うたう真珠の冒険


PC1:“黄昏の裔(テルミナス・トワイライト)”ネヴェア・ブースロイド(キャラシート)PL:そごう
PC2:“メイデンヘアツリー”陰山魂魄(かげやま こはく)(キャラシート)PL:森田

メインログ雑談ログ

目次

プリプレイ

GM:【今回予告】



GM:(チェンバロとバグパイプベースで独特のリズムのBGMをご用意ください)

突然起こった女子学生の集団行方不明事件は、ある恐るべき遺産を原因とするものだった。
少しの偶然と偉大な必然から、その解決は、ネヴェア・ブースロイドと陰山魂魄、あなたがた二人に託されることになる。
健闘を祈ります。愛を込めて。      N


ネヴェア・ブースロイドの冒険 第■集より
『うたう真珠の冒険』


GM:(一夜二人転変奏版)
GM:さて。既に自己紹介など不要というところもおありでしょうが、読者の皆さんの目もありますので!
GM:簡単にで構いませんので(また、最初の場面にどうか驚かれませんように!)、順に自己紹介をお願いします。

GM:まずはネヴェア・ブースロイドさんから。お願いいたします!

ネヴェア・ブースロイドhttps://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY4cCvwQIM
ネヴェア・ブースロイド:かしこまりました!
ネヴェア・ブースロイド:ネヴェア・ブースロイド。第5地区の名門女子校、聖ルツィア女学院に通う中学生です。
ネヴェア・ブースロイド:上級とかヒューマンリレーションとかに名前が載ってる元凄腕スパイ、フィン・ブースロイドの曾孫であり、
ネヴェア・ブースロイド:能力の暴発を抑えるお守りという名目でREC持ちDロイス、発明品を所持しています。
ネヴェア・ブースロイド:お守りの正体はFH産の兵器を運用するために開発された人工精霊であり、普段は漏出するサラマンダーの能力を蓄積しながら休眠していますが
ネヴェア・ブースロイド:有事の際には溜めたパワーで戦闘をお手伝いしてくれる共生関係を築いているぞ。
ネヴェア・ブースロイド:性能は全力で氷壁。
ネヴェア・ブースロイド:それだけだと高達成値で殴られた時困るので申し訳程度にカバーリングと凍てつく刃を積んでいます。
ネヴェア・ブースロイド:今回は清い交際関係を築いているUGNエージェントの人と一緒に事件を解決するらしいです。
陰山魂魄:宇宙一清いよ
陰山魂魄:ほんとだよ
ネヴェア・ブースロイド:楽しみですね。
GM:インテリジェンスですね。楽しみです。
ネヴェア・ブースロイド:以上。よろしくお願いします。
陰山魂魄:では続いてこちら陰山魂魄
陰山魂魄http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYuKub6wIM
陰山魂魄:第九支部に勤務するUGNエージェントです。
陰山魂魄:実家は青森。それなりに大きな土地の名士の家で、レネゲイド能力を使って財政界のひとたちにあれやこれやと言付けをするという一族に産まれました。
陰山魂魄:己の力を何か正しいことに役立ててみたいと上京し、英国式ノブレス・オブリージュを持つ13歳の少女と出会い
陰山魂魄:なんやかんや冒険を共にして、生涯を添い遂げる決意を決めました。
陰山魂魄:*ケツイがみなぎった。
GM:美しい。
陰山魂魄:性能としては、ブラックドッグのユニークアイテム、リニアヴィークルとDロイス:奇妙な隣人による固定値上昇を合わせたRC運転攻撃型という中々珍しい形。
陰山魂魄:旧日本軍が建造したモビルアーマーの霊魂エンジンに働きかけ、相手を物理的に殴り飛ばすというようなフレーバーになっております。
GM:ごついですねえ。八房伝奇の住人だ。
陰山魂魄:現在はおねロリしたいという気持ちしかなく、今回の機会を与えてくれたGMにこの場を借りて再度の感謝を述べさせていただきます。
陰山魂魄:以上!!よろしくおねがいします!!
GM:はい。よろしくお願いいたします!

GM:では、オープニングのほう入っていきましょうか。
GM:ふたりの過ごしている時間から、おはなしをはじめさせていただきとうございます。

OP1

GM:────
GM:オープニング1 ふたり
GM:────
GM:侵蝕率上昇をお願いします
ネヴェア・ブースロイド:ネヴェア・ブースロイドの侵蝕率を+10(1d10->10)した(侵蝕率:34->44)
陰山魂魄:1d10+40
DoubleCross : (1D10+40) → 9[9]+40 → 49

陰山魂魄:仲良し高打点
ネヴェア・ブースロイド:おやおや

GM:あくる朝。
GM:陰山邸。

ネヴェア・ブースロイド:すうすうと。白いシーツの中で寝息を立てている。
陰山魂魄:その鼻先を
陰山魂魄:香ばしい小麦の香りがくすぐる。……隣のリビングからだ。
ネヴェア・ブースロイド:「ん、う……」
ネヴェア・ブースロイド:ぱちり、と目を開ける。
ネヴェア・ブースロイド:儚げな容貌の少女である。
ネヴェア・ブースロイド:普段三つ編みにして左右に括っている長い赤毛は、今はこぢんまりとベッドの上に投げ出されている。
ネヴェア・ブースロイド:しばし当惑したように、白い壁を見渡して。
ネヴェア・ブースロイド:それから、自分が聖ルツィアの学び舎の寮ではなく、あの人の暮らすマンションで一夜を過ごしたのだと思い出す。
ネヴェア・ブースロイド:はつらつと身を起こし、その匂いの先へと歩を進めた。
ネヴェア・ブースロイド:「おはようございます。魂魄さま」
陰山魂魄:「おはよう、ネヴェア」
陰山魂魄:後ろに髪をまとめて、ラフなシャツ姿で微笑みかける。
陰山魂魄:テーブルの上には焼きたてのトーストと、琥珀色の林檎のジャム。
陰山魂魄:それにひんやりとした結露を纏った、ガラスのジャー。
ネヴェア・ブースロイド:「わぁ」ちょこん、と椅子に腰かける。
ネヴェア・ブースロイド:「なんだか、新鮮な心持ちがいたします」髪をくくった陰山さんを眺めながら。
陰山魂魄:「新鮮?ああ」
陰山魂魄:「髪はな。家では時々こうしている」
陰山魂魄:「……あまり人に見せる姿ではないから」
陰山魂魄:「そう言われると、こちらも意識してしまうな」
ネヴェア・ブースロイド:「可愛いですよ」
ネヴェア・ブースロイド:目を閉じ、口元だけで微笑む、
陰山魂魄:「寝覚めから大人をからかわないでもらいたいな」
陰山魂魄:こちらもくすりと笑って
陰山魂魄:「女寡の不精な暮らしで、簡単なものしか用意できないが」
陰山魂魄:「どうぞ、遠慮せず」
ネヴェア・ブースロイド:「すぐにそうやって謙遜なさるのですから」
ネヴェア・ブースロイド:「ええ。では、冷めないうちに」
ネヴェア・ブースロイド:いただきます、と日本の作法で言って、トーストを頬張る。
ネヴェア・ブースロイド:「うふふ……美味しい」
陰山魂魄:手を伸ばして、コップに紅茶を注いでいく
陰山魂魄:「第一区画の辺りに、いい輸入茶葉の店がある」
陰山魂魄:「アイスティーにと見繕ってもらったものだ。ネヴェアの口に合えばいいが」
ネヴェア・ブースロイド:「まあ! お気遣い痛み入ります」
陰山魂魄:「気遣いというわけではない」
陰山魂魄:「ネヴェアの産まれた国のものを、こうして手元においていると」
陰山魂魄:「日々暮らしていても、君を思い出せる気がする」
ネヴェア・ブースロイド:「アールグレイですね。落ち着きのある、いい香り……まあ」
ネヴェア・ブースロイド:頬を染める。
ネヴェア・ブースロイド:「それは、少々面はゆく感じてしまいますね……」
ネヴェア・ブースロイド:幾分か嬉しそうに困った調子で、そんな事を言う。
陰山魂魄:「……ふふ」
陰山魂魄:「そちらがひとつ、こちらもひとつだな」
陰山魂魄:すっと体を乗り出して
陰山魂魄:「そして、これでふたつ」
陰山魂魄:ネヴェアの唇の端のジャムを細い指で拭って
陰山魂魄:ちろりと舐める。
ネヴェア・ブースロイド:「ひわっ……」
ネヴェア・ブースロイド:「……もう! 意地悪ですっ」
陰山魂魄:「ネヴェアが可愛らしいからさ。許せ」
ネヴェア・ブースロイド:つんと横を向きながら。「このジャムは、魂魄さまの?」
陰山魂魄:「ん、ああ」
陰山魂魄:「故郷から送られてくるものだが、量があるからな」
ネヴェア・ブースロイド:「ふふ。初めて会った時にも林檎を頂きましたものね」
ネヴェア・ブースロイド:「律儀な方だわ。ふるさとを愛していらっしゃるのね」
ネヴェア・ブースロイド:トーストの熱さと冷えた紅茶が、朝の朧に染みわたっていく。
陰山魂魄:「故郷か。何もない場所だが……そうだな」
陰山魂魄:「私は私に連なるものを、やはり愛しているのだろう」
陰山魂魄:「今が快いからこそ、そう思うのかもしれない」
陰山魂魄:トーストを食む少女を眺めながら
陰山魂魄:ひとりごちるように呟く
ネヴェア・ブースロイド:「もしかして」
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さまのUGNのコードにも、特別な由来はなかったりするのでしょうか」くすりと笑う。
ネヴェア・ブースロイド:彼女の生まれ育った地には、銀杏の大木があるのだと聞く。
陰山魂魄:「自分から名乗ったものではないが、気に入っている」
陰山魂魄:「メイデンヘアツリー……つまり銀杏の樹は」
陰山魂魄:「この国では厄除け、鎮魂の意味合いを持つ」
陰山魂魄:「ひとつの樹のように」
陰山魂魄:「そんな在り方でいたいとも、時々に思う」
ネヴェア・ブースロイド:「…………ふふ」
陰山魂魄:「……少し悠長に話しすぎたか」
陰山魂魄:「このままでは遅刻してしまうな、車を出そう」
陰山魂魄:立ち上がって、ジャケットを羽織る。
ネヴェア・ブースロイド:「そうかもしれませんね。髪を結わなければなりませんし……ええ」
ネヴェア・ブースロイド:「お言葉に甘えます。送ってくださいな」
ネヴェア・ブースロイド:制服を着込み、鞄に仕舞っていたペンダントを首にかける。
陰山魂魄:「甘えるも何も、こちらが連れ込んだのです」
陰山魂魄:「ネヴェアを不良にさせるわけにもいきません」
陰山魂魄:「どうぞ気楽にいらしてください。ご令嬢」
ネヴェア・ブースロイド:「ええ。では、そのように」
ネヴェア・ブースロイド:にっこりと笑って、差し出された手を取った。

GM:シーンカット。次もOPになります。ネヴェアさん単体なので、校門付近で陰山さんと別れたあとから!

