主様」
畔戸笑理:「名の知れた大物がこぞって首ったけとは」
時雨:「そうですね。責任重大、ですが」
時雨:「全く足がかりがない、というわけでもない……ように見えます」
錺 十也:先に言われた話を噛み締めるように思い出す。
錺 十也:(自分の人生の当事者に、か……)
錺 十也:(なれてるんかね、ということは。あの人)
錺 十也:(こいつはどうなんだろ)クユを見て。
クユ:「はい、クユです。クユは……頑丈です。殴ってみますか?」
河路 緑郎:「殴らん」
"クテン":「なんで殴んなきゃいけねェんだよ」
クユ:「そうですか」
河路 緑郎:「そういうことはあまり人には言わんことだ」
夏祭らむね:「いたくないの?」
クユ:「いたい……とは」
クユ:「クユはよくわかりません」
時雨:「そのように、扱われてきたようでして」
河路 緑郎:「……碌でもない話だな」
畔戸笑理:「気になります。……それを託されたあなたも」
河路 緑郎:「……時雨。何かあてでもあるのか?」
河路 緑郎:「勝算とか、そういう類のものは」
河路 緑郎:常の光のない瞳に、わずかに苛立ちが混じる。
時雨:「──私は、ただの新入りです」
時雨:「特別なことは、何もありません」
時雨:「忍びとしては並みより劣っているでしょう」
畔戸笑理:「それはさすがに嘘では……」
"クテン":「異街来てる時点で弱かァねえだろ」
錺 十也:「一応言うとさ、ホテルマンがすっからかんになったら、俺は困るわけ」
錺 十也:「あんたに頑張って貰わないとさあ」
ナキ:「うはは、上司変わったらウケるよね」
ナキ:「失敗したら食べられちゃうのかな」
夏祭らむね:「ホテルマンが王じゃなくなったら……野良になっちゃうから」
夏祭らむね:「拾っても良いってことね!?」
錺 十也:「拾ってどうする……?」
河路 緑郎:「お前はいつまで拾うことに固執してるんだ……」
夏祭らむね:「ひろっておやつとかわけてあげる」
河路 緑郎:「拾う手順はいらんだろう、それは」
錺 十也:「多分あいつ、それをチップにして賭けだすぞ」
夏祭らむね:「ポテチが好きなのね」チップを勘違いし頷いている。
クユ:「ぽてち……?」
夏祭らむね:「クユはおやつすき?」
クユ:「おやつ……というのは」
夏祭らむね:「さっきの甘いのとか、これがポテチみたいなの」といって芋を揚げたものをさしだす。
クユ:「ああ、皆が……甘いものを」
クユ:「甘いものは、良いです」
クユ:「身体に入れると、手足が生えてくるのが、はやくなります」
夏祭らむね:「えー!そうなの!」
夏祭らむね:「らむねも甘いのいっぱい食べていっぱい生やす!」
錺 十也:「生えはしないだろ」
ナキ:「千手観音みたいになっちまうぞ」
河路 緑郎:「それで」
河路 緑郎:「だから、どうにもならんか?」
時雨:「どうにかしますよ」目を細める。
時雨:「捨てホテルマンにも、しないようにしますよ」
時雨:クユさんの姿を眺めている。
河路 緑郎:「……ちっ。時雨」
河路 緑郎:「お前、金は?」
河路 緑郎:「儲け話でも良いぞ」
時雨:「最近は安い店を探すばかりで」
ナキ:「それよりそれよりさ、聞いたの?肝心なこと」
ナキ:「案外今解決しちゃうかもよ」
畔戸笑理:「と言うと?」ナキを見る。
ナキ:「クユ、あんた闘技場いや?帰りたくない?ここでずっと砂糖飲んでたい?」
クユ:「……いや、とは?」
ナキ:「うーん、難物」クルクルと鈍く光る黄色いコインを弄ぶ。
夏祭らむね:「きれーな黄色いまるなのだねえ」コインをみている
河路 緑郎:ちらり、とコインに目を移す。
錺 十也:「そいつは?」ナキに。
ナキ:「ん?これ」
ナキ:「やらないぞ、大事なものなんだ」
夏祭らむね:「えーっほしい」
ナキ:「家族の形見?みたいな」
ナキ:「ずーっと探してたんだよね」
時雨:「ほう」
夏祭らむね:「えっ……じゃあいらない」
錺 十也:「……そっか」
畔戸笑理:目を瞬かせる。
錺 十也:「お前こないだ、ここのカメラも知らんうちに持ってったろ!」らむねちゃんに。
夏祭らむね:「カメラはらむねのだからいいけど、それはナキのだから」
ナキ:「え、カメラ、」
ナキ:「ほんとだない!」
畔戸笑理:「……あ、本当ですね」いま気付く。
錺 十也:「お前のじゃねえよ……俺のでもないけどさ」
"クテン":「カメラ? あっマジじゃねぇか!」
ナキ:「ま、いいか、誰も触ってなかったし」
ナキ:「大事にしてね」
夏祭らむね:「ぜーーーーーったいすっごく大事にする!!!!!」
ナキ:「またやる?配信」
畔戸笑理:「私はいいです。もう」
錺 十也:「俺を前に引っ張り出さないならやってもいい」
"クテン":「お前なァ」
ナキ:「カザの泥酔相談室結構固定ファンいたじゃん」
錺 十也:「だからそれがやなんだっての」
夏祭らむね:「えーーーーやってよやってよやってよやってよやってよやって」
夏祭らむね:「らむねもでるから!」
錺 十也:「やんねー! 自分のチャンネルでスパチャ稼いでろ!」
錺 十也:「それこそ機材系ならいじるのは楽しいけどさあ。俺は映る方の器じゃないっていう……」
錺 十也:ぶつぶつ言っている。
時雨:「ああ──配信で映像を売るという手もありますね」
時雨:「儲け話として、どうでしょう。河路さん」
河路 緑郎:「素人がやっても端金もいいとこだろそれ……」
河路 緑郎:「大体、カメラに撮られるのはもう散々……ああいやそれはいい」
ナキ:「んでもさー、どうしよっか」
ナキ:「オウムに仕込むみたいにして」
ナキ:「オウチカエリタクナイー、シグルトイッショニイタイー」
ナキ:「はい復唱」
クユ:「?」
畔戸笑理:「駄目そうですね……と言うか」
畔戸笑理:「仕込めても納得してもらえないと思います」
河路 緑郎:「それでどうにかなって良いと思うか?お前……」
時雨:「ナキさんは、いろいろアイデアをお持ちですね。流石です」
ナキ:「逆月亭の知恵袋だからね」(大嘘)
錺 十也:「笑い袋とかじゃないの?」
河路 緑郎:「……分かった、面倒だ。その子供をどうにかできそうな何か」
河路 緑郎:「掴んだら適当に流してやる。報酬はお前の好きにしろ」
河路 緑郎:ガリガリと苛立ちを抑えるように頭をかく。
時雨:「ありがとうございます」
"クテン":「お前……」
"クテン":「なんか……真面目だな……」
夏祭らむね:「ケロちゃんやさしいのだね」
河路 緑郎:「苛つくだけだ」
ナキ:「借金で首が回らなくなったクズとは思えませんな」
錺 十也:「面倒ごと増やしてまあ……」
河路 緑郎:「ガキは嫌いだし、無理な壁にぶつかって勝手に飛び散るヤツはもっと嫌いだ」
河路 緑郎:「なんで、自滅するなら俺の目の届かんところでやってくれ」
ナキ:「……ツンデレ?」
河路 緑郎:「クズだっつってただろ、さっき。それだよ」
"クテン":「損な性分だなァ、お前もよ」
畔戸笑理:「……」
ナキ:「ま、なるようになるっしょ」
錺 十也:「されたら困るんだっつうの」
時雨:「しませんよ、自滅は」
時雨:「そもそも、私のような新参者が美食卿に出会い、それまで名前も知らなかったクユさんを、こうして預かることができた」
時雨:「ことは単純じゃないんです──それならば、解明すればいい」
河路 緑郎:「……ふん。ならせいぜいうまく飛び越えることだ」
河路 緑郎:「失敗して落ちた場所は、なかなかひどいぞ」
時雨:「ご忠告、痛み入ります」
錺 十也:「井戸ん中?」
河路 緑郎:「そこより下だった」
錺 十也:「そりゃあ……空も見えんな」
河路 緑郎:「もともと天井だったんだろうよ」
ナキ:「どうしたらいいんだろうな~、情操教育?やっぱ絵本の読み聞かせから?」
錺 十也:「発想が優しいな、お前……」
河路 緑郎:「一週間で育つ情緒ってのもインスタントすぎやせんか」
夏祭らむね:「らむねの超おもしろ動画をみて情緒を育てたまえよ」
ナキ:「激暗黒空手伝 メカカンフーvsドラゴンゾンビ全巻しかうちに本無いんだけど」
河路 緑郎:「それで育つ情緒どうなってんだよ」
錺 十也:「すげー形の情操になりそ」
時雨:「ともあれ、ナキさん、錺さん、畔戸さん。それとクテンさん」
"クテン":「なんで俺だけ付け足しみてェな言い方なんだよ……!」
河路 緑郎:「損な性分だな、お前も」
時雨:「誤解です。あなたたちにもどうか、役立ちそうな情報があれば。教えていただきたいです」
畔戸笑理:「……ええ」
錺 十也:「そりゃやりますけども。仕事がかかってんだ」
ナキ:「お暇あったらね」
"クテン":「情報ねえ。まあ構わねェぜ」
時雨:「ありがとうございます」微笑む。
畔戸笑理:「……いざ期限が迫っても糸口が見えないとなれば、その時また貸せる手もあります」
河路 緑郎:「ほう。……具体的には?」
畔戸笑理:「“心を揺らす”ために。少し……」顎先に手を添えて。
畔戸笑理:「大っぴらに口にはできない手法になりますが……」
錺 十也:「エリさんのそれ、怖いな……」
夏祭らむね:「センシティブセンセーショナルセンタッキ」
時雨:「情操教育とは、真逆になりそうですね。最後の手段に」
河路 緑郎:「色んな意味で最終手段か……で、騒ぎっぱなしの嬢ちゃん。お前は?」
河路 緑郎:夏祭に視線を向ける。
河路 緑郎:「そもそもお前が何なのかもよう分からんが」
夏祭らむね:「きかれているぞクユ」自分だと思っていない
錺 十也:「こいつが騒いでんなら、他の奴らは爆音ライブだよ」
クユ:「きかれてる?」
クユ:「騒ぎっぱなし」
クユ:「うるさい?」
クユ:「音を立てないのは、得意です」
クユ:そのまま、まばたきすら止めてしまう。
河路 緑郎:「……好きに喋っていい」
河路 緑郎:「子供が余計な気を遣うな」
時雨:「クユさんは、音を立てても大丈夫ですよ」
"クテン":「別に騒いだって構やしねェしな。客もいねェし」
錺 十也:「俺らも客では」
夏祭らむね:「うむ、たくさん騒ぎたまえよ」
クユ:「……そう」
錺 十也:(……自分の意思がない。ぼんやりしてる。言われた通りに……なんかなあ)
時雨:「ええと、夏祭さんは、映像配信が目的、なんですよね」
夏祭らむね:「そうなのだね!トップランカーでオスカーで世界遺産登録なのだね!」
河路 緑郎:「……ドラゴンオスカーねえ」
錺 十也:「ああ、映像関係の……」
時雨:「クユさんが笑えるよう、協力していただく──お願いを、するかもしれません」
錺 十也:(「そうそう、最近映像部門アツくってね」)
錺 十也:(「配信とかも人気だよね」)
錺 十也:(……いろいろ、聞いてみてもいいかもしれんな)
夏祭らむね:「ん-ー」右に体ごと首を傾ける。
夏祭らむね:「でも野良ホテルマンになったら拾えるかもしんないしー」左に体ごと首を傾ける。
"クテン":「野良の人間なんてその辺にいくらでもいるだろ。他のヤツにしろ他のヤツに」
夏祭らむね:「じゃあ野良クテンを拾っていいってことね?」
ナキ:「そりゃいいや、こいつ味なんてわかんないから食費もかかんないよ」
ナキ:「いやでも量は食うな……」
錺 十也:「駄目じゃん」
"クテン":「だから俺は野良じゃねェって言ってんだろ!」
"クテン":「つーかそんならよ、カワジなんかは短期なんだろ?」
"クテン":「コイツの任期明け待つなりなんなりして拾やいいだろ」
河路 緑郎:「ガキに拾われるのはコリゴリだ」
夏祭らむね:「お金かかるのね。その点クテンならタダなのだよ」
"クテン":「なんでタダってことになってんだよ!!」
錺 十也:「……時雨さんさあ」
時雨:「はい、なんでしょう」
錺 十也:「まあ、手伝うのは全然構わんのだけど、ひとつ」
錺 十也:「あんた外にいたんだろ。"ショベル・マン"って知ってた?」
錺 十也:「今仕事関係でちょっと探してる奴なんだけど。そっちの話がなんかわかれば、回してもらえるとありがたい」
GM:あなたが映画に興味があるならば、その名前を聞いたこともあるかもしれない。
GM:ただ、その名前はサブカルチャーにおいて腫れ物のように囁かれるものだ。
GM:普通の暮らしをしていれば、耳に入る機会はないだろう。
時雨:「”ショベル・マン”──」記憶を探る。
時雨:「確か、猟奇的な映像作品の発信者、だったかと。名前以上のことは知りませんが」
錺 十也:「こっちと大して変わんないな。どーも」
錺 十也:「わかったら教えてよ。交換条件ってなもんでもないが。相互扶助?」
河路 緑郎:「……ああ」ぽん、と手を叩く。
河路 緑郎:「その手があったか……」
夏祭らむね:「ケロちゃんは実質タダで協力してるのね」
河路 緑郎:「じゃあ俺にもあれだ、ランカーの情報があったら教えろ」
時雨:「ええ。物々交換は、この街のルールですね」微笑む。
河路 緑郎:「できれば画面映えするやつだとなお良い」
河路 緑郎:「地味な動画だと取れんからな。オスカーは」
時雨:「ランカーに、オスカーですか。わかりました。交換条件を飲みますよ」
畔戸笑理:「……私たちを襲うのはもう無しになったので?」
畔戸笑理:未だ警戒の残る視線を向けて。
ナキ:「勝てないって悟ったねこりゃ」
河路 緑郎:「あーそうだよ。割に合わん」
畔戸笑理:(一人ずつなら何とでもしてくれそうな気配ですが)氷の浮くグラスを傾ける。
河路 緑郎:「……そう警戒してくれるなよ、大したことねえクズだって」
河路 緑郎:へらへらと畔戸に笑いかける。
畔戸笑理:「……」
錺 十也:「オスカーにオスカー。ライバルじゃん」指をクロスさせて河路さんとラムネちゃんを指す。
河路 緑郎:「正確にはうちの主人だがね」
河路 緑郎:「こっちもガキのお嬢様だ、たしかにライバルかもしれん」
夏祭らむね:「ほんとだ!いまのうちに海にしずめとくか」
錺 十也:「物騒」
河路 緑郎:「違法行為は炎上するぞ動画主」
夏祭らむね:「再生数稼げればこっちのものなのだよ」
"クテン":「人沈めてみた配信はヤバすぎるだろ」
時雨:「沈め合いは、一週間は待ってほしいですね」
時雨:「夏祭さんからも、何か交換条件があれば。それで停戦協定といたしませんか」
夏祭らむね:「てーせん」
夏祭らむね:「たたかってたっけ?まあいいや」首を右に傾げ左に傾げ
河路 緑郎:「むしろ平常運転でこれなほうがこええよ」
夏祭らむね:「そうなのだね、人拾うのはクテンにするからいいとして」
夏祭らむね:「らむねも、クユが甘いものいっぱい食べたりできるといいと思う」
時雨:「──ありがとうございます」
夏祭らむね:「クユもここにいていいと思うから」
クユ:「そうなのですか」
時雨:「そうですね。クユさんとも、交換条件を決めなければ」
夏祭らむね:「だから百億円でいいのだよ」
錺 十也:「高っ」
河路 緑郎:「小学生か……」
ナキ:「(あーあ、てんでまとまんないなぁ)」
ナキ:皆を、眺める。
ナキ:楽しそうだ、どいつも好き勝手に。
ナキ:エリィはもうちっと話せばいいのに。
ナキ:皆を、眺める。
ナキ:クユが目に入る、皆を眺めている。
ナキ:「(なんだかちょっと……たのしそう?)」
ナキ:いいや、違う。楽しいのはナキだ、それを投影しているだけ。
ナキ:この光景が、たまらなく愛しくて。
ナキ:「(ああ、でも)」
GM:逆月亭の、明けない夜が更けていく。
GM:来たときと同じように、ひとり、またひとりとバラバラに去っていき。
ナキ:さいごに、ひとりポツンと残ったナキが。
ナキ:「あーあ、ずっとこうしていたかったなぁ」
───────
GM:対立する四組織、それぞれに雇われた四人の忍び。
GM:命のやり取りがそう珍しくもない商売敵。しかし、仕事終わりの彼らはいつしか友人になっていました。
GM:馴染みの店、馴染みのテーブル、馴染みのメニュー、他愛もない与太話。
GM:――ひとりにとって、この友情は永遠と信じるものでした。
GM:――ひとりにとって、この友情はひとときの慰めでした。
GM:――では、貴方にとっては?
GM:真実はいつだって待っています。暴かれ、舞台へ躍り出るその時を。
GM:忍術バトルRPGシノビガミ 『青の逆月亭の四人。』
GM:これより、ミドルシーンの開幕となります。
───────
GM:以下がデータの存在するNPCとなっております
GM:https://character-sheets.appspot.com/sgScenario/detail?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYlu-iywMM
サイクル1 河路
GM:さて、本日からは待望のミドルシーンとなっております。
GM:使用できるシーン表は【通常】【異街】のふたつ
GM:また、今回はサイクル終了時PCの皆様には「オークション」へと参加してもらうことが可能です。
GM:詳しい商品と内容についてはその時が来たら改めて解説させていただきます、お楽しみに。
GM:それでは、やっていきましょうミドルシーン。
GM:サイクル1の開幕となります
河路 緑郎:では俺から行こう……
GM:よく来たな!シーン表は何にするかい!?
河路 緑郎:せっかくだし異街シーン表お願いします
河路 緑郎:というわけでダイス振れば良いかな?
GM:了解しました、それと登場希望PCとミドルシーンの内容を選択してください!
河路 緑郎:じゃあ錺君に感情結びに行きます
錺 十也:結ばれます
河路 緑郎:ではシーン表
河路 緑郎:2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8
河路 緑郎:これ判定で出て欲しいな
GM:8、暗黒街へ足を踏み入れてしまった、追い剥ぎがあなたを狙う!あなたの得意分野を選びランダムで決定した特技で対抗、失敗すると生命点を1減少させる。
GM:おやおや、いきなり厄いものを
錺 十也:おっさん
河路 緑郎:マジでか
河路 緑郎:8でこんな厄介なことになるの!?
GM:数字にセオリーは関係ねえ!いつだってGMは自由に!思いついたまま作ってるんだ!!
GM:というわけでよろしくお願いします。
河路 緑郎:また2d6振ればよいのかな?
河路 緑郎:上から順に
GM:そのときにやりましょう。
───────
GM:河路緑郎、あなたは街を行く。
GM:悩みは多い、目下最大は借金問題!返済の目処が立たねば次は永久労働の身である。
GM:そんなあなたの周囲の風景はいつのまにか変化している。
GM:元々の目的地であるのか、考え事にあたりの把握がおろそかになり偶然迷い込んでしまったのか。
GM:暗黒街、異街のスラムである。
GM:ひとは見えない。が、感じ取れる。
GM:あなたを伺っている!
河路 緑郎:「一応言っておくけどよ」
河路 緑郎:「見ての通り素寒貧だぜ俺は」
河路 緑郎:両手を上げる。
ゴロツキ:「ヒヒヒ、やっぱバレてやがったか」
ゴロツキ:暗がりから、男が現れる。
ゴロツキ:「そうは言うがな、五体満足ってだけで立派な商品だ」
河路 緑郎:「あ、そっちの商売の方ね」
ゴロツキ:「こんな所に迷い込んだことを後悔するんだなぁ!」
GM:あなたはこの悪漢から身を守る必要がある!特技分野を指定してください!
河路 緑郎:ハグレモノだし忍術で
GM:2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8
GM:変装術ですね。
河路 緑郎:げっ地味に遠い、隠蔽術から目標値7……
河路 緑郎:2d6>=7 代用判定:隠蔽術 (2D6>=7) > 6[2,4] > 6 > 失敗
河路 緑郎:うわーん
ゴロツキ:「へ、へ、へ」
ゴロツキ:「今の俺にゃあテメェが手足の生えた銀シャリに見えて仕方ねえのよ」
ゴロツキ:「いっただっきまぁす!!!!」
ゴロツキ:ゴロツキとは思えぬスピードで踊りかかってくる!シノビクズレ!
河路 緑郎:「……ちっ」
河路 緑郎:「余計な手間取らせてくれるなよ……」
ゴロツキ:「ゲーヒャヒャヒャ!」
ゴロツキ:錆びた刃物を振り回す、あなたにとってはつたない軌道。
河路 緑郎:男の下品な哄笑が止まる。
河路 緑郎:上げていた腕から伸びた糸が、男の首に巻き付いている。
ゴロツキ:「ぎ、ぎぎぎぎ」
ゴロツキ:「ぎ――――、ひ」
河路 緑郎:「おやすみ」
河路 緑郎:意識を刈り取ろうと、首を締め上げる力を強める。
ゴロツキ:「余裕じゃねぇか、河路緑郎」
ゴロツキ:突如変わる声色!
河路 緑郎:「……何?」
ゴロツキ:衣服を、偽の皮膚を引きはがし、糸から脱出!
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「"エージェント狩り"狩り、ピンク・ホップ・ディンゴ」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「動画を見て、いかなるものかと待ち伏せてみたが……」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「この私の"変装術"も見破れぬようでは、なるほど借金のことで頭がいっぱいのようだ」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":一閃!鮮血が舞う!
河路 緑郎:片腕を犠牲に受け止め、距離を取る。
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「浅い……か……」
河路 緑郎:「ちっ、同業さんかよ。それじゃ文句も言えねえか」
河路 緑郎:「……いやしかし、変装を見破るも何もな」
河路 緑郎:「知らん奴がゴロツキの皮被ってても知らんとしか言えねえよ」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「……」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「…」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「つまらん男だなあ、これ撮ってるんだろ?もっとノッて来いよ。え、違うの?」
河路 緑郎:「撮ってねえよ」
河路 緑郎:「ってかこんな治安悪いとこにうちのご主人連れてこねえって」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「ハァ~~~、せっかく役作りまでしてきたのに」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「つまんね、帰るわ」
河路 緑郎:「あー、カメラ意識してくれてたわけ……そりゃ悪かったな」
河路 緑郎:「良かったらご主人に紹介しようか?」
河路 緑郎:「映える対戦相手は大歓迎だぜ」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「違うの、俺はサプライズ存在になりたいの」
河路 緑郎:「めんどくさっ」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":「じゃーねー」
"ピンク・ホップ・ディンゴ":シュババッ、男は瓦礫の中へと去っていった。
河路 緑郎:「……ほんとに余計な手間取らせやがって」
system:[ 河路 緑郎(0) ] 頑健:2 → 1
河路 緑郎:片腕の傷を抑えて嘆息。
河路 緑郎:「仕方ねえ、また絡まれねえ内に場所変えるか」
河路 緑郎:「ムカついてきたな……次会ったら画面映えしねえ倒し方してやろ」
河路 緑郎:ぶつぶつと愚痴をこぼしながらその場を去る。
GM:災難に見舞われたあなたであるが、なんとか本来の目的地へとたどり着く。
GM:狂楽区、今日はここに用事がある。
GM:喧騒、喧騒、また喧騒。
GM:ここは騒がしい。
河路 緑郎:周囲の騒がしさに眉を潜めながら男の姿を探す。
錺 十也:「ん」そこに、バイザーをかけた人影が片手を上げる。
河路 緑郎:「おお、いたいた」
錺 十也:片手には何か電子部品の買い物袋らしきもの。
河路 緑郎:「お疲れさん。買い出し帰りかい」
錺 十也:「まね。そっちは撮影? 主演男優のおっさん」
河路 緑郎:「よしてくれ。俺はいいとこエキストラだっての」
河路 緑郎:「ケチなご主人さまが主演級を雇うのを渋っただけさ」
錺 十也:「にしてもよく表に出てくよ……」
錺 十也:「俺は裏方なんで、装置の方がやりたいな」
河路 緑郎:「スポットライトは当たらずにか」
河路 緑郎:「あー、そうだよな。俺もソッチのほうが気が楽だよ」
錺 十也:「人に当てる方が性分」
錺 十也:だからまあ、雇い主にはちょっとつまらなさそうな顔をされるんだけども。
河路 緑郎:「ライトがあたって主役を気取れるのなんざ、ほんの一握り」
河路 緑郎:「大抵の人間は舞台裏か、舞台の端っこで息を潜めるのがせいぜいだ」
河路 緑郎:「勘違いして前に出ると大やけどする」
錺 十也:「じゃあまさに今、気をつけなくちゃだろ」
錺 十也:「何週間だっけか。無事興業が終わるといいな」
錺 十也:「……そしたら」
錺 十也:「もう二度と俺らに妙なちょっかいは出さんでもらうからな」
錺 十也:バイザー越しにじろりと睨む。
河路 緑郎:「かはっ。悪かったって」
河路 緑郎:「それと忠告と応援もな、ありがたくいただいておきますよ。だが」
河路 緑郎:「実際のとこ、舞台に立ってるのは俺じゃねえ。うちのご主人さまさ」
河路 緑郎:「ドラゴンオスカーは俺の夢じゃねえ」
錺 十也:「ご主人様ねえ」
錺 十也:「……映像部門、か……。そいつも何か知らないかな」
河路 緑郎:「ああ、そっちの仕事の話か?」
錺 十也:「前言った俺の探してる奴のこと」
河路 緑郎:「ちょうどいい、そのへんの話でな。ちょいとご相談に来たんだよ」
錺 十也:「ふん?」
河路 緑郎:ここで判定します
河路 緑郎:口先八丁で協力関係を結びたい!詐術で感情判定!
錺 十也:なんで俺の周りはこんな奴らばっかなんだ
GM:どうぞ!
河路 緑郎:お嫌いですか?
錺 十也:どうぞー
河路 緑郎:2d6>=5 判定:詐術 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
河路 緑郎:オッケー成功!
GM:成功!すっかり騙されてますヘヘヘ
錺 十也:おのれ
河路 緑郎:ヘッヘッヘ……
河路 緑郎:感情表も先に振っちゃいましょうか
錺 十也:お願いします
河路 緑郎:ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)
河路 緑郎:良いとこ出たな プラスの共感で
錺 十也:こっちも振るんですよね
GM:錺さん側も
河路 緑郎:そうですね!
錺 十也:ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)
GM:はい、お願いします
河路 緑郎:仲間じゃん
錺 十也:おんなじじゃん
GM:すっかり友達か??
河路 緑郎:あ、この感情は
河路 緑郎:ダブルクロスみたいに簡単にひっくり返せないので注意!
錺 十也:こわいね
河路 緑郎:あと、+の感情によって修正を送れば相手の判定を助けられるよ!
河路 緑郎:助けられるよ!!!
錺 十也:えー、ふし……もとい、共感で取ります
河路 緑郎:ホッ……
河路 緑郎:ありがとう……
GM:そうですね、特殊な場合を除き、感情をいじりたい場合再度手番を使い判定を行う必要があります。
錺 十也:了解です
河路 緑郎:失礼、では再開しましょう
錺 十也:りょ!
河路 緑郎:「うちの主人が知ってるかは分からんが……あんたの探してるヤツの話」
河路 緑郎:「こっちでも手が開いてるときに調べてもいい」
錺 十也:「ほー」
錺 十也:「対価は?」
河路 緑郎:「話が早くて助かる」
河路 緑郎:「あんた、この辺が仕事場だろう?」
錺 十也:「まあね」
河路 緑郎:「こっちの様子で知りたいことがある」
河路 緑郎:「が、あいにく狂楽区にはあまり顔を出したくなくてな」
錺 十也:「顔が売れたら余計来にくくなるだろうしな」
河路 緑郎:「さっきもひどい目にあったばかりだよ」
錺 十也:「俺に目と耳になれと?」
河路 緑郎:「そこまで従順になれとは言わねえよ」
河路 緑郎:「こっちもあんたの望んでる結果を出せるとは約束できん」
錺 十也:「お互い成果があったら、って形か」
河路 緑郎:「お互いに当たれば美味しい保険。それぐらいのが気が楽だろ?」
錺 十也:「そりゃ保険っていわねえよ。宝くじっていうんだ」
錺 十也:「うちのボスが好きなやつ」
河路 緑郎:「"ホテルマン"か……」
河路 緑郎:露骨に嫌そうな顔をする。
錺 十也:「お嫌いですかね。娯楽の王は」
河路 緑郎:「はっきり言えば、ああそうだね。一番苦手なタイプだ」
河路 緑郎:「自分の夢に一直線」
河路 緑郎:「その轍でどれだけのものを破滅させてきたんだか……」
河路 緑郎:「気をつけろよ、ああいうタイプには」
錺 十也:ククク、と喉を鳴らして笑う。
河路 緑郎:「あ、なんだ?何かおかしいか」
錺 十也:「いや、その通りだなあと」
錺 十也:「俺も、傍にいるとおっかなくて仕方ねえよ」
錺 十也:とはいえ、嫌いという顔はしていない。
河路 緑郎:「……まあ、良い」
河路 緑郎:「話を戻そうか」
河路 緑郎:「で、お兄さん。くじは欲しいかね?」
錺 十也:「そうだな。連番で買うくらい入れ込みたくはないが」
錺 十也:「一枚くらいなら記念に買ってやってもいいぜ」
河路 緑郎:「堅実だ、ああ。そういうのでいいんだよ」
河路 緑郎:「一着なんて期待されたら吐いちまうところだったぜ」
錺 十也:「バカだなあ。ならまず夢を見せんなよ」
河路 緑郎:「……カハッ」
河路 緑郎:「ハ、ハ、ハ……」
河路 緑郎:渇ききった笑い。
河路 緑郎:「そりゃ……ごもっとも、だ」
錺 十也:その様子を少し妙な顔をして眺め。
錺 十也:「まあ、じゃあエキストラと裏方同士。とりあえずはよろしく」
河路 緑郎:「おう、よろしく。……で、仕事の話だな」
錺 十也:「ああ」
河路 緑郎:「俺が知りたいのはオークションの出品物だ」
河路 緑郎:「これまでに流れたものにどんなものがあって、どこに流れたか」
錺 十也:「なるほど」
河路 緑郎:「オークションはそこらで開かれてるが、一番でかいのはここだろう?」
GM:そう、そびえ立つはグランド・オークション。
GM:見上げればそれが見える。
錺 十也:「わりと手間のかかるくじを引いちまったな……まあいいや」
河路 緑郎:「ああ、全部調べて詳しく教えろ、とは言わねえよ」
河路 緑郎:「俺が知りたいのは、人だ」
錺 十也:「人」目を細める。
河路 緑郎:「大人の男、あるいは子供」
河路 緑郎:「どちらかに当てはまるやつを探している」
錺 十也:「人のさらにだいたい半分……よりは少ないか」
錺 十也:「女の方が件数多いからな」
河路 緑郎:「だろうな」
河路 緑郎:「ま、俺の方もくじの気分だ。そう期待せずに待ってるから、何か掴んだら連絡たのまあ」
錺 十也:「了解」
錺 十也:「……やっぱりこれ、結構面倒なくじだったな……」
錺 十也:丸め込まれた気もする、と思いながら首を傾げる。
河路 緑郎:「はっ、忘れちまっても構わんよ」
河路 緑郎:「そんじゃよろしく……ああ」
河路 緑郎:一度踵を返してから振り向いて、
錺 十也:「ん」
河路 緑郎:「こっちが依頼側だ。多少前金を出そう」
錺 十也:「へー、キャッシュバック付き」
河路 緑郎:「ナキが持っていたコイン」
錺 十也:「…………」
河路 緑郎:「あれは、ただのコインじゃない。……多分、な」
錺 十也:「形見とかなんとか。それ以上にってことか」
河路 緑郎:「それはそれで事実かもしれん」
河路 緑郎:「だが、おそらくはそれだけじゃない」
錺 十也:「……あんた、何を知ってる」前に出る。
河路 緑郎:「あいにくだが、この程度で全部だ。少なくともナキの件については」
錺 十也:「…………」
錺 十也:「何を知ってるかは知らんが、おっさん」
錺 十也:「俺らの敵になるなよ」
錺 十也:「今のはありがたく受け取っとく」
河路 緑郎:「俺ら、か」
河路 緑郎:「あいつらのことになれば」
河路 緑郎:「おまえも舞台に上がる気になるわけだ」
錺 十也:「泥酔してるとこ撮られたりしなきゃな」
錺 十也:「あいつらはすぐそういうことをする……」
錺 十也:少し語気を緩めて。
河路 緑郎:「約束はできんが、覚えておく」
河路 緑郎:「……舞台に上がってライトをあびて、気持ちよくなれるやつらなんて一握りだ」
河路 緑郎:「大抵のヤツは焼け落ちる」
河路 緑郎:「だが」
河路 緑郎:「焼け落ちる瞬間までは」
河路 緑郎:「……楽しかったな」
錺 十也:……照明器具の中に転がっていた、虫の死骸を思い出す。
錺 十也:そう。楽しかったのか。
河路 緑郎:「上がりそこねるなよ」
河路 緑郎:ひらひらと手を振って、去っていく
錺 十也:「……おっさんこそ。足滑らすなよ」
錺 十也:背中に声をかける。そうして、自分も人混みに紛れる。
───────
サイクル2 畔戸
GM:続いてはPC3の手番です、おいでませ~~
畔戸笑理:しずしず
GM:思わず映像冒頭インタビューをしてしまいそうになりましたが我慢です
GM:それではシーン表、登場希望PC、シーン内容を選択してください。
畔戸笑理:シーンはせっかくなので異街を使いたく思います
畔戸笑理:登場希望は時雨さん。内容は感情を結べたらと
時雨:登場します。
GM:クユは出ますか?
GM:教会に置いてきてもいいけど……
時雨:個人的にはつれ歩きたいところ
畔戸笑理:こちらとしてはいない方がいいですが、時雨さんがどこかに預ける気になるか次第かな……
GM:シーン主であるPC3の意向優先で構いません
時雨:いえすいえす
GM:では出ない、で
畔戸笑理:じゃあ……お留守番で!
GM:それでは2d6を振ってください
畔戸笑理:2d6 (2D6) > 4[1,3] > 4
GM:4.工業区を訪れる。六塔電子のプラントが並ぶ合間を抜けるあなたの目的は単なる散策?あるいはスパイ忍務だろうか。
GM:導入はこちらでやります?
畔戸笑理:どんな雰囲気か……お願いしてみたいです
GM:はーい
───────
GM:六塔電子管轄、工業区。
GM:ここは同社の"採掘"中心地であり、それをぐるりと取り囲むように様々な工場、研究所が密集している。
GM:"外"の法や条理に囚われない自由な研究開発。
GM:それを謳い文句に多くの人材を誘致、プラント群は今も成長をし続けている。
GM:畔戸笑理は、その中を歩いていた。
GM:見上げると、そこかしこで赤い噴煙が立ち昇っている。
GM:竜血の色、今も地面から吸い上げられているそれを見ながらあなたは、
畔戸笑理:待っている。
畔戸笑理:があん、があんと、岩盤を砕く音が遠くから。
畔戸笑理:びりびりと震える大気。喧騒。それでいて、無骨な鉄色の施設群の合間には、人の姿はとんと無い。
畔戸笑理:だから、密談には適しているし──
畔戸笑理:地の利もある。つまりそれを考慮に入れるくらいには、相手のことを警戒している。
GM:時雨、謎多き怪人。
GM:あなたが待つ人物は、まばたきの間に立っていた。
GM:まるでずっとそこにいたかのように。
時雨:ざあざあ、ぽつぽつ、と雨のような音がしている。
時雨:けれど雨は降っておらず。
時雨:畔戸さんに近づき、その輪郭が明らかになるにつれ、音は消える。
時雨:「こんばんは。ここは──どうにも生気の無い、場所ですね」
時雨:辺りを見渡し、長閑に告げる。
畔戸笑理:伏せたまなざしを一度上げ、再び直視を避けるように逸らして。
畔戸笑理:「……お似合いのように……思えますが」
畔戸笑理:「……そうでもないのかな」
時雨:「私としては、人の間で楽しく過ごすのが、好きなんですよ」
時雨:「それでも、私の為にこの場所を選んでくれたのなら、嬉しく思います」
時雨:「あなたの方こそ、こういった場所は釣り合っていないようですから──畔戸さん」
畔戸笑理:服装は常と変わらない。看護師のような、女中のような。
畔戸笑理:見た目から言っても、確かに場違いではあるが。
畔戸笑理:「……」
時雨:歩みを止める。手を伸ばせば触れるであろう距離に立つ。
時雨:「それでは、ご用件をお聞きしましょうか」
時雨:「あなたとの逢瀬も魅力的です、ええ──ですが、クユさんを預けているので」
畔戸笑理:「そう、ですね」
畔戸笑理:「私は、あまり……お話するのは、得意ではないので」
畔戸笑理:「単刀直入に。よりはっきりと、協力関係を築きたく」
時雨:「それは」
時雨:「逆月亭では、お話しできないような、関係ということですか?」
時雨:「つまりは──あの中の誰かに、聞かせたくないような」
畔戸笑理:俯いたまま、前髪の下から、榛の瞳がそちらを窺う。
畔戸笑理:「……特定のひと、ではありませんけれど」
畔戸笑理:「堂々と口に出せないこともあります」
畔戸笑理:「あなたにも、あの場にいたひと達にも、そういうものはあるでしょう」
時雨:「それは、ええ、きっと、そうでしょうね」
時雨:「そのうえで、なぜ私を、素性の知れぬ新参者を選んだか、という疑問は残りますが」
時雨:「協力関係の内容を、先に聞くのが、良さそうですね」
畔戸笑理:やはり目を合わせぬまま、小さく頷く。
畔戸笑理:「単純です」
畔戸笑理:「まずは……互いに、互いを害さないこと」
畔戸笑理:「そして……」
畔戸笑理:「“竜の心臓”の在処」
畔戸笑理:「これに関わる情報と……クユさんの役に立つ情報とを、手に入れ次第、共有するようにしたい」
時雨:「”竜の心臓”。また、ずいぶんと」
GM:”竜の心臓”、話には聞いたことがあるはずだ。
GM:異街の夢、エネルギーの頂点、"価値"の最高峰。
GM:あるいは、六塔が採掘労働者をノセるために作り上げた嘘である、とも。
時雨:「想像もつかないような魔力と資源の塊、と聞きます。六塔電子が支社を上げ探し続けている、とも」
時雨:「しかし──余りにも、極端な話ですね」
時雨:「交換条件として、存在しないものを提出せよと、言われているに等しい」
時雨:「手に入れ次第、ということであれば」顎に触れる。
時雨:「それはこちら側に、あまりに都合のいい条件です。実質的に、何も差し出さなくてよいと言われているようなもの」
時雨:「お聞かせください、畔戸さん」
時雨:「あなたが”竜の心臓”を求めるに至った、その経緯。生きた系譜を」
時雨:「そちらの理由の方が、こちらも協力できる」
畔戸笑理:「…………」
畔戸笑理:「……元は、父の遺言です」
畔戸笑理:「私に託すべきであったものが奪われ、結果、父は死ぬことになった。その際に」
畔戸笑理:「六塔を頼れと。そうして、六塔から交換条件として出された依頼が」
畔戸笑理:「竜の心臓の所在の調査」
時雨:「そう、でしたか」
時雨:「お父様が、亡くなられて」目を細める。
時雨:「謂わば、為すべき相続が、根底にあるのですね」
畔戸笑理:「相続……」
畔戸笑理:「……あるいは、確認、でしょうか」
時雨:「確認」
畔戸笑理:「おそらく……私たちは、一般的な父子というものとは、少し違っていましたから」
畔戸笑理:「父と私が、真実なにものであったのか」
畔戸笑理:「それを、知りたい……」
畔戸笑理:訥々と。あるいは、親しいものを亡くした悲嘆を帯びている、と取れる語調。
畔戸笑理:そうでありながら、女の言葉は、施設の稼働音や採掘の騒音をすり抜けて耳に届く。
畔戸笑理:「……それにしても、やや心外です」
時雨:「何か気に障りました、でしょうか」
畔戸笑理:「竜の心臓……無尽の力。そんなものは存在しない」
畔戸笑理:「それを」
畔戸笑理:「不死身の妖魔、無限の生命を持つ少女に心を与えんとするあなたに、言われるだなんて」
畔戸笑理:ほんの少し、拗ねたように。
時雨:「これは、失礼しました」
時雨:「ですが──そうですね。やはり私はまだ、この街の特異さに、慣れていないのかもしれない」
時雨:「あらゆる物事の終わり、それを見ることに、執着してきた”つけ”、でしょうね」
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:柔らかく、仄かに色づいた唇。
畔戸笑理:その端を、少しだけ持ち上げて。
畔戸笑理:「……実のところ、ね」
畔戸笑理:「情報の交換は、二番目です」
畔戸笑理:半歩のさらに半分ほど、す、とそちらに近付く。
畔戸笑理:「先程の、なぜあなたなのか、という疑問」
畔戸笑理:「ひとつは、利害がぶつからないと思ったからです」
畔戸笑理:「ですが、もうひとつは」
畔戸笑理:「あなたを敵に回すのは、とても大変そうだから」
時雨:榛の瞳を、見据える。
時雨:烏羽のような黒い瞳が、見つめ返して、細められる。
畔戸笑理:線香めいた香りが漂う。蝉時雨の墓場。あるいは。
畔戸笑理:荒れ果てた墓地を思わせるそれが。そこに佇む幽霊のような女から。
時雨:「あなたは目のいい、女性のようだ。もしかしたら、私に似て」
時雨:身体を乗り出す。近づくと再び、遠雨のような音が幽かに。
時雨:「お詫びも兼ねて。私からも、是非あなたとの協力関係を、結びたい」
畔戸笑理:「それなら」
畔戸笑理:今や目の前にある相手の顔。その耳元に、そっと口を寄せて。
畔戸笑理:「実利の交換をもって、証としましょう」
畔戸笑理:「私からあなたに、お願いをひとつ」
畔戸笑理:「代わりに、あなたへは」
畔戸笑理:「とても素敵で、役立つものをあげる」
時雨:「──」微笑む。無言の肯定。
畔戸笑理:ここで判定を
GM:どうぞ!指定特技はいかに
畔戸笑理:感情判定、九ノ一の術で。
GM:ゴー!
畔戸笑理:2D6>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
GM:目標値は5,2d6でお願いします。
GM:成功!お互いに感情表を
時雨:ET 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)
畔戸笑理:ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)
畔戸笑理:こちらからは共感で……
時雨:おっこれは……生き様を語ってくれた姿勢に敬愛の念を表して愛情を取得します。
畔戸笑理:やったー!
畔戸笑理:では使います……サポート忍法を
時雨:何ッ
畔戸笑理:【薬師閨】!
GM:やるんだな、笑理!
時雨:その判定にたった今取得した「愛情」の感情修正を贈ります。達成値+1
GM:今ここで!
畔戸笑理:いや、不要です。なぜなら
時雨:何っ
GM:何っ
畔戸笑理:とても素敵で役立つものをあげるから。
畔戸笑理:奥義を使います。
GM:奥義を!
畔戸笑理:『無明無香無欠傀儡』。効果は完全成功、指定特技は九ノ一の術。
畔戸笑理:……女の指と指が絡む。
畔戸笑理:間近から見上げる畔戸笑理の顔。初めて正面から見つめ合う。
畔戸笑理:そこに浮かぶのは、楚々とした微笑み。
畔戸笑理:それにどうしようもなく惹き付けられる感覚が、あなたの胸の内に芽生える。
畔戸笑理:無明無香無欠傀儡。
畔戸笑理:香を好んで用いる彼女の切り札は、皮膚や粘膜を通して染み込む、無味無臭の、“香らぬ香”である。
畔戸笑理:それは彼女の揮発した体液そのものであり、その影響を受けた者の心身の操作を完全に支配する。
畔戸笑理:怪人時雨の観察眼を以てすれば、原理を見切るのは容易だろう。あるいは模倣することすらも。
畔戸笑理:──正気に戻ってからならば、だが。
時雨:(──これは。なるほど、知っている感情ですが、知らない)
時雨:危機的状態であるが、敵意は感じない。寧ろ──
時雨:(大人しく、従うとしましょう)
GM:夢見心地でいざなわれる。
GM:ああ、全てを任せてしまえれば。
GM:そうして、ふたりは街のかたすみへと溶けていった。
───────
GM:笑理さんは判定に成功したことにより兵糧丸を取得します。
───────
サイクル1 錺
GM:それではお次はPC4、カモーン!
錺 十也:はい!
錺 十也:えーと、シーン表は異街で、らむねさんと感情を結びたいと思い
錺 十也:河路さんとコヨリちゃんもいてくれると嬉しいです。
GM:了解です!
夏祭らむね:出出ん!
GM:ではまずシーン表を振りましょう、2d6でお願いします。
錺 十也:2d6 (2D6) > 12[6,6] > 12
錺 十也:ここで
夏祭らむね:この先一生12しかでないかも
錺 十也:すごいや
GM:12.オークション会場へ、思わぬ掘り出し物だ!《経済力》で判定を行い成功すると好きな忍具をひとつ獲得する。
錺 十也:!
夏祭らむね:すごい!
錺 十也:もってる!
夏祭らむね:経済的な男でよかった~!
錺 十也:これ、この場で判定ですっけ
GM:その時でいいですよ
錺 十也:はい!
河路 緑郎:良いな~
GM:全員で来ていることにします?その後たまたま合流するみたいな?
錺 十也:あ、じゃあどうせだし一緒にいましょうか
河路 緑郎:わーい
錺 十也:河路さんからの頼まれもあるし
河路 緑郎:ありがてえ
夏祭らむね:みんないっしょ!
───────
草原コヨリ:「はぇ~~~」
草原コヨリ:物珍しそうに、周囲をキョロキョロと。
草原コヨリ:頭上の耳も釣られて動く。
GM:ここは狂楽区、第三オークション。
GM:小粒な取引がメインで行われる、庶民の社交場である。
錺 十也:「ここくらいならまあ、俺でも手が届くっつうか」
錺 十也:「案内ってまではできねえけど……」
夏祭らむね:「わたあめあるかなー!?」キョロキョロ
河路 緑郎:「こういう場で探すもんか?それ」
錺 十也:「縁日ではない」
河路 緑郎:「っつうかなんで俺が呼ばれてるわけよ」
錺 十也:「いや、なんかもし探し物が見つかったらって思って」
夏祭らむね:「探し物あるの?富や名声?」
河路 緑郎:「この規模じゃ人は売られねえだろ……」声を抑えて錺にだけ届くように。
錺 十也:「……情報は入るかもだろ」小声を返す。
河路 緑郎:「こいつらの子守の手数に呼んだんじゃねえだろな」
錺 十也:「はっはっは」
錺 十也:「バレた?」
錺 十也:嘘とも本当とも言えない顔をして。
河路 緑郎:「イイ性格してるよお前も」
河路 緑郎:「まあいいけどよ……」
草原コヨリ:「ほぇ~、これが今日のお品書きねー」電光掲示板を見上げる。
草原コヨリ:「お、バーコードもあんじゃん」
草原コヨリ:「これ手元でも確認できんのね」ポチポチ
夏祭らむね:「バーコード?」
草原コヨリ:「QRQR」ピコーン
河路 緑郎:「(こいつらがなんなのかはいい加減気になってたところだしな)」
錺 十也:「便利だろそれ、行き届いてるよな」
夏祭らむね:「べんりな世の中になったのだねぇ……らむねの若い頃は川で洗濯をしていたのだよ……」
錺 十也:「桃流れてきた頃?」
河路 緑郎:「しばかりに行く歳じゃねえなあ流石に」
夏祭らむね:「その流れてきた桃に入ってたのがらむねってコトね」
草原コヨリ:「よほぉおし、カザっち何買う??何???」
草原コヨリ:「ウチはもう狙い決めたかんね!!」
錺 十也:「ふーん……いろいろありやがる」
河路 緑郎:「で、桃太郎さんや。ちゃんと金持ってきてんのか」
夏祭らむね:「すーーーっごくもってきた!」
夏祭らむね:「五百円もある!」
草原コヨリ:「マジで?会場丸ごと買えんじゃん!」
河路 緑郎:「きびだんごより頼りねえ」
河路 緑郎:「お供には期待すんなよ、こちとらきびだんごでも恵んで欲しい困窮具合よ」
錺 十也:「……普通にわたあめ買いに行ったら?」
錺 十也:「駄菓子屋、あるよ。ちっせーとこ」
夏祭らむね:「ほんとーっ!?」
草原コヨリ:「あ、これどうよ」
錺 十也:「ん」
草原コヨリ:「アルティメット綿あめマシーン」
夏祭らむね:「アルティメット!」
錺 十也:「アルティメット」
河路 緑郎:「なんであんだよそんなピンポイントなもん」
河路 緑郎:「よう見つけたなお前も……」
草原コヨリ:「ザラメと、何でも材料入れると」
夏祭らむね:「なんでも!」
草原コヨリ:「どんなものであれ細かく粉砕し綿あめにしてみせます」
草原コヨリ:「だって!!!」
夏祭らむね:「すごーー!!かっこいい!!!」
錺 十也:「威力やべえな」
河路 緑郎:「おもちゃに使う宣伝文句じゃねえ」
錺 十也:「逆に気になってきた。何で粉砕してんだ」
錺 十也:「分解したい」
河路 緑郎:「いやお前も何乗ってんだ」
河路 緑郎:「しっかりしろ、俺を一人にするな」
草原コヨリ:「競売はじまっちまうぜーーーー!!!いそげー!!!」
夏祭らむね:「うおーーーっ!」
錺 十也:「あっ待て待て」
錺 十也:追っかける!
河路 緑郎:「ちゃんと前見ろ、ぶつかんぞ」
錺 十也:「おっさんも遅れんなー」
河路 緑郎:「脚が重いんだよ、歳考えてくれ……」
河路 緑郎:のろのろと追いかける。
草原コヨリ:追いつくと、競売は既にはじまっていた。
草原コヨリ:「行け!らむちん!ぶっ殺せ!!」
河路 緑郎:「けしかけるな」
夏祭らむね:「うおーーーっ!!!」
河路 緑郎:「乗るな!」
河路 緑郎:夏祭の首根っこを捕まえる。
夏祭らむね:首根っこを掴まれて足がパタパタしている
錺 十也:「お前500円ぽっちだろ……」
河路 緑郎:「ここ、暴れる、良くない。オーケー?」
河路 緑郎:「マジで面倒な事態になったらおっさん帰るからな」
オークショニア:「あー、95円、95円以上のお客様は~~」(だら~~)
駄菓子王・レタス次郎:「ハァハァ、やっと見つけた駄菓子マシーン、あんな小娘共に負けるわけにはぁ!」
夏祭らむね:「……!!『王』の……気配がするのだねっ」
河路 緑郎:「あっ」暴れる勢いで掴んでいた手が外れる。
錺 十也:「俺が行くから、手に入れたら一度分解掃除させろ」
錺 十也:「んで、その後ならわたあめ作らせてやるからさ」
夏祭らむね:「ほんと!?」自由になり錺さんにかけよってキラキラする。
錺 十也:「あーほんとほんと」わたあめ本体には興味ないので。
駄菓子王・レタス次郎:「くぅぅ、しかし100円を超えてしまっては駄菓子とはもはや!」
河路 緑郎:「……よう分からん葛藤してるな対抗馬。チャンスっぽいぞ」
夏祭らむね:「うおーっ!錺ロボ発進!すべてを粉砕してアルティメットを手に入れるのだ~!」
草原コヨリ:「いけー、落とせ落とせ!」
錺 十也:「ういーん、がしょん。ていうかやっすいな……」
錺 十也:「110円」
夏祭らむね:「110円も……!」
夏祭らむね:「これがエージェント……」
"縁日男爵":「100円ならまだしも……110円だと!?」
駄菓子王・レタス次郎:「ぬぁ、あーーーーー!!」
駄菓子王・レタス次郎:「ぐ、ぐぅ……予算を超過してしまっているが……」
駄菓子王・レタス次郎:「おおおのれ200円!200円だ!!」
草原コヨリ:「マジかヨあのオッサン……」
錺 十也:「えー……じゃあ250円」
夏祭らむね:「にひゃく……ごじゅうえん!?」
草原コヨリ:「命を賭けてるってことが……伝わってくんぢゃん……」
河路 緑郎:「命が安い……文字通り……」
錺 十也:(しまったな、なんか思ったよりだいぶちまちましてる)
GM:値の付け合いは存外にエスカレートしていく。
駄菓子王・レタス次郎:「(死~~~~~ん)」
成金小僧:「んーふふ、ボクチン、スーパーカーを綿あめにしてみたかったんだぁ~~」財布をチラつかせる。
オークショニア:「これ以上入札の方はー!?」
錺 十也:ここらで、シーン表の判定をさせていただきたく
GM:どうぞ!
錺 十也:経済力で!
錺 十也:2D6>=5 (判定:経済力) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
夏祭らむね:やったー!!
錺 十也:たかいよ
GM:成功!
オークショニア:「落札、落札です!」木槌を振り下ろす。
成金小僧:「そ、そんなぁ~~~!」
錺 十也:「……ふー」額の汗を拭う。
夏祭らむね:「すごいすごーーい!!」
錺 十也:「思ったより熱くなっちゃったな……怖いわほんと」
夏祭らむね:「スーパーカーの命の恩人だ~~!!」
錺 十也:「そういう捉え方もある……」
河路 緑郎:「最後のやつなんだったんだ」
草原コヨリ:「うお~~~~、感動じだぁ””~~~!!」
"大八屋台の"チャールズ・メイラー:「250円とは……とんでもない値がついたものですね……」
"縁日男爵":「これは……島の駄菓子界が荒れるぜ……」
河路 緑郎:「誰だあいつら」
錺 十也:「よーし、分解調査だー」
河路 緑郎:「お前も楽しそうね……」
夏祭らむね:「さっそく脱がしてる!」
河路 緑郎:「お前はいちいち言い方がアレなんだよ。どこで覚えてんだ」
錺 十也:「まあ、機構はシンプルだと思うんだけど、謳い文句があれだろ、威力の方が気になるし」
錺 十也:「あと研磨したらもっといい感じにいけると思うんだよな」
草原コヨリ:「うおお、コメントいっぱい来てんじゃん」
草原コヨリ:「『カザwwwwww』『めっちゃたのしそう』」
草原コヨリ:しれっとカメラを回し続けている。
河路 緑郎:「わたあめメーカーの話で出てくる単語じゃねえな、”威力”」
河路 緑郎:「んだ、今のも配信してたのか?」
錺 十也:「ん」カメラを見る。
錺 十也:「んーー」カメラに近付く。
夏祭らむね:「サービスショットだ!」
草原コヨリ:「ドアップいただいてまーす」
錺 十也:「これさ、店にあったやつだったよな」
草原コヨリ:「そだね」
夏祭らむね:「そうなのね!今はらむねのなのね!」
錺 十也:そのままひょいと取り上げる。
草原コヨリ:「あ~~~ん」
錺 十也:「これ、設定俺がしたやつだから、マニュアルになってると思う」
夏祭らむね:「まにゅ」
錺 十也:「要するに、逆月亭の中で撮る用にチューンしてる」
夏祭らむね:「おおー!なるほど!」
河路 緑郎:「外で撮るなら調整がいると」
錺 十也:「……から、こことだと映りがあんまし良くないんじゃねえかな」
錺 十也:「そうそう。明度とか、カラーとか……」軽く弄る。
夏祭らむね:「おおおおお……!!」
錺 十也:「…………青みが」
錺 十也:「強い」
河路 緑郎:「気に入ってんなあ」
草原コヨリ:「プロの手際だね」
錺 十也:「……飲食店て、照明が黄色系だから」喋り続けている。
錺 十也:ナキのコインのことを思い出す。
錺 十也:「『青の』逆月亭なのに、な」
河路 緑郎:「青ねえ……」
河路 緑郎:「だからってブルーライトもねえだろ」
河路 緑郎:「青は、なんだ……ああいう場所に合う色じゃねえ」
夏祭らむね:「カザちゃんは機械に強くてすごいのだよ~!」
錺 十也:設定をデフォルトの、扱いやすいものに直してやる。
錺 十也:というあたりで判定をしたいです。
錺 十也:らむねちゃんに感情判定、特技は絡繰術。
GM:どうぞ!
錺 十也:河路さーん
錺 十也:修正ちょうだーい
河路 緑郎:はいよ!
河路 緑郎:共感の感情修正送ります。+1
錺 十也:ありがたさ。振ります。
錺 十也:2D6+1>=5 (判定:絡繰術) (2D6+1>=5) > 7[3,4]+1 > 8 > 成功
錺 十也:いえーい
夏祭らむね:やった!!
河路 緑郎:いえーい
GM:成功!
夏祭らむね:感情表ふりふりします!
GM:互いに感情表を。
錺 十也:ET 感情表(1) > 共感(プラス)/不信(マイナス)
夏祭らむね:ET 感情表(2) > 友情(プラス)/怒り(マイナス)
錺 十也:またかよ
夏祭らむね:+の友情で!
河路 緑郎:共感しがち
GM:共感マン
錺 十也:ここは共感で!
河路 緑郎:ノータイム!
河路 緑郎:やさしいせかい
錺 十也:わたあめなかま
錺 十也:「……ほい。少しは良くなったと思う」カメラを返してやる。
夏祭らむね:「すごーい!」
夏祭らむね:「カザちゃんは機械好きなのだね~?」カメラがパワーアップして嬉しそうにしている
錺 十也:「そりゃ好きよ」
草原コヨリ:「わー、おかえりーカザっち2号~~~!」
草原コヨリ:カメラを掲げてくるくると
河路 緑郎:「そんな名前だったのか」
錺 十也:「ガキの頃からいじって……なに2号って」
錺 十也:(……青の逆月亭。なんで青なんだろうな)
錺 十也:(あんまり考えたことなかったな……)
草原コヨリ:「え、カザっちの子だから……」
錺 十也:「そんな子を産んだ記憶はありません」
夏祭らむね:「子供って二号だったんだ!」
草原コヨリ:「そんなぁ~~認知してよぅ」
夏祭らむね:「すごいのだ~!全存在みんなカザちゃんになったらいいのに~」
河路 緑郎:「こええよ」
錺 十也:「やな世界だな……」
河路 緑郎:「っつうか、機材の設定とか調子とかお前らこそ気をつけなきゃいけないんじゃねえの?本来」
河路 緑郎:「狙ってんだろ、ドラゴンオスカー」
錺 十也:「そうだろ」
夏祭らむね:「そうね~!でも知らない事はやりようがないのね~!」
草原コヨリ:「ウチらそういうのより勢い重視てーか」
草原コヨリ:「そういう拙さが、逆に味?テイスト?みたいな?☆」
草原コヨリ:「キャハ♪」
錺 十也:「それは自分で言うもんじゃねえだろ」
夏祭らむね:「シロートものは人気だからね!」
草原コヨリ:「そうそう」
河路 緑郎:「言い方が最悪」
河路 緑郎:「実際俺もよく知らねえんだが」
河路 緑郎:「そんなにすごいのか?ドラゴンオスカー」
河路 緑郎:「よく考えりゃうちの主人からもその辺なにも聞いてねえな……豪華賞品でも出るわけ?」
草原コヨリ:「すごいらしいぜ」
草原コヨリ:「次回作にめっちゃ援助金出るらしいぜ」
草原コヨリ:「援助援助」
夏祭らむね:「すごー!!」
錺 十也:「それ使ってまた次回作が作れる、と」
錺 十也:「無間地獄」
夏祭らむね:「天国なのだよ~~!」
草原コヨリ:「ハッピーな地獄だぜぃ」
河路 緑郎:「……感じ方は当人次第か」
錺 十也:「あんまりわかんないんだよな、そういうのも」
錺 十也:「それこそ、スポットライトのまっただ中じゃん」
夏祭らむね:「スポットライトきらい?」
錺 十也:「"ショベル・マン"もそうなのかもだけどさ」
錺 十也:「当てる方が好き」
錺 十也:何回かこの話はしたな、と思う。
夏祭らむね:「じゃあ、たくさんあてられるチャンスがあったらカザちゃんもハッピーなのね!」
河路 緑郎:「お前らは好きなわけ?」
夏祭らむね:「すき~~!当たる方が!」
河路 緑郎:「……ハッピーねえ」
河路 緑郎:屈託のない笑顔に苦笑を返す。
草原コヨリ:「え、なんでショベル男の名前が今出てくんのさ」
草原コヨリ:「異街で流行ってるわけ?アレ」
錺 十也:「ん、知ってる」
夏祭らむね:「しょべ?」
河路 緑郎:「……あ?なんだお前、知ってるのか?」
河路 緑郎:「お前も確か最近だったよな、こっち来たのは」
草原コヨリ:「ぺっっぺっぺー、ウチあれ大っきらい」
錺 十也:「今ちょっとばかり探してる。情報があったら投げてもらえると助かるわ」
草原コヨリ:「ん、何でカザっちが探すわけ?」
草原コヨリ:「ここで?」
錺 十也:「そもそも居所がわかんねーし。お仕事の話だよ」
夏祭らむね:「カザちゃんのお仕事ならなにかわかったら教えるね!」
錺 十也:「おー、助かる助かる。俺も知り合いに夏祭のチャンネル教えとくわ」
草原コヨリ:「どゆこと???」
錺 十也:「んー、目障りに思ってる奴も多いんだろ。うちのボスとか」小声で。
草原コヨリ:「え、でも異街じゃ関係なくない?」
草原コヨリ:「流石にあんなちゃちいの仕入れるビデオ屋もないっしょ」
草原コヨリ:「ヤッベ今ビデオつっても通じねえか」
河路 緑郎:「ジェネレーションギャップはご心配なく」
錺 十也:「うち、ベータのデッキもあるぜ」胸を張る。
草原コヨリ:「え、ジーマ?なっつかしぃ~~~」
錺 十也:「ま、使ったことはないけど……」
草原コヨリ:「ウチが使い方教えてあげんよ!」
夏祭らむね:「カザちゃんのボス……未野良ホテルマンが気にしてるってことは~」
夏祭らむね:「ここにきてるの?しょべ」
錺 十也:「ともかく、そう。こっちに居るらしい奴をうちのボスが気にしてっから」
草原コヨリ:「え、いんの??ここに????」
河路 緑郎:「わざわざ手駒に指令が降りるくらいだ」
河路 緑郎:「まず居るって確信があるんじゃねえのか」
草原コヨリ:「げーーーー」
錺 十也:「いろいろと調べないとなんないの、という話」
錺 十也:「なんか知ってる感じ?」
草原コヨリ:「いやいちぶじゃ有名だかんね」
夏祭らむね:「友達って感じじゃなさそうなのね……やなやつ?」
河路 緑郎:「話聞く限り、お友達には向かねえわ」
河路 緑郎:「お供よりゃ鬼のほうだろうよ」
草原コヨリ:「らむちん注意しなよ、あいつ対抗馬って思い込んだ奴にめっちゃ嫌がらせしてくるかんね」
夏祭らむね:「ええーーっ!そうなの!」
草原コヨリ:「ウチらはノミネート確実だからきっと目ェつけられるよ」
夏祭らむね:「やば~~~!!!」
河路 緑郎:「謎の自信」
河路 緑郎:「(……油舐の周りも気をつけておくか。まさかとは思うが)」
錺 十也:「まー、その前になんとかできりゃいいな」
GM:カメラから綿あめマシーンに手元を戻した錺。
GM:話しながらも作業は止まらない。
GM:そんなあなたはとうとう見つける、謎のマシーンの動力部だ。
GM:どうやら、特殊な忍具がその核となっている。
GM:動作を高速で"やり直す"機構。
錺 十也:「ははーん……」そっと取り外す。
河路 緑郎:「マジか……お前ら気づいてたわけ?」
錺 十也:「妙だな、とは思ってた」
草原コヨリ:「???それなに??」何もわかってない顔
夏祭らむね:「えっすご~!なんかつよそーなのある!」
錺 十也:「ま、こうやってお買い得なこともできるから」
錺 十也:「わりと悪くないだろ? オークション会場」
錺 十也:河路さんの情報はさすがに難しかったようだが。
夏祭らむね:「うむっ!!」
河路 緑郎:「なぁるほど……覚えとくよ」
河路 緑郎:「金ができたら」
河路 緑郎:袖を振る。空を斬る音。
草原コヨリ:「グドじゃんね~~~ブックオフみたいで気に入ったわ」
錺 十也:さくさくと、分解した機械を一旦まとめておく。
錺 十也:「わたあめはまた後で作ってやっから、店ででも」
夏祭らむね:「やったやったーー!!」ぴょんぴょん跳ねている
草原コヨリ:「あめあめあめフワフワあめあめめめめ!!」
錺 十也:楽しげな二人を見ながら、ふと思う。
錺 十也:カメラのこと。今のわたあめマシーンのこと。
錺 十也:(……機械は、いいよな)
錺 十也:(きちんと部品が揃ってればちゃんと動いて、役割があって、綺麗に指示通り動く)
錺 十也:(シンプルだ。迷うことはない)
錺 十也:(…………俺は?)
錺 十也:分解を止めた手を少しだけ見て、天井を見て。
錺 十也:空は、そこには見つからない。
GM:物思いに耽る錺、しかしその心の静寂はすぐさま破られることになる。
草原コヨリ:「やっべ、アルティメット栓抜き!!?」
草原コヨリ:「ウヒョオオホホ、いっくぞぉ!!」
夏祭らむね:「アルティメットーー!!」
───────
GM:錺十也さんは遁甲符を1獲得です。
───────
サイクル1 夏祭
GM:次なるPCは5、出頭せい!!
夏祭らむね:ヴァイッ!
GM:シーン表、登場PC、要件を言えい!!
夏祭らむね:シーン表は異街!登場希望PCは錺さん、登場希望NPCはクテンさんとナキちゃん
GM:らじゃー
"クテン":おっ
錺 十也:こちらもOKです
GM:それではシーン表を振りな!
夏祭らむね:2d6 (2D6) > 6[3,3] > 6
GM:6.希族街を訪れる。忍務か、あるいはどこかの希族の正式な招待を受けてだろうか?
GM:クテンのホームですね。
夏祭らむね:ちょうどいいですね
夏祭らむね:希族街の撮影したいから~って案内してもらおうとして一人じゃ手に負えないから二人にも来てもらった感じかな
錺 十也:同行しますー
"クテン":了解です
───────
GM:希族街。妖魔、半魔、ひとでなしの楽園。
GM:無論、ひとであっても、楽園であり得る。
GM:まつろわぬもの、はみだしものの集団を母体とするそこは、名前の響きとは違いその実態はなかなか物騒である。
ナキ:「ま、ヤクザとかマフィアみたいなもんよ」
ナキ:「山の方にはコッテコテのお貴族様で~~すって感じのもいっぱいいるけどさ」
ナキ:「"城下町"は、見ての通りこんな感じさ」
GM:印象として近いものは、"中華街"だろう。
GM:異国の地で、強い絆で結ばれた共同体同士がひとつの街を形成し、そこを自分たちの色へと染め上げる。
"クテン":「ま、俺らみたいな連中にとっちゃこっちのが気安いがなァ」
夏祭らむね:「らむねは高貴なるものだから高貴な場所でもいいのだよ」カメラを回している。
錺 十也:「俺はあんましお高くても困る」少し後ろを歩いている。
錺 十也:一応、何かあっても対応できるように。
"クテン":「『お山』の方のお歴々に会うのは肩が凝って仕方ねェ。そもそも呼ばれるようなことも滅多にねェけどな」
ナキ:「あんま交流無いよね~」
ナキ:「でもトップのRIN-NEサマとかはこっち定期的に降りてきてくれるよ」
ナキ:「たまに路上で歌ったりもしてんのね」
錺 十也:「あー、写真集とか」
夏祭らむね:「ちゃんとお行儀よくできるのだ?クテン」
"クテン":「俺をなんだと思ってんだ?」
夏祭らむね:「らむねに拾われたワンちゃん」
"クテン":「まァ~……なんだ……『無作法者なりに頑張ってるヤツ』くらいの顔はできる」
夏祭らむね:「えらーい」がんばって背伸びしてなでなで
錺 十也:「えらーい」後ろから囃すように。
"クテン":「やめろやめろ! 拾われてもねェし犬でもねェ!」
ナキ:「ナキん家こことは遠いからさー」
ナキ:「SNSチェックして慌てて駆けつけても大抵終わっちゃってるんだよね~~」
"クテン":「あ~、教区の方だからな」
ナキ:「クテンチケットとれたら言ってよ、倍までなら出すよナキ」
夏祭らむね:「好きなんだ?」
ナキ:「大ファンなのよ~~~」
"クテン":「気軽に取れるようなもんじゃねェぞアレ……」
ナキ:「じゃあ本気で取れよ!」
夏祭らむね:「そうだそうだ!甘えるな!腰が入っていないぞ!」
錺 十也:「腰を入れてチケット取れりゃ苦労しないわ」
"クテン":「お前がファンなんだからお前が本気出せや!?」
ナキ:「ナキは忙しいの!」
錺 十也:「ハッキングか……」特にやる気はないが呟く。
夏祭らむね:「おーっ違法行為!」
夏祭らむね:「バレなきゃ犯罪じゃないもんね~!」クソデカ声
錺 十也:「今バレたな、盛大に」
錺 十也:「やんねーよ、いくらなんでも」
"クテン":「そうかァ?」
"クテン":「でもカザリのことだからな、新しい不正侵入アプリとか手に入ったらやるんじゃねェか」
"クテン":「『性能チェック』とか言ってよ」
錺 十也:「もうちょっと当たり障りのないとこ狙うって」
夏祭らむね:「やりはするんだ」
錺 十也:「え、やらん……?」
ナキ:「やらんね~~」
錺 十也:「新しいやつだろ、試さん……?」
ナキ:「カザって自分は無害で優等生ですよーって顔してるけど」
ナキ:「やっぱ素がハンザイシャだよね」
錺 十也:「ひでえことを言う」
錺 十也:「新作のアルバム聴くのと一緒!」
ナキ:「そっかぁ??」
夏祭らむね:「んふふ~、全存在がカザちゃんだったらいいのにね~」
夏祭らむね:「全存在がカザちゃんだったらさいきょーロボ忍者でもかっこいーって思ってもらえるもんね」
錺 十也:「さいきょー……?」
夏祭らむね:「……あれ、あっちに人だかりできてるけど……」
夏祭らむね:「あれリンネちゃんさまのゲリラライブってやつ?」
ナキ:「え、え????」
錺 十也:「へー、見に行く?」親指で示す。
ナキ:「ぬわーーーー!!RIN-NEサマーーーー!!!」脱兎
錺 十也:「うわ」
夏祭らむね:「はやい!」
錺 十也:「……俺も行っとく」
錺 十也:「ナキー、待て待てー」
夏祭らむね:「暴走特急ナキをとめよ!錺ロボはっしーん!」
錺 十也:「がしょーん」言いながら離れていく。
夏祭らむね:自分は追わず見送る。
錺 十也:「あのさー、ナキ、そういやこないだの……」
錺 十也:声が遠ざかる。
"クテン":「……あのバカ、もうあんなとこまで走っていきやがった」
夏祭らむね:「はやいのだね!好きなものだとはやくなれるのだね人は!」
夏祭らむね:「なんか、ゆーめーじんチラッと映して再生数稼ぐのは、ちがうかなーって」カメラを下げる。
"クテン":「へェ?」少し感心したように眉を上げる。
"クテン":「ま、そうだな。それで再生数増えたとこで、すげェのはその有名人だ」
"クテン":「有名人と正式にコラボするってんならまだしもよ」
"クテン":「メチャクチャに見えるがよ、その辺のプライドっつゥもんはしっかりあるんだな」
"クテン":「いいことだと思うぜ。プライドは大事だ」
夏祭らむね:「クテンはプライドが好きなのだねえ」
夏祭らむね:「あとなに好き?お酒?」
夏祭らむね:「シマモンは好き?」
"クテン":「あ? あァ、酒は好きだな」
"クテン":「シマモンは、……」
"クテン":「ありゃ高ェし、強いのが多いからな」
"クテン":「店でいつもの連中と飲んでっと、気づいたら全員グデグデになっちまう」
"クテン":「あんだけザルなナキのやつでもそこそこ酔うんだから、相当だぜ」
"クテン":「でも、まァ」
"クテン":「好き嫌いで言や、好きだな」
夏祭らむね:「ほ~~~~ん」
夏祭らむね:「らむねは考えたのね。ゆーめーなものと正式にコラボすればいいと」
夏祭らむね:「高くて強いシマモンとコラボできたらさいきょーと!」
夏祭らむね:「そこでシマモンのゆるキャラを考えてきました」
しまモン:『ボクの名前はしまモンだシマモーッ!!』
しまモン:30cmほどのぬいぐるみが飛び出してクテンさんにぶつかる。
しまモン:『シマモンの妖精なんだシマモーッ』
しまモン:『ボクからでる排泄物がシマモンとなりみんなに届けられるんだシマモーッ』
"クテン":「な、なんだコイツは……」
"クテン":「設定がロクでもなさ過ぎるだろ! 神話かよ!」
しまモン:『なかよくしてね』キュッパッキュッパッと飛んだり跳ねたりしている
"クテン":「語尾も雑すぎるしよ……」
"クテン":「まあでも……愛嬌はある……んじゃねェか……?」首を捻りながらなんとか搾り出す
しまモン:『うふふ……』照れたように腰をくねらせている。
夏祭らむね:「今だ!隙あり!しまモン!クテンの遺伝子情報をひっこぬくのだよ!」
しまモン:『しマモ~~~ッ!!!!』
"クテン":「!?!?!?」
しまモン:フカフカのおててをポフッとクテンさんのおててにくっつける!
しまモン:相手の記憶にアクセス!遺伝子レベルで相手の情報を読み取れる超高性能ロボットなのだ!
夏祭らむね:というわけで情報判定したいです。
夏祭らむね:特技は絡繰術。
GM:お、おう?
GM:どうぞ……
夏祭らむね:カザちゃん!あとでフカフカさせたげるから……感情修正を……おねがいできませぬか!
錺 十也:仕方ないなー
錺 十也:+1をどうぞ
夏祭らむね:ありがとうございます!!
錺 十也:ふかふかっつうか中を……
夏祭らむね:2D6+1>=5 (判定:絡繰術) (2D6+1>=5) > 8[3,5]+1 > 9 > 成功
夏祭らむね:はーっはーっはーっ成功!!!!!
夏祭らむね:クテンさんの秘密を……いただくぜ!
GM:いただかれてしまった……こんな、わけのわからんロボに……
GM:というわけで秘密をお渡しします、しばし待たれい
夏祭らむね:はい!あとそのあと【闇神楽】使う宣言もしておきます
GM:お渡ししました。
夏祭らむね:ありがとうございます!!
夏祭らむね:あと感情共有で錺さんにもいきますね
サブGM:あっそちらにも送ってます
錺 十也:いただいてます
夏祭らむね:ありがとうございます!!反応する前に、レッツ闇神楽したいと思います!
GM:やりな!
夏祭らむね:その判定に【詭道】!
夏祭らむね:体術にダメージを受けて、自動成功!
夏祭らむね:ナキちゃんの秘密を抜きます!
GM:毎回データ面ではガチガチに成功率を重視した型を組んできやがってよぉ!
GM:どうぞよろしく
GM:判定は何で行いますか?
夏祭らむね:そうですね、引き続き絡繰術で
GM:おっけー、振りなさいな!
夏祭らむね:しまモン・アイはじっくり観察することで、触れなくとも遺伝子情報を抜き取れるのだ。
GM:つまりクテンにナキの遺伝子が濃厚に残留してるってこと?
夏祭らむね:リンネちゃんのライブみてるナキちゃんをみてるってこと!
夏祭らむね:2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
夏祭らむね:無駄に高いけど自動成功!
GM:コノヤロー!
GM:お渡しします
夏祭らむね:うけとりました
錺 十也:受け取りました。
夏祭らむね:「ほーん」
夏祭らむね:「しまモンほしい?すごいでしょ」抱えて見せる。
"クテン":「ほーんじゃねェよ! お前今何しやがった!?」
"クテン":「いや欲しいかどうかで言や欲しいが……つーか大体の忍びは欲しがるだろよ」
夏祭らむね:「クテンのエッチな秘密……しっちゃった♡」
"クテン":「おま」
"クテン":「……何を知った?」
夏祭らむね:「クテンが年下の天才メカロボ忍者が好みとかそーゆーこと~」
"クテン":「……?」
夏祭らむね:「らむねがかわいくないというのか!」
"クテン":「いや心当たりがなさすぎんだよなァ……」
夏祭らむね:「年上のぼんきゅっぼんの金髪が好きってこと?」
"クテン":「別にそういう訳でもねェが」
"クテン":「いや違ェ違ェ! なんの尋問だよこれは!?」
夏祭らむね:「クテン」
夏祭らむね:「ありがとう」
夏祭らむね:「クテンは知らないだろうけど……」
夏祭らむね:「らむねはクテンにありがとうなんだよ」
"クテン":「あ? ……」
"クテン":「よく分からねェが……」
"クテン":「ま、そういうこともあるだろ。この島じゃな」
"クテン":「なんでも"契約"でやりとりするこの【異街】だが」
"クテン":「そういう構造から外れた関係だってある」
"クテン":「知らない間に誰かに貸しを作ってたり、逆に借りができてたりな」
"クテン":「ま。多分、本当はどこでもあることなんだろうけどよ」
"クテン":「この町じゃあ、"契約"のあるやりとりの方が多いからな。余計珍しく見えるのかも知れねェ」
"クテン":「だからな。お前も」
"クテン":「どっかで誰かに、『ありがとう』されてるんじゃねえのか」
夏祭らむね:「んふふー!んふふふ、そうかな~?」
夏祭らむね:「らむねのチャンネル、登録者数1だからな~」
"クテン":「少なくとも一人はいる、ってこったな」
"クテン":「わかるぜ、俺もあそこで配信やってるときはな……」
"クテン":「しょうもないとは思いつつ、登録者数とかコメントとか見ると」
"クテン":「割と──楽しかったし、嬉しかったもんだ」
夏祭らむね:「うむ!!素晴らしい心なのだよ!」
夏祭らむね:「その素晴らしい心に免じて、お礼にらむねのこと守らせてあげるね」
夏祭らむね:「世界中がらむねの敵に回って全世界の核保有国が一斉にらむねに向かって核ミサイル撃ってきてもクテンはらむねの味方でいてね」
"クテン":「要求がデカすぎんだろ!!」
夏祭らむね:「今は心当たりがなくてもこれからできるかもしれないってことでしょ」
夏祭らむね:「クテンがどうしようと好きにしたらいいけど~」
夏祭らむね:「クテンの大事なものの中に、らむねも入れたらいいなとおもうのでした」
"クテン":「はァ、……ま」
"クテン":「この前、いつもの連中と」
"クテン":「お前と、シグルと、カワジと、クサバラと、あのガキと」
"クテン":「集まって騒いだ酒は──悪かなかったからな」
夏祭らむね:「そうでしょそうでしょ!」
夏祭らむね:「クテンはらむねの命の恩人なんだから責任もって墓場まで面倒みるのだよ」
"クテン":「要求が重すぎるだろさっきからァ……!」
GM:たったと、駆けてくる足音。
ナキ:「RIN-NEサマじゃなくてストリートファイトだったじゃん」
ナキ:「いやでも結構いい試合だったね」
錺 十也:「まあ、そこそこ楽しめたな」
夏祭らむね:「へえ~!殴り合いだったんだ」
錺 十也:「言い方」
"クテン":「どんなマッチングだったんだ?」
ナキ:「中華鍋かぶったやつがローラーブレードはいたやつとヤってた」
"クテン":「なんだその取り合わせ……」
錺 十也:「防御力vs機動力」
夏祭らむね:「おーっ!どっち勝ったの!?」
ナキ:「ナキが勝った」(ガッツポーズ)
夏祭らむね:「乱入してる!?」
錺 十也:「そこそこ楽しめたっつったろ」
夏祭らむね:「え~っだったら見たかった~~!!」
夏祭らむね:「もっかいその辺の人殴って~~!!」
錺 十也:「治安悪いの、街じゃなくてこいつじゃないの?」
"クテン":「この辺でローラーブレードてェと、"十題鴉"の連中辺りか?」
ナキ:「あー、ソレソレ」
ナキ:「なんか名乗ってた」
"クテン":「中華鍋は知らねェが……その中華料理屋ならいくらでも持ってそうだしな」
"クテン":「ま、どっちにしろお前らの敵じゃねェか」
ナキ:「そんじゃ行くかー」
ナキ:「撮るんでしょ、お山行こうよー」
ナキ:「RIN-NEサマのお城撮りに行こうよー」
しまモン:『みなのもの!出発だシマモね!』
錺 十也:「えっなに」
"クテン":「ま、まだいたのかコイツ!」
しまモン:30cmほどのぬいぐるみがテコテコ歩く。
ナキ:「……ナニコレ」
しまモン:『いいネいいネ!リンネ様にもシマモンを、わけてあげたいだシマモね!』
夏祭らむね:「らむねの考えたシマモンのゆるキャラ!のハイテクロボ!」
錺 十也:「これは……中身は」しげしげと見ている。
夏祭らむね:「中身はだいたいふわふわの綿!」
ナキ:「こわっ」
錺 十也:「ロボかぬいぐるみかどっちだよ!」
"クテン":「お前んトコの綿どうなってんだよ」
錺 十也:「ロボなら中身見せろ……!」
しまモン:『イヤン』
しまモン:照れたように己の体を抱いてくねらせる。
錺 十也:「別にそんな声を出されるようなことは言ってない」
夏祭らむね:「けっこー企業秘密だけど、カザちゃんなら特別に見てもいいのだよ~!」
夏祭らむね:「お城見学終わってからね~!」
錺 十也:「やった」
錺 十也:「じゃ、サクサク終わらせよ」
錺 十也:じっとしまモンを見ている。三人の後ろで。
錺 十也:何かあっても対処できる位置で。
GM:そうして四人は坂道を上がっていく。
GM:その後、警備員に追い回されたり逃げ延びた先で抗争に巻き込まれたり休憩に入った料理店が爆発したり色々あったのだが、
GM:詳しい内容は割愛させていただく。
───────
サイクル1 時雨
GM:それではお次のシーンプレイヤーは1!
GM:カマーン!
時雨:はいさい!
時雨:シーン表は、勿論異街シーン表を使いたいです!
GM:それではシーン表、登場希望PC、シーン内容を
GM:あいよっ
時雨:感情修正が欲しいから笑理ちゃんには出てほしくて……
時雨:あとは、錺さんにも登場お願いしようかしら
畔戸笑理:出ます!
錺 十也:わおわお、了解です
時雨:あとクユちゃん!
GM:はーい
時雨:あ、シーン表振りますね
時雨:2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5
GM:5.狂楽区を訪れる。ここは娯楽には事欠かない、さあ何をしようか。
時雨:ほほう……遊園地空間にします!
GM:遊園地空間了解です。
GM:それでは
───────
GM:狂楽区、おおよその遊戯施設ならば、思いつくものはだいたいにあると言われるそこ。
GM:あなたたちは、遊園地を訪れていた。
クユ:「……」
クユ:ぐるぐると回る観覧車を、ぼんやりと眺めている。
時雨:「クユさん、どれか乗ってみたいものはありますか?」
時雨:彼女の脇に立って、観察するままに任せている。
クユ:「乗る……」
クユ:「何故……?」
クユ:指し示す、観覧車。
クユ:「乗り物は、どこかへ移動するためのもの」
クユ:「あれは、同じ場所へと戻ってきています」
クユ:意味がない、その顔が暗に言っている。
時雨:「確かに」
時雨:「ですが、移動する過程に価値があるものもあります」
クユ:「価値、価値は……誰が決める?」
クユ:「クユは言われます」
クユ:「お前には欲望が欠落している、それが最大の問題点であると」
クユ:「価値、それを求める心が無い」
時雨:「──それは、実に難しい問題です」
時雨:「ただ、私が思うに。絶対的な”価値”などありません」
時雨:「砂漠で渇き死にそうな人なら、常ならば蛇口からいくらでも湧く水も、金貨百枚を出したって買うでしょう」
時雨:「価値は、相対的なものです。だから今、私が言えることは、一つ」
時雨:「較べるための物差しを、できるだけ多く、あなたに手に入れてほしいのです、クユさん」微笑む。
クユ:「クユは……乾いたくらいでは死にません」
クユ:「だから、やはり……よくわからない」
時雨:「ええ。だから、見ているだけでは勿体ないですよ」
時雨:「やあ、二人も戻ってきました。飲み物を貰ったら、まずは観覧車に乗りましょうか」
時雨:売店に買い物に行ってもらい、戻ってきた二人の姿を認めて言う。
GM:連れ立って、行きには無かった姿。
"ホテルマン":「やあ、楽しんでいるかな」
"ホテルマン":狂楽区の王、"ホテルマン"。
時雨:「おや、なぜここに──いえ、愚問、でしょうね」
"ホテルマン":「なんだいその顔は。ここはおれの庭だぜ、いちゃ変な理由があるかい?」
畔戸笑理:「……」トレーにストローの刺さった紙コップを載せ、三人並んで歩いてくる。
時雨:「忙しいのではないかと、思っていたのですが。どうでした?」二人に聞く。
錺 十也:ポップコーンを両手に持って、少々居心地の悪そうな顔をしている。
畔戸笑理:かなりびくついた視線を“ホテルマン”へと向けながら。
錺 十也:「俺もそう思ってましたけども」
"ホテルマン":「やあやあ、そう構えずに」
"ホテルマン":「どうだい?順調かい?」
"ホテルマン":「難儀しているだろう」
錺 十也:そういう言い方をするから構えるんすよ、という顔。
時雨:「ええ。あれだけ啖呵を切っておきながら、お恥ずかしい」
"ホテルマン":「うん、でもねぇ」
"ホテルマン":「おれは案外簡単だと思ってるよ」
時雨:「それは、なぜです?」
"ホテルマン":「企みごとがお得意な連中は、無理難題だと思ってるようだけどね」
"ホテルマン":「あいつらは結局、人でなしさ、鈍いんだよ……強すぎるとすぐ本気で生きるのをサボる」
"ホテルマン":「その点おれなんかは、その道の第一人者……になりたいと常日頃から考えている者だ」
"ホテルマン":「なあ時雨、欲望ってのはね」
"ホテルマン":「生の一形態だよ、不可分なもんだ」
"ホテルマン":「その子が生きて口を聞いて動いてるっていうのなら」
"ホテルマン":「それはもう既に"ある"はずなんだ」
"ホテルマン":「ちょっと見つけにくいのかもしれないけどね」
"ホテルマン":「と、いうわけだ」
"ホテルマン":「当遊園地へようこそ、こいつはプレゼントだ」風船を差し出す。
クユ:「……?」不思議そうにそれを見上げ。
時雨:「──ほう」途中から聞き入っていた。眼を開いて風船を見る。
"ホテルマン":「そうだな、きみはとりあえず」
"ホテルマン":「何でも貰ってみるといいと思うよ」
時雨:「あなたにプレゼントのようですよ、クユさん」
"ホテルマン":「かたちから入るんだ、そのうち本当に"欲しくなってくる"かもしれない」
クユ:風船と時雨を見比べて、素直に紐を受け取る。
"ホテルマン":「それじゃ、頑張って」
"ホテルマン":「きみたちも楽しんでね」
"ホテルマン":「あ、伴蔵じいさんによろしくね」畔戸笑理に笑顔、
"ホテルマン":ヒラヒラと手を振り、人混みに消えていく。
錺 十也:「……ども」背中を見送る。
畔戸笑理:「あ、は、はひっ」裏返った声で答えて見送る。
時雨:「ありがとうございました、”ホテルマン”」
錺 十也:十分に遠ざかったところで、はーっと息を吐く。
時雨:「彼は──不思議な人ですね」目を細める。
錺 十也:「……いきなりバッタリはしたくなかったわ」
錺 十也:「物は言いようだな」
畔戸笑理:「……生きた心地がしませんでした」
錺 十也:「エリさんはまあね……」
時雨:「それは興味深い」畔戸さんの表情を覗き込む。
時雨:「さて、思わぬサプライズが、ありましたが」
錺 十也:「オバケ屋敷よりドッキリのやつな」
時雨:「当初の目的を果たしましょう。クユさんにレクリエーションを楽しんでもらおう作戦、遊園地編です」
畔戸笑理:「そ、そうでしたね……」疲れた顔をしていたのを振り払って。
錺 十也:「あ、ミッション名とかあったんだ。あんたつけたの?」
時雨:「ええ。かっこいいでしょう」口角を上げる。
畔戸笑理:「どうぞ、クユちゃん」コップの載ったトレーを手に、少女の前へ屈み込む。
畔戸笑理:「これがコーラで、こっちがウーロン茶……オレンジジュースに、アイスコーヒー。どれがいいですか?」
錺 十也:「シンプルでわかりやすい」
錺 十也:「大丈夫かね。選べる?」
クユ:困ったように、トレーを見ている。
時雨:「チュロスとか、軽食──風船で片手が塞がってますね」
錺 十也:ポップコーンの器をひとつ、時雨さんに手渡す。
クユ:やがて、意を決したように掴む。
クユ:トレーそのものを。
錺 十也:「おっ」
畔戸笑理:「あら」手渡してみる。
時雨:「ふふ」
クユ:「とりあえず……もらってみる」
錺 十也:「学習はしている」
時雨:「嬉しい限りです。次は──あれに何の意味があるか?」観覧車を指差す。
時雨:「もしくは、やはり無いのか。乗って確かめてみましょう」
時雨:「錺さん、先導を頼んでよいですか? なにぶんこの遊園地も、かなり入り組んでいるようで」
錺 十也:「ん。いいよ。俺ここ好きだし」ポップコーンを口に放り込みながら。
錺 十也:「観覧車か。こっち」
畔戸笑理:「よろしくお願いします。……」
時雨:「ありがたい。クユさん、錺さんから離れないようにしてくださいね」
畔戸笑理:実は自分もそれなりに来たことはあるが、相手がその度に違うので言わないでおく。
錺 十也:歩き出す。時々後ろを振り返ったり、乗り物の制御室をちらっと覗き込んだりしながら。
時雨:二人の後ろについていく。風船を目印に。
クユ:両手でトレーを抱えたまま、言われた通りに付いていく。
時雨:畔戸さんと軽食代金の清算をしておく。
時雨:財布を取り出し──ザザ、と雨音のようなノイズが走る。
時雨:ここで情報判定をします。対象は真渕カヅキさん。
畔戸笑理:意外なチョイスですがこちらとしても気にはなるところ……感情修正で+1を投げます。
時雨:商業区に近く、その技術も使われている遊園地、必然、六塔の噂話が集まっている。
時雨:《流言の術》で判定します。修正ありがたい!
GM:どうぞ
時雨:2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 5[2,3]+1 > 6 > 成功
GM:成功です、情報をお渡しします。
時雨:成功。秘密を獲得です 畔戸さんにも流れるね
時雨:確認しました。
時雨:奥義を使用します。
時雨:『追悼世界甘瓦』。効果は……【追加忍法】だ!!
時雨:私はここで……【闇神楽】を発動する!!
時雨:2D6>=5 (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
時雨:成功! 体術の生命力を消費し、もう一度情報判定!
時雨:の、直前に【流転】を発動!
時雨:2D6>=5 (2D6>=5) > 9[3,6] > 9 > 成功
時雨:成功! 自身の奥義を畔戸さんの『無明無香無欠傀儡』に変更します!
時雨:改めて情報判定! 対象はショベル・マン!
時雨:『無明無香無欠傀儡』を発動!
時雨:効果は【完全成功】……情報判定は成功となる!
system:[ 時雨(0) ] 体:1 → 0
system:[ 夏祭らむね(1) ] 体術:1 → 0
GM:お渡し……します
時雨:確認しました!
畔戸笑理:こちらもいただきましたー
時雨:ザザ、と雨のような音が響いた。
時雨:畔戸さんから受け取った紙幣が情報となる。
時雨:彼女の主観、印象が合わさり……群衆と金の流れが真渕カヅキのプロファイリングを作り上げる。
時雨:通常であれば、これだけの情報だけではありえない精度のプロファイリング。
時雨:だが、それを行っているのは、あらゆる人間性を観察し取り入れようとする、怪人である。
時雨:「ありがとう、畔戸さん。あなたの想いで、あなたへのお礼ができそうです」
時雨:お釣りを彼女に返す。
時雨:「真渕、カヅキ。なるほど。あるいは彼女も──あなたと私に、似ている」
畔戸笑理:ちゃり、と掌に落ちてきた硬貨を、しばしの間、そのままにした。
畔戸笑理:「……たし、かに」
畔戸笑理:「……頂きました」
時雨:「”竜の心臓”、見つかると良いですね」そう言うと、足を大股に踏み出す。
時雨:錺さんの肩を叩き//ざあざあ//
時雨://ざあざあ//横に並ぶ。
錺 十也:「…………」横を見て、少し驚く。
時雨:「お待たせしました。案内してくれてありがとうございます」女中のような服装の女性が、感謝を述べる。
錺 十也:「あ、ああ。あんたか……。少し焦った」
錺 十也:初めて見る姿に、ほんの少し動揺して。
畔戸笑理:すぐには歩き出せず、前を行く三人の背中を眺める。
畔戸笑理:仲の良い友人。
畔戸笑理:もしくは、間にクユを挟んだ背の並びは、家族のようにも見える。
時雨:「すみません。気分を変えたかったもので──一度誰かを脳内に作り上げると、消すのがたいへんで」
錺 十也:「よくわかんないけど、そういうもんか……」
時雨:「大きいですね」
時雨:気づけば足元まで来ていた、観覧車を見上げる。
クユ:「……」慣れているのか、無感動なのか。
錺 十也:「そうだろ。結構な規模なんだよな」
錺 十也:「これ設計して、組み立てて、運用して、整備してる奴らがいて」
錺 十也:「なんかそれが嬉しくなる」
錺 十也:煌びやかな明かりにはさほど興味は払っていない。
時雨:「──自分で作りたい、というのとは違うのでしょうか」
時雨:「錺さんは裏方が好き、と仰っていましたが」
錺 十也:「んんん、そうだな。俺は……あるものがあれば。整備はしたいかな」
錺 十也:「改造していいならするけど。高速回転とか……」
時雨:「零から発明したい、わけではないと」
錺 十也:言いながら、ほんの少し、それだけでもない表情をしている。
錺 十也:「……わかんないな」
時雨:「──なるほど」目を細める。笑う。
錺 十也:「さっきの雇い主がまあ、いろいろ吹き込むもんだから」
錺 十也:「余計な事を考えることも増えた、かも」
時雨:「それもまた、ものさしが増えた、ということかもしれません」
錺 十也:「そいつになんか影響すりゃいいけどな」クユの方をちらりと見て。
時雨:「この街には、本当に、興味を引かれるものが多い──」クユさんの髪を撫でる。
錺 十也:「あんたでも、か」
時雨:「──ええ。私でも」曖昧な表情。
時雨:「さて、クユさん。行きましょうか──重そうですね」
時雨:「トレーは持ちますよ」飲み物が乗ったトレーを持つ
時雨:ポップコーンも持っているため、両手が埋まる。
クユ:「あっ……」
クユ:何か言いかけるも、素直に乗り込む。
錺 十也:「あれ」エリさんと乗らんでもいいんだ、と言いかけて。
錺 十也:(……ま、いっか。多分よくあるやつだろ)
錺 十也:先ほどの空気に何事かを感じてはいたのだが、黙っておく。
時雨:「──」クユさんの反応を見つつ。
畔戸笑理:「……どうしました?」
畔戸笑理:ちょうどその時に合流して、錺さんの後ろから声を掛ける。
時雨:「ああ──いえ、すみません。二人同士で乗るのも、乙なものかと思いまして」
錺 十也:「そゆことになったみたいだ」観覧車を親指で示す。
時雨:「これ、ポップコーンだけでは喉が渇くでしょう」飲み物を錺さんに渡す。
錺 十也:「お、どーも」
錺 十也:「こないだ、料理屋が爆発した時の話とかするよ。エリさんいなかったし」
時雨:容器にブロックノイズが走る。錺さんでなければ気づけない小さなバーコードを残し──消える。
畔戸笑理:「ば、爆発」
錺 十也:目を細めてそれを見つめる。
錺 十也:多機能分析器『飛蚊(ひぶん)』。バイザーがすぐさまそれを読み取る。
時雨:「それでは、お先に」二人それぞれの表情を見て、観覧車に向けて歩き出した。
時雨:「さ、クユさん、観覧しましょう──」
時雨:ゴンドラに乗り込み、トレーを相手の席に置く。
時雨:ただの意味の無い、回転運動なのか。
時雨:あるいは新しい何かを見て、知ることのできる、循環(サイクル)なのか。
時雨:真相はまだ、わからない。
GM:ゆっくりと、ゴンドラは回っていく。
GM:眼下を眺めるクユ。その光景に何か意味を見出しているのかどうか。
GM:今はまだ、わからない。
───────
時雨:錺さんにショベル・マンの情報を受け渡しました。
錺 十也:いただきます。
GM:感情共有により、公開情報となります。
ショベル・マンの秘密:クラウドファンディングの形態で結束した映像制作集団の総称で、主催は油舐ニャオ。
このたびは主演をナキ、助演を河路緑郎に標的を定め作品作りを行っている。
現在ナキとの間で、彼らは戦うためのちからを援助する代わりにナキは彼らの望む作品の演出に可能な限り従う、という契約を結んでいる。
河路 緑郎:なんてこったい……
河路 緑郎:一緒にドラゴンオスカー取ろうって約束したじゃん!
河路 緑郎:ご主人……嘘だったのかよ……
夏祭らむね:ドラゴンオスカーはとるぜぇ……お前の死体と共にな!!
油舐ニャオ:「ドラゴンオスカーはとるニャン、嘘は言ってない」
河路 緑郎:話が……違うっすよ……俺は……主演だって……
GM:さて衝撃の事実が明らかになってしまいましたが
GM:これにてサイクル1を終了。
マスターシーン3
GM:それでは皆様お楽しみのオークションです!
夏祭らむね:ウオオオオーーーッ!!
錺 十也:うおー
時雨:これがなきゃなあ!
GM:ではルールを解説します。
河路 緑郎:お金がないんですけど大丈夫ですか?
錺 十也:内臓あるし平気じゃん?
GM:平気平気、2つある方売ればいいし。
夏祭らむね:じゃあ心臓売ろ!
錺 十也:ふたつあるんです?
河路 緑郎:なんでピンポイントに一つしかない臓器行くのよ
GM:では、皆様の前には6つの商品が用意されています。
時雨:おおっ6つも
畔戸笑理:6つも!
夏祭らむね:全部私のってこと!?
錺 十也:?
時雨:?
河路 緑郎:強欲だなあ
オークショニア:皆様はその中からこれだ!という商品を選び、【入札】することが可能です。
畔戸笑理:どれか1個ですか?
オークショニア:その場合、形式は戦闘時のプロット選択と同じように、伏せて行います。
オークショニア:そう、どれかおひとつ、意中の商品を。
時雨:ふむふむ。秘密入札とは
河路 緑郎:なるほど、プロット選択
畔戸笑理:ふむふむ
オークショニア:商品にはそれぞれ【最低落札価格】が設定されており、それはそのまま=落札達成値となっています。
河路 緑郎:ははあ
オークショニア:この落札達成値、【入札】を行うことで自分の値を-1、自分以外を+1することが可能です。
オークショニア:これを二度繰り返し、サイクル2終了時に落札判定を行ってもらいます。
河路 緑郎:あ、じゃあまだ買えるわけじゃないんですね
夏祭らむね:何ッ!この場では手に入らないのか
オークショニア:欲しい物が被ってしまった場合はどうなるのかって?
時雨:欲しいものがあれば同じところに二回置く方が良いということかな
夏祭らむね:おっオークショニア!
オークショニア:そりゃあもちろん!より多くの額を出した紳士淑女のモノとなります!
オークショニア:オークション、ですからね
時雨:金が全てだ!
オークショニア:この競り合いにはNPCも参戦してきたりします、ゆめゆめ油断なされないよう……
オークショニア:手持ちが不安?そんなあなたに朗報があります。
河路 緑郎:まさか……駄菓子王・レタス次郎……
夏祭らむね:そのためにあんなに胡乱NPCが……
オークショニア:自分のドラマシーン時、情報や感情の取得といった行為の代わりに臨時収入を得る【仕事】を行うことで、この落札判定時に+2の修正を得ることができるのです!
河路 緑郎:えーっお得!
錺 十也:なんだってー
オークショニア:それでは、商品の紹介を行います。
1.神通丸 最低落札価格5
・何の変哲もない忍具、だがその性能は折り紙付きである!
2.リストランテ『ドラゴンキッチン』・グランドコース招待券 最低落札価格6
・特別個室にてマスターシェフがあなた達のためだけに腕を振るう!意中の相手との心を射止めるならばこれ!
3.アルティメット栓抜き 最低落札価格3
アルティメットな一品。
4.異街探偵 最低落札価格6
異街の名探偵への依頼権、『どんな情報も調べてみせるぜ』。
5.レンタル傭兵 最低落札価格6
異街では、当然人も売られていたりする。きっとあなたの力になってくれるだろう。
6.スーパーチャンネルジャック! 最低落札価格7
・異街のネットワークを一時的に買い取る権利、時間に限りはあるがあなたの動画を異街住民に無理矢理に見せつけてしまえるシロモノだ!
オークショニア:以上が、品物となっております!
オークショニア:さあさあ、何が欲しいか考えてください。
河路 緑郎:神通丸以外のデータ的な効果とかは不明ですか?
オークショニア:それは買ってみての、お楽しみ!
河路 緑郎:あ、あとこれすごい重要だと思うんですけど
夏祭らむね:神通丸すら神通丸って名前の正露丸かもしれないですよ
河路 緑郎:最終的には落札って2d6振る感じですかね?
GM:です!
河路 緑郎:完全成功って使えますか?
GM:完全成功は……ありとします!
畔戸笑理:ほう……
GM:が、当然奥義破りもありです。
夏祭らむね:なるほどね
河路 緑郎:PCは全員登場してる扱いですかね?
夏祭らむね:完全成功の達成値は10として扱うからそれ以上出せば勝てるんだ
オークショニア:データ上はそうということで
オークショニア:ここで奥義を見せると、PCはおろか、参加しているNPCにも奥義情報が知れ渡ってしまう、ということをお伝えしておきます。
畔戸笑理:ハワ…………
河路 緑郎:なるほど
錺 十也:こわいね
河路 緑郎:参加しているNPCも
河路 緑郎:奥義情報がばれていた場合、奥義破りされる可能性ありますかね
オークショニア:それはNPCが破ってくるか、ということでしょうか
河路 緑郎:そうですね!
オークショニア:その通りです!
河路 緑郎:了解しました!
河路 緑郎:落札はサイクル2だから、現時点ではあくまで入札か
オークショニア:はい、落札判定なのですがもちろん事前に入札したものとは別で行ってもらっても結構です。
畔戸笑理:へえっ
オークショニア:その場合、入札によるアドバンテージを失ってしまいますが、人の心は移ろうもの……
河路 緑郎:難易度が厳しくて難しそうだったら別のに行っても良いと
オークショニア:そのとおりでございます!
河路 緑郎:了解しました、私からはそれぐらいかな?
畔戸笑理:落札時に他者への感情修正は付けられますか?
オークショニア:それは許可しましょう。
オークショニア:それでは入札希望が決定したならば、シンボルを横へとスライドさせてください!
オークショニア:おお、お決まりのようですね!
オークショニア:それではカウントを行います、ゼロでオープンを!
