ヒロイン組手・一本目


PC1:“アーク・ライト・ブルー”燈間 瑠璃(とうま・るり)(キャラシート)PL:かあねりあん
PC2:“ブルタルエラー”七竈(ななかまど) カリン(キャラシート)PL:里村
PC3:“ブックマークスタンプ”(ゆずりは) アヤメ(キャラシート)PL:Hyoga

メインログ雑談ログ

目次

プリプレイ

GM:これより『ヒロイン組手・一本目』を開始します!
GM:よろしくお願いします!
七竈カリン:よろしくおねがいしまーす!
GM:まずは恒例のプリプレイ! PC1からお願いします!
燈間瑠璃:よろしくお願いします!
燈間瑠璃:イエッサー
燈間瑠璃http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYmOzT5gIM
燈間瑠璃:“アーク・ライト・ブルー”燈間瑠璃(とうま・るり)。
燈間瑠璃:高校生活の傍ら、UGNのバックアップ企業で情報収集など裏方として活動しています。
燈間瑠璃:オーヴァードとして覚醒後に戦闘訓練を受けた経験があり、所属する部署では荒事も担当。
燈間瑠璃:UGNから任務が回ってくることもあり、そんな時はイリーガルとして参加します。
燈間瑠璃:パーソナルな部分を紹介しますと、感情表現が苦手なポーカーフェイスボーイ。
燈間瑠璃:内心ではしっかり一喜一憂しているのにそれがほとんど顔に出ないことを気にしています。
GM:高校生と社会人を兼業してるのにそういうところかわいいわね
GM:好きよ
燈間瑠璃:素直に受け取っておくよ。
燈間瑠璃:加えて、N市の事件数の多さから業務が過密気味で、地味に出席日数が厳しくなっているとか。
燈間瑠璃:大変ですね。
燈間瑠璃:コードネームがどこかの誰かと似ていることも少し気にしているそうな。
燈間瑠璃:大変ですね。
GM:苦労人ですね
七竈 カリン:すごいとおもいます。
燈間瑠璃:裏方なんてそんなもんさ。
燈間瑠璃:性能は社会9にしこたま持ち込んだ社会性アイテムや財産点を加えたミドルシーン担当。
燈間瑠璃:戦闘面ではバッファー兼サブアタッカー、《活性の霧》を散布して《ディストーション》射撃します。
GM:本セッションには勿体ないくらいの社会力! 期待してます!
燈間瑠璃:《妖精の手》も保険的に持ち込んでいます。何でこんなに持ち込んでるんでしょうね。
燈間瑠璃:アヤメさんとはどうやら幼馴染、七竈さんとはどうやらビジネスパートナーの関係にあります。
七竈 カリン:パートナーです!
燈間瑠璃:以上、よろしくお願いします!
杠 アヤメ:そうだよ、瑠璃くん。ちゃんと授業には出るんだよ!
燈間瑠璃:わ、わかってる。ちゃんと学校にも行ってるから……
GM:おっと、思わず手が……失礼。お手付きでした。
GM:では、続きましてPC2! よろしくお願いします!
七竈 カリン: 
七竈 カリンhttp://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY686D7wIM
七竈 カリン:「はい! こんにちはー! おはようございます! よろしくおねがいします!」
七竈 カリン:「問われて名乗るもおこがましいですが、姓は七竈、名はカリン! ご覧の通りの探偵です!」
七竈 カリン:「猫探しから犬探しから人探しからよくわからないもの探しまで、ボクに任せれば一発解決ですよ!」
七竈 カリン:ということで! 七竈カリン、年齢十六歳! 身長155センチ、体重55キログラム! ご覧の通りの探偵です!
七竈 カリン:探偵と名乗ってますけど実際はUGNイリーガルのしごとがほとんどですね!
GM:これはまごうことなき探偵!
七竈 カリン:いかにも探偵です! とーまさんとはビジネスパートナー、ものさがしとかジャーム探しとかジャーム倒しとか請け負ってます!
七竈 カリン:シンドロームはキュマイラ/モルフェウスのクロスブリード。Dロイス「羅刹」を所持してます!
七竈 カリン:戦闘でやることは真っすぐいってぶん殴ります! 探偵のお仕事!
七竈 カリン:あとちょっと探しものが得意ですね! 鼻がいいので!
GM:嗅覚も意味が変わってきますね……?
七竈 カリン:今回はとーまさんからのお仕事ということで、ちょっと休暇も兼ねて! 薬を飲んで寝ているだけのやつに応募しました!
GM:95割解釈が一致しています。素敵な自己紹介!
七竈 カリン:えへへ。よろしくおねがいしますね! とーまさんもアヤメさんも!
燈間瑠璃:当てにしてる。今日はまあ、ゆっくり羽を伸ばしてもらえたら。
杠 アヤメ:はい、よろしくお願いします。七竈さん。
七竈 カリン:はい。よろしくです、ありがとうございます! のびのびしますね!
七竈 カリン:以上です!
GM:OK!よろしくお願いします!
GM:では、最後に対抗馬となるNPCの紹介を。
杠 アヤメ:「わ、私でいいんでしょうか!?」
杠 アヤメhttps://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYo6ub6wIM
杠 アヤメ:杠 アヤメ(ゆずりは あやめ)高校生です。瑠璃くんの一つ下の幼馴染で、七竈さんとは名前を知り合う関係性となっています。
杠 アヤメ:また、数に対する天才です。テストで90点とか余裕です。
杠 アヤメ:しかし、文系科目が非常に苦手。特に「登場人物の気持ちを答えなさい」系が本当にわかりません。
杠 アヤメ:デザインはバロール/ノイマンにDロイス《天才》を用いた完全支援型。
杠 アヤメ:バフとデバフと《時の棺》をくらえ! といった具合。
杠 アヤメ:あ、余談ですが読書家で、最近のマイブームは恋愛小説です。いつか同じ作品の感想を語り合うことに憧れています。
杠 アヤメ:憧れているんですよ。瑠璃くん。
燈間瑠璃:ああ、好い人が見つかると良いな。
杠 アヤメ:(もう、そういうところなんだから)
杠 アヤメ:一緒に楽しく遊べたらいいなと思います! 以上!
GM:というわけで、これにてプリプレイ終了! オープニングに移ります!

OP

GM:◆オープニング◆
GM:全員登場!
GM:杠 アヤメの侵蝕率を+9(1d10->9)した
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+3(1D10->3)した(侵蝕率:40->43)
七竈 カリン:七竈 カリンの侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:31->41)
GM:N市・とある研究施設
"ホールイーター":「ようこそ! 私は担当の”ホールイーター”気軽にホールイーターさんと呼びなさい」
"ホールイーター":「諸君らは、この度我々UGNの治験に協力してくれる非常に貴重な人材だ」
GM:周囲には他の参加者の姿があります。全体的に年が近いかなという印象を受けるでしょう。
"ホールイーター":「さて、先に確認しておこう」
"ホールイーター":「一つ、この治験にて諸君らの記憶は”一時的に失われる”」
"ホールイーター":「二つ、失われる記憶の内容は”我々UGN職員も把握していない”」
"ホールイーター":「三つ、君達のこの功績は——」

GM:突如、君達の視界がぼやけていく。夢と現の境界が曖昧になっていく。
GM:世界は酩酊し、ぷつりとテレビのスイッチを切ったように黒く染まる。

"ホールイーター":「——”必ず、後世に役立つ”だろう」

GM:君達の意識はその言葉を聞く前に、途絶えた。


GM:とある研究施設?・大広間

意識を失ってどれくらい経っただろう。
君達は徐々に世界の輪郭を取り戻し、意識を浮かび上がらせていく。
現在地は、和室の大広間。
混濁する記憶の最新層によれば、君達は今、何かしらの【記憶】を失っている。
大切なものか、取るに足らないものか。
誰なら知っていて、誰なら理解できるのか。
何を失って、何が残っているのか。
今の君達が、それを知る術はない。
ダブルクロス—それは裏切りを意味する言葉。


GM:——実験開始。参加者は自由行動をして下さい。
GM:幕開けのアナウンスが、館内に響き渡った。
GM:そして、それと同時に君達は気づくだろう。
GM:失われた記憶と引き換えに、新たに与えられた記憶の存在に。
GM:ここ、”健康ランドっぽい施設の概要”に——!

GM:今からPC・NPCは自由行動となります。本施設は健康ランドっぽい施設であり、まあだいたいなんでもあります。
GM:好きにロールして下さい。無いものはあるということにしましょう。
GM:よろしくお願いします!

七竈 カリン:「とーまさん! おはようございます!」
燈間瑠璃:「……ああ、おはよう、な……」
燈間瑠璃:「ななかまどさん」
七竈 カリン:思い切り覗き込む距離! 若干眠気が残っている頭にガンガンくる声!
杠 アヤメ:「ん……んん……」七竈さんの声に反応して、目が覚める。
七竈 カリン:「はい! いかにも、ボクのことは覚えててくれたみたいでありがとうございます!」
燈間瑠璃:「近いよ。……まあ、これだけ強烈なキャラはそうそう忘れられない」
杠 アヤメ:ぼんやりとしている。朝には弱いのだ。
燈間瑠璃:左右を見回す。そこに見覚えのある顔が。
七竈 カリン:「毎度おなじみあなたの仲間、いつでもどこでも名探偵、七竈カリンです!」
杠 アヤメ:「…………あ」見覚えのある顔と見覚えのあったような顔を見つける。
七竈 カリン:とりあえずいつものノリで騒いでいます。叩き起こされて周囲で頭痛顔で起き上がってる人がいたりいなかったり。
杠 アヤメ:「おはようございます。七竈さん。あと、るりくん」若干寝ぼけた声で、叩き起こしている姿を見ながら。
七竈 カリン:「あっアヤメさん! おはようございます! いい朝ですね! 頭痛くないですか!?」
燈間瑠璃:「アヤメ……」
杠 アヤメ:「んんー……」
杠 アヤメ:「うん、痛くない。大丈夫」
燈間瑠璃:「……ああ、おはよう。くそ、まだぼんやりする」
燈間瑠璃:ぶんぶんと頭を振って立ち上がる。
七竈 カリン:「それはよかった! ボクはちょっと痛かったんで心配だったんですアヤメさん朝弱そうですし!」
杠 アヤメ:「はい、朝はいつも起きれなくて……」
七竈 カリン:「お茶飲みますか?」プラスチックトレーの上に、透明樹脂コップ(氷なし)の冷たい緑茶が3つ。
杠 アヤメ:「でも、瑠璃くんの顔が見た…………なんでもないです! さ、顔でも洗いに行きましょう!」
杠 アヤメ:「おちゃものみます!」
七竈 カリン:「とーまさんも、はいどーぞ! 口の中もさっぱりしますよ! トイレと洗面所はあっちです!」
燈間瑠璃:「ありがとう。そうだな、いつまでも寝起きってわけにもな」
杠 アヤメ:「あ、このお茶美味しいですね。七竈さんが用意して下さったんですか?」
七竈 カリン:「ドリンクバーがありました!」
七竈 カリン:自分の分らしいお茶を、腰に手を当ててぐっと飲み干します。
杠 アヤメ:「なるほど……本当に、のんびりしていられる施設なんですかね」周囲を見渡せば、同じようにくつろぎ始める人たちもちらちらと。
燈間瑠璃:「もともと、たまの休みにと思って誘ったからな」お茶を飲み終え。
杠 アヤメ:「瑠璃くん、私がお休みの日もよくお仕事いってるもんね」
杠 アヤメ:「七竈さんは確か、瑠璃くんと同じお仕事をされてるんでしたっけ?」
燈間瑠璃:「そういう仕事だ。分かっててやってることさ」
杠 アヤメ:「うん、すごい。正義の味方みたい」
七竈 カリン:「同じというか仕事仲間ですね! あれ同じかな? ともかくボクは探偵です! あ、忘れたのそこのところですか?」
杠 アヤメ:「うーん……違う気がする……」
七竈 カリン:「ともかくここはスゴいですね。大浴場に卓球場、ダーツバーにプールバー、ドリンクバーにドレッシングバーまでありましたよ!」
七竈 カリン:「とーまさんがどういうのをお望みだろうとだいたい好きなように取れそうだと思います!」
燈間瑠璃:「いや、覚えて……おい、何を言ってる」
杠 アヤメ:「ドレッシングバー! 面白そうだよ!」
杠 アヤメ:「こういうのはね、比率が大事なんだよ。瑠璃くん!」
燈間瑠璃:「は? ドレッシングバー?」
七竈 カリン:「え、取るより取られるほうがお好みですか!?」
杠 アヤメ:「取られる?」
燈間瑠璃:「おい、何を言い出すアヤメ」
七竈 カリン:「ええ。冷凍食品自販機の前に、ソースとかドレッシングがずらっと」
七竈 カリン:「そりゃもうこう、どーとでもしてくれーっ! と……」
燈間瑠璃:「ああ、そういう。気が利いた施設のようで何よりだ」
七竈 カリン:「……何を取られるんですかね? コメントお願いしますとーまさん!」
燈間瑠璃:「おれに聞くのか……」
七竈 カリン:「ボクが応えていいんですか?!」
燈間瑠璃:「ほら、バカやってないで顔洗いに行こう。いつまで寝起きでいるつもりだ?」
杠 アヤメ:「取られるのは、写真だけにしましょう……なんて」
杠 アヤメ:「……えへへ、行きます」
七竈 カリン:「はーい! ご案内しますよ! なんならお風呂場の方も!」
杠 アヤメ:「おおおおおおそういうのはもっと後にしましょう!」
七竈 カリン:「え、アヤメさん朝はお風呂入らない方ですか? ボクもう夏とかだと汗かいちゃって朝起きたらべたべたで!」
杠 アヤメ:「えっ……えっと……」チラリ。瑠璃くんに目線を向けて助けを求めます。
七竈 カリン:「いいなー体温低そうだしいいにおいしそうだし。いやしますねちょっと。古い本のにおい……かな」
燈間瑠璃:「……風呂は後でもいいんじゃないか。顔洗ったら、いろいろ見て回って、それからでも」
杠 アヤメ:「そう、だね。うん、そうだよね」
七竈 カリン:「らじゃりました! 先行してひと通り見ていたボクにややお任せください!」
杠 アヤメ:「70%ぐらい任せます!」
七竈 カリン:「あと一割は大丈夫です!」
杠 アヤメ:「頼もしい!」
燈間瑠璃:「早いな……。それじゃあ、お願いしようか」
燈間瑠璃:「何の数字だ」
七竈 カリン:「フィーリングですかね?」
杠 アヤメ:「頼りになる率だよ?」
七竈 カリン:「ほらほらほめてくれていいんですよとーまさん!」
杠 アヤメ:「高いほど良いの。ちなみに瑠璃くんは95%」
燈間瑠璃:「ああ、えっと、おい、たたみかけるな……!」
杠 アヤメ:「残りの5%は、まだ私に対する誠意が足りないかな」ふふんと胸を張る。
七竈 カリン:「高い! そして厳しい!」
燈間瑠璃:「なんだ、誠意って……」
杠 アヤメ:「七竈さんは探偵さんですよね? きっと、私たちの記憶も見つけてくれるって信用の80%です!」
七竈 カリン:「はっはっは。そういうことならもちろんです、名探偵七竈カリンにお任せください!」
杠 アヤメ:「はい! ……それにしても、私たち、何を忘れているんでしょうね?」
杠 アヤメ:大切なことを忘れたのではないと思う。家族、友人、愛読書、明日のテスト範囲、だいたいのことは思い出せる。
七竈 カリン:「誠意っていうのはですね。たくさんもってても見せないとよくわからないものの代表です! ってお婆ちゃんがいってました!」
杠 アヤメ:でも、それならどうして心の中に隙間があるのだろう。吹き抜ける風はどこか寂しそうで、私の記憶は手から零れ落ちていることを再確認させられる。
燈間瑠璃:「……ああ、自分で何を忘れているのか分からないのは変な気分だ」
七竈 カリン:「そうですね……何を忘れてるのか。これはフツーだとなかなかの無理難題だと思うんですが」
燈間瑠璃:「逆か。忘れてるから分からないのか」
杠 アヤメ:七竈さん、瑠璃くん。二人のことも思い出せる。七竈さんは聞いていた通りの元気な人。瑠璃くんはいつも通り、私の知ってる瑠璃くん。
七竈 カリン:「専門用語でいうアクマの照明ってやつですね! おもいっきり煽りで!」
杠 アヤメ:「悪魔の証明……証明できないことを証明するのは数の力です」
杠 アヤメ:「! もしかして、私、名探偵……?」
燈間瑠璃:「その数をどこまで重ねりゃいいんだって話が悪魔の証明じゃないか?」
七竈 カリン:「おおー……」
杠 アヤメ:「おおー……」
七竈 カリン:「負けません! 名探偵なので! 覚悟してくださいねとーまさん!」
燈間瑠璃:「何にだ……?」
杠 アヤメ:「覚悟してね、瑠璃くん!」
燈間瑠璃:「覚悟って何だ? おい……」
杠 アヤメ:……なんの? と、自分に問いかける。答えは出てこない。忘れちゃったのかな?
七竈 カリン:「ぼんやりしてますね。やっぱり寝起きはキツそうです。夢のニオイがしますよ!」
七竈 カリン:「さ。洗面台はこちら! T字型カミソリとか使えますよね?」
燈間瑠璃:「あ、ああ、大丈夫。ほらアヤメ、おれたちも行こう」
杠 アヤメ:「あ、うん!」
杠 アヤメ:大丈夫。きっと、忘れてない。
杠 アヤメ:きっと。
燈間瑠璃:自分の中の何かがなくなっている。そんな自覚はまだ、ない。でも、なくなったことだけは知っている。
燈間瑠璃:……悪寒が走る。大丈夫、何時間かで元に戻るんだから。
燈間瑠璃:大丈夫、ともう一度自分に言い聞かせて、七竈さんを追う。