OP2

GM:────
GM:OP2 ネヴェア・ブースロイド
GM:────
GM:侵蝕率上昇をお願いします
ネヴェア・ブースロイド:ネヴェア・ブースロイドの侵蝕率を+8(1d10->8)した(侵蝕率:44->52)

GM:つい先程まで身を預けていたエンジンの音が、遠ざかっていきました。
GM:聖ルツィア女学院に続く坂の下。小高い丘をすこし登れば、外向きは少なくとも厳しい学院の正門です。
GM:……穏やかで平和な、とは言えないし、当たり前というのもすこし違いますが、昨日までと同じ日常が待っている場所。
少女(ランドセル):「おねーちゃん!」
少女(ランドセル):「いってらしゃい。気をつけてね! あやしいひとにとか、ついてっちゃだめだよ!」
女子生徒(ルツィア制服):「はいはい。ゆーちゃんは心配性だねえ」
女子生徒(ルツィア制服):「大丈夫。お嬢様学校っていっても、いきなり頭から食べられちゃうわけじゃないんだから」
GM:小学生くらいの女の子と、ルツィアの制服を着た少女が、ちょうど何かやりとりしているのと行き違います。
ネヴェア・ブースロイド:「(あら……編入生の方でしょうか)」
女子生徒(ルツィア制服):「それにもうすぐ夏休みだしさ。そしたらまた、たくさん遊んだげるから。ね?」
ネヴェア・ブースロイド:少女の様子でそう思ったが。この時期にという事もないだろうか。
GM:外部生……それも寮に入っていない人となると、それなりに数は少ないですが。
少女(ランドセル):「……そゆんじゃないよ。もー」
女子生徒(ルツィア制服):「はいはい。……あれ。えーっと、ブースロイドさん? だよね?」
女子生徒(ルツィア制服):「目立つから、覚えちゃった。あたしは──」名乗られますが、さて、どのクラスの相手だったか。
ネヴェア・ブースロイド:「えっ? ええ。はい、──さん。覚えて頂けるのは幸甚の至りです」
ネヴェア・ブースロイド:家格としてはさして目立つという事もない筈だが。
ネヴェア・ブースロイド:「(英国人であることが物珍しいのでしょうか)」
女子生徒(ルツィア制服):「硬い! 本物のお嬢様って違うなあ、日本語も堪能だ。あたしコージンとか聞いたことないよ……あれ?」
GM:長い坂を登った先に、レンガ作りの立派な校門があります(ちょっとした騒ぎでは外に人が逃げ出せないくらいには)。
GM:……そこでも、ちょっとした悶着が起こっているようです。ある意味では珍しく。
ネヴェア・ブースロイド:「ふふ……ありがとうございます、という意味ですよ」
ネヴェア・ブースロイド:「あら?」
女の子(星辰館制服):「……だから、いいだろ、年に一回の記念日なんだから。行ってやれよお前さあ」市内の……あれは星辰館でしょうか。やや着崩した制服の少女と。
女学院生(ルツィア制服):「ですから。(わたくし)は、こちらで、楽隊の用があります、と言っているでしょう。夏休み中でも、その日は外せません」
ネヴェア・ブースロイド:「どうなさったのですか?」
ネヴェア・ブースロイド:つい声をかけてしまった。
女の子(星辰館制服):「んなこと言っても補欠だろ? いーじゃんよ。言えば先輩方だって見逃してくれるって……ん?」
ネヴェア・ブースロイド:聖ルツィアに纏わるいさかいに少し敏感になっている自覚はある。あんなことがあったから。
女学院生(ルツィア制服):「ああ。……ブースロイド様。失礼しました、お騒がせしてしまって。彼女が少し、だだをこねて聞いてくれないのですわ」
女の子(星辰館制服):「どっちがだだこねてんだっての! お前、中防んときのポン友の晴れ舞台をなあ…」
ネヴェア・ブースロイド:「ううむ……どちらも譲れないものがおありのご様子」
女子生徒(ルツィア制服):「譲れないのはいいけどさあ。星辰館だと、もう全力ダッシュでも遅刻じゃない?」
女学院生(ルツィア制服):「……言われてみれば、え、もうこんな時間ですの!?」
ネヴェア・ブースロイド:「はっ! そうです。我々も朝会に遅れてしまいます────」
ネヴェア・ブースロイド:「────えっ?」
ネヴェア・ブースロイド:……今。
ネヴェア・ブースロイド:「ええと、よろしいでしょうか」
ネヴェア・ブースロイド:対峙する2人を眺めながら。
女の子(星辰館制服):「うん、なに?」
女学院生(ルツィア制服):「何でしょうか。ブースロイド様」
ネヴェア・ブースロイド:女学院生の名を呼ぶ。
ネヴェア・ブースロイド:「貴女は、ええと、星辰館高校の」
ネヴェア・ブースロイド:「ホームルームへ赴こうと?」
女学院生(ルツィア制服):「ち……違います! わたくし、──(女の子のものらしい名前)にそこまで付き合う気はありませんわ!」
女の子(星辰館制服):「なんでえその言い方。ちぇ。……不良ならまだしも、優等生遅刻させちゃ可愛そうだもんな」苦笑いして。
女の子(星辰館制服):「また放課後来るからな。ダッシュで来るからな。絶対来るからな。逃げんなよ」
女学院生(ルツィア制服):「なんですかその念押しは! 相変わらず下品な番組の見過ぎです! あなたという人は昔から…」
GM:……重々しい、本物の鐘の予鈴が鳴り響きます。
女子生徒(ルツィア制服):「うわ、やっば。ねえ、ブースロイドさん、いこ!」
女学院生(ルツィア制服):「……仕方ないですわね。ええ、少なくともみなさんに迷惑はかけないように……」
ネヴェア・ブースロイド:「……ええ」
GM:鐘の音と。それにかぶるようにして……
ネヴェア・ブースロイド:「お友達とのこと、丸く収まると良いですね」
女学院生(ルツィア制服):「ええ。ありがとうございます、ブースロイド様……」かるく被りをふって、こめかみを揉んで。
GM:ネヴェアさんには、確かに聞こえました。
GM:遠く、誰かの……あるいは何かの、知らない言葉でうたう声が。
ネヴェア・ブースロイド:「(……ううん、早速私ったらとんだ空回りを……)」
ネヴェア・ブースロイド:「(…………?)」
GM:それから、ゆっくりと視界がゆらぎ、きらきらとした虹色の何かが漂いはじめるのに気が付きます。
ネヴェア・ブースロイド:「(聞こえる────ええと、何が?)」
ネヴェア・ブースロイド:きょろきょろと周囲を伺う。
GM:──鳥たちはすぐに着く。おお、幸福なあなたさま。あなたは不滅の顔に微笑を浮かべ、私に問われます。
ネヴェア・ブースロイド:胸元のロケットをにぎりしめ、相棒たる電子の精霊に呼びかけるが、彼女(彼?)ではないとのいらえが返ってきた。
GM:見る間に虹色の何か……泡、が、濃くなって。隣に立っているはずの少女の姿すら見えなくなり……
GM:──その身に何が起きたのか、どんな恵みを求めるのか。
GM:強い浮遊感とともに、意識が途切れます。
ネヴェア・ブースロイド:「(っ、いけない────)」
ネヴェア・ブースロイド:────
ネヴェア・ブースロイド:──

GM:シーンカット。

OP3

GM:続いて陰山さんのオープニング。連絡と、事情説明を受けるシーンから。移動車中を止めて、になりますかね。

陰山魂魄:1d10+19
DoubleCross : (1D10+19) → 10[10]+19 → 29

陰山魂魄:59です!