オークショニア:3
オークショニア:2
オークショニア:1
オークショニア:ゼロ!
system:[ 夏祭らむね ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ 畔戸笑理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ 錺 十也 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 河路 緑郎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
オークショニア:おお、なかなかバラけましたね!
ナキ:「ナキは何にしようかな~~」
ナキ:1d6 (1D6) > 6
ナキ:「6.スーパーチャンネルジャック!これで決まりィ!」
"クテン":「今回は割といいモン揃ってんなァ」
"クテン":1d6 (1D6) > 5
"クテン":「5.レンタル傭兵だな。仕事しくじりたかねェし、戦力拡充だ」
オークション:今回お見えのお客様はこれで全員!
オークション:次回、また新たな顔ぶれが姿をみせるかもしれません
オークション:それではここらでCMを
リチャード青羽:「どうモ、レンタル傭兵……リチャード青羽デス……」
リチャード青羽:「これは、聞くも涙、語るも涙……ハランバンジョウリチャード物語……」
リチャード青羽:「ワタシ、こう見えて『データ忍法』の使い手をやっておりましてね、フフフ」
リチャード青羽:「幸運にも忍び込めた、ドリームランド竜骨島、ああカジノ!なんたる甘美な響きカ……」
リチャード青羽:「ミナサマ、カードには必勝法がある……それをご存知ですカ」
リチャード青羽:「そう、データ忍法の使い手であるワタシはまさにここでは神、いわゆるゴッド!!」
リチャード青羽:「カード・カウントにて破竹の勢いで勝ち進むワタシ……」
リチャード青羽:「誤算がひとつあったとしたら……それは」
リチャード青羽:「なんと、カード・カウントはイカサマ……だったのデス!!がびーーん!!」
リチャード青羽:「こうして御用となったワタシ、借金を返すべく、日夜奮闘しているというわけでス」
"ホテルマン":「キリキリ働くことだね」
リチャード青羽:「うう、イッショウケンメイ働きマス……」
"ホテルマン":「でもおれきみ好きだよ、面白くて」
リチャード青羽:「以上、コマーシャルでしタ……」
オークショニア:それではみなさま、またサイクル2終了後にお会いいたしましょう!
───────
GM:希族街の特権階級が住まう山岳地帯。
GM:いっとう高い、お山のお城。磨羯一家頭領が千十嵐リンネのねぐら。
GM:くらやみのなかで、彼女は囁く。
千十嵐リンネ:「ふぅん、"そんなこと"になってるのか」
千十嵐リンネ:「しっかし、貴様もよく調べ上げたもんだ、鼻だけは良い野良犬だな」
千十嵐リンネ:「そんな調子で、しまいには嫌われてしまうぞ、なぁ"クテン"よ」
"クテン":「はァ」気のない返事。
千十嵐リンネ:「理解ができない、という顔だな」
千十嵐リンネ:「そうとも、お前は外から来たからな、ここで生まれた人間ではない」
"クテン":"お山"の雰囲気には慣れない。目の前の"スタァ"の威光にも。
千十嵐リンネ:「しかし同じ外から来た者同士だというに、あちらはここの流儀を理解し、今しがた貴様が報告したような……貴様の目には暴挙としか映らぬことを成し遂げたというわけだ」
"クテン":「まァ、それは……そうですね」
千十嵐リンネ:「貴様が我の眷属となるのを拒んでいるうちは、ここの住人を真に理解できるとは思えんなぁ、どうだ?試しになってみるか?」
"クテン":「だからお断りしますって言ってンじゃないですか」
"クテン":「俺には分からねェ。リンネ様の眷属に自分からなろうってヤツにしろ、……」
"クテン":「……"アイツ"のやったことにしろ」
千十嵐リンネ:「それじゃあ、意味がない」
千十嵐リンネ:「そう思っているのだろう」
千十嵐リンネ:「この千十嵐リンネの眷属になる、ということは」
千十嵐リンネ:「千十嵐リンネになる、そういうことだからな」
千十嵐リンネ:「"クテン"、貴様は"自分自身"に拘りたい、それを手放したくはない」
千十嵐リンネ:「そう思っているのだろうが、そこに"外"と"ここ"との認識の違いがある」
千十嵐リンネ:「眷属になった貴様が成す偉業はこの千十嵐リンネによってもたらされるものだが」
千十嵐リンネ:「その結果は"クテン"、貴様自身の魂へと刻まれる」
千十嵐リンネ:「貴様は貴様でい続けられる、姿、かたち、記憶、ありかた」
千十嵐リンネ:「それがどのように変わっても、取り替えられようとも」
千十嵐リンネ:「貴様は貴様だ」
"クテン":「つッてもですよ──」
"クテン":「たとえソイツがソイツだったとして」
"クテン":「見た目も記憶も変わっちまってたら、誰も分かんねェでしょう」
千十嵐リンネ:「いいのだ、それで」
千十嵐リンネ:「分かるか、わからぬかなどとは、些細なことだ」
千十嵐リンネ:「すべては、個々人の価値の中核、魂に何を刻むかだ」
千十嵐リンネ:「全てが交換可能である異街だからこそ、ここの住人はそれをわかっている」
"クテン":「魂ねェ……」
千十嵐リンネ:「貴様の目には、先程報告してきたアレが全く意味のない行為にしか見えないのだろう」
千十嵐リンネ:「だが、あるのだ」
千十嵐リンネ:「それを理解する時がきっと来る、あるいは……そう遠くないうちに」
千十嵐リンネ:「他ならぬあいつらがそれを見せてくれるやもしれんぞ」
"クテン":「怖ェこと言わないでくださいよ」
"クテン":「……しかし、魂かァ」顰めた眉間を揉み、少し思案する。
"クテン":「……魂に、刻まれる……ねェ」
"クテン":「……俺はこう……斜歯なのもあって、割と即物主義っつーか」
"クテン":「あんまその辺の話には詳しかァないんですが」
"クテン":「見た目はともかく、記憶」
"クテン":「周りの連中どころか、ソイツ自身さえ覚えてないことでも」
"クテン":「……あり得るんですか。『魂に刻まれる』ってなことが」
千十嵐リンネ:「その身を以て、教えてやれるぞ」
千十嵐リンネ:その目が細く、口は釣り上がり。
"クテン":「だァから、嫌だっつってんでしょうが!」
千十嵐リンネ:「ならば、その答えはこの千十嵐リンネ以外からご享受願うことだな」
千十嵐リンネ:「見届けるがよかろう、行く先を」
千十嵐リンネ:「そうして、全てが終わった時何を思い、何を得たのか」
千十嵐リンネ:「話してみるが良い。貴様が異街に何を売り渡し、異街から何を得たのかを」
千十嵐リンネ:「すべては交換されていくのだよ、否応なしにな」
"クテン":「……ちッ」
"クテン":「……俺は──」
"クテン":渋面を浮かべ、白い髪を乱雑に掻く。
"クテン":「クソ、見透かされてるみてェでムカつくが」
"クテン":「……考えますよ。そんときが来るまで」
千十嵐リンネ:「クハ、貴様らは本当に……けなげでかわいいな」
千十嵐リンネ:「悩み、謳歌するが良い、そのちっぽけな人生を」
千十嵐リンネ:「この千十嵐リンネがそのすべて、丸ごと救ってやるまでな」
───────
サイクル2 畔戸
GM:それではこれよりはサイクル2。
GM:風雲告げる第一走者は平和の使者、PC3!
GM:位置にお付き!
畔戸笑理:シュタッ
GM:シーン表、登場希望PC、シーン内容
GM:よろしくお願いいたします。
畔戸笑理:はい。シーン表は異街で
畔戸笑理:登場希望PCはらむねちゃん。感情を結びにいくつもりです。
夏祭らむね:出るぜっ!
GM:おっけー、ではではシーン表を振ってください。
畔戸笑理:2d6 (2D6) > 6[2,4] > 6
GM:6.希族街を訪れる。忍務か、あるいはどこかの希族の正式な招待を受けてだろうか?
GM:追加効果のないおんなじのが出た場合、GM強権により一度だけ振りなおしを認めます。
GM:このまま行きますか?
畔戸笑理:ううーん 振り直してみます
GM:どうぞー
畔戸笑理:2d6 (2D6) > 7[3,4] > 7
GM:7.野良試合を挑まれる、腕の見せ所だ!あなたは「簡易戦闘」を行う。
GM:お、出た。
畔戸笑理:WTF
GM:バケビ2こと鬼断チで導入されたやつを行ってもらいます。
GM:負けるとダメージですが、勝つと今回は賞金が出ます。
畔戸笑理:おお
GM:具体的には落札達成値の上昇補正。
GM:場所は……ひとつ前に出た希族街にしましょうか。
GM:希望があればそこでも良いですが。
畔戸笑理:ストリートファイトと言えば中華街背景
畔戸笑理:希族街で問題ありません
GM:ではやっていきましょう。
───────
GM:ごみごみとした怪しい活気に満ちた、街の喧騒。
GM:ここは希族街、城下地区。
GM:飲茶の出店、そのベンチで人を待っていた畔戸笑理は想定外の事態に巻き込まれていた、今まさに!
草原コヨリ:「おうおうおう、姉チャン、ちょっとツラ貸せやぁ~~」
畔戸笑理:「えっ、えっ、何ですか」
畔戸笑理:「らむねちゃんと一緒にいた子……?」
草原コヨリ:「ヒュー、近くで見るとやっぱマブいぜ~~、この後時間ある??」
畔戸笑理:「いや、待ち合わせをしてるので……」
畔戸笑理:「何……?」
草原コヨリ:「そんなこと言わずにさぁ~~いやー、ウチも先立つものが必要でねー」
草原コヨリ:「登録してみたんよ、エージェント」
草原コヨリ:「身体も動かさないとなまっちまうんだもんでねー☆」
畔戸笑理:「はぁ」
草原コヨリ:「顔見知りで優しそうな先輩エージェントに、ちょっくら胸を貸してもらおっかな―って」
草原コヨリ:「ここのレベルってのを、肌で覚えておきたいしぃ」
畔戸笑理:「も、もしかして」
畔戸笑理:「喧嘩を挑まれている……?」
草原コヨリ:「お手合わせお手合わせ!」
草原コヨリ:手を合わせて拝み始める。
草原コヨリ:「ま、ポイントも貰えるなら貰っちゃおっかなーって思ってるけど☆」
野次馬:「お、なんだなんだ、バトルか?」
畔戸笑理:「……」げんなりとして見返す。
野次馬:「アイツ誰だ?」
野次馬:「新人だよ、今チェックしてみたけど最下位になってる」
野次馬:「笑理サンなら楽勝だよな~~」
GM:ざわざわとギャラリーが集まってくる。
GM:逃げられそうなタイミングを……逸した!
畔戸笑理:異街のエージェントにとっては付き物ではある。売られた喧嘩に敗れたり、逃げたりすれば、危険はますます鼻を利かせて集ってくる。
畔戸笑理:とは言え、勝っていてもそれはそれで、こういうことが時折あるのだけれど……。
畔戸笑理:「……はあ」
畔戸笑理:「分かりました。お受けします」
草原コヨリ:「ウホホ、やる気なった?」
畔戸笑理:肩を落としつつ立ち上がる。
草原コヨリ:「やったー!!ありがとーー!大好きーー!!」
草原コヨリ:ピョンピョンと跳ね回る。
草原コヨリ:「よおし、よおし、カッコいいとこ見せちゃおっかなー」
畔戸笑理:「私は少し嫌いになりましたよ。もう」
草原コヨリ:「がびーーーーん!!」
草原コヨリ:「勝って……俺のこと、忘れられないようにしてやるよ(イケボ)」
GM:それでは簡易戦闘です。
GM:まずは分野と指定特技を決定します。
GM:1d6 (1D6) > 2
GM:体術の
GM:2d6 (2D6) > 4[1,3] > 4
GM:手練で判定を行ってもらいます。
畔戸笑理:手裏剣術では
GM:手裏剣術だ!!
GM:失礼、よく数え方間違えるんですよね……
畔戸笑理:ヘヘッ ありがたくも丁度持っているところ
GM:失敗すると、射撃点1のダメージを受けてもらいます。
畔戸笑理:なるほど
GM:また、"高プロット宣言"を行うことで、失敗時のダメージに+1のリスクを負い、達成地に+2の修正をかけることが可能です。
畔戸笑理:ほう
GM:それでは、高プロット宣言の有無を申告したのち、判定を行ってください。
畔戸笑理:高プロット宣言、します!
GM:了解、では判定をどうぞ!
畔戸笑理:達成値+2の上で手裏剣術。
畔戸笑理:2D6+2>=5 (判定:手裏剣術) (2D6+2>=5) > 4[1,3]+2 > 6 > 成功
畔戸笑理:高プロット is GOD
GM:成功!しといてよかったプロット宣言!
GM:ではあなたは無事コヨリを撃退しました。
GM:報奨として【賞金】を差し上げます。プライズではなく忍具扱いとし、消費することでオークションの落札判定に+1の修正値を加えることが可能です。
GM:どっかにメモしておいてね。
畔戸笑理:やったあ はーい
GM:ではシーンに戻ります。
草原コヨリ:「よぉし、いくぞぉ」
草原コヨリ:「ふふふ、そのイタヅラなボディーをめちゃめちゃにしてやるわー!」
草原コヨリ:コヨリは跳躍!
草原コヨリ:カウンターに積んであった鉄皿をわしりとつかみ、それを次々と投擲してくる。
草原コヨリ:「ソイヤッ、チョイヤッ、YHEEEEE-----------!!」
畔戸笑理:「くっ、都合よく武器になりそうなオブジェクトを……!」
草原コヨリ:電柱を駆け上り、物干し竿を足蹴に、屋根に壁に階段に。
畔戸笑理:ベンチを蹴り上げて立たせ、その陰に隠れて盾とする。
草原コヨリ:縦横無尽に飛び回る、まるで獣のようだ!
草原コヨリ:「ウッヒョ、オオオオ血がたぎるゥ~~~↑↑↑」
草原コヨリ:「どしたどしたー隠れてるだけぢゃあ勝てないぞぉーーー!!」
草原コヨリ:ガゴン、と衝撃とともに近くの石材が砕け散る。
草原コヨリ:ぐわんぐわんと回る中華鍋。
野次馬:「おいおい、あの新人ただもんじゃねーぞ」
野次馬:「こいつはわからんくなってきたな……」
野次馬:「俺はあのおっぱいの新人に賭けるぜ!!」
畔戸笑理:「……!」転がってきた中華鍋を咄嗟に掴む。引っ込めた腕のすぐそばを鉄皿が掠める。
畔戸笑理:ベンチの陰から飛び出す。襲い来る投擲に身を晒すが如き姿勢。
野次馬:「お、エリさんがいったぞ!」
草原コヨリ:「来なッ!!!」
草原コヨリ:鉄箸を引っ掴み、それを構える。
畔戸笑理:「は、ぁっ!」
畔戸笑理:鍋を投げつける。その中には大小の砂利が詰められている。
畔戸笑理:その鍋底へ。
畔戸笑理:後から投擲したクナイが螺旋の回転を描きつつ激突。砂利に散弾じみた軌道を与えて飛び出させ、草原コヨリにぶちまける!
草原コヨリ:「うおーーーー!!!」
草原コヨリ:襲い来る砂利を必死に箸でキャッチしていく。
野次馬:「す、すげぇ……」
野次馬:「でもあんなに早く動けるなら普通に避けたほうがいいのでは」
草原コヨリ:「あ、そっか、ヤッベ」
畔戸笑理:その時には既に、眼前。
畔戸笑理:「隙有り」
草原コヨリ:「あ、タ、タンマ!」
畔戸笑理:小さく跳びながらの後ろ回し蹴り。打撃ではない。膝の裏で挟むようにして少女の首を正面から捕らえ──
畔戸笑理:「ダメです」
畔戸笑理:勢いそのままに、背中から石畳へ叩き付ける。
草原コヨリ:「ふぎゃんッ!!!」
野良レフェリー:「勝負ありッ!!!!!」
野良レフェリー:「勝者!畔戸笑理ィィ!!!」
野良レフェリー:笑理の手を掴み、高々と掲げる。
畔戸笑理:「えっ。だ、誰?」
野次馬:「ヒューーー!さすがエリさんだぜぇ~~~!!」
野次馬:「結婚してくれーーーー!!」
畔戸笑理:「あの……いや……」
畔戸笑理:「見世物では…………」
畔戸笑理:顔を赤くしてされるがままになっている。
GM:おひねりが投げ込まれる、せっかくだ、貰っておこう。
草原コヨリ:「きゅ~~~~」
GM:遅れて、待ち合わせの場所にたどり着いた夏祭らむね。
GM:あなたの目に飛び込んできたのは人々に神輿のように担ぎ上げられた畔戸笑理と、地面で伸びる草原コヨリの姿であった。
夏祭らむね:「ごめんね~!電車が混んじゃって……」
夏祭らむね:「……って、どゆこと????」
───────
GM:ところ変わって、ちいさな飲茶店。
草原コヨリ:『ちくしょー!おぼえてろよー!』
草原コヨリ:闖入者は嬉しそうな捨て台詞とともに去っていた。
GM:あなたたちは野次馬からなんとか逃れ、ここへと駆け込んだ。
夏祭らむね:「楽しそうなことしててずーるーいー!!もっとはやくくればよかった~」
夏祭らむね:そう言いながらパピオカ(パリピ用タピオカ)をすすっている。
畔戸笑理:「お友達に乱暴してすみません……」恐縮している。
畔戸笑理:「いや正当防衛ですけど……」
夏祭らむね:「コヨリも楽しそうだったしいいとおもう!」
夏祭らむね:「スポーツ感覚!」
畔戸笑理:(スポーツ感覚で人を襲わないでほしい)
畔戸笑理:抗議の言葉を飲み込み、ジャスミン茶を啜る。
畔戸笑理:「……しかし、らむねさんは」
夏祭らむね:「人いっぱいだったね~」と言いながら、愚か者饅(外の世界で言うパンダを模した肉まん)を食べながら聞いている。
畔戸笑理:「お友達が多くいらっしゃいますよね」
畔戸笑理:「……この島へは外から? 元からお住まいでしたか?」
夏祭らむね:「一度会ったら友達で毎日会ったらアナと雪のきょうだいだからね!」
夏祭らむね:「この島で生まれ、この島で死んでゆくのだ……」
畔戸笑理:「アナト……?」首を傾げる。外の映像作品には詳しくない。
畔戸笑理:「でも、そうですか。元々異街に」
畔戸笑理:「……てっきり、最近外から来られたものかと思っていました。らむねさんは、その」
畔戸笑理:「華があるので」
畔戸笑理:言葉を選んだ。
夏祭らむね:「ほよ~~~?」
夏祭らむね:「異街にもお花屋さんあるよ!」
GM:実際、夏祭らむねは目立つ。
畔戸笑理:「そう……ですね。よく行きます」曖昧に微笑む。
GM:色もそうだし、その挙動、雰囲気そのものがひと目を引くが……、
畔戸笑理:「綺麗なものはよく目立ちます。どうして今まで気付かなかったんだろうと思うくらいに」
GM:異街の人々の間で彼女の知名度は皆無に等しい。それは単に活動を開始したのがここ最近のことであるのが原因であるだろうが。
夏祭らむね:「綺麗だって~!やったのね~~!」
夏祭らむね:「らむね綺麗なビー玉集めるの好き!」
畔戸笑理:思わず、柔らかい素の笑いが零れる。
畔戸笑理:「お饅頭、美味しいですか?」
畔戸笑理:「他にも何か頼みたければ、どうぞ。お会計は私が持ちますから」
夏祭らむね:「えーっ!!いいの!?やった~!」
夏祭らむね:「笑理も愚か者饅食べていいからね!」
夏祭らむね:「味が愚かでおいしい!」
店主:「愚か者饅、愚者餅、忌々焼き、剥の隙、なんでもあるよ」
畔戸笑理:(何をもってなんでもと……?)
夏祭らむね:「剥の隙好き~~!追剝にあった者が油断した追剝を今わの際に攻撃した際に飛び散ったとされるカスタードクリームがおいしいのね~!」
畔戸笑理:「逸話が物騒」
畔戸笑理:「……こほん。あの、それで、今日お呼びしたのはですね」
畔戸笑理:他者に気取られない声量に抑えて。「私のお友達のことで、相談をさせていただきたいんです」
夏祭らむね:「ほおほお!!!!」同じく声量を落とし、ウィスパーボイスで勢い良く頷く。
畔戸笑理:「ええと……。もう、ご存知ですよね。“ショベル・マン”の件」
畔戸笑理:「そこにナキさんが絡んでいることも」
夏祭らむね:「んむ」愚者餅(外の世界で言うピエロを模した餅)をむにーんと伸ばしながら、真剣な顔で頷く。
夏祭らむね:「ショベってめちゃくちゃヤバくて、ヤバくて、すごいヤバいらしいから、ナキが心配なのね」
畔戸笑理:「そう……です。ショベル・マン自身の危険さもですが」
畔戸笑理:「その危険さによって、異街の王たちに狙われてもいる。実際、錺さんは指令を受けてショベル・マンを追っている」
畔戸笑理:「まだ分からないことだらけですが、きっとこのままだと遠からず、私たちの関係は崩れてしまう」
畔戸笑理:「だから……あなたにお願いしたい」
夏祭らむね:「んむ?」餅をもちもち噛んで飲み込みながら首を傾ける。
畔戸笑理:「あなたが活動する中で得た、“ショベル・マン”や、ナキさん、クテンさん、錺さんの情報を教えてもらえませんか」
畔戸笑理:「引き換えに私も、あなたの役に立つ情報が手に入ったらお渡しします」
畔戸笑理:「その他にも、相互に助力したい。……つまり、共闘のお誘いです」
夏祭らむね:「ふ~~~ん?」
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:「嘘臭いですか」
夏祭らむね:「たしかにらむねは天才忍者だからね!さまざまなじょーほーを日々ダウンロードしているのね~」
夏祭らむね:「笑理は本当にらむねの役に立つ情報をゲットできるかにゃ~~」
夏祭らむね:「嘘臭いっていうか~、口ではどうとでも言えるって~いうか~~~」
畔戸笑理:「なるほど」
畔戸笑理:「実際のところ、私は自分から情報を手に入れるのは苦手です。でも」
畔戸笑理:「あなたの天才的な情報収集能力」
畔戸笑理:「その負担を和らげてあげることはできる」
夏祭らむね:「ほほ~?」興味深そうに見つめている。
畔戸笑理:「そちらにその気があれば、ですが」
畔戸笑理:らむねの皿の上の饅頭を取り、ひとくち齧る。
畔戸笑理:咀嚼しながら手の上で弄び、歯型のついた断面と、中身の餡を見せるようにして。
畔戸笑理:「……私は」
畔戸笑理:「人付き合いは苦手だし、嫌いです」
畔戸笑理:饅頭に視線を落としながら言う。
畔戸笑理:「あの三人と付き合っているのも」
畔戸笑理:「出会ったのは偶然で……その後たまたま、四勢力が揃っていると分かったから」
畔戸笑理:「一緒にいれば、情報が早く掴めて、そのぶん自分の安全を確保できると思ったからです」
夏祭らむね:齧られた"愚か者"の断面と、そこから覗く餡を眺めながら耳を傾ける。
畔戸笑理:「貴重な場ですもの。それを失うのは避けたい。避けたいし」
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:残りの饅頭を飲み込む。
畔戸笑理:「……どうですか?」
夏祭らむね:「笑理は人付き合いが嫌いなんだね」
夏祭らむね:「らむねは全人類が嫌い!」
夏祭らむね:「だから全部、どっちになったっていいけど」
夏祭らむね:「笑理の力になれるんだったら、なれるといいなあ寄りに思うよ」
畔戸笑理:「……」さすがに驚いた顔をする。
畔戸笑理:「……いいんですか? 私も人類ですが」
夏祭らむね:「だからまあ、何をしてくれるのかによるってことね~」
夏祭らむね:「がんばれ♡がんばれ♡って耳元で囁いてくれるのかな~?」
畔戸笑理:「ふむ……」
畔戸笑理:じ、と少女の緑の瞳を見つめて。
畔戸笑理:「……知ったら、引き返せなくなるかもしれませんけれど」
畔戸笑理:「大丈夫?」
夏祭らむね:「そう言われたら気になっちゃうでしょ!」
夏祭らむね:「らむねの知らないこと、おしえて」
畔戸笑理:「いい度胸です」
畔戸笑理:そっと手を伸ばし、白髪の頭を撫でる。
畔戸笑理:というところで感情判定をしたいです!
GM:了解です、指定特技は
畔戸笑理:九ノ一の術で。
GM:だよなぁ!!振り給え!!!
畔戸笑理:2D6>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
GM:成功です、感情表をどうぞ
夏祭らむね:ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
畔戸笑理:ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
GM:なかよしか
夏祭らむね:こちらはマイナスの劣等感をとったところでいっこうにかまわないのだがねぇ!
夏祭らむね:ああ~、闇神楽で受けた傷が痛むな~~
畔戸笑理:憧憬で。あけすけな在り方に憧れる感じの……
畔戸笑理:おやおや
畔戸笑理:プラスで取ってほしいし……今持ってるナキちゃんとクテンくんの情報も欲しいな~
GM:こいつ……
畔戸笑理:そしたら兵糧丸あげるし……
夏祭らむね:ええっ本当!じゃあプラスでとっちゃう!
夏祭らむね:憧憬で!
畔戸笑理:ありがと~♡
畔戸笑理:では【薬師閨】します。
GM:笑理ッ!するんだな!!今ここで!!
GM:どうぞ……
夏祭らむね:おやおや……感情修正は……必要かな?
畔戸笑理:不要よ……
畔戸笑理:奥義『無明無香無欠傀儡』。
畔戸笑理:薬師閨の判定に成功します。
GM:成功です。
GM:性交でもあります。
畔戸笑理:ハハハ
夏祭らむね:なるほどね。
畔戸笑理:じゃあ愛の結晶の兵糧丸をあげるので
畔戸笑理:ナキちゃんとクテンくんの情報を貰えるかい
夏祭らむね:いいよ!
畔戸笑理:嬉しい~♡
夏祭らむね:というわけでナキちゃんとクテンくんの秘密を笑理ちゃんにお渡しするのね!
GM:了解しました。感情共有はPC1かな
畔戸笑理:そうですね
時雨:わーい
夏祭らむね:アナと雪のきょうだいだからね
畔戸笑理:受け取りました。【沈黙】も使いません
GM:というわけでお渡ししました。
時雨:そうだ、沈黙される可能性あったんだ……確認しました!
GM:それではシーンに戻りましょう。
GM:もう……あたしは……任せる!
GM:長くなりすぎないようにしろよ!!
───────
畔戸笑理:カーテンの隙間から射す薄明かりが、くしゃくしゃのシーツと、横たわる二つの肢体を照らし出す。
畔戸笑理:「……よく頑張りました」
畔戸笑理:くす、と笑って、傍らの少女の髪を混ぜるように撫でる。
夏祭らむね:ぼんやりと蕩けた目で、荒い呼吸を整えながら、隣の女性をただ見つめ撫でられている。
畔戸笑理:黒衣を脱ぎ去った女の身は、薄暗い部屋の中にあって月のように白く。
夏祭らむね:上下する薄い胸と小柄な体躯からは子供に見えるかもしれないが、もう子供ではないのだと、その熱を帯びた目が語っている。
畔戸笑理:なだらかな稜線を持つ体に浮いた珠の汗は、それ自体が霊薬となって、夏祭らむねを夢見心地に誘っていた。
畔戸笑理:「……約束通りです。でも」
畔戸笑理:自由な方の手で、今しがた“合成”した真っ白な丸薬を、射し込む明かりに透かして見せて。
畔戸笑理:「……どう? やめておけばよかった、と思いますか?」
夏祭らむね:(こういうのは、好きな……)
夏祭らむね:(好き、な……)
夏祭らむね:思考はまとまらない。ただ、夢のように心地が良く、幸せであるということしか分からない。
夏祭らむね:薄く痣の残る身体は熱を帯び、右脚の武骨な機械だけが冷たく横たわっていた。
夏祭らむね:「笑理は……」
夏祭らむね:「らむねの、こと」
夏祭らむね:「――ううん」
夏祭らむね:「やめておけばよかったなんて、思わないよ……」
畔戸笑理:「嬉しい」
畔戸笑理:口づけを落とす。熟した果実のように色づいた頬へと。
夏祭らむね:彼女の唇が触れただけで、身体はそれを至上の悦びとして受け入れ、微かに震える。
畔戸笑理:脱ぎ散らかされたままの彼女の服の上に丸薬を置く。
夏祭らむね:「すっごく、気持ちがいい」
夏祭らむね:「こんなに気持ちがいいことがあるなんて、しらなかった」
畔戸笑理:「……駄目よ」
畔戸笑理:「そんな可愛いことを言われたら、燃えてきてしまいます」
夏祭らむね:「……そうだったら、嬉しい」
畔戸笑理:そう口にする傍から、手が薄い胸へと伸びる。
夏祭らむね:「笑理がらむねのことみてくれて、嬉しいよ」
夏祭らむね:「ん……っ」
畔戸笑理:発達のきざしを見せ始めたばかりの麓を、指でなぞるみたいに撫で回しながら。
畔戸笑理:「……守りたい、です」
畔戸笑理:「あなたも。私の暮らしも」
畔戸笑理:「…………皆も」
畔戸笑理:彼女から伝わった情報は、衝撃的だったと言っていい。
畔戸笑理:どうするか。真実への怖れと、対処への惑いが。
畔戸笑理:かすかに、指先の震えとなって、少女へと伝わる。
夏祭らむね:「笑理、は……、優しい、ね……っ」
夏祭らむね:治まりかけた呼吸が乱れ始めるのを感じながら、熱い吐息を吐く。
夏祭らむね:「怖いのに頑張ってて、えらいね……」
夏祭らむね:「らむねは……そんな笑理の、力になれたら」
夏祭らむね:「嬉しいと、思うよ……」
畔戸笑理:「……あなたは?」
畔戸笑理:「怖いものは、ないの」
畔戸笑理:「……私を助けていて、本当にいいの?」
夏祭らむね:「らむねは……」
夏祭らむね:「『なかったこと』に、されたくない」
夏祭らむね:「されるのが、こわい。だから」
夏祭らむね:「笑理の力になれるのは、いいこと……」
畔戸笑理:「……そう」
畔戸笑理:「ありがとう。それと」
畔戸笑理:小さな体を引き寄せ、抱きしめる。
畔戸笑理:「頑張ろうね」
夏祭らむね:「うん……」
夏祭らむね:抱きしめられ、胸の高鳴りと、どこか安らぎを覚えながら。
夏祭らむね:無垢な子供のように、微笑んだ。
───────
GM:ハァハァ、これにて、これにてシーンを終了します。
サイクル2 夏祭
GM:そしてシーンがはじまります。
GM:続いてはPC5、おいでませ!
夏祭らむね:ウオオオオーーーッ!!
GM:いつものお得なサービス三点セットを
GM:高らかに謳い上げてください。
夏祭らむね:シーンは異街!登場希望PCは全員!登場希望NPCはナキちゃんとクテンくん!やることは情報判定だぜ!
GM:全員だ
GM:ではシーン表をどうぞ
夏祭らむね:2d6 (2D6) > 5[1,4] > 5
GM:5.狂楽区を訪れる。ここは娯楽には事欠かない、さあ何をしようか。
GM:既出ですが振り直しますか?
夏祭らむね:ん~みんなでお話するのにスラムとか出ても困るので
夏祭らむね:このままでぃ!
GM:らじゃー
GM:どういう経緯で集まってるのかしら
夏祭らむね:逆月亭が狂楽区とのことなので
夏祭らむね:いつもどおりみんなつどってうだうだ~てしてるかんじかな!
夏祭らむね:逆月亭で!
GM:了解!
───────
GM:「青の逆月亭」、どこにでもある異街の住民、エージェントのたまり場、そのひとつ。
GM:人が集うかどうかは運による、ここ最近は珍しくも忙しい日が続いていたが。
GM:果たして今日は……
ナキ:「なんか最近ひと多くない?」
ナキ:「暇なの皆」
ナキ:テーブルに突っ伏して、足を揺らす。
"クテン":「暇ってほどでもねェが」
"クテン":「なんかイマイチな……小銭稼ぎするノリでもねェってか」
ナキ:「ふーん」
ナキ:「オラマスター!酒が切れたぞ酒が~~~!」
逆月亭の店主:「何なんだよお前は……取りに来いよ」
"クテン":「ホントならオークション用の軍資金稼ぎするつもりだったんだけどよ」
"クテン":「レンタルしようとした傭兵が……な? ホラ」
ナキ:「ホラじゃわかんねーよ、そんなに自分のこと把握してほしかったら付き合いたての彼女みたいに細かくメッセージ送って来いよ」
錺 十也:二人の横、白黒のジャージ姿で、ぼんやりと通信端末をいじっている。
錺 十也:なんとなく、ナキとは顔を合わせづらいが。
畔戸笑理:会話を聞きながらグラスを傾けている。
畔戸笑理:浮かべる表情は苦笑。しかし気のせいで済みそうなほど若干ながら、顔色が悪い。
"クテン":「この場合自分のことっつゥかアイツのことだろ、あの変態のよ」
"クテン":「入札ンときの紹介文によると、アレでも実力は悪くねェらしいんだがなァ」
ナキ:「へぇー、何買うの」
ナキ:「どれどれ」取り出した端末を覗き込み。
ナキ:「ぶっは、珍人(笑)」
"クテン":「クッソ、言い返せねェ……!」
畔戸笑理:「データ忍法とやらでしたか」
畔戸笑理:「好奇心はありますが……お金を出してまで手を借りたいかと言うと……」
畔戸笑理:「格好も変だし……」
錺 十也:「俺万が一こいつとかち合うことになったらやだなあ……」覗き込む。
錺 十也:「格好が変だし……」
ナキ:「まあ変な格好なのはここいっぱいいるし……」
ナキ:自分を棚にあげたような態度で。
錺 十也:ちらりとナキの方を見て、何も言わないでおく。
畔戸笑理:「そ、そうですけど」
畔戸笑理:「その。露出具合と言うか……」
時雨:「しかし格好は変ですが、あのホテルマンの出品のようですから」
錺 十也:「おわっ」
錺 十也:「びっくりした、いきなり来るよな。時雨さん」
時雨:「カジノなどではああいう格好のコンパニオンもいるのでは──、こんにちは」微笑む。
"クテン":「サマがバレてカジノから逃げようとしたとき、詰めてた用心棒も数人倒したらしいっつゥ話だから、弱くはねェはずなんだよ」
錺 十也:「いやまあ、確かに面白いしって気に入りそうではあるけど……」
ナキ:「へぇ~~、やるもんだねぇ、変態っぽいけど」
"クテン":「オウ。……今回は見覚えのある格好だな」時雨へ目をやって
時雨:「私の格好はいつも普通ですよ」
錺 十也:「普通ってなんだろね」
"クテン":「格好は普通かも知れねェが、中身が変わってんだろ中身が」
夏祭らむね:「あ……、いっぱいいるね」
夏祭らむね:入店したらむねは、普段の装飾のたくさん多い煌びやか姿とは違い、制服にパーカーといった服装。
夏祭らむね:心持ち青い顔色で近寄ってくる。
錺 十也:「ん。どしたん。こっちは普通だな」らむねちゃんに。
畔戸笑理:「こんにちは……らむねちゃん?」
夏祭らむね:「う、………ん。らむねだよ」笑理さんを見て一瞬ビクっとする。
"クテン":「オウ……お? なんかいつもと違うな」
錺 十也:「普通なのが普通じゃない」
ナキ:「……」
ナキ:「え、あれ、そうなの??」
ナキ:「知らん人が急に話しかけてきたのかと思った!?」
ナキ:「え、なに、どうしたの」
ナキ:「調子悪いん??」
錺 十也:「…………」
時雨:「む、初めて見る格好ですね。今日はそういう催しでも?」
夏祭らむね:「服くらい……変えるでしょ……」
錺 十也:「そりゃそうだ」
ナキ:「そりゃ、まあ……」
"クテン":「まァ服くらいは変えるだろけどよ」
"クテン":「なんか様子もおかしかねェか?」
畔戸笑理:(薬を切らしでもしたのかな……)自分が原因である可能性はまったく考えていない。
時雨:「それにしても、いつもの快活とした様子が無いように、伺えますね」
夏祭らむね:笑理さんを見て、クテンくんをみて、笑理さんをふたたび見て。
夏祭らむね:「ふ、普通でしょ……」
"クテン":「普通かどうかって言や、まァ普通だろうが……」
錺 十也:(…………んんん)
錺 十也:「とりあえず座れ。な」椅子を引いてやる。
錺 十也:エリさんから近くもなく、遠くもない辺りで。
夏祭らむね:「あ、ありがと……」錺くんのひいてくれた椅子に座る。
錺 十也:「そんでなんか腹に入れれば、少しはマシになるだろ」
錺 十也:さっきの視線は、多少見覚えがないこともない。勘が当たっていれば。
錺 十也:(当たってない方がいいな……)
ナキ:「(どゆこと、やっぱヤってんのあれ普段、そういう粉知ってる?専門家っしょ?)」コソコソと笑理に
畔戸笑理:「(え。ええっと)」ナキの耳打ちに少し怯みつつ。
畔戸笑理:「(そういうもの自体にはいくらか心当たりがあります)」
畔戸笑理:「(ただ、らむねちゃんの持ち物にあったかどうかは……一緒に泊まった時もそれらしいものは無かったんですが)」
ナキ:「(一緒に泊まった???)」
ナキ:「(お、お前まさか……子供に手を……)」
畔戸笑理:「(仕事上必要だったので……それが何か)」
ナキ:「(あ、言うな!ナキは何も聞いてない!何も!)」
畔戸笑理:「(ええっ)」
時雨:「体調は、問題ないんですよね。暖かい飲み物でも貰いましょう」
時雨:特に事情を鑑みる様子もなく店長に頼む。
錺 十也:(その方が、俺らの間にはトラブルはないってことになる)
錺 十也:(と、思うのは、薄情だろうか)
"クテン":「お、おォ、呑め呑め。何があったか知らねェが、呑んで忘れろ」
錺 十也:「おい、いきなり酒はよしとけって」
夏祭らむね:「忘れ…………」
夏祭らむね:「…………」
錺 十也:(なんかやってんなら、変な反応出るかもしれないだろ)クテンに小声で。
"クテン":(あ~)
"クテン":(まァ……そうか……?)
錺 十也:(あと未成年)
畔戸笑理:「あ、あの……らむねちゃん」
畔戸笑理:「本当に大丈夫……?」
"クテン":(そこはまァ……異街で気にするこってもねェだろ)
錺 十也:(俺は気にすんの)
畔戸笑理:ようやく自分が原因かもしれないと思い至る。
夏祭らむね:「だっ、だいじょう、ぶ」こくこく頷く。
夏祭らむね:「制服、でお酒、はまずいかもしれないから……」
夏祭らむね:「ココア……飲むね」
畔戸笑理:「そ、そう……良かった……」同じく青い顔でこくこくと頷いて。
錺 十也:「そうしとけー」
河路 緑郎:がたん、と。音を立てて扉が開く。
河路 緑郎:「はぁーっ……ったく、えらい目だ」
河路 緑郎:気だるそうに見回して、馴染みの集まった卓を見つける。
河路 緑郎:「おう、おつかれ。マスター、烏龍茶。ピッチャで」
河路 緑郎:近くの席へ腰掛ける。
"クテン":「お? オウ、お前か」
錺 十也:「あ」河路さんの姿を見て。
畔戸笑理:「……こ、こんにちは」ぎこちない仕草で頭を下げる。
時雨:「河路さん。お疲れ様です」
夏祭らむね:「ケロちゃん……こんにちは……」
ナキ:「オッサンだ、うーす」
ナキ:袖に隠れた手をふりふりと。
錺 十也:「あー……おつかれ」ナキの方は見ないようにして。
時雨:「浮かない顔の方が続けて来店されましたね」
錺 十也:「浮いた顔ってのもそうは来ねえよ、こんな店」
河路 緑郎:「おう、ほんとお疲れだよ。これだからガキは嫌いなんだ、マジで」
河路 緑郎:もう知られているだろうと、特に隠すこともなく。
河路 緑郎:ちらとえらく大人しい夏祭に目を向け、
河路 緑郎:「なんだお前、宗旨変えか?」
夏祭らむね:「服は……替えない方がおかしい」
夏祭らむね:「時雨はもっと変わる……」
河路 緑郎:「やかましくねえって話なんだがな」
河路 緑郎:「まあ好きにすりゃいいがね。お前が楽しいならよ」
河路 緑郎:言ってから、ナキに振り返る。
河路 緑郎:「おうこら、やってくれたな主演女優」
ナキ:「は?」
錺 十也:「だー……」やっぱりそっち行くか、という顔。
畔戸笑理:「……!」その横で、むしろ自分が雷に打たれたかのように硬直する。
河路 緑郎:特に怒っている様子はない。皮肉交じりの笑い
河路 緑郎:「こちとら画面映えするために色々位置取りとか気ぃつかってたんだぜ」
河路 緑郎:「メインがそっちなら先に言えってんだ、それ用の映りとかも考えたのによ」
ナキ:「いやいや、知らんし、何の話してんのか」
河路 緑郎:「……ああ?」
ナキ:「あーーー、もしかしてアレか」
ナキ:「知ってんの?アレ」
ナキ:「でもナキもオッサンが参加してたなんて今知ったが?」
夏祭らむね:「お互いに……ナイショで、監督が……撮ってるんだね」
時雨:「なるほど、ドキュメンタリィ。リアルを追求しているわけですね」
河路 緑郎:「ったく、そりゃ今まで売れねえわけだよ」
河路 緑郎:「サプライズだけでいいもんとれるかってんだ……」
"クテン":「ドキュメンタリ、ねェ……」
"クテン":目の前に集まった彼ら彼女らを見回し、小さく溜息をつく。
ナキ:「連中の作るものに興味なんてないからさー、資料もぜんぜん読んでないんだよね」
ナキ:「頼まれたことこなして、報酬受け取るだけ」
錺 十也:「……そこはさあ。俺も黙られてたんだよな、ナキに」
錺 十也:「別に怒っちゃいないけどさ」
ナキ:「エージェントとしてまっとーにお仕事やってるだけさ、オッサンに絡まれるいわれはこちとらないね」
河路 緑郎:「ふーん、あくまで仕事ってわけだ」
河路 緑郎:「心配すんな、別にお前に怒っちゃいねえよ。監督殿には一言かけろと文句ぐらいはあるがね」
河路 緑郎:「だがこっちもやられっぱなしってわけにゃいかねえからな、叩き返されても文句言うなよ?」
ナキ:「そりゃ何の文句もないけどさ」
ナキ:「叩き返すってオッサンが、ナキを?」
ナキ:「フッ」鼻で笑う。
河路 緑郎:「カハッ」
夏祭らむね:その様子を見ながらココアをちびちび飲んでいる。
ナキ:「あんだけ画面の向こうに無様晒してよく吠えますねぇ~~」
ナキ:「ま、てきとーにやろてきとーに」
河路 緑郎:「おう、適当にな……ああ、しかし」
河路 緑郎:「報酬受け取るだけ、ね」
河路 緑郎:「助演に移るなら移るで、ちょいとモチベってやつ上げたいんだけどよ」
ナキ:「そもそも、ほんとに助演なの?」
ナキ:「複数作ってるってことは?」
河路 緑郎:「例の黄色も今の監督から受け取ったわけ?」
ナキ:「は?」
錺 十也:「…………」
錺 十也:顔を上げる。
ナキ:「お前、何を知ってるわけ?」
ナキ:声が、冷える。
河路 緑郎:「知らねえから聞いてんだろ」
河路 緑郎:「別に、お前のそいつに興味があるわけじゃないが」
河路 緑郎:「渡してくれたやつに用があんだ」
"クテン":呆れたような、苦いような表情でそのやりとりを眺めている。
ナキ:「あんた、エージェントとしては新人みたいだからさあ」
ナキ:「教えてあげるよ、今」
ナキ:「他人には安易に踏み込んで良いとこと、そうじゃないとこがある」
ナキ:「それの見分けが付かないやつから死んでいく」
河路 緑郎:「ご忠告どうも」
河路 緑郎:「が、そいつは」
河路 緑郎:「まだ生きてるやつにすべき話だ」
ナキ:「もっとハッキリ言ってやろうか河路緑郎」
ナキ:「殺されたいのか?おまえ」
夏祭らむね:「ケロちゃんは生きてるでしょ」
夏祭らむね:「そんな怒ってんのも。騙されて死にそうだからじゃん」
河路 緑郎:「とっくに死んでるところを誰かに叩き起こされたんだよ、俺は」
河路 緑郎:「怒ってるといっていいかは知らんが」
河路 緑郎:「俺が用があるのは、そいつにだ」
河路 緑郎:左手でなにか、ちいさなものを弄ぶ。
河路 緑郎:青く光るコイン。
錺 十也:「…………あ?」
夏祭らむね:「……青い、コイン……」
錺 十也:「おっさん」
"クテン":「はァ~」深い溜息
錺 十也:「おっさん、その辺で」立ち上がる。
ナキ:「っち……」
ナキ:「何だそりゃ、勝手に共感してんのか?このナキに」
河路 緑郎:「手がかりがあるなら聞きてえってだけだ」
河路 緑郎:「俺には俺で野暮用があって、お前がそれを知ってるかもしれねえから聞いた」
河路 緑郎:「そんだけの話よ」
河路 緑郎:「……まあしかし」
河路 緑郎:「聞かれたくなかったなら、悪かったな」
河路 緑郎:「本当に何も知らないもんでね」
ナキ:「くだらないね」怒気の行き場を無くしたように、席へと戻る。
ナキ:「ひとつだけ、教えてやるよ」
ナキ:「コレは、あいつらとは関係ないよ」
ナキ:「ナキが自分の手で掴み取った、正当な報酬だ」そう言って、コインを弾く。
ナキ:鈍い黄のひかりが、照明に反射して――、
河路 緑郎:「それで十分だ。ありがとよ」
河路 緑郎:「別件とはっきりしただけで十分だ。他所を当たる」
錺 十也:一応、二人の間に立っている。
錺 十也:立ちながら、河路の手元を見つめている。
時雨:「買い物上手ですね。河路さん」
河路 緑郎:「セールには遅れたらしいがね」
夏祭らむね:「…………みんなそれぞれ、譲れないものがあるんだね」
夏祭らむね:「…………」
河路 緑郎:「……っつーわけだから、お前らも殺気立つなって」
錺 十也:「いや、その」
錺 十也:「それ」
錺 十也:青いコインを指差す。
錺 十也:「何。どこで買える。幾らだった」
河路 緑郎:少し驚いた様子で
河路 緑郎:「……随分と興味がおありのようで」
錺 十也:「わからんけど、俺が探してたやつかもしれない」
錺 十也:「……違うかもしれない」
河路 緑郎:「……なるほど」
河路 緑郎:「生憎だが俺も、ああそうですかと渡すわけにはいかんな」
河路 緑郎:「借り物なんだ、こいつは」
錺 十也:「借り物。持ち主がいるのか……」
河路 緑郎:「もとの持ち主を探してる。そういうことだ」
河路 緑郎:錺に頼んだ”探し人”。
河路 緑郎:「(どうやら思ったより近づいてた、か?)」
錺 十也:じっと、執着のある視線を送っている。
河路 緑郎:「確かに、ただごとじゃなさそうだな」
錺 十也:「わからん。俺個人のことだから。ああ、でも」頭をガリガリ掻く。
錺 十也:「……持ち主、俺だったらなあ……」
畔戸笑理:「……あの。ナキっ、さん」震える声を出し抜けに張り上げる。
畔戸笑理:弛緩しかけた空気をまた張り詰めさせるみたいに。
ナキ:「ん、なぁに?」先程の怒気はどこへやら、ケロリと応える。
畔戸笑理:対して、細い肩を震わせ、目も向けないまま。
畔戸笑理:「今……歳、お幾つでしたっけ」
ナキ:「んー、いくつだっけ」
ナキ:「ナキ色々覚えてないんだよね」
ナキ:「記憶とか、売っちゃったのもあるし」
ナキ:「でもエリィとおんなじくらいじゃない?」
畔戸笑理:「…………」
畔戸笑理:「知ってた、んですか」
畔戸笑理:「最初から」
ナキ:「ああ、そうか」
ナキ:声色が、変わる。
ナキ:「知っちゃったの?いつ?」
ナキ:「まあ、いいか」
ナキ:「いやその、知ったのは最近だよ」
ナキ:「こんなことになるだなんて、思ってもみなかった」
ナキ:コインを、クルクルと弄ぶ。
ナキ:「これがね、教えてくれたんだよね」
ナキ:「それがずっと、ずっと知りたくて、ナキはずっと頑張ってたわけよ」
ナキ:「だからごめんね、今後……」
ナキ:「"そういうこと"になると思うけど」
ナキ:「ナキの気持ちが変わることはないから」
畔戸笑理:「……家族」
畔戸笑理:「家族というのは、私以外にいるんですか」
夏祭らむね:「…………」
夏祭らむね:(……じゃあ、笑理は……ますます)顔をさらに蒼くしながらココアをすする。
ナキ:「聞いちゃうんだ、それ」
ナキ:ハハ、と笑う。
ナキ:「母親はね、死んでたよ」
ナキ:「ま、ああいう人だからね、そう長生きはしないんじゃなきかなって思ってたけどね」
ナキ:「父親はね、知らない。どうやら母親もどいつの種なんだかわかってなかったようだからね」
河路 緑郎:「………」
畔戸笑理:俯いたままで聞いている。
ナキ:「ちょっと探すのは難しすぎるね、こっちは諦めた」
ナキ:「だからね、あとは」
ナキ:「笑理だけだね」
ナキ:「ま、そいこと」
畔戸笑理:「それなら」
畔戸笑理:ゆっくりと顔を向ける。
畔戸笑理:未だ顔色は悪いが、喉の震えは多少収まった。
畔戸笑理:「いいですよ」
畔戸笑理:「殺しても」
ナキ:「んー、ここでそいこと言うのやめない?」
ナキ:「ここに外のルールは持ち込まない、ナキたちはそういう関係」
ナキ:「ね?でしょ」
畔戸笑理:「いいえ」
畔戸笑理:「どの道そうなれば、この場所も終わりです。むしろ」
畔戸笑理:「終わりかかってる。今」
ナキ:「そんなこと言わないでよ……」
ナキ:声に、震え。
ナキ:「んーーーーーー」
ナキ:「こちとらそれでもいいけどさ、それは"出資者さま"が許さんのですよ」
ナキ:「だからさ、またね」
ナキ:立ち上がる。
畔戸笑理:同じく立ち上がる。
"クテン":「お前らはホントによォ……」
ナキ:カウンターへと歩いていき、店主へ。
ナキ:「ごちそさん」
ナキ:振り返って。
ナキ:「……何さ?」
錺 十也:「……あ」少し呆然としていたところ、我に返る。
畔戸笑理:「どこへ行くんですか」
ナキ:「それを知ってどうするのさ」苛ついたように。
錺 十也:(……見逃していた。ケンカをしていたのに。取り返しがつかなくなるかもしれない)
畔戸笑理:「一緒に行きます。勿論」
畔戸笑理:「まだ話は終わってません」
ナキ:「はぁ、面倒だなあ」
ナキ:「今度、いくらでも相手になってやるからさ、嫌でもさ」
時雨:「あ、お帰りになられるのなら」手を挙げる。
時雨:「一杯ぶんくらい多めにおいていってくださいよ」
"クテン":「ホンッッットによ」
"クテン":「バカしかいねェなと思ってな……」
時雨:「そうそう、折角みんなで楽しく飲んでたんですから」目を細める。
"クテン":「お前ら二人だけじゃねェぞ」
"クテン":「お前らもだ、カザリにカワジ」
錺 十也:「俺も?」
河路 緑郎:「……」
"クテン":「シグルはそうでもねェ……いや、美食卿のババアの訳のわからん勝負受けてるあたり、お前もか」
"クテン":「まったくな、信じられねェことに」
"クテン":「こんなかで一番まともなのはコイツらしいぜ」らむねの方へ目を向けながら
錺 十也:「俺は……だって、俺の……」
夏祭らむね:「…………」静かに見ている。
河路 緑郎:「お前もまともじゃないってか」
"クテン":「俺か? ……」
"クテン":言いかけて口を噤み、眉間に皺を寄せる。
"クテン":「……バカになるかどうかの、瀬戸際ってとこだ」
錺 十也:肩を落とす。そのまま、椅子に座る。
錺 十也:「夏祭」
錺 十也:「ごめんな、うるさくして」
夏祭らむね:「元気があるのは……いいこと」
錺 十也:「ねえよ、元気。俺もお前も」くてっと椅子の背にもたれる。
錺 十也:「もうぐっちゃぐちゃ」
"クテン":浮かべた渋面のまま、手元のジョッキを呷る。
畔戸笑理:「……分かりました」もはや睨むようにナキを見つめて。
畔戸笑理:「今日はいいです。代わりに」
畔戸笑理:「時と場所を改めて、必ず付き合ってもらう」
畔戸笑理:「さもなければ、あなたに殺されるまでもなく、勝手に死にますから」
ナキ:「そうだね、それは、こっちもそのつもりだから」
ナキ:「勝手に死んじゃあ、だめだよぅ」
ナキ:そうして、ナキは扉の向こうへと消えていった。
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:一瞬、扉の方へ足を動かそうとして。
畔戸笑理:踵を返し、乱暴に席へと戻る。
畔戸笑理:グラスの残りを一気に呷る。
時雨:「おお、良い飲みっぷり」
"クテン":「お前も大概マイペースなヤツだよなァ」時雨を眺めながら、呆れたように
時雨:「ここは酒場ですよ。私が一番真面目、でしょう」
錺 十也:「エリさん、一旦頭冷やしとこ」
錺 十也:「あいつも……もうちょっと落ち着けば……」
錺 十也:「わからんが……」苦々しく。
錺 十也:(なんだろうな。あっちに気を逸らしたせいか?)
錺 十也:(もっと早く止めるべきだった。止められた、かもしれない。いつもなら)
錺 十也:(…………だめだ)
河路 緑郎:「質問なんだがな」
河路 緑郎:「お前ら、ナキの事情をどこまで知ってる?」
"クテン":「まァ、少なくとも」
"クテン":「今のアイツの態度の理由くらいは知ってるな」
錺 十也:「どこまで首突っ込む気だ、おっさん」
時雨:「河路さん、それはよくないですって。ここは異街なんでしょう」
時雨:「ただで教えてもらおうとしないでくださいよ」微笑む。
河路 緑郎:「お前はそう言うだろうよ。が、こっちにも出せるもんがなあ」
畔戸笑理:「……私は知りません。あんな勝手な子」
畔戸笑理:「おかわり」据わった目。
河路 緑郎:「ついでに、首突っ込むもクソもな」
河路 緑郎:「このままだと俺はどうしようもなくぶつかるぞ。そりゃお前らも分かるだろ」
河路 緑郎:「さっきみたいに、知らんうちに地雷原でタップダンスする羽目になるかもしれん」
河路 緑郎:「誘爆に巻き込まれるのはごめんじゃないか?」
錺 十也:「おかげでいいものが見られたけどな」
時雨:「他でもないナキさんが言ってましたよ。ここは中立地帯だって」
時雨:「わざわざ、ここで掘り返して爆発させるものじゃない、と思いますけどねえ」
"クテン":「俺からしてみりゃァ、……」何か言いかけて止める。
"クテン":「……まァ、いいか。好きにしとけ」
畔戸笑理:「はぁ? 信じるんですか?」
畔戸笑理:届いた冷酒のおかわりをまた一気に飲み下し。
畔戸笑理:「あんなの、今は中立にしておきたいってだけでしょう」
畔戸笑理:「甘いです。時雨さんは。そういうところが」
畔戸笑理:「怪人のくせに」
"クテン":「お前は好きにしすぎだ! 何杯呑んでンだよ!」
時雨:「ただの人、ですよ。みなさん以上に」
錺 十也:目の前のカクテルのグラスは、手つかずのままだ。
錺 十也:氷だけが少しずつ溶けていく。
河路 緑郎:「……ちっ、流石にしっかりしてるな。そう安売りはしてくれんか」
河路 緑郎:「わかったよ。別のところで買わせてもらうさ」
夏祭らむね:「ふぅん……」
錺 十也:「ん」らむねの方を見て。
錺 十也:「どした。なんかあった?」
夏祭らむね:「……本当は、知ってたよ」ぽつりとつぶやく。
夏祭らむね:「核ミサイルがきても、守ってもらえない事……」
錺 十也:「…………」
錺 十也:「俺が」
錺 十也:「守ってやるって言いたかったんだけど、な」呟く。
夏祭らむね:「……笑理の大事なものは、ナキなんだね」
錺 十也:「やっぱりそっちか」
夏祭らむね:「……ふふ」
畔戸笑理:「……」ぐろんとそちらを向く。
畔戸笑理:「違います」
"クテン":「お前アレか? また"やった"のか!?」
"クテン":「こ、こんなガキ相手に!?」
畔戸笑理:「私はねぇ」
畔戸笑理:「私は」
畔戸笑理:「わけ分かんない理由で、わけ分かんない相手に、私の生きてる場所を台無しにされたくないだけ」
畔戸笑理:「困るんです、そういうの」
畔戸笑理:「……今はナキさんが、台無しになりかかってる」
畔戸笑理:「だから……そういう……」
畔戸笑理:「私は……」
夏祭らむね:「……ちょっとわかるよ」
夏祭らむね:「似たような感じだし」
夏祭らむね:「みんなに、大事なものがあって……」
夏祭らむね:「…………」
畔戸笑理:「…………」
畔戸笑理:「失くしたくない……」
畔戸笑理:空になったグラスを傾ける。
錺 十也:「守りたい、か」カクテルをちびりと。
錺 十也:あまりペースを上げると、すぐに潰れる。
夏祭らむね:ちらり、と時雨さんを見る。
時雨:ナッツをつまんでいる。
夏祭らむね:自分が服を変えただけで、みんな驚いていた。
夏祭らむね:服どころか、姿かたち、性別まで変えてしまう彼/彼女。
夏祭らむね:彼/彼女の、『変わらない』ものはなんなのだろうか?
夏祭らむね:彼/彼女の、大事なものは、なんなのだろうか?
夏祭らむね:じっと見つめる。
夏祭らむね:その変装の向こうには、……いや、果たしてこれは変装なのか。
夏祭らむね:一体、何があるのか。
夏祭らむね:というところで判定をします!
GM:よかろう!言うが良い!
夏祭らむね:変装術で時雨さんの秘密を抜くぜ~ッ
錺 十也:修正はいりますか
夏祭らむね:お願いします!
錺 十也:では+1どうぞ
夏祭らむね:ありがとうございます!
夏祭らむね:ふって……大丈夫でしょうか!
GM:どうぞ!
夏祭らむね:2D6+1>=5 (判定:変装術) (2D6+1>=5) > 3[1,2]+1 > 4 > 失敗
夏祭らむね:?????????????????????
畔戸笑理:のあっ
時雨:見抜けなかったようですね。
畔戸笑理:こっちも投げておけば良かったか……
錺 十也:んー、遁甲符いります?
時雨:私の変装を……ククク
夏祭らむね:い、いいんですか!
錺 十也:補給できるから……
河路 緑郎:あっアルティメットわたがし器
河路 緑郎:それがあった
錺 十也:ぼくは情報がほしい
夏祭らむね:アルティメット綿あめを!
錺 十也:存分に作るがいいわ!
錺 十也:遁甲符1使用します。
GM:綿あめパワーがここで
夏祭らむね:ありがとうございます~~!
夏祭らむね:というわけで振り直します!
夏祭らむね:2D6+1>=5 (判定:変装術) (2D6+1>=5) > 7[2,5]+1 > 8 > 成功
夏祭らむね:はあはあ……はあはあ……
夏祭らむね:ありがとうございます!
錺 十也:やった!
GM:成功でございます。
時雨:いや~ん
GM:では秘密を。
system:[ 錺 十也(0) ] 忍具:3 → 2
夏祭らむね:PC3/4の笑理ちゃんと錺さんにもいくぜ!
錺 十也:うおー
河路 緑郎:また私の頭上で情報が飛び交ってる……
畔戸笑理:いただきました
GM:お渡し。
夏祭らむね:≪闇神楽≫を使うぜ!
GM:クッ……使えよ!!
夏祭らむね:≪詭道≫で成功させ、受けた傷は笑理ちゃんとのセックスでもらった兵糧丸で即なおします。
河路 緑郎:言い方がひどいのよ
畔戸笑理:えへへ
河路 緑郎:あれ、らむねちゃん
GM:これがセックス道場の奥義かよ
河路 緑郎:二点までなら特技のないところでダメージ受けられないですっけ?
夏祭らむね:あ~そうか
夏祭らむね:やばくなったら使えばいい!
夏祭らむね:なるほどね
夏祭らむね:じゃあまだ使わないで……
河路 緑郎:特技あるところが削れたときに残してたほうが安心
河路 緑郎:まあ故障くらったら知らないけど……
夏祭らむね:戦術で受けます
畔戸笑理:情報判定の方に感情修正を投げる構えです
system:[ 夏祭らむね(1) ] 戦術:1 → 0
夏祭らむね:ありがとうございます!笑理ちゃんの秘密を抜くかは迷ったんだけど
夏祭らむね:錺さんの秘密抜いちゃお!
錺 十也:こっちくるか……
GM:それではどうぞ
しまモン:酒場に放置されたしまモンがぎゅっと錺さんの服の裾を掴む。
GM:いる!
錺 十也:「……ん」
しまモン:『トモダチ……』
錺 十也:「えっなに、お前まだいたの……?」
しまモン:『シンライ……』
しまモン:そんなことを言いながら服の裾を掴んでいる
錺 十也:「分解……」
夏祭らむね:というわけで絡繰り術で判定したいです!
夏祭らむね:しまモンは錺さんの情報を抜こうとしている。
GM:抜きたまえ!
夏祭らむね:笑理ちゃんから修正もらっていいのかな?
畔戸笑理:あげます。+1して!
夏祭らむね:2D6+1>=5 (判定:絡繰術) (2D6+1>=5) > 7[2,5]+1 > 8 > 成功
夏祭らむね:やった~~~!
錺 十也:ぐいえー
GM:きぃーーー!持ってけ!!
河路 緑郎:あ、じゃあ
河路 緑郎:らむねちゃーん
河路 緑郎:忍具いる?
夏祭らむね:いる~~~!!!!
河路 緑郎:錺君の情報くれたらあげるよ~
錺 十也:あわあわ
夏祭らむね:内容を確認して気が変わらなければあげましょう
河路 緑郎:はいよ~
畔戸笑理:こちらいただきました
夏祭らむね:よし……忍具をくれるならお渡しして
夏祭らむね:公開情報にしちまいますかねェ~~~!
夏祭らむね:なんの忍具くれるの?
錺 十也:まってーー
夏祭らむね:あっ時雨さんが
河路 緑郎:時雨さんは知らないんじゃないっけ?
夏祭らむね:いるから公開じゃないか
河路 緑郎:そうそう
GM:ですです
夏祭らむね:じゃあ忍具をいただいてケロちゃんにわたそう
錺 十也:ほぼ知れたけどな
河路 緑郎:忍具の交換って
夏祭らむね:なんの忍具かな なんの忍具かな
河路 緑郎:個人のチャットの方でやったほうが良いのかな?この場合
河路 緑郎:GMにも秘密ですっけ?
GM:この場合公開にしましょう
河路 緑郎:渡した忍具の中身公開ってことですよね
GM:です
河路 緑郎:では兵糧丸あげます
夏祭らむね:やったぜ。
system:[ 河路 緑郎(0) ] 忍具:2 → 1
河路 緑郎:怪我しがちだし
system:[ 夏祭らむね(1) ] 忍具:2 → 4
GM:それでは秘密をお渡しします。
河路 緑郎:これで傷を癒やしな!
夏祭らむね:ありがと~~!
GM:コレ以上の情報の移動はなしかな。
河路 緑郎:確認しました!ありがとうございます
GM:ではシーンに戻りましょう。
───────
GM:どこかぎこちなく、重苦しい空気が漂う逆月亭。
GM:らむねは、しまモンは知る。
GM:この空気を作り上げた因果の一端、今は全容は見えぬが……。
しまモン:『かざ かざ カザリいいいいいいいやツツツツツツツツツツツツツツ』
しまモン:錺さんに分解されて以降若干挙動がおかしい。
錺 十也:「……いや、悪かったって……」
錺 十也:「ちょっと気になっただけじゃん……中身……」
夏祭らむね:「でも喜んでるよ、しまモン」
河路 緑郎:「これでかよ」
錺 十也:「……これが」
"クテン":「これ喜んでんのか……?」
畔戸笑理:「おかわりぃぃ!」
しまモン:『ヨロコビ!ヨロコビヨロコビヨロコビ!!びーーーーッ』
錺 十也:「感情表現ストレートだな」
河路 緑郎:「……畔戸はいつまでやけ食いしてんだ。あれほっといてだいじょぶか?」
逆月亭の主人:「いいのかあいつ、こんなに飲んでるの見たことねえが……」
逆月亭の主人:瓶と笑理を見比べて、困ったように。
"クテン":「寝るまで呑ませといた方が却って安全かも知れねェ」
"クテン":「ただアイツ毒効かなさそうだからなァ……アルコールもどうだか……」
錺 十也:「だいじょぶ」
錺 十也:「定期的にお冷やのグラスと入れ替えてる」
時雨:「あとで介抱しておきましょう」
夏祭らむね:お酒を飲んでいる笑理さんを若干青い顔で見ている。
逆月亭の主人:「そうかい、まああんたらに任せたぜ」
河路 緑郎:「ああ……わるいなマスター、さっきから」
河路 緑郎:「ツケはうちの主人に頼むわ」
しまモン:『呑むならシマモン!吞むならシマモン!何故シマモンを飲まない!』
しまモン:『のめ!のめ!のめ!のめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめのめ』
錺 十也:「うるせー金持ってきてから言えー」
錺 十也:しまモンをぐりぐりしている。また酔っている。
"クテン":「いきなりPRキャラらしいこと言い出しやがったな」
河路 緑郎:「PRっつよりアルハラだろこれは」
しまモン:『金がないなら盗めーッ』ぐりぐりされている
錺 十也:「……金より」
錺 十也:「欲しいものもあるしな」
しまモン:『金よりシマモンが大事ーーッ』
錺 十也:「言ってねえ」
夏祭らむね:「……でも、欲しいもの見つからなかったら」
夏祭らむね:「もしかしたら……そのほうが仲良くしてもらえるのかも……」
夏祭らむね:「……ううん、なんでもない」
河路 緑郎:「………」
錺 十也:「…………」くい、と薄まったカクテルを飲む。
錺 十也:「……欲しいものが」
錺 十也:「俺の……」
錺 十也:「…………」
錺 十也:机に突っ伏す。
錺 十也:「あー、ヘッドホン、無線のいいヘッドホンが欲しいよー」
錺 十也:誤魔化すように大声を出す。
河路 緑郎:夏祭の言葉を聞いて、口につけていたグラスを置く。
河路 緑郎:「もしも」
河路 緑郎:「舞台に上がらなければ」
河路 緑郎:「ずっと日陰にいたら」
河路 緑郎:「手を伸ばさなければ」
河路 緑郎:「そのほうが、幸せだったのかも」
錺 十也:「それで?」
錺 十也:「おっさん、結局引きずり出されてんじゃねえか」
錺 十也:「助演男優でさ」
河路 緑郎:「はっ、まったくだ」
錺 十也:「俺は……」突っ伏したまま。
錺 十也:「ナキはさあ……」
錺 十也:「…………」
錺 十也:そのまま、静かになる。
時雨:「ふふ、また和やかになりましたね」
河路 緑郎:「これでよし、とすんのかお前」
しまモン:『時雨もシマモンのめーッ』
時雨:「やはり酒場では、酔うべきです。夢でも理想でも」
河路 緑郎:ため息を付き。
"クテン":「夢か。夢はいいもんだ」
しまモン:『シマモン飲んでしぐルンとしてしまモンのあとをつぐのだ』
時雨:「後継者不足なんですか。やはり職人は苦労されますね」
しまモン:『体を30cm以下に縮めて中に入れるのは……お前しかいないッ』
時雨:「さすがに、それは。できないですよ」ナッツをつまんでいる。
しまモン:『やる前から諦めてどうする!!』
しまモン:『夢を見ろと言ったのはお前だ!!』
"クテン":だいぶん酔いが回ってきており、顔が赤く、眼も据わっている。
時雨:「私の夢は、シマモンとは関係ないですからねえ」
しまモン:『”関係”を持たせてやる……しまモンと……』
"クテン":「夢は大事だ。人生には夢とプライドが必要なんだ」
河路 緑郎:「おう夏祭」
河路 緑郎:隣で寝ている男にも聞こえるような声で言う。
錺 十也:実際のところ、寝てはいない。ただ、夢は見ている。
河路 緑郎:「もしもこうしてれば、もしもこうしたら」
錺 十也:ずっと見ている。起きている時も。ずっと。
河路 緑郎:「思い返すことは死ぬほどあるよ」
河路 緑郎:「何度も何度も、だ」
錺 十也:(今日だってそうだな)
河路 緑郎:「分かるか?何を選んでもな」
河路 緑郎:「後悔なんて、つきものだ」
夏祭らむね:「…………」じっと聞いている。
錺 十也:(……おっさんはいつもいつもそういうことを……)
河路 緑郎:「舞台に上がらなければ……ああ、そう悔やんだこともあるが」
河路 緑郎:「逆でも同じさ」
河路 緑郎:「『何を選んでも、悔やむことはある』」
河路 緑郎:「……だからまあ、なんだ」
錺 十也:(…………)夢を見ている。
河路 緑郎:「正解なんてねえんだ。好きな方を選べよ」
錺 十也:それは、青い光の差す、絡繰り仕掛けの大きな舞台で。
河路 緑郎:「……くだらねえ話聞かせたな」
錺 十也:舞台袖に今まさに立っている。そういう夢だ。
河路 緑郎:「酔った。俺も帰るわ」
夏祭らむね:「……ケロちゃんが舞台に上がってくれて、喜んだ人もいると思うよ」
河路 緑郎:「………」
河路 緑郎:「そうなら、いいな」
錺 十也:(何を選んでも)
錺 十也:(か…………)
時雨:「くだらない話の方が、私は好ましかったですよ」
河路 緑郎:「そうかい。……んじゃ、またな」
河路 緑郎:迷惑料を置いて、外へと出ていく。
錺 十也:今度は本当に、静かに眠っている。
錺 十也:夢を見たままで。
時雨:「流石話が分かる──さて、錺さんも畔戸さんも、この状態では」
しまモン:『しまもしまも』時雨さんと錺さんの間を行ったり来たりしている。
時雨:「三人で山分けしましょうか、夏祭さん、クテンさん」
"クテン":「デカい夢と……プライドが……いるんだよ……」
"クテン":「……クソ。……畜生め。……どいつも……こいつも……」
畔戸笑理:「おかわり…………」卓に突っ伏している。
夏祭らむね:「しまモンもいるから……」
夏祭らむね:「四等分……」
時雨:「お水をどうぞ」畔戸さんの前にグラスを置く。
時雨:「彼も飲むんですね。面白い」目を細める。
"クテン":「……ラムネ」
"クテン":「……シグル」
"クテン":「悪ィけどよ……」
"クテン":「……後……頼むわ……」
"クテン":そう言って、テーブルへ突っ伏す。
夏祭らむね:「…………………………」
時雨:「あら」
"クテン":「……お前ら」
"クテン":「お前らは……」
"クテン":「夢も……持ってそうだしよ……」
"クテン":そう言ったきり、気絶するように眠りに就く。後に残るのは高イビキのみ。
逆月亭の主人:「やれやれ、うちは宿屋じゃねえんだがな……」
逆月亭の主人:「まあ、他に客もいねぇしな……」
夏祭らむね:「…………クテンも」
夏祭らむね:「なかったことに……」
夏祭らむね:「…………やっぱり三等分だね」
夏祭らむね:「時雨とらむねとしまモン」
時雨:「お得ですね」
夏祭らむね:「時雨がしまモンになるなら実質らむねのだから全部らむねの」
時雨:「しまモンさんが実質らむねさんなら二等分にすべきでは?」微笑む。
夏祭らむね:「いいよ。じゃあはんぶんこね」
時雨:「ありがとうございます。さらに得をしました」
時雨:「マスター、もう一杯──それで、夏祭さん」
夏祭らむね:「うん……?」
時雨:「今日はカメラ、回していないんですね」
夏祭らむね:「…………そう、だね」
夏祭らむね:「………………」
夏祭らむね:「……人間がしまモンに詰め込まれる姿は、映すとグロいからね」
時雨:「ふふ、それはおもしろい、死に方ですね」
逆月亭の主人:瓶を持った、店主。
逆月亭の主人:そのままどかりと、あなたたちの正面へ。
逆月亭の主人:「奢りだ、俺も飲む」
時雨:「見てみたいなあ──ほう」目を細める。
しまモン:『シマモン?シマモン?』
逆月亭の主人:「こんな場所だ……客はこいつらみてぇなエージェントも多い」
逆月亭の主人:「だから、馴染みのヤツだって、いつふらっといなくなるかわかったもんじゃねえ」
逆月亭の主人:「忍務でおっちぬか、島を出たか、他所の区へでもいってしまったのか」
逆月亭の主人:「だから、わかっていたはずなんだけどな」
逆月亭の主人:「どうしてか、こいつらだけは……ずっと四人でここにいるんじゃねえかって……」
逆月亭の主人:グラスの中身を乱暴にあおる。
逆月亭の主人:「本人たちにはぜったい言うなよ」
時雨:「そうですね。この世界には──移ろうものばかりです」
時雨:「だからこそ、持っていないものに憧れる。永遠ですとか、不死、などに」
時雨:「私個人としては、無いものにはあまり、興味がないのですが」
逆月亭の主人:「そうだな、ここでは、色んなものが手に入る」
逆月亭の主人:「望めば望むだけ、金のあるだけ」
逆月亭の主人:「ただ、俺は……そんな憧れなんてよ」
逆月亭の主人:「ただ、今あるものだけで、それだけで良かったんだよ」
逆月亭の主人:「だからこんな流行らない店を、いつまでも一人でさ」
逆月亭の主人:「俺は、コレ以上は欲しくねえ」
逆月亭の主人:「ただ、奪わないでくれと……今じゃそれも儚い夢か」
逆月亭の主人:「お嬢ちゃん、カメラにマイク……大事にしてやってくれ」
夏祭らむね:「……………………うん」
逆月亭の主人:「あの光景を、アンタが引き継いでくれるなら……俺は」
逆月亭の主人:「少しは救われるかもしれねえからな」
逆月亭の主人:「チャンネル、登録しておいたよ……」
逆月亭の主人:立ち上がる。
逆月亭の主人:「残りは好きに飲んでくれ……少し、風に当たってくる」
時雨:「マスター。私は新参者、ですが」声をかける。
逆月亭の主人:「……ん?」
時雨:「ここは良いお店です。きっと皆さん、そう考えている」
時雨:「夢を追うのを諦めるには、まだ早いですよ」
時雨:「酒場は、夢や理想に、酔う場所なんですから」
逆月亭の主人:「店主が酔ってちゃ世話ねえだろ」赤らんだ顔で、困ったように、今にも泣いてしまいそうに。
逆月亭の主人:「ああ、しかし今日は俺も飲んじまった……」
逆月亭の主人:「今ひとときだけは、アンタの慰めに酔わせてもらうさ」
時雨:「ありがたい」微笑む。
時雨:黄色い照明をブロックノイズが反射し、その笑顔はすこし、ぼやけて見えた。
───────
サイクル2 錺
GM:続いて、PC4!
GM:召喚!!
錺 十也:うおー
GM:それではシーン表、登場希望PC、シーン内容を
錺 十也:異街シーン表、PCは河路さんとらむねちゃん、NPCにホテルマン
河路 緑郎:はーい
錺 十也:内容は情報を調べます
河路 緑郎:行きますよー
夏祭らむね:出ッ!
錺 十也:シーン表振りますー
錺 十也:2d6 (2D6) > 11[5,6] > 11
錺 十也:高いんだよ
河路 緑郎:テンション高いぞ
錺 十也:オークション王にはなれず
GM:11.馴染みの店に顔を見せる、見知った顔はいるだろうか。
錺 十也:うわっ
GM:別にキャバクラでも良いんですよ
河路 緑郎:馴染みではある
河路 緑郎:見知った顔は確かにいる
錺 十也:えっそんな……
夏祭らむね:『カジノ』ってキャバクラ名だったの?
錺 十也:なんか狂楽区の
錺 十也:ちょっと個室っぽく話ができるようなところにしましょうか
河路 緑郎:秘密のお話
河路 緑郎:私は呼び出された感じかな?
錺 十也:そんでお仕事の報告をしたりとかできれば……
錺 十也:そうですね、関係者枠
河路 緑郎:はーい
錺 十也:らむねちゃんもそんな感じかなあ
河路 緑郎:関係があります
夏祭らむね:関係する!
河路 緑郎:なんか言い方
錺 十也:オスカー狙いとかもあるし
GM:それでは、やっていきましょう。
───────
GM:『秘匿居酒屋・忍民』完全防音防人を謳う、庶民の台所(?)である。
"ホテルマン":「やぁ、おれなかなかこういうとこ来る機会なくってね」
"ホテルマン":おしぼりで手を拭く、"ホテルマン"。
錺 十也:「……すんません。俺の知ってる範囲だとこんな感じで」
錺 十也:一応、一張羅のディーラー風の服装。
錺 十也:「それこそお忍びすね」
"ホテルマン":「いやいや、前から気になってたんだよ」
"ホテルマン":「ありがたいくらいさ、それで、今日は報告があると」
"ホテルマン":「こんな個室の要塞を指定したってことは、それなりの成果があったのかな」
錺 十也:「はい。例の"ショベル・マン"の件」
錺 十也:ちらりと、連れの二人を見て。
錺 十也:「『正体を突き止める』については、成果が出ました」
夏祭らむね:「ドンペリニョンする!?」
夏祭らむね:『いつもどおり』はしゃいでいる。
河路 緑郎:「どうも、関係者ですよ」
河路 緑郎:いつもどおり、力のない笑みを浮かべながら
河路 緑郎:拳を握りしめる。汗がにじむ。
錺 十也:(……いつもどおり、か。本当に?)
錺 十也:(こんなに、何もかもが変わっていくのに?)
"ホテルマン":「やあ、"はじめまして"」
"ホテルマン":「きみは河路緑郎くんで」
"ホテルマン":「そして夏祭らむねちゃんだね」
河路 緑郎:「……まだ自己紹介はしてないと思うんですがね」
河路 緑郎:「お見通しですか」
夏祭らむね:「そうなのだよ~!」
夏祭らむね:おしぼりで折り紙しながら手を挙げる。
"ホテルマン":「おれは耳ざといのでね」
河路 緑郎:「そりゃどうも……"はじめまして"、河路緑郎だ」
"ホテルマン":「それにらむねちゃんについては結構以前から知ってたよ」
夏祭らむね:「ほんと~!?」
"ホテルマン":「おれ、全員チェックしてるからね、新人配信者」
夏祭らむね:「えーっそうなの!やったやった~~!」
錺 十也:「すご……」
河路 緑郎:「気に入ってんのか、配信……」
"ホテルマン":「仮にも娯楽を司る『カジノ』の王だからね」
河路 緑郎:「ああ、なるほど。……大変なもんだな、トップってのも」
夏祭らむね:「面白かったでしょ!コラボしてあげてもいいのだよ」
錺 十也:「お前怖いもの知らずすぎん!?」
河路 緑郎:「物怖じしないねお前は」
河路 緑郎:「ま、ビビり散らして小さくなるよかよほど良いと思うが」
錺 十也:「あ、ええと。んで、報告です」
錺 十也:取り急ぎざっくりと、彼らについて判明した情報を並べる。
錺 十也:「……奴らはエージェントを雇ってて、片方がこのおっさんなんですけど」
錺 十也:「……もう片方も、本当に雇われですね。特に趣味に共感とかしてるわけでもない」
"ホテルマン":「ふぅむ、なるほどね……」
"ホテルマン":「個人的には、今すぐにでも潰したいところだけど」
"ホテルマン":「大義名分がないんだよねえ、あちらは今の段階だとまだ何か悪いことしてるわけじゃあないし」
錺 十也:「二人とも、首謀者をどうにかすれば問題はないんじゃないかってのが、俺の主観です、が……」
錺 十也:「やっぱし、浅いっすよね」
夏祭らむね:「気に入らないからで殴るのってダメなんだ」感心している
錺 十也:「ダメだぞ」一応言っておく。
河路 緑郎:「罪にしろ罰にしろ」
河路 緑郎:「そういうもんが発生すんのは、実際にやったことに対してだ」
河路 緑郎:「ただ考えただけで罪に問われるようなら、聖人しか生きられねえだろ」
"ホテルマン":「そうだねぇ……」
"ホテルマン":「"主催者"が行っているのは、あくまで企画の立ち上げ、細々な中継ぎ」
"ホテルマン":「奴らに果たして"中核"となる人物がいるのかどうかというと、微妙なところなんだよね」
河路 緑郎:「横から言うのもなんだけどよ」
河路 緑郎:「”考える”だけじゃなく、”計画してる”ってのはアウトにならねえのか?」
"ホテルマン":「奴ら、何を計画してるんだい?」
"ホテルマン":「現状だと知れるのは、映画を作ろうとしている、ただそれのみじゃないかな」
河路 緑郎:「実際にクロな証拠がなきゃあ疑惑でしかない、か……」
"ホテルマン":「十中八九ロクでもないことになるとしても」
"ホテルマン":「今はまだシロだ、どんなにグレーに近くてもね」
河路 緑郎:「体制側の難しいとこだね」
夏祭らむね:「でもケロちゃんをあなたが主役です!モデルになれますよ、ビッグになって楽させてやるからなって雇ったのに主役じゃなかったのだよ?」
河路 緑郎:「そりゃ俺には文句があるが、上から殴りつけるほどにはなんねえだろ」
夏祭らむね:「乙女の心をもてあそんだ罪で死刑!」
河路 緑郎:「誰が乙女だ」
錺 十也:「乙女はねえだろ」
河路 緑郎:「ああ、それと。遅れたが一応言わせてもらうと、俺も連中の趣味についてはあとから聞いた側だ」
河路 緑郎:「買われた立場とはいえ、向こうも説明を放棄してるからな」
河路 緑郎:「ろくでもないことをする気なら協力するつもりはねえ」
河路 緑郎:「あんたを敵に回したくはねえしな」
河路 緑郎:ホテルマンに視線を向ける。
夏祭らむね:「ケロちゃんが女を殴る悦びに共感したわけじゃないってことね~」
河路 緑郎:「お前はいちいち言い方物騒なんだよ……」
錺 十也:「つまり」
錺 十也:「まだ調査を続けてかないと、というとこですか」
"ホテルマン":「うーん、それなんだけどね」
"ホテルマン":「錺、きみどうしたい?」
錺 十也:「俺?」
錺 十也:胸ポケットの鎖をいじっていたてを止め、自分を指差す。
"ホテルマン":「連中の正体は割れたんだ」
"ホテルマン":「あとはこっちで引き継いでもいい」
錺 十也:「……あ……」
錺 十也:ナキのことが頭をよぎる。
"ホテルマン":「きみはよく働いてくれた、報酬は色をつけるよ」
錺 十也:(多分、俺たちだからどうにかなってた、んだ。ずっと)
錺 十也:(他の奴が入ってきたら?)
"ホテルマン":「ここで、降りるかい?あまり愉快な仕事でもないだろう」
錺 十也:(奴らが『何か』を起こしたら……そこにはナキがいる)
錺 十也:(もしかしたら、昨日の様子だとエリさんもいるかもしれない)
錺 十也:「いや」
錺 十也:首を横に振る。
"ホテルマン":細められた瞳、その奥で何かが錺を覗いている。
錺 十也:「続け、ます」
河路 緑郎:「……」
錺 十也:(……それに。河路のおっさん)
錺 十也:(あいつにももう少し縁がありそうだ……)
"ホテルマン":"そいつ"は、喜色満面の笑みで。
"ホテルマン":「この件の、当事者だと」
"ホテルマン":「そういう自覚があるわけだ」
河路 緑郎:「(……こいつ)」
錺 十也:「なんか、シャクですけどね」
錺 十也:すっと、顔を上げる。
錺 十也:見つめ返してやる。
錺 十也:怖くなどない。
"ホテルマン":「ああ、河路くんは奴らに引き続き協力したらいいんじゃないかな」
"ホテルマン":ようやく、注意を反らして。
"ホテルマン":「きみにも生活があるだろう」
"ホテルマン":「今は変に抵抗して奴らに雲隠れされるほうが都合も悪い」
河路 緑郎:「始まるまでは知らないフリを続けろと」
夏祭らむね:「チャンスが来るまで連中の手のひらでポールダンスってことね~」
河路 緑郎:「へいへい、せいぜい客を帰さないようがんばりますよ」
"ホテルマン":「そうだね、頑張りたまえ」
"ホテルマン":「それに、きみの頑張り次第では、案外良い映画になってしまうかもだよ」
"ホテルマン":「役者が、監督の想像を超える。というのはまれにある話だ」
河路 緑郎:「……期待がでかいぜ、旦那」
河路 緑郎:冷や汗が止まらない。恐怖が奔る。
夏祭らむね:「え~やだ~、オスカードラゴンになるのはらむねだもんね~」
錺 十也:「…………」
"ホテルマン":「らむねちゃんも、応援しているよ」
"ホテルマン":「俺は挑むものを応援するからね」
夏祭らむね:「やった~~!ありがと~~!」
河路 緑郎:「挑むもの……か」
夏祭らむね:「審査員にらむねに5000億票入れるよういっておいてね!」
"ホテルマン":「コラボも、よければ応えよう」
夏祭らむね:「ほんと!?」
錺 十也:「マジで……」
"ホテルマン":「ただ、俺に挑むということは」
"ホテルマン":「"賭け"をしてもらうことになるけどね」
夏祭らむね:「賭け……!」
河路 緑郎:「夏祭」
河路 緑郎:「やめておけ」
河路 緑郎:「喰われるぞ」
錺 十也:賭けを。
錺 十也:してもらう。
河路 緑郎:「……いや。お前が本気でやるってんなら」
河路 緑郎:「止める権利は俺にはねえ……が、」
河路 緑郎:「半端な覚悟で挑むもんじゃねえ」
河路 緑郎:声に焦燥が交じる。
夏祭らむね:「激辛麺食べ競争とかかな……」と呟いている。
錺 十也:「……"ホテルマン"」
錺 十也:「この件とはまた別で、ちょっと」
"ホテルマン":「ん、なんだい?」
錺 十也:「見て欲しいものがひとつ」
錺 十也:「……おっさん。あれ。青の」
河路 緑郎:大きくため息を付き、息を整える。
河路 緑郎:「こいつか」
河路 緑郎:手元に取り出したのは、青色の硬貨。
"ホテルマン":「ああ、それ」
"ホテルマン":「見つけたんだね、錺」
夏祭らむね:「あっいいな~!ちょうだい!」
河路 緑郎:「お前にゃやらねえ」
錺 十也:「……やっぱり、これでいいんだ」
錺 十也:はあ、と息を吐く。
"ホテルマン":「懐かしいな、ソレに関してはおれも噛んでるからね」
錺 十也:「……あんたも?」
錺 十也:「いや、まあ、そうか」
錺 十也:「知ってたんだもんな……」
"ホテルマン":「立会人さ」
"ホテルマン":「だから、ここでそれについて多くを話すことはできない」
"ホテルマン":「そういう"約束"だからね」
河路 緑郎:「……俺も正直、聞きたいことは山程あるが」
錺 十也:「まだ俺のもんじゃないです。ただ、見つけた」
錺 十也:「……報酬に色をつけてやる。青ならいいな」
夏祭らむね:「確かにそう言った!」
夏祭らむね:「げんち!げんち!」
錺 十也:(……なんで、このおっさんが持ってたんだろうな)
錺 十也:(こいつは別に嫌いじゃない。ただ、知らんことばっかりだ)
"ホテルマン":「うーん、それは一点物だからね」
"ホテルマン":「おれが渡せる報酬としては、残念ながら」
"ホテルマン":「当事者じゃあないからね、ソレについては」
"ホテルマン":「約束はできないな、報酬は他のものを頼んでくれ」
錺 十也:「ふーん。じゃあ俺がこのおっさんをぶん殴ってもらうしかないってか」
錺 十也:冗談として。
夏祭らむね:「ころしてでもうばいとれ!」
"ホテルマン":「うん、それも方法のひとつだね」
"ホテルマン":笑って応える。
河路 緑郎:「手がはええんだよ。夏祭に悪い影響受けてねえか」
河路 緑郎:「渡さねえとは言ってねえだろ」
夏祭らむね:「えっケロちゃんくれるの!」
河路 緑郎:「お前にじゃねえよ」
錺 十也:「俺に!」
錺 十也:ぶん、と耳元で虫の羽音のような音がする。
河路 緑郎:「……だが、その前に」
河路 緑郎:「確認すべきことがあんだろ」
錺 十也:小型の蜂くらいの大きさの黒い機械が、唸りを上げて飛んでいる。
錺 十也:「あるよ」
錺 十也:「あんたのことをちゃんと知らねえと、そいつも安心して受け取れない」
河路 緑郎:「当然だな」
河路 緑郎:「いいぜ、そのほうが話しやすい」
錺 十也:超小型索敵ドローン『仮名蚉』。
錺 十也:先日から飛ばしていた。調査のために。河路緑郎を探れと。
錺 十也:というあたりで判定を行いたいです。
錺 十也:調査術!
夏祭らむね:感情修正!+1!
錺 十也:河路さんの秘密を調べます。
河路 緑郎:共感で+の感情修正!
錺 十也:ありがとう!
夏祭らむね:丸裸にされたがっている
GM:どうぞ、指定特技を宣言し判定を
河路 緑郎:秘密わかんないままじゃ話しにくいからね……
河路 緑郎:脱ぎはしない
錺 十也:改めまして調査術で。
錺 十也:2D6+2>=5 (判定:調査術) (2D6+2>=5) > 8[3,5]+2 > 10 > 成功
河路 緑郎:ナイス
夏祭らむね:やった~!
錺 十也:よしよし
錺 十也:続けて、【補給】したいです。
GM:忍具潤沢な環境じゃのう
錺 十也:経済力で判定して遁甲符を回復したい。
GM:どうぞどうぞ
河路 緑郎:あっしまった そっちように感情修正残す手もあったか
錺 十也:まあいいよ!
錺 十也:2D6>=5 (判定:経済力) (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
河路 緑郎:成功しての念
河路 緑郎:良かった!
錺 十也:成功するからね
夏祭らむね:やった~!
河路 緑郎:かっこいい
河路 緑郎:私の情報が錺君とらむねちゃんにかな?
錺 十也:のはず!
夏祭らむね:だぜ!
GM:ではお渡し。
河路 緑郎:「それで」
河路 緑郎:「わからないことは、わかったか?」
錺 十也:「……わかった、が」
錺 十也:「あんたにも事情があるってことが」
河路 緑郎:「よし」
錺 十也:「……俺らは」
錺 十也:「少し、似てたんだな」
河路 緑郎:「バカを言うなよ」
河路 緑郎:「お前を俺にする気はねえ」
河路 緑郎:「取引といこうか」
錺 十也:「ああ」
河路 緑郎:ことん、と。卓の上に何かを置く。
河路 緑郎:コインではない。
河路 緑郎:「俺の手持ちだ」
河路 緑郎:というわけで、
河路 緑郎:とりあえず、手持ちの忍具を錺君に渡します。
錺 十也:ほう?
system:[ 河路 緑郎(0) ] 忍具:1 → 0
河路 緑郎:あっ、中身はこの場合も公開かな?錺君にだけ送ります?
GM:公開で
錺 十也:あ、でも、一応こっちまだ受け取るって言ってないからね
河路 緑郎:ああそっか
錺 十也:一応提示はしていただく形で
錺 十也:話は最後に聞くぜ
河路 緑郎:「ひとまず、これをお前に預けたい」
河路 緑郎:「『わからない』からな」
河路 緑郎:「どうなるのか」
錺 十也:「……それは」
錺 十也:「そりゃそうだけど……」
錺 十也:途方に暮れた顔で机の上を見ている。
夏祭らむね:「『青』渡した瞬間にケロちゃんが大爆発して死んじゃったらお金勿体ないもんね!」
河路 緑郎:「これが前払い。それから」
河路 緑郎:「もしお前の目的と、俺の目的に齟齬が起こらないなら」
河路 緑郎:「お前の知っている情報を全部寄越せ」
錺 十也:「大きく出たな……」
河路 緑郎:「俺が邪魔になるなら、絶対に寄越すな」
錺 十也:「そいつは、期限は?」
河路 緑郎:「期限?」
錺 十也:「あれが前払いっつったろ。いつまでに俺はそれを判断すればいい」
河路 緑郎:「ああ。お前の好きなようにすればいい」
河路 緑郎:「信用ならんと思ったなら、絶対に渡すな」
錺 十也:「好きなように、か……」
錺 十也:部品が綺麗に揃った機械。役割に応じて、素直に動く。
錺 十也:そういうものが好きだった。そういうものだと思っていた。でも。
錺 十也:(……足りない。足りないものがある)
夏祭らむね:「ケロちゃんにとっても別にどうでもいいものでもないのに、ずいぶん大盤振る舞いだねぇ~」
"ホテルマン":「アハハ、きみも存外に"ギャンブラー"だね」
河路 緑郎:「……ギャンブル?」
河路 緑郎:「よく分からないことを言うな」
河路 緑郎:「負けのない勝負だろう」
"ホテルマン":「これは失礼、謝るよ」
"ホテルマン":「きみは今や舞台の上、存分に勝ちたまえ」
河路 緑郎:「……ああ、いや、すまない。わかりにくかったな。俺が何を考えているのか」
河路 緑郎:「要するに、邪魔にならないなら」
河路 緑郎:「手を貸させろ、と言っている」
河路 緑郎:「邪魔になるなら潰せとな」
錺 十也:「……俺は」
錺 十也:「おっさんのこと、わりと嫌いじゃないんだよ」
錺 十也:「邪魔になんないといいな」机の上のものを手に取る。
錺 十也:「契約成立」
河路 緑郎:「……そうか」
河路 緑郎:「俺もな」
河路 緑郎:「お前も、お前らも」
河路 緑郎:「嫌いじゃない」
河路 緑郎:青く彩られたコインを置く。
錺 十也:「……邪魔んなったら、全力だからな」
河路 緑郎:「そうしろと言っている」
錺 十也:「"ホテルマン"。時間とらしてすいませんでした。けど」
錺 十也:「対価。最前列のチケット」
錺 十也:手を伸ばす。
錺 十也:「あんたにあげます」
錺 十也:そっと、コインを手にする。
錺 十也:壊れ物のように。震えながら。
GM:プライズ・『青の憂鬱』が河路緑郎の手を離れ、錺十也に渡りました。
GM:これにより両者の秘密にデータが追加されます。
河路 緑郎:はい!
河路 緑郎:頼むぞ……
錺 十也:了解しました
GM:開示された、あらたな真実――それを前に、ふたりは。
河路 緑郎:「………」
河路 緑郎:「かはっ」
錺 十也:「…………」カタカタと、震える手が。
河路 緑郎:「かは、は、は……」
錺 十也:「はは」
錺 十也:「あはははははははは」
錺 十也:手が止まって、ぎゅっとコインを握り締める。
河路 緑郎:「ったく……お前、」
河路 緑郎:「とんでもねえもんを……」
夏祭らむね:「どっちもどっち?」首をかしげている
河路 緑郎:「どっちも……どっちだな」
錺 十也:「俺、俺は……」
錺 十也:「嫌だったんだよな」
錺 十也:「主役とか脇役とかはどうでもよくて」
錺 十也:「自分じゃない役で無理やり舞台に立つ羽目になるのが」
錺 十也:「けど、なんだこれ」笑っている。
"ホテルマン":「ハハハ、明らかになったわけだ」
錺 十也:「……ああ。立会人だっけ」
"ホテルマン":「錺、部品が揃っていて、それを配置することで、そうなるように動く」
"ホテルマン":「できるのならば、やる」
"ホテルマン":「正直ね、おれはあのときまできみという人物を見誤っていたよ」
"ホテルマン":「狂った当事者性だ、まさしく見事」
河路 緑郎:「わかりにくい話だな」
河路 緑郎:「誰に言ってんだか」
河路 緑郎:「ああ、しかしよお」
河路 緑郎:「どうする?”錺十也”」
河路 緑郎:「”河路緑郎”は……決まってるらしいぜ、どうも」
錺 十也:「……どうするも、こうするも」
錺 十也:「出来ることならなんでも、の"カザリ"なんで」
錺 十也:「そうだな」
錺 十也:「飲もっか。"河路"」
錺 十也:「教えてやる。俺が知ってること。対価だ」
河路 緑郎:「下戸だよ、知ってんだろ?」
河路 緑郎:「烏龍茶なら付き合ってやる」
錺 十也:「なんだっていいって」
"ホテルマン":「しかし、しかしね、いくら大切な友のためとはいえ」
"ホテルマン":「外から来たきみが、よくもまあ異街の流儀に適応してのけたものだ」
"ホテルマン":おかしくてしょうがない、というように。
錺 十也:「そんなのは、やり方次第ですよ」
錺 十也:「ちょっといじってやれば、なんだって上手く動くんだ」
錺 十也:「あー、夏祭のアレはごめんな」
夏祭らむね:「しまモンのこと?」
錺 十也:「そ、あいつ」
夏祭らむね:「あれは多分しまモンの意思で楽しんでやってるから大丈夫だよ」
錺 十也:「意思?」
錺 十也:「意思あんの? ロボ?」
夏祭らむね:「あるでしょ!意思くらい!」
錺 十也:「分解……してもわかんないやつだろうな……」
河路 緑郎:「あるさ」
河路 緑郎:「死人にだって、あったらしいからな」
錺 十也:「……多分」
錺 十也:「魂とか、そういうの」
錺 十也:ふっと笑う。
錺 十也:何か、肩の荷が下りたような顔で。
河路 緑郎:「燃え尽きたと思ってたんだがな」
河路 緑郎:自分の胸を拳で叩く。っと、冷え切っていた心臓。
河路 緑郎:「……熱くなっちまったらしいや」
錺 十也:「熱暴走すんなよ」
河路 緑郎:「わかってるよ」
"ホテルマン":「きみたちは、そこに"意味"を見出した」
"ホテルマン":「ならば各々の魂に刻み給えよ、これから成すことを」
錺 十也:「……ああ」
錺 十也:「そうします。"ホテルマン"」
"ホテルマン":「改めて、"異街"へようこそ」
"ホテルマン":「きみたちは、完璧にここの住人へとなった」
"ホテルマン":「ああ、めでたいね」
河路 緑郎:「……なっちまったもんは仕方ねえ」
河路 緑郎:「せいぜい、跳ねてやろうさ」
"ホテルマン":「河路緑郎。きみもね、まさしく主役だよ」
"ホテルマン":「それをもっと自覚するべきだ」
河路 緑郎:「そいつは」
河路 緑郎:「錺十也に言ってくれ」
河路 緑郎:「おれは、河路緑郎だ」
夏祭らむね:「どっちもどっち」
夏祭らむね:「ふたりとも主役でしょ」
錺 十也:「俺は……まあ」
錺 十也:「なんだろな。"俺"ならいいです。なんでも」
錺 十也:「……ま、たまには」
錺 十也:天井を見上げる。
錺 十也:黄色っぽい照明が店を照らしている。
錺 十也:眩しいが、温かい。自分はそれを思い切り浴びていて。
錺 十也:「そういうのもいいんじゃないの」
錺 十也:何せ、ずっと自分が手入れをしていた、とっておきの照明なのだから。
錺 十也:というところで。
錺 十也:河路さんに自分の持っている情報を全てお渡しします。
河路 緑郎:ありがとう!
河路 緑郎:あ、あと
河路 緑郎:ごめん、敵対するときのこと考えて一応渡したんだけど神通丸貸してもらえる……?
錺 十也:んー?
錺 十也:了解!
河路 緑郎:もうこうなったら一蓮托生でしょ
河路 緑郎:忍具なしはこわいの
錺 十也:どうぞどうぞ!
河路 緑郎:ありがとう!
system:[ 河路 緑郎(0) ] 忍具:0 → 1
河路 緑郎:錺君が持ってて私が持ってない情報はなんだったかな
河路 緑郎:ナキ、クテンと
錺 十也:時雨さん、ナキ、クテンかな?
GM:了解了解
GM:お渡ししました、シーンに戻りましょう。
───────
GM:失礼、クテン、ナキの情報が全員に知れ渡ったようなので
GM:公開情報です。
GM:時雨さんも!だ!どんどん空いていくぜ!
時雨の秘密
実はあなたはかつて情に流され忍務を失敗し、落ちぶれた忍びである。
だからこそ、そんなあなたを直々に使命したこのたびの忍務を不可解に思っている。
クテンの秘密
あなたは【異街】へと送り込まれた、外界のエージェントである。
六塔電子の急激な成長について、それを支える竜骨島支社の存在に目をつけた斜歯忍軍は、
【異街】の技術やエネルギーを手に入れるべく、幾人かのエージェントを送り込んだ。
あなたはその一人である。その性向から、外界でも今ひとつうだつの上がらない忍びだったあなたにとって、
この任務は出世への道を切り開く福音でもあった。
幸い密航は成功した。首尾よく磨羯との傭兵契約を結んだあなたは、他の三成力の情報を入手するため、
それら勢力のエージェントが立ち寄るという酒場に出入するようになった。
しかし、あなたはいつしか、この島での暮らしや、酒場で出会った三人との日常に心地よさを感じるようになってしまっている。
あなたの【本当の使命】は異街の技術を奪取し、外の世界へ持ち帰ることである。
また、あなたはこの秘密を公開することで、【本当の使命】を「異街に残り、三人との日常を続ける」に変更できる。
ナキの秘密
あなたは幼き日、双子の姉と同じく親に売られた子供である。
それぞれがバラバラに引き取られたあなた達、姉はどうだか知らないがあなたを待ち受けていたのは地獄にも似た日々であった。
そんなあなたは家族へを恨むことで心を支え、なんとか今日に至るまで生き延びてきた。
あなたは家族への復讐を果たすために己の身体パーツ・記憶の一部すらもオークションへと売り流しちからを得ている。
あなたの本当の【使命】は復讐を果たすことである。あなたはプライズ・『歓喜の黄金』を所持している。
プライズ・『歓喜の黄金』:異街において色を持つコインには特別な意味がある。
それは抜き取られた誰かの【記憶】であり、黄は喜びの色である。
プライズの中身については所持者のみ参照が可能です。
───────
"ホテルマン":『いいのかい?そんなこと』
"ホテルマン":『まるで意味などないように思えるだろうに、外からきた君たちの目から見ると、だ』
"ホテルマン":『何せ、外部から観測する分には、何も変わらないわけだからな』
"ホテルマン":『きみたちの、自認においても、だ』
"ホテルマン":『何も、"変わらない"』
"ホテルマン":『だが、こと異街おいてはそうではない、という考えがある』
"ホテルマン":『すべてが交換可能である、そうは言われるが』
"ホテルマン":『個人の価値の根、きみたちの観念で言うと魂か』
"ホテルマン":『それだけは交換できない』
"ホテルマン":『だから、これは価値ある行為なのだ』
"ホテルマン":『よかろう、この"ホテルマン"、立会人として見届けようじゃないか』
"ホテルマン":『望むことを、望むままに』
"ホテルマン":『きみたちの舞台を、踊るがいいさ』
───────
サイクル2 時雨
GM:それでは次のシーンへ参りましょう。
GM:それではPC1の登場です!
時雨:はいさい!
時雨:シーン表は異街。畔戸さんとらむねちゃん、あとクユちゃんを登場希望
GM:了解!振りな!!
夏祭らむね:出!
畔戸笑理:出ます!