GM:◆食堂◆
GM:ビュッフェ形式で様々な食事が並んでいます。だいたいなんでもあります。

七竈 カリン:「いただきます!」
燈間瑠璃:「いただきます」
杠 アヤメ:「いただきます」サラダ多めの小さなお皿。
七竈 カリン:健康ランド的な長机が並んでいるスペース。座って食え日本人だろお前らと言わんばかりの条件設定。
燈間瑠璃:トースト、シロップ、コーヒー、ミルク、シュガー。家での朝食とそう変わりないラインナップ。
七竈 カリン:トレイの上にはぽこんと盛ったご飯とお味噌汁、海苔と納豆と漬物と佃煮。
杠 アヤメ:「朝、あんまり食べられないんですよね」七竈さんのぽこんと盛ったご飯を見ながら。
杠 アヤメ:「あと瑠璃くん、そんなに糖質が多いと血糖値上がっちゃうよ?」
燈間瑠璃:「おれもだ。あまり時間がないからだけど……」
燈間瑠璃:「甘い物食べないと頭が回らないんだ。おれはこのくらいでいいの」
燈間瑠璃:アヤメのトレイに目をやって。
杠 アヤメ:「もう! 虫歯になっても知らないだぞ?」
七竈 カリン:「ボクもですよ。朝は重いの食べられなくって!」
杠 アヤメ:(えっ、それはじゃあ軽いの……?)という意識を向ける。
燈間瑠璃:「アヤメだって、たんぱく質が足りてなさそうだ」
七竈 カリン:印象よりはるかに行儀よく口に運んでいます。口を開くときはきれいに飲み込んでるしお箸の先しか濡れてない。
杠 アヤメ:「わ、私はいいの! サプリメント飲んでるもん!」
杠 アヤメ:今は無い。
七竈 カリン:「朝ごはんは目覚ましですからね。半熟卵とかいいっていいますよ! 温玉食べますか?」
七竈 カリン:2つ置いてあった温玉の小鉢をひとつ差し出します。
杠 アヤメ:「あっ、美味しそう……」ふらっと手を伸ばします
燈間瑠璃:(温玉、一人で二つ食べるつもりだったのか……)
七竈 カリン:「美味しかったですよ!」ひょいと自然に割り箸一膳添えてアヤメさんの目の前に。
杠 アヤメ:「……えへへ、ありがとうございます」温玉、というより人から物を貰ったことが嬉しい。
杠 アヤメ:「ふふーん、これでたんぱく質もゲットだよ瑠璃くん」
七竈 カリン:「朝はややしっかりめに、昼は軽く、夜も軽く……あれ? 違いましたっけ?」首をかしげる。
七竈 カリン:「とーまさんは食べたかったら自分で取ってきてくださいね! 真ん中のテーブルの奥の方でしたよ!」
燈間瑠璃:「はいはい……」コーヒーを一口。
燈間瑠璃:「そうするよ。……七竈さんは、いつも和食だったか?」
燈間瑠璃:「朝さ。自分で用意するの、大変だろう」
七竈 カリン:「ええ。やっぱりお米を食べないと一日が始まらなくって! 慣れれば楽ちんですよ!」
七竈 カリン:「寝る前に仕掛けといてお味噌汁は手抜きで、ボク朝から魚はちょっとダメなんで納豆かお豆腐なら冷蔵庫から出すだけですし!」
燈間瑠璃:「朝弱いと、どうにもそういうのはな……。おれは夜も遅いし」
七竈 カリン:「とーまさんこそ、お仕事忙しそうですけど大丈夫なんですか? いっつもギリギリみたいな気がしてるんですけどボク!」
燈間瑠璃:「ここ一年はやたら忙しいよ。ほとんど毎日何かが起きてる計算だからな」
七竈 カリン:「それでも体に悪いですよやっぱり! 大事なお仕事ですから仕方ないとは思いますけど夜は寝ないと身体がおかしくなります!」
七竈 カリン:「ねえアヤメさん?」
杠 アヤメ:(…………私も自炊しようかなぁ)こういう話題に入れないので、ちょっと羨ましい。
杠 アヤメ:「えっ、あっ、うん!」
杠 アヤメ:「そうだよ、瑠璃くん。早寝早起き朝ごはん!」
杠 アヤメ:「…………だよね?」
七竈 カリン:「それですよアヤメさん!」
燈間瑠璃:「早寝は厳しいな」一応、苦笑いしているつもりなのだが、表情は変わっていないだろう。
杠 アヤメ:「……よかったぁ」ホッと胸をなでおろす。
燈間瑠璃:「早起きするとなると、睡眠時間を授業中に確保するしかなくなる」
七竈 カリン:いきなり卓上に身を乗り出して、とーまさんの顔を覗き込んでいます。
杠 アヤメ:「あっ、ダメだよ瑠璃くん。授業はちゃんと聞かないと……って、七竈さん!?」
七竈 カリン:「うーん」すんすん
燈間瑠璃:「うお。なに、急に……」
七竈 カリン:「冗談っぽいのでいいです! とーまさんは真面目に学生さんやってたりするのが魅力だと思っていたので幻滅しそうになりました!」
杠 アヤメ:「な、七竈さん……!! そういうのは、ダメなんですよ!」
七竈 カリン:すとん、と腰を落として。なお、目の前の食事はきれいに片付いています。
七竈 カリン:「えっ?」
杠 アヤメ:「瑠璃くん、ちょっとびっくりしてました!」
杠 アヤメ:「表情、少し戸惑いの比率が上がってましたよ!」
七竈 カリン:「驚きは日常のスパイスです! 不肖この七竈カリン、あなたの隣人として日夜新鮮なびっくりおどろきサプライズをお届けする所存ですよ!」
燈間瑠璃:「……これも分かるか? おれ、そういうの全然顔に出ないから」
七竈 カリン:「むむ。さすがにアヤメさん目がいいですねえ。ボク見た目じゃそこまでわからないです…」
杠 アヤメ:「えっ? 瑠璃くん、わかりやすい方だと思うよ?」
七竈 カリン:「名探偵!」きっ。
杠 アヤメ:「あれ、そうなのかな……」
杠 アヤメ:「…………にへへ」うれしい
燈間瑠璃:「クラスの奴らには『お前は何考えてるのか全然分からん』って言われてばかりだ」
燈間瑠璃:「……そっか。伝わる時は、伝わるもんだな……」
杠 アヤメ:「うん、きっと伝わるよ」
杠 アヤメ:「ね、七竈さん!」
七竈 カリン:「むむむ」テーブルの上の水差しから麦茶を一杯注いで、すっと飲み干して。
七竈 カリン:「もちろんです! とはなかなか言えませんね。アヤメさん、強力なライバルだと認定します!」
七竈 カリン:「とーまさん!」ずいっ
燈間瑠璃:「近いよ。今度は、なに?」
七竈 カリン:「依頼をお願いします! やはり探偵たるもの依頼を受けてものを探したり倒したりしてこそやる気が出るというもの!」
燈間瑠璃:「ええ? 今日はオフだろ?」
燈間瑠璃:「いや、なんかさせられてる時点でオフとも言い難いか……?」
七竈 カリン:「探偵は仕事であると同時に生き方なんだ、って偉い名探偵が言っていたような気がします!」すすっと中腰でポーズを決める
杠 アヤメ:「おおー」ぱちぱち
燈間瑠璃:「だってさ。どうする?」アヤメの方を見て。
七竈 カリン:「つまり名探偵であるボクはライフインエブリタイム年中無休探偵! ありがとうございます! ありがとうございます!」
杠 アヤメ:「私、ライバルだから。ライバルは、戦う者!」
杠 アヤメ:「同じ依頼、引き受けましょう!」
燈間瑠璃:「ええ……? そう来るか……」
七竈 カリン:「そういうことなら負けませんよ! ハードボイルドバーサス安楽椅子的なかんじでいざいざオフ勝負です!」
杠 アヤメ:「対戦よろしくお願いします!」
七竈 カリン:「と、いうことなのでさあさあいざいざとーまさん!」
七竈 カリン:空いた水のコップに麦茶を注ぎながら。
杠 アヤメ:「さあさあ瑠璃くん!」
燈間瑠璃:「参ったな。それなら、うーん……」
七竈 カリン:無意味にポーズを決めて待っています。
燈間瑠璃:「……今回の治験、最初にデカい爆弾があったろう」
杠 アヤメ:「爆弾?」
七竈 カリン:「バクダン! ですか!」ずいっ
燈間瑠璃:「“ホールイーター”さんとやらが言っていた、『記憶が失われる』ってやつ」
杠 アヤメ:「あっ、そういえばそういう目的だったよね、今日は」
燈間瑠璃:「それに、『必ず後世に役立つ』とも。それが何なのか、おれたちは知らされていない」
燈間瑠璃:「周りの奴らを見た感じ──」
燈間瑠璃:「どうも、成人した人間はいなさそうにも見える。つまり、対象を絞ってる」
燈間瑠璃:「それは何故なのか。引っ掛かりを感じてるのはそのあたりだ」
七竈 カリン:「言われてみればたしかにそうです。見た感じ下は中学生上は十八歳くらいでしょうか!」
七竈 カリン:「つまり依頼は最初のお話のその先! ボクらが何をさせられているのか! 実験施設スーパー健康ランドの謎を追え! と!」
七竈 カリン:ずいっと身を乗り出します。
杠 アヤメ:「年齢層のバイアス……」
燈間瑠璃:「そういうことだね。……いやだから、近いって」
杠 アヤメ:思考に耽ります。
杠 アヤメ:(ん……なんだろう……七竈さんが瑠璃くんとぴたって近づくと、胸のあたりがきゅーってする……)
杠 アヤメ:(これ、忘れちゃった記憶と関係あるのかな?)
杠 アヤメ:(うう~~~人の気持ちなんてわかんないよぉ……)
七竈 カリン:「おっと失礼ボクとしたことが! ……アヤメさん? どうしました?」
杠 アヤメ:「あ、えっと……なんでもない。です!」
燈間瑠璃:「名探偵と、ライバル?探偵に依頼だ。まあ、おれもそういうの調べるのが仕事だけど」
燈間瑠璃:「これは“おれたちの領分”だな。さっくり調べて、さっくり解決してみようか」
七竈 カリン:「らじゃりました、おまかせあれ!」
杠 アヤメ:(なんか、いいなぁ。阿吽の呼吸みたい)

GM:シーンカット。ロイス取得のみが可能です。
杠 アヤメ:ロイス ”依頼主”燈間 瑠璃 〇期待に応えるよ!/なんだっけ……?
七竈 カリン:はーい! 「名探偵:杠アヤメ:○誠意/嫉妬」で! とーまさんには初期ロイス(○憧憬/恐怖)がついてるのでそのままです!
七竈 カリン:以上!
燈間瑠璃:ロイス、アヤメに●庇護/不安、七竈さんに●信頼/劣等感で。
GM:了解!

ミドル1 ◆ハーフタイム 燈間瑠璃と七竈カリンの場合◆

GM:◆ハーフタイム 燈間瑠璃と七竈カリンの場合◆
GM:登場時侵蝕をお願いします!
七竈 カリン:七竈 カリンの侵蝕率を+4(1d10->4)した(侵蝕率:41->45)
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+1(1D10->1)した(侵蝕率:43->44)
GM:健康ランド・廊下
GM:赤の絨毯が広がる廊下。要所要所に休憩用のソファーがあったり、角の先には自販機が見え隠れ。
GM:綺麗な花瓶が飾ってあったりもしており、全体的に清潔感のある空間であることがわかるだろう。
七竈 カリン:「と、いうことでですね。なんとなくコーナーは頭に入ってると思いますが、入ってますよね? ちょっと驚くくらい広いです!」
燈間瑠璃:「ああ。UGNもこういうの持ってるんだなぁ」
七竈 カリン:先に立って、小さなコンパスで大股で歩いていく。和柄のキュロットと素足に履いた下駄がぱかぱか動く。
七竈 カリン:「そこなんですよとーまさん!」
七竈 カリン:くるんと回ってびっと指をだします。
燈間瑠璃:「ん? どこだ?」合わせて立ち止まる。
七竈 カリン:「えーとですね」後ろを振り向いて。
七竈 カリン:「そうじゃなくてですね! この施設くらい大きなとこだと、これけっこう目立つはずなんですよ!」
七竈 カリン:「具体的には駅からシャトルバスが出たりするくらいには大きな建物ですし設備も豪華です! シャトルバスが出ますね!」
燈間瑠璃:「シャトルバス、そんなに重要か……? というのはさておき、」
七竈 カリン:「しかも確かここに来る前、そんなに時間はかかってなかったですから。ボクらの街から遠くないところにあるはずです!」
七竈 カリン:「となると当然、事務のほうでもぎゅんぎゅん走り回ってるとーまさんだと存在を知ってそうなものなんですけど……」
燈間瑠璃:「うちの会社も保養施設は持ってるが、箱根の山奥とかそんな感じで近場にはないな」
七竈 カリン:すすっと歩み寄って下から見上げます。
七竈 カリン:「ですよねですよね! それで実はとーまさんが忘れてるの、この施設のことだったりしないかなーと思ったんですけどボク!」
燈間瑠璃:「ああ、それはたし……うおっ」
七竈 カリン:「灯台下暗し! 盗まれた手紙! きちがいじゃがしかたがないですよ! どうですかとーまさん!」
燈間瑠璃:「この状況だと、忘れてるのか本当に知らないのか、確かめようがなくないか?」
七竈 カリン:きらきらした目で見上げている。身長差10cm、割と顔が近い。
七竈 カリン:「…………」すんすん、すんすん。
燈間瑠璃:「……あのさ。何を嗅いでるの?」
七竈 カリン:「うーん完全に素ですね。だとこのセンはなさそうな気がします」
燈間瑠璃:「べ、便利だな……」
七竈 カリン:「そりゃあもうボクは名探偵ですから鼻が利くんです! とーまさんのことをにおってですね。あ、におうっていうのは方言ですね!」
七竈 カリン:「おばあちゃんが使ってたんでうつっちゃったんですが、とーまさんがにおうとかそういうことではないのでご安心を!」
燈間瑠璃:「……普通の文脈で女の子にそれを言われたら、男は大抵ヘコむぞ。気を付けた方が良いな」口角を上げているつもり。
七竈 カリン:「シャボン。シャボンですね。でもリンスインシャンプーよりきちんとコンディショナーとか使ったほうがいいと思いますよ! 髪キレーですし!」
七竈 カリン:「……ちょっと笑ってますね?!」
燈間瑠璃:「こういう仕事、身だしなみは最低限やっとかないといけないから気は遣ってるんだけどな」
燈間瑠璃:「分かるか? ……親にも分からないって匙投げられたのに」
燈間瑠璃:「アヤメときみには分かるって、不思議なもんだ」
七竈 カリン:「この七竈カリン、名探偵ですからね! おもいきりがんばればすこしくらいは!」ふふん。
七竈 カリン:「きちんと洗ってるのと荒れないのは別の話ですよ。髪の脂はバランスだしうかつなことをするとハゲる、って向かいの床屋のおじさんが言ってました!」
燈間瑠璃:「……ハゲるのはちょっとな。ストレス半端ない職場だし、今から想像したくない」
七竈 カリン:ちょっと背伸びしてとーまさんの頭を指先でわしっと抑えてみる(頭皮マッサージのように)
燈間瑠璃:「わ、ちょ、こら」
七竈 カリン:「ボクとしては頭の形いいですし坊主もいけるかと思います!」
燈間瑠璃:「将来の進路に坊さんの選択肢があったら、検討しよう」
七竈 カリン:「割と似合うかもしれないですね。とーまさんの声聞いてて気持ちいいですし」
燈間瑠璃:「声?」自分の声が気持ちの良い物だと言われるのは、多分、初めてだ。
七竈 カリン:「ええ声ですよ!」わちゃわちゃと話しながら長い廊下の角を曲がる。
七竈 カリン:「ああこのええは関西弁じゃなくて"はいそうです"って意味の方ですね。いい声ですよ、安心感がある感じで!」
燈間瑠璃:「そうなのか。自分の声って、録音でもしないと正確に聞こえないからなぁ」
七竈 カリン:「なんでしたっけ、何分の一ゆらぎ? 三角関数……因数分解……二次方程式……」
七竈 カリン:「うっ」
七竈 カリン:「ともかく素敵な声だと思いますよ。たまに掠れてますけど。夜ふかししすぎですよやっぱり!」
七竈 カリン:ひょい、と通りがかった部屋を覗く。規則的にテーブルとマッサージ椅子が並んでいる。
燈間瑠璃:「コーヒーの飲みすぎかもな。会社じゃ、タダだから」
七竈 カリン:少し、学校の教室風にも見える。
七竈 カリン:「ただでさえ三重生活で身体が大変なんですから。ボクからしてみたらとーまさんスーパーマンですよ!」
七竈 カリン:「コーヒーを飲んだら、ええと……牡蠣? だったかなレバーだったかな……」
燈間瑠璃:「割と無理してる自覚はある」これも苦笑い
七竈 カリン:「……薬局でご相談を! ボクも前コーヒー飲んでひどいことになったときになんか薬もらいました!」
燈間瑠璃:「そんなにか」と一緒に部屋を覗き込んで。
燈間瑠璃:「……椅子が木製だったら、教室みたいだな」
七竈 カリン:「はい。事務所はじめて一年目の春とかもう暇で暇で、とりあえず探偵っぽいことしてみようと思って」
七竈 カリン:「あ。やっぱりそう思います!? ボクもです。もう二年くらい見てないから気のせいかなーって思ったんですけど!」
七竈 カリン:「前のでっかいテレビがそういう感じですよね。電源落ちてるからますます黒板っぽいし! ミニシアターですかね? 配置図にはなかったですけど」
燈間瑠璃:「高校、気になる?」
七竈 カリン:「…………」
七竈 カリン:「正直いうと、ちょっとだけ」
七竈 カリン:「ま、行けなかったというか行かなかったんだからボクは平気の平左のへっちゃらですよ! ディスイズ自由意志です! フリーダム!」
燈間瑠璃:今からでも遅くないと思うよ。おれみたいに二重三重の生活になっちゃうけど。
七竈 カリン:たたーん、と、少しステップ踏んでポーズを取る。部屋の中。
七竈 カリン:……伸ばした手が、小さなテーブルに触れかける。
燈間瑠璃:……などと言うのは、きっと上から目線が過ぎるだろう。
七竈 カリン:「あッ」
燈間瑠璃:「どうかした?」
七竈 カリン:びくっと、手を引っ込める。
七竈 カリン:「だ、大丈夫ですよ! 暗いからちょっと手がテーブルに当たりそうになっちゃっただけで! たぶん、無事、無事かな。ボクは無事です!」
燈間瑠璃:「……大丈夫って言うなら、大丈夫だと思うことにするけど」
七竈 カリン:「ノープロブレム! ボクはいつでも絶好調ですよトーマさん。どんなお願いでもエブリディ大丈夫です!」
燈間瑠璃:「そうか。でも、気付いたことがあれば、ちゃんと言ってくれよ」
七竈 カリン:言って、ソフト帽……ちょっとやそっと力を込めても壊れない、やわらかい材質の帽子をかぶり直す。
燈間瑠璃:「おれには出来ないことがきみには出来るって、当てにしてるんだから」
七竈 カリン:「もちろんです。なんといっても名探偵ですからね! 依頼人との約束はきっちーーんと守る方で……」
七竈 カリン:「…………」
七竈 カリン:「……な、なんですかもうやぶからぼうに! とーぜんですとも! とーまさんにできないことならなんでもやりますよ!」
七竈 カリン:「犯人探しとか犯人倒しとか得意分野ですし! 今回だってもちろんばっちりです! 初回はちょっと大外れでしたがそれも愛嬌愛らしさということで!」
燈間瑠璃:「はは、そうだな。いっつもきみにお願いしてばかりだけど……あ、そうだ」
七竈 カリン:「はい。なんでしょうかとーまさん!」
燈間瑠璃:「あのさ。さっきの、声の話」
七竈 カリン:「はい」
燈間瑠璃:「褒められて、褒め返すわけじゃないんだけどさ」
七竈 カリン:「?」
燈間瑠璃:「きみの声も相当なもんだと思うよ。おれには、きみみたいにいつも元気100%みたいな声は出せないから」
七竈 カリン:「…………!」
七竈 カリン:「お……褒めに預かり恐悦至極、それじゃあばっちり次はいいお話を持ってこられるように努力しましょうとも!」
七竈 カリン:「とーまさんと同じくらいには役立つトークがなきゃ、せっかく褒めてもらった声が宝の持ち腐れですから! ね!」
燈間瑠璃:「期待してる。……電話掛ける度にきみの元気な声が聞こえてくるとね」
燈間瑠璃:「どんなに疲れてても、さあやろうって、そんな気になる。そうやって引っ張ってくれる声だと、おれは思うよ」
七竈 カリン:「……とーまさんですよね。そういうとこ」
燈間瑠璃:「そういう?」
七竈 カリン:「忘れてないなあーっておもっただけです。元気やるきいっぱい充填ぱんぱんです、いってきますよ!」