GM:……連絡が入ったのは、第九支部に向かう最中のことでした。
ニーンテ・S:『魂魄。君は無事だったか』
陰山魂魄:「ニーンテ女史」
陰山魂魄:「無事とはどういうことです」
ニーンテ・S:『落ち着いてきいてくれたまえ』
ニーンテ・S:『聖ルツィア女学院近辺で、大量の行方不明者が出た。たった今だ』
陰山魂魄:「!」
陰山魂魄:キィイーーーッ!!
陰山魂魄:急ブレーキ、ギリギリで路肩に避けることは出来たが
ニーンテ・S:『付近のイリーガルに連絡を取ろうとしたが、いずれも繋がらない。その中には、ネヴェアも含まれている』
ニーンテ・S:通信機越しのくぐもった声は、努めて冷静であろうとしているようにも聞こえます。
陰山魂魄:「ネヴェアが……!?」
陰山魂魄:こちらもそれを察し、すぐさまUターンしようとするハンドルの操作を止める
ニーンテ・S:『……聖ルツィア学院に、ナチス残党が潜んでいたという報告は聞いているかね?』
ニーンテ・S:『規模としては小さな事件だったから、そちらによほど注意していないと気づかなかったかもしれないが…』
陰山魂魄:「いえ……」
陰山魂魄:「かの学校については」
陰山魂魄:「少々調べる機会もありました。存じています」
ニーンテ・S:『何よりだ。実は、彼らが幾つか、"アーネンエルベの遺産"を持ち込んでいた疑いがあった……未発見のものをだ、もちろん』
ニーンテ・S:『……今回の事件は、そのうちのどれかが関わっている可能性が極めて高い。というより、その内偵中だったので早々に発覚した』
ニーンテ・S:少し、迷うような間があって。
陰山魂魄:「女史の事情については、詮索するつもりはありません」
陰山魂魄:「……というより」
陰山魂魄:「そのような余裕がないのです、今の私にとっては」
ニーンテ・S:『だろうな。手短に行こう』
ニーンテ・S:『……いずれの遺産の効果であるにせよ、内部の人間と”縁”のある人物であれば、消えた彼女たちの後を追えるはずだ』
ニーンテ・S:『少なくともUGN側で把握している限りで、"ペアの片方"が外部に残っているのは……』
ニーンテ・S:『魂魄。君だけだ』
陰山魂魄:「……ペア、というのは?」
ニーンテ・S:『こうした話は、東洋のほうが詳しく語れるんだが……』
ニーンテ・S:『因縁。情念。因果。まあつまり、概念としては個人への愛。そういうことになる』
陰山魂魄:「彼女との繋がりを見込んでいただいた」
陰山魂魄:「それで何より先に、私へ……」
ニーンテ・S:『そうだ』
陰山魂魄:「現状は把握しました、いえ」
陰山魂魄:「これで把握できているとは言い難いのでしょうが」
陰山魂魄:「取り乱している場合ではないということは、然と」
ニーンテ・S:『今のところ、内部のイリーガルには連絡が取れない状態だが』
ニーンテ・S:『こちらから境界を超えれば、外部への縁(エン)を繋ぐことができるはずだ。過去の事例に沿うならば、だが』
ニーンテ・S:『要請の内容は……言うまでもないだろうが』
ニーンテ・S:『彼女のことを頼む。魂魄』
陰山魂魄:「承知しました」
陰山魂魄:「私の縁です、私が取り戻さなくては」
陰山魂魄:「彼女の背がこちらを追い越すまで」
陰山魂魄:「どこへも行かせはしません」
陰山魂魄:決意とともにアクセルを踏み、ハンドルを切る。


ミドル

GM:ミドルに移行します。

使用技能:≪情報:UGN≫ ≪情報:噂話≫
難易度:6
最大達成値:9点
目標進行値:4

財産点使用可能。
特殊ルールとして、片方が支援判定を行い、成功した場合、もう片方の達成値を+3し、最大達成値を10とする。使用技能は≪意志≫とする。


GM:────
GM:ミドル1 合流
GM:────
GM:侵蝕率上昇をお願いします
陰山魂魄:1d10+59
DoubleCross : (1D10+59) → 9[9]+59 → 68

陰山魂魄:めっちゃ動揺してる
陰山魂魄:タバコがさかさ
ネヴェア・ブースロイド:ネヴェア・ブースロイドの侵蝕率を+5(1d10->5)した(侵蝕率:52->57)

GM:1d6 ハプニングは…
DoubleCross : (1D6) → 5

5:ちょっとした荒事・戦闘が必要な局面。
ラウンド中の使用技能を≪白兵≫≪射撃≫≪RC≫に変更する。

GM:やあ。いい感じにダイハードですね。魂魄さんにはどうにか切り抜けていただきましょう。
GM:まずはFS判定からどうぞ!
陰山魂魄:殴り進んでやるぜ
ネヴェア・ブースロイド:では支援
ネヴェア・ブースロイド:7dx+4>=6 RC
DoubleCross : (7R10+4[10]>=6) → 10[3,4,7,7,7,10,10]+8[6,8]+4 → 22 → 成功

陰山魂魄:RC!
陰山魂魄:マイナーでオリジンレジェンドもぶち込む
陰山魂魄:侵蝕70に
陰山魂魄:あ、いや
陰山魂魄:素振りで届くのか
陰山魂魄:やっぱなしで!
陰山魂魄:動揺している
陰山魂魄:6dx+8
DoubleCross : (6R10+8[10]) → 9[1,2,4,4,6,9]+8 → 17

陰山魂魄:2点!!
GM:OK。では進行度2/4! 半分到達!

進行度 0/4→2/4

GM:シーン描写。まずはネヴェアさんへの状況説明、そこに魂魄さん突入していただく形で。……これだと、異変は最初から起こってたほうがよさそうですね。

GM:……強いめまいがさめて、気がつくと。
GM:ネヴェアさんは、奇妙な場所に立っていました。
ネヴェア・ブースロイド:「……ここは」
GM:小高い丘。遠く見える海。それは聖ルツィアが建っていた場所と同じですが。しかし周囲にあの修道院風の建物はなく。
GM:かわりに、どこまでも広がる花畑と、まばらに生えている果樹。奇妙な石柱。
GM:その間を、仲睦まじい様子の少女たちが行き来しているのが……見えます。見える。
GM:視界に、少し違和感がある気がします。基準がないのでよくわかりませんが、普段より……少し……高い?
ネヴェア・ブースロイド:「……? 何が起こったのでしょう」
少女(ランドセル):「なんだかわからないけど、大丈夫よ。おねえちゃんのことは、私が守ってあげるんだから!」
ネヴェア・ブースロイド:慟哭を聞いた。そしてあの、虹色の泡のような。
ネヴェア・ブースロイド:「────あの子は」
女子生徒(ルツィア制服):「はいはい。ゆーちゃんは頼もしいね。ずんずん育ってってさ。ほんと、ずっとみてたいよ」
GM:さきほどに見たはずの少女たちの姿が、そこにあります。……けれど、それはどこか、印象が違って。
女の子(星辰館制服):「バカ広いけどどーすんだいこれ。帰れるんかなあ」
女学院生(ルツィア制服):「大丈夫です。……わたくしがついていますから。ほんとに、昔からあなたはそうなんだから。もう」
GM:……間に、ほんのわずかにでもあった距離や、わだかまりや、そうしたものが。どこか、解けているような……
ネヴェア・ブースロイド:……彼女たちは。
ネヴェア・ブースロイド:あるいはこの事態に慣れている? 想定していた? そういう様子ではない。
ネヴェア・ブースロイド:そもそもが……。
ネヴェア・ブースロイド:《ワーディング》を使用して、少女たちがオーヴァードかどうかを確認したいです。
GM:……奇妙な、感覚があります。
GM:ネヴェアさんは《ワーディング》を、たしかに放とうとしました。しかしそれが、抑え込まれた……いえ。
GM:はるかに強力な《ワーディング》が、すでにこの場を埋め尽くしている、ようです。しかし、それに今まで気付きすらしませんでした。
GM:まるで、それが当然のモノゴトであるかのように。
ネヴェア・ブースロイド:「──────これは」
GM:……あるいは、一般人であるはずの彼女たちが、いきなりこんな状況に投げ込まれて、パニックを起こしていないのと同じように?
ネヴェア・ブースロイド:「困った事になりましたね…………」
ネヴェア・ブースロイド:途方に暮れてもいられない。まずは、自分のようにこの違和に気付いている者がいないか。
ネヴェア・ブースロイド:それを捜さなければ。
GM:あなたが──意図せざるまま、誰かの助けを望んだ、そのときに。
陰山魂魄:ごご
GM:遠くから、何度か轟音が聞こえます。
陰山魂魄:ごご ごごご
GM:……一緒に取り込まれた”彼女たち”は、そちらに気付いた様子もありません。
陰山魂魄:地鳴りのような音が何度か響き渡り
GM:真っ白い大理石で作られた"生きた彫像"が、巨大なものに打ち砕かれる。
牛頭馬頭鬼:ボゴァ ー ッ!!
ネヴェア・ブースロイド:「!」
牛頭馬頭鬼:「ぎぃ」
牛頭馬頭鬼:「やぁあああああああッ!」
牛頭馬頭鬼:彫像の直下から現れ、咆哮する
ネヴェア・ブースロイド:「ご──────」
ネヴェア・ブースロイド:「牛頭馬頭鬼!!」
ネヴェア・ブースロイド:喜色に表情を輝かせる。
陰山魂魄:「ネヴェア!」
陰山魂魄:その掌中から、花畑に降り立つ人影
ネヴェア・ブースロイド:さくさくと、花々を踏んで駆け寄る。
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さま! 奇妙なことが起きております」
陰山魂魄:その言葉よりも早く
陰山魂魄:駆け寄って、その小さな体を抱きしめている。
ネヴェア・ブースロイド:「わふっ」
陰山魂魄:「……よかった……!」
ネヴェア・ブースロイド:「…………」
ネヴェア・ブースロイド:「はい……」
GM:小さな体を?
ネヴェア・ブースロイド:彼女の背に手を回し、暫し瞑目。
ネヴェア・ブースロイド:その感触と、体温を感じようとする────違和感。
GM:……世界が揺らぐような感覚があります。あなたが抱きしめたのは、本当に"小さな体"でしたか?
GM:手を回そうとした背中は、"手を回すような広い背中"だったでしょうか?
ネヴェア・ブースロイド:「…………」
陰山魂魄:「よく無事でいてくれた」
陰山魂魄:「ここからは……」
陰山魂魄:「ここ、から」
陰山魂魄:「は……?」
ネヴェア・ブースロイド:「え…………わっ、わぁっ……」
ネヴェア・ブースロイド:逆の事が起きている。
ネヴェア・ブースロイド:陰山魂魄と抱き合ったはずなのに。
ネヴェア・ブースロイド:背の高いのは自分、その胸に顔をうずめているのが────


