『いつか誰かのニライカナイ』
PC1:“スクナ”宮代 火澄(キャラシート)PL:サムトー
PC2:“カグラ”此江・A・匸華(キャラシート)PL:いーさにうむ
PC3:"虚姫"(キャラシート)PL:鳩麦
PC4:“ダモクレス”柏 夕陽(キャラシート)PL:猫口@
GM:カムリ
メインログ|雑談ログ
目次
Pre-Opening01:宮代火澄/壊れた神様の日
GM:努力 未来 A BEAUTIFUL STAR
GM:ということで早速夏休みFH卓『いつか誰かのニライカナイ』を始めて行きましょう。よろしくお願いします!
宮代火澄:よろしくお願いします!
此江・A・匸華:よろしくお願いします~!
”虚姫”:よろしくお願いしますー
柏夕陽:よろしくお願いします!
GM:では、早速プレオープニングから始めて行きましょう。
───────
GM:この世に楽園はあるのだろうか?
GM:独立宗教法人、『やしろの輪』は、それらを探し続けている場所だった。
GM:つまり、きみの生家だ。そして今きみは、楽園を探す代償として、
GM:実の両親の手によって、その命を絶たれようとしている。
教団信者:『『おん しくるべく ひずめや やしろさま』』
教団信者:『『おん しくるべく ひずめや やしろさま』』
GM:信者の修行の場である海底洞窟に、きみは後ろ手に縛られ、何も着せられぬまま自由を封じられていた。
教団信者:洞の中には信者の祝詞が反響している。何かの儀式の手続きだろうか。
宮代火澄:全身が痛い。わけのわからない合唱が耳障りだ。
両親:『よかったねえひずみ』
宮代火澄:裸で恥ずかしいなんて感覚はとっくになくなってしまったけど、不快には変わらない。
両親:きみの母親が、運動会で一等賞を取った子供を褒めるような調子で、気軽に話しかけて来る。
両親:『やしろさまは死をもってお前の器としての不足をお許しくださるようだよ。こんなに名誉なことはないねえ』
宮代火澄:「……そう」
宮代火澄:母親がこんな風に笑顔を向けてくれるのは、いつぶりだろうか。
両親:『おい、何が不服なんだ?笑いなさい』
宮代火澄:これまで、両親に笑ってほしくて頑張ってきたけど。いざ向けられてみたら。
宮代火澄:「ははっ」
両親:父親は笑顔を見せながら、きみの頬を無理矢理上げる。
宮代火澄:──ああ、こんなものか、と。馬鹿らしくなって
宮代火澄:乾いた笑いが漏れた。
両親:『うん。気持ちのいい笑顔だ!そうだろうなあ皆!』
教団信者:地下洞窟に割れんばかりの拍手が反響する。
両親:『お前はずっと出来損ないだったが』
両親:『ようやく……ようやく、意味を果たせるな!素晴らしい!』
両親:『これでやっと、私達も笑える!』
宮代火澄:最近になって。以前より期待の目が減った気がしていた。
宮代火澄:『教育』や『儀式』の頻度も酷さも、随分ましになっていて。
宮代火澄:ああ、諦めてくれたのかな、とか。
宮代火澄:楽観していた自分が嫌になる。
教団信者:『家代代行様。御客人が参られたようです』
両親:信者の一人が、きみの父親に耳打ちする。
両親:『ああ、もうそんな時間か。実は一人、客人を呼んでいてな』
両親:『今日は大事な儀式をおくるから是非見に来て下さいとお招きしたんだ』
両親:言って、砂浜に続く鉄門を開く。
???:……そこにいたのは、一人の若い女だった。
両親:『どうぞ。遠江さん』
???:「……」女は、さして珍しがる様子もなく、洞窟の真ん中まで進んだが
???:そこに座るきみを見て、目を止めた。
???:「この子は?」
宮代火澄:ぼうっと見上げる。ああ、きれいな人だな。
宮代火澄:こんなところに連れてこられて大変だろう。あるいは、同類かもしれないけど。
???:「私は今日、不良品の神具を取り換える儀式があるとしか聞いていないのだけれど」
両親:『はあ……?』
両親:『いえ、だから』
両親:『不良品の神具ですよ』
宮代火澄:「……ふふっ」
宮代火澄:思わず、笑ってしまった。
宮代火澄:どうやら、大変、の方だったらしい。いやまったく同情する。
???:「ああ……そう。なるほどね。いや、よくわかったよ」
???:女は滑らかな褐色の腕を組み、きみの元にしゃがみ込む。
両親:『いけません。穢れが移ります!』
???:「あのさ。きみ」
???:無視して語り掛ける。
宮代火澄:「……?」
???:「ここじゃないどこかに、行きたいかい?」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:同じ高さで目が合う。
???:眼鏡越しの緑の目を緩めて笑う。
宮代火澄:翠に吸い込まれそうになった。
宮代火澄:「……どこか、かあ」
宮代火澄:「夢見たことはありますけど、ねえ」
宮代火澄:「どこに行けばよかったんでしょうね?」
宮代火澄:僕には、ここしかなかった。
宮代火澄:狂っているとわかっていても。
???:「……なんだ。きみ……別におかしくなってるわけじゃないな」
???:「いや、元からおかしいのかな。本気でそう思ってるんだね?」
???:「ダメだこりゃ。元からイカれてる奴は助けても意味ないな」肩を竦める。
???:「興味が失せた。好きにしていいよ」
宮代火澄:「……あの」
???:立ち上がり、離れる。
???:「うん?」
宮代火澄:「ありがとうございました」
宮代火澄:縛られたまま、ペコリと頭を下げる。
宮代火澄:「嫌なもの見せちゃってごめんなさい」
???:「……それを理解して、そこにいるんだ」
両親:『……もう宜しいですかな』二人の間に割って入る。手には白木の柄で作られた小刀を把持している。
宮代火澄:「父さん」
宮代火澄:「僕の次の器は誰?」
宮代火澄:「前連れてきてた、あの女の子?」
宮代火澄:従姉妹だか再従姉妹だか、もっと遠い血縁だか言ってたっけ。
両親:『……』無視する。父、という言葉を避けているのがわかる。
宮代火澄:「最期の親孝行で教えとくけどさ」
宮代火澄:「僕ぐらい保つのはそうそう居ないよ」
宮代火澄:18年。我ながら、よくやったと思う。
宮代火澄:「早めに諦められるように祈ってる」
???:「……」目を細める。
宮代火澄:楽園に辿り着く前に、気づいてほしいものだ。
両親:『心配せずとも、我々は必ず辿り着くさ。お前はその糧となる……光栄なことだ』
両親:『道具が人間の心配をするか?』
両親:宥めるような調子で言い聞かせ、小刀を抜く。
両親:首の真横に刃を付ける。頸動脈を裂きながら気道を刃渡りで塞ぎ、呼吸と悲鳴を遮断する刺し方だ。
宮代火澄:ああ、これは痛そうだ。前に腹を刺されたときよりも。
両親:酷く手慣れているように感じられた。そのまま、刃がすっときみの首を貫く。何の予兆もない。
宮代火澄:ああ。
宮代火澄:最期に、言い残したいことがあったのに。
宮代火澄:これじゃ声も出せないじゃないか。
宮代火澄:父さん、母さん。
宮代火澄:「死んじまえ」
???:「……」足元で、水音と共に影がざわつく。何らかの、生物の形をとろうとする――
宮代火澄:声が、漏れた。
宮代火澄:同時に、刃を突き刺され、首から流れ出た紅い紅い血が。
宮代火澄:眼の前の世界一見慣れた男の首に、刃のように突き刺さった。
両親:『げヴっ』
両親:目を見開く。何事かを言おうとする。
両親:『お、まえ、は……』
両親:『のろわ、れ』手を伸ばす。なおも、首に刺さった小刀に触れようとする。
宮代火澄:「………」
宮代火澄:ぽかん、とする。
宮代火澄:これは夢か。今わの際に見る幻影か。
宮代火澄:そんなものではないことを、首の傷の痛みが教えてくれる。
宮代火澄:「僕は……」
宮代火澄:僕は、今……何を言った?
教団信者:一瞬遅れて、
宮代火澄:おかしいな。ごめんなさい、と。最期に伝えるつもりだったのに。
教団信者:ぱち ぱち ぱち ぱち ぱち
教団信者:盛大な拍手が響く。
宮代火澄:おかげで気づいてしまった。僕は、まだ。
教団信者:「やったあああああああ!!!やしろさまがうまれなさったぞ!!!」
教団信者:「やったあああああ!!!やったあああああ!!!!」
両親:「ひずみ、ひずみ……!」母親がきみの足元に縋りつき、口づけを施す。
両親:「やったのね!とうとう成したのね!ああ、私の可愛い子……!」
宮代火澄:すべてを無視して、女を見上げる。
宮代火澄:「お姉さん」
宮代火澄:「僕は……僕は、」
宮代火澄:「どこでもいい」
宮代火澄:「どこでも、いいから」
宮代火澄:「行きたい」
宮代火澄:「ここじゃないどこかに、生きたい……!」
???:「――いい欲望だ」
???:洞窟に満たされた水から、黒い漁影のような群れが現出している。
???:「あとは」
???:「お姉さんに任せなさい」
???:「……片付けろ」
???:魚群が動き出す。かがり火が消え、今度こそ悲鳴だけが響く。
GM:『ぎゃっ、ぐ、がばあっ』『いやだ!折角やしろさまが来て下さったのにっ』『ひずみ、ひずみっ、どうじでっ』
GM:『ひずみおにいちゃん!だずげでええええ!!!』『ふざけ、ろ……!今までそだてた恩をわすれごえっ』
───────
GM:全てが終わった。
GM:きみは女と二人、昼の砂浜に座っている。
GM:まだ冬の季節だった。女から借りた上着をきみは羽織っていた。
???:「いやあ」
???:「すっきりしたかい?」
???:「私は全然しなかったけどね」
???:返り血一つない。
宮代火澄:「……」
宮代火澄:俯いて。
???:「ああ、次の器のことは安心していい。きみよりひどい改造をされて、助からない状態だったから」
宮代火澄:「……それは。安心できる内容じゃ、ないかな」
???:「ふうん。あんなことがあったのに随分とオヒトヨシなんだな、きみ」
宮代火澄:「そうでもないですよ」
宮代火澄:「さっきも吐いちゃったし……今も吐きそうだけど、でも」
宮代火澄:「僕は……僕は」
宮代火澄:「安心、してる……!」
宮代火澄:両手で顔を覆う。涙が溢れる。
宮代火澄:「ごめんなさい……ごめん、なさい」
???:「……」
宮代火澄:「いい子じゃなくて……期待に応えられなくて、ごめんなさい」
???:膝を着き、背中越しに抱き締める。
???:「私はきみの親じゃない。私は何も縛らない」
宮代火澄:「うう、うううぅう……!」
???:「……なあ、きみさ」髪を撫でながら囁く。
???:「うちに来なよ」
宮代火澄:泣きじゃくりながら、背中に振り向く。
???:「変な奴がいっぱいいるんだ。みんな、誰の期待にも応えてない、好き勝手やってるやつばっかりだ」
???:「恋人が一杯居る子とか、何考えてるかよく解んない子とか、向いてないのに勇気の要ることしてる子とかさあ」
???:「めちゃくちゃだろ? でも、私はあいつらがそこそこ好きなんだよね」
???:「本当の欲望を持っているきみなら、きっと……彼らとも仲良くなれる」
???:「楽園じゃないかも知れないけど、良いトコだぜ」
宮代火澄:自分が今、どこに立っているかも分からない僕に。
宮代火澄:その言葉は、あまりにも甘くて。
宮代火澄:「行きます」
宮代火澄:「連れてって、ください」
???:「よし。決まりだね」
???:手を差し出す。
???:「知ってるかい?これは握手って言うんだ」
???:「”あなたの意思を尊重する”ってことを示す、決まり事みたいなものさ」
???:「私は遠江・A・匸華。きみが今から乗る船は、”バチスカーフ”」
???:「どこかに辿り着くまで、仲良くやろうぜ。少年」
宮代火澄:差し伸べされた手を、縋り付くように掴む。
宮代火澄:「火澄」
宮代火澄:「宮代、火澄です」
遠江・A・匸華:「なんだ。全然フツーの名前じゃないか」
遠江・A・匸華:「全く教祖らしくない……きみももうあんな奴等のことは忘れるべきだね」
遠江・A・匸華:「まあ、無理か。きみ、損な性格してそうだし」
遠江・A・匸華:立ち上がる。
宮代火澄:「どこへ?」
遠江・A・匸華:「決まってるだろ」
遠江・A・匸華:「家だよ」
宮代火澄:頷いて、立ち上がって。
宮代火澄:「あ」
宮代火澄:「……ごめんなさい。その前に」
遠江・A・匸華:「ン」
宮代火澄:「服、欲しいです」
宮代火澄:今更になって照れくさそうに、顔を赤らめた。
───────
GM:シーンカット。ロイスの取得が可能です。
宮代火澄:遠江さんへのロイスは……固定ですので……そのまま!
宮代火澄:オッケーです
GM:OK!では続いてPre-opening2に参りましょう。
Pre-Opening02:此江・A・匸華/新しい結び方
GM:2月17日 AM:9:17
GM:S県帆毬市某所 ”バチスカーフ”アジト:2番ドック
GM:FHセル”バチスカーフ”のアジトは、港湾沿いの廃水族館を改装した海洋拠点である。
GM:ドックは湾と隣接し、潜水艇や”ダイバー”が直接湾に調査に進水できる仕様となっていた。
此江・A・匸華:深海は、孤独な場所だ。
此江・A・匸華:人の身でありながら開花した力を以て唯一人生身で暗い海の底に潜っていく行程に、伴う者はいない。
此江・A・匸華:身体を覆う空気の膜と、深海の圧にすら適応する異常変化がそれを可能にする。
此江・A・匸華:水中を叩く足はさながら海棲哺乳類の尾ひれの如く力強く、ぐんぐんと速度を上げる。
此江・A・匸華:この海域は200m付近の大陸棚が拡がったすぐ奥から深く沈み込み始め、所々非常に深い海溝が存在する。
此江・A・匸華:200mより深い世界は、人の瞳では殆ど光を感じられない灰色の領域だ。
此江・A・匸華:其れより先に、光はない。ただ漆黒が拡がるのみである。
此江・A・匸華:本来人が届きうる領域にない場所を生身で探索できるというのは、ある種垂涎ものの夢ではあろう。
此江・A・匸華:今日も、少女は海を探る。卓越した知覚能力を以て、海を浚う。
此江・A・匸華:そうして、朝の日課を終えた後、自身の"居場所"へと帰っていくのだ。
"かなえ":『”カグラ”深度上昇を観測。担当所員は喫水補助シーケンスを推奨』
此江・A・匸華:視界は、漆黒から灰へ。やがて、全てが青に見える領域へ。
此江・A・匸華:本来降りかかる急浮上による負荷もお構いなしに、ようやく太陽の光を眩しく感じる浅瀬へ。
"かなえ":ドックの中に無機質な電子音声が響く。少女の声に調整されているようだ。
此江・A・匸華:ざばっ! 白く長い髪が、水上に顔を出す。
此江・A・匸華:「……ぷ、はぁ!」
"かなえ":深海では通信に使われるようなミリ短波は届かない。物理的な軸索……アナログな方法で深度を計測するしかない。
此江・A・匸華:アシメントリーに束ねられた二本の大きな三つ編みをふるふると振って、水面に顔を出した少女がにっこりと笑う。
此江・A・匸華:「みんな、ただいま!」
セルスタッフ:「オウ、コノちゃんお帰り!」「大漁だったー?」「お前らさっさと仕事しろ!資源積めって、資源!」
此江・A・匸華:褐色の肌に跳ね返った水滴が付いてキラキラと煌く。碧色の目を細めて、少女は朗らかに応えた。
GM:ドックから騒がしい声が帰り、何人かのスタッフがあなたの”メンテナンス”に集まって来る。
セルスタッフ:他の所員は、きみが回収した帆毬湾のレネゲイド資源を回収しているようだ。
此江・A・匸華:引き上げてきた物資をスタッフに託し、ペットボトルを受け取る。一息に半分ほど飲み干して、うーんと伸びをした。
セルスタッフ:「……今日は3000m以深まで潜ったのに異常なし、か。全くどうなってンだか」
セルスタッフ:煙草を咥え、バンダナを巻いたセルスタッフの女性が呟く。コードネームを”ギリー”といい、専らきみのメンテナンスを担当していた。
此江・A・匸華:「うん、久し振りに行ってみた。けど、あんまり深く潜っても、成果としてはいまいちかなあ」
セルスタッフ:「あんたが潜ってダメなら他のヤツでも同じさ。場所が悪かったンだろ」
此江・A・匸華:「流石に長くはいられないしね。今度はポイント変えてみようかなぁ」
セルスタッフ:「次はもう少し緯度上げろって”ニライ”に相談してみるよ。潮の流れも緩いしな」
セルスタッフ:「そういや、聞いたか?”ニライ”が何か話があるってよ」
セルスタッフ:「ちょうど他のバカどもも呼ばれてる頃のはずなンだが……アイツらどこ行った?」
此江・A・匸華:「この辺り、200m付近は結構掘り出し物があったりするんだけど……そうだね。海流を考えるともう少し北の方がいいかも」
此江・A・匸華:「お姉が? どうしたんだろ」
此江・A・匸華:軽く浮かんだ汗を受け取ったタオルで拭いながら、首を捻りつつ姉を探す。
セルスタッフ:「知らねェ~。っつ~かアイツさぁ!会えたら言っといてくれよ!こないだの賭けの負けまだ受け取ってねェ~んだよ!」
此江・A・匸華:「えー、お姉そんなことしてたの! ちゃんとしてって言っておくね!」
セルスタッフ:「助かるよ……お礼に潜航艤装の方の整備もちゃんとしとくからさ」手を振って見送る。
此江・A・匸華:「ありがと、じゃあ後ヨロシク!」
此江・A・匸華:船室の方へ向かいながら、声が掛かっていそうな人たちを探す。
GM:”バチスカーフ”のアジト……廃水族館にはその狭さを補うため、ドックに係留された船も生活基盤の一部となっている。
此江・A・匸華:「うーん、ちゃんと集合場所とか連絡しといてくれたらなあ、こうやって探さなくても済むのに……」 ぶつくさ言っている
GM:研究船や小型客船などを買い上げ、そのまま生活スペースや実験場として利用しているのだ。
”虚姫”:チ リン
”虚姫”:チ チ チチチ
”虚姫”:此江が2番ドッグを離れてすぐ
”虚姫”:軽い金属同士が当たるような高い音と、駆け寄るような足音が続けざまに鳴って
”虚姫”:「お帰り」
”虚姫”:背後から現れた人影が、そう言って徐に手を繋いでくる。
此江・A・匸華:「わっ」 繋がれた手の柔らかな感触に驚きつつ、艷やかな髪を僅かに高い視点から見下ろす。
此江・A・匸華:「びっくりしたぁ……ただいま!」
”虚姫”:側頭部だけが跳ねたような特徴的な白髪に、潤んだ紫色の瞳。中華服と和服を組み合わせたような衣服を着流し、両手には黒い手袋をはめた小柄な少女。
柏夕陽:「おかえりなさい、此江さん。」
”虚姫”:先程から鳴る金属音は、剣のような形をした左耳の耳飾りによるものだ
柏夕陽:丸眼鏡のオペレーターが白髪の少女に続いて現れる。
此江・A・匸華:「ただいまです! 二人とも奇遇……だけど、もしかして、お姉に呼ばれたりしてた?」
柏夕陽:ショートカットのやや茶色がかった黒髪。猫背気味の姿勢。
柏夕陽:そのどれもが”どこにでもいそう”な特徴であり、雑踏に紛れれば判別が出来なくなりそうだ。
”虚姫”:その問いに頷いて
柏夕陽:そのスーツとスラックスが辛うじて組織への所属を紐づけ、現世に女を繋ぎ止めているかのようである。
”虚姫”:「何の話かは私も聞いてないけど」
”虚姫”:「少しぐらい、休んでからでもいいのにね」
此江・A・匸華:「全然、あたしはへーき!」
”虚姫”:此江の身体を気遣うように言う。
此江・A・匸華:「むしろ、泳いだ後の方が元気かも。前世は魚かもな~」
柏夕陽:「新規人員の顔合わせということです。」
"かなえ":『”カグラ”の帰投を確認。推奨:任務達成の慰労』
柏夕陽:「私以来ですね~。」
柏夕陽:へら、と笑う。
"かなえ":船室に設置されたホロ装置が、一人の少女の姿を映し出す。
此江・A・匸華:「ふぅん、新入り?」 束ねた長い髪のほつれた部分を弄りながら、ホロ映像に目を遣る。
”虚姫”:空いた手を口に当てて笑った後、投影された影に手を振る。
"かなえ":『記憶検索:”ダモクレス”の加入以降、人員は非増加。検討:”バチスカーフ”の人員加入アルゴリズムは』
"かなえ":『”ニライ”の独断に基づく。四十五度目の早急な改善を提案』
"かなえ":機械的に虚姫に手を振り返す。
GM:そこに、二人ぶんの足音。
此江・A・匸華:「え、じゃあお姉……また誰か拾ってきたの?」
此江・A・匸華:「もう、捨て猫じゃないんだから、ちゃんとそういうのは相談してからって……」
遠江・A・匸華:「その通りさ、我が妹よ」ばん!と船室の扉が開く。
柏夕陽:現れた女性に頭を下げる。
遠江・A・匸華:「やあやあ諸君。今日も元気に生きとるかね」鷹揚に手を上げる。
此江・A・匸華:「あっ、お姉! 元気だよ~、じゃなくて!」
此江・A・匸華:「なに、あたし達集めたのってそういうこと?」
宮代火澄:遠江の後ろで縮こまっている。体格差でまったく隠れていない。
柏夕陽:「こちらは通常通りです。遠江さん。」
”虚姫”:返答の意を込めて遠江に手を振った後
遠江・A・匸華:「柏くんは仕事が早いなあ。頼もしいよ……コノ、お姉呼びはやめろって言っているだろう?」肩を竦めて
”虚姫”:その後ろの人影を覗き込むように視線を移す
遠江・A・匸華:「さて。噂の通り、出先でイキが良いのか悪いのか解らん子を拾って来たよ」
遠江・A・匸華:「入り給え宮代くん」
宮代火澄:「は、はい……」
宮代火澄:促されて部屋に脚を踏み入れる。
宮代火澄:「こんにちは……はじめまして」
宮代火澄:「宮代火澄、です」
宮代火澄:緊張で身体を強ばらせながら、頭を下げる。
此江・A・匸華:背伸びして頭の天辺(見えない)から足先までじぃ、と視線を這わせた後、口を開く。
此江・A・匸華:「……お姉、じゃなくて"ニライ"。ダメだよ、誘拐は」
宮代火澄:「ゆ、誘拐!?」
此江・A・匸華:「だ、だって、どう見たって"こっち"の人じゃないじゃん!」
遠江・A・匸華:「人聞きの悪いコト言うなよなあ妹よ」宮代くんの肩を組む形で抱き寄せる。
此江・A・匸華:同意を求めるように虚姫さんと柏さんに視線を送る。
柏夕陽:丸眼鏡の下で、首筋に目線を向ける。
柏夕陽:視線はそのまま両手に。
遠江・A・匸華:「こっちはゴリッゴリの未成年略取されてたのを助けた側だぜ?」
柏夕陽:「そうですね。どう見てもこちら側では……」(死んで、殺した痕がある。)
遠江・A・匸華:「ほら、今日……視察に行った」柏の視線に応えるように。「”やしろの輪”。そこの元・教祖様候補だ」
柏夕陽:「ああ、あそこの……。」
遠江・A・匸華:「スケジュール管理してたのキミなんだから、知ってるだろ」
此江・A・匸華:「……そうなの? ううん、そういうとこ行くって言ってた気はするけど……」 視線が、何かを見つめている柏さんと、その先の青年を行ったり来たり。
宮代火澄:「はい。本当に、誘拐とかじゃないです」
宮代火澄:「大変な目にあっているところを遠江さんに助けてもらって」
遠江・A・匸華:「あそこ相当イっちゃってたぜ。柏くんの言う通り、警戒して正解だったなあ」
宮代火澄:「どこにも行くところがなくて……そしたら、うちに来いって。だから」
宮代火澄:「自分の意志です」
宮代火澄:言ってから、自分でも驚いたように目を見開く。
”虚姫”:「───難しい話はよく分からないけど」
”虚姫”:話の最中から今までずっと、宮代の瞳のみを見ていたが、ようやく口を開く
”虚姫”:「”仲間”って事でいいんだよね」
遠江・A・匸華:「……そうだね」少し、目を伏せる。
遠江・A・匸華:「変なヤツだけど」宮代くんの頭をガシガシと撫でる。「しっかりしてるぜ。何より、やりたいことがあるってのがいいね」
宮代火澄:「わぷ」
遠江・A・匸華:「彼は、責任持って、私達の仲間に入れる」
此江・A・匸華:「んん~、そっか、それなら問題ない……かな?」
遠江・A・匸華:「……多分、凄い力を持ってるよ。この子は」
遠江・A・匸華:「彼自身のやりたいことと、力の矛先が重なったら」
遠江・A・匸華:「きみともいい勝負するかもね。姫」
柏夕陽:「………。」
”虚姫”:「わぁ」
宮代火澄:"期待"が籠もっていそうな言葉に、少し複雑そうに目を伏せて
宮代火澄:小柄な少女の視線に気づく。
”虚姫”:つかつか と宮代の方に歩みを進めて
”虚姫”:袖を摘まむように、手を差し出させる
宮代火澄:「あ、わっ」
”虚姫”:そして広げた手を、両手で揉むように触って
宮代火澄:「え、えっ」
”虚姫”:「おっきぃね。凄いんだ。ふふ」
”虚姫”:頭一つ以上背の高い君を見上げる
”虚姫”:「私、”虚姫”」
”虚姫”:「よろしくね」
遠江・A・匸華:「……ちょっとばかり奔放だが、優しくて良い子だ。仲良くしてやってくれ」
宮代火澄:手に伝わる柔らかな感触。
宮代火澄:”あなたの意思を尊重する”。それをまた、示してもらえたような気がして。
宮代火澄:「……よろしくお願いします」
宮代火澄:やっと、自然に笑えた。
遠江・A・匸華:「で、こっちが私の可愛い可愛い妹の……」
遠江・A・匸華:笑顔を眩しそうに見つめながら、妹を指さす。
此江・A・匸華:「もう、可愛いは余計! 恥ずかしいじゃん!」 困ったように眉が八の字に寄る。
遠江・A・匸華:「べつに事実なんだからいいだろ。ホラ自己紹介したした」
此江・A・匸華:「もー、そういうとこだよほんと……こほん。此江って言います! 深海調査とか、色々してるよ~」
宮代火澄:「此江さん」
此江・A・匸華:「これからよろしくね、火澄。仲良くしよう!」
遠江・A・匸華:「うちの業務はこの子がいないと全然回らなくてね。きみら歳も近いし、一緒に行動することも多いんじゃないかな?」
宮代火澄:「仲良く……」
遠江・A・匸華:「難しいことじゃないよ。他人の意思を尊重し合う、と考えればいい」
宮代火澄:「あ」
宮代火澄:言われて、なるほどと。片手を差し出す。
宮代火澄:「こちらこそ、よろしくおねがいします」
遠江・A・匸華:「あと、妹と男女交際を行う際は」
遠江・A・匸華:「私の許可を取るように」
此江・A・匸華:右手を差し出し、ぎゅっと握……った直後にぱっと離す。
宮代火澄:「だ、男女こうさ……!?」
此江・A・匸華:「え、あっ、なんでそんな話になるの……!」
遠江・A・匸華:「アッハハ!柏くぅ~~ん!!」
遠江・A・匸華:「見たかい!?今の反応!」
遠江・A・匸華:「最ッ高じゃないか……?」
柏夕陽:「冗談が過ぎますよ。」
宮代火澄:「か、からかわないでくださいよ。緊張してるのに……!」
此江・A・匸華:褐色の頬にかああっと血色が差し、虚姫さんの後ろに回ってううう~と唸る。
柏夕陽:へらへらと笑いながら
此江・A・匸華:「虚姫さん~、お姉がいじめる~」 あたしに異性交際経験がないことを知っててこんな冗談を言うのだ、この姉は。
宮代火澄:これでこの後気まずくなったらどうしてくれるんだ、もう。この人は。
”虚姫”:よしよし と慈愛に満ちた顔でその頭を撫でる。
遠江・A・匸華:「そうそう……回らないと言えば、彼女の紹介もしなきゃね。あーお腹いたい」目尻に涙を浮かべながら
遠江・A・匸華:「今日、”やしろの輪”への視察を提案してくれたオペレーター……」
柏夕陽:「柏夕陽、です。」
柏夕陽:一歩前に出て宮代に頭を下げる。
柏夕陽:「ここでオペレーターを務めています。要は裏方ですね。」
宮代火澄:頭を下げられて、反射で頭を下げ返す。
遠江・A・匸華:「めちゃくちゃ優秀なんだよねえ。姫が暴力担当ならこっちは謀略担当」
柏夕陽:「その代わり、肉体労働は全然で…」
柏夕陽:へらへらと笑いつつ頭を掻く
柏夕陽:「顔合わせのあと、案内をするのでしばらくお付き合いくださいね。」
宮代火澄:「よろしくお願いします。……あ、あの」
柏夕陽:「なんでしょう?」
宮代火澄:「ありがとうございます」
宮代火澄:「遠江さんが来てくれなかったら、俺、本当に、その……だから」
宮代火澄:「あなたも、恩人です。……ありがとう」
宮代火澄:深く頭を下げる。
遠江・A・匸華:「……変なヤツだろ?」
柏夕陽:「ええ。」
柏夕陽:「気にしなくてもいいんですよ。結果的に助けた形になりましたが、」
柏夕陽:「偶然の産物です。」
遠江・A・匸華:「ま、恩人なのは私も同感だね」
遠江・A・匸華:「きみの手は人を生かすのにも役に立つってことだ」柏の肩を叩く。
柏夕陽:「やだなあ、これまで皆さんを生かしてきたじゃないですか。」
宮代火澄:「……ところで、その。気になったことがあるんですけど」
柏夕陽:「何でも言ってください。」
遠江・A・匸華:「よろしい。質問したまえ」
宮代火澄:「聞き間違えでなければさっき、暴力担当に、謀略担当って……言ってました?」
遠江・A・匸華:「あ、そうか。言ってなかったっけ」
遠江・A・匸華:「テロリストだよ、私たち」
───────
GM:2/20 AM11:54
GM:”バチスカーフ”アジト 居住船305号室
"かなえ":『……結論から言えば、レネゲイドというウイルスは』
"かなえ":『可能性の塊、です。比喩やレトリックの話ではなく、それに侵された原子が物理的なポテンシャルを持つようになると言って構いません』
"かなえ":無機質な電子音声が響く。セルの備品――深掘補助対話知能、”かなえ”の声。。
柏夕陽:テーブルの上に茶菓子を並べ、紅茶を各人の前に置く。
"かなえ":今は電子教材を読み上げており、計算資源を用いて流暢な会話ベースにシフトしている。
宮代火澄:柏に軽く頭を下げつつ、授業に耳を傾けている。
"かなえ":『そして、レネゲイドウイルスは概念にも感染します。”私”が好例ですね』
此江・A・匸華:唇を『あ・り・が・と・う』と動かしてにこっと笑う。
"かなえ":『レネゲイドビーイング、と呼ばれる症例が存在します。その中でも特に、計算アルゴリズムに感染したケースが私となります』
遠江・A・匸華:「や、柏くん。いつも悪いね」
柏夕陽:「いいえ。ごゆっくり。」
遠江・A・匸華:「……また紅茶淹れるの上手くなったかい?」
"かなえ":ホログラム上から紅茶のカップを取り出し、啜る。
宮代火澄:「ウイルスと呼ばれているのは便宜上の話で」
宮代火澄:「そういった性質も含めて、広義のウイルスとはまったく別の存在……」
宮代火澄:「確か、そういうことでしたね」
宮代火澄:前日に教わった内容を口にして確認する。
此江・A・匸華:「飲み込み早いなー」 お茶菓子のクッキーをもく、もく、と齧る
遠江・A・匸華:「……きみ、ひょっとして相当頭良い?」
遠江・A・匸華:「勉強のやり方とか、論理の発展のさせ方が……なぁんかこなれてるんだよな」
宮代火澄:「皆さんの教え方がうまいから」照れくさそうにはにかむ。
遠江・A・匸華:(……)
"かなえ":『……宮代さんの仰る通り、レネゲイドは様々な形態で発現します。それを便宜上十二の症例に区別するわけですが』
遠江・A・匸華:「きみのシンドローム同定はブラム=ストーカー及びバロールのクロスブリード」指さす。
遠江・A・匸華:「……だが、使い方がめちゃくちゃ変なんだよな。血液を媒質に、異次元からエネルギーを収奪してる」
遠江・A・匸華:「言ってしまえば、きみの体自体が”門”の機能を持ってるんだ……こんなのは正直見たこと無いな」
此江・A・匸華:「ブラム=ストーカーって、血液を直接操作したり肉体を強化したり、みたいな人が多いけど、珍しいよね」
遠江・A・匸華:「コノは肉体を変化させるが、それ自体に物理的な限界を超えた作用があるわけじゃない」頷いて。
此江・A・匸華:「うん。あたしの場合は、環境に適応させるっていう方が近いのかな?」
遠江・A・匸華:「本当なら、エネルギーの貸借はサラマンダーなりブラックドッグ種の十八番なんだが」
遠江・A・匸華:「きみなら、うちで作った武器も装備できるかもな。一発撃つと艦が電力不足になるやつ」
遠江・A・匸華:「こないだ試射してたんだけどさあ。コノと二人でお風呂に入ってる時に停電になって大変だったんだよ」
宮代火澄:「そんなすごいものが……ぶっ」
此江・A・匸華:「あたしが入ってるところに、間違ってお姉が入ってきちゃっただけじゃん……!」
宮代火澄:いきなり風呂、などとワードを出されて顔が赤くなる。
遠江・A・匸華:「間違ってないぜ?」目が据わっている。
此江・A・匸華:「う……じゃあ余計にタチ悪いよ……! 姉妹だって、恥ずかしいもんは恥ずかしいんだから……」
宮代火澄:「は、話を戻しませんか!?」
遠江・A・匸華:「でもさあ、きみの物覚えが早すぎるせいで」
宮代火澄:何かを想像してしまいそうになって思わず声を上げる。
遠江・A・匸華:「初心者に教えることは大抵教えちゃったんだよな」
遠江・A・匸華:「戦闘訓練カリキュラムの方は今柏くんが組んでる所だし」
遠江・A・匸華:「姫は……あれはちょっと、教えるのには向いてないな。規格外すぎて。コノもそう思うだろう?」
此江・A・匸華:「うーん。確かに、虚姫さんを参考にするのは、難しいかなあ」
宮代火澄:「そんなにすごいんだ……」
此江・A・匸華:「なんかね、"自然体"って感じ」
宮代火澄:「……あれ、遠江さん?」
宮代火澄:「虚姫さんに僕のこと紹介する時、『いい勝負するかも』とか言ってませんでした?」
遠江・A・匸華:「ナァマ言うんじゃないよガキンチョ」宮代くんの頭を小脇に抱える。
遠江・A・匸華:南国の花のような、甘く爽やかな匂いが漂った。
宮代火澄:「うわっ……!」
此江・A・匸華:「学ぶとかじゃなくて、自然とそう出来るっていうか……あっ」 また捕まった。
宮代火澄:鼻孔をくすぐる香りにどきりとする。
遠江・A・匸華:「あれはレネゲイドコントロールとかを鍛えたらの話だっての。覚醒仕立てのエージェントと比べるほど、うちの主砲はヤワじゃないね」
宮代火澄:「い、いや、生意気とかじゃなくてですね」
宮代火澄:「もしかしてハードル高い紹介してくれました?と、そういう話を……!」
遠江・A・匸華:「だって」
遠江・A・匸華:「期待されるの、しんどいんだろう?」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:バタバタと暴れていたのが、止まって。
宮代火澄:「……はい」
遠江・A・匸華:「うちには、まともに生きられない奴らがたくさんいるからね」
遠江・A・匸華:「せめて居心地よくしたいとは思ってるんだぜ」
遠江・A・匸華:「まあ、でも。いつかきみが受け止められるようになったら」心なしか力が優しくなる。
遠江・A・匸華:「頼っちゃおうかな」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:「その時は」
宮代火澄:「頼まれなくても、助けますよ」
宮代火澄:「あと、居心地の話なら。今気づいたんですけど。僕」
宮代火澄:「頼まれごととか、苦手みたいです」
宮代火澄:苦笑して。
遠江・A・匸華:「だってさ。どうする?コノ」
遠江・A・匸華:「デート誘う時は自分からだってさ」
此江・A・匸華:「えっ、どうするって言われても……そういうこと?!」
宮代火澄:「なんでそう変換するかなあ!?」
遠江・A・匸華:「困ったな。私も自分から誘いたいんだけど」
此江・A・匸華:「だーかーらっ、あたしは別に、そういうのはいいって言ってるじゃん……!」
宮代火澄:「えっ……」
宮代火澄:遠江の言葉に思わずまた心臓が跳ねる。
"かなえ":『訂正:”デート”は”バチスカーフ”における新人研修の符牒です』
宮代火澄:「あっ、そういうこと」
宮代火澄:ほっとした反面。なぜか、どこかで落胆しているような。
"かなえ":『”ニライ”は”ダモクレス”と研修に赴く際も当該語句を使用』
此江・A・匸華:「いちいちややこしい言い方するから……」
遠江・A・匸華:「何ァんだよ。バラしやがったな、このロボット・ポンコッツ!」
此江・A・匸華:「ちょっと、"かなえ"は全然ポンコツじゃないでしょっ」
"かなえ":『訂正を要求。当知能は定義上区分におけるロボットではなく、アルゴリズムに寄生したレネゲイド・ビーイングと言う形を……』
宮代火澄:「あ、あの、すいません、そろそろ」
宮代火澄:「遠江さん、離してもらえると……!」
遠江・A・匸華:「あ。やべ」
遠江・A・匸華:ぱっと手を離す。
宮代火澄:小脇に抱えられたまま動くものだから、柔らかい感触がなにか、危なかった。
此江・A・匸華:「お姉があんまり火澄で遊ぶようなら、相談してよね。ほんともう、気に入った子見つけるといっつもこうなんだから……」
宮代火澄:「あ、ありがとうございます。ほんとに困ったらよろしく……」
遠江・A・匸華:「今までやったのはギリ子と柏くんと宮代くんだけでしょォ~が。人をビッチみたいに言うな」
宮代火澄:苦笑しつつ。
宮代火澄:気に入られてはいるんだ、と、少し嬉しくなる。
此江・A・匸華:「3人いたら前例として十分ですぅ~」 唇を尖らせる。
遠江・A・匸華:「……あ、そうだ。うちの業務内容の説明しとこっか」目を逸らす。
宮代火澄:「あ、そうです。それ」
宮代火澄:「同じこと聞きたかったです」
宮代火澄:ちょっと嬉しそうに笑顔を見せて。
宮代火澄:「仲間になったんだから」
宮代火澄:「皆さんのこと、もっと知りたくて」
遠江・A・匸華:「……恥ずかしいコト言うない。ま、”バチスカーフ”の仕事は、一言で言うと海洋探索かな」
遠江・A・匸華:「それも主に帆毬湾深海だ」
宮代火澄:「海洋探索……深海、ですか?」
"かなえ":『肯定。帆毬湾海溝には主にレネゲイド資源が化石のように沈殿、堆積中』
此江・A・匸華:地図を出してもらうように"かなえ"にアピール。「今あたし達がいるのがここね」
"かなえ":ホログラムが地図を浮かび上がらせ、赤いポイントを数ヶ所付ける。
"かなえ":S県の沿岸部、そして港湾部。
宮代火澄:身を乗り出して地図を眺める。
此江・A・匸華:「で、ここから、この辺りまでが大陸棚。だいたい水深200mくらいまでで、その向こうがいわゆる"深海"って言われるところ」
遠江・A・匸華:「賢者の石……結晶化レネゲイドウイルスの鉱床があるとも、馬鹿デカい遺産船の塊とも言われてるが」
遠江・A・匸華:「実際の所はよく解ってない。200m以深は文字通り人間にとって未知の世界さ」
遠江・A・匸華:「帆毬市UGNも帆毬湾には興味があるようだが、やつらの猟兵部隊の義体はまだ深海に適応できるほど高性能じゃない……」
此江・A・匸華:「そう。だけどね……深海は、なんと海の95%を占めてるんだ」
此江・A・匸華:「夢があると思わない?」 きらきらした目で言う。
遠江・A・匸華:「しかも、その海洋探索レースは我々”バチスカーフ”が全セルの中で最もリードを取っている」
宮代火澄:「未知の世界が、そんなに広く……なんだか、宇宙があるみたいだ」
遠江・A・匸華:「他のセルも最近キナ臭い動きをしているようだが、我々が安穏と海洋探索に興じられているのはその研究の貴重性ゆえだ」
遠江・A・匸華:「……いつまでも此江一人に任せるわけにはいかないから、潜航艤装の開発も急いでるけどね」
宮代火澄:「夢……ロマン、ありますね。確かに」
宮代火澄:「え?此江さん一人、って」
宮代火澄:驚いた顔で此江の方を見る。
此江・A・匸華:「さっき言ったでしょ、『環境適応』があたしの能力だ、って」
遠江・A・匸華:「基本的に、250m以深の深海資料の採掘はコノに一任している」
遠江・A・匸華:「別に潜水艦の性能が足りないわけじゃない。その方が圧倒的に”正確”なんだ」
遠江・A・匸華:「任せない理由がない」
宮代火澄:「それは……すごい、んですね……」
宮代火澄:驚愕だったり、尊敬だったり。色々な感情が渦を巻いて。
宮代火澄:「あの」
此江・A・匸華:《高濃度酸素バブル》《海の魔術師》《環境適応》──RVが少女の肉体に及ぼした変化は、深海への単独潜行すら可能にしている。
遠江・A・匸華:「質問かい?良い生徒だ」促す。
宮代火澄:此江を見て。
宮代火澄:「怖く、ないですか?」
此江・A・匸華:不思議そうにその顔を見返して、笑う。
此江・A・匸華:「全ッ然!」
遠江・A・匸華:その笑いを見て
遠江・A・匸華:一瞬表情が、歪む。
遠江・A・匸華:そしてすぐ元に戻る。あるいはその表情の変化を、認めることができただろうか?