時雨:2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5
GM:5.狂楽区を訪れる。ここは娯楽には事欠かない、さあ何をしようか。
GM:振り直す!?
時雨:なんかいいの出るかもしれないし降りなおしてみましょう
時雨:2d6 (2D6) > 4[1,3] > 4
GM:4.工業区を訪れる。六塔電子のプラントが並ぶ合間を抜けるあなたの目的は単なる散策?あるいはスパイ忍務だろうか。
GM:というけで工場地帯です。
GM:導入はこちらでやります?
時雨:そうですね~ お願いします
GM:どういう感じで集まるんでしょう
時雨:プラントか……
時雨:最初に畔戸さんに呼ばれたところにまた集まろうかなあ
時雨:四人組のわからないからその相談かな
───────
GM:時雨は訪れていた。
GM:六塔電子管轄、工業区。工場の群れ、血管のように伸びる配管を掻い潜り、かつてと同じ待ち合わせ。
GM:果たして、今度は待つもの待たせるものが入れ替わり。
クユ:「……」
クユ:道中で買ってもらった串焼きを、じっと眺めている。
夏祭らむね:「りゅーのっ、しんぞーっ」
夏祭らむね:「いっぱいたーべて、おおきくーなーるー」
時雨:「食べていいですよ──おや、この声は」
畔戸笑理:「た、食べ物ではない……と思いますが……」断言はできないのが恐ろしいところである。
夏祭らむね:工場たちの群れに似合わない、のんきな歌を歌いながら、女性と共に少女がスキップで近寄ってくる。
畔戸笑理:いつもの様子、いつもの制服で歩いてくる。
クユ:もそもそと口に放り込み
夏祭らむね:「おまたせー!クユがもってるの竜の心臓?」手をぶんぶんふる。
クユ:飲み込む、噛んだ様子がない。
クユ:「……そうなのですか?」時雨に対して
時雨:「そうだったら畔戸さんとの約定違反になってしまいますね」
畔戸笑理:呼び出された場所と、元に戻った様子のらむねには、少し気にする視線を向けつつ。
時雨:「鶏肉だったと思いますよ、多分」
クユ:「ふむ」
夏祭らむね:「ああー、竜って飛ぶから。鶏肉だったんだ」
クユ:「これは、鶏肉です、多分」
クユ:「竜は……鶏肉」
時雨:「そうかもしれませんね」微笑む。頭をなでる。
時雨:「さて、お集まりいただいたのは、他でもありません」
畔戸笑理:いつもの俯き加減で出方を窺う。
時雨:「ナキさんと、錺さん、クテンさん。三人の動きはとても、怪しかったですね」
畔戸笑理:「……怪しい」
時雨:「私は──マスターの依頼をかなえたいと思っているんですよ、本当に」
クユ:「ナキと……錺と……クテンは……怪しい」
クユ:なにやら復唱している。
夏祭らむね:「『怪しい人間は、みなごろし』」クユに囁いている。
クユ:「怪しい人間は、みなごろし」
時雨:「それはクユさんにはちょっと早いです」たしなめる。
クユ:「クユにはちょっと早い」
畔戸笑理:(早さの問題……?)
時雨:「ここで改めて、協力関係を結ぼうと思いまして。青の逆月亭の環境を守ろう作戦です」
夏祭らむね:「うおーっ!環境保護活動!」
畔戸笑理:「それは、願ってもない話ですが」
夏祭らむね:「店の酒全部抜く!」
畔戸笑理:「どうしてまた」クユに目をやる。
時雨:「──私のことは、もう聞いているかと存じます」
時雨:「私は、死を求めてきました。死の間際にこそ、人の命が──人生が集約されると信じて」
畔戸笑理:「……」
時雨:「いくつもの終わりを看取るためだけに、日々を生きて。ついには異街に流れ着いてしまいました」
夏祭らむね:ビー玉のような緑色の目でじっと見つめている。
時雨:「そうですね。説明するのが難しいのですが──だからこそ私は、”あるべき終わり”というものが、見たいのです」
夏祭らむね:「クユは死なないけど、それってなんかめっちゃすごいからっていうより」
夏祭らむね:「『よくわかってないから死なない』みたいなかんじなんだっけ」
クユ:「??」
時雨:「さあ──クユさんのことは、どうにも」
クユ:「クユ……」
クユ:「クユは、時雨のために死ぬべきですか?」
クユ:「時雨はそれが見たい?」
時雨:「少し、違います。私のために生きてください」
クユ:「……よくわからない」
クユ:「時雨、死がみたい、違う?」
時雨:「ええ。どんな死でもいいというわけではないのです。贅沢ですが」
クユ:「望む形で、死んで欲しい」
夏祭らむね:「あっ、わかった!」
クユ:「それは、やっぱりクユに死んで欲しいということでは?」
夏祭らむね:「俺と同じ墓に入ってくれってやつだ!」
時雨:「ふふ。とりあえず、今は生きていてほしいんですよ」
畔戸笑理:「……。外部から余計な手を加えられずに生を全うした死、ということですか」
時雨:「墓までかは、わかりませんが。まずはこの一週間」
時雨:「──余計な手を加えられても、死ぬべき時に得られた死こそが、意味のあるものだと、思っています」
クユ:「クユはどうしても、生きてしまうから、それは簡単だと思います」
クユ:「死ぬべき時、とは」
クユ:「わからない、それは誰が決めるのですか」
クユ:「意味、も」
クユ:「それは、誰が……決めるものなのですか」
時雨:「私にも、その答えがわからなくて」
時雨:「だからこうして、今も追いかけています」微笑む。
時雨:「さて、話を元に戻しましょう」
夏祭らむね:(情に流されて……忍務を失敗)
畔戸笑理:「少し……理解が難しそうですが。ええ」
時雨:「青の逆月亭の四人の終わるべき時は、今ではない」
夏祭らむね:(死の意味を……探している)
夏祭らむね:「へえ~、そうなんだ」考えを一切表に出さず、へーっと声を出す。
時雨:「私たちで守りましょう──いわば、赤の採掘場の四人、ですね」
夏祭らむね:「えーーーーっ!!」
夏祭らむね:「赤の採掘場の四人……」
夏祭らむね:「めっちゃかっこいい~~!!」
時雨:「結成です。乗ってくれますか?」
夏祭らむね:「ど~しよっかな~」
畔戸笑理:「……何か気がかりが?」らむねちゃんに。
夏祭らむね:「ん~……」
夏祭らむね:「みんなの大事なものがあって」
夏祭らむね:「それをあきらめてでもずっと四人でいるっていうのは、らむねが決めていいことなのかな~」
畔戸笑理:目を瞬かせる。
畔戸笑理:「……ちゃんと考えてくれているんですね」思ったより。
時雨:「なるほど。確かに」
クユ:「……大事なもの」
クユ:「闘技場では、ひとがたくさん死にます」
クユ:ぽつりぽつりと、語りだす。
クユ:「命を賭けると、よく、耳にします」
クユ:「誇りのために、と」
クユ:「つまりそれが大事なもので、意味で」
クユ:「死ぬべき時?」
クユ:「死ぬべきときならば、時雨はそっちの方を守るべきなのでは?」
時雨:「それもそうかもしれませんね」
時雨:「それでも、本当に終わるべき時で、大事なもののための死であったら」
時雨:「私のような並の人間が邪魔をした程度では、きっと揺らぎませんよ」
クユ:「……」
時雨:「だから、精一杯邪魔をしようと思います」
クユ:「誇りのために死ぬと、言っていたひとが」
クユ:「斬られて、お腹の中身がこぼれ出て」
クユ:「だいじなものが、どんどん流れていってしまうとき」
クユ:「『やっぱり死にたくない』、と」
クユ:「そういうものを、何度も見ています」
クユ:「生きたくても、死にたくなくても」
畔戸笑理:「…………」
クユ:「死ぬべきときならば、死ぬべき?」
クユ:「大事なもののための死であったら」
クユ:「やっぱり、死ぬべき?」
クユ:確認するように、重ねるように。
時雨:「私は、そうだと思っています」
クユ:「じゃあ、大事なものがあったなら」
クユ:「時雨が、エリが、らむねが」
クユ:「どれだけ生きていてほしくても、がんばっても」
クユ:「きっと揺らがないから、死ぬから」
クユ:「全部無駄?」
時雨:「私は、きっとそうなってしまうのでしょうね」
時雨:「何も残すことはできない。全てが無駄になってしまう」
畔戸笑理:「でも」
時雨:「でも、それはあくまで私の、死、ですから」
畔戸笑理:「自分にとって何が大事かなんて、本当に把握している人なんか、きっとそうは居ない」
時雨:「畔戸さんも、夏祭さんも。もちろんクユさんがそれに倣うことも、ありません」
畔戸笑理:「……と、思い、ます」
クユ:「死にたくなかった人は……誇りは、本当に大事なものじゃあ無かった?」
クユ:今度は笑理に、
クユ:「クユには何も、わからないので」
クユ:「誰かの考えを、とりあえずもらってみようと思いました」
畔戸笑理:「あ……その」口を挟んだことに決まり悪げにしながら。
クユ:「何でももらってみるといいと、言われましたので」
畔戸笑理:「私は……そうであるとも、ないとも言える……と思う」
畔戸笑理:「今の、闘技場の喩えで言えば」
畔戸笑理:「苦痛にもがいている時のその人にとっては、誇りなどどうでもよくなっていたんでしょう」
畔戸笑理:「でも、もし首を斬り飛ばされて、苦しむ間もなく死んだとすれば」
畔戸笑理:「その人は誇りのために戦い、誇りのために死んだことになる」
クユ:「……ふうむ」
畔戸笑理:「……どちらも真実じゃないでしょうか」
クユ:「ナキにとって、笑理の死は意味があることのようです」
クユ:「つまり、それをどうでもよくしてしまおうと」
クユ:「それならば、クユは理解できます」
夏祭らむね:「大事なものは変わるってことね」
畔戸笑理:頷く。「あの子にも揺らぎがあると思いたい」
夏祭らむね:「『青の逆月亭の四人』が、時雨みたいに」
夏祭らむね:「らむねたちが何言っても、揺るがないから、大事だから死っていうんだったら」
夏祭らむね:「らむねたちが……『赤の採掘場の四人』が何を言っても、大事なものの方を大事にして」
夏祭らむね:「『青の逆月亭の四人』は、終わりになっちゃうね」
夏祭らむね:「でも、時雨は嫌なんでしょ?」
夏祭らむね:「じゃあ時雨も『揺るがないから何も残さないで死』も間違いってこと」
夏祭らむね:「らむねは、全人類がらむねを一番大事にするべきだと思うから」
夏祭らむね:「そうじゃない人間が何考えてるのかわかんないし、間違いだと思う」
夏祭らむね:「だから、『青の逆月亭の四人』もみんな、間違ってるから」
夏祭らむね:「ちゃんとらむねが一番大事になるようにしようってことね」
畔戸笑理:「ふふっ」
畔戸笑理:思わず笑って、少女の頭を撫でる。
時雨:「ううん、いい作戦だと思ったんですけどね」
時雨:「夏祭さんの意見の方が、正しいようです。残念ですが」
クユ:「……作戦、諦めるのです?」
夏祭らむね:「んぅん?らむねはやる気になったところなのだよ?」
クユ:「ナキを捕まえて、苦痛を与えればいいのでしょう?」
畔戸笑理:「それは……ううん」
畔戸笑理:「結果的には、そうなるかもしれませんが。別の方法も試しておきたい」
クユ:「そうなんだ」
畔戸笑理:「……妹ですからね。そうだなんて全然、知りませんでしたけど」
時雨:「『赤の採掘場の四人』は、夏祭さんに預けます」
夏祭らむね:「四人じゃないのに『四人』を預けられるの!?」
時雨:「はい。重いかもしれませんが、よろしくお願いしますね」
畔戸笑理:「元気ならむねちゃんも、しおらしいらむねちゃんも、どちらも可愛らしいですが」
畔戸笑理:「まっすぐな姿を見せてもらえると、何だか私も自信が湧いてきてしまいます」
畔戸笑理:「よろしくお願いします。リーダー」
時雨:「夏祭さんが一番になれる方が、きっといいでしょうから」
夏祭らむね:「ん-……四人じゃないのに四人はどうかなぁ……」
夏祭らむね:「時雨はそんなにもこわいの?」
時雨:「怖い、とは?」
夏祭らむね:「自分の大事が変わるのがこわいんじゃないの?」
夏祭らむね:「だから、自分の話になったら、やっぱちがうね~ってなったんじゃないの?」
時雨:「──私はずっと、自分の大事なものは」
時雨:「良い生き様と、あるべき死。そこに置いているつもりでした、が──」
時雨:「そうかもしれません。自分の価値を定められていないから、揺らいでいるのかも」
時雨:かぶりを振る。
夏祭らむね:「じゃあ『青の逆月亭の四人』もそうなのかもしれないし」
夏祭らむね:「別に時雨がやめるひつよーないでしょ、『赤の採掘場の四人』を」
時雨:「──」
畔戸笑理:(……これは、本当に、侮っていたかも)
クユ:「つまり、らむねも」
クユ:「ナキも、揺らいでいるのかも知れないから」
クユ:「やったほうが良いだろうと」
クユ:「そう言いたい?笑理と同じように」
夏祭らむね:「そうなのかも!」
クユ:「じゃあ、やってみては?」
クユ:時雨に。
時雨:「──おそらく私は、ずっと揺らぐのでしょうね」
時雨:「あまり自分がしっかりしていないものですから。申し訳ありません」
時雨:「ですが、夏祭さんの言葉に乗ってよければ」
時雨:「どうぞ『赤の採掘場の四人』の末席に加えてください」
夏祭らむね:「うむ!ゆるしてやろうぞ」
時雨:「ありがとうございます、では──」
時雨:「やはりあなたの大事なものが、気になりますね。リーダー」
時雨:ざあざあ、という音ともに、姿が変わる。意志を奪う無臭の香が──しかし、それを知っているであろう──流れる。
時雨:《香術》で夏祭さんの秘密に対して情報判定をします。
GM:どうぞ、振り給え!
時雨:ここに奥義『無明無香無欠傀儡』を使用。
時雨:夏祭さんは奥義情報を取得しているので、秘密を抜かれるのがいやでしたら、どうぞ奥義破りを
夏祭らむね:しないよ!
畔戸笑理:こちらもしません
時雨:しないんだ……
時雨:では夏祭さんの秘密を獲得。畔戸さんに感情共有
GM:では成功です。
時雨:このまま……やりましょうか。
時雨:判定に成功したタイミングで【流転】を使用します。
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
夏祭らむね:流れなかった………………
時雨:あらまあ
GM:流れず
時雨:神通丸、使っちゃおう! こんな時のために持ってきたぞい
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
時雨:あらまあ
河路 緑郎:まじかあ
夏祭らむね:な、流れず
畔戸笑理:あらら
GM:再び流れず
時雨:神通丸、使っちゃおう! こんな時のために二個持ってきたぞい
畔戸笑理:そんなに!?
夏祭らむね:準備がいい!
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
GM:流れた
夏祭らむね:ついに……
時雨:やった~流れた 奥義を元々の『追悼世界甘瓦』に変更します
時雨:そしてそこから、【闇神楽】を展開だ
時雨:判定に成功してくれ~~
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
夏祭らむね:やった!!
GM:ん、自分の奥義情報って持ってる扱いで良いのかな
時雨:あれ、自分の他の人に奥義情報って渡すこととかもできるので
時雨:普通に持ってるもんだとばかり……
夏祭らむね:前雑談で『持ってる扱いでいいはず』といってそのまま流れてましたね
GM:他人の、とは指定されてないんだよな。
GM:じゃあこれはオッケーで良いのか。
GM:オッケーで行きましょう。
時雨:イエ~イ
時雨:【闇神楽】に成功したので、情報判定!
河路 緑郎:あっ、時雨さん
河路 緑郎:生命力消費しました?
時雨:あ、失礼。忍術を消費します
system:[ 時雨(0) ] 忍:1 → 0
時雨:同じ奥義を使うことで精神が同調し、心の機微が伝わってくる……《憑依術》で判定します!
時雨:畔戸さんは感情修正をくれるかな?かな?
GM:振りなァ!!
畔戸笑理:あたしの秘密なんか抜かなくていいよ~ッ
畔戸笑理:修正もしない!
時雨:これは残念
時雨:素振りします
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功
畔戸笑理:くっ……
GM:成功です。
夏祭らむね:お、成功!
GM:それではお渡ししましょう。
夏祭らむね:時雨さん兵糧丸あげるから笑理ちゃんの情報くれない?
時雨:う~ん兵糧丸はなくてもいいですね
夏祭らむね:タダでくれるのかとおもったらそれじゃあげられないってことか……
時雨:別にタダであげないとは言ってない
夏祭らむね:エエ~ッ!
時雨:畔戸さんの秘密を夏祭さんに受け渡しますね
夏祭らむね:やった~~~!!!
夏祭らむね:ありがとうございます!
時雨:いえいえ
畔戸笑理:生命点を削ってまで乙女の秘密を暴く野蛮人(やばんちゅ)どもめ……
GM:憧れは止められねんだ
夏祭らむね:感情共有で錺さんにも笑理ちゃんの秘密がいきますね
時雨:まあ神通丸二個も使ってるから
GM:じゃあ受け渡すでいいのですね
時雨:はい、お願いします。
GM:了解です。
時雨:賊の仲間入りだな
時雨:確認しました。
時雨:さらっといってシーン〆ます
時雨:細い指で夏祭さんの唇に触れる。
時雨:嗅いだことのある、香りに──あるいは香りが無いことに、気づくだろう。
夏祭らむね:「……」身体がこわばる。
時雨:「──」指が顎を伝い、首を撫でる。
時雨:鎖骨にかかるようにして留まったとき、少女の緊張は内心を悟るに十分な情報として集まっていた。
時雨:「知っているでしょう。抵抗、しないんですね」囁く。
夏祭らむね:「…………よく…………わからなく、なってきた」
夏祭らむね:それに、どうしてか――この香りのない香りには、抵抗できない。
時雨:「──私たちの、リーダーなんですから」
時雨:「さあ、ちゃんと目を開いて。負けてはいけません」優しく声をかける。
夏祭らむね:「う…………ん…………」ぼんやりした目で頷く。
時雨:「良い子」
時雨:浮かべた笑顔は、曖昧な瞳で見ると、すぐ近くにいる、別の女性にも似ていて。
時雨:「ご褒美に、”私”の秘密を、お伝えします」
夏祭らむね:「……笑、理……?」
時雨:だから、”それ”を知っているのは当然なのだ。
時雨:「──」耳元で囁かれた言葉は、ノイズのようであったが、意味を成している。彼女の中で。
時雨:そしてその意味が、怪人時雨の、姿になる。
時雨:「──さて、結成もできたこと、ですし。次はどうしましょうか」
時雨:体をぱっと離す。畔戸さんに向き直る。
時雨:「青の逆月亭に、戦線布告でしょうか?」
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:顔を赤く染めている。肉体の機序によらない、羞恥によるそれは、おそらく初めて見せる姿だ。
畔戸笑理:「……あなた、今」
畔戸笑理:「いえ……ええ。本当に。やっぱり並の人間なんかじゃない、怪人だとの思いを新たにしましたが」
畔戸笑理:「揺らいでいるという点では、私も同じです」
時雨://ざあざあ//「そうですか?」
クユ:「時雨は、怪人」
時雨:何かをごまかしているつもりなのか、姿を変える。
畔戸笑理:「ずっと、死なないように、なるべく安全なようにと生きてきて」
畔戸笑理:「なのに、あの時は自分の命なんか、まるで惜しくなくなって」
畔戸笑理:「……時間が経つと、やっぱり少し怖くなっている」
畔戸笑理:「でも今は、それが希望でもあります」
畔戸笑理:ぎこちなく微笑む。
時雨:「それは、いい」目を細める。
畔戸笑理:「妹にも、それがあると信じたい」
畔戸笑理:「だからどうか、手を貸してください」
時雨:「ええ。『赤の採掘場の四人』は、それがどれほど──例えば竜の心臓のように──うたかたの夢であっても」
時雨:「追い求めますよ。そのための、同盟なのですから」
時雨:「夏祭さん、クユさんも。いいですね」
夏祭らむね:「ん…………」まだぼんやりとした目をしていたが、頭を振り。
夏祭らむね:「うむ!リーダーのもと、きりきり働くのだよっ!」元気に笑う。
畔戸笑理:嘆息。「……たまに錺さんが向けてくる、生暖かい視線の意味が分かった気がします」
クユ:「?」
クユ:「わからない……けどとりあえず、もらってみる」
時雨:「ええ。それがあなたにとって、まただいじなものを、測る物差しになるでしょう」
時雨:「楽しみです。行きましょうか」
時雨:暗闇の、無機な採掘場から。
時雨:青白く、狂気的な月の街へ。
時雨:再度、帰っていく。
GM:かくして、工業区のはずれ誰の目も届かぬ小さな一角で、同盟が成った。
GM:その新たな関係が、困難を揺るがすことができるのか、
GM:まもなく知れることになるだろう。
───────
サイクル2 河路
GM:それでは次のシーンになります、サイクル2最後の刺客!さあきたまえ!!
河路 緑郎:俺の出番のようだな
河路 緑郎:えー、それじゃあ
GM:きみの出番だ、高らかにいつもの3つを宣言してください
河路 緑郎:異街シーン表で
河路 緑郎:ご一緒希望は……
河路 緑郎:多くなっちゃうけどPCみんな来てもらえる?
畔戸笑理:出!
夏祭らむね:でるよ~!
河路 緑郎:いよいよ状況煮詰まってきたし……
錺 十也:しょうがねえなー
時雨:出ます~
河路 緑郎:クテン君にも来てほしいな
"クテン":出るか
河路 緑郎:クユちゃんにも来てほしいけど大丈夫ですか?
河路 緑郎:ちょっと人数多くて大変になっちゃうのは申し訳ないんですが
GM:おっけー
河路 緑郎:ありがたい
河路 緑郎:ではシーン表かな
河路 緑郎:2d6 (2D6) > 8[2,6] > 8
河路 緑郎:なぜ?
河路 緑郎:やめてくれ……やめて……
河路 緑郎:覚えてるよこの出目!
夏祭らむね:スラムの時間だああああ
サブGM:スラムの申し子
河路 緑郎:本来全然悪くない出目なのになんでこのタイミングでだけ出るのよ!
錺 十也:oh……
河路 緑郎:情報で出て
GM:ふふ
時雨:かわいそう
GM:8.暗黒街へ足を踏み入れてしまった、追い剥ぎがあなたを狙う!あなたの得意分野を選びランダムで決定した特技で対抗、失敗すると生命点を1減少させる。
GM:縁がありますね暗黒街に
GM:ザ・サムトーダイス
河路 緑郎:望んでない……
GM:じゃあ、やっていきましょう。
───────
GM:河路緑郎は足早に、暗黒街を行く。
GM:楽しい場所ではない、愉快な記憶もない。
GM:しかし、このままでは待ち合わせの時間に遅れてしまう!
GM:ここを抜けるしか無いのである!
河路 緑郎:寝坊してんじゃないよ!
河路 緑郎:「……」
河路 緑郎:「どーも、やな予感……」
"同意なき医師団":「献血に、ご協力ください……」
"同意なき医師団":ぬらりと、物陰から現れる!
"同意なき医師団":ボロ布と見分けの付かない白衣をまとった怪しい集団だ!
河路 緑郎:「悪いけど急いでるんだわ」
河路 緑郎:「またの機会にしてくんないかね」
"同意なき医師団":「そんな事言わずに……」
"同意なき医師団":「ここにサインを、あ、拇印でもいいですよ……」
"同意なき医師団":「ドクター、じゃあ指さえあれば良いってことでは」
"同意なき医師団":「それもそうですね」
河路 緑郎:「そうですねじゃねえ」
"同意なき医師団":「メス」
"同意なき医師団":(スッ、と差し出す、大鉈を)
"同意なき医師団":「ではこれよりオペを始めます、患者は通行人、患部は親指……」
河路 緑郎:「もう二度と通らねえわこのへん」
"同意なき医師団":というわけで、特技分野を指定ください
河路 緑郎:忍術を指定しますが
河路 緑郎:感情修正って受けられます?
"同意なき医師団":同シーンに出ている判定ですので、可としましょう
河路 緑郎:助かる……
錺 十也:では、感情修正投げます。+1ー
"同意なき医師団":それでは……
"同意なき医師団":2d6 (2D6) > 9[4,5] > 9
河路 緑郎:香術かな
"同意なき医師団":香術です、はい
河路 緑郎:隠蔽術で代用判定
河路 緑郎:修正もらって+1、ありがとう……
河路 緑郎:2d6+1>=7 判定:隠蔽術 (2D6+1>=7) > 2[1,1]+1 > 3 > ファンブル
河路 緑郎:もうやだ……
錺 十也:と、遁甲符いる?
時雨:ええ……
夏祭らむね:ファンファン
河路 緑郎:お、お願い
"同意なき医師団":んふふ
時雨:遁甲符も投げられるんですか?
錺 十也:いけるなら使います。遁甲符!
GM:いけます
河路 緑郎:ごめんよー、ありがとう……
錺 十也:0個になりました
河路 緑郎:2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 10[4,6]+1 > 11 > 成功
錺 十也:やったー!
河路 緑郎:なんとか助かった……
畔戸笑理:良かった……
夏祭らむね:よかった~!
錺 十也:あとで奢れ
河路 緑郎:おごるわ……
時雨:よかよか
GM:成功!なんとかお医者さんたちを退けました。
GM:それでは……。
───────
"同意なき医師団":「シャーーー!血をヨコセーーー!!!」
"同意なき医師団":「炸裂麻酔弾、投下!!」
"同意なき医師団":「メーデー!」
河路 緑郎:「……おっ」
"同意なき医師団":破裂音と共にモワモワとどす黒い煙が立ち込める。
"同意なき医師団":決して嗅いではいけないそれがあなたの飲み込んで!
"同意なき医師団":「ケーシャシャシャ、ご協力感謝シマァーーー!!」
河路 緑郎:煙の晴れたその場所には、何も居ない。
"同意なき医師団":「れ、れれ??」
河路 緑郎:「悪いな、幻だわ」
河路 緑郎:ヤブ医者たちの首が絞まる。
"同意なき医師団":「げ、幻覚!?」
"同意なき医師団":「今すぐカウンセリンんぐっ!!」
"同意なき医師団":ぐったり。
"同意なき医師団":「ドクターがやられた!!」
"同意なき医師団":「わーーー!!」
"同意なき医師団":「医療崩壊だーーー!!」
"同意なき医師団":散り散りに逃げていく。
河路 緑郎:「ま、俺が偉そうに言うことじゃないんだが」
河路 緑郎:ちらりと上を見上げる。”何か”が飛んでいる。
河路 緑郎:「迎えに来てもらって悪いね、助かったわ」
河路 緑郎:「ついでに案内も頼む」
河路 緑郎:絡繰じかけの”それ”を操る者へと、感謝のついでに注文。
河路 緑郎:先導されて歩き出す。
───────
GM:そうして、待ち合わせの……
GM:どこかしら?
河路 緑郎:では忍民で
GM:あなたは指定された居酒屋の暖簾をくぐる。
GM:秘匿居酒屋忍民!
GM:その系列店、『妖狼乃滝』。
GM:コンセプトに従い、狼の耳と尻尾をつけた店員たちが店を慌ただしく駆け回ってる。
草原コヨリ:「しゃっせー」
河路 緑郎:「お前かーい」
河路 緑郎:「なんだ、バイト中か?」
草原コヨリ:「やー、ウチの耳自前でいけっからさー、スカウトされちまって?☆」
草原コヨリ:「お連れ様お待ちでーす」
GM:座敷に通される。
GM:きみは、最後のひとりのようだ。
GM:既にテーブルにはいくつかの皿が。
草原コヨリ:「ごゆっくり~~」
河路 緑郎:「悪いな、遅れた。ちょっと絡まれてよ」
河路 緑郎:「絡まれ体質らしいねどうも。今後気をつけるわ」
夏祭らむね:「いっぱい来るんだったらボトルキープすればよかった!」
錺 十也:「おー。向かえ出して良かったわ」
錺 十也:ドローンがぶんと音を立てて主人の下に戻る。
夏祭らむね:飛び回る揚げた芋を箸で捕まえている。
河路 緑郎:「あー、だいぶ助かった。また迷いそうだったんでな」
錺 十也:唐揚げをむぎむぎと食べている。
"クテン":「あのイカレ医者どもに絡まれてるって聞いた日にゃ何やってんのかと思ったが」
時雨:「お疲れ様です。気を付けてどうにかなるといいですが」
河路 緑郎:「まったくだ、どうにかなってほしいね」
畔戸笑理:「ランク入りを目指されては? エージェントの」
畔戸笑理:「名が売れれば絡まれることは減りますよ……無くなりはしませんけれど」
時雨:「まあ、立ち話もなんです。ともかく、どうぞ」
河路 緑郎:「おう」
河路 緑郎:どさりと胡座をかいて座る
クユ:「(バリバリと音を立てピスタチオを殻ごとかじっている)」
時雨:「クユさん殻は剝きましょうね」剥いたものを渡す。
クユ:「もらっておく」(もらう)
夏祭らむね:「あっ、クユってなんでももらうでしょ?じゃあらむねが枝豆の中身食べるから、外あげるね」
錺 十也:「ゴミ捨てにすんな」
河路 緑郎:「……そっちの調子はどうだ?」
河路 緑郎:クユの様子を見て、時雨に問いかける。
時雨:「なかなかどうして。言葉にするのは難しいですよ」
夏祭らむね:「環境保護活動!」
河路 緑郎:「環境……?」
クユ:「(枝豆の皮をもりもりと飲み込んでいく)」
錺 十也:「あーあー、それはぺっしなさい」クユに。
錺 十也:「こっちのとか食っとけ」軟骨揚げを差し出す。
時雨:「ええ、環境保護はしようと、皆で決意はしました」
河路 緑郎:「ボランティアの中で情緒を育む……」
河路 緑郎:「なんて話じゃねえわな」
河路 緑郎:「逆月亭の話か」
時雨:「ふふ、目下暗躍中です」
河路 緑郎:「なるほど。さっきの様子だと、お前と夏祭にクユに……」
河路 緑郎:「……畔戸、クテン」
河路 緑郎:「お前らは?」
河路 緑郎:「付き合う気はあるか、”環境保護”」
"クテン":「環境保護、ねェ」
錺 十也:「…………」もぐもぐしながらじっと様子を見ている。
畔戸笑理:「……私は、既に一員です」
畔戸笑理:串から外し終えた焼き鳥を箸でつまみながら。
夏祭らむね:「『赤の採掘場の四人』だからね~」
河路 緑郎:「……そか」
錺 十也:それを聞いて、ふと表情を緩ませる。
時雨:「はい。環境保護団体です」クユさんの頭を撫でる。
"クテン":「………」握っていたジョッキを置き、暫し考えに沈む。
河路 緑郎:「錺」
錺 十也:「ん」ごくりと飲み込み、水を飲む。
河路 緑郎:「全部話すぞ。いいな?」
錺 十也:「そのために来たんだろ」
錺 十也:「俺はとっくに覚悟は決まってる。ずっと前から」
錺 十也:言いながら、少し唇を噛む。
河路 緑郎:「……だな」
河路 緑郎:「(怯えてんのは、俺の方か)」
河路 緑郎:クテンを、笑理を見て、わずかに笑う。
河路 緑郎:「今から」
河路 緑郎:「俺と錺の事情を話す」
河路 緑郎:「その上で、協力したいことと」
河路 緑郎:「協力してほしいことがある」
夏祭らむね:「うむ、いってみたまえよ」
河路 緑郎:「無駄に偉そうだな、お前……」
河路 緑郎:「楽になったよ。ありがとな」
河路 緑郎:時雨さんに錺君の秘密を渡します。
河路 緑郎:私の秘密を持ってないのは
河路 緑郎:時雨さんと笑理さんかな?
河路 緑郎:あ、持ってないならクテン君にも渡します
河路 緑郎:あ、自分の秘密は渡せないので
時雨:そうですね!
河路 緑郎:錺君にわたすようお願いする形で
錺 十也:オッケー
河路 緑郎:妙な話だけどね、自分の秘密
錺 十也:時雨さんとエリさん、持ってないならクテンに河路さんの秘密を渡します、かな
河路 緑郎:というわけで、私と錺君の秘密は公開情報になるはずです
GM:了解です。
時雨:わ~い! いただきマウンテン
河路 緑郎の秘密
あなたはプライズ・『青の憂鬱』を所持している、これを肌身離さず所持し続けることがあなたに課せられた忍務の内容である。
あなたはこれを他人に譲渡することもできるがその場合、現在の忍務は達成不可能になり別のものへと変化してしまうだろう。
プライズ・『青の憂鬱』
異街において色を持つコインには特別な意味がある。それは抜き取られた誰かの【記憶】であり、青は哀しみの色である。
プライズの中身については所持者のみ参照が可能です。
錺十也の秘密
あなたは逆月亭に集う仲間をとても大切に思っている。
皆を守るためならばどんなことでもしてやれる、そう思うほどに。あなたの【本当の使命】は皆を守ることである。
しかしその一方であなたにはとある確信がある、自分の【本当の使命】はそうではないはずだ。あなたには欠落がある。
「それを埋めたいならば、【青色】を探しなよ」、あなたの雇い主である「ホテルマン」はそうささやく。
GM:続いて、追加された秘密のデータです。
河路緑郎の秘密②
あなたは思い出す、あなたのかつての名前は錺十也。あなたは我が子の助けになりたいと願う河路緑郎を前にとある契約を結んだ。
既に河路緑郎へと目を付けていた『ショベル・マン』の目を欺き彼の子をいちばん近くで助ける方法……
あなたが提案したのは錺十也と河路緑郎の存在、その交換であった。しかし、かつてがどうであれ今のあなたは河路緑郎だ。
コインの記憶はあくまであなたのもの。あなたの【本当の使命】は変わりはしない、
コインに記されていた【本当の使命】のために今のあなたはここにいるのだ。
錺十也の秘密②
あなたは思い出す、あなたのかつての名前は河路緑郎。
あなたは我が子の助けになりたいと願い、錺十也の助けを得てここにいる。
既にあなたへと目を付けていた『ショベル・マン』の目を欺き我が子をいちばん近くで助ける方法……
錺十也が提案したのは錺十也と河路緑郎の存在、その交換であった。
しかし、かつてがどうであれ今のあなたは錺十也だ、欠落が埋まれどあなたの【本当の使命】は変わりはしなかった。
また、このコインはあるべきものの手に帰るのが良いだろう、あなたはそう考える。
───────
河路 緑郎:「……と」
河路 緑郎:「俺たちが”思い出した”のは、そういうことだ」
錺 十也:「そゆこと」短く。
錺 十也:「言うてまあ、正直何が変わるでもないんだけどさ」
錺 十也:「ほら。こう、糸と鎖があって」手を出す。
錺 十也:「首飾りを作るために、ビーズを通す。糸と鎖は見えなくなる」
錺 十也:「これが錺十也と河路緑郎として」
錺 十也:「ビーズを全部交換しても、外からはわかんない」
錺 十也:「首飾りのメインはビーズの方だよな。だから俺は自分を錺十也だと思ってる」
錺 十也:「でも、あるんだよ。俺ん中に、河路緑郎の糸が」
錺 十也:「それだけ」
草原コヨリ:「へぇ~~、おっどろきぃ~~~」
草原コヨリ:いつのまにか、追加注文の皿をかかえて、中身を勝手にムシャつきながら。
夏祭らむね:「食べてるし!」
錺 十也:「……何やってんの、あんた」
河路 緑郎:「お前はなんでさらっと聞いてんだ……」
"クテン":「だから言っただろ、コイツらもバカだってよ」呆れたような顔
河路 緑郎:「知ってたのか、お前……」
河路 緑郎:「ああ、あのとき酒場で言ってたのはそういうことか」
"クテン":「知ってたっつゥか、調べたんだよ。……ナキのヤツの話に関連してな」
河路 緑郎:「……ナキに関連して、か」
草原コヨリ:「あ、これ追加の竜骨ヤマイノシシ山賊焼きでーっす」
夏祭らむね:「山賊を営むイノシシを!?」
畔戸笑理:(もう半分なくなってる……)
時雨:「──やはり、この街には」目を丸くしている。
時雨:「見たことのない生き方、ばかりです。興味深い」
錺 十也:「ちなみにパソコンに例えるとCPUが」またもぐもぐしている。
錺 十也:「まあいっか」
草原コヨリ:「でもさでもさ、身体も記憶も立場も考えも、全部取っ替えちゃうってそれ」
草原コヨリ:「なんか意味あんの?位置が入れ替わるだけではァン?」
草原コヨリ:「糸だって結局自覚も何も伴ってないなら」
草原コヨリ:「無いのと一緒ぢゃん??」
"クテン":「あるんだとよ。この島的にはな」
"クテン":「リンネのお嬢は"魂に刻まれる"って言ってたなァ」
"クテン":「外見も、記憶も、人格も、周りからの認知も」
"クテン":「丸ッきり変わっちまったとしても、その"魂"は変わらない」
"クテン":「経験は"魂に刻まれる"」
草原コヨリ:「はー、つまり」
草原コヨリ:「ウチが動画めちゃドッカンバッカンウケたいな~~って願って」
草原コヨリ:「異街のちからでジャスティン・ビーバーと入れ替わったとして」
夏祭らむね:「ビーバーって結構凶悪な顔してるよね!げっ歯類ってそう!」
草原コヨリ:「それはもうウチじゃなくてジャスティン・ビーバーなんだけど」
草原コヨリ:「ウチの魂に動画でめちゃドッカンバッカンウケたっていう事実は刻まれるから」
草原コヨリ:「おっけー?みたいな」
草原コヨリ:「いやここの住人頭おかしいな、ウチにはそれ実感できそうにもないわ……」
夏祭らむね:「ん-、たとえばらむねとしまモンがいっしょにゲームしてたとして」
夏祭らむね:「ドラハン5とかそのへんね」
夏祭らむね:「一人用のゲームだから、操作できるのは一人で、交代しながらやってて」
夏祭らむね:「全部道中の記憶とか共有してるけど」
夏祭らむね:「この中ボスを倒したのはらむね、ラスボスを倒したのはしまモン」
夏祭らむね:「でもゲームの中の人たちは区別がつかないし」
夏祭らむね:「外の世界の人だって、二人でゲームクリアしたんでしょってなる」
夏祭らむね:「でも、らむねとしまモンには、確かに自分が倒したボスっていうのがある」
夏祭らむね:「みたいな?」
河路 緑郎:「まあともかく、納得の話なんだよ」
河路 緑郎:「”河路緑郎”は、魂だけでも子供のそばに居たかった」
河路 緑郎:「だから、俺達が生まれた。そういうことなんだろう」
錺 十也:「そゆことっすかねー」
草原コヨリ:「そゆことなんだーー」
草原コヨリ:「あ、やっべ完食しちった」
夏祭らむね:「じゃあもうそれはコヨリの注文じゃん」
草原コヨリ:「ゴチになりやす☆」
畔戸笑理:グラスを手に溜息をつく。
畔戸笑理:「……随分と危ない橋を渡ったんですね」
畔戸笑理:「いえ、渡らされていた、と言うべきか」
錺 十也:「ハッキング」
錺 十也:「カザリの得意技」
錺 十也:「『やっぱ素がハンザイシャだよね』とかナキには言われたっけか」
錺 十也:だから、きっと外の住人でもすんなり適応ができたのだろう。
河路 緑郎:「ともかくだ」
河路 緑郎:「俺の中には確かに、"錺十也"だったものがある」
河路 緑郎:「だが、俺の中にある感情と欲望は」
河路 緑郎:「"河路緑郎"だったものだ」
河路 緑郎:「正確には今の俺たちは、そのどちらでもないんだろうが……」
錺 十也:「分解して再構成してるもんな」
河路 緑郎:「ともかく、今の俺の願いは」
河路 緑郎:「"河路緑郎"の子供の、助けになることだ」
河路 緑郎:「そこは変わらねえ。……お互い様なんだろ?」
錺 十也:「……俺は」
錺 十也:「逆月亭の皆を……守りたいと思って」
錺 十也:「でも、他に何かやるべきことがあるんじゃないかって思って、ずっと探してた」
錺 十也:「そんなもん、なかったよ。何も変わんない」
錺 十也:「……変わんないや。エリさんに、クテンに……ナキ」
錺 十也:「"錺十也"はお前らを守りたくて仕方がないらしい」
錺 十也:バイザー越しに、穏やかに笑う。
畔戸笑理:「錺さんの事情を知ったとき……」
畔戸笑理:「“今の”錺さんということですが」バイザーを掛けた青年を見て。
畔戸笑理:「……河路さんには、コインを渡さないように頼もうと思っていました」
錺 十也:「危ないことが起こると思った?」
河路 緑郎:「……何かが変わるのが、怖かったか」
畔戸笑理:「ええ。少なくとも、より私にとって望ましい方向にはならないだろうと」
畔戸笑理:「……ナキさんだって、コインで記憶を取り戻したと言っていましたから」
夏祭らむね:「なにが大事なものか、ちゃんと分かってる人は少ないってことね~」
錺 十也:「……エリさんは、これまでのままがよかった?」
錺 十也:「ずっと、四人で仲良くケンカしてさ」
畔戸笑理:「私は、小舟です」
畔戸笑理:「行く先は自由に選べて、あまり大人数は無理でも、何人かは一緒に乗せられる……けれど、嵐が来れば、沈んでしまう」
畔戸笑理:「だから、私の海は、静かであってほしかった」
畔戸笑理:「波が立たず、夜空の月が逆さまに映るくらい、静かに」
畔戸笑理:氷が浮くグラスを見つめる。
錺 十也:「だから」
錺 十也:「守るんだよ」
錺 十也:「嵐が起きても、あんたの海を静かに保てるように」
錺 十也:「俺が守るの」
錺 十也:「そのために、こんなことまでしたんだぜ?」くしゃりと笑う。
錺 十也:「安心して。月はいつでも」
錺 十也:「黄色い光で照らしてくれる」
畔戸笑理:「理解できませんね」
畔戸笑理:「……意味ではなく、その度胸が」
畔戸笑理:くすり、と笑って。
畔戸笑理:そっと目元を拭う。
錺 十也:「いいよ、別に。わかんなくて。俺ら、そういう仲でしょ」
錺 十也:「ま、これまでの感じが良かったって思ってもらえてるなら、それで平気だ」
錺 十也:肩をすくめて、水を飲み直す。
畔戸笑理:小さく頷く。
草原コヨリ:「う、う”~~~」
草原コヨリ:「感動じだぁ”~~~~」
草原コヨリ:「おかわりもってくる」
草原コヨリ:ぐすぐすと泣きながら襖の向こうへ去っていく。
河路 緑郎:「ったく……鼻水ぐらい吹いていけ」
"クテン":「何しに来たんだアイツは……」
時雨:「畔戸さん、ここは彼らとも、関係を組みなおしませんか?」おずおずと切り出す。
時雨:「あなたの事情も預けて、乗ったほうがよいでしょう」
時雨:「ここはひとつ、大船に乗る気持ちで」
クユ:「……茶色の居酒屋の7人?」
クユ:締まりの無い名前、見たまんまを言う。
畔戸笑理:「まあ……そうですか」
畔戸笑理:「リーダー?」微妙な表情を浮かべつつ、らむねちゃんを見る。
夏祭らむね:「7人になるかなぁ~」
夏祭らむね:「クテンは夢とプライド大事でしょ」
"クテン":「………」
夏祭らむね:「たぶんね、らむねはクテンのこと好きだったんだと思うな」けろりと話し出す。
夏祭らむね:「でもクテンはきっと、いなくなっちゃうんだよね。外の世界で、夢とプライド大事だもんね」
夏祭らむね:「……らむねね、右脚が機械なんだ。あと見えないところも色々」
夏祭らむね:「さいきょーなんだよ!核爆弾とか撃てるし、トーストとか焼ける」
夏祭らむね:「でもね、昔、好きな男の子に告白したことがあって」
夏祭らむね:「振られちゃった。『足が機械の女は嫌』って」
夏祭らむね:「こんなかっこいいのに、見る目ないなーって思ったけど、でもそんなもんなのかも」
夏祭らむね:「恋愛に夢見すぎてたのかな~」
夏祭らむね:「……クテンにも、勝手に期待して」
夏祭らむね:「『もしかしたら、また助けてくれるかも』って……」
夏祭らむね:「でも、全然相手にもされてなかったね~」へらへら笑う。
夏祭らむね:「だから、最後に少しだけでも、見て欲しかったから」
夏祭らむね:「これ、あげるね。しまモン」
夏祭らむね:勝手に作ったゆるキャラのぬいぐるみ。案外高性能なそのロボットを抱える。
夏祭らむね:「別に大事にしなくてもいいよ。すぐ捨てても良いし」
夏祭らむね:「むしろ毎秒100億分の1の確率で爆発する罠しかけてるから捨てないと危険だけど」
夏祭らむね:「欲しいって言ってたし。色々便利だからね」
夏祭らむね:「それに――こういう機能も、ついてるから」
夏祭らむね:しまモンの目が光る。
夏祭らむね:瞬間。
夏祭らむね:眩しい光に視界が奪われ――
夏祭らむね:――徐々に目が光りに慣れると、目の前に広がっているのは、青の逆月亭の光景。
夏祭らむね:『青の逆月亭の四人』が、酒を飲んでいる。
夏祭らむね:ナキは、いいことがあったのか、楽しそうにはしゃいでいて。
夏祭らむね:笑理は、そんなナキを、微笑ましそうに見つめている。
夏祭らむね:錺は、酒を飲んで上機嫌で機械の話を喋り。
夏祭らむね:そんな三人の様子を、クテンが、強面の顔を微かに綻ばせ、眺めている。
夏祭らむね:……そして。
夏祭らむね:そこにいつの間にか、烏龍茶を飲んでくだをまく、どこか幸せそうな河路の姿が混じり。
夏祭らむね:傍ではクユが、初めて見る食べ物を不思議そうに見つめている。
夏祭らむね:隣の時雨が優しく説明をする姿は、穏やかで楽しそうで、
夏祭らむね:その様子を、夏祭らむねがみんなの間を飛び跳ねながら、カメラで撮影している。
夏祭らむね:それは、いつもどおりの光景。
夏祭らむね:けれど、見た覚えのない記憶。
夏祭らむね:起こるかもしれない未来。
夏祭らむね:見えたかもしれない景色。
夏祭らむね:「……お酒を飲んで、夢や理想に酔うんでしょう?」
夏祭らむね:ふいにかけられた声に意識を戻せば、そこは青の逆月亭ではなく元の妖狼の滝。
夏祭らむね:「しまモンは、お酒の妖精だから。いつだって、夢を見させられるから」
夏祭らむね:「捨てないんだったら、時々、らむねの夢を見てね」
夏祭らむね:「興味がなくても、見たくなくても、見ちゃうのが夢だから」
夏祭らむね:「無理やり、仕方なくだったら……夢の中なら、見てもらえるから」
夏祭らむね:微笑んで、しまモンのぬいぐるみを差し出す。
"クテン":「……はァ~」
"クテン":白い髪を乱雑に掻き、深いため息をつく。
"クテン":目の前に差し出されたぬいぐるみと、その向こうの微笑みを眺める。
"クテン":「──人生にはな」
"クテン":「夢とプライドが必要だってのが俺の持論だ」
"クテン":「夢とプライド──って言い方だけじゃァ、綺麗事に見えるかも知れねェが」
"クテン":「言い換えりゃァ、夢、ってのは『中長期的な目標』のことだ」
"クテン":「プライド、ってのは、『ソイツにとって、精神的安定のため重要な事柄』ってことになる」
"クテン":「夢へ向かって努力する、ってのは、『こういう目標を叶えるためには、どういうルートを通る必要があるか考え、実行する』ってェことで」
"クテン":「プライドを守る、ってのは、『大目標へのルート構築において、精神衛生上問題があるルートを排除する』ってことだ」
"クテン":「……俺にとっての夢」
"クテン":「出世と栄達。偉くなって、金持ちになって、名誉も掴む」
"クテン":「ありきたりかも知れねェが、夢は夢だ」
"クテン":「……もう調べはついてんだろうが、俺は"外"から寄越されたエージェントだ」
"クテン":「六電の──でなきゃこの"異街”の、力の源を探して持ってくりゃ」
"クテン":「出世させてくれるってェ話でよ。ま、俺はそれに乗った訳だ」
"クテン":「上手ェこと磨羯んとこに潜り込んで。他所の三つの情報のために酒場をうろついて、……」
"クテン":「……ナキ。アイツに出会った」
"クテン":「エリとカザリ。お前ら二人に出会った」
"クテン":「ラムネ、シグル、カワジ、クユ。お前ら四人に、出会った」
"クテン":「……畜生め」
"クテン":「他の忍者なんてモン、商売敵でしかねェはずだった」
"クテン":「邪魔になりゃァ始末する、寝首を掻くか掻かれるか、そういうモンのはずだ」
"クテン":「なのによ、クソ」
"クテン":「悪くねェと、思っちまったんだよな」
"クテン":GM、秘密の公開と変更を行います。
GM:了解です。
GM:これにより"クテン"の【本当の使命】は「異街に残り、三人との日常を続ける」に変更されました。
"クテン":「夢ってのは『大目標』で、プライドってのは『精神衛生』だ」
"クテン":「俺の『大目標』は栄達だ!」
"クテン":「それが斜歯である必要なんてどこにもねェ!」
"クテン":「俺たち四人が! いや"八人”が! クソったれな事情でメチャクチャになるのは!」
"クテン":「俺の『精神衛生』によろしくねェ!」
"クテン":「この島で、この町で」
"クテン":「てめェら七人とバカやりながら、ランクを上げて」
"クテン":「ド偉く、リッチになりゃァいい」
"クテン":「カワジよォ」
"クテン":「環境保護、とか言ってたな」
河路 緑郎:「……ああ」
"クテン":「その話、乗ってやる」
"クテン":「だが、その上で、だ」
"クテン":「あのバカとお前らが戦いになった場合、俺はアイツの側に立つ」
"クテン":「おっと、最後まで聞けよ」
"クテン":「別に対価をよこせとか言いてェわけじゃねェ。お前らをおちょくってる訳でも断じてねェ」
"クテン":「仮に俺がお前らに協力して、アイツと戦ったとして」
"クテン":「いくらアイツが強いっつっても、この戦力差だ。普通に考えて勝ち目はねェ」
"クテン":「それであのバカを寄って集ってボコボコにしたとして」
"クテン":「それで、『環境保護』になんのか?」
河路 緑郎:「あいつも俺たちも」
河路 緑郎:「納得できるか、って話か」
夏祭らむね:「だれにも助けてもらえないのって、悲しいもんね」
畔戸笑理:「……何か考えが?」
"クテン":「考えってほどのモンでもねェよ」
"クテン":「ナキは根っからの異街っ子だ。"契約"が何より大事だと思ってる」
"クテン":「今アイツがエリと戦おうってのは、復讐っつう個人的なしがらみと、パトロンとの撮影"契約"のためってことになる」
"クテン":「だからこそ、アイツは一人で戦うつもりに違いねェ」
"クテン":「復讐したいヤツは自分だけのはずだし、『助演』のカワジは主演にするってェ虚偽契約で離反済み」
"クテン":「仲間なんて望むべくもねェ、孤独で悲壮な戦いにカッコよく向かうつもりだろうさ」
"クテン":「そこにだ、しがらみも"契約"も関係ねェ野良犬が寄ってきたらよォ」
"クテン":「アイツだって、調子狂うだろうぜ」
"クテン":「……一人でやってたはずが、バカな『仲間』にいつの間にか絆されちまう、なんてことがあり得るのは」
"クテン":「俺が一番知ってるからな」
錺 十也:「……お前もバカだもんな」軽く笑う。
"クテン":「バカを選んだんだ」
錺 十也:「いい選びっぷりで」
河路 緑郎:「十分だよ。……ありがとな」
時雨:「それがあなたの思う、あるべき終わり──そして、始まりの形なら」
時雨:「私もそれを尊重します」
錺 十也:「俺もまあ、いつもと大して変わんねえし」
錺 十也:「……でも。最後には、守ってやるから」
錺 十也:「四人だけじゃなくてさ。全員な」
錺 十也:「な、夏祭」
錺 十也:「一回くらいなら、核ミサイルからでも守ってやっていい」
錺 十也:「ちょっと網、広げるだけだしな」
夏祭らむね:「………………!」
錺 十也:いつか来るかもしれない、未来の風景を見せてくれた少女に。
錺 十也:守るべきものを、見せてくれた少女に、そう言う。
河路 緑郎:「……ったく、お前ら」
河路 緑郎:「本当に……」
河路 緑郎:ガキは苦手だ。だというのに。
河路 緑郎:何故か、悪くない気分だった。
河路 緑郎:「なあ、時雨」
河路 緑郎:時雨に視線を向ける。隣に居るクユを見る。
時雨:「いかがしましたか」
河路 緑郎:「お前にとって、生きてるってのはなんだ?」
河路 緑郎:「心臓が動いてるってことか?」
クユ:「心臓が止まっても、しばらくは動いてますよ」
クユ:頓珍漢な合いの手を
河路 緑郎:「ああ、そうだな。……でも、そういうことじゃねえんだ」
時雨:「──不確定な選択を、することです」
時雨:「なんでもいい。確実で、変わりのない生き様を続けるのではなく」
時雨:「新しいものに触れ、変わる世界に挑む」
時雨:「成功するかわからない行動に対し、ダイスを振ることこそが、生きることだと。そう思います」
河路 緑郎:「なるほど。……嫌いじゃない答えだ」
河路 緑郎:「俺にとって……今の俺の思う生きるってのは」
河路 緑郎:「"楽しい"ってことだ」
時雨:「きっと私も、ダイスを振ることを楽しんでいますよ」微笑む。
河路 緑郎:「ああ……そうだろうな」
河路 緑郎:「お前の言う、不確定な選択」
河路 緑郎:「結果がわからねえダイスを振るってこと」
河路 緑郎:「それができるのはきっと、未来を信じられるからだろう」
河路 緑郎:「……そういう意味じゃ、"今の俺"は」
河路 緑郎:「生まれてから一度だって、心から楽しいとは思えなかった」
河路 緑郎:「美味い飯食っても、馴染みの連中の下らねえ話につきあっても」
河路 緑郎:「自分への嫌悪感と諦観が、消えねえ」
河路 緑郎:「生まれた瞬間から、死んでいたようなもんさ」
河路 緑郎:その経験を刻んだのが、この魂ではないのだとしても。
河路 緑郎:記憶はどうしようもなく、失った痛みを呼び起こす。
河路 緑郎:「でもな」
河路 緑郎:拳を強く、強く握りしめる。
河路 緑郎:「俺が諦めていいのは」
河路 緑郎:「俺が絶望していいのは」
河路 緑郎:「この俺自身だけだ」
河路 緑郎:「生きているお前たちの願う明日を、その先へ向かう道筋を」
河路 緑郎:「今も楽しく、ダイス振ってる奴らをよ」
河路 緑郎:「俺の独りよがりな絶望が邪魔するなんて」
河路 緑郎:「許せるはずがねえ」
河路 緑郎:たとえこの身が死者であろうと。
河路 緑郎:死者が生者の未来を願って、何が悪い。
河路 緑郎:「だから、ああ」
河路 緑郎:「俺は、"河路緑郎"の子供を助けたい……だけじゃ、ない」
河路 緑郎:「生きているお前たちの未来が」
河路 緑郎:「ダイスを振った先に待ってるもんがよ」
河路 緑郎:「ちょっとでも、良いように」
河路 緑郎:「少しでも、希望あふれるものに」
河路 緑郎:「それが叶えば……そのときは」
河路 緑郎:目を閉じる。夏祭らむねが見せた光景が、まぶたに映る。
河路 緑郎:「ちったぁ生き返った気分に、なれるかもだ」
河路 緑郎:「俺も、乗る方だ。改めて、きちんと頼む」
河路 緑郎:「お前らのやってること、手伝わせてくれ」
時雨:「それは──ええ。河路さんの助力もあれば」
時雨:「きっと、あるべき死を迎えられます」
時雨:「そして──あるべきでない、終わりは、きっと訪れない」目を細める。
時雨:「協力体制です。皆で共有して──七人寄れば文殊の知恵作戦で」振り返って報告する。
時雨:「魂まで、さらけ出しましょう」
時雨:畔戸さんと夏祭さんの秘密を、河路さんに受け渡します。
河路 緑郎:助かります!
夏祭らむね:え~と、公開情報?
河路 緑郎:ですね!
河路 緑郎:私から錺君にも流れるので
GM:なんかこういう感じになる気はしていたよ!
GM:でもまだサイクル2だよ!?
GM:どういうことなんだよ!!!
河路 緑郎:やたら動く人が二人いたからなあ……
時雨:ふしぎ
錺 十也:コバンザメです
GM:おのれ……
夏祭らむね:闇神楽、サイコ~!
畔戸笑理の秘密
あなたは雇い主である六塔電子竜骨島支社長・真渕伴蔵の令嬢であるカヅキを前にするたび、
言いようの無い感情が自らのうちより湧き出るのを実感する。
その感情の正体は知れぬが、あなたはどうやら彼女に強く惹かれているらしい。
夏祭らむねの秘密
かつて、希望を無くしただ無為に生きていたあなたを救ったのはとあるアマチュアのネットラジオだった。
「【青の逆月亭】からお届け」と銘打った四人のエージェントによる他愛もないトーク番組、
今はもう無くなってしまった番組であるが生への渇望を得たあなたはかつて彼らに救ってもらったように、
己の番組で人に勇気やパワーを与えようとトップ配信者を目指し立ち上がったのであった。
時雨:「──六塔の下で動き、心を悩ませながらも。畔戸さんは皆さんのことを、いつも想っていました」
時雨:「そして、夏祭さんの心はずっと──一連の事件が始まる、その前から──青の逆月亭とともに、ありました」
錺 十也:「……え?」
時雨:「新参者の自分がまとめるようなことになり、恐縮ですが」
時雨:「『【青の逆月亭】からお届け』、もちろん、ご存じですよね」
錺 十也:「……そりゃ」
錺 十也:「あいつらがなんか始めて、俺も付き合わされて……」
錺 十也:「あの、ネットラジオじゃん。なあ、エリさん」
畔戸笑理:「……ええ」
畔戸笑理:「向いてないって言ったのに……強引に、皆でやろうって……」
時雨:「視聴者がいたんですよ。熱心な」微笑む。
錺 十也:「マジで。いたんか……」
時雨:「その姿に憧れて、自身も配信者になる──ほどに」
時雨:「ここまで言えば、もうお判りでしょう」
夏祭らむね:「カザちゃんの話聞いて、機械のべんきょーした!」
夏祭らむね:「そうしてできたのがこちらです」しまモンを抱える。
錺 十也:「へ」バイザーの奥の目を丸くする。
錺 十也:「これ……? 俺の……なんだろ。影響?」
夏祭らむね:「あなたの子よ!」
錺 十也:「マジかよ。とんでもねえもん育てちまったな」
錺 十也:「……子、かあ……」
錺 十也:「ごめんな。俺の子じゃねえ。いや、真面目に」
錺 十也:「子供は、大事だろ。お前の子だ」
錺 十也:しまモンの頭をぽふりと撫でてやる。
夏祭らむね:「認知してもらえない~、フられてばっかだ~」
錺 十也:「だから俺の子は……あー」
夏祭らむね:「……わかってるよ。カザちゃんは本当に、子供いるもんね」
錺 十也:「変な感じだけどな」
錺 十也:「じゃあまあ、そいつの分まで……ミサイル二発分はがんばんないと」
錺 十也:「けど」
錺 十也:「ごめん。あの、あのさあ」
錺 十也:バイザーを軽く上げて。袖で目を擦る。
錺 十也:「ありがと。聴いてくれて」
錺 十也:「ありがとな……。カメラもなんもかんも」
錺 十也:「……全部、さっきの映像も」
夏祭らむね:「ありがとうは、らむねの方だから」
夏祭らむね:「四人がいてくれて、らむねはいていいんだって言ってもらえたみたいで」
夏祭らむね:「だから、らむねは大丈夫になったから」
錺 十也:「……うん」
錺 十也:このたった一人の少女が、自分達の他愛ない会話を、少しは知って、好きでいてくれたことを。
錺 十也:自分と同じものを大切にしてくれていたことを。
錺 十也:「ずっと、大丈夫でいてくれ」
錺 十也:「で、また残して、伝えてくれ。あんたの何か、好きなもの」
夏祭らむね:「うん!」
夏祭らむね:「らむねは、ここにいるよって」
夏祭らむね:「だから、きみもいていいんだよって」
夏祭らむね:「伝えたいから」
錺 十也:「……最高じゃん」バイザーを戻して微笑んだ。
畔戸笑理:「縁に、恵まれていますね、私たち」
畔戸笑理:「あっ……今の状況で言うのも、何なんですけど」
畔戸笑理:少し気まずげに酒を啜って。
畔戸笑理:「……。ナキさんのことですが」
河路 緑郎:「ああ」
畔戸笑理:「クテンさんに言われたことは、私も考えていました」袋叩きにして解決するのか、という問題。
畔戸笑理:「それで、皆さんに協力していただきたいことがあるのですが」
畔戸笑理:「……その前に、詳らかにするべきでしょうね」
畔戸笑理:真渕カヅキの秘密を全員に共有します。
河路 緑郎:ありがとうございます!
錺 十也:いただきます
夏祭らむね:やった~!女の秘密が丸裸!
河路 緑郎:これで全員秘密コンプリートかな
錺 十也:言い方な
GM:サイクル2で……秘密全部が……公開情報……???
GM:あわ……わわわ
夏祭らむね:フシギダネ
GM:はい、公開します……
真渕カヅキの秘密
あなたの正体はかつて死んだ真渕伴蔵のひとり娘、カヅキの屍体をパーツに異街の技術で作り上げられた自動人形である。
あなたは自分の存在理由を《家族を愛し、家族から愛されること》であると定めており、父の死を前にソレの消失を恐れている。
その恐怖から「新しい家族を手に入れよう」と決意したあなたは標的を畔戸笑理に定め、
異街のオークションに流れたとある【畔戸笑理の家族】の身体パーツ・記憶といったものを買い占め己との換装を進めている。
あなたの【本当の使命】は新しい家族を手に入れることである。
あるいは、家族に限らない新たな【感情】を得ることであなたは【本当の使命】を忘れることができるかもしれない。
畔戸笑理:「私がナキさんの正体に気付けたのは、カヅキさんの情報を持っていたからです」
畔戸笑理:「とりあえず、いま重要なのはそれだけ。そして……」
河路 緑郎:「……」
河路 緑郎:「そういう、ことか。……いや、あのときのやりとりで」
河路 緑郎:「薄々感じては、いたが……」
錺 十也:「…………」
畔戸笑理:「ナキさんが、どういう方法で仕掛けてくるつもりなのかは分かりませんが」
畔戸笑理:「彼女を引き戻すつもりなら、その前に、一戦交えておいた方がいいと考えています。ですので」
畔戸笑理:「どなたかに、あの子の今の拠点を探ってほしい」
畔戸笑理:「あ、えっと」
畔戸笑理:「本当に武器を交える気ではないんです」手を振って。
畔戸笑理:「ただ、ちょっと」
畔戸笑理:「一発かましておこうかと」
河路 緑郎:「一発……」
河路 緑郎:ボリボリと頭をかく。
河路 緑郎:「わかった。探ってはみる」
河路 緑郎:というわけで判定します
河路 緑郎:ナキの居所について
河路 緑郎:瞳術使おうかな
GM:了解ィ
河路 緑郎:判定よろしいですか?
GM:どうぞ!
河路 緑郎:2d6>=5 判定:瞳術 (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
河路 緑郎:他愛なし……
畔戸笑理:流石~~~~~
GM:ま、こんなもんですよね
錺 十也:やったぜー
夏祭らむね:やった~~!
時雨:イエ~イ
GM:まさか河路緑郎ともあろうものが判定で失敗を繰り返すなど
GM:あるわけがないですので
河路 緑郎:あやうく生命力2点削られてましたが……
河路 緑郎:というわけで、手に入れたナキの居所を畔戸さんに
GM:というわけでナキの【居所】を入手です。
河路 緑郎:多分これで感情共有含めて全員に行き渡るかな?
時雨:やった! いただきます
畔戸笑理:かな!
GM:エリさんがベッドキングすぎてえらいことになってるな……
夏祭らむね:抱かれておいてよかった~!
GM:というわけで公開情報です。
河路 緑郎:「……よし、視えた」
河路 緑郎:わずかに瞑っていた眼を開き、呟く。
畔戸笑理:「もう、ですか」驚きを見せる。
河路 緑郎:「もともと気にはしていたからな」
河路 緑郎:「場所を教える。……まあ」
河路 緑郎:「……なんだ」
河路 緑郎:難しそうに目をそらし
河路 緑郎:「うまくいくようには、願っておく」
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:「頼りに、させていただきます」少しだけ表情を綻ばせる。
河路 緑郎:「……ああ」
"クテン":「ラムネよォ」その色鮮やかな少女へ、声を掛ける。
"クテン":「この前言ったよな。知らない間に貸しを作ってたり、逆に借りができてたり」
"クテン":「だからな。お前が『助けられた』って思ってようが、俺は助けたつもりなんてねェ」
"クテン":「……それと同じでな」
"クテン":「お前が『助けた』なんて思ってなくとも、俺は助けられたつもりでいる」
"クテン":「迷ってたんだよ。今まで通り行くべきか、……」
"クテン":「──『バカになる』べきか」
"クテン":「おい、一つ訂正しといてやる」
"クテン":「お前らがどう思ってるかは知らねェが」
"クテン":「俺にとって、夢や理想ってのは『見るもの』じゃねェ。『追うもの』だ」
"クテン":「あァいう夢、見せられてよ」
"クテン":「追わずにいられるかよ」
"クテン":「だからなァ、ラムネ」
"クテン":「視聴者のままじゃァ満足できなくなったお前なら、分かるだろ?」
"クテン":「せっかくの夢だ、見るだけじゃなく、追ってみろよ」
"クテン":「お前はもう、少なくとも一つは叶えてんだからな」
"クテン":「『大事なものの中に入れたらいいな』、……だったか」
"クテン":「今の俺が大事に思ってんのは」
"クテン":「"八人"だ。四人だけじゃねェ」
"クテン":そう言って、小さく笑みを浮かべる。
"クテン":それは自嘲や呆れにも似た、しかしその底に温かい色を帯びた微笑。
"クテン":奇しくも、しまモンが見せたあの光景の表情と、同じものだった。
夏祭らむね:「………………!」
夏祭らむね:「…………」
夏祭らむね:「ふ~ん?」
夏祭らむね:「つまり頑張って振り向かせてみせろってこと~?」
夏祭らむね:「面白いこと言うじゃん」
夏祭らむね:「まあ、しまモンはお預けね」
夏祭らむね:「夢じゃなくて、本物のらむねを、ちゃんと見せてみせるから」
夏祭らむね:らむねの名前は夏祭らむね!
夏祭らむね:リアル系Vチューバー!
夏祭らむね:Vはビクトリーのブイブイっ!
夏祭らむね:だから、負けたりしない!
夏祭らむね:好きなものは孤独!嫌いなものはお前!
夏祭らむね:地球上の人に、ここにいるよって、知ってもらうために。
夏祭らむね:こわくても、今立ってる。
夏祭らむね:叫び続けてやる。
夏祭らむね:ここにいていいんだよって、認めてもらうために。
───────
マスターシーン4
GM:サイクル2が終了です。
GM:つまりは、アレの時間がやってまいりました。
夏祭らむね:オークションの時間だあああああああ!
河路 緑郎:へっへっへ……
時雨:待ち望んだぜ
錺 十也:きやがった
畔戸笑理:おいでなすったぜ
河路 緑郎:全部わしのもんじゃ……
錺 十也:おじいちゃんそういう仕組みじゃありませんからね
オークショニア:それではミナサマお待ちかね。
夏祭らむね:全員殺せばいいってこと
錺 十也:そういう仕組みでもねえ
オークショニア:楽しい楽しいオークションの時間がやってまいりました。
1.神通丸 最低落札価格5
・何の変哲もない忍具、だがその性能は折り紙付きである!
2.リストランテ『ドラゴンキッチン』・グランドコース招待券 最低落札価格6 (畔戸笑理)(時雨)
・特別個室にてマスターシェフがあなた達のためだけに腕を振るう!意中の相手との心を射止めるならばこれ!
3.アルティメット栓抜き 最低落札価格3
アルティメットな一品。
4.異街探偵 最低落札価格6 (河路緑郎)(錺十也)
異街の名探偵への依頼権、『どんな情報も調べてみせるぜ』。
5.レンタル傭兵 最低落札価格6 (クテン)
異街では、当然人も売られていたりする。きっとあなたの力になってくれるだろう。
6.スーパーチャンネルジャック! 最低落札価格7 (夏祭らむね)(ナキ)
・異街のネットワークを一時的に買い取る権利、時間に限りはあるがあなたの動画を異街住民に無理矢理に見せつけてしまえるシロモノだ!
オークショニア:現在の入札状況はこちら
河路 緑郎:あ、錺君は探偵のほうで
河路 緑郎:ドラゴンキッチンは時雨さんかな
錺 十也:です!
時雨:そうでしたね
オークショニア:失礼、こうでしたね
オークショニア:では、これを判断材料のひとつとし、最後の入札を行ってください。
オークショニア:これを落札挑戦対象とし、その後落札判定を行ってもらいます。
オークショニア:お決まりのようですね……
オークショニア:泣いても笑っても、これで最後
オークショニア:ではカウントを行います
オークショニア:準備はおっけー?
夏祭らむね:おっけー!
畔戸笑理:いいよ!
錺 十也:いきます
時雨:OK!
河路 緑郎:おっけー
オークショニア:それでは
オークショニア:3
オークショニア:2
オークショニア:1
オークショニア:0
system:[ 夏祭らむね ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ 畔戸笑理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
system:[ 河路 緑郎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 錺 十也 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
オークショニア:おや、
錺 十也:やっぱりなー!
時雨:あっ錺さんと被った
オークショニア:被りが一箇所ありますね
オークショニア:ですがばらけは上々ではないでしょうか
オークショニア:では他のお客様は?
成金小僧:「な、何にしよっかなぁ」
成金小僧:1d6 (1D6) > 4
成金小僧:「んほほ、調べてもらっちゃお~~」
成金小僧:「四万十川について知りたいなぁ~~」
河路 緑郎:探偵じゃないだろ雇うべきは
オークショニア:では、他にお客様は?これで最後でしょうか
教団司教"踏鋤":「ふん、今日はなんぞ出物でもあるかな」
教団司教"踏鋤":1d6 (1D6) > 2
教団司教"踏鋤":「『ドラゴンキッチン』か。近頃は負け通しでしばらく行っておらんからな!」
オークショニア:1、錺十也、時雨
2、畔戸笑理(2)、時雨、教団司教"踏鋤"
3、
4、河路緑郎(2)、錺十也、成金小僧
5、"クテン"
6、夏祭らむね(2)、ナキ
オークショニア:そして最終達成値がそれぞれ
オークショニア:1、=7
2、=10
3、
4、=10
5、=7
6、=9
オークショニア:このようになっております
河路 緑郎:重ぉいなあ
オークショニア:各自、入札回数分達成値に加算があることをお忘れなく
時雨:だから実質……6だぜ
錺 十也:なるほどね
畔戸笑理:あーっと
夏祭らむね:実質7なのね~!
畔戸笑理:NPCが入札したぶんの達成値+修正はPCにもかかってくるんでしょうか
河路 緑郎:ん、アレ待ってくださいね
河路 緑郎:【入札】を行うことで自分の値を-1、自分以外を+1
河路 緑郎:でしたよね?
畔戸笑理:そうそう
オークショニア:+修正された値が、上の数値になっておりますね
夏祭らむね:あっ自分以外を+だから
夏祭らむね:自分も達成値あがっちゃってない?
オークショニア:表記統一してなくて申し訳ない、実質数値換算でオッケーです
河路 緑郎:そうそう
河路 緑郎:例えば2番だったら
河路 緑郎:私は2回入札してて、私以外が2回入札してるから
時雨:畔戸さんは2回2を選んで、NPCの入札二回だから、相殺して目標値6っぽいですね
河路 緑郎:プラマイ0で私の目標値は6じゃない?
河路 緑郎:っていうか人によって目標値は変わってるかな
オークショニア:あ、そうですね
オークショニア:バラけるなこれ失敬、でした
オークショニア:では各自の目標ごとにやっていきましょう
夏祭らむね:私はナキちゃんで+1、自分で-2、もとが7だから7+1-2で6かな
オークショニア:PC1時雨、目標は1。目標達成値5
河路 緑郎:あ、5ですね
河路 緑郎:最低落札価格5から自分の入札で1下がって、
オークショニア:そうでした……
河路 緑郎:時雨さんの入札で1上がってプラマイ0
錺 十也:あ、でも自分がいる?
河路 緑郎:プラマイ0で5です!
錺 十也:ああ、そうか。5ですね
時雨:±0か~
河路 緑郎:まあ二人チャレンジしてるぶん
河路 緑郎:どっちか落札できる可能性は上がってますね
オークショニア:PC1時雨、目標は1。目標達成値5
PC2河路緑郎、目標は4。目標達成値6
PC3畔戸笑理、目標は2。目標達成値6
PC4錺十也、目標は1。目標達成値5
PC5夏祭らむね、目標は6。目標達成値6
ナキ、目標は6。目標達成値8
クテン、目標は5。目標達成値5
成金、目標は4。目標達成値8
司教、目標は2。目標達成値8
オークショニア:不手際を申し訳ありません、ではやっていきましょう
オークショニア:PC順にお願いします、2d6です!
時雨:振るぞい
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
河路 緑郎:やったぜ
河路 緑郎:次私かな?
河路 緑郎:あ、GM
河路 緑郎:感情修正は多分
河路 緑郎:このオークションは各自一回ずつという理解でよろしいでしょうか?
GM:ありです、1回ずつですが
河路 緑郎:誰かに感情送ったらもう別の人には送れないと
GM:その通り
河路 緑郎:じゃあ錺君はらむねちゃんに送ったげて!
錺 十也:オッケー!
河路 緑郎:こっちは素振りしましょう
夏祭らむね:ありがと~~!!!!
河路 緑郎:2d6>=6 (2D6>=6) > 7[3,4] > 7 > 成功
河路 緑郎:なんとか成功
河路 緑郎:あとは小僧の金次第か……
成金小僧:ぐふふ
畔戸笑理:次は自分……ですが
畔戸笑理:神通丸とかを持っている場合、競合相手の達成値を見てから振り直しできますか?
オークショニア:それはありとします!
夏祭らむね:笑理ちゃんに感情修正を送る構えです
畔戸笑理:はあい
夏祭らむね:私を抱いて得た修正で他の女とデートしな!
時雨:こっちも送ろうかな
畔戸笑理:もらえたら嬉しい!
河路 緑郎:圧がすごい
夏祭らむね:あげる!修正+1!
時雨:愛情の感情修正! +1
畔戸笑理:ありがと~♡
畔戸笑理:では判定します
畔戸笑理:2d6+2>=6 (2D6+2>=6) > 5[2,3]+2 > 7 > 成功
畔戸笑理:手に入れた賞金も使って+1しておきます。達成値8!
オークショニア:成功!どんどんいきましょう。
錺 十也:じゃあ自分かな
錺 十也:目標値5……で、感情修正くれる人いますか
河路 緑郎:私は投げとこうか
河路 緑郎:がんばれーの念
錺 十也:いただけるとうれしい
河路 緑郎:共感の感情修正で+1
錺 十也:ありがたく! 振ります
錺 十也:2d6+1>=5 (2D6+1>=5) > 2[1,1]+1 > 3 > ファンブル
錺 十也:!?
錺 十也:ごめーん
夏祭らむね:アッ
河路 緑郎:伝染してもうた
河路 緑郎:すまねえ
畔戸笑理:Oh
河路 緑郎:まあ神通丸自体は時雨さんが競り落とせそうだから
河路 緑郎:失敗自体は問題ないかな?
時雨:でもファンブルしたら
河路 緑郎:ファンブル表は振ります?これ
時雨:ファンブル表が
オークショニア:ファンブル表は……
河路 緑郎:難しいですねこれ、失敗自体は問題ないけどファンブルで変なの出る可能性っていうのは
オークショニア:振ってもらいます!
夏祭らむね:ウオーッ
錺 十也:ふむ、これは
錺 十也:仮に振り直しをする場合、ファンブル表の前と後どっちになりますか
錺 十也:結果見てから振り直せるやつ?
オークショニア:ファンブルの結果を見て振り直す、というのは不可です。
錺 十也:わかりました……んー
錺 十也:ファンブル表振ります
錺 十也:1d6 (1D6) > 1
錺 十也:しゃ!
河路 緑郎:このサイクル中なら次サイクルには回復してるやつか
河路 緑郎:セーフセーフ
オークショニア:1,なにか調子がおかしい。そのサイクルの間、すべての行為判定に-1。
オークショニア:命拾いしましたね!
錺 十也:よ、よかった
畔戸笑理:不幸中の幸い
錺 十也:以上です……
オークショニア:ではでは次へいってしまいましょう。
夏祭らむね:らむねね!
河路 緑郎:やったれー
夏祭らむね:修正ほしい~!
河路 緑郎:あげてー
錺 十也:うおー
錺 十也:あげます。共感で+1
夏祭らむね:ありがと~~!
畔戸笑理:おなじく共感で+1!
夏祭らむね:ありがと~~!
畔戸笑理:ん?
夏祭らむね:皆の思いを受けてふります
畔戸笑理:こっち憧憬だ 効果は変わらない!
夏祭らむね:おっす!
夏祭らむね:2d6+2>=6 (2D6+2>=6) > 7[2,5]+2 > 9 > 成功
夏祭らむね:よしよし!
河路 緑郎:なかなか強い!
オークショニア:なかなかの数字!
オークショニア:では他のお客様がたも……
ナキ:うおー
ナキ:いくぞーー
ナキ:2d6>=8 (2D6>=8) > 7[2,5] > 7 > 失敗
ナキ:ぎゃーーーーー!
河路 緑郎:よし!
夏祭らむね:オスカーはらむねのものね!
錺 十也:ひゅー!
河路 緑郎:お前がオスカーだ
夏祭らむね:らむねがオスカードラゴン らむねの心臓が竜の心臓
ナキ:せっかくカザの面白マル秘映像を衆目に晒してやろうと思ったのにーー!
"クテン":2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
錺 十也:はーーー?
河路 緑郎:あ、クテン君
河路 緑郎:判定成功しました?
河路 緑郎:GM、一応質問なんですけど
河路 緑郎:慢心使えます?
夏祭らむね:でたわね
"クテン":???
GM:あー、ありですね
"クテン":カワジ……お前……
河路 緑郎:でもどうしよっかな~
河路 緑郎:流石にちょっと無粋かな……
夏祭らむね:やっちゃえやっちゃえ!
サブGM:まあどっちにせよ戦闘になったら使うだろうから
河路 緑郎:正直野望の変調
河路 緑郎:だいぶクテン君には似合うと思うんだけどね~
成金小僧:よ、よおし
成金小僧:今日も買うぞぉ~~
成金小僧:2d6>=8 (2D6>=8) > 6[3,3] > 6 > 失敗
河路 緑郎:ふう
成金小僧:パパ上ーーー!どうしてボクチンのカード止めちゃったのぉ~~!!
教団司教"踏鋤":さて落とせるかな
教団司教"踏鋤":2d6>=8 (2D6>=8) > 6[3,3] > 6 > 失敗
教団司教"踏鋤":クッ、昨日ルーレットで大負けした傷が疼く
畔戸笑理:ざーこざこざこ♡
畔戸笑理:ざこ司教♡
夏祭らむね:帰って写真マンの写真にくわえてもらうんだな!
GM:NPCひとりも成功そのものをしてないんだが??
河路 緑郎:えっなに言ってるんですか
教団司教"踏鋤":嫌すぎる……
河路 緑郎:クテン君は成功したじゃないですか
"クテン":俺は成功しただろ!
GM:PCだと思ってた……
河路 緑郎:だからまあ
夏祭らむね:成功したということは……
錺 十也:ふふふ
河路 緑郎:慢心使うね……
河路 緑郎:野望を持てクテン!
河路 緑郎:俺たち8人を守りきるという野望だ!
"クテン":グワーッ!
河路 緑郎:2d6>=5 慢心(判定:詐術) (2D6>=5) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
夏祭らむね:やった~~~!!!!!!
畔戸笑理:最高~~~~~
時雨:わーすごい!
河路 緑郎:へっへっへっ
錺 十也:すげー!
GM:急につよくなったな……
河路 緑郎:減らされた頑健分の体力を回復します
system:[ 河路 緑郎(0) ] 頑健:1 → 2
夏祭らむね:肩パッドが復活した~~~!
"クテン":野望ついでに回復してんじゃねェよ!
河路 緑郎:そしてクテン!お前は野望を持て!
河路 緑郎:八人の柱になれ
"クテン":信長になっちまう
オークショニア:では、品物の内容を発表します。
1.神通丸 最低落札価格4
:何の変哲もない忍具、だがその性能は折り紙付きである!
・(忍具)
2.リストランテ『ドラゴンキッチン』・グランドコース招待券 最低落札価格5
:特別個室にてマスターシェフがあなた達のためだけに腕を振るう!意中の相手との心を射止めるならばこれ
・これを消費することにより、選択した対象に好きな感情を結ぶor結ばせることが可能
3.アルティメット栓抜き 最低落札価格3
:アルティメットな一品。
・これを消費することにより、+1の修正を得られる
4.異街探偵 最低落札価格6
:異街の名探偵への依頼権、『どんな情報も調べてみせるぜ』。
・これを消費することにより、判定を必要とせず、任意の【情報】を得られる
5.レンタル傭兵 最低落札価格6
:異街では、当然人も売られていたりする。きっとあなたの力になってくれるだろう。
・レンタル傭兵リチャ―ド青羽を得る。
6.チャンネルジャック! 最低落札価格7
:異街のネットワークを買い取る権利、時間に限りはあるがあなたの動画を異街住民に無理矢理に見せつけてしまえるシロモノだ!
・これを消費することにより、完全成功に相当する効果を一度だけ得ることができる。
・チャンネル登録者ボーナス!を得る(データ的な効果は無いです)
マスターシーン5
GM:それではサイクル3が始まる!
GM:前にマスターシーンです、登場PCは5、夏祭らむね。
夏祭らむね:え!?
夏祭らむね:はい!
GM:ではやっていきましょう。
───────
GM:青の逆月亭。
GM:もともと、活気があるとは言い難い店ではあるが最近は輪をかけてさみしげに見える。
小鼠:「なーんか、シケた顔してんな、客も店主も」
小鼠:だばだばと頼んだお茶をシュガーポットそのものの中に注いでいく。
夏祭らむね:「雨降る時期なのかも!」
夏祭らむね:「なんか毎年雨降る時期あるよね」
草原コヨリ:「なーんか、色々あったぽいんよねー」
GM:きみたちは定期の連絡・作戦会議を行うためにまたここへとやってきたのだった。
小鼠:「んで、だ」
小鼠:「しょーじきあちゃしにとってあんちゃらはタダの餌、釣り竿のサキッチョについてるルアーみたいなもんだから」
小鼠:「そこらへんなーんも期待してなかったんだけど」
夏祭らむね:「しょっぱー」醤油をコップに入れて飲んでいる。
小鼠:「どうしてなかなか色々調べたみたいじゃんね」
夏祭らむね:「そう言われてみたらそうかも!」
夏祭らむね:「天才忍者だから、全ての人間の無意識のクラウドデータに侵入できる」
小鼠:「腐っても忍びってことか」
草原コヨリ:「ゾンビ・ニンジャってこと!?!」
夏祭らむね:「かっこいい~!そうかも!」
草原コヨリ:「ここをラクーン・シティにしてやるぜ」
小鼠:「はいはい。そんで」
小鼠:「こうなっちゃらもう隠してるほうが面倒になりそうだからな」
小鼠:「あちゃしの目的は、ショベル・マンとかいうやつなわけ」
夏祭らむね:「おおっ、そうだったとは」
小鼠:「いや……正確には今は油舐ニャオとか名乗ってる腐れ外道個人なんだけどな」
夏祭らむね:「そうだったとは!」
夏祭らむね:「ショベルマンは集団名っぽいから、全員抹殺するのは大変そうだけど~」
夏祭らむね:「個人だったらいけるね!」
草原コヨリ:「へー、なんで?勝手に映画撮られたの?」
小鼠:「撮られたと言うか、撮られるところを脱出したっちゅうか」
小鼠:「恐れ多くもあのドぐされヒューマンは……」
小鼠:「ああクソ」
小鼠:「……ぼ、なんぢゃん」
夏祭らむね:「ぼ……?」
草原コヨリ:「ん???」
小鼠:「……祖母に当たるの!血縁上!!!」
夏祭らむね:「えええええーーー!?」
草原コヨリ:「マジ????www」
夏祭らむね:「じゃあホームビデオから脱出してきたってこと!?」
小鼠:「忌々しいがその表現は100点満点ぢゃん」
小鼠:髪の毛先を乱雑にいじりながら。
小鼠:「ウチの家はもうアレとあちゃししか残ってないわけ」
夏祭らむね:「グルメ氏もらむねと同じデータキャラっぽいけどつよいっぽいから、なんで捕まったんだろとおもったら」
夏祭らむね:「おばあちゃんだったとは……」
小鼠:「あちゃしはなんとか逃れられたからこうやって生きてるわけだけど」
小鼠:「他はもう、全滅よ全滅」
小鼠:「"主役の器ではなかったのダ♪"とか抜かしやがって……」
夏祭らむね:「自分の子孫とか家族とか虐殺するビデオ撮ってるのやばすぎるな~」
小鼠:「あちゃしは善玉気取るつもりなんて一切ねーけどな」
小鼠:「この宇宙のために一刻も早く消えてもらいたいわけよ」
夏祭らむね:「主役に気に入らないから殺すんだったら、ナキもケロちゃんも危なそうだしな~」
夏祭らむね:「消そ!」
草原コヨリ:「ほぇ~~~」
草原コヨリ:「でも、ま、あれはウチもぶっ殺していいと思うな☆」
草原コヨリ:「協力するする!いえーいカンパーイ!」
夏祭らむね:「いえーいかんぱい!」醤油の入ったコップをかかげる。
小鼠:「カスなんだよな、おまけに最悪なことに」
小鼠:「悪党としては超一流、映像作家としては五流以下」
小鼠:「本人がそれを認めようとしないもんだから犠牲者がドンドン増えてくわけぢゃん」
夏祭らむね:「悪党としてそんなすごいんだ……まあグルメ氏が一族滅ぼされそうになってるんだからそっか」
夏祭らむね:「映像作家としてすごいとおもっちゃってるから、役者が悪いって殺しちゃうのか~」
草原コヨリ:「んで、何すりゃいいわけ?ウチら」
小鼠:「別に、今まで通り」
小鼠:「動画作ってなるべく有名になってくれりゃいいわけ」
小鼠:「あんちゃらの動画が有名になってあっちが無視できなくなったら」
小鼠:「ぜってー突っつきに出てくるからな」
夏祭らむね:「あっホントにエサじゃん!」
小鼠:「幸いこんなそこまで大きくもない島に逃げ込んだんだ、今度こそ逃さん」
小鼠:「あちゃしの名誉と将来の安眠のためにぶち殺す」
草原コヨリ:「ウチいい枕知ってるよ?」
夏祭らむね:「枕の問題じゃないと思う!」
夏祭らむね:「らむねがオスカードラゴンになってATK3000DEF2500になるのはかくてーじこーだし」
夏祭らむね:「そのついでにショベルもシャベルモぶっ潰せばいいのね~!」
小鼠:「ん、それでいい」
夏祭らむね:「でもやっぱ悪党としてすごいってことはめっちゃ強いのかな……」
小鼠:「強いと言うか、厄介」
夏祭らむね:「らむね、脚から核ミサイルとトーストが出せるくらいで直接戦うのはそんなだからなぁ……」
夏祭らむね:「厄介なんだ……」
小鼠:「(トースト?……)」
小鼠:「ただアレにはこだわりがあるみてえだからな、映画ってものに対して」
夏祭らむね:「ほんほん」
小鼠:「そこをうまく利用できればなんとか表に引っ張ってこれるかもしりゃん」
小鼠:「あちゃしそういうのサッパリだからな、おかげでテレビも映画も大嫌いだし」
夏祭らむね:「それは嫌いになるのもわかるのね……」
夏祭らむね:「じゃあらむねたちがちょーめっちゃすごい映画つくって正面から叩き潰すかー、」
夏祭らむね:「油舐ニャオ秘蔵エッチビデオ映画を流しちゃうか」
夏祭らむね:「そんなかんじ?」
小鼠:「アレがキレて取り乱して隙を晒すとしたら」
小鼠:「アレの作品に関することなんぢゃよな」
小鼠:「あんちゃら、"台無し"にできるか?」
夏祭らむね:「なるほどね!」
夏祭らむね:「ナキを主役に、ケロちゃんをだまして準主役に映画撮るつもりみたいだから……」
夏祭らむね:「そこをめちゃくちゃにしちゃえばいいってことね!」
夏祭らむね:「らむねはいいものしか作れないけど、そういうことなら仕方ないのね!」
草原コヨリ:「監督なら出来るっしょ、ウチら無敵だし」
草原コヨリ:「ね~~」
夏祭らむね:「最強チームだもんね~!」
小鼠:「そりゃ頼もしい限りで」
小鼠:「あと引き続きあちゃしの存在は秘密にしとくんぢゃんね」
小鼠:「アレにはまだバレてないようだし、色々準備をさせてもらいたいからナ」
夏祭らむね:「なるほどね!切り札は伏せておくから切り札なのだね!」
小鼠:「よくおわかりで」
夏祭らむね:「孫が来てるって知ったらビックリしちゃうもんね」
小鼠:「そのまま心臓止めちゃるがな」
夏祭らむね:「……はっ!まさかカザちゃん……ていうかケロちゃんの子供って、グルメ氏……!?」
小鼠:「は?うちの親は死んでるってさっき言っちゃだろがい」
夏祭らむね:「でも……グルメ氏がそう思ってるだけの可能性も……」ぶつぶつ
小鼠:呆れたようにシュガーポットの中身をぐいぐいと飲み干していく。
小鼠:「(じゃりじゃり)」
小鼠:「じゃ、そうわけで」
夏祭らむね:「なんにせよグロクソ映画をめちゃくちゃにしちゃうなんて楽しそうなのね~!」
草原コヨリ:「おう、そゆわけで☆」
草原コヨリ:「最高の作品……作ろうな(イケボ)」
夏祭らむね:「豪華客船に乗ったつもりでいてね!」
夏祭らむね:「タイタニックのポーズをする準備を、しておくんだな……(イケボ)」
草原コヨリ:「沈むじゃんwww」
小鼠:「たいたにっくのぽーず?」
小鼠:「ま、い」
小鼠:「がんばんな、せいぜいな」
夏祭らむね:(知らないってことはえっちなポーズとらせるチャンスだ)
夏祭らむね:「うんっ!まかせてーっ!」
小鼠:そうして、小鼠が店を去り。
草原コヨリ:「んほほ、なんだかこう」
草原コヨリ:「決戦の時は近い!そんなイキフンが漂ってきましたネッ」
夏祭らむね:「だねだねっ!」
草原コヨリ:「撮るぜ、ドラスカ」
夏祭らむね:「とるぜとるぜなのだよ~!」
夏祭らむね:「戦いを終えたら結婚しようってプロポーズしとかなきゃ」
草原コヨリ:「故郷にも帰るぜ」
草原コヨリ:「お前との決着だってつけちゃお☆」
夏祭らむね:「ホームランうったら手術うけるぜ!」
草原コヨリ:「ひーひっひ!」
草原コヨリ:「あれもこれも叶え放題だねー」
夏祭らむね:「なんでもできちゃうねー!」
夏祭らむね:「さいきょーだもんね!らむねたち!」
逆月亭の主人:「(なんだありゃ、騒がしいな……)」
逆月亭の主人:「(でも、ここ最近は無かったものだ)」
GM:そうして、逆月亭にひとたびの喧騒が戻り。
GM:決着――その時が、まだ遠く。しかし確実に先にあって。
草原コヨリ:「幸せにしてやろうぜ、どいつもこいつも」
草原コヨリ:「監督の作品でなっ」
───────
マスターシーン6
GM:続いてのマスタシーン、登場PCは3になります。
畔戸笑理:はーい
GM:では……いくぜ!
───────
GM:その連絡は、唐突だった。
GM:以前話した時と同じ、真渕カヅキの声は特にこれといった感情の見えない無機質な、プラスチックのような印象のままであったが。
GM:この時の、電話口の向こうの彼女がどうしてか……震えながら喋っているように思えて。
真渕カヅキ:「お伝えしなければならないことがあります」
真渕カヅキ:「今すぐ、支社へと来ることが可能でしょうか」
GM:そうして、あなたは再び訪れた、六塔電子竜骨島支社その頂上階において。
GM:開口一番真渕カヅキは、
真渕カヅキ:「父が、――死にました」
GM:その事実を告げた。
───────
真渕カヅキ:「父、いえ真渕伴蔵は……いつ死んでもおかしくはなかった」
真渕カヅキ:「ただその時が来たと言うだけの話です」
真渕カヅキ:「そのための準備は既に済ませております」
真渕カヅキ:「ただ、あなたの忍務」
真渕カヅキ:「あれは、今となっては"私的"なものです」
真渕カヅキ:「弊社の優先度はそう高くはない」
真渕カヅキ:「報酬は、色を付けてお渡ししましょう」
真渕カヅキ:「ですがこれ以上の継続、というわけには」
真渕カヅキ:淡々と、事務的に報告が告げられる。
真渕カヅキ:「そして、あなたが求める畔戸耕一郎の遺産」
真渕カヅキ:「それについての情報もこちらで把握している分は、お教えします」
畔戸笑理:「お悔やみを……申し上げます」そっと頭を下げる。ちょうど初めてここへ来た時に言われた言葉を、今度は逆の立場から口にして。
畔戸笑理:「忍務については、承知いたしました。異存ありません」
畔戸笑理:(しかし……)
真渕カヅキ:「では、そのように……」
畔戸笑理:「──あの」
畔戸笑理:上目でそっと顔を窺う。
真渕カヅキ:「なんでしょう?」
真渕カヅキ:小さく首をかしげ。
畔戸笑理:「失礼な質問になるかもしれませんが」
畔戸笑理:「……寂しくはありませんか?」
真渕カヅキ:「寂しい……」
真渕カヅキ:「か、どうかは」
真渕カヅキ:「まだ、実感というものが伴っていないのだと思います」
真渕カヅキ:「ただ、恐ろしくはあります」
真渕カヅキ:「これから、私はどうやって生きていけばいいのか」
真渕カヅキ:「ねえ、畔戸笑理さん」
畔戸笑理:「はい」
真渕カヅキ:カヅキが、距離を詰める。
真渕カヅキ:椅子に座ったあなたの正面。身をかがめ、その手に己の手をそっと重ね。
真渕カヅキ:「私たち……家族を亡くしたもの同士……」
真渕カヅキ:「これから、助け合って生きていければ……なんて」
真渕カヅキ:「そんなことを……」
真渕カヅキ:「いけないことでしょうか?」
畔戸笑理:(家族を亡くしたもの同士)
畔戸笑理:正確には、違う。
畔戸笑理:自分にはナキが居る。今は命を狙ってくるような間柄になってしまっているけれども。
畔戸笑理:目の前の彼女だって、それが具体的に誰かまでは知らないとしても、分かっているはずだ。
畔戸笑理:本当は自分だけが寄る辺を持たないのだと。
畔戸笑理:「……いいえ」
真渕カヅキ:フ、と残念そうに笑い。
真渕カヅキ:「ああ、やっぱり」
真渕カヅキ:「色々と、ご存知のようですね……」
真渕カヅキ:「あなたは、優秀な忍びのようです」
畔戸笑理:片手をするりと抜いて、彼女の手の上に重ねる。
畔戸笑理:「ええ。でも、いいえ」
畔戸笑理:「私は、あなたを好ましく思っております」
真渕カヅキ:「それは……」
真渕カヅキ:「驚きました……いえ、申し訳ありません」
真渕カヅキ:「想定外の答えです、ですが、ええ……嬉しい」
真渕カヅキ:「しかし……それでは"駄目なのです"」
真渕カヅキ:「"足りないのです"」
真渕カヅキ:「私の"機能"は、それでは満たされない」
真渕カヅキ:するりと、片手が抜かれる。
真渕カヅキ:それが再度、あなたの手を包み――いや、抑え込む。
真渕カヅキ:「首を縦に振ってほしくて、申し訳ありません、情報の順序を意識しました」
真渕カヅキ:「お教えしましょう、ええ」
真渕カヅキ:「畔戸笑理さん、あなたは天涯孤独ではない、この私とは違い、"まだ"」
真渕カヅキ:「どこか、察しているのかも知れませんが……」
真渕カヅキ:「畔戸耕一郎氏は、あなたの実の父ではありません」
畔戸笑理:頷く。
畔戸笑理:無言のままのその動作は、知っていた、と示すものだ。
真渕カヅキ:「彼に配偶者はいません、それに類する人物も確認はできない」
真渕カヅキ:「ただ、後継者を必要としていました」
畔戸笑理:「後継者……」
真渕カヅキ:「自分の作り上げたものを次代に繋げる責任感」
真渕カヅキ:「それのために、あなたは"買われた"」
真渕カヅキ:「そしてあなたに渡されるはずだった、遺産」
真渕カヅキ:「それは、"記憶"です」
真渕カヅキ:「後継者として育成されるべき素材、ならば……それ以前の記憶など邪魔なものでしか無いでしょう」
真渕カヅキ:「しかし何故それを返そうという考えに至ったのか」
真渕カヅキ:「そのために、何故"誓約"など……私には理解ができませんでしたが」
真渕カヅキ:「父は、それをわかると、そう言っていました」
真渕伴蔵:『鉄人耕一郎とはいえ…』
真渕伴蔵:『あれも、……結局は……人、なのだ』
真渕伴蔵:『我が子が、愛しくない人など……いるわけが、……ない……なぁ、カヅキ』
真渕伴蔵:『だから、おそろしくなったのだ……自分の、しでかしたことが』
真渕伴蔵:『時が、経って……ようやく、それに気づいた……』
真渕伴蔵:『記憶を、……奪い、姉妹を、引き剥がし……』
真渕伴蔵:『真実が……あの子に追いついた時……』
真渕伴蔵:『それを思うと、恐ろしくて、恐ろしくて……』
真渕伴蔵:『ただ、嫌われたくなかったのだな……ハ、ハ、かの、耕一郎が、だ』
真渕伴蔵:『だから、"誓約"だ』
真渕伴蔵:『ヤツなりの、出来うる限りの誠意が……あれだった』
真渕伴蔵:『ばかで、不器用な、……男だ』
真渕カヅキ:「わかりますか?」
真渕カヅキ:「私には、わかりません」
真渕カヅキ:「ですが、わかるようになりたい」
真渕カヅキ:「"家族"に……なりたい」
真渕カヅキ:「あなたと、私で」
畔戸笑理:「ふふ」
畔戸笑理:「ふふっ、ふふふ」
畔戸笑理:「不器用なひとだらけ……」
畔戸笑理:肩を震わせる。
畔戸笑理:「カヅキさん……と、お呼びしても?」
真渕カヅキ:「ただカヅキと、そう呼んで欲しい」
真渕カヅキ:「今は……それで」
真渕カヅキ:「その名もいずれ、捨てることになるでしょうから」
真渕カヅキ:「ええ、もう、ご存知でしょう?」
真渕カヅキ:「私は、すべて手に入れます」
真渕カヅキ:「あなたの"家族"に、なります、真の意味で」
真渕カヅキ:「もう、9割はそうなのですよ」
真渕カヅキ:「だったら、もう、ほとんど"そう"ですよね」
真渕カヅキ:「でも、うまく飲み込むことは難しい」
真渕カヅキ:「そういうものでしょう、ひとは」
真渕カヅキ:「だから、残りの1割も手に入れる」
真渕カヅキ:手は、接着でもしたかのように動かない。あなたの動きを封じて。
真渕カヅキ:「だからその時は――、お姉ちゃんと、呼ばせてくださいね」
真渕カヅキ:その笑顔は、どこか懐かしいものに思えて――、
畔戸笑理:愛おしげなまなざしを手元に落とす。
畔戸笑理:自分を抑えつける彼女の手。
畔戸笑理:痛いくらいの力が籠っていて、それと共にぬくもりを伝えてくる。
畔戸笑理:人間なのだ、と思う。
畔戸笑理:来歴がどうあれ。変遷がどうあれ。その意志があること、欲望を向けてくれることを以て。
畔戸笑理:言った通りだ。彼女を好ましく思う。故に。
畔戸笑理:「……カヅキさん」あえてそう呼ぶ。微笑みを湛えたまま。
畔戸笑理:「拒もうとは思いません」
畔戸笑理:「むしろ、そう呼んでもらえるときが、とても楽しみ。ですけれど」
畔戸笑理:「駄目。少なくとも、今はまだ」
真渕カヅキ:「ええ、"今"は、"まだ"」
真渕カヅキ:互いの言葉は、正しく噛み合っているのか、否か
真渕カヅキ:ただカヅキは、強い決心を湛えた瞳で。
真渕カヅキ:「笑理さん、あなたが探すべきは"黄色"です」
真渕カヅキ:「そこにあなたが失ったものが、刻まれている」
GM:PC3のハンドアウトを更新します。
GM:畔戸笑理:あなたは四組織のうちのひとつ『六塔電子』に雇われの忍びである。
あなたの【使命】は亡き父が己に渡すはずであった《遺産》を取り戻すことである。
畔戸笑理:「……ありがとう。教えてくれて」
畔戸笑理:「それと。どうやら、私は」
畔戸笑理:「あなたが思うよりもずっと、欲の深い人間みたいです」
真渕カヅキ:「欲望は……肯定、祝福されるべきことです」
真渕カヅキ:「特に、この街においては」
真渕カヅキ:「あなたと私、望むことを、望むままに」
真渕カヅキ:「たとえ、それがどのような未来をもたらすのだとしても」
真渕カヅキ:「私は、決して諦めません」
畔戸笑理:笑みを深める。喜ばしげに。
畔戸笑理:「近いうちに、またお会いできますか?」
畔戸笑理:「大事なお話がしたいので」
───────
GM:教区、奥の座。
GM:いつものように楽しげに、いつものように退屈そうに。
聖女・"瞳":「ふぅん、そういうことになってるんだ」
聖女・"瞳":「思ってたより、ややっこしいのね」
聖女・"瞳":「もっと少人数の、シンプルな話になると思っていたのに」
聖女・"瞳":「でも、それはそれで、素敵ね」
聖女・"瞳":「ひととひと、営み、繋がり」
聖女・"瞳":「すべては広がっていくのだわ」
聖女・"瞳":「その最初のさざなみに、私がなれたのなら……なんだか登場人物の一人になれたみたいで嬉しいわ」
"霊輿":血を流す竜の硝子絵を透かした薄日が、穹窿に描かれた竜骨の抽象画を照らしている。
"霊輿":その聖堂の内陣、《磐座》と名付く聖座の前に、男が跪いている。
"霊輿":「御柔和・御憐愍の御源にてまします聖女様」
"霊輿":「糾える縄の如く、連なる鎖の如く」
"霊輿":「全ての営みは繋がっております」
"霊輿":「その営みは、我ら人ばかりにて続くものにはございません」
聖女・"瞳":「あら、私も仲間に入れてくれるの?」
聖女・"瞳":「でも、それが慰めにしか聞こえないのが問題なのよね」
聖女・"瞳":「"霊輿"、あなた私を慰めてくださる?」
聖女・"瞳":「あーあ、外に出たいなー」
"霊輿":「安息地の主、馥郁たる思慮を湛え給う聖女様」
"霊輿":「畏れながら、それは未だ叶わぬことと御自らが御存知でしょう」
"霊輿":「その無聊の慰めとて、オークションへ出でたる"コイン"を御集めになっているのですから」
聖女・"瞳":「でも、そう多く出回るようなものじゃあないもの」
聖女・"瞳":「ビデオ・テープなら擦り切れちゃっているわ」
聖女・"瞳":「ねえ、あの子たちの」
聖女・"瞳":「何ていったかしら、河路緑郎?持っているんでしょう」
聖女・"瞳":「貰ってきちゃおうかしら、私"青"は好きよ」
聖女・"瞳":「悲しいってことは、辛いってことは」
聖女・"瞳":「諦めたくないものがあるってことなんだから」
聖女・"瞳":「それってひとの心の、かがやきよね」
"霊輿":「善思にして義なる方、賛歌と章句を受け給う聖女様」
"霊輿":「畏れながら、その儀はなさらぬよう、伏して願います」
"霊輿":「"在り処"にあるものは、"在り処"のままに」
"霊輿":「"在り処"から零れたるものは、その御手に」
聖女・"瞳":「わかってるわ、言ってみただけよ」拗ねたように、足を揺らす。
聖女・"瞳":「無理やりとっちゃあ、かわいそうだもの」
聖女・"瞳":「"霊輿"、あなたが困るのを見たかっただけよ」
"霊輿":「御無体なことを仰います」小さく、くぐもったような笑い声が漏れる。
"霊輿":「"踏鋤"によれば、先頃の中央オークションには"コイン"は出ていなかったとのことです」
聖女・"瞳":「ならば、せめて、この度の顛末に思いを馳せて」
聖女・"瞳":「せっかく手放したんだもの、それ以上のものを見せてくれないと」
聖女・"瞳":「私の手に渡り、私の手を離れた"黄色"は、何処へと辿り着くのかしらね」
聖女・"瞳":「祈りましょうか、教区の聖女が」
聖女・"瞳":「それしかできないものね」
聖女・"瞳":「かわいいあなたたち、祝福を」
GM:手を合わせ、祈る。
GM:異街の祈りはどこへ届くのだろうか。
GM:隔絶の異界、ここの空は"外"の空へとは通じていない。
GM:ならば、地のそこ、未だそこにあるやもしれぬ"心臓"へと届くのだろうか。
───────
サイクル3 夏祭
GM:これにてマスターシーンを終了!