ネヴェア・ブースロイド:「────ええと。……?」
陰山魂魄:「……」
陰山魂魄:「ネヴェア……?」
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さま────えっ?」


陰山魂魄:前髪に視線を隠した、雪のように肌の白い少女が
陰山魂魄:不安げに君を見上げている。
陰山魂魄:「これは、一体」
ネヴェア・ブースロイド:困惑したようにしげしげとその姿を眺め。ぺたぺたと体を触る。
ネヴェア・ブースロイド:肩を、腰を、頬を。
陰山魂魄:「あ……っ」
陰山魂魄:振り払えない。自分よりもずっと長い腕に
陰山魂魄:なされるがままだ。
ネヴェア・ブースロイド:少女の髪をかき上げてその奥の瞳を見る。
ネヴェア・ブースロイド:じっと、見つめる。
陰山魂魄:「ひやっ」
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さま……ですね。ううん」
陰山魂魄:「や、やめてくれないかネヴェア」
陰山魂魄:「何が起こったのかはわからないが私は私だ……」
ネヴェア・ブースロイド:「あっ、申し訳ございません」
ネヴェア・ブースロイド:「つい無遠慮に…………」
陰山魂魄:「いや、確かめたくなるのはわかる」
陰山魂魄:「……」
ネヴェア・ブースロイド:「どうしたものでしょうか…………」
ネヴェア・ブースロイド:自分の手足の長さを確かめている。
陰山魂魄:その様子を前髪の下からしげしげと眺め
陰山魂魄:スッとその手を掴む
ネヴェア・ブースロイド:「あ」
ネヴェア・ブースロイド:記憶している感触よりも、ぷにぷにしている。
陰山魂魄:両手で引き寄せて、手の甲を見つめて
陰山魂魄:そっと頬を当てる
陰山魂魄:きめ細やかで体温の高い少女の肌があたる
ネヴェア・ブースロイド:「えっ、と…………?」
ネヴェア・ブースロイド:どきどきと心臓が高鳴る。
陰山魂魄:「……いや」
陰山魂魄:「私も、確かめたかっただけだ」
陰山魂魄:「ネヴェアだな……ちゃんと」
ネヴェア・ブースロイド:「……ええ」
ネヴェア・ブースロイド:なんだか、そう言う彼女がとても愛おしくなって、目の前の矮躯を再び抱きしめる。
陰山魂魄:「……!」
陰山魂魄:こうして誰かの腕に包まれるなど、いつ以来だろう。
ネヴェア・ブースロイド:「ネヴェアですよ。貴女のネヴェア・ブースロイドはここに居ます」
ネヴェア・ブースロイド:囁きかけながら、その小さな頭を撫でる。
ネヴェア・ブースロイド:「ふふ、可愛い……」
陰山魂魄:そのまま手を回して顔を埋めようとして……
陰山魂魄:「……」
陰山魂魄:ぱっと離れる
陰山魂魄:「……いつまでもこうしているわけにもいかない」
ネヴェア・ブースロイド:「あっ……そ、そうですね」
陰山魂魄:「安心するには早い……からな」
陰山魂魄:「この空間は、一体なんだ?」
陰山魂魄:いつもよりも少し高い舌足らずな声で言う
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さまもご存じないのですね」
ネヴェア・ブースロイド:清々しく晴れ渡る空を見上げる。
ネヴェア・ブースロイド:柔らかい陽光が、素晴らしく快適で。いつまでもいたくなる。
ネヴェア・ブースロイド:何が不満なのだろう。隣の彼女は。
陰山魂魄:「……美しい場所だが」
陰山魂魄:「恐らくこれは、遺産の産み出す異界だ」
ネヴェア・ブースロイド:「……」
ネヴェア・ブースロイド:「遺産、ですか」
陰山魂魄:「ニーンテ女史の見立てによれば、だが」
陰山魂魄:「内部の人間にどのような影響があるかわからん。脱出の方法を探さなくては」
陰山魂魄:「彼女も君の帰りを待っている」
ネヴェア・ブースロイド:そう言われると、心がずきんと痛むのを感じた。
ネヴェア・ブースロイド:「心理的な影響には、心当たりがございます」
ネヴェア・ブースロイド:帰らなければいけない、のだろうか。彼女の言う通りに。
陰山魂魄:「……しかし」
陰山魂魄:「この肉体的な変化は、どういったことだ」
陰山魂魄:小さな手を握ったり開いたりしている
ネヴェア・ブースロイド:「そうですね」
陰山魂魄:「レネゲイドの本質は、何かを叶えること」
陰山魂魄:「これが遺産の成すこととすれば……その意志は何を求めている?」
ネヴェア・ブースロイド:その動きを幸福な様子で眺めながら。
ネヴェア・ブースロイド:花畑と果樹の間、思い思いに困惑を分かち合う少女たちを指す。
陰山魂魄:「あれは……」
ネヴェア・ブースロイド:「彼女たちは、精神に少し変容が見られるようなのです」
ネヴェア・ブースロイド:「というより……そうです。大きな──忘れていました。なぜ?」
ネヴェア・ブースロイド:「《ワーディング》です。お気づきですか?」
ネヴェア・ブースロイド:一転。恐ろしさを感じ、わずか震える。
陰山魂魄:「……」
陰山魂魄:「からだと、こころ」
陰山魂魄:「入った者のそのどちらをも自在にするとすれば」
陰山魂魄:「ここは正に術者の掌の上だな」
ネヴェア・ブースロイド:「ええ。目的も見えません」
陰山魂魄:「彼女たちとともに、逃れる術を探さなければ」
ネヴェア・ブースロイド:「……少し歩きましょうか」
ネヴェア・ブースロイド:陰山さんの手を取って。少女たちと反対の側へ
ネヴェア・ブースロイド:「手がかりが、何か見つかるかもしれません」
陰山魂魄:「!」
陰山魂魄:「そう、だな」
陰山魂魄:その口ぶりに、どこか
陰山魂魄:単に背丈が変わっただけではない
陰山魂魄:いつもの彼女と違う気配を覚えながら
陰山魂魄:手を引かれていく。
GM:花に覆われた丘は、どこまでもなだらかな起伏を連ねながら広がっています。
GM:……まるで、世界のはてまで、この楽園が続いているように。

GM:────
GM:FS第二ラウンド
GM:────
GM:では、FS判定入れていただきましょうか! ハプニングチャートは…
GM:1d6
DoubleCross : (1D6) → 3

GM:状況の深刻化
GM:オーダー通りでは?(全判定達成値-2です)
GM:深刻化するそうですよ。大変だね!
ネヴェア・ブースロイド:まあ! なんてこと
陰山魂魄:どう深刻化しちゃうんだろな~~
ネヴェア・ブースロイド:これでは帰れなくなってしまいますね。魂魄さま……
GM:ということで、まずは判定どうぞ!
GM:で、まあ、判定結果で事態の解決法がわかるんですけど
GM:その過程で深刻化でどうなるかとか知らないからわたしは! さあどうぞ!
ネヴェア・ブースロイド:はい
ネヴェア・ブースロイド:判定は相変わらず白兵射撃RCですか?
ネヴェア・ブースロイド:いやラウンド回ったから情報か
ネヴェア・ブースロイド:7dx+1 情報噂話コネ使用です
DoubleCross : (7R10+1[10]) → 9[1,2,4,6,6,8,9]+1 → 10

ネヴェア・ブースロイド:あっ言い忘れてたけど支援ですこれ
陰山魂魄:まあ
陰山魂魄:生き字引あるんでどっちにせよ楽勝だがな
陰山魂魄:そして生き字引で本筋判定!
陰山魂魄:侵蝕69へ
陰山魂魄:6dx+1
DoubleCross : (6R10+1[10]) → 10[1,3,7,9,10,10]+3[2,3]+1 → 14

陰山魂魄:こんなもんよ

進行度 2/4→4/4

GM:はい。では進行度4/4! 脱出条件は整いました……が、その前にロールシーンだね!
GM:予定として「深刻なシーン」30分(1Wy)、脱出方法に関する説明15分、その後の葛藤に15分ないし30分程度。というところで如何か。
GM:伸ばしたかったら裏で申告をね!