ミドル2 ◆ハーフタイム 燈間瑠璃と杠アヤメの場合◆

GM:◆ハーフタイム 燈間瑠璃と杠アヤメの場合◆
GM:登場時侵蝕をお願いします!
GM:杠 アヤメの侵蝕率を+10(1d10->10)した
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+3(1D10->3)した(侵蝕率:44->47)
GM:健康ランド・ゲームセンター
GM:こういう施設にはつきものな、小さなゲームセンターが設置されている。
GM:貴重品の類は持っている。ちょっとぐらい遊んでも許されるだろう。
杠 アヤメ:「瑠璃くん、ユーフォーキャッチャーがあるよ!」
杠 アヤメ:指先でそれを示し、暗に訴える。
燈間瑠璃:「やるか? お前だったら何でも一発で取っちゃいそうだけど」
杠 アヤメ:「えー、じゃあ瑠璃くんがやってるの見てようかな」
杠 アヤメ:「ね、いいでしょ?」
杠 アヤメ:幼馴染である彼にだけ見せる素顔。甘えたがりの子猫のような、計算の無い表情。
燈間瑠璃:「そこまで言われたらな。こういうとこ来るの久しぶりなんだ、取れなくても怒るなよ」
杠 アヤメ:「うん! たのしみ!」
燈間瑠璃:ワンコインを取り出して、キャッチャーの筐体に投入する。
燈間瑠璃:「で、どれ狙う?」
杠 アヤメ:「うんっとねー、あのおっきいうさぎさん!」
杠 アヤメ:奥の方にある白いうさぎ。うまく引っ掻ければ、雪崩れるように落ちるだろう。
燈間瑠璃:「デカいな。掴んで取るのは無理か」考えながらボタンを押し込み、アームの位置を合わせる。
杠 アヤメ:真剣なその横顔を眺めている。集中しているのかな。いつもより少しだけ呼吸が細い。
杠 アヤメ:そして、ひとつ、口元の変化に気づく。
杠 アヤメ:「……瑠璃くん、なにか良いことあった?」
燈間瑠璃:「え? ……あ」急に言われて、ボタン操作を誤る。見事に外れだ。
燈間瑠璃:「なんだ、藪から棒に」
杠 アヤメ:「ううん、なんだか、少し肩の荷が下りたような顔してるから」
杠 アヤメ:「いいことあったのかなって。七竈さんと」
杠 アヤメ:どうして、その個人が出てきたのかはまだわからない。きっと、忘れちゃってるから。
燈間瑠璃:「いいことって。いつも危ない橋を渡らせてばかりで、申し訳ない気持ちの方が大きいよ」
杠 アヤメ:「そっか、いっつも一緒なんだよね」
杠 アヤメ:私の知らない、瑠璃くんがきっとそこにはいる。彼女の知らない瑠璃くんを私が知っているように。
燈間瑠璃:「いつもじゃない。現場の調査が必要な時とか、荒事の時とか……」
杠 アヤメ:「あ、要所要所って感じ?」
燈間瑠璃:「まあ、扱う情報の都合、結構な頻度で一緒のような気もするけど」
杠 アヤメ:「む……」
杠 アヤメ:「で、そんな瑠璃くんはちょっと負い目を感じていたけれど、それが解消された……とか?」
燈間瑠璃:「……どうかな。結局、危険と隣り合わせなことに変わりはないんだ」
杠 アヤメ:「うん……危ないお仕事なんだよね」
燈間瑠璃:「あの子だってお前と同い年の女の子だぞ。……そんな子にそういうことをさせてるの、結構気にしてるんだよ」
杠 アヤメ:やって欲しくない。なんて、言えない。独り占めするみたいだから。
杠 アヤメ:「うん、瑠璃くん優しいもんね」
燈間瑠璃:「優しい、か? おれが?」
杠 アヤメ:「うん、瑠璃くんは優しいよ」
杠 アヤメ:「わかるよ。幼馴染だもん」ずっと見てきたんだから、君の表情を。
杠 アヤメ:そして、ずっと見ていきたいんだから。なんて、言えないけれど。
杠 アヤメ:言えないことばっかりだ。
燈間瑠璃:おれは、お前のことをどこまで分かってるんだろうか。
燈間瑠璃:……なんて、口に出せない。それは自分のことで、自分が分かっていなければいけないことだ。
杠 アヤメ:「七竈さんだったら、言えたのかな」ぽつり。聞こえるか、聞こえないか。わからないような言葉が零れ落ちる。
燈間瑠璃:「……お前、やけに七竈さんのこと気にするな?」
燈間瑠璃:もうワイコインを投入して、アームを動かして。
杠 アヤメ:「あっ」言われて初めて気が付く。
杠 アヤメ:「……気に、してるかも」自分とは対照的だから。明るくて、かわいくて、元気が貰える人だから。
燈間瑠璃:「確かにな。お前とあの子くらいなんだよな。おれが何も言わなくても、おれが思ってること言い当ててくれるのって」
杠 アヤメ:(そう、なのかな)
杠 アヤメ:「じゃあさ、私が七竈さんだったら、瑠璃くんのこと全部わかっちゃうね」
燈間瑠璃:「それはそれでおれは楽なんだけど。それじゃ、ダメだと思うんだよな」
燈間瑠璃:アームがウサギに近付く。今度は取れるだろうか。
杠 アヤメ:「……試してみる?」
杠 アヤメ:一歩近づいて
杠 アヤメ:「…………『とーまさん!』」
杠 アヤメ:イージーエフェクト宣言《完全演技》。”七竈カリン”の動きを完全模倣。
杠 アヤメ:つまり、思い切り覗き込む距離での接近! ……のはずが、身長がある分想像よりも近い!
杠 アヤメ:「——っ!」
燈間瑠璃:「うおっ!?」“圧”を感じて手が滑る。はい、今度もダメでした。
燈間瑠璃:「あ……アヤメ……?」
杠 アヤメ:「あっ! ご、ごめんね!」
杠 アヤメ:「……なんだかね、同じことがしたくなったの。七竈さんと瑠璃くん、仲良さそうだったから」
杠 アヤメ:「私もね、同じことしたら同じ気持ちがわかるかなって」
燈間瑠璃:「ち……」
杠 アヤメ:「……えへへ、ごめん。”やっぱり”わかんないや」演技は終わり。少しだけ、バツの悪い顔で。
燈間瑠璃:「『近いって』、アヤメ……」
杠 アヤメ:……!
杠 アヤメ:「ご、ごめん!!!」距離のことを完全に忘れていた。
杠 アヤメ:するすると距離をとる。しゅんと、小さくなる。
燈間瑠璃:「……驚いた」
燈間瑠璃:あからさまに目が泳いで、これは誰にでも見て取れるだろう。
杠 アヤメ:「驚かせちゃった。ごめんね、そんなつもりじゃなかったの」
燈間瑠璃:「お前、こんなこと出来る子だったんだなぁ」
杠 アヤメ:「うん、できるよ。私、そういうのはできる」
杠 アヤメ:「でも、よくわかんないや」ちろっと舌を出して笑う。
杠 アヤメ:今のも『誰か』の真似。可愛いって思ったから。
燈間瑠璃:「アヤメ」今度はこちらから顔を近付けて。
杠 アヤメ:「瑠璃くん……?」
燈間瑠璃:「お前いつも『わからない』って、特に人の気持ちはそうだって言うけど」
燈間瑠璃:「ちゃんと、おれのこと分かってるだろ。それは違うのか?」
杠 アヤメ:「……違わない」
杠 アヤメ:「違わないけど、違う」
杠 アヤメ:私はきっと『わかってない』。忘れたんじゃない。これは。
杠 アヤメ:「瑠璃くんの気持ち、いつだって私は知りたいよ」
杠 アヤメ:————だから。鍵を開けて、喉のところまできて、沈み込む。
燈間瑠璃:「……そんなにか」顔を離し。
杠 アヤメ:「あっ……」寂しそうに
燈間瑠璃:「参ったな。おれの方だって、お前のそういうとこには全然気付けてないのに」右手をアヤメの頭に置いて。
燈間瑠璃:「お前はおれのことちゃんと見てくれてるのにな。幼馴染が聞いて呆れる」じわりと、その熱だけを伝えて。
杠 アヤメ:「……瑠璃くん、そういうところだよ」うつむいて、だけど少し嬉しそうに。
燈間瑠璃:……ついさっき聞いたような気がする、とは口に出さず。右手をそっと離すことにした。

ミドル3

GM:全員登場!
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+5(1D10->5)した(侵蝕率:47->52)
GM:杠 アヤメの侵蝕率を+7(1d10->7)した
七竈 カリン:七竈 カリンの侵蝕率を+3(1d10->3)した(侵蝕率:45->48)
GM:情報収集パートです!
七竈 カリン:はーい!
燈間瑠璃:ガンバルゾー!

【情報収集対象】
・今回の治験について(情報:UGN/達成値:7)
・この施設について(情報:UGN/達成値:8)
・他の参加者について(情報:噂話/達成値:7)

GM:今回はこの毒にも薬にもならぬ情報を拾って貰います!
七竈 カリン:なるほど!
燈間瑠璃:さて、どう分担しようか?
GM:仮に達成値を超えなかった場合、1d10の侵蝕率を加算することで降り直しが可能です!
杠 アヤメ:私は《天才》を使えるから固定値でどれでも抜けるよ!
燈間瑠璃:こっちも固定値5あるんでどれも抜けそう。
燈間瑠璃:あ、4だ。
七竈 カリン:噂話は安定して抜けますが、他のも狙う気になればいけますよ!
燈間瑠璃:それなら、治験について貰おうかな。
杠 アヤメ:じゃあ施設について!
七竈 カリン:らじゃりました、得意分野でいきましょう! ボクは参加者について!
七竈 カリン:ではいきます。サイコメトリーだけ使ってコネも入れますよ!
七竈 カリン:5dx+4>=7 えいやっ
DoubleCross : (5R10+4[10]>=7) → 6[1,2,2,3,6]+4 → 10 → 成功

七竈 カリン:七竈 カリンの侵蝕率を+1した(侵蝕率:48->49)
七竈 カリン:通しました!
杠 アヤメ:2dx+5 対象:施設について エフェクトで《天才》使用
DoubleCross : (2R10+5[10]) → 9[8,9]+5 → 14

燈間瑠璃:情報:UGN、技能なし、強化ビジネススーツと情報収集チームを乗せて固定値+4。
杠 アヤメ:杠 アヤメの侵蝕率を+6(1d10->6)した
燈間瑠璃:9dx+2+2>=7
DoubleCross : (9R10+2+2[10]>=7) → 9[1,1,2,3,4,5,5,5,9]+4 → 13 → 成功

燈間瑠璃:情報収集チームの残り回数(3→2)
GM:全員達成!
燈間瑠璃:ありがとう会社の先輩たち。
七竈 カリン:さすがです!
GM:では公開していきますよ!