GM:運命のサイクル3に入ります!
GM:トップはこいつだPC5!
夏祭らむね:応っ!
GM:述べな!のべのべ!
夏祭らむね:シーンは異街!
夏祭らむね:やることはクテンの秘密を抜くので登場要請NPCはクテン。
夏祭らむね:とりあえず場面に出てもらうかはわからないんですけど、データ上は
夏祭らむね:笑理ちゃん、錺さん、時雨さんに登場扱いになっておいてもらえると嬉しいです
畔戸笑理:扱われます
GM:ああーん?
河路 緑郎:行ってらっしゃい
河路 緑郎:感情修正とか色々あるもんねえ
錺 十也:あっすいません
錺 十也:いきます!
GM:不正受給か~~~???
時雨:あ、出ます出ます
GM:まあいいや、とりあえず見てみましょう
錺 十也:扱いになっています
夏祭らむね:そんなわけでシーン表をふるわよ!
夏祭らむね:2d6 (2D6) > 6[1,5] > 6
GM:6.希族街を訪れる。忍務か、あるいは希族の正式な招待を受けてだろうか?
GM:クテンのホームですね。振り直しは?
夏祭らむね:振りなおさなくてOK!!
GM:了解。
GM:導入はどうします
夏祭らむね:じゃあこっちでやろうかな!
夏祭らむね:中華街的なところを食べ歩いてるかんじで
GM:了解しました。
───────
夏祭らむね:「外の世界って食べ物もちがうの?」
夏祭らむね:忌々焼を食べ歩きながら、隣のクテンへと尋ねる。
夏祭らむね:一口食べるたびにあんこと断末魔が口の中に広がる。
"クテン":「まァ、多少は違うがな。いわゆる島のモン以外は大して変わらねェよ」
"クテン":「……たまに、お前が今食べてるヤツみてェな意味分からんのもあるが」
しまモン:『でもシマモンはないから……』
しまモン:小さなぬいぐるみがみたらし団子を手にテクテク歩く。
しまモン:『その時点でここより劣っているシマモね……』
夏祭らむね:「それにしてもさ~~~~~~」
夏祭らむね:ハア~~~~~~~~~とわざとらしいクソデカため息をつく。
夏祭らむね:「諦めさせてもくれないなんてひどいよねぇ~」
夏祭らむね:「ね~しまモ~ン」
しまモン:『モ~ン』
"クテン":「……なんの話だ」
夏祭らむね:「気づいてないフリですか~?」
夏祭らむね:「純情な恋する乙女心をもてあそびですか~?」
"クテン":「お前なァ……」
"クテン":「……別に弄んじゃいねェよ。ただな」
"クテン":「お前みたいな型破りな──少なくともそう振舞って、夢を追ってるようなヤツに」
"クテン":「物分り良く『諦めさせる』のは、気に入らなかったんだよ」
夏祭らむね:「あらあらあらァ、ご自身のことですのにねェ~」
夏祭らむね:「ただまあ、自分が誰かに好きになってもらえるという自信が」
夏祭らむね:「なかったのでしょうねぇ、らむねさんには」
夏祭らむね:他人事のように解説する。
夏祭らむね:「まあそこの自信がついたわけでもないので、どうしましょうという感じなんでしょうねぇ~」
"クテン":「ソコんとこは別に心配はねェだろ」
"クテン":「脚が機械化されてるとか言ったか? そんなモン、斜歯じゃよく見るぜ」
"クテン":「つーかココでも手足換装してるようなヤツはそこそこ見る気がするがなァ……ソイツは何が気に入らなかったんだか」
"クテン":「鍔鑿組ほどじゃねェが、俺だって"内側”は多少サイバネ増強してんだ。手指の神経とか脚の筋肉とかな」
夏祭らむね:「へ~!そうなんだ」
夏祭らむね:「じゃなくて」
夏祭らむね:「いっぱいるとかじゃなくて」
夏祭らむね:「クテンは?」
夏祭らむね:「脚が機械の女は嫌い?」
"クテン":「全然」
"クテン":「嫌いだったら自分でやらねェよ」
夏祭らむね:「んっふっふ、そうかいそうかい」
夏祭らむね:しまモンから見たら死団子(人間の形を象っており、目がえぐれている)を受け取って口に入れる。
露天商:「暴力ステラ、チョ小馬鹿ナ、酷い都市人もあるよ」
夏祭らむね:「暴力ステラいいな~」
夏祭らむね:「噛むとめちゃくちゃ暴れだすのね」
"クテン":「それカステラなのかァ……?」
夏祭らむね:「でも買わないでおこ」
"クテン":「アン? なんでだ?」
夏祭らむね:「その…………しょくもつが」
夏祭らむね:「その~~~~~」
夏祭らむね:「ないこともないといいますか」
夏祭らむね:「……料理動画?楽して再生数稼げそうだし?」
夏祭らむね:小さな箱をとりだす。
夏祭らむね:「そう、これは実験台というか」
夏祭らむね:「生贄というか」
夏祭らむね:「そういうやつだから」
夏祭らむね:「たべたまえ」
"クテン":「お……? オウ……?」
"クテン":戸惑いながらもその小さな箱を受け取り、蓋を開けてみる。
夏祭らむね:一面、卵焼きが入っている。
夏祭らむね:ぎっしりと、卵焼きのみが、入っている。
夏祭らむね:しかし、そのひとつひとつは微妙に色が違う。
夏祭らむね:色々なアレンジをくわえた、1つとして同じものはない卵焼きの群れが入っていた。
夏祭らむね:「なにが好きか……わかんないから」
夏祭らむね:「甘いの……しょっぱいの……」
夏祭らむね:「明太子とか……チーズとか……」
夏祭らむね:「ほうれん草とか……」
夏祭らむね:「いろいろ……ある」
"クテン":「お、オウ……こりゃァ」
"クテン":敷き詰められた一面の卵焼きに一瞬面食らうが、その解説を聞いてしげしげとそれらを眺める。
"クテン":「普通に……旨そうだな」
"クテン":「……その、なんだ……」
"クテン":「……ありがとよ」
夏祭らむね:「……ま、まだ食べてないでしょっ」
夏祭らむね:「食べたら爆発するかもしれん」
"クテン":「卵焼き食べて爆発することあるか?」
"クテン":「……いや、でもこの島だからな……」今さっき露店で売っていたカステラらしき何かを思い浮かべる。
"クテン":「じゃァその……食っていいんだよな?」
夏祭らむね:「そ、そのために作ったんだから」
夏祭らむね:「食べてもらえないと……困る」
"クテン":「あ、あァ。……いただくわ」
"クテン":添えられていた箸をとり、その中の一つを口へ運ぶ。
夏祭らむね:「…………」じっと見ている。
夏祭らむね:味見の段階では悪くはなかったと思うけど……。
"クテン":「……旨いな」
"クテン":「これなんだ? 桜エビかなんかか?」
夏祭らむね:「!」ぱあっと笑顔になる。
夏祭らむね:「うんっ、それは桜エビだと思う!」
"クテン":「うん、旨いじゃねェか。玉子の塩加減もいいし」
夏祭らむね:「んふふふふふ」
夏祭らむね:「あっ桜エビおいしかったらこっちのしらすも好きかも」
"クテン":「お、悪ィな。……うん、これもいいじゃねェか。旨いぜこれ」
"クテン":「これがしらすで……ん、こっちはチーズと……刻んだハムかなんかか?」
夏祭らむね:「うん!ハム!チーズとハム、おいしいらしいから」
夏祭らむね:「肉、好き?」
"クテン":「好きだぜ、肉。チーズも好みだ。肉と合うしな」
夏祭らむね:「んふふふふ……」嬉しそうに笑っている。
夏祭らむね:「……さっき、クテンはありがとうしてくれたけど」
夏祭らむね:「らむねも、クテンにありがとうあるんだよ」
"クテン":「ン? なんかあんのか?」
"クテン":葱入りの玉子焼きへ箸を伸ばしつつ、問い返す。
夏祭らむね:「……んっとね、ちょっと前、時雨に『青の逆月亭の環境を守ろう作戦』のこと、言われたとき」
夏祭らむね:「らむねね、最初どうしよっかな~って言ったの」
夏祭らむね:「みんなにそれぞれ大事なものがあるのに、それをあきらめてでも四人でいてって言っていいのかな……って」
夏祭らむね:「……それは、完全には嘘じゃないんだけど」
夏祭らむね:「ナキが……ダメになっちゃわないで頑張ってこられたのは、家族ぜーいんぶっ殺すって怒りのおかげだろうし」
夏祭らむね:「それをそんなのやめなきゃだよって軽く言えないのは、そうだし」
夏祭らむね:「クテンの夢やプライドが、バカにしていいものじゃないと思ったのも、そうだし」
夏祭らむね:「でも……」
夏祭らむね:「本当は……『四人』を守って」
夏祭らむね:「らむねはそれを……憧れを、観客席に座って」
夏祭らむね:「輪に入れなくて、ただ眺めてる……」
夏祭らむね:「それが……いやだったから」
夏祭らむね:「見てもらえないのに……守っても、仕方ないじゃんって」
夏祭らむね:「関係ないと思われてるのに助けても、関係ないじゃん……って」
夏祭らむね:「だから、クテンが『八人』が大事って言ってくれて、嬉しかった」
夏祭らむね:「だから、ありがとうなんだよ」
"クテン":「……そうかよ」
"クテン":「何度も言ったけどよ。俺は別に助けたつもりなんてねェ」
"クテン":「ただ、いつもの四人だけよりも」
"クテン":「"八人"の方が楽しいかも知れねェと、思っただけだ」
"クテン":「俺にそう思わせたのは、シグルで、カワジで、クユで」
"クテン":「そんで──お前だ、ラムネ」
"クテン":「だから、お前が俺に『ありがとう』って言うんなら」
"クテン":「俺はお前に言う。『よくやった』──」
"クテン":「『ありがとう』ってな」
夏祭らむね:「ふふふふ……」くすぐったそうに笑って。
夏祭らむね:「クテンの大事なものの中に入れて、嬉しい」
夏祭らむね:「でも……」
夏祭らむね:「今は、『八人のうちの一人』だけど」
夏祭らむね:「……私だって、本当は」
夏祭らむね:「誰かの、特別な一番になりたい」
夏祭らむね:「ううん、誰かじゃない」
夏祭らむね:「きみの」
夏祭らむね:「特別な一番に、なりたいんだよ」
"クテン":「特別な一番、……」
"クテン":箸を運ぶ手を止め、少し眉根を寄せる。
"クテン":「……俺の夢は立身栄達だ。昔からな」
"クテン":「だから昔から、そのことばかり考えてきた」
"クテン":「……他人のことなんざ、利用できるカモか、頭下げとく上役か、商売敵か競争相手くらいにしか考えちゃいなかった」
"クテン":「だからなァ、こう……」
"クテン":「……"八人"を大事だと思ったのも、初めてなんだ」
"クテン":「この上"特別な一番"ができるのかどうか、俺自身分からねェんだよ。正直な」
"クテン":「──だがな」
"クテン":眼を閉じ、己の考えに自分自身戸惑っているように、言葉を搾り出す。
"クテン":「……"八人"ができたんなら」
"クテン":「"一人"ができねェとも……限らないんじゃねェか」
"クテン":「……とは、思ってる」
"クテン":「その、つまりな」
"クテン":ばつが悪そうに視線を逸らし、呟く。
"クテン":「……仮って形でいいか?」
"クテン":「今後、実際お前を"特別な一番"と思えるようになるかどうかは分からねェ」
"クテン":「だが。そう思えるかどうか、マジメに考えるつもりだ」
"クテン":「だからラムネ、お前も……俺がそう思えるようにしてみせろ」
"クテン":「……いや、もうやり始めてはいんのか」
"クテン":手元の玉子焼きに目を落とし、ぽつりと呟く。
夏祭らむね:「…………!」
夏祭らむね:「んふふ…………」
夏祭らむね:「んふふふふ」
夏祭らむね:「言うね~~~」
夏祭らむね:「うん、毎秒味噌汁作りに行くからね!」
"クテン":「味噌汁/sは多すぎだろがァ……!」
夏祭らむね:「……ありがとね」
夏祭らむね:というところで判定をしたいと思います。居所を抜きます。
夏祭らむね:特技は≪仕込み≫!
錺 十也:感情修正いりますか
夏祭らむね:お願いできたら嬉しい!
錺 十也:オッケー+1!
畔戸笑理:こっちもあげる!
夏祭らむね:ありがと~~!
GM:判定どうぞ
夏祭らむね:2D6+2>=5 (判定:仕込み) (2D6+2>=5) > 6[2,4]+2 > 8 > 成功
夏祭らむね:成功!感情共有で錺さんと笑理ちゃんに、そして時雨さんに居所をお渡しします。
時雨:ありがとうございます! もらいます
錺 十也:いただきます
夏祭らむね:調べることないし、闇神楽はいいかな……
畔戸笑理:わあい
夏祭らむね:「これであがりこんでエッチな本とか探しちゃお~」
"クテン":「……あァ!? お前、またなんか俺の記憶読みやがったか!?」
夏祭らむね:「クテンのホームでクテンのおうちを探し出すことくらい余裕なのね~」
"クテン":「クソ、……」
"クテン":少し狼狽しかけるが、ふと、どこか決まりの悪そうな表情を浮かべる。
"クテン":「……他の忍びに宿が割れたってのに」
"クテン":「別に悪いこたァねェと思っちまうのも……妙なモンだな」
夏祭らむね:「…………ふふ~」
夏祭らむね:「本当はね……核ミサイルから守って欲しかったんじゃない」
夏祭らむね:「らむねが悪いことをしても、悪くないよって言ってほしいんじゃない」
夏祭らむね:「ただ、ひとりじゃないんだよって、そばにいてほしかっただけ……」
夏祭らむね:「だから、仮でもありがとうだよ!」
夏祭らむね:「……カザちゃんは核ミサイルから二回守ってくれるけどね~?」
"クテン":「お前核ミサイルを『魔王』くらいの意味で捉えてねェか?」
"クテン":「まァ、その」
"クテン":「仮じゃなくなるように、『目指して』みろや」
"クテン":「……俺も考えるからよ」
夏祭らむね:「ふふっ、のぞむところだ!」
夏祭らむね:「目指すのはテッペンだからね!」
───────
サイクル3 畔戸
GM:それでは次のシーンに移ります、プレイヤーは3。
畔戸笑理:はーい
GM:いつものやつをお願いします。
畔戸笑理:そうですね……
畔戸笑理:競り落としたレストランの招待券を使おうと思うのですが
畔戸笑理:この場合もシーン表は振った方がいいのでしょうか
GM:一応振りましょう。
畔戸笑理:はい。ではシーン表は異街で、
畔戸笑理:呼ぶのはカヅキさんとナキちゃん。
GM:了解、ではシーン表をお願いします
畔戸笑理:2d6 (2D6) > 4[1,3] > 4
GM:4.工業区を訪れる。六塔電子のプラントが並ぶ合間を抜けるあなたの目的は単なる散策?あるいはスパイ忍務だろうか。
GM:このままでいきます?
畔戸笑理:今回はこのままで。
GM:了解です
GM:ではやっていきましょうか、導入はどうしましょう
畔戸笑理:ナキちゃんの呼び出しだけ少し描写させていただきたいです。レストランでどんな感じかはお任せしたく
GM:んーじゃあ、最初にレストランで顔つき合わせてるところから始めて
GM:ちょっと遡って、こういうことがあった、みたいな
畔戸笑理:了解です!
GM:それでは
───────
GM:リストランテ・ドラゴンキッチン。
GM:庶民から富裕層まで利用する六塔支配区の有名店。
GM:中心をぶち抜く大窯が名物で、高層に行くほど値段が張る。
真渕カヅキ:「最上階は……私も今まで一度しか経験がありません……」
真渕カヅキ:「よく取れましたね、ここ」
真渕カヅキ:凛とした佇まいで、真渕カヅキ。
ナキ:対して似つかわしくない態度の、ナキ。
ナキ:机に肘を乗せてあたりを睨んでいる。
ナキ:「騙された……」
真渕カヅキ:「そうなのですか?」
真渕カヅキ:対面の笑理に、キョトンと。
畔戸笑理:「は、はて……」
畔戸笑理:いつもの黒いお仕着せ姿は、活気と照明の光に満ちた空間にあって、いつも以上に縮こまって見える。
畔戸笑理:「騙してはいません」
畔戸笑理:脅しただけで。
畔戸笑理:──突き止めたナキの拠点に、彼女が留守のうちに、封筒を届けておいた。
畔戸笑理:中身は三つ。
畔戸笑理:一つはこのコースの招待券。
畔戸笑理:一つは、赤黒い染みが点々と滲んだ、『来なければ死にます』とだけ記された紙片。
畔戸笑理:一つは、断面も生々しい、白くほっそりとした女の小指。
畔戸笑理:果たして今、何気ないふうで卓上に置かれた笑理の左手には、該当する指が存在していない。
ナキ:「……」
ナキ:「アホくさ、よく考えたらアンタがナキの知らないところで勝手に死ぬわけないもんね」
ナキ:「実行するなら何が何でもナキの目の前で死ぬでしょ」
ナキ:「はぁ……」
畔戸笑理:「そんなことはしません」
畔戸笑理:「それじゃ止められたり、満足されるかもしれませんもの」
畔戸笑理:淡々と言って。
ナキ:「やっぱ一番こわいの"そう"じゃん……」
畔戸笑理:「その……もちろん、他意のないお誘い、ではないのですけれど」
畔戸笑理:「折角ですし、まずは食べませんか」
真渕カヅキ:「し、死んではいけませんよ……」
料理長:「ようこそ本日はおいでくださいました」
料理長:ちょび髭を生やした、筋骨隆々の大男が話しかけてくる!
料理長:コックの格好なのでコックなのであろう。
畔戸笑理:「お、お邪魔しております……」怯えている。
料理長:「私ここの総料理長を務めさせていただいている、ロンと申します」
料理長:「今宵はこの私の【奥義】の数々で皆様を味の小宇宙へと誘うお手伝いができればと……」
料理長:「では早速……」
料理長:手を打ち鳴らすとワゴンに載せられソレが現れた。
クソデカい蟹:「……プクプク」(泡を吹いている)
畔戸笑理:「…………」
料理長:「こちら、竜骨ダイマオウガザミでございます」
料理長:「ドラゴンキッチンの総料理長ということは……この異街で"最強"の料理人である、ということ……」
料理長:「コォォォ」
料理人たち:「で、出るぞ……」
料理人たち:「よく見とけ、アレを調理できるのは異街狭しといえど4名のみ」
料理長:「むん!!」
料理長:全身がパンプアップ!その巨体に躍りかかる!!
料理長:「ぬん!ふっ!ほっ!!せや!!!!!!!」
料理長:「ッヅァーーーーーーーーーーーー!!!!!」
クソデカい蟹だったもの:「バラバラーン……。」
畔戸笑理:「…………!」
料理長:「ハァ……ハァで、では……こちら調理させていただきます……ハァ」
料理長:「それまで前菜の方をお楽しみに……」
料理長:ガラガラと、蟹と一緒にワゴンに載せられて去っていく。
ナキ:「……なんだったんだ今の」
畔戸笑理:若干顔を青くして見送る。
真渕カヅキ:「私が以前来た時は巨大なトカゲと戦っていましたよ」
畔戸笑理:「……サービス……パフォーマンスの一環ということでしょうか……」
真渕カヅキ:「味の方は流石のひとことでしたが」
真渕カヅキ:「というわけで、いただきましょうか」
畔戸笑理:「そう、ですね。いただきます」九本指の両手を合わせる。
真渕カヅキ:流れるような所作で食器を手繰る。
ナキ:(黙々と箸ひとつで食べ進める。)
畔戸笑理:カヅキほどではないが、作法を心得た様子で食べ始める。
畔戸笑理:病院の“患者”には共に食事を望む者もいるからだ。
ナキ:早々に皿を空にしたナキは、
ナキ:「で、なんだわけ」
ナキ:「六塔令嬢、こいつの顔、身体は……"そう"だろ、いったいどういうつもりなんだ」
ナキ:「いまさら何か感じ入るとでも思ってんの?ナキはそれを売ったし、ソイツは正しい手段で買った」
ナキ:「何も言うことなんかないよ」
真渕カヅキ:「……」
真渕カヅキ:「どういう、つもりなのかは……私にもわかりません」
真渕カヅキ:「私は、出来得る限り、顔を合わせないでいたかった」
真渕カヅキ:「ですが、何か考えがあるようですので」
真渕カヅキ:「私は、従ってみることにしました……他ならぬ、いずれ"家族"になる相手の頼みですものね」
ナキ:「はっ」
ナキ:心底、嘲るように。
ナキ:「"そんなもの"、有難がって……まったくわけがわからんね」
畔戸笑理:「……」名残惜し気に、前菜の最後の一口ぶんを掬って飲み込んで。
畔戸笑理:「ご存知のこともあるようですけれど、ひとまず、聞いていただきたいことがあります」
畔戸笑理:「こちらは真渕カヅキさん。六塔電子竜骨島支社長のご令嬢で……間もなくその立場を、継がれる、のかな?」
畔戸笑理:「こちらはナキさん。訳あって、私の命を狙っています」
畔戸笑理:両者に互いを紹介する。
真渕カヅキ:「どうも、真渕カヅキです」
ナキ:「……。」
畔戸笑理:「それで」
畔戸笑理:「私はナキさんに、殺されても構わない、と言いました。その時は断られましたが」
畔戸笑理:「いかがですか? 改めて」
畔戸笑理:黙ったままのナキに問う。
ナキ:「あ?」
ナキ:「何、今やりたいって言うわけ?」
ナキ:「だから、それを決めんのはナキじゃなくてスポンサーなわけ」
畔戸笑理:「そこです」
畔戸笑理:「どうしてスポンサーの意向に拘る必要が?」
畔戸笑理:「私を殺す。それで目的を達成」
畔戸笑理:「ならばもう、助力など必要ないでしょう」
ナキ:「助力あってここまで来たわけだかんね」
ナキ:「"契約"は守らなきゃなんない、ここに住んでるならそれはわかるでしょ」
ナキ:「約束を守れないやつは、けものとおんなじだ」
ナキ:「そういうものは、駆除されるのみ」
ナキ:「ナキは確実に事を済ませたいわけ」
真渕カヅキ:「言ってることに、おかしなことはありませんね」
ナキ:「あ”?しゃしゃってんじゃねーよ」
畔戸笑理:「ふっ」噴き出す。
畔戸笑理:「仕事を手伝うという約束、果たしてもらっていませんよ」
ナキ:「じゃあナキはアンタにとってけものと一緒なわけだ」
畔戸笑理:「あなたにとってどうかの話でしょう?」
畔戸笑理:「まあ、そこはいいです。口約束でしたし」
ナキ:「駆除するか、おうちで檻にでもいれときたいのかどっちか知らねーけどな」
畔戸笑理:「それよりも……そう、“確実”というところ」
畔戸笑理:「そういう言葉を使うなら、あなたの行動はおかしい。無抵抗の相手をただ殺すよりも」
畔戸笑理:「どこの馬の骨とも知れない相手に助力を乞うて戦う方が確かだなどと」
畔戸笑理:「慎重なあなたらしくない。記憶が戻ったからと言って、人が変わったわけでもあるまいに」
ナキ:「記憶だ?ああ、これか」コインをピンと弾く。
ナキ:「別に記憶喪失だなんてこたないよ、それはそっちの話でしょ」
ナキ:「ナキはこれの中身を見て、アンタの正体がわかっただけ」
ナキ:「えーと、それで」
ナキ:「なんだっけ?理由」
ナキ:「そりゃ、無抵抗な相手を殺しても、おもんないでしょ」
ナキ:「それじゃあ、ナキの"これまで"と釣り合わない」
ナキ:「だから、抵抗せざるをえない状況にしてやろうかなって」
ナキ:「あちらさんも協力してくれてるわけ」
畔戸笑理:「自棄ですね。破滅的な思考と言ってもいい」
畔戸笑理:「楽になりたがっているんじゃないですか? あなた」
ナキ:「破滅はね、もうとっくの昔にしてんだよ」
ナキ:「ナキはそれを思い知らせてやりたいだけ」
畔戸笑理:「なるほど。その割に」
畔戸笑理:「どうしようもなくなる瞬間までは、とぼけたままでいようとした」
畔戸笑理:「居るんですよ」
畔戸笑理:微笑む。
畔戸笑理:「うちの“病院”で預かる老人たちの中に。無為な余生を、ただ甘く過ごすことだけが望みで、それを邪魔されるとみっともなく取り乱すひとが」
畔戸笑理:「逆月亭では真面目な話をしたくない、なんて口にした時のあなたは、とてもそれとよく似ていた」
ナキ:「煽るねー、いっつもおどおどしてらっしゃる笑理サンが」
ナキ:「これ、何が目的なわけ?」
ナキ:「何か言わせたいことがあるの?ナキに」
ナキ:「どこ目指してんのかがさっぱり見えないんだけど」
畔戸笑理:「不安なんですよ。いっつもと同じ」
畔戸笑理:「せっかく殺されてあげたとしても」
畔戸笑理:「燃え尽きて、すぐ後を追ってこられたりしたら、甲斐がないというものでしょう」
畔戸笑理:「だから、贈り物をしようかと」
ナキ:「あ?」
ナキ:マスクの裏側で、目が細められる気配が伝わる。
畔戸笑理:「カヅキさん」令嬢の方へと体ごと向く。
畔戸笑理:「家族になる、というお話」
畔戸笑理:「必ずしも、私でなければいけない、ということでもないのでは?」
真渕カヅキ:「……」何やら考え込んでいるカヅキ。
真渕カヅキ:「……え?失礼、今なんと」
畔戸笑理:「こちらのナキさんを、あなたの家族に。いえ」
畔戸笑理:ナキを一瞥して。「そういう在り方が気に食わないなら、友人でも、恋人でも構いません」
真渕カヅキ:「ええと、つまりそれは」
畔戸笑理:「そういう近しい間柄にしていただけませんか」
真渕カヅキ:「ナキさんがあなたを殺したら、私とあなたのパーツを交換すれば良い」
真渕カヅキ:「という提案でしょうか?」
畔戸笑理:「……そうではなく」
真渕カヅキ:「違うのですか」
真渕カヅキ:困惑の、表情。
畔戸笑理:「気持ちの上で、そう認めてほしい、ということです」
ナキ:「何言ってんだ……お前」
真渕カヅキ:「えっと、私……単純に」
真渕カヅキ:「わからなくて、"家族"以外の親しい関係、というものを……」
ナキ:「ちょっと待て、そいつがハイヨロコンデって言ったところで」
ナキ:「こっちが了解するとでも思ってんのか」
ナキ:「そんなキモい事企んでるやつに」
ナキ:「だいたいな、ナキは自分の身体が嫌いなんだよ、だからあれこれ売っぱらってやったってのに」
ナキ:「それの集合体みたいな現代アートとニコニコ仲良くできるとでも思ってんのか??」
畔戸笑理:「九割、でしたか」
畔戸笑理:改めて、真渕カヅキを見る。
畔戸笑理:「私は好きなんですけどね」
真渕カヅキ:「ありがとうございます」微笑む。
ナキ:「悪夢みてえだな……ナキを苦しめるのが目的だってならアンタら天才だよ」
畔戸笑理:「そんなつもりはありません」
畔戸笑理:「……私にとって、ナキさんは気のいい飲み友達で、頼りになる仕事仲間でした」
畔戸笑理:「でも妹だというのなら、そしてあなたばかり酷い目に遭ってきたというのなら、姉としてできる限りのものをあげたい」
ナキ:「そりゃそのうちやってもらうからさ、待ってろつってんだよ」
真渕カヅキ:「そう、そのことなんですが……」
真渕カヅキ:「先程から考えていたんです」
真渕カヅキ:「抵抗せざるを得ない……」
真渕カヅキ:「"家族"のことですよね」
真渕カヅキ:「だって、この世で一番大事なことがそれですからね」
GM:それは、真渕カヅキ特有の狂気にも似た特殊な理論であったが。
ナキ:「おま……な……」
GM:ナキは、狼狽えていた。
畔戸笑理:「……」
真渕カヅキ:「お二人の母親は既に死去されていたはずで……他の兄弟姉妹といった人物もいないはずです……」
真渕カヅキ:「で、あるなら……」
真渕カヅキ:「ああ、"見つかった"んですね」
真渕カヅキ:「"父親"が」
畔戸笑理:目を見開く。
ナキ:「てめ……何…デタラメ……」
真渕カヅキ:「先程の……いや以前から、見ていてわかることがあります」
真渕カヅキ:「笑理さんはとても優しい」
真渕カヅキ:ニコリと、
真渕カヅキ:「そして、家族、というものをとても特別に思っている」
真渕カヅキ:「嫌なはずです、たとでどのような人物であろうと」
真渕カヅキ:「父親が死ぬのも、ましてやそれを成すのが妹であるなど」
真渕カヅキ:「きっと許せない」
真渕カヅキ:「ああ、必死で抵抗するでしょうね……」
ナキ:「……。」
真渕カヅキ:「あなたの"スポンサー"についてはこちらでも調べがついてます」
真渕カヅキ:「不思議に思ってたんですよね」
真渕カヅキ:「でも、ああ、あの名前を以前どこかで見たことがあるなと」
真渕カヅキ:「私の父は、晩年をあらゆる延命に縋って生きていました」
真渕カヅキ:「ここの特殊な技術の数々で……私は"交換"を提案したりもしたのですが」
真渕カヅキ:「やはりあの人は外から来た人だったから、それを受け入れることは最後までできませんでした」
真渕カヅキ:「それで、延命……、の話ですが」
真渕カヅキ:「その中のひとつ、確かあれは"若返り"でしたね、治験者リストの中に、ああ確かに名前を見た覚えがあります」
真渕カヅキ:「お金が必要だったんでしょう、何故、かはその時はわからなかったし、興味もありませんでしたが」
真渕カヅキ:「"なるほど"」
ナキ:「……」
ナキ:ナキは、返事を返さない。
ナキ:ただ、追い詰められたかのように身を竦めて。
真渕カヅキ:「お返事は……してくれないでしょうね」
真渕カヅキ:「スポンサーの意向もあるでしょうし」
真渕カヅキ:「私も別にあなたをいじめたいわけじゃあない」
真渕カヅキ:「今日は楽しいお食事に来たのです」
真渕カヅキ:「ねえ?」
真渕カヅキ:そう言って、笑理へと笑いかける。
畔戸笑理:こちらとて呆然とした顔で、ただカヅキの、陶器人形めいた笑顔を見て。
畔戸笑理:「……そう、です」
畔戸笑理:それだけを返す。
真渕カヅキ:にこやかにグラスを口へと運ぶカヅキ。
真渕カヅキ:思い出す、どこか世間知らずの少女のような印象も覚えるが、
真渕カヅキ:彼女もまた、そう遠くないうちにここの"王"になる人物なのである。
ナキ:「……」
ナキ:「それで、それが、そうだとして」
ナキ:「何ができる」
ナキ:「今ここでナキを拘束でもするのか?あ?」
真渕カヅキ:「"何"も」
ナキ:「……」
真渕カヅキ:「"家族"の問題ですもの」
真渕カヅキ:「私は部外者です」
真渕カヅキ:「"まだ"、ね……」
真渕カヅキ:「それで、私にナキさんと"仲良く"して欲しい、という頼みでしたよね」
畔戸笑理:深く息を吸い、吐く。見てそうと悟られないよう密かに。
畔戸笑理:「……ええ」
真渕カヅキ:「良いですよ、他ならぬ笑理さんの頼みですもの」
真渕カヅキ:「私、人を好きになるのは得意だし、人から好かれるのも得意です」
真渕カヅキ:「そういう"機能"が備わってるんですよ」
ナキ:「な……ん、……」
畔戸笑理:「ありがとうございます」
畔戸笑理:「だ、そうですけれど」
畔戸笑理:「改めて、姉からの贈り物。受け取ってはいただけませんか?」
ナキ:「お前ら……イカれてるだろ……」
真渕カヅキ:「まあひどい」
畔戸笑理:「残念です。では」
畔戸笑理:「どうあっても、戦うと」
ナキ:「それは、決定事項で、絶対だ」
畔戸笑理:「分かりました。もうそこに文句は付けません」
畔戸笑理:「ただし、私が勝ってもあなたは殺しません。末っ子にします」
ナキ:「ハ、勝てるかよこのナキさまに」
ナキ:「アンタとナキじゃあ、このための準備も重みも、何もかもが違う」
料理長:「お待たせしました、カニづくしです」
料理長:ガラガラとワゴン。
畔戸笑理:「次女はカヅキさんです」
ナキ:「お……あ?……ぉ、おう」
畔戸笑理:料理をまるで無視して。
真渕カヅキ:「まあ、私が」
畔戸笑理:「お願いを聞くのは彼女優先。抱いてほしいと頼まれた時もこの子が先」
畔戸笑理:「楽しみですね」
畔戸笑理:「私、今までは仕事の付き合いばかりでしたから」
畔戸笑理:「好きな子を好きなだけ、というのは」
畔戸笑理:「あるいはあなたも、らむねちゃんのようになってしまうのかな」
真渕カヅキ:「(……?)」
畔戸笑理:小首を傾げる。
ナキ:「いや、お前……何いってんだ……」
ナキ:「……」
ナキ:「な、なにが『一番怖いのはナキさんだと思います』……だ……」
畔戸笑理:「勝つのでしょう? あなたが」
畔戸笑理:「必死の抵抗を踏み躙り、嘲笑って、八つ裂きにしてやるんですよね」
畔戸笑理:「でも」
ナキ:「……ああ」
畔戸笑理:「夢は大事だそうですから」
畔戸笑理:「──さて」
畔戸笑理:「いただきましょうか。蟹」
ナキ:「……」
真渕カヅキ:「美味しそうですね」
料理長:「このあとは、ツインアックスヘッドカイマンとの"対戦"をお楽しみください」
料理長:「生簀を!」
ナキ:「(もう……何だ……これ)」
ナキ:「(つ……疲れた……)」
ナキ:「(蟹……美味いな……)」もそもそと箸を動かす。
料理長:「それでは、この凶悪なる河の主に対して!!」
料理人たち:「で、出るぞ……アレが!」
料理人たち:「アレが!?」
GM:美食の夜、明けない夜が更けていく。
GM:それぞれが、それぞれの企てを胸に。
ナキ:「(そうやって、余裕ぶって)」
ナキ:「(いつまで保つか、見ものだよね)」
ナキ:「(ああ、ナキも楽しみだよ、"その時"が)」
畔戸笑理:というところで感情判定をしたいです。
GM:了解です、対象と指定特技を
畔戸笑理:相手はカヅキさんで、特技は……今回は流言の術かな
畔戸笑理:2D6>=5 (判定:流言の術) (2D6>=5) > 2[1,1] > 2 > ファンブル
GM:おやおや
畔戸笑理:神通丸!!!!
畔戸笑理:使って振り直します
GM:やりな!
畔戸笑理:2d6>=5 (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功
畔戸笑理:フーッ
GM:成功です。
畔戸笑理:ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
真渕カヅキ:ET 感情表(5) > 憧憬(プラス)/劣等感(マイナス)
真渕カヅキ:あら、お揃いですね
畔戸笑理:えへへ
真渕カヅキ:では憧憬で。
畔戸笑理:憧憬かな……綺麗だし能力のあるところも見せてもらっちゃったし
畔戸笑理:あっそれじゃあ
畔戸笑理:します。【薬師閨】。
GM:するんだ……
GM:このひとこわい……
GM:どうぞ……
畔戸笑理:2D6>=5 (判定:九ノ一の術) (2D6>=5) > 6[1,5] > 6 > 成功
畔戸笑理:やったー
GM:この喜びよう
畔戸笑理:それとレストランの効果なんですが
畔戸笑理:この感情取得は一方通行ということで合っていますか?
GM:ですね
畔戸笑理:承知しました。では効果を使用、消費しまして
畔戸笑理:そうだな……こちらからナキちゃんに怒りの感情を取得します。
GM:了解です
畔戸笑理:以上です!
GM:以上、了解!
GM:えっと……
GM:これから、【薬師閨】の、演出……を?
畔戸笑理:どうしたいですか?
GM:何だこの女は……
GM:モンスターだよ
GM:GMは……PCの望みを優先するのみ……ですが?
GM:あまり長くなるようなのは、これ
GM:ご勘弁を……願いたい??
畔戸笑理:そうですね……では
畔戸笑理:食事を終え、ナキがどこか熱に浮かされたような足取りで去った後。
畔戸笑理:「……あの、カヅキさん」
畔戸笑理:既にいつも通りの様子で。令嬢の服の袖口を摘み、引く。
真渕カヅキ:「何でしょう?」
真渕カヅキ:「笑理さんはお酒を少し飲まれていましたが、大丈夫ですか?よければ送りの車を呼びますが」
畔戸笑理:「あっ、はい……いえ。それは大丈夫です」
畔戸笑理:「……先程の」
畔戸笑理:「ありがとうございました。それと、申し訳ありません」
畔戸笑理:「きっと、かなり、戸惑わせてしまったでしょうし……その中で、助けてもいただいてしまって」
真渕カヅキ:「そんな」
真渕カヅキ:「言ったではありませんか、私たち、これから助け合っていきませんか?と」
畔戸笑理:くすぐったそうにはにかむ。
真渕カヅキ:「ですから、わざわざ口にする必要はないですよ」
畔戸笑理:「……ありがとうございます」
畔戸笑理:「これは、そう思っていただいていることに対して、です」
畔戸笑理:「それで、なのですが」
畔戸笑理:「お忙しいところ、重ねて大変不躾なお願いなのですけれど。もう少し、お時間をいただけませんか?」
真渕カヅキ:「?……ええ、構いませんが」
畔戸笑理:「よかった……」ほっと息を吐いて。
畔戸笑理:「お聞かせいただいた、私の父について、少しお訊ねしたい……というのが、一つ」
畔戸笑理:「あと……あの」
畔戸笑理:かすかに頬に朱を散らし、身じろぎする。
畔戸笑理:「もう少し、あなたと、仲良くなりたくて」
真渕カヅキ:「まあ」
真渕カヅキ:「ええ、それは、はい……実に嬉しい申し出ですね」
畔戸笑理:にこりと笑い、指に指を絡める。
畔戸笑理:「ねえ」
畔戸笑理:「私、あなたを好ましく思っております」
真渕カヅキ:「ありがとうございます、私もそうですよ」
畔戸笑理:「一目見たときから、もう。──でも、それはきっと、あなたの体や記憶が、あの子に近くなっていたからではない」
真渕カヅキ:返す指に、軽く力が加えられる。
畔戸笑理:「あなたが好きなの」
畔戸笑理:「それを……その意味を、知っていただきたいわ」
真渕カヅキ:「そう、なのですか……ひと目、見たときから」
真渕カヅキ:「嬉しいです、私と同じですね」
真渕カヅキ:「でも私の方は紙の上の"データ"が先でしたけど」
真渕カヅキ:「それを眺めて、すぐにあなたが"欲しく"なってしまいました」
真渕カヅキ:「もうすぐ、私の夢が叶うことを思うと頭の裏側が、喜びで震えます」
畔戸笑理:す、と身を寄せる。
畔戸笑理:「家族にも、色々あります」
畔戸笑理:「姉妹でも。あるいは……伴侶でも」
畔戸笑理:「ああ……私とあなたがそうなったら、あの子はむしろ、養子に迎えましょうか」
真渕カヅキ:「伴侶……ですか」
真渕カヅキ:「いえ、それは違います、それは私の望むものではない」
畔戸笑理:「あら……」
真渕カヅキ:「そこには"血の繋がり"がありません」
真渕カヅキ:「伴侶とは、あくまで契約の一形態です」
真渕カヅキ:「私が父から教えてもらった、"家族の絆"とは、それを超えたものであるべきです」
真渕カヅキ:「そのはずです……」
真渕カヅキ:「ですが、ここ最近笑理さんと話していると、いろいろなものがよくわからなくなってくる……」
真渕カヅキ:「あなたと話すことで、今までわからなかった何かが掴める、そういう予感めいたものが自分の中に生まれるのです」
真渕カヅキ:「ああ、予感だなんて不確定な……以前の私であったならば決して口にはしなかったでしょう」
畔戸笑理:不思議なものを見るように、そう述べるカヅキの表情を窺う。
畔戸笑理:初めて見る類の反応で、そして、嫌ではない。
畔戸笑理:「……お話をしましょう。もっと。そして」
畔戸笑理:「新たなものを見つける手伝いが、私にできたら」
畔戸笑理:「それはとても、嬉しいです」
真渕カヅキ:「ええ、それはとても」
畔戸笑理:「……でも、ずっと立ち話というわけにも行きませんから」
畔戸笑理:「行きましょうか。少し、休めそうなところを探します」
真渕カヅキ:何も疑うことはなく、笑理へと付き従う。
───────
サイクル3 時雨
GM:それでは再開です、カモンPC1!
時雨:はいさい!
時雨:シーン表は異街。登場希望NPCはナキさんとクテンさん、クユさんです。登場希望PCは河路さんと、システム的には畔戸さんにも登場してほしいです。
河路 緑郎:はいよ!
畔戸笑理:あっすみません
畔戸笑理:感情修正らむねちゃんのシーンで使ってしまってました
時雨:あ、そうでしたか
河路 緑郎:あれ、シーン別になっても使用回数回復しませんでしたっけ?
GM:別キャラならおっけーのはず
畔戸笑理:あ、そうでしたっけ じゃあ出ます!
GM:おっけーじゃなかったです、よろしくね
畔戸笑理:引っ込みます
時雨:ごめんな笑理……
時雨:2D6 (2D6) > 8[2,6] > 8
河路 緑郎:あっやべえ
河路 緑郎:俺知ってるその出目!
GM:やったぜ
時雨:ギョエー!
GM:8.暗黒街へ足を踏み入れてしまった、追い剥ぎがあなたを狙う!あなたの得意分野を選びランダムで決定した特技で対抗、失敗すると生命点を1減少させる。
時雨:ムム、これ好きな特技分野を選んでいいってことですよね?
GM:です
時雨:それなら謀術にします。
時雨:2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5
時雨:お、《調査術》!ピン持ちです
GM:あ、ダイスはこっちで振ります、申し訳ない
時雨:あ、失礼しました
GM:2d6 (2D6) > 5[2,3] > 5
GM:おなじです
時雨:お、《調査術》!ピン持ちです(デジャブ)
河路 緑郎:運命変わらず
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
時雨:ヨシ!
GM:ちぃ――。
GM:ではやっていきましょう。
───────
GM:方角は合っていたはずなのだ。
GM:なのでここを抜ければショートカットになる、それは正しい。
GM:しかし、あなたは思い知ることになる!誰もがこの道を教えなかった理由!
GM:そう、暗黒街だ。
"魔物使い":「ヘ、ヘ……」
"魔物使い":「目があったら、バトルだぜ」
"魔物使い":「お前と俺との、"モンスター"でなぁ!!」
クユ:「……」
クユ:「?」
時雨:「まずいですね、このままだと待ち合わせに──」急ぎ足を止め、視線を向ける。
時雨:「しまった、目を合わせてしまった」
"魔物使い":「いくぜェ……いくぜェ、俺が勝ったらお前の"モンスター"をいただくからなぁ!」
時雨:「それは、クユさんのことでしょうか」
"魔物使い":「クユってんのかい!可愛いねえ!もうすぐ俺のもんだァ!」
"魔物使い":そう言って、魔物使いは手元の竹筒(赤と白に塗装されている)を投げつけてくる。
"魔物使い":「行け、光蟲!!!」
"魔物使い":筒が弾け、中から一斉襲いかかるのは、蛍のような、光を纏う蟲の群れである!
"魔物使い":「ヒ、ヒ!蛍ってのはなぁ!幼虫の時は、肉食なんだぜぇ!デカくて強い顎を持ってんだ!!」
"魔物使い":「その性質を保ったまま飛翔能力を得たこいつは、魔界昆虫混じりの一級品!!」
"魔物使い":蟲が、クユへと殺到する!
クユ:「ぴかりーん」
時雨:「参りましたね」
時雨:クユさんの前に出る。特に構えることはせず、口を開く。
時雨:忍び語り。音や光を超えて高速機動する忍びが、戦闘中に意思疎通を行うための、ごく一般的な技術。
時雨:『即刻退いた方がいい。それでないとあなたは、命を七回売ったとしても賄えない借金を負うことになる』
時雨:蟲の飛来する速度を超えて、忠告を伝える。
時雨:『クユさんは、今はまだ私が借りているだけでして。それを奪ったとなれば』
時雨:『あなたは”美食卿”の所有物に手を出したことになる────ねえ、”マシラ”の三斗死さん』
時雨:”美食卿”の所有物であることは、今ここで何の根拠もない。
"魔物使い":『暗黒街の住民に脅しなんか効くかよォ!!!俺のこと、よく調べてはあるが暗黒街のお勉強が足りてねえな"新参"の時雨さんよぉ!』
"魔物使い":『それに借金なら既に返しきれねえほどあるぜ!!』
"魔物使い":『"美食卿"にケチつけたってんなら、俺にも箔がつくってもんサ!!』
"魔物使い":『それくらいの一発逆転、毎日夢見て目指せリーグ!!!』
"魔物使い":『喰らえや電光石火の一撃をォ――――!!』
時雨:『そうか、いや、残念です』
時雨:ざあざあ、とノイズが走り、奇妙な発光パターンを浮かべる。
時雨:その瞬間、蛍たちはいっせいに向きを変え、魔物使いの方へと殺到する!
"魔物使い":『な、何ぃ!?』
時雨:蛍は発光パターンによって求愛や意思疎通を行う。訓練された忍蟲なら、応答の正確性も折り紙付きだ。
"魔物使い":『お前ら俺の言うことを!な!バ、バッヂの"香り"が効かねえ!?』
"魔物使い":『ぎゃーーーーーー!!!』
時雨:『この道のことは、誰にも案内されませんでしたが──』
時雨:「自分で調べていない道を通るほど、私も間抜けではないんですよ」
クユ:「ふうむ……」
クユ:「あれは、意味のある死?」
時雨:前もって、暗黒街に出現する暴漢どもの情報は集めていた。もちろん、対策も。
クユ:蟲の柱を指差して。
時雨:「光での混乱は一時的なものです。彼が最後まであがけば、死ぬことはないでしょう」
クユ:「そうなのか」
時雨:「もし死んでしまったとしたら、それがあるべき時、なのでしょうね」
クユ:「なるほどです」
時雨:「いずれにせよ、見届けている時間は無いのが残念です。さ、行きましょう」
時雨:クユさんの手を引き、蟲の柱の脇を通り抜けて、目的地へ。
GM:こうして、ちょっとしたアクシデントこそあったもののあなた達は暗黒街をすり抜ける。
GM:向かった先は――、
GM:どこでしょう?
時雨:ナキさんの居所です。そしてそこにクテン君が来るはず……
───────
GM:ナキは、特定の拠点を持たない。
GM:仮宿を転々とし、持ち物も少ない。
GM:調べはついている、ここもそういった宿のひとつだ。
ナキ:「……。」
"クテン":「よォ、邪魔するぜ」
ナキ:併設された安いダイナーで向かい合う。
"クテン":「お前まァたアジト変えやがって」
ナキ:「外でわざわざ会うのは、ルール違反じゃなかったっけ」
ナキ:「あの店で偶然会う時が、うちらの……ハァ」
ナキ:「言ってたっけ、ルールなんてもうとっくに壊れてるって」
ナキ:「で、何さ」
ナキ:どかりとテーブルに足を載せ、あなたたちを睨みつける。
時雨:「こんにちは、お邪魔します」礼。
時雨:「クテンさんも、どうも」
クユ:「こんにちは」倣う。
"クテン":「あ? あァ」手を上げようとして、隣のクユに少し虚を突かれたような顔を見せる。
"クテン":「クユのヤツまで連れてきたのか。……」
"クテン":「ま、別に悪いことにはならねェか」ふてぶてしく腰かけるナキへちらと眼をやる。
時雨:「ええ。むしろ、クユさんをこそお会いさせることが、目的ですので」
時雨:「わざわざお二人がそろうのを待っていたんですよ」微笑む。
クユ:「……なぜ?」
"クテン":「あァ? そりゃァ……どういう?」
ナキ:「いや、ほんと何でだよ」
時雨:「一番最初に出会った時の、取引の話です。こちらはまだ決着していませんからね」
時雨:「霊輿さんの案内で、私はあなたたちに協力してもらえることになっていた、はずです」
時雨:「あの時はわかりませんでしたが──今、私のなすべきことは」クユさんに視線を送る。
ナキ:「そりゃご近所付き合い程度の口約束だろ」
"クテン":「取引──あァ、言ってたな、そういや」
ナキ:「義務はねえぞ義務は」
時雨:「クユさんを引き取れるように、することです」
"クテン":「すっかり忘れちまってたわ。色々ありすぎてよ」
ナキ:「マイペースなやつだなぁ……」
ナキ:「あのさ、あの時と違ってご近所が大事なナキさんじゃあもうないわけ」
ナキ:「それで、何」
ナキ:「仕事だっていうなら聞くだけ聞いてやってもいいけど」
時雨:「ええ──それなら仕事として、正式に依頼しましょうか」
時雨:「私がクユさんを万事滞りなく引き取った後、落ち着いて預かれる場所は、『青の逆月亭』しかないんです」
時雨:「ナキさん。あなたに、ご都合主義に仲良しこよしに、戻ってほしい」
時雨:「報酬は出世払いで。いかがです?」目を細める。
ナキ:「……ごめん、意味不明」
ナキ:「なあクテン、こいつ何言ってんだ」
"クテン":「ぶッ、はッははは!」
ナキ:「笑ってんじゃねえよぶっ殺すぞ」
ナキ:「ああ、ええと」
ナキ:「つまり、ナキさんお前のやってることはお小遣いあげたら収まる程度のことなんでしょ?って」
ナキ:「お前言ってるわけね、時雨」
時雨:「逆に聞きたいのですが」
時雨:「この異街で、”お小遣い”に換金できないものがあるのですか?」
ナキ:「つまり払えると」
ナキ:「ナキの怒りと絶望に」
ナキ:「釣り合うだけの額を、用意できると」
ナキ:「吹いてるわけだ」
ナキ:「あ?いくらだ、いくらだ言ってみろよ」
ナキ:「値段を、付けてみろよ」
ナキ:「お前のそれは、これくらいですよって」
ナキ:「言ってみろよ、ここで」
"クテン":面白そうな表情でそのやりとりを眺めている。
時雨:「私が値を付けていいんですか?」
ナキ:「馬鹿か、そういうことだろうが」
ナキ:「"オークション"だよ、お前が付けるの」
時雨:「それなら、0です。今日日兄弟げんかなど、犬も食わない」
ナキ:「ええと」
ナキ:「マジで意味わかんない……」
時雨:「出品者があなた、入札者が私」
時雨:「私が0の値を付けました」
ナキ:「殺されにきたの?こいつ」
時雨:「いたって公正な、”オークション”ですよ」
時雨:「怒らせたのなら、申し訳ない。ここまでで目的の半分、といったところでしょうか」
"クテン":「だーッはっはっは!」
"クテン":「お前、口じゃァコイツには勝てねェな」
ナキ:「いや負けてる要素どこにあるんだよ今の……」
ナキ:「えと、……は??」
時雨:「残りの半分は──そうですね、殺されそうになったところを、抵抗するために来ました」
ナキ:「ああ、はい、なるほど」
時雨:「決裂することはわかりきっていましたから。ですからこれは、宣戦布告と言い換えてもいい」
ナキ:「わかった、わかったどうも」
ナキ:「お前らなんか裏で結託してコソコソやってるみたいだからな」
ナキ:「居場所掴めるうちにナキに喧嘩ふっかけて少しでも力を削いでおこうって腹か」
ナキ:「いくらで頼まれたんだ?いや別に興味もないけどね」
ナキ:「するかよ相手なんて、馬鹿馬鹿しい」
時雨:「少し違いますね。私の得意は、相手の感情に触れ、それを模倣することですし──」
時雨://ざあざあ//ブロックノイズとともに//ざあざあ//
時雨://ざあざあ//姿が変わる//ざあざあ//
時雨:「妹の話し相手になることなんて、”姉”なら当然のことでしょう?」
時雨:その姿は、畔戸笑理を模している。
時雨:妖艶に、微笑む。
ナキ:「で、何」
ナキ:「どうにもナキを怒らせたいようだけど」
ナキ:「ここで話を切って帰っちまえば、いいわけだよね」
ナキ:「あのさ」
ナキ:「交換だよ、交換」
ナキ:「そちらがナキに価値を提示できない以上」
ナキ:「これは略奪だよ、一方的なね」
ナキ:「そうじゃあないってなら、支払って貰う必要があるわけだ」
ナキ:「ナキを怒らせた分を」
ナキ:「お前が、けだものか人なのか」
ナキ:「それによってこの先の対応は変わってくる」
ナキ:「お前は何だ、時雨、色んなかたちをもっているようだが」
ナキ:「一方的に奪うだけのけものか?それとも人なのか?」
時雨:「ナキさんは、怒ると、端的に話を纏めようとする」
時雨:「いつも口数は多い方なのに。これはわかりやすい」
ナキ:「お前こそ話をズラすなよ"お客様"」
ナキ:「いつまで外様気分でいるんだ、お前はもうここにいて、そうしてそこでナキと話しているんじゃあないか」
時雨:「ああ、失礼しました。質問に答えましょう」
時雨:「私は、これでも不満に思っているんですよ」
時雨:「こんな気持ちは初めてです──。逗留しただけの異界の地で、安息を感じるなんて」
時雨:「青の逆月亭は──私にとっても。帰りたい場所と、言えます」
時雨:「だから、怒っているんですよ。あなたの勝手な都合で、私の安息を奪おうとしている、ナキさんには」
時雨:目を細める。
ナキ:「勝手に帰ればいいじゃねえか」
時雨:「わかりませんか?」
ナキ:「わかるよ、群れ意識だけが大事な」
ナキ:「自分の都合のみを大切にした」
ナキ:「けものの言い分だ」
ナキ:「ナキから一方的に奪おうとしている」
時雨:「いや。あなたは、わかっている」
時雨:「その群れ意識こそが、生暖かく厭らしいつながりこそが」
時雨:「人を人たらしめるものだ」
時雨:「わかっているんですよ」
時雨:情報判定をします。
GM:どうぞ
時雨:ナキさんの鎖し隠した内心に触れ、暴きます。
時雨:《壊器術》で判定。
GM:振り給えーー
時雨:2D6>=5 (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功
GM:成功じゃい!
時雨:では、【目付】の効果が発動
時雨:ナキさんの秘密と居所をすべて持っている状態で情報判定に成功したので、
時雨:ナキさんの【奥義】の情報を獲得します。
時雨:畔戸さんに感情共有
GM:1d2 (1D2) > 2
GM:奥義は完全成功:指定特技は《第六感》です
時雨:わかりました。ん~
時雨:やろっか。『追悼世界甘瓦』を使用します。
時雨:効果は追加忍法。【闇神楽】を使用
時雨:2D6>=5 (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
時雨:成功です。妖術をつぶして、さらに情報判定
system:[ 時雨(0) ] 妖:1 → 0
>
時雨:では、普通に情報判定します。ナキさんを対象に
時雨:指定特技は……奥義が二つあることを見抜いていた!《調査術》で!
時雨:判定していいですか?
GM:どうぞ!
時雨:2D6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
時雨:とりゃ!【目付】発動じゃい!
時雨:見せろ~~二つ目の奥義を~~~!
GM:奥義は範囲攻撃:指定特技は《封術》です
時雨:よし!演出入ります
時雨:「────」ブロックノイズが走る。
時雨:ガスマスクに隠れていた瞳を、正面から見つめる。意識は、通常を超えて深く同調していく。
時雨:内面を、見定める。内面を、見定められている。
時雨:秘奥中の秘奥、忍びとしての根幹に、怪人が目を付ける──
ナキ:「……」
ナキ:「奪った、わけだ」
ナキ:ぽつりと、ゾッとする、今までとはうってかわって無感情な声で。
ナキ:「ナキは、ずっと奪われてきた」
ナキ:「それを取り返すために、ナキがナキであるために」
ナキ:「必要なもの以外は、みんな売り渡してきた」
ナキ:「結局、お前も、奪う側だ」
ナキ:「やっぱりさ、わからないよ」
ナキ:「ナキは、なんなんだろうね、……にんげんじゃあないのかもね」
ナキ:「けものでもないとは思いたい」
ナキ:「いまのナキは、ただのナキで」
ナキ:「大事なものを取り返さない限り、にんげんにはなれないんじゃないかな」
ナキ:「だからさ、取り立てるんだ」
ナキ:「奪い返すんだ」
ナキ:「取り戻すんだよ」
ナキ:「お前もだ」
ナキ:「お前からもだ」
ナキ:「ナキから、奪った、お前からも」
ナキ:「それで……?」
ナキ:「なんだっけ、怒ってほしんだっけ?」
ナキ:「いいよ、怒ろっか」
ナキ:「敵は、大事だからね、ナキがナキであるために」
ナキ:「大事なきみのために、なんでもしてあげたい気分だ」
時雨:「──」
時雨:ただ、見ている。
時雨:「いえ──もう、済みましたよ」
時雨:「怒ってほしいのは、目的の前半分でしたから」
ナキ:「ああ、もういいんだ」
ナキ:「で、その子は結局なんだったの、何やら言ってたけど」
ナキ:「ただのダシ?」
クユ:「?」
クユ:「クユはにんげんでもけものでもないですから」
クユ:「よくわからないのですけど」
クユ:「ナキは、とっても欲しい物があって、すごいと思います」
ナキ:「は」
ナキ:「ナキの味方がクユだけだなんてね、ありがたくて涙が出ちゃう」
ナキ:「ああ、大丈夫」
ナキ:「仕掛ける気はないからさ」
ナキ:「そんなピリピリしないでよ、だってそんなさ」
ナキ:「わざわざこちらと事を構えるために、深刻な顔して"用意"しにきた奴相手に」
ナキ:「ナキが何の準備もなしにヤると思ってるなら」
ナキ:「ナキを舐め過ぎだよね」
時雨:「それは、そうですね」
時雨:「実を言うと、襲われるんじゃないか、とは思っていました」
時雨:「畔戸さんの姿を模した時から」
ナキ:「いやだって、あんなの明らかに襲われに来てんじゃん」
ナキ:「いや、実際有効だよ、効いてる効いてる」
ナキ:「あ、じゃあこうしよっか」
ナキ:「ナキが勝ったらちょうだいよ、クユ」
ナキ:「なんかさ、こう、やっぱ釣り合ってないよね」
ナキ:「こっちは全部賭けてるってのに、部外者がちょっと仲間意識持ったからってそんな風にさ」
ナキ:「それなら、今ここでヤッてあげるよ」
ナキ:「あのクソ片メガネが言ってたでしょ」
ナキ:「当事者になる?ナキの、賭ける?お前も」
時雨:「いやここではやりませんけど」
時雨:「なにかこちらが争いたいと思ってるみたいに言われているようですが」
時雨:「安寧を享受したいんですよ。殺し合ったりしなくて済むならそれが一番いいんです」
ナキ:「は、ぬかせよ」
ナキ:「だったらそれ、今すぐ"返せ"」
時雨:「だったら今すぐ青の逆月亭に帰ってきて、いつものようにふざけた調子で話してください」
時雨:「これ以上、鶏が先か──の話をするつもりはありません」
ナキ:「つまり、ナキが、ナキの事情にしがみつくのをやめてくださいと」
ナキ:「わがままばっかり言ってるそいつをさっさと見殺しにしてくださいと」
ナキ:「にんげんになってくださいおねがいします、だってそうじゃないと私が悲しいもんって」
ナキ:「どれだけ、身勝手な……」
"クテン":「あァ~、もう」
"クテン":白い髪を乱雑に掻きながら、二人の前へ歩み寄る。
河路 緑郎:「そのへんにしとけ、お前ら」
河路 緑郎:"クテン"の後ろから現れて割って入る。
ナキ:「なんだいたんだクテン」冗談めかして、
"クテン":「お前らがヒートアップしてやがるから黙ってたんだろが」
ナキ:「オッサンも、久々じゃん?」
ナキ:「いやそうでもないのか……?」
ナキ:「なんか最近時間の感覚よくわかんなくってさ~」
"クテン":「時雨よォ。悪ィけどな、コイツは"撮影"までは動かねェつもりなんだとよ」
"クテン":「そういう"契約"だからな。……」
"クテン":「お前が煽れば煽るほど、後々俺がそのフキゲンを蒙るんだよ」
ナキ:「そそ、契約だいじよ」
河路 緑郎:「……悪いな、クテン」
"クテン":「いーや。折り込み済みだ」
"クテン":「……しっかし、お前が来るとはなァ。よりによってこんな話の最中に」
河路 緑郎:「その撮影まで、あまり時間がなさそうなんでな」
河路 緑郎:「……気づいてたのか、お前も」
"クテン":「まァな。コイツの動向からだが」
河路 緑郎:「そうか。悪いな、また面倒をかける」
河路 緑郎:そう言って、ナキの方へと振り向く。
ナキ:「なあに、今度は、雁首揃えてさ」
ナキ:「お説教?手早くね、眠くなっちゃうから」
河路 緑郎:「……説教?」
河路 緑郎:「俺がそんなものを言える立場かよ」
ナキ:「だよねー」
河路 緑郎:「ああ」
河路 緑郎:「そんなこと、言えた立場じゃねえと」
河路 緑郎:「戦う前に伝えに来た。お前にな」
河路 緑郎:「お前が戦う相手が、誰か」
河路 緑郎:「……お前が笑理を狙うのは、姉だからなんだろう?」
河路 緑郎:「父親は知らない。そう言っていたな」
河路 緑郎:「だから、そっちは諦めたと」
ナキ:「ああ、うん、言ったね」
河路 緑郎:かつての"河路緑郎"は、竜骨島で生まれた自分の子供を探していた。
河路 緑郎:"錺十也"との契約は、我が子をいちばん近くで守るためだ。
河路 緑郎:ならば、守るべき者は誰か。
河路 緑郎:"錺十也"の傍に居たのは──
河路 緑郎:「お前たちの」
河路 緑郎:「お前と笑理の父親は、俺だ」
ナキ:「……」
ナキ:「うん、だろうなって」
ナキ:「だって、助演、なんて、ねぇ」
ナキ:「あんなに"悲劇"に拘る連中が、何の因果もないような奴を役として引っ張ってくるわけないだろうなあって」
河路 緑郎:「そうとは気づかぬ親子の殺し合い」
河路 緑郎:「そういうものを撮りたかったわけだ」
河路 緑郎:「ああ、本当に、悪趣味な話だ」
河路 緑郎:「……だからこそ俺は、お前らにたどり着けたんだがな」
ナキ:「んー、そんで」
ナキ:「どうする?ハグでもしよっか?」おどけたように両手を広げ
ナキ:「ばかだなー、わざわざ」
ナキ:「知らないままでいたなら、ナキだって諦めちゃってたのにね」
ナキ:「なんか、アンタも運というか間というか……そういうのが悪いね」
ナキ:「……今更来ちゃってさ」
ナキ:「もっともっとはやくに知れていたなら、"ナキ"を救えたかも知れないのにね」
ナキ:「でもね、もうナキにはナキしかいないんだ」
ナキ:「ナキを救ってあげることができるのは、もうナキだけなの」
ナキ:「だから、今度会う時は、きっとさよならだね」
河路 緑郎:「……俺はな、ナキ」
河路 緑郎:「そうじゃないと、思っているし」
河路 緑郎:「そうじゃねえはずだって、思ってくれてる奴らがよ」
河路 緑郎:「大勢いんだよ。ありがたいことにな」
河路 緑郎:「だから、さよならで終わらせる気はねえ……だが」
河路 緑郎:「もしもこれからお前が、自分でない誰かに救われようと」
河路 緑郎:「今のお前の怒りも、憎しみも。なくなっちまうわけじゃねえだろう」
河路 緑郎:「俺は、そいつを引き取りに来た」
河路 緑郎:「他の誰にとって、笑理にとって」
河路 緑郎:「お前の怒りも恨みも、一方的だろうと」
河路 緑郎:「俺にとっては、そうじゃねえ」
河路 緑郎:「お前は俺を恨んで当然で、憎んで当たり前だ。だから……」
河路 緑郎:「殴られに来たんだよ、クソ親父として」
ナキ:「ああ、うん」
ナキ:「ありがとう、思いっきり甘えて」
ナキ:「殺すね、お父さん」
河路 緑郎:「それでいい」
河路 緑郎:俺は、彼女たちの父親──"河路緑郎"本人じゃない。
河路 緑郎:だが、そう生きると決めたのだから。
河路 緑郎:「間違えるなよ。胸に飛び込んで心臓貫きにこい」
河路 緑郎:「生きてたら、ハグでもしよう」
ナキ:「やだよ、ナキはやり遂げるもの」
ナキ:「あー、なんか元気出てきたな、生きる希望ってやつ?」
ナキ:「それしかなかったものね、ナキ、嬉しいな」
ナキ:「ふふ、幸せも2倍だね」
河路 緑郎:「……そうかい」
クユ:「いいですね、ふたつもあって」うんうんと
河路 緑郎:「邪魔したな。帰るぞ、時雨、クユ」
時雨:「──はい。迎えに来ていただきありがとうございました」
"クテン":(……『こっちは全部賭けてるってのに釣りあってない』)
"クテン":(なァんてコイツは言ってたが)
"クテン":「……全部賭けてるバカが多すぎんだよなァ」
河路 緑郎:「わりぃな」
河路 緑郎:「売られちまうぐらいのダメ人間なもんで」
河路 緑郎:「ほんと、苦労をかけるよ」
ナキ:「ほんと、笑っちゃうよね」
ナキ:「じゃね~、クユも見といてね、ナキがやり遂げるとこ」
ナキ:ひらひらと手を振る。
クユ:「はい、見ときますね、クユ」
クユ:「時雨と同じですね」
時雨:「──同じ、でしょうか」
クユ:「違うのですか?」
クユ:きょとんと、多貌の怪人を見上げる。
時雨:「いえ、ああ──」
時雨:「クユさんがそう思ったなら、きっとそうですね」
クユ:「きっとそうなのですか」
時雨:「はい。きっと」
時雨:「お邪魔しました。失礼します」
時雨:ナキさんの拠点を後にします。
河路 緑郎:では
河路 緑郎:オークションで得た異街探偵の依頼権を時雨さんにお渡しします!
時雨:ありがとうございます!
河路 緑郎:先に時雨さんに
河路 緑郎:判定というか異街探偵使ってもらいましょうか?
時雨:そうですね
時雨:では探偵を使用します。
時雨:クテンさんの情報を探ります。
"クテン":来やがったな
時雨:判定不要。【目付】の効果が発動すると聞いておりましたが……?
GM:河路さんが探偵役ってことでよかったんですっけ
時雨:不都合あるなら別に探偵役がいらっしゃることでも結構です
GM:いや不都合は全然ないです
GM:私に任せても胡乱なNPCが出てくるだけなので
時雨:了解です。じゃあ探偵が使えるコネクションみたいなアイテムだったことにして
時雨:それを使ってクテン君の情報をより深く探ってもらったことにしましょう
時雨:そいで、クテン君の【奥義】の情報はいただけますか?
GM:だそうだぞ、お渡ししろクテン!
"クテン":クソ~!
時雨:ゲヘヘ
サブGM:奥義は【追加忍法】、指定特技は《砲術》です
サブGM:クテン奥義
《枯葉ノ霆《かれはのいかずち》》
指定特技 :砲術
エフェクト:追加奥義
効果・演出:【望郷】【武器破壊】
河路 緑郎:お、お前もか!
時雨:つ、【追加忍法】!?
時雨:そんな奥義を使うやつがいるのか……驚きだ
GM:ふしぎだなー
河路 緑郎:この人は……
時雨:では演出……お話しましょうか
河路 緑郎:はーい!
GM:やっていきましょう
GM:夕暮れの道を行く、喧騒からはどこか離れた、教区の街道。
時雨:黄昏時に見える、街を歩いていく。
時雨:「今回は本当に、助かりました。ありがとうございます」
河路 緑郎:「助けた?」
時雨:「もし戦いになれば、私一人では、クユさんを守ることはできなかったでしょうから」
河路 緑郎:「ああ、そういうことか。気にするな」
河路 緑郎:「あいつがお前に怒っていたのもな、半分は八つ当たりのようなものだよ」
河路 緑郎:「むしろ俺が謝らなきゃいかん側だ」
時雨:「河路さんは、わかっていたんですね」
時雨:「わかっていて一人で向かうことに何も言わなかったのなら、確かに慰謝料を要求したいですね」微笑む。
河路 緑郎:「おっと、藪蛇だ。ツケといてくれ。知っての通り素寒貧なんだ」
河路 緑郎:クハ、と笑って冗談を返す。
クユ:「おかしい……」
クユ:「クユを守る必要はないことは、知っているはずです」
クユ:「クユはとても頑丈です」
河路 緑郎:「頑丈とかそういう問題じゃねえよ」
河路 緑郎:「本人が心の奥で平気かどうか、も問題じゃねえ」
河路 緑郎:「単に気分が悪いんだ。お友達が殴られんのはよ」
時雨:「ふふ。──そうですね、クユさんは、どうか傷つかずにいてほしい」
時雨:「これは私からも、勝手なお願いです。ごめんなさいね」
河路 緑郎:「……お前はまだ、そういうのないのか?」
河路 緑郎:「理屈とか関係ない何か」
河路 緑郎:「我儘とか、勝手な言い分とか?」
クユ:「ふむ」
河路 緑郎:「……まだ思いつかねえか」
クユ:「それは、良いものであるのですね」
クユ:「皆は、クユにそういうものを持って欲しい」
河路 緑郎:「良い……と、一言で言っていいかはわからんがな」
クユ:「ではやはり、クユよりナキを守るべきだと思います」
クユ:「無いものよりも、既にあるものを」
クユ:「合理的です」
河路 緑郎:「……わかってるさ」
河路 緑郎:「ナキのことは、必ずなんとかする。だが……」
河路 緑郎:「お前のその言葉が、ただの理屈じゃなければいい」
河路 緑郎:「そういう我儘だ」
クユ:「クユは傷つきません」
クユ:「身体も、一時的に形状が損なわれるだけです」
河路 緑郎:「……時雨、期日まであと何日だったか」
河路 緑郎:「間に合うか?」
時雨:「どちらが聞きたいですか?」
時雨:「経験に基づいた、予測と──無根拠な、意気込みの二つしかないですが」
河路 緑郎:「間に合うって言っとけ」
河路 緑郎:「ナキのことがなんとかなっても、お前とクユが居なくなったら片手落ちだろうが」
河路 緑郎:「娘の友達が減るのは悲しいぞ」
時雨:「ええ、そうですね。ナキさんには大分、無理を言っています」
時雨:「こちらが結局ダメでした、では──怒られてしまう」
時雨:「──間に合いますよ」
河路 緑郎:「ああ。……」
河路 緑郎:「ありがとな。怒ってくれてよ」
時雨:「慣れないことを、しました」
時雨:「でも──必要なことだったと、思っています」
時雨:「当事者としても」
河路 緑郎:「ああ、たしかに。怒り慣れてないヤツの怒り方だったかもな」
河路 緑郎:「それでも必要だと、思ってくれたのが俺にはありがたい」
河路 緑郎:「クテンも……ナキも」
河路 緑郎:「今は認められなくても、そう思ってくれていればいいと思うよ」
河路 緑郎:「……いい年して、俺が一番我儘だな」
時雨:「──河路さん。私はずっと、思っていましたが」
河路 緑郎:「あん?」
時雨:「我儘や、欲望こそが、生きていくために重要であると」
時雨:「私は──忍びとして、それを消そうとして、中途半端にしかできなかった」
河路 緑郎:「……」
時雨:「そして、それを探していたが、上手くいかなかった」
時雨:「──異街に来て、皆さんを、河路さんの戦っている姿を見て」
時雨:「その尊さを、思い出せた気がするんです」
時雨:「ただ見ているだけじゃなく、作る、側に──」
クユ:「我儘は、尊い?」
時雨:「──言葉では、難しいですね」
クユ:「──言葉では、難しい」
時雨:「どうか、見ていてほしいです。私が思い出せたのなら」
時雨:「クユさんも、理解できます」
クユ:「わかった」
クユ:「時雨も、ナキも見ている」
クユ:「河路は、クユに見ていて欲しいですか?」
河路 緑郎:「……」
河路 緑郎:頭をかく。
河路 緑郎:「教材になるほど立派かどうかはわからんが……」
河路 緑郎:「まあ、そうだな。見ておくといい」
河路 緑郎:「悪いと思ったなら反面教師にでもすればいいさ」
クユ:「わかった、見ている」
河路 緑郎:「おう。……時雨、お前」
河路 緑郎:「正直初見のときはわけがわからんというか」
河路 緑郎:「なんならなんだあいつこえーぐらいには思ってたんだが……」
河路 緑郎:「存外、暑苦しいやつだったんだな」
時雨:「──」
河路 緑郎:「気に障ったか?」
時雨:姿が切り替わる。女性から、脚の長い男性の姿へ。
時雨:「そんなことは、ありませんよ。ええ」
時雨:「さて──時間がありませんから、急ぎましょう」
時雨:そのまま、大股で歩き出していく。
河路 緑郎:「かはっ。あいよ」
時雨:質問を置き去りにしたまま、向かうのは。
───────
サイクル3 錺
GM:それではお次へゴー!こちらへPC4!
錺 十也:おります!
GM:シーン表、登場希望、内容!
錺 十也:シーン表異街、PC全員+クユちゃん、時雨さんに感情判定!
GM:了の解!
夏祭らむね:出だぜ!
GM:ではシーン表をお願いします
時雨:出る出る~
錺 十也:2d6 (2D6) > 6[1,5] > 6
GM:6.希族街を訪れる。忍務か、あるいは希族の正式な招待を受けてだろうか?
錺 十也:ははー
GM:このまま?
錺 十也:そうですねーじゃあ
錺 十也:前回のシーンの人達をらむねちゃんと迎えに行って
河路 緑郎:行くぜー
錺 十也:途中から逆月亭に行く感じならこれでも矛盾ないかな?
河路 緑郎:帰り道
GM:おっけー
錺 十也:いろいろありエリさんは待ってる感じがいいかなって……
錺 十也:後で話してね
畔戸笑理:はあい
GM:じゃあ入りも任せちゃっていいのかな、こっちでやります?
錺 十也:あ、そうですね
錺 十也:入りだけお願いしてもいいでしょうか!
───────
GM:希族街、"クテン"。
GM:教区、時雨、クユ、それにナキ。
GM:工業区笑理。
GM:確かめ、確認しないといけないことがあった。
GM:『青の逆月亭の四人。』この話は壊れかけている。
GM:だからこそ、新しいものへと繋ぐ必要があった、『八人』へ。
GM:河路は、果たして訪問を予期していたかのようにあなたを出迎えた。
GM:揃い、向かう。
GM:行く先は、馴染みの店。
GM:聞き慣れたドアベルがあなたたちを出迎える。
逆月亭の主人:「いらっしゃい」
逆月亭の主人:主人が告げる、必要なこと以外は言わない。
GM:いつもとおんなじ光景。ただ、――ナキはいない。
錺 十也:店内を見回す。当然のようなその事実に、少しだけ俯き。
錺 十也:「……どーも」声を掛け、入って行く。
錺 十也:「……あ。夏祭」
錺 十也:席のひとつに、いつもの顔を見かける。
河路 緑郎:あ、もう全員居る感じでいいんですっけ
錺 十也:いいです!
河路 緑郎:了解!
夏祭らむね:「しまモンしりとりー!最初はしまモンの「ン」から!……お?」
錺 十也:「それ、既に死んでる」
河路 緑郎:「終わってんじゃねえか」
錺 十也:「あのさ。ちょいと。見てもらいたいもんが」
夏祭らむね:「なんだろ~!?」
夏祭らむね:「万馬券かな~!?」
錺 十也:「別にたいしたもんじゃねえけど……これ」
錺 十也:「それはお前にはやらん」
錺 十也:携帯端末(電波セキュリティ周り改造済み)を差し出す。
錺 十也:動画が流れている。画面にはバイザーをかけた青年が映っていた。
錺 十也:まだ本当に"錺十也"でしかなかった頃の自分。過去配信のアーカイブだ。
畔戸笑理:「……」テーブルにぐったりと上半身を乗せた格好で、頭だけそちらに向ける。
錺 十也:「見てたんだよな」
夏祭らむね:「…………!」
夏祭らむね:「『カザ』だ……!」
錺 十也:「これ、改めて見せんのこっぱずかしいな……」
錺 十也:(『カザの相談……あ? 泥酔じゃねえよ。酔ってない。酔ってないかーらー、ただの相談室!』)
錺 十也:マイク越しの自分の声は、酷い調子だった。毎回酔っ払っていたからだ。
錺 十也:(『大体なんで俺だけ毎回飲まされてんのか、そこのところを知りたい』)
錺 十也:「……この回さ」
錺 十也:(『えーと、コメント。相談ぽいやつ、相談ぽいやつ……あー、脚とかが機械? 悩んでます? ふーん』)
錺 十也:(『わかんねーな、っつうとあれだけど、別にいいじゃん。むしろ格好良くない?』)
錺 十也:(『俺は好き』)
錺 十也:(『なんならそのうち会えるでしょ。そんなん気にしねえよって奴にさ。な』)
錺 十也:後ろを振り返る。画面には映っていないが、そこには友人たちがいる。
錺 十也:「これ、夏祭?」
夏祭らむね:「……………………!!!!」
錺 十也:(『つうか、いいよな……機械義肢……。メンテさせてほしい。接合部とか超気になる。関節の具合とか……』)
錺 十也:「うおっと」
錺 十也:動画を止める。
錺 十也:この後コメント欄がプチ炎上したのだ。
夏祭らむね:「そう……そうなのだよ!」
夏祭らむね:「これは……らむねのコメントなのね~~!」
錺 十也:「そっかあ、やっぱりなあ」
錺 十也:「漁ったかいがあったわ」穏やかに笑う。
夏祭らむね:「覚えてて……くれたんだ……!」
錺 十也:「いや、まあ大体次の日二日酔いだったんで、ほぼ忘れてたけど……」
錺 十也:「けどまあ、良かったなって」
錺 十也:「会えた?」
錺 十也:「別にそんなん気にしねえとか言ってくれる奴」
夏祭らむね:「いま!」
夏祭らむね:「めのまえ!!!!」
錺 十也:「あ、俺?」
夏祭らむね:「うん……!」
錺 十也:「俺は……まあ。いつだって俺だし」
錺 十也:「そんくらいならいくらでも」
夏祭らむね:「そのときも、元気づけてくれて」
夏祭らむね:「いまも……らむねがらむねだから、その時の事、覚えてて思い出してくれて」
夏祭らむね:「らむねがいるって、知ってくれて」
夏祭らむね:「ありがとう!なのだよ!」
錺 十也:「うん」
錺 十也:「お前もなー!」頭をぐしぐしとしてやる。
錺 十也:「聴いててくれて、ありがとな」
夏祭らむね:「きゃーっ」嬉しそうにぐしぐしされる。
夏祭らむね:「んふふ……うぃんうぃんのかんけい!」
錺 十也:「まーな」
錺 十也:(……なんつうか、照れるが)
錺 十也:(そうだな……俺も)
錺 十也:(俺もチャンネル登録しました、くらいなら。そのうち教えてやらんでもない)
錺 十也:(かな)
錺 十也:それだけ言って、また席を離れる。
錺 十也:今日は、いろいろとやることがある。忙しいのだ。
錺 十也:「時雨さん?」
時雨:「はい。何か?」
時雨:クユさんを座らせて、飲み物を渡している。
錺 十也:「あ、今日はその感じか」対面に座る。
時雨:「いつもこうですよ」微笑む
クユ:「これは……」
クユ:「砂糖、塩、オレンジ、セロリ、に……胡椒、コリアンダー……あと」
クユ:「むむむ」
錺 十也:「成分分析器か」
錺 十也:「いや、用ってほどじゃないんよ」
錺 十也:「あんたとあんまし、ちゃんと喋ったことなかったなあって」
錺 十也:「わりといっつもさ、哲学っぽいこと話してるじゃん」
時雨:クユさんから目線を外し、錺さんへ向ける。
錺 十也:「生きるとか死ぬとか、欲望がうんたらとか」
時雨:「哲学とはまた、気恥ずかしい。理屈っぽい、というだけです」
錺 十也:「筋が通ってるってこったろ」
時雨:「いや──自分ではあまり、筋がわからない」
錺 十也:「ふーん。感覚なのかな」
時雨:「信念に悩み、依れる芯を探していたら、このような姿になっていました」
錺 十也:「……そゆ経緯なんだ。そっか」
錺 十也:「あのさ……聞いてほしいっつうか、俺もいろいろ考えてることがあるっつうか」
錺 十也:「あの……ほら、生きたり死んだりダイス振ったり」
錺 十也:「その話はさ、死んだらそこで終わりだろ。『個』は」
時雨:「そうですね。確かに」
錺 十也:「じゃあさ。その後」
錺 十也:「『残す』ってのに俺は少し興味があって」
錺 十也:「あんた的にはそれはどういう感じなのかな。えーと」
錺 十也:「仲間とか。教えとか。気持ちとか。作品とか。……子孫、とかもそうなんかな」
錺 十也:ちらりと河路緑郎の方を見る。自分の中の糸のことも考える。
錺 十也:「『何かを残したい』」
錺 十也:「『世界に爪痕を残したい』そういう欲望」
時雨:「私は──その認識とは、少し違うのかもしれないですね」
錺 十也:「ふんふん」
時雨:「何かを『残す』とき、それが何をもって『残っている』ことになるのか」
時雨:「それは、観測者です」
時雨:「『残された側』があって、初めて何かを『残す』ことができる」
時雨:「だから、私は終わりを──その人生の集積に何を残すのか、を見続けてきました」
錺 十也:「あんたが見ていれば」
錺 十也:「それは『残った』ことになる?」
時雨:「はい。──ダイスを振った結果だけを見ているとき、人は『何か』を──功績を、残したくなるでしょう」
時雨:「ですが、見てくれる、客体を信じれば──ダイスを振ったという、過程が、鮮やかに、記録される」
時雨:「私は誰かに、信じてもらえる観測者でありたい、そう願い───」
時雨:クユさんの髪を撫でる。
クユ:「時雨は、よくそうやりますけど……何かついてますか?」
時雨:「いいえ。撫でたいからやっているだけですよ」微笑む。
クユ:「そうなんだ」
時雨:「そして、今は、自分が誰かに見てもらえることを、信じたい──”当事者”として、そう願っています」
錺 十也:「なるほどねえ。じゃあ……そうだな」
錺 十也:「俺の話もちょっと観測してもらいたい」
時雨:「ええ。私でよければ」
錺 十也:「俺には、無縁だと思ってたんだよ。ダイス振ったりとか、なんか残したりとか」
錺 十也:「引っ込んで、ありものの機械をいじってれば幸せだった」
錺 十也:胸ポケットから、懐中時計のようなものを取り出した。ざらり、と鎖が下がる。
錺 十也:「だから初めはさ、こんな感じで。俺ん中では、この店は、四人で閉じてたんだ」
錺 十也:輪になった鎖を揺らす。
錺 十也:「でも、河路とあれこれあった辺りからかな……こう」
錺 十也:かちり。鎖の片側が外され、一本の細い線のようになる。
錺 十也:「そうでもなくなった」
錺 十也:「多分、『魂くらい、離れてたって構わない。守れるなら』そう思ったから」
錺 十也:「……あんまし、上手くいってないけどさ」
錺 十也:「そんでまあ、あんたとかと会って……この、鎖の先が」
錺 十也:くるくると振り回す。途切れていると思っていた。その先が。
錺 十也:「繋がってた。会ったこともない、こっちは顔も知らなかった奴と」
錺 十也:鎖がどういう理屈か、ぴんとどこかに引かれるように静止した。
錺 十也:その先には、機械の脚を持つ少女が一人。
錺 十也:「『残せた』のかな、って」
錺 十也:「だからもうちょっとだけ、なんか俺なりに舞台の上でやってみたいな、とそう思ったんだ」
錺 十也:「それこそほら、あんたが言った、零から発明するとかでもいい」
錺 十也:そこまで勢い込んで言って。
錺 十也:「……観測してくれ」
錺 十也:「今の話、残してほしいんだ。ちゃんと。俺を」
時雨:「──ええ。”錺 十也”さん」目を細める。
時雨:「私が、きちんと見届けます」
錺 十也:「まー、死ぬのはもうちょい先にするけどさ」苦笑する。
時雨:「そうですね。未来のことはわからない」
時雨:「でも、きっと──ダイスを振り続けた姿は、誰かが最後まで、見届けてくれると、私は思います」
錺 十也:「……うん。俺は、何せめちゃくちゃな賭けをしてここにいるからね」
クユ:「ふむ」
クユ:「クユも見ますか?」
錺 十也:「お」
クユ:「現在、ナキと河路を見ている約束をしています」
錺 十也:「見とけ見とけ。なんでも」
クユ:「はい、なんでもとりあえずもらっておきます」
錺 十也:「そんで、機械いじりでも好きになってくれりゃ嬉しいよ」
クユ:「機械……」
時雨:「ええ。できるかぎり、あらゆるものを」
錺 十也:「それはさ」
錺 十也:「やっぱり『残った』ってことになるんだから」
錺 十也:河路緑郎は、二重螺旋の鎖、遺伝子を残した。
錺 十也:自分の中の糸は、それを守ろうとしている。
錺 十也:錺十也は、連鎖する模倣子のひとつを残せるのかもしれない。
錺 十也:それは、ずっと広がっていく。
錺 十也:蜘蛛の張る網目のように、どこまでも。
錺 十也:名前はどうでもいい。誰に気付かれなくてもいい
錺 十也:これは、納得の話だ。
錺 十也:鎖がバラバラと、幾本もの細い糸のようになって、捻れて、網のように変わる。
錺 十也:というところで、感情判定をしたいです。
錺 十也:特技は縄術。
河路 緑郎:感情修正いる?
GM:どうぞ、GMから達成値修正を+1差し上げます。
錺 十也:わ、うれしい
錺 十也:じゃあ、感情修正は取っておこう
錺 十也:2D6+1>=5 (判定:縄術) (2D6+1>=5) > 11[5,6]+1 > 12 > 成功
錺 十也:!?
夏祭らむね:すごい達成値
GM:ホホホ
錺 十也:あ、スペシャルではなかった
河路 緑郎:やったぜ
時雨:やりますな
河路 緑郎:スペシャルは基本、出目だけ参照ですからね!
錺 十也:では時雨さんに感情を
時雨:ET 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)
錺 十也:ET 感情表(6) > 狂信(プラス)/殺意(マイナス)
時雨:6出ちゃった!
GM:狂信でちゃうかーw
錺 十也:強いの出たな……
錺 十也:いや、でもこれは
錺 十也:時雨さんがずっと残してくれるという信頼です
錺 十也:狂信で取ります
GM:ふふ
時雨:こちらは言葉通り、最後まで付き従って見届けようという、忠誠で
錺 十也:そしてこの流れで【補給】もします。経済力。
錺 十也:ここで感情修正、らむねちゃんと河路さんからください!
河路 緑郎:はいよ!共感の感情修正
時雨:今貰った感情投げれますわよ自分
錺 十也:あ、そうじゃん! 時雨さんからもほしいな
錺 十也:もう判定ないし
夏祭らむね:あげるあげる!+1!
時雨:じゃあ投げます!忠誠の+1!
錺 十也:ありがとー!
錺 十也:2D6+3>=5 (判定:経済力) (2D6+3>=5) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
錺 十也:よし! 遁甲符を復活させます
system:[ 錺 十也(0) ] 忍具:2 → 3
時雨:無限だ……
錺 十也:あ、で、ここで
錺 十也:河路さんにこの遁甲符を先に渡しちゃおう
河路 緑郎:あ、はいはい
河路 緑郎:ありがたく受け取ります
system:[ 河路 緑郎(0) ] 忍具:1 → 2
錺 十也:助けてやってください
時雨:ついでに奥義情報を錺さんに渡せば感情共有で全体公開かな……?
錺 十也:いただく!
河路 緑郎:残りは神通丸と遁甲符
GM:きさまらーーー!!
河路 緑郎:もらいます!
GM:キーーーー!!
時雨:はい。ではナキちゃんの奥義1・2と、クテン君の【追加忍法】の奥義情報を錺さんに渡します
サブGM:メチャクチャやりやがる
時雨:感情共有で全体公開だァ~~!
夏祭らむね:ひっひっひ!いただくぜ~~!
錺 十也:いただきまーす
錺 十也:あ、そうか。ついでにプライズもここで渡しちゃおう
河路 緑郎:すべてを知りました
錺 十也:演出はあとでやるかもわかりませんが、時雨さんに『青の憂鬱』を一旦お渡ししておきます。
時雨:あ、本当ですか
河路 緑郎:この後カチコミかけるかもなので我々……
錺 十也:なんとなく時雨さんがいいかなって
時雨:ではいったん預かりまして
時雨:これを河路さんにパスすればよいですね
河路 緑郎:無事だったらね!
錺 十也:お願いします!
錺 十也:処理は以上かな?
時雨:了解です!無事に帰ってきてね
河路 緑郎:僕らが帰ってきたら渡してください
錺 十也:おねがいね
河路 緑郎:感情よし、プライズよし、補給よし、道具交換よし
GM:こいつら~~!!
河路 緑郎:多分オッケー?
河路 緑郎:あ、そうだ
河路 緑郎:錺君こっちの神通丸持っておきます?
錺 十也:あっあると非常ーにありがたい
河路 緑郎:あっでも
河路 緑郎:ナキの範囲攻撃封術だったっけ
錺 十也:あ、自分で持ってた方が安心なら全然いいですよ
錺 十也:保険だし
河路 緑郎:もう情報漏れてるし錺君も私も封術遠めだから
河路 緑郎:打ってくる気がする
河路 緑郎:万一に備えてもっておきます
錺 十也:ああー
錺 十也:了解。どうぞ!
錺 十也:ということで以上っぽいです
GM:はい……
河路 緑郎:じゃあ笑理さんの話とかかな?
錺 十也:してしてー
GM:じゃあ時雨さんにプライズの情報お渡ししますね
時雨:確認……しました!
河路 緑郎:じゃあ再開する感じでしょうか
錺 十也:こちらはそれで!
河路 緑郎:笑理さん話し始めます?こっちからふりましょうか
GM:よろしくやってください
畔戸笑理:そうしていただけるとたいへん助かります
河路 緑郎:了解!