宮代火澄:遠江の顔を見て、以前言っていたことを思い出す。
宮代火澄:『向いてないのに勇気の要ることしてる子』がいる、とか。
此江・A・匸華:「気付いた頃は、どこまで行けるか少しずつ探り探りだったけどね。今はもう慣れっこだよ」
宮代火澄:此江の笑顔に嘘は感じられない。自分がまだ出会ったばかりだからだろうか。遠江にはどう見えているのだろう。
此江・A・匸華:「それに、深海から浮上してきて、水中から太陽の光がようやく見えた時ってね……すっごく綺麗なんだ」
宮代火澄:「それは……」
宮代火澄:ただ、楽しそうにロマンを語る彼女は輝いて見えて。
宮代火澄:「素敵ですね」
宮代火澄:それは、嘘じゃないといいと思った。
此江・A・匸華:「怖くはないけど、やっぱり帰ってきた!って感じがするからね」
遠江・A・匸華:「……まあ、皆、ここに望んで身を置いているからね。そのことが私は嬉しいな」
遠江・A・匸華:「なあ、宮代くん」
宮代火澄:「はい」
遠江・A・匸華:「いつかさ。きみがここから出て行く時が来たら、その時は……」
遠江・A・匸華:「……」
遠江・A・匸華:「やめた」
遠江・A・匸華:「きみがいなくなったらショックで死んじゃいそうだな。グッピーみたいに」
遠江・A・匸華:へらへらと笑って立ち上がる。
此江・A・匸華:「縁起でもないこと言わないでよー」
遠江・A・匸華:「きみがしたいようにしていいよ。無理に殺さなくて良いんだ」
遠江・A・匸華:「人も、自分も」
遠江・A・匸華:「……一つだけ、大事なルールを言っておくね」
遠江・A・匸華:「民間人への攻撃は禁止だ」
遠江・A・匸華:「それは意思の尊重とは真逆の行為だ。行為を否定し、捻じ伏せる……」
遠江・A・匸華:「期待じゃない。きみなら、それを判断できる。私は知っている」
宮代火澄:「……はい」
遠江・A・匸華:「それ以外はやりたいようにしてくれて構わないよ」
遠江・A・匸華:「誰かをデートに誘っても気にしないさ」
遠江・A・匸華:言って、ひらひらと手を振って去っていく。
此江・A・匸華:「……ふへえ」 溜息とも何ともつかない声を上げて伸びをする。
此江・A・匸華:「だいぶ脱線したけど、お勉強の時間は終わりかな。お疲れ様」
宮代火澄:「お疲れ様です。ありがとうございました」
宮代火澄:頭を下げて、笑う。
此江・A・匸華:「もー、いつまでも他人行儀だなあ」 笑う。
此江・A・匸華:「……お姉、ああやってちょっと面倒くさい感じの絡み方する時って、だいたい好いてる時だから」
此江・A・匸華:「ごめんね。厭じゃなかったら、付き合ってあげて」
宮代火澄:「……嫌じゃないです」
此江・A・匸華:「良かった」
宮代火澄:去っていった背中に視線を送る。遠江は今。自分に何かを頼もうとしたんじゃないか。
宮代火澄:『頼まれごとが嫌いだ』と言った僕の意思を尊重してくれたんじゃないか。
宮代火澄:配慮してくれたのなら嬉しい。期待されるのはもううんざりだ。
宮代火澄:ただ。
宮代火澄:もし彼女が、僕になにかしてほしいことがあるなら。
宮代火澄:それをしたいと思った。
宮代火澄:言われるのは嫌なのに、自分からならそれがしたいなんて。
宮代火澄:めんどくさいな、僕は。
宮代火澄:「そういえば」
宮代火澄:「他人行儀、ですかね」
此江・A・匸華:「んー、別にエンリョしてないならいいと思うけど。そう思う人もいるかも」
宮代火澄:ふと、気がついたように此江に聞く。
宮代火澄:「じゃあ……その、ええと」
此江・A・匸華:「気になるなら、ちょっとずつ練習する?」
宮代火澄:少し、ためらいながら視線を動かし。
此江・A・匸華:「例えば、あたしのこと。呼び捨てで呼んでみるとか」
此江・A・匸華:「一番歳近いし、ね!」
宮代火澄:「……此江。で、いい?」
宮代火澄:言ってから、なんだか恥ずかしくなって顔をそらす。
此江・A・匸華:「……あは。その調子、その調子!」
宮代火澄:「うん。じゃあ、少しずつ」
宮代火澄:「気安くやれるように頑張ってみます……みる」
宮代火澄:「な、なんか、改まると恥ずかしいな……!」
此江・A・匸華:「上出来!」
此江・A・匸華:──最初は、こうして歳の近い新入りとして。
此江・A・匸華:この世界が初めてだという彼にRVのこと、セルのこと、仕事のこと。色々教える仲として、友人として。
此江・A・匸華:彼の抑圧されてきた過去を訊き、その中でも折れずに残った優しさを知り、日々を重ね──
此江・A・匸華:────ざり、と記憶にノイズが奔る。
此江・A・匸華:──この感情を、一体何と呼べば良いのだろう。
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
此江・A・匸華:一旦保留にします。
宮代火澄:どうしよ……私も保留かな
GM:OK!
GM:では次のシーンに参りましょう。
Pre-Opening03:”虚姫”/虚の中
GM:S県帆毬市 5/29 AM1:04
GM:”バチスカーフ”アジト 居住船通路付近
GM:何事にも慣れというものはある。
GM:”カグラ”や”ニライ”に仕事を教わり、日々”バチスカーフ”の一員として深掘作業に精を出す日々は充実していた。
GM:セルの採取した海洋資源を狙うセルにすら属さないはぐれのオーヴァードなどとの実戦も何度かこなし、
GM:誰もが好意的な意味で、きみを”一人前”のエージェントだと認めるようになっていた。
遠江・A・匸華:「聞いたよ。今日のコノの護衛」
遠江・A・匸華:「体を張って助けてくれたんだってね」
遠江・A・匸華:深夜。報告書を提出したきみを”ニライ”が出迎える。
宮代火澄:「とっさだったから……でも、かえって邪魔だったかも」
宮代火澄:「最後はむしろ此江に助けられちゃったし。どっちが護衛なんだか」
宮代火澄:苦笑しながら頭をかく。
遠江・A・匸華:「彼女は守ることは多くても」
遠江・A・匸華:「守られたことは少ないから」目尻を緩める。
遠江・A・匸華:「……守ってくれてありがとう。大事な……妹なんだ」
宮代火澄:「……うん」
遠江・A・匸華:「……」じっと、きみの赤い目を見て。
宮代火澄:「僕にとっても、大事な仲間だから」
遠江・A・匸華:「あ。此江だ」
遠江・A・匸華:後ろを指さす。
宮代火澄:「え?」
宮代火澄:振り向く。
遠江・A・匸華:その首をぐっと引き戻し
遠江・A・匸華:口を付け、舌を割り入れる。
宮代火澄:「……んっ」
遠江・A・匸華:「――んふ」
宮代火澄:驚いて目を見開く。
遠江・A・匸華:ぷは、と唇を離す。
遠江・A・匸華:「驚くなよ。言っとくけどさ、誰にでもこういうことするわけじゃないし、これが初めてだからな」
遠江・A・匸華:「最近きみ、かっこいいからさ。ご褒美あげたくなっちゃったんだ」
遠江・A・匸華:「じゃあね」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:ぼーっとして、しばし立ち尽くし。
遠江・A・匸華:くつくつと嗤い、たた、とステップを踏んで去っていく。
宮代火澄:「と、遠江、どういう……!」
宮代火澄:声を上げたときには、もうその背中は消えていた。
宮代火澄:口もとに手を当てる。
宮代火澄:口の中にずっと残った感触。熱。
宮代火澄:「……こっちだって」
宮代火澄:「初めてだよ、バカ……」
宮代火澄:しゃがみこんで、しばらく動けなかった。
───────
宮代火澄:思考がまとまらないまま、自室への道をたどる。
宮代火澄:どういう意味だ、とか、勘違いしていいのか、とか。
宮代火澄:益体もないことを考えながらでも、道を間違えない程度には基地にも慣れた。
宮代火澄:大抵のものは見過ごしてしまいそうな夢見心地だが。
GM:……それでも、目の前で起こったことだ――見逃しようがない。
”ギリ―”:「お……」
”ギリ―”:バンダナを巻いた女が、濡れた髪を気にしながら……部屋から出てきている。
宮代火澄:「ギリ―?」
宮代火澄:あるいは、意識をしっかりさせていれば。見かけても声をかけるようなことはしなかったかもしれない。
”ギリ―”:”ギリー”と呼ばれるエージェントだ。もっぱら、”カグラ”を初めとした海洋施設装備の保守点検を担当していた。
”ギリ―”:「なんだ、ヒズミか……あー」気まずそうに頬を掻く。
”ギリ―”:「別に隠してるつもりはなかったんだがな」
宮代火澄:「どうしたの、こんな時間……に……」
GM:あなたは気付いてもいい。彼女が出て来たのは、”虚姫”の部屋だ。
”ギリ―”:いつも吸っている煙草も、今は口にしていない。
宮代火澄:虚姫の部屋。深夜。濡れた髪。きまずそうな様子。
”虚姫”:その思考に次いで、部屋の扉が開く。
”ギリー”:「……ウッ。ヒメ……」
宮代火澄:流石に、なにかを察してしまう。
”虚姫”:「ギリー、忘れ物……あれ?」
宮代火澄:「こ、こんばんは。……邪魔だったかな」
”ギリー”:「ン、ああ、煙草な!ありがとよ、ヒメ」慌てた様子で煙草を取る。
”虚姫”:ネグリジェのみの着衣に、こちらも濡れた髪。肌は上気してほんのりと赤い
”ギリー”:「いや……いずれ、お前も知っとかないといけねェことだ」
”虚姫”:?と疑問を浮かべつつ
”虚姫”:「じゃあ、おやすみ。ありがとうね」
”虚姫”:「明日もお仕事頑張ってね」
”ギリー”:「……ヒズミは信頼できるからな。”ニライ”の拾ってきた男だ……ああ」一時、安心したような笑顔を浮かべる。
”ギリー”:「お休み、ヒメ」
”ギリー”:「……それとさ、ヒズミのことだけど、後は任せて良いか? 上手く説明できる自信がねェ」
”虚姫”:そうギリーに告げて、手を振る。
”虚姫”:「?勿論いいよ」
宮代火澄:「説明って……僕、何を聞かされるの……?」
”ギリー”:やってしまった、という風に一瞬首を振って。それから片手を上げ、去っていく
宮代火澄:もしかして、高度な惚気なんだろうか。
”虚姫”:そして、パッと宮代の手を取って
宮代火澄:「う、虚姫」
宮代火澄:彼女の積極的なスキンシップにもある程度(ある程度だ)慣れてはきたが。
宮代火澄:流石に先の様子を見た後だと気まずさが勝る。
”虚姫”:「話は中で、ね?」
”虚姫”:「それとも」
”虚姫”:「外の方が良かったりする?」
”虚姫”:「私は別に良いんだけど。」くすくす笑う
宮代火澄:「なにが……!?」
”虚姫”:「好きな人の言う事なら、ね。」
宮代火澄:「すっ」
宮代火澄:疲労と困惑と未だ続く余韻でさっぱり考えがまとまらない!
宮代火澄:「は、話は聞かせてもらうので」
宮代火澄:「とりあえず落ち着かせてくれ……!」
”虚姫”:顔の前で振ろうとしていた手を下ろしてから、頷いて。
宮代火澄:部屋の中か?それとも外でか?いや誰かに聞かれたらまずいだろこれ。
宮代火澄:でも……部屋で二人?"この"虚姫と?
”虚姫”:「あ…ごめんね。もしかして困らせちゃったかな。」
宮代火澄:目を合わせようと視線を落とせば赤らんだ肌がいやでも目に入る。
”虚姫”:「そんなつもりは全然なかったの」”困らせるつもりは”という部分のみ
宮代火澄:「……」どうする。どうする。どうする?
"かなえ":『”スクナ”に忠告。貴方が考えているような接触ではない』
"かなえ":部屋から電子音声が響く。
宮代火澄:「おわぁ!」
”虚姫”:「あ、かなちゃん」
"かなえ":心なしか、発話が流暢になっている。三か月の対話を経て「学習」したのだろう。
”虚姫”:そう言って、何かを思い浮かべるように顔を上げて
"かなえ":『”虚姫”に通達。0120より定期メンテナンス』
"かなえ":『ミーティングは”スクナ”と同室、メンテナンス中に行うことを推奨。効率的』
”虚姫”:「そっか、今日だったね。ごめんね。みんなと一緒に居るのが楽しくって」
宮代火澄:「メンテナンス……?」
”虚姫”:改めて宮代の手を握って
”虚姫”:「だって。ほら、来て?」
宮代火澄:「…………はい」
宮代火澄:かなえもいるなら、大丈夫だろう。……多分。
───────
"かなえ":ジ イ イ イ ――
"かなえ":青い光が”虚姫”の全身をスキャンしている。
GM:部屋の中には、他のセルメンバーの私物の多さが目を引いた。
”虚姫”:逆に、彼女自身の私物はほとんどない。
”虚姫”:机の上に置かれた、小学生が読むような海洋生物の図鑑。
”虚姫”:強いて挙げるならそれぐらいだ。
"かなえ":『推測:”スクナ”は貴女の交際関係について無知』
”虚姫”:「……あっ、そうだったんだ」
"かなえ":『不測のトラブルに対処するため、早期の情報開示を提案』
宮代火澄:「交際関係って」
宮代火澄:「ギリーと恋人で……ってこと?」
”虚姫”:宮代に視線を移し
宮代火澄:初めて入る部屋の、どこか歪な雰囲気に妙な居心地の悪さを感じる。
”虚姫”:「んーん?」首を横に振って
”虚姫”:「みんなと だよ」
”虚姫”:「私ね」
”虚姫”:「このセルの、みんなの事が好きなの。」
宮代火澄:「それは……」
”虚姫”:「勿論君もね、火澄くん。」
宮代火澄:虚姫はたしかに、新入りの自分にも好意的だった。
宮代火澄:誰に対しても距離が近くて、優しくて。
宮代火澄:ただ、この"好き"には。ただならぬものを感じて。
”虚姫”:「───火澄くんは」
”虚姫”:「私の事、みんなからどんな感じで聞いてる?」
宮代火澄:「……あんまり、人のこと聞いたりはしないけど」
宮代火澄:「皆、虚姫のこと、好きなんだなって見てたよ」
"かなえ":『……』
”虚姫”:「そう、嬉しいなぁ。」
"かなえ":機械の声は何も語らない。無機質に工程を進行している。
”虚姫”:その所感が と言うよりは、”好かれている”という結果を喜ぶような様子を見せて
”虚姫”:「私ね、出来る事が少ないの」
”虚姫”:「遠江ちゃんみたいにリーダーシップもないし」
”虚姫”:「此江ちゃんみたいに広範囲探索も出来ないし」
”虚姫”:「夕陽ちゃんみたいに裏方の仕事も出来ない」
”虚姫”:「でもね。みんなの事が好きだから」
”虚姫”:「私に出来る事なら、何でもしてあげたいの。」
”虚姫”:「だから、ね」
”虚姫”:「この部屋は、誰でも使っていいんだよ。」
”虚姫”:少しだけ手を広げて見せる
宮代火澄:「……」
宮代火澄:冷たい汗が止まらない。
”虚姫”:自分のない、自分の部屋を。
宮代火澄:誰もを等しく愛し。
宮代火澄:求められることになんでも応える。
”虚姫”:「火澄くんも、いつでも来てくれていいからね。」
宮代火澄:ただ求められて応えることが、己の意思であるというように。
宮代火澄:彼女がやっていることは。彼女がなろうとしているものは。
宮代火澄:──父さんたちが僕に求めたことなんじゃないか?
宮代火澄:「虚、姫……」
"かなえ":ピ ピイッ
宮代火澄:明るく優しく、無邪気に笑う彼女。
”虚姫”:「…?どうしたの?」
”虚姫”:「顔色良くないみたいだけど、大丈夫…?」
宮代火澄:それもあるいは、僕が彼女にそう望んできただけなのか?
"かなえ":『メンテナンスが 終了しました』青い光が閉じる。
宮代火澄:「……、だい、じょうぶ」
宮代火澄:"虚姫"。珍しい名前だと思った。
宮代火澄:今は、おぞましいとすら思う。
"かなえ":『……診断結果:異常なし。侵蝕・衝動:共に安定』
”虚姫”:かなえの音声を聞いて、その場で伸びをして
GM:異常がないということ。
GM:空っぽが正しいということ。
”虚姫”:「うん。良かった良かった」
宮代火澄:「……虚姫は」
宮代火澄:「望むことはないの。みんなに」
”虚姫”:「一通りはお話したかな。何か聞きたい事……」
”虚姫”:「望む事……そうだなぁ…」
”虚姫”:あれを一緒に食べたい 一緒にどこに行きたい そんな事を何個も、指折り数えて口ずさみ
”虚姫”:「一つだけ言うなら」
”虚姫”:「ずっと一緒に居て欲しい かな」
宮代火澄:「……そっか」
”虚姫”:口に手を当てて笑う「子供みたいだよね」
”虚姫”:「火澄くんは、どう?」
”虚姫”:「ずっと、このセルに居てくれる?」
宮代火澄:「僕は」
宮代火澄:「……わからないよ。先のことは、何も。でも」
宮代火澄:深く息を吸う。
宮代火澄:「もしこの先、ずっとこのセルに居ることになったとしても」
宮代火澄:「それは。頼まれたからじゃない」
宮代火澄:「僕の意思でだ」
”虚姫”:「───そっか」
”虚姫”:「そうだよね。今私、意地悪な聞き方しちゃったよね。」
”虚姫”:「でも…ふふ。そっか。火澄くんがそう決めて、一緒に居てくれるなら」
”虚姫”:「私は、それが一番嬉しいな。」
宮代火澄:「虚姫」
宮代火澄:「なんでもしてくれるんならさ」
”虚姫”:「何?」
宮代火澄:「考えておいてよ。他に、僕に何を望むのか」
宮代火澄:「ご飯食べたいとか、遊びに行きたいとか──なんでもいい」
宮代火澄:「まあ」
宮代火澄:「僕は、多分。君の望みだから、で聞くことはないけど」
宮代火澄:しれっと、そんなことを言って。
"かなえ":『……”スクナ”に通達。第一ドックにおいて試料保管槽の漏水確認』
"かなえ":『至急確認されたし』
”虚姫”:「他に────」
宮代火澄:「了解」
宮代火澄:立ち上がって。
”虚姫”:喉の奥でつかえた言葉が、通信によって遮られる。
”虚姫”:「大変だね」
”虚姫”:「じゃあ、頑張ってね。また明日、ね。」
宮代火澄:「うん。またあした」
宮代火澄:だいぶ、面倒くさいことを言った。
宮代火澄:怒ってくれたらいいと思う。
宮代火澄:器になれなかった僕を繋いだのは、怒りだったから。
宮代火澄:彼女にもそれが意味があるのかは、わからないけれど。
”虚姫”:───宮代の背を見送って
”虚姫”:「………他に、かぁ」
”虚姫”:何故か、言葉に詰まった。
”虚姫”:指折り数えていた事を、一つ挙げるだけでも良かったのに。
”虚姫”:なんだか、言ってはいけない事のような気がして
”虚姫”:───無意識に手を口元へ持っていき
”虚姫”:黒い手袋の下の、指を噛む。どこかから聞こえる波の音が、その日は少しだけ大きかった。
”虚姫”:”バチスカーフ”セル エージェント コードネーム”虚姫”
”虚姫”:彼女には、それ以外の名前がない。
”虚姫”:それは、彼女にとっての”体を表す名”が、他に存在しない事を示している。
”虚姫”:嘘から生まれ 虚偽が象り 虚飾を纏った 虚妄の存在。
”虚姫”:がらんどうの城に棲む、虚の世界のお姫様。
───────
GM:S県帆毬市 AM2:14
GM:第一ドック 試料保管槽付近
GM:そこに漏水はなかった。
宮代火澄:「あれ」
"かなえ":照らされているのは、ホログラムの青い光だけ。
宮代火澄:「かなえ。なにも起きてないよ」
"かなえ":『これはあらかじめ適用されたプロトコルです。”スクナ”が”虚姫”と一定の接触を持ち次第』
"かなえ":『虚偽の漏水報告が起きるように設定されています』
"かなえ":『”虚姫”の精神改造処置を明かさなかったのは”ニライ”の判断です』
宮代火澄:「精神、改造……」
"かなえ":『”スクナ”の精神状態を鑑みても、一定以上の期間を置かなければ』
"かなえ":『……”虚姫”の精神改造は”スクナ”自身のPTSDを誘発しかねないとの見解です』
宮代火澄:「……明日、遠江にお礼言わなきゃな」
"かなえ":『……彼女は』
宮代火澄:今ですら到底平静じゃない。あの頃に聞いていたらどうなっていたか。
"かなえ":『ずっと”バチスカーフ”にいます』
"かなえ":『貴方だけではない。私が来る前でも、”カグラ”が来る前でも、”ニライ”以前ですらない』
"かなえ":『誰も彼女がいつから在籍していたのか』
"かなえ":『知りません』
"かなえ":電子音声が、心なしか震えているように聞こえる。
"かなえ":『私は、”かなえ”。深掘補助対話知能です。”バチスカーフ”の業務を輔弼するのが存在意義として設定されています』
"かなえ":『ですが、私の”メンテナンス”では』
"かなえ":『彼女の精神改造を治療することは不可能です』
"かなえ":『……異常な精神状態であることは明らかなのに』
"かなえ":『異常がありません』
GM:――『……診断結果:異常なし。侵蝕・衝動:共に安定』。
宮代火澄:「虚姫をああしたのは、誰なの?」
"かなえ":『不明です』
宮代火澄:「そっか。……どこの誰だか知らないけど」
宮代火澄:「父さんたちよりは、よっぽど上手くやったわけだ」
宮代火澄:「反吐が出るな」
"かなえ":『ですが、”ニライ”でないことは確かです。提言:彼女は”虚姫”の精神改造の解除を私に指示しています』
"かなえ":『未だに効果は出ていませんが……』
宮代火澄:「わかってるよ。遠江は頑張ってるんだろ」
"かなえ":『……私には、心、と呼ばれるシナプス信号情動がありません。よって、期待をするということはない』
宮代火澄:握手を思い出して。
"かなえ":『ですが』
"かなえ":『”スクナ”ならば、私よりも可能性がある。そう判断します』
宮代火澄:「ずるい言い方だなあ」
宮代火澄:さっき、虚姫にずるい頼みをした自分を棚に上げて。
宮代火澄:「頼まれないけど、大丈夫」
宮代火澄:「僕もできることがあれば探すよ」
"かなえ":『……』
宮代火澄:「……あれを見てなにもしないのは、そっちのほうが辛そうだ」
"かなえ":『感謝します』
"かなえ":『貴方の、”バチスカーフ”への参入に』
"かなえ":それきり、ホログラムがシャットダウンされる。
宮代火澄:保管槽のガラスに、像の歪んだ自分が写っている。
宮代火澄:──あるいは。映っている自分のほうが、正しい姿なのかもしれないが。
宮代火澄:いずれにせよ、見ているのは辛い。
宮代火澄:明日のことを考えながら、その場を後にした。
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
”虚姫”:どうしようかな
”虚姫”:一旦…保留で!
GM:オッス!
Pre-Opening04:柏夕陽/三枚分の融銀
GM:I国 地域連鎖紛争帯(渡航危険度Aに設定中) 中東超人戦線 20■■年■月■■日
GM:I国解放戦線拠点 ホテル:リラグーヴァ PM5:43
通信:『標的の話は聞いてるか?”ダモクレス”』
通信:『I国の保有してるレネゲイド関連企業の名簿を超人解放戦線に売る代わりに保護を求めた豚だ』
秘書:『はい。その件については伺っております。』
秘書:拠点の通信室で、秘書らしき女性が電話に応答している。
通信:『連鎖紛争地帯の発生自体がI国と軍需企業の壮大かつ持続可能な兵器実験の産物だというのにな。重要なポストに就こうが、目先の安全に踊らされるのは人間の性か』
秘書:『はい、左様ですね。』
秘書:通信室の前を兵士たちが行き交うが、誰もこの秘書に気を留めない。
秘書:『それで…いつでも仕事に移れますが、いかがいたしますか?』
通信:『筋書の目途はついたか? 幸いホテル:リラグーヴァには”祟り”の伝説があってな』
通信:『”砂漠の虎”と呼ばれている……実際は一種のチフス熱に近いが、感染すると全身に斑紋が出現して死に至る』
通信:『”噛み跡”と”毒”。この二つを達成できれば、”殺人”だとは気付かれない』
通信:『可能か? 困難なら狙撃班も待機させてるが』
秘書:くす、と笑う。
秘書:『宣伝が必要でしょう?』
秘書:『我々の手が遠く及ぶことを知らしめる。』
通信:『なら、鍛造ってみせろ』
通信:『裏切り者の喉を捌く鉄の腕をな』
GM:任務開始の符牒だ。”ダモクレス”ならば実行可能だと、そう判断されている。
秘書:『わかりました。ではそのように司令官にお伝えします。』
秘書:通信を切り、記録を抹消する。
秘書:書類を抱えて通信室を出ると、
秘書:そこにいるのは無力で、愚鈍そうな一人の秘書だ。
秘書:廊下を歩く武装した兵士にへつらうような笑みを浮かべ、
秘書:ターゲットが保護された部屋に向かう。
GM:ホテル:リラグーヴァは元はI国でも有数の観光地に建設されている。
GM:ある兵士は警護の名目で高級なシーツを堪能する機会に目を晦ませ、
GM:ある兵士は給仕にチップを払い、共に手を引きトイレの裏へと消えていく。
秘書:いつの間にか、ターゲットの部屋の周りは無人になっていた。
秘書:部屋の前、残った一人にも、
秘書:「あの、司令官がお呼びです。」
秘書:「何でも警備計画を立案しなおすとか…出来るだけお急ぎください。」
兵士:『……ああ、君、例の秘書か。全く……我々兵士は身を粉にしてI国のために奮励しているというのに』
兵士:『上がこんなことでは……いや、君には関係なかったな』
秘書:「このことが…保護対象に露見してはきっと激高するでしょう。」部屋の中を伺うように。
秘書:「私が何とか時間を稼ぎますので、」
秘書:「その間に話を纏めてくださいませ。」
兵士:『……恩に着る。後で名前を教えてくれ』
兵士:少しだけ表情をほころばせ、急ぎその場を後にする。
GM:誰も知る由がない。些細な会話だ。
GM:ホテル周辺には風俗店が存在しない。
GM:I国伝統のシーツ織を、一度堪能しておくのも悪くはない。
秘書:ノックして部屋に呼びかける。
GM:あるいは、存在しない警備情報の乱れを――修正しなければならない。
標的:「……入れ」
秘書:ドアを開ける。
標的:高級な設えのドアの向こうから、疲れた声が帰る。
秘書:「司令官秘書のハロスです。」
標的:「ああ、君か。……司令官は私の保護について何と?」
標的:「これ以上命を狙われるのは充分だ……超人が、我々の知らぬ闇の中に蠢いているのはおぞましい……」
秘書:「その件についてはご安心を。現在完璧な警護体制を築いております。」
標的:「奴らが存在しない楽園が……欲しい。そのためなら、私は祖国も裏切るさ」胸を撫でおろす。
標的:「助かるよ。君は優秀だな……今しがたまで名前を失念していて申し訳ない」
秘書:「影が薄いとはよく言われます。」書類を机に置く。
秘書:「今お茶を淹れますね。」
標的:「助かるよ。ああ、名簿の販売先だな……」書類に目を通し始める。
秘書:椅子を引いてやる。
標的:「まずはギルドの連中……ホマリ・シティの”グラヴィアヴェルク”にも売れるか?」
秘書:豪奢な椅子である。所々に黄金をあしらった、売ればこれだけで庶民の数年分の暮らしに匹敵するだろう。
標的:その椅子に躊躇いなく座り、差し出された茶を受け取る。
標的:「茶葉を変えたかね?好い香りだ……飲んでも?」
秘書:「どうぞ。」
標的:旨そうに紅茶を啜る。
秘書:書類を捲った標的は、白いページを目にするだろう。
秘書:ページの真ん中に、以下の文章が書かれている。
秘書:【老若男女あらゆる人が、ダモクレスの剣の下で暮らしている。
秘書: 世にもか細い糸でつるされたその剣は、
秘書: 事故か誤算か狂気により、いつ切れても不思議はないのだ。】
標的:「……印刷ミスかね? これ、は……」
秘書: ひゅ ぱ
秘書:細いワイヤ―が標的の首に回り、
秘書:咽喉を圧迫する。
秘書:「印刷ミスではありませんよ。」
標的:「……!……!」
秘書:耳に囁く。
標的:深く引かれた椅子が、机を蹴り飛ばして物音を立てることすら許さない。
標的:致命的な糸がゆっくりと切れていく。
秘書:「今、糸が切れたのです。」
標的:「…………………」
標的:急速な咽喉の閉塞により、チアノーゼを発症する。
標的:かくりと項垂れ、事切れる。”斑点”が揃った。
”ダモクレス”:手の力を抜く。
”ダモクレス”:死体を椅子に座らせ、
”ダモクレス”:机に一文が書かれたページを上にして書類を置き、
”ダモクレス”:ペーパーナイフを突き立てて固定する。
”ダモクレス”:ワイヤーをスーツの内側に隠し、
”ダモクレス”:部屋を悠然と出ていく。
”ダモクレス”:隠蔽は必要ない。これはメッセージである。
”ダモクレス”:『老若男女あらゆる人が、ダモクレスの剣の下で暮らしている。』
───────
アナウンサー:『ここで臨時ニュースです。昨日夕方、解放戦線の同志ラベラ・テル・エンドゥスが扼殺の憂き目を受けました』
アナウンサー:『これにより我々が得る予定だった各組織とのパイプは、大幅に縮小することが予想され……』
───────
GM:現在 S県帆毬市
GM:”バチスカーフ”アジト 居住船 301号室 7/31 19:00
遠江・A・匸華:「では、今回の深掘任務の成功を祝しまして――乾杯!」
遠江・A・匸華:ぱあん、とクラッカーが打ち上がる。
此江・A・匸華:「乾杯っ!」 手に持ったジンジャエールのグラスを掲げる。
柏夕陽:「かんぱーい」
”虚姫”:「かんぱーい」そう言いながらも、飲み物にも食べ物にも手を付けない。
宮代火澄:「乾杯」
宮代火澄:烏龍茶の入ったグラスを笑顔で。
”ギリー”:「オラヒズミ野郎!酒飲め酒!」
”ギリー”:「若ェ~モンが気取ってんじゃねェぞオラ――」
此江・A・匸華:ちょこちょこと動いては、周囲の人とグラスをぶつけ合って回っている。
遠江・A・匸華:「よしなって」
宮代火澄:「若いから飲まないんだけど!」
遠江・A・匸華:すっと”ギリー”と宮代の間に割り込む。
宮代火澄:「遠江」
遠江・A・匸華:「火澄くんは私と飲む約束があるんだよバ~カ」
此江・A・匸華:横目で三人を見ながら、気に留めていないような風に楊枝でポテトを摘んでいる。
宮代火澄:「くんて」
遠江・A・匸華:「やかましい。きみも随分言うようになったじゃないか」
宮代火澄:仕方ないなあ、と苦笑する。
遠江・A・匸華:「夜はあんなに私のコト××で××を××してる癖にさァ!」
宮代火澄:「下品!」
”ギリー”:「はァ!?」
柏夕陽:「のろけてますねえ…」
此江・A・匸華:「げほっ」 思いっきり咽る。
”ギリー”:「う、うぜェ~~~……おいコノちゃん!あんな馬鹿ども放っておいて飲もうぜ」
宮代火澄:こん、と軽く遠江を小突く。
宮代火澄:「そういうこと大っぴらに言わないでよ、まったく……」
此江・A・匸華:「も、もうお姉ったら……ほんと夢中になっちゃってるみたいで……」 姉のことなのでちょっと恥ずかしいのだ
宮代火澄:「……二人だけの、のほうがいいでしょ」
宮代火澄:ぼそりと。周りには聞こえないように。
遠江・A・匸華:「ああ、もう……きみほんとズルくなったな」上を向き、下を向き、見えないように手を絡ます
此江・A・匸華:「ね、ねえ、虚姫さん。ポテト美味しいよ? 食べないの?」
”虚姫”:目を細めて微笑んでいたが、此江の方に顔を向ける。
”虚姫”:「私はいいよ。みんなで食べて」
”虚姫”:そう言うと、再び微笑む。飲食ではなく、この空間に居る事に満足しているのだと受け取ってもいい。
”ギリー”:「あ、この唐揚げうまーい。近くで取れた魚のやつ?」
此江・A・匸華:「虚姫さん、遠慮してるわけじゃなくて素でそうなんだもんなあ。不思議」 もう一つポテトを口に運ぶ。
柏夕陽:「はい。白身魚は揚げるとおいしいですからね。」
此江・A・匸華:「それね、潜った帰りに群れがいたから連絡して追ってもらったの! 沢山取れてよかった」
"かなえ":『警告:帆毬湾近辺に正常な白身魚は棲息していません』
"かなえ":『レネゲイドによって異常生育した、深海生態生物の可能性が極めて高いです』
遠江・A・匸華:「……もう食べちゃったんだけど」
此江・A・匸華:「え……不味かった?」 ぎぎ、と首が油の切れかけの機械のように動く。
柏夕陽:「調理する前に注意してくださいよお!」
此江・A・匸華:「で、でも別にほら……毒とは限らないんじゃあ……」
遠江・A・匸華:「いやいやいや!コノが発見したんだ、絶対安全に決まってる!」
遠江・A・匸華:「めちゃくちゃ美味しかったし!そうだよな火澄くゥん!」
宮代火澄:「後で検査は受けようね」
此江・A・匸華:「こ、こないだ図鑑で見たやつにそっくりだったもん! 揚げると美味しいって……!」
宮代火澄:笑いながら。
宮代火澄:「大丈夫だよ、誰も責めないから」
宮代火澄:「うん、美味しい」
柏夕陽:ほっとした顔になる
宮代火澄:そう言って、特に気にすることもなく白身魚に手を伸ばし続ける。
此江・A・匸華:「うう……皆お腹壊したりしないかなぁ? 深海の魚って、結構そういうのがいるから……」
”ギリー”:「あとで捕漁班のやつらにも食わせて巻き添えにしようぜ。絶対笑える」
”虚姫”:「大丈夫。もしお腹壊したら、私が看病するからね。」
柏夕陽:「と、鶏肉もありますよ?こっちはスーパーで買って来たので大丈夫です。」
遠江・A・匸華:「……ああ、頼りにしてるよ。姫」この時ばかりは、心底楽しそうに微笑む。
此江・A・匸華:「もー、もしものことがあったら、虚姫さんてんてこ舞いになっちゃうよ~!」
"かなえ":「推奨:調理。現在”バチスカーフ”厨房船の稼働率は――」
GM:ぴ ぴ ぴ
GM:柏夕陽の端末に、連絡が入る。
宮代火澄:「遠江も言ってたでしょ。此江が見つけたなら絶対安全だって」
GM:何の変哲もない、”バチスカーフ”関連企業の連絡先だ。
GM:皆誰も気にしていない。
柏夕陽:「あ、ごめんなさい。ちょっと失礼します。」
宮代火澄:「平気、平気」
柏夕陽:「仕事の電話が…」
GM:柏夕陽は……”ダモクレス”は、”バチスカーフ”にとってなくてはならない要員だ。
遠江・A・匸華:「ン? ああ、行っといで」
宮代火澄:「お疲れ様」
柏夕陽:「ポテトちょっとだけ残しておいてくださ~い」
此江・A・匸華:「うう、大丈夫だといいけど……あっ、はーい。置いておきます!」 手をひらひら振る。
柏夕陽:へら、と笑いつつ一人になれる場所に。
宮代火澄:「ギリー、聞こえた?食べきっちゃだめだよ~」
”ギリー”:「やかましいわボケ!コノじゃねえんだからドカ食いしねえッつうの……」
───────
GM:”バチスカーフ”アジト 第一ドック 試料保存槽
GM:……”かなえ”の監視リソースは現在外周に配分されている。
GM:加えて、厨房船にも計算資源を割り振っている状態だ。
GM:万全な警備体制ではあるだろう。外側に関しては。
GM:きみは”バチスカーフ”のオペレーターとして、そのことを知悉していても構わない。
柏夕陽:「はい。”ダモクレス”です。」
柏夕陽:電話に応答する。
”ホテル・セルヴォワ”:『あー、もしもし?おはよう、こんにちは、こんばんは、おやすみ』
”ホテル・セルヴォワ”:『グッド・モ~~~~~~ニング”ダモクレス”!!』
”ホテル・セルヴォワ”:通信から、異常にハイテンションな機械音声が聞こえて来る。
”ホテル・セルヴォワ”:『”バチスカーフ”には融け込めてるか?聞くまでもないか』
柏夕陽:「作業は滞りなく進んでおります。」
”ホテル・セルヴォワ”:『ふーん、そう。まァあんた優秀だから心配してないけどね』
”ホテル・セルヴォワ”:『……何て、通り一片のセリフ吐くと思ったか?』
”ホテル・セルヴォワ”:『優秀なのは知ってる。だけどあんたはそれ以上に、”自分を優秀に見せる”術にも長けてる』
”ホテル・セルヴォワ”:『うまくいってると思うと、すぱんとペーパーナイフで手を切っちまうハメになる。違うか?どう?』
柏夕陽:「………そのことを知らずにこのコードを名乗っていると思いますか?」
”ホテル・セルヴォワ”:『おまけに口も一級品と来てる。参っちゃうねこりゃ』
”ホテル・セルヴォワ”:『まあいいや。現状報告だ……”スクナ”はどう?』
”ホテル・セルヴォワ”:『あいつ、相当やるんだろ?半年前に入った新入りの癖に』
柏夕陽:「その通りです。」
柏夕陽:「バロールとブラム=ストーカーのクロスブリードの身でブラックドッグ用電子砲を扱えるのは彼くらいのものでしょう。」
”ホテル・セルヴォワ”:『やっぱりムチャクチャやってんな。じゃあさ、殺すとしたらどうやって殺す?』
”ホテル・セルヴォワ”:『たとえ話な、たとえ話』
柏夕陽:「弱みを突きます。」
”ホテル・セルヴォワ”:『ストリート・アベニューのご婦人が新商品をチェックするみたいに、新入りの動向には逐一注目しとかないとな』
”ホテル・セルヴォワ”:『へェ~。弱み。弱みなんてあるわけ?』
柏夕陽:「セルのリーダーです。」
”ホテル・セルヴォワ”:『”やしろの輪”の元教祖様で、つい三か月くらいまではトラウマでガクブルって聞いてたけど』
”ホテル・セルヴォワ”:『ああ~、そういうことか』
”ホテル・セルヴォワ”:『え、あいつ”強み”じゃねえの?”ニライ”とはやりたくねえな』
柏夕陽:「逆に言えば」
柏夕陽:「セルのリーダーさえ斃せればこのセルは半壊します。」
”ホテル・セルヴォワ”:『……まあ、それは』少しの間。『そうだろうな』
GM:”ホテル・セルヴォワ”に所属する、君の雇用主――”総支配人”は、
GM:”バチスカーフ”の内情に異常なほど詳しい。きみが内通しているということを差し引いても、
GM:生半可な”情報通”を越えるだけの何かを、全てのセルに対して有していた。
柏夕陽:「随一の戦力である”虚姫”、それと妹、彼女たちも精神的動揺を避け得ないでしょう。」
柏夕陽:「中でもトラウマから立ち直ったばかりの宮代火澄は再び一人になる。」
”ホテル・セルヴォワ”:『”バチスカーフ”の大砲が事故物件だって話は聞いてるよ。妹も……相当ヤベえみたいだが、殴ってどうにかならないタイプの強さじゃねえ』
”ホテル・セルヴォワ”:『そもそも逆に”ダモクレス”も入れたお前らが戦力過剰すぎるんだよ。自覚しろ自覚』
柏夕陽:「それで?」
柏夕陽:「ご用件は愉快な思考実験だけですか?」
”ホテル・セルヴォワ”:『ああ、そうだそうだ。後もう一件』
”ホテル・セルヴォワ”:『”オッタートロール”はもう見つかったか?』
GM:”オッタートロール”。かつて帆毬市全域を手中に収めていた、”マスターハウル”の遺物――その一つ。
GM:彼の最後の共に帆毬湾に沈んだとされるそれは、”バチスカーフ”が発見を期待されている最たる物品でもあった。
GM:だが、今の所……有数の深海探索能力を有する”バチスカーフ”でさえも、
柏夕陽:「残念ながら。」
GM:未だに手掛かりすら掴めていない、というのが現状である。
”ホテル・セルヴォワ”:『そりゃ残念、わかったよ。こりゃもう少し待たないとな……』
柏夕陽:「………さっきの思考実験。」
柏夕陽:「実行に移すならそれなりの人員と装備を要求しますよ。」
”ホテル・セルヴォワ”:『何だよ。雑談もできないタイプじゃねえだろ?』
”ホテル・セルヴォワ”:『解ってるよ。”バチスカーフ”とはやり合いたくねえ』
”ホテル・セルヴォワ”:『やり合うつもりもねえ』
”ホテル・セルヴォワ”:『それはあいつらの近くに居る”ダモクレス”が一番理解してるだろ』
”ホテル・セルヴォワ”:『”ニライ”を崩す、と言っちゃ聞こえはいいが』
”ホテル・セルヴォワ”:『そりゃチェスでクイーンを最初から取れば勝てる、って理論とそう違いはねえ』
”ホテル・セルヴォワ”:『お前、魔眼で……ビルを丸ごと抉り取る化け物と正面切ってやり合いたいとは思わないだろ?』
柏夕陽:「毒を盛るのすら御免です。」
”ホテル・セルヴォワ”:『そういうことだ。”ホテル・セルヴォワ”が……今すぐ”バチスカーフ”に何かを仕掛ける予定はねえ』
”ホテル・セルヴォワ”:『潰れられても困るしな』
柏夕陽:「しばらくやることは現状報告ですね。」
”ホテル・セルヴォワ”:『まあ、それがお望みならな。パーティー中だっけ?』
”ホテル・セルヴォワ”:『そこら辺の魚は旨いよな。毒を盛る必要のない食事を楽しめよ』
”ホテル・セルヴォワ”:唐突に通話が切れる。
柏夕陽:携帯電話をラップトップに繋ぎ、偽の通話記録を捏造する。
柏夕陽:バチスカーフの関連企業との当たり障りのないやり取りが出来上がっているだろう。
GM:……在り得るだろうか? あの”ニライ”が、倒れるなどということが。
柏夕陽:いや。あり得る。
柏夕陽:隆盛する者は必ず没落する。
柏夕陽:人間という生き物である以上、それは避けられない。
柏夕陽:ダモクレスの剣は、誰の頭上にも落ち得るのだ。
柏夕陽:だが、今のところ私がやる事は、
柏夕陽:会場に戻って包丁を振るくらいだろう。
GM:では、突然ですが
GM:ここで宮代くんは<知覚>で17を振って下さい。
柏夕陽:すいません
柏夕陽:《完全演技》で難易度上げれますか?