GM:かなりの距離を歩いてきたはずですが、ひたすらに穏やかな、代わり映えのしない風景が続いています。
GM:暖かくさわやかな初夏の風。果樹と、花。たまに石造りの塚や祠のようなものがありますが、今の所人気はありません。
GM:見慣れないアルファベットが刻まれたりもしてますが……読めませんね。(いちおう読解エフェクトとかないのは確認して)
陰山魂魄:そのどこまでも穏やかな風景に
陰山魂魄:感じるはずのない郷愁を覚え
陰山魂魄:心が安らいでいくのを感じる。
ネヴェア・ブースロイド:「穏やかな場所ですねぇ」
ネヴェア・ブースロイド:同じくリラックスした様子で、君の手を引いている。
陰山魂魄:「ああ」
陰山魂魄:「なぜだろうな……私のふるさとは」
陰山魂魄:「こことは似つかない、雪に閉ざされた険しい場所なのに」
陰山魂魄:「懐かしさと」
陰山魂魄:手を引く温かな感触に、ぎゅっと僅かな力をこめる
陰山魂魄:「……安らぎを、感じるのは」
ネヴェア・ブースロイド:ずっと君に向けていた、穏やかな視線と共に。
ネヴェア・ブースロイド:「随分歩いた事ですし、少しお休みしましょうか」
ネヴェア・ブースロイド:そう言って、花畑に腰を下ろす。
陰山魂魄:「休む……?そんな暇は」
ネヴェア・ブースロイド:「駄目ですよ」
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さまは今、慣れないお体なんですから」
陰山魂魄:「ああ」
陰山魂魄:「それも、いいか」
陰山魂魄:その言葉に頷いて
陰山魂魄:隣に腰を降ろす。
ネヴェア・ブースロイド:細い腰を抱くようにして、肩を寄せる。
ネヴェア・ブースロイド:少し先に、鮮やかな海が見える。
陰山魂魄:「ん……」
陰山魂魄:小さな体を一瞬震わせるが、なすがままにそれを受け入れる。
ネヴェア・ブースロイド:「……こんなに」
ネヴェア・ブースロイド:「小さかった時期があったのですね。気づいていますか?」
ネヴェア・ブースロイド:「私、魂魄さまより大きくなってしまっています。貴女は、私に守られていいんです」
ネヴェア・ブースロイド:そういう約束でしたよね、と。つい先日の事件でした話を。
陰山魂魄:「そうか」
陰山魂魄:「確かに、そうだったな。約束の通りだ」
ネヴェア・ブースロイド:「うふふ」
陰山魂魄:「……私の」
陰山魂魄:「私の母親は厳しい人だった」
陰山魂魄:「冬の……雪に閉ざされた山のように」
陰山魂魄:「そこにかかる樹氷のように」
ネヴェア・ブースロイド:「まあ!」
ネヴェア・ブースロイド:「険しい故郷に、峻烈なご家庭が、貴方を育んだのですね」
ネヴェア・ブースロイド:「だから、こんなにも強いひとになってしまった」
ネヴェア・ブースロイド:一定のペースで、頭を撫でている。
陰山魂魄:「……どこか」
陰山魂魄:「どこかで、こんな日を夢見ていた記憶がある」
ネヴェア・ブースロイド:「……ええ、ええ!」
陰山魂魄:「強くなんてない、私は」
陰山魂魄:「誰かに……こうして」
陰山魂魄:ぱたん、と
陰山魂魄:ネヴェアの膝の上に倒れ込み、赤ん坊のように手足を曲げてうずくまる。
ネヴェア・ブースロイド:「良いのですよ」
ネヴェア・ブースロイド:常なる彼女のものより、ずっと短く切りそろえられた髪を漉くように撫でていく。
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さま。私の可愛い、陰山魂魄さま」
ネヴェア・ブースロイド:歌うように、言葉を重ねる。彼女がそうしてくれたように。
陰山魂魄:「……ん」
陰山魂魄:寝息のように判然とない吐息を漏らし
陰山魂魄:まどろみの中へと落ちていく。
陰山魂魄:「ここには」
陰山魂魄:「残酷も、理不尽もない」
陰山魂魄:「温かくて、心地いい……」
ネヴェア・ブースロイド:その言葉に、ちくりと胸の奥が刺激されたような気がする。
ネヴェア・ブースロイド:その感触も、楽園の光景に洗い流されて、忘却の彼方へと溶けていく。
ネヴェア・ブースロイド:こんなに、小さくて。柔らかで。
ネヴェア・ブースロイド:そんなものを、自分に見せてくれることに。どろりとした喜びを感じている。
ネヴェア・ブースロイド:女性的に成熟した肉体が、幼い陰山魂魄を包み込んでいる。
陰山魂魄:華奢な体重をあずけて
陰山魂魄:幼い面影が安堵と幸福に満ちた横顔を君に晒している。
ネヴェア・ブースロイド:「ふふ…………」
ネヴェア・ブースロイド:満たされている。
ネヴェア・ブースロイド:ここに居れば……きっと。
ネヴェア・ブースロイド:この人が戦って傷つくことはないのだ。
ネヴェア・ブースロイド:陶然とした表情で、そのあどけない頬に指を這わせる。
ネヴェア・ブースロイド:耳に、眦に、唇に。
ネヴェア・ブースロイド:「うふふ……」
ネヴェア・ブースロイド:「…………?」
ネヴェア・ブースロイド:つ、と頬を涙が伝っているのに気づく。
陰山魂魄:「……ネヴェア」
ネヴェア・ブースロイド:「はい。なんですか?」
ネヴェア・ブースロイド:それを拭い捨てる。
陰山魂魄:「……かあ……さん……」
陰山魂魄:うわ言をつぶやいて
陰山魂魄:あとはすぅすぅと寝息を立てて、動かない。
ネヴェア・ブースロイド:「厳しいお母様は……」
ネヴェア・ブースロイド:「ここには居ませんよ」
陰山魂魄:どこまでも続く
陰山魂魄:凪の水平線のような緩やかな心地よさの中で
陰山魂魄:「…………………。」
陰山魂魄:漂い続ける。
陰山魂魄:どこまでも、どこまでも。
陰山魂魄:しかし。
陰山魂魄:――声が聞こえる。どこからか。
陰山魂魄:少女の声が。
???:『頑張って……』
???:『────負けないで』
???:「勝って! 陰山魂魄さま!」
陰山魂魄:「!!」
陰山魂魄:ばさ、と花畑の上に飛び起きる。
ネヴェア・ブースロイド:「ど────どうされたのですか!?」
ネヴェア・ブースロイド:気づかわしげに、君へと歩み寄る。
ネヴェア・ブースロイド:ざあ、と風が花草を撫でた。
陰山魂魄:「……」
陰山魂魄:ネヴェアの姿を見て、辺りを見回し
陰山魂魄:「そうか……私も甘いな」
陰山魂魄:自嘲的に微笑み
陰山魂魄:「また君に助けられたらしい、ネヴェア」
ネヴェア・ブースロイド:先ほどまでの弛緩しきったそれではない。
ネヴェア・ブースロイド:少女らしからぬ、皮肉気な笑みを見る。
ネヴェア・ブースロイド:それにショックを受けた──一方で。
ネヴェア・ブースロイド:心のどこかがそうする彼女に、安心しているのを感じる。
陰山魂魄:「ネヴェア、ネヴェア・ブースロイド」
ネヴェア・ブースロイド:「……なん、でしょう」
ネヴェア・ブースロイド:じり、と一歩。
ネヴェア・ブースロイド:退がる。
陰山魂魄:「君も目を覚ませ」
陰山魂魄:「約束は果たされていない」
陰山魂魄:こちらが一歩前に
陰山魂魄:距離を詰める。
ネヴェア・ブースロイド:「そんな筈──いいえ」
ネヴェア・ブースロイド:「そんな事は」
ネヴェア・ブースロイド:「もっと重要なことがあります」
ネヴェア・ブースロイド:「あなたが安寧を手に入れられるのなら──」
ネヴェア・ブースロイド:言葉を手繰りながら・
ネヴェア・ブースロイド:どれも違うと感じている。
陰山魂魄:「……私は凍てつく雪風の中で聞いた」
陰山魂魄:「ネヴェアの本当の声を」
ネヴェア・ブースロイド:「本当……の…………」
陰山魂魄:「あの気高いネヴェア・ブースロイドは」
陰山魂魄:「こんなまやかしで誤魔化された約束を、良しとするのか?」
陰山魂魄:「私とともに、残酷と立ち向かうと」
陰山魂魄:「そう言ってくれたのは君だ」
陰山魂魄:その手を掴む、引き戻す
陰山魂魄:「忘れはしない」
陰山魂魄:「……どんな言葉よりも暖かかった」
ネヴェア・ブースロイド:引かれ、つんのめる。視線が合う。
陰山魂魄:「ネヴェア」
陰山魂魄:「自分を見失うな」
陰山魂魄:「……頼む」
陰山魂魄:真っ直ぐな目が
陰山魂魄:前髪の下から、君を覗き込んでいる。
ネヴェア・ブースロイド:相対するは、焦点の茫洋とした瞳。
ネヴェア・ブースロイド:陽が傾く。
ネヴェア・ブースロイド:その目に、茜色の光が反射して。
ネヴェア・ブースロイド:──天空より風が吹き込んだ。
ネヴェア・ブースロイド:駆け抜けるように一陣。楽園の花々が一斉に凍り付き。
ネヴェア・ブースロイド:「────っあ」
ネヴェア・ブースロイド:砕ける。
陰山魂魄:まばたきひとつせずに
陰山魂魄:その手を離さない
陰山魂魄:砕け散る氷の花の中、2人で立ち尽くす。
ネヴェア・ブースロイド:凍えるような突風の後の、雪のように砕けた花の舞う中。
ネヴェア・ブースロイド:ぼろぼろと涙を流す赤毛の女がいる。
ネヴェア・ブースロイド:「まだ……残っていたのですね」
ネヴェア・ブースロイド:「泥濘の如く蟠る。弱い私のエゴが」
ネヴェア・ブースロイド:貴女を絡み取り、離すまいとしたのだと。
ネヴェア・ブースロイド:かくりと、膝をつく。
陰山魂魄:「……」
陰山魂魄:首を振る
陰山魂魄:「優しいネヴェア」
陰山魂魄:「それも君の真実だ……私のことを思ってくれたこと」
陰山魂魄:「エゴなどとは、誰にも呼ばせはしない」
ネヴェア・ブースロイド:「────覚悟を」
ネヴェア・ブースロイド:「したはずだったのです。貴女についていく覚悟を」
陰山魂魄:「分かっているとも。だがネヴェア、それでもやはり私は」