河路 緑郎:「……畔戸、いつまでぐったりしてんだ」
河路 緑郎:「何かあったのか……?」
畔戸笑理:「……」目だけをそちらに向けて。
畔戸笑理:「話してきました……ナキさんと、カヅキさんと」
畔戸笑理:「本当に嫌だったし、怖かったし、疲れたんですよ」
畔戸笑理:「どうして生き別れの双子の妹と、死ぬだの殺すだの戦うだのなんて話をしなくちゃいけないんですか」
畔戸笑理:「しかも私悪くないし……」
河路 緑郎:「………」
河路 緑郎:「そうだな……すまない」
畔戸笑理:「……カヅキさんから、父親のことを聞きました」
河路 緑郎:「カヅキ……真渕カヅキから?」
畔戸笑理:「ええ」
畔戸笑理:「あの人は、ナキさんが私の優しさに付け込んで、父親を人質に私を誘き出す気なんじゃないか、と考えていたようですが」
畔戸笑理:「正直なところ、そこはあまり興味が無いんですよね」
畔戸笑理:「元はと言えばこの状況の原因は父にあるし、私だって売られたんだし」
畔戸笑理:寝そべったまま、じっと見上げている。
河路 緑郎:「興味が……」
河路 緑郎:「恨んでいないのか?」
畔戸笑理:「……」
河路 緑郎:「いや、違う……ああ、くそ」
河路 緑郎:頭をかく。
河路 緑郎:「お前にも……きちんと話しておくべきだよな」
河路 緑郎:隣の席にこしかけて、呼吸を整える。
畔戸笑理:のっそりと上体を起こす。
河路 緑郎:「子供を守るのが目的だと言ったよな」
畔戸笑理:「ええ」
河路 緑郎:「お前とナキの父親は、俺だ」
畔戸笑理:「らしいですね」淡々と。
河路 緑郎:「……驚かないのか、お前も」
河路 緑郎:「真渕とナキとの話で、勘付いてたか?」
畔戸笑理:「あなたと錺さんの事情を聞いた時に、薄々と」
畔戸笑理:「カヅキさんからは、若返りの被験者になった人物の名前を聞いてます」
河路 緑郎:「10年分程度の話だ。まだ確立されていない技術らしいからな」
河路 緑郎:「だいぶ衰えが来ていたんでな。賭けだったが、なんとかましに動く体は取り戻せた」
畔戸笑理:「……動機は?」
河路 緑郎:「………」
河路 緑郎:「うまくは、言えない」
河路 緑郎:女の顔は覚えていない。20年以上前、比良坂の『仕事』で出会っただけの相手だ。
河路 緑郎:父親としては最悪。とっくの昔に手遅れで、何を言っても言い訳にもならない。
河路 緑郎:「ただ、知ったら、放っておきたくなかった」
河路 緑郎:「お前たちの存在を知ったとき」
河路 緑郎:「ずっと冷えてた心臓が熱くなって」
河路 緑郎:「倒れてる場合じゃねえと思えた」
河路 緑郎:「本当に今更で、勝手な話だがな」
畔戸笑理:「……つまり、最近まで、知らなかったと」
河路 緑郎:「……ああ」
河路 緑郎:「ナキにも話したが」
河路 緑郎:「お前たちが俺を恨むのは当たり前だ」
河路 緑郎:「償いたいとは思うが、許してくれとは到底言えない」
河路 緑郎:「ただ」
河路 緑郎:「少しでも、お前たちの助けになりたい」
河路 緑郎:「それだけは、本気だ」
畔戸笑理:溜息をつく。
畔戸笑理:「私の父は、畔戸耕一郎です。でも」
畔戸笑理:「“河路さん”は、仲間ですからね」
畔戸笑理:子の存在など知らなかったのなら、自分は、それを責める気にはならない。
畔戸笑理:仕事上の必要性からそういうことをするのは、自分だってそうだ。
畔戸笑理:「それで良ければ……それで」
河路 緑郎:「……十分だ」
河路 緑郎:「いや……どころか」
河路 緑郎:「重すぎる、ぐらいだよ」
河路 緑郎:畔戸耕一郎。顔を見たこともない男だが。
河路 緑郎:確かに、父親だったのだろう。父として彼女を愛してくれたのだろう
河路 緑郎:そんな人物が居てくれたことに、心から感謝し。
河路 緑郎:……そんな人と出会えなかった彼女を思い、目を開ける。
河路 緑郎:「お前とナキの話は」
河路 緑郎:「ただの姉妹喧嘩だ」
河路 緑郎:「……ただの喧嘩に、してやろう」
畔戸笑理:「こちらからすれば、一方的に吹っ掛けられただけですけどね」唇を尖らせる。
畔戸笑理:「まあ……何とかなる、と思います」
河路 緑郎:「……苦労をかけるな」
畔戸笑理:「苦労……」
畔戸笑理:「……頑張ってはいます。わざわざめいっぱい脅して、あなたが負けたら末っ子にすると宣言したりとか」
河路 緑郎:「脅し……いや、それ脅しなのか……?」
畔戸笑理:「目的達成のため、ですからね」念を押すように言って、冷酒を呷る。
畔戸笑理:グラスを持つその左手には小指が無い。根元だった部分には包帯が巻かれている。
河路 緑郎:「お前、その指」
河路 緑郎:「本当にどういう話をしてきたんだ?」
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:「ある結果を恐れる、ということは」
畔戸笑理:「それを受け入れる準備をするということです。師の受け売りですが」
畔戸笑理:「あの子の心を揺らし、乱し、その末に私の提示した結果を恐れるようにしたかった。そのための仕込みです」
畔戸笑理:「効いたかどうかは、遠くないうちに分かる」
河路 緑郎:「無茶をする」
畔戸笑理:「家族と、家族の形見のためですから」
畔戸笑理:「ああ、そうだ」
畔戸笑理:「あの時には知りませんでしたが、あの子の持っていた黄色のコイン、父が私に贈るはずのものだったんですよ」
河路 緑郎:「あいつ、あれを形見だと言っていたな」
河路 緑郎:「なら、あれは……お前の、か」
畔戸笑理:ちら、と男の顔を一瞥して。
GM:異街において色を持つコインには特別な意味がある。それは抜き取られた誰かの【記憶】であり、黄は喜びの色である。
GM:歓喜の黄金
GM:紅き怒り
GM:青の憂鬱
GM:愛しき草原
GM:それぞれが、誰かの物語で。
聖女・"瞳":『だから、たまらなく愛しいのよね』
河路 緑郎:「お前にとっても父親の形見なら」
河路 緑郎:「取られたままというわけにはいかんだろうな」
畔戸笑理:「そうですね。何しろ」
畔戸笑理:「父が、私に、贈るはずのものだったので」強調する。
河路 緑郎:「……」
河路 緑郎:困惑するような、嬉しいような、複雑な表情を浮かべて。
河路 緑郎:「大切、なんだな」
河路 緑郎:それだけ、ポツリとこぼした。
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:(分かってるのかな…………)
錺 十也:「…………」その会話の横で、少し所在なさげに立っている。
錺 十也:「……あー、ごめん。なんか。そんなには聞いてない」
河路 緑郎:「秘密にするようなことでもない」
河路 緑郎:「どうした?」
畔戸笑理:グラスを傾け、澄ました顔を錺さんに向ける。
錺 十也:「んや、いろいろあんだけど、ひとつは」
錺 十也:河路さんの横を通って、エリさんの方へ。
錺 十也:「指、見えたからさ。平気?」
錺 十也:小指を示す。
畔戸笑理:「……ああ」思い出したようにそこへ視線を落として。
錺 十也:「オークションで買ったりする? それとも義指?」
錺 十也:「早めの方がいいよ。だんだん固まっちゃうし」
錺 十也:「あれだったら、さすがに俺が作るのは無理だけど……」
錺 十也:「得意な技士、知ってるし。メンテくらいなら俺でもいける」
錺 十也:いつものごとく、少し早口になっている。
畔戸笑理:「ううん……」
錺 十也:「……そのままに、しときたい?」
錺 十也:「ならほっとくけどさ。心配なんだよな」
錺 十也:「なー、河路」
河路 緑郎:「そりゃ……心配、だが」
畔戸笑理:「……どうでしょう。ちょっとまだ、そこはよく分からなくて」
錺 十也:「……そっか」
畔戸笑理:「はっきりしなくて、すみません」
畔戸笑理:そこだけは以前までのような、曖昧な微笑み。
錺 十也:「んー、いや。今つけなきゃ死ぬってもんでもないっしょ」
錺 十也:「……わりとさ、綺麗なやつも作れるから。花の模様とか刻んだり」
錺 十也:「そういうのだったら似合うかなって思ったんだよな。そんだけ」
錺 十也:『交換』をして。肉体や自認は変わらない。記憶も落ち着いた。
錺 十也:ただ、少しだけ感情に変化が起きたことは否めない。
錺 十也:……小さな憧れが、なかった、とは言えない。
錺 十也:それが、なんだか家族に対するものに変わってしまった。
錺 十也:(こういう話をしてると、なんか、実感するよな……)
錺 十也:(多分あれは、なかった方がいい気持ちだ。絶対に周りに迷惑をかけた。だからこれでいい)
錺 十也:(これでいい。何も変わらないから)
錺 十也:「まあいいや、エリさん。またそのうち遊園地行こうよ」
錺 十也:「今度は……みんなで」
錺 十也:「観覧車、楽しかったよな」
畔戸笑理:「……? ええ」
畔戸笑理:バイザー越しの瞳に、何かよぎるものを見たように思って。
錺 十也:そう。なんにも、変わらないのだ。
畔戸笑理:それでもすぐに消えたそれを、気のせいか、と思う。
畔戸笑理:「そうですね」
畔戸笑理:「また、行きましょう」
錺 十也:にっと笑って、その場を離れる。
錺 十也:河路緑郎に小さく手招きをしながら。
河路 緑郎:「……俺も少し、酔を冷ましてくるか」
河路 緑郎:「それから、畔戸……」
河路 緑郎:「……あー」
河路 緑郎:「痛むなら、無理はするな。……じゃあな」
河路 緑郎:錺について店を出ていく。
畔戸笑理:「……分かってます」彼らが扉の外に消えてから、そう呟く。
錺 十也:……店の外。路地を少し入った、人気のない辺り。
錺 十也:「ふー、なんか今日はいろいろ話したんで、疲れた」
錺 十也:「でも河路はもっと疲れたろ?」伸びをする。
河路 緑郎:「疲れた、というか」
河路 緑郎:「難しいな」
錺 十也:「そ」
錺 十也:「……なんか」
錺 十也:「俺はどういう顔をすりゃいいのかねえ……」ぽつりと言う。
河路 緑郎:「お前は今まで通り、でいいんだろう」
河路 緑郎:「それが難しいという話だろうがな」
錺 十也:「まーね」
錺 十也:「コイン、時雨さんに一旦預けといた。後でもらってくれ」
河路 緑郎:「ああ。……つまり」
河路 緑郎:「お前も行くと」
錺 十也:「そうだが?」当たり前のような顔をする。
河路 緑郎:「強いぞ、あいつ」
錺 十也:「あのさ」
錺 十也:「俺を誰だと思ってる。何回やったと思ってる」
河路 緑郎:「……お前ら以上に知ってるやつはいないか」
錺 十也:「知ってるし、今はそれよりもさらに強いかもってのもわかってる」
錺 十也:「あいつは強いよ。ほんとに。何回も酷い目に遭った」
錺 十也:「けど」
錺 十也:「でも、ここに来れば、笑って話してたんだ」
錺 十也:「また、そうできない道理はない」
錺 十也:「そのためならなんだってやる。知ってるだろ、とっくに」
河路 緑郎:「ああ。お互いにな」
錺 十也:「だろ」
河路 緑郎:「記憶でないところで覚えてるよ」
錺 十也:「……あのさ」
錺 十也:「俺はずっと気になってたんだよな」
河路 緑郎:「ん?」
錺 十也:「俺は……あんたにさ。『憂鬱』しか渡せてないんじゃないかって」
錺 十也:「今の俺は、すげー幸せなんだ。ナキのことを除けば」
錺 十也:「あんたは、なんか……ほら。しんどそうというか、なんというか」
河路 緑郎:「不公平か?」
錺 十也:「それ。そうなってない?」
錺 十也:「言うて、あっさり戻れるものでもないだろうけどさ」
河路 緑郎:「こうなる前の俺達は、当然そんなこと織り込み済みだったろ」
河路 緑郎:「理屈じゃなくて納得の問題だ。互いに納得してのことなら、お前が引け目に感じることはない」
錺 十也:「……まったく。とんでもねえことしたよ。錺十也って奴」
錺 十也:「俺か」
河路 緑郎:「お前だよ」
錺 十也:「……俺だ」
河路 緑郎:「まったく、人の良いことだ」
河路 緑郎:「まあ、しかしな」
河路 緑郎:「どう見えているかは分からんが」
河路 緑郎:「今は悪くない気分だよ、俺は」
錺 十也:「そうなん?」
錺 十也:「井戸より深いとこからは出れそうですかね」
河路 緑郎:「空までとはいかんだろうが」
河路 緑郎:「どうにか、地面までは届かせるさ」
錺 十也:「ふーん」
錺 十也:「糸」
錺 十也:「蜘蛛の糸、垂らしてやろっか」
錺 十也:じゃらん、と懐中時計を持ち上げる。
河路 緑郎:「その話、最後はちぎれるんじゃなかったか?」
錺 十也:「欲張るからだよ」
河路 緑郎:「鎖にしてくれ。蹴落とさなくて済む」
錺 十也:「そっちのが得意だな。そうする」
錺 十也:「大口開けて、食いついてろ」
河路 緑郎:「釣り上げられようか」
錺 十也:ククク、と肩を震わせて笑う。
錺 十也:「そうだな、地面なら……そうだ」
錺 十也:「あのさあ、言葉遊びするよ」
錺 十也:「『青色』と『黄色』。混ぜると何色だ?」
河路 緑郎:「緑?」
錺 十也:「河路『緑』郎」
錺 十也:「あんたの色だよ」
錺 十也:「そんくらいには持ってきたいね。黄色い月までは遠くても」
河路 緑郎:「クハっ」
河路 緑郎:「井戸の底じゃない、草の色か」
錺 十也:「保護色」
錺 十也:「居心地はいいだろうさ」
河路 緑郎:「蛙の緑よりは綺麗そうだ」
錺 十也:「……やっちゃおうぜ。俺、全員連れてくつもりだからさ」
錺 十也:「錺ロボ。上に乗っけて連れてくから」
錺 十也:左手を空に伸ばして、握って、開いて。
錺 十也:「ハッピーエンドとかいうやつ?」
錺 十也:その表情は別段、善意や希望や自信に満ちあふれたもの、というわけではなかった。
錺 十也:焦りと不安の色を帯びながら、それでもバイザーの向こうの目が妙に輝いている。
錺 十也:狂気じみた熱意の篭もった、挑戦者の目つき。あるいは。
錺 十也:やれることならなんでもスレスレまでやってみせる。その方が面白い。
錺 十也:そういう、ハッカーの目つきだった。
錺 十也:もしかすると、河路緑郎には覚えがあるかもしれない。
錺 十也:あの時。『交換』を申し出た時に、錺十也が見せた表情と同じだ、と。
河路 緑郎:「おっかねえ顔だ」
河路 緑郎:「あのときも思ったよ。"ホテルマン"が気にいるわけだってな」
錺 十也:「地顔ですんで」
錺 十也:「もう変えらんねえな」
河路 緑郎:「変えたんだか、変わらねえんだか」
河路 緑郎:「ともかくまずは、一仕事と行こうか」
河路 緑郎:「ナキは、あれを形見にするつもりらしいが」
河路 緑郎:「笑理にとっては、父親の形見だ。これ以上あいつに我慢させたくもない」
錺 十也:「ああ、そうだよな」
錺 十也:「あるべきものは、あるべきところへ」
錺 十也:「あんたの『青』とおんなじに」
河路 緑郎:「そんなことできる立場でもないが、少しは……」
河路 緑郎:「……ああ」
河路 緑郎:ふと、気づく。
河路 緑郎:『父が、私に、贈るはずのものだったので』
河路 緑郎:「……父親らしいことさせてやるって、そういうことか」
河路 緑郎:今更に気づいて、苦笑する。
河路 緑郎:「やっぱ、まだ慣れねえな」
河路 緑郎:「慣れねえなりに、やってくしかねえや」
錺 十也:「ほんとにほんとに」
錺 十也:「でもさ」
錺 十也:「楽しいよ。やっぱり」
錺 十也:「錺十也は、すげー幸せなんだ。今」
錺 十也:「だからまあ、ちょっとした心残りは全部、吹っ飛ばしちまおう」
錺 十也:「うぃーん、がしゃん!」
錺 十也:腕を伸ばす。
河路 緑郎:「それじゃあもう一人。載ってもらうとするか」
河路 緑郎:「行くぞ」
錺 十也:「オッケー。錺ロボ、発進!」
錺 十也:そうして、いつもの懐かしい店を振り返り。
錺 十也:「……いってきます」
錺 十也:それだけ呟いた。
───────
サイクル3 河路
: 水面に映る、顔をじっと眺める。
: 海、黒い大きな水たまりだ。
: この先は"外"と繋がる異界の門。
: 「カザも河路もさ、そこから来たんだよね」
: 異界と言われるこの街だが、ここで生まれたものにとっては外こそが"異界"だ。
: 「どうなの、ここ来て良かった?後悔してない?」
: そう言って、ゆっくりと振り返る。
ナキ:「……」
ナキ:「笑っちゃうよね、ナキ自分の身体嫌いだからさ」
ナキ:「拠点移すとまず鏡割るんだ、出てくときにお金かかっちゃうけどそれはま、必要経費っていうか」
ナキ:「自分の顔なんて見たの、十何年ぶりかしら」
ナキ:「これ見るだけで、流石に気づいたよね。あんな一生懸命コイン求める必要無かったわけ」
ナキ:キシキシと、異形の義肢が蠢く。
ナキ:ナキの首から下は、ほとんどが機械だ。首から上も、少し。
ナキ:パリパリと、ホログラムが弾ける特殊な外套を纏う、つまりは臨戦態勢。
ナキ:「一応、言っておくけどさ……やめてくれない?お願いだよ」
ナキ:「ここでヤルのは困るんだよね、ナキ」
ナキ:「あと別に、カザは大人しくしててくれるんなら、殺す理由なんて無いんだしさ」
錺 十也:「……だって。河路。どする?」
錺 十也:軽い声で。
河路 緑郎:「確かに俺はともかく」
河路 緑郎:「錺に殺される理由はねえか」
錺 十也:「つってもさ。あの……どうも最近誤解されてる気もするけど」
錺 十也:「俺ら、別にベッタベタのお友達だったわけでもないじゃん?」
ナキ:「うん、ま」
ナキ:「仕事なら殺すけどさ」
ナキ:「これは、そうじゃないじゃん」
錺 十也:「仕事、もあるか。あるな。それと」
錺 十也:「いつものやつ」
錺 十也:「ケンカしようぜ」
ナキ:「困るんだよね、外に持ち込まれるの」
河路 緑郎:「そいつは」
河路 緑郎:「錺もクテンも、笑理も。同意見だろうよ」
河路 緑郎:「笑理にはお前と殺しあう理由はねえ。お前にはある」
ナキ:「ハ、それもそうか……」
河路 緑郎:「だからあいつはずっと困ってる。それでもお前は退けない」
河路 緑郎:「こっちも同じだ」
河路 緑郎:「退けない理由がある」
ナキ:「そだね、それは正しいな。何でこんな単純なこともわかんなくなってんだろ」
錺 十也:「疲れてんだよ」
ナキ:「疲れてんのかな、うん、でも休むわけにはいかないからね」
ナキ:「なんか最近ものを考えるのがうまくいかないんだよねー」
河路 緑郎:「……お前」
河路 緑郎:時雨やクテンたちと話していたときも、言っていた。
河路 緑郎:『時間の感覚がよく分からない』、と。
河路 緑郎:「どこまで売った……?無茶な交換の副作用か?」
ナキ:「竜血は、人体には毒だからね」
ナキ:「ちょっとなら薬にもなるけど……ナキは特別仕様」
ナキ:「適合できるように、色々手を加えてるわけ」
ナキ:「まだ調整段階だけど、本番にはきっと完璧になる」
ナキ:「んだからさ、カザも、今までのナキとおんなじだと思ったら駄目だよ」
錺 十也:「……俺、機械は好きだよ。義肢も。でも」
錺 十也:「今のそれは、きっついだろ」
錺 十也:「俺が、きついんじゃない」
錺 十也:「お前がだよ。俺は」
ナキ:「んー、きっついか……」
ナキ:「いやでもさ、やらないともっときっついからね」
ナキ:「それ以上にきっついことないんだ、ナキ、だから頑張れる」
ナキ:「応援してくれないのかな?」
錺 十也:「本体のナキの方がずっとずっと大事に決まってるだろ……!」
錺 十也:「できねえよ、バカか!」
河路 緑郎:「子供を探して、助ける」
河路 緑郎:「それが俺の使命だと思った。思ってた、が」
河路 緑郎:「そいつだけはダメだよ、ナキ」
ナキ:「いや、もうダメにはなってんだよ、とっくの昔に」
ナキ:「だから何やってでも、マイナスをゼロに、スタートラインに」
ナキ:「取り戻して、人間になって、そこからなんだよね」
ナキ:「その一秒後に死ぬんだとしても、まあ、良いんじゃないかな」
ナキ:「刻めるよ、ナキの魂に」
河路 緑郎:……理解できてしまう。
河路 緑郎:ずっと死んでいたのは、同じだから。
錺 十也:「……そこには」
錺 十也:「観測者がいない」
錺 十也:「わかるけど、でも」
錺 十也:「残してくれ、なんか。なんでもいいから」
錺 十也:「残せるように生きてくれよ……!」
河路 緑郎:「取り戻して、一秒後に」
河路 緑郎:「死んでしまっても、それでいい」
河路 緑郎:「本当にその時、そう思えちまえたらよ」
河路 緑郎:「そいつは……ゼロにも届いてねえよ」
河路 緑郎:「生きてるってのは」
河路 緑郎:「死にたくないって、ことだろうが」
河路 緑郎:「ああ、だから俺は」
河路 緑郎:「お前のゼロの先を、探しに来たんだ」
ナキ:「そうなのかな……」
ナキ:「なんか時雨がよくこういう話をしていたよね、あの何考えてんだかよくわからないぼんやりした顔でさ」
ナキ:「残すったって、それは残された者のためだよね」
ナキ:「死はただの結果で、残されたものがそれに意味を与える」
ナキ:「残念ながらナキは"お前たちのため"には戦っても、生きてもいないんだな、今は」
錺 十也:「知ってる」
錺 十也:「俺が変なんだよな、きっと」
錺 十也:「何をしてもいい。何でもできる。お前らのためなら」
錺 十也:「だからさ。無理だよ。何言われても退かねえよ」
ナキ:「優しいんだなー」
ナキ:「お互い引かない以上、ま、そうなるか」
ナキ:「いいよ、やろっか、でも手加減も何もしないからね」
ナキ:「そっちがしてくれる分にはいいけど」
河路 緑郎:「心配はいらねえよ」
河路 緑郎:「父親だぞ、こっちは」
河路 緑郎:「まだまだ娘に負けてられるかってんだ」
錺 十也:ちらりと河路を見て。
錺 十也:「こっちだって。いつも通り。全力」
錺 十也:「遊ぼうぜ。全身全霊で」
錺 十也:「友達だろ」
GM:それでは、戦闘に入ります。
河路 緑郎:ぶっ飛ばしたらぁよ!
錺 十也:うおー
河路 緑郎:あ、ナキのキャラシートは拝見できるでしょうか!
GM:はい、こちらになります
【キャラシート(ナキ、ミドル)】
河路 緑郎:あれ
河路 緑郎:4つってことは中忍?
GM:今のナキはまだ調整段階だからね
河路 緑郎:あ、なるほど
錺 十也:ははー
河路 緑郎:クライマックスと違うのか
河路 緑郎:しかし厄介なもんもってるなあ 影分身か
河路 緑郎:っていうかハグレだったのかあ
錺 十也:ぬーん
GM:それでは!戦闘開始です!
河路 緑郎:んープロット……
河路 緑郎:いやこれで行く!プロット決めました
GM:ささささんは一応経験自体はあるんでしたっけ、プロットについてはおさらいしなくてもいいかな?
錺 十也:そうですね、一度あるのと、ログでおおよそわかってるかなとは思います
河路 緑郎:プロット値が高いほど先に行動でき
河路 緑郎:プロット値の数値がそのラウンドで使用できる忍法の合計コストになる、最大6
河路 緑郎:ただし上のプロットに行くと判定のファンブル値もそのプロットの値になる!
河路 緑郎:ざっとこんな感じ
錺 十也:こわい!
河路 緑郎:あと、ミドル戦闘では
河路 緑郎:1点でも生命力を失うと撤退になるので注意
河路 緑郎:そんなところかな
錺 十也:サバイバル
河路 緑郎:で、プロット値が決まったら
錺 十也:了解です
河路 緑郎:右側にダイスを置けば良い感じかな?
GM:そうそう、だから裏コードはミドルにて最強なんですよね
GM:それでおっけーです
錺 十也:うーーん
河路 緑郎:強制的に生命力下げてくるからね……
錺 十也:決めた……!
GM:ではプロット前使用忍法宣言の有無!
河路 緑郎:ないよー
錺 十也:なし
ナキ:当然、影分身。
河路 緑郎:影分身ファンブルして生命力消費出してくれないかな
錺 十也:してくれー
ナキ:2d6>=5 (分身の術) (2D6>=5) > 4[2,2] > 4 > 失敗
河路 緑郎:失敗しちゃった
ナキ:なぜ……この、ナキが……
錺 十也:おっと
河路 緑郎:神通丸使います?
ナキ:ここで使わないとマズイな、使うよ
河路 緑郎:マジで来た
ナキ:神通丸を使用。
ナキ:2d6>=5 (分身の術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
ナキ:は?
河路 緑郎:ナキ……
錺 十也:!
河路 緑郎:お前ほんとは戦いたくないんじゃないか?
河路 緑郎:出目もそう言っているぜ
ナキ:そんなわけ……
錺 十也:まだ間に合うぞ……
ナキ:素で……プロットする……よ
河路 緑郎:こちらはオッケー!
錺 十也:オッケーです
GM:それではカウントします。
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 河路 緑郎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ 錺 十也 ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
○戦場:平地
<プロット6>
(錺、ナキ[街透])
<プロット2>
(河路)
河路 緑郎:よし
錺 十也:やっぱりか……
河路 緑郎:頼むぞ錺!
GM:ではPC4は行動宣言をお願いします。
○戦場:平地
→<プロット6>
(錺、ナキ[街透])
<プロット2>
(河路)
錺 十也:うおー
GM:まあ、アレでしょうが……
錺 十也:まず【裏コード】をナキに使用します。特技は暗号術!
河路 緑郎:やれーっ!
錺 十也:では、振ります。
ナキ:奥義:ミッドナイト・シンパセティックを使用。範囲攻撃:《封術》
錺 十也:!
河路 緑郎:やっぱ撃ってきやがるか!
GM:判定をどうぞ
河路 緑郎:まずは錺君の裏コードかな
河路 緑郎:どうぞ!
錺 十也:2D6>=5 (判定:暗号術) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
河路 緑郎:あ、5だから逆凪!
GM:あ、これは
GM:ファンブルですね
河路 緑郎:遁甲符投げましょうか?
錺 十也:じゃあ
錺 十也:自分の神通丸をまず使います。
河路 緑郎:どうぞ!
system:[ 錺 十也(0) ] 忍具:3 → 1
錺 十也:振り直し!
錺 十也:2D6>=5 (判定:暗号術) (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
錺 十也:うっわ
GM:ひひひ
河路 緑郎:遁甲符?
錺 十也:いただけますでしょうか
河路 緑郎:オッケー、遁甲符!
system:[ 河路 緑郎(0) ] 忍具:2 → 1
錺 十也:ほんと感謝。振り直し。
錺 十也:2D6>=5 (判定:暗号術) (2D6>=5) > 7[2,5] > 7 > 成功
錺 十也:!!!
河路 緑郎:よーし!
GM:ん、ぎ、ぃーーー
河路 緑郎:ではナキの器術が潰れるかな
錺 十也:ですね。
錺 十也:潰してもらう
ナキ:対処無し、器術を失います。
ナキ 生命力6→5 (器)・体・忍・謀・戦・妖
()は消耗済み
錺 十也:ぜーぜー
河路 緑郎:続いて
河路 緑郎:範囲攻撃の奥義破りですかね
ナキ:同時の奥義、破る?
河路 緑郎:破ります
ナキ:やめてよね
錺 十也:感情修正送ります
河路 緑郎:みんな演出修正頼む!
錺 十也:共感で+1!
夏祭らむね:演出修正!+1!
河路 緑郎:あ、錺君も破り挑戦できるよ
錺 十也:おお
河路 緑郎:私からも共感で+1を錺君に
錺 十也:とりあえず感情修正は送っておきます
夏祭らむね:あっ私の+1はケロちゃんにです
畔戸笑理:演出修正します!
畔戸笑理:えーとどっちがいいんだ
時雨:【影分身】の時からわかるように、既にナキちゃんの装備に不調があった!演出修正!+1
河路 緑郎:説得力ある
時雨:こちらも河路さんに
錺 十也:そっちにまとめた方が安心そう
夏祭らむね:そうですね、封術近いしファンブル値低いし……
河路 緑郎:全員まとめたら
河路 緑郎:私が+4に錺君+1かな
錺 十也:つよい
ナキ:これだからよぉ~~~!!!
畔戸笑理:では河路さんに。
河路 緑郎:いただきます。封術に対して奥義破り、瞳術で代用判定
河路 緑郎:2d6+4>=8 判定:瞳術 (2D6+4>=8) > 4[2,2]+4 > 8 > 成功
錺 十也:やったー!
河路 緑郎:あっっぶねえ!サンキュー!
夏祭らむね:友情パワー!あつめてよかった!
錺 十也:じゃあこちらは大丈夫かな
ナキ:お、おおの、れ
畔戸笑理:パパかっこい~♡
河路 緑郎:低プロットが仕事してくれたな
時雨:結果オーライよ
GM:ファンブルする可能性もあるので
河路 緑郎:ありがとうみんな!
GM:宣言した以上は振ってもらいます
錺 十也:了解です
錺 十也:封術に対して奥義破り、代用判定で調査術。+1
錺 十也:2D6+1>=10 (判定:調査術) (2D6+1>=10) > 7[3,4]+1 > 8 > 失敗
河路 緑郎:よし、問題なし!
錺 十也:まあよしかな
夏祭らむね:せーふ!
GM:それでは演出の方に入りましょう……
───────
ナキ:瞬間、仕掛ける。
ナキ:初速が命だ、誰よりも速くこの場を制する。
ナキ:「(しっかり――動いてくれちゃって)」
ナキ:対する錺を見る、既に動作に入っている。
ナキ:「(間に合うか?――いや間に合わせる)」
ナキ:「奥義……」
ナキ:異形の指から滑り出る、真っ黒な"針"。
ナキ:「(おそらく、これは既に割れている……)」
ナキ:とっておきの隠しわざだが、その情報は既に時雨によって奪われている。
ナキ:「(連中は完全に結託しているとみなす方が自然)」
ナキ:「ああ、いいさ、それでいい」
ナキ:「ひとりぼっちで戦って、それで」
ナキ:「価値ある勝利と言える」
ナキ:動作に入る。
ナキ:「真夜中の"共感呪術"」
ナキ:"針"を回す。
ナキ:指し示すは深夜、呪いを釘へと乗せる丑三つの。
ナキ:"時計"に深く愛着を持つ錺に、この上なくてきめんに機能するはずの、とっておきの術式。
ナキ:己の身体に針を打ち込む。
ナキ:それは呪術的な"感染"を通じて錺の身体を打ち付け、同時にナキの身体に特濃の竜血を打ち込む。
ナキ:"バフ"と"デバフ"を同時に行う必殺の術。
ナキ:「(お前が、ナキを仲間であると、友であると、大事であると)」
ナキ:「(強く思えば思うほどこの"共感"からは逃げられない)」
ナキ:「その優しさにくびられて、死ねッ!!!」
河路 緑郎:「笑理にも言いたいんだがよ」
河路 緑郎:「身体は大事にしてくれよ。頼むから」
河路 緑郎:初速が命。その通り。
河路 緑郎:河路緑郎は出遅れた、否、そもそも先手を取れる速度など有していない。
河路 緑郎:だから誰よりも速く準備していた。この戦いが始まる前から?否。
河路 緑郎:遠く、港の倉庫で”何か”が砕け散る。対呪術用に仕込まれた護符が、ナキと錺が受けるべき呪いを受け止めて破裂する。
河路 緑郎:この島に来てすぐ。『戦場になりうる』と感じた場所には、出来得る限りの仕込みは済ませている。
河路 緑郎:「錺っ!」
錺 十也:「はいよ」
錺 十也:まず、右手から一本の鎖が放たれる。
錺 十也:中距離捕縛忍器『腐蜘蛛』。
錺 十也:これは、フェイク。
錺 十也:当てるつもりもない。ただ、ナキは知っている。
錺 十也:彼の癖を。どういう軌道で鎖が飛ぶか。どれくらいの速度で来るか。
錺 十也:だから、一瞬でもいい。『来る』と認識させれば。
錺 十也:(……異街に来た時のこと、思い出すな)
錺 十也:『招待』でも、『密航』でもなかった。
錺 十也:船に、エンジニアとして乗せてもらい、港で『解雇』してもらったのだ。
錺 十也:いつも、そう。彼のやることは実際、隙を突いて……。
錺 十也:裏から来る。
錺 十也:超小型妨害ドローン『神斬』。
錺 十也:ぶんぶんと虫の羽音のような音が、ナキに忍び寄っていた。
錺 十也:義肢であるならば、そう。
錺 十也:そこにはセキュリティが存在し……。
錺 十也:バチ、と火花が散った。
錺 十也:破ることも、可能なのだ。
ナキ:そう、フェイク。
ナキ:来ると、わかっている裏の一撃。
ナキ:しかし、それならばと"これ"を無視することが既に布石の一部であるはずだ。
ナキ:錺は周到だ、ならばフェイクとわかっていてもこの"蜘蛛"は対処しなければならない。
ナキ:裏の、裏の、裏の、どこまで読めば奴の真意を読み取れる。
ナキ:分が悪い、専門分野ではない。ならばナキの専門分野は。
ナキ:できるだけ、速く動き、全てを食い散らかすのみ。
ナキ:そうして、放った互いの必殺は。
ナキ:「ぐっ、がっ!」
ナキ:宙で激しく火花を散らし、墜落する。
ナキ:「ぐ……ふぅ……ふぅ」
ナキ:口から黒い油を垂れ流し、"けもの"のようにふたりを睨む。
ナキ:「やめ、ろ……」
GM:これにてナキは脱落。
GM:続くはPC2の手番ですがいかがされますでしょうか。
GM:このまま殴り合って勝者を決めることもできますが……。
河路 緑郎:行動なしです
河路 緑郎:河原で殴り合いはまた今度な!
GM:ではこの後はどちらかが脱落を宣言し勝者を決める腹づもりのようですし、ここで決めてしまいましょう。
GM:どちらが勝者になるのかな?
錺 十也:脱落します
河路 緑郎:ありがとう!
河路 緑郎:私が勝者です
錺 十也:もう仕事したし、どーぞ
GM:おめでとうございます、では勝者は【戦果】を得ることが可能です。
GM:何にしましょう?
河路 緑郎:ナキが持ってるプライズをいただきたいです
ナキ:やめて
ナキ:やめて……ください……おねがい……します
河路 緑郎:ごめんちょっとまって
河路 緑郎:まじで心痛むから
GM:敗者に語る言葉なし、プライズを差し上げます。
河路 緑郎:苦しい
夏祭らむね:でももともと笑理のだからね
河路 緑郎:そうね……
畔戸笑理:そうだよ
時雨:そうらしい
錺 十也:うう
GM:プライズを渡しました。
河路 緑郎:いただきました。
GM:これにてミドル戦闘を終了。
GM:特にやりたいことがなければこのままシーンを切り上げます。
河路 緑郎:じゃあちょっと!
河路 緑郎:傷を受けたナキの懐から、黄色のコインが弾け飛ぶ。
河路 緑郎:拾い上げ、ナキを見つめる。
ナキ:「ぁ……」
ナキ:それに、手をのばす。
ナキ:「かえ……せ」
ナキ:「かえ、して……」
ナキ:そこには、今までは見せなかった本気の懇願が見て取れた。
河路 緑郎:手にしたことでわずかに流れこんだ記憶。
河路 緑郎:「……こういうもんが」
河路 緑郎:「こんな記憶を、大事に思えるなら」
河路 緑郎:「必要だって思えるなら、なあ」
河路 緑郎:「ちゃんと言えよ、欲しいって」
河路 緑郎:「みんなに」
河路 緑郎:「今は、居るだろ……聞いてくれるやつが、よ」
ナキ:「今……」
ナキ:「さら……」
ナキ:「なんだよ」
ナキ:ギギギと耳障りな音を立て、強引に身体を起こす。
河路 緑郎:「俺は、”今更”かもしれねえ」
河路 緑郎:「でも、こいつらは、そうじゃねえ」
錺 十也:(……あるべきものを、あるべきところへ)
錺 十也:(ごめんな、ナキ)
錺 十也:(俺、優しいわけじゃなくて、狡いだけなんだと思うよ……)
錺 十也:バイザーの奥の目を伏せながら、声を聞いている。
ナキ:「結局、そうなんだ」
ナキ:「ナキの、やりたいことを、応援して、やれるのは」
ナキ:「ナキだけだ」
ナキ:「お前たちの、優しくて、正しくて、美しい」
ナキ:「あるべき物語なんかに」
ナキ:「ナキは負けない……」
ナキ:そう言って、跳ぶ。
ナキ:あっという間に、街の中へと。
河路 緑郎:「……お前が」
河路 緑郎:「お前が、絶望していいのは」
河路 緑郎:「お前だけ、だ」
河路 緑郎:「ダイス振ってる奴らの」
河路 緑郎:「邪魔すんのは、許せねえよ……」
河路 緑郎:父親ではない、"河路緑郎"がわずかに漏れて。
錺 十也:ゆっくり、河路の方を見る。
河路 緑郎:「どの面下げて、言ってんだか」
河路 緑郎:そうさせたのが自分なのだと。自戒して、唇を噛む。
錺 十也:その足を、軽く蹴ってやる。
錺 十也:「しけた面だな、ほんと」
河路 緑郎:「悪いな」
錺 十也:「昔は鏡ん中で見てたんだろうけど」
錺 十也:「今は他人だ。よーく見えるわ」
錺 十也:「もっかい」
錺 十也:「俺が渡したやつ。あれはさ」
錺 十也:「『やり直す』忍具なんだぜ」
錺 十也:「もっかいダイス、振りに行こ」
河路 緑郎:「……」
河路 緑郎:「久しぶりに」
河路 緑郎:「怖いな」
河路 緑郎:「思い出したよ」
河路 緑郎:「失敗すんのってこええんだ」
河路 緑郎:「いつも、こんなこと、やってんだなあ……」
錺 十也:「そりゃ怖いよ。俺だってさっき突っ込んでった時怖かったし」
錺 十也:「したら、あれだろ。なんかやったろ。河路」
河路 緑郎:「やったっつーか、やってたっつーか」
河路 緑郎:「ああ、そうだな。失敗から学んだ経験だよ」
錺 十也:「学んでんじゃん」
錺 十也:「……だから、俺は今ここに生きてる」
錺 十也:「そだろ?」
河路 緑郎:「……ああ」
錺 十也:「助かりました。ありがとうございました」
錺 十也:わざとらしく頭を下げて。
錺 十也:「次もぜひよしなに」
錺 十也:「あんだろ、次。俺はやるよ。絶対」
錺 十也:「……ナキを、取り戻すなら。何度でも何度でも」
河路 緑郎:「分かってる」
河路 緑郎:「何度でも、だ」
河路 緑郎:「まだ、振れる」
河路 緑郎:「頼んだぜ。……戻ろう」
錺 十也:「頼まれた」
錺 十也:へへ、と笑って。
河路 緑郎:かすかに笑い返し、踵を返す。
河路 緑郎:「(ゼロで終わらせたりなんてしねえ)」
河路 緑郎:「(欲張らせてやる)」
河路 緑郎:こちらはオッケー!
錺 十也:同じく!
───────
マスターシーン7
GM:これにてすべてのサイクルが終了しました。
GM:次はクライマックスですが、その前に軽く事前ミーティングみたいなシーンをやって本日は終わりたいです、GMももうちょっと事前の構えが欲しいので。
GM:本番は明日以降でお願いします。
河路 緑郎:はーい!
錺 十也:はい!
畔戸笑理:ふむふむ
夏祭らむね:はーい!
GM:というわけで、マスターシーンです。
時雨:はーい
───────
GM:青の逆月亭。
GM:この日は、このたびの"事件"に関わるおおよそ全ての人物が顔を揃えていた。
河路 緑郎:これ私達も居るってことでよろしいでしょうか
GM:いるってことでおっけーです。
河路 緑郎:了解!
河路 緑郎:あ、プライズの交換はなしでオッケー?
GM:それはなしかなー
河路 緑郎:オッケー!
小鼠:「シャオシューだ、よしなに」
小鼠:ふてぶてしく、椅子にふんぞり返る小柄な人物。情報屋、"小鼠"。
夏祭らむね:「グルメ氏ことしゃおしゅ~!コスプレものが好き!」勝手な紹介をする。
錺 十也:「その辺は伏せておいてやるのが優しさだろ」
河路 緑郎:「何も考えずに言ってるだろ、肩書」
河路 緑郎:「どうも、はじめまして……苦労してそうだな」
小鼠:「おうおうぞろぞろと、こんな狭い店にまあ」
畔戸笑理:「……」落ち着かなさげに視線を彷徨わせる。
草原コヨリ:「助手の、ジャスティンコヨリです☆」
錺 十也:「ジャスティンではないわな」じろりと見る。
夏祭らむね:「そうなのだよ!コヨリはビーバーを超えるからね」
夏祭らむね:「ビーバーをこえる……ピーパーに!」
草原コヨリ:「ピーパースーパーピーポー!」
河路 緑郎:「"半"濁音は超えてるのかそれ?」
錺 十也:「救急車のサイレンみたいになってる」
時雨:「愉快な方たちだ」
クユ:「愉快な方たち」指をぐるりと差し回し。
時雨:「よくできました」クユさんの髪を撫でている。
小鼠:「そんで、今まで隠れてたあちゃしがあんちゃらの前に顔を出した訳だけど」
小鼠:「ここいらで方針を纏めとこうと思ってな」
小鼠:「たぶん、明日仕掛けてくるからな」
夏祭らむね:「しかけ予報だ!」
夏祭らむね:「傘持ってかなきゃ」
草原コヨリ:「さすが親分だぜ、調べはバッチリだ」
時雨:「なぜ明日と?」
小鼠:「調べっていうか、そうならざるを得ないっチューか」
小鼠:「あのクソババアの駄目な部分に起因してんだよな、この後の動きが手にとるようにわかる」
河路 緑郎:「駄目な部分?」
小鼠:周囲をじろりと睨みつけ。
小鼠:「そこのオッサンの雇用期間が明日までだからだよ」
錺 十也:「……ああ」
河路 緑郎:「そこはきっちりしてんのか」
小鼠:「連中、"準備"なんか終わるわけねんだ」
小鼠:「やいのやいの出来もしねえアイデアばっか出してな」
小鼠:「んでグダって、ゴチャって、とうとう期限を前にして仕方なく決行する」
小鼠:「十中八九……いや百中九十九はそうだと言えんナ」
河路 緑郎:「そら評価されんわ」
河路 緑郎:「だいぶなんというか……重いというか……」
河路 緑郎:「様子がリアルに感じ取れて嫌だな……」
畔戸笑理:「……視野が狭く衝動的」
畔戸笑理:「お似合いの協力関係ということですか」ぽつりと呟く。
夏祭らむね:「文化祭っぽい!」
時雨:「夢を追うのは悪くないことですが、厄介ですね」
錺 十也:「いろいろ思い出しちゃうな、やな方の思い出を」
小鼠:「あれでよくもまレッドカーペット歩くだなんて夢持てるよな、お笑いぢゃん」
河路 緑郎:「そのへんのダメ出しは置いておこう。だいぶ嫌なブーメランが飛び交いそうだ」
河路 緑郎:「で、方針の話だったか」
小鼠:「そのうち招待状でも届くんぢゃねえの」
夏祭らむね:「おめかししなきゃ」
小鼠:「んで、だ」
小鼠:「方針何だが、その招待にあんちゃらは乗れ」
小鼠:「変に裏をかこうとか、出し抜こうとかそういうのをせずにな」
錺 十也:「堂々と表から行けってことか……」
錺 十也:ちょっと考えていたので、黙る。
小鼠:「オッサンと、ナースと、バイザー」
小鼠:「あんちゃらだろ、招待が届くのは」
錺 十也:「なんで俺だけ属性じゃなくて装備品なの」
河路 緑郎:「装備品がお前の属性なんだろ」
錺 十也:「外したら俺、『無』?」
河路 緑郎:「残ってる属性がおっさんってのも悲しいぞ」
夏祭らむね:「…………」入ってないのでショックを受けている
錺 十也:「……で、時雨さんと夏祭は」
小鼠:「そこが今回の勝算だ」
小鼠:「そこのお祭り女と怪人と、触覚妖怪…こいつは頭数に入れて良いのか?まあいいや、あんちゃらは連中の役として数えられていない」
小鼠:「だから、自由に動ける」
夏祭らむね:「自由だーーー!」
錺 十也:「ほー」
河路 緑郎:「あいつらの撮りたい"ドラマ"にならない」
河路 緑郎:「だから視界の外で動ける。それを利用する」
河路 緑郎:「そんなところか?」
小鼠:「目は付けられているかもしれんが、ひとたび始まっちまえば連中はどうせ本撮に必死になる」
夏祭らむね:「昔話では招待されなかった者が大暴れして針でめった刺しにするって決まってるからね!」
河路 緑郎:「なんか混じってないか?」
錺 十也:「そんなバイオレンスだっけ……」
時雨:「では何をすれば?」
時雨:「好きにしていいということでしたら、それはそうしますが──」
河路 緑郎:「何をすれば、か……小鼠、でよかったよな」
河路 緑郎:「連中の一番嫌がることは分かるか?」
小鼠:「オークションの流れを、ずっとチェックしていた」
小鼠:「連中、教区の一帯を丸ごと借り切ってちぇる」
小鼠:「日付は明日、というわけでまず間違いない、そこが舞台ぢゃろ」
小鼠:「それで、借り切っているのがもうひとつ」
小鼠:「発電所……ぢゃねえな、ここじゃ何だっけ、"龍脈炉"か」
小鼠:「その用意した舞台にエネルギーを供給する動力がまるごと一基」
畔戸笑理:「そんなものを……?」少し眉を顰める。
錺 十也:「ずいぶん大きく出たな」
河路 緑郎:「なんでそんなものを……ろくな予感がしねえぞ」
錺 十也:「あー、舞台装置としてはすっげー気になる」
錺 十也:「けど、嫌な予感しかしないわ」
夏祭らむね:「そんな動力で何動かすんだろ」
小鼠:「なんかデカい家電でも手に入れたんぢゃろ、戦車とかそういう感じの」
錺 十也:そわそわしている。
夏祭らむね:「家電……センシティブセンタッキが……!?」ハッとしている
錺 十也:「家電じゃねえだろ」いいなー!という顔で。
河路 緑郎:「敵だからな……原型残ってたら好きに解体しろよ」
錺 十也:「許された……!」
時雨:「戦車の一つや二つでは、足りなさそうですが」
小鼠:「オッサンはなんか心当たりね―わけ、あのクソババアが調子乗って秘密兵器手に入れたとかそういうのポロリしたりとか」
河路 緑郎:心当たりありますか?
GM:河路は油舐ニャオとは何度も会っているが、そのようなことを聞いた覚えはない。
河路 緑郎:「少なくともそういう話は聞いてねえな……そもそも、まともに撮影プランの話すら聞いてねえわけだが」
夏祭らむね:「単純に爆発させるってことはないよね、盛り上がんないし……」
夏祭らむね:「いや爆発オチを面白いと思ってるならありえるのか……?」
錺 十也:「最後にまとめてドカン、はあるかもな」
小鼠:「ま、わざわざ借りたってことはそれが必要になるわけだ」
小鼠:「なら、自由に動ける奴らでそれをぶっ壊しちゃえばいいぢゃんね」
畔戸笑理:「こ、壊す」
夏祭らむね:「うおーっ!破壊なのだよ!」
時雨:「なるほど、二面作戦ですか」
錺 十也:「うわ、いいなあ……」
錺 十也:「夏祭に託すか……」
夏祭らむね:「まかせて!」
草原コヨリ:「ウチが全部バッチリ撮っておくかんね☆」
草原コヨリ:「これでドカーはいただきよ」
夏祭らむね:「ドカッとドカドカ!」
河路 緑郎:「文字通りの炎上しそうだ」
錺 十也:「炎のレッドカーペットってか」
夏祭らむね:「原形をとどめないくらいにハイパー家電センタッキをぶっこわして~」
夏祭らむね:「そのファイアでドラゴンオスカーゲットだぜ!」
草原コヨリ:「イイネー、燃えてくるね~~!燃え燃えキュンだね~~」
夏祭らむね:「血文字でオムライスにハート書いてあげなきゃ!」
畔戸笑理:(だ、大丈夫かな)六塔と付き合いがあるだけに、それがどれほど高価な設備かはかなり具体的に知っている。
河路 緑郎:「どうあがいてもろくなことに使わんだろうから、稼働不能にするのは賛成なんだが」
河路 緑郎:「元は街のエネルギー供給源なんだろ?壊して大丈夫なのか?」
小鼠:「いや知らんし、あちゃしはここの連中が困ろうが関係ねわな」
小鼠:「気になるんならなるべく損害でねーように止めたらいいんぢゃねーの?」
小鼠:「そんなこと出来るのかはしらんけどなーーーハッハッ!」
時雨:「まあ、なんとかなるでしょう」目を細める。
夏祭らむね:「うおーっ破壊に犠牲はつきものだからねーッ!」
河路 緑郎:「お前……」
錺 十也:「なんとかしてくれな」
畔戸笑理:「ま……まあ、私も別に」
畔戸笑理:「ナキさんさえどうにかなれば他は大してどうでもいいんですけど……」
河路 緑郎:「お前……」
河路 緑郎:若干頭を抱える。
小鼠:「そうそ、どうせあんちゃらは脳みそに筋肉と忍術しか詰まってねんだから」
小鼠:「難しいことは全部このシャオシューさまに任せて暴れてりゃえんぢゃん」
夏祭らむね:「脳みそに脳みそ以外のものそんなに詰まってたの!?お得!」
錺 十也:「あー、やっぱり俺がそっち行きたいわ-」
錺 十也:「くそー、ギリギリの感じで分解して止めてえー」
河路 緑郎:「で、そのシャオシューさまは何をしてくれるわけだよ」
小鼠:「そりゃ撹乱よ、連中の撮影をめちゃめちゃにしてやんのよ」
小鼠:「あのババアの取り乱す顔思うとうへ……へへ…ひ……」
夏祭らむね:「興奮している!」
錺 十也:「それは指摘してやらんのが優しさだろ」
小鼠:「お父ちゃんお母ちゃん……お兄ちゃん……あちゃ、あちゃし……ひひ、あのババアに……」
夏祭らむね:「発露は最悪だけど感情は結構シリアスなやつだ!」
錺 十也:「分析も黙っといてやろうな」
河路 緑郎:「……この際その後の被害については、大惨事にならないなら置いておこう」
河路 緑郎:「時雨と夏祭が罪に問われて問題になる可能性は?」
小鼠:「あ?だったらやめるか?」
河路 緑郎:「確認だよ、あくまで。喧嘩売ってるわけじゃねえ」
河路 緑郎:「お前さんはババアがどうにかなれば後はどうでもいい、ってことなんだろうが」
河路 緑郎:「こっちはそうもいかねえからな」
小鼠:「そうそ、後はどうでもいいのさ~~」
時雨:「治外法権だと聞いてますよ」微笑む。
時雨:「今更過ぎると、思いますよ。私たちが秩序を説くなんて」
時雨:「皆なにか罪がある──もちろん、逃げられるなら越したことはないですが」
夏祭らむね:「まあまあ、子供のしたことですから」
草原コヨリ:「そういう意味なんだろうか……」
夏祭らむね:「そのへんから来た人がちょろっと借りて大丈夫な程度のもの壊しても生活にシショーないでしょ」
小鼠:「ま、あちゃしなりに責任あっちに全部おっかぶせる努力はしますがな」
小鼠:「そっちのが気分がいいし、でも約束はできんぞ」
夏祭らむね:「おお……グルメ氏……」
河路 緑郎:「努力してくれるだけで十分だ。ありがとよ」
小鼠:「だから責任持てんでな、嫌なら降りろ」
夏祭らむね:「そうだそうだ!今を生きろ!」
錺 十也:「残される側はたまったもんじゃないが……」
錺 十也:「俺はまあ、招待が来るっていうなら、行くしかないしなあ」
河路 緑郎:「降りられないし」
河路 緑郎:「降りる気もねえよ」
畔戸笑理:「私だって、そうです」
錺 十也:「ライン二本。仕事と……仲間」両手の人差し指を立てる。
錺 十也:「両方あるからね。超関係者。VIP席」
小鼠:「そゆこと、そゆわけー」
小鼠:「あちゃしはあんちゃらを最大限利用させてもらうし、なんなら消耗品のリソースとして見てる」
小鼠:「守ってもらえるとかそんなお気楽な態度では臨んでくれるなってわけ」
夏祭らむね:「リソースってソースって入ってるからおいしそうだよね」
錺 十也:「『リ』は?」
夏祭らむね:「りんごとかかも」
河路 緑郎:「ソースのかけなおし……」
小鼠:「おい……何でソースの話に行ってんだ、聞け」
河路 緑郎:「分かってるよ。悪いな」
河路 緑郎:「こういうノリで生きてる奴らだし」
河路 緑郎:「それに引っ張り戻す気なんだ」
夏祭らむね:「グルメ氏がらむねがソースでも問題ないってことね~!」
錺 十也:「そういうのは、言ってもらえるのは逆にありがたいな」
錺 十也:「親切だね、あんた」
小鼠:「……」
小鼠:「はぁ?いや、別に、そんな、あ、あちゃしはただ……」
小鼠:「モゴモゴ」
錺 十也:「んー?」
錺 十也:「情報を流してくれて」
錺 十也:「計画を立案してくれて」
錺 十也:「作戦も考えてくれている」
錺 十也:「親切ー。助かるわ」
錺 十也:「全力で乗っからせてもらう、ってだけ」
草原コヨリ:「うおーー団結だ、友情だーーー!」
夏祭らむね:「努力友情勝利~~~ッ!」
河路 緑郎:「そのへんにしてやれ……」
小鼠:「うるせー勝手に死ね!あちゃしは助けん!」ぷいとそっぽを向いてしまう。
河路 緑郎:「それでいいよ。こっちもお前を助ける余裕があるかなんて分からん」
河路 緑郎:「お互いに利用しあう、で良いって話だろ?」
錺 十也:「俺の方こそ。あんたを最大限利用させてもらうんだよ」
錺 十也:にっ、と人の悪い顔で笑う。
小鼠:「良い良い、最初っからそう言っちゃるぢゃろがよ……」
小鼠:ブツブツと何やら続けるが、小さくて聞き取れない。
河路 緑郎:「悪党ぶるには不器用というか、真面目だなお前……」
夏祭らむね:「友情パワーで絶対優勝しようね!」
夏祭らむね:「マラソン絶対最後まで一緒に走ろうね!ゴールをこえて墓場まで!」
河路 緑郎:「途中抜けするやつじゃねえか」
草原コヨリ:「明日は墓場で大運動会ってわけ」
時雨:「それはいい。直接見届けられないのが残念です」
クユ:「クユは……」
クユ:「何をしますか?」
クユ:「クユも、八人のなかのひとりだそうなので」
クユ:「何かをしますか?」
河路 緑郎:「お前は何がしたい?」
クユ:「……わからない」
夏祭らむね:「だいじな仕事をたのみたい!」
クユ:「はい」
夏祭らむね:「ぷりちーな笑顔で、がんばれって言ってもらう!」
クユ:「ぷりちーな、笑顔」
クユ:「むむ?」
クユ:首をひねる。
クユ:「笑う、というのは、面白さに付随して顔面の筋肉が特定のかたちをとることです」
クユ:「クユに面白さ、を理解できる知識があればよかったのですが」
錺 十也:「形から入る、って知ってる?」
錺 十也:「それっぽい顔をすれば、案外楽しくなったりとかする」
夏祭らむね:「クユは時雨やらむねたちがクユに会えなくなったらやじゃない?」
クユ:「『かたちから入るんだ、そのうち本当に"欲しくなってくる"かもしれない』」
クユ:「ああ、たしかに、言われていました」
クユ:「では、参考をお願いします、時雨。」
時雨:「私がですか」
クユ:「時雨は現在のクユの保護者なのですから、責任という意味で一番適任なのはそうだと判断しましたが」
クユ:「何かおかしかったでしょうか?」
時雨:「いえ──そうですね」
時雨:「今はこの程度しか、用意できませんが」クユさんの前に屈みこんで、笑顔を作る。
クユ:「なるほど、これがぷりちー」
時雨:いつもより大げさな表情を浮かべたまま、姿を切り替える。
時雨:「是非参考にしてください」
夏祭らむね:「会えなかったら寂しい、会えたら嬉しい!」
夏祭らむね:「嬉しいは楽しい!楽しいは面白い!」
夏祭らむね:「だから、会えてよかったって思えるなら、それは形だけじゃないと思うのだ!」
クユ:もごもごと口を動かして、眉根を寄せて。
クユ:「ぷりちー?」笑顔とは程遠い。
時雨:「よくできていますよ」
時雨:「きっとすぐに、私よりも上手くなります」髪を撫でる。
クユ:「クユはぷりちー」
錺 十也:「形と中身が揃ったら、最強なんだよな」
クユ:「嬉しいは楽しい、楽しいは面白い」
クユ:「ふ、む」
クユ:「時雨は、今も変わりませんか?」
クユ:「それが、価値ある死ならば、ナキは死ぬべきだと」
クユ:「そう思いますか?」
時雨:「──そうですね。あるべき死を迎えることは、とても尊い」
時雨:「その考え方は、変わりません」
クユ:「欲望とは、価値を求める心のことです」
クユ:「ならば、クユがそれを手に入れるためには」
クユ:「たぶん、ナキは死んだほうが都合がいい」
クユ:「きっとそれを見て、学べるから」
時雨:「なるほど。クユさんはそう考えたんですね」
クユ:「はい、違うのですか?」
時雨:「私は、ナキさんに死んでほしくはないです」
時雨:「そしてクユさんにも、欲望を見て、学んでほしい」
時雨:「矛盾していますか?」
クユ:「それが時雨の欲望なのですね」
時雨:「──ええ。やはり、クユさんは頭がいい」
クユ:「……欲望と欲望が、衝突して、その両方が叶うことが、無い時」ぽりつ、ぽつりと喋り始める。
クユ:「負けた欲望は、無価値なのか」短く区切りながら、ゆっくり、ゆっくりと。
クユ:「ルールは勝者が決めると、闘技場では言っていました」これまでにないほど、饒舌に。
クユ:「しかし、何か、違う気がします」
クユ:「あなたたちは、たぶん、闘技場の人たちとは、違うことを言っている」
クユ:「そんなに違って、たいへんですね、人間は」
クユ:「ああ、でも……違うから、それぞれが違うものを持っているから」
クユ:「それが欲しくなるのですね、きっと」
クユ:「クユにも、それがわかるのでしょうか、いつか」
時雨:「──!」目を細める。
時雨:「これは、参りましたね」
時雨:「私の伝えようとしたことに。クユさん、あなたは自分で気づいてしまった」
時雨:「すぐに──いや、もうわかっている」
時雨:「クユさん、あなたは、”未来”を見ているんです」
時雨:「クユさんが、私たちと同じように、欲望を手にしているという──”夢”を」
クユ:「夢……」
クユ:「クユは睡眠を必要としませんが」
クユ:「夢は、起きているときに見るものもあると聞きます」
クユ:「クユはそれを見ているのですね」
時雨:「ええ」
時雨:「私も、皆さんも──ナキさんも。こうありたいという、夢を見ている」
時雨:「それを追い求めた果てにこそ、私の考える、あるべき時がやってくる」
時雨:「クユさん。あなたはまだ、いろいろなものを知らない。あなたのものさしは、まだ近い未来までしか測ることができない」
時雨:「どうか、誰かの終わりをもって結論としないでください。それでは、夢もそこで途切れてしまう」
時雨:「私たちは、皆が最後までダイスを振り続けるために、こうして集まって、遊んで、話しているんです」
時雨:「だから、ええ──応援して、見守ってほしい。ぷりちーにね」
時雨:指で口角を上げて見せる。
クユ:「ぷりちー」口をもごもごと動かす。
クユ:「ふむ」
クユ:そのまま目をつむり、何やら思考に耽っていく。
小鼠:「なんか、赤ん坊みてーなやつぢゃな」
夏祭らむね:「赤いの着てるし赤ちゃんなのかも!」
夏祭らむね:「らむねは青ちゃん」
草原コヨリ:「赤も多くね?半分赤ちゃんじゃん」
夏祭らむね:「じゃあ半分赤ちゃんかも!」
草原コヨリ:「ウチはちゃーちゃんだな!」
錺 十也:「青は……」河路さんの方をちらりと見て。
河路 緑郎:「……」
河路 緑郎:「青で終わらせる気はねえよ」
錺 十也:「まあいっか」
錺 十也:「つうか、ここじゃん」
錺 十也:「『青の逆月亭』」
錺 十也:「なんで青なんだろな……」考えている。
夏祭らむね:「んお!じゃあみんな青ちゃんてこと?」
酒場の店主:「最初はな……」ぼそりと、口を開く。
酒場の店主:「さかずき亭だったんだよ、……あったんだそれが」
錺 十也:「ん」店主の方を見る。
酒場の店主:「飾ってたんだけど、ナキが割っちまったんだよ。酔客と喧嘩してな」
酒場の店主:「青色の酒坏。」
錺 十也:「あいつ……」
畔戸笑理:「……」ゆるゆると首を振る。
酒場の店主:「あの頃のあいつは荒れててな、結構手がつけられない感じで」
酒場の店主:「クテンの奴がしつこく絡んで……俺はよくねぇことになるって思ったんだが……」
酒場の店主:「いつのまにか、こんなことになってやがった」
錺 十也:「……はー。俺が来る前の話ね」
酒場の店主:「クテンにはクテンでお前らに接触したのは下心があったみてぇだが……」
錺 十也:「…………」
酒場の店主:「それは本質じゃあねんだよな、ここの関係の」
酒場の店主:「看板も割れちまったんで、直すのを手伝わせるってな」
錺 十也:少し目を伏せる。そうして微かに笑う。
酒場の店主:「屋上に登って、ペンキに刷毛持ってよ」
酒場の店主:「クテンも手伝うって売れ残りの酒飲みながらよ、三人でどうすんだよもう酒坏ねぇのによって首を捻っていたら」
ナキ:『あー、あるじゃん、酒坏』
酒場の店主:「空を見上げたアイツがそう言い出してよ……」
酒場の店主:「ああ、そうだな、実際、酒坏みてぇな形だ、こりゃあいいってなもんで」
酒場の店主:「月を描いたんだよ、三人で」
錺 十也:頬を、軽く擦った。濡れているのが見つからないように。
錺 十也:「そか」
錺 十也:「わりとレアな歴史話聞いちゃったな、エリさん」
畔戸笑理:グラスを傾ける。今日は氷水だが。
畔戸笑理:冷たい塊と硝子がぶつかって、小さく澄んだ音を立てる。
畔戸笑理:「……ええ。知りませんでした」
畔戸笑理:「なら、やっぱりここが」
畔戸笑理:「ナキさんの居場所であるべきだと思う」
錺 十也:「……うん」
錺 十也:割れてしまった酒杯。
錺 十也:もう、元には戻らない。
錺 十也:でも、もう一度。
錺 十也:「もう一度、作り直すのはさ。やっぱり。できるんだよ」
錺 十也:「……できてくれ」
錺 十也:「できてくれよ……!」
錺 十也:ああ、もう、隠すこともできないくらいに、ぼろぼろと。
酒場の店主:「俺はここの店主だ」
錺 十也:涙の粒が、バイザーにも弾けて、落ちていく。
酒場の店主:「客に頼み事なんて、できねえししねぇ」
酒場の店主:「ただ、俺はここにいて、今日も、明日も、可能な限り店を開け続ける」
酒場の店主:「お前らがそう美味くもねえと言う飯を作り、酒を注いで、グラスを磨いて」
酒場の店主:「床に箒をかけて、看板を出す」
酒場の店主:「そして、誰が来ようと、迎え入れる」
酒場の店主:「それだけだ、それだけならできる……」
夏祭らむね:「月、欠けて壊れて無くなったと思っても」
夏祭らむね:「また膨らんで戻るからね」
夏祭らむね:「だからまた膨らむよ」
夏祭らむね:「いっぱい膨らむ」
錺 十也:ぐす、とまた目を拭って。
錺 十也:「それを、また見たい」
錺 十也:「だから、マスター。続けてくれ」
錺 十也:「店を。いつも通りに」
酒場の店主:「ああ、いつも通りに、頼まれなくても」
酒場の店主:それきり、口をつぐむ。
酒場の店主:やることがある。そう美味くもねえと言われる飯を作り、酒を注いで、グラスを磨いて。
酒場の店主:床に箒をかけて、看板を出す。
酒場の店主:そして、誰が来ようと、迎え入れる。
酒場の店主:そのための仕事に、戻る。
GM:そうして、今日も青の逆月亭の明けない夜が更けていく。
GM:いつもと同じように。
GM:いつもと同じであるようにと、その祈りと努力を受けて。
GM:今日も、明日も、そこにある。
───────
クライマックス
GM:"小鼠"の言った通り、ほどなくして【招待状】は届いた。
GM:舞台は、あらかじめ睨んだ通り、教区の一角。
小鼠:『まー、まー、ま”』
小鼠:『感度良好、んじゃ各自打ち合わせ通り』
小鼠:『はじめるぢゃん?』
GM:かくして、ナキは待っている。
GM:大通りの中心、立ち尽くし。闇の向こうを睨んで。
ナキ:「……」
GM:人は、彼女以外にいない。ここは貸し切られている。
油舐ニャオ:「あちしタチの用意したサイコーの舞台ってわけ!」
ナキ:「あんたらには……感謝してるよ、一応」
ナキ:横目で、つまらなそうに"出資者"を見やり
ナキ:「でも、こっから先は好きにやる、そういう"契約"だ」
油舐ニャオ:「どうぞどうぞご自由に!あちしはあちしでやることあるからまたねー」
油舐ニャオ:「打ち上げは豪勢にいこうねっ~~~」
油舐ニャオ:ケラケラと笑いながら離れていく。
サブGM:彼女がその場を離れて間もなく──人払いのされているはずの建物の一つから、男が現れる。
"クテン":「──行ったみてェだな」
ナキ:「おう、なんだよフライングか?」
ナキ:「まとめて来たほうが効率よくない?」
"クテン":「何言ってやがる」
"クテン":「味方しに来たんだよ。少なくとも今はな」
ナキ:「ふーん……」
"クテン":「前に一応言っただろうが。……お前、マジで信じてなかったな?」
ナキ:「ナキとクテン、付き合い結構長いよね……」
ナキ:「じゃ、このあと何言われるかも大体わかってんじゃない?」
"クテン":「さァな? 試しに言ってみろよ」
ナキ:「あのさ、いらないんだよね」
ナキ:「少なくとも今はな、とか言ってるやつなんて」
ナキ:「いらないの、ナキ以外は全部敵に回していいって言ってくれるような奴じゃないと」
ナキ:「ざんねんだけど、それが言えるのどうやらナキだけなんだよね」
"クテン":「いるとかいらないとか」
"クテン":「何言ってやがる?」
"クテン":「お前は俺の雇い主か? あのバケ猫は俺の雇い主か? 違うだろ」
"クテン":「俺は俺の意志で、勝手にここに来てんだよ」
ナキ:「何なんだよ……お前にとって……ナキは」
ナキ:「たまたま餌付けに成功した野良猫みたいなものか?」
ナキ:「そういうのさ、ムカつくな」
"クテン":「餌付けだァ?」くっと小さく笑いを漏らす。
"クテン":「餌付けたァ上手く言ったもんだ。だがな」
"クテン":「餌付けされたのはお前じゃねェ」
"クテン":「……俺だよ」
"クテン":「外界の紐付きのよ。斜歯の飼い犬がだ」
"クテン":「お前らバカどもに餌付けされて」
"クテン":「野良犬になった」
ナキ:「ばかな犬っころ」
ナキ:「結局さ、上から見てんだよな、うまいこと行った方がいいじゃん?そりゃ」
ナキ:「そのために、ナキが考えてることなんて、まあ、多少は無視するべきで、そりゃ、そっちのが正しんだろうね、より多数の利になる」
ナキ:「ま、いいよ、すきにしたら」
ナキ:「でも、助けられてるだなんて思うとさ、やっぱこうブレるじゃん」
ナキ:「ナキはひとりで戦ってんだから」
ナキ:「だからクテンも最終的に殺すけど、それでいいよね」
"クテン":「そりゃァそうだ」
"クテン":「俺だって、当面はアイツらと戦う予定だが」
"クテン":「"上手いこと"こっちが勝ったんなら、今度はお前と戦うぜ」
"クテン":「アイツらを死なせないためにな」
"クテン":「ま、だからよ」
"クテン":「『助けてやる』だの、『お前のため』なんて言うつもりはねェ」
"クテン":「ただ、『一緒に戦おう』ぜ。当面はな」
"クテン":「散々やってきただろ。今まで」
ナキ:「はぁ……勝手に戦え」
"クテン":「オウ。言われなくともよ」
GM:ふたり並んで、道の先を見る。
GM:街灯に据え付けられた時計が、チャイムを鳴らす。
GM:時間だ――指定の。
畔戸笑理:暗い街路の闇の先から、三つの影が並んで滲み出る。
畔戸笑理:ひとつは女だ。女中と看護師の合いの子のようなお仕着せ。折からの風に裾を靡かせ、乱れそうになる髪を片手で押さえて。
錺 十也:その横には、まだ若い男。ツナギのような衣装を着て、長い髪を縛って、目元はバイザーで表情が読みにくい。
河路 緑郎:皺だらけのシャツ、無造作に伸ばした髪のくたびれた。瞳だけはまっすぐに前を向いて。
河路 緑郎:「待たせたか?」
錺 十也:ひゅん、と懐中時計のようなものを指先に引っかけ、回している。
錺 十也:時刻は、でたらめなところで止まっている。
ナキ:対峙するのは、歪み弾ける色とりどりの光を纏った女。全身のほとんどを異形の機械と取り替えて、その血に竜を混ぜ合わせ、今か今かと歯を打ち鳴らしている。
"クテン":その隣には、黒の忍装束にタクティカルベストを重ねた、白い短髪の男。猟犬を思わせる鋭い眼に、どこか懐かしそうな色を浮かべて。
GM:瞬間、光が周囲を覆う。
GM:ライト、スポットライト。
GM:空にはスクリーンの投影。
GM:そこに映し出されているのは、あなた達の姿!
GM:囲まれている、無数のカメラに。
GM:映像にコメントが走っていく。
:<この日を待っていたぜ~~>
:<皆さん、いよいよ明日が本番です! むっちゃドキドキしてきた……>
:<いえーい、見てる~~~??>
GM:モニター越しに、見ているのだ。
GM:下卑た視線が注がれている。
ナキ:「鬱陶しいけど、ま、大事なスポンサーサマたちだからね」
:<ナキちゃーん!殺せーー!!いけーーー!!>
:<予定時刻通りに始められて偉い>
:<ちょっとマイク小さいかも>
:<全てのショベル族へ……>
ナキ:「おかげで、今のナキは……」
ナキ:"針"を取り出す、特大のものが2本、子供の腕ほどの大きさがある。
ナキ:「こんな芸当もできる」
ナキ:それを、深々と己の肩へとねじ入れる。
油舐ニャオ:『ナハハ、龍脈炉、起ッ動ーーーーー!!!』
GM:瞬間、大地が揺れた。
GM:地脈を通じて街へとエネルギーを伝達する"炉心"。その奔流がすべてここへと流れ込んできたのだ。
ナキ:肩の"惹雷針"へとドラゴン・ブラッドが集う。
:<今だ、皆のパワーをひとつに!>
:<やっちゃう?やっちゃう??>
GM:スクリーンに文字が押し寄せる。
NARUTO@ROLL:<俺たちみんなで最高の映画にしようぜ!☆ドラゴンブラッド3000ptが[gift]されました☆>
nanashi0087:<全裸待機 ☆ドラゴンブラッド7740ptが[gift]されました☆>
梵思慮:<お疲れ様です! 今回はどんな配信になるのか今から楽しみです! ☆ドラゴンブラッド5000ptが[gift]されました☆>
人壊工具店ミートチョップ公式アカウント:<ナキちゃーん、ウチの工具もいっぱい写して~~♡ ☆ギザギザプラズマカッター×3、釘釘ザウルス×1が[gift]されました☆>
アングラ動画紹介チャンネル"凶訃一寸":<今怖い? ☆搭載型増加神経叢ユニット"リフレックス-ν"×1が[gift]されました☆>
GM:ナキに、ちからが、凶悪な装備が、データを伝って添付されていく。
"刮目大師"ルドヴィコ・良峯:<安居せず踊りなさい ☆精製ドラゴンブラッド"法雨"500ptが[gift]されました☆>
フリーの道化"醒" *暗黒街どこでも出張します*:<調子はいい? ☆ドラゴンブラッド10000ptが[gift]されました☆>
映画誌"シガー・ネーム"編集者 比嘉 豊永:<オレは、ナキチャンの、味方だかラネ😄(^з<)(^_^)😆 復讐、頑張ってネ❗ 😍🎵 ☆ドラゴンブラッド50000ptが[gift]されました☆>
呪限無:<ためしたいためしたーい ☆業炎刀が[gift]されました☆>
"チェインソウ聖教"公式アカウント:<チェインソウの加護があらんことを ☆対妖魔顫動旋轉鏈鋸×1が[gift]されました☆>
ナキ:「う、が……ぐ……」
評論家:"島軋巨刃の"シュタットベルク:<真実を疑え ☆突撃用高速機動モジュール"律動大樹"×1が[gift]されました☆>
ナキ:莫大な力が身体を駆け巡る、それはもはやナキを溢れ出し、彼女は炎に包まれたかのように見える。
ナキ:「ハハ、アハ、ハ……」
ナキ:「いける、これなら……ナキは、無敵だ……」
GM:多くの悪意が降り注ぎ、今、ナキは怪物として産声をあげた。
GM:"観客"たちが望むことは、ただひとつ
: <悲劇を!><悲劇を!!>
: <殺戮!><悲鳴!><絶望!!>
油舐ニャオ:『ナーーーーハハハ!!あちしの調整完璧ィ~~!!!』
油舐ニャオ:『何せ復讐劇は絶対ウケる鉄板ネタ!』
油舐ニャオ:『古典の傑作と呼ばれるもの眺めるとアレモコレモ復讐劇復讐劇悲劇復讐劇!!』
油舐ニャオ:『大衆はそれがだーーーいすき!!!』
GM:油舐ニャオの笑い声。勝利を、成功を確信したそれに――、
小鼠:『そうは……、』
小鼠:『通るかクソババアァーーーー!!!』
GM:乱入するは、"小鼠"。
小鼠:『よおし、出番だお祭り女、怪人!!』
小鼠:『ルートを通す、ぶっ壊せ、ぜーーんぶぶっ壊せ!!』
GM:ふたりは、疾走している。
草原コヨリ:『撮影はウチにぜーんぶまかせてなー!』
草原コヨリ:『おふたりは、こう、ぶちかましてきなって』
夏祭らむね:「うおーーー!!!破壊の道はですとろーーーーい!!」
GM:草原コヨリと別れ、無人の街を走る。
GM:目指すは、敵の"かなめ”、龍脈炉。
油舐ニャオ:『え、え、え、シャオちゃん??!』
夏祭らむね:疾走する。水色をベースにした髪の、カラフルな装飾に彩られた派手な少女。
油舐ニャオ:『どしたの久しぶり~~~??』
小鼠:『うるせーーーー親族ヅラすんな!今日こそ息の根止める!!』
時雨:「ふふ、ふ」
時雨:夜の闇に刻む影。黒服に眼帯姿の、男とも女ともつかない姿が、霞みながら駆けている。
時雨:頻繁に顔と体躯を変えながら。
時雨:「いいですね、これは。実に──生きている」
夏祭らむね:「破壊こそが生命を感じさせる~!」
油舐ニャオ:『やーー、びっくりした、まさかシャオちゃん来てるだなんて』
油舐ニャオ:『で、も』
油舐ニャオ:『あちしが何の対策もしてねぇわけネーダロ、ア???』
GM:あなたたちは見る。
GM:眼前、往来をひしめく……蠢く、何か、大きな虫のような。
油舐ニャオ:『斜歯の絡繰機兵、この日のためにたんまり買い込んでたんだヨ、ナーーーハハ』
小鼠:『何勝ち誇ってんだ!てめーの手口なんか織り込み済みなんだよ!!こっぢゃな!!』
小鼠:『おい、おい、あんちゃら!』
小鼠:時雨とらむね、呼びかける。
夏祭らむね:「うおーっ虫よけスプレーしてきてないよ~!」
夏祭らむね:「どうすればいいのグルメ氏~~!」
時雨:「何か対処法でも?」絡繰を見やりながら、先を急ごうとする。
小鼠:『助っ人が行く』
夏祭らむね:「いっけなーいちこくちこくー!という……あの!?」
夏祭らむね:「コヨリが代理をしていた助っ人の……本当の人!?」
小鼠:『"本来の助手"ぢゃん、アンニャロ今頃来やがって』
時雨:「狙ったかのようなタイミングですね。悪くない」
サングラスの女性:女が、立っている。
サングラスの女性:薄茶の髪を後ろに束ね、血染めのコートを羽織り、目元にはサングラス。
サングラスの女性:黒いゴルフバッグを地面に。
サングラスの女性:「ここは……私が」
サングラスの女性:蠢く機械群を睥睨。
サングラスの女性:「(流石にこの数は、"使わないと"だめか……)」
サングラスの女性:「ごめん、お姉ちゃん」
サングラスの女性:ゴルフバッグから、一振りの刀を取り出す。
サングラスの女性:「アーーーーーーーーーォォォオォォウ」
サングラスの女性:「お山に、お山に告げる」
サングラスの女性:「今一度、これなる魔剣奉じ、お山に告げる」
サングラスの女性:「私に、力を、貸せッ!!」
"鬼精":バキリ、と空間が砕け、何かが落ちてくる。
"鬼精":「おう、なんだ……またか」
"鬼精":手のひらサイズの、妖精の類か。
"鬼精":「いい加減、おれさまのちからを借りずとも切り抜けられないと、立つ瀬がないのじゃあないか?」
サングラスの女性:「うるさい!黙って手伝え!」
"鬼精":「おうよ」
"鬼精":バギリ、と大きく口が裂け、魔剣をひとのみにする。
"鬼精":ガリゴリバギリ、ごくん。
"鬼精":「うむ、たしかに頂いた、ではちからを貸そう」
サングラスの女性:「おふたりとも!!」
サングラスの女性:「かまわず、一直線に!」
サングラスの女性:「道を開けます」
時雨:「──助かりました。ありがとうございます」目を細める。
時雨:「あなたもまた、見届けたい方だ。どうぞまた」横を通り抜け、先へ。
夏祭らむね:「ありがとー!先はらむねたちに任せて安心してここにとどまって!」
夏祭らむね:手を振って駆ける。
"鬼精":「あれなるは、映像くりえーたーの尖兵なるぞ、ならば?」
サングラスの女性:「なぁらば、おれさまは……そうですね……」
サングラスの女性:「荒らし冷やかし天の邪鬼、そういう類のものでじゅうぶんであろうぞ」
サングラスの女性:「『見てないけど、☆1で』」
サングラスの女性:「奥義ッ!!!」
サングラスの女性:「ゴォエ、ガァァ――ミィ―!!」
サングラスの女性:大地が、壁が裂け、牙、牙、牙!!
サングラスの女性:飲み込み、蹂躙する。
サングラスの女性:蹴散らして、抜刀。
サングラスの女性:喰い残しへと飛びかかっていく。
サングラスの女性:「ここは、一歩も……通さんッ!!!」
───────
GM:炉の前では、"発起人"が待ち構えていた。
油舐ニャオ:「舐めた真似を……してくされやがッテェ……」
油舐ニャオ:「大根役者だからって生かしておいてやった孫がとんだ厄ネタだと来たもんだ」
油舐ニャオ:「あと、貴様ら、貴様ら、貴様ら」
油舐ニャオ:「なんだよ、関係ないんだよ、いらないんだよあちしの"作品"に!」
油舐ニャオ:「モブが、ただの通行人がしゃしゃり出て来やがっテ!!!」
油舐ニャオ:そう、怒鳴り散らす。
油舐ニャオ:機械群をすり抜け、ここへと到達したふたりへ向けて。
夏祭らむね:「モブとか勝手に決めてるのはお前だろッ!!」
夏祭らむね:吠える。
夏祭らむね:「何が作品だよ!人の人生めちゃくちゃにして……何様のつもり!」
油舐ニャオ:「カスみてぇな動画しか作れねえくせによぉ!このあちしの邪魔をしようだなんて、なんたる無礼!」
夏祭らむね:「自己紹介?」
油舐ニャオ:「ア?ア?あああああ????」
夏祭らむね:「カスみたいな動画しか作れない油舐ニャオさんがなんですかぁ~?」
小鼠:『ナーーーーーーハハッハ!!よく言ったお祭り女!ボーナス出しちゃる!!』
時雨:「すみません、こちらにも事情があるもので」
時雨:「関係は──あるんですよ。竜の血よりもずっと濃い、つながりが」
時雨:「お詫びと言っては何ですが、あなたに二つ、贈り物を」
時雨:「監督としてではなく。”演者”として、舞台の上に、立つ機会と」指を立てる。
時雨:「地の味を。あなたが誰かにしてきたように」指を下に向け、微笑む。
夏祭らむね:「そうだそうだ!モブだ役者だなんだいって散々自分はもてあそぶ側だと思ってたみたいだけど」
夏祭らむね:「それを決めるのはお前じゃないってことを知る事ね!」
油舐ニャオ:「クソ大衆どもが……」
油舐ニャオ:「お前らはな!あちしの餌なんだよ!餌!餌ァ!!!」
油舐ニャオ:頭を掻きむしる。
油舐ニャオ:「ぶっ殺す」
小鼠:『なんだその語彙』
小鼠:『よくそれで脚本書いてんなお前』
油舐ニャオ:「あ、アアアーーー!??!」
GM:こうして、2つ目の戦場の口火が切られた。
GM:それでは、今回の戦場の説明とエネミーデータをお知らせして
GM:ちょっと休憩に入りたいと思います。
夏祭らむね:はい!
時雨:はい!
GM:いでよ戦場
GM:というわけで、ふたつの戦場を並行して進行します。
河路 緑郎:同時進行!
GM:そしてナキ(2)のデータがこちら
【キャラシート(ナキ、クライマックス)】
河路 緑郎:万華鏡と鬼火か!
GM:油舐ニャオは、p194の中級妖魔【妄獣】のデータを使用します。
河路 緑郎:中級妖魔!?
サブGM:クテンのデータはこちら
【キャラシート(クテン)】
GM:またクテンはレンタル傭兵を所持しています。
GM:ニャオの戦場には以下の龍脈炉
龍脈炉
生命点6:回避判定なし
ナキに追加の生命スロットを2与え、毎ラウンド終了時スロット内に対してのみ生命点を1供給。
ナキに妖魔忍法《鬼火》を追加。
これが破壊された時、ナキは上記の追加データを失い接近戦ダメージ3を受ける。
これのプロット値はプロット開始前に1d6ランダムに決定される。
GM:上の【ナキ・クテン】の戦場
下の【ニャオ・龍脈炉】の戦場
GM:それぞれに別れて戦ってもらいます。
GM:勝利条件は
上が【勝者が決定する】ことで
下が【油舐ニャオの生命点をゼロにする、もしくはナキが脱落する】です
GM:特例として、オークションの落札品、プライズ効果によるデータ効果は戦場を越えて適応が可能とします。
河路 緑郎:了解!
畔戸笑理:あっそうだ 感情修正は戦場を超えられませんか?
GM:そうですね、可とします。
河路 緑郎:遁甲符はどうでしょう
畔戸笑理:ありがとうございます!
GM:忍具はノーでお願いします。
河路 緑郎:了解!
河路 緑郎:オークションの落札品、プライズ効果、感情修正
河路 緑郎:戦場を越えて飛ばせるのはこの辺かな?
GM:イエス
時雨:炉のプロットがプロット開始前に1d6ランダムに決定されるっていうのは、公開されるってことでいいんですか?
GM:公開されます。
GM:それでは、各自準備はよろしいようですね
GM:開始しましょう、クライマックス戦闘を!
夏祭らむね:ウオオオオーーーッ!
錺 十也:うおー
畔戸笑理:ミ゛ーーーーーッ
───────
GM:それでは戦闘を開始します。
GM:まずは龍脈炉のプロットを決定します
GM:1d6 (1D6) > 5
時雨:なるほどね!
GM:5に位置しました。
GM:続いて、プロット前忍法宣言。
GM:おっと、戦場は共に平地です。
ナキ:影分身を使うよ
夏祭らむね:了解!プロット前ありません
錺 十也:特にありません
畔戸笑理:なし!
"クテン":プロ前なし!
時雨:なし
河路 緑郎:ありません
ナキ:2d6>=5 (分身の術) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
ナキ:成功。
河路 緑郎:おっと
河路 緑郎:プロット前忍法はないんですけど
ナキ:あ、こいつ……
河路 緑郎:判定に成功したので慢心使用してよろしいでしょうか
夏祭らむね:慢心、環境の違い
"クテン":お前も野望になるんだよ
河路 緑郎:オーケー?
ナキ:く……使うがいいさ
河路 緑郎:では判定
河路 緑郎:2d6>=5 慢心(判定:詐術) (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
河路 緑郎:成功。野望の変調を受けてもらいます
河路 緑郎:命中判定以外すべての判定に-1です
GM:野望:この変調を受けたものは、命中判定に+1、それ以外のあらゆる判定に-1の修正。
GM:それでは各自プロットをお願いします。
河路 緑郎:決めました!
錺 十也:オッケーです
時雨:OK
畔戸笑理:こちらも
夏祭らむね:おっけ!
サブGM:OK!
GM:では
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 夏祭らむね ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ 畔戸笑理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 錺 十也 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 河路 緑郎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
河路 緑郎:開くの手間取った!ごめんなさい
GM:ニャオ忘れてた……
GM:1d6 (1D6) > 4
GM:4にいけ!!
時雨:ギャア
夏祭らむね:4が密集地帯
時雨:と思ったけど近づかれるのは別に怖くないか
夏祭らむね:離れてるほうがこわいね
GM:離れてるほうが怖いかもね
ナキ:じゃあ……2で
"舞台"
○戦場:平地
<プロット5>
(クテン[野望])
<プロット3>
(河路、畔戸、錺、リチャード)
<プロット2>
(ナキ[野望、街透])
"舞台裏"
○戦場:平地
<プロット5>
(龍脈炉)
<プロット4>
(時雨、夏祭、油舐)
GM:では上の戦場から処理していきましょう。
"舞台"
○戦場:平地
→<プロット5>
(クテン[野望])
<プロット3>
(河路、畔戸、錺、リチャード)
<プロット2>
(ナキ[野望、街透])
GM:プロット5、クテン。
"クテン":オウ
"クテン":とりあえずカザリに【巡矢】、その前に【痛打】
GM:ヤッチマイナー
"クテン":まず痛打
"クテン":SG#5>=5 火術 (SG@12#5>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
"クテン":なんか高いぞ
河路 緑郎:あ、成功してるけど
河路 緑郎:慢心の-1をお忘れなく
"クテン":あっそうか、忘れてました
河路 緑郎:まあプロット5だからいずれにせよ6以上出さないと失敗か
"クテン":まあどちらにせよ成功!
錺 十也:ギー
"クテン":では巡矢 野望によりこっちは+1
"クテン":SG#5>=5 見敵術 (SG@12#5>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
"クテン":+1つって+1されてないじゃねえか!
河路 緑郎:まあ成功
河路 緑郎:出目良いね
錺 十也:ぐー
錺 十也:では回避判定ですかね
錺 十也:暗号術で代用判定します。
GM:どうぞー
錺 十也:2D6>=6 (判定:暗号術) (2D6>=6) > 10[4,6] > 10 > 成功
錺 十也:しゃ!!
河路 緑郎:ナイス!
夏祭らむね:やった!
GM:お、イケてる
時雨:ナイス
畔戸笑理:セーフ
"クテン":避けおった
錺 十也:ふふん!
"舞台"
○戦場:平地
<プロット5>
(クテン[野望])
→<プロット3>
(河路、畔戸、錺、リチャード)
<プロット2>
(ナキ[野望、街透])
GM:それでは渋滞のプロット3
GM:PC順に処理していきましょう。
GM:宣言は同時でお願いします、皆どうぞ。
河路 緑郎:せーので?
GM:今回はPC間対立はしてないしそこまで厳密じゃなくてもいいけど
河路 緑郎:みんな決まってるかな?私はオッケーです
錺 十也:はーい、いけます
GM:一応せーのでいくかな
サブGM:OKです(リチャード)
畔戸笑理:大丈夫!
河路 緑郎:オッケー!
GM:それでは
GM:せーの
畔戸笑理:【大祓】します。対象はクテンとナキで。
サブGM:リチャードは【陽炎】、河路さんに【接近戦攻撃】
錺 十也:まず【裏コード】。対象はクテン。特技は暗号術。
そして攻撃手番に【鎖陣】。対象はクテン。特技は縄術。
河路 緑郎:奥義を使用します。
河路 緑郎:■奥義
《■■■・■■■■》
指定特技 :縄術
エフェクト:範囲攻撃
効果・演出:詐り、伏し、隠し、作り出した意識の間隙を見極めて放たれる渾身の魔縄。
例え■■■■であろうと、もう二度と失わせない。
河路 緑郎:対象はナキ、クテン、リチャードの三人
"クテン":オイオイオイ
GM:ぎゃー
リチャード青羽:!?
GM:ではPC2から処理していきます。
GM:ですが……これはつまり
GM:リーチャド、絶対防御持ってない?
河路 緑郎:では範囲攻撃、初見なので奥義破りは不可能ですね
リチャード青羽:ワタクシの奥義は取り上げられてしまいましタ……
河路 緑郎:全員任意の生命点を減少していただきます
夏祭らむね:リチャードは奥義がないんだよなあ!
ナキ:つっかえねー!
サブGM:無情なる《戦闘員》のその他欄(空白)
GM:というわけで、通ります。
ナキ:頑健分を減少。
河路 緑郎:やっかいな炉だ……
河路 緑郎:とはいえまずは数を減らさないとなのでね
"クテン":まァ忍術謀術か……
system:[ "クテン" ] 忍術:1 → 0
system:[ "クテン" ] 謀術:1 → 0
ナキ 生命力7→5 (器)・体・忍・謀・戦・妖・(頑)・(頑)
()は消耗済み
野望
クテン 生命力6→4 器・体・(忍)・(謀)・戦・妖
()は消耗済み
野望
リチャード 生命力2→0
"クテン":なんかパラメーター増えてる
河路 緑郎:あ、慢心とか喘縄の分増やしておきました すいません
GM:続いてPC3
畔戸笑理:はーい
畔戸笑理:大祓、命中の判定は一括ですよね?
GM:一括です
畔戸笑理:はい。では改めて【大祓】判定、指定特技は流言の術。
畔戸笑理:2D6>=5 (判定:流言の術) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
夏祭らむね:やった!
河路 緑郎:よし!
ナキ:ちぃー
錺 十也:いけー
ナキ:避けるよ
"クテン":回避!
ナキ:2d6-1>=7 (第六感) (2D6-1>=7) > 6[1,5]-1 > 5 > 失敗
"クテン":SG-1#5>=9 見敵術で代用 (SG-1@12#5>=9) > 4[1,3]-1 > 3 > ファンブル
ナキ:ん っg
河路 緑郎:あっ……
夏祭らむね:ファンブルだねぇ!
"クテン":ウオーッ
錺 十也:おおー
時雨:あらら~
"クテン":背後霊! 背後霊します!
河路 緑郎:振り直しですね
ナキ:変調表を振るよ……
ナキ:WT 変調表(2) > マヒ:修得済み特技がランダムに1つ使用不能になる。1サイクルの終了時に、《身体操術》で成功するとこの効果は無効化される。
"クテン":SG-1#5>=9 見敵術で代用、背後霊で振りなおし (SG-1@12#5>=9) > 8[4,4]-1 > 7 > 失敗
ナキ:ぎゃーーーー
河路 緑郎:いいとこいった!
"クテン":ファンブルは回避した
畔戸笑理:なかなかよい
河路 緑郎:あ、二人共
"クテン":意味があるかはともかく……
河路 緑郎:揺らしも入るので射撃戦ダメージ1点もですね
畔戸笑理:あ、そうそう!
"クテン":WT 変調表(2) > マヒ:修得済み特技がランダムに1つ使用不能になる。1サイクルの終了時に、《身体操術》で成功するとこの効果は無効化される。
ナキ:シートの並びに準じます。
河路 緑郎:変調まで仲良しか
夏祭らむね:マヒマヒだねえ!
ナキ:1d6 (1D6) > 1
河路 緑郎:あ、針術麻痺った!?
ナキ:針術が停止。
"クテン":シート右欄準拠で
"クテン":1d6 (1D6) > 6
ナキ:どのみち器術停止してるから良い方なのかな……
"クテン":衣装術が消えた
夏祭らむね:もう二度とお着換えできないね
錺 十也:服が……
河路 緑郎:あ、縄術の近く!助かる!
河路 緑郎:兵糧丸で回復されても破りにくくなってる
"クテン":助かるな!
ナキ:くそーーー
ナキ:射撃は体術で受けます。
"クテン":あ、射撃は妖術で
system:[ "クテン" ] 妖術:1 → 0
ナキ 生命力5→4 (器)・(体)・忍・謀・戦・妖・(頑)・(頑)
()は消耗済み
マヒ(針術)・野望
クテン 生命力4→3 器・体・(忍)・(謀)・戦・(妖)
()は消耗済み
マヒ(衣装術)・野望
畔戸笑理:あっとそうだ
畔戸笑理:鬼火もいま判定します?
GM:そうですね、やりましょう。
GM:火術で判定をお願いします。
畔戸笑理:はあい
畔戸笑理:手裏剣術から代用で
畔戸笑理:2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 8[2,6] > 8 > 成功
畔戸笑理:あっやった!
錺 十也:やった!
夏祭らむね:やった!
河路 緑郎:さすが!
GM:やりやがる……
錺 十也:ナイスエリさん!
時雨:ヒュウー
GM:では続いてPC4
錺 十也:うおー
錺 十也:まず【裏コード】。対象はクテン。特技は暗号術。
錺 十也:一応感情修正をお願いしたく!
GM:出たな出鱈目忍法
"クテン":やめろォ!
河路 緑郎:贈ります!錺君に共感で+1!
錺 十也:ありがたくいただく!
錺 十也:では振ります。
錺 十也:2D6+1>=6 (判定:暗号術) (2D6+1>=6) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功
錺 十也:しゃー!!!
夏祭らむね:やった!
畔戸笑理:見事!
河路 緑郎:あ、判定が
河路 緑郎:おかしくなってるけど成功ですね
錺 十也:あれっ
錺 十也:あっ、ほんとだ。5ですね
"クテン":ぐゥ~ッ
河路 緑郎:そうそう
河路 緑郎:ともかく成功!ナイス!
錺 十也:すいませんさっきの見敵術を選択してた
system:[ "クテン" ] 器術:1 → 0
"クテン":器術が死にます……
錺 十也:潰れろ!
クテン 生命力3→2 (器)・体・(忍)・(謀)・戦・(妖)
()は消耗済み
マヒ(衣装術)・野望
錺 十也:そして攻撃手番に【鎖陣】。対象はクテン。特技は縄術。
錺 十也:こちらはそのまま振ります。
錺 十也:2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 10[4,6] > 10 > 成功
夏祭らむね:やった~~!
河路 緑郎:ナイス!
錺 十也:よし
時雨:ナイスナイス
"クテン":クッソ 回避!
"クテン":SG-1#5>=8 壊器術で代用 (SG-1@12#5>=8) > 4[2,2]-1 > 3 > ファンブル
錺 十也:!!!
畔戸笑理:おやおや
"クテン":ウッソだろお前
河路 緑郎:あらまあ
夏祭らむね:ファンブルだねえ!
錺 十也:当たったら射撃戦ダメージ1点。戦闘終了時まで回避判定-1
ナキ:お前何しに来たんだ……
河路 緑郎:やっぱ高プロットなんて行くもんじゃないよ
夏祭らむね:服を脱ぎにきたのかな?
時雨:かわいそう
"クテン":まあこれ以降ナキしかいないし……
河路 緑郎:攻撃自体は放ってたから
河路 緑郎:まあこのタイミングでのファンブルあまり意味ないのはそうですね
"クテン":体術に食らいつつ兵糧丸で回復!
錺 十也:がんばった……!
畔戸笑理:いいよお
河路 緑郎:回復する生命力はどれでしょう
"クテン":あ、体術で
河路 緑郎:あ、了解です
system:[ "クテン" ] 忍具:2 → 1
クテン 生命力2→1→2 (器)・体・(忍)・(謀)・戦・(妖)
()は消耗済み
マヒ(衣装術)・野望・鎖(回避-1)
GM:次はリチャード
GM:見せてやってくれ……蝋燭の火の燃え尽きる……しゅんはやくね???
サブGM:ああ、一応同時だから振れるのは振れるのか……
リチャード青羽:ご指示を、ミスタークテン
"クテン":なんか嫌だな……
リチャード青羽:そんなこと言わないデ
リチャード青羽:ホラホラ
リチャード青羽:ホラ
サブGM:まず【陽炎】
サブGM:SG#3>=5 刀術 (SG@12#3>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
サブGM:?
リチャード青羽:???
サブGM:接近戦攻撃……河路さんへの……
サブGM:SG#3>=5 刀術 (SG@12#3>=5) > 9[4,5] > 9 > 成功
河路 緑郎:回避します。隠蔽術で代用判定
河路 緑郎:2d6>=6 判定:隠蔽術 (2D6>=6) > 4[1,3] > 4 > 失敗
河路 緑郎:受けたか、まあいい。ファンブルは回避
夏祭らむね:うわーん!
河路 緑郎:頑健1点減らします
system:[ 河路 緑郎(0) ] 頑健:2 → 1
河路 緑郎 生命力8→7 器・体・忍・謀・戦・妖・頑・(頑)
()は消耗済み
サブGM:最後の輝き……
"舞台"
○戦場:平地
<プロット5>
(クテン[野望])
<プロット3>
(河路、畔戸、錺)
→<プロット2>
(ナキ[野望、街透])
ナキ:それじゃ次はナキか
ナキ:奥義は、まあ破られるよなー
夏祭らむね:あっ奥義破りは戦場違うとダメですよね
ナキ:万華鏡、対象はエリ
GM:それは不可です。>奥義破り別戦場
夏祭らむね:はい!
ナキ:潜伏術だよ。
ナキ:2d6+1>=5 (潜伏術) (2D6+1>=5) > 9[3,6]+1 > 10 > 成功
河路 緑郎:らむねちゃん感情持ってる相手は
夏祭らむね:はい!回避に感情修正をしたいと思います
夏祭らむね:戦場を超えて……感情修正は……いけたはず!
時雨:あっ私からも感情修正しましょう
河路 緑郎:助かる!
夏祭らむね:セックスパワー!+1の感情修正!
時雨:笑理さんの回避に愛情!+1!
ナキ:なーにが友情パワーだ!蹴散らしてくれるわーー!!
畔戸笑理:ありがとうございます!潜伏術苦手気味なので……
畔戸笑理:+2いただいて、調査術から回避。
畔戸笑理:2D6+2>=8 (判定:調査術) (2D6+2>=8) > 11[5,6]+2 > 13 > 成功
夏祭らむね:やった~~!
河路 緑郎:すげえ
錺 十也:うおー!
夏祭らむね:性行為してよかった~!
畔戸笑理:ふーっ
時雨:いえいいえい~~
ナキ:な……ん……
錺 十也:言い方!
"クテン":素の出目が高ェよ!
畔戸笑理:セックスしてなかったら危なかった
GM:こんなにPL強いのバケビ史上はじめてのことなのでは?
河路 緑郎:噛み合いもある
河路 緑郎:あとは下の戦場か……無事でいてくれ
錺 十也:パワーだぜ
錺 十也:ファイトー!
サブGM:×PL強いの
○PLの出目がいいの
サブGM:PL自体は毎回強かったから!
GM:では下の戦場に移ります。
"舞台裏"
○戦場:平地
<プロット5>
(龍脈炉)
→<プロット4>
(時雨、夏祭、油舐)
GM:では宣言をせーので行います
GM:準備オッケー?
時雨:はーい
夏祭らむね:だいじょうぶい!
GM:ではいくぞー
GM:せーの
時雨:龍脈炉に【接近戦攻撃】。
夏祭らむね:まずは【長肢】を使います。これをオークションで落としたチャンネルジャック!で完全成功に!
チャンネル登録者数もガッポガッポってわけ!
そして次に奥義!
内容はクリティカルヒット、指定特技は幻術!
対象は炉!
油舐ニャオ:奥義使用
GM:あ、それいけたっけ
夏祭らむね:え!?
夏祭らむね:だめのやつ?
夏祭らむね:サポート忍法と攻撃べつかとおもってた
時雨:【長肢】は攻撃手番消費しませんよ~
GM:あ、いけるな
GM:今読んできました。
夏祭らむね:ほ……
油舐ニャオ:効果はもちろん……【範囲攻撃】!
時雨:ギャーッ
夏祭らむね:ぎゃひ~~
油舐ニャオ:指定特技は《生存術》
河路 緑郎:あ、すいませんちょっと質問が
河路 緑郎:油舐ニャオは我々の奥義とかの情報は持っていますか?
GM:持ってません。
河路 緑郎:じゃあこのあと
河路 緑郎:時雨さんが流転奥義しても初見になるでしょうか
GM:なりますが……
夏祭らむね:なるほどね。
時雨:そうみたい
河路 緑郎:時雨さん残りの忍具は?
河路 緑郎:一個?
GM:こいつら……く……く……ぅ
時雨:一個です
河路 緑郎:分かった
河路 緑郎:プライズ『歓喜の黄金』の効果を使用します。
時雨:こいつは一体!?
錺 十也:河路!
畔戸笑理:なにっここで
夏祭らむね:なっここで
河路 緑郎:よろしいでしょうかGM
GM:どうぞ……
プライズ・『歓喜の黄金』:異街において色を持つコインには特別な意味がある。
それは抜き取られた誰かの【記憶】であり、黄は喜びの色である。
秘密:かつての、笑理の大切な記憶。辛いことも多い日々であったが、そばに妹である哭輝がいてくれるだけそれは幸せなものだった。
この秘密を公開することで、一度のみ《絶対防御》に相当する効果を得られる。笑理の家族を守ろうとする心の発露。
河路 緑郎:絶対防御の効果で時雨の受ける生命力減少を4点まで軽減します
夏祭らむね:パパ……
時雨:なんと……
時雨:じゃあ、生命点減少は無し。範囲攻撃から逃れました!ありがとうございます!
夏祭らむね:そうですね……ではこちらは範囲攻撃のダメージを、2点うけて即2点分兵糧丸で回復。プラマイゼロ!
system:[ 夏祭らむね(1) ] 忍具:4 → 2
夏祭 生命力4→2→4 器・(体)・忍・謀・(戦)・妖
()は消耗済み
時雨:夏祭さんお先にどうぞ
GM:では処理を行っていきましょう
GM:PC1から
時雨:私からだったよ
GM:若い順にやるねー
時雨:それっ【接近戦攻撃】。指定特技は《絡繰術》!
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
河路 緑郎:ナイス!
時雨:あぶない!
夏祭らむね:せーふ!
畔戸笑理:無駄のない出目
河路 緑郎:あ、
河路 緑郎:生命点6でしたっけ龍脈炉
河路 緑郎:で、回避判定なし?
GM:そだよー
GM:そうだが……
時雨:回想シーンを使用します
夏祭らむね:ウオオオオーーーッ!
畔戸笑理:ウオーッ!
サブGM:オイオイオイ
河路 緑郎:いけーっ!
GM:こいつ……こいつら……
時雨:秘密を公開し、接近戦ダメージ+1!
サブGM:メチャクチャやりやがるな……
時雨:まずは、2点受けてもらおう!
龍脈炉 生命力6→4
GM:そんな……1ラウンドキル……6点が……
時雨:で、まあ……せっかくだし、やっとこう
時雨:奥義を使用します。
河路 緑郎:ここで!?
河路 緑郎:あ、そういうことか!
時雨:『追悼世界甘瓦』。効果は【追加忍法】。
時雨:使用するのは……【望郷】だッッッ
河路 緑郎:望郷多すぎだろこの戦場!
夏祭らむね:うお~っ!!故郷を望むぜ~~!
"クテン":同じタイプのスタンド!?
GM:ひーん
時雨:ナキちゃんとクテン君には知られちゃあいるが……奥義破りは……別戦場からはできねえんだよなァ~~~!
時雨:というわけで判定なしで成功。生命点を1D6回復します。
時雨:1D6 (1D6) > 5
夏祭らむね:さいこ~~~~!
時雨:全快
油舐ニャオ:ぎぎ ぎぎぎ
system:[ 時雨(0) ] 体:0 → 1
system:[ 時雨(0) ] 忍:0 → 1
system:[ 時雨(0) ] 妖:0 → 1
時雨 生命力3→6 器・体・忍・謀・戦・妖
()は消耗済み
時雨:一応……【流転】しときますか
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
夏祭らむね:さいこ~~~~~~~!
時雨:成功。奥義をナキちゃんの《封術》の範囲攻撃に。
河路 緑郎:あ、待って
河路 緑郎:あ、いや失礼
河路 緑郎:まだらむねちゃんの奥義は見えてなかった
夏祭らむね:あ、そうね
夏祭らむね:順番的にね!
時雨:そうなんですよね。多分処理的にそれはできないみたい
時雨:まあ……可能なら次ラウンドで切り替えますし
GM:同時ですからね、次からならいける
時雨:というわけでこちらは以上です。
GM:では続いてPC5
夏祭らむね:はい!といっても私のサイコロ振る判定はないはず
時雨:【長肢】振りませんか?
夏祭らむね:【長肢】で手足が伸び、接近戦攻撃とクリティカルヒットの間合いがのびる!
油舐ニャオ:手足長くしとっただろうが!
夏祭らむね:チャンネルジャック!の効果で……
夏祭らむね:完全成功させる!
油舐ニャオ:おにょ にょ
河路 緑郎:長肢、詭道では自動成功させられないんですっけ?
時雨:コスト不足
夏祭らむね:コストがたりないのよね……
河路 緑郎:あ、7必要になっちゃうのか 失礼
夏祭らむね:でも絶対に手足は伸ばしたかったから……
夏祭らむね:そしてクリティカルヒットでゴリゴリダメージを与えるってワケ!
GM:それではクリティカルヒット
油舐ニャオ:流石に看過できん、二枚目を切る。
夏祭らむね:なぬっ
河路 緑郎:持ってたか!
油舐ニャオ:奥義、絶対防御。指定特技は《怪力》
夏祭らむね:なんだと~~!
時雨:ルルブとは違う奥義だ!!
油舐ニャオ:ここを守りに来てんのに持ってねえわけねえだろうがヨオ!!!
時雨:くう~~
油舐ニャオ:違うたぁなんだ違うたぁ、所詮は推奨ヨォ!!
油舐ニャオ:それにGMは【不死身】が嫌いなんだよォ!ダレるからなあ!!
夏祭らむね:それはそう
時雨:わかるけども
河路 緑郎:ダレるような出目出るんですか?
河路 緑郎:ずるいな
GM:今もしかして喧嘩をお売りに??
錺 十也:まあまあまあ
夏祭らむね:じゃあなんか生きてるわね、炉……
GM:というわけで、クリティカルヒットのダメージはカット。
油舐ニャオ:ナハハハ
時雨:残念。次で殺そう!
河路 緑郎:殺意
夏祭らむね:決勝で殺ろう!
GM:では、続いて演出……なのですが
GM:本日は、ここまでにさせていただきたいです。
夏祭らむね:はい!
河路 緑郎:お疲れさまでした!
河路 緑郎:明日演出からかな
錺 十也:はーい!
畔戸笑理:了解!
時雨:お疲れ様でした
GM:ですね、考えておいてください。
錺 十也:お疲れ様でした!
夏祭らむね:お疲れ様でした!
サブGM:お疲れ様でした!
畔戸笑理:お疲れ様でしたー
GM:それでは再開します、演出から。
───────
GM:青の逆月亭の四人。そして、とある家族の物語。
GM:その因縁を中心とした戦場は、全員がほぼ同時に動いた。
河路 緑郎:行っていいかな!
GM:どうぞ!
河路 緑郎:「(動かねえ。流石に抜け目ねえな)」
河路 緑郎:罠が反応しない。港での戦いを踏まえ、ナキ達に解除されたか。
河路 緑郎:「仕方ねえ。仕掛け直させてもらうぜ」
河路 緑郎:袖口から次々と鋼線が飛び出し、壁に突き刺さって張り巡らされる。
河路 緑郎:本来は人通りの多い大通り。大掛かりな仕込みができない分、地形の調査は念入りに行なった。
河路 緑郎:一瞬でワイヤー陣が構築され、ナキとクテンの動きを制限する。
ナキ:最初に、仕掛けたのはナキ。
ナキ:まんまとワイヤーに絡め取られる。そう見えたが。
ナキ:「どっこい様子見、分身だよ」
ナキ:赤い流体に解け、空気に溶けていく姿の向こう。燃え盛る"本体"は、待ちの、迎撃の構え。
河路 緑郎:「(ああ、分かってるよ)」
河路 緑郎:所詮は目くらまし、この程度の妨害で止められる相手ではない──三人とも、だ。
河路 緑郎:「(思考を奪え。僅かでも)」
河路 緑郎:僅かでも意識を乱せれば、後は──
河路 緑郎:「(頼んだ)」
畔戸笑理:異形となり炎に包まれた妹。その姿を見ている。苦痛の声も。無責任に囃し立てる傍観者たちの言葉も。
畔戸笑理:(…………本当に、馬鹿な子)
畔戸笑理:ぎゅっと眉間に籠もりそうになった力を、目を伏せる一瞬のうちに散らす。いま必要なのはそういう顔ではない。
畔戸笑理:再びナキへと向き直る頃には、どこか茫漠とした眼差し。そこにある脅威が認識から抜け落ちたみたいに、おっとりと頬に手を添えて見せる。
畔戸笑理:「……いい歳して八つ当たりに血道を上げるどこに出しても恥ずかしいヤンキーが、なかなかどうしてお友達の多いこと」
畔戸笑理:「皆さん、妹を応援してくれてありがとう。人間の心の闇を暴き立てる、でしたっけ」
畔戸笑理:密やかなれど、よく通る声で。
畔戸笑理:「私、あの子をぐちょぐちょに犯して首輪をつけてやろうと思っているんですが、そういう方向への転換は有りですか?」
畔戸笑理:「まあ、駄目って言われてもやりますけど」
畔戸笑理:そんなことを言う。ちろりと出した淡い色の舌が、ぐるりと一周唇を這う。
: <ジャンル違くない?><コワ~~>
: <忍者って皆ああなの?>
: <まあアリかナシかで言えば……>
: <めっちゃ見たいが……>
畔戸笑理:「ふふ。──ところで」
畔戸笑理:「そんなにじっとしていていいんですか?」
畔戸笑理:「風下ですよ」
畔戸笑理:香りよりも先に、激痛が届く。
畔戸笑理:ナキと、その傍らに立つクテンへ。
ナキ:互いの手の内はよく知っている。
ナキ:だから、短く言えば侮っていた。
ナキ:たとえ、どのような"毒"であっても今の自分ならば回復の速度が上回る。
ナキ:そのような、驕り。
畔戸笑理:互いにとっての誤算は二つだ。
畔戸笑理:ナキが予想以上の力を身に付けていたこと。体の大部分を機械に置換していたこと。
畔戸笑理:生身の部分が減れば減るほど、毒物への抵抗力は衰える。当然の帰結。しかし──
畔戸笑理:「……私、臆病なので」
畔戸笑理:「ずっと備えていました。友人といつ殺し合いになってもいいように」
畔戸笑理:言いながら、背を冷たい汗が伝う。
畔戸笑理:──使ったのは、本来ならば、一手で致命となる類のものだ。同様の切り札の持ち合わせはもう無い。
ナキ:激痛に、思考が止まる。
ナキ:無尽に供給される竜血が、すぐにそれを洗い流そうとするが。
ナキ:「(毒が、回復を上回った?!)」
ナキ:一瞬の、しかし超々高速で行われる忍びの戦闘において、致命的な隙。
"クテン":激痛に耐えつつ、少しでも風下へ移動しようとするが──
"クテン":「……クソ!」
"クテン":張り巡らされたワイヤーがその往く手を阻む。
"クテン":(ワイヤーはこのためにか!?)
"クテン":(──いや)
"クテン":ふと頭に過ぎる。
"クテン":そもそも、この畔戸笑理という相手に対して、"風下を選ばされた"のは?
"クテン":(風が変わったことに、気づかなかった?)
"クテン":(ンな、都合よく風向きを変えることなんざ)
"クテン":──"この街ならできる"。
: <え、マジ?><ほんとほんと、ここここ>
: <よく気づいたなお前><買い戻せ買い戻せ>
: <くっそー卑怯なやつ~~><俺らが言う?草。>
畔戸笑理:(気付かれた──まったく)
畔戸笑理:(錺さんに今度、ウイルスの作り方でも教えてもらいましょうか)
錺 十也:「大丈夫だよ。エリさん」一歩前へ。
錺 十也:「使わしてもらった。風。おかげで速く行けた」
錺 十也:「もう遅い」
錺 十也:耳元で、ぶん、と虫の羽音。
錺 十也:小さな黒い羽虫のようなドローンが幾つも幾つも群れをなして。
錺 十也:『風下』のクテンのところへと届いていた。
錺 十也:「クテン!」
錺 十也:「『いつものやつ』だ。避けてみろよ」
錺 十也:妨害ドローンで、改造された身体パーツのセキュリティに穴を空け、隙に鎖を放つ。それが呆れるほど繰り返された「いつもの手口」だった。
錺 十也:ただ今回は、殺傷能力のない調査用の『仮名蚉』と、本命の妨害用『神斬』が大量に入り交じって飛び、風のように吹き付ける!