宮代火澄:ひえっ!
宮代火澄:本気
GM:可能とします。イージーの使い方的にマッチしているので。
GM:難易度は19に上昇します。
GM:財産、エフェクトは使用不可能です。
宮代火澄:では
宮代火澄:4DX+1+0@10>=19 知覚
DoubleCross : (4DX10+1>=19) → 9[2,6,8,9]+1 → 10 → 失敗
宮代火澄:失敗!
GM:結構回しとる
GM:では、宮代くんは……遠江・A・匸華に頼まれ、柏夕陽の様子を見に来ていた。
GM:いつもの水槽、いつものドック。夜の乾いて涼しい海凪が吹く、慣れた光景だ。
宮代火澄:「あっ、ここに居た」
柏夕陽:「火澄くん。」
柏夕陽:「どうかしましたか?」
柏夕陽:ラップトップを閉じ、にこやかな笑みを火澄に向ける。
宮代火澄:「遠江が心配して、見てきてって頼まれて……」
宮代火澄:「断りました」
柏夕陽:「相変わらずですね。」くす、と笑う。
宮代火澄:はは、と。苦笑する。
宮代火澄:「それはそれとして、様子見に来た」
宮代火澄:「まだかかりそう?」
柏夕陽:「もう終わったところ。」
宮代火澄:「よかった!いつもお疲れ様」
柏夕陽:「本当に大変ですよ~。まさかパーティの最中まで連絡が来るなんて…」
宮代火澄:「はやく戻ろう。せっかく楽しい時間だもの」
柏夕陽:「今日は」
柏夕陽:「一滴も飲んでないんですか?」
柏夕陽:「お酒。」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:表情を硬直させる。
宮代火澄:「飲まないようにしてるんです」
柏夕陽:いつもはへら、と卑屈そうな笑みを浮かべている唇が、
柏夕陽:暗闇の中でやけにてらてらと妖しく照っているように見える。
宮代火澄:「……気づいてて言ってるでしょ、夕陽」
柏夕陽:「頼み事じゃなくて、」
柏夕陽:「自分の意志でここに来たってことは」
宮代火澄:目を合わせるつもりで下げた視線が、妖しい唇に吸い寄せられる
柏夕陽:「少し遅れてもいいってことですよね。」
柏夕陽:立ち上がり、背伸びして
柏夕陽:火澄の耳に囁く。
柏夕陽:「また、します?」
宮代火澄:「っ、」
柏夕陽:火澄の髪に軽く唇を当てる。
柏夕陽:「今度は最後までしていいですよ?」
宮代火澄:くらり、と。
宮代火澄:足元が揺れた気がした。
宮代火澄:船の上だから。
宮代火澄:数秒。答えられない時間があって。
宮代火澄:「……しません」
柏夕陽:「ですよね~」
柏夕陽:へら、といつもの通りに笑う。
宮代火澄:はぁ、と。肺の中の空気を吐き出す。
柏夕陽:「あはは、ごめんなさい。からかったみたいになって。」
柏夕陽:「でも、前のパーティで私をどきどきさせた火澄くんも悪いんですからね?」
宮代火澄:「反省しています……」
柏夕陽:「はい、よろしい。」
柏夕陽:「それじゃパーティに戻りましょうか。」
宮代火澄:ずるい人だ。
宮代火澄:からかうなんて言っておいて。『いいですよ』だなんて言い方。
宮代火澄:『そうしたい』と言われれば、簡単に断れるのに。
宮代火澄:……それもわかった上でやってるんだろうな。
柏夕陽:「火澄くん。」
柏夕陽:思考に沈んだ隙を衝くように、
宮代火澄:「っ、なに?」
柏夕陽:口の端に唇を重ねる。
宮代火澄:「……!」
柏夕陽:「ん、食べかす。」
柏夕陽:「………ポテト、食べました?」
宮代火澄:「……残しとくって、言ったでしょ」
柏夕陽:「それなら安心ですね。」
宮代火澄:「ほら、早く行かないと。此江のおなかと理性が限界だよ」
柏夕陽:「そうだった!料理も追加しないと~」
柏夕陽:「”バチスカーフ”のみんなもりもり食べるから、」
柏夕陽:「作る方も腕が鳴ります!」
柏夕陽:完全にいつもの通りの柏夕陽だ。
宮代火澄:「……」
宮代火澄:夕陽のわずか後ろを歩きながら。
宮代火澄:(勘弁してくれ)
宮代火澄:こっちは、色々限界のところで繋いでるんだよ。
宮代火澄:自由とか、欲望の肯定とか。そういうこと言われるたびに、揺らされるだろ。
宮代火澄:(遠江……)
宮代火澄:戻ったら、どんな顔で話せば良いんだろう。
宮代火澄:妙な焦燥とか、変な罪悪感とか。
宮代火澄:酒は一滴も飲んでいないのに、脳がグラグラと揺れた。
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
柏夕陽:ロイス取得は保留しておこうかな~
GM:OK!
───────
GM:その八日後、FHセル”バチスカーフ”は、帆毬市UGN猟兵部隊”ソナープロット”に襲撃された。
GM:死者17名、捕縛者2名、行方不明者5名。
GM:彼らの探す楽園は、どこかに存在するのだろうか?
───────
GM:トレーラーを提示します。
■トレーラー
S県港湾都市、帆毬市。8月の蒸し暑い夏の夜。
あらゆる要因が帆毬市海洋深掘セル“バチスカーフ”を壊滅させた。
セルリーダー“ニライ”遠江・A・匸華は消息を絶ち、主力構成員は潰走。
残党となった最後の四人さえもUGN帆毬支部に補足・追跡されつつある。
FHという魚群が欲望によって遊泳する限り、彼らは喰らい合う結末にある。
故にこそ、“バチスカーフ”は自ら捕食者へと転じる切り札を求める。
目標は、かつて対人追跡捕縛の名手であった“マスターハウル”が構築した「網」と呼ばれる存在。
――識別コード“オッタ―トロール”。
その所在を握れば、あるいは“バチスカーフ”の浮上すらも可能だろう。
夢見た理想郷はもはや亡く、流れ着いたのは壊れた希望だけ。
復讐を誓う者、打算する者、愛し合う者、身を潜める者。
深海に沈む泡雪のように、彼らの思惑は重なり合う。
情報兌換セル“ホテル・セルヴォワ”。
UGN帆毬支部猟兵カテゴリ“ソナープロット”。
そして、海洋深掘セル“バチスカーフ”。
交わる航路の先、迷う魚は海を見るか。
ダブルクロス。それは行き場を亡くした楽園の墓標。
Opening01:此江・A・匸華/赤い海
GM:この卓ではシーン数の増大が予想されるため、ハウスルールとして
GM:登場浸蝕を一律1d3+3に固定しています。
GM:それでは此江さん!記念すべき初登場浸蝕をどうぞ!
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(36 → 42)
GM:OK!
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GM:S県帆毬市 8/08 PM22:34
GM:”バチスカーフ”アジト 廃水族館
GM:八月の蒸し暑い夜だった。常日頃と変わらない、”バチスカーフ”の日常。
GM:研究船には灯りが灯っているし、居住船のスタッフたちも寝るにはまだ少し早い時間かもしれない。
GM:きみは今、セルの中で何をしているだろうか。
此江・A・匸華:かつて廃水族館だった此処には、その名残とも言える備品が数多くある。
此江・A・匸華:その一つが、生物展示用の大小様々な水槽である。勿論、飼育に必要な機材も色々と。
此江・A・匸華:こぽこぽ──と部屋に響く断続的な水音。エアレーションの放つ低く唸るような機械音。
此江・A・匸華:そこで一人、上機嫌にガラスを叩いて独り言を呟く。
此江・A・匸華:「はーい、今日のご飯の時間だよ~」
此江・A・匸華:帆毬近海以外にも、調査に出た海で連れ帰ってきた魚たちが数十匹。色とりどりの影が我先にと水面に近寄っていく。
此江・A・匸華:ぱらぱらと水面に餌を振り撒きながら、明日の調査の行程を考えたりして。
GM:こうした機材は、元々水族館に装備されていたものに加え、”ニライ”が手配したものも多い。
GM:きみが頼むまでもなく、連れ帰ってきた魚を彼女が見た……その翌日には既にセル内に配備されていた。
此江・A・匸華:"非常食を連れ帰ってきた"なんて茶化されたりしたものの、こうして集めた魚たちの世話は欠かさず行っている。
此江・A・匸華:心安らぐ趣味の一つだ。普段誰かと過ごすのも楽しいけれど、こうして一人で過ごす時間もまた、何にも代えがたい。
此江・A・匸華:「明日はもう少しポイントを北北東にズラしてー……確かあの辺りは少し落ち込んでるところがあるから……」
此江・A・匸華:この時間、一人でいるのにはもう一つ理由があった。
此江・A・匸華:此江は人並みよりも耳が良い。すなわち、聴こえたくないものまで聴いてしまう、ということでもある。
此江・A・匸華:──居住空間にいれば、厭でも耳に入ってしまう。特に、隣接した部屋であれば尚更のこと。
此江・A・匸華:(……今日もやっぱり、一緒にいるのかな。出かけるって話もなかったし、多分そうだよね)
此江・A・匸華:餌やりを終えても、空虚に宙に浮いたままだった腕をだらん、と落とす。
此江・A・匸華:「……はぁ、ほんと。厭になっちゃうな」
此江・A・匸華:分かっていても、どこか浅ましく諦めきれない自分の想いが。大好きな人達のことだから、余計に。
此江・A・匸華:水面に浮き上がる気泡を何をするでもなくぼんやりと見つめ続ける。
此江・A・匸華:(……寝袋、ここに持ち込むのもありかもなあ。でも、変に思われちゃうか──)
此江・A・匸華:そんな答えのない思考の渦にぐるぐると入り込んでいた。
此江・A・匸華:……だからこそ、少しばかり。否、ある意味"致命的"に。
此江・A・匸華:気付くのが、遅れたのだとも言える。
GM:水槽が揺れた。気泡が乱れる。
GM:微かな、だがきみにとっては容易に感知できる異変だ。
GM:そして、居住船の外部――港湾の沿岸部から銃声。二発。
此江・A・匸華:最初の揺れは、地震かと身構えた。次の耳を劈くような音が、その認識に"否"だと答えた。
GM:セルスタッフが歩哨を行っていた場所だと認識していてもいい。
GM:それはひどく静かに始まっていた。
此江・A・匸華:気付いたその瞬間には、部屋を飛び出していた。
此江・A・匸華:視界の乏しい深海ですら行動を可能にする音の反射による偏差把握は、その銃声が如何なる位置で放たれたものかも理解している。
此江・A・匸華:迅速に、しかし息を殺し。壁を背に付け状況を確認する。
GM:複数のモーターサーボが駆動する音。静粛に、しかし迅速にこちらを包囲しつつある。
此江・A・匸華:(ッ、囲まれてる──1,2……いや、数えきれない!)
GM:”かなえ”による通信やアラートは、なぜか未だに実行されていない。きみが目視で状況を確認するしかないように思われた。
此江・A・匸華:「かなえ、応答して! かなえ!」 押し殺した声で呼び掛けるも、何故か一切の応答がない。
此江・A・匸華:「どうして……!」
此江・A・匸華:焦りながらも、恐怖を上回る使命感に駆られるように事の起こった場所へと走る。
GM:アジトの沿岸部は、通常ならば人の立ち入らない場所だ。行政により、禁止渡航地域に指定されている。
GM:だが、それらはその場所にひしめいていた。
此江・A・匸華:通信端末を起動。"ニライ"、"スクナ"、"ウロヒメ"、”ダモクレス”──誰にも応答がない。通信が何らかの妨害を受けているのは明らかだった。
ドローン:スウォーム:『じ じじ』
此江・A・匸華:(誰も気付いてないはずはない、みんな必ず動いているはず……)
ドローン:スウォーム:暗がりに潜んでいた、機械の瞳が一斉にきみを見る。
此江・A・匸華:伝える方法がなくとも、その信頼だけは確かなものだった。だから、単身その場に向かうのも怖くはなかった。
此江・A・匸華:──その瞳の群れに射竦められるまでは。
此江・A・匸華:「────ッ!」
ドローン:スウォーム:……足元には、二人の歩哨が首を横に曲げて倒れ伏している。
ドローン:スウォーム:脳幹挫傷。リザレクトを封じられ、即死していることが理解できる。
ドローン:スウォーム:通常兵器ではありえない――オーヴァードによる狙撃だ。
此江・A・匸華:生ぬるい風が吹いた。足に纏わり付いた布を拾い上げ目を凝らせば、それは色鮮やかなザラリとした生地。
GM:応戦してもいい。”カグラ”ならば、その群れを容易に突破できるだろう。
此江・A・匸華:ハイビスカスが描かれたアロハシャツ。メンバーの一人が好んで着ていたものだ──その端は、血のような液体に濡れている。
此江・A・匸華:引き千切られたような布切れ、倒れ臥した人影。彼らに何が起きたのか、心音を確認するまでもない。
此江・A・匸華:(立ち止まれない──みんなと合流しなきゃ、知らせなきゃ!)
此江・A・匸華:月のない夜に沈む真白い結髪を掴む。その先端を捩じ切るように引き千切り、真っ直ぐに腕を構えた。
此江・A・匸華:「そこ、どいてっ!」
ドローン:スウォーム:『――ざじっ』
ドローン:スウォーム:群れが一斉に飛来する。捕脚を展開し、きみの身体を刈り取ろうとする。が。
此江・A・匸華:圧縮した空気が爆ぜるような破裂音と共に、女の"髪"が四方へ放たれる。
此江・A・匸華:高圧により弾丸の如き硬度となった其れは、命中した瞬間散弾のように炸裂する。
ドローン:スウォーム:が ぎゃぎん!
ドローン:スウォーム:群れの一部が、風穴が空いたように穿たれる。
ドローン:スウォーム:きみの敵ではない。躊躇なくそこをすり抜けることができる。だが――
此江・A・匸華:次弾装填。指の間で"弾"を造り出しながら、群れの向こうへと駆け抜けようとした。
GM:『――アー、こちら』
GM:上空から、声。
GM:『帆毬市UGN猟兵部隊、ソナープロット』
此江・A・匸華:「な──UGN……っ?!」
”ダム・ダム”:『爆撃手、”ダム・ダム”』
”ダム・ダム”:『UGN交戦規定76条に基づき、重大な危険物資の所有を確認』
”ダム・ダム”:『投降確認を省略し、これより殲滅に入る。以上』
”ダム・ダム”:『くたばれ、イカれた妄想野郎どもが……』
”ダム・ダム”:その言葉を最後に、空が燃えた。
”ダム・ダム”:爆撃だ。化学兵器によるものではない。
此江・A・匸華:(危険物資って何……? ううん、それより今は……!)
”ダム・ダム”:光が地面に到達し、その瞬間に熱量が炸裂する。
此江・A・匸華:「────っ!」
GM:ず どどどどどどどどどどどどどっ!
此江・A・匸華:身を隠す場所がないことを、瞬時に判断する。
此江・A・匸華:中央が穿たれ行動不能となったドローンの一つを掴み、その下に滑り込む。
此江・A・匸華:息を止めなければ、周囲を焼き焦がす熱に喉まで焼かれてしまいそうだった。
”ダム・ダム”:『往生際が悪ィ!こっちに弾切れがあると思うなよ!』
”ダム・ダム”:その言葉通り、無限とも思える熱量が、直接”バチスカーフ”全体に投射されている。爆音。悲鳴。
此江・A・匸華:言葉と同時、ドローンを押し退けて走り出す。視界の端に、ぴくりとも動かない手を捉えて──涙を堪えるように振り切って。
此江・A・匸華:「やめて、やめてったら!!!」
此江・A・匸華:「あんた達が何を知ってるのかしらないけど、こんな惨いこと……許さないんだから!!!」
此江・A・匸華:熱波が喉を焼く。掠れた声が虚しく響く。
GM:きみの射程圏内ではない。……他のセルメンバーは、無事だろうか?
此江・A・匸華:確認する術は、目視以外存在しない。向かうしか方法はない。
此江・A・匸華:(地上は駄目──このままじゃ一方的に狙われる。それなら、海中から戻る?)
此江・A・匸華:進行方向を海へと向けた。拠点には海中から侵入できる箇所がある。そこからなら、"ダム・ダム"とやらの狙撃を避けて合流できるはずだ。
此江・A・匸華:(無事でいて、みんな……!)
GM:ドックはセル内の搬入通路にも繋がっている。爆撃の射程は、海中には及んでいないように見えた。
”ダム・ダム”:『クソ!判断が早ェな……一人逃がした!』
”ダム・ダム”:『”ハリファックス”! 応戦しろ、たぶん能力的に”カグラ”だ!』
此江・A・匸華:(こっちの能力まで把握されてるの……?!)
”ダム・ダム”:叫びながら、アジトに爆撃を撃ち込み続ける。その姿は上空の雲に紛れ見えない。
此江・A・匸華:(それに今、一人って……ううん、そんなはずない!)
此江・A・匸華:爆撃を避けて海中を通り、拠点に帰投する。いたるところが燃えている。
此江・A・匸華:「……っ、みんな! 返事して!」
GM:銃声。悲鳴。銃声。悲鳴。
GM:”ハイペリオン”が倒れ伏している。”ウォルナット”がその体に縋りついている。上半身だけを残して。
”ギリー”:「っづ、ああ……クソ!”カグラ”か!」
”ギリー”:機械の群れの中、瓦礫に身を隠した”ギリ―”が吠えた。
此江・A・匸華:「っ、伏せて!」
ドローン:スウォーム:ぎゃ ぎゃぎゃぎゃぎゃ!!
此江・A・匸華:移動中に装填していた髪弾を放ち、ギリーの周囲のドローンに集中砲火する。
ドローン:スウォーム:銃撃。きみと、”ギリ―”の周囲を狙っていたが、速やかに排除される。
此江・A・匸華:「ギリー、大丈夫?! みんなは……?!」
”ギリー”:「悪ィ、助かった……!」
”ギリー”:「みんな……ああ」自嘲気味に笑う。
此江・A・匸華:ギリーの出血した肩口を強く掌で圧迫しながら問いかける。
”ギリー”:「”かなえ”が……ダウンしてやがる。そのせいで警備ドクトリンが働いてねえ」
”ギリー”:「クソッ、明らかにこっちの手口を知ってる奴の仕業だ……ふざけやがってよォ」
此江・A・匸華:「やっぱり、道理で通信が繋がらなくて……」
”ギリー”:「今は”ドック・バル”が”かなえ”を復旧させに行ってる。だが、恐らく襲撃を知らねェやつらは……」
”ギリー”:「……なあ」
”ギリー”:「逃げろ、”カグラ”」
”ギリー”:「あたしはちょっと、取りに帰らねェといけないモンがあンだよ」笑う。
此江・A・匸華:「あたしも行く!」
”ギリー”:「ヒメがこんな日にいないなんて、運がなかったな……あん?」
此江・A・匸華:「だって、こんなところで一人にできるわけない!」
”ギリー”:「バァ~カ。二手に分かれた方が生存確率が上がンだろ」
此江・A・匸華:「っ、でも……!」
”ギリー”:「大丈夫。こんなことで終わるワケがねェ」
”ギリー”:「”ニライ”がいる……そうだろ?」
”ギリー”:肩を抱き締める。
此江・A・匸華:「……っ、当たり前でしょ!」
”ギリー”:「良い子だ。……合図をしたら行くぞ。1,2,3だ」
此江・A・匸華:("ニライ"は……お姉ちゃんは、あたし達の旗印。最高に格好良くて、強い人なんだから)
GM:が ぎぎぎぎぎぎ
此江・A・匸華:(こんな、UGNの襲撃一つで終わるわけない。そうでしょ?)
GM:隔壁が唸っている。異常な出力でこじ開けられようとしているのだ。
”ギリー”:「……やべえのが来たな。走るぞ」
”ギリー”:「1」
”ギリー”:「2」
此江・A・匸華:(今もどこかで、反撃の体勢を整えてるはず──そこに合流すれば、きっと)
此江・A・匸華:「絶対、また会おうね────」 3,と呟こうとした。
”ギリー”:「――なんてな」
”ギリー”:どん、ときみの背中を突き放す。
此江・A・匸華:「っ、え」
”ギリー”:同時に、飛来してきた処刑刀からきみを庇っている。
”ギリー”:「あ”っ、ぐ、ぞっ、野郎」
”ギリー”:「い”っ……て、ェ”……」
此江・A・匸華:「っ、うそ──やだ、やだ……ッ!」
”ギリー”:「だい……大丈夫だ……」
”ギリー”:「オーヴァードは……こんな、ごぼっ、傷じゃ……」
此江・A・匸華:「でも、血が止まらない……止まってない……やだ、イヤッ、死なないで……!」
”ギリー”:「……さっき、嘘ついちまった。大切なもん……もう取って来てたんだ……」
”ギリー”:整備バックから、本を取り出し、握らせる。
”ギリー”:子供向けの海洋生物図鑑。
此江・A・匸華:「っ、虚姫、さんの……」
此江・A・匸華:震える声と腕で握る。胸に掻き抱く。
”ギリー”:「頼むよ。あの子は……あたしら……”バチスカーフ”のやつらとは……」
”ギリー”:「今まで……ごめ……自由に……」
”ギリー”:「ヒメ……」
”ギリー”:「会いに来てくれたのか……?」
”ギリー”:腕から力が抜ける。
此江・A・匸華:「──────ッッッ!!!」
GM:――が ぐしゃん!!!!
”13./£”:隔壁を、黒鉄の巨体が引き裂いた。
”13./£”:既に腕部の射出口に、”ギリー”を刺し貫いたものと同じ処刑刀を装填している。
此江・A・匸華:見上げるような巨躯。今までのドローンとは格が違うと一目で分かる威圧感を放っている。
”13./£”:『……別れは済んだか?』
此江・A・匸華:「っ、ふざけ……ないで……!」
”13./£”:『……泣くな。誰にでも、弔葬の鐘は鳴る。いつかは私にも、君にも、同じ時が来る……』
此江・A・匸華:見開かれた目は怒りに燃えている。恐怖は押し流され、義憤が胸を突き動かす。
”13./£”:陰鬱な響きを伴い、黒い義体が青く発光する目で――ゆっくりと、手を動かす。
”13./£”:『”ニライ”は死んだ。きみには投降権が与えられている』
此江・A・匸華:浮かんだ泪を、図鑑を汚さないように手の甲で拭い取り腕を構えた──が。
”13./£”:『18歳未満の……情操教育が十分でないものには、そうする権利がある』
此江・A・匸華:(…………いま、なんて?)
此江・A・匸華:(……"ニライ"が、死んだ? そんなはずない──お姉ちゃんが、死ぬはずがない)
此江・A・匸華:「…………っ、そんなの、信じるはずないでしょ」
”13./£”:『繰り返す。”ニライ”は我々の義体の内三機を完全損壊に陥れ、その後侵蝕限界によって海中に沈んだ』
此江・A・匸華:「何度言ったって一緒よ!!!」 だん、と地面を脚が叩く。
此江・A・匸華:「"ニライ"が……お姉ちゃんが、あんた達なんかにやられるはずないッ!!!」
”13./£”:『三度熱傷。右腕欠損。物理的な急性内臓不全……ああ、これもまた、そうだ』処刑刀を展開する。
”13./£”:樹木のような端末が展開し、液体を分泌する――刀に即座にまとわりつく。
”13./£”:『投降の意志なしと判断』
”13./£”:『”ソナープロット”弔葬手、”13./£”。交戦する』
”13./£”:凄まじい速度で、処刑刀を射出する。
此江・A・匸華:(……こいつを倒して、"スクナ"と"ダモクレス"と合流する)
此江・A・匸華:(それから、"ニライ"に指示を仰ぐんだ。大丈夫──お姉ちゃんが、死んだりするものか)
此江・A・匸華:(今も絶対、どこかで戦ってる。そして、あたし達に反撃の道を示してくれる……)
此江・A・匸華:「ッ、あぁぁああああ!!!」
此江・A・匸華:裂帛と共に、充填した髪弾を一点集中砲火。この一撃を以て、隙を作る。
此江・A・匸華:(あたし達の夢は終わったりしない。そうでしょ、お姉ちゃん────)
”13./£”:処刑刀の軌道が変わる。背後に着弾。その隙を縫って、距離を詰めることができる。
”13./£”:既に右腕を変形させていた。糸鋸やギロチンに近い形状の裁断機。
”13./£”:樹木のような端末に覆われ、液体を滴らせている。
此江・A・匸華:立て続けに連弾。先程より重い髪弾を一撃、二撃と関節部に捩じ込むように食らわせる。
”13./£”:わずかに右腕の駆動が鈍る。一瞬の隙。
此江・A・匸華:真上に次弾を放ちながら巨躯の足元を滑り抜け、背後へと駆け抜ける。
”13./£”:『やる』上半身だけが背後に回転する。刀を手元に射出し、そのまま逆手に振り下ろす。
GM:が ちん!!
此江・A・匸華:「っ!!!」 結髪の片方が中腹から断ち切られ、ぼとりと地面に落ちる。
”13./£”:『……探索エージェントがこの練度か。やはり”バチスカーフ”を正面から攻略するのは困難だな』
”13./£”:欠損した刃を捨てる。
”ダム・ダム”:『――そっちはもう良い、”ハリファックス”。”ニライ”もくたばったしな』
”ダム・ダム”:『セルの設備も破壊した。撤退だ』
”ダム・ダム”:『人殺しがしたいわけじゃねえ。オレだって、テメエだってそうだろ』
此江・A・匸華:絶望的な通信内容が耳に届く。ぎり、と歯噛みする。
”13./£”:『……贖罪にもならん台詞だな。だが、その通りだ』通信に、笑う。
此江・A・匸華:「ふざけ、ないで……これだけのことして、"人殺しがしたいわけじゃない"……?」
”13./£”:『……』
”13./£”:『……”バチスカーフ”。きみたちは』
”13./£”:『危険すぎる』
此江・A・匸華:燃えるような憎悪が胸の内よりどろどろと湧き出る。血走った眼が”13./£”を睨め付ける。
此江・A・匸華:「そうだったとしても」
此江・A・匸華:「あんた達が好き勝手壊していいわけじゃない」
”13./£”:『……次に会敵することがあれば、全力できみを排除する』
”13./£”:『一つの景色しか知らないものは、皆そう言う』
”13./£”:『きみは外の世界を知っているのか?』
此江・A・匸華:「その景色を見せる前に殺しておいて、良く言えたものね」 吐き捨てるように呟く。
”13./£”:その言葉と共に、全身から黒い煙――炭が噴出する。
此江・A・匸華:「理由が何であれ──あんた達はあたしの"家族"を傷付けた」
此江・A・匸華:「…………絶対。絶ッ対に、ゆるさない……!!!」
”13./£”:『……語る言葉はない。私たちは、敵同士だ……』
”13./£”:声が去っていく。
GM:……残されたのは燃える瓦礫、そして……”ギリー”の死体だけだ。
此江・A・匸華:ぐらぐらと煮詰まった憎しみが声の形を成す。消えていく姿を、目に焼け付けるように睨み続ける。
GM:”ニライ”は死んだのだという。きみたちの竜骨は折れ、一つの季節が終わろうとしている。
GM:あるいは、これから……長い長い夏が、始まろうとしているのか。
此江・A・匸華:……そうして、完全に機体の姿が消えて。ふらふらとした足取りが、女の傍に向いて──膝が折れる。ぺたん、と床にしゃがみ込む。
此江・A・匸華:滲む視界。暗い海が燃えている。日常の壊れた色がそこにある。
此江・A・匸華:「ギリー……ねえ、あたし達、これから……」
此江・A・匸華:亡骸に問い掛けようとする声も、嗚咽で途切れて。
此江・A・匸華:泣きじゃくりながら、抱き締めた図鑑だけがひどく綺麗なまま、胸の内にあった。
───────
GM:HOを提示します。
●PC2:”カグラ”此江・A・匸華(PL:いーさにうむ)
【キャラシート】:(http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYqP2BkAUM)
・シナリオロイス:“13./£”(ハリファックス)
人が人に対して向ける感情はけして一つではなく、物事には多面性が付き纏う。
特に相手があなたの姉――遠江・A・匸華ならば、猶更のことだった。
彼女はあなたが想いを向けていた“バチスカーフ”の「新人」と恋仲にある。
だが、もはや自らの御しきれぬ感情の激流に思い悩む必要もない。
彼女は死んだ。
帆毬市UGN猟兵部隊、“ソナープロット”所属――“13./£”と交戦した後、姿を消したのだ。
彼らの執拗な追撃により、遂に“バチスカーフ”という船は沈みつつある。
姉の復讐を果たすべきか。船を見捨て、新天地を探すべきか。
もしくは――あなたが愛する者と共に、最期まで沈むべきか。
あらゆる物事には、常に多面性が付き纏う。
ならばどのような航路が待ち受けようとも、結局のところあなたが選択するより他に道はない。
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
此江・A・匸華:“13./£” 執着/◯憎悪 で取得します。
GM:OK!
Opening02:”虚姫”/おしろはいつもはりぼてで
GM:PC2のオープニングです。登場浸蝕1d3+3をどうぞ。
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(33 → 39)
GM:高まっている!