【今回の治験について】
・今回の治験は一般人の記憶処理に当たって、現状の方法から更に簡便で安全な方法を見つけるための一つである。
・薬はソラリスとモルフェウスによって作られており、無添加無農薬の純正品である。医薬品基準も通っている。
・いざという時は医療スタッフがすぐに出てこれるようになっている。とっても安全。

【この施設について】
・UGNが私有している大型医療機関。外見はちょっと豪勢な民宿やホテルといった宿泊施設に近い。
・ほぼすべてのサービス対応がデジタル化されており、人的スタッフの姿は殆ど見られない(いないわけではない)。
・施設としては、温泉、卓球場、休憩所、食堂、マッサージ、ゲームセンター……etc ”ありそうなもの”はだいたいある

【他の参加者について】
・だいたい君たちと同じ10代と思われる少年少女が多い。これは薬品のターゲット層の関係だろう。
・中には知っている人間がいるかもしれない。顔見知りか、同業者か、はたまた因縁の相手か……。
・ただ、いつもと同じに見える彼らもきっと何かを失っているのだろう。どことなく、雰囲気が違っていた。

GM:以上!
七竈 カリン:「一通り聴き込んだりご飯をおごった気分になったりフルーツバスケットをやったりしてきたんですけども!」
杠 アヤメ:「フルーツバスケット、随分と懐かしいですね」
燈間瑠璃:「フルーツバスケット」
七竈 カリン:「レクリエーション向けなんですよ! カードも置いてありました!」
七竈 カリン:「何を忘れてるかというのかわかってる人が一割、そうじゃない人が半分、絶対言いたくないひとが一割くらいでしょうかボクの見たところでは」
杠 アヤメ:「”記憶”についてわかってる人も出始めてるんですね」
燈間瑠璃:「お疲れ。数字、合ってないけど……まあ、いいか」
杠 アヤメ:「残りの三割は有効数字じゃないんだよ、きっと」
七竈 カリン:「そこはフィーリングで!」
七竈 カリン:「昨日の晩ごはん、お母さんの名前、お気に入りのまくらだかぬいぐるみだか、ハゼ、ラーメン屋のツケ、あとはええと本の隠し場所?」
杠 アヤメ:(本の隠し場所……)
七竈 カリン:「なにかの拍子に思い出そうとして、あっこれ忘れてるじゃんとなって思い出すってパターンがほとんどみたいですね!」
七竈 カリン:「やっぱりほとんどが中学か高校、バイトの歩合がいいから来たって人がけっこういて、あ、そうそう、何買うか忘れたって人もいましたよ!」
燈間瑠璃:「それはご愁傷さまだ」
燈間瑠璃:「聞いた中だと、お母さんの名前は結構重篤だな……。それでか」手持ちの端末をついついっと操作して。
杠 アヤメ:「瑠璃くんも何かわかったの?」
七竈 カリン:「おお!?」覗き込みます
燈間瑠璃:「いちおう、会社の方から手を回してもらって実験の裏は取ってみた」
燈間瑠璃:「いや、近いよ。これから話すから……」
杠 アヤメ:(むぅ……)
七竈 カリン:「さっすがとーまさん、そういうところはばっちりしっかりしてますね! そして失礼アンド失礼、ほとばしる好奇心が抑えられなくて!」
燈間瑠璃:「まったく……。ええとだな。今回の実験はざっくり言うと、記憶処理の新しい手法を試している、ようだ」
七竈 カリン:「ああUGNがよくやってるアレ。え、アレって何やってるんです? 赤いペンライトぐるぐる回したりとか?」
燈間瑠璃:「その辺は清掃局の管轄だから、おれたちには何とも……だな。まあソラリスが御用達になってそうな気はするが」
七竈 カリン:「つまり赤いペンライトを身体の中にぐいっと差し込んだりとか!」ハンドジェスチュア
燈間瑠璃:「物理だな」一応、笑っている。
杠 アヤメ:「物理なんだ」苦笑い
七竈 カリン:「脳みそも物理的じゃないですか!」どや顔
杠 アヤメ:「脳みそは科学的です!」
杠 アヤメ:「いいですか、脳はちゃんと数学的な理論に基づいて構築されていましてね……」
杠 アヤメ:にじりにじりと語ろうと近寄る
七竈 カリン:「なんたる説得力とうんちく力! これが安楽椅子探偵ですか!」
杠 アヤメ:「ふっふっふ、私は”ライバル”ですからね」
杠 アヤメ:ちら
七竈 カリン:「むむう」
杠 アヤメ:「”ライバル”、ですからね!」
燈間瑠璃:(そう言えばライバル宣言してたな……)
燈間瑠璃:「話を戻すよ。使われた薬はご丁寧に、いろいろ基準を通して安全な代物、らしい」
七竈 カリン:「負けませんよ! ということでアヤメさん、あなたの意見を聞きましょう!」
七竈 カリン:「なるほど。つまり忘れてることじたいは……安全……」
杠 アヤメ:「はい! 私も私で散開してる間に調べてみました!」
杠 アヤメ:「本を読んでみたり」《ポケットディメンジョン》を宣言。一冊のパンフレットを虚空から手元に。
七竈 カリン:「…………」
杠 アヤメ:「外から見て見たり」《構造看破》を宣言。建物の情報を完全に理解する。
杠 アヤメ:「そして、わかったんだけど、ここはやっぱりUGNの施設みたい。カモフラージュされてるけど、所々に医療機関としての側面が見られたよ」
七竈 カリン:「ゲゲェーッ安楽椅子探偵なのにハードボイルドなボクより視界が広い!?」
杠 アヤメ:「旅館やホテルとは違って、複雑に入り組んでる。普段は使ってる道を見え失くしたりしてた」
七竈 カリン:「なるほどつまり秘密入院施設! だからシャトルバスも通ってなかったんですね!」
杠 アヤメ:「そう……だと、思う!」
燈間瑠璃:「成程、道理でやたらめったら広くて充実した施設なわけだ」
杠 アヤメ:「でもね、やっぱり記憶の戻し方はわかんなかったの」
七竈 カリン:「うーん……」
燈間瑠璃:「……それなら、あまり悲観的にならなくても良いかもしれないぞ」
七竈 カリン:「もどらないーとかもどせないーとかうっかりわすれっぱなしーとか、そういうのはなさそうですかね?」
杠 アヤメ:「本当?」
燈間瑠璃:「“ホールイーター”さんの話まで戻るが、確か……」
燈間瑠璃:「記憶の喪失は『一時的』だと言っていたはずだ。それなら、そのうち戻る、ということなんじゃないかな」
七竈 カリン:「おお! なるほどっ!」
杠 アヤメ:「流石、瑠璃くん!」
燈間瑠璃:「覚えてただけだ。この記憶を消されてなくて、良かったよ」
七竈 カリン:「言われてみればボクも聞いたような気もするんですが、けっこうウトウトしてたのですっかりしてました!」
杠 アヤメ:(……でも、やっぱり消えちゃった記憶があるんだよね)
杠 アヤメ:(私は何を忘れちゃったのかな。瑠璃くんへの気持ちは変わってない。でも、あと一つピースの足りないパズルのような、寂しさがあるよ)
杠 アヤメ:しっとりと、瑠璃くんへ視線を向けます。
七竈 カリン:首をぐりーんと巡らせて視線を追います。
七竈 カリン:「むむ」
燈間瑠璃:「……どうした? 二人とも」
七竈 カリン:「ここだけの話ですよ、ここだけの話ですよ。とーまさんもアヤメさんもどうです? そこのところ」
杠 アヤメ:「そこのところ?」
七竈 カリン:「記憶ですよ記憶! 何を忘れてたー、とか実はそろそろ思い出したー、とか、頭の中に花火が上がるとか!」
燈間瑠璃:「……何を忘れたか、か?」
杠 アヤメ:(そ、そっちだよね! そうだよね!)
杠 アヤメ:一人勝手に赤くなって、一人勝手に恥ずかしくなってます。
七竈 カリン:「アヤメさんもなんだか普段どおりという感じなので、そこまでものすごく忘れてるカンジではなさそうだなーと思うんですが」
七竈 カリン:い・つ・も・ど・お・り、をやや強調している。
杠 アヤメ:「うん、やっぱり”何を忘れているかわからない”って言うのが正確なんだと思う」
燈間瑠璃:「……記憶が消されてるなら、過去に遡って思い出していけばいつかは思い当たるんだろうが……」
燈間瑠璃:七竈さんの語気に、あの教室に似た部屋での出来事をぼんやりと思い浮かべる。
七竈 カリン:「そうなると思い出してもそうと気付くのがけっこう大変そうかなと思うんですよ。どうですとーまさん何かひっかかりません?」
杠 アヤメ:「どうかな、瑠璃くん?」
七竈 カリン:「宿題とか、本の隠し場所とか、下駄箱の場所とかロッカーの番号とか!」
燈間瑠璃:「おれに聞くのか。ってか、何を聞くつもりだ?」
杠 アヤメ:「瑠璃くんの本の隠し場所はね————」
燈間瑠璃:「おいアヤメ!?」
杠 アヤメ:「ふふっ、冗談だよ。るーりくん」
七竈 カリン:「おおさすが安楽椅子ライバル探偵! いや大丈夫、忘れてないようですからあとで探します!」
杠 アヤメ:「いいよ、そういうのも」
杠 アヤメ:「探して見つけて貰おうね」
燈間瑠璃:「探偵使ってまで家探しするのか……」
七竈 カリン:「探偵は見つけたり倒したりするプロですからね!」
杠 アヤメ:「倒したりはしないと思うな……?」
七竈 カリン:「倒しませんかね?」
杠 アヤメ:「えっ、うーん……倒すのかも……」
燈間瑠璃:「シャーロック・ホームズは倒すらしいな」
杠 アヤメ:「そうだった! じゃあ倒すね!」
七竈 カリン:「思い切り倒しますよ! モンキーに! コンパクトに!」
杠 アヤメ:「七竈さんは、シャーロック・ホームズの系譜なんだね!」
燈間瑠璃:「でも最後は宿敵と一緒に滝へ真っ逆さまだ。良いのか?」
七竈 カリン:「いえ、ボクはやっぱり日本人なので、見ての通りのジャパニーズ探偵マンレディですよ!」
七竈 カリン:ほれほれ、とソフト帽と首に巻いた……ストール? マフラー? などを示してみせる。
七竈 カリン:「ご覧の通り!」
杠 アヤメ:「おおー」素直に関心
燈間瑠璃:「まあ、七竈さんらしくて良いんじゃないか。実際助かってるし……」
七竈 カリン:「はい! このボクにどうぞおまかせあれ!」
七竈 カリン:「何の話でしたっけ!」
杠 アヤメ:「……私もできるもん」ぼそっと。
燈間瑠璃:「えーっと、何を忘れ……アヤメ?」
七竈 カリン:「むむ……三歩下がって脾腹を……」
杠 アヤメ:「えっあっ、大丈夫だよ!」無意識のうちに零れ落ちた言葉だった。
杠 アヤメ:「何を忘れているか、それが私たちにとってどう影響するのか。だったっけ?」
七竈 カリン:「それです! さすがアヤメさん!」
杠 アヤメ:「えへへ……」素直に嬉しい
燈間瑠璃:「そうだな。影響は……まあ、そんなでもないだろう。ああ、さっき言いそびれたけど……」
燈間瑠璃:「医療スタッフも控えているようだ。何かあっても、心配はないってことだな」
杠 アヤメ:「良かったぁ」ほっと胸をなでおろす。二人は危ない目によく会うから。
七竈 カリン:「医療スタッフ……ということは実は密室だったり見立てで洗濯ばさみになったりする心配はないってことですね!」
杠 アヤメ:「あ、そうだ」
燈間瑠璃:「洗濯ばさみ……?」
燈間瑠璃:「ん、どうした?」
七竈 カリン:「洗濯ばさみですよ。つまり……はい! なんでしょう!」
杠 アヤメ:「もし、記憶が戻らなかったらどうなったのかな」
杠 アヤメ:「思い出せない記憶。それは、最初から無かったことになっちゃうのかな」
七竈 カリン:「…………」
杠 アヤメ:「それはちょっとだけ、寂しいなって思ったの」
燈間瑠璃:「……ある人は母親の名前を失い。ある人はこの後何を買うのか思い出せないままか」
杠 アヤメ:「うん。今回は戻るけれど、もしかしたらそういう日も来るのかなって」
燈間瑠璃:「おれたちも……何かを忘れて、それが何なのかすら分からなくなったら」
七竈 カリン:「アヤメさん!」
杠 アヤメ:「ひゃい!」
燈間瑠璃:「うおっ!?」
七竈 カリン:「大丈夫ですよ! いいですか、ボクは探偵でアヤメさんは安楽椅子探偵でとーまさんは依頼人です!」
燈間瑠璃:(おお、アヤメに近いな……いつもあんななのか……)
七竈 カリン:「つまり推進力に推進力を足して三倍! そこに真実があるならば絶対に見つけ出せるようなフィーリングですよ!」
杠 アヤメ:「つまり……?」
七竈 カリン:「つ・ま・り、その日が来たとしても見つからないわけがないのでその心配は御無用といいましょう!」カンフー的な構え。
七竈 カリン:しばらく沈黙。
七竈 カリン:「えーあーうぉっほん! そういうカンジでひとつお願いします! ねえとーまさん!」
燈間瑠璃:「依頼人も推進力か」くつくつと笑う。
杠 アヤメ:「『その日が来たとしても見つからないわけがない』……」
杠 アヤメ:「…………」
杠 アヤメ:「七竈さん」
杠 アヤメ:「”依頼”をします」
七竈 カリン:「むっ。なんでしょうかアヤメさん!」
杠 アヤメ:「きっと、貴女なら一言で解決できる難問です」
杠 アヤメ:「聞いてくれますか?」
七竈 カリン:「…………聞きましょう。どうぞ」
杠 アヤメ:「私の中にある……”勇気の出し方”を、見つけてください」ちょっとだけ、上ずった声で。
杠 アヤメ:「名探偵さん、力を貸してください」
杠 アヤメ:「私の”ライバル”として、これを見つけてみてください!」
七竈 カリン:「なるほど。それを一言で見つけてみせろと! なかなかスゴいこといいますねアヤメさん!」
杠 アヤメ:「ふふ、できるでしょう?」朗らかに笑って。だけど指先で服の裾を掴んで。
七竈 カリン:「温泉宿! 病院! 記憶喪失! きっとそういうものなんでしょうね」
七竈 カリン:じゃっかんえびぞりになる。
七竈 カリン:「アヤメさん!」
燈間瑠璃:(近いな……)
杠 アヤメ:「……はい!」びっくりしたけどがんばる!
七竈 カリン:アヤメさんの耳元で、驚くほど小さな声でぽそっと何かを囁きます。
七竈 カリン:「さあささあさあ、採点はいかに!」
杠 アヤメ:「…………ありがとう。”カリン”さん」
杠 アヤメ:「瑠璃くん」この思いもいつか忘れてしまうのなら。
杠 アヤメ:歩み寄り、手を取り、目線を交錯させて、息をする。
七竈 カリン:くるん、とストールだかマフラーを翻してステップバック。ソフト帽を指先だけで抑えて。
燈間瑠璃:「興味はあるけど……聞くのは、野暮かな。と」
燈間瑠璃:「な、なんだ、アヤメ?」
杠 アヤメ:忘れる前に、覚えている間に。
杠 アヤメ:明日、会えないかもしれないのなら。
杠 アヤメ:今伝えよう。後悔しないために。
杠 アヤメ:今響かせよう。
杠 アヤメ:「貴方が好きです」
杠 アヤメ:「ずっとずっと、瑠璃くんのことが好きでした」
杠 アヤメ:私だけの特別な貴方でいてくれるうちに。夢を叶えよう。
燈間瑠璃:「……えっ、と」
七竈 カリン:ソフト帽のつばを深くおろして目元を隠す。
燈間瑠璃:ぎぎぎ、と首が七竈さんの方を向く。
燈間瑠璃:「おい、何を吹き込んだらこうなるんだ……」
杠 アヤメ:「『私は貴方のことをずっと前から見ていました。片時も忘れたことはありません』」愛読書からの引用。握る手は強く、再現される演技が私に力をくれるから。
七竈 カリン:応えない。目元を隠したまま。
燈間瑠璃:ぎぎぎ、と首を戻す。
杠 アヤメ:ゆえに私は、再現される一節(ブックマークスタンプ)。例え心がわからなくとも、気持ちの伝え方は模倣できる。
杠 アヤメ:「『貴方は、私のことを見てくれていましたか?』『そして、これからも見ていてくれますか?』」
燈間瑠璃:「あ……ちょ……ちょっと……ちょっと待って……」
杠 アヤメ:「……忘れたくないから」顔を瑠璃くんの胸に埋め、消え入るように言葉を紡ぐ。
燈間瑠璃:「あのさ、アヤメ。そういうこと言うにしたっ──」体重が預けられた、と感じて。言葉も途切れて。
燈間瑠璃:(……『これ』を、忘れたくないから、か)
杠 アヤメ:「…………」
燈間瑠璃:頭では理解する。でも、心が追い付かない。
燈間瑠璃:幼馴染の女の子。
燈間瑠璃:自分を案じてくれる女の子。
燈間瑠璃:ろくに表情の変わらない自分の気持ちを、正確に読み取ってくれる女の子。
燈間瑠璃:燈間瑠璃の人生においてそれが、『特別』でないはずがない。しかし──
七竈 カリン:ビリッというかミギッというか、形容しがたい異様な音がする。布が引きちぎれる音ですね。
燈間瑠璃:──異音で思考が途切れる。
燈間瑠璃:「……な、なかまど、さん?」
杠 アヤメ:「…………!?」明らかな異音に反応し、そっちの方へ振り向く。
七竈 カリン:胸元に脱いだソフト帽を抱えるようにして。珍しい表情……見たことがない表情。
七竈 カリン:「おおっと失礼! ちょっと用事を思い出しましたのでボクは少し外します。七竈カリンはクールに去ります!」
杠 アヤメ:「あっ」
杠 アヤメ:「…………」
七竈 カリン:「それではどうぞごゆっくり! いざ自由の空へ!」
杠 アヤメ:「………………瑠璃くん」すっと、離れる。
燈間瑠璃:「おっ、おいっ、ちょっと……!」
燈間瑠璃:「な、なに、アヤメ……?」
杠 アヤメ:「追いかけて」
杠 アヤメ:「早く」
七竈 カリン:バネじかけのおもちゃみたいに背を向けて、わざとらしいくらいばたばたした足取りでぴゅーっと走っていきます。
燈間瑠璃:「………」
燈間瑠璃:「……ああ」
杠 アヤメ:「うん、それでこそ瑠璃くんだ」
杠 アヤメ:手を伸ばして、頭を撫でようとします。
燈間瑠璃:反応すら出来ない。されるがまま。
杠 アヤメ:そして手を止め「いってらっしゃい」
杠 アヤメ:《ポケットディメンジョン》。開いた空間の中に自らを落とし込みます。彼だけを残して。
燈間瑠璃:取り残された少年──そう、17歳の少年である──は、その手でぐしゃぐしゃと髪を乱して。
燈間瑠璃:じっと、天井を睨みつけて。
燈間瑠璃:「……おれに、選べって言うのか」あるいは、それ以外の選択もあるかも知れないが。
燈間瑠璃:いずれにせよ、何らかの決断を下さねばならないことだけは、確かだった。

GM:シーンカット
GM:ロイス取得と購入が可能です
杠 アヤメ:ロイス 七竈カリン 〇好敵手/嫉妬
七竈 カリン:ロイス。とーまさんへのロイスをネガの恐怖を表に。アヤメさんへのロイスをネガの嫉妬を表に。
杠 アヤメ:また、”依頼主”燈間 瑠璃 〇期待に応えるよ!/なんだっけ……? を 恋慕/〇不安 に
七竈 カリン:で、購入は木刀買いまーす
七竈 カリン:2dx>=5
DoubleCross : (2R10[10]>=5) → 10[5,10]+4[4] → 14 → 成功

七竈 カリン:木刀買いました。ケースに入れときますね!
杠 アヤメ:3dx=>20 ブルーゲイル
DoubleCross : (3R10[10]>=20) → 6[2,3,6] → 6 → 失敗

燈間瑠璃:まずはロイス。アヤメへのロイスを●庇護/不安→庇護/●恐怖に。
燈間瑠璃:七竈さんへのロイスを●信頼/劣等感→信頼/●不安に。
燈間瑠璃:購入はボルトアクションライフル。目標値15、手配師&ストーン使用でダイス+2個、達成値+1。
燈間瑠璃:(9+2)dx+1+2+1>=15
DoubleCross : (11R10+1+2+1[10]>=15) → 9[1,2,2,4,4,4,5,5,7,7,9]+4 → 13 → 失敗

燈間瑠璃:財産点2入れて購入、ウェポンケースに放り込みます。財産点18->16。
GM:お金持ち!
燈間瑠璃:会社からお金出てるからね。(パトロン)
GM:経費ってやつだ!
燈間瑠璃:以上!