陰山魂魄:「雪風の中を歩くことしか出来ない」
陰山魂魄:「……性分だな。これは」
ネヴェア・ブースロイド:「…………ええ」
ネヴェア・ブースロイド:その目をいっぱいに見開いて、君を見る。
ネヴェア・ブースロイド:「ええ、ええ。そうです」
ネヴェア・ブースロイド:「それが貴女」
ネヴェア・ブースロイド:「──陰山魂魄」
ネヴェア・ブースロイド:思い出す。
ネヴェア・ブースロイド:この、死後の世界を信じぬ霊能者との戦いを。
陰山魂魄:「覚悟や決意など、揺らがなければ人間ではない」
陰山魂魄:「……ネヴェアはこうして戻ってきてくれた」
陰山魂魄:「それで十分だ」
陰山魂魄:その頭を抱きしめ
陰山魂魄:小さな手が、君を撫でる。それはいつものように。
ネヴェア・ブースロイド:「……本当に」
ネヴェア・ブースロイド:「誰よりも虚飾の奥に潜む真実を注視し続けているのに」
ネヴェア・ブースロイド:「なんて、優しいひと」
ネヴェア・ブースロイド:縋りついて、泣きじゃくる。子供のように。
ネヴェア・ブースロイド:否、ただの子供なのだ。
ネヴェア・ブースロイド:13歳の、それを思い出させてくれたのは。
陰山魂魄:「私が私でいられるのは」
陰山魂魄:「君が傍にいてくれるからだ」
陰山魂魄:「ネヴェア、私のネヴェア・ブースロイド」
ネヴェア・ブースロイド:「過分な言葉です」
ネヴェア・ブースロイド:「今の私には……あなたを弱くしようとした。私、には」
陰山魂魄:「……本当の約束を果たすまで」
陰山魂魄:「もう少し、歩くとしよう」
ネヴェア・ブースロイド:「…………はい」
ネヴェア・ブースロイド:ぐす、と指先で涙をぬぐう。
ネヴェア・ブースロイド:そのまま爪の先で弾き飛ばした、雫が凍り付いた。
陰山魂魄:今度はこちらが
陰山魂魄:手を引いて、歩き出す。
GM:……あるき出すのを、きめたそのとき。
GM:それまで、なぜか存在をすっかりと忘れていた……陰山魂魄の持ち込んだ通信端末が、小さく震えている。いま、目を覚ましたとでも言うように。
陰山魂魄:「ん」
陰山魂魄:取り出して、着信を確認
陰山魂魄:縮んだ体躯だと、それにも違和感がある
ネヴェア・ブースロイド:「何、が?」
ネヴェア・ブースロイド:身長を活かして後ろから覗き込む。
陰山魂魄:「!『外』からだ……これは」
陰山魂魄:スピーカーに切り替えて通話
陰山魂魄:ネヴェアも話せるように。
ニーンテ・S:『無事だったか。ネヴェアとは合流できたかね?』
陰山魂魄:「ニーンテ女史!」
ネヴェア・ブースロイド:「ニーンテさま! はい!」
ネヴェア・ブースロイド:「……なんとか。魂魄さまに助けていただきました」
陰山魂魄:「こちらも助けられました、それで」
陰山魂魄:「何か、この状況について」
陰山魂魄:「見立てはつきましたか」
ニーンテ・S:『いくつかに絞り込めてはいる。中の様子を聞かせてほしい。……それで』
ニーンテ・S:『役に立つ助言ができると思うよ』
陰山魂魄:かくかくしかじかと
陰山魂魄:内部の風景、感じる精神的影響
陰山魂魄:お互いの体に起こったことも……それぞれ説明する。
ネヴェア・ブースロイド:ルツィアの校門から消えた少女たちの様子がどう変わったのかを、ニーンテさんへと伝えます。
ニーンテ・S:『少女たちの楽園か。なるほど』
ネヴェア・ブースロイド:「そう仰るのを聞くと──なるほど。男性はおりません。大人も、外部干渉で入り込んだ魂魄さまだけ……」
陰山魂魄:「そうだな。そこに違和感はある。心当たりがおありですか、女史」
ニーンテ・S:『……魂魄、ネヴェア、どちらでもいい。どこかで、こんな詩を見なかったか?』
ニーンテ・S:『"鳥たちはすぐ辿り着く。ああ、幸なるあなた"』
ニーンテ・S:『”貴女は不滅のかんばせで微笑し、私に問うでしょう。この身に起きたことと、あなたに希う恵みを”』
ネヴェア・ブースロイド:「碑文らしきものはあった……と思います」
ネヴェア・ブースロイド:「残念ながら、私には読むことができませんでしたが」
陰山魂魄:「文の並びから言えば、あれは詩文に思える。こちらも読み解くことは出来なかったが……」
ニーンテ・S:『ギリシアアルファベットかね? 古文も古文のたぐいだから、読解は難しいだろう』
ニーンテ・S:『……概ね、原因は特定できた。先程の詩だがね、こう続く』
ニーンテ・S:『"お前を避ける女はすぐにお前を追い、お前の贈り物を拒む女はそれをお前に送り、お前を愛さない女は、自ら望まなくともお前を愛すだろう"…』
ネヴェア・ブースロイド:「……まぁ!」口元を押さえる。
陰山魂魄:「それは、つまり」
陰山魂魄:「心変わりの詩ですか」
ニーンテ・S:『愛の詩だそうだ』
ニーンテ・S:『何を想像したのかは見当はつくが。この詩を詠んだのは、女だよ』
ニーンテ・S:『古代ギリシア最大、というよりほとんど唯一の"女性の"大詩人、サッフォー。もしくはプサッポー』
ネヴェア・ブースロイド:「……私のこころが」
ネヴェア・ブースロイド:「そのようにして魂魄さまに働きかけてしまったのですね」
ネヴェア・ブースロイド:得心が行ったというように。
ニーンテ・S:『無理もない。いいか、よく聞け。君たちが相手にしようとしている相手は…』
ニーンテ・S:『神だ』
陰山魂魄:「神?」
ニーンテ・S:『サッフォーが、その故郷レスボス島に築いたというアプロディーテーの神殿。問題の遺産は、その"本尊"』
GM:【資料写真】
GM:端末に、奇妙なプレートが表示されます。びっしりと刻まれたギリシャアルファベット。石版のように見えますが、その表面は白く、虹色の光沢を帯びています。
ネヴェア・ブースロイド:「本尊────つまり」
ネヴェア・ブースロイド:「神話(レジェンド)の顕現」
ニーンテ・S:『ああ。"神"を降ろす媒体だ。つくりだす、と言ってもいい』
ニーンテ・S:『すべてがアプロディーテーの象徴である真珠で作られた、"アプロディーテーへの讃歌"』
陰山魂魄:「そこに宿る『神格』のレネゲイドビーイング」
ニーンテ・S:『神性圏界、という言葉を聞いたことは?』
陰山魂魄:「いえ、それは?」
ネヴェア・ブースロイド:「私も、曾祖父はそういった──」
ネヴェア・ブースロイド:「テクニカルタームを語ることはないのです。お聞きしても?」
ニーンテ・S:『手短にいえば、ワーディング内の世界を"自分の掌る世界観のままに書き換える"性質だ』
ニーンテ・S:『極めて特異な性質を持つレネゲイドビーイング……神格が、まれに備えている。力の多寡の問題ではない』
ニーンテ・S:『それが神のちからであるということが認識できなければ、いかなる手段でも傷つけることは不可能』
ネヴェア・ブースロイド:「……なるほど」
ネヴェア・ブースロイド:この大ワーディングこそが、その力。
ニーンテ・S:『神とは、そういうものだ。……ただし、今回の相手の場合、力の大きさそのものは、そこらのジャームと変わらないはずだ』
ニーンテ・S:『まだ、こちらの世界から、"そちら"が異常だということが認識できているからな』
ネヴェア・ブースロイド:「情報傾斜。地続きでない場所であるからこその……」
陰山魂魄:「つまり」
陰山魂魄:「こちらからその『神』なる者に虚を突く手段もある」
陰山魂魄:「そう考えて相違ありませんか」
ニーンテ・S:『……そちらに踏み込んで、世界の異常を認識できている君たちならば』
ニーンテ・S:『世界に、北風が風穴をあけた今ならば、傷つけることも可能だ。……世界の無限性も、もはや保てまい』
ニーンテ・S:『こちらからは、手出しできない。大変なところだとは思うが……頼めるかね』
陰山魂魄:「無論です」
ネヴェア・ブースロイド:「ええ」
ニーンテ・S:『すまない。健闘を祈る』
ネヴェア・ブースロイド:「……あの!」
ニーンテ・S:『何かね、ネヴェア』
ネヴェア・ブースロイド:「まだ。本当の意味で、事態が理解できているとは言えません。レネゲイドに関われば関わるだけ、知らない事、ばかりですけど」
ネヴェア・ブースロイド:「──ありがとう、ございます」
ニーンテ・S:『君が自分で歩いている道だ。礼ならば……』
ニーンテ・S:『隣りにいる彼女に言いなさい。それでは、支部で待っているよ』
ネヴェア・ブースロイド:「あなたも、戦ってくださったのでしょう? ええ」
GM:通信が途切れます。
陰山魂魄:「……彼女も、あれで照れ屋だ」
陰山魂魄:笑みを浮かべて
陰山魂魄:「気持ちは伝わっているよ、ネヴェア」
ネヴェア・ブースロイド:「そのようですね」くすくすと笑う。
ネヴェア・ブースロイド:「──でも。仰る通りです。私、大事なことを忘れておりました」
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さま」
ネヴェア・ブースロイド:両の手で彼女を持ち上げる。
陰山魂魄:「ん?……わ」
ネヴェア・ブースロイド:「貴女のお陰で、私。大事な物を失くさずに済みました」
ネヴェア・ブースロイド:「ありがとう」
ネヴェア・ブースロイド:固く抱きしめて、地面に下ろす。
陰山魂魄:「……こちらこそ。ああ」
陰山魂魄:「私の大事なものも、確かにここにある」
ネヴェア・ブースロイド:「参りましょうか」
陰山魂魄:「問題ない」
陰山魂魄:「勝つとも」
ネヴェア・ブースロイド:手をつなぐ。並んで立つ。
ネヴェア・ブースロイド:「ええ。勝ってください──」
ネヴェア・ブースロイド:「──否、勝ちましょう。私達が」