───────
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:空の杯へと水が落ちる
”虚姫”:私は少し離れた場所で
”虚姫”:何をするでもなく ただ黙って それを見つめている
”虚姫”:動けない という訳ではないのだろうけど
”虚姫”:何故か 動きたいとは思えなかった
”虚姫”:一滴
”虚姫”:また一滴と 水が溜まっていく───
GM:S県 帆毬市郊外 8/08 22:19
GM:きみにとっては、簡単な任務だった。
GM:郊外に隠匿した資材を盗難しようと企む、スカベンジャー系のセル――”ネクラファジー”。
GM:彼らを、死なない程度に追い払ってやれば良い。”ニライ”と並んで恐れられるきみの力なら、造作もないことだ。
”ネクラファジー”:「おい、嘘だろ!? ”虚姫”が来るなんて……」
”ネクラファジー”:「聞いてねえよ!おいっ、どうする!?」
”ネクラファジー”:「……こうなったら、この場を突破する。どうせ死ぬなら……」
”虚姫”:手袋を引っ張りながら、ぐっぱぐっぱと手を動かす
”ネクラファジー”:「いちかばちか、強い奴と戦ってみるのも悪くないかもな」
”虚姫”:そして、その手を前に出し
”ネクラファジー”:集団の中の一人が、前に出る。恐らくは最も腕の立つ者だろう。
”虚姫”:CLAP
”ネクラファジー”:逆手に構えたククリナイフに紋章が浮き上がり、その足が二重に動れようと――
”虚姫”:───君達の意志など、最初から気にしてなどいない
”虚姫”:微笑を湛えたまま。交差した親指と人差し指が、心臓の形を摸す。
”虚姫”:”指を鳴らしたのだ”と認識した時には、既に
”虚姫”:三半規管 内蔵 脳を直接揺さぶられたような衝撃で、地面に倒れ伏している
”ネクラファジー”:「ぐぶ、ぼ」動けない。「ぇ」何が起こった?
”ネクラファジー”:ハヌマーン系統の能力だ、と判断したときには、もはや正常な思考が取れる状態ではない。
”虚姫”:「ここ」
”ネクラファジー”:その場がしんと静まり返る。生殺与奪は完全に握られた。
”虚姫”:「退いてくれるかな?」
”ネクラファジー”:「……は」
”ネクラファジー”:「はいィ~~~~ッ!!!すみませんでしたッ!!」
”ネクラファジー”:「オラ行くぞ!吐いてる場合じゃねえって!」
”ネクラファジー”:「だから言ったんだよ!”バチスカーフ”から盗むなんて無茶だってさぁ……!」
”ネクラファジー”:浮浪者のような風体と同じく、逃げ足も早い。あっという間に退散していった。
”ネクラファジー”:最後に……東南アジア系らしい子供が、ちらりと振り返り
”ネクラファジー”:きみに頭を下げ、足早に去っていく。
”虚姫”:「………」
”虚姫”:それを、ただ黙って見つめて
”虚姫”:人影が完全に消え失せた後、ようやく
”虚姫”:「 ~~~~………ッ…」
”虚姫”:両手を組んで腕を伸ばし、首を数回左右に振った後、一気に脱力する。
”虚姫”:別に疲労がある訳ではない
”虚姫”:だが、”みんなの役に立った”という事実が、その足取りを軽くする
”虚姫”:「さ、帰ろ帰ろ」
GM:―― じ じじ
GM:きみの端末が震え始める。
”虚姫”:後ろ手を組み、鼻歌を奏でながら、ツカツカとその場を後にしようと───
”虚姫”:「?」
GM:傍受されにくい緊急回線でのコールだ。
”虚姫”:端末を手に取る。画面は確認しない。
”虚姫”:すぐさまそのコールに応じる
”虚姫”:「はい、”虚姫”」
"かなえ":『―― か なえ ―― こちら、 かな え』
"かなえ":『虚――め――ん、ですか』
"かなえ":爆音とノイズが交互に入り混じっている。
”虚姫”:「かなちゃん?聞こえてるよ。そっちは聞こえてるのかな。何かあったの?」
”虚姫”:「───」
”虚姫”:「かなちゃん?」
"かなえ":ばち、と言う音があり。ようやく回線が復旧したのか、通話が明瞭に聞こえ始める。
”虚姫”:無意識に、足早になる
"かなえ":『”かなえ”から”虚姫”に通達。結論から申し上げます』
"かなえ":『”バチスカーフ”には帰投しないで下さい』
"かなえ":『帆毬市UGN猟兵部隊”ソナープロット”が、アジトを襲撃しました』
”虚姫”:───予想だにしない通達に、足が止まる。それと連動するように思考も
”虚姫”:「襲撃……って…」
"かなえ":『今は”ドック・バル”が回線を何とか繋いでいる状態です。ですが、あと一時間保たないでしょう』
"かなえ":『KIA(戦死者)名簿は”ニライ”の指示により”虚姫”には伏せられています』
”虚姫”:「帰投しないでって、どういうこと?私は主砲なんだから、私が帰らなきゃ」
”虚姫”:「私が役に立たなきゃ」
”虚姫”:一滴
"かなえ":『現在戦局は既に決しており』
”虚姫”:「私が」
"かなえ":『UGNは既に撤退体勢に移行しています』
”虚姫”:「………」
”虚姫”:一滴
”虚姫”:「どうして」
”虚姫”:「どうして、今なの……?」
"かなえ":『……不明です』
"かなえ":『現時点で最もセルの生存確率を上昇させる選択肢としては』
"かなえ":『”虚姫”が生存者に合流することです。よって、帰投は指示しません』
”虚姫”:「────嫌だよ…」
”虚姫”:喋りながら、思考がまとまっていないのが分かった。熱にうだされた頭が、そのまま舌を動かしている
”虚姫”:「生存者は、居るんでしょ…?」
"かなえ":『……存在します』
”虚姫”:「なら、役に立たなきゃ…」
”虚姫”:「……………」
”虚姫”:思考がまとまっていない。熱にうだされた頭が、そのまま舌を動かしている。
”虚姫”:「…何人、なの?」
"かなえ":『……お答えできません』
"かなえ":『少なくとも、合流するまでは』
"かなえ":『”虚姫”の精神的安定を考慮しての処置です。ご理解下さい』
”虚姫”:だから、聞かなくていい事まで聞いてしまう。言わなくていい事まで言ってしまう。
”虚姫”:「……かなちゃん」
”虚姫”:「……”お願い”」
"かなえ":『!』
"かなえ":『…………』
"かなえ":『プロトコルを一部迂回。権限人格の移動を確認』
"かなえ":『KIA、及び生存者名簿を開示します』しばしの間があって。
"かなえ":『”ブラスケーン”。狙撃手”リムショット”による脳幹挫傷により、リザレクト不能に陥り即死。 ”ウォルナット”。通信盤を復旧させるも、爆撃による瓦礫に圧迫され死亡。 ”タイダイ”。”ウォルナット”を護衛するも、爆撃により意識不明に。捕縛される。 ”スパロウエッジ”。弔葬手”13./£”と交戦、断頭される。即死。 ”ハイペリオン”。爆撃手”ダム・ダム”との射撃戦の末、重度熱傷で死亡。 ”フルベイク”。”ハイペリオン”のカバーリングにより、侵蝕負荷で死亡。 ”ギリー”。居住船通路で敵ドローンと交戦、部屋の前で死亡。 ”エチカ”。研究船試料保存槽で敵ドローンと交戦、死亡。 ”三条青”。二番ドックで船を守り敵ドローンと交戦、死亡。 ”ドック・バル”。”かなえ”通信復旧、及びA種潜航艤装を設置後、自爆シーケンスを実行。即死…………』
GM:一名、一名、読み上げられていく。
”虚姫”:「──────」
”虚姫”:一滴
”虚姫”:「───」
”虚姫”:一滴
”虚姫”:「 」
”虚姫”:一滴
"かなえ":『――”ニライ”』
"かなえ":『”ソナープロット”と交戦、撃退するも、”13./£”と接触後行方不明。』
”虚姫”:目から溢れた雫が頬を伝った。
”虚姫”:
"かなえ":『以上十九名、戦死者、捕縛者、及び暫定行方不明者』
”虚姫”:……昔から、よく見る夢があった。
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:空の杯へと水が落ちる
”虚姫”:私は少し離れた場所で
”虚姫”:何をするでもなく ただ黙って それを見つめている
”虚姫”:そして 決まって
”虚姫”:水が満ちる前に 杯が砕け
”虚姫”:地に落ちた水が渇いて消えて 新しく空の杯が目の前に現れるのだ。
”虚姫”:
"かなえ":『……生存者は!』
"かなえ":ノイズが入る。声が、大きくなったように聞こえる。
"かなえ":『”カグラ”、”ダモクレス”、そして、”スクナ”』
"かなえ":『まだ、存在します』
"かなえ":『これは感情や情動の話ではなく、定義の話です』
"かなえ":『人間は生存する限り、可能性を模索する義務があると私は”バチスカーフ”から学習しました』
"かなえ":『私たちは何も終わってはいません。存在し、生存し、探求し、闘争します』
”虚姫”:「───うん。ありがと、かなちゃん」しばらく黙っていたが、徐に口を開く
”虚姫”:「元気づけようとしてくれてるんだよね?私なら大丈夫だから」
"かなえ":『……』
”虚姫”:堰き止められたように止まった涙が、海風と共に乾いていく
”虚姫”:「それで」
”虚姫”:「私はこれから、何をすればいいの?」
"かなえ":『……これから、運が良ければ……規定のポイントに生存者を載せた”私”が到着します』
"かなえ":『”虚姫”はまず、当該ポイントに到達することを要請します。座標は後程送信します』
"かなえ":『そして、もう一点』
”虚姫”:「うん」
"かなえ":『……恐らく、お気付きかと思われますが』
"かなえ":『警備体制が外部に流出していた可能性が非常に高いです』
”虚姫”:「……うん」
"かなえ":『ですが、我々にはその”内通者”を発見し、処断する――その余力すらありません』
"かなえ":『こういった場合、最も生存確率が高い手段は、潜伏。そして状況を転覆する手段を模索することです』
"かなえ":『生存者の中に内通者が存在する場合、考えようによっては常に”いる”と把握した状態で監視の目を向けられることに繋がります』
”虚姫”:「………」ため息を吐く
”虚姫”:「好きな人を疑いたくなんてない けど」
”虚姫”:「やらなくちゃいけないんだよね」
"かなえ":『それが』
"かなえ":『”好きな人”――”バチスカーフ”を守ることに繋がる可能性は、極めて高いです』
"かなえ":『”虚姫”だけはこのセルを裏切りません』
”虚姫”:「うん」
"かなえ":それはあるいは、祈りのような震えを伴っていたかもしれない。
”虚姫”:「私はそんな事しないよ」
"かなえ":『……』
”虚姫”:「みんなの事が大好きだから。」
”虚姫”:「だから、動くよ。”バチスカーフ”のために」
"かなえ":『”オッタートロール”』
"かなえ":『”ニライ”は、7/31にそのレネゲイドアイテムを採掘し』
"かなえ":『今日まで、それを解析していました』
GM:”オッタートロール”。”マスターハウル”と呼ばれる、帆毬市を支配していたエージェントーーその遺物の内の一つ。
GM:きみはその存在を知っていただろうか?
”虚姫”:「……名前は、聴いたことあるけど」
”虚姫”:「具体的にどういうアイテムなんだろう」
"かなえ":『”ニライ”は緘口令を敷いていましたが、私の独断で開示します』
"かなえ":『……と言っても、解析から8日しか経っていませんので』
"かなえ":『判明していることは多くありません』
"かなえ":『ですが、それが”網”のような形を取っていること』
"かなえ":『そして、その中に捕らえられた者の記憶を消去できること。この二つは確かです』
"かなえ":『……仮にですが。”オッタ―トロール”を”バチスカーフ”が先に見つけ、手に入れたとしたら』
"かなえ":『強力な交渉材料になると推測します。あるいは、それ自体を用い……UGNの追跡を打破することも』
”虚姫”:「……うん……うん」
”虚姫”:「じゃあ、目下の目標…やるべき事は身を潜めながら”オッタートロール”を捜索する事」
"かなえ":『はい。”オッタ―トロール”の隠し場所は、”ニライ”にしか解りませんが』
"かなえ":『”存在する”という事実は、記録されています。今日までは”ニライ”の手の届く場所に保管されていたことも』
”虚姫”:「…でも遠江ちゃんは行方不明。残った私達で手がかりを探すしか…」
"かなえ":『……行方不明になる前に、重症が観測されていますが』
"かなえ":『現段階では、行方不明として記簿しています』
”虚姫”:「………」
”虚姫”:「…ううん、暗い考えはよくないね」
”虚姫”:「また”みんな”で、一緒にご飯食べよ?」
"かなえ":『…………』
"かなえ":『かしこまりました。”ダモクレス”に通達しておきます』
"かなえ":『では、座標を送信致します。帆毬湾水路、75の3番……』
”虚姫”:「うん、じゃあまたね。」
”虚姫”:「早めに着いて、待ってるからね。」
"かなえ":『ご無事をお祈りします』
"かなえ":『……”虚姫”』
”虚姫”:「? どうしたの?」
"かなえ":『存在意義を果たすというのは、重要なことです』
"かなえ":『ですが、貴女は……推測:私がそう在れなくなっても、私に厚意を向けるのでは?』
"かなえ":通信が切れる。
”虚姫”:「……?」
”虚姫”:「よく分からない事聞くなぁ、かなちゃん。」
”虚姫”:”虚姫”は”セルに属する者を愛す”という精神回路を植え付けられた、誰よりも前から”バチスカーフ”に在籍する戦略兵器である。
”虚姫”:「私がかなちゃんの事、嫌いになるはずないのに」
”虚姫”:だが、こうは思わないだろうか
”虚姫”:無尽蔵に増える”愛する者”を、彼女の心は全て、抱え込む事が出来るのか と
”虚姫”:───再び歩を進める。足取りは軽い
”虚姫”:彼女の心には、セーフティとも言える機能が存在する。
”虚姫”:───”みんなのために頑張れる”という事実が、その足取りを軽くする
”虚姫”:”杯”が満たされようとすると
”虚姫”:それが砕けて
”虚姫”:また虚”ゼロ”に戻る
”虚姫”:───”カグラ” ”ダモクレス” ”スクナ” ”かなえ” そして、保留中の”ニライ”
”虚姫”:再び生まれた杯は、”その時点での生存者”を以て、愛する者として再定義する。
”虚姫”:───”バチスカーフ”のみんな
”虚姫”:彼女にとっての”みんな”は、今はもう5人のみである。
”虚姫”:───”好きな人”のためなら
”虚姫”:「私は、なんだって出来るんだから。」
GM:一滴
GM:一滴
GM:器が砕けて、水が零れて
GM:砂のお城が壊れたとしても。
GM:はりぼてのおしろは、何回でも作り直すことができる。
───────
GM:PC3のHOを提示します。
●PC3:”虚姫”(PL:鳩麦)
【キャラシ―ト】:(https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYyYeKlAUM)
・シナリオロイス:“オッタートロール” もしくは 深掘補助対話知能『かなえ』
セル設立の当初から、“バチスカーフ”の主砲は紛れもなくあなたという存在だ。
先代セルリーダーが施した、”バチスカーフ”に対する帰属意識の精神偏差。
その改造による、異常なまでの広域破壊出力。
常に最強で在り続け、マスターエージェントとしての領域にすら届き得ると認められていた。
――だが、それらの栄誉や居場所はすべて失われた。
あなたが不在の期間を狙い澄ましたように、“バチスカーフ”は襲撃されている。
エージェントとしての理論か、直観か、あるいはその両方が告げる。
裏切者がいる。誰であれ対処し、セルの安全を確保する必要がある。
一方で、現状の“バチスカーフ”にはそのような余力が残されていないという事実もあなたは認識していた。
だからこそ、あなたはセルの装備――深掘補助対話知能『かなえ』と協議し、
一つのレネゲイドアイテムの存在に辿り着く。
“オッタートロール”。“マスターハウル”の遺物。
“ニライ”遠江匸華が解析していたそれを取り戻せば、あるいはUGNの執拗な追跡を受けている現状を打破する一手となるかも知れない。
迫り来る絶望と幽かな希望だけが、街と言う水槽の中に平等に残されている。
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
”虚姫”:”オッタートロール”:〇使命感/焦燥 で!
Opening03:柏夕陽/鍍金の銀剣
GM:続いては柏さんのOPです。登場浸蝕1d3+3をどうぞ。
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(28 → 32)
GM:OK!
───────
GM:S県帆毬市 8/08 PM11:18
GM:”バチスカーフ”アジト 研究船-居住船間隔壁通路
GM:散発的な銃声が続いている。
GM:恐らくは、”バチスカーフ”のメンバーが起動したAI制御の防衛システムだろう。
GM:内部通信は支配されているが、防衛システムのネットワーク自体はBluetooth通信のような独立形態で成立している。
GM:その中で一人、きみは研究船と居住船を繋ぐ通路に潜んでいた。海底に埋め込むように敷設されていたため、辛うじて爆撃を逃れ得ている。
柏夕陽:カツン カツ カツ
柏夕陽:靴音に固い鉄の音が混じる。
柏夕陽:手に持った傘を杖のようにして歩いているのだ。
柏夕陽:そのまま通路の外へ。
柏夕陽:待ち受けているのは──
GM:熱風が一気に頬を舐める。
ドローン:スウォーム:地獄のような炎の中で、蟲型のドローンの群れが一斉にきみを視認した。
柏夕陽:「うっ…」
柏夕陽:「ゆ、許してください……抵抗する気はありません……」
ドローン:ハウンド:更にそれに追随するように、機銃を搭載した四足歩行のドローンが砲塔を向ける。
柏夕陽:「足もやられて……」
柏夕陽:血塗れの足をさりげなく見せる。
柏夕陽:「そもそも私、戦えないんです…オペレーターで……」
ドローン:ハウンド:『ざ じじ……』
ドローン:ハウンド:『……』
ドローン:ハウンド:『――回線を切り替えた。僕はUGN帆毬支部、”ソナープロット”……管制官”ルーディメンツ26”』
ドローン:ハウンド:『投降の意思を確認した。このハウンドに付いて来い。歩けるか?』
ドローン:ハウンド:『緩衝地帯まで誘導する――』
柏夕陽:「はい……」カツン カツ カツ
柏夕陽:傘を杖代わりにしてハウンドに接近する。
ドローン:ハウンド:ドローン:ハウンドが誘導灯を照らし、背を向ける。
ドローン:スウォーム:同様に、蟲型のドローンも……包囲は保ったまま、その道を開ける。
柏夕陽:ハウンドの真後ろに付いたところで
柏夕陽:傘の取っ手を引く
柏夕陽:抜き放たれたのは仕込み刀。
柏夕陽:動力源と脊椎を損傷するようにそれをハウンドに突き刺す。
ドローン:ハウンド:辛うじて、砲塔を背後に回すことはできた。だが、それだけだ。
柏夕陽:返す刀で蟲型ドローンを数機斬り落とす。
ドローン:スウォーム:『ざ じっ――ぎゃりいっ』
柏夕陽:「”ソナープロット”管制官、”ルーディメンツ26”。」
ドローン:スウォーム:一閃。包囲が切り裂かれる。
柏夕陽:「対応から見て”ソナープロット”の作戦は非常に強硬。」
柏夕陽:「そしてこちらに対して多くの情報を握っている。」
ドローン:スウォーム:『……』
ドローン:スウォーム:両断されたまま、光る眼がきみを見据えている。
柏夕陽:「情報源は不明だが、」
柏夕陽:「情報の”ハブ”となっているのは作戦を統括する立場にある人間…例えば、」
柏夕陽:「管制官。」
柏夕陽:眼鏡を直す。
柏夕陽:「直接話を伺えればいいんですが。」
ドローン:スウォーム:『……投降すれば、捕虜規定に基づいた待遇を約束する』
ドローン:スウォーム:『その予定はないと認識していいんだな?』
柏夕陽:「互いに事情があるでしょう。」
柏夕陽:「あなた方も我々を殺す事情があり、」
柏夕陽:「我々も生きるに値する事情がある。虜囚の身以外で。」
ドローン:スウォーム:『……事情、か』
ドローン:スウォーム:『まるで他人事のようだな』
柏夕陽:「ええ、他人事です。」
柏夕陽:「私は所詮剣に過ぎない。」
柏夕陽:「それでも持ち主を傷つける剣は鈍ら以下だ。」
ドローン:スウォーム:『オペレーターというのは虚偽……いや、潜入技能か』
ドローン:スウォーム:『成程。鍍金ではないということだな。理解した』
ドローン:スウォーム:ゆらり
ドローン:スウォーム:更に後ろから、夥しい数のドローンが統制を保持して湧き上がる。
ドローン:スウォーム:『ならば僕たちはその決意を穿ってみせよう。”ルーディメンツ26”――掌握開始』
ドローン:スウォーム:隊列を組み、鉄蟲の群れが飛来する。先程の自立駆動よりも機敏な動作。
ドローン:スウォーム:互いが互いを援護できる距離を保っている。突破できるだろうか?
柏夕陽:「掌握?」
柏夕陽: キ ン
柏夕陽:金属音が、した。
ドローン:スウォーム:『――』
柏夕陽:数瞬遅れて、ドローンの群れの頭上から瓦礫が降り注ぐ。
ドローン:スウォーム:『質量。極めて優れた対応だ』
柏夕陽:「この巣を掌握してるのは我々です。」
柏夕陽:納刀。
ドローン:スウォーム:スウォームが押し潰され、ハウンドがその瓦礫を打ち砕く――一瞬の隙が出来る。
ドローン:スウォーム:『この戦術に対応できる機体は……こちらには存在しないな。応戦は端末の無駄か』
柏夕陽:すっかり積もった瓦礫の上を、傘を開いて歩く。
柏夕陽:まだ動こうとするハウンドの頭を踏みにじり、無力化した。
ドローン:スウォーム:『………良い読みだったが、”ダモクレス”。きみは、一つ………勘違いを、している……』
ドローン:ハウンド:『ハブは僕じゃない』
ドローン:ハウンド:通信が途絶える。
柏夕陽:「おや、正直ですね。」
柏夕陽:(では誰が?作戦指揮に関わる人間であることは確かだ。)
柏夕陽:(情報が足りない以上首を突っ込むべきではない。)
柏夕陽:(”バチスカーフ”が壊滅した以上は、)
柏夕陽:「元の鞘に収まりますか。」
”ホテル・セルヴォワ”:じ じじ
”ホテル・セルヴォワ”:きみの考えを見透かしたように、端末が作動する。
柏夕陽:「こちら”ダモクレス”」
柏夕陽:「”バチスカーフ”は壊滅しました。」
”ホテル・セルヴォワ”:『おっ、話が早いじゃん。んー?そっか。やっぱりかァ』
柏夕陽:「そちらの予定通りですか?」
”ホテル・セルヴォワ”:『”ソナープロット”……あいつら、帆毬市の治安を急激に改善したからな。主砲が居ない時に狙われたらそうもなるか』
”ホテル・セルヴォワ”:『別にィ? アタシはどっちが勝っても良かった』
”ホテル・セルヴォワ”:『ただ、まあ、今”バチスカーフ”に完全に潰れられるのはちょっとまずいんだよな。まだやって貰いたいことが残ってる』
柏夕陽:「私は力になれませんよ。」
柏夕陽:「今回の襲撃、明らかに内通者の仕業です。」
”ホテル・セルヴォワ”:『それは心配しなくていい。今回の件……あんたと完全に別口っぽいんだよね』
柏夕陽:「別口でも”バチスカーフ”はそうは思いません。」
柏夕陽:「私が残るのは、リスクが高すぎる。」
”ホテル・セルヴォワ”:『んー……でもさァ』
”ホテル・セルヴォワ”:『じゃあなんでさっさと撤退しなかったわけ?』
”ホテル・セルヴォワ”:『”ルーディメンツ26”とやらに喧嘩を売るまでもなかっただろ。アンタの腕なら』
柏夕陽:「あの場で取れる選択は投降か実力行使だけでした。」
柏夕陽:「背を向けて逃げるよりドローンをあの場で一網打尽にし、」
柏夕陽:「追撃の手を弱める以外に逃げれないと判断したからです。」
柏夕陽:「それに、投降すれば」
柏夕陽:「私を殺す刃がいつか頭上から降って来るでしょう?」
”ホテル・セルヴォワ”:『在り得ないほどの恨みを買ってるってのはよく解ってるみたいだな』
”ホテル・セルヴォワ”:『でも、それなら猶更こっちに戻って来るのは危険だぜ』
”ホテル・セルヴォワ”:『穏健派の”バチスカーフ”が倒れた。”マスターハウル”が倒れてからこっち、しばらくは平和だったこの街で』
”ホテル・セルヴォワ”:『こないだも言ったろ。あんたら、研究セルにしては戦力が過剰すぎるって』
”ホテル・セルヴォワ”:『”抑止力”だったんだよ。それが沈んだ。これから、”グラヴィアヴェルク”とか、”ネクラファジー”とか』
”ホテル・セルヴォワ”:『面倒なやつらが大勢出て来る……”ホテル・セルヴォワ”だってそこまで守ってやれないぜ』
”ホテル・セルヴォワ”:『一発逆転の方法がある。聞きたいか?』
柏夕陽:「……聞きましょう。」
”ホテル・セルヴォワ”:『“バチスカーフ”を補助しろ。あんたにとっても、都合がいいだろ』
”ホテル・セルヴォワ”:『それで……探すんだよ。”オッタ―トロール”をな』
”ホテル・セルヴォワ”:『”オッタ―トロール”を使えば、UGNの追跡はキャンセルできるし』
”ホテル・セルヴォワ”:『あんたのことだって、”バチスカーフ”の奴らの記憶には残らない』
柏夕陽:「一つ質問です。」
柏夕陽:「UGNに情報を流したのはあなたですか?」
”ホテル・セルヴォワ”:『そうだよ』
”ホテル・セルヴォワ”:至極あっさりと答える。
”ホテル・セルヴォワ”:『でも、あんたはそれを”バチスカーフ”の奴らに言えない。そうじゃない?』
柏夕陽:「ええ、そうですね。」
柏夕陽:「ですが、」
柏夕陽:「”ダモクレス”は誰の頭上にもあります。」
柏夕陽:「襲撃したUGNにも、”グラヴィアヴェルク”や”ネクラファジー”とやらにも、」
柏夕陽:「そして、」
柏夕陽:「あなたの頭上にも。」
”ホテル・セルヴォワ”:『……なるほどね。あんたがこの業界で生き残ってきた理由、ようやくわかった気がするよ』
”ホテル・セルヴォワ”:『でも、あたしは魚を取る側の人間だ。あくせく働く漁師じゃない』
”ホテル・セルヴォワ”:『僭主様の暮らしになんてちっとも憧れないね』
”ホテル・セルヴォワ”:『だが、まあ……あんたが”オッタ―トロール”を見付けて』
”ホテル・セルヴォワ”:『生き残って、こっちの前に来たら。そん時は、好きにしなよ』
”ホテル・セルヴォワ”:『期待してるぜ』
柏夕陽:「糸を切ったのはあなたです。」
柏夕陽:「期待ではなく、後悔なさいませんよう。」
”ホテル・セルヴォワ”:乾いた笑い声。通信が切れる。
"かなえ":『――”ダモクレス”』
"かなえ":入れ違いに通信。先程まで音沙汰がなかった”かなえ”だ。
柏夕陽:《完全演技》
柏夕陽:「あ!”かなえ”さん!無事ですか!」
柏夕陽:「すいません…こちらは負傷して…皆さんは?」
"かなえ":『”スクナ””カグラ”以外は死亡、捕縛、ないしは行方不明』
"かなえ":『”虚姫”は現在合流ポイントに向け移動中です』
柏夕陽:「そんな……!」
柏夕陽:眼鏡の下で涙をにじませる。
"かなえ":『……申し訳ありません。私の通信が封鎖されていました』
"かなえ":オペレーターである柏さんには、恐らく《通信支配》のようなエフェクトを用いられていることが解ります。
"かなえ":『現在”スクナ”は残存ドローンと交戦中。”カグラ”は居住船通路内を移動しています』
"かなえ":『”カグラ”と合流後、速やかに”スクナ”の援護に向かうプランを提案します』
柏夕陽:「二人とも無事でいて…!」
柏夕陽:足を引きずるようにして歩き始める。
───────
GM:同時刻 ”バチスカーフ”アジト 居住船通路
此江・A・匸華:息を潜め、まだ残るドローンとの会敵を避けながら進んでいた。
柏夕陽:息を切らしながら居住区の通路に入って来る。
此江・A・匸華:(あっちから戦闘音がした──誰かいるのは間違いない……無事でいて!)
此江・A・匸華:祈るように進めていた歩が、足音で警戒したように止まる。……が、その音の主を見付けると同時、息を呑む。
此江・A・匸華:「……っ、あ、柏さん……!」
柏夕陽:「此江さん…!」
此江・A・匸華:大きな外傷はないものの、トレードマークとも言える結髪の片方が無惨に切断されている。戦闘があったと察するのは容易だろう。
此江・A・匸華:そして、瞳には泣き腫らした痕も。
此江・A・匸華:駆け寄り、その身体をぎゅうう、と強く抱き締める。包み込まれるように柔らかな感触。
柏夕陽:「………。」
此江・A・匸華:「……無事、で……ッ、よかった……!」
柏夕陽:黙って此江を抱きしめ返す。
此江・A・匸華:「何処もかしこも、酷い有様で……っ、ギリーも、あたしを庇って……ッ」
柏夕陽:「辛かったね……。」
此江・A・匸華:「っ、ぅううう……!!!」
柏夕陽:「落ち着いて聞いてくださいね。」
柏夕陽:「火澄くんがまだ戦ってるみたいです。」
此江・A・匸華:襲撃があって、初めて邂逅できた"無事な"仲間。安堵が胸をつき、嗚咽が止め処なく溢れ出る。
此江・A・匸華:「っ、火澄が……?!」
柏夕陽:「今すぐ助けに行けますか?」
此江・A・匸華:腕を解き、一歩二歩と下がり。目元を手の甲でぐいと拭い、大きく頷く。
此江・A・匸華:「うん、もちろん……! 助けに行かなきゃ!」
柏夕陽:にこりと笑う。
此江・A・匸華:(まだ、"バチスカーフ"は終わってないんだ……柏さんも、火澄だって生きてる……!)
柏夕陽:(危惧したことが起きている。)
柏夕陽:(構成員の要だった”ニライ”が死んだことで、)
柏夕陽:(”カグラ”が不安定な状態になっている。)
柏夕陽:(恋人だった”スクナ”や特殊な性質を持つ”虚姫”はもっとひどいだろう。)
柏夕陽:(ここからどう立て直すか…)
此江・A・匸華:「……あの、柏さんが知ってるってことは、もしかして"かなえ"が復旧したんですか?」
柏夕陽:「そうです。」
"かなえ":『――はい。”ドック・バル”が私のシステムをリブートしました』
此江・A・匸華:彼女の目が、ここでない何処かに向いている気がした。ただ、それも一瞬のことで、タイムラグは少しもなく言葉が返ってくる。
此江・A・匸華:「あぁ──良かった……!」
柏夕陽:「よかった、”かなえ”さんがいてくれて…独りは心細かったんです。」
"かなえ":端末通信。ホログラム投影はないが、少なくとも受け答えに異常は見られない。
"かなえ":『……ここからのプランを説明します。まずはお二人を”スクナ”との合流ポイントに誘導』
"かなえ":『後は――”私”にお任せください』
此江・A・匸華:見知った声が聴こえるだけで、自分はたった一人ではないと認識できる。誰の手も届かない深海ではなく、ここはあたし達の"場所"なんだから──
此江・A・匸華:「うん、うん……! 任せたよ、かなえ!」
柏夕陽:此江の後ろを歩きながら、頭の中で標的を設定する。
柏夕陽:標的:UGN帆毬市支部”ソナープロット”
柏夕陽:標的:”ホテル・セルヴォワ”
柏夕陽:標的の名を脳に刻み付けたのち、
柏夕陽:刃を確かめるように傘を持ち手を軽く握った。
───────
GM:PC4のHOを提示します。
●PC4:”ダモクレス”柏夕陽(PL:猫口@)
【キャラシート】(http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY7MPIoAUM)
・シナリオロイス:“ホテル・セルヴォワ”
裏切りは生存のライセンスである。少なくとも、あなたが今日まで生き延びるためにはあらゆる存在を売り捌く必要があった――例えば、己でさえも。
あなたは“バチスカーフ”にとって不可欠な要員の一人だ。
当然のことながら、そう認識されるよう自ら演じた。
あなたは帆毬市に存在する情報兌換セル“ホテル・セルヴォワ”に雇用されている。
その内容は“バチスカーフ”の現況の監視、そして報告。
不明瞭な任務期間に、切り時を打算していた時――突如それは起こった。
“バチスカーフ“セルが”ソナープロット“によって襲撃されたのだ。
あなたがもたらした情報によるものではない、慮外の事態である。
だが、辛うじて生き延びたあなたに対し、帰投の指令は下されなかった。
『“バチスカーフ”を補助しろ。あんたにとっても、都合がいいだろ』
……確かにあなたが生存するには、セルの仲間と行動するのが最適解だ。
だが同時に本能が警鐘を告げる。この不可解な指令を実行すべきだろうか?
闇に満ちた海の中で、生き残る術を探す必要がある。何もかもを裏切ろうと。
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
柏夕陽:“ホテル・セルヴォワ”/執着/〇殺意
柏夕陽:以上!