ミドル4 ◆インターバル◆


GM:◆インターバル◆

燈間瑠璃:七竈さんの後を追って、とぼとぼと歩く。走ってすらいない。
燈間瑠璃:(おれが、選ぶ……)
燈間瑠璃:アヤメは能力を使って引きこもってしまった。ああなると、こちらからはどうにも出来ない。
燈間瑠璃:(まったく勘付いていなかった、と言えば嘘になる。ずっとはっきりさせて来なかっただけかもしれない)
燈間瑠璃:しかし、言葉にされて、声に出されて、耳に叩きつけられて、否応なしに意識させられて。
燈間瑠璃:(考えるなって言う方が無理だ)
燈間瑠璃:七竈さんのことだって。
燈間瑠璃:(違うけど、違わない。おれが顔色一つ変えられなくても)
燈間瑠璃:その心の内を、汲み取ってくれた女の子。
燈間瑠璃:自分を理解してくれる人が二人もいる。それで良かった。これまでは。
燈間瑠璃:では、これからは?
燈間瑠璃:(アヤメは、自分の気持ちを忘れるのが……なくしてしまうのが怖くて、今を変えることを選んだ)
燈間瑠璃:それまでの関係に不可逆の変容をもたらすとしても。
燈間瑠璃:勇気をもって、一歩踏み出すことを選んだ。
燈間瑠璃:(七竈さんが、その勇気を与えた)
燈間瑠璃:ビジネスパートナー。いっこ年下の女の子。
燈間瑠璃:──おそらく、燈間瑠璃の人生において、何か起きた時に一番に頼るであろう──
燈間瑠璃:そう、信頼していた女の子。
燈間瑠璃:(あの音は。逃げたのは。つまり、そういうことで良いのかな)
燈間瑠璃:だとしたら。二人で歩いていた時、ああ言った(言ってしまった)ことは。
燈間瑠璃:(まるで口説き文句だ……)額に手をやる。
燈間瑠璃:確かに、何かと距離の近い子だった。
燈間瑠璃:意識していなかったわけじゃない。
燈間瑠璃:この際だからはっきり言うが、ぶっちゃけて一挙手一投足が可愛いとすら思っている。
燈間瑠璃:しかし、だ。その好意が、恋であるか、どうか。
燈間瑠璃:(分からない。こんなに自分のことが分からないなんて、初めてだ……)
燈間瑠璃:ゲームセンターでアヤメに相対した時のことを思い出す。
燈間瑠璃:(おれは、お前のことをどこまで分かってるんだろうか)
燈間瑠璃:(……なんて、口に出せない。それは自分のことで──)
燈間瑠璃:自分のことなんて、本当は全然分かってなんかいなかった。
燈間瑠璃:……思考を切り替える。
燈間瑠璃:アヤメは、七竈さんは、何の記憶を失くしたんだろうか。
燈間瑠璃:──そして、おれは、何を失くしたんだろうか。
燈間瑠璃:思いつく限りの記憶は、おおよそ全部思い出せる。
燈間瑠璃:しかし。二人に対してだけ。
燈間瑠璃:(……何か、何かが、なくなってる。そんな気がする)
燈間瑠璃:どうして。
燈間瑠璃:どうして、こんな時に。
燈間瑠璃:(今、二人のことを、何一つだって取りこぼしちゃいけないのに)
燈間瑠璃:(そうしなければ、おれは、きっと決められない)
燈間瑠璃:目の前にある三つの道。
燈間瑠璃:そこから一つ、選び取ることを。
燈間瑠璃:(……おれが、選ぶ……)
燈間瑠璃:三人のこれからに関わる、重大な決断を。
燈間瑠璃:どうすれば選べるのか。どうすれば決められるのか。その指針すら見えないまま、少年は歩く。
燈間瑠璃:(このまま待っていれば記憶は戻る、と思う。でも、それじゃ遅い。きっと遅い)
燈間瑠璃:七竈さんに出会うまでに。あるいは、こんな歩き方をしていたらアヤメが何か言ってくるかもしれないが。
燈間瑠璃:(思い出さないといけない。ええと……)
燈間瑠璃:こういう時は初心にかえるに尽きる。つまり──
燈間瑠璃:(七竈さんには悪いけど、もう少し時間をもらうか。最初から。おれたちの、■■■から──)
燈間瑠璃:ザザッ。
燈間瑠璃:(……おい)
燈間瑠璃:ザザザッ。
燈間瑠璃:(まさか)
燈間瑠璃:立ち止まって、大きく深呼吸をして、もう一度。
燈間瑠璃:(頼むよ、おい)
燈間瑠璃:しかし、その祈りにも似た願いは。
燈間瑠璃:ノイズと、空白によって、裏切られて。
燈間瑠璃:(これ、なのか。ま、待て、落ち着け。その先は──)
燈間瑠璃:ザザザザッ。
燈間瑠璃:(……!!)
燈間瑠璃:思い出せない。
燈間瑠璃:確信する。
燈間瑠璃:失ったのは、『出会い』と。
燈間瑠璃:『そこから続くいくらかの思い出』であると。
燈間瑠璃:(マジか……)
燈間瑠璃:しかし。(酷な言い方だと思うが)それだけであるのなら。そこから先は、あるのだから。
燈間瑠璃:その『そこから先』を思い出そうとして。
燈間瑠璃:ザザザッ。
燈間瑠璃:(……どこまで)
燈間瑠璃:ザザザザッ。
燈間瑠璃:(どこまでなくなってる?)
燈間瑠璃:ノイズ。空白。ノイズ。空白。
燈間瑠璃:(おれは、どこから覚えてる?)
燈間瑠璃:ノイズ。空白。ノイズ。空白。ノイズ。空白。ノイズ。空白。
燈間瑠璃:(どこまで、消えた?)
燈間瑠璃:頭を振って、ノイズを追い出す。今、この記憶を追ってはいけない。
燈間瑠璃:そこにふっと浮かぶ、実験開始のアナウンス。
燈間瑠璃:“——実験開始。参加者は自由行動をして下さい”
燈間瑠璃:その時、自分たちには与えられていた記憶があったはずだ。
燈間瑠璃:そう、これは、記憶処理の実験なのだから。
燈間瑠璃:(……それじゃあ、おれの記憶は……)
燈間瑠璃:(『どこ』が本物だ?)
燈間瑠璃:(『どこ』が、改竄のない、本物の記憶なんだ?)
燈間瑠璃:杠アヤメ。七竈カリン。
燈間瑠璃:二人のことは知っている。
燈間瑠璃:──本当に?
燈間瑠璃:何を信じれば良いのか。何を信じてはいけないのか。
燈間瑠璃:それすらも見失って。
燈間瑠璃:少年は再び、歩き出す。その先に何が待つのか分からず、考えられもしないまま。
燈間瑠璃:しかし、歩き出す。
燈間瑠璃:どこかに、辿り着くために。

GM:シーンカット

ミドル5 ◆ハーフタイム 燈間瑠璃と杠アヤメの場合2◆

GM:◆ハーフタイム 燈間瑠璃と杠アヤメの場合2◆
GM:登場時侵蝕をお願いします!
GM:杠 アヤメの侵蝕率を+5(1d10->5)した
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+4(1D10->4)した(侵蝕率:52->56)
GM:健康ランド・水平線に沈み込む夕日に照らされて
杠 アヤメ:「わぁー! きれい!」沈みゆく夕陽を眺め、瞳をきらきらとさせている。
燈間瑠璃:「……ああ、こういうのも久しぶりだ」
杠 アヤメ:あの後、しばしの時間を空けて、彼女は燈間瑠璃のところに戻っていた。
杠 アヤメ:※《帝王の時間》で無限に足をばたばたさせたので。
杠 アヤメ:「昔はよく一緒に夕焼けと帰ったよね」懐かしがっている。
燈間瑠璃:「昔……昔か」
杠 アヤメ:あの頃の私はやんちゃ娘で、門限を破って帰ってくることも多かった。
杠 アヤメ:でも、その度に瑠璃くんが庇ってくれた。
杠 アヤメ:「一緒に沢山怒られてくれたよね」
燈間瑠璃:そんな気もするし、そうではなかった気もする。
燈間瑠璃:今は思い出せず、いずれ思い出せるようになるであろう、記憶の中の話だ。
燈間瑠璃:「そうだ、って即答出来たら良かったんだけど」
杠 アヤメ:「うん」
燈間瑠璃:また、ノイズが走る。その先には空白しかない。
燈間瑠璃:「そこんとこがな。まったく思い出せない」
杠 アヤメ:「それって……」言外の意味を理解する。
燈間瑠璃:「杠アヤメとの出会いが思い出せない。杠アヤメと過ごした時間が思い出せない」
燈間瑠璃:「……酷い、話だろ」
杠 アヤメ:「そっ……っかあ……」すこし、うつむく。
杠 アヤメ:「…………」
杠 アヤメ:でも
杠 アヤメ:「瑠璃くん」
杠 アヤメ:その手を握る。
燈間瑠璃:「なんだ?」手を握られながら。
杠 アヤメ:「数学はね、新しい解を導くために生まれてきたんだよ」
杠 アヤメ:「わからないことを、わかるように」
杠 アヤメ:「思い出せないことがあるのなら、新しい答えを作ろうよ」
杠 アヤメ:そう言って、君の手を引いて夕陽の方へ。水平線が眺められる、手摺りの方へ。
杠 アヤメ:「ほら、私はここにいる。私がいて、貴方がいる。これからがあるよ」
燈間瑠璃:されるがままに、連れて行かれる。
燈間瑠璃:「記憶処理の実験なんだ。どこまで記憶が弄られてるかも分からない」
杠 アヤメ:「”初めて”かもしれない?」
燈間瑠璃:「……今、目の前にいるお前まで嘘だとは、思いたくないけど」
杠 アヤメ:「うん、私もそう思いたい」
燈間瑠璃:「どこまで本当か分からない。どこからが本当かも分からない」
杠 アヤメ:「『乙女の心と秋の空は移ろい、滲む景色は夢か現か』」
燈間瑠璃:「……いつも、『分からない』って言うのはお前の方なのにな。おれは、自分のことが分からなくなった」
杠 アヤメ:「『今の私は蝶が見ている夢だろうか、それとも私が蝶の夢を見ているのだろうか』」
杠 アヤメ:「わからなくても、いいんだよ」握る手の力を強く、私を感じられるように込める。
燈間瑠璃:「古典だな」
燈間瑠璃:「どちらが夢であっても……」
杠 アヤメ:「うん。そして、それに教えて貰ったの。”今”は”本物”だって」
燈間瑠璃:「今、この瞬間だけは本物、か」
杠 アヤメ:「うん」瞳を見つめるように
燈間瑠璃:「教えてもらった? ……あ、もしかして」
杠 アヤメ:「ふふっ、当ててみせて」
杠 アヤメ:「乙女の秘密だよ」
燈間瑠璃:「参ったな。おれで抜ける情報だと良いんだけど」
杠 アヤメ:「当てられたら、ご褒美があります!」
燈間瑠璃:「それはそれは」
燈間瑠璃:一瞬だけ目を閉じて。思案すると言うより、確認するように。
燈間瑠璃:「それか、お前が七竈さんに吹き込まれたのは」
杠 アヤメ:一瞬、ドキッとした表情を浮かべる。
杠 アヤメ:そして、ひとつ、ふたつと息を吸って、吐く。
杠 アヤメ:「…………」
杠 アヤメ:「……そう、思った?」
燈間瑠璃:「そうであってくれ、かな」
杠 アヤメ:「……うん。残りの5%。達成、だよ」
杠 アヤメ:「今、瑠璃くんは頼りになる率100%」
杠 アヤメ:「だから、言うね」
燈間瑠璃:「……ああ、聞くよ」
杠 アヤメ:手を放し、夕陽を眺める。
杠 アヤメ:沈む夕日は、何かの終わりを案じているようで
杠 アヤメ:夜の始まりを告げているようで
杠 アヤメ:世界が入れ替わることを示していた。
杠 アヤメ:「私ね、留学するの」
杠 アヤメ:「私のね、才能を評価してくれた人がいて、遠い外国で数学の勉強しない? って誘ってくれたの」
燈間瑠璃:「確かに、日本より海外の方がそういうのはな」
杠 アヤメ:「私、行こうと思ってる」
燈間瑠璃:「……そうか」
杠 アヤメ:「だからね、最後になるかもしれなかったから」
杠 アヤメ:一歩、貴方に近づきます。背伸びをすれば、きっと届く距離。
杠 アヤメ:「瑠璃くんに好きって言えてよかった」
杠 アヤメ:——大好きだよ、瑠璃くん。
杠 アヤメ:そっと、瞳を閉じて。
杠 アヤメ:すっと、背伸びをして。
杠 アヤメ:自分だけのブックマーク。迷妄のスタンプ。
燈間瑠璃:漫画でも、ドラマでも、どこかで見たような。
燈間瑠璃:何をしようとしているかはすぐに理解出来る。
燈間瑠璃:今、身を委ねることはとても簡単だけど──
燈間瑠璃:答えを出していない、まだ何も選んでいない自分に、それは許されないことだと、頭が止める。
燈間瑠璃:「……アヤメ」右手でその額に触れて。
燈間瑠璃:「期待を持たせてしまったら、それはそれで残酷なんだけど」
燈間瑠璃:「……おれは、まだ自分のことが分からないままなんだ。何も決められていないんだ」
燈間瑠璃:「でも、お前はもう踏み出したから。全部忘れて今まで通りってつもりもないんだろう」
燈間瑠璃:「だから、おれも、決めようと思う。お前の言葉に、どんな形であっても、答えを出そうと思う」
燈間瑠璃:「もう少しだけ待てるか? おれが答えを出すまで」
杠 アヤメ:「……ありがとう。瑠璃くんなら、止めてくれるって思ってた」その瞳から零れるのは、果たして如何な感情を宿すのか。
杠 アヤメ:「わかってた。間違ってるって」でも、止められなかった。気持ちの伝え方は、わからないから。
杠 アヤメ:「だから、待つ。私、待ってるから」
燈間瑠璃:「……ありがとう、アヤメ」
燈間瑠璃:おれも、こうしてアヤメに告げた。道の一つを明確に断った。
燈間瑠璃:どんな形であれ、誰かが傷を負うことは避けられない。
燈間瑠璃:それでも。
燈間瑠璃:選ぼう。おれたちの、これからを。