GM:では、これでミドルシーン終了!
GM:購入判定一回と、ロイス設定が行なえます。必要なものがあったらバシッとお願いします!
ネヴェア・ブースロイド:ロイス 大人の自分 期待/訣別〇 タイタス化
陰山魂魄:ニーンテ女史とこの結界に
陰山魂魄:信頼◯/劣等感
陰山魂魄:安心感/訣別◯で!
ネヴェア・ブースロイド:ロイス 子供の陰山魂魄 偏愛/訣別〇 タイタス化
ネヴェア・ブースロイド:ロイス ニーンテ・シュバルツ 感謝〇/恐怖
ネヴェア・ブースロイド:購入は陰山さんの欲しいもの買お
陰山魂魄:でもって購入はー
陰山魂魄:一応アームドスーツ狙ってみようかな
陰山魂魄:RC型なのに白兵用防具が必要という
陰山魂魄:2dx+3
DoubleCross : (2R10+3[10]) → 9[4,9]+3 → 12

陰山魂魄:おっ
陰山魂魄:財産3
陰山魂魄:払って成功!
ネヴェア・ブースロイド:うーんじゃあメイド服買おう
ネヴェア・ブースロイド:5dx+2>=20
DoubleCross : (5R10+2[10]>=20) → 7[2,6,6,7,7]+2 → 9 → 失敗

ネヴェア・ブースロイド:終わり!
GM:はい!

クライマックス

GM:────
GM:クライマックス
GM:全員登場
GM:────
GM:侵蝕率上昇をお願いします
陰山魂魄:1d10+69
DoubleCross : (1D10+69) → 9[9]+69 → 78

ネヴェア・ブースロイド:ネヴェア・ブースロイドの侵蝕率を+9(1d10->9)した(侵蝕率:57->66)

GM:無限に続くと思われた花盛りの丘陵は……北風に砕けた道の向こうに、違う風景を晒していました。
GM:くろぐろとした森、世界の果ての前にそびえ立つのは、朽ちかけたギリシア風の神殿。
陰山魂魄:「ここが」
陰山魂魄:「この結界の最果て……ということか」
ネヴェア・ブースロイド:「こんな風になってしまっても──まだこれだけの力が」
ネヴェア・ブースロイド:あるいは、滅びかけているから荒ぶったのだろうか。
ネヴェア・ブースロイド:力を充溢させるために、人々を取り込もうとした?
GM:ひび割れた祭殿の中央には、確かに真珠のタブレットが安置されれています。…無残にも、半ば以上が砕け散った姿で。
《アプロディーテーへの讃歌》:『虹の玉座におわすあなた。不滅なる愛、大神の愛娘、策謀を巡らせるかた』
GM:落ちかけた陽光が長く落とす、祭壇の影が。質量を持って立ち上がります。
GM:投げかけられた亀裂の影は、なぜか、うつくしい女の横顔のように見えました。
《アプロディーテーへの讃歌》:『私の心を、どうか痛みと憂いで煩わせませんように』
陰山魂魄:「……貴女に与えられる愛は、心地よく、穏やかだったが」
陰山魂魄:「違えられない先約があるのです」
ネヴェア・ブースロイド:「……ええ。私達は」
ネヴェア・ブースロイド:「外の世界でやる事が、たくさんあるの」
《アプロディーテーへの讃歌》:女の横顔が、その唱える詩とは裏腹に……憂いの色に傾いだように見えました。
《アプロディーテーへの讃歌》:……世界を覆っていた、大いなる《ワーディング》が軋み、悲鳴にも似たプレッシャーを生み出します。
陰山魂魄:「!」
陰山魂魄:「来るぞ、ネヴェア」
ネヴェア・ブースロイド:「はい。魂魄さま」
陰山魂魄:「神のいない世界へと」
陰山魂魄:「私達の足で、私達は帰る!」
《アプロディーテーへの讃歌》:《ワンナイトフィーバー》を宣言。
GM:いつわりの世界の陽が、森の向こうの稜線へとおちてゆく。
GM:衝動判定を行い、さらに成功失敗に関わらず(受け入れれば)侵蝕率を100に固定します。受け入れた場合、バックトラックの効果を-50低下に固定。
GM:まずは目標値9衝動判定。そのあと、受け入れるかを選択してください。
陰山魂魄:受け入れます
陰山魂魄:5dx+1
DoubleCross : (5R10+1[10]) → 10[6,7,8,9,10]+3[3]+1 → 14

陰山魂魄:衝動判定は成功!
陰山魂魄:侵蝕100に!
GM:当然!
ネヴェア・ブースロイド:8dx+2>=9
DoubleCross : (8R10+2[10]>=9) → 9[1,2,5,5,6,7,8,9]+2 → 11 → 成功

ネヴェア・ブースロイド:受けます 侵蝕100に
GM:では、戦闘開始します。戦闘配置

▼エンゲージ
(《アプロディーテーへの讃歌》[8])
   10m
(ネヴェア[6]、陰山[5])
[]内は行動値


GM:────
GM:ラウンド1
GM:────
GM:セットアップ! エネミー側はなし。
陰山魂魄:なし!
ネヴェア・ブースロイド:ありません
GM:OK.では行動値順にエネミーが動く!

《アプロディーテーへの讃歌》:『こがねのくるまを繋ぎ、連れ立つのは美しい雀たち』
《アプロディーテーへの讃歌》:マイナーで《ポルターガイスト》。インプラントミサイル相当の神殿建材を破壊して、周囲に石の小鳥が無数に飛び上がります。
《アプロディーテーへの讃歌》:メジャー。≪コンセントレイト:オルクス≫+≪空間歪曲射撃≫+≪要の陣形≫+≪アームズリンク≫+≪雷光撃≫+≪MAXボルテージ≫。
《アプロディーテーへの讃歌》:10DX7 ドッジダイス-2個 ガード値-5 二人へ攻撃。
DoubleCross : (10R10[7]) → 10[1,1,1,2,4,4,4,6,6,9]+4[4] → 14

《アプロディーテーへの讃歌》:うお、回らない!? ……最後の4に《妖精の手》!
《アプロディーテーへの讃歌》:1dx7+20
DoubleCross : (1R10+20[7]) → 4[4]+20 → 24

《アプロディーテーへの讃歌》:回らない! 最終達成値24!
陰山魂魄:1dxしか振れねえ!
陰山魂魄:助けてネヴェアーーッ
ネヴェア・ブースロイド:ではリアクション前
ネヴェア・ブースロイド:結構氷壁超えてくる気ある構成だ!
ネヴェア・ブースロイド:オートアクション《氷壁》《リフレックス》
ネヴェア・ブースロイド:10dx7+4>=24 いけ!
DoubleCross : (10R10+4[7]>=24) → 10[1,1,1,3,3,4,5,6,9,10]+3[2,3]+4 → 17 → 失敗

ネヴェア・ブースロイド:《勝利の女神》達成値+15
ネヴェア・ブースロイド:ネヴェア・ブースロイドの侵蝕率を+11した(侵蝕率:100->111)
陰山魂魄:いったあ!!
ネヴェア・ブースロイド:攻撃を失敗させます
GM:これ以上ブーストはありません! 飛来する石の鳥は食い止められる! 防御演出を。

ネヴェア・ブースロイド:胸に提げたロケットを握る。金鎖を引きちぎるように外す。
ネヴェア・ブースロイド:「あなたが神さまだというのならば」
ネヴェア・ブースロイド:「こちらは悪魔です。──────マクスウェルの悪魔」
ネヴェア・ブースロイド:凍り付く。彼女を中心に雪華が咲き乱れ、石の鳥の機動が奇妙にねじ曲がり、互いに激突し。
ネヴェア・ブースロイド:そうして生まれた僅かの隙間をすり抜ける。手をつなぐ2人が。
《アプロディーテーへの讃歌》:調和が乱れ、うたが、とぎれる。実体化した影が崩れゆく陽光を背に、ただの真っ黒い壁のように立ちふさがる。

GM:行動値順に。陰山さん、どうぞ!
陰山魂魄:じゃあ遠慮なく行く!
陰山魂魄:GMに確認なんですが
陰山魂魄:リニアヴィークルには戦闘開始時既に搭乗しており
陰山魂魄:ネヴェアも同乗となっているという処理でよろしいでしょうか!願わくば!
GM:OK!
陰山魂魄:ヤッター!
ネヴェア・ブースロイド:許されたのでシーン開始時に陰山さんのリニアヴィークルに同乗しています。
陰山魂魄:ではマイナーでオリジンレジェンド+イオノクラフト
陰山魂魄:讃歌へと接敵し
陰山魂魄:メジャーでそのままRC運転攻撃!
陰山魂魄:同乗なのでネヴェアも連れて行く!
ネヴェア・ブースロイド:わーい

▼エンゲージ
(ネヴェア[6]、陰山[5]、《アプロディーテーへの讃歌》[8])
[]内は行動値

陰山魂魄:8dx+18
DoubleCross : (8R10+18[10]) → 10[1,1,4,5,7,9,10,10]+3[1,3]+18 → 31

陰山魂魄:オッケー!
陰山魂魄:いい感じ
GM:むむ……
《アプロディーテーへの讃歌》:6dx ドッジ
DoubleCross : (6R10[10]) → 8[3,3,6,6,7,8] → 8

《アプロディーテーへの讃歌》:……《妖精の手》!
《アプロディーテーへの讃歌》:1dx+10
DoubleCross : (1R10+10[10]) → 3[3]+10 → 13

《アプロディーテーへの讃歌》:ダメ! ダメージください!
ネヴェア・ブースロイド:《凍てつく刃》ダメージロールに+18+1dしてください
陰山魂魄:いくぜオイ!
陰山魂魄:4d10+14+18+1d10
DoubleCross : (4D10+14+18+1D10) → 21[3,1,10,7]+14+18+2[2] → 55

ネヴェア・ブースロイド:ネヴェア・ブースロイドの侵蝕率を+3した(侵蝕率:111->114)
陰山魂魄:っしゃらー!
陰山魂魄:侵蝕は+3!
陰山魂魄:103です
ネヴェア・ブースロイド:これが素殴り運転……!
GM:燃費いいなこの!
GM:……装甲なし。HP総計、54!
GM:おつりは1点だよ! 綺麗に沈んだ! シンドローム見ればわかると思うが復活もない!
陰山魂魄:完璧!
GM:演出を、どうぞ!