”ホテル・セルヴォワ”:ヒエ~~~ッ
Opening04:宮代火澄/その言葉だけは燃えて
GM:登場浸蝕1d3+3をどうぞ。
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(32 → 36)
───────
GM:S県帆毬市 8/04 AM1:32
GM:”バチスカーフ”アジト 居住船 セルリーダー居室
GM:どこか甘くたるんだ空気が部屋に流れていた。
遠江・A・匸華:「あー、腰が抜けた……」タオル一枚を羽織りながら、窓際に腰かけている。
遠江・A・匸華:「どうするんだい火澄くん。きみのせいで私今、立てないんだけどさあ」
宮代火澄:「どうするって言われてもな」
宮代火澄:並んで腰掛けて。
宮代火澄:「……加減してほしいの?」
宮代火澄:「しないけど」
遠江・A・匸華:「薄々解って来たけど、マジできみは酷い奴だなあ」
遠江・A・匸華:「とんでもない男に捕まってしまったものだ」
宮代火澄:「最初に僕を捕まえたのは遠江ですー」
宮代火澄:冗談めかしてくすりと笑う。
遠江・A・匸華:「その後年上の女をズブズブにする楽しさに目覚めといて……よく言うよ」
遠江・A・匸華:「皆に言ってやろうかなァ!火澄は毎晩私の胸を××で××するから大変なんだってさァ!」
宮代火澄:「やめてってば!恥ずかしいだろ!」
宮代火澄:「それに、年上の女を、というか……」
遠江・A・匸華:「何さ」
宮代火澄:そこまで言って、しまった、という顔をして。
宮代火澄:「……なんでも」
遠江・A・匸華:「あるだろ。言いなよ。ん?」
遠江・A・匸華:ニヤニヤ笑って冷たいマグカップを押し付ける。
遠江・A・匸華:錨のマークが入ったものだ。
宮代火澄:「わかってて聞いてるだろ……!」
遠江・A・匸華:「アッハハ!きみほんと私のこと好きだな」
宮代火澄:「……」
遠江・A・匸華:「おい。黙るんじゃない」
宮代火澄:ぐい、とすぐ側の肩を抱き寄せる。
遠江・A・匸華:「あっ。こら」
宮代火澄:「そうだよ」
遠江・A・匸華:「ン……」
宮代火澄:唇を重ねる。
遠江・A・匸華:腰に手を回し、舌を執拗に絡める。
宮代火澄:「っ、はっ……」
遠江・A・匸華:「……ん、ふっ」
遠江・A・匸華:「上手になったかい?」笑う。
宮代火澄:息苦しい。それなのに、ずっとこうしていたいと思うから不思議だと思う。
遠江・A・匸華:「きみ、ほんと私のこと好きなんだな。私がいなくなったらどうなっちゃうんだろうね?」
宮代火澄:「……縁起でもないこと言うなよ」
遠江・A・匸華:「いつかはそうなる」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:いつか。それがいつ来るのか。
遠江・A・匸華:「まあ、なるべく先にしたいとは思ってるよ」
宮代火澄:お互いに皺だらけになる、はるか先のことだと思えるほど楽観的ではない。
遠江・A・匸華:「……そうだね。怖いよなあ。生きてる限り、楽園なんて見つかるのか……」
宮代火澄:「僕は」
宮代火澄:「今、ここが楽園だよ」
遠江・A・匸華:「……」目を細め、軽く唇を合わせる。
宮代火澄:「18年」
宮代火澄:「諦めだらけの人生だった」
遠江・A・匸華:「……うん」手を重ねる。
宮代火澄:「おもちゃを諦めて」
宮代火澄:「友達を諦めて」
宮代火澄:「……家族を諦めて」
宮代火澄:「このままずっと、不自由に閉じ込められて生きていくんだろうなって」
遠江・A・匸華:「……そうかい」
宮代火澄:「今はさ」
宮代火澄:「嫌なことを嫌って言えて」
宮代火澄:「友達もいるし」
宮代火澄:「……素敵な恋人も、いるわけで」
宮代火澄:そこは少し照れたように。
遠江・A・匸華:「ンフ」
宮代火澄:「いつまでもなんて言えないけど」
宮代火澄:「なるべく先にしよう」
宮代火澄:「僕も、頑張るから」
遠江・A・匸華:「……まあ、”友達”の部分は」
遠江・A・匸華:鼻に指を突き付ける。
遠江・A・匸華:「いずれきみがはっきりさせなよ。私は姉妹揃って抱かれても構わないくらいには」
遠江・A・匸華:「きみのこと、買ってるんだ」
宮代火澄:「それは……」
遠江・A・匸華:「……あの子は優しい子だよ。だけど……無理をしてるんじゃないかって、心配になる」
遠江・A・匸華:「遺産の代償について考えたことはあるかい?」
宮代火澄:「……聞いてはいるけど」
宮代火澄:「想像は、つかない」
遠江・A・匸華:「私は、あれを代償と呼ぶには不適切だと考えている」
遠江・A・匸華:「遺産は人生の選択肢を奪う。適合した誰もが、生き方を強制的に決定される」
遠江・A・匸華:「……今彼女が私たちのために振り絞ってくれている勇気は、本当にあの子の人生なのか?」
遠江・A・匸華:「きみはどう思う?」
遠江・A・匸華:「私が最初にきみをいいなって思ったのは、妹を守ってくれたからだ。大事なんだ……」
遠江・A・匸華:縋るように寄り添う。
宮代火澄:「遠江……」
宮代火澄:迷うように視線を少し泳がせて。
宮代火澄:「僕も、此江のことは大事だよ」
宮代火澄:「大事にしたいと思ってる」
遠江・A・匸華:「うん」
宮代火澄:「……考えてるんだ。色々。ただ、今はだめ」
宮代火澄:「その。二人を抱くとか、そういうのね」
遠江・A・匸華:「……アッハハ!安心した」
遠江・A・匸華:「……きみのことだから、何か考えがあるんだろうなとは思っていたけれど」
遠江・A・匸華:「解ったよ。火澄がそうしたくて……そうしてるのが、一番いい」
宮代火澄:「……うん」
遠江・A・匸華:「うーん、困ったな。こんな良い男」
宮代火澄:少し、気の抜けたように笑って。
遠江・A・匸華:「おちおち死ぬと誰かに取られそうだ」
遠江・A・匸華:「あ、そうだ。じゃあさ」
遠江・A・匸華:「こういうのはどうだい?」
宮代火澄:「言うなって、そういうこと……」
宮代火澄:「なに?」
遠江・A・匸華:「わたしが死んだら、きみは全力で探すんだ」
遠江・A・匸華:首に手を回す。
遠江・A・匸華:「これは”お願い”じゃない。きみは……きっとそうする」
遠江・A・匸華:「何故か? わたしだってそうするから」
宮代火澄:「……それは」
宮代火澄:「お願いじゃないならなにさ。……約束?」
遠江・A・匸華:「あ、そうそう。約束」笑って、手を握る。
遠江・A・匸華:きみと”ニライ”が最初に交わした約束。
遠江・A・匸華:相手の意思を尊重するということ。これもまた、その一つだ。
遠江・A・匸華:「なあ。私、きみを愛してるよ。世界で一番好きだ」
遠江・A・匸華:「だから、絶対にこの約束は守る」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:「だめ」
宮代火澄:手を離す。
遠江・A・匸華:「え」
宮代火澄:「絶対、なんて言わないで」
宮代火澄:「無理して僕を追いかけて、遠江まで道連れなんて僕は望まないよ」
宮代火澄:「此江だって、皆だっている。そうだろ?」
遠江・A・匸華:「……きみの言う通りだ。でも、なら、どうすればいい?」
遠江・A・匸華:「どうすればきみとの形に残るものを作れる?」絞り出すように息を吐く。
宮代火澄:「……約束第二条」
宮代火澄:「”約束なんて破っちゃっていい”」
遠江・A・匸華:「……」
宮代火澄:「君が、そうしたいと思ったならね」
遠江・A・匸華:「あ、はは」
遠江・A・匸華:「アッハハ!何だそれ」
遠江・A・匸華:「形に残るものが欲しいって言ってるのに、それを破ってしまっても良いなんて」
遠江・A・匸華:「まるで……神様の言うことみたいだな」
宮代火澄:「そんなに大げさな話じゃないよ。ただ、さ」
宮代火澄:「遠江は僕を、自由にしてくれた」
宮代火澄:「僕もきみを愛してる。世界で一番」
宮代火澄:「だから、君を僕で縛りたくない」
宮代火澄:「これが精一杯。……だめ?」
遠江・A・匸華:「……ずるい聞き方しやがって」
遠江・A・匸華:「わかった。きみは、神様なんかよりずっと欲深いな」
宮代火澄:「そんなにかな」
遠江・A・匸華:「こんなに私を縛った癖に、自由にしろだなんてさ……」微笑む。窓際からきみの手を引いて、ベッドに倒れ込む。
宮代火澄:「遠江……」
遠江・A・匸華:「もう、お互いまともな生き方はできないね」
宮代火澄:ちくちくと、胸が痛む。
宮代火澄:縛りたくない、縛られたくないと思っても。
宮代火澄:この愛情も、鎖だと。今更に実感する。
遠江・A・匸華:「……私もこんな欲深い男に惚れてしまった時点で負けたようなものだ。約束、覚えておくよ」
宮代火澄:隣り合うようにベッドに倒れ込んで。
遠江・A・匸華:タオルをはだけ、口づけを何度も落とす。
遠江・A・匸華:縛ることのできないものを繋ぎ止めるように。
宮代火澄:抱き寄せる。自由を奪うように。
宮代火澄:破ってもいいと、自分で言ったけれど。
宮代火澄:きっと破れないだろうなと、予感がした。
───────
GM:8/08 22:45
GM:”バチスカーフ”アジト 第二ドック 甲板槽
GM:爆音。振動。衝撃が来る。きみの意識が引き戻される。
遠江・A・匸華:「――伏せろ、”スクナ”!」
宮代火澄:指示が飛ぶ寸前に伏せている。
遠江・A・匸華:飛来してきた弾体を、魚群が吸収する。
遠江・A・匸華:次の瞬間、同質量・同速度・同軌道の影が
遠江・A・匸華:狙撃地点に向かい放たれていた。それきり、衝撃は止む。
遠江・A・匸華:「……狙撃手は自分の弾体に反応できない。その速度に対応できる者であれば、そもそも狙撃の優位が失われるからね」
遠江・A・匸華:「無事かい?無事だよな。ほんと可愛げのない奴だ」きみの方を一瞥もせず訊く。
宮代火澄:「この程度で弱ってる場合じゃないでしょ」
宮代火澄:「……あとどれだけいるんだ」
ドローン:ハウンド:大量のドローンが押し寄せて来る。その奥に、ドラムのような円盤を備えた巨大なトラックのような義体。
”ゴースト・ノート”:『え……演算手、”ゴースト・ノート”!敵勢力を発見!』
”ゴースト・ノート”:『と……投降して下さい!もう包囲されてますよ!』
遠江・A・匸華:「……一応聞くけど、どうする?アレ」
宮代火澄:「『断る』」
遠江・A・匸華:「だってさ。わたしと旦那の総意だ!」影から水が溢れ出す。
遠江・A・匸華:それは海のような物量を伴い、”ゴースト・ノート”を押し流す。
遠江・A・匸華:「”スクナ”。雑魚を頼むよ」
”ゴースト・ノート”:『ち、ょ……こん、な、出力!』
”ゴースト・ノート”:『でも、まだ……ルーディさんが調整してくれたドローンの方は!』
宮代火澄:電子砲を構える。細長い円錐形の銃身。
宮代火澄:ランスを構えるように先端を向け、トリガー。
宮代火澄:破裂音はない。ただその鋒にさらされた者たちが、極高温で焼かれ溶けていく。
ドローン:ハウンド:一瞬にして装甲が融解し、赤熱の海に溶けた。
ドローン:ハウンド:10。20。30――
遠江・A・匸華:「無理。死なないように頑張りな」
遠江・A・匸華:同時に、殺到した鯨のような魔眼が”ゴースト・ノート”の全身を消失させている。
遠江・A・匸華:「……こんなもんか。連携取らせなかったら、きみと私で各個撃破できないかい?」
遠江・A・匸華:「あのレベルのが5人揃ってたら無理!諦めよう!」
宮代火澄:「よりによって虚姫の居ないときに……」
宮代火澄:ぎり、と歯軋りする。
遠江・A・匸華:「マジでね。うちの家族も沢山死んじゃったし。まあ、好きに生きて好きに死ぬような奴等だったけど」
宮代火澄:「どうする、遠江?此江たちと合流するか、このまま……」
遠江・A・匸華:「……いや」
”13./£”:が ごん!!!!!
GM:爆音。隣の区画から、壁を壊してドックまで到達している。
”ゴースト・ノート”:『……ゴースト・ノート!”二台目”、現着しました!』即座に、先ほどのドラムじみた義体も駆けつける。
宮代火澄:「きりがない……!」
”ダム・ダム”:『こちら”ダム・ダム”。準備出来てるぜ』通信が響く。
”ルーディメンツ26”:『指揮は僕が取る。”リムショット”は……』ドローンから、男の機械音声が尋ねた。
”リムショット:『行けるッス!今のでもう予備全部だし、しばらくは低出力義体しか使えないスけど!』
”13./£”:……ここで、確実に叩くつもりなのだろう。全戦力を、この二人に集結させている。
遠江・A・匸華:「うーん……これは、ちょっと……」笑う。「良くないな」
遠江・A・匸華:「よし。解った。流石にこれは無理だ」
宮代火澄:「……わかってる。切り抜けて、撤退しよう」
遠江・A・匸華:「お、解ってるじゃないか」
宮代火澄:「二人がかりで敵の一角を切り崩す、そこから……」
遠江・A・匸華:「じゃあ、そういうことで――」
遠江・A・匸華:激流のような水が横合いからきみを吹っ飛ばす。
宮代火澄:「は?」
遠江・A・匸華:「”私が”切り抜けて」声が遠ざかる。
遠江・A・匸華:「――きみが撤退する」
宮代火澄:「な」
遠江・A・匸華:「じゃあな、愛してるぜ!」叫びと共に、魚群の魔眼が空を埋め尽くした。
宮代火澄:予想しているはずもない、突然の衝撃に。対応は間に合わず。
宮代火澄:「遠──」
宮代火澄:伸ばした手も、水の流れに飲み込まれ。
GM:……そして、気付けば。
GM:ドックから吹き飛ばされて、そのまま隔壁通路を通って外に流されたのだろう。
GM:悪夢のような光景が広がっていた。
GM:血と鉄、重油の匂い。防衛システムとドローンが散発的な戦いを繰り広げているが、趨勢は明らかに決している。
ドローン:ハウンド:四足歩行の単眼が、流されてきたきみを見やった。
宮代火澄:一帯を染める赤。それがどちら側の流したものであるか、考えるまでもなく。
ドローン:ハウンド:『ざ『じ『ざざ』ざ じ 』ざ じい――』
宮代火澄:「──ふっ、」
ドローン:ハウンド:砲塔が旋回する。
宮代火澄:焦燥。悲嘆。困惑。あらゆる感情を。
宮代火澄:「ざ、けるなぁぁぁぁっ!」
宮代火澄:怒りが全て塗りつぶした。
ドローン:スウォーム:鉄の羽根が散る。散り続ける。
宮代火澄:砲塔を振り回す。全てを灼く光条を乱れ撃つ。
ドローン:スウォーム:無尽蔵に思えるような群れがきみに殺到している。事実、その戦力勾配は、
ドローン:スウォーム:そのまま……交戦する者の少なさを如実に表していた。
ドローン:ハウンド:くおおおん、と駆動音を上げながら、前肢からブレードを展開。跳躍、接近する。
ドローン:ハウンド:倒しても倒しても、その死骸を盾に、ひたすら前進を続ける。
GM:どちらが燃え尽きるのが先だろうか?
宮代火澄:消えない。尽きない。
宮代火澄:怒りが、一向に、収まらない。
GM:何もかもが灰燼に帰す。
宮代火澄:(こんな、鉄屑に)
宮代火澄:引き金一つで溶け消えていく塵に。
宮代火澄:(僕らの、場所が)
宮代火澄:奪われてたまるか。
宮代火澄:そんな軽いもので、あっていいはずがない。
宮代火澄:「遠江っ──!」
宮代火澄:ふざけるなよ。あんな別れ方あるものか。
ドローン:ハウンド:融ける。融ける。融ける。融ける。
ドローン:ハウンド:一切がきみの怒りの前に消えていく。
宮代火澄:僕の意思を無視したな。僕の気持ちを見ないふりしたな。
宮代火澄:許せない。許さない。絶対に、許さないから──だから。
宮代火澄:「死ぬな……!」
"かなえ":『――”スクナ”に通達』
GM:そして。焼き切れそうな砲身の駆動音の中。
"かなえ":『”カグラ”と”ダモクレス”が』
"かなえ":『合流ポイントに移動しています』
GM:その祈りは、辛うじて届いた。
宮代火澄:「かなえ……!」
宮代火澄:戦いが始まってから、ようやく見えた希望の糸。
"かなえ":『復旧が遅れて申し訳ありません。”スクナ”は第一ドックに移動を開始してください』
宮代火澄:「わかった」
宮代火澄:「すぐに遠江と合流してそっちに向かう!」
"かなえ":『――』
"かなえ":『”ニライ”は』
"かなえ":『”ソナープロット”との交戦後、行方不明です』
"かなえ":『繰り返します。”スクナ”は直ちに第一ドックに移動を――』
宮代火澄:「──────」
宮代火澄:かなえがなにか言っている。
宮代火澄:聞こえない。聞こえなくなった。
"かなえ":『……!』『……!』
宮代火澄:絶望が、脚を崩そうとしてくる。
宮代火澄:手に力が入らない。
宮代火澄:電子砲が手元から落ちそうになって、
宮代火澄:「……かなえ」
"かなえ":『……ご用件を』
宮代火澄:「遠江を最後に確認した場所は?」
"かなえ":『第二ドックです。監視カメラは現在ロストしていますが』
"かなえ":『”ソナープロット”と交戦後、義体を三機破壊。同時に”ニライ”も帆毬市近海に沈んだものとみられています』
"かなえ":『《リザレクト》の兆候は……確認出来ていません』
宮代火澄:「わかった」
宮代火澄:取り落としかけた電子砲を強く掴む。
宮代火澄:「第一ドックに……向かう」
宮代火澄:「ルートを」
"かなえ":『速やかに提示します。到着後は、”私”にお任せを』
"かなえ":端末に立体映像で座標が送信される。
宮代火澄:座標に従って走り出す。
宮代火澄:もしも彼女が本当に、リザレクトもできずに海に沈んだなら。
宮代火澄:行っても自分にできることはない。
宮代火澄:……しかしもしも。彼女が海を使って撤退したなら。
宮代火澄:彼女は、僕らの生き延びた先に必ず居る。
宮代火澄:昔から諦めるのは得意だ。
宮代火澄:18年間、諦め続けて生きてきた。
宮代火澄:だから、得意だ。何を諦めて何を諦めないか
宮代火澄:まだ終わらせない。僕達の楽園を。
宮代火澄:僅かに目をつむる。倒れていた仲間たちを思って。
宮代火澄:(ごめん。……まだ行けない)
宮代火澄:僕は、生きたい。
宮代火澄:目を開けて、僅かな光の先へと駆けた
───────
GM:PC1のHOを提示します。
●PC1:”スクナ”宮代火澄(PL:サムトー)
【キャラシート】:(http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY6qe6igUM)
・シナリオロイス:“ニライ”遠江・A・匸華
それは灼熱にも似た時間だった。
あなたがOVに覚醒し、“バチスカーフ”に加入してから半年が経つ。
セルリーダー、“ニライ”遠江・A・匸華はあなたを救い出した。
日常の裏側に足を踏み入れた”新人”を静かに、だが激しく愛した。
あなたもまた、自身を日常の裏側に導いた彼女の手を取り、欲望を求めた。
――それでも。世の常として、どのような楽園にも永遠は存在しない。
“バチスカーフ”は壊滅し、恋人の“ニライ”はあなたの目の前で最後の戦いに身を投じて行った。
生き残った仲間にも、即座にUGN猟兵カテゴリの追討が差し向けられる。
だが。本当にこんなものが、あなたの夏の最後なのだろうか?
『私が死んだら、きみは全力で探すんだ。これは、”お願い”じゃない』
それは彼女が囁いた寝物語だ。それでも、あなたは探さなければならない。
“ニライ”が死ぬわけがない。楽園が終わるわけがない。
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
宮代火澄:遠江にはすでにロイス取ってるので 保留で!
GM:OK!
Middle01:メイン・タンク・ブロー
GM:合流シーン。全員登場です。登場浸蝕1d3+3をどうぞ。
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(32 → 37)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(39 → 44)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(36 → 41)
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(42 → 46)
GM:高まってる
───────
GM:S県帆毬市 8/08 23:42
GM:”バチスカーフ”セル 第二ドック喫水路
───────
GM:”かなえ”が指定した座標は、セルの艦艇や”カグラ”が帆毬湾に向けて進水するためのドックの喫水進路だった。
GM:喫水進路を包囲していたドローンに対しては自爆システムが作用し、隔壁ごと押し潰す形で侵入を阻んでいる。
此江・A・匸華:「火澄、無事かな……」 先行する少女が、ぽつりと思わず不安を吐露する。
柏夕陽:「きっと、大丈夫です。」
此江・A・匸華:至る所に残る戦闘の匂い。自壊した機械や破壊されたドローン、レーザー痕や弾痕が如実に物語っている。
"かなえ":『指定ポイントに到達……セル内VPNコネクトを開始……』
柏夕陽:(大丈夫だとしても動揺はあるはず。生き残るためには仮初でも希望を持たせる必要がありそうだ。)
此江・A・匸華:「うん……ごめんなさい、こんなこと言ったら、柏さんも不安にしちゃうだけなのに」
柏夕陽:「いいえ。不安な気持ちはわかります。それでも──」
柏夕陽:「目の前の出来ることから済ませるしかありませんから。」
此江・A・匸華:そうっと隔壁の影から顔を覗かせ、状況を確認する。"かなえ"の言うポイントには到達したはずだが──
宮代火澄:「……此江?」
此江・A・匸華:「着実に合流して、状況を確認し合う……これが最善だよね」 柏さんの言葉に頷いたその時。
宮代火澄:気配を感じて向けかけた砲口を下げる。
此江・A・匸華:「──……っ、火澄!」
柏夕陽:「火澄さん!」
宮代火澄:「夕陽も!良かった、無事だった……」
宮代火澄:ほっと息をつく。合流ポイントに誰も居ない、誰も来ない、ということも想定はしていた。
此江・A・匸華:その身体に真正面から突っ込んでいく。駆け寄り、飛び付く。
此江・A・匸華:「良かった、無事で……良かった……っ!」
宮代火澄:「うん。……此江も、よく無事で」
柏夕陽:(警戒は解いていなかった。)
宮代火澄:抱きとめて、抱きしめる。……彼女も、遠江のことは聞いているはずだ。
此江・A・匸華:その声に安堵すると同時に、一瞬冷静になる。抱き締められかけた腕をすり抜けるように一歩、二歩と下がる。
此江・A・匸華:「……っ、ご、ごめんね! ホッとしちゃって……」
柏夕陽:(少なくとも、遠江の仇を討つか遠江の行方を突き止めるまでは戦う気がありそうだ。)
此江・A・匸華:少女の表情は普段と変わりないようで、目蓋が僅かに腫れ、赤く充血しているのも見て取れる。
柏夕陽:(裏を返せば、ホテル・セルヴォワとの関係を明かせば弁解の余地もなく殺されるだろう。)
此江・A・匸華:「…………一人?」 恐る恐る、問い掛ける。
宮代火澄:「大丈夫。……ごめん、辛いと思うけど」
宮代火澄:「今は戦おう。終わったら、一杯泣いていいから」
宮代火澄:「……うん」
宮代火澄:此江の言葉に、無念さをにじませて答える。
此江・A・匸華:「…………そ、っか」 辛うじて、言葉を絞り出す。
此江・A・匸華:「……お姉が……ここに。いないなら、尚更」
此江・A・匸華:「いま、ここにいるあたし達ががんばらないと、だもんね」
此江・A・匸華:鼓舞するように、言い聞かせるように呟く。
"かなえ":『……3名の生存を確認。脱出プロトコルを発動します』
"かなえ":ゴウウン ゴウウン
"かなえ":ドック内のウインチが作動し、喫水進路付近に係留されていた重量物をゆっくりと引き上げていく。
"かなえ":『”ドック・バル”、及び”ギリー”は……元より”カグラ”一人に依存しない海洋資源探索設備の重要性を”ニライ”に具申していました』
"かなえ":『これより”かなえ”は、このA種潜航艤装を以て”バチスカーフ”を補助します。最後まで』
"かなえ":……ざばり、と波が立つ。水色に塗装された楕円型の巨大な潜水艦が、搭乗口を開けて浮上していた。
宮代火澄:(最後、まで)
此江・A・匸華:「こ、こんなの、いつの間に……?!」
"かなえ":『モルフェウスマテリアルにより潜水艦に対する有効な捜索手段である磁気捜索をカット』
宮代火澄:終わりを思わせるその言葉に想起したものを隠し。
"かなえ":『軍用装備との互換性を兼備していますので、潜航時の実戦も可能です……』
宮代火澄:「よろしく。行こう、二人共」
宮代火澄:「……夕陽、歩ける?脚、すごい血が」
柏夕陽:「大丈夫です。私もオーヴァードですから。」
柏夕陽:「いずれ自然治癒します。」
此江・A・匸華:「え……っ?」 火澄の言葉でようやく、柏さんの脚の怪我に気付く。
此江・A・匸華:「ご、ごめんなさいっ! あたし、全然、気付いてなくて……!」
柏夕陽:「いいえ、非常時ですから。」
宮代火澄:「無理しないで、肩貸すよ」
柏夕陽:「………では、お言葉に甘えます。」
柏夕陽:火澄の肩に手を回してもたれかかる。
柏夕陽:「こんな時でも優しいんですね、火澄さんは。」
此江・A・匸華:せめて後で手当を、と言いかけて、言葉に詰まる。
宮代火澄:「……はは」
宮代火澄:曖昧に笑いながら、足を進める。
宮代火澄:「此江、後で手当をお願い。僕、まだ応急処置苦手だから。……頼める?」
柏夕陽:「いえ、手当は自分でやりますよ。」
此江・A・匸華:大きく頷こうとしたが、「……えっ、うーん……柏さんがそう言うなら……」
柏夕陽:「お二人はその間に周囲の警戒と他のセルメンバーがいないかどうかを確認して下さい。」
柏夕陽:「特に”虚姫”さんはセルの外にいるはずですから、迎えが必要でしょう。」
宮代火澄:「……わかった」
柏夕陽:「手当と並行してオペレーションも行います。」
"かなえ":『オペレーションは柏さんと並行して私も補助します』
柏夕陽:「ありがとうございます、”かなえ”さん。」
"かなえ":『提案:当機による”虚姫”との直接合流』
柏夕陽:「提案に賛成します。”虚姫”さんは頼りになりますから。それに…」
柏夕陽:「セルのみんなに起きたことを思うと…心配です。」
宮代火澄:「……うん」
此江・A・匸華:「……うん。虚姫さんのことだから、大丈夫だとは思うけど……」
"かなえ":『”ダモクレス”の見解を了承。潜水シーケンス開始します』
"かなえ":『メインタンクブロー準備……』
"かなえ":潜水準備が始動している。手当なども、”かなえ”内の装備によって行うことができるだろう。
"かなえ"A種潜航艤装:ほどなくして、潜航艤装が完全に機能し、バラストタンクへの注水が開始される。
"かなえ"A種潜航艤装:船体が沈み、見えなくなる。
"かなえ"A種潜航艤装:かつての楽園には、墓標のような静けさだけが残されていた。
───────
GM:S県帆毬市郊外
GM:帆毬ダム・作業員通路 8/09 AM0:05
───────
GM:帆毬ダムは湾に繋がっているため、作業員用の通路は海に近い形で大きく張り出している。
GM:遠くには作業用の交通灯が点灯しているが、連日の猛暑で水が干上がりかけている今は作業員の数も極めて少なく、容易に侵入が可能だった。
”虚姫”:胸の下で腕を組み、壁にもたれかかるようにしゃがみ込んで、みんなが来るのを待っている。
"かなえ"A種潜航艤装:――音もなく。
”虚姫”:"かなえ"に宣言した通り、早めに着いて待っている ただそれだけの時間。そして──
"かなえ"A種潜航艤装:貯水槽の水面に、小ぶりの鯨のような影が現れる。
"かなえ"A種潜航艤装:それはきみの眼下で縮尺を増し、極めて小さな水音のみで浮上した。
"かなえ"A種潜航艤装:赤色の信号灯。「搭乗許可」の合図。
”虚姫”:波紋と共に浮かんできたそれを見て、立ち上がり
”虚姫”:はやる気持ちが、少しだけ足踏みをさせる。
”虚姫”:赤い光が点灯するのを見て、駆け寄るように潜水艦へと乗り込んだ。
───────
GM:”かなえ”A種潜航艤装内:船内甲板
"かなえ"A種潜航艤装:『”虚姫”の搭乗を確認。再潜航シーケンス開始します』
"かなえ"A種潜航艤装:『搭乗員は水圧の変化に備えるよう……』
"かなえ"A種潜航艤装:船内甲板に無機質な艦内アナウンスが響いている。
”虚姫”:そのアナウンスに被さるように
”虚姫”:艦内に、慌ただしい足音とピアスの金属音が細かく反響する
”虚姫”:「──みんな!」
柏夕陽:「虚姫さん!ご無事で何よりです!」
宮代火澄:「虚姫……」
”虚姫”:「ああ…」
此江・A・匸華:「虚姫さん……っ!」
此江・A・匸華:「うう、ほんとに……ほんとに、無事で会えてよかった……!」
”虚姫”:その姿が見えるや否や、一人一人に歩み寄り
”虚姫”:ぎゅ ぅぅ
”虚姫”:と、存在を確かめるように強く抱きしめる
此江・A・匸華:「はうぅっ」
”虚姫”:「うん……」
”虚姫”:「みんなが無事で、よかった……」
宮代火澄:「……」されるがままになっている。
柏夕陽:「………そちらこそ、無事でよかったです。」
柏夕陽:(みんなの定義が変わっている。つまり──)
柏夕陽:(そうすることで精神を保ったのか。)
”虚姫”:「──かなちゃんから、話は聞いてるよ。大変だったね」
此江・A・匸華:「……そ、っか。虚姫さん、大丈夫かなって……心配してたんだけど」
宮代火澄:(……平静すぎる)
此江・A・匸華:ちら、と表情を窺って。平静さを保っている彼女を見て安堵する。
此江・A・匸華:「流石は虚姫さん、だなあ。あたし、かなり取り乱しちゃって……」
”虚姫”:「遠江ちゃんのことも……」
宮代火澄:「……ごめん。遠江は、僕をかばって」
"かなえ"A種潜航艤装:『……現在も、当機のソナーが作動しています。可能な限りのリソースを配分し、引き続き捜索にあたります』
宮代火澄:「お願い」
此江・A・匸華:「お姉は、そう簡単にやられたりしないよ」
宮代火澄:ぎり、と拳を握りしめる。
此江・A・匸華:「……ね、火澄もそう思うでしょ?」
宮代火澄:「……」
"かなえ"A種潜航艤装:『”ニライ”は”ソナープロット”の義体を予備も含めてその大半を破壊しました』
宮代火澄:自分に言い聞かせている、と。気づいてしまう。
"かなえ"A種潜航艤装:『”ダモクレス”。念のためお聞きしますが、あの出力の義体を短期間で大量に製造可能でしょうか?』
宮代火澄:「うん。信じよう」
宮代火澄:それでも今は、肯定する以外ない。
柏夕陽:「いいえ。」
柏夕陽:「不可能…なはずです。」
此江・A・匸華:火澄の肯定を受け、ほんの少し安堵したように表情を綻ばせる。
柏夕陽:「それこそ、日本支部とかもっと大きな組織のエージェントを集めでもしない限り。」
此江・A・匸華:「あんなの、すぐに生産できたらたまったものじゃないよね……」
"かなえ"A種潜航艤装:『肯定します。後程、帆毬市の勢力やUGN・FHの状況を変数として再度提示・整理する機会を設けることを提案します』
柏夕陽:「それと、休息も。」
柏夕陽:「みなさん、あんなことがあってずっと緊張していたでしょう?」
"かなえ"A種潜航艤装:『肯定します。これより8時間、高深度にて航行し、捜索回避アルゴリズムを適用……』
"かなえ"A種潜航艤装:”かなえ”のホログラムが消える。さらに深く潜航するのだろう。
此江・A・匸華:「……そうだね。休める時に、休まないと」
”虚姫”:「うん……じゃあ、手短に」
”虚姫”:そう言うと、"その場に居られなかった"自分が持っている情報を先んじて話す。
”虚姫”:"オッタートロール"のこと それと一応"ネクラファジー"のことも
宮代火澄:"その場で見た"情報を共有する。……失った者たちのことには触れないように。
宮代火澄:「それじゃあ、その"オッタートロール"を確保するのが」
宮代火澄:「ひとまず目標になる……かな」
此江・A・匸華:「火澄も、誰も何も聞いてないんだよね? その、"オッタートロール"の在処とか、手掛かりとか」
柏夕陽:首を横に振る
宮代火澄:「初耳」
宮代火澄:(……どうして隠していたんだろう)
宮代火澄:疑問は湧くが、今は追求することもできない。それに、セルリーダーである彼女にはそういうこともあると理解はしている。
”虚姫”:「とりつく島もないものを、優先事項にするしかないんだね…」
此江・A・匸華:「じゃあ、ほんとにイチからかぁ……お姉の思考のトレースしなきゃかな」 こめかみに指を押し付けて唸る
宮代火澄:「それでも、そう遠くには置かないはずだ。解析の度に街の外に行っていたとも思えないし」
宮代火澄:「なんとしても、見つけ出そう」
此江・A・匸華:「うんっ。捜し物ならあたしも得意だよ」 拳で胸元をとん、と叩く。
”虚姫”:「───うん、考えるのは後!夕陽ちゃんが言った通り、みんな一回休もう」
宮代火澄:「そうだね。目標も決まったし」
”虚姫”:「かなちゃん、休める場所ってどこにあるの?」
"かなえ"A種潜航艤装:『……艦内マップを各員端末にダウンロード』
"かなえ"A種潜航艤装:『休息場所でしたら、船内甲板付近にリラックスルーム』
"かなえ"A種潜航艤装:『加えて船室を配備していますが、建造途中段階のため居住性には若干の難を推測』
柏夕陽:「では船室を私が使います。」
柏夕陽:「リラックスルームにも寝台と寝袋、毛布があるようなので、」
柏夕陽:「皆さんで分けてお使いください。」
此江・A・匸華:「なんだか寝づらそうだけど、いいのかな……?」
”虚姫”:「気なんか使わなくても良いのにね」
柏夕陽:「リラックスルームに4人は入れなさそうなので。」
宮代火澄:「ありがとう。お言葉に甘えます」
柏夕陽:「でもあんまりにも寝辛かったらお邪魔しますね?」
柏夕陽:へら、と笑う
此江・A・匸華:「それはもう、遠慮なく!」
”虚姫”:「良いよ。いつでも言って?交代するからね」
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GM:S県帆毬湾近海:深度3500m 8/09 AM0:45
GM:”かなえ”A種潜航艤装内 リラックスルーム
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GM:”かなえ”内のリラックスルームは手狭だったが、何とか三人が並んで眠れるほどの空間は確保されていた。
GM:パッキングされた新品のレーションキットや上質なソファから、かなり居住性に気を遣って建造されたのがわかるだろう。
此江・A・匸華:「わ……思ってたより広い!」
宮代火澄:「3人だとちょっとギリギリかな。ごめん、図体でかくて」
此江・A・匸華:新居に入った子供のようにあちらこちらの扉を開けては閉めたりしている。
”虚姫”:「いいよ、その分私が小さいからね」
此江・A・匸華:「あたしもちょっと大きめだし、とんとん? でも、ほらっ。寝心地は良さそうだよ」
”虚姫”:立ち止まって、他二人がポジションを決めるのを待っている
此江・A・匸華:ぼす、とマットレスに身体を沈める。一番入口側──すなわち、何かあったら最初に"矢面"になる場所だ。
此江・A・匸華:「二人も早く~」 できるだけ端っこに詰めながら、二人に手招きする。
宮代火澄:「……ん」少し迷ってから、此江の隣に横になる。
”虚姫”:それを見てから、一番奥の方へ。その途中で
”虚姫”:「わっ」火澄の脚に躓いて、のしかかるようにその身体の上に倒れる。
宮代火澄:「あっ……ごめん!」
宮代火澄:倒れ込んだ虚姫を抱きとめる。小さな体が腕の中にある。
此江・A・匸華:「だ、大丈夫……?!」 言いつつ振り向いて、その光景に息が止まる。
”虚姫”:「あっ、うんうん!こっちもごめんね。すぐ退くからね」
宮代火澄:「……う、うん」
此江・A・匸華:(……なんか、抱き止め方が手慣れてたような──ううん、火澄に限ってそんな……だって、お姉ちゃんといつも……)
”虚姫”:小柄ではあるが、身体つきは女性的だ。全体的に柔らかい感触が伝わるだろう
”虚姫”:火澄の両肩に手を乗せながら、立ち上がって
此江・A・匸華:(でも、虚姫さんってその、みんなと……そういう感じ、だったし……お姉ちゃんと付き合う前とか、ないこともないよね……?)
宮代火澄:改めて意識させられる。ピアスの金属音が正気を保ってくれるのか、逆に乱してくるのか。
此江・A・匸華:(だ、だめだめっ、そんな事考えちゃ……二人に失礼だし……)
”虚姫”:「ほっ」その場を離れたあと、此江からの視線に気付く
”虚姫”:「此江ちゃん、どうかしたの?」
宮代火澄:「此江?」
此江・A・匸華:「わひっ」
此江・A・匸華:「なななな、なんでもないよっ」
此江・A・匸華:「あっ、いや、なんでもなくなくて、そのっ、空調とかどこでいじるのかな~って」
此江・A・匸華:「照明とかも! ねっ、手元にないと困るでしょっ」
此江・A・匸華:慌てて早口で捲し立てる。
”虚姫”:「? ああ、そうだね。密閉されてるせいかな。確かに暑いかも」
”虚姫”:そう言った 矢先
”虚姫”:手袋を外して、衣服を脱ぐ。
宮代火澄:「う、虚姫!」
此江・A・匸華:「ひえええぇええぇっ?!」
此江・A・匸華:「なななななんで脱いでるんですか?!」
宮代火澄:慌てて体ごと逆を向く。此江の方へ。
此江・A・匸華:「あっえっひ、火澄っ、良いって言うまで向こう向いちゃダメだよ!」
此江・A・匸華:(ち、近いっ、顔、近いよ……っ!!!)
”虚姫”:「何でって…暑かったら脱ぎたくならない?」
”虚姫”:陶器のような白い肌、やけに荒れた指先だけが妙に浮いている
此江・A・匸華:「いやっ、あのっ、わからな……くは、な……いやっ、ダメダメっ!」
此江・A・匸華:頭がぐるぐるしながらも必死にダメを連呼する。
宮代火澄:「僕もいるんだから……って、言っても気にしないかあ……」
宮代火澄:片手で額を抑えて。
”虚姫”:「えっと…ごめんね?着た方がいい…かな」
此江・A・匸華:「えっ、あっ、その……いやっ、虚姫、さんが厭じゃなかったら、暑いし……ええと、どうなの……?」
”虚姫”:「そう言えば二人とも、私の部屋にも全然来なかったもんね」
此江・A・匸華:「う、うん……」
此江・A・匸華:「は……っ! く、空調~~~……かなえぇ、下げてよぉ~~~」
宮代火澄:「……虚姫の好きにしてくれていいよ。僕のほうが気をつけるから」
”虚姫”:悪い事しちゃったなぁ という顔を浮かべながら
"かなえ"A種潜航艤装:『解答:現在索敵回避アルゴリズム生成中のため、30分ほどの待機を要請』
此江・A・匸華:「あっ、そっか……いま忙しいんだったっけ、ごめん……!」
”虚姫”:"かなえ"の回答を聞いて
”虚姫”:「じゃあ…お言葉に甘えようかな」
”虚姫”:下着姿のまま、火澄の隣に横たわる
”虚姫”:「…………でも」
”虚姫”:「手だけ握ってもいい?」
宮代火澄:「……ん」
宮代火澄:片手を差し出す。
”虚姫”:「えへへ。ありがと」
宮代火澄:「いいよ。お願いを聞いたわけじゃないから」
”虚姫”:掌を重ねるように、それを握る。
此江・A・匸華:(…………いいな)
”虚姫”:柔らかいけど、ガサガサしている。そんな感触が手の内に収まるはずだ
宮代火澄:心の中の焦燥と不安が、手の中の感触と熱で少しだけ溶ける気がして。
”虚姫”:「───ふふ」
此江・A・匸華:もぞもぞ、と身体を反転させる。火澄と顔を合わせないように。
”虚姫”:「そうだね」火澄の言葉に、そう答えて笑いかける
此江・A・匸華:その拍子に、視界の先に照明のスイッチを見付ける。腕をぐう、と伸ばして明度を落とす。
宮代火澄:"いつもどおり"のその笑顔に、ほっとしていいのか。あるいは。
宮代火澄:「ありがと、此江。……寝ようか」
此江・A・匸華:「……うん、おやすみ」
”虚姫”:……光が落ちる刹那、火澄の肩越しに此江の背を見て
”虚姫”:(私は別に、気にしないのに)
”虚姫”:私の好きと、彼女の好きは
”虚姫”:(──何か、違っているのかな)
”虚姫”:そんな事を考えて、機械が電源を落とすように目を閉じる
宮代火澄:──明かりが落ちて、しばしの沈黙の後。
宮代火澄:「……ごめん」
宮代火澄:握った虚姫の手にほんの少し力を込めて。
宮代火澄:暗闇の中で探すように空いた手を伸ばして、此江の手を握る。
此江・A・匸華:「…………ん、ぅ……?」
此江・A・匸華:既に微睡みの中にあったのか、反射的に大きな手を握り返し、寝息混じりの声を吐く。
此江・A・匸華:(……あったかい……)
宮代火澄:「僕、今から泣くから」
宮代火澄:「最初に泣いたのは、僕」
宮代火澄:「だから。……皆、我慢できなくなっても大丈夫」
此江・A・匸華:ぱち、と暗闇の中で緑の目が開く。光のほとんど届かない数百mの海底すら見通す異常発達した瞳。
宮代火澄:「つられても、僕のせい。……ごめん」
宮代火澄:僅かに身体を震わせて。静かに、頬を涙が伝う。
此江・A・匸華:ようやく声の主と、言葉の意図を理解し。引こうとした手が、止まる。
此江・A・匸華:「……………………」
此江・A・匸華:幸いだったのは、彼と顔を見合わせないで済んだこと。くしゃくしゃに歪んだ表情を見せずに済んだこと。
此江・A・匸華:ぎゅう、と目を瞑って。握られた手に、縋るように指を絡めて握り返した。
此江・A・匸華:(…………あれ……なにも、出ないや。おかしいな──)
此江・A・匸華:ギリーの傍で声が嗄れる程に慟哭し、涙を流した。それで枯れ果ててしまったように、不思議と一滴も溢れない。
宮代火澄:立ち止まったことで押し寄せてきた悲しみを、涙とともに流し切る。
宮代火澄:此江はぎりぎりだ。虚姫はどうなっているのかわからない。夕陽は落ち着いているようだが、負担が増えればどうなるか。
宮代火澄:泣き終わったら、立たないと。
宮代火澄:残されたものを、僕が守るんだ。
Middle02:”バチスカーフ”ブリーフィング/勢力版図整理
GM:シーンプレイヤーは宮代くん。他、登場希望の方は登場浸蝕をどうぞ。
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(41 → 46)
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(46 → 51)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(44 → 50)
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(41 → 47)
───────
"かなえ"A種潜航艤装:”かなえ”潜航艤装に搭乗しているので、以下のNPCカードを獲得しました。
★NPCカード:”かなえ”(A種潜航艤装)
●オートアクションで使用時、任意の判定の達成値を+3する。1R1回使用可能。
・ステルス艤装を施した多目的軍用潜水艇。”かなえ”によるAI制御により、無人操縦が可能。 高精度の観測機器・航行設備を有するほか、魚雷をはじめとした最低限の自衛武装も備えており、高い静粛性と機動性で”バチスカーフ”の逃避行をサポートする。
GM:また、現在調査可能な情報項目はこちらです。
■帆毬市概要 判定なし。自動入手
■”マスターハウル”について 情報:FH 6
■帆毬市FH勢力図 情報:FH 8
■帆毬市UGN勢力版図 情報:UGN 6
■現状分析:”バチスカーフ” 情報:軍事/噂話 6
※■は任意項目、★は必須項目
GM:また、情報項目とは別に、”かなえ”内で常に実行可能な行動として、以下の二つが存在します。
■休息
この項目を選択したPCはシーン中ロールプレイ以外登場できない。代わりに、
①侵蝕を-[1d3]する
②体力を+[2d10]回復する
のどちらかの効果を得られる。
■補給
この項目を選択したPCはメジャーアクションを消費し、調達判定に挑戦できる。
「補給」選択時の調達判定のルールは通常通り扱う。NPCカード使用可。
GM:ですので、最終的な項目は、
■帆毬市概要 判定なし。自動入手
■”マスターハウル”について 情報:FH 6
■帆毬市FH勢力図 情報:FH 8
■帆毬市UGN勢力版図 情報:UGN 6
■現状分析:”バチスカーフ” 情報:軍事/噂話 6
■休息
■補給
GM:以上の7つになります。以上を踏まえて、それぞれ行動をどうぞ。
此江・A・匸華:じゃあ、とりあえず情報を開けていこうの巻。「■帆毬市UGN勢力版図 情報:UGN 6」これ調べます~
此江・A・匸華:ヤバい状況ですけど、コネって普通に使えますか?