錺 十也:ダミーと実害ある攻撃の区別は、当の錺以外にはそうつくものではない。何より、数が多い!
錺 十也:「蝗の群れは」
錺 十也:「そっちばっかりじゃねえんだよ……!」
"クテン":「避、け、ろ、だ、ァ……!?」
"クテン":襲い来る機蟲の黒靄を睨みつけ、引きつった声を上げる。
"クテン":逃れようにも、周囲のワイヤーと麻痺した身体がそれを許さない。
"クテン":「……だがなァ!」
"クテン":その黒雲に呑み込まれ──しかし、その攻勢は致命的なものとはならない。
"クテン":「や、やってくると思ってたからなァ」
"クテン":「今回は……そんな複雑なモン、持ってきてねェんだよ」
"クテン":装備を単純化し、手指の増加神経回路、脚部強化人工筋肉を一時的に封鎖。
"クテン":その恩恵は受けられなくなるが──ハッキングによる破滅的な結果だけは、回避できる。
"クテン":とはいえ──
"クテン":(……だってのに、クソ)
"クテン":脚の動きが悪い。
"クテン":──厳重な封鎖を突破し、停止したはずの機能を『無理矢理起動した』上で、ハッキングされかかっている。
錺 十也:「……うん。シンプルなのはいいよな」
錺 十也:「俺も好き。だからまあ、根こそぎ、ということで……」
錺 十也:ジャッ!
錺 十也:その隙を突いて、『いつもの』『シンプルな』二撃目が走る。
錺 十也:「『絡新婦』」
錺 十也:「『一縷』」
錺 十也:袖口から、鉤爪のついた鎖が真っ直ぐに伸びる。
錺 十也:『裏』から忍び寄るのは最初だけでいい。一度体勢が崩れれば、後は楽なものだ。
錺 十也:『表』から、堂々と、悠々と友人の懐へと入っていけばいい。
錺 十也:弧を描いた鎖は、その腕にざらりと絡みつく。死んでも離すまいと。
錺 十也:「……しっかり捕まってろ、クテン!」
錺 十也:ぎりぎりと、鎖を引きながら。
錺 十也:「離さないからな。お前らも……」
錺 十也:「垂らした鎖は切れねえ。まとめてハッピーエンド行きだ!」
錺 十也:そうして。
錺 十也:クテンとは的外れな方に飛んだ『仮名蚉』の行く先を目で追う。無数のカメラのうち、『今』まさに動いているものを絞り込む。
錺 十也:じろりと目線を、くれてやる。『見ている』全ての悪意ある人々へ。
錺 十也:「……別に、引っ込んで好きにしてたいのはいいよ。わかるが」自分だってそうだった。
錺 十也:「ただ、舞台に立たなきゃ見えないもの、あるんだぜ。俺も今回知った」強い照明を見上げ、また目線を戻す。
錺 十也:「……まだ。焼け落ちねえぞ。『せいぜい見てろ』」
錺 十也:「友達を玩具にする奴を。俺は許さない」
錺 十也:「お望みなら、『当事者』にしてやるよ」
錺 十也:狂気の滲んだハッカーの、とびきりの笑みを、モニターに焼き付けんばかりに見せつけてやった。
"クテン":鎖に腕を絡め取られ、動きを封じられた男の脳裏に。
"クテン":その瞬間、閃くものがある。
"クテン":直感、野生的な勘、動物並みの本能、──
"クテン":いや、そうではない。
"クテン":本当は、そのどれもが"違う"。
"クテン":男には、記憶がある。
"クテン":正確に言えば、『夢の中のようにおぼろげな、存在しないはずの記憶』がある。
"クテン":この世に生まれ、忍となり、この島を訪れ、今ここに立つまでに至る人生履歴の、どこにも当てはまらない曖昧な記憶が、一つだけある。
"クテン":普段は気にもしないその記憶が、いやにはっきりと呼び起こされるのは──
"クテン":大抵の場合、己の身が決定的な危機に陥ろうとしているとき。
"クテン":(──カザリは俺を押さえてる)
"クテン":鎖に戒められた腕。
"クテン":(エリは火力型じゃねェ)
"クテン":痺れる身体。
"クテン":(、──)
"クテン":張り巡らされたワイヤー。
"クテン":こめかみを貫く、幻の記憶。
"クテン":存在しない記憶の中/存在しない空間の/存在しない時間で/味わった絶望!
"クテン":そこにいるはずの"ワイヤーの主"の姿を見失っていることに気づいたとき、その感覚が背筋を凍らせる。
"クテン":「──アオバ! カワジをやれェッ!」
リチャード青羽:既に、風上への移動は済ませている。
リチャード青羽:「(事前に渡されていたデータ通り、デスネ)」
リチャード青羽:リチャードはデータを信奉する、病的なほどに。
リチャード青羽:だから、笑理が動作に入る以前、いや、"彼女が現れる前"から既に位置取りを細かく調整し続けていた。
リチャード青羽:「このリチャードの存在、取るに足らないモノ」
リチャード青羽:「おお、なんたる弱体、きっとこの一撃と引き換えになるでショウ」
リチャード青羽:そのちからの多くはカジノの"王"によって封印された身なれど、
リチャード青羽:「だが、引き換えなれどこの一撃は通る、データがそう言っていル」
リチャード青羽:全員の、意識上の死角からぬらりと現れ出る。
リチャード青羽:忍びの認識としては、のんびりとした歩くほどの速度で悠然と歩を進め。
リチャード青羽:目の前に全ての注意を向けた、笑理の背後。
リチャード青羽:無防備な背中、この距離でかばえるのは、河路のみ。
リチャード青羽:「データ通り」
リチャード青羽:手刀が閃く。
河路 緑郎:「ああ」
河路 緑郎:「このぐらいは、必要経費だ」
河路 緑郎:鋼線を巻き付きた腕で手刀を受け止める。
畔戸笑理:「……!」
河路 緑郎:防ぎきれず、左腕を深く切り裂かれる。
河路 緑郎:鮮血が舞う。同時、
河路 緑郎:糸が帯びた呪いがリチャードの動きを止める。
リチャード青羽:「お見事、しかし、このリチャード青羽も、ミッション・コンプリートデス」
河路 緑郎:「腕一本、安いものだとも」
河路 緑郎:「ここでお前を、倒せるなら」
河路 緑郎:戦場を俯瞰する。敵の動きを観察する。
河路 緑郎:河路緑郎の武装は呪を帯びた糸。その本領は束縛と罠による妨害。
河路 緑郎:ずっとそう誤認させるために、偽り、欺き、隠し続けた。
河路 緑郎:罠と仕掛けに意識を向けさせ、河路本人の持つ驚異から注意を逸らすように。
河路 緑郎:ナキが笑理に意識を奪われ、クテンが錺に縛られ、リチャードが動きを止めた。
河路 緑郎:己が戦場から"浮いた"、その一瞬を逃さない。
河路 緑郎:「本音を言おうか」
河路 緑郎:「俺はお前が、一番怖ろしかった」
河路 緑郎:ただ一人、終始河路緑郎から目を離さず。
河路 緑郎:ただ一人、笑理の戦場操作を読み取り。
河路 緑郎:そしてただ一人、『なんの因縁もない』。
河路 緑郎:「下忍のガキに足元掬われて、地獄に落っこちたことがあってな」
河路 緑郎:「『読めない』やつには注意することにしてる。──だから」
河路 緑郎:「お前を誰より最初に、倒す」
河路 緑郎:「唵・阿謨伽」
河路 緑郎:紡ぐは光明真言。大日如来に祈りを捧げ、その力の欠片を呼び寄せる。
河路 緑郎:「尾盧左曩・摩訶母捺羅」
河路 緑郎:右手に握るは鍔なき剣。一筋で忍びの動きを妨害する呪いの鋼糸を、束ねて剣として編み上げた切り札。
河路 緑郎:かつて彼が全てを失った日、
河路 緑郎:英雄喰らいの"禍津大蛇"に砕かれた十束剣。
河路 緑郎:「麽尼・鉢曇摩・忸婆羅・波羅波利多耶・吽!」
河路 緑郎:振り上げる。召喚した異界の力、ありったけを刃に込めて。
河路 緑郎:「"大蛇薙"」
河路 緑郎:柄を強く握りしめる。再び手にした大切なものを、もう絶対に離しはしないと。
河路 緑郎:「須佐之男ォォォォッ!」
河路 緑郎:裂帛の気合とともに振り下ろす。刃から放たれる力の奔流が、光となって戦場で荒れ狂う。
リチャード青羽:「これハ……データに無イ」
リチャード青羽:ならば
リチャード青羽:「一か八か、ノルカソルカ、大一番」
リチャード青羽:「命を担保に大勝負、ああこの地で二度目のデス・ゲェム」
リチャード青羽:「いィィザ!!!」
リチャード青羽:鮮血と共に、リチャードの身体が宙を舞う。
ナキ:同時、ナキは見る。
ナキ:"破壊の群れ"が、来る。
ナキ:「(ああ、よく見える、これが竜の見ていた光景なのだろうか)」
ナキ:視界は真っ赤に染まっているが、"価値"が目視できる。
ナキ:身体はうまく動かない。
ナキ:「(まだうまく、馴染んで、抑えきれていない)」
ナキ:「あのオッサン、こんなもの隠してやがったのかよ」
ナキ:不思議と、避ける気にはならなかった。
ナキ:どうせ、回復するから?身体がうまく動かないから?
ナキ:どれも、すこし違う気がした。
ナキ:あれが懸命の叫びなのだとしたら。他ならぬナキは、それを聴くべきだと……
ナキ:「ナイーブになってんのかな」
ナキ:そうして、ちからが彼女を呑み込んで。
河路 緑郎:「ぐっ……」
河路 緑郎:膝をつく。編み上げた剣は一撃で限界を超え、焼け落ちている。
河路 緑郎:手応えはあった。リチャード青羽はもう動けまい。
河路 緑郎:ナキとクテンは……
河路 緑郎:「流石に、倒れちゃ、くれねえか……!」
河路 緑郎:煙の晴れた先、二人は健在。
河路 緑郎:文字通りの切り札だが、一度見せた以上もう簡単には撃たせてもらえない。
河路 緑郎:だからこそ、準備を重ねて初撃を通した。
河路 緑郎:ここからは消耗戦。
ナキ:ゆらめく煙の中から、ナキ。
ナキ:焼け焦げた外套、軋むアーマー、しかし、それでも――立っている。
ナキ:「びっくりしたな、でも今ので……仕留めきれなかったのは手痛いんじゃない」
ナキ:「ナキは時間が経てば経つほどつよくなっていくし」
ナキ:「みんなは、逆に削れていく」
ナキ:「消耗戦に持ち込んだ時点で、勝敗はほぼ決まったようなものだよ」
河路 緑郎:「……そいつはどうかな」
河路 緑郎:「お前には言ったかな。俺は自分を、随分長いこと諦めた」
河路 緑郎:「だがな」
河路 緑郎:「自分以外は、諦められない」
河路 緑郎:「お前のことは、なおさらだ」
河路 緑郎:「消耗戦、望むところだよ。我慢比べと行こうや」
河路 緑郎:「それと、忘れるなよ」
河路 緑郎:「俺だけじゃないんだぜ」
───────
GM:事実、消耗戦ではナキに大きく分がある。
GM:このままでは敗北の色は濃いだろう。
GM:しかし、だ。
GM:それを覆さんと、抗うものがここにいる。
油舐ニャオ:「あーあー」
油舐ニャオ:「なんかこう、使命感、みたいに燃えちゃって」
油舐ニャオ:「あちしったらそういう目がだぁい好き」
油舐ニャオ:「それが、絶望に反転する瞬間は、たまらないのだニャアォ」
油舐ニャオ:「じゃあ、そろそろ分からせてやるよ、身の程をナァ」
油舐ニャオ:奥義:ニュー・シネマ・パラダイム。【範囲攻撃】、指定特技は《生存術》
油舐ニャオ:「ここは撮影の舞台、あちしは監督で」
油舐ニャオ:「すなわち神、カメラを向けられたお前たちは哀れな生贄」
油舐ニャオ:くるくると回り、恭しく礼を取る。
油舐ニャオ:「映画は生きている」
油舐ニャオ:「それは演者の命を啜って、成長していくものだから」
油舐ニャオ:「カメラは、魂を吸い取るって恐れられてたこともあるわナ」
油舐ニャオ:「呪術的には、まったくもって正しい限り。つ・ま・り」
油舐ニャオ:んべ、と口からフィルム・テープの"端"が姿を見せる。
油舐ニャオ:指でつまんで、シュルシュルと引きずり出す。
油舐ニャオ:「これには、お前たちの命が込められている」
油舐ニャオ:今もなお、多数のカメラがふたりの命を啜らんと目を光らせている。その記録の一部。
油舐ニャオ:指を、チョキにかたちどり。
油舐ニャオ:「あちしは監督だから、お前らなんて好きに"編集"できるんだなぁ」
油舐ニャオ:「カット」ちょき
油舐ニャオ:「カット、カット、カット」ちょき、ちょき、ちょき
油舐ニャオ:フィルムに鋏が入れられるたびに、ふたりの身体に斬撃がはしる。
油舐ニャオ:強力な"類感呪術"。
油舐ニャオ:「ナキたんに切り札として呪術を仕込んでやったのはそもそもこのニャオさまなんだニャア、ハハハ!!」
油舐ニャオ:「いらない、いらない、これもカット!」
油舐ニャオ:「消えろよ、あちしの作品からぁ~~~!!ンナーーーーハハハハ!!!」
油舐ニャオ:無数の斬撃が、襲い来る!!
夏祭らむね:「――――!」
夏祭らむね:『知っている』。この類の、攻撃を。
夏祭らむね:だから、それが厄介なことも。
夏祭らむね:いそいで砂糖の瓶を二つ、たいらげる。
夏祭らむね:斬撃を受けた肉体が、受けた傍から見る見る回復。
夏祭らむね:「甘いものを食べると身体が早く生えるって本当だったのね!」
時雨:「呪術、回避は難しい、ですね」
時雨:(フィルムが媒体の術なら、恐らく──視界に依拠する?)
時雨:回避を捨て、両腕で体の正中線を隠す。どれほど効果があるかはわからない。
時雨:(あとは、この体で、凌げるか──)
時雨:一週間の連続した”術”の行使。
時雨:肉体を根底ごと変質させるノイズは、時雨自身の恒常性をも歪めている。
時雨:斬撃が迫る。ノイズが散った。
河路 緑郎:遠くの戦場、戦況が伝わってくる。苦戦している。
河路 緑郎:「……頼む」
河路 緑郎:黄のコインを握りしめ、ただ祈る。
河路 緑郎:お前たちが倒れたら、欠けてしまう。
河路 緑郎:これから笑理に、ナキに。この手に収まるような量じゃない"黄色"に出会ってほしい。
河路 緑郎:もちろん、お前たち自身にも。だから。
河路 緑郎:「死ぬなよ、時雨、夏祭……!」
ナキ:そして、ナキは見た。
ナキ:目の前で黄金のかがやきが、弾けるのを。
ナキ:「あ、れ……は」
───────
ナキ:覚えている。親とはとてもは言えないあの女。
ナキ:いつもオドオドと顔色を伺ってばかりの姉。
ナキ:なんと頼りにならない、ちょっと先に生まれただけのコレに対して何故あたしが妹に甘んじなければならないのかと思っていた。
ナキ:ろくでもない幼き日々。いい思い出なんかちっとも無い。
ナキ:とうとう生活が立ち行かなくなったあの女は当然のようにあたしたちを売り飛ばした。
ナキ:新しい"親"元での生活は、地獄そのもの。
ナキ:アレと比べたらあたしたちを産んだあのクズ女だって天使に見える。
ナキ:家族、家族、家族なんて大嫌いだ!
あたしの人生は家族のせいでめちゃくちゃだ。
ナキ:自分に子供がいることも知らない無責任な父親、
子どもを換金可能な道具としか思わない母親、
そして、覚えている。
ナキ:覚えているのだ。
畔戸耕一郎:『ふむ』
ナキ:身を震わせて、あたしの前に立ちふさがる、エリ。
ナキ:ばかな姉、弱っちい姉、まるで頼りにならなくて、いざって時にはあたしがなんとかしないと、そう思っていたのに。
ナキ:なのにあたしの足は竦んで動かなくて、弱虫の姉が、まるであたしを守るように。
畔戸耕一郎:『なるほど、こちらの"強い"方を貰おう。入札だ』
ナキ:それが、命運を分けた。
ナキ:姉に守られたことであたしは地獄に落ちた。結果論だが。
ナキ:そうだ、アレが悪い。
ナキ:結局、肝心なところでは、あたしは弱かった。姉は強く、優しく、そして気高かった。
ナキ:だから否定してやらねばならない。その強さを、優しさを、私の弱さを。すべて、すべて、すべて!
ナキ:否定して、蹂躙して、食い散らかして、取り戻すのだ。
ゼロに戻す、スタートラインに立つ。
ナキ:コインの輝きを見る。
ナキ:ああ、どうしてそれは誰かを守るためのちからなのだろうか。
ナキ:ろくでもない幼き日々。いい思い出なんかちっとも無い。――姉とあたし、同じはずなのに!?
ナキ:なのにどうして、……それは歓喜の黄色に彩られているのだ!
ナキ:「許せない」そう
ナキ:「エリ、お前だけは」だって
ナキ:「許すわけには行かない」だって
ナキ:「だって、そうじゃないと」それを認めてしまえば
ナキ:「もう、一瞬だって……生きてはいられない」本当に、――許せないのは
───────
油舐ニャオ:「ン、ダァ???」
油舐ニャオ:斬撃の一部が、ほどけた。
油舐ニャオ:「フィルムと魂より強い、何らかの結びつきが……割り込んだ?」
油舐ニャオ:「シャラクセェ」
油舐ニャオ:「んだったら何重がけでも呪って切って呪って切って切って切って切ってやりゃインダロガヨォォ!!」
油舐ニャオ:腕を振り上げる。
夏祭らむね:ざ、ざ。
夏祭らむね:空が揺れる。
夏祭らむね:振り上げた腕を、思わず止めてしまうほどの大きな変化。
夏祭らむね:空に投影されたスクリーンに、各家庭のパソコンに、各自の携帯端末に、異街のすべてのネットワークに。
夏祭らむね:https://youtu.be/AUb4sDDv7J4
夏祭らむね:95秒ほどの動画が流れる。
夏祭らむね:『全存在詳細レビュー』でやっていたような、『出演者』の紹介。
夏祭らむね:そして、何気ない日常。
夏祭らむね:『巨大しまモンぬいぐるみで癒されよう作戦』の時の様子。
夏祭らむね:狂楽区で遊んだ時の様子。
夏祭らむね:ナキが謎の和菓子を手に入れた様子を眺める笑理と河路。
夏祭らむね:自分たちは、確かに共に幸せな日々を過ごしていたのだという、証拠。
夏祭らむね:<なんだ、殺し合いって言っておいてやらせかよ>
夏祭らむね:<裏では仲良くしてんじゃん。"青の逆月亭の四人"だもんな>
夏祭らむね:<ナキとやりやってるオッサン、最近青の逆月亭に顔出してる奴だろ。やっぱ本当は仲良いんだな>
夏祭らむね:そんな疑惑の芽が生み出されれば充分だ。
夏祭らむね:この悲劇はリアルなドキュメンタリーである、だから残虐で悲しくて面白い――
夏祭らむね:そういった要素が売りの映像を作ろうとしているショベル・マンこと油舐ニャオに真っ向から喧嘩を売る行為。
夏祭らむね:しかし、確かに積み重ねられた穏やかで幸せな日々を、この一時で壊そうとしている彼女は。
夏祭らむね:我々に、喧嘩を売っている側なのだ。
夏祭らむね:下卑た観客たちは。
夏祭らむね:その悪趣味さから、悪趣味な娯楽を提供する側を無条件に擁護したりはしない。
夏祭らむね:何にだって、面白くなりそうなものに、平等に、下卑た目線を注いでいる。
夏祭らむね:「神様気取り監督気取りはもう終わり!今は目の前に居るただの一人の人間だって思い知るのね!」
夏祭らむね:その場で回し蹴りをする。
夏祭らむね:ひゅん、と。
夏祭らむね:何かが飛んでいく。脚のような。
夏祭らむね:いや、脚だ。
夏祭らむね:らむねの膝から切り離された義肢が炉をめがけて飛んでいく。
夏祭らむね:義肢があった場所からは炎が噴き出し、その勢いでバランスを保っている。
夏祭らむね:ピピ、と、電子音。
夏祭らむね:切り離された足に仕込まれたカメラのようなものが、遠くから近づきつつ炉を撮影する。
夏祭らむね:フラッシュ。一瞬、炉の影が伸びる。
夏祭らむね:脚と炉の間に、巨大で厚みのある文字が浮かび上がる。
夏祭らむね:『必殺!殺影界~スペシャル生-ライブ-配信~私を月まで連れて行って』
油舐ニャオ:「て メッ!?」
夏祭らむね:奥義:必殺!殺影界~スペシャル生-ライブ-配信~私を月まで連れて行って。【クリティカルヒット】指定特技は幻術。
油舐ニャオ:焦りの色、余裕が消える。
夏祭らむね:――カメラは、魂を吸い取ると、恐れられていたこともある。
夏祭らむね:その場にいる者は、底知れぬ嫌な予感を感じるだろう。
夏祭らむね:『撮影』をされると、大変なことになる、と。
夏祭らむね:――そう。夏祭らむねは、油舐ニャオと、同じタイプの術の使い手であるのだから。
油舐ニャオ:「許すか、ソレは、ソレだけは!!」
油舐ニャオ:ダンッ、と、跳躍する。
油舐ニャオ:地面をえぐり、その小柄な少女とは思えぬ勢いで。
油舐ニャオ:地を、壁を蹴り、先を行く義肢に追いすがる。
油舐ニャオ:奥義:ナイン・ソウル・オーヴァー・リミット。 【絶対防御】指定特技は《怪力》
油舐ニャオ:ニャオは、妖魔の血を我が内に取り込んでいる。
油舐ニャオ:延命、強化、アンチ・エイジング
油舐ニャオ:その過程で手に入れた、とある特殊な能力。
油舐ニャオ:生命を九つに分割し、それを運用するちから。
油舐ニャオ:すなわち、八度まで、命を投げ捨てるほどのパワーで動くことができる。
油舐ニャオ:骨が砕け、筋繊維が断裂する。代わりに手に入れた圧倒的なちから、速度。
油舐ニャオ:特攻同然に、今まさに炉を破壊せんと飛翔する夏祭らむねの肢へと飛びかかり、――そして。
GM:ガゴォン、重機が衝突したかのような音と共に肢が弾け跳ぶ。狙いが、逸れた!
夏祭らむね:ぴぴ、ぱしゃ。そんな無機質な音だけを残し、脚はらむねのもとへと帰っていく。
夏祭らむね:「簡単にはぶっ壊させてもらえないか~!」
油舐ニャオ:「クソ……目障りな……小娘ガァ……」息も絶え絶えに、唸り声をあげる。
時雨:ざあざあ、と雨のような音が聞こえる。
時雨:音は油舐ニャオの背後──龍脈炉のすぐそばでしていた。
時雨:解けた斬撃の合間を、ブロックノイズの迷彩を用いて、カメラにも映ることなく。
時雨:「あなたの呪いは強い、協力者も多い。が──」
時雨:ざあざあ、と雨のような音が響く。
時雨:姿が切り替わる。糸使いのくぼんだ眼の男や、鎖使いのバイザーの姿を取る。
時雨:女中と看護師の合いの子のような衣装の女や、金魚の装飾がカビに施された少女の姿を取る。
時雨:そして、マスクを脱いだ、苦し気な少女の姿を取る。
時雨:「──一緒に戦ってくれる相手は、いない。一人だ」
時雨:閃いた黄色。歓喜の色。
時雨:その輝きこそは、生き様を追い続けた怪人に万全の力をもたらした。
時雨:「だから私程度に後れを取る」
時雨:炉に向けて、回し蹴りを叩きこむ。
時雨:ただの、蹴り。だがそのつま先に仕込まれていた”針”が。
時雨:”呪い”となって炉を内側から傷つける。異音が響く。
油舐ニャオ:「アアァアアアアーーーーテメェエエエエ!!!!?」絶叫。
時雨:「良い術ですね。彼女の──気持ちが、伝わってくる」
時雨:「あなたが見せたんですよ。当然、使えるものは拝借します」
時雨:最後に、リボンと和装の少女の姿を取り、耳まで裂けた口で、微笑む。
───────
GM:時は少しだけ遡り、夏祭らむねが【チャンネルジャッカー】を使用する直前。
小鼠:「竜血供給のケーブルを押さえれば……ってコイツラ、すげー勢いで買い戻してきやがる」
小鼠:「あ、あ、おま、待て!こっちが使ってる通信帯にまで手を出すのは違反だろ!違反!!!」
小鼠:「こ、このシャオシューさまをコケにしやがってクソボケネットピープルどもがーーーー!!!」
小鼠:「(ひとりひとりは、このあちゃしの敵にもならないお粗末な……)」
小鼠:「(しかし、数とリソースの差が……)」
小鼠:「お、押し切られる??こんなクソボケどもに??み・と・めるがあああーーーー!!!」
GM:瞬間、夜空のスクリーンが切り替わる。
GM:映し出されるのは、夏祭ねむねご謹製の動画映像。
小鼠:「は……?」
小鼠:「待て、あんなもの持ってたのかお祭り女……どーーーして事前に言わない!?」
小鼠:『おい、ちょっと、アクセス権あちゃしにもよこせアホンダラ!!』
小鼠:『こ、これがあれば全回線に強引に割り込んで』
草原コヨリ:場所を少し離れて草原コヨリ。
草原コヨリ:「わ、わ、わ急にアクセスすっご、なにこれなにこれ民放パワーー???」
GM:視聴、登録者数が、みるみるうちに上昇していく。
: <ナニコレ、LIVE?><今やってんの?>
: <逆月のじゃん><俺アイツ嫌い、強いから>
: <逆恨みwwww>
: <どっち優勢なの?>
: <ザコエージェントおるな……><あの飯がまずい店?>
: <可愛い子いる方応援するわ>
nanashi99882:<がんばれー ☆ドラゴンブラッド100ptが[gift]されました☆>
: <割とどっちもかわいくない?><今飛んでったヤバい格好のやつ何??>
GM:何気なく、最初のギフトが投げられた。
GM:それから、ぽつり、ぽつりと。
"P・H・D":<これぞ、サプラーーーーイズ!! ☆ドラゴンブラッド500ptが[gift]されました☆>
RIN-NE:<半裸の野良犬が笑えるな ☆カムカムボーン竜骨ジャーキー味が[gift]されました☆>
"宝靄":<ラムネ代 ☆ドラゴンブラッド150ptが[gift]されました☆>
KING・lettuce:<この王に勝ったのだ、ブザマは許されんぞ! ☆アルティメット栓抜きが[gift]されました☆>
"クリスタル・ディンゴ":<仕事で行き遇っただけの仲ですが、応援しています ☆ドラゴンブラッド5000ptが[gift]されました☆>
竜の台所:<またのご来店を心よりお待ちしています ☆『ドラゴンキッチン』招待クーポンが[gift]されました☆>
"十題鴉" 総長:<ウチのチームボコしやがったヤツに目にモノ見せてくれ! ☆高速振動ローラーブレード×1が[gift]されました☆>
小鼠:「お、お、おなんだ、なんか貰ってんぞこれ」
稀族街城下町 茶店"血闇世"公式アカウント:<お嬢ちゃんのおかげで売り上げ増えたよ ☆ドラゴンブラッド10000ptが[gift]されました☆>
小鼠:「こ、これを、これをぶっ込めば……リソース分の遅れを取り戻せる」
教団司記"貝葉":<最近ファンになりました ☆ドラゴンブラッド30000ptが[gift]されました☆>
"縁日男爵" 狂楽区にて毎夜縁日開催中!:<アンタの駄菓子魂、見せてくれ ☆精製ドラゴンブラッド"ガムボール"100ptが[gift]されました☆>
"大八屋台の"チャールズ・メイラー:<見せていただきますよ、あなたの駄菓子魂 ☆精製ドラゴンブラッド"梅"100ptが[gift]されました☆>
三斗死@俺はこいつと旅に出る:<リーグで待つ…… ☆広告チケット:不思議バナーが[gift]されました☆>
狂楽区観覧車全権"ヴァーティカル・ローテート":<よろしければまた当観覧車にご来場ください! ☆大観覧車特別チケット×8が[gift]されました☆>
同意なき医師団一同:<……。 ☆ヒューマンブラッド3000ptが[gift]されました☆>
"プレーリファルカシュ":<機械の身体かっこいいよ! 頑張って! ☆使い切り型高出力ジェネレータアタッチメント×1が[gift]されました☆>
草原コヨリ:「み、み、みんなのパワーが集まってくるよーーーー!!!」
教団司徒"芥火":<その龍脈炉は元より廃炉予定なので、破壊しておいてもらえると後が楽です ☆ドラゴンブラッド10000ptが[gift]されました☆>
Let It Ride:<久々に血がたぎるよ、賭けはまだ続いている ☆【チャンネルジャック延長チケット】×5が[gift]されました☆>
"根性忍法"リヒャルト赤羽・"場のノリ忍法"リシャール黄羽・"本家ギャンブル忍法"リクハルド緑羽 連名:<リチャード青羽、奴は四天王において最弱 ☆ドラゴンブラッド15000ptが[gift]されました☆>
青の酔客同盟:<ナキを連れて帰ってこい! ☆ドラゴンブラッド25828ptが[gift]されました☆>
家達探偵事務所@連絡アカウント:<事務所の所長ともども応援してるでヤンス! ☆ドラゴンブラッド10000ptが[gift]されました☆>
商業区一の焼き鳥屋"下落合"宣伝アカウント:<お前は馬鹿でいい 俺たちも馬鹿だから ☆ドラゴンブラッド・ジェム"緋塚"×1が[gift]されました☆>
工業区 第六七採掘場周辺地域 竜血スモッグ情報:<赤も悪くないですよね? ☆蒸留ブラッドガス30000ptが[gift]されました☆>
☆瞳ちゃん☆:<どっちもがんばれー! ☆中央大聖堂による【祝福】が[gift]されました☆>
草原コヨリ:「うお、お、お、もうコメントが追いきれないよぉ~~~~!!」
草原コヨリ:「『あざっすwww』とな」ぽちぽち
MASTER@BLUEMOON:<奢りだ、貰っておけ ☆竜結晶大(銀)×1が[gift]されました☆>
小鼠:「いい、良い」
小鼠:「実に、良いぢゃんこれ……みんな見てんだ、ふぅ~~~ん」
小鼠:「連中、今まで隠れて、閉じた回線で身内だけでワイワイやってるつもりだったから気がデカくなってんぢゃん?」
小鼠:「おう、てめーら全然匿名じゃねえからな」
小鼠:「ご丁寧にクラウドファンディングの応募者リストにプロフィールまで貼っつけてるやついるぢゃん、バカ丸出し」
小鼠:「中にはばっちし匿名貫き通してるのもいるけど、このシャオシューさまからは逃げられんよなあ」
小鼠:『正義ってのは娯楽なんだよ蛆虫共、今からそれ教えてやろうか』
小鼠:『無責任な正義感に飢えたピラニアの水槽の中に、てめーらひとり残らず放り込んでやるよ』
油舐ニャオ:「あ?退会申請??」
油舐ニャオ:「ハァーーーーーー???てめえ何今更イモ引いてんだ、ば、ば、馬鹿か??!」
: <だっさwww><お、俺は最後までニャオたんの味方だし……>
: <あれ、なんだろ><混線?><コラボとかそういう?>
: <ジャック権のやつとかじゃないの><そういやこの前オクで出てましたね……>
: <俺抜ける、ちょっとタイミングここしかない>
: <でもこれって表で戦ってたやつらだよな><え、仕込み? やらせ?>
: <ショベchのくせにちゃんと仕込みを!?!?><ショベちゃん、やらせやるだけの脳あったんだ>
: <じゃあやっぱコラボなのかな><コラボってショベch初では?>
: <いつもは基本無許可だからな……><毎回毎回ゲリラでやってガバってんだもんな>
: <でもさあ>
: <これ、普通に今までの動画より面白い説あるな>
: <それはそう><安心して見られる><あの謎のぬいぐるみかわいい>
: <ようやくまともな映像作品を作る気になった……ってコト!?><ワァ……!>
: <今までのがクソすぎただけだと思うんですけど><俺は悲しい クソ動画がショベchの華だから……>
: <オタクはオフショ集が好き><こういうのでいいんだよこういうので>
油舐ニャオ:「糞が糞が糞が、抜けたやつはこのあちしが直々に落とし前付けてやるからな……」
油舐ニャオ:「ア"ーーーー!!!どうしてこうなってんだよ!!!」
: <俺メンバー登録はしてないし><俺もクラファンはしてない 絶対アウトだし>
小鼠:『ナーーーーーハハハハ!!!そうそうそれ、そういうのが聞きたかった!!!』
: <いつものガバスプラッタ動画よりこっちのが面白いな>
: <もしかしてさ>
: <監督変わった?>
油舐ニャオ:「ちくぢょう……ナンデ、ナンデ……」
: <あるかも><ショベルマン、『製作集団』らしいしな>
油舐ニャオ:「まだだ、まだ撮影は終わってねえんだよオオ!!」
油舐ニャオ:「てめえラ全員に見せてやるよ!あちしの仕込みは完璧なんだ!とびっきりの悲劇を拝むがイイサ!」
: <無能監督を切ったのかな……><ナイス判断では? アングラ路線も限界やろ>
油舐ニャオ:「黙れ黙れ黙レ」
: <新監督がんばれー><俺は無能監督のガバ動画好きだったよ……>
草原コヨリ:「言いたいwwwwほうだいwwww」
草原コヨリ:「あれ、ニャオたんもしかして泣いてる?ズームズームゥ」
草原コヨリ:「だあけど、肝心の形勢は今だ悪いまま、かな」
草原コヨリ:「皆、信じてるからよ、ぶちかましなよ」
そう言って、カメラを構える。
草原コヨリ:「ここで、みんなみんな届けてやっからよ!」
───────
GM:続いてラウンド2。
GM:炉のプロットを決定します。
GM:1d6 (1D6) > 6
GM:それではプロット前忍法。
河路 緑郎:なし
夏祭らむね:なし!
ナキ:影分身。
錺 十也:なし
畔戸笑理:ない!
"クテン":なし!
時雨:なしです
ナキ:2d6-1>=5 (分身の術) (2D6-1>=5) > 6[3,3]-1 > 5 > 成功
ナキ:成功。
河路 緑郎:惜しい
河路 緑郎:プロットこちらはオッケー!
夏祭らむね:プロットを決めましたわ!
錺 十也:オッケーです
畔戸笑理:決めました
"クテン":OKです
時雨:決めました
河路 緑郎:行きますか
GM:ではカウントします。
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 夏祭らむね ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 河路 緑郎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 畔戸笑理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ 錺 十也 ] がダイスシンボルを公開。出目は 3 です。
system:[ "クテン" ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
ナキ:2に行くよ。
GM:ではこれにてプロットが決定。
"舞台"
○戦場:平地
<プロット5>
(クテン[野望、マヒ(1)、鎖陣(1)])
<プロット4>
(畔戸)
<プロット3>
(河路、錺)
<プロット2>
(ナキ[野望、マヒ(1)、街透])
"舞台裏"
○戦場:平地
<プロット6>
(龍脈炉)
<プロット4>
(夏祭)
<プロット3>
(時雨、油舐)
GM:それでは開始しましょう、ラウンド2です。
GM:では上の戦場から、高プロット順に。
"舞台"
○戦場:平地
→<プロット5>
(クテン[野望、マヒ(1)、鎖陣(1)])
<プロット4>
(畔戸)
<プロット3>
(河路、錺)
<プロット2>
(ナキ[野望、マヒ(1)、街透])
GM:まずはクテン。
"クテン":よし
"クテン":まず【痛打】、ついで【巡矢】
"クテン":対象はカワジ! お前だ!
河路 緑郎:来い!
"クテン":痛打振ります、が
"クテン":ここで奥義使用します
"クテン":枯葉ノ霆、効果は追加奥義
"クテン":指定特技は砲術!
"クテン":使う(通れば)のは【望郷】!
"クテン":なので回想シーンも使用します!
"クテン":破られようが一応回想シーンは入る!
河路 緑郎:奥義破りします
錺 十也:奥義破りします。
河路 緑郎:奥義情報は受け取っている
畔戸笑理:同じく破ります
河路 緑郎:2d6>=6 判定:隠蔽術 (2D6>=6) > 5[1,4] > 5 > 失敗
時雨:笑理さんに愛情の修正+1!投げます
畔戸笑理:あ、いらない!
時雨:いらなかった 取り下げます
夏祭らむね:いらないとはまさか……!
畔戸笑理:とりあえず錺さんの判定を見てみたい
錺 十也:オッケー。河路さんの修正はあった方がいいかな
河路 緑郎:あ、錺君
錺 十也:はい!
河路 緑郎:了解!感情修正
河路 緑郎:あ、感情修正いる?のあれでした、どうぞ
錺 十也:いただきます!
GM:あ、同時処理なので
GM:奥義を使用したりするのであれば
GM:先に宣言はお願いします
錺 十也:はーい。奥義はないです
錺 十也:2D6+1>=7 (判定:絡繰術) (2D6+1>=7) > 7[1,6]+1 > 8 > 成功
河路 緑郎:ナイス!
錺 十也:しゃー!!!
畔戸笑理:あっ
"クテン":オアーッ
畔戸笑理:すみません、もう結果見ちゃったけど無しでいいですか
錺 十也:あ、そうか
錺 十也:先走っちゃった。すいません
GM:うーん、じゃあ今回は可とします
河路 緑郎:ありがとう!
錺 十也:感謝
畔戸笑理:ごめんなさい!判定はします
GM:次からは全員宣言が終わってからお願いねー
"クテン":使ってもいいんだぜ 情報入るから
河路 緑郎:ごめんよー 了解
錺 十也:気をつけます!
畔戸笑理:手裏剣術から代用で。
畔戸笑理:2D6>=6 (判定:手裏剣術) (2D6>=6) > 8[4,4] > 8 > 成功
河路 緑郎:つよい
錺 十也:ダブル成功!
夏祭らむね:つよいぜ
河路 緑郎:みんな出目良いね
"クテン":くゥ~
河路 緑郎:これで追加忍法は失敗、回想シーンは通りますね
ナキ:クテン駄目駄目じゃん
時雨:残念ね
河路 緑郎:友達にひどいこと言わないの!
"クテン":だがそれはそれとして回想シーンは発生する!
"クテン":俺がいなかったらこの暴力が全部ナキに飛んでんだぞォ!!
ナキ:はいはい、アリガトアリガト
"クテン":【痛打】の判定、回想で+3野望-1の+-で+2
"クテン":SG#5+2>=6 砲術で代用 (SG+2@12#5>=6) > 9[4,5]+2 > 11 > 成功
"クテン":よし……
"クテン":続いて【巡矢】の命中 野望で+1
"クテン":SG#5+1>=5 見敵術 (SG+1@12#5>=5) > 7[3,4]+1 > 8 > 成功
"クテン":よし!
夏祭らむね:ちっ
河路 緑郎:では回避します
河路 緑郎:見敵術は瞳術から7
河路 緑郎:2d6>=7 判定:瞳術 (2D6>=7) > 11[5,6] > 11 > 成功
錺 十也:!
河路 緑郎:避けた
夏祭らむね:よかった~~!
錺 十也:やったー
GM:急に元気になりだしたなあ
"クテン":出目高ェな……
河路 緑郎:プロット5は以上かな?
"クテン":こちらは以上!
"舞台"
○戦場:平地
<プロット5>
(クテン[野望、マヒ(1)、鎖陣(1)])
→<プロット4>
(畔戸)
<プロット3>
(河路、錺)
<プロット2>
(ナキ[野望、マヒ(1)、街透])
GM:では次、PC3
畔戸笑理:はーい
畔戸笑理:行動は【大祓】。対象はクテンとナキ。
"クテン":やめろーッ
畔戸笑理:指定特技は流言の術。判定します
畔戸笑理:2D6>=5 (判定:流言の術) (2D6>=5) > 4[1,3] > 4 > 失敗
畔戸笑理:ミャッッ
夏祭らむね:エーン
ナキ:はは
時雨:あらッッ
錺 十也:そういうこともある……!
畔戸笑理:凪!
"クテン":ナギナギの実
河路 緑郎:どんまい
河路 緑郎:忍具はある?
ナキ:ファンブルエリアへご案内~~
畔戸笑理:ない!
河路 緑郎:どんまい
"舞台"
○戦場:平地
<プロット5>
(クテン[野望、マヒ(1)、鎖陣(1)])
<プロット4>
(畔戸[逆凪])
→<プロット3>
(河路、錺)
<プロット2>
(ナキ[野望、マヒ(1)、街透])
GM:では次の処理へ
GM:PC2、4
河路 緑郎:はい!
錺 十也:はい!
GM:では2から
河路 緑郎:私は行動決まってます
錺 十也:こちらも!
GM:あ、宣言はふたりとも先にお願いします
河路 緑郎:じゃあせーので
錺 十也:はい!
GM:それじゃあ
GM:せーの
錺 十也:【鎖陣】。対象はナキ。特技は縄術。
河路 緑郎:範囲攻撃、対象はナキとクテン
河路 緑郎:まずはこちらの処理からですね
GM:では処理していきましょう。
錺 十也:どぞ!
河路 緑郎:指定特技は縄術です
GM:範囲攻撃、奥義破りは
ナキ:もちろん
ナキ:目標10か~~
河路 緑郎:慢心込で11ですね
ナキ:じゃあ、【回想】を使うね。
河路 緑郎:さすがにそうくるよね!
"クテン":あっ破る破る!
ナキ:じゃあ、やるか……
ナキ:2d6-1+3>=10 (分身の術) (2D6-1+3>=10) > 4[1,3]-1+3 > 6 > 失敗
ナキ:ぐ、が
"クテン":忍具
"クテン":遁甲符!
ナキ:む
河路 緑郎:切ってきたか!
"クテン":これでもうカラッケツ
ナキ:2d6-1+3>=10 (分身の術) (2D6-1+3>=10) > 7[1,6]-1+3 > 9 > 失敗
system:[ "クテン" ] 忍具:1 → 0
system:[ "クテン" ] 忍具:0 → -1
錺 十也:うおお
時雨:いちたりない!
ナキ:慢心ンンンンン
河路 緑郎:ありがと慢心!
畔戸笑理:慢心~♡
夏祭らむね:野望があってよかった~!
錺 十也:野望だぜー!
"クテン":ウオ~ッ
"クテン":縄術は……スペチェですね……
ナキ:奥義の方使っておくべきだったか……
"クテン":諦めねえ!
"クテン":SG#5-1>=11 砲術で代用 (SG-1@12#5>=11) > 8[2,6]-1 > 7 > 失敗
"クテン":ぐ……
夏祭らむね:だめ、みたいですね
河路 緑郎:通らば二人に2点の生命力減少!
ナキ:く……回復した頑健分1と謀術で受けるよ
ナキ 生命力5→3 (器)・(体)・忍・(謀)・戦・妖・(頑)・(頑)
()は消耗済み
マヒ(針術)・野望
"クテン":ちょうど最後の体術と戦術が削れ……
クテン 生命力2→0 (器)・(体)・(忍)・(謀)・(戦)・(妖)
()は消耗済み
マヒ(衣装術)・野望
"クテン":脱落!
"クテン":一発も攻撃当ててねェぞ!?
錺 十也:おつかれー!
夏祭らむね:服脱ぎにきたの?
河路 緑郎:展開が早かったからね……
GM:次はPC4
錺 十也:あいさ!
錺 十也:【鎖陣】。対象はナキ。特技は縄術。
GM:縄はな~~!!
GM:裏コードめ!!
錺 十也:振らせていただきます。
錺 十也:2D6>=5 (判定:縄術) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
GM:どうぞ
河路 緑郎:ナイス!
錺 十也:ふふっ
河路 緑郎:ひやりとするよね
ナキ:回避判定
ナキ:奥義を使用する、完全成功
ナキ:指定特技は第六感
河路 緑郎:奥義破りします
GM:どうぞ
錺 十也:奥義破りします
時雨:修正いります?
畔戸笑理:こちらは見で
河路 緑郎:時雨さんあと誰に持ってましたっけ?感情
夏祭らむね:笑理ちゃんは凪だから……ふれなさそう!
時雨:錺さん
河路 緑郎:そうですね、笑理ちゃん凪ってるしここは
河路 緑郎:使っちゃってもよさそう
夏祭らむね:じゃあ私もカザちゃんに修正あげちゃお!
錺 十也:いただきます!
夏祭らむね:+1どうぞ!
錺 十也:わおわお
GM:ですね、エリさんは判定何やっても失敗なので今の状態は
河路 緑郎:こちらは素振り、錺君は+2かな
時雨:了解です、錺さんに忠誠の感情修正!+1!
錺 十也:では+2で振らせていただきます。
河路 緑郎:またせーので行きますか
錺 十也:はーい
GM:はーい
GM:それじゃ
河路 緑郎:あ、こちら隠蔽術から代用で6です
GM:せーの
錺 十也:こちらけいざいりょくで7!
河路 緑郎:2d6>=6 判定:隠蔽術 (2D6>=6) > 10[4,6] > 10 > 成功
錺 十也:2D6+2>=7 (判定:経済力) (2D6+2>=7) > 4[2,2]+2 > 6 > 失敗
錺 十也:あぶね
GM:んぎーー
錺 十也:河路さんナイス!
時雨:わあ
夏祭らむね:ないすないす!
畔戸笑理:グッド!
河路 緑郎:仕事はした。これで鎖陣も通りかな!
錺 十也:射撃戦ダメージ1点。戦闘終了時まで回避判定-1!
ナキ:避けりゃいいんだよ避けりゃ
錺 十也:あ、判定はまだか
ナキ:2d6-1+1>=10 (分身の術) (2D6-1+1>=10) > 9[4,5]-1+1 > 9 > 失敗
時雨:【完全成功】使ったんでよけられないっすよ
河路 緑郎:それですね
夏祭らむね:えっそういう仕組みだったんだ
錺 十也:やったね
夏祭らむね:あっそうか、判定自体だめなんだ
サブGM:あっそうですね、完全成功失敗後は振れなかった気がする
河路 緑郎:完全成功して奥義破りされたら普通の判定はできないですね
GM:あ、そだったか
錺 十也:じゃあ、改めて射撃戦ダメージ1点。戦闘終了時まで回避判定-1かな
GM:デバフが、デバフが多すぎる……
ナキ:戦術で受けるよ
ナキ 生命力3→2 (器)・(体)・忍・(謀)・(戦)・妖・(頑)・(頑)
()は消耗済み
マヒ(針術)・野望・鎖陣
錺 十也:そんで……鬼火?
ナキ:鬼火は火術だね、よろしく
錺 十也:はいはい。絡繰術で代用。
錺 十也:振ります。
錺 十也:2D6>=6 (判定:絡繰術) (2D6>=6) > 6[2,4] > 6 > 成功
錺 十也:いえーい
夏祭らむね:やった!
畔戸笑理:おおー
畔戸笑理:あ、そうだ
河路 緑郎:ナイス!
畔戸笑理:さっきの自分からナキちゃんへの攻撃は失敗でしたけど、その場合って鬼火はどうなるのかな
サブGM:ルルブには「この忍法を修得したキャラクターへ攻撃を行ったキャラクターは」って書いてますね
GM:でしたね、忘れてた
畔戸笑理:じゃあ……逆凪中だし……食らう!
GM:凪入ってるから失敗するのかなこの場合、同時?
GM:もうなんか頭がフワフワしている
畔戸笑理:あっどうなんだろ
錺 十也:もちもち
夏祭らむね:凪同時だから回避ふれるんじゃないかな?
夏祭らむね:どうなんだろ……
サブGM:「攻撃の処理の終了後」って書いてあるけど、カウント終了時とかじゃないから
時雨:畔戸さんはプロ4一人だったんで、即座に逆凪が適用される可能性もあります
サブGM:多分同時じゃないかな……?
河路 緑郎:GM裁定でいいんじゃないかと
GM:んー、同時で良さそうかな
GM:振ってください
畔戸笑理:はあい
畔戸笑理:手裏剣術から、目標値8。
畔戸笑理:2D6>=8 (判定:手裏剣術) (2D6>=8) > 7[1,6] > 7 > 失敗
夏祭らむね:えーん……
錺 十也:そういうこともある……!
畔戸笑理:忍術で受けます!
時雨:ドンマイです
system:[ 畔戸笑理(0) ] 忍術:1 → 0
畔戸 生命力6→5 器・体・(忍)・謀・戦・妖
()は消耗済み
河路 緑郎:耐えていこう
GM:それでは次はナキ
ナキ:万華鏡、対象はエリ
畔戸笑理:妹が厳しい
ナキ:2d6+1>=5 (潜伏術) (2D6+1>=5) > 6[2,4]+1 > 7 > 成功
河路 緑郎:凪ると狙われるのが忍びの世界……
ナキ:凪なので当たるね
河路 緑郎:あ、待って
ナキ:射撃2点だよ
河路 緑郎:奥義は凪中でも使えますかね
ナキ:待つよ
ナキ:奥義は使えるね
河路 緑郎:笑理さん!ワンチャンある!
畔戸笑理:いや、もらっておきます
河路 緑郎:おっ
錺 十也:もらって大丈夫でしょうか?
畔戸笑理:まだ大丈夫のはず
河路 緑郎:抱きしめに……?
夏祭らむね:そ、そうなの?もう終わりだから破られてもノーダメージだし使い得だと思うけど……
河路 緑郎:体力はまだ3点
河路 緑郎:気持ち的なやつなら私は止めません
夏祭らむね:ラウンド変わるとまた奥義使えるし……
時雨:ケジメってことね
夏祭らむね:でも気持ち的な奴なら止めはしないわ!
畔戸笑理:あ~
錺 十也:わかりました
河路 緑郎:あ、普通に戦略的なやつでした?
畔戸笑理:いややっぱ受ける!
河路 緑郎:了解!
錺 十也:わかりました!
畔戸笑理:えーっと
畔戸笑理:戦術と器術で。
system:[ 畔戸笑理(0) ] 戦術:1 → 0
system:[ 畔戸笑理(0) ] 器術:1 → 0
畔戸 生命力5→3 (器)・体・(忍)・謀・(戦)・妖
()は消耗済み
GM:それでは下の戦場へと移ります。
"舞台裏"
○戦場:平地
<プロット6>
(龍脈炉)
→<プロット4>
(夏祭)
<プロット3>
(時雨、油舐)
GM:まずはPC5
夏祭らむね:はい!
河路 緑郎:頼んだ二人共!
夏祭らむね:奥義クリティカルヒット!指定特技は幻術。対象は炉!
時雨:がんばれ~
油舐ニャオ:破るが
時雨:破らないで~
油舐ニャオ:遠いな……
油舐ニャオ:スペシャルのみ。
油舐ニャオ:2d6 (2D6) > 6[2,4] > 6
河路 緑郎:通った!
夏祭らむね:とおった!
時雨:やった!
油舐ニャオ:じゃあ、絶対防御。指定特技は《怪力》
夏祭らむね:4点のダメージだけど……?
夏祭らむね:そうだよね!
夏祭らむね:破る!
時雨:奥義破りします!感情をください!
畔戸笑理:時雨さんに感情修正+1!
河路 緑郎:いけー!
錺 十也:時雨さんに感情修正+1
夏祭らむね:あと私【回想】きります
時雨:ありがとうございます!《怪力》は目標値7
河路 緑郎:それがあった!
夏祭らむね:もともとは目標値11!
夏祭らむね:変装術で代理判定。回想で+3で8!
時雨:ユクゾッ
夏祭らむね:2D6+3>=11 (判定:変装術) (2D6+3>=11) > 8[2,6]+3 > 11 > 成功
時雨:2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 8[2,6]+2 > 10 > 成功
河路 緑郎:やってくれた!
夏祭らむね:いえいいえいいいえい!
畔戸笑理:つよつよ~!
錺 十也:おー!
錺 十也:最高ー!
時雨:ナイスナイス
油舐ニャオ:ぐ ぎ が
GM:通りました、炉は完全破壊。
龍脈炉 生命力4→0
夏祭らむね:これは……?炉が壊れ……?
夏祭らむね:ナキに3点のダメージが……?
時雨:メルトね
GM:ナキが弱体し、3点のダメージ。
ナキ:生命点0、兵糧丸を忍術に使い耐えるよ。
ナキ 生命力2→0→1 (器)・(体)・忍・(謀)・(戦)・(妖)
()は消耗済み
マヒ(針術)・野望・鎖陣
夏祭らむね:さすがにあるか!でも1!
錺 十也:よし!
河路 緑郎:あ、0になってから兵糧丸使って耐えるもありか
河路 緑郎:了解しました
河路 緑郎:こっちはあともう少し!
時雨:さて、あとはこちらか……
"舞台裏"
○戦場:平地
<プロット4>
(夏祭)
→<プロット3>
(時雨、油舐)
GM:続いてはPC1、ニャオ
時雨:奥義を使用しますか
GM:確認です?
時雨:あ、いえ、こちらの行動宣言です
GM:はい。
GM:では内容も込みでお願いします。
時雨:ええと、なんだっけ
夏祭らむね:奥義名はわからないけど奥義はナキちゃんの《封術》の範囲攻撃でしたっけ
時雨:『ミッドナイト・シンパセティック』。範囲攻撃。
時雨:指定特技は《封術》で、対象は油舐さんです
油舐ニャオ:こちらは範囲攻撃だよ、許すかよ
油舐ニャオ:指定特技は《生存術》。
夏祭らむね:ニャオちゃんの範囲攻撃を奥義破り!
油舐ニャオ:破るぞ
時雨:破ります! ぬうっ《生存術》は8……
夏祭らむね:私も8!
夏祭らむね:絡繰術で代用!
夏祭らむね:じゃあふります!
時雨:ふるぞい
夏祭らむね:2D6>=8 (判定:絡繰術) (2D6>=8) > 8[3,5] > 8 > 成功
時雨:2d6>=8 (2D6>=8) > 5[2,3] > 5 > 失敗
油舐ニャオ:2d6>=11 (兵糧術) (2D6>=11) > 3[1,2] > 3 > 失敗
時雨:らむねちゃんすごい!!
夏祭らむね:さいこ~~!
油舐ニャオ:ピッタリ成功しやがってぇ~~~
河路 緑郎:ナイスー!
時雨:じゃあ油舐さんに2点だ こちらは無傷
時雨:行動は以上です
夏祭らむね:ぴんぴん!
油舐ニャオ:生命残8点。
GM:それでは演出の方を行っていきます。
───────
GM:ナキの身体に竜血が注がれていく。
GM:半壊したはずの身体は、流れるそれがまるで軟体動物のように隙間を埋め、強引に機能していく。
ナキ:「ころして、やる」
GM:血煙を排気して、唸りをあげる。
GM:それに先んじて動いたのは、希族街のエージェント、"クテン"。
"クテン":(なんてェザマだ)額から血を流し、口の端を小さく引き攣らせて笑う。
"クテン":炉心と同期して増強されているはずのナキは大きくダメージを受け。
"クテン":予想外の大働きをしたリチャード青羽は河路の一閃で吹き飛び。
"クテン":そして自分も、すっかり満身創痍だ。
"クテン":しかし、その絶望的状況とは裏腹に──
"クテン":その笑みは、深みを増す。
"クテン":──昔から、"上"だけを目指してきた。
"クテン":危険も冒した。汚い真似もした。
"クテン":敵を屠り、ライバルを蹴落とし、ただひたすらに"上"を。
"クテン":腕は……我ながら、悪くはなかった。しかし、卓越したものがないことも事実だった。
"クテン":だからこそ前のめりな、無思慮な戦い方を続けて──
"クテン":──ある日、それができなくなった。
"クテン":『幻の記憶』が目覚めたためだ。
"クテン":危うい真似をすると、『記憶』は恐怖と幻痛を以ってすぐさま警告してくる。
"クテン":それは、生存率を上げるという一面的には勿論長所ではある。
"クテン":しかし、危険を冒すような真似ができなくなったのは──
"クテン":凡才であり、かつ向こう見ずなまでに『プライド』を重んじる彼には、まごうことなき弱点だった。
"クテン":思うように動くことができなくなり、出世の道も狭くなって。
"クテン":そんな見通しのない日々に、訪れた転機。
: 「──さん! 杉井さん!」
: 「杉井駆天さん!」
"クテン":「……あァ?」
"クテン":斜歯忍軍の所持する研究施設。
"クテン":男は、別の忍務の完了報告に訪れていた。
: 彼の不機嫌そうな様子に、白衣の忍びは一瞬身を縮こまらせる。
: 「い、いえ、上からのお呼びでして。杉井さんを」
"クテン":「上? この前の忍務なら今報告してきたトコだが」
: 「いえ違うんです──」
: 「Dr.蝋喰が、お呼びです」
: ──
Dr.蝋喰:「あーー、なんつたっけ、キミ」
Dr.蝋喰:「いや、別に良いよ興味ない」
"クテン":「は、杉井……」
"クテン":「は、はあ」
Dr.蝋喰:Dr.蝋喰、斜歯の怪人。
Dr.蝋喰:狂気のマッドサイエンティストにして、数々の成果物を誇る、"取り扱い要注意人物"である。
"クテン":「それでその……今回は一体どういった御用件で?」
Dr.蝋喰:「まあ、たしかにあの件はワタクシが責任者だったワケだがねぇ」
Dr.蝋喰:「人事じゃないんだよジンジじゃ、ヌァ~~~ンデ、こんなことやらされてるんだろうねえ、なあ?」
"クテン":「は、はあ……」
Dr.蝋喰:「ま、そういうわけで」
"クテン":用件が読めない。しかし、この怪人に迂闊な受け答えをするのは危険だった。
Dr.蝋喰:「とっとと終わらせたいわけだよネ、こんな雑事」
Dr.蝋喰:テーブルに、乱雑に放り投げられるファイルの束。
Dr.蝋喰:「あなたサンの挽回や今後の出世なんぞにぜんぜ興味なんぞないわけなので」
Dr.蝋喰:「これ、好きに選べヨ」
Dr.蝋喰:「適正とかいちいち見てらんねえからネ」
"クテン":「………」
Dr.蝋喰:並ぶのは、忍務の数々。
Dr.蝋喰:おそらくは"上"が用意した挽回のチャンス。
"クテン":『プライド』を傷つける物言いだった。しかし──
"クテン":『こめかみ』の感覚は、やはりその不快感を掣肘する。
"クテン":「……拝見します」
"クテン":散らばったファイルを眺め、そこに記された忍務の数々へ目を通す。
"クテン":特に深い理由はない。
"クテン":かいつまんだ『マシそう』な忍務の中で、一番目を惹いたもの。
"クテン":「……【異街】」
"クテン":「竜骨島」
Dr.蝋喰:「ほゥ」
Dr.蝋喰:その目が、にわかに色を帯びる。
Dr.蝋喰:「それがいいのか、キミ」
Dr.蝋喰:「ふむ、なに、もしや、万一に、見る目が?ゴミでは無いのか?」
Dr.蝋喰:「異街、異街、実にファンタスティックな場所だヨ」
"クテン":「はあ」気のない返事。しかしその目は、ファイルに記された情報へと落とされている。
Dr.蝋喰:「ワタクシが行きたいぐらいだが、これがなかなか入るのは難しくてね、有名人ともなると」
Dr.蝋喰:「そこのちからを見事持ち帰り」
Dr.蝋喰:「この蝋喰博士にゴミではなく忍びであると示せたならば」
Dr.蝋喰:「使ってやろう……ええと、なんだっけ」
Dr.蝋喰:「やっぱ言えよ、聞いてやろう」
Dr.蝋喰:「名前と、コードネームを」
"クテン":「は」
"クテン":「氏名は杉井 駆天。コードネームは」
"クテン":「──"ホワイトコヨーテ"」
───────
"クテン":「──へへ」
"クテン":「割と……いい引きだったよな」
"クテン":ゆらりと構え、忍銃のカートリッジを素早く換装する。
"クテン":その眼に映るのは。
"クテン":隣に立つナキと、対峙する笑理、錺、河路の姿。
"クテン":──そして、頭上に投影されたモニターへ映る、八人の日常の姿。
"クテン":「巫山戯た格好のヤツだったが」ちら、とリチャード青羽が吹き飛ばされた方向へ目をやる。
"クテン":「死んでねェことを祈るぜ。ここじゃこれくらいは日常だからな」
"クテン":復讐も、親子の絆も、姉妹の相剋も、魂の在り処も、配信の行方も。
"クテン":そこから起きる、血みどろの戦いも。
"クテン":このイカれた街の、愛すべき日常だ。
"クテン":「ここで」
"クテン":「てめェらをぶっ飛ばして」
"クテン":「その後ナキもぶっ倒して」
"クテン":「俺は"全部"を手に入れる!」
"クテン":「"上"も! "八人"も! ──"一人”も!」
"クテン":「夢はァ! デッカくゥッ!」
"クテン":忍銃を構え、震える脚で河路へと吶喊する!
河路 緑郎:「ちっ……!」
河路 緑郎:"大蛇薙"は到底間に合わない。鋼線の妨害も見切られつつある。
錺 十也:だが、ひとつ。未だクテンを縛り付けるものがあった。
錺 十也:ぐい、と大きく鎖を引く。
錺 十也:吶喊の勢いを抑えんがため、蜘蛛が糸を引くように。
"クテン":「ッ……だァァァッ!」瞬間、その腕が"伸びる"。
"クテン":機械化、というには粗末な、単純な機構。
"クテン":単純なロックとシリンダー機構のみで起動する、機械というより器械的な腕。
錺 十也:「……お前の野望も、足掻きも、嫌いじゃない。むしろ好きだよ。でも」
錺 十也:「止めるのは止める。エンディングまでもうちょいなんで……」
錺 十也:「……あと、よろしく」
畔戸笑理:甲高い金属音。
畔戸笑理:まるで先程と立場を入れ替えるかのように、河路緑郎の背後に立つ。その腕から投げ放たれたクナイが、銃と、義肢の関節部と、胴体との接合部を激突する。
畔戸笑理:「……河路さんには、さっきのお返し」
畔戸笑理:「それと、ナキさんは、私のです」
畔戸笑理:さらに二本。
畔戸笑理:夜気を裂いて飛来した漆黒の短刀が、クテンの両足甲を石畳に縫い止める。
河路 緑郎:「独占欲強いな、お前」
河路 緑郎:「……ありがとう。助かった」
錺 十也:「ナイス、エリさーん」手を振る。
ナキ:「ナキは、ナキのものなんだけどな」
ナキ:ゆらりと、動く。
畔戸笑理:「言った通りです。さっきのお返しなので」
畔戸笑理:「お気になさら、ずっ」
ナキ:緩慢に、見る。
畔戸笑理:続けざま、ナキへと投擲を行おうとして。
ナキ:「今のナキには、"見えている"」
ナキ:"価値"の濃淡、大小。そういったもので世界を視ている。
ナキ:だから。
ナキ:「無色透明、不可視の毒」
ナキ:「残念だけど、それって」
ナキ:ソレを、"掴む"。
ナキ:香が、"発火"した。
ナキ:火は来た道を辿り、放った"術者"へと。
畔戸笑理:「──ッ!?」
河路 緑郎:「笑理っ!」
ナキ:笑理が、赤と黄金に混ざる炎に包まれる。
畔戸笑理:理外の現象。できた対応は、片腕を掲げて盾にする程度。
ナキ:竜血の毒を含んだ血煙が彼女を覆い隠し。
ナキ:「ハハ、意趣返しだねこりゃ」
錺 十也:『ふーん』耳元で声。
錺 十也:錺十也当人は、未だ少し離れた場にいる。鎖を構えている。
錺 十也:『良いご趣味で』
錺 十也:とはいえ距離は近い。届く、と思った。
錺 十也:(……鎖は、届くんだ)
錺 十也:(それ以外だってさ……)
錺 十也:(届けたいんだよ、俺は!)
錺 十也:『なあ、ナキ』
錺 十也:『仮名蚉』がナキの耳元に飛んでいた。ノイズ混じりの声を運ぶ。
ナキ:「束縛するタイプは嫌いだな」
ナキ:「だいたい何なのさ、鎖って、性格を反映してるの?」
錺 十也:『しねえよ。叩き落とせばすぐだよ、こんなん』
ナキ:鬱陶しそうに身をよじる。
錺 十也:『頑丈なところは似てるかもな』
錺 十也:『……お前らの始めた配信。見ていた奴がいた』
錺 十也:『俺の声は届いてた。お前のだってそうだよ』
錺 十也:『そいつはもう、自分の脚で歩き出してる』
錺 十也:『今だってだ。みんなが見てる。クソみたいな奴らも、そうでない奴らも』
錺 十也:『俺らの話を消費しようとしてる。自分達の見たいように』
錺 十也:『なあ、ナキ』
錺 十也:『お前は、そいつらに何を見せたい?』
錺 十也:『今はいっぱいいっぱいだよな。でもさ』
錺 十也:『できたら、ちょっと考えてみてくれよ』
錺 十也:『お前は何の役を演じる?』
錺 十也:声は、ほんの少しだけ止まり、また続けた。
錺 十也:『俺の名前は、錺十也。自分で決めた。何があってもそうなんだ』
錺 十也:『舞台の上でも、そうでなくても。スポットライトがあろうがあるまいが』
ナキ:「ナキは」
ナキ:「腐った劇場に火を付けて」
錺 十也:『うん』
ナキ:「カキワリを叩き壊して」
錺 十也:『うん』
ナキ:「観客席に犬をけしかけて」
錺 十也:『……うん』
ナキ:「いりぐちをくぐって、太陽の陽を浴びる」
ナキ:「それから、少しだけ休んで」
ナキ:「次は、自分が本当に観たい劇場のチケットを買うんだ」
錺 十也:『……そか』
錺 十也:『いい夢だ。でも』
錺 十也:『でもさ。じゃあ、違うんだよ』
錺 十也:『殴るべき相手がさあ』
錺 十也:『俺らはカキワリか?』
錺 十也:『用意した奴は誰だ?』
錺 十也:『それでも続けるなら、付き合うよ』
錺 十也:『俺の役柄は俺が決める』
ナキ:「続けるよ、続けないと」
ナキ:「だってあの子が可哀想」
錺 十也:『……今やってみたいのは』
錺 十也:「そうだな」肉声で、呟く。
錺 十也:「お前を助けてやれる最高のヒーロー」
錺 十也:「その、ひとり、かな」
ナキ:「ナキは……助けなんて、いらない」
錺 十也:ひゅん、と鎖が飛ぶ。
錺 十也:「いいんだよ」
錺 十也:「俺が決めたから。勝手に助けられてろ」
錺 十也:鎖は弧を描き、ナキに絡みつこうとする。
錺 十也:「愛と勇気でいっときますんで。そっちの復讐譚とどっちが勝つか」
錺 十也:「なあ。また、ケンカしようぜ!」
ナキ:「ガ……アァ!!!」
ナキ:ナキが、強引に前進する。
ナキ:迫る鎖を絡め取り、肉が、機械の骨が悲鳴を上げる。
ナキ:構わず進む。狙いは、黒煙の向こう。
河路 緑郎:「悪いな、ナキ」
河路 緑郎:「香りも、鎖も……糸も」
河路 緑郎:「絡みついたら、離れねえんだよ」
河路 緑郎:「お前がいくら捨てようともがいたって」
河路 緑郎:「お前がこれまで積み上げてきたものは、お前を捨てたりなんてしない」
河路 緑郎:「絶対に」
河路 緑郎:「──唵・阿謨伽!」
河路 緑郎:真言を唱え、剣を編み上げる。
河路 緑郎:あまりに遅い。鎖に阻まれながらも迫るナキには間に合わない。
河路 緑郎:もはや知られた奥の手。例え放たれたとしても、ナキとクテンなら対応するだろう。
河路 緑郎:糸と罠による妨害は時間稼ぎと目眩まし。作り上げた意識の隙に行う召喚・大火力こそが河路緑郎の必殺──
河路 緑郎:「──なんてな」
河路 緑郎:そう印象づけたからこそ、その虚と実を入れ替える。
河路 緑郎:地面が揺れる。大気が震える。戦場に張り巡らせた鋼糸が光を帯びる。
河路 緑郎:既に見せた切り札を囮にし、この陣から二人の目を逸らし続けた。
河路 緑郎:地形の調査は念入りに行なったのだ。少しのずれも許されず、破壊される度に陣を修正し調整し続けた。
河路 緑郎:──呪を帯びた糸で張り巡らせた、巨大な召喚陣を。
河路 緑郎:「"大蛇薙"──」
河路 緑郎:天が割れる。降ってくる。
河路 緑郎:陣へと目掛け、"神"が堕ちてくる。
河路 緑郎:「神逐ッ!」
河路 緑郎:光の柱が、戦場に堕ちた。
ナキ:光が、身体を打つ。
ナキ:構うものか、進め、走れ。
ナキ:欲しいものは、もう目の前だ。諦めて、なるものか。
"クテン":「ン、だ、そりゃァ……!?」
"クテン":天から降る一条の光芒に、眼を見開き。
"クテン":苦無に縫いとめられた脚と、鎖に絡め取られた腕で。
"クテン":「ち、くしょうめ」
"クテン":言葉とは裏腹に、清々しげに笑った。
"クテン":「て、めェ、ら」
"クテン":「覚えて、やが、れ、ェ……!」
"クテン":これもまた、"日常"。
"クテン":月並みな捨て台詞とともに、その姿は雷光に呑みこまれた。
ナキ:クテンとすれ違う。
ナキ:「バカなやつ」
ナキ:「これで、頭さえ良ければ、うちらで一番強いのにね」
ナキ:は、と音が漏れる。口元が緩み。
ナキ:ナキ、笑っていた?
ナキ:「ま、いいや」
GM:同時、遠くで、大輪の火花が打ち上がった。
GM:天に映し出されたスクリーン、照明、その全てが落ちる。
:<ナンダナンダ><復旧だ復旧!>
GM:一瞬の後、それらは戻っていくるが。
GM:ライトに照らされたナキは。
ナキ:「ぁ……カ……」
ナキ:全身から、煙を上げ、関節からは滝のように赤と黄金が流れていく。
ナキ:無尽のちからが、途絶えた。
ナキ:「まだ……だ」
ナキ:「まだ」
ナキ:それでも、進む。
畔戸笑理:血煙からよろめき出でて、それを見た。
畔戸笑理:「──哭輝!!」
畔戸笑理:叫ぶ。
畔戸笑理:それを見た。親とはとても言えないあの女。
畔戸笑理:必死に外界へ牙を立てようとする妹。
畔戸笑理:守らなければ、と思った。周りはすべて敵、ろくでなしばかり、頭の上に手が振り上げられるたび、自分だって情けなく竦んでしまうけれど。
畔戸笑理:血を分けた半身を守りたかった。あるいはそれは、自分の存在にも意味があるだなんて思うためだけの、歪んだ欲求だったのかもしれない。それでも二人の時間は歓喜に輝く記憶だった。
畔戸笑理:守れた、と思った。
畔戸笑理:妹の前に立ち塞がって、硬く冷たい男に買い取られて、呆然とするあの子を置き去りにして。
畔戸笑理:思っていたのに。
畔戸笑理:──家族、家族、家族なんて大嫌いだ!
畔戸笑理:──あたしの人生は家族のせいでめちゃくちゃだ。
畔戸笑理:それを見た。黄金の光から溢れた過去と、そう受け止めた彼女の思いを。
畔戸笑理:「……もういい」
畔戸笑理:もとの体を捨て去って、いのちと力を無理に詰め込んで、その悉くが流れ出して、まだ歩みを止められないあの子。
畔戸笑理:「……もう、いいでしょう。勝負ありました」
畔戸笑理:「降参してください。さもないと」
畔戸笑理:喉が震える。
畔戸笑理:「さもないと、本当に」
ナキ:本当に
ナキ:何だというのだ
ナキ:降参するのはそっちの方だ、許すつもりもないが。
ナキ:「お姉……ちゃん」
ナキ:「今、……そっちに」
ナキの秘密
あなたは幼き日、双子の姉と同じく親に売られた子供である。
それぞれがバラバラに引き取られたあなた達、姉はどうだか知らないがあなたを待ち受けていたのは地獄にも似た日々であった。
そんなあなたは家族へを恨むことで心を支え、なんとか今日に至るまで生き延びてきた。
あなたは家族への復讐を果たすために己の身体パーツ・記憶の一部すらもオークションへと売り流しちからを得ている。
あなたの本当の【使命】は復讐を果たすことである。あなたはプライズ・『歓喜の黄金』を所持している。
ナキ:"血"が流れ出ていく。今まで身体を強引につなぎとめていた遠心力を失って、今にもバラバラになりそうだ。
ナキ:友情、希望、家族愛
きれいで優しい物語。
ナキ:正しさは暴力だ、否応が無い。
ナキ:そんなものには負けない、この世のあらゆる理不尽からあたしが守ってやる。
だから、もう怯える必要はないのだ。
ナキ:膝をかかえて、ちいさく震える女の子が見える。
ナキ:あの狭く昏い地下の牢獄。まだ、あそこにいるのだ。助け出してやらねばならない。
ナキ:涙が枯れたのはいつだろうか。
ナキ:新しい"親"――アイツは都合の良い手駒を欲していた。訓練と称して同じ境遇の新たな"兄弟、姉妹"を手にかけた時だろうか。
ナキ:"客"が壊した左腕が腐り出し、高熱にかすむ視界でソレを蟲と鼠とがかじるのを眺めていた時だろうか。
ナキ:強くなって、大きくなって、アイツを殺す。その次は"本当の家族"に復讐するのだ。
ナキ:最初の目標は、ある日唐突に、叶わぬものとなった。
"ラプトル":『ああ、こいつ?守れなかったんだよ、"誓約"を』
"ラプトル":『あんたも肝に命じることだね』
ナキ:あまりに、あっけなかった。
ナキ:そして同時に……誰にも届かない、強大で純粋な暴力。
あたしの望むものがそこにあった。
ナキ:『あなた……みたいに、どうしたら、つよくなれますか』
ナキ:すがるように、尋ねた。
"ラプトル":『さあね、あたしは最初から強かったからわからないけど』
"ラプトル":『この街の流儀に従うなら、……対価を支払うことだ』
"ラプトル":『強さは、金で買える』
ナキ:自由になったあたしは迷わず売り飛ばした、何も持たないあたしが払える唯一のもの。
ナキ:にくと、ほね。
ナキ:都合は良かった。自分の身体は嫌いだった、値札がついてるようで気持ち悪かった。つきまとうのだ、あの日の"オークション"、その記憶が。
ナキ:強く、なる。
ナキ:強ければ、あのひとみたいに強ければ、何の問題もないのだ。
ひとりでも大丈夫だよ、強くなったんだ。家族を憎まなくても立っていられるんだよって、あの子に伝えなきゃならない。
ナキ:あの狭く昏い地下の牢獄。膝をかかえて、ちいさく震える女の子がこちらを見ている。
ナキ:〔家族を殺して?〕
ナキ:そう、家族を殺して。
ナキ:〔それって、変じゃない?〕
ナキ:うん、でもしかたないんだ。
ナキ:〔そっか〕
ナキ:それより、もっと楽しい話をしようよ。
ナキ:全部終わって、取り戻して、今度こそ、本当に自由になったら……何がしたい?
ナキ:〔何が……したい、か〕
ナキ:きっと夢が必要だ、終わったあとのあたしたちには。
ナキ:〔うぅん……じゃあ、お友だちが欲しいかな〕
ナキ:そうだな、それがいい、家族はこりごりだ。友達がいい。
ナキ:別に、優しくなくったっていい〔楽しければ、それで〕
ナキ:あたしたちの言うことなんて従う必要はない〔でも、ちょっぴりは、大事に思ってて欲しい〕
ナキ:適度な距離感は必要だよね〔それも、きっと思いやりだよ〕
ナキ:でも、本当に辛いときにはそばに居てほしい〔さすがに、贅沢じゃない?〕
ナキ:〔ああ、でも……それって〕
ナキ:それって……
ナキ:思考は、バラバラに、ほどけそうで、
竜血が、頭を、真っ赤に、真っ赤に、おうごんに染めて
ナキ:ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、
今まで、今まで本当にありがとうございました
ナキ:ナキを許してください
ナキを覚えていてください
甘えて申し訳ありませんでした
ナキ:「ァ……カ…ッ…」
ナキ:開いた口からは、濁流のように赤と金とが溢れ出す。
ナキ:もはや呼吸すら必要とはしていない。溢れるそれがナキの命と交換されていく。
ナキ:勝たねば、ここまでやったのだ。これ以上のちからを求めるということは――
真渕カヅキ:『私の連絡先です』
真渕カヅキ:『正直ね、まだ"欲しい"、とてもね、私はここで生まれただけあって……その、強欲ですから』
真渕カヅキ:『ですので、あなたがまだ足りないというならば私が与えましょう。あなたに残された、……残りの全部と引き換えに』
ナキ:いやだ
ナキ:いやだ……それは、いやだ。
ナキ:〔芯まで捨て鉢になっていたんじゃないものね、ナキにはわかる、本当に大切なものが〕
ナキ:〔だから、それ以外ならいくらでも差し出すことができた、そうでしょう?〕
ナキ:ろくでもない幼き日々。いい思い出なんかちっとも無い。なのに何故手放せない?
ナキ:場末の酒場、しょうもないじゃれ合いの日々、ひとときの慰め。なのに何故手放せない?
ナキ:考えろ、それを。
必要が、あるはずだ。
ナキ:でも、思考は、バラバラに、ほどけそうで、
ナキ:「とど……いた」
ナキ:目の前に、姉がいる。
ナキ:竜針が身体に深々と差し入れられる。
ナキ:人壊工具の起動。
ナキ:搭載型増加神経叢ユニット"リフレックス-ν"、ブースト、オン。
ナキ:突撃用高速機動モジュール"律動大樹"、オーヴァーロード
ナキ:対妖魔顫動旋轉鏈鋸が唸りをあげ
ナキ:ナキの、今の……ありったけを
ナキ:目の前のひとに、ぶつけるのだ。
───────
油舐ニャオ:油舐ニャオは、明確に焦っていた。
油舐ニャオ:背後では、異音と共に火花を散らす龍脈炉。
油舐ニャオ:何故、どうして。
油舐ニャオ:取るに足らないモブのはずだ。
油舐ニャオ:栄光の赤い敷物を踏んで、今度こそ喝采を浴びる。
油舐ニャオ:「ナンナンダヨ!!」
油舐ニャオ:「ナンナンダヨ、オメェラはヨォ!!」
夏祭らむね:「友達!ナキの!」
夏祭らむね:らむねから切り離された脚はらむねのもとへと戻るや否や、休む間もなく再び炉へ向けて跳んでいく。
ピピ、と電子音。フラッシュ。影が伸びる。
夏祭らむね:魂を吸い取られる。炉に魂があるのかは疑問だが、同じ術式の使い手であるニャオならば、無視できないものだと感じるだろう。
ここで止めなければ大変なことになる、と。
油舐ニャオ:「同じワザが、二度も通るカアーーー!!!」
油舐ニャオ:そう言って、地を蹴る。
油舐ニャオ:そう、"同じ技"で。
時雨:「夏祭、さん!」同時に走る。
夏祭らむね:「……うん!」同時、駆ける。らむね本人が。
時雨:「”もう一幕”。頼みます!」
時雨:余裕はないが、微笑んで、見せる。
時雨:次の一瞬を見逃さないために。
夏祭らむね:瞬間。空間が、幻術に包まれる。
夏祭らむねの秘密
かつて、希望を無くしただ無為に生きていたあなたを救ったのはとあるアマチュアのネットラジオだった。
「【青の逆月亭】からお届け」と銘打った四人のエージェントによる他愛もないトーク番組、
今はもう無くなってしまった番組であるが生への渇望を得たあなたはかつて彼らに救ってもらったように、
己の番組で人に勇気やパワーを与えようとトップ配信者を目指し立ち上がったのであった。
夏祭らむね:5687月1日 はれ
縁日で金魚をすくった!
ンギョ之助と名付けた!
5687月2日 はれ
来週、すっごいお菓子の新商品が入荷するってきいた!
甘いらしい!
夏祭らむね:5687月3日 くもり
席に画鋲が置いてあるのに気づかず座ってしまった!
今日は物が無くなってないからよかった!
5687月4日 くもり
給食をひっくり返されたからお腹が空いた!
5687月5日 くもり
体操服がビリビリだった!
捨てられてなくてよかった!
夏祭らむね:5687月6日 あめ
ンギョ之助が動かなくなった
お庭に埋めた
5687月7日 くもり
髪が長くて鬱陶しいみたいだから、髪を切られた!
ンギョ之助は髪がないから切られることもないんだろうな
夏祭らむね:5687月8日 くもり
らむねにイジワルする子たちはらむねが嫌いだからだろうけど、
どうしてクラスの他の子たちは見てるだけなんだろう?
本当はらむねのこと嫌いだったのかな?
みんならむねのこと嫌いなんだったら、ここにいないほうがいいのかも
夏祭らむね:5687月9日
学校をおやすみした
夏祭らむね:5687月10日
学校をおやすみした
5687月11日
学校をおやすみした
夏祭らむね:5687月12日
ンギョ之助は苦しかったのかな
会えないかな
夏祭らむね:5687月13日
インターネットで、変なの見つけた!
番組だからげーのーじんかと思ったら、誰でもできるやつらしい!
「【青の逆月亭】からお届け」って言ってた!
5687月14日
コメントしたら、読んでもらえた!!!
本当にらむねと同じ世界にいるんだ!
夏祭らむね:5687月15日
ナキは、話すのがとても上手!
優しさとツッコミとイジりのバランスがぜつみょーで、ずっと笑っちゃう!
5687月16日
カザは機械の話するときすっごく楽しそうで、嬉しくなる!
脚が機械でも、かっこいいって、気にすんなって言ってくれた!
みんながカザみたいだったらいいのになあ
夏祭らむね:5687月17日
クテンはなんでも食べる!
本当になんでも食べられるのかな?木とか食べて欲しい!
5687月18日
エリはあんまり喋らないけど、声がすっごく可愛くて、なんだかドキドキする!
エッチな言葉を喋らせようとするコメントがたくさん来てる!
らむねはちょっと恥ずかしいから、そういうのは送ってない
夏祭らむね:5687月19日
――『コメント来てるよ、"クテン木食べて"だって』
――『またかよ!?送ってんの同じヤツだろ!?』
――『固定ファンがついてるじゃないか、良かったな』
――『本当にいいんですか?それ……』
夏祭らむね:――『あー仕方ねェ……一回だけだからな!』
――『え!?』『本当にやるのか』『本気なんですか?』
――『一回やったら満足するだろ……いつもコメントしてんのに無視すんのも悪いし……』
――『ワーオ、サービス精神~』
――『骨は拾ってやる』
――『少量なら、死ぬことは無いと思いますけど……』
夏祭らむね:名前も言ってないし、らむねの声も知らないのに、らむねのこと知っててくれた。
無茶なお願いも、らむねだからって聞いてくれた。
夏祭らむね:らむねがいてもいいんだ。
夏祭らむね:こんなことやめろって真正面から歯向かってほしかった訳じゃない。
後ろめたいから、何言ったらいいか分からないからなにもしないんじゃなくて、
ただ、学校の外で会った時挨拶したら返してくれるとか、
そういうのでよかったんだ。
夏祭らむね:らむねを、いないことにしないでほしかった。
夏祭らむね:6984月15日 はれ
新しい学校は、みんなおはよーっていったらおはよーって言ってくれる!
帰る時は、またねって言ってくれる!
6984月16日 はれ
新発売のお菓子、甘くておいしい!
おいしいのはいいこと!
学校のみんなにも分けてあげようと思った!
夏祭らむね:6984月17日 はれ
らむねも動画を投稿することに決めた!
全人類のことは大嫌いだけど、
らむねはここにいるから。
いないことにされてる人に、らむねはここにいるよって、
だから、きみもいていいんだよって、元気をあげたいから。
夏祭らむね:あの番組は、もうずっとやってないけど。
きっとあの四人は全然知らないと思うけど、らむねはここにいていいんだよって、元気をもらったから。
いつかありがとうって言えるといいな。
夏祭らむね:でも木は食べないかな。
夏祭らむね:絵日記のような幻覚が解け、油舐ニャオの目前に広がるのは夏祭らむねの姿。
夏祭らむね:「らむねは全人類が嫌いだったよ」
夏祭らむね:「誰も助けてくれない」
夏祭らむね:「ないものとして、扱われるから」
夏祭らむね:「……ナキは、『復讐』をしたら、自分を取り戻せるんだって」
夏祭らむね:「幸せになれるんだって」
夏祭らむね:「自分に、幸せにしてもらえるんだって……」
夏祭らむね:「信じているんだね」
夏祭らむね:「らむねはそこまで思えない」
夏祭らむね:「らむねの頑張りとナキの頑張りのレベルが違うのも、わかってるけど」
夏祭らむね:「だって、誰も助けてくれなかったのに」
夏祭らむね:「自分も含めて、誰も助けてくれなかったのに」
夏祭らむね:「頑張った程度で助けてもらえるんだったら」
夏祭らむね:「この憎しみはなんになるの?」
夏祭らむね:「……それでも、夢を見てしまったんだよ」
夏祭らむね:「ナキたち四人のせいで……」
夏祭らむね:「もしかしたら、ここにいてもいいのかもしれないって」
夏祭らむね:「それを……嬉しいと思ってしまったから」
夏祭らむね:「絶望してた中に、希望を抱いて……前に、進もうとするのは」
夏祭らむね:「くるしいよ」
夏祭らむね:「誰も助けてくれなかった連中に希望を抱いて、好きになろうとするのは」
夏祭らむね:「つらいよ」
夏祭らむね:「勝手に絶望して……救いを求めていたのが自分のせいで……本当は、やりようがあったんじゃって思うのは」
夏祭らむね:「いやだよ」
夏祭らむね:「それでも……やっぱり」
夏祭らむね:「やっぱり、ここにいていいって、認めて欲しい。どんなに苦しくても」
夏祭らむね:「『大事』の中に入れるのは、嬉しい。辛くても」
夏祭らむね:「誰からも助けてもらえなかった自分でも……嫌でも、好かれたいと、思ってしまうんだよ」
夏祭らむね:「らむねは、らむねがここにいても、いいと思う」
夏祭らむね:「らむねは、らむねよりずっと頑張ってるナキも、ここにいて、いいと思う」
夏祭らむね:「復讐なんて間違ってるとかやめろとか、らむねには言えない。けど」
夏祭らむね:「復讐がなくても、ナキは幸せになっていいし、ここにいていいっていうワガママは、言う」
夏祭らむね:「らむねは……みんなのことが好きだから」
夏祭らむね:「ここに、いて欲しい」
夏祭らむね:「だから……それを邪魔するのは許せない!」
夏祭らむね:前から、生身の脚でニャオに回し蹴りを放つ。
夏祭らむね:それは、一瞬の幻覚があったとはいえ、あまりに予定調和の行動。
夏祭らむね:妖魔の如きニャオには、簡単に回避できるであろう一撃。だが――
夏祭らむね:「今のらむねは一人じゃないから。ワガママも八倍言える!」
油舐ニャオ:唖然と、それを見ている。
油舐ニャオ:「なん、で……」
油舐ニャオ:「燃えてんだヨ……」
GM:ごうごうと、燃え盛る龍脈炉。
時雨:ざあざあ、と雨の音がしている。
油舐ニャオ:何が、何があった、今
油舐ニャオ:何が起きた。
油舐ニャオ:たしかに、命のひとつを投げ捨てて、あの小娘を迎撃せしめた。
油舐ニャオ:そのはずだ。
時雨:しかし、火の勢いが衰えることはない。小雨程度では止められないほどの、猛火ではあるが。
時雨:そもそも雨など降っていないから。
時雨:その音は、たった今油舐ニャオが迎撃した、夏祭らむねの、その体から響いている。
時雨://ざあざあ//「実に──」
時雨:ブロックノイズが走る。
時雨:「実に良い、映像でした。夏祭さん」
時雨:「あなたの生き様が、すべて見えるような」
時雨:眼帯の女性の姿。
油舐ニャオ:「ああ?あんなカスみたいな映像で数字が取れるかよ!」
油舐ニャオ:「なぜ!?なぜ!?なぜ!?」
油舐ニャオ:「あちしは、人間が大好き!全人類を愛している!なぜならみいんなあちしの餌だから!!」
油舐ニャオ:「それが、それが、それが!!」
油舐ニャオ:「愛と夢と希望をもって夢に向かって邁進するこのあちしが!!」
油舐ニャオ:「どうしてこんな死にぞこないの!!カスのモブに!!」
時雨:怪人時雨は、人の内面を覗き込み、その言動を模倣する。
時雨:「言ったでしょう。私たちは一人じゃない」
時雨:夏祭らむねの回想とともに、姿を入れ替えた。その隙に、彼女が炉を破壊した。
時雨:「数字だとか、評価だとか。どうして結果しか見ようとしないのか」
時雨:「誰かの過程を記録するのが、映像だろうに。”一人”よがりなんだ、あなたは」吐き捨てる。
時雨:「夏祭さん、炉の破壊は完了しました! すぐに向こうも決着がつくでしょう!」振り返って声を張る。
時雨:「もう少しだけ、ここを抑えれば──私たちの、勝ちです!」
夏祭らむね:「……うん!」
油舐ニャオ:「何終わった気で……いんだヨォォ!!!!」
夏祭らむね:時雨と入れ替わり、悠々と炉を破壊したらむねは振り返る。
夏祭らむね:「"みんな"!」
夏祭らむね:語り掛ける。隣に居る時雨に、別の場所で戦う錺に、笑理に、河路に、ぷりちーな笑顔で応援してくれているはずのクユに、
夏祭らむね:目の前のニャオに、一人ではないと伝えるためにあえて立ち塞がったクテンに、孤独にもがくナキに、
夏祭らむね:サポートをしてくれている小鼠に、コヨリに、コラボを受けてくれるといったホテルマンをはじめとしたこの島の"王"たちに、
夏祭らむね:妙な飲茶を売る店主に、酒場のマスターに、オークショニアに、駄菓子マニアたちに、居酒屋の店員に、動画を見てくれた人たちに、
夏祭らむね:これを見ているすべての人に、この声が聞こえるすべての人に、あるいはらむねのことなんて知りもしない人たちに。
夏祭らむね:「らむねはここにいるよ!!」
夏祭らむね:「ここにいて、いいよね!?」
油舐ニャオ:「あちしの作品に、テメエの存在は、認めネェーーーーーーーーーーー!!!」
油舐ニャオ:ニャオの袖から、フィルムテーブの束がぞろぞろと湧き、引きずり出る。
油舐ニャオ:「没!没!没だ!!!」
油舐ニャオ:「切り刻んでッ!!!」
油舐ニャオ:乱杭歯をむき出しに、それを噛みちぎらんと――
油舐ニャオ:「カァットッ!!」
時雨:「いて、いい! いや、いてほしい!」
草原コヨリ:「そうさ、ットァッ!!」
草原コヨリ:夜空の"逆月"に影が翻る。
草原コヨリ:「届けに来たぜ、相棒」
草原コヨリ:「いよ、ショベっち!草原コヨリでっす」
草原コヨリ:「そーして、合わせるぜ時雨っち」
草原コヨリ:コヨリが印を組む。
時雨:「”みなさん”も、そう思うでしょう!」右手を差し出す。その腕は、ナキの義肢に似ている。
時雨:彼女が扱うのは、類感呪術。形の似たものを、本物と同期させる呪法。
時雨:術の媒介となるのは、広がったビデオテープ。
時雨:そこには、夏祭らむねと語らう、時雨やクユが、河路緑郎が、異街の面々が──
時雨:そして、何より、今しがた夏祭らむね自身が配信した──
時雨:──『青の逆月亭の四人』が、映っている。
草原コヨリ:「そう、それさ時雨っち」
草原コヨリ:「元より、呪法のたぐいは隠忍の血統、コヨリさまの専売特許」
草原コヨリ:「……より強い絆で、割り込む!」
時雨:「お願いします、草原さん──!」類感呪術。形の似たものを、本物と同期させる。
草原コヨリ:スマートフォンを掲げる。
草原コヨリ:そこから、爆発するように、《文字》が弾け出る。
草原コヨリ:それは、コメントの数々。
草原コヨリ:夏祭らむね、彼女のチャンネルに寄せられた。応援のメッセージ。
草原コヨリ:あなたを見ている。ここで、あなたたちを。
草原コヨリ:応援しているのだと。
草原コヨリ:文字の束が、らむねを包み込み。
油舐ニャオ:そして、邪法は、かき散らされて。
油舐ニャオ:「ァーーーー……」
油舐ニャオ:「へ?」
夏祭らむね:夏祭らむねは居る。
夏祭らむね:想いに守られて、ここに居る。
夏祭らむね:「…………みんな、ありがとう」小さく呟く。
夏祭らむね:嫌いなものはお前。
夏祭らむね:……本当は、好きになりたかったのも、お前たちだよ。
夏祭らむね:「……時雨!や~~っちゃえ~~~!」
時雨:「──はい」
時雨:邪法は、かき散らされた。ここにあるのは、ただ、黄金のようなひかりだけだ。
時雨:「真夜中──というには、明るすぎますが」
時雨:「耄碌した妖怪の目を覚まさせるには、ちょうどいいでしょう」
時雨:『真夜中の”共感呪術”』。
時雨:栄光に、名声に、──人同士のつながりに、強く惹かれた油舐ニャオに。
時雨:明るく輝く、針を打ち込む。
時雨:「少しは、”人”の気持ちがわかりましたか?」
油舐ニャオ:そのいちげきは、油舐ニャオを伝い、創作集団"ショベル・マン"として集った人々全員に穿たれた。
小鼠:『お、なんかこいつら急に手応え無くなってきたぞ』
小鼠:『うらうらうらうら回線げっちゅーーーー!!!』
油舐ニャオ:「……」
油舐ニャオ:それは、ほとんど妖魔と言えるほど変貌した油舐ニャオ個人そのものに、致命と言えるだけのものではない。
油舐ニャオ:しかし、ショベル・マン。それを構成する各人においては、無視できるダメージではない。
油舐ニャオ:通信が……途絶えていく。
油舐ニャオ:「(崩れ……崩れていく)」
油舐ニャオ:「(どうして、なぜ)」
小鼠:『あのさー、てめー、どーーーしてわかんないのかな』
小鼠:『愚劣な大衆が好むもの、だっけ』
小鼠:『お涙頂戴、王道の、感動ストーリー』
小鼠:『それの強さに、何度煮え湯を飲まされてきたんだよ』
小鼠:『いい加減、学習しないのカナ?』
油舐ニャオ:「アーーーーーーーー!!!!!!」
油舐ニャオ:「ナンデェ~~ーーーーー!!どうじでーーーーーー!!!」
油舐ニャオ:「あぢし!あぢし!あぢし、がんばって、がんばってるのに!!」
油舐ニャオ:「たったひとりの孫にも、いじわるされて!」
小鼠:『うっせえ死ね!ここが、貴様の!墓場ぢゃん!!!』
GM:思いは、確かに届いたのだ。
GM:夏祭らむねがちっぽけな勇気を振り絞り投稿した、箸にも棒にもかからない動画。
GM:それは、物語を紡ぎ、人と人とを繋いで、成長を続け。
草原コヨリ:「届いたじゃん、みんなに☆」
GM:異街の日刊トップチャンネル、そこへ、燦然と輝く。
GM:『しゅわしゅわch』
───────
GM:それではラウンド3、そろそろ決着が近い……そんな予感がします。
GM:まずはプロット前忍法
畔戸笑理:なし!
夏祭らむね:なし!
ナキ:影分身
錺 十也:なし
時雨:なし
ナキ:2d6-1>=5 (分身の術) (2D6-1>=5) > 6[1,5]-1 > 5 > 成功
河路 緑郎:なし
河路 緑郎:プロットオッケー!
時雨:OK
畔戸笑理:OKです
錺 十也:いけます
夏祭らむね:OK!
GM:ではカウントはじめます
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 夏祭らむね ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ 畔戸笑理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ 河路 緑郎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 錺 十也 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
ナキ:2へ行くよ
"舞台"
○戦場:平地
<プロット4>
(河路、畔戸、錺)
<プロット2>
(ナキ[野望、マヒ(1)、街透])
"舞台裏"
○戦場:平地
<プロット4>
(夏祭)
<プロット2>
(時雨)
<プロット1>
(油舐)
GM:では上の戦場から処理していきましょう。
"舞台"
○戦場:平地
→<プロット4>
(河路、畔戸、錺)
<プロット2>
(ナキ[野望、マヒ(1)、街透])
GM:プロットは4から、まずはPC2
河路 緑郎:行動決まっております
河路 緑郎:全員せーので?
GM:一応宣言からですね
畔戸笑理:こちらも決まってます
GM:全員同時でお願いします
河路 緑郎:了解!
錺 十也:決まってます!
GM:ではいきます
GM:せーの
河路 緑郎:範囲攻撃、対象はナキ
畔戸笑理:ナキに【大祓】。判定に奥義を使います。
錺 十也:【鎖陣】。対象はナキ。特技は縄術。
錺 十也:回想使います
ナキ:正直これを生き延びれるとは思えない……
ナキ:が、やってやろうじゃん
河路 緑郎:私からかな!
河路 緑郎:範囲攻撃、指定特技縄術です
ナキ:目標11……
ナキ:2d6-1>=11 (分身の術) (2D6-1>=11) > 8[2,6]-1 > 7 > 失敗
ナキ:うん
河路 緑郎:生命力減少2点
ナキ 生命力1→0 (器)・(体)・(忍)・(謀)・(戦)・(妖)
()は消耗済み
マヒ(針術)・野望・鎖陣
ナキ:打つ手なし、この時点で脱落が決定だよ
夏祭らむね:通った……!
錺 十也:うおー
GM:ですが処理は同時のため他ふたりもやりましょう
GM:省略してもいいと言うなら申請してください
錺 十也:自分はやりたいです
畔戸笑理:自分は演出の時だけでいいかな……!
夏祭らむね:笑理ちゃんカヅキさんへの想いを回想切らなくていいの?
畔戸笑理:やりにくいでしょ今!!
河路 緑郎:すごい気まずくなっちゃう
GM:ではエリさんは省略で良いのかな
畔戸笑理:大丈夫!
GM:ではPC4やりましょう
GM:判定をお願いします。
錺 十也:はい! 回想使用して達成値+3します
錺 十也:2D6+3>=5 (判定:縄術) (2D6+3>=5) > 8[4,4]+3 > 11 > 成功
錺 十也:よーし!
夏祭らむね:やった!
GM:流石に高い
ナキ:2d6-1>=11 (分身の術) (2D6-1>=5) > 10[4,6]-1 > 9 > 成功
ナキ:あ、ちがう
ナキ:失敗だよ
錺 十也:よ、よかった
錺 十也:では射撃戦ダメージ1点
錺 十也:あと鬼火かな
河路 緑郎:縄術が遠くて慢心鎖陣で-2されてるから……
GM:そっか鎖陣も忘れてたなスペシャルのみじゃん
畔戸笑理:鬼火は炉が壊れちゃったのでなくなったはず
錺 十也:そうか!
GM:鬼火は消失してます
河路 緑郎:そうそう
錺 十也:了解です。当てた!
GM:当たりました。
GM:これにてナキは脱落です。
GM:同時進行という判定なので。
GM:下の戦場も処理を行うことが可能ですが。
GM:どうしますか、やりたい?
夏祭らむね:どうしよ しぐ・パンチしたければしてほしい
時雨:う~ん、まあ。せっかくだしやりたいです。
夏祭らむね:やりましょ!
GM:じゃあやりましょうか
夏祭らむね:じゃあ私からかな
GM:では下の戦場、PC5から
"舞台裏"
○戦場:平地
→<プロット4>
(夏祭)
<プロット2>
(時雨)
<プロット1>
(油舐)
夏祭らむね:【魔笛】、黒羽召喚を試みる!
夏祭らむね:ふります!
夏祭らむね:2D6>=5 (判定:絡繰術) (2D6>=5) > 5[2,3] > 5 > 成功
夏祭らむね:こわっ 成功!
時雨:次ラウンドから黒羽が参加してくれますね。
夏祭らむね:心強い~~~~!!!!!!
GM:バネバネー
夏祭らむね:これは攻撃手番消費なので、私は終わり!
"舞台裏"
○戦場:平地
<プロット4>
(夏祭)
→<プロット2>
(時雨)
<プロット1>
(油舐)
GM:お次はPC1
時雨:はい。【流転】を使用します。
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 3[1,2] > 3 > 失敗
時雨:おやまあ
夏祭らむね:しぐーーっ!
GM:ホホホ
時雨:使っとこうね オークションで競り落とした神通丸!
時雨:2d6>=5 (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
GM:成功!
時雨:よし! 奥義をらむねさんの『必殺!殺影界~スペシャル生-ライブ-配信~私を月まで連れて行って。』に変更!
時雨:長いね。
夏祭らむね:長いね
時雨:効果は【クリティカルヒット】。指定特技は《幻術》。
時雨:対象は油舐ニャオさん! くらえ!
油舐ニャオ:破るがスペのみ
油舐ニャオ:2d6 (2D6) > 4[1,3] > 4
油舐ニャオ:うい
夏祭らむね:やった~!!
時雨:よしっ
油舐ニャオ:4点通るニャア
時雨:絶対防御はなしか
時雨:スパっと殴って、行動以上です!
"舞台裏"
○戦場:平地
<プロット4>
(夏祭)
<プロット2>
(時雨)
→<プロット1>
(油舐)
油舐ニャオ:こうなりゃもう攻撃のみ
油舐ニャオ:範囲攻撃、指定特技は《生存術》
夏祭らむね:奥義破り!
時雨:破ります
時雨:目標値8!
夏祭らむね:目標値8!
時雨:感情修正ほしい!
河路 緑郎:送ってあげて!
夏祭らむね:しぐに集めて~!
畔戸笑理:時雨さんに感情修正+1します
錺 十也:時雨さんに感情修正+1!
夏祭らむね:では私は無修正でふります
時雨:ありがとうございます!
時雨:振ります!
夏祭らむね:2D6>=8 (判定:絡繰術) (2D6>=8) > 12[6,6] > 12 > スペシャル(【生命力】1点か変調一つを回復)
時雨:2d6+2>=8 (2D6+2>=8) > 10[5,5]+2 > 12 > 成功
夏祭らむね:最強になっちゃたな
河路 緑郎:二人共強いわ
時雨:らっらむねちゃん
河路 緑郎:これは完全勝利
時雨:すげえ!
畔戸笑理:スペシャル出てる
錺 十也:うおー
夏祭らむね:戦術を回復!
system:[ 夏祭らむね(1) ] 戦術:0 → 1
油舐ニャオ:ぐぐ、まだ
油舐ニャオ:まだだ
時雨:何ッ
油舐ニャオ:ラウンド終了時、飛燕を使用
夏祭らむね:なにっ
時雨:じ、GM
油舐ニャオ:生命点を1消費し攻撃権を得る
時雨:飛燕のコストは……2です
夏祭らむね:あっ……
油舐ニャオ:そうだった!!?
河路 緑郎:あっ……
夏祭らむね:飛べないネコチャン
錺 十也:oh
畔戸笑理:かわいそ
GM:なんかもうずっとナキしかコストみてなかったら
GM:コスト感覚消失してたんだよね
河路 緑郎:そっか、これまではずっと同じプロットに人居たから使えなかったんだ……
時雨:どーんまい☆
夏祭らむね:万華鏡コスト0ですからね……
錺 十也:おそろしい
河路 緑郎:プロットとコストは難しい
サブGM:万華鏡コスト0なのイカれてるよね
油舐ニャオ:無理でした☆
河路 緑郎:上忍専用だからね……
サブGM:ただの猫
河路 緑郎:お疲れ様ニャオちゃん……
GM:じゃあ演出の方に参りましょう。
GM:上はそのままマスターシーンに移行できそうなので。
GM:下からやっていきましょうか。
夏祭らむね:はい!