陰山魂魄:しゃらん しゃらん しゃらん
陰山魂魄:両手で握った錫杖を
陰山魂魄:いつもと違う勝手、重さに振り回されるように振るう。
陰山魂魄:「父の体内、せまき行屋とさだめ。母の体内、ひろき行屋とさだめ」
陰山魂魄:「ひとを作るにこうべはだいさんぶつに作らせたまう」
陰山魂魄:ずず ずずず
陰山魂魄:ずずん!!
牛頭馬頭鬼:足元から、異形の鉄鬼がせり上がる
牛頭馬頭鬼:「ぎぃあああああああああっ」
陰山魂魄:「見てくれであるじを忘れない程度の情はあるらしい」
陰山魂魄:ふ、と笑う
ネヴェア・ブースロイド:慣れぬ体格で錫杖を振るうその肩を、支え。
陰山魂魄:「……ネヴェア」
陰山魂魄:肩越しに振り向き、微笑みかける
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さま」
ネヴェア・ブースロイド:頷く。
陰山魂魄:「ああ……行こう!」
陰山魂魄:錫杖が敵を指し示す
牛頭馬頭鬼:「うううううぅる」
牛頭馬頭鬼:「がぁああああああああっ!!」
牛頭馬頭鬼:拳を握りしめ、振りかざす。
《アプロディーテーへの讃歌》:かすかに震える。言葉をつむぐ。かすれたレコードのような声で。
《アプロディーテーへの讃歌》:『残酷な憂いを解くすべを給え。心にのぞむすべてを叶えるすべを給え。叶え給え。どうか』
陰山魂魄:「ネヴェア!」
ネヴェア・ブースロイド:その拳は突如として凍り付き、同時、加速する。
牛頭馬頭鬼:氷塊の破砕槌となった腕が
牛頭馬頭鬼:加速とともに振り下ろされ――
牛頭馬頭鬼:どッ   が ぁ !!
牛頭馬頭鬼:神の残滓を、打ち砕いた。
《アプロディーテーへの讃歌》:『──神よ、私の愛を赦し給え』
陰山魂魄:「貴女の愛は真実だった。真実が故に」
陰山魂魄:「不義理で返すわけにはいかない……私の愛は」
陰山魂魄:「捧げる相手を既に決めている」
《アプロディーテーへの讃歌》:真っ黒な影の壁が突き抜かれると同時、本体であった真珠のタブレットにも亀裂が走り……
GM:破損していたオーパーツが、今度こそ完全に。砕けて、散った。
陰山魂魄:「せめてその魂の安らぎは、祈らせていただこう」
陰山魂魄:しゃらん。錫杖を振るうとともに
陰山魂魄:鬼は霞となって消えた。
ネヴェア・ブースロイド:────ああ。魂が行く場所などないと。いかに壮麗と質感を持って目の前に存在していても。
ネヴェア・ブースロイド:それがただの『現象』であるのだと、ジャームは人だったものの抜け殻であるのだと。
ネヴェア・ブースロイド:あるいは、祈りだったものの残骸であるのだと。
ネヴェア・ブースロイド:誰よりも知っている筈なのに。
ネヴェア・ブースロイド:そうして祈るのですね。
ネヴェア・ブースロイド:……優しい人。

GM:バックトラック……は、《ワンナイトフィーバー》効果で確定帰還。総計5点で固定!
GM:おかえりなさい!
ネヴェア・ブースロイド:わーい! 経験点いただきます!
陰山魂魄:いただきまー!!

エンディング

GM:────
GM:エンディング
GM:────
陰山魂魄:……第9地区の海岸沿いを
陰山魂魄:落ち着いたグレーのポルシェ・カイエンが夕陽を切るように疾っていく。
陰山魂魄:「ズル休みをしているようで、気が引ける」
陰山魂魄:「そういう顔だな、ネヴェア」
陰山魂魄:助手席の様子を眺めてくすりと笑う
ネヴェア・ブースロイド:「そ。そんな事は……」
ネヴェア・ブースロイド:「……えへへ」
ネヴェア・ブースロイド:ちろりと舌を出す。
陰山魂魄:「どの道、今日明日での授業の再開は無理だろう」
陰山魂魄:「誰に咎められることはない」
陰山魂魄:「……何より」
陰山魂魄:「ネヴェアは彼女たちを救った、功労者なのだから。労われなくてはな」
ネヴェア・ブースロイド:「……そうですね。せっかくのドライブです!」
ネヴェア・ブースロイド:目を細めて、運転する君と、その向こうの海を見つめている。
ネヴェア・ブースロイド:手で作ったカメラで、それをフレームに収めて見たりする。
陰山魂魄:「……」
陰山魂魄:同じ方向に目を細めながら
陰山魂魄:「不思議な体験だったな」
陰山魂魄:ぽつりと、朴訥な感想をこぼす
ネヴェア・ブースロイド:「あのお姿も愛くるしくて、とても素敵でしたけれど」
ネヴェア・ブースロイド:「格好いい魂魄さまが、やっぱり一番です」
ネヴェア・ブースロイド:そう言ってはにかむ。
ネヴェア・ブースロイド:あっ、もちろん。あの時も格好良かったですよ! と。少し慌てて付け足す。
陰山魂魄:「そうか?」
陰山魂魄:「私はあの麗しいネヴェアも」
陰山魂魄:「捨て難い程に素敵だったと思う」
ネヴェア・ブースロイド:「…………もう」
ネヴェア・ブースロイド:羞恥と歓喜に染まった顔で、正面を向く。
陰山魂魄:「けれど、しかし」
陰山魂魄:「やはり戻って正解だ」
陰山魂魄:「……ネヴェアはきっと、あの姿よりも」
陰山魂魄:「ずっと素敵な大人になる」
陰山魂魄:「こうして傍で過ごしていて、そう思うよ」
ネヴェア・ブースロイド:「~~~~!」
ネヴェア・ブースロイド:三つ編みの先端をいじいじしている。
陰山魂魄:「ふふふ」
ネヴェア・ブースロイド:「────私」
ネヴェア・ブースロイド:「ずるいやり方で、貴女の事を聞いてしまったわ」
陰山魂魄:「ずるい?」
ネヴェア・ブースロイド:視線が、ここではないどこか遠くを向く。
ネヴェア・ブースロイド:「魂魄さまの子供のころの事も。心の奥に秘した気持ちも」
ネヴェア・ブースロイド:「本当は、私がもっと成長してからじゃないと、聞けなかったはずのことだもの」
陰山魂魄:「……そんな風に思うことはない」
陰山魂魄:「あれは、私がネヴェアに聞いて欲しかったんだ」
陰山魂魄:「あんなふうに自分のことを話すのは、普段の私では出来はしない」
ネヴェア・ブースロイド:「それを聞くに足る私になるには」
ネヴェア・ブースロイド:「まだ背が足りませんので」いたずらめいた声で。
ネヴェア・ブースロイド:「……本当はちょっと、得をした。なんて思っていたりします」
陰山魂魄:「それも間違いだな」
陰山魂魄:こちらもいたずらめかした笑みを浮かべ
ネヴェア・ブースロイド:「あう」
陰山魂魄:「なぜなら」
陰山魂魄:「まだネヴェアに見せていない私は、沢山いる」
陰山魂魄:「これしきで出し抜かれたと思っては困るさ。かわいいネヴェア」
ネヴェア・ブースロイド:「…………ずるいわ」
ネヴェア・ブースロイド:「私は、貴女に全てを曝け出す事しか知らないのに……」
陰山魂魄:「それはそうです」
陰山魂魄:「大人だぞ?」
ネヴェア・ブースロイド:「……でも」
陰山魂魄:「ん?」
ネヴェア・ブースロイド:「これからも、ずっと貴女の事を知っていけるのは────それはきっととても幸福なこと」
ネヴェア・ブースロイド:「あの場所で、陶然とした停滞に溺れているよりも、ずっと……」
ネヴェア・ブースロイド:「そうして貴女に変えられていく私を」
ネヴェア・ブースロイド:「貴女が知っていくのですね」
ネヴェア・ブースロイド:「大人と子供、って。そういう事なのかしら」
陰山魂魄:「ああ、きっと」
陰山魂魄:「ネヴェアや私が、いずれどうなるかという結果より」
陰山魂魄:「この過ごしていく時間のひとつひとつが、私たちが一緒にいることに意味を与えてくれる」
陰山魂魄:「このいのちを、一緒に生きよう。ネヴェア」
ネヴェア・ブースロイド:「ええ。愛しい人」

GM:抜けるように青い夏空の下、海沿いの道は、どこまでも長く続いていた。

GM:────
GM:一夜二人転:ネヴェア・ブースロイドと陰山魂魄の場合 了
GM:────