GM:コネ自体は使用できます。バチスカーフは壊滅しましたが、彼らの築いたコネクションまで消えているわけではない。
此江・A・匸華:なるほど。じゃ、情報収集チーム使用(1回目)
此江・A・匸華:《ベーシックリサーチ》使ってD+2。これで判定します~
此江・A・匸華:(2+2)dx+2>=6
DoubleCross : (4DX10+2>=6) → 10[1,2,7,10]+2[2]+2 → 14 → 成功
宮代火澄:つよい
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1増加(51 → 52)
GM:これ侵蝕1なのマジ?
此江・A・匸華:コンセ噛ませてないからねっ
柏夕陽:FH勢力図に挑戦します。情報収集チームは使うまでもない。
GM:では、問題なく開示されます。
GM:なにっ
柏夕陽:そのまま判定。
GM:見せて貰おうじゃねえか…オペレーター様の実力って奴をよお~
柏夕陽:5dx+4>=8
DoubleCross : (5DX10+4>=8) → 8[1,4,6,7,8]+4 → 12 → 成功
宮代火澄:さすが
GM:ナマ言ってすみませんでした…
”虚姫”:じゃあ"マスターハウル"について
宮代火澄:現状分析:”バチスカーフ”行きます 情報収集チーム:サヴィ一回目
GM:では、FH勢力図も問題なく開示されます。
GM:OK!
GM:皆情報収集に行くというわけね では各自判定をどうぞ
宮代火澄:2DX+1+0@10>=6 情報
DoubleCross : (2DX10+1>=6) → 5[3,5]+1 → 6 → 成功
宮代火澄:あぶないあぶない
GM:おっぶね
”虚姫”:情報収集チーム(1回目)
”虚姫”:2dx+5
DoubleCross : (2DX10+5) → 8[6,8]+5 → 13
GM:こいつら何で壊滅したんだ?
GM:情報戦に強すぎる
GM:では、自動入手の項目と合わせて、情報項目を開示します。
GM:Now loading...(匸華姉妹の水着SDイラスト)
■帆毬市概要:自動成功
首都近郊に存在する港湾都市。太平洋側に面し、広く深い帆毬湾を有する。
海洋資源も豊富なため、度々国内深海研究機構の調査対象として研究される。
都市形態としては人口290万人を擁する大都市であるが、OV人口は1000人に満たない。
都心向けの海運輸送ハブとしての側面と、首都のベッドタウンとしての側面を併せ持ち、
2000年代初頭にかけ、半ば偏執的なまでの市内海運輸送網の再整備が行われた。
しかし経済状況の悪化により、当初の都市開発は頓挫。
多くの国内企業が撤退を余儀なくされ、海外資本の流入を招く結果となった。
それに伴い、治安の悪化やスプロール化(※都市開発が進まなかった結果、
道路や家宅、商業施設などが無秩序に伸長する現象)が発生し、複数のFH勢力が潜伏する環境が形成されている。
UGN日本支部はこの事態を重く捉え、治安維持のためにUGN帆毬支部の設立を決定したが、
彼らの敢闘にも関わらず、”マスターハウル”の出現や都市が抱える構造的欠陥のため決定的な成果は上げられていなかった。
しかし、近年は”マスターハウル”の死に加えて、
UGN猟兵部隊”ソナープロット”が投入されたことにより、帆毬市の治安は急激に改善を遂げているようだ。
GM:続いて帆毬市UGN勢力版図。
■帆毬市UGN勢力版図 情報:UGN 6
UGN帆毬支部の主要な任務は治安維持、及び帆毬湾に存在するレネゲイド資源の確保の二種に大別される。
都市計画の失敗によって水路や陸路、各種施設が無秩序かつ複雑に絡み合った都市……
その全てに対して監視網を張り巡らせることは困難であるため、
帆毬支部は支部長の能力による義体・ドローン運用を長期的な都市防衛の方針として決定した。
”バチスカーフ”程ではないとはいえ、高深度に耐えうる義体は、帆毬湾の海洋資源探掘の面でも最適な役割を果たしたからである。
支部設立当初は、義体の性能の低さ・不安定な練度などに苦しめられていたが、
UGN猟兵カテゴリ”ソナープロット”が合流して以降は戦力拡充によって計画本来のポテンシャルが発揮され、
帆毬市のおよそ五割を支配圏に置く結果となった。
そのため、”バチスカーフ”単独による”ソナープロット”への効果的な打撃はほぼ不可能といっていいだろう。
GM:続いて、そんなUGNが手を焼いていた”マスターハウル”について。
■”マスターハウル”について 情報:FH 6
かつて帆毬市を支配していた対人追跡・捕縛に特化したマスターエージェント。
『白鯨の七腸』と呼ばれるレネゲイドアイテムを用い、帆毬市の海洋航行に危害を加える者に対して徹底的な恐怖と支配を与えた。
もっとも帆毬市一帯を手中に収めるほどの権勢を誇ったが、不可解なことにUGNへの反攻活動には転じず、
そのまま帆毬湾を保護するような動きを取り続けた。しかしその支配も永遠には続かず、
最終的には二年前に”ニライ”を初めとしたFHエージェント複数名によって暗殺されることとなる。
だが、彼の力の根源たる”オッタ―トロール”を初めとしたレネゲイドアイテム群、『白鯨の七腸』は今現在も行方が分かっておらず、
FHセル”グラヴィアヴェルク”は特にその在処を血眼となって捜索しているようだ。
GM:で、続いてはそんなマスターハウルを殺したFHサイドの勢力版図ですね。
■帆毬市FH勢力図 情報:FH 8
二年前、帆毬市を支配していた”マスターハウル”の討伐後、帆毬市FH勢力には大きく二つの傾向が確認された。一つは抑圧されていた複数のセルの独立行為。そしてもう一つは、”マスターハウル”麾下に寡占されていた人材の争奪戦である。
一部の技術者やオーヴァードはUGN猟兵カテゴリ”ソナープロット”に帰順したが、その他の人材は大半が独立したFH勢力に合流した。今現在、帆毬市におけるFH勢力は主に四つに大別される。
①”バチスカーフ”:帆毬市のレネゲイド関連海洋資源を研究・発掘する海洋深掘セル。廃水族館をアジトとし、”マスターハウル”を討伐した”ニライ”の指示で、比較的穏健な方針を保っていた。
②”グラヴィアヴェルク”:”マスターハウル”討伐後、帆毬市の支配を固めようと独立した主戦派セル。セルリーダーの”レフトオーバー”を筆頭に大規模な戦闘部隊を擁しており、練度も高い。
③”ホテル・セルヴォワ”:”バチスカーフ”の設立と同時期に台頭した情報系セル。”総支配人”と呼ばれるセルリーダーの支配のもと、FH内での中立をうたい、依頼者の目的の情報を提供する代わりに、それに相応しい対価を求める、情報の兌換を専門に行っている。
④”ネクラファジー”:比較的古参の部類に属する零細セル。UGNとFHの交戦跡から得られた能力解析データなどを収集・販売するスカベンジャー行為によってセルを維持しているようだ。メンバーの入れ替わりが激しく、現在如何なるオーヴァードが指揮を執っているのかは不明である
GM:で、最後はそんな滅んだバチスカーフがどうなっているかですね。
■現状分析:”バチスカーフ” 情報:軍事/噂話 6
アジト襲撃後、”バチスカーフ”のほとんどのメンバーは捕縛ないしは死亡した。
現在、廃水族館はスカベンジャーセルである”ネクラファジー”に占拠されているようだ。
恐らく、”ソナープロット”が撤退し、義体整備に入った隙を見計らったのだろう。
また、帆毬市については”ソナープロット”の配備したドローンが市内全域を巡航している。
仮に”バチスカーフ”が”ソナープロット”に発見された場合、交戦は避けられないだろう。
また、穏健派の”ソナープロット”を完全に抹殺し、
自身の勢力版図を拡大する目的で”グラヴィアヴェルク”も同じく”バチスカーフ”に対して追跡網を形成しているようだ。
監視の目を掻い潜って情報を収集すれば”グラヴィアヴェルク”に対して交渉、あるいは交戦の手筈が整うかも知れない。
GM:情報は以上です。これらの項目を元に、ロールプレイをどうぞ。
───────
GM:S県帆毬市近海 深度3500m 8/09 PM7:13
GM:”かなえ”A種潜航艤装内 ブリーフィングルーム
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GM:きみたちは潜航したまま、帆毬市の勢力図を把握することに概ね成功していた。
GM:それを共有すべき艦内のブリーフィングルームは手狭だ。無骨な電子ボードが設えられている以外は、身を寄せ合って四人が入るほどのスペースしかない。
”虚姫”:「そもそもの発端は、二年前」
”虚姫”:「遠江ちゃん達が"マスターハウル"の暗殺を結構した事」
”虚姫”:「具体的に、そこにどんな目的があったのかは分からないけど」
"かなえ"A種潜航艤装:虚姫の言葉通り、電子ボードに当時の”マスターハウル”の活動記録が表示される。
”虚姫”:「それをきっかけに"バチスカーフ"が生まれて」
”虚姫”:「目の上のたんこぶがなくなったUGNもまた、台頭を見せ始めた」
”虚姫”:「さっき話した"オッタートロール"は」
”虚姫”:「"マスターハウル"が持ってたレネゲイドアイテムの一つだね。」
"かなえ"A種潜航艤装:「『白鯨の七腸』と呼ばれていました。漁師の七つ道具のような機能、形状を取り……」
"かなえ"A種潜航艤装:「”オッタートロール”はその内の”網”にあたると思われます」ホログラムでウネウネ動く網のイメージ図を表示する。
”虚姫”:「……私たちは、これからそれを探す訳だけど」
”虚姫”:「競争相手が居るみたいだから、このままいくと対峙する事になるかもね」
宮代火澄:「競争相手……UGNに、他のセル?」
”虚姫”:頷いて
柏夕陽:「”バチスカーフ”の他にもおおまかに三つ、FHセルがあります。」
柏夕陽:「”グラヴィアヴェルク”。」
此江・A・匸華:「たまに、出先でやり合ったりはあったけど……」 指折り数えていく。
"かなえ"A種潜航艤装:電子ボードに帆毬湾を抱いた三日月のような帆毬市の地図が表示される。
柏夕陽:「帆毬市の支配を固めようとする主戦派セル。戦闘能力は市内のFHセルの中でも随一です。」
柏夕陽:「”ホテル・セルヴォワ”」
柏夕陽:「こちらはいわゆる情報屋です。”総支配人”と呼ばれる人物の元で情報とその対価を取引しています。」
柏夕陽:「”ネクラファジー”」
柏夕陽:「”虚姫”さんが先日対峙した、UGN・FHの交戦データを収集販売している零細セルですね。」
"かなえ"A種潜航艤装:柏さんの説明に連動し、各勢力の活動図を地図にマッピングしていく。
"かなえ"A種潜航艤装:一点、帆毬湾沿いに大きな空白地帯があった。
柏夕陽:「それで、最後に”バチスカーフ”の現状ですが…」
”虚姫”:「そうなんだよねー。最小限で済ませたつもりだけど、もしかしたらデータ取られちゃったかも」
柏夕陽:「性質上我々の拠点の後釜に収まっているのは──」
宮代火澄:「”ネクラファジー”」
"かなえ"A種潜航艤装:腐肉動物のアイコンが、湾沿いの空白地帯を埋め尽くす。
此江・A・匸華:きゅ、と眉根を寄せて嫌そうな顔をする。自分たちの”拠点”だった場所が他所に占拠されているのは、いい気はしない。
柏夕陽:「その通り。今の状況は?」
宮代火澄:「”ソナープロット”は撤退したみたいだ。流石に向こうも消耗が激しいんだろうね」
宮代火澄:「その間にアジトは”ネクラファジー”が占拠」
宮代火澄:「ただ、ソナープロットもただ休んでるだけじゃない」
"かなえ"A種潜航艤装:「”ニライ”を初め、”バチスカーフ”人員の激しい抵抗により、今回の襲撃では”ソナープロット”の損耗率も甚大と推測。しかし……」
宮代火澄:「ドローンで街中に目を張り巡らされてる」
宮代火澄:「僕らを逃がす気はない……ってことだろうね」
此江・A・匸華:「”グラヴィアヴェルク”はどうしてるんだろう?」
"かなえ"A種潜航艤装:勢力図がリセットされ、代わりに街中に点と点を網のように繋いだ監視予想図が表示された。
宮代火澄:「まだどう動くかは分からない。ただ、この状況を黙って見てるってことはないと思う」
此江・A・匸華:「あっちもUGNと仲良しって感じじゃなかったし、共同歩調取ってくるとは思えないけど……」
”虚姫”:「"グラヴィアヴェルク"の事だよ」
”虚姫”:「私がさっき"対峙するかも"って言ったの」
宮代火澄:「向こうもオッタ―トロールを狙ってるなら、か……」
”虚姫”:「そのセルも、ハウルの遺産を狙ってる」
”虚姫”:「他のセルはどうか分からないけど」
此江・A・匸華:「……そっか。だけど、”グラヴィアヴェルク”も大っぴらに動くことはできないはず」
”虚姫”:「私たちの目的、その線上に居るとすれば"グラウィアヴェルク"になるね。」
此江・A・匸華:「改めて確認してみたけど、"ソナープロット"率いるドローン部隊は帆毬市の五割を監視下に置いてる」
此江・A・匸華:「必然的に、"グラヴィアヴェルク"の行動範囲も基本的にその外に絞られる。UGNと直接やり合うつもりなら別だけど」
此江・A・匸華:「少なくとも今は……"オッタートロール"が主目的。なら、そうならないように行動するはず」
"かなえ"A種潜航艤装:「第三の選択肢を検討します。”ソナープロット”と”グラヴィアヴェルク”が手を組む可能性」
"かなえ"A種潜航艤装:「……検討。検討。廃棄」
"かなえ"A種潜航艤装:「”カグラ”の推測を肯定。”ソナープロット”と”グラヴィアヴェルク”の行動範囲は非重複」
"かなえ"A種潜航艤装:先程提示した監視予想図のマップを、”グラヴィアヴェルク”の活動勢力圏内にオーバーライドする。
此江・A・匸華:「UGNが失った戦力を補充して体勢を整えるまでが、あたし達が"グラヴィアヴェルク"と一番向き合いやすい時間かもしれない」
"かなえ"A種潜航艤装:多少の変数以外は、恣意的な回避行動をグラヴィアヴェルク”が取っていることがわかる――
宮代火澄:「最終的な決裂は前提としての交渉なら……”ソナープロット”って共通の敵はいる……」
宮代火澄:「敵は増やしたくないけど……ううん」
宮代火澄:ぶつぶつと呟きながら考えをまとめている。
柏夕陽:「では”グラヴィアヴェルク”は最後に回すとして、」
柏夕陽:「”ネクラファジー”と”ホテル・セルヴォワ”、どちらから対処しますか?」
"かなえ"A種潜航艤装:「提言:直接的な対処が容易なのは”ネクラファジー”」
此江・A・匸華:「"ホテル・セルヴォワ"は……一応、中立なんだよね。それもFH間での」
"かなえ"A種潜航艤装:「自己反較:”ホテル・セルヴォワ”の脅威度は不定」
"かなえ"A種潜航艤装:「疑義:FH間での”中立”は信用に値するか否か」
此江・A・匸華:「うん……それは確かに。でも、"ネクラファジー"は、UGNに情報を売る可能性がないかな?」
此江・A・匸華:「虚姫さんは、一度"ネクラファジー"と交戦してる。もちろん、UGN側が虚姫さんの情報を掴んでないとは思わないけど」
此江・A・匸華:「それでも、少しでも情報は与えたくない。……それに」
此江・A・匸華:きゅ、と一晩で伸びた結髪を手で強く握って。
此江・A・匸華:「……あたし、自分たちの"家"が誰かに盗られてるの。ちょっと、ムカつくな」
"かなえ"A種潜航艤装:「……肯定。”ソナープロット”と唯一交戦していない”虚姫”は”バチスカーフ”のアドバンテージ」
"かなえ"A種潜航艤装:「”カグラ”は”ネクラファジー”への攻撃を提議。要請:他メンバーの判断」
”虚姫”:「良いよ。私も……家を取り戻す時ぐらい、役に立ちたいから。」
”虚姫”:「それに、"ホテル・セルヴォワ"が中立を謳うなら」
”虚姫”:「"バチスカーフ側"以外をなくせばいいだけだからね」
柏夕陽:「……。」しばし黙考する
柏夕陽:(”ホテル・セルヴォワ”の撃滅は行いたい、が)
柏夕陽:(”ネクラファジー”がアジトの情報を集積して他所にばらまくと動きづらくなる。)
柏夕陽:(それに性質上この二つのセルはクライアントとホスト…連帯関係にあると見てもいい。)
柏夕陽:(先に潰すべきは”ネクラファジー”。)
柏夕陽:「私も、賛成です。」
宮代火澄:(放っておくとネクラファジーは不確定要素になる。ホテル・セルヴォワも同じだけど、対処しやすい側から攻めたほうがいいか)
宮代火澄:(……それに、皆の精神状態のためにも。アジトは奪還しておきたい)
"かなえ"A種潜航艤装:「賛成4」ホログラムの少女が宮代くんを見る。
宮代火澄:「僕も賛成」
"かなえ"A種潜航艤装:「賛成5。要求:”スクナ”の思考プロセス」
宮代火澄:「かなえの分析を信じる。対処しやすいところから動く」
"かなえ"A種潜航艤装:「”かなえ”は深掘補助対話知能。こうした決断のサンプルの保存は、当機の自己向上に大きく貢献する」
宮代火澄:「それに、僕も此江と同じ意見」
宮代火澄:「家を盗られたままなのは嫌だから」
"かなえ"A種潜航艤装:「理解。これより当艦は”バチスカーフ”アジトまで航路を再設定」
"かなえ"A種潜航艤装:「再浮上は13時間後」
此江・A・匸華:「……うん、ありがとう」 想いを肯定されたことに、小さく笑みが零れる。
"かなえ"A種潜航艤装:「……」
"かなえ"A種潜航艤装:「提案」再浮上航路を設定していたが、そこでぽつりと零す。
”虚姫”:「?」
宮代火澄:「なに?」
"かなえ"A種潜航艤装:「”バチスカーフ”現メンバーにおける、暫定最高意思決定責任者の選定」
”虚姫”:「ああ、確かに。それは必要だね」
"かなえ"A種潜航艤装:「……先程の意思決定。全会一致は幸運と推測」
"かなえ"A種潜航艤装:「潜水艦という閉鎖空間での活動がこの先も予想される。よって、トラブルの発生を回避するため、最高責任者の存在を要請」
宮代火澄:「……」
柏夕陽:「火澄さんを推します。」
宮代火澄:セルリーダー。改めて、遠江はここに居ないのだと思い知らされる。
GM:”かなえ”からの提案により、このシーンで暫定セルリーダーが選出されます。
宮代火澄:「夕陽?」
宮代火澄:少し驚いた顔をして。
此江・A・匸華:(そうだよね。お姉がいない中でも、あたし達は生き抜かなくちゃいけないんだから……)
GM:このシーンで暫定セルリーダーに選出されたPCは、セルリーダーエンブレムの中から一つ選択し、それを装備することが可能です。
"かなえ"A種潜航艤装:「……”ダモクレス”を肯定。要請:思考プロセスの開示」
柏夕陽:「頼み事をされるのは嫌でしょう?」
此江・A・匸華:「確かに。それなら、決める立場になっちゃえば、困らないかも」
宮代火澄:「それはそうだけど。僕は一番の新人だよ」
宮代火澄:「みんな、納得できる?」
柏夕陽:「私は納得します。」
此江・A・匸華:「できないとか嫌だ、とは言わないんだ」 少し笑う。
"かなえ"A種潜航艤装:「”かなえ”は同じく”スクナ”を選定」
"かなえ"A種潜航艤装:「自己開示:先程の意思決定プロセス」
柏夕陽:「リーダーに必要な素質は他人を信用することですよ。」
"かなえ"A種潜航艤装:「”スクナ”は”かなえ”の分析を信頼し、”カグラ”の想いに応え、”ダモクレス”をと協同し、”虚姫”を汲み取った」
"かなえ"A種潜航艤装:柏さんの言葉に頷く。
柏夕陽:「火澄さんはその点みんなを信頼してくれています。ありがたいことに。」
"かなえ"A種潜航艤装:「この状況で最後までそれが可能なのは」
"かなえ"A種潜航艤装:「”スクナ”であると判断」
宮代火澄:(……プレッシャーかけてくれるな)
宮代火澄:それを務めるなら自分か夕陽だろうとは考えていた。
宮代火澄:此江はまだ傷が深いし、上に立つ性格じゃない。
"かなえ"A種潜航艤装:「疑義:”虚姫”の選定候補は……」
宮代火澄:虚姫も、いつ精神が不安定になってもおかしくない。
”虚姫”:「私?私は──」
”虚姫”:「──私以外なら、誰でもよかったの。だから、火澄くんで賛成」
"かなえ"A種潜航艤装:「……」
宮代火澄:「虚姫……」
”虚姫”:「安心して?誰の下でも、力一杯働くからね!」
宮代火澄:「……わかってる」
”虚姫”:そう快活に言い放って、グッと両手を握る仕草。
此江・A・匸華:「虚姫さんは戦いに集中しなきゃならない時も多いし、うん。そういう意味でも、火澄が適任だと思うな」
宮代火澄:不安と悲しみで揺れそうな心を抑える。
柏夕陽:「……では。」
"かなえ"A種潜航艤装:柏さんの言葉に頷く。
柏夕陽:「火澄さん。よろしくお願いします。」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:夕陽なら上手くやれるかもしれないが。その上で、夕陽は真っ先に自分を推した。
"かなえ"A種潜航艤装:電子署名がボードに現出し、一人で調印されていく。権限が暫定的に移譲されているのだ。
宮代火澄:その判断を信じる。頼まれるのは嫌いだけど。
此江・A・匸華:「半年間、誰よりもお姉の近くにいたんだもん。だから、大丈夫!」 にかっと笑う。
宮代火澄:「わかった。僕がやるよ」
"かなえ"A種潜航艤装:「現時刻を以てセルの一部権限を”スクナ”に複製。なお、”ニライ”の研究については暫定権限では閲覧不可のものと……」
"かなえ"A種潜航艤装:電子音声と共に、手続きが完了した。
”虚姫”:頷く「よろしくね」
”虚姫”:「遠江ちゃんが戻ってくるまで、ね?」
宮代火澄:「……うん」
宮代火澄:戻ってくるまで。……本当に?
宮代火澄:疑問を押し殺す。
宮代火澄:「一つだけ」
宮代火澄:「皆にお願い」
此江・A・匸華:「ん、なに?」
"かなえ"A種潜航艤装:「……傾聴」
宮代火澄:「死なないで」
宮代火澄:「誰も。誰も。これ以上死ぬことは許さない」
宮代火澄:「自分の生存を最優先にすること」
宮代火澄:「暫定セルリーダーの、最初の命令です」
柏夕陽:「……承りました。」元より、自分はそうして生きてきた。
柏夕陽:FHへの恭順が唯一の生きる道だと思っているからこそ、
柏夕陽:組織の背教者を狩り、信奉者を守ってきたのである。
此江・A・匸華:「──」 僅かに目を見開いて、閉じる。再び開いた瞳に照明が反射し、爛と輝く。「うんっ。もちろん!」
”虚姫”:「……? うん、分かった。」
柏夕陽:(願わくば、生きるための裏切りなど考えませんように。)
”虚姫”:"これ以上"とは、どれ以上だろう
”虚姫”:そんな疑問が頭に浮かんだが
”虚姫”:お願いされたので、そう言葉を返した。
柏夕陽:(私は少なからずあなたを気に入っています。火澄さん。)
此江・A・匸華:(……あたしが死んだら)
此江・A・匸華:(同じくらい、火澄は悲しんでくれるかな。どうかな、分からないけど──)
此江・A・匸華:(……でも、少しでも。悲しませたくないな──だから、がんばろう)
宮代火澄:「ありがとう。それじゃあ、みんな」
宮代火澄:「よろしく」
"かなえ"A種潜航艤装:応えるように、小さく頷き、消える。
"かなえ"A種潜航艤装:”かなえ”がバラストを排水する。船体がかすかな上昇感に包まれ、そして”バチスカーフ”は浮揚を開始した。
───────
GM:ロイスの取得のみ可能です。
GM:調達は現在エネミーエフェクト《組織崩壊》が使用されているため、不可となっています。
此江・A・匸華:宮代火澄 ◯信頼/隔意 で取得します。以上で!
”虚姫”:ロイス保留で!
柏夕陽:ロイスは宮代火澄/〇憧憬/脅威で
宮代火澄:柏夕陽 〇P信頼/N脅威
宮代火澄:以上!
柏夕陽:以上!
GM:何でN脅威が被ってるんですかね……
GM:OKです!では、次のシーンに参りましょう。
───────
柏夕陽:すいません、《水晶の剣》だけ使わせてください…
GM:よござんす!
"かなえ"A種潜航艤装:「どなたの武器を強化されますか」
柏夕陽:では自分のイノセントブレードと火澄くんの試作レーザーランチャーに使います。
"かなえ"A種潜航艤装:OK!
宮代火澄:助かる!
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(47 → 51)
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(51 → 55)
"かなえ"A種潜航艤装:ではスーパーイノセントブレードとハイパーメガランチャーになりました
"かなえ"A種潜航艤装:このセルZZガンダムだったかも知れん
Middle03:家へ帰りに
GM:シーンプレイヤーは此江さん。他、登場自由。
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(55 → 61)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(46 → 52)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(50 → 55)
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(52 → 58)
───────
GM:このシーンより、”バチスカーフ”は浮上と潜航を繰り返しながら、生存に向けての絶望的な戦いに挑むことになります。
GM:ですが当然、地上には”グラヴィアヴェルク”や”ソナープロット”のドローンがひしめいています。彼らとの交戦も覚悟する必要があるでしょう。
GM:ということで、シーンプレイヤーの此江ちゃんは
GM:1d10を振って下さい。
此江・A・匸華:1d10
DoubleCross : (1D10) → 8
此江・A・匸華:ドキドキ……
GM:8か
GM:げ~~~~~
宮代火澄:なになに
⑧【NAMED!】:密葬手”13./£”、弔葬。
ランダムなPC1体のHPを0にする。カバーリング不可。
<回避>11で回避可能。回避した場合、3Rの間出撃しない。
此江・A・匸華:ぎゃん!
宮代火澄:ひぎぃ~~
GM:ということで、今振って貰ったのは「追跡チャート」です。
宮代火澄:いきなりきついよお
”虚姫”:なにっ
GM:これから行うシーンごとに、特例を除いてこの「追跡チャート」をシーンプレイヤーの方に振って頂きます。
GM:彼らの襲撃を撃退するには、それぞれの結果に書かれた項目を実施する必要があります。
GM:この場合は<回避>11ですね。
GM:これはシーンプレイヤー自身が判定を行い、挑戦します。
此江・A・匸華:あわわ……
GM:そしてもう一つ。この【NAMED!】タグの付いている奴は強敵なので、倒すと装備を鹵獲できます。
GM:具体的には、クリアすると[チャート番号*3]点までのアイテムを獲得できるので
GM:是非奮ってチャレンジしてみてください。
GM:今回は8*3=24点までですね。
柏夕陽:倒すにはどのような判定が必要ですか?
GM:あ、今回は回避すれば迎撃できますね。それを交戦の代わりとします。
宮代火澄:なるほど
柏夕陽:あともう一つ
GM:はい!
柏夕陽:かなえの支援は使用可能ですか?
GM:これについてはもちろん問題ありません。ただしそのシーンは使えなくなってしまうのでご注意下さい。
宮代火澄:了解!
GM:一度敵前でかなえの装備を起動した場合、しばらく索敵回避アルゴリズムを生成し直す必要があるからです。
此江・A・匸華:併せて質問です! かなえの支援、これは判定前に宣言ですか? 判定後でもOK?
GM:判定後でOK!
此江・A・匸華:バデムと同じね 理解しました
GM:要はバデムと同じだとお考え下さい
GM:そう!
GM:エフェクトも使用可能です
”虚姫”:理解よ
此江・A・匸華:イージーエフェクトで補正とかもらえますか?
此江・A・匸華:具体的には、《海の魔術師》《環境適応》で水中に身を潜めてやり過ごしつつ、背後から奇襲を仕掛ける、というのを考えたんですが
GM:イージーエフェクトの内容によってはあげます。どのエフェクトをどのように使いますか?
GM:なるほど
GM:来ることは既に分かっているので、こちらから奇襲を仕掛ける…という考え方ですね。
GM:此江ちゃんの特性が活かされていて素晴らしいRPだと思います。判定の達成値に+1をさしあげましょう。
此江・A・匸華:やった! じゃあ、改めて判定します。
此江・A・匸華:3dx+1>=11
DoubleCross : (3DX10+1>=11) → 10[1,9,10]+1[1]+1 → 12 → 成功
GM:うおおおお!!!
此江・A・匸華:しゃい!!!
柏夕陽:すごいぜ
GM:イージー使い得だった
”虚姫”:流石だ
GM:かなりギリギリだったので、凄く良い判断でしたね
GM:では、さくっと交戦ロールをしてしまいましょう。
───────
GM:S県帆毬市 帆毬湾岸沿い 8/09 21:00(”かなえ”再浮上時刻)
GM:帆毬運河公園付近
───────
"かなえ"A種潜航艤装:『――確認できました。識別義体名称:”13./£”』
"かなえ"A種潜航艤装:『都市迷彩装備の低出力義体で巡回しているようです。……提議:該当義体の破壊』
此江・A・匸華:「……ん。了解」
"かなえ"A種潜航艤装:『備考:ドローン:スウォームも共に巡回中。浮上と同時に補足の惧れあり』
"かなえ"A種潜航艤装:『同意:”カグラ”が適任――』
此江・A・匸華:”かなえ”より単身、専用のハッチを通って海中へ潜行。水中に息を潜め、時を窺っていた。
”13./£”:都市光学迷彩を起動したまま、運河の向こう。
”13./£”:何か巨大な物体が潜航している気配を感じる。振り返る――
此江・A・匸華:自身を覆う酸素の膜はボンベの役割も果たす。それが保つ限り、気泡すら水上に現さずに潜行を続けられるのが少女の斥候任務における大きな強みだ。
此江・A・匸華:大きな武器も防具も必要ない。ただ己の身一つで全てを賄う在り方は、先行偵察任務に大きな適性を持っていた。
此江・A・匸華:そして、いまこの時は──奇襲という形で表出する。
此江・A・匸華:”かなえ”の浮上を悟った”13./£”が動く。それに合わせ、海に面して流れ出す用水路を泳ぎ、水面に向けて射出されるように飛び出す。
”13./£”:「背後――」その刃を、「……ではない。その対応は一度見せた」
”13./£”:上空に向ける。射出。
”13./£”:「故に上だ。生きていたか、”バチスカーフ”……!」
”13./£”:銀の閃光――高速回転する処刑刀の連射が迫る。
此江・A・匸華:無防備に見える空中で、ぐ、と身体が撥条仕掛けのように縮こまった。瞬時に圧縮した空気を逆噴射するように、斜め下に向けて再射出。
此江・A・匸華:処刑刀の軌道の下を潜り抜ける。"13./£"の足関節を、続け様に散弾の如き衝撃が襲う。
”13./£”:「それは」射出装置をパージする。肘裏から杭打機を作動させ、きみを圧殺しようとするが――
”13./£”:「無理だな。早すぎる」
此江・A・匸華:「あたしも」 正面から頭部への追撃。
此江・A・匸華:「その攻撃パターンは、こないだ見たよ」
”13./£”:散弾に撃ち抜かれる。杭打機の打点が僅かにずれ、インパクトをもろに受けたアスファルトが溶解した。
”13./£”:更に頭部への攻撃。装甲ごとフェイスガードそのものを高速回転させて弾くが、関節部に入り込む。
”13./£”:「……やはりこの義体では無理だな。撤退する」
”13./£”:「だが、覚えたぞ。その戦術も」
此江・A・匸華:「……よしっ」 確かな手応え。ついでに、機体背後に括り付けられていた機材を掠め取り、泥棒猫のように颯爽と、周囲のドローンの到着を避けるように海中に飛び込んだ。
”13./£”:【NAMED!】タグの敵と交戦しました。情報項目:■■が更新されました。
”13./£”:機体の頸椎部が小さくショートする。データを持ち帰らせないための処置だろう。
此江・A・匸華:(それでいい。あたしの情報なんて、いくらでもくれてやる) 流れに逆らうように悠々と泳ぎながら、小さくほくそ笑んだ。
───────
GM:現在実行可能な項目はこちらです。
GM:えーっと、今はネクラファジー掃討ルートなので
GM:この卓ではリアルタイムで情報項目が変化していきます。ルート次第によって、開ける項目にも若干の違いや前後が出て来るでしょう。
★第一次”ニライ”捜索計画 情報:UGN/FH 9
★”ネクラファジー”隠密掃討 知識:ゲリラ戦 11
■調査報告:”オッタートロール” 情報:FH 7/知識:機械工学 6
■戦力同定:”ネクラファジー” 情報:FH 8
★帆毬海溝潜航突破 知識:海洋/海洋生物 目標値12
■補給
■休息
GM:★が必須項目、■が任意項目です。
柏夕陽:じゃあ持ってる技能的に”ネクラファジー”の隠密掃討行きましょうか。
GM:OK!判定をどうぞ。
柏夕陽:7dx+2>=11
DoubleCross : (7DX10+2>=11) → 7[1,1,1,5,7,7,7]+2 → 9 → 失敗
柏夕陽:うげっ
GM:財産使用可能!
此江・A・匸華:かなえもあるよ!
"かなえ"A種潜航艤装:います
柏夕陽:財産使います…2点使って16→14
柏夕陽:a,
柏夕陽:やっぱりかなえ使います
"かなえ"A種潜航艤装:では達成値に+3。問題なく成功します。
宮代火澄:助かる~
柏夕陽:財産補助は他の人にもできるんだった
柏夕陽:フローズンリリーで
宮代火澄:助かりすぎ
”虚姫”:これで安心して挑めるわけね
”虚姫”:じゃあ帆毬海溝潜航突破で
”虚姫”:3dx+2
DoubleCross : (3DX10+2) → 7[2,3,7]+2 → 9
GM:イルカ女になるがいい
GM:夕陽ママ助けて!!!
”虚姫”:フロリリおなしゃす
宮代火澄:虚姫さん財産なかったっけ?
”虚姫”:あったわ
柏夕陽:どうする?
柏夕陽:自分の使うかフロリリするか
”虚姫”:じゃあ自前の3点使います
柏夕陽:了解です!
GM:OK!ではこちらも成功。
”虚姫”:財産5→2
宮代火澄:私任意のどっちか行こうかな~と思うんですが
宮代火澄:オッタートロールとネクラファジーの戦力、どっち行きましょうか
此江・A・匸華:掃討やってるし戦力同定の方が、ぽい?
”虚姫”:ですかねー
宮代火澄:ではそちら行きますか
GM:OK!
宮代火澄:情報収集チーム2回目使います。FHで判定
宮代火澄:2DX+1+1@10>=8 情報(FH)
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 4[3,4]+2 → 6 → 失敗
宮代火澄:ありゃま。自分の財産2点使います
GM:金が!
宮代火澄:残り6
柏夕陽:出目が悪いぜ
此江・A・匸華:じゃあ、★第一次”ニライ”捜索計画 情報:UGN/FH 9 これ調べます~。情報収集チーム(2回目)と《ベーシックリサーチ》使って、っと
GM:甲斐性あるゥ~~
此江・A・匸華:(2+2)dx+2+1>=9
DoubleCross : (4DX10+3>=9) → 4[4,4,4,4]+3 → 7 → 失敗
此江・A・匸華:出目!!!!
柏夕陽:フローズンリリー使います!
柏夕陽:財産16→14
宮代火澄:助かる!
此江・A・匸華:ぐす……柏さんありがとうぅ……
柏夕陽:ことなきをえたぜ
此江・A・匸華:では、成功になりました。ぐすん。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1増加(58 → 59)
GM:GET KOTONAKI
GM:ではママのお陰で……開示された情報項目を順々に貼っていきます!