河路 緑郎:はーい!
時雨:了解です。
───────
油舐ニャオ:「テメェラ……こんな、こんなことをして……」
油舐ニャオ:「ただで帰れると思うなヨ……」
油舐ニャオ:「ズタズタに苦しめてやる……」
油舐ニャオ:「全員、全員だ……」
油舐ニャオ:憎悪に目を輝かせた油舐ニャオ、闘志はまだ失っていないようだ。
夏祭らむね:「ただで帰りたいしズタズタにされたくないのだよ!」
夏祭らむね:「だから……目くらまし!」
夏祭らむね:りりりりり。
夏祭らむね:口笛を吹く。口笛にしては機械的な音。
夏祭らむね:脚以外にも見えないところで施された機械化手術は多数あるが、そのうちのひとつ。
夏祭らむね:『どこでもインターネットにアクセスできる』。それは異街内、及び異街の外のネットワークのみならず。
夏祭らむね:異街ではない『異世界』のネットワークも、ほんのわずかなら、覗き見ることができる。
夏祭らむね:そこで得たデータを参照し、現実世界へと再現し、従者として操ることが可能だ。
夏祭らむね:呼び出すのは、悪魔の特徴を引き継いだ恐ろしい怪物。
夏祭らむね:欲望を司る『マモン』、そして、悪魔そのものの象徴である、『死』を司る者――死神。
夏祭らむね:死の門から呼び出されし、漆黒の羽を持つ恐ろしき妖魔、黒羽。
夏祭らむね:より上位の妖魔に従えられ使役されることもあるその怪物は、いかにおぞましく、怖気を象ったかのような恐ろしい姿であろうと――
夏祭らむね:制御さえ出来てしまえば安心して使役できるという点で、普段から機械の類をあやつるらむねとは相性が良かった。
黒羽:「殺戮、ヲ……闘争ヲ……」
黒羽:漆黒の羽を持ち、赤く輝く目をもった鳥形の怪物がゆらりと立ち上がる。
油舐ニャオ:「……んだそり?」
油舐ニャオ:一瞬、毒気を抜かれたように。
夏祭らむね:「こわくて声もでないようだね……」
黒羽:ムキムキのポーズをとる。
黒羽:しかし呪いのヒヨコ……もとい黒羽の周囲はかすんでおり、何か幻術のようなものが発生していることが見て取れるだろう。
黒羽:逃走には……もってこいだ!
油舐ニャオ:「ざっけ!」
油舐ニャオ:フィルム・テープの束を取り出す。
時雨:黒羽を召喚するプログラムに紛れ込み、再び距離を詰めていた。
油舐ニャオ:三度目になる、呪術奥義。
油舐ニャオ:決まれば致命になりうるそれだが。
油舐ニャオ:それよりも一手はやく、動くもの
時雨:フィルムの間を抜き、右手が迫る。
時雨:怪人時雨は、内面を覗き、その秘奥に目を付ける。
時雨:だが──この一手は違う。
時雨:掌が油舐ニャオの左眼を捉える。
時雨:ざあざあ、と雨のような音を立てる。
時雨:ブロックノイズが走る。
時雨:「あなたは──強い。ですから、一人の演者である私にできる、最高の一撃を」
時雨:姿が切り替わる。登場人物たちが目の前で踊る。今回の事件の顛末が、再生される。
時雨:時雨が見た、あらゆる終わりを。生き様を。信念を。再現し、再演し、再構する。
時雨:輝きを放った魂の重みが、実像を持って追悼される。
時雨:『追悼世界甘瓦/リプレイ・21グラム』。
時雨:油舐ニャオの網膜には、もう焼き付いて離れない。
時雨:彼女の計画が全て砕かれ、支援者が次々と離れ、見くびっていた者たちに蹴落とされ、
油舐ニャオ:「―――ッ」
時雨:そして、ランキング一位を、夏祭らむねとその仲間たちに奪われる。
時雨:その”悪夢”のような光景は、百年経過しようと、8回死のうと、もう忘れられることはない。
時雨:「──あなたの裡を、覗かせていただきましたが」
時雨:「浅いですね」目を細めて、笑う。
時雨:どん、と右手を強く押し、油舐ニャオを突き放した。
油舐ニャオ:トン、と尻もちをつく油舐ニャオ。
油舐ニャオ:「ハ……」
油舐ニャオ:「ナハ……ハハハ」
油舐ニャオ:「ハハハハハハ!!!」
油舐ニャオ:哄笑が、溢れ出す。
油舐ニャオ:「ん、や」
油舐ニャオ:「冷静に、なった、というか、ならざるを得ないナ、こりはもう」
油舐ニャオ:「どうも、おめでとう、逆転勝利、快進撃」
油舐ニャオ:「泡沫の、甘い夢」
油舐ニャオ:「おめでと、おめでと」
油舐ニャオ:パチパチと、気の抜けた拍手とともに立ち上がる。
油舐ニャオ:「んなもんナァ、最後に勝って払拭すりゃイインダヨ」
油舐ニャオ:「ニャア」裂けた口元が、大きく釣り上がる。
小鼠:『おい、今すぐとっ捕まえろ』
小鼠:『あの態度は、マズイ』
小鼠:『覚えがある、よくないことになるぞ』
夏祭らむね:「たしかにヤケクソとか開き直りとかじゃない感じを感じる!」
時雨:「わかりました」地面を蹴る。
油舐ニャオ:「無駄無駄無駄ァ!ここであちしを捕まえたところでッ」
油舐ニャオ:油舐ニャオの姿が、フィルムテープの束となってほどける。
油舐ニャオ:『仕込みは』壁に映し出されたスクリーンに、その姿。
時雨:再度、手を伸ばし、完全に捕えようとするが。その手は空を切った。
夏祭らむね:「あっ自分の術を……自分に!?」
油舐ニャオ:『既に、終わってるんだニャア』切り替わって、電光掲示板
油舐ニャオ:「実はおまえたち、勝負がはじまったときから負けてんだよ」ビルの屋上で、ふたりを見下ろす。
油舐ニャオ:「それじゃあ、観に行かないとニャア」
油舐ニャオ:「あちしの勝利、おまえたちの敗北、とびっきりの悲劇」
油舐ニャオ:「特等席でナ」言うやいなや、跳び去っていく。
GM:ガラガラと、燃え盛る炉が崩れ落ちる音。
GM:あとには、それだけが残されて。
───────
ナキ:ありったけの兵装を、眼前――『』、に叩き込んだ。
ナキ:意識は朦朧としているが、やることはわかる。
ナキ:追撃せねば。
ナキ:追撃して、とどめを刺す。
ナキ:"リフレックス-ν"が火を吹く。
ナキ:身体の動きはひどく緩慢に思えて。
錺 十也:その様を見ながら、一瞬の思考は、思い出す。
錺十也の秘密
あなたは逆月亭に集う仲間をとても大切に思っている。
皆を守るためならばどんなことでもしてやれる、そう思うほどに。あなたの【本当の使命】は皆を守ることである。
しかしその一方であなたにはとある確信がある、自分の【本当の使命】はそうではないはずだ。あなたには欠落がある。
「それを埋めたいならば、【青色】を探しなよ」、あなたの雇い主である「ホテルマン」はそうささやく。
錺十也の秘密②
あなたは思い出す、あなたのかつての名前は河路緑郎。
あなたは我が子の助けになりたいと願い、錺十也の助けを得てここにいる。
既にあなたへと目を付けていた『ショベル・マン』の目を欺き我が子をいちばん近くで助ける方法……
錺十也が提案したのは錺十也と河路緑郎の存在、その交換であった。
しかし、かつてがどうであれ今のあなたは錺十也だ、欠落が埋まれどあなたの【本当の使命】は変わりはしなかった。
また、このコインはあるべきものの手に帰るのが良いだろう、あなたはそう考える。
錺 十也:……思い出す。
錺 十也:『錺ってさ、何考えてるのかよくわかんないよな。すぐズルするし』
錺 十也:(うるさいな)
錺 十也:『だってカザ、機械かネットかの話しかしないじゃん。つまんないよ!』
錺 十也:(しょうがないだろ)
錺 十也:『友達ひとりくらい作ればいいのに』
錺 十也:(……俺には、なんかパーツが欠けてるんだから)
錺 十也:何か特別な辛い生い立ちがあったわけでもない。ただ『薄かった』。
錺 十也:家族との繋がりも、友人との絆も、特になく。こんな異街に興味本位で一人で来られるほどに。
錺 十也:自分が何かして、思うように応えてくれるのは手を入れた機械くらいのものだったのだ。
錺 十也:綺麗に揃って動くことが美しい、そういう機械になりたかった。でも、できない。
錺 十也:人に優しく溶け込むことも、ただ孤高であることも。欠けた何かが邪魔をした。
錺 十也:(多分、何も残さずに終わるんだろうな。何も)
錺 十也:(家族も、友達も、何か作ることも。いじった機械だって、捨てられて終わりだ)
錺 十也:(じゃあ、俺はなんで生きているんだろう?)
錺 十也:(普通の人には、『表舞台で羽ばたきたい』『世界に爪痕を残したい』。そういう気持ちがあるらしい)
錺 十也:(俺にはあるのかな? わかんないな。やっぱりパーツが、欠けている)
錺 十也:まるで人間にも機械にもなり損ねたようだ。そう思い続けて、裏方気質を続けていた。ずっと。ずっと。独りで。
錺 十也:……そのはずが、気がついたらあの店に、四人でいた。
錺 十也:(あれっ)
錺 十也:(なんでだ? こういうのは、初めてだな……)
錺 十也:ひとつ。友達が残った。ふたつ。動画の記録が残った。みっつ。バカみたいな楽しい時間が残った。
錺 十也:(……ああ。そうか。残せるのか)
錺 十也:(残せるかもしれないんだ。こいつらの中に)
錺 十也:そう、思ってしまった。
錺 十也:パーツは相変わらず欠けていた。餓えながらも、ようやく『人間』という機械のように動ける、と思った。
錺 十也:続けたかった。守りたかった。愛したかった。誰のためでもなく、自分のために。
錺 十也:もしかしたら本当は、自分を変えてくれた、みんなのために。
錺 十也:これはただのわがままだ。でも、『なんでもしてやれる』とそう思った。
錺 十也:季節が巡るごとに、怖くなる。何かが変わってしまうことが。
錺 十也:だから、浴びるように知識を集めた。
錺 十也:何らかの法則が存在するのなら、そいつには利用する価値がある。突くべき隙がある。
錺 十也:どれほど奇妙に見えても、きっと、自分の役に立つ。そう考えて蓄えてきた異街の知識のひとつ。
錺 十也:危機が迫っていると知って、それが『使える』と気付いた、あの時の感覚は、例えようがない。
錺 十也:(「なあ、河路。ひとつ、いい方法があるんだけど」)
錺 十也:(「言っても、おまじないみたいなやつさ。あんたの気に入るかはわかんないや」)
錺 十也:(「『できることならなんでも』のカザリ。その、必死の一手だ。乗るかい?」)
錺 十也:おっかない顔をする奴だな、という目をされたのを、覚えている。
錺 十也:だが、通った。
錺 十也:そうして彼と河路緑郎は、存在を交換した。
錺 十也:その瞬間から、全てが変わり……。
錺 十也:――否。
錺 十也:それほどは、何も変わらなかった、のだ。本質はともかく、少なくとも意識の上では。
錺 十也:(……そうか。変わったけど、変わんないのか)
錺 十也:(俺は、自分でそう決める限りは、俺か)
錺 十也:(……俺たちとナキとの関わりは、急に変わっちまった)
錺 十也:(でもさ、それだけだよ。それだけなんだ)
錺 十也:自分は、賭けに勝ったと思っている。記憶は回復した。多少の変質など誤差に過ぎない。……仲間も、増えた。
錺 十也:残せるかもしれないものも、増えた。守りたいものも、ずっとずっと増えた。
錺 十也:あれほどまでに苦しかったパーツの欠落。それは……気にならなくなっていた。
錺 十也:機械を愛せよ。実直と忠実を愛せよ。役割に応えて確かに進むその美しさを愛せよ。
錺 十也:人を愛せよ。情愛と狡知を愛せよ。思う通りにいかないその不規則な全てを愛せよ。
錺 十也:今の彼は、自分で在り方を決められる。欠落は『彼自身』の形のひとつとなった。
錺 十也:もう、そこで悩むことはない。
錺 十也:(身を投げ打つような気持ちで動いたって、それを忘れていた間だって、想いの核は何も変わらないでいられた!)
錺 十也:(そういうものがあるはずなんだ)
錺 十也:(心が、青に赤に黄に緑に、色を変えていくように)
錺 十也:(逆さまの月が満ちて欠けて、また満ちて、それでも月であるように)
錺 十也:(それを残したい。みんなと一緒に。また、バカみたいなことばかりして)
錺 十也:(俺は、そのためなら……)
錺 十也:(なんだって)
錺 十也:『薄い』酒杯は、いつの間にかなみなみと黄金の酒で満たされていた。
錺 十也:いくら季節が巡ろうと、これだけは。何があってもきっともう、変わらない。
錺 十也:エージェント。エンジニア。ハッカー。『青の逆月亭』の常連の一人で、配信者の『カザ』。
錺 十也:その身を貫くものだけは、鎖から糸に変わったとしても、『飾り』はここに在る。
錺 十也:今とこの先を連鎖し繋ぐために、錺十也はここに居る。
錺 十也:だから。
錺 十也:思考は一瞬。すぐに風景は、明かりの消えた撮影現場へと。
錺 十也:ひゅん、と振り回したのは、胸ポケットに入れていた懐中時計。
錺 十也:ずっと大事に収めていたものだ。だが。
錺 十也:「ナキ。これ」
錺 十也:「お前にやんよ」
錺 十也:大きく振りかぶって、宙に投げた。
錺 十也:綺麗に揃った部品の整然とした動き。それも、最終的には『使わなければ意味がない』。
錺 十也:鑑賞品としてではなく、実用品として、錺十也は機械を愛する。
錺 十也:「『黒後家童』」
錺 十也:戦闘員個人としてはさほどの力もない身を、外装で補いどうにか戦っているように。
錺 十也:「『千々』」
錺 十也:あるいは、己自身すら、己の望みの部品として使いこなしたように。
錺 十也:「『散々』っ!」
錺 十也:空中で、時計が弾けた。否。時計ではない。その形に押し止められていた……。
錺 十也:電磁網『忌天道』、および極小型飛散ドローン『禍蜻蛉』。
錺 十也:中に詰まった鎖が解け、瞬く間に細く長く伸びる。
錺 十也:『蜘蛛の子を散らす』ように、無数の機械羽虫が飛び交い、空中に巣のように網が広がる。
錺 十也:いつか時雨に一端を見せたその動きが、さらに大きく、展開。ナキ目がけて急降下する!
錺 十也:(さあ、ナキ)
錺 十也:(お前を、破滅から守ってやる。俺が勝手にやる)
錺 十也:(大事なものは、核ミサイルからだって、守ってやる。そう決めたから)
錺 十也:(そのために俺はずっと、ずっと……!)
錺 十也:本来であれば、これは瞬間的な高圧電流による絶対防御装置として使用される。
錺 十也:だが、彼はそうしなかった。……ナキに、少しくらいは思い通りにさせてやりたかった。
錺 十也:代わりに、動きを止める捕縛の網としてのみ、使った。蜘蛛の巣の、本来の使い方として。
錺 十也:守る、と決めた。その【本当の使命】のために。
"ホテルマン":それを、モニターで眺める者。
"ホテルマン":「錺、あの時おれはこう言った」
"ホテルマン":「"外部から観測する分には何も変わらないのに?"と」
"ホテルマン":「本当に何も変わらないのか……実のところ、おれはそうは思っていない」
"ホテルマン":「それを成し遂げた、意思、それに意味はある」
"ホテルマン":「見通しの立たない、強大なものを相手に決断し、実行するちから」
"ホテルマン":「それこそが、運命を動かすちからだ」
"ホテルマン":「俺にとって、賭け事とはそういうことなのさ」
"ホテルマン":「役割に応えて確かに進む、だから機械は美しい……か」
"ホテルマン":「でもね、人間は己の役割を己で決めることができる」
"ホテルマン":「それこそが、おれの愛する当事者性だ」
"ホテルマン":「錺、きみは決めた、他ならぬきみの意思で」
"ホテルマン":「もはや、やれることをやれるままに、ではない」
"ホテルマン":「何度でもこの言葉を贈ろう。"望むことを、望むままに"だ」
畔戸笑理:「……哭、輝」
畔戸笑理:ぜえ、と喘いで取り込んだ空気は、咳き込んですぐに吐き出された。
畔戸笑理:石畳に血が散って、数輪の赤い花を咲かせる。
畔戸笑理:「……ふふ」
畔戸笑理:「“私の血”が、こんなに」
畔戸笑理:(『なるほど、私に送ってきた意図は分かった』)
畔戸笑理:かつて、師である“院長”はそのように言った。
畔戸笑理:(『検査結果からすれば、またとない。しかし我々の流儀に馴染めるかどうかは、気質の問題もあるからね』)
畔戸笑理:(『どれ。試しに君』)
畔戸笑理:(『舐めてみたまえ』)
畔戸笑理:武人としての才は無かった。妖魔の因子の発現も認められなかった。
畔戸笑理:代わりに、私の血は劇薬だった。
畔戸笑理:磨いた体と技術に、心身干渉の毒。買い手に困ることはなかった。代価は情報、安全、時には命。
畔戸笑理:相手の肉体も精神も支配下に置いて夢見心地に誘う手管は、舌の肥えた客の眼鏡にも叶ったし──
畔戸笑理:──気弱な自分が、勇気を奮い立たせる役にも立った。
畔戸笑理:畔戸笑理の体液は、曝露した者の心身の操作を完全に支配する毒だ。苦痛を殺し、恐怖を宥め、嫌悪を鈍らせる。自身こそが、最も強くその恩恵を受けている。
畔戸笑理:今もそう。
畔戸笑理:腹を破られ、ずたずたに裂かれ、激痛がからだに駆け巡っていようと。
畔戸笑理:笑って手を伸ばすことができる。
畔戸笑理:「哭輝」
畔戸笑理:武器を握りしめ、血を滴らせたまま、膝を突いた妹へと。
畔戸笑理:「もう、いいよ」
畔戸笑理:「あなたはよく頑張った」
畔戸笑理:その手に触れる。
畔戸笑理:「もう、自由にどこへだって行ける」
畔戸笑理:「あなたを傷つけるひとはもういない」
畔戸笑理:「悪い夢は、終わりにしよう……」
ナキ:あたたかいものが触れる。
ナキ:覚えがある。
ナキ:あたたかなもの――黄金の、ひかり。
ナキ:何度も、何度もひとりで見返した。
ナキ:黄の輝き、喜びの記憶。
ナキ:覚えがある。
ナキ:しかし全身の殺戮機械は、動きを止めはしない。
ナキ:あらかじめ設定された目的にそって、動く。
ナキ:壊せ、裁断し、圧潰し、目標を"終わらせろ"
ナキ:獲物を前に鎌首をもたげた"それら"が、一斉に――
河路 緑郎:動き出した機構を止める。
河路 緑郎:無数の糸が絡まり、
河路 緑郎:一つを腕で受け止めて。
河路 緑郎:血に濡れた両腕で、二人を抱き寄せる。
河路 緑郎:「笑理」
河路 緑郎:「哭輝」
河路 緑郎:生きるのは、苦難の連続だ。
河路 緑郎:成功する保証のない挑戦を繰り返しては、何度も失敗する。
河路 緑郎:この娘はあまりにも過酷な挑戦をしてきた。
河路 緑郎:この娘は挑戦の機会すら与えられなかった。
河路 緑郎:俺のせいだ。
河路 緑郎:「すまない」
河路 緑郎:「すまなかった」
河路 緑郎:「お前たちを……一人にさせた」
河路 緑郎:ずっと挑戦を諦めていた。取り返しようのない失敗をした。
河路 緑郎:命をかけても果たすべき使命を果たせなかった。
河路 緑郎:喪失は地獄だった。使命なんて二度と持ちたくないと思った。
河路 緑郎:挑戦が生きることなら、死人で良いと思った。
河路 緑郎:死人で良い。死んでいればいい。
河路 緑郎:生きている人々の邪魔にさえ、ならなければ良いと──
河路 緑郎:『あなたには子供がいる』
河路 緑郎:思えなくなった。
河路 緑郎:「俺をいつまでだって恨んでくれていい」
河路 緑郎:「自分を許せないなら、許せるようになるまで」
河路 緑郎:「力になる……だから、頼む」
河路 緑郎:俺の──"河路緑郎"の使命は。
河路 緑郎:『我が子に会い、我が子を助けること。』
河路 緑郎:違う。
河路 緑郎:「生きてくれ」
河路 緑郎:生きよう。もう一度、挑戦しよう。
河路 緑郎:君達が幸せになれるまで。何度も、何度でも。
河路 緑郎:それがどれほどの困難になるか分からない。
河路 緑郎:どれだけの失敗を積み上げるかわからないけれど。
河路 緑郎:「自分を、諦めないでくれ」
河路 緑郎:俺ももう、諦めない。だから。
河路 緑郎:「幸せになってくれ」
河路 緑郎:「お願い、だ」
河路 緑郎:とっくに手遅れで今更だ。こんなこと言える資格はなくしている。
河路 緑郎:それでもその願いだけが、河路緑郎の使命だ。
GM:戦場に、静寂が戻った。
GM:全ての殺戮機械はその動きを停止して、
GM:河路緑郎の腕の中には確かにふたり分の重みがある。
GM:配信中のチャンネルは歓喜に沸き立ち。
GM:そして――
油舐ニャオ:「レディーーース、エン、ジェントルメェン!!」
油舐ニャオ:スポットライトに照らされて。
油舐ニャオ:「さあさあさあお待たせしましたクライマックスの舞台へ!」
油舐ニャオ:「それでは、最後のゲストが今到着しました」
油舐ニャオ:佇む、その姿。
"ラプトル":「……。」
"ラプトル":"ラプトル"。異街最強のエージェント。
"ラプトル":「え、なにこれ」
"ラプトル":「撮ってるの?やだなぁ」
油舐ニャオ:「アハハ、ナ、ハハハ!!」
油舐ニャオ:「さあさ、はじめようか、最後の、仕込み」
油舐ニャオ:「悲劇の大舞台を!!」
河路 緑郎:「……お前」
油舐ニャオ:ニャオの哄笑が響き渡る。
錺 十也:「な、んで、あいつ……?」
河路 緑郎:二人をかばうように立ちはだかる。
錺 十也:じゃら、と鎖の束を再び引き寄せる。守れるように。
畔戸笑理:ナキを抱き締める。否。凭れかかる。
畔戸笑理:意識が薄れ、自己操作の限界が近付いている。
"ラプトル":「……。」それを眺め、大きくため息。
"ラプトル":「なんというか、因果な家族だねえ」
油舐ニャオ:「なんで?なんでだって?ニャオさまだぞ!このニャオさまだ!」
油舐ニャオ:「仕込みは徹底的に、だ」
油舐ニャオ:「そうさ、そうだよ、そういう契約さ!」
錺 十也:自分は、果たして少しは家族に入るのだろうか、とふと思う。だが、どうでもいい。
夏祭らむね:「うわ!強い人いる!」漆黒の妖魔と共にかけつけ声を上げる。
錺 十也:どうでもいいのだ。そう。
錺 十也:「……よく来た。夏祭」
夏祭らむね:「あの人めっちゃつよいんだよ」共に駆けつけた時雨へと声をかける。
油舐ニャオ:「"誓約"を交わしたんだヨ、ナキと、この"ショベル・マン"でなぁーーー!!」
油舐ニャオ:「ハハハハハ!ナハハハ!!ハーーーハハハハ!!!」
錺 十也:仲間がいる、それでいい。
時雨:「そうですか──!」大通りに、眼帯の男が現れる。忍びといえど、全力で走れば息が上がる。
油舐ニャオ:「その女は狂った復讐心に芯まで毒されて、もうそれしか助かる道が無いんだよ」
油舐ニャオ:「復讐を遂げなければ、"契約違反"だ」
油舐ニャオ:「それとも、あ、なんだ?皆で立ち向かうか?」
油舐ニャオ:「夢と希望、愛と友情、絆の力で異街最強のエージェントに!」
油舐ニャオ:「ああ、それが蹴散らされて、食い散らかされて」
油舐ニャオ:「良い!素晴らしい!なんて!サイッコーーーの"画"だニャア!!」
夏祭らむね:「契約を果たせなかったら……死……」異街最強エージェント”ラプトル”とナキを見比べて呟く。
"ラプトル":「そういうわけだ」
"ラプトル":「こっちもこれが仕事なんでな」
"ラプトル":「立ち向かう分には良いんだが……きっと勝てんよ」
錺 十也:「…………」その重みは、外の人間とはいえ、わかっているつもりだ。
"ラプトル":「恨んでくれるな」
油舐ニャオ:「おおっとぉ、しかし可哀想なナキたんを救ってやれる手があります!」
油舐ニャオ:「知りたい?知りたい??」
時雨:(分が、悪い──)胸を抑える。激しくなっている動悸は、運動によってのみもたらされたものではないとわかる。
河路 緑郎:「"ラプトル"」
河路 緑郎:「ナキと油舐の契約の内容は?」
夏祭らむね:「……言いたいんでしょ」ニャオへと精一杯強がる。
"ラプトル":「ナキが復讐対象である家族を殺傷すること、だ」
錺 十也:「……こいつは、可哀想なんかじゃないけどな」ぽつりと、それだけ呟く。
錺 十也:「精一杯頑張ったんだ。ずっと」
河路 緑郎:「殺傷か」
油舐ニャオ:「つまり、テメーらふたりが、ナキたんの代わりに死ねばいいのヨ!」
油舐ニャオ:「ヒ、ハ!」
油舐ニャオ:「どっちに転んでもなんたる悲劇!アーーーー」
油舐ニャオ:「仕込んだかいがあったぁ……」
錺 十也:(……どうすればいい?)
錺 十也:(どうすれば、守れる……全員、まとめて?)
河路 緑郎:「"ラプトル"」
河路 緑郎:「殺傷の手段については指定されているか?」
河路 緑郎:「どういう手段で殺すか、だ」
"ラプトル":「特には」
"ラプトル":「何か考えがあるのかな河路緑郎。しかし、この"ラプトル"をあざむくことは……オススメしないね」
"ラプトル":「こちらにも沽券がある」
河路 緑郎:「分かっているさ」
錺 十也:(人数がどう、家族がどうの問題じゃない。これじゃ……)
河路 緑郎:「ただの確認と、宣言だ」
"ラプトル":ギャリギャリと、赤い爪が鳴る。
河路 緑郎:「俺はこれからの一生を」
錺 十也:("四人"が、どうしたって欠けてしまう!)
河路 緑郎:「全て、二人のために捧げる」
河路 緑郎:「分かるか?俺はな」
河路 緑郎:「これから一生かけて」
河路 緑郎:「笑理と哭輝に、"殺される"」
河路 緑郎:「殺傷手段は、"老衰"で頼む」
"ラプトル":「トンチかよ、残念ながらこれは油舐ニャオの"撮影"に関する誓約だ」
"ラプトル":「カメラの外で死ぬのは無しだな」
錺 十也:(嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ)
"ラプトル":「それに、手を下すのはこの"ラプトル"だ」
"ラプトル":「それが"決まり"なんでね」
錺 十也:(嫌だ……!)
夏祭らむね:(トンチで言うなら……むしろ、殺傷方法より……”人”のほうに、つけこむ隙がありそうではあるけど)
"ラプトル":「これでも付き合ってやった方だ」
"ラプトル":「あたしも別に暇人じゃあない」
"ラプトル":「そろそろ、仕事をさせてもらうよ」
河路 緑郎:「そうかい」
河路 緑郎:「できれば穏やかに済ませたかったんだがな」
"ラプトル":ゆっくりと、歩を進める。
河路 緑郎:「じゃあ、相手するぜ」
河路 緑郎:「生きてるんだ。死ねないんでな」
錺 十也:「……ああ」顔を上げる。
油舐ニャオ:「ハ、ハ、ハ!やるんだ!やるんだぁ!」
油舐ニャオ:「いやぁ撮れ高撮れ高」
錺 十也:「やっぱあんたとは、結構気が合うな、河路」
錺 十也:じゃらり、と鎖を鳴らす。
油舐ニャオ:「異街最強の存在、逃れられぬ"絶対の死"」
河路 緑郎:「そりゃそうだ。頼むぜ、錺」
油舐ニャオ:「けなげに抗いな、餌どもが」
錺 十也:「ああ。……俺の、やりたいことを、やる!」
"ラプトル":一歩、また一歩、距離が縮まる。
"クテン":「ぐ……」
"クテン":瓦礫の山から半身を起こし、満身創痍の身体で這ったまま銃を構える。
錺 十也:その様をバイザー越しに見て、ふっと笑う。
"クテン":ひっきりなしにこめかみを襲う感覚に、目を覚ましてしまった。──覚ますことができた。
"クテン":("ラプトル"たァ……いくらなんでも……分が悪ィ)
"クテン":("契約"、"契約"……)
"クテン":(……"ラプトル"との契約ごと買っちまうことができりゃ)
"クテン":(いや、どこにそんな金があんだ)
"クテン":(考えろ、"契約"、"契約"……もっと、限定的で、安上がりな……!)
GM:"死"が――迫る。
GM:その、さなか。
: 「……ましょうか?」
: あまりに場違いに、穏やかな声で。
クユ:「クユが、"もらいましょうか?"」
夏祭らむね:「…………クユ!?」
油舐ニャオ:「あ、ンダありゃ?」
河路 緑郎:「お前……なんでここに」
油舐ニャオ:闖入者を睨む。
錺 十也:「もらい……?」
クユ:「見に来ました」
クユ:「約束ですから、ぷりちー、に」もごもごと顔面を動かし
時雨:「クユさん──どうする”つもり”、ですか」声を絞り出す。
クユ:「ですから、ナキから"誓約"を、クユが買いましょうか?と」
クユ:「クユは、"死にません"」
クユ:「合理的では?」
油舐ニャオ:「ハ……?」
油舐ニャオ:「いや待て、んなの……通……」
夏祭らむね:「……契約した人が、ナキからクユになって……契約失敗の『死』がクユにいって……クユは死なない……?」
時雨:「それ、は──」確かに、合理的だと、思えた。
"ラプトル":「ハ……」
"ラプトル":「ハハハ、ほんとだな」
"ラプトル":「ならあたしは手出しできんなそうなると」
油舐ニャオ:「いや、待て、ちょ……何……言って……」
河路 緑郎:「お前……」
河路 緑郎:「俺よりよっぽどトンチじゃねえか」
"ラプトル":「油舐ニャオ、アレは本当に"死なん"ぞ」
"ラプトル":「あたしは意味のないことはしない」
油舐ニャオ:「やっ……えっ……」
錺 十也:「……って、そりゃ死なないで、手出しもされないかもだけど」
錺 十也:「お前、なんていうか……ずっと死を背負ってくってことだぞ、それは」
クユ:「ああ、つまり」
クユ:「"死"を手に入れて」
クユ:「クユは、皆に少し近づくのですね」
クユ:「うん、ええ、はい」
錺 十也:「…………」
クユ:「欲しい……の、かもしれません」
クユ:「ああ、これが……」
錺 十也:「……お前……」
時雨:「──クユさん」
夏祭らむね:「……ずっと何が欲しいかわからないって……言ってたのに……」
錺 十也:抵抗感は、ある。これが本当に正しいことなのか、どうか。
錺 十也:クユの意志がどういうものなのか、自分には観測できない。
錺 十也:「……納得の、問題、か?」
錺 十也:そのまま、自分の髪をぐしゃ、と掻いて、黙り込む。
時雨:「それは、きっとあなたの出した答えだ」
油舐ニャオ:「……そ、そんなの……と、通るか……通るか!!」
油舐ニャオ:「異街の"グランドオークション"!その"誓約"は絶対!!」
時雨:「だけど、それじゃあいけないんです。私が気にいらない」
油舐ニャオ:「おじゃんになることなんて!!!おい、おい"ラプトル"、そんなことが許される!?」
"ラプトル":「うーん、そりゃあ……なあ」
時雨:「確かに欲しいものを手に入れたのかもしれない。だけどそれは、手に入れていいものではない」
"ラプトル":「でもこんなの……ちょっと例外すぎる、どうなるんだ……この場合」
"美食卿":『違約金を、払う』
"美食卿":突如として、夜空のスクリーンに映し出されるは、"美食卿"
河路 緑郎:「"美食卿"……!?」
時雨:振り返る。音のしたスクリーンに、驚きに満ちた目で見いる。
"美食卿":『おお、ああ……ハハ、アァハハ』
"美食卿":『おい、おい、見てたぞ、おい』
"美食卿":『そいつ、今、"欲しい"と言ったか』
"美食卿":『ああ……なんということだ』
"美食卿":『ならば出そう、この"美食卿"が』
"美食卿":『この地で、買えぬものは無い、この私が』
"美食卿":『そもそも、"グランドオークション"はこの私の持ち物なんだよぉ』
"美食卿":『おお、クユ、おい、クユ。』
"美食卿":『そうだ、こっちを見な、お前、なんて言ったんだい?欲しいと、そう言ったのかい?』
クユ:「わからない……」
クユ:「けど、もしかして、そうなのじゃあないのかと」
クユ:「思ったのです」
クユ:「これは、今までのクユには無かったもので」
クユ:「ずっと、ずっと、見ていました」
クユ:「見ていた」
クユ:「……違う、みなとクユは」
クユ:「それを強く理解できました」
クユ:「八人のなかのひとりであると、そう言われても……どこか、しっくり来ない」
クユ:「"納得"がありません」
クユ:「同じ目線では、話してはいない」
クユ:「時雨……」
時雨:「──」目を向ける。
クユ:「手に入れていいものではない、とは」
クユ:「誰が決めたのですか?あなた?」
クユ:「価値は、誰が決めますか?」
クユ:「意味は?死は?生は??」
クユ:「あなたは、クユを決めたい?」
クユ:「クユは、はじめてクユを決めました」
クユ:「これはきっと、"クユが手に入れるべきもの"です」
夏祭らむね:「……『クユは死なないから』、出来るか出来ないかの問題じゃなくて……」
夏祭らむね:「ナキに死んで『欲しくない』から、みんなに悲しんで『欲しくない』から……」
夏祭らむね:「同じなりたいと、『願った』から……」
夏祭らむね:「クユは……『死ぬべき』を……見つけたんだね」
クユ:「クユは、ただあなたの言うことを聞いていれば、それで"良い"?」
クユ:「それが、クユの"価値"、ですか?」
時雨:「──出過ぎたこと、です」
クユ:見ている。
時雨:「私にあなたの価値を、願いを決めることは、できません──」
クユ:クユは、”見つめるもの・怪人時雨"を、じっと。
時雨:「私は──死の無い存在を、見たことがない」
時雨:「だから、あなたの”欲しい”を測るものさしは──持って、いなかった」
時雨:「クユさん。私はずっと、あなたにいろいろなものを見せた。それは、あなたにものさしを持ってほしいからでも、ありましたが」
時雨:「本当は、私自身が、あなたを測れるような──基準を、ずっと探していたんです」
時雨:「──でも、あなたは私よりも、賢かった」
時雨:「私が悩んでいる間に、あなたは、クユさんだけのものさしを、もう、手に入れていたんですね」
クユ:「でも、納得はしていない」
クユ:「あなたたちは、どうにもこれが"嫌"みたいですね」
クユ:「でも、同じでしょう、クユがそれをやるのは、あなたたちと」
クユ:「見ていました、ずっと」
クユ:「錺、できるならば、それをやると」
錺 十也:「…………」
クユ:「河路、エリ。ナキは嫌がっていた、でもそれを無視してでも」
クユ:「やりたいと、やるべきだと、そう思ったからここにいる」
クユ:「何が違いますか」
クユ:「クユがそれをしてはいけない理由が、どこに」
"美食卿":『"欲しい"気持ちは、ここでは最も尊ばれるものだ』
"美食卿":『ああ、"誕生"を祝おう、クユ』
クユ:「なぜ……嫌なのですか?」
クユ:「なぜ、納得できない?」
クユ:「教えて下さい」
クユ:「あなたたちの欲を、クユにみせてください」
夏祭らむね:「……らむねは、わかんなかった」
河路 緑郎:「嫌なもんは」
河路 緑郎:「嫌なんだよ」
河路 緑郎:「合理性とか知るか。気分が良くない。寝覚めが悪い」
夏祭らむね:「クユが死なないのは……『欲しい』がないからで、手に入れたら……死ぬかもしれないって聞いて」
夏祭らむね:「クユの『欲しい』を手に入れて、クユが死ぬ存在になるのが、本当にいいのかな……って」
錺 十也:「……俺は、わからん。納得の問題ってのには弱いんだ。……でも」
錺 十也:「じゃあさ、でも、ナキを全員で止めたのだって、似たようなものじゃないか、って」
夏祭らむね:「でも……そうだね。誕生だ……死なないなら、生まれてもいなかった」
"クテン":「ゲホっ、……まァそりゃ」
錺 十也:「俺の納得がある。お前の納得がある。ぶつかることは、あるだろ」
錺 十也:「……むしろ。むしろさ」
錺 十也:「ぶつかって、嬉しいよ。クユ」
錺 十也:「状況がアレだけどな。ぶつかるってことは」
錺 十也:「『ある』ってことだもんな」
"クテン":「それこそ、納得の問題だろうよ」
"クテン":「自分がババ引いてでも仲間を助けたいってのと」
"クテン":「仲間にババを押し付けたくねェって気持ちと」
クユ:「それです」
クユ:「"おかしい"」
クユ:「"押し付けたくない"と」
クユ:「仲間とは、個人の領分を超えた問題に対処するために」
クユ:「相互扶助の考えのもと組まれる群体のひとつです」
クユ:「クユには、皆にはできないことが"できる"」
クユ:「それは、正しい役割で、正しい機能で……であるならば、やるべきです」
クユ:「クユは、仲間ではないのですか?」
畔戸笑理:(……)後方の会話を聞いている。
畔戸笑理:自分だって死をもって解決を図ろうとした。そうならなかったのは単に結果だ。
クユ:「仲間であるなら、それは決してなるはずなど……ない」
クユ:「"押し付け"などという表現には」
畔戸笑理:同じ“八人”であるクユが、自らそうしようと考えたのなら、自分はそれを止める気にはならない。権利もないだろう。
クユ:「クユの理解はこうです」
クユ:「何か、おかしな点がありますか?」
クユ:「あなた達がクユを仲間であると、認めるならば」
クユ:「言うならば」
クユ:「その責任から逃げることは、……」
クユ:「何か、とても嫌な気持ちです……嫌……」
クユ:「ああ、嫌なんですね、クユは」
クユ:「はじめから、連れ出すべきではなかった、あそこから」
夏祭らむね:「そんな、ことはないよ」
錺 十也:「……ああ、そっか」
錺 十也:「お前が嫌なものがわかった」くしゃっと笑う。
錺 十也:「仲間はずれ、だ」
夏祭らむね:「『欲しい』も『楽しい』も『面白い』も分からないで……『生きてない』のと」
夏祭らむね:「どっちがいいのかなんて……”納得”の話だね」
夏祭らむね:「”仲間”だから、クユが傷つくのは嫌なんだよ。でも、クユも”仲間”だから、仲間が傷つくのは嫌なんだね」
錺 十也:「嫌、だよな。一人で皆と違うの。お前はこっちに来るなって言われるの」
クユ:「……」
クユ:「ええ、きっと、はい」
クユ:「色々、貰いました」
クユ:「色々、たくさんを見て」
クユ:「クユはここにいます」
クユ:「あなたたちの"せい"だ」
錺 十也:「おかげと言え」わざと冗談ぽく。
クユ:「じゃあ、あなたたちのおかげだ」
"ラプトル":「……」
油舐ニャオ:「おい、おいさっさと殺せ!くっちゃべってるうちに!!」
"ラプトル":「いや、ちょっと待て」
"ラプトル":「あたしもあれが気になる」
"ラプトル":「"他人事"じゃあないもんでね」
"霊輿":「──かつて天にましました竜は、今は地にありて」
"霊輿":「堅き御骨を以て人を支え、尊き御血を以て人を扶け給う」
"霊輿":人払いのされた通りに、異相の男がゆっくりと現れる。
"霊輿":「我らの信仰の聖典には、そんな句があります」
"霊輿":「時雨さん」
時雨:目線だけを向ける。
"霊輿":「まず、あなたには深い感謝を」
"霊輿":「……と言っても、こんなときに言ったのでは、嫌味になりますか」
"霊輿":「あなたは今、惑っているのでしょう」
"霊輿":「彼女を引き取ってから──あなたは見てきたことでしょう」
"霊輿":「己の肉体にも、苦痛にも、──"死"にも頓着せず」
"霊輿":「簡単に、それを『与えましょうか』と言う彼女の姿を」
"霊輿":「時雨さん。生き様を見、死を見送るあなただからこそ」
"霊輿":「死を望まず、それでも死へと至る道を駆け抜けて往った人々を見てきたあなただからこそ」
"霊輿":「それを『自ら選ぼうとしている』彼女に、惑っている」
"霊輿":「そういうあなただからこそ、彼女の心を動かすことができた」
"霊輿":「空身に色を差し、消えた蝋燭に火を灯し、心臓に血を通わせることができた」
"霊輿":「死を"終点"として見てきたあなた──」
"霊輿":「いや。我ら人の身には測りがたいことですが」
"霊輿":「彼女にとっては、それが"始点"です」
千十嵐リンネ:「しかしまた、大の大人が雁首揃えて駄々こねて」
千十嵐リンネ:「その弱さも、かわいいものか?ん」
千十嵐リンネ:高層の縁に腰を乗せ、楽しげに眺めるは吸血鬼。
千十嵐リンネ:血のように紅いドレスと髪が、月下にはためく。
千十嵐リンネ:「誕生祭だ、祝いに来たぞ」
千十嵐リンネ:クク、と笑う。
千十嵐リンネ:「良いではないか、"共犯"は最も強い絆のかたちだ」
千十嵐リンネ:「度量を見せてはどうだ?」
錺 十也:じいっ、と妖魔の少女をバイザー越しに見つめる。
錺 十也:何かに気がついたように。
錺 十也:「……ああ、そっか。そうだ。なんか……思い出すと思ったんだ」
錺 十也:「お前見てると。そうだよな。よく似てる奴がいる」
錺 十也:「そいつ、錺十也って言うんだけどさ」
錺 十也:鏡を見るように、相手の目を見つめた。
錺 十也:「欠けてるものがあって、欲しくて、手を伸ばした」
錺 十也:「仲間。仲間を守りたかった。できることならなんでもした」
錺 十也:「……それが、俺のやりたいことで、全てだった」
錺 十也:「結果、魂はあっちに行っちゃった。まあ、気にしてない」河路緑郎を示す。
錺 十也:「お前がやりたいことも、そういうことなのかな」
錺 十也:「やっと、舞台に立ちたいって思ったのかな」
錺 十也:「なら……ならさ。ほんと、今頭ぐしゃぐしゃなんだけど」
錺 十也:「だったら、俺だけは、絶対、認めてやんないとだめだろ……!」
錺 十也:顔を歪めて、吐き捨てた。
錺 十也:「わかるって思うのは、俺の勝手だよ。俺はお前じゃない」
錺 十也:「河路は言ってた。『何を選んでも、悔やむことはある』」
錺 十也:「どっちだって同じなら、『やりたいこと』だろって。そう思うだけ」
錺 十也:「……その道は、全然楽じゃない。すぐに奈落に繋がるかもしれない」
錺 十也:「けど、お前が今花道を歩きたいと思ったんなら」
錺 十也:「俺は、追っかけてって、明かりで照らしてやる。それくらいしかできないけど」
錺 十也:「一世一代のやつ。なあ」
錺 十也:「何色がいい? それも、選べるといいな」
錺 十也:ふっと、力を抜いて苦く笑って。
錺 十也:「俺は、こう。こういう奴だから、こう思った。それだけ」
錺 十也:「みんなはみんなであってほしい」
錺 十也:「『当事者』として」
千十嵐リンネ:「ク、ク」
千十嵐リンネ:「ハハハ」
千十嵐リンネ:「なるほど、"ギャンブラー"が気にいるわけだ」
千十嵐リンネ:「良いではないか」
千十嵐リンネ:「でも惜しい、このリンネはもう少し愚かな方が好みだ、誘う気にはなれんな」
千十嵐リンネ:「ハハ……それで」
千十嵐リンネ:ぐるりと首を回し。
千十嵐リンネ:「どうする?"手"がいるか?」
千十嵐リンネ:「助けてやろうか?この千十嵐リンネが」
千十嵐リンネ:「"代わりに背負ってやろうか"と言っているのだ」
千十嵐リンネ:「なあ、"来訪者"に"敗北者"よ」
千十嵐リンネ:「今だ答えを出せぬ貴様らに代わり」
千十嵐リンネ:「なあに、このリンネ、いずれ世界を丸ごと救ってやろうというのだ」
千十嵐リンネ:「貴様らふたりなぞ物の数ではない」
千十嵐リンネ:「"助けてください"と口にしてみろ」
千十嵐リンネ:「今すぐ代わりに、手を汚してやろう」
河路 緑郎:「……余計な気遣いだ」
河路 緑郎:「人の舞台を奪わないでもらえるか」
河路 緑郎:「ああ、死ぬほど苦しいし怖いがね」
河路 緑郎:「それでも上がってんだよ、こっちは」
河路 緑郎:頭をかいてクユを見つめる。
河路 緑郎:「……正直、納得はできない」
河路 緑郎:「お前の言いたいことは伝わった……と思うし、他に手立てはないのかもしれんが」
河路 緑郎:「死ぬってのは、怖いことだ。自分が恐れているものを人に渡すのは」
河路 緑郎:「いくらお前がそうしたいと言っても、気分が良いものじゃない。理屈とか抜きでな」
河路 緑郎:「一つ約束してくれるか」
河路 緑郎:「お前がこのことで少しでも不利益を被ることになったら、手を貸させろ」
河路 緑郎:「仲間だからな。お前にも、幸せになってもらわなきゃ困るんだ」
河路 緑郎:「お前が自分たちを助けたために苦労してる、それなのに何もできない……なんてことになったら」
河路 緑郎:「笑理も哭輝も悲しむ」
河路 緑郎:「それを約束してくれるなら……頼む。仲間として頼らせてくれ」
クユ:「それこそ、"勝手にすれば"いいのでは?」
クユ:「ですが……契約が必要である、というのであれば」
河路 緑郎:「大事なんだよ、すり合わせってのは」
クユ:「ふむ」
河路 緑郎:「皆それぞれ、気持ちや思いが違うのは当たり前なんだ」
河路 緑郎:「今みたいにそれがぶつかることもある。そのなかで、互いが許せる妥協点を探る」
河路 緑郎:「誰かと一緒に生きるってのは、そういうことの連続だ」
河路 緑郎:「今言ったとこが、俺のできる妥協点。勝手にしろってんなら、させてもらうぞ」
クユ:「すり合わせ……つまり」
クユ:「後悔を減らしたいのですね、河路は」
クユ:「約束とは、そのために事前に打てる手立てだと」
クユ:「河路は、後悔をとてもたくさん抱えている」
クユ:「見ていました」
河路 緑郎:「……そうか」
河路 緑郎:「ああ、これは俺の手立てで……後は」
河路 緑郎:「勝手な誓いだ」
河路 緑郎:「契約成立、でいいか?」
千十嵐リンネ:「おい、"敗北者"」
河路 緑郎:「?」
千十嵐リンネ:「これは親切心だが、ソレとの"契約"は、貴様が思っているより大きな意味を持つ」
千十嵐リンネ:「あとになって、"知らなかった"では済まされない」
千十嵐リンネ:「後悔をしないための約束が、より大きな後悔を生む」
千十嵐リンネ:「そういう可能性も、ある」
千十嵐リンネ:「それでも、貴様は"選択"できるのか?」
クユ:「……そうなのですか?」
千十嵐リンネ:「ああ、そうだ」
河路 緑郎:「"知らなくて"後悔するのは」
河路 緑郎:「もうとりかえしのつかないもんを背負ってんだがね」
河路 緑郎:「……いや、正確には、これから一生で取り返すつもりなんだが」
河路 緑郎:「結局、どっちを選んだって失敗も、後悔もあるんだ」
河路 緑郎:「だったら少しでも納得できる道を行くさ」
河路 緑郎:「……忠告はありがたく受け取っておく。気をつけるよ」
千十嵐リンネ:「まったくもって……愚かだな」優しげに、微笑む。
クユ:「ええ、はい……では、約束しましょう河路」
クユ:「この約束は、クユがはじめて……自ら手にするものです」
クユ:「与えられたものではない、はじめての"持ち物"」
クユ:「ありがとう、河路」
河路 緑郎:「礼を言うのはこっちのほうだ」
河路 緑郎:「哭輝を助けるために、頑張ってくれてんだろ」
河路 緑郎:「ありがとう」
クユ:「それが河路の納得なのですね」
クユ:「時雨、いずれ時雨にも……クユの選択を納得して欲しい」
クユ:「なるほど、これも欲なのですね」
クユ:「クユは、きっとあなたたちのことが好きだから……」
クユ:周囲を、見回す。
クユ:「クテン、クユはたぶん嬉しく思います」
クユ:「ナキの隣にクテンがいたことが」
クユ:「クユは、あの闘技場でずっとひとりだったので」
クユ:「らむね、」
クユ:「らむねは……よく皆を"見て"いましたね」
クユ:「よく、目が合いました」
クユ:「クユも、皆を見ていたから」
夏祭らむね:「ベストショットは逃せないからね!」
夏祭らむね:軽い口調だが、その声色は優しい。
クユ:「錺、認められることはきっと嬉しい」
クユ:「クユにはまだ実感がありませんが」
クユ:「それでも、ありがとう」
錺 十也:「ん。いいよ、ゆっくりで」
錺 十也:「照らしてやるっつったろ。だから、コケんなよ」
クユ:「ええ、それでは」
クユ:河路緑郎に歩み寄る。その腕に抱かれた、ふたり。
クユ:「エリ、起きたら、また話しましょう」
クユ:「エリはクユのどんな質問でも、ちゃんと最後まで聞いてくれて」
クユ:「その答えがわからなくとも、ちゃんと思ったことを返してくれました」
油舐ニャオ:「ば……ヵ……か」
油舐ニャオ:「通るか、通るか通るかそんなもん!!」
油舐ニャオ:「異街のルール!竜のちから、絶大な魔力!?」
油舐ニャオ:「そうであっても"原則"からは逃れられない!」
油舐ニャオ:「呪術も魔法も仕組みは同じ、"誓約"は魂にすら食い込む強烈な呪いだ!」
油舐ニャオ:「それにナキは今意識が無い、本人の同意もなしに売買、交換や契約が成立するわきゃネェダロ!!!」
千十嵐リンネ:「そう、"原則"は、だ」
千十嵐リンネ:「だが"それ"は死すら超越する例外中の例外」
"ラプトル":「そうだな、おそらく……」
"ラプトル":「"それ"ならば……」
"霊輿":「ニャオさん。──いや」
"霊輿":「ここにいるあなたたちは、知ることになる」
"霊輿":「"美食卿"が事もなく『賠償金を払う』と仰った意味も」
"霊輿":「"ラプトル"様が『例外すぎる』と仰った意味も」
"霊輿":「千十嵐殿が"選択"の重みを忠告した意味も」
"霊輿":「──時雨さん、河路さん、畔戸さん、錺さん、夏祭さん、ナキさん、クテンさん」
"霊輿":「あなたがたが成し遂げたことの、偉大さも」
クユ:「ナキ……」屈み、顔を寄せる。
クユ:「それでは……」
クユ:「"いただきます"」
クユ:そう言って、ナキの首筋、わずかに残された肉肌へ、歯を突き立てた。
クユ:あなた達は、見る。
クユ:クユの喉が、前後に動き何かを嚥下してくそのさまを。
クユ:そう長い時間も経たず、口が離れる。
クユ:いつもは、陶器のようなその肌にほんのりと赤が差し、ほぅ、とひといき。
クユ:「"ごちそうさまでした"」
クユ:「ごめんなさい、少し、食べすぎてしまったかも知れません……」
河路 緑郎:「……何を、したんだ?」
"美食卿":『グェ、グェ、グェ、ハ、ハハハァハ!!』
"美食卿":『おめでとう、おめでとう!ああおめでとう!』
"美食卿":『手に入れたな、クユを』
"美食卿":『他人のものを、外のものを』
"美食卿":『閉じた美しい殻を破り、外界へと関わった』
"美食卿":『これからお前はどんどん、弱く、醜く成長していくだろう』
"ラプトル":「ナキの誓約に根ざす憎悪と愛のかけらを得た」
千十嵐リンネ:「そして、誓約破りの罪を得た」
"ラプトル":「罪、罪ねぇ……」
"ラプトル":「美食の、本当に違約金出してくれんだろうね、あたしペナルティは受けたくないんだけどさ」
"美食卿":『グェハ、ハ、ハ、心配するな、牙の』
"美食卿":『特別ボーナスまで出してやっていい』
"美食卿":『今日は、目出度い日だからねぇ』
油舐ニャオ:「ば……ばか……ニャ……」
油舐ニャオ:「本当に、移ったのか?誓約が」
油舐ニャオ:「そんなの……交換じゃない……簒奪じゃあないか……」
"クテン":「……は?」
"クテン":「い、いや、ちょっと待て」
"クテン":「今ので……もう、"誓約"を分奪ったてのか?」
"クテン":「いやそりゃ、ナキのことも、俺らのこともあるし、できるに越したこたァねェが……」
"クテン":「……できるもんなのか? 対価もなく一方的に、しかも意識のねェ相手に……」
"ラプトル":「できるわけないだろ、そんなこと」
"ラプトル":「ただ、できるわけないことが起きた」
"ラプトル":「それだけのことさ」
"ラプトル":「ん~~~」軽く伸びをする
"ラプトル":「じゃ、済んだみたいだし……あたしは失礼するよ。次の仕事がある」
千十嵐リンネ:「おう、そろそろお開きか」
油舐ニャオ:「終わ……り……?」
油舐ニャオ:「これで、全部?」
千十嵐リンネ:「しょげるなしょげるな」
千十嵐リンネ:「違約金が出るんだ、それを元手にもっと良いものを作れば良いだろう」
千十嵐リンネ:「私は愚かで頑張る奴を応援するぞ」
油舐ニャオ:「……あちしの……作品……」
千十嵐リンネ:「それよりいいのか、いつまでもそこで呆けてて」
千十嵐リンネ:「もうお前を守る仕込みは無いのだろう?」
油舐ニャオ:「ッ!?」
油舐ニャオ:慌てたように顔を上げ。
油舐ニャオ:「お、お、覚えてろ――――!!!」
油舐ニャオ:脱兎のように駆け出していく。
千十嵐リンネ:「ハハハ!アハハハハ!聞いたか?今の」
千十嵐リンネ:「悪党の覚えてろーー!だぞ、私はじめて生で聞けたなあ」
錺 十也:ざあ、と音がして、かなり欠けたが未だ無事なドローン群が油舐ニャオを追う。
錺 十也:その後を追って、走る。鎖を投擲する。
油舐ニャオ:「ギニャ、ニャ、ニャーーーーー!!!」
錺 十也:機械の群れが、羽虫のように纏わり付く。
油舐ニャオ:悲鳴と破砕音が遠ざかっていく。
夏祭らむね:「あっ逃げる気だ!」
夏祭らむね:妖魔黒羽を飛ばし後を追跡させようとする。
錺 十也:「……間に合うか……!?」
河路 緑郎:「無茶はするなよ」
錺 十也:大きくひとつ手を振って応える。
黒羽:漆黒の羽を羽ばたかせ、足をドスドスと鳴らし駆ける。
河路 緑郎:ようやく少し胸をなでおろし、息をつく。
河路 緑郎:無様に逃げていく女の背中を見送って
河路 緑郎:「……理由はどうあれ、経緯はどうあれ。あんた個人の好悪は置いておいて」
河路 緑郎:「見つけられたのは、あんたがきっかけだ」
河路 緑郎:「それだけは感謝しておく。……せいぜい早めに懲りろよ、『お嬢さん』」
河路 緑郎:おそらくは意味のないであろうことを、呟く。
千十嵐リンネ:「宴もたけなわだな」
千十嵐リンネ:「それでは皆様、御機嫌よう」
千十嵐リンネ:ドレスを翻し、闇へと溶けていく。
"ラプトル":「クユ……罪は、縁でもある」
"ラプトル":「それがお前に新たな話を結ぶだろうさ」
"ラプトル":「呪いとするか、祝福とするか」
"ラプトル":「決めるのは、人の"意志"だ」
"ラプトル":「じゃあな、また何処かの"仕事場"で」
"ラプトル":そう言って、女は歩き去る。
"霊輿":「さて」
"霊輿":「わたくしも、そろそろお暇致しましょう。聖女様がお待ちになっておられますゆえ」
"霊輿":「……皆様」
"霊輿":「返す返すも、深く感謝いたします」
"霊輿":「そして──」
"霊輿":「時雨さん。この島に来てくれたのが、あなたで良かった」
"霊輿":「しからば。ご縁があれば、またお会いしましょう」
"霊輿":「地にまします竜の、御導きがあらんことを」
"霊輿":深々と頭を下げ、踵を返して通りを歩いてゆく。
時雨:「──私で、良かったのか」
時雨:目を細める。落ち着きを取り戻していく大通りを、スクリーンを眺める。
時雨:「──評価をするのは、”演者”ではないか」
時雨:「せめて、励みにしましょう」
クユ:「クユが、最初にもらったのは」
クユ:「"見て"、"考える"ことです」
クユ:「あげたのは、時雨ですよ」
時雨:「──」クユさんの前に屈みこみます。
時雨:「クユさん、痛くは──苦しくはないですか」
時雨:「嫌な気分になっては、いませんか」
クユ:「……?」
クユ:「なにやら、胸がむかむかしますが……」
クユ:「これは、きっと……嬉しいことなんだと思います、ええ」
時雨:「そうですか──」微笑む。
時雨:「この先、あなたに何が起こるか──私たちに何が起こるか、わかりません」
時雨:「それでも私は、あなたと共にいたい。クユさん」
時雨:「最後まで見届けたい。そのために、あなたがまた、気分が悪くなってしまうかもしれない」
時雨:「それでも、いやではないですか?」
時雨:「つきあってもいいと──そう思って、くれるでしょうか」
クユ:「勝手に、すればいいのでは?」首をかしげる。
クユ:「それとも、約束が必要ですか?河路のように」
時雨:「──そうですか。」微笑む。
時雨:「いや、いいのです。約束も、誓いも必要ない」
時雨:「ただ、その気持ちに触れられただけで。いいのです」
時雨:クユさんの頭を抱え込み、髪を撫でる。
時雨:「ありがとうございます。クユさん」
時雨:「これからも、よろしくお願いします」
クユ:「んーー」
クユ:なにやらぐいぐいと時雨を押し剥がす。
時雨:「?」離れる。
クユ:撫でられた髪をぐしぐしと掻いて。
クユ:「なんか、変な感じ……」
クユ:「もうやらないでください、それ、クユ良いって言わないと……」
時雨:「嫌でしたか?」
クユ:「これが、嫌……?」
クユ:「ならたぶん、そう……」そっぽを向く。
時雨:「すみません。それなら、控えておきます」
草原コヨリ:「ほっ、とっ」
草原コヨリ:「っちょーーーおうッ!!」
草原コヨリ:しゅたりと着地。
草原コヨリ:「やーーー、途中から回線全部ぶっちぎれるしシャオちゃんおかんむり」
草原コヨリ:「何があったの?解決したん??」
時雨:「この場は凌いだ、といったところでしょうね」
河路 緑郎:「……これからだな、お互いに」
時雨:「ええ。でも、今は──」
時雨:「青の逆月亭の八人の、完全勝利です」微笑む。
草原コヨリ:「V!」
草原コヨリ:「これからかー」
草原コヨリ:「んー、でも」
草原コヨリ:「その様子だと、大丈夫そうじゃん」
草原コヨリ:カメラを構える。
GM:そこには、額を合わせ眠る、ふたりの姉妹。
GM:遠くで燃える炉が、その顔を照らし。
GM:そしてーー。
───────
真渕カヅキ:「通常であれば、ここの技術力でもってすぐに回復が見込めます」
真渕カヅキ:「ですが、ナキさんの場合、まず竜血を抜かなければ」
GM:病室の前、カヅキが説明を続ける。
GM:ガラス窓越しには、チューブに巻かれたナキの姿。
河路 緑郎:「治るのか?」
真渕カヅキ:「幸い"ここ"に拒否反応の無い代替パーツがあります」
真渕カヅキ:そう言って、自らを指差す。
畔戸笑理:黙って窓の内側を覗き込んでいたが。
真渕カヅキ:「これをゆっくりと入れ替えていき、段階を踏んで回復を見ます」
畔戸笑理:「……あなたは平気なんですか、それは」
真渕カヅキ:「無論これは私のものなので差し上げるつもりはありません」
真渕カヅキ:「なので回復後またゆっくりと取り替えて直していく遠回りな治療になりますが……」
真渕カヅキ:「そうですね、その際は元々の"真渕カヅキ"のパーツを彼女には差し上げましょう」
錺 十也:その会話を、少し離れた後ろでじっと聞いている。
錺 十也:家族の問題は、家族に任せるつもりだ。
真渕カヅキ:「ナキとカヅキの血と肉は既に馴染んでいる、おそらくうまくいくでしょう」
河路 緑郎:「身体をまるごと交換、か」
河路 緑郎:「……俺達からは何もいえんな、それは」
河路 緑郎:苦笑して錺を見る。
畔戸笑理:「……」視線を落とす。
畔戸笑理:自身の装いは既にいつも通りだ。服の下には包帯が残っているが、日常生活にはもう支障ない。
錺 十也:「……それは、そう」
錺 十也:……自分の中の、河路緑郎だった魂を思う。そいつにも少しだけ見せてやりたくて、それだけで来た。
河路 緑郎:「目を覚ました哭輝の意思も確認しなければならんが」
河路 緑郎:「生きていてくれるなら、それ以上はない……と思う」
真渕カヅキ:「傲慢ですね」
真渕カヅキ:「良いと思います、実に。"家族的"です」
真渕カヅキ:「そういえば、笑理さんは私の姉になってくれるそうですので」
真渕カヅキ:「あなたのことはお父さまとお呼びしても?」
真渕カヅキ:顔を間近に近づけて、耳元でささやく。
河路 緑郎:「な、なに?どういう……?」
河路 緑郎:「姉?いやほんとにどういうことだ……?」
真渕カヅキ:「私の口から言わせるのですか……?」
真渕カヅキ:いじけたように、口をとがらせて。
河路 緑郎:「笑理お前、どういう話をしたんだ……」
畔戸笑理:「……複雑ですね。とても」直接その問いには答えずに。
畔戸笑理:「こうなってしまうと……もう、ここにいる中で、どこからどこまでが家族なのやら」
畔戸笑理:少し無理に笑う。
錺 十也:「……俺はまあ、この中だと一番家族とは遠いと思うけど」
錺 十也:「……心配は、してっから。いろいろとさ。その」
錺 十也:「ちょっとずつ話してけば?」
錺 十也:少し口を挟んで、黙る。
錺 十也:(河路、エリさんがまあいろいろややこしいこととか、そんなには知らねえだろうしな……)
畔戸笑理:「錺さんは、興味はありません?」
畔戸笑理:「私たちの父親」
錺 十也:「んえ」
錺 十也:「……別に、なんか関係がどうだろうと、みんなが幸せならそれでいいよ」
河路 緑郎:「いちいち遠慮するこたないだろ」
河路 緑郎:「父とか子とか、そういうのに限らずとも」
河路 緑郎:「繋がってんだ」
錺 十也:「何? 俺引っ張り込まれんの? マジ?」
河路 緑郎:「なんだ、嫌なのか」
錺 十也:「嫌じゃない、けど」
錺 十也:「……居ていいのかな、と」
畔戸笑理:「まあ、父親はともかく」
畔戸笑理:「錺さんには助けられましたし、居て悪いなんてことはありません──いえ」
畔戸笑理:「居てほしいです」
畔戸笑理:じっと、正面からバイザーの奥の目を見つめる。
錺 十也:「…………」目を合わせた。口元は、少し笑っている。
錺 十也:「うん」
錺 十也:「ありがとう。エリさん」
畔戸笑理:「こちらこそ。この度はありがとうございました」
畔戸笑理:笑う。首を小さく傾けるようにして。
錺 十也:……少しだけ憧れていた。いろいろと、知っていることもあったが。それでも。
畔戸笑理:本当に嬉しそうに。
錺 十也:今は、もう、そういう気持ちではない。だけど、それだけに。
錺 十也:(ああ、よかった)
錺 十也:(笑えて、良かったな)
錺 十也:「お互い様だろ」
錺 十也:な、と河路を肘で突く。
河路 緑郎:「まったくだ」
河路 緑郎:「おつかれさん、"錺十也"」
錺 十也:「これからだろ、"河路緑郎"」
錺 十也:「俺はずっと傍で見てたから知ってるが」
錺 十也:「あんたの娘は両方、手強いぞ?」
河路 緑郎:「だろうよ」
河路 緑郎:「ああ、本当に」
河路 緑郎:「これだから大変だ」
河路 緑郎:「生きるってのは」
河路 緑郎:満足気に、笑った。
GM:皆が見ている。穏やかに眠り続けるナキの横顔を。
GM:まだ、みんなでは笑えないけれど。その時は、来るはずだ。
GM:きっと、そうだと信じて。
───────
GM:廃ビルの一室。
小鼠:「ふ……は」
GM:喜色いっぱいの小鼠に。その背後。
GM:夏祭らむねに、草原コヨリ、時雨、そしてクユ。
GM:正面には……。
油舐ニャオ:「あ、あの……シャオちゃん?」
油舐ニャオ:椅子にぐるぐる巻にされた油舐ニャオ。
油舐ニャオ:「ね、やめよ、今すぐこんな事」
油舐ニャオ:「たったひとりの家族じゃない!」
小鼠:「うっせーそこまで減らしたのお前ぢゃろがい!!!」
小鼠:ガンガンと椅子を蹴飛ばす。
油舐ニャオ:「ひーーーん」
夏祭らむね:「1が0になるところだ~っ」
草原コヨリ:「カメラバッチリ回ってますぜ、親分」
小鼠:「完全保存版でお送りしてやるよ、てめーが終わるとこをなーー」
小鼠:「意趣返しってやぁああつ??」
クユ:「拷問!処刑!!ク、クユにお任せ!」ガチャガチャと手元の電ノコを揺らす。
小鼠:「なんかお前キャラちがくない?こんなに元気だっけ?」クユを眺める。
夏祭らむね:「たのもしー!」
時雨:「あ、なるほど」
時雨:「ナキさんから貰いすぎたというのは──まあ、いいか」
クユ:「むおーー!!」雄叫び
時雨:「よく似合ってますよ、クユさん。えらい」髪を撫でる。
クユ:「勝手にさわんな!!」げしげしと時雨の足を蹴る。
夏祭らむね:「反抗期!」
時雨:「痛い」
夏祭らむね:「保険金ともらった違約金どっちが多くなるかなあ?」
小鼠:「お、おう……」
小鼠:「まあ、元気があるのはいいことぢゃん……」
時雨:「欲が感じられますから、個人的には嬉しいですが──」脛を擦っている。
夏祭らむね:「クユ~」小声でクユに囁く。
夏祭らむね:「なでなでするのは……子供扱いじゃなくて……好きだからってセンも……あると思うのだよ」
クユ:「えーーー!?」
小鼠:「さあ、お楽しみターイム!!!」
夏祭らむね:「処刑!拷問~~!」
GM:その時だった!外からサイレン音!
"ホテルマン":「あーー、あーーー!」
"ホテルマン":拡声器を手に、カジノの王"ホテルマン"。
"ホテルマン":「聞こえてるか―、君たちは包囲されている!」
"ホテルマン":「"ショベル・マン"の確保、それ自体は非常にありがたく思う」
"ホテルマン":「しかしその身柄はこちらで預からせてもらうーー!聞こえてるかーー!」
小鼠:「チィ!もう嗅ぎつけやがったか!」
夏祭らむね:「まだ指の一本も斬り落としてないのに~!」
油舐ニャオ:「あーーーん!あちしはここだよーーー!たすけてーーー!!」じたばた
時雨:「さすがの情報網ですね」
草原コヨリ:「オホホ、籠城戦??」
草原コヨリ:「燃えてきた~~~!」
夏祭らむね:「でもホテちんに預けたほうが面白い具合にチョーリしてくれるかなぁ?」
夏祭らむね:「どっちが面白いかな~?」
小鼠:「お祭り!正門!犬耳!裏門!鞄の爆薬は全部使っていい!!」
小鼠:「怪人は屋上見てろ屋上!!」
時雨:「クユさんは?」
夏祭らむね:「やった~~!爆弾だ~~!」
クユ:「クユはっ、クユはっ!」息荒く。
小鼠:「そこのバカの口塞いでろ!」ガムテープを渡す。
クユ:「うおーー!塞ぐ!」
油舐ニャオ:「あ、やめ、やめて!クユちゃん、あとで飴ちゃんあげるから!!」
時雨:「それは良かった。やりたいように」微笑む。
夏祭らむね:「体中の穴という穴をふさいでやれ~!」
クユ:「いらない!!」ぐるぐる。
カジノ・エージェント:「"ホテルマン"、隣のビルから侵入しようとした先遣隊が……罠で行動不能に!」
"ホテルマン":「ふぅむ、やはり徹底抗戦の構えか……」
"ホテルマン":「よし、じゃあやろっか、楽しく遊ぼう」
"ホテルマン":「突撃ー!」
カジノ・エージェント:「うおーーー!突撃ーーー!!」
異街の住民:「なんだなんだ」
異街の住民:「またやってるよ」
異街の住民:「どっち勝つかな」「賭ける?」
"ホテルマン":「お、賭け?良いねえ」
異街の住民:「いやアンタが乗ってくるのは変だろ」「そうだそうだ」
"ホテルマン":「ちぇ」
小鼠:「クソっ……クユ!バズーカもってこいバズーカ!!その袋に入ってる!!」
クユ:「バズーカーーー!!!」
夏祭らむね:「ぎゃーっ思ったより爆薬の量が多い!」
油舐ニャオ:「むーーーーーぐーーーーー!!!」
夏祭らむね:「爆発オチなんてサイテーーー!」
GM:爆音、轟音!
GM:危険に反してワラワラと集う野次馬たち。
GM:そう、これも異街のイチ風景。
GM:変わらない街で変わらない喧騒が今日も鳴る。
小鼠:「うおらーーーー怪人!上から抜けてきてんぞ!!!」
時雨:「ふふ、任せておいてください」
時雨:「ふふ、はははっ!」喧騒に飲まれ、楽しそうに、笑った。
───────
ED1 夏祭
夏祭らむね:希族街。すっかり馴染みとなった、噛むと悲鳴を上げる飲茶を食べ歩きながら、
夏祭らむね:らむねは携帯端末を睨んでいた。
夏祭らむね:「やっぱり切り抜き動画は人気あるな~……」
夏祭らむね:「クテンはもう見た?」
夏祭らむね:そう言って隣を歩くクテンに端末を見せる。l
夏祭らむね:https://www.youtube.com/watch?v=N9lla_dUHOU
夏祭らむね:「この前の配信、切り抜きして編集したやつ」
夏祭らむね:「劇団時雨羨ましいなー、ひとりで何人ものダンス動画つくれるもんな」
"クテン":「ああ、これアレか……アイツが姿変えてんのか」
"クテン":身を屈め、端末を覗き込んで目を瞬く。
"クテン":「あんとき別動隊やってたお前らと俺らが一緒に映ってるから何かと思ったぜ」
"クテン":「ま、切り抜きってのは気軽に見られるからな」
"クテン":「俺らが配信やってたときも作られてたもんだ。見てるヤツもそんな多かなかったはずなんだがな」
夏祭らむね:「んふふふふ……」
夏祭らむね:「面白かったからね!」
夏祭らむね:「面白いと切り抜き作りたくなっちゃうからね!」
"クテン":「へ、そうかい」その良いとは言えない人相に小さな笑みを浮かべる。
"クテン":「カザリの泥酔集だの、エリの囁きシーンだの」
"クテン":「そんなんが多かったなァ。……あとはアレか」
"クテン":「食レポのヤツ……」
夏祭らむね:「んふふふふふふ」
夏祭らむね:「お腹壊さなかった?」
夏祭らむね:「色々食べてたけど!」
"クテン":「いや腹は壊さなかったけどなァ」
"クテン":「俺のコメントがワンパすぎるってんで、それまとめたやつが作られたり……」
"クテン":「あとアレだ、木」
"クテン":「なんか俺に執拗に木を食わせようとするヤツがいてよ」
"クテン":「それで食う羽目になったんだが」
"クテン":「まァなんか……ウケたな……結構……」
夏祭らむね:「………………!」
夏祭らむね:「ふふふふふ…………」
夏祭らむね:「んふふふふふ~~」
"クテン":「なんつーか、俺はあん中だとファン──」
"クテン":「つったら大げさだが。まァ言及されることがそんな多い方じゃなかったからよ」
"クテン":「絶対食えねェっつーほどのもんでもねェし、そんならまァ……やってみるか……? みてェな感じで」
"クテン":「あんときも言ったが、『頑張れば飲み込めるが、ウマくはねェ』」
夏祭らむね:「えへ、えへへへへ」
夏祭らむね:「ありがと!覚えててくれて」
"クテン":「あ? ……」
"クテン":「お前まさか……」
夏祭らむね:「そう、あの時食べられた木です」
夏祭らむね:「かたき討ちに来ました」
"クテン":「食べられた木だったら敵討ちとは言わねェだろ! 復讐だただの!」
夏祭らむね:「食べられた木が復讐に来たら納得するの???」
"クテン":「納得はしねェよ!」
"クテン":「……あ~、まァな」白い短髪を掻き、小さくため息をつく。
"クテン":「木を食わされたのはともかく」
"クテン":「……お前、食ってみせた後によ」
"クテン":「礼のコメントしてただろ。結構嬉しそうによ」
"クテン":「アレは割とな、悪くなかった」
"クテン":「……いや」
"クテン":「嬉しかった、っつっても、良いかも知れねェ」
"クテン":「内容が内容だからな。そんな本気で言ってる訳でもねェんだろうと思ってたし」
"クテン":「まァせっかくの指名だしやるか、くらいなもんで、そんな反応があるとも思っちゃいなかったんだが」
"クテン":「……あんな下らねェことでもよ。自分でやったことで、あんだけ喜ばれるってのは」
"クテン":「割と、嬉しかったよ」
"クテン":苦笑を浮かべ、彼女の頭へ手を乗せる。
"クテン":「……それはそれとして、アレ以降石食え土食えとか言うコメントが増えたのはお前のせいだけどなァ!」
夏祭らむね:「……えへ、へへへへへ…………」
夏祭らむね:文句を聞き流し、頭に手を乗せられくすぐったそうに微笑む。
夏祭らむね:「……あの時のらむねは、世界にひとりぼっちな気がしてて」
夏祭らむね:「匿名の一人だったとしてもらむねの声を聞いてくれる人がいるのが、嬉しくて」
夏祭らむね:「らむねだからってワガママ聞いてくれたのが、本当に嬉しかったんだ」
夏祭らむね:「……うぃんうぃん!がしゃーん!」
夏祭らむね:照れたように軽くパンチをする。
しまモン:『ガシャーン!』
しまモン:真似してパンチをしようとして空回り。
しまモン:拳の落ちた地面はドゴォ……と地響きを立てる。
"クテン":「……オイなんだあのパワー!」
"クテン":「そもそもなんで酒のゆるキャラがDNA採取したり重量級のパンチしたりしてんだよ!」
夏祭らむね:「……お得だから?」
夏祭らむね:「色々できたら便利!」
"クテン":「色々の範囲が広すぎんだろ!」
"クテン":「ゆるキャラに利便性求めることあるか!?」
夏祭らむね:「でもらむねは飲んだことないけどお酒飲んだらなんでもできるって人もいるし?」
夏祭らむね:「そういうのを表しているのかもしれない?」
夏祭らむね:「今度ひっそりお酒飲ませてよ~」
夏祭らむね:「外の世界のホーリツなんてかんけーないもんね~!」
"クテン":「確かにここじゃァ法律なんざあってないようなモンだが」
"クテン":「身体にゃよくねェからやめとけ。せめて18くらいまでな」
"クテン":「それよか、呑んでクダ巻いてる連中を撮った方が面白ェだろうさ」
"クテン":「そのうちお前が酔っ払うときゃ、俺たちが撮ってやるよ」
夏祭らむね:「ケチケチ~っ、20も18も15も10も5も変わんないじゃん~っ」
夏祭らむね:「らむねももうオトナなのに~!」
夏祭らむね:「……でも、何年も先も一緒に居てくれるつもりってコト?」
"クテン":「四捨五入を無限に適用すんな!」
"クテン":「……はァ、だがまァ」
"クテン":「そういうこった。お前はもう"八人"だし──」
"クテン":「……"一番"、だからな」
夏祭らむね:「………………」
夏祭らむね:「………………えっ」
夏祭らむね:「そ、それ…………って…………」
夏祭らむね:「……………らむねを…………クテンの、特別な……一番に、してくれるの…………?」
"クテン":「あ~、まァその、な……」
"クテン":誤魔化すように眉間を押さえたり、視線を泳がせたりした後、観念したように彼女を見つめる。
"クテン":「まァなんだ……この前の戦いんときによ」
"クテン":「走馬灯じゃねェが、ちっとばかり昔のことが頭に浮かんだりしてな」
"クテン":「本土にいた頃の忍務だの、上司だったイカれ博士の面だのを思い出して──」
"クテン":「そんなモンに命駆けるよりゃ、俺ら"八人"のために戦ってる今の方がよっぽど良いやと」
"クテン":「思ったときに……ふと、過ぎったんだよ」
"クテン":「お前のことが」
"クテン":「"八人"だから思い浮かべんのは、まァ当たり前っちゃ当たり前なんだが──」
"クテン":「なんつーのか……なんか、ちょっと違ェんだよな」
"クテン":「"八人"でバカやんのはもちろん楽しいが」
"クテン":「……お前が作った玉子焼き」
"クテン":「なんだか分からねェが、あの味を思い出して」
"クテン":「桜エビとか、チーズとか、ハムとか。いろんな具があったなとか」
"クテン":「ウマかったからまた食いてェなとか」
"クテン":「……食ったときのお前の笑顔とか」
"クテン":「思い浮かんでな。……そういうのも、悪くねェと」
"クテン":「いや」
"クテン":「良いかもなと、思っちまったんだよ」
"クテン":「俺自身、まだ理解しきれてるとは言えねェが」
"クテン":「多分コレが、"特別"ってことなんだろうと、思う」
"クテン":「まァその、なんだ」
"クテン":「……よろしく頼む」
夏祭らむね:「………………!」
夏祭らむね:「………………へへ、えへへ………………」
夏祭らむね:「……らむねがひとりでも、誰も気にしなかったのに」
夏祭らむね:「非常時に……らむねのことを、ひとり特別に思い出してくれたんだね」
夏祭らむね:「……リンネちゃん様のライブ、らむねも行ってみたい。ナキも一緒がいいな」
夏祭らむね:「またホテちんと遊びたいし……その時はカザちゃんも一緒がいい」
夏祭らむね:「竜の心臓食べなきゃいけないから見つけるの笑理にも手伝ってもらいたいし……」
夏祭らむね:「ケロちゃんも娘たちを養う父親として頑張ってもらいたいから、借金返すのテキトーに手伝いたいし」
夏祭らむね:「クユはなんか、めちゃくちゃ元気になったから。色々なものを見てじょーちょを育んで欲しいし……」
夏祭らむね:「その時は絶対時雨も一緒がいいよね」
夏祭らむね:「その全部に……そしてその時以外でも」
夏祭らむね:「クテン。きみに一緒に居てほしいよ」
夏祭らむね:「…………ふふ、ふふふっ、”特別”!」
夏祭らむね:「らむねとクテンのふたりでなら……なんでもできる気がする!」
夏祭らむね:「夢はでっかくぅ~~~!!」
夏祭らむね:「全平行世界征服~~~!」
夏祭らむね:「……こちらこそっ!よろしくお願いします!なのだよ!」
"クテン":「夢がデカすぎるだろ……だが、まァ」
"クテン":「夢がデケェのはいいことだ。へっ」
"クテン":「……ああ、そうだな」
"クテン":「言われてみて腑に落ちた。俺が思ってたのも、多分それだ」
"クテン":「お前──ラムネに、居てほしい」
夏祭らむね:「み、む、む」顔を赤く染める。
"クテン":「俺の人生に、お前がいると、嬉しい」
"クテン":「俺の望みは、それだ」
夏祭らむね:「あわわわわわ……」
夏祭らむね:真っ赤になって、手にしていた妙な飲茶をぽろりと落とす。しまモンがキャッチする。
夏祭らむね:もごもごと、言葉にならない言葉を繰り返し。
夏祭らむね:「……らむねが、こんなに必要としてもらえるなんて、思わなかった」ぽつりと呟き。
夏祭らむね:「……でも、らむねもおんなじ!」
夏祭らむね:「人生……に、クテンがいてほしい!」
夏祭らむね:「よろしく……おねがいします」
夏祭らむね:小さな声で呟き、指の先まで真っ赤に染まった右手を差し出す。
"クテン":「あァ。……なんか改めて言うと、ちっと照れくせェが」
"クテン":鋭い眉を八の字に曲げ、面映げに笑って、その右手を握り返す。
"クテン":「よろしくな。ラムネ」
夏祭らむね:……助けてくれて、ありがとう。
夏祭らむね:でも、ただその感謝という、それ以上に……
夏祭らむね:「……好き、だよ」
夏祭らむね:ほんの少しの心細さと、それと比べ物にならないほどの幸福を覚えながら。
夏祭らむね:微笑んだ。
───────
ED2 畔戸
GM:あれからしばらく、嘘のように何もない日々が続いた。
GM:10日ほど眠り続けたナキはある日パチリと目を覚ました。意識は明瞭で見舞いにも問題なく受け応えた。
GM:ただ、あの日に、それ以前に対しての言及は避け、皆も無理に追求することはなかった。
真渕カヅキ:『そろそろ、歩いてみても良いでしょう』
真渕カヅキ:『それが馴染んでいるか、確かめる必要もあります』
GM:そうして、
ナキ:久しぶりに外の、月の光を浴びている。
ナキ:街を、歩く。靴の裏からかえる硬い感触。
ナキ:新しい身体に問題は無い、そう思える。
ナキ:だが小うるさい"家族"がどうしても自分に診せろといって聞かないのだ。
ナキ:予め聞いていた道を通り、目的の場所へと辿り着く。
ナキ:「(でかい家だな……)」
ナキ:ひとりでは、持て余すだろうに。
ナキ:呼び鈴を鳴らそうと伸ばした腕、寸前で固まり
ナキ:「……」
ナキ:「やっぱ帰ろ……カヅキから言ってもらえばいいだろ……」
ナキ:うんうんと頷きながら、ぐるりと反転。
ナキ:そして目が合った。
畔戸笑理:目と鼻の先、黒衣の女が立っている。
畔戸笑理:俯き加減にした顔の、目元にかかった黒髪越しに、榛の瞳で見上げるようにして。
畔戸笑理:「……よかった」
畔戸笑理:「来てくれたんですね」
畔戸笑理:隙間風のような囁き声で、言う。
真渕カヅキ:「でも帰ろうとしてましたよ、どうやら」隣に、真渕カヅキ。平時と変わらぬ涼し気な様子。
ナキ:「う、ぐ……」逃げるように後ずさるが、背後の先は扉だ、袋小路。
畔戸笑理:「そうなんですか?」
畔戸笑理:「ここまで来ておいて……?」
ナキ:「い、や……いないみたいだったし……」しどろもどろ。
真渕カヅキ:「呼び鈴、鳴らせてませんでしたよね」
畔戸笑理:「……」
真渕カヅキ:「それよりいつまでもそんなところに張り付いていたら私たちが入れませんよ?」
ナキ:「え、あ……」
畔戸笑理:話の通じない暴走ぶりと、今のこの煮え切らない態度。変化の証左か、こちらが本性か──と考えて。
畔戸笑理:「そうですね」
畔戸笑理:ゆっくり見て行けばいいか、と結論する。
畔戸笑理:「遠慮なく。夕飯の時間は過ぎてしまいましたが」
畔戸笑理:距離を詰め、妹の肩を抱き寄せて。もう片手で扉を開ける。
畔戸笑理:「いらっしゃい、ナキ」
───────
GM:かつて畔戸耕一郎が集めた、本と黴との匂いで満たされていた書斎は今は薬品の匂いで上書きされている。
ナキ:椅子の上、キョロキョロと落ち着きのない様子で周囲に目を泳がせながら。
ナキ:「だいたい……カルテ見せてもらったんだろ……あっちもプロなんだしさ……」
ナキ:「わざわざ診なくても……」
畔戸笑理:「……信用はしていますけど。カヅキさんが紹介してくれた病院ですし」
畔戸笑理:「でも……」
畔戸笑理:少し視線を彷徨わせて。
畔戸笑理:「……心情というものだってあるでしょう」
ナキ:「……」
畔戸笑理:思い出す。兵器の如く改造された身体。そこから流れ出す大量の赤と金。
畔戸笑理:自分で確かめなければ、どうしてもあの時見たものが瞼の裏に残りそうで仕方がない。なので──
畔戸笑理:「では、脱いでください」
ナキ:「う、うん……」
ナキ:促されるままに上着を脱ぐ。
ナキ:真っ白な肌が夜気に晒される。かつての黒ではなく、陶器のような、白。
真渕カヅキ:「なんか恥ずかしいですね」
真渕カヅキ:「私、身体が弱くあまり外にも出なかったもので……」
ナキ:細く、青白く、頼りがない。
ナキ:かつての甲虫のごとき身体であれば、ここにいるふたりなどものの数秒でねじ伏せる自負がある。
ナキ:「(ああ、負けたのだな……)」
ナキ:改めて、実感する。
畔戸笑理:「こちらが……本来の、カヅキさんの体」
畔戸笑理:傍らに立つ彼女を横目で見遣る。入れ替え前に出会っていれば、確かにずいぶん印象が違ったかもしれない。
畔戸笑理:考えながら、ナキの左腕を取る。
真渕カヅキ:「お目汚しを……」
真渕カヅキ:「まあ、それはあくまで代替品ですので」
真渕カヅキ:「ナキさんがエージェントとして復帰していくならば、交換や改造は必要になっていくでしょう」
真渕カヅキ:「ですが今は絶対安静ですので、都合が良いのではないでしょうか」
ナキ:「ぅーーーー……」腕を、されるがままに。
畔戸笑理:二の腕を指で軽く押し込み、肘から手前に掌を滑らせ、拳を握らせたり開いたりさせて。
畔戸笑理:(……私みたいに、使える血も、あったとしても残ってはいないだろうし)
畔戸笑理:「将来的には仕方ないかもしれませんね……感覚が鈍かったりはしませんか?」
畔戸笑理:「動かすと痛みがあったり、痺れたりは?」
ナキ:「前のに比べるとだいぶ鈍いけど、そりゃスペックが違うし……」
ナキ:「痛みや痺れなんかはないよ」
ナキ:「ねえ、どうすりゃいいの……ナキ」出し抜けに。
ナキ:「ナキは敗者なわけだけど……」
ナキ:「どうして欲しいわけ?」
ナキ:「謝れと言われたら謝るけど……ナキ自主的にはしないよ」
畔戸笑理:「よかった……どう、とは?」首を傾げる。
ナキ:もごもごと歯切れ悪く。
畔戸笑理:「言った通りですが」
畔戸笑理:「覚えていませんか? 記憶の方に影響が残っているのかな」
ナキ:「は、はぁ?」
畔戸笑理:「末っ子にする、と言いました」
畔戸笑理:淡々と。
ナキ:「……あ」
ナキ:ガタンと、立ち上がろうするも。
ナキ:「(腕の力……つよ……)」
ナキ:固定されたかのように動かない。
ナキ:「(いや、ちがうこれ……ナキが弱いんだ……)」
ナキ:逆に、椅子のほうが倒れ。ぶらりと膝立ちで吊り下げられるようなかたちになる。
ナキ:「いや……あれ……本気で言ってんの?」
畔戸笑理:「本気も本気です」
畔戸笑理:「せっかく勝ったし、勝者の権利はじゅうぶんに使わせていただたこうかと」
ナキ:「いや、おかしいだろ……姉妹だぞ、か、家族だぞ!」
ナキ:口にすまいと思っていたことだが、ついつい出てしまっている。
真渕カヅキ:「おかしいですよね」
真渕カヅキ:「でも、それが笑理さんですので」
畔戸笑理:「ええっ。カヅキさんまで」ショックを受けたかのように言うが。
畔戸笑理:姉妹、との言葉が出たことに、口角が上がる。
ナキ:「お、お前はそれで良いのかよ!?や、やめっ」じたばたともがく。
畔戸笑理:絡め取るように抵抗をいなし、易々と細い体を抱き上げて。
畔戸笑理:「では、ええと」
畔戸笑理:「行きましょうか……寝室」
畔戸笑理:そこだけは恥じらう乙女のように、頬をほのかに染める。
───────
ナキ:シーツに皺を作りながら身を捩る。
ナキ:「や、やめろぉ……狂人!変態!異常性欲者!!」
ナキ:「それにお前もなんで見てるんだよ!」
真渕カヅキ:「あ、おかまいなく」
真渕カヅキ:「今後の参考になればと」
ナキ:「何の参考だよ!」
ナキ:「揃って頭おかしいよ!お似合いだよお前ら!!」
ナキ:ぴいぴいと囀る。
畔戸笑理:自身も黒衣を横に脱ぎ捨て、白い肌着の上下のみになって、ナキの上に覆いかぶさる。
畔戸笑理:ペットに頬擦りでもするみたいに、体温を伝え合いながら。
畔戸笑理:「いいんですか? カヅキさん」
畔戸笑理:「遠慮はいりませんよ。優先すると言いましたもの」
ナキ:「ン~~~~」全身をこわばらせ、ちいさく震える。
真渕カヅキ:「ううん、そうですね……」
真渕カヅキ:「でも私個人としては別にナキさんに特別執着はありませんし」
真渕カヅキ:「性的欲求という性質も特段所持していませんので……あ、笑理さんが触ってくれるのは嬉しいですよ?」
真渕カヅキ:「それが不満だと言うなら今度脳をいじってもいいですが」
畔戸笑理:「そ、そこまではしなくていいです」ふるふると頭を振る。
畔戸笑理:「でも、それなら……あ、そうだ」
真渕カヅキ:「手がいるというならお手伝いしますが」
畔戸笑理:「いえ。ちょっと思いつきました」
畔戸笑理:するりと、ナキの胸を覆う薄絹を剥ぎ取る。
畔戸笑理:青白い色をした小さな膨らみを空気に晒し、
畔戸笑理:その先端の突起をぱくりと口に含む。
ナキ:「ッ~~~~!!」
ナキ:それを押しのけようと細腕で笑理の頭を押しやるが、あまりに非力。
ナキ:ぶるぶると震えて、涙すら浮かべ、しまいには押してるはずが癖のついた笑理の黒髪をぎゅうと握りしめる。
ナキ:「ゃめ……やめぇ……」いやいやと頭を振って、なすがままに。
畔戸笑理:唾液をまぶし、舌先で捏ね回す。その度に、自身の頭に触れる手が震えるのが分かる。そして。
畔戸笑理:そのナキの感覚が、そのまま、触れられていないカヅキにも生じる。
真渕カヅキ:目を白黒としばたき、ほんのりと紅く染まった顔で。
真渕カヅキ:「フッ……ゥ、こ……れは?」
畔戸笑理:口を離して振り返る。昂揚か酸欠か、こちらの顔も少々色付いている。
畔戸笑理:「……特技、です」
真渕カヅキ:「え、えぇ……??」
畔戸笑理:「複数人のお相手をする時に、よく喜んでもらえたので」
畔戸笑理:「試してみました。うまく行ったようで何よりです」
ナキ:「も、……もお……終わった?」
ナキ:荒い息を吐きながら、ぐったりと。笑理の下から声。
畔戸笑理:原理としては、奥義と同じだ。自身の揮発した体液を媒介にした心身の制御──それによる同調。
畔戸笑理:自分以外のふたり、に対してそれをするのは、やや慣れない形ではあったが。
畔戸笑理:「もちろん」
畔戸笑理:「これからちゃんと始めるところです」
ナキ:硬質な、無機物的な印象を与える屍肉の身体であるがその胸はゆっくりと蠕動し、口は酸素を求めて開く。
畔戸笑理:言って、下肢の下着もまたあっさりと抜き取る。
ナキ:硬さの中に、僅かだがしっかりと柔らかなものが混じり。
ナキ:生きているのだと伝えてくる。
ナキ:「やーー、かえ、してっ!」
ナキ:ふにゃふにゃと幼子のように追いすがるが。まるで抵抗もできず褥へと縫い付けられている。
畔戸笑理:あしらいながらその様を見る。
畔戸笑理:非力で血色が悪く、おそらくは実年齢に比しての発育も十分ではなかったのだろう体。
畔戸笑理:ナキと自分は双子ではあるけれど、今は明確な体格差が見て取れる。それは、妹、という認識を刻み直させるもので──
畔戸笑理:「……ふふ」
畔戸笑理:自身もまた肌着を脱ぎ去り、裸身を晒してナキを押さえ込む。
畔戸笑理:弱々しい少女の上に、白く曲線を描く女の肢体が重なり、遮るものなくその感触を共有する。
畔戸笑理:無論、カヅキに対しても。
真渕カヅキ:ふうふうと荒く息を吐きながら、ふたりの痴態へと釘付けに。
ナキ:「う”ぅ~~~、見るな"ぁーーー!!」
ナキ:懲りもせず、じたばたともがく。
畔戸笑理:「あんまりはしゃがないで」
畔戸笑理:その口を、柔らかいもので塞ぐ。
畔戸笑理:自身の唇。
ナキ:「んぐッ、フっ、ぁ……」
畔戸笑理:片腕で抱え込むようにして頭を捕まえ、もう片手は下方へと伸ばされて。
ナキ:ぎゅうと目をつむり、掴む寄る辺を求める細腕がシーツをまさぐる。
畔戸笑理:足の付け根にある一本の筋を、細い指先でするりと撫でる。
ナキ:「(もうっ……わけが、わから……)」
ナキ:あたまも、からだもぐちゃぐちゃだ。
ナキ:抵抗すら奪われて、差し出される生ぬるい液体を命じられるままにこくこくと嚥下し、
ナキ:気持ちが悪い、はずだ
ナキ:ナキは肉が嫌いだ。利用される、奪われる、搾取される。
ナキ:値札がついているようで、嫌っている。
ナキ:平時より感覚が鈍いことは、幸か不幸か。
ナキ:蹂躙されている、嫌なはずだ。
ナキ:しかし嫌悪感の中に、どうしても交じるもの。
ナキ:笑理の、姉の肌の、決して高いとは言えない体温が、肌に熱を痺れを呼び起こし。
ナキ:「(いやだ、いやだ、きらいだ)」
ナキ:頭はしっかり駄々を捏ねているが、身体がそれに従わない。
ナキ:わけがわからなかった。
畔戸笑理:その懊悩を知ってか知らずか。
畔戸笑理:「……哭輝」
畔戸笑理:「また私の前に現れてくれて、ありがとう」
畔戸笑理:頭を捕らえていた腕は、いつの間にか、自身と同色の髪を撫でる動きに移っていて。
畔戸笑理:慈しむ微笑を湛えて見下ろし、同時。
畔戸笑理:秘所を繰り返しなぞっていた指先が、頃良しと見て、その内側に潜り込む。
ナキ:混乱した頭がそれを許しと捉えたのか、目を細め、無意識に頭を擦り付けるように。
ナキ:完全に油断しきった意識の隙間に、それがねじ入れられて。
ナキ:「ッ―――――――!!」
ナキ:ぱくぱくと、呼吸に喘ぐ夜の魚のように。
畔戸笑理:頭を撫でながら、逆の手は解すような愛撫を続ける。
畔戸笑理:指は入口からごく浅い部分で留まって、ゆっくりと。奥底から染み出してきた液体を、襞のひとつひとつに塗り込む風に。
ナキ:「なんっ、でっ、どっ……して……やめっ、くれないっ……」
ナキ:ぐすぐすと泣いて、とうとう目の前にしがみつきすらして。
畔戸笑理:「気持ちよくなってほしいの。哭輝に」
畔戸笑理:「大丈夫。怖くない」
ナキ:肉は嫌いだ、肝心の自分の命令すら聞いてくれない。
ナキ:「ん~~~~」頭を振る、振ろうとするもしっかりと押さえつけられたそれは微動だにせず。
ナキ:ただ成すがままに、鼓膜に優しげな聲が染みていく。
ナキ:「やだ、こんなのぜったい気持ち悪い!!」
ナキ:そのはずだ。そのはずなのに。
ナキ:「ほんっ……とに、こわかっ……とき……」
ナキ:「いて……くれ……かった、くせ……に」しゃくりあげる。
畔戸笑理:「ごめんね」
畔戸笑理:「一緒のところに行ければよかった。私が守らなきゃって思うんじゃなくて」
畔戸笑理:「もっと哭輝に頼って、助け合う気でいた方が」
畔戸笑理:「こんな風にならなかったのかも」
ナキ:どうして、こんなことになってしまったんだろう。
ナキ:逆であれば、良かったのか。
ナキ:それも、きっと違う。
ナキ:一緒のところに……。
ナキ:ああなる前に、ふたりで勇気を振り絞って、あの女のところから逃げ出して。
ナキ:きっと何処へでもいけたはずだ。
ナキ:「(ふたりなら……)」
ナキ:結局、弱虫な姉だと見下して、肝心なところまでその強さに気づけ無い。
ナキ:自分の幼さや弱さ、それも悪かったのだろう。
ナキ:「(でも、悪いことなのかな、子どもが、弱くて幼いのは)」
ナキ:でも、今は違う。強くなった、はずだ、互いに。
ナキ:でも目の前の姉はこんなに強くて、自分はこんなにちっぽけで。
ナキ:「ぐっ……ず……」色んな液体でぐちゃぐちゃになった顔面を乱暴に拳で拭い。
ナキ:「ずッ、るいぃ~~~!!」
ナキ:「なん、そっ、な……んぐ……」
ナキ:「優し……んぐ……触る”、な”ぁ……」
畔戸笑理:「ふうん?」
畔戸笑理:不思議そうな表情を浮かべたのは刹那。
畔戸笑理:濡れ光り固くなった胸の先に口づけ、今度は強く吸い上げる。
ナキ:「んぎゅっ、ふっ」
ナキ:「そっ、ゆっ、い……みじゃっ……!」
畔戸笑理:「んん?」
畔戸笑理:「ひゃあ、ほういういみ?」咥えたままで不明瞭に言って。
ナキ:「ん”う”ぅ……わがんない……」
畔戸笑理:下半身へと伸びていた指が、暴かれ濡れそぼった谷間の上、露わにした秘核をぎゅうと押し込む。
ナキ:「わがんな"いよぉ……」
ナキ:頭がしびれる。足の指が自然とピンと張り、
ナキ:気持ちの悪いはずの肉の交感で、心は制御不能に荒れ狂って。
ナキ:気づけばただただ許しを請うことしかできずに。
ナキ:自主的には、謝らない。そんなことを言っていたはずなのに。
ナキ:「ごめっ……なさっ……ゆる……」
ナキ:「ゆるっ……てっ……」
ナキ:「おね”、」
ナキ:「おねーぢゃんっ」
畔戸笑理:「……うん」微笑む。
畔戸笑理:柔らかく。嫣然と。陶然と。
畔戸笑理:「いいよ。どんな哭輝でもいい。だから」
畔戸笑理:「今日は全部、見せて、聞かせて」
畔戸笑理:「哭輝が考えてること、感じてることを」
畔戸笑理:「──さあ、まずは、これでおしまい」
畔戸笑理:ひときわ深く、秘所の内を抉る。
ナキ:「フ――――ぎゅ」
ナキ:それまで微動だにしなかった手の拘束を、ほんの僅かに押し上げるほどの勢いで身体を跳ね上げて。
ナキ:「――――――ァ―――」
ナキ:くたり、と倒れ伏す。
ナキ:シーツに溶けていきそうなほど、弛緩しきって。
ナキ:返事もなく、荒い呼吸だけを繰り返している。
真渕カヅキ:「……やっぱり、体力ないですね」
真渕カヅキ:もじもじと、むず痒そうにその身をよじっていたカヅキがようやく口を挟み。
畔戸笑理:「体力の問題でしょうか……?」
真渕カヅキ:「……さあ」
畔戸笑理:脱力した妹を、労うように撫でてやりながら。
畔戸笑理:「……ともかく」
畔戸笑理:「もう、今更、話せないようなこともないでしょう」
畔戸笑理:「聞きますから、何でも。まだ夜は長いし」
畔戸笑理:カヅキとナキへ、順に視線を投げて。
真渕カヅキ:「ええ、"家族水入らず"、ですね」
畔戸笑理:「……その気があれば、続きでも」
真渕カヅキ:「え?」
真渕カヅキ:「その、私は……」
真渕カヅキ:「いえ、はい……」
GM:そうしてカヅキの影が、ふたりに近づいて。
GM:やがて、ひとつになり。
GM:ずっとひとりだった畔戸家に、久方ぶりのひとりではない夜が訪れて。
───────
ED3 錺
異街の住民:「楽しいものは、全部ここにあるのさ!全部だぜ!」
GM:対価は必要だがね、と続くが決り文句。
GM:狂楽区、通称『カジノ』
GM:異街の"遊び場"である。
GM:そんなカジノの一角で、男は書類整理に精を出している。
"ホテルマン":「はぁ……いつも思うんだけどこれおれのやる仕事じゃないんじゃないかな」
"ホテルマン":「でも結局一通り目を通しておかないと……よく勝負を挑まれるからね」
"ホテルマン":「カジノの至るところで財を求める果敢なチャレンジャーたちがうまくちょろまかそうと日々努力してらっしゃる」
"ホテルマン":「おれはひとの嘘を見抜くのは得意だからね、書類上でもなんかこう、あるんだよ」
"ホテルマン":「後ろめたい時特有のソレってやつ?」
"ホテルマン":「で、きみもおれに新しい紙束を持ってきてくれたってわけだ、錺」
"ホテルマン":片眼鏡の奥を薄く開き、あなたを笑って出迎える。
"ホテルマン":「今回はなかなかたいへんだったじゃないか、人生の大一番ってやつだ」
"ホテルマン":「そういうのが何度もあれば良いよね」
錺 十也:いつも通り、長い髪をまとめて、一張羅に身を包んで。
錺 十也:トレードマークのバイザーは、今日はかけていない。
錺 十也:「何度もあると、アレですよ。またあれこれ直さなきゃなんなくなる」
錺 十也:「まあ、だいぶガタがきてたんで、いい機会だったけど……」
錺 十也:涼しい感じのする顔が気になって、少し目を細める。
"ホテルマン":「ちゃんと壊れるのも機械の役目だろ」
"ホテルマン":「そうじゃあないと、きみみたいな奴らの仕事が無くなっちまうぜ」
錺 十也:「その通り。直すのは人の役目っす」
錺 十也:「……まあ、でも。大一番、か」
錺 十也:「悪くはなかった、と。後からなら言えるな……」
錺 十也:机の上に、書類をはさりと置く。
"ホテルマン":「おおこれはこれは、ありがたく頂戴しよう」
"ホテルマン":「おかげで"ショベル・マン"も確保できた」
錺 十也:「ほっとしましたよ」
"ホテルマン":「あの"外"の情報屋ちゃんが奪還を掲げて定期的に挑んでくるのは新たな悩みの種だが」
錺 十也:「はああ、そんなことに?」
"ホテルマン":「まあ、それも楽しいアクシデントさ」
錺 十也:「じゃあ、俺は役に立てたってわけだ」
錺 十也:「……良かったですよ」
"ホテルマン":「うむ、実に良かった」
"ホテルマン":「何よりきみがおれの思惑を超えて動いたのが、実に」
錺 十也:「…………」ぽかんとした顔をする。
"ホテルマン":「後悔はないかい?なんて今更聞く気はないよ」
"ホテルマン":「だから、こうだ」
"ホテルマン":「楽しかったかい?」
錺 十也:「はい」即座に答える。
錺 十也:「……俺は、裏方は好きです。人に照明を当てるのも」
錺 十也:「でも、それ以前に舞台に立ってる。もう立ってた」
錺 十也:「その上でやりたいことを全力でやって」
錺 十也:「……こんなに幸せなことはない、と思いました」
錺 十也:「逆に、あんたにはだいぶ世話になったと思ってます」
錺 十也:「多分、そちらはそちらでいろいろ対価を得てるんだろうけど」