ミドル6 ◆ハーフタイム 燈間瑠璃と七竈カリンの場合2◆

GM:◆ハーフタイム 燈間瑠璃と七竈カリンの場合2◆
GM:登場時侵蝕をお願いします!
七竈 カリン:七竈 カリンの侵蝕率を+2(1d10->2)した(侵蝕率:49->51)
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+7(1D10->7)した(侵蝕率:56->63)
GM:健康ランド・明かりが落ちて薄暗いリネン室
GM:壊れて閉じきらない扉を開けば、薄暗がりの中に、小さな背中が見えました。
燈間瑠璃:「……これはまた。分かりやすい目印を残してくれたな」
燈間瑠璃:部屋に一歩、足を踏み入れ。
燈間瑠璃:「探したよ。見つけられて、良かった」
七竈 カリン:ほそく差し込んだ廊下の光に、びくん、と背筋が跳ねます。
七竈 カリン:「……とーまさん」
燈間瑠璃:「ドア壊したりなんかして。怪我してないか?」
七竈 カリン:その言葉を聞くなり、一歩後ずさります。
燈間瑠璃:「どうした?」
七竈 カリン:「ボクは大丈夫ですよ! それよりアヤメさんはどうでした?」
七竈 カリン:薄暗く、表情もみえづらい中。張った声の調子は、いつもとそこまで変わらないように聞こえます。
七竈 カリン:「いやあ大胆ですよね! ぼくビックリしちゃいましたよ! まさかあそこでいきなり体当たりとか三勇士ってカンジで!」
燈間瑠璃:「……大丈夫って言うなら、大丈夫だと思うことにしたいとこだけど」
七竈 カリン:「大丈夫ですってば! だってとーまさん、ボクが大丈夫じゃなかったとこ見たことありますか!?」
燈間瑠璃:「そうじゃないなら、そうじゃないって言ってくれ。おれには、きみほど正確にリーディング出来ないんだ」
七竈 カリン:「…………」
燈間瑠璃:「今。見てると思うんだけどな」
七竈 カリン:ぎり、っと、何かがつよく擦れ合うような音が聞こえます。
燈間瑠璃:「隣、良いか?」
七竈 カリン:「近づかないほうがいいと思います」
燈間瑠璃:「どうして?」
七竈 カリン:一歩、奥にあとずさります。差し込む光のあたる場所が変わって、帽子をかぶっていない顔が見える。
七竈 カリン:笑顔はありません。
七竈 カリン:「とーまさん」
燈間瑠璃:「なんだ?」
七竈 カリン:「ボクがごはんうまく食べられなかったの、知ってます?」
燈間瑠璃:「……ああ、それは……」
燈間瑠璃:知らないのか。それとも思い出せないのか。
燈間瑠璃:「分からなくなった。おれには、分からなくなったんだ」
七竈 カリン:「おはしをうまく使えたら大丈夫だから、って、言ってくれたのも、たぶん忘れちゃってますよね」
燈間瑠璃:「言ったのか、おれが」
七竈 カリン:「言ったんです。何度目かで一緒になったときに」
七竈 カリン:「それからなんですよ。ボクが毎朝ごはんを炊くようになったの」
燈間瑠璃:「そんな……大事なことまで、思い出せなくなったのか、おれは」
七竈 カリン:「だから、それで、だいたいわかりました。なんといってもボク、名探偵ですからね」
燈間瑠璃:「お見事だ。おれは、さっき気付くまで全然だったよ」
七竈 カリン:「…………」
七竈 カリン:「……お見事なんてことはないんですホントは。フツーはそれだけじゃ気づけないです」
七竈 カリン:「ボクはシャーロック・ホームズでもデュパンでもないので、わかったのは……」
七竈 カリン:「初歩的な話です。ボクも忘れてたからですよ」
燈間瑠璃:「そうだったか。もう、思い出したのか?」
七竈 カリン:「燈間さん」
燈間瑠璃:「ん?」
七竈 カリン:顔を上げる。背筋を伸ばして。いつもより少しだけ真剣な表情。
七竈 カリン:「ボク、七竈カリンは、あなたのことが好きです」
七竈 カリン:「もちろんラブ的な意味でですよライク的な意味じゃなくて。そこは大前提です」
燈間瑠璃:「……それは、分かってるよ」おそらく、苦笑い。
燈間瑠璃:「おれ、口説くようなこと言っちゃったし。きみの気持ちも知らずに。酷いよな」
七竈 カリン:「嬉しかったからそれはいいんです」
七竈 カリン:「……おほん!」
七竈 カリン:「めちゃくちゃ忙しいのに、学校と仕事とおしごとをぜんぶやって、ボクの相手までしてくれてるあなたがかっこいいと思います」
七竈 カリン:「ちからバカになっちゃって学校行くの諦めてたボクに、いろいろ提案したり教えてくれた優しいところが好きです」
七竈 カリン:「……覚えてないとしても、きっと、同じことをいってくれるって信じてます」
七竈 カリン:「ついでにいうと顔と身長差も好みです。お兄ちゃんって感じでものすごくストライクです」
燈間瑠璃:「……そ、そこまでか」
七竈 カリン:「もちろんですよ! そこは大事です! でももっとかっこいい人が来てもボクは燈間さんのほうに行きますけど!」
燈間瑠璃:「男冥利に尽きる話だ」
七竈 カリン:「もっといい気になってください。どんどん言えますから」
七竈 カリン:「でも、だから……」
七竈 カリン:「……それがどうしてかわからないのが、ほんとうに怖くって」
七竈 カリン:「最初に会ったときのことだけ。どうしても、思い出せないんです」
七竈 カリン:「だからすぐに気付きました。ちょっとインチキですよね。毎日思い出すようなこと、ほんとにそれだけ忘れてるなんて」
燈間瑠璃:「それは……怖かったろうな。うん、分かる。おれも、怖かったよ」
燈間瑠璃:「おれはきみとアヤメのことを知ってる。それが当たり前だった」
燈間瑠璃:「でも、そうじゃないかもしれないと、自分の記憶を疑う羽目になった」
七竈 カリン:「いまはボクの話ししてくださいよ。もう」
燈間瑠璃:「……悪い。気が利かなかったな」
七竈 カリン:「いいです。嫉妬心とか真面目に取り合っちゃダメです。刺されちゃいますよ燈間さん男前なんだから」
燈間瑠璃:「なんだよ、それ」表情は動かず。しかし、その声には喜色があって。
燈間瑠璃:「でも、まあ、記憶を疑うのは横に置けそうだ」
燈間瑠璃:「こうしてきみと話して。きみはちゃんと目の前にいるって、それは確かなことだから」
七竈 カリン:「……あは」
七竈 カリン:「うぬぼれちゃいますよそういうこというと。ボクだってレディ以前に女の子なんですから」
七竈 カリン:「だから言いますよ。もう一回ですよ。どうしてなのかわかんなくても、嘘かホントかもわからなくても、ボク燈間さんのことが大好きです」
燈間瑠璃:「うん。ありがとう。嬉しいよ」
燈間瑠璃:「……だから。おれは、ちゃんと答えを出さないといけない」
七竈 カリン:壊れ物を注意して避けるように踏み出して。いつもの距離まで近づいて。
燈間瑠璃:「それにはもう少し……なに?」
七竈 カリン:「とーまさんらしく、選んでくださいね」
七竈 カリン:小声だ。
燈間瑠璃:「ああ」
七竈 カリン:すん、すん、と息を吸うかすかな音。
七竈 カリン:「大丈夫です。とーまさんはとーまさんですよ。このボクが保証しちゃいます」
燈間瑠璃:「……参ったな。本当に強いな、きみは」
七竈 カリン:喉元をくすぐられた猫みたいに目を細めます。
七竈 カリン:すっとしゃがんで、つばの裂けたソフト帽を取り上げて。前後反対にかぶり直して。
七竈 カリン:「そこはもちろん! なんといってもこの七竈カリン、とーまさんの頼れるビジネスパートナー名探偵なので!」
燈間瑠璃:「近いよ」いつもの声で。
七竈 カリン:「近づいてるんです!」
七竈 カリン:「ということでどうしますかとーまさん。まずはアヤメさん探しに行きますか? そういうのは得意ですよボクは!」
燈間瑠璃:「そうするか。当てにしてるよ、七竈探偵」
七竈 カリン:「らじゃりました! おまかせあれ!」
七竈 カリン:いつもの調子で、くるっと足を揃えて変なポーズを取ります。……距離は。
七竈 カリン:いつもより、ほんの少しだけ近く。
燈間瑠璃:たとえば、一つの道を選んだ先に、この声と熱を失う可能性がある。
燈間瑠璃:たとえば、一つの道を選んだ先に、あの声と目を失う可能性がある。
燈間瑠璃:それでも。
燈間瑠璃:選ぼう。おれたちの、これからを。

クライマックス

GM:◆クライマックス◆
GM:全員登場! 華々しく行こう!
杠 アヤメ:杠 アヤメの侵蝕率を+3(1d10->3)した
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+5(1D10->5)した(侵蝕率:63->68)
七竈 カリン:七竈 カリンの侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:51->61)
GM:陽が落ちてすぐ、君達は体育館ほどの白い大講堂に集められていた。
"ホールイーター":「あーあー、てすてす」
GM:講堂にホールイーターの声が響く。壇上を見やればそこには最初に見た笑顔の彼女。
"ホールイーター":「なんか音質悪い? ま、大丈夫でしょ……さて、諸君! おつかれさま!」
"ホールイーター":「記憶は戻ったかな? まあ、まだ戻ってない人も安心してほしい」
"ホールイーター":「だいたい寝て起きればふわっと思い出せるようになることは事前に実験で証明されている!」
燈間瑠璃:(あれだけの思いをした後だと、本当だか……って気にもなるが)
七竈 カリン:「しょーめいってなんでしたっけ」ばちばちまばたきしている。
"ホールイーター":「さて、本題に移ろう。本実験は君達の知る通り、一般人への記憶修正が目的だ」
"ホールイーター":「そして————もう一つ」
GM:機械音と共に、目の前に広がる床が開く。
GM:ガガガガガガと金属の重工音が響き、”なにか”がせり上がってくる。
"ホールイーター":「こんなにたくさんのチルドレンとイリーガルが集まってるんだ。試したいことは山のようにある」
GM:ガンッ!
GM:上限にて打ち止めとなり、君達参加者の眼前に無数の鉄器兵が立ち並ぶ。
GM:それらは雷、炎、闇、光、風……シンドロームを纏い、それらをまるで敵対を示すように向けている。
燈間瑠璃:「……なに?」
杠 アヤメ:「なんだか嫌な予感が……」
燈間瑠璃:「アヤメ、おれの後ろに」
杠 アヤメ:こくりと頷き、影に隠れる。
七竈 カリン:「運動ですね! ちょっと思い切り動きたい気分だったんでちょうどいいです!」屈伸。
"ホールイーター":「”記憶を失ったオーヴァード”」
"ホールイーター":「一つの極限状態において、どのような進化が見られるのか」
GM:ギギギッギイギギギギィ!!!!!!!!
GM:金属の擦れる音と共に、明確な殺意を持った機械兵が動き出す!
七竈 カリン:ちら、と、とーまさんとアヤメさんの姿を見て……
"ホールイーター":「可能性を示してくれたまえ! 大丈夫、医療スタッフの準備は十全だ!」
GM:ギガガガガイアギガイギッ

GM:アギアギアギアアアアア!!!!!
七竈 カリン:「いぇらっしゃーーーー! かかってきなさいこのボクが相手だっ!」カンフーの構え
GM:数メートルを超える大型機械兵の群が、君達参加者へ唸りを上げて襲い掛かる!!
燈間瑠璃:「あの情報は、そういうことかよ……! ったく!」
杠 アヤメ:「……来る!」
GM:命を持たぬ鉄器兵とて侮るなかれ。その身にまとうレネゲイド濃度は通常の比ではない!

GM:衝動判定です。意思9にて判定!
七竈 カリン:2dx+1>=9 いきまーす
DoubleCross : (2R10+1[10]>=9) → 6[1,6]+1 → 7 → 失敗

燈間瑠璃:衝動判定にはそんなに強くなかったり。精神2+DB!
七竈 カリン:暴走! 問題ありません!(ぐっ)
燈間瑠璃:3dx>=9
DoubleCross : (3R10[10]>=9) → 4[1,2,4] → 4 → 失敗

杠 アヤメ:6dx+5 《天才》
DoubleCross : (6R10+5[10]) → 9[2,2,2,2,5,9]+5 → 14

七竈 カリン:2d10+61
DoubleCross : (2D10+61) → 7[6,1]+61 → 68

燈間瑠璃:ほらね。
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+8(2d10->7,1)した(侵蝕率:68->76)
GM:また、達成の有無に関わらず、侵蝕率を2d10上昇。
杠 アヤメ::杠 アヤメの侵蝕率を+17(2d10->9,8)した
GM:更にEロイス《ワンナイトラバーズ》により、侵蝕率を100点追加で上昇させることが可能です(戦闘終了後-100点引き下げられます)。
杠 アヤメ:上昇させます。86+100=186
七竈 カリン:思いっきり来ましたね。上げますよ!
七竈 カリン:ということで168。
燈間瑠璃:いただきましょう。76+100=176

▼エンゲージ
(機械兵[7])
   10m
(瑠璃[4]、カリン[5]、アヤメ[7])
[]内は行動値

GM:セットアップ!
燈間瑠璃:あるよ。
七竈 カリン:あります!
杠 アヤメ:あります!
燈間瑠璃:『ウィナーズ・カース』《タブレット》《多重生成》《活性の霧》
燈間瑠璃:対象は自分を含むPC全員。
七竈 カリン:受け入れます!
燈間瑠璃:ラウンド中、攻撃力+15/ドッジダイス-2個。拒否可能です。
杠 アヤメ:ごめん、攻撃力無いので拒否!
燈間瑠璃:いいのよ。
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+8した(侵蝕率:176->184)
七竈 カリン:《ターゲットロック》《攻性変色》で侵蝕率174! 対象は量産型の人!
七竈 カリン:暴走しますがすでに暴走してるので関係ないですね!
杠 アヤメ:▼状況開始 《戦術》《戦局判断》
杠 アヤメ:二人のメジャーアクションにおけるダイス+7、瑠璃くんの行動値+3

▼エンゲージ
(機械兵[7])
   10m
(瑠璃[7]、カリン[5]、アヤメ[7])
[]内は行動値

燈間瑠璃:ありがたく。
七竈 カリン:いただきます!

燈間瑠璃:「やれやれ。こういうのは“おれの領分”とは言い難いが……」
燈間瑠璃:「さっくり調査してさっくり解決、だったな。それは“おれたちの領分”だ」
燈間瑠璃:両手を合わせる。掌に紫電が弾ける。
燈間瑠璃:──領域操作を開始。接続先を設定。対象を設定。転送開始。
燈間瑠璃:青白い輝きを纏って現れるは、一挺のライフル。
燈間瑠璃:掴みとって、くるりと回して。
燈間瑠璃:「それじゃ、始めようか」
七竈 カリン:「ボクならいつでもばりばり速攻でいけますよ! 犯人倒しはお手の物ですからね!」
七竈 カリン:黒い指ぬきグローブのちいさなこぶしをにぎりしめると、ぎりり、っと、そうと知らなければ結びつかないような音。
杠 アヤメ:(わ、私だって!)空間のうねりを感じ取る。肌が粟立ち、瞳に色が宿る。
杠 アヤメ:彼女のノイマンシンドロームは”演算”それ単体では戦闘能力を持たない。が、
杠 アヤメ:「——瑠璃くん、十三秒後の呼吸に合わせて。カリンさん、その四秒後に衝撃を」
杠 アヤメ:一切の先を取り、伝える。それにより、彼女は実質的な戦術指揮官へと変貌する。
燈間瑠璃:「了解」
七竈 カリン:「らじゃりました!」
杠 アヤメ:「先手は——私が、切るからっ!」
杠 アヤメ:イニチアシブ7。PC優先により、アヤメのターン。
杠 アヤメ:マイナー なし
杠 アヤメ:メジャー ▼力点操作《天才》《死神の瞳》《停滞空間》《構造看破》
杠 アヤメ:10dx+10
DoubleCross : (10R10+10[10]) → 10[2,2,3,4,5,5,8,9,9,10]+8[8]+10 → 28

"量産型"機械兵-MNB:《イベイジョン》15。命中。
杠 アヤメ:命中時、次に受けるダメージを6d追加する。この攻撃でダメージは発生しない。
杠 アヤメ:更にシーン中の行動値を0にする。

杠 アヤメ:彼女の魔眼は本を模る。片手いっぱいに抱え込むは黒き魔本。
杠 アヤメ:そして、逆の手を伸ばし、手のひらを空に向ける。操作するは空間、湾曲するは世界。
杠 アヤメ:「崩れてっ!」
杠 アヤメ:量産型の脚部が沈み込み、駆動するキャタピラが勢いを失う!
杠 アヤメ:「さあ、今だよ! 瑠璃くん!」
杠 アヤメ: 
GM:杠 アヤメの侵蝕率を+6(1d10->6)した

▼エンゲージ
(機械兵[0])
   10m
(瑠璃[7]、カリン[5]、アヤメ[7])
[]内は行動値

燈間瑠璃:それでは続いて。
GM:イニチアシブ7。瑠璃くんのターン。
燈間瑠璃:オートでボルトアクションライフルを装備。
燈間瑠璃:マイナーでボルトアクションライフルの効果起動。このメインプロセス中、射撃攻撃の達成値+5。
燈間瑠璃:続いてメジャー。
燈間瑠璃:『デッドマンズ・トリガー』《コンセントレイト》《ディストーション》
燈間瑠璃:(9+4+7)dx7+2+5
DoubleCross : (20R10+2+5[7]) → 10[1,1,1,2,2,2,3,4,4,7,7,7,7,7,8,8,8,8,8,8]+10[1,3,3,4,5,7,7,8,9,9,10]+10[1,2,3,3,8,9]+10[2,10]+10[8]+10[10]+10[9]+10[9]+10[7]+2[2]+7 → 99

燈間瑠璃:???
"量産型"機械兵-MNB:《イベイジョン》15。命中!
燈間瑠璃:ええと。それじゃ、ダメージロール。
燈間瑠璃:10d10+8+15+8d10
DoubleCross : (10D10+8+15+8D10) → 64[2,9,4,7,6,7,5,10,10,4]+8+15+41[4,3,7,6,7,6,1,7] → 128

"量産型"機械兵-MNB:粉砕! 一撃でその装甲は粉々になるでしょう!
"量産型"機械兵-MNB:しかし、そこまでは織り込みつみよ!
"量産型"機械兵-MNB:《魂の錬成》 HP20で復活

燈間瑠璃:片膝をついて、ライフルを構える。装弾。照準。
燈間瑠璃:アヤメが敵の足を止めた。その胴、その中央に狙いすまして。
燈間瑠璃:一射。
燈間瑠璃:排莢。装弾。
燈間瑠璃:二射。
燈間瑠璃:──その二射目が消え。
燈間瑠璃:一射目の着弾と同時、同座標に、二度目の着弾を起こす。
"量産型"機械兵-MNB:着弾した瞬間
"量産型"機械兵-MNB:その身を覆っていた重層構造の鉄壁を、二重の弾丸と共にパージ!
"量産型"機械兵-MNB:あらゆる装甲を代償に、今際の命を確保する!
燈間瑠璃:燈間瑠璃の侵蝕率を+4した(侵蝕率:184->188)

GM:イニチアシブ5。カリンさんのターン。
七竈 カリン:はい!
七竈 カリン:マイナーで戦闘移動してMNBくんにエンゲージ。メジャーで殴ります! 《コンセントレイト》《ブルータルウェポン》!