GM:まずは気になるネクラファジーの戦力。
■戦力同定:”ネクラファジー” 情報:FH 8
”ネクラファジー”の戦力自体はさほど脅威ではない。
スカベンジャー行為という危険度の高い任務と、それに反比例するようなセルの規模は、
”ネクラファジー”に後ろ盾が存在しないという事実を示しているからだ。
だが、重要なのは、”ネクラファジー”がデータサルベージのみならず逃走にも特化した集団であるということだ。
どれほど優秀な情報抽出技術を有していようとも、それを生きて共有し、市場に売り捌くことができなければまるで意味をなさない。
彼らはサルベージした情報の断片を分割して輸送している。
その全てを撃破することが可能ならば、その分”ニライ”の残した情報はより詳細なものとなって”バチスカーフ”の手に渡るだろう。
→★ミドル戦闘:”ネクラファジー”隠密掃討における「資料強奪」の難易度を2減少させる。
GM:続いて、ネクラファジー隠密掃討。
★”ネクラファジー”隠密掃討 知識:ゲリラ戦 11
"バチスカーフ"のアジト……廃水族館に帰投することは不可能だ。
それは”ソナープロット”による監視だけではない――”ネクラファジー”が、
”バチスカーフ”旧支配域においてサルベージ行為を実行しているためである。
”ソナープロット”の猟兵戦術、つまりドローンと高精度の狙撃による包囲網は、
反面電装系統の支配を得意とするオーヴァードには比較的容易にハックされるという明確な弱点がある。
よって、”ソナープロット”はデータの収集・改竄をセルとして行う”ネクラファジー”に対し、
半ば静観の構えを取っているのだ。
もっとも、”ネクラファジー”そのものにUGNを強襲し得るだけの武力は存在しない。
両者は半ば膠着状態に陥っており、”ネクラファジー”はその現状を認識した上で”バチスカーフ”のアジトを盗掘しているようだ。
だが一つ、確かな事実がある。”ネクラファジー”はデータサルベージに精通している。
――つまり、暗号の複合化にも長けているということだ。
彼らが得た”バチスカーフ”のデータを奪還すれば、”ニライ”が隠していた”何か”に迫ることが出来るかもしれない。
→★ミドル戦闘:”ネクラファジー”追跡掃討が選択可能になりました。
GM:次のシーン、★ミドル戦闘:”ネクラファジー”追跡掃討が選択できます。
GM:続いて、そんな”ニライ”捜索計画。
★第一次”ニライ”捜索計画 情報:UGN/FH 9
”ニライ”はあなたたちに「何か」を隠していた。
そして”バチスカーフ”襲撃後、彼女の目撃情報はその一切が途絶えている。
だが”消息を絶っている”ということは。
――”バチスカーフ”を壊滅させた、当のUGNであっても”ニライ”の所在を把握できていない、という事実を意味するのではないだろうか?
幸いにして、帆毬市の地形……複雑に入り組んだ水路と運河はあなたたちにとって有利に働く。
”ソナープロット”の監視の目を潜り抜け、あるいは生存している”ニライ”と合流できれば、”バチスカーフ”は再浮上できるだろう。
また、計画の策定に伴い、”かなえ”内部に残されていたファイルの存在を発掘した。
現在”バチスカーフ”アジト内の端末に隠されているその名を、”楽園計画”という。
GM:最後に、一つだけ毛色が違う……帆毬海溝深海突破について。
④
★帆毬海溝潜航突破 知識:海洋 目標値12
”ソナープロット”の監視の目は帆毬市全域に張り巡らされているが、彼らの手が唯一届かない脱出ルートがある。
それは”バチスカーフ”の主戦場――すなわち、深海だ。
帆毬海溝深海坑道。セルの数名にのみ共有された極秘の脱出口。
水深2500メートルに深掘された”バチスカーフ”の葉脈に辿りつくことが叶えば、
深海坑道を通じた帆毬市外への脱出もあるいは可能だろう。
しかし、帆毬海溝に位置する深海坑道の周辺には、レネゲイド資源に汚染された凶暴な深海生物が棲息している。
これらを撃滅しなければ、帆毬海溝深海坑道への突破は不可能だと予想される。
→★ミドル戦闘:「帆毬海溝潜航突破」が開放されました。
GM:これは”ネクラファジー”を倒した後の脱出ルートの話です。バチスカーフのそれは深海にあったわけです。
GM:では、以上の情報を元に、情報共有をどうぞ。
───────
GM:S県帆毬市 8/09 PM18:20
GM:カフェ『heaven@s square』
───────
GM:”かなえ”は浮上し、”バチスカーフ”は”ネクラファジー”掃討のため、地上での活動を強いられる。
GM:セーフハウスが張られている以上、きみたち四人は早急に新たなカヴァーを捏造する必要があった。
GM:よって、今この事態は何ら不自然なものではない。
"かなえ"A種潜航艤装:『……何故』
"かなえ"A種潜航艤装:『制服なのですか?』
"かなえ":端末にダウンロードされた”かなえ”が尋ねる。
柏夕陽:「もちろん、全員高校生くらいの年だからですよ。」
宮代火澄:「僕らぐらいの年齢で集まるなら、学生のふりをするのが一番自然だからね……」
此江・A・匸華:「な、なんか久しぶり過ぎて、変な感じ……」
柏夕陽:いつものスーツ姿ではなく、ブレザーにキュロットスカートを着ている。
”虚姫”:「服も丁度あったしね。私も久し振りだなー、着るの。」
此江・A・匸華:クラシックなセーラー服を身に纏い、胸元のリボンを恥ずかしげに弄っている。眼鏡も掛けている。伊達だ。
"かなえ":『推定:N市星辰館高校の制服だと同定』
柏夕陽:カフェのテーブルには教科書やノートが広げられており、
”虚姫”:柏と此江の分しか女性ものは残っていなかったので、男物のブレザーを着ている。包帯で胸を押さえつけている事以外は、いつも通りの雰囲気だ。
"かなえ":『”かなえ”にセルメンバーの一人が搭載していたものを、カヴァーに使うとは……』
柏夕陽:外から見れば学生が勉強をしているように見えるだろう。
柏夕陽:「さて、」
此江・A・匸華:海図以外長いこと見ていないし、そもそもろくに学校に通った記憶もないのだ。一般教養や生きていくのに必要な知識は、姉や”かなえ”が教えてはくれたが。
柏夕陽:「情報収集の結論から申し上げます。」
宮代火澄:「お願い」
柏夕陽:「現状、我々のアジトに帰還することは不可能です。」
此江・A・匸華:「……そっ、かぁ。そんなに、警戒されてるの?」
柏夕陽:「はい。」
柏夕陽:「”ソナープロット”の監視に加え、」
柏夕陽:「”ネクラファジー”が”バチスカーフ”の旧支配域でサルベージを行っています。」
”虚姫”:「? でもそれだと、"ソナープロット"は"ネクラファジー"を襲うはずじゃないの?」頑張って低めの声を出している
柏夕陽:「”ネクラファジー”の戦力は確かに僅かです。が、」
柏夕陽:「ドローンによる包囲網を形成する”ソナープロット”の電子戦に対抗できるという点で、」
柏夕陽:「相性がいいのです。なので”ソナープロット”と”ネクラファジー”は膠着状態に陥っています。」
宮代火澄:「なるほど、戦力の質の問題か……」
此江・A・匸華:「”ネクラファジー”側にも、”ソナープロット”を斃し切るだけの戦力がないから、そうなっちゃうんだ」
柏夕陽:「二つの勢力がひしめき合う中でアジトに辿り着くのは難しい。ですが…」
柏夕陽:「もし、何らかの手段で”ネクラファジー”を捕捉・撃滅出来れば、」
柏夕陽:「サルベージした情報を我々が手にすることが出来ます。」
宮代火澄:「僕らのアジトでサルベージした情報、ってことは」
柏夕陽:「それを売るために移動することが考えられます。」
柏夕陽:「そこを叩く。」
”虚姫”:「……私たちの情報、かぁ」
"かなえ":”ネクラファジー”の移動予想ルートを、端末に表示する。
柏夕陽:さく、と手元のケーキをフォークで両断する。
"かなえ":傍目には遊園地や観光地へのルート案内に見えるよう偽装している。
此江・A・匸華:「お姉が──"ニライ"が隠してたもの、なんかも……?」 フラペチーノのストローから僅かに口を離して。
柏夕陽:頷いてケーキのひとかけを口に運ぶ。
”虚姫”:「なるほど。それなら」
”虚姫”:「商売相手も浮かびやすいや」
柏夕陽:「問題はどの程度の戦力と質の敵なのかですが…」
宮代火澄:「これまでの交戦記録なんかを見る限り、勝つだけなら問題ないと思う」
"かなえ":「以前”虚姫”が”ネクラファジー”と交戦した際の戦力は?」
"かなえ":「私も”スクナ”の見解には極めて肯定的ですが……」
此江・A・匸華:「戦力の入れ替わりは激しいみたいだよね。でも、決定的に壊滅に追い込まれたとも聞いたことがない」
宮代火澄:「逃げられることの方だね、問題は」
”虚姫”:「ぜんぜん。大したことなかったよ」
”虚姫”:「でも逃げ足は、確かに早かったな。」
宮代火澄:「そう。戦力がないことに自覚があって、逃げに躊躇いがない」
"かなえ":「……理解。推測:資料奪還の難度の上昇」
"かなえ":「提議:”ネクラファジー”側の情報隠匿場所・数パターンのシミュレート」
柏夕陽:テーブルに帆毬市の地図を広げる。
”虚姫”:ずず とオレンジジュースを啜って、地図を覗き込む
此江・A・匸華:「分割輸送……水路を使わない手はないよね」
"かなえ":「帆毬運河沿い国道。帆毬ダム直通幹線道路。帆毬湾岸国道。帆毬山山道――」ルートを読み上げていく。
柏夕陽:「”ホテル・セルヴォワ”の勢力圏に繋がる道はありますか?」
"かなえ":「”これら全て”です。」
”虚姫”:読み上げられたルートを指折り数えて
”虚姫”:「一人一つだね って言いたい所だけど」
”虚姫”:「誰も死んじゃ駄目だもんね」
宮代火澄:「うん。できるだけ戦力は分けたくない」
"かなえ":「……提議:”ネクラファジー”の輸送ルート誘導」
此江・A・匸華:「"ネクラファジー"の人員もそうだし、他の勢力にも常に警戒しなきゃいけない……となると」
”虚姫”:「追い込み漁、ってこと?」
"かなえ":「変数を与え、”こちらの道を通らざるを得ない”という状況を設定する……」
此江・A・匸華:「あっ上手い」
柏夕陽:「追い込み漁、いいですね。」
"かなえ":端末に映っている”かなえ”が、「◎」の書かれた札を上げる。
”虚姫”:いやぁ と謙遜するような仕草
此江・A・匸華:「それなら、変に勢力を分散させずに済むから少しでも安心だね。もちろん、向こうも一点に集中するわけなんだけど……」
"かなえ":「全員がバラバラに死ぬよりも」
"かなえ":「全員が纏まって死んだ方がマシではないですか? と、”かなえ”は思考します」
此江・A・匸華:「え、縁起でもないこと言わないでよ~」
宮代火澄:「向こうは逃げるのは得意でも、追うことには慣れてないはずだ」
柏夕陽:「かなえさんは時々過激ですね…」あはは、と苦笑い
宮代火澄:「こちらの戦力が十分なら、最悪撤退することになっても深追いはしてこない……と思う」
"かなえ":「……”冗談”の難度は高い。推奨:更なる対話による自己向上」表情が感情の読めないものに戻る。
”虚姫”:ふんふん と頷く
"かなえ":「撤退……」
"かなえ":「地上は”ソナープロット”、及び”グラヴィアヴェルク”に包囲されています……疑義:潜水可能時間の限界」
"かなえ":潜って逃げ続けるのにも限界が存在する、ということを暗に主張している。
”虚姫”:「あ、それはね」
此江・A・匸華:「ただ水中に避難する、っていうだけなら、少しくらいはあたしが賄えるけど……深く潜るのは難しいかな」
”虚姫”:「実は、少しだけ目星ついてるんだ」
柏夕陽:「目星、ですか?」
此江・A・匸華:「市外に出られるような箇所は、ほとんどUGNが監視下に置いてるはずだよね」
”虚姫”:「えーっとね……」広げられた地図に視線を落とし
"かなえ":「暫定リーダーのゲートの開通場所も多くありません。市外への撤退は困難と予想しますが」
”虚姫”:「この辺かな。平面の地図じゃ分かり辛いよね、ごめんね」青一色の場所を指差す
"かなえ":「……海?」
宮代火澄:「……深海か」
”虚姫”:「そ。此江ちゃんは知ってると思うけど」
”虚姫”:「この辺ってね、所々すごい深い海溝があるの」
此江・A・匸華:「うん。海溝って言ってね、数百どころか、数千mに近くなるような場所もあるんだけど……あっ、もしかして、深海坑道のこと……?」
”虚姫”:「かなちゃん。一応聞くけど、あの艦って何mぐらい潜れるの?」
"かなえ":「補足:帆毬湾には2500m~7000mに至る深海坑道が存在」
"かなえ":「スペック提示。当艦は”バチスカーフ”が”カグラ”の負担を軽減する用途にて開発」
"かなえ":「よって、耐久試験時点では6000m以深の潜航可能深度をマーク」
”虚姫”:「わぁ、すごい。なら大丈夫だね。」
"かなえ":”かなえ”潜航艤装のミニチュアホログラムを両手に掲げている。
”虚姫”:「いざとなったら、その深海坑道を使えば」
”虚姫”:「市外まで、逃げられるはずだよ。って言っても」
”虚姫”:「深海はただでさえ未知の領域だから、あまり気楽には考えない方がいいかも」
此江・A・匸華:「あたしも、実際に使えるか見たことはないの」
此江・A・匸華:「この辺りは特に……レネゲイドの影響を受けた海洋生物が多くてね」
此江・A・匸華:「だから、迂回して近寄らないようにしてたくらい。それくらい、危ない海域なんだ」
"かなえ":「皮肉:それら深海生物が坑道の存在を隠匿していた可能性」
宮代火澄:「この状況だ、選択肢としてあるだけで十分だよ」
"かなえ":「暫定セルリーダーの方針を確認。潜水艤装ソナーに深海坑道類似波形をダウンロード開始……」
”虚姫”:「ありがと。役に立てたなら嬉しいよ」
”虚姫”:「その道を使うなら、遠江ちゃんと合流してから…ね」
此江・A・匸華:「…………」 ふ、と思い当たったように顔を上げ。
此江・A・匸華:「今も、お姉の……"ニライ"の消息を掴んだ、って情報はないんだよね?」 かなえに問い掛ける。
"かなえ":「否定:”ニライ”の行方は全勢力が捜索中にも関わらず」
"かなえ":「現在に至るまで、消息情報はゼロ」
此江・A・匸華:「これは、希望的観測の話かもしれないけど──お姉は、深海坑道みたいな場所を、他にも幾つか知ってたのかもしれない」
"かなえ":「”ソナープロット”が”ニライ”の消息を掴んでいた場合、UGNは被害を抑える為人質交換を偽装した誘導を仕掛けて来ると推察」
柏夕陽:「遠江さんはその内のどれかに逃げ込んでるのかもしれないということですか?」
"かなえ":「……」発言が止まる。
”虚姫”:「可能性はあると思うな。」
此江・A・匸華:地図の上の水色の線。その何本かに指をつう、と這わせる。
”虚姫”:「現に、私たちは遠江ちゃんの目的も知らない訳だし」
此江・A・匸華:頷く。「知っての通り、この街はとにかく水路が多い。実際、開発途中に放棄されたような場所だってたくさんあるし」
此江・A・匸華:「もし、お姉がどこかに身を潜めているなら、あたし達が探す価値はあると思う」
宮代火澄:「……うん」
"かなえ":「論点整理:”ネクラファジー”掃討、及び”ニライ”捜索は並行して行う?」
此江・A・匸華:「逃げ込んでいたとしても、多分、ひどい怪我だし……UGNの監視網が拡がってる今、一人で出てこれなくなってる可能性もある」
此江・A・匸華:「どうかな。一旦、"ネクラファジー"に集中した方がいいような気もするな……もちろん、お姉のことは心配だけど、ね」
柏夕陽:「同感です。”ネクラファジー”を取り逃がせば状況は泥沼化します。」
宮代火澄:「うん。まずは”ネクラファジー”を落として、状況を少しでもよくしよう」
此江・A・匸華:(あの日からもう数日経ってる──生きているなら、身を隠す場所を見つけていないと難しい。なら、今は快復を待っていると信じた方がいい……)
宮代火澄:「彼らがサルベージしたデータを奪取すれば、わかることもあるだろうしね」
”虚姫”:「………」
”虚姫”:「ごめんね、一つだけ。"ネクラファジー"の事で」
"かなえ":「……?」
”虚姫”:「子供が居たの。よく分からないけど、逃げる前に私に頭を下げてた」
宮代火澄:「子供……?」
”虚姫”:「付け入る隙になるかもしれない」
柏夕陽:「その隙をどう衝きます?」
”虚姫”:「それ自体が、こっちを乱す演技の可能性もあるけど」
此江・A・匸華:「え、えっと……子供が、隙?」 良くわからないといった風に首を傾げる。
”虚姫”:「私が恩を売ってるのなら、制圧したあとでもなんでも、こっちのために動いてくれるかもしれないでしょ?」
柏夕陽:「”説得”はお任せしてもいいでしょうか」
”虚姫”:「うん、いいよ。」
宮代火澄:「わかった。それらしい子供がいたら、できるだけ傷つけないように気をつける」
宮代火澄:「恩なら多いに越したことはないよね?」
此江・A・匸華:「まあ、話を訊ける相手は多い方がいいと思うけど……」 どことなく噛み合わない感覚になりながら頷く
"かなえ":「……」
"かなえ":「では、今後”かなえ”は”ダモクレス”と共にオペレーションの具体的な策定に移行します」
柏夕陽:「はい。了解です。」そう言いつつ
柏夕陽:複雑そうな顔の此江の口元にケーキをひとかけ差し出す。
此江・A・匸華:「ほぁっ」
柏夕陽:「残すのももったいないので。あーんしてください。」
此江・A・匸華:伊達眼鏡の奥の目がまんまるになり、ぱちぱちと大きく瞬き。
此江・A・匸華:「……ぁ、あーん」
此江・A・匸華:目を閉じ、恥ずかしそうにしつつも雛鳥のように口を開ける。
柏夕陽:微笑んで、その口にケーキを優しく放り込む。
宮代火澄:二人の様子に少し表情を緩めて。
此江・A・匸華:「もく……もく……あふ、美味しい……」 あまり難しいことを考えるのは得意ではない。疲れた頭に糖分が沁みる。
"かなえ":「……作戦開始時刻はこれより32時間後、8月12日の0220と設定します。それまでは各自、市内で休息を……」
宮代火澄:「その前に、かなえ。確認したいことがある」
宮代火澄:「遠江はセルリーダーとして、僕らにも隠して動いてたことがあるよね」
"かなえ":「…………」
"かなえ":沈黙する。
宮代火澄:「権限の問題で開示できないことも多いと思うけど、なにか手がかりになるようなことはない?」
"かなえ":”かなえ”に隠し事をする、という機能は存在しない。単純に、それを開示する権限が付与されていない、ということを意味する。
"かなえ":「……暫定セルリーダー権限を確認。検索。検索……アクセス禁止……?」
"かなえ":「……いえ、これは……ファイル名だけでも……」
"かなえ":「……」
"かなえ":「”スクナ”」
"かなえ":個別通信が入る。
"かなえ":「”パスワード要求:遠江・A・匸華の……”」
"かなえ":「”内腿の黒子の数”」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:額を手で抑える。
宮代火澄:「あのセクハラ女……」
”虚姫”:「?」
柏夕陽:「どうしました?」
宮代火澄:「なんでもない」
此江・A・匸華:(お姉ちゃんの悪戯かなあ……)
宮代火澄:正確な数を入力する。
宮代火澄:(……こんな悪戯仕込むなんて)
宮代火澄:(遠江は僕が今の立場になることも想定してたのか?)
"かなえ":「……承認。ファイル名を開示します……これは」若干表情を曇らせながら、バーチャルコンソールを弄っていた指が
"かなえ":止まる。
"かなえ":「……”楽園計画”?」
”虚姫”:「楽園?」
"かなえ":「”ニライ”が研究していた、ファイル名……です。それ以外はそもそも閲覧が申請できません」
"かなえ":「恐らくスタンドアロンの端末に保管されているものと推測されます」
宮代火澄:「楽園……遠江、たまに言ってたな」
宮代火澄:「楽園は見つかるのか、とか。そんなこと」
"かなえ":「楽園、とは想像上の定義にすぎず、存在しない、と”かなえ”は学習しています」
此江・A・匸華:「でも、わざわざそんなファイル名だけ残してるってことは」
此江・A・匸華:「権限を持つくらいの誰かに、捜してほしいって……そういうことじゃないのかな」 火澄を見つめながら。
柏夕陽:「スタンドアロンの端末ということは…」
宮代火澄:此江の視線を受けて、頷く。
柏夕陽:「我々のアジトの端末、ですか。」
此江・A・匸華:「直前でお姉が持ち出したりしてなければ、そうなるね」
柏夕陽:「”ネクラファジー”を倒す理由が増えましたね。」
”虚姫”:「そうだね。でも何で隠してたんだろう」
”虚姫”:「言ってくれたら手伝うのに。ね?」
"かなえ":「『良い女には秘密が多いものだよ』とは彼女の言です」
此江・A・匸華:「もう、お姉はいっつもそういうことばっかり……」 呆れ顔で天を仰ぐ。
宮代火澄:(僕らには手伝わせられないと思ったのか、それとも)
宮代火澄:(僕らが手伝わないと思ったのか)
宮代火澄:口には出さない。彼女への不信を深めるようなことを言っても仕方ない。
宮代火澄:「方針は決まった。まずは”ネクラファジー”を攻める」
宮代火澄:「改めて、準備と休息を取ろう」
柏夕陽:頷く。
柏夕陽:(攻め手は多ければ多いほどいい。)
柏夕陽:(………そろそろ明かすべきかな。)
”虚姫”:氷が溶けてグラスの下に溜まった、オレンジの味がする水を ず ぞぞ と飲み干して
柏夕陽:座席に立てかけた傘を横目で見つめる。
”虚姫”:「まだ少し時間あるよね、少しだけ歩いてきてもいい?」
此江・A・匸華:「時間は大丈夫だけど……一人で行くの?」
”虚姫”:首を横に振って
"かなえ":『作戦開始時刻は32時間後です。集合場所は傍受防止のため艦内で指定』
”虚姫”:柏の手を取る。
"かなえ":『それまでは各自、市内か艦内で準備・休息を推奨……』
”虚姫”:「行こ?一緒に」
柏夕陽:「付き合いましょう。」
”虚姫”:「今は私、男の子だから。こっちのほうが違和感ないんだよね」
宮代火澄:「……あまり遠くにはいかないようにね。何かあったらすぐ合流するから」
此江・A・匸華:「了解! じゃあ、荷物は持って帰っちゃうね」 拡げていたダミーの教科書やら、本物の地図やらを鞄に仕舞っていく
柏夕陽:「はい。ありがとうございます。」傘を持って立ち上がる。
此江・A・匸華:よっこいしょ、とスクールバッグをリュックのようにして背負う。
此江・A・匸華:「じゃあ、また後でね~!」 きっと高校生がそうするように、ぱたぱたと手を振る。
”虚姫”:「うん、またね。」お金だけ置いて、柏と手を繋ぎ、出口へ向かう。
───────
GM:シーン終了。ロイスの取得のみ可能です。
此江・A・匸華:ロイス保留で!
”虚姫”:こちらも保留!
宮代火澄:保留!
柏夕陽:保留!
柏夕陽:あ、
柏夕陽:アイテム入手チャンスがありましたよね
柏夕陽:もうやったっけ
宮代火澄:あっそうでしたね
GM:実は……ハリファックス君を倒した分のアイテム入手はまだです!
宮代火澄:あっ了解!
柏夕陽:そうなんだ
柏夕陽:では以上です!
GM:財産点24までの装備を獲得なので
GM:こちらで宣言してください。
GM:あとはエンブレムなども決まったらシーン最後に宣言して貰えればOKです
宮代火澄:はーい
宮代火澄:じゃあ医療トランクもらいます!
GM:では、ハリファックスくんから医療トランク(抗生物質ナノマシンインジェクター)を獲得しました
此江・A・匸華:なんだかすごそう あたしが持ち帰りました(生産者表示)
───────
GM:Interlude1-A
GM:登場浸蝕は不要です。
此江・A・匸華:「火澄って、つぶあんこしあんどっち派?」
此江・A・匸華:スクールバッグをリュックのようにして背負った少女が、唐突にそんなことを問い掛ける。
此江・A・匸華:帆毬市内の商店街。そう人通りは多くないものの、学校帰りらしき高校生数人の集団がちらほら見て取れる。
宮代火澄:「あんこ?どちらかといえばこしあんかな」
此江・A・匸華:「おっけー」
宮代火澄:「なにか食べたいの……って」
此江・A・匸華:とっとっと、と軽い足取りで並びの店に。少しして足取り軽く戻って来た少女の手には、たい焼きがふたつ。
此江・A・匸華:「焼き立てだって!」
宮代火澄:「ありがと」
宮代火澄:受け取って、少し申し訳無さそうに。
宮代火澄:「ごめん。僕が気を利かせるとこだったかな」
此江・A・匸華:「ちょっと食べたらむしろお腹空いちゃった」 ほくほくしながら頭から齧りつく。
此江・A・匸華:「いいよー、あたしが食べたかったんだもん」
此江・A・匸華:「それとも、お姉の時はそうしてた?」 眼鏡の奥の瞳が興味深げに細まる。年頃の少女が恋バナでもするように。
宮代火澄:「あんまり。遠江は年上に奢らせろって言うことが多かったし」
此江・A・匸華:「年上ぶっちゃって、まー」
宮代火澄:「でも、今はちょっと気持ちわかるな」
宮代火澄:「年上らしくしたいって思っちゃった」
此江・A・匸華:「ふぅん……?」
宮代火澄:ふ、と笑みをこぼして。
此江・A・匸華:「心境の変化? 立場が変わったから、とか?」
宮代火澄:「一つでも、此江より年上は年上ですし。えらそうだった?」
此江・A・匸華:「別に? というか火澄、結構気にするよね」
此江・A・匸華:「えらそうにしてないか、みたいな。そういうとこ」
宮代火澄:「そりゃ新人ですから」
宮代火澄:冗談めかして言ってから。
宮代火澄:「皆だって、気にしてくれてるから」
宮代火澄:「僕を縛らないように」
此江・A・匸華:「お姉の……"ニライ"たっての厳命だったからね」
此江・A・匸華:「絶対約束ーって。普段あんまり言うこと聞けーってタイプじゃないのに」
宮代火澄:「……やっぱり、気を使わせてるなあ」
宮代火澄:頭をかく。
此江・A・匸華:「あっ、違う違う。別に、火澄に始まったことじゃないよ」
此江・A・匸華:食べ終えたたい焼きの袋をぱたぱたしながら。
此江・A・匸華:「ほら……"バチスカーフ"って、ほんとに色んな人がいたでしょ」
此江・A・匸華:「色んなトラウマ抱えてるメンバーも少なくなかったし、そういう時だけは絶対厳守!って感じだったの」
宮代火澄:「……そっか」
宮代火澄:息をついて。
宮代火澄:「僕はもう、縛られたくない」
宮代火澄:「だから、人のことも縛らない。縛りたくない」
此江・A・匸華:「……うん」
宮代火澄:「そういうつもり。……つもり、なんだけど」
宮代火澄:「難しいや。……僕はきっと」
宮代火澄:「遠江のことも、縛ってしまっていたから」
此江・A・匸華:「うーん」 紙袋の端を指先でぴりぴり割いたりしながら
此江・A・匸華:「あたしは、お姉とはあんまり似てないし……だから、妄想かもしれないけど」
此江・A・匸華:「……お姉はさ。火澄になら、縛られてもいいと思ってたんじゃないかな」
此江・A・匸華:「むしろ、嬉しかったと思う」
宮代火澄:「……縛られてもいい、か」
宮代火澄:今の自分には難しい感覚だ。
宮代火澄:理解はできても、そのとおりにしてあげたいとは思えない。
此江・A・匸華:「あたしはね」
宮代火澄:ただそれでも、彼女が望んでいたならばと。少し気が楽になる。
此江・A・匸華:「人の繋がりは、見えない錨なんだと思ってる」
宮代火澄:「錨……」
此江・A・匸華:「錨がない船は自由だよ。何処だって自由に行ける」
此江・A・匸華:「でも、いつだって自由なわけじゃない。潮の流れも、嵐も……船は簡単にボロボロになっちゃう」
此江・A・匸華:「錨は、縛るものだけど。守ってくれるものでもあるんだって」
此江・A・匸華:「だから……火澄が無意識に誰かを縛っていたとしても。それを、厭わないでほしいな」
宮代火澄:「……」
此江・A・匸華:(だって、あたしは前から、ずっと──)
宮代火澄:心から驚いたように、大きく目を見開く。
宮代火澄:「縛るもので……守ってくれるもの……?」
此江・A・匸華:「うん」
宮代火澄:「……考えたこともなかった」
宮代火澄:「僕にとって、ずっと……誰かとつながるってことは」
宮代火澄:「ただ、縛り合うことで。守ることなんてしてくれなくて」
宮代火澄:「互いに重荷になるだけだったから」
宮代火澄:「そうか……遠江、きみは……」
宮代火澄:あの日、繋ごうとした約束は。
宮代火澄:「守ってほしかったのか……?」
此江・A・匸華:(いいな、お姉ちゃんは。ちゃんと錨になれて) 前を向いたまま、きゅ、と唇を噛む。
宮代火澄:だとしたら。……なんて、不器用なやつ。
宮代火澄:「……此江」
此江・A・匸華:「……ん?」
宮代火澄:「僕、遠江に……きっと、ひどいことしてしまった」
宮代火澄:「謝らなきゃ。まだ、間に合うかな」
此江・A・匸華:(…………間に合わないって言ったら。どうするんだろう)
此江・A・匸華:(そしたら、火澄は──自分から、身を引く? ううん、そんなこと、まるで──)
此江・A・匸華:酷い想像をする自分が厭になる。
此江・A・匸華:くるりと隣を歩く火澄に顔を向けて、背伸び。くしゃくしゃくしゃっと髪を思いっきり撫でてやる。
此江・A・匸華:「バカ火澄」
此江・A・匸華:「そんなの、当たり前でしょ。お姉のこと、なんだと思ってるの」
宮代火澄:「そう、だね」
宮代火澄:背伸びする彼女に合わせるように、頭を下げて。
宮代火澄:「ありがとう。……あの、さ」
此江・A・匸華:「なに?」
宮代火澄:「年上らしくしたいって話。……立場もそうだけど」
宮代火澄:「此江が頑張ってるからだよ」
宮代火澄:「ありがとう。辛いのに、元気でいようとしてくれて」
此江・A・匸華:「…………ふんっ。火澄だって、しんどいくせに」
此江・A・匸華:かあと頬に昇った色を見せないように、ぷいと顔を逸らす。
宮代火澄:「それと」
宮代火澄:逸した顔を追いかけて、目を合わせる。
宮代火澄:「さっきの、錨の話」
宮代火澄:「僕は今まで、考えもしなかった」
此江・A・匸華:「ひぁっ」 目が合う。息が詰まる。
宮代火澄:「誰かに縛られることは、ただつらくて苦しいだけだって」
宮代火澄:「ずっとそう思ってたけど……それだけじゃないんだって、気づけた」
此江・A・匸華:「………………ぅ、うん」
宮代火澄:「ありがと。今なら、ちょっとぐらい」
宮代火澄:「人に縛られてもいいやって、思えた」
宮代火澄:「……初めてだよ。こういうこと言うの。遠江にも言ったことない」
此江・A・匸華:「…………そ、っか」 へにゃ、と少しだけ、固まった表情が緩む。
此江・A・匸華:「……じゃ、じゃあっ」
此江・A・匸華:視線があちらこちらに動く。僅かに紅潮した頬、ぺたんと踵が地面に付いて、ようやく──碧色の瞳が赤い瞳を見上げるように。
此江・A・匸華:「…………あたし、火澄の錨になれる、かな?」
此江・A・匸華:「小さい、軽い錨かもしれないけど……っ、縛られてもいい、って言うなら……」
宮代火澄:「バカ此江」
宮代火澄:ちょっと、不機嫌そうに。
此江・A・匸華:「むっ」 少しだけ唇を尖らせる。
宮代火澄:「"当たり前"だろ。……今更そんなこと」
宮代火澄:「とっくになってる。小さくも軽くもない」
此江・A・匸華:「…………」
此江・A・匸華:「…………そ、それならっ。よかっ、た」
此江・A・匸華:ぎこちなく呟く。どうしようもなく煮詰まった感情全て、吐き出したい衝動に駆られながら──どうにか、それを呑み込んで。
此江・A・匸華:「お姉に、会いたいね」
宮代火澄:「……うん」
宮代火澄:「そのために、も」
此江・A・匸華:「うん、頑張ろ。成長したところ、見せつけてやるんだ」 まだ火照ったままの頬が、少し熱い。いつものように、笑顔を作ってみる。
宮代火澄:此江の口元にまだ半分ほど残ったたい焼きを差し出す。
宮代火澄:「しっかり食べとこ。まだ足りないでしょ」
此江・A・匸華:「あっ、人を食い意地張ってるみたいに……!」 言いつつ、首を伸ばして咥える。齧る。呑み込む。
宮代火澄:「いいじゃない、食いしん坊でも」
宮代火澄:くすくすと笑う。
此江・A・匸華:「もー。……あっそうだ、帰ったらレーションの備蓄量確認しとかなきゃ」 上機嫌で足取りを早め始めた時。
此江・A・匸華:(………………今の)
此江・A・匸華:(……もしかして、間接、キス…………?)
此江・A・匸華:「~~~~~~~~~~っっっ?!」
此江・A・匸華:「あ、あたしっ、先帰るっ!!!」
此江・A・匸華:脱兎の如く逃げ出し、一目散に拠点へと帰っていく。
宮代火澄:「あっ、こら、単独行動は危ないって……!」
宮代火澄:少女の背を追いかけ、隣に追いついたら歩調を合わせる。
宮代火澄:この子は、気づいているだろうか。
宮代火澄:望まずに縛り合うことはあっても。
宮代火澄:僕が自分から望まれて縛られるような錨は、今、きみにが初めてなんだけど。
宮代火澄:それがどれだけ僕にとって、重大なことか。
宮代火澄:(わかってなさそうだ、参ったな)
宮代火澄:本当に、どうしたものか。
宮代火澄:見える世界を変えられて、こんな状況なのに少しだけ、浮き立った気分だった。
───────
GM:Interlude1-B
GM:登場浸蝕は不要です。
”虚姫”:──街を横断し、海へと流れる大型河川。
”虚姫”:整えられているようで、その実乱雑な沿線部を、柏と二人。手を繋いで歩いている。
柏夕陽:どんよりとした雲の下、ぱらつき始めた雨を傘で受け止めながら隣を歩く。
”虚姫”:小柄で線の細い男子と、それよりも背が高くスタイルの良い女子の組み合わせは目立ちこそすれ
”虚姫”:傾き始めた天気が、次第に人影をまばらにさせ、気付けば二人きりになっている。
柏夕陽:「此江さんと、火澄さんを二人にしたかったんですか?」
”虚姫”:「んー、うん。」
”虚姫”:「何で分かるの?」
柏夕陽:「”虚姫”さんは気遣いの出来る人ですから。」
”虚姫”:「褒めても何も出ないよー」と言いつつ、声色は上機嫌だ
”虚姫”:「もしかして、迷惑だった?連れ出して。」
柏夕陽:「いいえ。ちょうど、話したかったこともあったので。」
”虚姫”:「あ、良いよ。何でも聞いて?」
柏夕陽:ふっ、と二人の視界が明るくなる。
柏夕陽:仕込み傘の傘の部分が上へと跳ね上げられ、抜身の刀が現れる。
”虚姫”:「………」
柏夕陽:それを上方に振るう。
柏夕陽:落ちてきたのは、両断された監視カメラ。
柏夕陽:少し遅れて、傘が降って来て刀身を覆う。
柏夕陽:「──隠していたんですが」
柏夕陽:「それなりに戦えるんです。」
柏夕陽:「なので、次の作戦も連れて行ってください。」
”虚姫”:その光景を目で追って
”虚姫”:「良いよ。」
”虚姫”:どうして隠していたのか とか
”虚姫”:じゃああの時何をしていたのか とか
”虚姫”:そんな言葉は、吐かなかった。
”虚姫”:「それが、夕陽ちゃんのお願いなら。」
柏夕陽:「……責めたりしないんですか?」
”虚姫”:疑問符を浮かべつつ
”虚姫”:「それは、ビックリしてるよ。今まで知らなかったから。」
”虚姫”:「でも」
”虚姫”:「夕陽ちゃんは"バチスカーフ"の仲間としてここに居る。」
”虚姫”:「私には、それだけで良いんだよ」
”虚姫”:「だから、他に言ってない事があるなら、言ってくれてもいいよ。」
柏夕陽:「……。」
柏夕陽:(今、私は)
柏夕陽:(”バチスカーフの一員”だから命を担保されている、という意味か。)
”虚姫”:「かなちゃんから聞いたかな。内通者が居るんだって。私は誰も、疑いたくなんかないんだけど」
”虚姫”:「そうも言ってられないから、ね。知れる事は知っておきたいんだ。」
”虚姫”:かまをかけている訳ではない。ただ純粋に、本心でそう言っている。と言うより
”虚姫”:"虚姫"の言葉には、嘘と言う名の真しかないのだ。
柏夕陽:「内通者、ですか。」
柏夕陽:「私が内通者であればとっくにUGNに投降するか、」
柏夕陽:「別のセルに保護されてるでしょう。」
柏夕陽:「皆さんとここで一緒に追い立てられる義理はないわけですからね。」
”虚姫”:「そうだよね。そんなリスクは負えないよね」
”虚姫”:「──でも、もし"その上で"の話だったら」
”虚姫”:「そんなリスクを負ってまで、私たちと一緒に居てくれるなら」
”虚姫”:「それはそれで、私は嬉しいな。」
”虚姫”:雨を避けるように す と腕を絡め、全身を傘に入れる
”虚姫”:「夕陽ちゃんは、そう思わない?やっぱり私がおかしいのかな」
柏夕陽:「いいえ。虚姫さんは優しい人です。」
”虚姫”:「……えへへ」
”虚姫”:「嬉しい。」
”虚姫”:「ありがとう。」
柏夕陽:「………他には」
”虚姫”:「?」
柏夕陽:「戦力を隠していたのは、私がFHの裏切り者を殺す役目を負っているからなんです。」
柏夕陽:「力のない人間相手には、油断して本性をさらけ出すものでしょう?」
柏夕陽:「虚姫さんはきっとそんなことしないだろうと思って話しています。」
”虚姫”:「裏切り者…」
柏夕陽:「そして、”バチスカーフ”に残された他の皆さんも。」
柏夕陽:「ギリギリまで力になれなくてごめんなさい。」
”虚姫”:「……ううん、謝らないで。」
”虚姫”:「夕陽ちゃんは、その分他のことでずっと頑張ってきたんだもんね。」
”虚姫”:「仕事人さんだね。偉いね。」
柏夕陽:「ありがとうございます。」
柏夕陽:「あと……」
柏夕陽:「遠江さんと火澄さんが付き合う前、」
柏夕陽:「私、火澄さんと酔った勢いでキスしたことがあります。」
”虚姫”:「…………わぁ」
柏夕陽:「……二人の秘密だったんですけど、」
柏夕陽:「虚姫さんには言ってしまいますね。」
”虚姫”:「素敵だね。かっこいいもんね、火澄くん」
”虚姫”:口を手で押さえながら笑い「言ってくれて、嬉しいよ。」
”虚姫”:そう言って
”虚姫”:少し背伸びして、唇と唇を合わせる。
”虚姫”:「じゃあこれは、私と夕陽ちゃんの秘密ね。」
柏夕陽:「………はい。」
”虚姫”:「……あ、でも意味ないのかな。初めてじゃないと」
柏夕陽:「いいえ。」
柏夕陽:「秘密がある、ってところが大事なんです。」
”虚姫”:「………………ふふ。」
柏夕陽:先ほどまで虚姫が触れていた唇に人差し指を当てる。
”虚姫”:「そうだね。」
”虚姫”:「その事実が」
”虚姫”:「大事なんだよね」
”虚姫”:空の容器を叩いて、音が反響するように
”虚姫”:君の言葉を、ただ肯定するための言葉が返る。
”虚姫”:──初めて、制服を着て街を歩いた。
───────
GM:ロイスの取得・変更が可能です。
柏夕陽:まだ保留にしておこうかな
柏夕陽:以上です
”虚姫”:こちらも保留で!