錺 十也:「……俺が、何か返せることがないか、と。そういうことも考えました」
錺 十也:「でも、あんた"王"でしょう。大抵のものは持ってるんだ」
錺 十也:……否。ひとつだけ。
錺 十也:知っている。この男が欲しがってたまらないものを。
錺 十也:「……全身全霊の勝負、それ以外は」
"ホテルマン":「うんうん、そればっかりは、だ」
錺 十也:「俺も、すぐにあげたりはできませんよ。さすがに」
"ホテルマン":「だが今回は、良かった、結構ね」
錺 十也:「そりゃよかった」
"ホテルマン":「"美食卿"との賭けにも結局勝ってしまったしね」
錺 十也:「おめでとうございます」
錺 十也:「でも、ただ、そう」
錺 十也:「俺がもしいつか、『その時』が来た、とそう思ったら」
錺 十也:素顔の目を、じっと向ける。
錺 十也:「俺はきっと、あんたに挑むことを躊躇はしないでしょう」
錺 十也:「そんなことだけは言えます」
"ホテルマン":「ふうん」愉快そうに。
錺 十也:"王"に挑む顔をするのは、さすがに難しいが。
"ホテルマン":「これは強敵だな、身震いするね」
錺 十也:「あんたの退屈がいくらか紛れますか、"ギャンブラー"」
"ホテルマン":「そりゃあもう、退屈を紛らわす程度のものじゃあないぜ、それはきっと」
"ホテルマン":「このために生きていたのだと、魂が震える、そういう勝負」
"ホテルマン":「きみはもう味わったのだろう?羨ましいなあ」
錺 十也:『その時』が来た方がいいのか。そうでないのか。まるでわからない。
錺 十也:だが、あの時が『そう』なのだとしたら。
錺 十也:「……そういうのが何度もあるといいよね、ですっけ」
錺 十也:「あんたにも、ありますように」
"ホテルマン":「そうさ、毎日だってあると良い」
錺 十也:「毎日は多いな……!」
"ホテルマン":「けれど、どんなに上等な酒でも、毎日飲むと新鮮さが薄れていく」
"ホテルマン":「きっと退屈はおれの糧でもあるんだろうね」
錺 十也:「ふーん……」
"ホテルマン":「ああ、愛することにするよ、憎き退屈を」
"ホテルマン":「いずれのために、まずはそれと仲良くしよう」
錺 十也:「愛すべき日常ってやつすか……と、そうだ」
錺 十也:「その日常絡みで、ちょっとしたお願いが」
錺 十也:先ほどの書類を示す。
"ホテルマン":「何だい?どれどれ」
錺 十也:「急ぎではないっす。ただ、んーと、副業をしようと思ってて」
"ホテルマン":紙束をぱらぱらとめくり上げる。
錺 十也:「こっちに響かないように」
錺 十也:「要は、おもちゃの開発と販売」
錺 十也:「だから、狂楽区の玩具店、ホビーショップ……そういうところに紹介が欲しい」
"ホテルマン":「おやおや、きみが悲鳴をあげ解雇を賭けておれに勝負を挑んでくるまで仕事を投げまくってやろうかとも思っていたんだが」
"ホテルマン":「これはそうも言ってられないな」
"ホテルマン":「友の新たな門出だ、挑戦に祝福を」
錺 十也:「そういうとこの見切りは上手いんですよ、俺」
錺 十也:「望むことを、望むままに」
錺 十也:「俺はあんたの傍でエージェントもやりますし、ちょっとした商売にだって手を出してみせるし」
錺 十也:「そのうち、一世一代の勝負をしたりしなかったりも、する」
錺 十也:「全取りです」
"ホテルマン":「ふむ、なるほどね」
"ホテルマン":「いい場所がある、それを有する業者を紹介してあげよう」
錺 十也:「! ありがとうございます!」
"ホテルマン":「ただ、あいつは実に"食わせ者"だぞ」
"ホテルマン":ニヤニヤと、面白そうにきみを眺めている。
錺 十也:「なーに」
錺 十也:「俺は蜘蛛です。"食い物"にしてやる」
錺 十也:「そういう意気でやってきますよ」
錺 十也:「……なんか」
"ホテルマン":「素晴らしい、ではこれを」
"ホテルマン":名刺を差し出す。
錺 十也:「もうすっかりこういうテンションになっちまったな……」
錺 十也:「はいよ」受け取る。
"ホテルマン":「ここを尋ねるが良い、おれの名前を出せば一発だ」
"ホテルマン":「一発で怒り狂ってショット・ガンでも持ち出してくるんじゃないかな」
錺 十也:「食わせ物ってのは」
錺 十也:「鉛弾を……?」
"ホテルマン":「ハハハ、ジョークだよ、ジョーク」
"ホテルマン":どこまでが冗談なのか知れたものではない。
錺 十也:「まあ、鉛弾くらいで済むなら、なんとかなるか……」
錺 十也:名刺をポケットにしまう。
錺 十也:懐中時計も修理され、そこに収まっている。
錺 十也:全て元通り、とまではいかない。自分はどうも変わってしまった。
錺 十也:前に進むことに、もう躊躇はしない。
錺 十也:「"ホテルマン"。最前列のチケットはまだ有効なんで」
錺 十也:「気が向いたら、また見てください。観測して」
錺 十也:「俺が進む先、残すものを、少しでもあんたに見せつけられたら」
錺 十也:「そう思いますよ」
"ホテルマン":「錺、たとえばルーレットなんかは」
"ホテルマン":「ひとたび賭ければ、あとは転がる球を見ていることしかできない」
"ホテルマン":「おれは今回、きみや時雨といった球にずいぶん入れたもんだぜ」
"ホテルマン":「ああ、見てるさ、見てるとも」
"ホテルマン":「おれが今現在、きみにどれだけ賭けているのか……きっと知るよしはないだろう」
"ホテルマン":「それを知ることができるいずれの舞台を望むし、そのときには大いに驚いてほしいね」
"ホテルマン":「きみがおれを驚かせたように」
"ホテルマン":「では錺、"異街"を楽しんで」
錺 十也:「はい」こくりと頷く。
錺 十也:もう一度目を合わせる。もう、何も怖くはない。
錺 十也:「……じゃあ。『その時』に。また!」
錺 十也:恩人で、雇い主で"王"。
錺 十也:目の前に立つ一人の男に、勢い良く頭を下げた。
───────
錺 十也:「……っつうわけで、結構大言壮語しちゃったんだけどさ……」
錺 十也:その後、河路緑郎を呼び出したのは、作業部屋、あるいは秘密基地という呼び名のセーフハウス前だった。
錺 十也:要は、狭い貸倉庫だ。自宅ではない。
錺 十也:入り口の電子錠を開ける。
錺 十也:ぎい、とドアを押し開ける。
河路 緑郎:「あれ相手にか……ようやるなお前……」
河路 緑郎:かけ慣れていないアンダーリムの眼鏡、位置を気にしてかけ直す。
錺 十也:「……なんか今日、あんたと俺と逆みたいな」
錺 十也:やはりバイザーはかけていない。
錺 十也:アパートよりも狭いくらいの貸倉庫の中は、機械と工具と部品だらけだった。
錺 十也:あちこちに棚があって、何かの筐体がぎっしり詰まっている。
河路 緑郎:「舞台に立つのは良いが、ハマりすぎて抜け出せなくならんよう気をつけろよ」
錺 十也:「焼け落ちないように、だっけか」
錺 十也:天井から棚から机から、コード類がずるずると垂れ下がっている。
河路 緑郎:「そういうことだ。……うわせっま、どんだけ詰め込んでんだ」
錺 十也:「気ぃつけるけど、もう遅いっつう感じもすんな」
錺 十也:「あ、そこ身体横にしないと通れねえから」
錺 十也:ただ、とりあえず机の周りには一応の居場所があって、そこに椅子がふたつあった。
錺 十也:「……さて、と」片方に掛けるよう示す。
錺 十也:自分も机の前に座る。
河路 緑郎:「セーフハウスってより、趣味の隠れ家だなこれは」
河路 緑郎:残った椅子にこしかける。
錺 十也:「まさにまさに。あ、でも」
錺 十也:「趣味でなくするかもしれん、というのが今日の議題」
錺 十也:がちゃがちゃと、そこらからいろいろなものを取り出す。
河路 緑郎:「ふうん?」
河路 緑郎:首を傾げて続く言葉を待つ
錺 十也:「……ていうか、その眼鏡は何」
錺 十也:机の上にあれこれと並べながら。
河路 緑郎:「これか。認識阻害の呪がかかってる」
河路 緑郎:「初対面に顔を覚えられにくくなる、程度の気休めだがな」
錺 十也:「あ?」
錺 十也:「なーるほど……」
河路 緑郎:「元いた流派からはお尋ね者なんでね。向こうも今更探しちゃいないだろうが、念の為だ」
河路 緑郎:「……随分長いこと使ってなかったんで、全く慣れねえがな」
錺 十也:「まあ、見る方も慣れねえな」
河路 緑郎:「呪い抜きでも見つからんかもしれんなあ。フィクションの定番だ」
錺 十也:「俺は俺で顔がなんか寂しいけどさ……」
河路 緑郎:「お前の方は修理中か?」
錺 十也:「ん。まあ、いい感じに改良できそうなんで、じきに復活するさ」
錺 十也:「……さて、と」並べ終えた。
河路 緑郎:「そりゃ楽しみなこって。……で、なんだなんだ」
錺 十也:「時雨さんからさ、零から発明をするのは?って言われたんだよ」
錺 十也:「その時は濁したんだけど、実はちょいちょい作ってた」
錺 十也:「……でも、まあ、外に出すもんでもねえかなって思ってたんだ。こないだまでは」
河路 緑郎:「こないだまでは、か」
錺 十也:様々な物がある。単なる動くオブジェのようなものから、明らかに玩具であろうものまで。
錺 十也:ブロックノイズが宙に走る写真立て。
錺 十也:釣り糸をくわえた蛙。
錺 十也:修理中のバイザー。
錺 十也:ライトアップされた回る観覧車。
錺 十也:手のひらサイズの金魚としまモン。
錺 十也:それから、こちらは妙にたくさん、虫がモチーフと思しき、勇ましいロボットたち。
錺 十也:「こいつらが今回の議題」ロボットを指す。
錺 十也:「アルティメット換装型ロボシリーズ『大兜』『鬼鍬形』『斧蟷螂』『波揚羽』」名称を淡々と述べる。
錺 十也:「動画で宣伝して少数生産品をオークションに流したら、結構反応がいけてた。だからもうちょっと手広くできないかなって」
錺 十也:「で、"ホテルマン"に販路をちょっと融通してもらったのが今日」
河路 緑郎:「なるほど」
河路 緑郎:「色々、残したくなったわけだ」
錺 十也:「まー、そう」
錺 十也:「メカが好きな俺みたいな子供が増えれば、その分夏祭みたいな子を助けられるかもしれないだろ。全人類は無理でも」
錺 十也:「あと予定としては『寿々虫』『名々節』『精霊蝗』『日暮』『密蜂』あたりもラインナップしていきたい」淡々と述べるはずが、だんだん早口になっていく。
錺 十也:「まずメインコンセプトとしては『互換性』と『バリエーション』で、各個体の部品をこうして好きに交換増設することが可能となっていて、これは後発シリーズもちゃんと後継させていくつもりなんだけど、あ、これがコアパーツで、この辺が外装。全部外れて、こう……こだわりとしては嵌めた時の気持ちよさというかそういうの、あと関節の駆動周りは自信作」
河路 緑郎:「お、おう」
錺 十也:「それからカラバリが重要。黒ベースに赤青黄緑の基本四色を揃えて、中間色を後から追加しようかと思ってるんだよな。そうそう、どうしても動力系に負担がかかりがちだから、いっそ自分で軽く弄れるような仕様っていいんじゃないかと思って、そういうの好きな子向けに『かんたんメンテナンスキット』みたいなのをマニュアルとセットで……あ、これは全然今後の課題なんだけど」
河路 緑郎:「なるほど……?」
錺 十也:「あ」
錺 十也:「いや、すまん……」
河路 緑郎:「別に?楽しそうだな」
河路 緑郎:くつくつと笑う。
河路 緑郎:「で、なんだ、俺を呼んだのは」
河路 緑郎:「素人目線でも欲しくなったか?」
錺 十也:「んー、それもある」
錺 十也:「ただ、そうだな。河路さ」
錺 十也:「一緒にやらん? 商売」
河路 緑郎:「商売……?俺がか?」
錺 十也:「今仕事の方がどうなってるのかは知らんけど」
錺 十也:「まあ、正直最初は全然だよ。副業、小遣い稼ぎ」
錺 十也:「たださ、俺さっきみたいになるから。営業とか向かんのよ」
河路 緑郎:「俺もお世辞にも向いてるとは思えんが……」
河路 緑郎:「お前、まだ気にしてるのか」
錺 十也:「何がー?」
河路 緑郎:「不公平とか、そういうやつだよ」
錺 十也:「ハッ」
錺 十也:「してねえよ。俺があんたを誘ったのは、単に気心が知れてりゃやりやすいからってのと」
錺 十也:「あと俺は、ほら。いきなり妙なことをし出すだろ。最近知ったけど」
錺 十也:「あんたは慎重で、ちゃんと地道なことを考える」
錺 十也:「しかも、今は守るもんまでちゃんといて、やる気十分」
錺 十也:「採用担当としては、誘う気満々だったんだよな」
河路 緑郎:「なるほど」
錺 十也:「で、肝心なことだけど、ちゃんと契約をするつもり」
錺 十也:「俺ら、情に任せてなんかすると絶対グチャグチャになるだろ」
河路 緑郎:「なるな」
錺 十也:「だろ。あと、俺がいきなり"ホテルマン"と賭けをし出したりした時に」
錺 十也:「その方が、あんたにちゃんと残すもんを残せる」
河路 緑郎:「それをありうる事態と語られるのがおっかねえぞ、俺は……」
錺 十也:「あり得る目は全部出得るんだよ」
河路 緑郎:「ギャンブラーめ」
錺 十也:「なっちまったよなあ……」大げさに息を吐く。
錺 十也:「で、どうする。別に即答でなくてもいいけど」
錺 十也:「……俺はさ。せっかく蛙が地面に着いたんだ」
錺 十也:「思い切り、跳んでくとこを見たい。一緒に」
河路 緑郎:「正直に言うとな」
河路 緑郎:「経歴不詳程度で仕事のなくなる街じゃない、のは確かなんだが」
河路 緑郎:「そういうのに紹介される働き口はリスクが上がるのも事実でな」
錺 十也:「そりゃそーだ」
河路 緑郎:「願ってもない話だ。話、なんだが……」
河路 緑郎:じろりと錺を見定める。
錺 十也:素顔でそれを受け止める。
河路 緑郎:「知ってるだろうが」
河路 緑郎:「引っ張り上げられた鎖を切るつもりはねえ」
河路 緑郎:「お前が底に落っこちたらこっちまで引っ張られんだ。忘れんなよ」
錺 十也:「……はは」
河路 緑郎:「……契約書は?」
錺 十也:「ここ。……と、そうだ」
錺 十也:「もう一個、あんたにしてほしい重要なこと。メリット。あったな」
錺 十也:「六電とのパイプ」
錺 十也:「もうちょい先になるだろうけどさ」
河路 緑郎:「あー……」
河路 緑郎:複雑そうな顔で呻く。
錺 十也:「量産すんなら、あっちの工場を使いたい」
錺 十也:「わかるよ、正直、どう考えていいのかってのは」
錺 十也:「でも、コネだぜ? 最大限使っとこうよ」
河路 緑郎:「まあ……それはなあ……」
河路 緑郎:「笑理の大事な相手なら尊重したいとは思うんだが」
河路 緑郎:「どこまで踏み込んでいいやら分からん……」
錺 十也:「これ言わねえと、多分不当契約になるかと思ったんでね」
錺 十也:「……エリさんは」
錺 十也:「エリさんはさ、昔から、多分俺とはいろいろやり方が違う人なんだって、なんとなく思ってて」
錺 十也:「だからこそ、んー、気にはなってたんだ」
錺 十也:「けどさ。四人で居る時は、あの人も楽しそうにしてて、良かったなって」
錺 十也:「違うからこそ、良かったな、と」
錺 十也:「無理にわかったり、踏み込みすぎたりするこたないと思うよ」
錺 十也:「あれだけめちゃくちゃな家族なんだ。河路なりにゆっくりさ」
河路 緑郎:「そういうものか……いや」
河路 緑郎:「そういうものかもな、たしかに」
錺 十也:「そうそう。誰も彼も、最初から仲良しこよしなんてありえないって」
河路 緑郎:「ここまでに20年かかったんだ、焦りすぎても詮無いことか」
錺 十也:ああ、でも、そうだな。
錺 十也:こいつとは、本当の初対面の時も、『その後の』初対面の時も、不思議と馬が合った。
錺 十也:だからあんな『交換』なんてものを持ちかけられたのだ。
錺 十也:「そういうこと」
錺 十也:「だから、これがきっかけのひとつになりゃいいかな、とも思うよ」
河路 緑郎:「お前もそこまで考えてるんだったら」
河路 緑郎:「ゆっくりでいい。これからも、二人と仲良くな」
河路 緑郎:「お前の方は、傍に居るためにこうなったんだろ?」
河路 緑郎:「遠慮して遠のいちゃ、もったいねえぞ」
錺 十也:「ほんと照れくさいんだが……そうだな」
錺 十也:「そうする。いていいって、エリさんにも言ってもらった」
錺 十也:「ナキ……哭輝は、やっぱり心配だしな」
錺 十也:契約書を取り出す。
錺 十也:「ま、気が向いたら読んで書いてきて」
錺 十也:「久々に専門外を勉強して疲れたよ」
河路 緑郎:「……妙な気分だと思ったら」
河路 緑郎:「前のときはこんなもん用意しなかったな、そういや」
錺 十也:「ああ、立会人がいたしな」
錺 十也:「また来てもらう? あっちも今頃書類で大忙しだろうけど」
河路 緑郎:「嫌いだっつったろ、今でもだよ。貸せ」
錺 十也:「お」貸される。
河路 緑郎:契約書をひったくってペンを走らせる。
錺 十也:「……あんた、気が向くの早いな……」
錺 十也:「騙されないよう気をつけろよ。本気で」
河路 緑郎:「そういう話も」
河路 緑郎:「ちゃんと聞くようにしねえとな」
河路 緑郎:「騙されようが殺されようが、どうでもいいと思ってた」
河路 緑郎:「そういう時期が長すぎて、色々忘れちまってら」
河路 緑郎:「そうもいかなくなっちまったよ」
錺 十也:「そうだぜ」
錺 十也:「俺も、そうはさせない」
錺 十也:「何せ、栄えある共同事業者一号なんだし」
錺 十也:「あんまり、二号を作ろうという気はない」
河路 緑郎:「ったく、高く買い過ぎだぜ……」
河路 緑郎:「苦手だってのによ」
錺 十也:「オークションに出てたってのは誰だよ」
錺 十也:「こっちの言い値で買ってやったんだよ」
錺 十也:満足げに、そのサインを見る。
河路 緑郎:「んじゃ、今後ともよろしく」
錺 十也:「おう」
錺 十也:魂の在処、というものがどこなのかは知らない。
錺 十也:交換をした魂が今、それぞれのどこでどう動き、何を刻んでいるのか。
錺 十也:だから、一般的に考えることにした。
錺 十也:片手を握って、腕を伸ばす。相手の心臓の辺りに。
錺 十也:「よろしくな」
錺 十也:こつん、と拳を当てて。
錺 十也:「相棒」
───────
ED4 時雨
GM:静謐な空気が支配する廊下を歩いていく。
GM:竜信教区、中央大聖堂。
GM:異街の地理においては離れに位置する独立した小島の中心、門戸は常に開いている。
GM:だがその深奥は不可侵であると、ここの住民は皆理解している。
GM:時雨は"霊輿"を尋ねた。進捗の確認、クユについて、何故、自分がこの島に呼ばれたのか。
GM:聞きたいことは色々合った。
GM:教主は、ただ頷くとあなたを誘った、中央大聖堂その奥の座。
GM:そこを目指し、今歩いている。
時雨:靴音と、静かな雨のような音が、長い廊下に反響している。
時雨:左手に少女の手を引き──大人しく引かれてくれるまでだいぶ負傷したが──眼帯の男が歩いていた。
時雨:(薄暗い──宗教的な意味があるのかな)
時雨:かび臭い、とも違う──どこか生気のない匂いにゆっくりと体を馴染ませ、
時雨:そして、視界が開ける。
時雨:(大聖堂)
時雨:竜神教区、その深奥部に、入り込んでいることを実感する──それほどに、”納まった”場所だった。
"霊輿":最奥の内陣は、それまでの廊下とは変わって仄かに明るい。
"霊輿":窓へ描かれた竜血の硝子絵が、外界の陽光を赤く透かしている。
"霊輿":陽光──その一日のほとんどを稀族街の者たちが"夜"としているこの異街においても、聖堂の鎮座するこの小島は、例外的に昼が巡ってくる。
"霊輿":その赤い薄日に照らされた、円い内陣の只中に、その"聖座"はあった。
"霊輿":「遍知にして具吉祥たる聖女様」
聖女・"瞳":「やほー」ひらひらと手を振っている。
クユ:「やほー」
"霊輿":「お二人をお連れいたしました」
時雨:「こんにちは──お初にお目にかかります」
聖女・"瞳":「うんうん、ご苦労ご苦労」
時雨:「お邪魔します。お話の機会をいただけて。感謝しています」
聖女・"瞳":「ご褒美にあとでいつもみたいになでなでしてあげるわね」
"霊輿":「お戯れを」
聖女・"瞳":「"霊輿"ォ、ノリがわるいわね、大丈夫?ちゃんとサポートできてる?」
聖女・"瞳":「というわけで、はじめまして」
聖女・"瞳":「竜骨島龕教聖女・"瞳"です」
聖女・"瞳":「親しみを込めて……」
聖女・"瞳":「トウちゃん……だとなんだか父親みたい……」
聖女・"瞳":「アイちゃんとかひとみちゃんとか、可愛く呼んでね」
時雨:(聖女──)目を細める。
時雨:「それでは、アイさん。自分は時雨と、そう名乗っています」
時雨:「今日は、いくつか質問をしに、参りました──」
聖女・"瞳":「どうも、時雨さん。会いたかったわ」
聖女・"瞳":「そしてこれ、預かってます」
聖女・"瞳":差し出してくる、封筒。
聖女・"瞳":見慣れたもの――あなたをここへと導いた。
時雨:「──は」
時雨:予想外の事態に、少し戸惑う。封筒を受け取る。
時雨:「これは、どなたから、預かったものなのでしょうか」
聖女・"瞳":「あら、雇い主の詮索?」
聖女・"瞳":「こんな迂遠な手段を使うってことは、知られたくない」
聖女・"瞳":「そういうことだと思うのだけど、あなたその意向に反するのかしら?」
時雨:「──そうですか。失礼しました」
聖女・"瞳":「ごめんなさい、いじわるだったわ、からかっただけなの」クスクスと笑う。少女のように。
聖女・"瞳":「でもそこで謝るなんて、おかしいわね」
聖女・"瞳":「当然よ、寄る辺のない忍びが己の身を守るために不確定の要素を洗うなんてこと」
聖女・"瞳":「あなた変、やっぱり、すごく」
聖女・"瞳":「だから呼ばれた、そういうことね」
時雨:「確かに、他では得られない報酬を既にいただいています」
時雨:「お互いに求めるものが噛み合った、ということなのでしょう」
時雨:「私もここで、雇用主にへそを曲げられては──困りますので」微笑む。
時雨:「中を見ても?」封筒を掲げる。
聖女・"瞳":「どうぞ」
GM:封を開く。
GM:相変わらずの簡潔な文章に、馴染みのもの――チケット。
GM:『報酬は振り込んだ。契約の更新を望むならば、これを破棄せよ』
GM:券は、船のものであった。"外"へと帰る、片道の。
時雨:「──なるほど。これは、確かに迂遠だ」
聖女・"瞳":「いいのですよ、あなたは役目を遂げたのですから」
聖女・"瞳":「その子は、わたしたちが預かりましょう」
聖女・"瞳":「元の籠なんかには返さないわ、そこは安心して」
時雨:「あなたたちのことは、信頼しています。しかし彼女を最後まで見届けると、約束しています」
時雨:「それに──」
時雨:チケットを四つに折り、丁寧に破る。
時雨:「もっと見たい。この街は、この程度では見尽くせない」
時雨:「私の雇い主が誰だろうと──この”欲望”を、妨げることは、できません」
聖女・"瞳":「あらら、やぶっちゃった」
聖女・"瞳":「いいのですか?欲望とは、リスキーなもの」
聖女・"瞳":「望むものだけを見続けられるとは、限らないのですよ?」
聖女・"瞳":「ねえ"霊輿"、そうでしょう?」
"霊輿":「或いは」
"霊輿":「望みの結実する形が、想像と異なることもあるでしょう」
"霊輿":「望みのために、犠牲を払わねばならなくなることも、あるでしょう」
"霊輿":「それでも──」
"霊輿":「あなたは選ぶのですね。その道を」
時雨:「ええ。とても、恐ろしいです」
時雨:「わからないこと、危ういことばかりでしょう」
時雨:「ですが、ここで帰ったら──もう、辿り着けない」
時雨:「あるべき終わりに。それが一番、嫌です」
聖女・"瞳":「ふふ、あなた"カジノ"の王に気に入られたんですって?」
聖女・"瞳":「道理で」
聖女・"瞳":「でもあの人、惚れっぽいからあまり鵜呑みにしないほうが良いわよ?」
聖女・"瞳":「まあ、惚れっぽいのは私も同じね」
聖女・"瞳":「私、ここで生きるみんなが好きよ」
聖女・"瞳":「ようこそ時雨、新しい異街の住民。」
聖女・"瞳":「それで、この"瞳"になんの御用?」
聖女・"瞳":「【祝福】でも授けてあげましょうか?」
時雨:「それはとても気になりますが、またの機会に」
時雨:「質問をしに、参りました」
聖女・"瞳":「ええ、なんなりと、私に答えられることでよければ」
時雨:「ありがとうございます。一つは、この封筒についてであったのですが──」
時雨:「これは、あとにするとします。雇い主に目的があるのなら、いずれきっとたどり着けるでしょう」
時雨:「なので、私が聞きたいのは、クユさんについてです」
クユ:「……?」
時雨:「不死の存在とだけ、聞いていましたが。彼女はナキさんの──”誓約”を、食べていました」
クユ:燃える蝋燭の火をうとうとと眺めていたクユが振り返り。
聖女・"瞳":「まあ、"誓約"を」
聖女・"瞳":「そんなことができるだなんて、驚きですね」
時雨:「彼女は──いったいどういう存在なんですか? あなたが知っていることを、お聞きしたい」
聖女・"瞳":「そうですね……私に話せることは多くはないのですが」
聖女・"瞳":「卵、という言い表すひともいますが」
聖女・"瞳":「その表現に則って……私から見ると、中身の無い卵。」
聖女・"瞳":「化石みたいなものじゃあないでしょうか……抜け殻……これもちょっと違うかな」
聖女・"瞳":「その卵は、生まれるためには中身を詰める必要があって」
聖女・"瞳":「でも、中に何も入っていないから卵そのものが主体となって何かをしようもない」
聖女・"瞳":「外部から……必死に殻に穴をあけようとしていた人たちもいたようですが、ひとり、またひとりと諦めていきました」
聖女・"瞳":「ですが、殻は開いた」
聖女・"瞳":「どうやら、食欲は旺盛のようですね」
時雨:「開いた、のですか」
クユ:「??」もぐもぐと、とろけた蝋を咀嚼している。
時雨:「あっ、食べ物じゃないですよ」
クユ:「それは誰が決めましたか?時雨が?」
クユ:「クユがこれを食べ物と決めました……」むしゃむしゃ
聖女・"瞳":「ふふ、可愛い」
時雨:「む、反論できない」
時雨:「おいしいですか?」
クユ:「それを教える義務はありません」むぐむぐ
聖女・"瞳":「あらあら、つんつんしてますね?」
時雨:「どうも──”欲望”を覚えてくれたのですが」
時雨:「代わりに、私の意見はあまり聞いてくれなくなりました」
時雨:「彼女は、成長の途中にあるのでしょうか──」
聖女・"瞳":「驚いたんじゃないですか?変化に」
GM:成長、というにはあまりに急だ。
GM:日によってはまるで人格が入れ替わったかのような態度で振る舞い出す。
GM:今日はまだ、以前と近い印象であるが。
聖女・"瞳":「機能、なんですよね」
聖女・"瞳":「そういう捉え方をしているんです、ソレは」
聖女・"瞳":「人格、というものは……他者、すなわち外部を探るに当たって」
聖女・"瞳":「それを円滑に執り行うための"機能"」
聖女・"瞳":「だから、無自覚に色々と"試している"」
時雨:「外部と触れ合うための、最適な形を、探している」
聖女・"瞳":「ええ、あなたたちとはずいぶん違った形で世界に接しているため」
聖女・"瞳":「戸惑うこともあるでしょうが……そこは、ようやく来た反抗期みたいなものだと思ってくださいな」
時雨:「努力家ですね」
時雨:「そういうことでしたら、ええ。見守るのは得意ですので」
時雨:「彼女が最適な形を得るまで。一緒にいようと思います」
聖女・"瞳":「良いのですか?そのように」
聖女・"瞳":「一歩引いたように、自分を二番に」
聖女・"瞳":「相手を尊重し、そんな……控えめな"欲"で」
聖女・"瞳":「己の流儀、決意、性質を優先することはなるほど、尊いことです」
聖女・"瞳":「ですがここは"異街"」
聖女・"瞳":「他者の欲望に飲み込まれ、肝心なときに果たして……あなたの"欲"が動けるのか」
聖女・"瞳":「ええ、しかし、けれど、しかし」
聖女・"瞳":「そんな、おかしなあなたであったからこそ……この度……異街においては"あり得ざる"ことを成したのも、たしか」
聖女・"瞳":「ならば、"望むことを望むままに"」
聖女・"瞳":「この"瞳"が見届けましょう」
聖女・"瞳":「見る、ということは見られるということでもある」
聖女・"瞳":「あなたは果たして見つけることができるのでしょうか……"自分"というものを」
時雨:「──」
時雨:ざざ、とブロックノイズが走る。
時雨:「肝に銘じます。そうだ、それならもう一つ、お聞きしたい」
時雨:「私を見てくれるあなたの、目的は何です?」
聖女・"瞳":「私?」
時雨:「はい。アイさんの、スタンスを」
聖女・"瞳":「そうね、まずはここから出たい」
聖女・"瞳":「そして、そのあとは……自由に、我儘に……」
聖女・"瞳":「何をしたいかは、ふふ、秘密です」
時雨:「ふふ、それは──ぜひ、見届けたい」
時雨:「──ありがとうございました。もう少しお話、したいところですが」
聖女・"瞳":「ええ、こちらこそありがとう」
時雨:「ひいきの店で、催しがあるようなので。これでお暇致します」
聖女・"瞳":「また、いつでも来てくれていいのよ」
聖女・"瞳":「だって、退屈だもの」
聖女・"瞳":そう言って、手をふる聖女を背後に。
GM:あなたは奥の座をあとにした。
時雨:さくさくと、道を進む。
GM:夕暮れの街。
GM:教区とカジノの境目。
GM:夜と、昼の間。
クユ:「……」キョロキョロと、周囲を見回しながら。
クユ:いつもの眺めを、新鮮そうに。
時雨:(先ほどまで、昼の明かりであったのに)
時雨:(入れ替わるように──)クユさんを見る
時雨:「クユさん。私はあまり、人の内側を見るのが得意ではない」
時雨:「けれど、あなたの、進化を見ることができたなら──いや、見たいと思います」
時雨:「少し、勝手にやらせてもらいます。いいですか?」微笑む。
クユ:「勝手にするのに、許可がいるのですか?」
クユ:首をかしげる。
クユ:「クユは勝手にするなら、許可は求めません」
クユ:「食べたいものは、勝手に食べますし」
クユ:「行きたいところに、勝手に行きます」
時雨:「これが、私なんです。好きにやることでも、誰かに許可を求めたい」
時雨:「誰かと──一緒に、楽しみたいのです」
クユ:「ふむ」
クユ:じいと、見る。
時雨:「きっと、一人で完成するよりも、その方がずっと、素敵ですから」
クユ:久々に、目が合う。
クユ:「では、許可を求めることを許可します」
クユ:「クユがそう決めました」
クユ:「でも、素敵かどうかはクユが決めます」
クユ:「この前、クユが作っていたパズルを勝手に手伝ったのは、素敵ではありませんでした」
時雨:「すみません、かなり──悩んでいたようだったので」
クユ:「ひとりが素敵なこともあります」
クユ:「クユがそう決めました」
時雨:「そうですね。忘れないようにします」
クユ:「覚えておくように」
クユ:ふんすと鼻息荒く。
クユ:「逆月亭へ行くのですか?」
時雨:「ええ──今日も、なにかやるそうですよ」微笑む。
クユ:「クユはメニューの二枚目を確かめます」
クユ:「クテンの動画が正しいのか、気になるので」
時雨:「それは皆さんと一緒にしてみませんか?」
時雨:「多分クテンさんならやってくれますよ」
クユ:「クテンが一緒なのは、駄目です」
クユ:「一昨日、動画でまずいと言っていたやつを美味い美味いと食べていました」
クユ:「きっと壊れてしまっているんです」
クユ:「なので、以前の壊れていないクテンの動画を参考にします」
時雨:「さすが、頭がいい」
時雨:微笑む。正面から、自分を見てくれた大きな瞳を見つめる。
時雨:「失礼」
時雨:右手を伸ばし、髪を撫でた。
クユ:「勝手に触るなと、言いました」眉根を寄せて。
クユ:しかし、今回は振り払うことはない。
時雨:「ふふ、ごめんなさい」
時雨:ただ、それだけのことも、愛おしく、目を細める。
時雨:小さな表情の変化を、しっかり目に焼き付けて。再び、足を進めた。
時雨:昼と夜の間から、青い月の照らす、静かで騒がしい、あの夜へと。
───────
ED5 河路
ナキ:あれから、色々なことがあった。
ナキ:と、言えたら良かったのかもしれないが、実際のところ
ナキ:驚くほど何もなかった。
ナキ:諸問題を先延ばしにしていたし、皆気を使ってかせっくつようなことはなかった。
ナキ:だけど、どうしてもその時というものは来てしまうもので……。
ナキ:「……」
ナキ:見上げる、安普請のアパルトメント。
ナキ:今の"彼"の【居所】。
ナキ:「よし、帰ろう……エリに任せりゃいいだろ」
ナキ:うんうんと頷きながら、ぐるりと反転。
ナキ:そして目が合った。
畔戸笑理:「わっ」
畔戸笑理:驚くほど近くに、榛の瞳。
畔戸笑理:それがぱちぱちと瞬いて。
畔戸笑理:「急に止まらないでください。ぶつかるところですよ」
ナキ:「……お」
ナキ:「おう……」
ナキ:目を微妙に逸らしながら。
ナキ:「そ、それじゃ河路によろしく……」
畔戸笑理:呼び鈴を鳴らす。
ナキ:その横をすり抜けようと。
ナキ:「ぐ……」
畔戸笑理:「よろしくじゃないでしょう」
畔戸笑理:その手をはっしと捕まえて待つ。
河路 緑郎:「いらっしゃい」
河路 緑郎:「一緒に来たのか。……どうしたその手」
畔戸笑理:「どうしても土壇場で怖気付くみたいです」
ナキ:「な、なんでも……ない」
河路 緑郎:「ああ……」
河路 緑郎:ふむ、と考える素振りを見せて
河路 緑郎:「気が乗らないなら日を改めてもいいぞ」
河路 緑郎:「いずれは話したいとは思うが」
河路 緑郎:「そう急がねばならんことでもない」
河路 緑郎:「ゆっくりでいい……とは、受け売りだがな」
ナキ:「じゃ、じゃあ……そうし、よう……かな」フラフラと目が泳ぐ。
畔戸笑理:「こら」
畔戸笑理:「来ないでしょう、いずれ。そんなこと言ってたら」
ナキ:「だ、だって……」
畔戸笑理:「明日や明後日になったら気が向くんですか」
ナキ:ずるずると引きずられるように扉へと、とことん非力。
河路 緑郎:「手厳しいな、お前……」
畔戸笑理:家主をすり抜けるみたいにして引っ張り込んで。
畔戸笑理:「お邪魔します」
河路 緑郎:「ああ。散らかってるが、適当にくつろいでくれ」
ナキ:おっかなびっくり、という様子で周囲を見回す。
河路 緑郎:姉妹らしい姿を見て少し笑う。
河路 緑郎:散らかっている……と口にしたが、実際にはまるで物がない。
河路 緑郎:もともと複数用意していた拠点の一つで、いつでも引き払えるよう最低限のものしか置いていなかった。
河路 緑郎:「忙しいところ呼び出して悪かったな」
河路 緑郎:二人に茶を出して自分も席に座り込む。
畔戸笑理:「いいえ。こちらもあれ以来平和なので」
畔戸笑理:勝手にクッションを引っ張ってきて、ナキを座らせて、それから自分の座る場所を確保する。
ナキ:「……」されるがまま。
河路 緑郎:「なによりだ。真渕のお嬢さんもうまくやってるか?」
畔戸笑理:「……ええ、まあ、それなりに」
河路 緑郎:「また今度改めて挨拶に行くから、そのときはよろしく頼む」
河路 緑郎:「仕事の方でも少し話ができたしな」
河路 緑郎:錺から借りた試供品をかちゃかちゃと手元で弄る。
畔戸笑理:「それは?」
畔戸笑理:「忍具……というわけでもなさそうですが」小首を傾げる。
河路 緑郎:「錺に誘われてな。こういうのを売りに出すんだと」
河路 緑郎:「玩具屋、になれるまで発展するかはまだ先の話だが、手伝うことにした」
畔戸笑理:「……」
畔戸笑理:まじまじとそれを見る。実用性はなく、しかし凝った造型のもの。
ナキ:「いいのかよ、そんな趣味性の高い仕事で」
ナキ:「カザあいつたぶんソロバンは下手くそだぞ」
河路 緑郎:「だろうなあ。俺が呼ばれたのもそのへんのブレーキ込だ」
ナキ:「借金あるんでしょ?……そいや六塔のが言ってたな」
真渕カヅキ:『ええ、家族からのおねだりという形であるならば……あんな借金などすぐにでも、はい』
真渕カヅキ:『それとなく伝えておいてくださいね』
ナキ:「伝えた」
河路 緑郎:「それとなくな」
河路 緑郎:「気を使わせたか、また礼を言わなきゃならんな……ともかく」
河路 緑郎:「俺の今後はそんなところだ」
河路 緑郎:「当分はこれ一つで食い扶持を稼ぐのも難しいだろうし、他の仕事を請け負いながらになるだろうが」
河路 緑郎:「どうとでもなるし、ならなくてもどうにかする」
河路 緑郎:「と、ここまでが俺の方の報告で」
河路 緑郎:「お前たちがどうしたいかの話を聞きたい」
畔戸笑理:「どう、とは?」
河路 緑郎:「仕事……いいや」
河路 緑郎:「忍びを続けるかという話だ」
ナキ:「そりゃ、そのうち復帰はするでしょ……」
ナキ:「ナキ、それ以外やれることないし」
ナキ:「やりたいことも、別に……」
畔戸笑理:「哭輝がそうなら、私もそうですね」
ナキ:「しばらくは、安静言われてるから大人しくしてるけどさ……」
河路 緑郎:「それ以外やれることがない、か」
河路 緑郎:「お前達がそうしたい、というなら止める気はないが」
河路 緑郎:「他の選択肢を探したいなら、無理することはない」
河路 緑郎:「見つかるまでこっちで面倒見るぞ」
河路 緑郎:「命をかけることもない、こういう仕事もあるわけだからな」
ナキ:「……他人の面倒見てる余裕あるのかよ」思わず、というような笑顔。
ナキ:「借金あるんだから、ナキのが金持ちじゃん」
河路 緑郎:「余裕は作るんだよ、これから」
畔戸笑理:「……」二人を見比べるようにする。
河路 緑郎:「そのぐらいの甲斐性はなきゃやれんだろう」
河路 緑郎:「……父親ってのは」
河路 緑郎:まだ慣れない言葉を口にする。
ナキ:「へぇ……」
ナキ:「こんなちっちゃい部屋に?エリの家なんか豪邸だよ」
河路 緑郎:「む」
ナキ:「借金も返す見通しもなく行く先不透明な自業に手を出すようなオッサンが?」
河路 緑郎:「耳が痛い……」
ナキ:「……良いよ」
ナキ:「そ~~~~~~んなにナキと暮らしたいって、どーーーしても言うなら」
河路 緑郎:「……ああ、どうしてもで頼む」
河路 緑郎:「しかし元気そうだな。さっき玄関前で帰ろうとしたときより、随分」
ナキ:「うるさい甲斐性なしが」
河路 緑郎:「調子出てきたようでなによりだ」
ナキ:「それに誰かが見ててやんないと借金返すどころか増やしちゃうかもしれないもんね」
ナキ:「というわけでエリ、いままでどうもありがとうございました本日中に引き払います」
畔戸笑理:「えっ」
ナキ:「別に感謝はしてないが、形式上」
ナキ:「そういうわけで、よろしく」
河路 緑郎:「……ん?お前ら、もう一緒に暮らしてたのか?」
河路 緑郎:「それは……すまん、邪魔をしたのか……?」
畔戸笑理:「そんな……哭輝……?」おろおろとし出す。
ナキ:「ようやくあの監獄を脱出できる……」
河路 緑郎:「か、監獄?」
ナキ:「何でも無い、知らなくていい……」
河路 緑郎:「お、おう」
畔戸笑理:「…………」
河路 緑郎:「笑理はどうする?」
畔戸笑理:上目で睨む。じっとりとした視線。
畔戸笑理:「……まあ、良いです」
畔戸笑理:「私じゃなくても、哭輝が頼ってもいい人がいて、一緒に暮らすと言うなら。それで」
畔戸笑理:「……私は、元の家に居ます」
畔戸笑理:「今の仕事も続ける」
畔戸笑理:「やっぱり、私にとっては、“河路さん”なので」
ナキ:「寂しくても泣いちゃダメだよぉ」
ナキ:「ま、たまには遊びに行ってやるよ」
ナキ:「……」
ナキ:「か、河路や誰かと一緒の時ならな!」
ナキ:「(いや……まさか……手は出さないよな……)」
ナキ:「(いくらイカレの底を見てないとは言え……それは…さすがに……)」
ナキ:うーんうーんと唸りだす。
河路 緑郎:唸るナキを横目に見て首を傾げ、
河路 緑郎:「……ああ、それでいい」
河路 緑郎:「"畔戸笑理"の父親に、不義理をしたくはないからな」
河路 緑郎:「お前がそうしたいと決めたことなら応援するよ」
河路 緑郎:「だが、もし何かあったらいつでも呼べ」
河路 緑郎:「"河路緑郎"として、力になるぶんには構わねえだろ?」
畔戸笑理:「ええ。そちらも」
畔戸笑理:「お店が潰れでもしたら、二人で転がり込んできてもいいですよ──それと」
畔戸笑理:「甲斐性、なんて口にしたからには」
畔戸笑理:「借金。たまさか結べた縁に甘えて帳消しにとは、思わないでくださいね」
河路 緑郎:「分かってる」
河路 緑郎:「それぐらい自力でやれなきゃ、お前らも頼りづらいだろうからな」
畔戸笑理:「……正直なところ」
畔戸笑理:「最初に商売を始めると聞いて、てっきり保証人でも頼まれるのかと思いました」
畔戸笑理:テーブルの上の玩具に視線を落とす。
河路 緑郎:「お前なあ」
河路 緑郎:「少なからず父親面しようってやつがそれはないだろ」
畔戸笑理:「ごめんなさい。でも、良いと思います」
畔戸笑理:「あなたがそうやって、新しいことを始める気になったのも」
河路 緑郎:「……ああ」
畔戸笑理:「錺さんが……なんだろう」
畔戸笑理:「……同じかな。錺さんにとっても、今までとは別の、新しくやりたいことが見つかったのも」
畔戸笑理:「機能性、じゃないですもんね、それ」
河路 緑郎:「変わったんだろうな」
河路 緑郎:「けどあいつ、お前らを大事に思ってるのは変わらねえよ。これからもな」
河路 緑郎:「変わることと変わらないことがあって」
河路 緑郎:「俺が変わったのは、お前らのおかげだ」
河路 緑郎:「だから……なんだ、好きなだけ頼れ」
河路 緑郎:「とりあえず俺からは、そんなところかな」
畔戸笑理:「仲間として、で良ければ、そうさせてもらいます」出された茶を一口啜って。
河路 緑郎:「十分だよ。……ああ、難しいな、本当に」
河路 緑郎:「ああ、そうだ。仲間と言えば」
河路 緑郎:「哭輝お前、あれから顔を出してるか?」
河路 緑郎:「逆月亭」
ナキ:「顔て」
ナキ:「ああ、うーん……」
ナキ:「いや、まだ行ってない」
ナキ:「というか、今更……のこのこと……」
ナキ:もごもごと、押し黙る。
河路 緑郎:「のこのこも何もあるかよ」
河路 緑郎:「"仕事は仕事、オフはオフ"」
河路 緑郎:「だろ?」
ナキ:「……そりゃ、まあ……そう」
河路 緑郎:「皆待ってる。顔出してやれよ」
河路 緑郎:「ってわけで、早速行こうか」
河路 緑郎:立ち上がって支度を済ませ、扉を開ける。
ナキ:「ぅ~~~」
ナキ:しぶしぶ、という態度でそれに付き従う。
河路 緑郎:「笑理も時間あるか?」
畔戸笑理:「あ、はい。今行きます」二人に遅れて立ち上がって。
畔戸笑理:(……使わずに済んで良かったような、残念なような……)
畔戸笑理:取り出しかけていた首輪をしまう。
河路 緑郎:「じゃあ行こうか。三人で」
畔戸笑理:(……あ、また直前で逃げ出しそうになったら出番があるかも)
畔戸笑理:「はーい」
河路 緑郎:二人を送り出して、最後に振り返る。
河路 緑郎:家の中には驚くほど物がない。
河路 緑郎:死人に生活など不要だった。
河路 緑郎:これから少しずつ、手狭になっていくだろう。
河路 緑郎:鍵を締めて、二人の後を追った。
───────
ED6 大団円
GM:そうして訪れた『青の逆月亭』。
GM:ナキにとっては、久々の来訪。
GM:そのナキは、中心のテーブルでもみくちゃにされていた。
ナキ:「……河路……緑郎ゥ……」
ナキ:「謀ったな……この、ナキむぉっ!」
酔客:「お、なんだ、なんだこのお騒がせ娘が」
酔客:「素顔はぷりちーじゃん、つーかほんとエリさんに似てるのな」
酔客:「おう飲め飲め、食え食え」
GM:目の前にはホールのケーキ、シャンパンの注がれたグラス。いつもより、豪勢なメニューの数々。
GM:ナキは花の飾りを頭上にいくつも載せられて、もはや悪ふざけの域。
畔戸笑理:「哭輝……なんでぇ……」
畔戸笑理:強引に確保した妹の隣の席で、既に何杯目かのグラスを空にする。
畔戸笑理:「私の腕をもってしても満足させられなかったって言うの……?」
ナキ:「こんなんあらかじめ仕込んでたんだろ!!」
ナキ:ぴゃーぴゃー叫ぶ。
河路 緑郎:「仕込んでねえって、お前が人気なだけだよ」
クユ:「ナキ、食べてい?」
クユ:すすすといつの間にか接近していたクユが。
ナキ:「あ?好きにしろよ」
クユ:「好きにする」
夏祭らむね:「クユの野生化がもっとすすんでしまう!」
クユ:むんずと掴み取った花飾りをもしゃもしゃと。
錺 十也:「あ、そっち」
ナキ:「……えぇ、そっちぃ?」
河路 緑郎:「あっおい、それ食い物じゃ……」
夏祭らむね:「そうそう、お花の方食べてね」
河路 緑郎:「いやそうじゃねえだろ」
"クテン":「木よりは食い物寄りだろ」
錺 十也:手には甘いカクテルのグラス。まだ減ってはいない。
錺 十也:バイザーはまだ修理中だ。
畔戸笑理:「哭輝の花が私以外に……」
河路 緑郎:「お前はさっきから何言ってんだ……」
時雨:「クユさんは何を食べてもお腹を壊さないみたいで。興味深い」
夏祭らむね:「そゆこと!木よりやわらかい!」
錺 十也:「エリさんは……まあいいや」
河路 緑郎:「良いのか?」
錺 十也:近くにどかりと座る。
"クテン":並べられた御馳走の皿からパテ的な何かを摘む。
錺 十也:「そういう人だしね」
"クテン":「これは割と悪かねェな」
錺 十也:「あんたの代わりにずーっと見てましたー」
河路 緑郎:「感謝するよ」
畔戸笑理:「あ、錺さん」
錺 十也:ちびちびと舐めるように酒を飲んでいる。
錺 十也:「ん」
畔戸笑理:「河路さんから聞きました。新商売おめでとうございます」
錺 十也:「ん、あ、あー」
夏祭らむね:「あれ?らむねの持ってきた粘土が消えてる……パテと混ざっちゃったかな?」
畔戸笑理:「おめでとうございますで良いのかな……いいや」
錺 十也:「まだ始めたて。マジで自転車操業……つうか言ったんかよ」
河路 緑郎:「お前も注意しててくれよ、こいつ割とギャンブラーだから」
畔戸笑理:焼酎の瓶をむんずと掴み、錺さんのカクテルに注ぐ。
錺 十也:「ぶわ!?」
河路 緑郎:「うっかりオールベットしないように……おいおい」
畔戸笑理:「飲んでー」
"クテン":「メチャクチャな注ぎ方しやがるな」
錺 十也:「味を大事にして!」
畔戸笑理:「祝い酒ですよお」
時雨:「すでに悪酔い、してますね」
ナキ:「なんかいつもと様子違くない?大丈夫かこいつ……」
錺 十也:「飲みますけどさあ……」一口、くい、と。
夏祭らむね:「おっ、いいのみっぷり!」
錺 十也:「うえ、強っ」
錺 十也:「カルーアの風味を打ち消す芳醇なアルコール臭」
夏祭らむね:「それでいいのかカザちゃん!」
夏祭らむね:「アルコールに負けを認めて……いいのか!」
夏祭らむね:「つよくあれ!」
河路 緑郎:「煽るな煽るな」
錺 十也:「……いやだって」
錺 十也:「せっかくエリさんがくれたんだし……」
河路 緑郎:「……お前放送で飲んでたってときも同じ流れで飲まされてそうだな」
錺 十也:ちらり、と横を見る。家族と名乗るのはやはり気恥ずかしいが。
錺 十也:傍にいるくらいはしたい。だから、ここに来た。
錺 十也:「そーだよ。大体もうちょっとで絡み出すからな」
錺 十也:「覚悟をしておけ」
錺 十也:もう一口。
夏祭らむね:「かてーっ!かつんだカザちゃんーっ!」
河路 緑郎:「絡み酒が二人……」
錺 十也:「大体飲まなきゃ勝つも負けるもねえし」くい。
錺 十也:「勝負だろ? やってやんよ」くい。
夏祭らむね:「チャレンジャーだーっ!」
河路 緑郎:「おいその勝負基本勝ち筋ねえからな!」
"クテン":「チャレンジってェか、自滅だろ」
時雨:「ハラスメントですよ──その法律も無いのかな」
錺 十也:「味はクソまずい……」
草原コヨリ:「うだーーーーーーーーー!!!」手元のスマホを覗き込んで、叫ぶ。
河路 緑郎:「うおっなんだ今度は」
草原コヨリ:くたりと耳が垂れて。
草原コヨリ:「敗・北……」
錺 十也:「んー?」そろそろ目が据わっている。
夏祭らむね:「どしたのコヨリ!株で負けた?」
草原コヨリ:「およよーん、ドラスカノミネートならずだよぉ……」
草原コヨリ:「ならずものだよぉ……」
夏祭らむね:「ええええええーーーっ!?」
草原コヨリ:「やっぱ編集がド素人過ぎたのがよくなかったのか……」
河路 緑郎:「素人仕事じゃそりゃ厳しいか」
畔戸笑理:「ああ……やってましたね何か……」背凭れに寄りかかりながらそちらを向く。
時雨:「そうだったんですか」
時雨:よかったのに、とつぶやきながら洋酒をあおっている。
夏祭らむね:「うそうそうそうそ!優勝間違いなしのウワサは!?」
錺 十也:「…………」目元が赤い。
畔戸笑理:「私のせい……?」
畔戸笑理:「私の戦い方が映像映えしないから……?」
河路 緑郎:「いや、別にお前が悪いわけでは……」
サングラスの女性:「アレ……でもここ」隅っこでお茶をちびちび飲んでいた女性が端末を覗き込み。
サングラスの女性:「ありますよ、名前」
夏祭らむね:「え!?」
草原コヨリ:「れれれ??むむ……こりは……」
草原コヨリ:「住民特別投票賞……ノミネィト……」
草原コヨリ:「こりは……裏ドラスカと呼ばれる……"あの"」
夏祭らむね:「えーーーっ!?」
夏祭らむね:「裏ってことは……この世のすべてってこと!?」
夏祭らむね:「この世のすべてを……らむねが支配しちゃったってこと!?!?」
錺 十也:「なんで?」
畔戸笑理:「表はどこに行ったの?」
河路 緑郎:「都合よく解釈する天才かお前」
草原コヨリ:「う、うおーーーー!!!」
草原コヨリ:「支配だーーー!圧政だーーーー!!!」
草原コヨリ:「朝食を毎日パフェにしてやるーーー!!!」
夏祭らむね:「やったーーーーー!!!!」
河路 緑郎:「ともあれ、結果出たなら良かったじゃねえか……と言っていいのかこいつら」
時雨:「わー」手を叩く。
"クテン":「支配した直後に圧政を敷こうとすんのはなんなんだよ」
河路 緑郎:「統治って選択肢がねえんだろうな」
夏祭らむね:「生クリームを上手に絞れない人は死刑にしてやるのね~~~~~っ!」
錺 十也:「……わっかんねえけど」立ち上がる。
"クテン":「ま、それはともかく」
錺 十也:「やあったなあ、夏祭!」
サングラスの女性:「で、でもまだノミネートの段階ですし……あまり喜びすぎるのも……」
"クテン":「よかったな。おめでとよ!」
錺 十也:背中をぽんと叩いてやる。
夏祭らむね:「やったあやった~~~~!!世界制覇だ~~~~!!!!!」
サングラスの女性:「あ、嬉しい報告に水挿してごめんなさいごめんなさい」
畔戸笑理:「おめでとうございます~」
サングラスの女性:コソコソと隅に戻っていく。
錺 十也:「おう、もうなんか制覇でいいや」
"クテン":彼女の頭に手を乗せる。
畔戸笑理:「らむねちゃんも飲む?」焼酎の瓶。
錺 十也:くいくいと酒を飲み。
夏祭らむね:「んふふふふ」頭に手を乗せられにこにこ。
夏祭らむね:「のむ!!」
錺 十也:「……ん」クテンの様子を見る。
河路 緑郎:「未成年……は今更か」
錺 十也:「あ、そか」
"クテン":「待て待て、コイツ15だぞ15!」
河路 緑郎:「笑理もまあ、ほどほどにな……」
錺 十也:「はいはいはい、そーね。そうそう」
畔戸笑理:「15だから何ですか」らむねちゃんのコップに酒を注ぐ。
畔戸笑理:「私の初めての時の歳なんか……」
錺 十也:「いいとこ攫っていったな?」
夏祭らむね:「闇が深い話題が一瞬聞こえた気がする」
河路 緑郎:笑理の発言を聞いて難しい顔をする
錺 十也:クテンに人の悪い笑みを浮かべてみせる。
夏祭らむね:「おお~これがアルコール……」コップに注がれた酒をキラキラした目で見ている。
"クテン":「全取りはお互い様だろが」
錺 十也:「いーえー、いいんすよ。クテンくんが幸せで俺ぁ」飲んでいる。
錺 十也:「……よかった」
錺 十也:「よかったなあ…………」
錺 十也:はあ、と酒臭い息を吐いて。
"クテン":「お前な、呑むにしても初手から焼酎はねェだろ!」
錺 十也:「エリさんに言ってくーだーさーいー」
夏祭らむね:「そーなの?らむねの強さをみくびっているから??」
夏祭らむね:「らむねは世界を制覇したのに??」
河路 緑郎:「だめだこりゃ、何人潰れるかな……」
畔戸笑理:「クテンさんは過保護ですね」
時雨:「初めての方に勧めるような度数のお酒ではない」
"クテン":「前から薄々思ってたがよ──」
畔戸笑理:「すっかりらむねちゃん一筋なんだ……」
"クテン":「ここに来る連中の中でエリが一番倫理観イカレてるよな」
ナキ:「……クソロリコン」じとりと。
河路 緑郎:「藪つついたなお前……」
"クテン":「あ~、うるせェうるせェ!」
錺 十也:「あ」河路にはいろいろと、何回かに分けてオブラートに包んで伝えようと思っていたのだが。
畔戸笑理:「ひ、ひどい……」
錺 十也:「なんでもいんだよ。オラクテン」ぐい、と腕を引く。
錺 十也:「ぜってー幸せにしろ! なれ!」
"クテン":「なんだカザリお前、お前もう出来上がってやがるな!?」
錺 十也:「絶対の絶対の絶対」
錺 十也:「やがりますが?」
"クテン":「……あァ」
畔戸笑理:「私だって15歳と結婚しようとまでは思わないし」
畔戸笑理:「そもそも私とらむねちゃんとで初対面の対応が違いすぎました」
"クテン":「わァってるよ。俺の"夢"には」
夏祭らむね:(手は出したのに……)
"クテン":「もう追加してる」
錺 十也:「うん」ポケットから何やら取り出す。
錺 十也:ボイスレコーダー。
錺 十也:「今の録った」
夏祭らむね:「げんちだ!」
畔戸笑理:「どの口で倫理観ですか~」らむねちゃんに追加で酌をしながら。
夏祭らむね:「わわわ溢れちゃう」
錺 十也:「なんかあったら証拠に使え、夏祭ー」
錺 十也:「恐喝でもいいぞー」
夏祭らむね:「ありがとーカザちゃん!」
畔戸笑理:「既成事実だあ」
時雨:「早くも混沌としてきましたね」目を細めている。
"クテン":「お、お前ら」
夏祭らむね:照れ隠しにグビグビ注がれた酒を飲む。
"クテン":「逆になんでそれが必要になる前提なんだよ!?」
河路 緑郎:「時雨、お前酒は?」
河路 緑郎:「何人潰れるか分からんぞこれ」
錺 十也:「……別に」
夏祭らむね:「ぁっつ!!つめたいのに喉熱っ!」
錺 十也:「記念でもいいんだぜ?」
"クテン":「あーあー、水飲め水」
錺 十也:(あー、畜生)箍が外れたような笑顔で。
畔戸笑理:「ほら甲斐甲斐しい!」
錺 十也:(全員幸せになれ、全員!)
"クテン":「記念……か」
"クテン":「そりゃ悪くねェ。悪くねェが」
夏祭らむね:「はなにつーんとくりゅ」言われるがまま水を飲んでいる。
"クテン":「無断でやるか!?」
錺 十也:「先に言い忘れてただけだって」
錺 十也:いつの間にか注がれていた焼酎をさらに飲む。
夏祭らむね:「時雨もいっぱい飲んで~」
夏祭らむね:「さもないとクユにのますぞ~」
河路 緑郎:「脅すな脅すな」
クユ:瓶をバリバリと
クユ:「ふむ」
クユ:「これが酒」
時雨:「飲んでますよ──ただ、人並なので」
時雨:「お手柔らかに」
夏祭らむね:「瓶イッキって瓶も飲むんだ」
錺 十也:「酒ではないわな」
畔戸笑理:「エコですね」
河路 緑郎:「そこまでのスペックは要求されねえな」
時雨:「いっぱい飲んでくださいね」微笑む瞼を少し下げている。
畔戸笑理:「河路さん。あー。河路さん」
畔戸笑理:手招きする。
夏祭らむね:「らむねもいっぱい飲むつよいから……」赤い顔で目をぐるぐるしながら酒を飲んでいる。
河路 緑郎:「飲まんぞ」
畔戸笑理:「ええー」焼酎の瓶。
錺 十也:「そいつ下戸だっつって茶しか飲まんの」
時雨:「駆けつけ三杯、ですよ」
畔戸笑理:「人の親なのに……?」
夏祭らむね:「そうだ!父親ならのめるだろう!」
河路 緑郎:「お前らの父親観はなんなんだよ」
河路 緑郎:「誰かシラフの奴居ないと店に迷惑だろ……」
錺 十也:「父親かー……」
畔戸笑理:「哭輝のこと」
畔戸笑理:「よろしくお願いしますね。ほんとに」
河路 緑郎:「ああ」
河路 緑郎:「それは約束する」
錺 十也:(……一番近くで、助ける)
畔戸笑理:「お願いしますよ」
畔戸笑理:「あとあの子近くで寝てるとひっついてくるので、慣れてください」
河路 緑郎:「慣れるよ、色々と」
錺 十也:(だったんだけど。今はもう、大丈夫、かな……)
夏祭らむね:「そうなんだ!ナキは寂しがり屋ね~」
ナキ:「は、はぁ~~~~??」
ナキ:「テキトーなこと言ってるんじゃねーーー!!!」
ナキ:もがもが。
しまモン:『しまモンが素面だから……貴様は思う存分飲んで酔いたまえ……』河路さんにポンと手を乗せる
河路 緑郎:「いやお前はどこ視点なんだよ」
"クテン":「……お前、なんかやけに実感のある言い方だな」
畔戸笑理:「哭輝」ぐるりと上体をひねって妹の方を向く。
畔戸笑理:「遊びに来てくださいよ。ちゃんと」
夏祭らむね:「木がいけるなら机もいけるのでは」机にガシガシと歯をたてている。
畔戸笑理:「でないとこっちから行きますから。たまたま河路さんが留守の時などに」
錺 十也:(……大丈夫、か?)
ナキ:「ひっ、あ……」
錺 十也:(ほんとに?)
ナキ:「はい……」
河路 緑郎:「そんな怯えなくても良いだろうに」
時雨:「ずいぶん素直に」
錺 十也:「あ、あのさあ、エリさん、ナキも」
錺 十也:「俺……俺はなんか立場が半端だけど」
錺 十也:「その、一応なんつうか……関係者くらいではあるので」
錺 十也:「なんかあったら、相談とかしてくれても、いい」
錺 十也:「な、ナキ」
ナキ:「うん……」
畔戸笑理:「ありがとうございます」
畔戸笑理:「錺さんはえらい」めいっぱい腕を伸ばして青年の頭を撫でる。
錺 十也:「守ってやりたいっつうのは、ほんとだから」酔っているせいでどんどん言葉が出てくる。
錺 十也:「うえ」
ナキ:コソコソと錺と河路をエリからの盾にするように移動。
草原コヨリ:「撮ってます、ちゃんと収めています」
草原コヨリ:「ウェーイ☆」
錺 十也:「……もうちょい前に欲しかったなあ、これ」
錺 十也:「はは」ヘラヘラ笑って、また酒を口にする。
河路 緑郎:「遅すぎることもねえだろ」
河路 緑郎:「しっかり受け取っとけ」
夏祭らむね:「うぇいうぇい~!」机を食べながらカメラにピース
錺 十也:「……んー、ん、まあ」
錺 十也:「価値が消えるわけじゃねえ、か」
畔戸笑理:「なんですか、そんなに欲しいんですか。仕方ないですね」
畔戸笑理:錺さんのグラスにまた酒を注ごうとして、ぽたりと雫が垂れるのみに終わる。
畔戸笑理:「あっもう無い……」
畔戸笑理:「どうぞ、クユちゃん」
夏祭らむね:「追加だ追加だ~!ドンペリニヨンだ~~!」
畔戸笑理:空の瓶を少女に渡す。
クユ:「どうも」恭しく受け取って
河路 緑郎:「どうぞでどうもか?そこ」
時雨:「そんなに慌てて飲まなくとも」
時雨:「夜は長い、ですから」
クユ:「これが焼酎……」パキ、ポリ
"クテン":「リサイクルBOXかなんかと勘違いしてねェか?」
畔戸笑理:「えへへへふへへ」それを見て変な笑い方をする。
錺 十也:ぐす、と軽く鼻をすすって。
錺 十也:「河路ー! やっぱりやっぱり俺もたまには父親面したいー!」
錺 十也:「たまにでいいから! いいから!」
ナキ:「めちゃめちゃ言ってやがるな……」
夏祭らむね:「そにゃそにゃ!いっぱいすゆがいっ!」
錺 十也:「うるせえ! 生活費出すぞ!」
河路 緑郎:「別に独占しねえよ。好きにやればいい」
ナキ:「どういう脅しだよ……」
"クテン":「お前ら二人とも水飲め! 水!」
夏祭らむね:「ざんしん!」
畔戸笑理:「あはははは」
夏祭らむね:「水もしょうちゅうも見た目おんなじだからしょうちゅうのんだほうがおとくじゃない?」
畔戸笑理:「よく気付きました」
"クテン":「成分が違ェんだよ!」
河路 緑郎:「肝臓には違うんだよ」
草原コヨリ:「さすがは監督、冴えてるぜぇ」
夏祭らむね:「てんさいかもしれない……」
時雨:「さすが。みたものをしんじている」
錺 十也:「……いいのかな」
錺 十也:「……いいなら……つーて、何すんのかわかんねえけど」
河路 緑郎:「ゆっくりでいいんだろ」
夏祭らむね:「たかいたかいしてあげなよ!」
錺 十也:「ゆっくり……たかいたかいを……」
河路 緑郎:「混ざったな」
夏祭らむね:「いまちょうどらむねもたかいとこいるし!ふわふわしてる!」
"クテン":「それはもう筋トレだろ」
錺 十也:「小遣いとかあげればいい……?」
草原コヨリ:「たかいたかーい!げてんろーよりたかーい!!」
草原コヨリ:「れれ?なんだげてんろーって」
夏祭らむね:「げてんろーってなに~?」
"クテン":「ッ……」
草原コヨリ:「知らん、まろびでた」
河路 緑郎:「あ?どうしたクテン」
夏祭らむね:「まろまろ~~!」
畔戸笑理:「おいしくなさそうな響きですねえ」
草原コヨリ:「乙女のマロビーちゃんよ」
"クテン":「い、いや分からねェが……なんか寒気と……」
"クテン":「……気のせいか……?」こめかみを指で摩りながら、釈然としない表情を浮かべる。
畔戸笑理:「寒いんですか~?」
時雨:「のんで忘れましょう。あたたかくなりますよ」ウィスキーを注ぐ。
ナキ:「あーあ、雑魚にそんな注いで……」
河路 緑郎:「時雨お前もだいぶ酔ってきてないか」
畔戸笑理:「それ」
河路 緑郎:「それか?」
畔戸笑理:「時雨さんがいいこと言った」
時雨:「ふふふ」目を細めている。
夏祭らむね:「あたたまるのがよい!」
畔戸笑理:ウイスキーの上からスピリタスを注ぐ。
夏祭らむね:「いっぱいあるとおとく!」
"クテン":「あのな、ここは雪山じゃねェんだ。分かるか?」
"クテン":「価値観が山岳救助犬なんだよお前ら」
時雨:「でも青の逆月亭ですよ」
畔戸笑理:「犬っぽい見た目の人に犬って言われた……」
夏祭らむね:「わんわん」
夏祭らむね:「クテンおて~」手を伸ばしてぱたぱたしている
"クテン":「だァから俺は犬じゃ……」
"クテン":「……いや、まァ、別にいいか。野良犬でよ」
"クテン":「元よりコヨーテだからな。飼い犬は務まらねェ」
錺 十也:「……ま、いいや。ナキー」声をかけて、歩み寄る。
ナキ:「ん、んだよ」
錺 十也:肩をがしっと抱く。
ナキ:「なんか目が怖いぞこいつ」
錺 十也:(「……なんかあったら」)
錺 十也:(「マジで俺に言え」)
錺 十也:(「な。これ、あんまし教えてないアドレス」)
ナキ:(「なんかはもうありすぎるくらいあったんだが……」)
錺 十也:(「やっぱりあったんかよ」)
ナキ:(「まあいいや、この世話焼きが」)
錺 十也:(「……ごめんな」)
錺 十也:(「どうもあんましちゃんと動けなくてさ」)
ナキ:(「なんかグイグイ来るな……顔が似てるからってナキで代用しようとすんなよ?」)
ナキ:(「この負けドッグカザがよ」)
錺 十也:(「あ? バーカ。俺はこれでも父親だぞ」)
ナキ:(「父親ヅラするのどっちかにしてくれ……混乱する」)
錺 十也:(「あっちがダメならお前だって入るわけねえだろ、娘だぞ」)
錺 十也:(「……もう、なんでもないから。だから」)
錺 十也:(「だから相談できるだろ、ってこと」)
ナキ:「はいはい、わかったわかった……」
ナキ:「(鬱陶しいのな……父親ってのは)」
ナキ:でも、別に嫌な気持ちではない。
錺 十也:そのまま、離れてまた席にどかっと座る。
畔戸笑理:「時雨さんって変身したら酔いもリセットできるんですか?」急に水を向ける。
時雨:「ええ」
時雨:「これでまた──美味しく飲めます」
錺 十也:(『青の逆月亭』)
時雨:ブロックノイズとともに姿を変えると、顔色も元に戻る。
錺 十也:(黄色の照明)
"クテン":「べ、便利だなお前」
畔戸笑理:「お得だあ」
錺 十也:(赤い血がたとえ流れたって)
夏祭らむね:「野良だからちゃんとお世話するし、おやつもわけてあげる」
時雨:「ふふ、十人並ですよ」
錺 十也:(きっと、緑の平穏がまた訪れる)
"クリスタル・ディンゴ":「あ、どうも。お久しぶりです」
畔戸笑理:「十人分くらい行けるって意味?」
錺 十也:(……そうだよな)
錺 十也:ゆっくりと天井を見上げて。一人でくすくす笑ってグラスを空ける。
河路 緑郎:「どんだけ呑ませたいんだ」
"クリスタル・ディンゴ":「なんか狂楽区側の通りに出店が出てましたよ。ちょっとしたお祭りみたいになってます」
時雨:「そうかもしれません」ぐびぐびとグラスを傾けている。
夏祭らむね:「ええ~~そうなの!」
夏祭らむね:「祭りじゃ!カチコミじゃ!バズーカじゃ!」
時雨:「祭。それは興味深い──」
畔戸笑理:「へええ」
河路 緑郎:「見に行くか?」
夏祭らむね:がたんと立ち上がって。
夏祭らむね:「およ~」ふらふらしている
ナキ:「いんじゃない?いい加減ギュウギュウ詰めで息詰まる」
錺 十也:大丈夫か、と声をかけようとして。
"クテン":「オイオイ、危ねェな」ふらつく肩を支える。
錺 十也:それはこいつの役目だよな、と思い直す。
逆月亭の主人:「悪かったな、狭い店でよ」
夏祭らむね:「んふふ、ありがと」
畔戸笑理:「哭輝~。一緒に行きましょう」
河路 緑郎:「そっちは任せたぞクテン」
畔戸笑理:千鳥足で歩み寄る。
河路 緑郎:「俺はこっちの酔っぱらいを見てる」
ナキ:「おわ、わ、こらひっつくな、あ、なんか触り方が怖い!やめろ!!」
河路 緑郎:苦笑しながら笑理を指す。
夏祭らむね:「ね、ほら」
時雨:「行きましょう、クユさんもどうですか」
夏祭らむね:「ちゃんと膨らんだでしょ?」
畔戸笑理:「うへへへへ」
畔戸笑理:「何もしないから……」
畔戸笑理:「本当に」
クユ:「屋台……制覇……」
クユ:「うおーーー!!」
クユ:飛び出していく。
河路 緑郎:「すまんなマスター、騒がしくて」
錺 十也:「……月」
畔戸笑理:「怖がらせたいわけじゃなかったの……」
錺 十也:「そっか」
時雨:「あっ早」
畔戸笑理:「お姉ちゃんになりたくてえ……」
ナキ:「ああぁ、泣くな泣くな……どうすんだよぉこれ……」
畔戸笑理:「ごめんねえ……」
畔戸笑理:べそをかき始める。
錺 十也:少しおどおどしながら、頭に手を置いてやる。
錺 十也:さっきの代わりとばかりに。
河路 緑郎:「まったく……哭輝、まともに歩かなくなったらこっちに渡せ」
錺 十也:「大丈夫。ゆっくり、な」
夏祭らむね:「クテン~、つれてって~」
夏祭らむね:ふにゃふにゃとしがみついている。
畔戸笑理:「ううー……」撫でられる。
畔戸笑理:「嫌だったらもうしないから……」
"クテン":「あーあー、分かった分かった。だからしっかりしろ、水飲め」
"クテン":「……そういや、アオバのヤツはどこ行った? どっかの席で呑まされてんのか」
錺 十也:(なんとなく点と点はあるんだが)
ナキ:「いや別に嫌じゃあないs……いやまて今の無し」
錺 十也:(これ、あんまし結びつけたくねえな……)
ナキ:「嫌だ、いやいや、だからやめろ!な!!」
畔戸笑理:「……」
錺 十也:(河路になんて言やいいんだか……)
畔戸笑理:涙目でじっと妹の顔を覗いて。
畔戸笑理:「嫌じゃないの……?」
ナキ:「嫌だっつってんだろこの色惚け狂人!!」
ナキ:「ほら行くぞ!」
錺 十也:「……河路」
錺 十也:「今度、なんつうか、ちゃんと話そう」
ナキ:強引に手を引いて、来たときとは逆に。
河路 緑郎:「……そうだな」
河路 緑郎:「まあ、なんとなく分かってきたというか」
河路 緑郎:「不器用……で済ませていいのかどうか」
畔戸笑理:「……えへへへ」涙の筋を顔に残したまま、笑って手を引かれて外に出ていく。
錺 十也:「……最終的には」
錺 十也:「上手くいくといい、な。うん」
河路 緑郎:「そうなるようにやるしかねえな」
サングラスの女性:「お祭りですか、お餅は出るんでしょうか?」
夏祭らむね:「叫ぶお餅いっぱい~!」
サングラスの女性:「叫ぶ……餅が??」
時雨:「わりと叫ぶ食材が多いようです」
サングラスの女性:「異街……こわぁ……」
時雨:「そういえば──あの時はお世話になりました。まだお名前を伺っていませんでしたね」
"アカネ":「どうも。謎の美少女忍者……アカネです」
時雨:「謎の」
夏祭らむね:「びしょーじょにんじゃだ!」
"アカネ":「お師匠様からは『いい機会だ、お前にはそろそろ実践が必要なのでそこのランキングとやらで中堅に入るまで帰ってくるな、無論お山の助力無しでだぞ』と……」
"アカネ":「なので今、とても怯えています……先輩方である皆さんには何卒このアカネに良くしてもらえたらと……」
"クテン":「また妙なヤツが増えたな……」
時雨:「もう新参者とは名乗れなくなってしまいますね──とはいえ、歓迎いたしますよ」
錺 十也:「あんたがこの店にいて、楽しくしてりゃそれでいいよ」
錺 十也:「外では知らんけどな」にっと笑う。
"アカネ":「ひとがいっぱい騒がしくてお祭りみたいのは、馴染みがあって安心します……」
"アカネ":「これからもお邪魔させていただけたらと……」
河路 緑郎:「好きにしたらいい。マスター、騒がしくして悪かったな。また来る」
夏祭らむね:「ゆるすぞい!」偉そう
錺 十也:「四人とか八人とか区切ると、こういう時面倒だよな」
錺 十也:「全部まとめて、でひとつ」
錺 十也:「うー、頭いた」
夏祭らむね:「欠けたと思っても……元通り……ううん」
夏祭らむね:「もとよりいっぱい膨らむ!」
錺 十也:「そゆこと」
夏祭らむね:「月、さいこ~~!」
錺 十也:「イエーイ」
時雨:「いえーい、ですね」
逆月亭の主人:がやがやと、姦しく扉をくぐる面々を眺める。
逆月亭の主人:「はぁ……派手に散らかしていきやがって……」
逆月亭の主人:「まあいいさ、掃除が俺の仕事だ」
逆月亭の主人:台拭きちりとりを手に。
逆月亭の主人:綺麗に磨いて、もとに戻すのだ。
逆月亭の主人:そうして、店を保って、新たな客を出迎える。
逆月亭の主人:変わらない、毎日の繰り返し。
逆月亭の主人:「それこそが……俺が"勝ち取った"、勝利の証ってもんよ」
GM:そうして、今日も青の逆月亭の明けない夜が更けていく。
GM:いつもと同じように。
GM:いつもと同じであるようにと、その祈りと努力を受けて。
GM:今日も、明日も、そこにある。
───────
: いつものようにグッド・イブニン。
: ナキだよ、久々に青の逆月亭からお届け!
: とはいっても、今日はナキひとり。皆、それなりに忙しいみたいだからね。
: ナキは療養中だからさ、暇なのよ。
: 事の経緯は……知ってる人も多いんじゃないかな、微妙に有名みたいだし。知りたい奴はしゅわしゅわchとやらにアクセスすりゃあいいんじゃない?夏祭も喜ぶでしょ。
: 溜まっていたメッセージをチェックしたよ。
別にアクセス多かったわけじゃあないけどさ、なんか……思ってたよりずいぶんあったよね。
: それじゃ、いくつか紹介するよ。
: 『こんばんは、ナキさん』はいこんばんは。
: 『ナキさんはRIN-NEさまがお好きだということですが、ナキさんセレクションのベストアルバムを作るとしたらどのような並びになりますか?』
: こいつは戦争を仕掛けてきているのかな?これの話すると枠まるまる一個潰すから申し訳ないけどまた今度ね。
: 『こんばんは、皆さん』はいこんばんは今はナキのみだけどな。
: 『クテンきゅんに食べてほしくて、一生懸命作りました、どうぞ受け取ってください』
: あれ怖かったからナキの独断で処分しました。ご了承願います。あと自分の顔写真添えてくるのやめろオッサン怖いぞ!!?!
: ……ハァ、クテンあいつモテるよな、変なのに。前も軟体魔物使いの"死ゲル"とかいう変態に追い回されてたよ。アーカイブにバトル動画あるから気になる人は掘ってみてな。
: ええと、他には……『クテン、石食え』似たようないっぱいあるんだが……、お前らいい加減にしろよ。
: 『カザっちの大大大大ファンです!きょうはあたしから挑戦状!一生懸命作りました。これが解けるかな!?』あのさ、善意で時限爆弾送ってくる馬鹿がどこにいるよ?緊急事態すぎて動画は撮れませんでしたあしからず。でもカザのやつちゃんと解体しきってたよ、満足そうだった。馬鹿同士winwinじゃんでも店を巻き込むな!!
: 一生懸命の方向性がおかしいだろ、なんで何か作ってくるやつはどいつもこいつもネジ飛んでんだ?!
: 『朗読して欲しい脚本を書いてきました、自信作です』
: エリに対するこの手の尽きないのどうなの?……ってこれよく読んだらナキ宛て?
: ………オイオイオイオイオイ。
オイオイオイオイオイ、よせ、よせよ……泣くぞ……次。
: 次、『エリさん、聞いてほしいんです』ここには今ナキしかいないがな。
: 『彼氏が浮気しているかもしれないんです』なんかエリに対して恋愛相談多くない?でもナキいちばんアテにならない相談先だと思うんだけどな―、エリはそっち方面軽く倫理観終了してるし。
: なんかこう過激なことズバズバ言ってくれるコメンテーター的需要なん?
: まあ今はエリいないし、ナキがとっておきの呪法を教えてあげるね。これに成功すると彼氏くんが浮気していた場合三日三晩虹色の嘔吐が止まらなくなるスグレモノだから、まず障子紙とお酒を用意してね、それからね……――
: ……ずいぶん語ってしまったな。まだまだお便りいっぱいあるけど、今日はここまでにしておこっか……。
: あのさ、こうして随分と久々に放送してみたわけだけど……。
: なんか、やっぱ、良いなって。
: ナキはずいぶん長いことひとりで戦っているつもりだったんだけど、結局色んな奴らに助けられていたんだよね。
: その中にはお前らもいてさ。
: どうして、あの時カメラを前に配信なんかしてみようと思ったのか。……結局、寂しかったのかな。
: 発信するってことは、否応なく関わってしまうことだからね。
: こうして、このチャンネルをタップやクリックした以上。軽い気持ちでも、勇気を振り絞ってでも、コメントを送信してしまった以上。ナキとお前らの間には縁や絆が生まれてしまったわけだ、ざまあみろ。
: 案外ひとりじゃないんだな、人間って。
: これを聞いてるお前たちのなかに、どうしようもない孤独を覚えるやつがいたらさ、そういう気持ちで外を……いや別に外じゃなくてもいいか。
: ざまあみろ、関わってやったぞって。商店の店員でもいいし、今食べてるジャンクフードの生産工場長でもいいや。
そしたら"もっと欲しくなる"こともあるかもだ。
: 少なくとも、このナキ様との間には関わりがある。気が向いたら、青の逆月亭に来なよ。「配信見て来ました」って言や、一杯くらい奢ってやるからさ、クテンの財布で。
: 無愛想な店主の美味しさ上限そこそこの食事や、微妙にマニアックな酒の取り揃え。バカどもの与太話が待ってるぞ、来るもの拒まずさ。
: では、アデュー!さよならのナンバーはもちろんRIN-NEで『ミッドナイト・ドア・ノッカー』
: 青の逆月亭よりナキがお届けしました。
竜骨島逗留奇譚 第一章『青の逆月亭の四人』
完
───────
GM:これより!経験点の配布!
畔戸笑理:イエーイ!!!
河路 緑郎:うおー!
錺 十也:うおー
GM:を省略し、【琴線】システムのコーナー!
夏祭らむね:FOOOOO!!
錺 十也:うおー
GM:つまりはアフタートーク!
時雨:ウォウウォウ
河路 緑郎:うぇい!
畔戸笑理:省略だ~~~やった~~~~!!
河路 緑郎:皆テンションがおかしい!
GM:琴線、それは今セッションで最も琴線に振れたキャラおよび瞬間等をセレクトするシステム!
GM:総合力最強PL決定戦とかそういうのでは、別にないので……
GM:この瞬間が良かった、とか
GM:このPCのここがぶっ刺さってるんだよなという
GM:限定的なここ良かったポイントを合法的(?)に話す場だと思ってください
GM:なので、選ぶも選ばれるも気軽に
GM:それじゃあ、やっていきましょうか。
GM:各自ダイス目に対応したPCナンバーを考えてくださいね。
GM:サブGMも参加するんだよホラホラホラ!!
GM:決まったら、ダイスをスライドしてくれよな。
GM:マジで気軽であってほしいので、あまり深刻に悩みすぎることなく……。
GM:各自、出揃ったようですね
河路 緑郎:決めた!
錺 十也:おう!
GM:皆のもの準備はいいかー!!
時雨:決まったらしいです
夏祭らむね:おう!
畔戸笑理:おうよ
サブGM:はい……
GM:では、カウントをするぜ……
GM:3
GM:2
GM:1
GM:0
system:[ 夏祭らむね ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 時雨 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ GM ] がダイスシンボルを公開。出目は 2 です。
system:[ 河路 緑郎 ] がダイスシンボルを公開。出目は 4 です。
system:[ 畔戸笑理 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ 錺 十也 ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
system:[ サブGM ] がダイスシンボルを公開。出目は 5 です。
夏祭らむね:え~!?やった~~~!!
錺 十也:わーー
河路 緑郎:らむねちゃんつよーい
畔戸笑理:まあな~~~
GM:よし、では各自コメントを。
GM:まずはGMから行きますね。
GM:えっと、河路緑郎さんを選びました……。
河路 緑郎:うれしい
GM:これは秘密に加え、様々な想定外が襲いかかってきたと思うんですが。
GM:急に「え、なにそれ?」と言う情報の数々にめちゃめちゃになりながらも結局ドッシリと父親をやり遂げた……その恐るべきパワーに敬意を表して……
河路 緑郎:ありがとうございます!
GM:本当にありがとうございました。
河路 緑郎:こちらこそ!
GM:皆当然素晴らしかったんですが、今回PC2は特別大変でいっぱい悩んだと思います……
GM:ほんとに、ほんとにありがとう……。
GM:というわけでした!次、行けサブGM!!
サブGM:あ、私か
サブGM:え~、PC5の夏祭らむねさんを選びました
夏祭らむね:ありがと~!
サブGM:なんというか、初見だとヤバい子なんだけど
サブGM:話を追うにつれて、純粋ないい子っていう側面とか色々影を背負った側面が見えてくるところがあり
サブGM:そういう色んな顔の集大成としてのクライマックスでの「ここにいるよ」「ここにいていいよね」の流れがメチャクチャよかったなと……
夏祭らむね:やった~~!嬉しいHAPPYです!
サブGM:あと個人的な理由として、ニャオの他人をモブ扱いする発言に怒ってたのもちょっと嬉しかった
サブGM:握ってたのが元モブなので……
夏祭らむね:そうだったとはね
サブGM:まあそういう感じです。ありがとうございました!
夏祭らむね:ホワイトコヨーテがバケビ1に出てきたモブだって参加者以外あんまわかんないからね
夏祭らむね:ありがとうございます!
GM:いえいいえい
GM:ではPCナンバー順に言っていきましょうか
GM:おっけー?
時雨:は~い
GM:ではお願いします、PC1!
時雨:自分はPC5、夏祭らむねさんを選ばせていただきました。
夏祭らむね:やった~!ありがとうございます!
時雨:物語において、四人を支えるすごく重要なポジションであり、過去の心情を伝えてくる回想シーンにはうならされました。
時雨:でもそれ以上に、夏祭さんの活発なキャラクター性は、要素が多いゆえに混沌としたこの舞台を、コミカルに引き締めてくれていたと思います。
夏祭らむね:えへへ らむねがシュンとしたらマジで空気重くなっちゃって あっやべ……ってなりました
時雨:大事件を、お祭り騒ぎにすることに最も働きかけたのは夏祭さんだと思い、琴線を入れさせて貰いました。
時雨:ありがとうございました!
時雨:自分は以上です。
夏祭らむね:ありがとうございます!!
GM:どうもありがとうございました。
GM:それではお次PC2!
河路 緑郎:はーい!
河路 緑郎:えーはい、錺君でお願いします
錺 十也:ありがとうございます!
河路 緑郎:最初から最後までロールの端々に皆のことがめちゃめちゃ大好きなのが伝わってきて
河路 緑郎:私とプライズ交換して真の秘密が公開されてからも
河路 緑郎:勝負するものとしてズレた部分と友達を大事にする青年の部分を
河路 緑郎:すごい綺麗にまとめてロールされてるのがすごかったなーと
河路 緑郎:あと回想シーンの欠落の語りとかが大変好きです
錺 十也:うれしい……
河路 緑郎:戦闘描写も超かっこよかった
河路 緑郎:そんな感じかな!ありがとうございました!
錺 十也:ありがとうございます!
GM:地元じゃ負け知らずだからよ……
GM:ではお次はPC3、よろしくお願いします。
畔戸笑理:はーい
畔戸笑理:PC5の夏祭らむねさん!
夏祭らむね:やった~~!ありがとうございます!
畔戸笑理:独自の立ち位置からみんなのことを考えてくれてるのとか、動画を始めとした力の入れようとかもあるのですが
畔戸笑理:特にぶっ刺さったのがしまモンでクテンくんに幻覚を見せるシーンでした
夏祭らむね:えへへ 敗者ちゃんああいうの褒めてくれるから嬉しい
畔戸笑理:みんな揃って平和そうに飲んでるところね!
畔戸笑理:あれが本当に、絵と語り口の柔らかさが好きで
畔戸笑理:今回のセッションで一番泣いてしまったので、ベストに選ばせていただきました
夏祭らむね:え~~嬉しい ありがとうございます!!!
畔戸笑理:本当に思いやりのある良い子だったと思います。大変助けられてしまった
畔戸笑理:クテンくんとお幸せにね!以上です!
夏祭らむね:ありがとうございます!!またセックスしようね!
GM:どういう会話なんだよ
GM:ありがとうございました、次だ次!PC4!
錺 十也:はい!
錺 十也:PC5、夏祭らむねさんを!
夏祭らむね:やった~~!!ありがとうございます!!!!
錺 十也:えらいねー
錺 十也:全体的に落ち着いたPCが多い中、すごく元気な陽のパワーで引っ張ってくれて
錺 十也:緊張感があった前半も、いい感じの空気を作ってくれていたなあと
錺 十也:何より秘密が開いて以降本当に全てが好きで……。
夏祭らむね:えへへ 良い秘密くれたGMにサンキューですね
錺 十也:この辺はPC4的にぶっささりました
錺 十也:芯のところの想いがすごく純粋でまっすぐなところとか、良かったなあと
錺 十也:「いてくれてよかった」「救われた」という気持ちになったのはらむねちゃんかなあと思うので、決めました。
錺 十也:そういう感じで、以上ですー
夏祭らむね:ありがとうございます!!!おもちゃ買いに行くね!
錺 十也:おいでおいで
GM:商売成功させろよ、ありがとうございました
GM:では最後、PC5!
夏祭らむね:はい!
夏祭らむね:私はPC4の錺さんを選ばせていただきました!
夏祭らむね:今雑談のほうでもね、得点王だよねって話とかをしていたんですけど
夏祭らむね:やっぱりめちゃくちゃ”強い”ですよね
夏祭らむね:本当にみんなのこと見ててくれて、みんなのこと好きでいてくれてるんだな~ってすごく伝わって
夏祭らむね:ハッピーパワーがもりもり生まれますね
夏祭らむね:錺さん自身もすごく魅力的で
夏祭らむね:私は自由に遊んでる所をすごく構ってもらって、お兄ちゃん……ってなってたし
錺 十也:お兄ちゃんだよ
夏祭らむね:最初は裏方がいい、表舞台に立つのは気が引ける……って感じだったのが
夏祭らむね:どんどん舞台の上に立って、本人もホテルマンよりやべーのでは!?ってくらい勝負師だよってなるのは
夏祭らむね:やっぱりすごく素敵ですよね
錺 十也:うれしいー
夏祭らむね:あとは当然うまいにきまってるんだけどモチーフの取り込み方とか、言葉遊びとかね!
夏祭らむね:うまいってわかってるけどそれでもやっぱヒエーッすごすぎ……になっちゃいますね
錺 十也:ありがたや……
夏祭らむね:全員めっちゃすごかったんですけど、やっぱりすごく前向きにがんばるぞい!ってハッピーパワーを一番くれたなと思って選ばせていただきました!
夏祭らむね:そんな感じです!ありがとうございました!
錺 十也:ありがとうございます!
GM:どうもありがとうございました、ハッピーにな!
GM:ではここから先は私の強権によるいいから我々も褒めろのコーナーです。
夏祭らむね:褒めるぜ~!
GM:じゃあGMがサブGM褒めるね。
サブGM:えっそれ初耳
GM:いや、ほんと……色々と助けてもらいました。シナリオや秘密の内容に関してもだいぶ見てもらって意見貰いましたし。
GM:進行においても……。
GM:写真マンのデザインを詰めている時はやっぱこの人一見無害そうな振る舞いでいて"曲者"なんだよなあと改めて思ったことをここに表明します。
GM:霊輿さん良いですよね、やっぱ。発言が遅いだけのパワーがありますよね(ヘイトスピーチ)
サブGM:へ、ヘイトスピーチ
GM:おかげで聖女様も当初思ってたよりノリノリでおちゃめになりました
サブGM:聖女様かわいかったですね
GM:あとは、コヨ……コヨーテ
サブGM:コヨーテですが……?
GM:正直何いい出したんだこの人って思ったけど
GM:面白いことは面白いんだよなぁ……
GM:見事やり遂げましたね、コンニャロウ、ありがとうございました
GM:あんなその場のノリのクソモブが……
GM:だって医師団とかレタス王とかとそう変わらんですよあんなん!!
河路 緑郎:医師団とかレタス王が今後再登場して大活躍するってこと?
サブGM:あれ、霊輿ともう一人NPC担当することになって
サブGM:最初の案として言いましたからね
GM:そう、真っ先に
GM:やはり"曲者"なんだよなあ
GM:あとは、クソボケネットピープルおよびに善のクソボケネットピープル、ありがとうございました
GM:私ひとりだとあのボリュームとパワーは出せなかったと思います。
サブGM:あれ考えるのかなり楽しかったです
GM:そういうわけです、スケジュールが合えば次回もお願いします。
GM:第三章には何が何でも来てもらうが……
サブGM:あっこちらこそよろしくお願いします……!
河路 緑郎:そうなんだ……
時雨:楽しみ!
河路 緑郎:あ、じゃあGMを褒めようのコーナーなんだけど
サブGM:いや色々褒めていただいて嬉しいです、ありがとうございます……
河路 緑郎:私と錺君の更新された秘密あれめっちゃ好きです
サブGM:GMも褒めたいよね
錺 十也:はいはい!
錺 十也:好きです!
GM:ありがとう……
夏祭らむね:よかったですね~秘密
錺 十也:本当に……
河路 緑郎:めちゃめちゃ無茶振りだったとは思うけどね!
畔戸笑理:よかった~
河路 緑郎:楽しかったからええんや!
錺 十也:ドキドキしながら開いてあれで、本当に胸が熱くなり
錺 十也:どうやるの……?って思いました
錺 十也:楽しかった!
GM:アレはホント失敗したらかなりのGM自己満足案件だったと思うので……
河路 緑郎:信頼してもらえたということだと思うので
河路 緑郎:応えられたならなによりです
錺 十也:本当に!
GM:おふたりを選んで……そして返してくれて本当に良かった……
錺 十也:個人的には本当に自分ヒット題材だったので
錺 十也:いい感じに咀嚼できてよかったです
サブGM:あれ、お二人を選んだGMとそれを完璧にこなしたお二人の両方すごいと思っております
河路 緑郎:われらすごぞ
畔戸笑理:二人して笑うところね……
GM:イエイ
錺 十也:すごいぞー
畔戸笑理:あそこが好き
夏祭らむね:すごかったですね~
錺 十也:あれね!
時雨:あれを乗りこなせるのすごいですよ~~~
サブGM:あれマジですごかったな……
錺 十也:自分も笑うかなーって思ったら河路さんが先に笑ってくれて
錺 十也:うれしかった
時雨:賞賛するしかない!
GM:やっぱ最強のふたりじゃん
夏祭らむね:地元じゃ負け知らず
河路 緑郎:これは笑っちゃうだろうなーと思ったら
河路 緑郎:そこ認識が同じだったの嬉しかった
錺 十也:最高のシーンでしたし、最高の秘密でした
サブGM:GM、あとやっぱナキがよかったですよね
GM:へへへ
錺 十也:ナキー
夏祭らむね:ナキちゃん~~
河路 緑郎:可愛かったね
ナキ:ナキだぞ
河路 緑郎:めちゃめちゃ甘えん坊だった
畔戸笑理:ナキ~~~~
時雨:ナキちゃん!
河路 緑郎:甘やかしたるからな
サブGM:あのクライマックス中の回想とかさ……
ナキ:ぱぱー
錺 十也:ナキ、説得したいけどできないポジって言われてましたけど
夏祭らむね:あんな重い回想みたら泣いちゃうよ!
時雨:クライマックス中回想はレギュレーション違反だろ! と思いました
河路 緑郎:あれはダメージがえぐかった
錺 十也:絶妙にバシバシやりつつもやっぱり助けたくはなる子なので
河路 緑郎:レギュレーション通りなんだけどね!クライマックスの回想!
錺 十也:そこのバランスがすごいよかった
GM:やっぱ甘えたいからやってるんですよね、あいつは根底にあるのはそれで
河路 緑郎:解像度を高めることでダメージを増やしてきた
GM:やり方と思考の方向性がバグっちゃってるだけで
錺 十也:相談してくれー
畔戸笑理:ほんとによお!
河路 緑郎:当たりが強いときも相手に甘えてる感じ かわいいね
時雨:泣いている子供ってわけだぜ
河路 緑郎:泣かせてごめん……
錺 十也:最後の配信本当によかった
畔戸笑理:それね……
GM:いえーい
河路 緑郎:えかった
サブGM:動き的には説得できないんだけど、ナキ・メンタル自体には入ってる感じ
夏祭らむね:よかった……
サブGM:あの配信良かったね~!
河路 緑郎:前向きになってくれて……
夏祭らむね:やっぱり姉のレズセックスの手から逃れてパパの家にいったのが良かったんでしょうね
河路 緑郎:こ、こらっ
河路 緑郎:お姉ちゃんにはお姉ちゃんの考えもあったから!
GM:パパは家族を強姦したりしないもんね。
畔戸笑理:泣くぞ
サブGM:あとそれこそ、ホテルマンさんとかリンネ様とかも
河路 緑郎:よしよし
錺 十也:ぐっ
河路 緑郎:あ、突然死
GM:鳴き声が
時雨:ホテ死だ
夏祭らむね:ホテ死だやった~!
GM:もう名物と化しつつある
錺 十也:ホテルマンさんはあの、本当にまずかお……デザインが好きで、そこから思い切って応募したんですけど
錺 十也:ほんっとうに思い切ってよかった!
GM:へへ、ありがと……
河路 緑郎:来てくれてよかった
錺 十也:もちろんやりとりするのも最高に楽しかったです
時雨:来てくれてよかったですね!
時雨:NPCのデザイン、皆尖っててすごく魅力を感じています
錺 十也:というかどんどん好きになってかなりやばかった
サブGM:依頼した訳の分からんキャラデザもメチャいい感じに描いていただけて……
夏祭らむね:動画とかなんか作ってなんかいっぱいかいたんですけど
夏祭らむね:ばけら・デザインキャラみんなどうなってんの~~!?!?わかんね~~!!になりました(褒め言葉)
GM:ふえっへっへ
GM:結局累計いくつなんだろ
河路 緑郎:いっぱい
夏祭らむね:3より大きい数かぞえらんない
時雨:古代中国?
GM:18人いました(ナキ差分抜き)
夏祭らむね:やば
畔戸笑理:おかしい
時雨:うわ~~すごい!!
サブGM:ヤバ……
河路 緑郎:やばい
錺 十也:ひええ
GM:あいやこれ蝋喰ちゃんとかもカウントしちゃってるな
サブGM:みい子さん来たときマジでびっくりした
GM:お山のマスコットも除外すると16か
河路 緑郎:びっくりしたね
時雨:みい子さん嬉しかった……
河路 緑郎:でもよかった
河路 緑郎:まじで各所にこれまでとのつながりあってよかったですね
黒羽:3のキャラも出たからね
GM:あれはサプライズ枠でした、ナケミンさんが喜んでくれて嬉しい
錺 十也:これがあのログの!と思っていろいろ嬉しかったです
河路 緑郎:あそうだ、それの絵も乗せますか
GM:ひよこ
畔戸笑理:過去作読んでおいてよかった!ってなれましたね
サブGM:今回、ホワイトコヨーテとリチャード青羽が共闘してたことになるんだよな……
夏祭らむね:呪いのヒヨコのせてもらおうかとおもったけど3のログにもたしかのってないんですよね……
河路 緑郎:夢のコラボ
時雨:みい子~~~……
GM:クソモブとクソモブ夢の共闘シーンか……
河路 緑郎:リチャードやたらかっこよかったな……
錺 十也:あ、ほめたいやつ、マスター!
錺 十也:マスター、立ち絵なし名前なしなんですけど、すごくいい存在感で
河路 緑郎:いやこっちが勝手に格上げた部分もあるけど
サブGM:リチャード強くてなんか嬉しかったですね
河路 緑郎:マスターよかった!
夏祭らむね:よかった~~~マスター
錺 十也:空気を作ってくれた……
河路 緑郎:マスターは逆に立ち絵も名前もないのが良かった気がする
時雨:マスター、大人でしたね
サブGM:マスター良かったなあ
GM:マスターは立ち絵ないのが逆にらしいかなって
畔戸笑理:わかる
錺 十也:そうそう<立ち絵なし
GM:描くのも考えたんですが
時雨:河路さん以外は若者だから
河路 緑郎:名もなき誰かも願ってくれてるって
時雨:渋い引き締め方をしてくれた
夏祭らむね:立ち絵ないからなんか 【俺】みたいなつもりでいられますよね
時雨:たしかになあ
河路 緑郎:河路もなんやかや青いところはあるしね
サブGM:あと所々で出てきた謎シノビたち
サブGM:サトシ、なんだったんだ
夏祭らむね:不思議バナー好き
GM:なんだったんだろ……
河路 緑郎:分からない
河路 緑郎:いつか明かされる日が来るかもしれない
畔戸笑理:来るかなあ
GM:不思議バナー、全部GMのクソ駄洒落因子が悪さを……
河路 緑郎:ポケビガミとかで
サブGM:あれすごい好きですね きっと死ゲルくんとリーグで戦ってるでしょう
畔戸笑理:でもホワイトコヨーテがメインキャラになったんだしな……
GM:「けっきょく、おれさまが、せかいでいちばんヌラヌラしているってことさ!」
畔戸笑理:嫌すぎ
夏祭らむね:その称号全然奪いたくないからそのままでいていいよ
時雨:がんばってね
GM:あと僕は皆がニャオに可愛いかわいい言ってくれて
GM:ニコニコしてました
時雨:あっ油舐さん!
夏祭らむね:めっちゃかわいい 頭まるいとこすき なでたい
河路 緑郎:かわいいよ
時雨:かわいいよね
河路 緑郎:でもまあ反省しなね
畔戸笑理:いいヒールだった
河路 緑郎:私に限ってはまあ借りもあると思ってるので……
GM:ふふふ
河路 緑郎:いくら語っても語り足りないがそろそろお時間かしら
GM:まだまだ話したいことはありますが、いい時間ですね
河路 緑郎:かぶっちゃった
GM:では、本当にありがとうございました!
河路 緑郎:ありがとうございました!お疲れさまでした
GM:改めて!サンキュー!
錺 十也:ありがとうございました。最高の経験でした!
GM:遊んでくれてありがとーーー!!
夏祭らむね:本当に楽しかったです!!ありがとうございました!!!!
河路 緑郎:楽しかった!またよろしくおねがいします!
畔戸笑理:ありがとうございました!最高に楽しかった!!!
GM:第二章、vs千十嵐リンネ編です。
河路 緑郎:vsなの!
GM:メンバーは一部入れ替えになりますが。
時雨:楽しかったです!!お疲れ様でした!!
サブGM:GM、PLの皆さん、見学いらしてくださった皆さん、本当にありがとうございました!
GM:再度応募してくれるのを禁じるわけではないので
河路 緑郎:はーい
錺 十也:おお、はーい
GM:よければ、また!採用確約はできませんが!
畔戸笑理:へい!
GM:それではおやすみなさーーーい!!
夏祭らむね:うおううおうおやすみなさい~~!
河路 緑郎:おやすみなさい!
錺 十也:おやすみなさい!
畔戸笑理:お疲れ様でしたー!おやすみなさい!
時雨:お疲れ様でした! おやすみなさい!
GM:また遊んでねー!!