▼エンゲージ
(カリン[5]、機械兵[0])
   10m
(瑠璃[7]、アヤメ[7])
[]内は行動値

七竈 カリン:15dx7+4
DoubleCross : (15R10+4[7]) → 10[1,1,1,3,4,5,5,6,6,6,6,6,9,9,10]+10[8,9,10]+10[5,8,10]+10[8,10]+10[6,7]+6[6]+4 → 60

七竈 カリン:こっちも跳ねた。アヤメさんのおかげですね! 60!
"量産型"機械兵-MNB:《イベイジョン》15。命中!
七竈 カリン:ダメージ!
七竈 カリン:7d10+1+12+40+15
DoubleCross : (7D10+1+12+40+15) → 31[7,4,6,2,1,4,7]+1+12+40+15 → 99

七竈 カリン:あ。もう8点多いので107点!
七竈 カリン:素手ぱーんち!
"量産型"機械兵-MNB:グワーッ! 三桁! 爆散!
"量産型"機械兵-MNB:し、た、の、で、ェ!
"量産型"機械兵-MNB:《蘇生復活》HP1で復活!

七竈 カリン:頑丈!
七竈 カリン:「せぇ、のーで、らっしゃあーっ!」
七竈 カリン:どたどた大股で距離を詰めて……小柄なからだが、右拳を振りかぶって。見るからにテレフォンパンチ!
七竈 カリン:相手より下手するとメートル単位で低い。そんな生身のパンチが当たってどうなるか!
七竈 カリン:こうなります。大型車両が激突したような異様な打撃音! 足元の床にクモの巣状に亀裂が広がる!
"量産型"機械兵-MNB:その破壊力は両腕によるガードも意味を為さない!
"量産型"機械兵-MNB:砕け散る体躯、響き渡るエラー音。
"量産型"機械兵-MNB:「戦闘続行不可能。機能停止、機能停止、機能……停……」
"量産型"機械兵-MNB:機械兵はその動きを止める。装甲を失った上での大打撃を耐えられるはずもなく——
"量産型"機械兵-MNB:「——"暴走"開始」
"量産型"機械兵-MNB:故に、魂を燃やす。
"量産型"機械兵-MNB:次を終わらせるために、今を暴走するために!
"量産型"機械兵-MNB: 
燈間瑠璃:「……あれで落ちないのか」
燈間瑠璃:「なら、もう一手。詰めるとしようか」
杠 アヤメ:(計算外だけど、まだ”奥の手”が私にもあるよ!)
七竈 カリン:「まだまだいけますよ! らじゃりました!」
GM:イニチアシブ0。"量産型"機械兵-MNBのターン。
"量産型"機械兵-MNB:マイナー ▼戦闘形態移行《オウガバトル》《インフィニティウェポン》《スーパーランナー》
"量産型"機械兵-MNB:白兵武器作成して装備。戦闘移動。

▼エンゲージ
(カリン[5])
   10m
(瑠璃[7]、アヤメ[7]、機械兵[0])
[]内は行動値

"量産型"機械兵-MNB:メジャー ▼暴走戦闘《コンセントレイト:モルフェウス》《カスタマイズ》《ギガンティックモード》《咎人の剣》《急所狙い》
"量産型"機械兵-MNB:対象:PC全体。終了後、武器破壊。
杠 アヤメ:チェーン宣言《時の棺》! 判定失敗!
七竈 カリン:きゃー! アヤメさん!
燈間瑠璃:頼りになる幼馴染。
"量産型"機械兵-MNB:ギャリギャリギャリィィィイ!
"量産型"機械兵-MNB:キャタピラの脚部が駆動音を鳴らし、君達に肉迫せんと高速接近する!
"量産型"機械兵-MNB:それと同時、機械兵の腹部が開口され、複数の腕部がずるりと這い出る。
"量産型"機械兵-MNB:瞬間、モルフェウスによって創造された剣、斧、槌、鎌、槍、拳を装着。
"量産型"機械兵-MNB:君らの体躯を超える大型武装を構える!
七竈 カリン:「うおっちゃわあっ!?」質量自体はちいさいので、始動の突撃で跳ね飛ばされて尻もち。
燈間瑠璃:「これ、造ったのUGNだよな?」
杠 アヤメ:「た、多分……?」
"量産型"機械兵-MNB:攻撃方法は至極単純。肉迫し、振るう。プログラムされたそれだけを行う。
"量産型"機械兵-MNB:数倍の重量を持つ膂力は、人の柔肌を破壊するためだけに。
"量産型"機械兵-MNB:「ピピ、ピガガー!」
"量産型"機械兵-MNB:剣を振るい、空を斬る。
"量産型"機械兵-MNB:斧を振るい、堅を砕く。
"量産型"機械兵-MNB:槌を振るい、地を穿つ。
"量産型"機械兵-MNB:鎌を振るい、魂を裂く。
"量産型"機械兵-MNB:槍を振るい、隙を貫く。
"量産型"機械兵-MNB:拳を振るい、人を壊す。
"量産型"機械兵-MNB:それらはすべて無機質な命令の下に。
"量産型"機械兵-MNB:それに感情など存在せず、ただ殺めるのみが存在証明となる。
杠 アヤメ:自身、瑠璃くん、カリンさんに振るわれる死の恐怖。
杠 アヤメ:それが眼前に迫る時、沸き起こるフラッシュバック。
杠 アヤメ:それは、片時も忘れることのなかった”はず”の記憶。
杠 アヤメ:それは、私が貴方に恋をしたきっかけ。
杠 アヤメ:私はあの日からずっと願っていた。護る力が欲しいと。護られる存在だけではなく、共に横に立てる存在になりたいと。
杠 アヤメ:「っ! 瑠璃くん!」
杠 アヤメ:彼女のバロール能力には、他者の時間を操作するだけの力は存在しない。
杠 アヤメ:その手に抱える本として顕現する魔眼が宿すは、ほんの少しの空間操作。
杠 アヤメ:しかし、その解をノイマンによる超高速演算は導き出す。
杠 アヤメ:王手となる瞬間を、僅か一秒に満たないタイミングを導き出す。
杠 アヤメ:「動かないでね!」
杠 アヤメ:機兵の足元に一瞬、穴が開く。
杠 アヤメ:体躯がほんの数ミリずれ込み、振り下ろされる武器の軌道が変化する。
杠 アヤメ:未来が書き変わる。
杠 アヤメ:彼女だけの異形二重奏/クロスブリードが——《時の棺》が完成する。
杠 アヤメ: 
杠 アヤメ:ズドォアアンンン!!!!
杠 アヤメ: 
杠 アヤメ:位相をズラされた数多の武装は空を裂き、地を砕く。
杠 アヤメ:しかし、君達に触れることは無かった。
杠 アヤメ:瑠璃くん。いつの日か私も貴方の隣に立たせて下さい。
杠 アヤメ:守られるだけじゃない。対等の関係へ。
杠 アヤメ:やっと、正解に辿り着いたから。
杠 アヤメ: 
杠 アヤメ:ロイス取得 “思い人”瑠璃くん ○恋慕/覚悟
杠 アヤメ:即時、Sロイスに指定します。
杠 アヤメ: 
GM:ラウンド終了!
GM:2ラウンド目、セットアップ!
七竈 カリン:宣言なし!
杠 アヤメ:なし!
杠 アヤメ:なし? 《戦局判断》だけ入れましょう。カリンさんの行動値+3!
七竈 カリン:はい! いただきます! これで最速!
燈間瑠璃:念のためこちらも入れましょうか。
杠 アヤメ:侵蝕率+4!
七竈 カリン:いや、大丈夫! 当たれば倒せます!
七竈 カリン:(今基礎打点が50こえてる)
燈間瑠璃:では、こちらはなしで。
七竈 カリン:ここは女の子に任せておいてくださいよ。ね?(ウィンク)
燈間瑠璃:任せるよ。
七竈 カリン:はい!
杠 アヤメ:では、行きましょう!

▼エンゲージ
(カリン[8])
   10m
(瑠璃[4]、アヤメ[7]、機械兵[0])
[]内は行動値


七竈 カリン:マイナーで位置調整、メジャーで攻撃! 《コンセントレイト》《ブルータルウェポン》!

▼エンゲージ
(瑠璃[4]、カリン[8]、アヤメ[7]、機械兵[0])
[]内は行動値

七竈 カリン:8dx7+4
DoubleCross : (8R10+4[7]) → 10[3,3,5,6,6,7,7,8]+10[2,4,10]+10[8]+4[4]+4 → 38

"量産型"機械兵-MNB:《イベイジョン》15!
"量産型"機械兵-MNB:来いッ!
七竈 カリン:4d10+53 装甲有効!
DoubleCross : (4D10+53) → 10[2,1,2,5]+53 → 63

七竈 カリン:出目は腐りましたが63点!
"量産型"機械兵-MNB:63回爆発!
"量産型"機械兵-MNB:戦闘続行不可能により、ゲームセットです!
"量産型"機械兵-MNB: 
杠 アヤメ:「——今です、”カリンさん”!」それは、信頼できる友へのバトン。
七竈 カリン:「はい!」
七竈 カリン:声を上げてそれにこたえる。いま、動きがおかしかったのは……わかった。
七竈 カリン:いろんなイリーガルの人と一緒に仕事をした。でもそれはたいてい一度だけで。
七竈 カリン:アヤメさんが来るとしたら、きっとそれは、しばらくあとのことだろうけれど……
七竈 カリン:いつもどおりの風景が増えるのかもしれない。いつもどおりの風景が代わるのかもしれない。
七竈 カリン:だけど。どちらにしろ。
七竈 カリン:「いきますから危なかったら避けてくださいねとーまさん!」
七竈 カリン:声を張り上げる。"いつもどおり"まで戻すのが第一歩。その先に行きたいと思うなら当然のことで!
七竈 カリン:とーまさんへのロイスをSロイスに指定します!
七竈 カリン:「せぇーぃりゃあーっ!」
七竈 カリン:気の抜けた声とともに放たれる前蹴り。一般に足は腕の三倍の力があると言いますね!
七竈 カリン:軸足で支えて蹴り足で打ち上げれば三倍に三倍を足して実に六倍です! 背後から蹴り飛ばされたロボが斜め上方向にカタパルト射出!
"量産型"機械兵-MNB:ド派手な蹴りを受ければ、当然ド派手に吹き飛ぶ!
"量産型"機械兵-MNB:そしてそれは風を切り、たまたま射線上にいた"ホールイーター"へと向かっていく!
"ホールイーター":「にぎゃー!」激突! 慈悲なし! 因果応報、自業自得である!
"量産型"機械兵-MNB:そして「暴走……暴…………」沈黙。今度こそ本当に、本当の本当に、暴走するだけの機械兵は——動かなくなった。
杠 アヤメ:「か……勝った……?」
燈間瑠璃:「みたいだ。お疲れ、二人とも」
七竈 カリン:「どういたしまして! 初歩的です!」

GM:戦闘終了! おつかれさまでした!
GM:《ワンナイトラバーズ》の効果により、上昇分の侵蝕率をお下げください!
七竈 カリン:おつかれさまでした! -100で80です!(ねんのためさきおき)
燈間瑠璃:188-100=88で確定帰還。
杠 アヤメ:204-100=104,残ロイス4のため取得すれば確定帰還!
GM:つまり、全員帰還!
GM:おかえりなさい!
GM:経験点は一律5点となります。

エンディング1

GM:◆エンディング◆
GM:N市・星空に見送られる帰り道
GM:治験は無事(?)に終了した。君達は今、涼しげな夜の中を歩いている。
GM:瞬く星々は道を示す。空に浮かぶ夏の星座たちが指刺す未来とは——?
杠 アヤメ:「なんだか、今日は大変だったね」んーっと腕を伸ばして。
燈間瑠璃:「ああ。記憶を吹っ飛ばされた上に、戦闘まで。羽休めどころじゃなかったな」
七竈 カリン:「でもお風呂は良かったですよ! あとはごはんと……お風呂と……ごはんと……」
七竈 カリン:「とーまさんといっしょにいられましたし!」
七竈 カリン:とーまさんを挟んで、夜の道、土手に三人並んで。
杠 アヤメ:「でも、ちょっとだけ楽しかったかも。瑠璃くんとカリンさんと一緒だったから」ふふっと笑みをこぼす。
燈間瑠璃:「二人が……その。打ち解けられたようで、何よりだ」
杠 アヤメ:「”ライバル”だけどね」意地悪な笑みを浮かべる。
七竈 カリン:「あはは。そーですよね。そのへんは一大事! ボクとしてもアヤメさんが高感度高い人でとても好感度高いです。ハイレゾです!」
七竈 カリン:「ライバルだからこそですよ?」
七竈 カリン:やぶけたソフト帽をぶらさげて。夜風に短い髪を揺らして。
燈間瑠璃:近いよ、といつものように言おうとして、やめる。
杠 アヤメ:「うん、近いよ」ぐいーっと引きはがそうとする。
杠 アヤメ:もう、引かないのだから。見ているだけはおしまい。横に立つ資格は、私にもある……と思う。
七竈 カリン:「おっと!」
七竈 カリン:引かれるままに、まったく抵抗しないで引き剥がされる。帽子をかぶり直す。
七竈 カリン:「アヤメさんけっこう躊躇しない方ですね! ボクそういうの好きですよ!」
杠 アヤメ:「ふふっ」小さな肩だなぁと思った。
杠 アヤメ:「勉強させて貰ったからね。ね、『とーまさん!』」
燈間瑠璃:「はいはい。良い所はどんどん吸収して差し上げなさい」睦まじい様子を見て、ふぅと一息を吐き出す。
七竈 カリン:「夏の大三角形ってどれでしたっけ? 今見えます?」
杠 アヤメ:「えっとね……」空を見上げます。
燈間瑠璃:「今の季節なら見えるかな」同じく見上げて。
GM:夜空には輝く星々。夏の大三角形ははっきりと、貴方たちの瞳に映るでしょう。
燈間瑠璃:「ああ、あるな。あの青い星がベガ」
杠 アヤメ:「アルタイルが瑠璃くんかな」
七竈 カリン:「デネブ……ベガ……どっちが牛なんでしたっけ……」
燈間瑠璃:「……ベガの右下がアルタイル。左下がデネブ」
燈間瑠璃:「牛は、いないな。鳥と琴だよ」
七竈 カリン:「わかった気になりました。つまり両方牛ですね!」
杠 アヤメ:「どっちが、ベガかな?」瑠璃くんの方をちらりと向いて。
七竈 カリン:「一年一回だけでいいなら、アヤメさんにお譲りしますよ?」
杠 アヤメ:「年に一回でも、心は永遠に繋がってるなら。私はそれでもいい、かな」
杠 アヤメ:私の未来は空の向こうにあるのだから。
燈間瑠璃:「文学少女だな」
七竈 カリン:「いいですねえ心。じゃあ両方もらいます」
杠 アヤメ:「あっ、ずるい!」
七竈 カリン:「これがマジシャンズセレクトというものらしいですよ!」
杠 アヤメ:「不法取引だ!」
七竈 カリン:「えっ、どこに犯罪者が!?」
杠 アヤメ:「むぅ……」
七竈 カリン:けらけら笑う。
燈間瑠璃:「きみに掛かればアヤメも形無しか」
杠 アヤメ:「るりくん~」その視線は援護を求めるように。
燈間瑠璃:ふ、と声が笑う。
七竈 カリン:「本業探偵ですからね!」ふふーんと小柄な胸を張る。
燈間瑠璃:アルタイルとベガ。彦星と織姫。年に一度の恋人。
燈間瑠璃:じゃれる二人を見て。もう一度、星空を見上げて。青く光る星を目に入れて。
燈間瑠璃:(このまま、このままの時間が永遠に続けば良いのに)
燈間瑠璃:なんて思ったりもするけれど。
燈間瑠璃:それは、決断して、一歩踏み出した彼女たちへの、裏切りになるのではないかと。
燈間瑠璃:今も定かではない心で、そう思って、その道は、断った。
燈間瑠璃:分かれ道はすぐそこに。その時は迫っている。
燈間瑠璃:(選ぶ。そう決めたから。ああ、選ぶとも)
燈間瑠璃:何もかもが揺らいだあの実験の中で、それは決して嘘ではないと、何より自分が知っているから。
燈間瑠璃:(選んで、背負って。進んで行くとするさ)
七竈 カリン:「とーまさん!」
杠 アヤメ:「瑠璃くん!」
燈間瑠璃:「……ああ、今、行くよ」
燈間瑠璃:二人に追い付いて、影は三つに。そして──

◆インターバル 杠アヤメの場合◆

杠 アヤメ:自分の知らない世界、二人の生きる世界。
杠 アヤメ:それが一瞬だけでも交わった今日は、きっと忘れられない日になる。
杠 アヤメ:髪を撫でる夜風は涼しげで、私の火照った心を冷ましてくれる。
杠 アヤメ:——明日が来なければ、きっと楽しい今は終わらない。
杠 アヤメ:だけど、私は願ってしまった。
杠 アヤメ:だから、新しい朝を迎えに行こう。
杠 アヤメ:待ってるね、私の思い人。
杠 アヤメ:待っててね、恋した貴方。
杠 アヤメ:「大好きだよ、瑠璃くん」
杠 アヤメ:心の日記の結びには、愛言葉と瑠璃色のスタンプ。
杠 アヤメ:"また明日"が来る日を夢見て、私の物語に栞を挟んだ。

◆インターバル 七竈カリンの場合◆

七竈 カリン:一人きりで歩く、歩き慣れた帰り道。
七竈 カリン:下町の長い坂を下れば、もういつもの探偵事務所だ。小さい頃から通っていたお婆ちゃんのお店。
七竈 カリン:ただいま、と声をかける相手もいない。ひとりきりで住んでもう二年。
七竈 カリン:暗い中で畳に転がる。寝そべるのは好きだ。力を入れなくていいから。
七竈 カリン:──告白してしまった。
七竈 カリン:卑怯だな、と思う。あそこで思い切って、抱きついて、キスでもしておけばよかったのに。
七竈 カリン:私だって女の子なんだから。それができないのは、抱きしめたら壊してしまうから、なんて。
七竈 カリン:そんなのはきっと言い訳だ。自分で踏み出しておいて、最後は、あのひとが選んでくれるのを待っている。
七竈 カリン:……最初に会ったときも、そうだった。
七竈 カリン:もう二度と忘れない。あの日のこと。聞かれてもきっと誰にも秘密にする、あのときのこと。
七竈 カリン:もう一度、かれは、きて、くれるだろうか。

◆エピローグ◆

燈間瑠璃:自室の窓から夜空を見上げる。
燈間瑠璃:今日は本当に色んな出来事が起きた。
燈間瑠璃:きっとこの先、何が起きたって、忘れることはない。そんな日になった。
燈間瑠璃:──未来の姿を想像する。
燈間瑠璃:二人と過ごす、それぞれの一年先。五年先。十年先。二十年先。もっともっと先。
燈間瑠璃:……結果。
燈間瑠璃:(我ながら、酷いな)もう何度目かの苦笑い。
燈間瑠璃:どちらの姿も、あまりにも鮮明に浮かんできてしまって。
燈間瑠璃:しかし。それでも。
燈間瑠璃:選び取った道は、ただ、一つ。
燈間瑠璃:(二人が選んだんだから。おれも選ぶ。そう──)
燈間瑠璃
燈間瑠璃:ロイスを変更します。
燈間瑠璃:アヤメのロイスを 庇護/●恐怖 → ●慈愛/不安 に。
燈間瑠璃:七竈さんのロイスを 信頼/●不安 → ●好意/劣等感 に。
燈間瑠璃:加えて。
燈間瑠璃:七竈さんのロイス名称を「カリン」に。Sロイスに指定します。
燈間瑠璃
燈間瑠璃:もうだいぶ遅い時間だけれども。
燈間瑠璃:きっと、あの子は答えを待っているから。
燈間瑠璃:今はもう思い出せる、何度訪ねたか分からない、駄菓子屋の店先。
燈間瑠璃:もとい、七竈探偵事務所。
七竈 カリン:ブリキの板に、赤いペンキで「ななかまど探偵事務所」と大書された看板が、かすかに、遠い街灯に照らされています。
七竈 カリン:入り口の引き戸は半開きになっていて、中は暗いまま。
燈間瑠璃:呼び鈴に指をかけるが……戸締まりしていないことに気が付く。
燈間瑠璃:「……女の子の一人暮らしなのに」
燈間瑠璃:戸を開けて、中へ一歩。
燈間瑠璃:中は真っ暗で、どうやら明かりは点いておらず。
燈間瑠璃:「七竈さん。いる?」
燈間瑠璃:勝手に上がり込むのも躊躇われて、結局は声に出した。
七竈 カリン:しばらく沈黙。
七竈 カリン:返事は、どうやらありません。ただ、奥の座敷の入り口に、赤い鼻緒のつっかけが揃って転がっています。いつも履いているもの。
燈間瑠璃:今日一日、彼女の足元にあったものが目に入る。
燈間瑠璃:「いるよな……」靴を脱いで、座敷へと。
七竈 カリン:帽子も脱がないで。
七竈 カリン:座敷の入り口、直に畳の上に寝転がっています。
燈間瑠璃:「……不用心だよ。鍵もかけないで……」
七竈 カリン:薄く目を開けて
七竈 カリン:「……夢なら間に合ってますよー」
燈間瑠璃:夢。確かに、連絡もしないで直接訪ねてきたのだから、無理もない……か、と思案し。
燈間瑠璃:「なるほど、夢か」
燈間瑠璃:寝転がったその横に腰を下ろす。
七竈 カリン:「…………」
燈間瑠璃:「夢の方が、良かった?」
七竈 カリン:すん、と鼻を動かして
七竈 カリン:「!」
七竈 カリン:「ううううえーっ!?」
七竈 カリン:むくっと身体を起こす……最中に手をついた畳表がめりばりぃっとものすごい音を立てて裂けて
七竈 カリン:「わあっ……」
燈間瑠璃:「うわ、畳が」
七竈 カリン:バランスを崩して。
七竈 カリン:見た目よりやや重いですがそれをおいといても軽いからだが、とーまさんの膝の上に転がります。
七竈 カリン:見上げる形になる。
燈間瑠璃:「何やってんの」
七竈 カリン:「びっくりしてるんですよ!」
燈間瑠璃:その表情はいつも通り。でも、声は少し優しげに。
七竈 カリン:転がった帽子を指で引き寄せて。横になったまま頭にひっかけて
七竈 カリン:「アヤメさんはどうしたんですか。送っていったんじゃ」
七竈 カリン:「え、いま何時ですかこれ。もう朝?」
燈間瑠璃:「まだ日付変わってないよ。まあ、家は近いし」
七竈 カリン:「…………」ぱさ、っと軽い音を立てて、ソフト帽が裂けた畳に落ちる。
燈間瑠璃:「……近いね」
七竈 カリン:「とーまさんのほうが近いんですよ」
七竈 カリン:「どうしたんですか。どうしたんですか。こんな……時間に」
燈間瑠璃:「待ってるんじゃないかと思って。こういうの、あまり時間をあけてもなんだし」
七竈 カリン:「…………」
燈間瑠璃:「ごめん。電話入れてから来れば良かったかな」
七竈 カリン:「待ってるって、えっ」
燈間瑠璃:「待ってなかった?」
七竈 カリン:「そりゃ待ってたに決まってるじゃないですか! でもだいたい日単位……週間単位とか……」
七竈 カリン:「早すぎますよ! なんでこういうときばっかり早いんですか! だいたいいつもボクのほうに待ってくれっていうのにとーまさんは!」
燈間瑠璃:「だから待ってもらっただろ。答えを出すまでさ」
七竈 カリン:すうーっと息を吸って
七竈 カリン:体幹だけで体を起こした勢いで戸の縦枠に頭を打ち付けます
燈間瑠璃:「……何やってんの。大丈夫?」
七竈 カリン:えらい音がしました。声を出さず少し悶絶
七竈 カリン:「大丈夫ですこれくらいはへっちゃらなので。それで……」
七竈 カリン:「……答え。聞かせてください」
燈間瑠璃:「うん」大きく息を吐いて。もう一度吸い込んで。
七竈 カリン:息を吸う。
燈間瑠璃:「“カリン”」
七竈 カリン:「!」
七竈 カリン:息を止める。
燈間瑠璃:「これまで、たくさん……そう、本当にたくさん、助けてもらった」
七竈 カリン:暗い事務所のなか。ガラス戸越しに差し込む街灯と、自動販売機の光だけがぼんやり、二人を照らしています。
燈間瑠璃:「これからも、そうして行って欲しいと思ってる」
七竈 カリン:緊張した表情が。薄くだけれどはっきり見えます。
燈間瑠璃:「これからも、『おれのパートナー』でいてほしい」
七竈 カリン:「…………」
燈間瑠璃:「これからも、おれと一緒にいてほしい」
燈間瑠璃:「一年に一回だけ誰かに譲る、なんて言わないでさ」
七竈 カリン:ぽつぽつと、降り始めの雨がアスファルトを叩く音が、遠く聞こえます
七竈 カリン:「足りません」
七竈 カリン:遠く雨の音。近く浅い息の音と呼吸の温度。
七竈 カリン:「だから」
七竈 カリン:すっと手を、自分の身体に沿わせるようにおろして。とーまさんの前にすっと立ち上がって。
七竈 カリン:「どう違うのかおしえてください」
燈間瑠璃:「む……ええとだな」
七竈 カリン:「お・し・え・て・く・だ・さ・い」
燈間瑠璃:「……分かったよ」腰を上げ、10cmほど高い目線の高さに。
燈間瑠璃:そうして、こつんと額をくっつけ。
七竈 カリン:「…………」
燈間瑠璃:「気持ちの良い声って言ってくれて、嬉しかった」
燈間瑠璃:「かっこいいと言ってくれて、嬉しかった」
七竈 カリン:「はい」
燈間瑠璃:「優しいと言ってくれて、嬉しかった」
七竈 カリン:「…はい」
燈間瑠璃:「信じていると言ってくれて、嬉しかった」
七竈 カリン:「……はい」
燈間瑠璃:「ついでに顔と身長差も好みでストライクだったっけ? ああ、それも嬉しかった」
七竈 カリン:二人の息が混じり合う距離。
七竈 カリン:「とーまさんはどうなんですか」
燈間瑠璃:「あのな。それだけじゃないんだぞ」
七竈 カリン:「…………」
燈間瑠璃:「いつもこんな近い距離まで来てくれて、嬉しかった」
燈間瑠璃:「いつもおれの考えてること分かってくれて、嬉しかった」
燈間瑠璃:「いつも危険な仕事に付き合ってくれたのだって、嬉しかった」
燈間瑠璃:「いつもきみから元気をもらえて、そりゃ、嬉しかったとも」
七竈 カリン:「いまは?」
燈間瑠璃:「……こうしているのだって、嬉しいよ」
燈間瑠璃:「だから来たんだ。カリンのこと、こんなに好きだから、こうして来たんだ」
燈間瑠璃:「……伝わった?」
七竈 カリン:「…………よくわかりました」
七竈 カリン:「わかりましたけど」
七竈 カリン:しばらく、おでこの触れ合った距離のままで、沈黙。
七竈 カリン:「……もう!」
燈間瑠璃:「もう、なに?」
七竈 カリン:おもいきり背伸びをして。ボクのくちびるが、とーまさんの下唇に触れるくらいの。
七竈 カリン:つめたい唇の温度が、確かにそのまま伝わって。
七竈 カリン:「鈍感! 野暮天! 女殺し! 大好きだけどそっちからやってほしかったんです!」
燈間瑠璃:「……それは、気が利かなかったな」
七竈 カリン:「よくわかりま──」
燈間瑠璃:目を閉じて。何事か言おうとする彼女の唇を。
燈間瑠璃:自分の唇で、塞いで。
七竈 カリン:「んっ──」
七竈 カリン:手はかけないで。抱きとめられるままに唇を重ねて。とまった息が、溶け合うのを、感じて。
七竈 カリン:くちびるが離れる。それでも、お互いの息で髪が揺れるほどの距離。
七竈 カリン:「ボク、このとおりこう見えてもおもいきり欲張りですからね」
七竈 カリン:「大変ですよ。それはもう大変です。お仕事ではいままで以上にやりますが! でも大変ですよ」
燈間瑠璃:「知ってる。両方もらうって、帰りに言ってたから」
七竈 カリン:「フフフ、女の子の秘密を聞いてるとはやりますねとーまさん」
七竈 カリン:とさ、と、体重をとーまさんの身体に預けて。
燈間瑠璃:「おれで、いいんだな」
七竈 カリン:「とーまさんがいいんです」
七竈 カリン:「しばらくこうしてますよ」
燈間瑠璃:「……じゃあ、おれもこうしてるよ」
七竈 カリン:「はい」
燈間瑠璃:「そうだ……もう一つ、お願いしていい?」
七竈 カリン:「とーまさんも実は欲張りですね? 知ってました」
七竈 カリン:「どうぞ」
燈間瑠璃:一息、吐き出して。
燈間瑠璃:「……明日の朝飯。作ってくれると嬉しい」
七竈 カリン:「びっくりしますよ」
七竈 カリン:「うんと上達したんですから」
燈間瑠璃:「ああ、楽しみだ」
七竈 カリン:遠く、車が水たまりをけたてる音。真夜中にふる大雨の湿った風は、夏にしては少し冷たかったけれど。
七竈 カリン:寒くない。こんなにあたたかいひとがそこにいるから。

◆ボーナストラック◆

GM:◆ボーナストラック◆
杠 アヤメ:拝啓 燈間瑠璃さま
杠 アヤメ:梅雨も明け、太陽が燦燦と輝く季節になりましたが如何お過ごしでしょうか。
杠 アヤメ:こちらの夏は日本と違い、湿気が少なくて幾分か過ごしやすいと言われています。
杠 アヤメ:ですが、やはり夏は夏。
杠 アヤメ:刺すような太陽の日差しとコンクリートから照り返す熱線。
杠 アヤメ:それは、私の心と身体に熱を込めていきます。
杠 アヤメ:あの夜のように。
杠 アヤメ:あの日のように。
杠 アヤメ:あの時のように。
杠 アヤメ:なんて、言ったら笑われてしまいますね。
杠 アヤメ:貴方の隣には既に素敵な太陽がいるのに。
杠 アヤメ:私はまだ、あの表情を忘れられないまま。
杠 アヤメ:今を過ごしています。
杠 アヤメ: 
杠 アヤメ:すっ……と、ペンを置く。
杠 アヤメ:用紙を丁寧に折り、水色のレターセットに入れる。
杠 アヤメ:宛名は無い。
杠 アヤメ:私はそれを大切に持って、引き出しの中に仕舞い込む。
杠 アヤメ:同じように、宛名のない束と一緒に。
杠 アヤメ:いつまでも。
杠 アヤメ:いつまでも。
杠 アヤメ:私の初恋を、どうか忘れないように。
杠 アヤメ:未来の私が、今の私を笑えるように。
杠 アヤメ:大好きな人への思いを綴りましょう。
杠 アヤメ:敬具 杠 アヤメ
杠 アヤメ:追伸
杠 アヤメ:遠い異国の空の下、
杠 アヤメ:私はいつも貴方の幸せを祈っています。
杠 アヤメ:私の恋に小節が刻まれる、その日まで。
杠 アヤメ:そして、
杠 アヤメ:「またいつか」
杠 アヤメ:そういって、私は自分の心に栞を挟む。
杠 アヤメ:忘れられない記憶だけ、思い出に刻む。
杠 アヤメ:私は私が選んだ明日を生きるのだから。
杠 アヤメ: 
杠 アヤメ:「瑠璃くん、知ってる?」
杠 アヤメ:貴方もこの夜空の下にいるのでしょう。
杠 アヤメ:「世界はね、広いんだよ」
杠 アヤメ:貴方の隣には太陽。元気満点な陽の光。
杠 アヤメ:「だからね、またいつか」
杠 アヤメ:月夜と星空の下で、また会いましょう。
杠 アヤメ:いつの日か、笑って過ごす未来の先で。

GM:『ヒロイン組手・一本目』
GM:セッションコンプリート!
GM:おつかれさまでした!
燈間瑠璃:お疲れ様でした!
杠 アヤメ:おつかれさまでしたー!
七竈 カリン:お疲れさまでしたー
七竈 カリン:いやーなんというかおもいっきり
七竈 カリン:やった
杠 アヤメ:やられちゃいました
燈間瑠璃:やられたねぇ……
七竈 カリン:どうなるかと思ってたんですけど……うん。対戦ありがとうございました。