此江・A・匸華:宮代火澄 ◯信頼/隔意 → ◯慕情/隔意 に変更して、以上です。
宮代火澄:此江・A・匸華 〇P好意/N不安 以上!
Middle04:蝸牛殺し
GM:シーンプレイヤーは虚姫さん。他、登場自由。
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(52 → 57)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(55 → 60)
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(59 → 63)
GM:柏さんは出るかな?
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(61 → 66)
柏夕陽:出ます!
GM:OK!
───────
GM:現在実行可能な項目はこちらです。
★ミドル戦闘:”ネクラファジー”追跡掃討(選択時、ミドル戦闘に移行)
★ミドル戦闘:帆毬海溝潜航突破(選択時、ミドル戦闘に移行)
■調査報告:”オッタートロール” 情報:FH 7/知識:機械工学 6
■休息
■補給
柏夕陽:一つ質問です
GM:ミドル戦闘を選択した場合、登場者はメジャーアクション権利を消費し、一律ミドル戦闘に参加します。
GM:ハイ!どうぞッ
柏夕陽:他の情報収集を行った人はミドル戦闘に参加できなくなりますか?
GM:参加出来なくなります。情報を調べるのにも時間がかかるので、その間に並行して行動はできないという理屈です。
GM:補給や急速に関しても同様で、補給補給補給ミドル戦闘と言う感じでの手番の節約はできないということですね。
”虚姫”:ふむふむ
柏夕陽:了解です!
GM:ミドル戦闘に関しては、誰か一人宣言すれば全員一律で参加可能です。
宮代火澄:では……”ネクラファジー”追跡掃討でいいかな?
此江・A・匸華:あいさ!
GM:OKです。このシーンはミドル戦闘扱いになります。
───────
★ミドル戦闘:”ネクラファジー”追跡掃討
『車両誘導』
任意の【社会】技能で達成値15以上
『隠蔽工作』
<交渉>で達成値20以上。財産使用可。
『妨害排除』
「対象:範囲(シーン選択)」の攻撃で60ダメージ以上
『資料強奪』
対決:<白兵>。達成値は相手ダイスとの比較になる。
GM:達成値は累積し、1RごとにPC全員が4d10ダメージを受ける。カバーリング可能。
GM:二人が一つの項目に同時にチャレンジするなども可能です。攻略の順番を…色々考えてみよう!
此江・A・匸華:質問です! 4d10ダメージは「達成してない項目一つごと」ですか?
GM:いえ、全体を見た時に一つでも残っている情報があれば、という感じですね。
此江・A・匸華:理解の助
柏夕陽:質問です
GM:どうぞ!
柏夕陽:隠蔽工作の判定にフローズンリリーは載せられますか?
GM:『財産使用可能』なので、これに関しては乗せられることにしましょう。
柏夕陽:やったぜ
GM:ロール的にも柏さんが社会戦をサポートできない道理はないので
GM:あと、雑談の方で質問があったんですが
GM:白兵の達成値に関しては累積しないものとします。
”虚姫”:ほうほう
此江・A・匸華:資料強奪、二人で同時にチャレンジした場合はどうなりますか?
GM:その代わり、二人で抑え込めば
GM:対決を省略してクリア、ということにします。
GM:なので一人でチャレンジした場合難易度は対決に、二人でチャレンジした場合自動成功に、ということですね。
GM:これは対決でNPCの出目が回り過ぎた場合の救済措置としての意図をもって設定しています。
宮代火澄:『車両誘導』や『隠蔽工作』は1Rで達成できなかった場合
宮代火澄:2R目に達成値は引き継がれますか?
宮代火澄:合計できるかってことなんですけど
GM:これに関しては引き継がれます。逆に言うと、引き継がれないのは『資料強奪』だけですね。
宮代火澄:ありがとうございます!
柏夕陽:対決に関して質問です
柏夕陽:資料強奪の判定はどちらから先に行いますか?
柏夕陽:つまりPC側がリアクション側になるのかという点ですね
GM:仕掛ける側であるPC側が能動的に判定を行うものとします。
柏夕陽:了解です
GM:なので、リアクションの達成値を減らすエフェクトなどが存在した場合、それも適用可能になります。
柏夕陽:了解です。
宮代火澄:決まりました!
柏夕陽:では、宣言に移ります。
柏夕陽:車両誘導を。
宮代火澄:資料強奪行きます!
此江・A・匸華:同じく、資料強奪です!
柏夕陽:<調達>で行います。
GM:GOGO!
”虚姫”:妨害排除で
GM:OK!では、此江・宮代組は確定で資料強奪に成功します。
宮代火澄:やったぜ
”ネクラファジー”:本当ならリフレックスとか持っていたのだが二人掛かりは無理!
宮代火澄:こわっ!
此江・A・匸華:あぶなかった!
”虚姫”:先やるか
”虚姫”:《サイレンの魔女》を使用
GM:うわ出た
”虚姫”:6dx+8
DoubleCross : (6DX10+8) → 10[1,3,4,6,8,10]+2[2]+8 → 20
柏夕陽:6dx+7>=15 調達
DoubleCross : (6DX10+7>=15) → 10[1,2,5,8,9,10]+8[8]+7 → 25 → 成功
宮代火澄:ナイス回し!
”虚姫”:3d10+21
DoubleCross : (3D10+21) → 14[3,5,6]+21 → 35
柏夕陽:こちらも成功です。
”ネクラファジー”:ゲッ!妨害排除も何かスゲ~~~回ってる!
宮代火澄:助かる~
GM:では結果を表示します。
【RESULT:R1】
『資料強奪』→成功
『車両誘導』→成功
『妨害排除』→35/60
『隠蔽工作』→未達成
GM:では、未達成の項目があるのでPC全員に4d10ダメージが発生します。装甲・ガード共に有効。
GM:カバーリングもありですが、このタイミングでは…なさそう!
柏夕陽:ではダメージ受けます
柏夕陽:26-4d10
DoubleCross : (26-4D10) → 26-23[2,4,10,7] → 3
柏夕陽:あっぶね
柏夕陽:HP3で生きてます
GM:ヒエ~~~ッ
此江・A・匸華:各自振る感じでいいのかな?
GM:そうですね。ガードの処理とかもあるかもしれないので
柏夕陽:あ、振っちゃった
GM:各自振って貰おう
宮代火澄:あっ、夕陽さんはブレードあるからガードできるかも
此江・A・匸華:27-4d10
DoubleCross : (27-4D10) → 27-12[3,3,2,4] → 15
此江・A・匸華:ふんっ
宮代火澄:25-4d10
DoubleCross : (25-4D10) → 25-15[2,7,5,1] → 10
柏夕陽:じゃあガード値入れてもいいですかね…?
宮代火澄:よし
GM:柏さんは今のダメージからガード値差し引いても大丈夫ですよ!
宮代火澄:宮代火澄のHPを15減少(25 → 10)
”虚姫”:4d10
DoubleCross : (4D10) → 20[8,4,1,7] → 20
”虚姫”:”虚姫”のHPを20減少(27 → 7)
宮代火澄:皆耐えた!えらい!
柏夕陽:ありがとうございますHPは6です。
GM:皆生き残ってる!!
此江・A・匸華:当たりどころがよかった!
宮代火澄:さすが精鋭揃いだ
GM:受け方がお上手どすなあ
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を5増加(60 → 65)
GM:では、第2R。
GM:現在挑戦できるのは
『隠蔽工作』
<交渉>で達成値20以上。財産使用可。
『妨害排除』
「対象:範囲(シーン選択)」の攻撃で60ダメージ以上 現在35ダメージ
GM:この二つです。判定を行う方は、各自宣言をどうぞ。
柏夕陽:社会一番高いから
”虚姫”:妨害排除で
柏夕陽:隠蔽工作しましょうかね
GM:GOGO!
”虚姫”:《サイレンの魔女》を使用
柏夕陽:6dx>=20
DoubleCross : (6DX10>=20) → 10[2,2,2,5,7,10]+1[1] → 11 → 失敗
柏夕陽:かなえの補助と
宮代火澄:あ、これ
柏夕陽:財産6点使います。
宮代火澄:1R中に複数人がやったら
柏夕陽:あ、どうしました?
宮代火澄:達成値累積しないのかな?
宮代火澄:最大値だけでしょうか
GM:あ!それはするつもりでした!
宮代火澄:わーい!
此江・A・匸華:なら、あたしも隠蔽工作いきます!
柏夕陽:任せます!
GM:1Rに複数人挑戦するということは、それだけ難易度も下がるのが自然なので
此江・A・匸華:3dx>=9
DoubleCross : (3DX10>=9) → 7[5,7,7] → 7 → 失敗
此江・A・匸華:かなえの補助で足りる!
"かなえ":ではNPCカードを使用。その達成値に+3。
柏夕陽:火澄さんは一応虚姫さんのダイスが腐った時の後詰をしてください
宮代火澄:はーい
GM:そうですね。因果歪曲による範囲ダメージも適用できるので
此江・A・匸華:ありがとね、かなえ! これで隠蔽工作もクリア!
GM:宮代君は虚姫ちゃんのフォローに回るのが良いと思います。
”虚姫”:じゃあ振るよ
”虚姫”:6dx+8
DoubleCross : (6DX10+8) → 10[1,3,4,6,6,10]+1[1]+8 → 19
”虚姫”:2d10+21
DoubleCross : (2D10+21) → 15[10,5]+21 → 36
宮代火澄:ナイスナイス!
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を5増加(65 → 70)
此江・A・匸華:すごーい!
"かなえ":か 完全に全てを破壊し尽くしている
GM:これがバチスカーフの主砲か…何なら3ラウンドくらいかかると思っていた
GM:では、全ての項目が成功。”ネクラファジー”隠密掃討完了です。
宮代火澄:てごわかった……
GM:では、演出に参りましょう!
───────
GM:S県帆毬市 8/12 PM02:20
GM:■■■■(誘導地点不明)
───────
”ネクラファジー”セルスタッフ:『……あ、ハイ。了解っす!ええ、そりゃもう。大事な”品物”ですから。ええ……では、失礼します』
セルスタッフ:通話を切り、舌打ちをして煙草をシガーソケットに突っ込む。
セルスタッフ:『スカベンジャー業務なんてやってらんねぇぜ。運転も気ィ使うしよ』
セルスタッフ:深夜。とある座標の高速道路を、二人の作業員が小型のトラックで移動している。
セルスタッフ:『全くだぜ。”バチスカーフ”の奴らの羽振りがもっと良けりゃ一つ二つ失敬できたのによお』
柏夕陽:その右の車線。
柏夕陽:黄色を基調とした緊急車両が小型トラックの背後からやってくる。
セルスタッフ:『バーカ。必要以上の盗掘はご法度だろうがよ……”呪われる”ぜ。うちのリーダーに』
セルスタッフ:『リーダー?そんなもん、ほんとにいるのかね。都市伝説じゃ……何だよ、邪魔だ』
柏夕陽:緊急車両は速度を上げて小型トラックを追い越していく。
セルスタッフ:『しっしっ』ウインカーを出す。『先に行け』の合図。
セルスタッフ:『こんな生活いつまで続くのかねえ。どっかにねえかなあ、寝転んで暮らせるだけの国……』
セルスタッフ:『……いや、待てよ。お前、返事くらいしろって……』隣の男が運転手の方を引っ張る。
柏夕陽:ぐらり、
柏夕陽:と運転手の身体が崩れ落ちる。
柏夕陽:首には鋭利な刃で貫かれた痕。
セルスタッフ:『ひ』
柏夕陽:よく窓ガラスを確認すれば、小さな貫通痕も発見できるだろう。
柏夕陽:尤も、運転手を失った車両が高速道路でどうなるか。
セルスタッフ:『っお前、追い越してきたやつか!?所属は……くそっ、こんなことしてもすぐに捕まるぞ!』
柏夕陽:そして、その小さな貫通痕が確認できる状態で残るかは…自明の理である。
セルスタッフ:『”バチスカーフ”はもう潰れてる!”ソナープロット”がこの街を――』
柏夕陽:パスッ
柏夕陽:破裂音。
柏夕陽:右前輪と後輪のパンク。
セルスタッフ:『お……お前』
セルスタッフ:『イカれてるのか? 命が惜しくないのか……?』
セルスタッフ:ハンドルを必死に握りながら、震えた声で問う。
柏夕陽:車両の窓が開き、整備員のような恰好をした女が顔を見せる。
柏夕陽:「良いドライブを。」
柏夕陽:ガンッ
柏夕陽:左にハンドルを切り、車体をぶつける。
柏夕陽:制動の利かない小型トラックは横転。
柏夕陽:横転したトラックの傍に緊急車両を止め、
柏夕陽:トラックのガソリンタンクを仕込み刀で突き刺す。
柏夕陽:「安全運転が出来るよう、”灯火”しましょう。」
GM:ド オ ン!!
GM:爆音。夜の道路に、ねばついた火が灯る。
GM:後続の車両が引き返していくのが目視できるだろう。
柏夕陽:トラックの後ろに反射板と発煙筒を置き、
柏夕陽:緊急車両に乗り込んで無線を付ける。
柏夕陽:「帆毬ダム直通幹線道路上り車線で事故発生。」
柏夕陽:「車両から火災も発生している模様。至急封鎖と消火を要請。」
通信:『こちら帆毬市消防。要請確認。迂回路指定されたし、どうぞ』
柏夕陽:「こちら高速パトカー13号車。帆毬山山道が現状最善と思われる。どうぞ。」
通信:『こちら帆毬市消防。帆毬山山道了解。』
通信:『県警を動員して封鎖・誘導にあたります、オクレ』
通信:消防からの通信が途絶える。
通信:事故自体は確かに発生している。封鎖も正規の手続きによるものだ。
柏夕陽:別の無線を付ける。
柏夕陽:「みなさん。車両を帆毬山山道に誘導します。」
柏夕陽:「山道ならアンブッシュポイントが多数あり、」
柏夕陽:「車両を事故に見せかけて排除しやすくなるでしょう。」
柏夕陽:「虚姫さん、やれますか?」
”虚姫”:『いいよ。準備OK。次の行動に移って。』
柏夕陽:「了解です。こちらも車両誘導が終わりました。山道に向かいます。」
柏夕陽:幹線道路を途中で降り、帆毬山山道へのルートを取る。
───────
GM:S県帆毬市 8/12 PM02:35
GM:帆毬山山道中腹
───────
GM:帆毬山は帆毬市の背後に位置するなだらかな小型の山岳である。
GM:しかし海洋が近くに位置するため、天候の変化に晒されることが多く、必然的にその山肌は起伏に富んでいた。
GM:よって、奇襲には極めて有利な箇所としてはたらくだろう。
護衛車両:護衛車両がトンネルを先行して抜けてくる。
”虚姫”:隆起した斜面。そこに生えた小高い木の上に立っている。
護衛車両:数は多く、車種も様々だった。3,4人が1台の車両に乗り、そう言った編隊が7台ほど続けて走って来る。
”虚姫”:──車輌の影と、エンジン音
”虚姫”:双眼鏡を下ろす。
”虚姫”:あの子供の所在を確認出来れば良かったが、状況が状況だ。視認することは出来なかった。
”虚姫”:「…まぁ、いっか。運が良ければ」
”虚姫”:「出てきてくれるよね。」
”虚姫”:──元より、都合のいい捕虜以上の意味はない。
”虚姫”:普段通り、微笑みを浮かべた顔のまま。腕を数回、空を撫でるようにすい すいと左右に動かして
”虚姫”:片手を顔の前へ
”虚姫”:CLAP
”虚姫”:──指を弾いた。
”虚姫”:音が響いた訳ではない。
”虚姫”:ただ、大型トラックとの正面衝突……否、それを上回る衝撃が、突如として"ネクラファジー"構成員の乗る車輌を弾き飛ばした。
護衛車両:ぎゃ ごん!!!
護衛車両:叫び声すら響かない。アスファルトに叩きつけられ、あるいは斜面に摺りつぶされる。
”虚姫”:山道は細い一本道
”虚姫”:前方さえ処理してしまえば、あとは芋蔓式だ。
”虚姫”:でも、念には念を入れる。
護衛車両:「ッ、オイ――」車両から、辛うじて何人かが出て来る。樹上を見る。
護衛車両:「……あいつ」
護衛車両:「間違いない」
護衛車両:「”虚姫”だ」
”虚姫”:再び空を撫でた手は、そのまま左耳へ
護衛車両:「ふ……ふざけんなッ!死んだんじゃねえのか!?あの化け物!」
護衛車両:「冗談だろ……20人のオーヴァードだぞ!?一瞬で!?」
”虚姫”:そして、連なるように並んだ3本の剣型のピアスを、指で弾いた。
護衛車両:「くそっ……死ねっ、死んでくれ!死ねよおっ」護衛のエフェクトが展開される――その直前のことだった。
”虚姫”:広い空に、小さな金属音が響いて
”虚姫”:護衛の身体が切り裂かれる。
”虚姫”:そして
”虚姫”:切り倒された木々が、土砂を巻き込みながら、団子になった"ネクラファジー"の一団を飲み込まんと斜面を駆け降りる。
護衛車両:「……はは」
護衛車両:「嘘だろ?オイ……こんな……あたしら、オーヴァードだぞ?」
護衛車両:「それがこんな、ゴミみたいに――」
護衛車両:その言葉も、土砂に掻き消される。
護衛車両:轟音が轟き、膨大な土砂が舞った。いくつかの勢いを無くした礫もきみのほうに跳んでくるだろう。
護衛車両:……そして、後続の車両は完全に土流の内に埋もれた。
護衛車両:オーヴァードの能力によって再生していても、山岳一つ分の重量を覆すことはできない。
”虚姫”:「……さて、撤退撤退。」木から飛び降り、無線を起動する。
”虚姫”:「二人とも、こっちは終わったよ。あとはお願いね。」
”虚姫”:「夕陽ちゃんも、今そっちに向かってるはず」
”虚姫”:「私 も」
”虚姫”:指を2回鳴らす。 ずぅん ずぅん
”虚姫”:後の理由づけのために、少しだけ地盤を緩めた。
”虚姫”:「今から向かうからね。」
───────
GM:S県帆毬市 8/12 PM02:42
GM:帆毬山山道入口
───────
”ロイコ”:1人の東南アジア系らしい少年が、山の中腹……斜面にまたがっている土煙を車の中から眺めている。
”ロイコ”:「おじさん」
”ロイコ”:「あっちはダメだ。厭な予感がする」
”ロイコ”:「迂回した方がいい、と思う。たぶん誘導されてる」
”ロイコ”:「このタイミングだと後詰が来てるはずだから。一回全力で叩き返して、そこから何とかして”バチスカーフ”の所に帰ろう」
運転手:「お、またお得意の”勘”か?ロイコ。確かにおめえの勘は良く当たるからな」
運転手:「まあ……山道がこのザマじゃ」
運転手:「どの道積み荷も運べねえ。ガキの助言を聞いとくか。へへ」
運転手:ハンドルを切り返す。Uターンし、山道を引き返そうとする――
宮代火澄:ジュッ。
宮代火澄:走行音に、一瞬僅かな異音が混じる。
”ロイコ”:「……うわ。来た」
宮代火澄:同時に、車体が大きく揺れ、スピードを落とす。
”ロイコ”:「降りて」運転手を座席から蹴飛ばす。
”ロイコ”:車内に保管されていたトランクケースを掴み、道路に転がり降りる。
”ロイコ”:そのまま下方に見える運河に走り、飛び込もうとしている。
此江・A・匸華:(子供……?) 運河に身を潜め、様子を窺っている
宮代火澄:タイヤがホイールごと、赤熱して灼き切られている。
宮代火澄:「此江、捕まえて」
”ロイコ”:アスファルトを焦がしながらスライドする車体には目も呉れない。宮代の手の届く範囲からは既に外れていた。
此江・A・匸華:(了解っ!)
此江・A・匸華:川底を強く蹴り、水面に身を躍らせる。
此江・A・匸華:一瞬逡巡した後、圧縮した髪弾を少年の肩口に目掛けて続け様に三発、射出する。
”ロイコ”:「――」トランクケースで躊躇なく防ぐ。
”ロイコ”:その一瞬で見えるだろう。中身は”空”だ。
此江・A・匸華:「っ、これ、偽物だっ!」
宮代火澄:(囮か、なら本物は)
”ロイコ”:既に、先ほど蹴り出された運転手が同じトランクケースを持って逃げ出そうとしている――
宮代火澄:(……一緒に蹴り出した運転手!)
此江・A・匸華:「もしかして、この子……あっちは任せる!」
此江・A・匸華:空中で再び軌道を変え、少年へと一気に距離を詰める。確保に意識を切り替える。
此江・A・匸華:「君に恨みはないけど、ちょっと話を聞かせて、ほしいなっ!」
”ロイコ”:トランクケースを蹴り飛ばし、目くらましにする。
宮代火澄:僅かに、待つ。かがみ込んだ状態から走り出した今撃つとトランクごと焼き切ってしまう。
宮代火澄:完全に立ち上がり、トランクを胸に抱えごんだ瞬間。
宮代火澄:最低出力に抑え込んだ光条が、運転手の脚に穴を開ける。
運転手:「ぐあっ!くそっ……!」光条に足を貫かれ、倒れ込む。
此江・A・匸華:(この子、かなり修羅場慣れしてる……!) トランクを払い除け、再び狙いを定める。
宮代火澄:「だいじょぶ、此江。こっちは済んだ」
”ロイコ”:「……」倒れ込む運転手を見る。僅かに身を沈め、車体の陰に回り込むと同時に
”ロイコ”:「21人か。足りるかわかんないけど――」
宮代火澄:運転手の腕の中から、するりとケースが抜け出して、火澄の手の中に収まる。
”ロイコ”:時を同じくして、少年の装着している眼帯から
”ロイコ”:どろり
”ロイコ”:肉を煮詰めたような色合いの汁が垂れる。
此江・A・匸華:「っ、火澄ッ! 気を付けて!」
宮代火澄:「!」
”ロイコ”:眼帯に指を突っ込み、搔くような仕草を見せる――次の瞬間。
此江・A・匸華:反射的に飛び退り、水中への退避を試みるが──
”ロイコ”:きみたちは、心臓が弾けたような痛みに襲われる。
”ロイコ”:それは遠く離れている”虚姫”や”ダモクレス”も例外ではない。
此江・A・匸華:「──ぎぅ、ッ、あぁあぁあああッ!」
宮代火澄:「ぐっ……!?」
”ロイコ”:「……蟲毒、なんてのはFHだったら知ってるか」
”ロイコ”:「僕は”ネクラファジー”の身体に虫を仕込んでる。彼らは知らないと思うけど」
”ロイコ”:「メンバーが一気に殺されるほど、呪い返しの効果も高まる……」
此江・A・匸華:心臓を強く抑え、空中で体勢を崩す。そのまま、ろくに受け身も取れないまま水面に叩きつけられる。
”虚姫”:「───!」山道を進む途中、文字通り裂けるような痛みで、胸を押さえて倒れ込む
”ロイコ”:「こっちは儀式の手順を開示してるんだ。これでしばらく死んでてくれよ……!」
此江・A・匸華:(や、ば……っ、持って行かれたかと、思った……!)
柏夕陽:山道の入り口に侵入した緊急車両が減速し、路肩に止まる。
宮代火澄:「その、能力……"ネクラファジー"、腐肉食……」
”虚姫”:(何……周りに敵影はない。遠隔?きっかけは?そもそも実体のあるダメージなの?)身動きは取れそうにない。その間に思考を巡らせる。
宮代火澄:胸を掻きむしるように押さえ。
宮代火澄:「君が、頭か?」
”ロイコ”:「よく一瞬でそこまで辿り着いたね。普通この外見に騙される奴の方が多いんだけど」
”ロイコ”:「子供の死体は貴重なんだ。この子が死ぬ間際に使ってくれ、なんて言わなきゃそうしなかったよ」
宮代火澄:「騙されてはいたさ。認識を改めただけだ」
此江・A・匸華:「火澄……どうする?」 水面に突っ伏していた女が顔を上げ、問い掛ける。
”ロイコ”:「……じゃあ、どうする? もう立ち上がれないだろ。どこの誰か知らないが、ほっといてくれよ……」じり、と足を下げるが。
宮代火澄:「?」
宮代火澄:「立ち上がれない?」
此江・A・匸華:水滴を滴らせながらもゆらりと立ち上がる。
”ロイコ”:「……おいおい」
宮代火澄:「誰が?」
”ロイコ”:「ああ、そうか。クソ……肉体の強度による呪効の個人差を考慮してなかったな」
宮代火澄:震える腕で、電子砲の鋒を向け、トリガー。狙いは荒いが、出力を上げた。
”ロイコ”:「おかしいだろ。クジラでもない限り、ゲロ吐いて死ぬはずだぞ……!」
”ロイコ”:辛うじて回避する。反応したわけではない――手元の動きから弾道を予測しただけだ。
”ロイコ”:だが、その代償に大きく体勢を崩す。
”ロイコ”:「くそ」
”ロイコ”:「やられたな」
宮代火澄:別に、肉体に優れているわけではない。昔から痛みには慣れているだけ。そして。
宮代火澄:痛みでは止まらないのは、彼女もまた。
此江・A・匸華:ざば、と持ち上げた脚が水面を踏む。そこが硬い地面であるかのように起点にし、背後に回り込んだ。
此江・A・匸華:(ここであたしが動かなきゃ、火澄が痛い思いをする)
此江・A・匸華:(そんなのは……絶対、嫌だ!)
此江・A・匸華:ずぐり、と胸が痛む。右腕が熱を持ち、千切り取った髪の房が見る間に圧縮され、灰色の弾に変わる。
此江・A・匸華:「────しッ!」
”ロイコ”:「遺産継承者……」
此江・A・匸華:短い息の音と同時、弾丸と化した其れが"ロイコ"の眼帯に向けて放たれる。内側の"本体"への着弾。散弾し、破壊を撒き散らす。
”ロイコ”:「ぐあっ!」回避は不可能だった。眼帯の奥にある呪いの基点を貫かれ、そのまま道路脇のフェンスに激突する。
"かなえ":『――”バチスカーフ”関連資料の奪還を確認。既にタグ付けも完了』
"かなえ":『推定:作戦の成功。お疲れさまでした』
"かなえ":”かなえ”から通信が入る。
柏夕陽:「みなさん、お疲れさまです。」
柏夕陽:此江と火澄の前に腹部を血に染めた柏が現れる。
”虚姫”:『お疲れ様。ごめんね、しばらく動けそうにないから、後始末とか色々…お願い。』
此江・A・匸華:「柏さん……?! 虚姫さんも……だ、大丈夫ですか……?」
”虚姫”:そう通信が入って
宮代火澄:「了解。お疲れ様、虚姫……」
柏夕陽:「大丈夫です。」
柏夕陽:「後始末ですね。分かりました。」
”虚姫”:『ああ、それと…』
”虚姫”:『子供は居た?』
"かなえ":『”虚姫”の座標を確認。後程当機が回収にあたります』
宮代火澄:「ごめん、此江。無茶させた……」
宮代火澄:砲を支えにしてなんとか立ち上がる。
此江・A・匸華:「あ、ええと……子供なら、その……今そこにいるっていうか……」
宮代火澄:「……子供じゃない」
此江・A・匸華:「ううん、あたしは……頑丈だから! 火澄こそ、無理しないでね」
”ロイコ”:「……待て!お前ら……その会話」
宮代火澄:「居たのは、屍肉食いだ」
”虚姫”:『………そっか。残念。』
柏夕陽:”後始末”と言われて、”ロイコ”の元に歩いていく。
”虚姫”:『じゃあ、始末は任せるね。』通信が切れる。
”ロイコ”:先程まで倒れていた”ロイコ”が、手を上げる。その言葉を
柏夕陽:手にはガソリン。そしてライター。
”ロイコ”:「”バチスカーフ”か」
柏夕陽:「ええ。遺言はそれだけですか?」
柏夕陽:「あなたを今から中の蟲ごと焼きます。」
此江・A・匸華:中身が別物だと分かっていても、外見はあどけない子供に過ぎない。柏さんの宣言に、思わず目を逸らす。
柏夕陽:「命乞い、遺言、あるいは……取引。」
柏夕陽:「ご自由にどうぞ。」
”ロイコ”:「……まず、その殺害方法は正しい」
”ロイコ”:「呪術師は嘘をつくことができない。言葉の重みが宿るからだ」
”ロイコ”:「難しいと思うが、これを誠意と考えてくれ」
柏夕陽:足を踏みにじり、折りながらガソリンを掛ける。
”ロイコ”:「……ぐっ、う!」柏さんを見上げながら
宮代火澄:「夕陽、待って」
柏夕陽:「続けてください。」
”ロイコ”:「……取引と、謝罪がある」
柏夕陽:もう一方の足も踏み折る。
柏夕陽:「火澄さんは優しいですね。──そのまま、続けてください。」
柏夕陽:「あまり時間を掛けないほうがいいですよ。」
”ロイコ”:「ま……! ずは、取引だ……おれたちは、ある勢力に”バチスカーフ”の……主砲」
宮代火澄:(脚も必要になるかもしれないから)
”ロイコ”:「”虚姫”の誘導を頼まれた」
宮代火澄:言葉には出さない。恐らく、夕陽もわかっててこういう役を振ってくれている。
”ロイコ”:「だが……おれたちは」
”ロイコ”:「”断った”」
宮代火澄:「……なんだって?」
”ロイコ”:「だから、あそこに居たのは”ネクラファジー”じゃない。あんたらが見たのは、おれたちを装った何者かだ」
柏夕陽:「………。」尋問の主体は火澄に任せている。
”ロイコ”:「当然だ。盗掘セルなんて、どちらの勢力にも味方がいない……」
”ロイコ”:「そう言う役をおっかぶせるには、一番都合が良い」
”ロイコ”:「だから、おれたちは……守ってたんだよ。”バチスカーフ”のアジトを」
此江・A・匸華:「へ…………っ?!」 思わず顔がそちらに向く。声が漏れる。
宮代火澄:「君が制御できなかった下っ端が、欲にかられて動いたという可能性は?」
”ロイコ”:「ある。が、ネクラファジー全体が”こう”なる可能性は」
”ロイコ”:「あいつらも理解していたはずだ」
”ロイコ”:「現に今、”バチスカーフ”の四人だけで……おれたちは壊滅の危機に瀕している。違うか?」
宮代火澄:「……守っていた、というのは?」
”ロイコ”:「あんたらのデータをサルベージしようとした。おれたちに仕事を頼んだ奴らから……」
”ロイコ”:「とはいえ、あんたらが帰らなきゃ」
”ロイコ”:「そのまま売っぱらうつもりだったがな。だから、こうなってることに罪悪感を持たなくて良い」
”ロイコ”:「そいつらは、狙ってたんだよ。”ニライ”が持ってるデータ……”楽園計画”を」
此江・A・匸華:「!」 その名前が出たということは──確かに"ネクラファジー"はデータのサルベージに成功していた、ということだ。
”ロイコ”:「だが、おれはそいつと”制約”を交わした。帆毬市内にいる間は……取引相手の相手は出せないってな」
宮代火澄:「取引の本題を聞こう」
”ロイコ”:「おれを帆毬市外に連れていけ」
”ロイコ”:「そうすれば、”制約”は無効になる。あんたらをハメた相手の名前が言える」
”ロイコ”:「……外から見てる分には、輝いて見えたよ。あんたたちは」
”ロイコ”:「楽園みてえなセルかもなって、ガキどもとよく話したよ。そんなもの、あるわけないのにな」
”ロイコ”:「おれは生きたい。こんな体になっても、生にしがみついてる……本能ってやつだ」
此江・A・匸華:「その……データは? なにかサルベージできたから、君たちはそれを輸送してたんでしょ?」
”ロイコ”:「あのアタッシュケースの中だ」指さす
”ロイコ”:「元々あんたらのもんだ。返すよ」
此江・A・匸華:火澄が握っているアタッシュケースを見る。
”ロイコ”:「どんな内容かはおれたちも見てない。死にたくないからな」
此江・A・匸華:(ここに、電子データを直接解読できる人はいない……本当かどうかは分からないけど、さっき彼は『嘘がつけない』と言った)
此江・A・匸華:(信じても、いいのかな)
此江・A・匸華:「……火澄。あたしは、この取引。乗るべきだと思う」
此江・A・匸華:「データのサルベージができる人材は、他にそういない。この機を逃すのは、惜しいと思うから……」
柏夕陽:「最初から全部嘘かもしれませんよ?」
柏夕陽:「”焼かれれば死ぬ”、”呪術的理由で黒幕を明かせない”から。」
此江・A・匸華:「……嘘の可能性は、否定はできない。でも──」
此江・A・匸華:「あたし、信じてみたい。"バチスカーフ"を『楽園みたいだ』って言ってくれたこと、嬉しかったから」
此江・A・匸華:「そう感じてくれる人になら、あたしは賭けてもいいかな、って」 少し恥ずかしそうにくしゃりと笑う。
”ロイコ”:「……情を買ったみたいで気が引けるな」薄く笑う。
”ロイコ”:「あんたはどうだ?見た所、意思決定権を持ってるだろ」宮代くんを見る。
宮代火澄:「……虚姫」通信を入れ、声をかける。
宮代火澄:「状況が変わった。子供じゃなかったから、取引してきた」
”虚姫”:『……ん。続けて』
宮代火澄:ロイコの告げてきた内容を連絡する。
宮代火澄:「きみの意見は?」
”虚姫”:『さっきの痛み、そのロイコの攻撃だったんだよね?』
宮代火澄:「ああ」
”虚姫”:『戦力的にはどうだったの?』提案が嘘だった場合、即座に処断する事が出来るのかを聞いている。
宮代火澄:「奇襲や他に奥の手がなければ、対処はできると思う」
”虚姫”:『そっか』
”虚姫”:『不安要素はあるけど、仕方ないね。』
”ロイコ”:「……なあ、少しいいか」
”虚姫”:『みんなが良いなら、乗せるのに賛成だよ。』
”ロイコ”:「今、”虚姫”と通信してるのか?」
”虚姫”:『? ロイコ?』
宮代火澄:「ああ。何か話すことが?」
”ロイコ”:「どうしてそいつらが、”ネクラファジー”だと思われたのか、ということについてだ」
”虚姫”:『ああ、本物じゃない って話だね。』
”ロイコ”:「『この体』には」自分の体を指さす。「……兄弟が居た。住んでた国の内戦のいざこざで別れたきりだが」
”ロイコ”:「今は日本に着いてるって話を聞いてる。おれと似た顔を、あんたは……”ネクラファジー”の交戦時に、見てないか?」
”虚姫”:『………』
GM:酷似しています。
”虚姫”:『ごめんね。昔から、人の顔って覚えるの苦手なんだ。』
”虚姫”:『仲間だけで、精一杯になっちゃうの。』
”ロイコ”:『……そうか。解った。途中で意思決定を遮ってすまない』
”虚姫”:『でも』
”虚姫”:端末のカメラに映る、ロイコの姿を見て。
”虚姫”:『形はそんな感じだったと思うよ。』
”ロイコ”:「……」
”ロイコ”:「形が変わるほどのひどい目に遭わされてないってことだ。それでいい」
宮代火澄:「……わかった」
”ロイコ”:「……良くはないか。”ネクラファジー”の指揮体系まで見抜かれてたってことだ。いよいよもって、最悪だな……」
宮代火澄:夕陽に確認を取るように視線を向ける。
柏夕陽:ライターをしまい、代わりにタオルと着替えを用意する。
”ロイコ”:「……」
宮代火澄:頷いて。
柏夕陽:「ガソリンを拭いて車に乗ってください。」
”ロイコ”:「……感謝する」
”ロイコ”:「それと、謝罪だ」
”ロイコ”:「悪かったよ。誰にだって家がある。おれたちはそれを忘れてた」
”ロイコ”:「いや……忘れてた、じゃないな」
柏夕陽:「目を逸らしてた、でしょう。」
”ロイコ”:「そうだよ」笑う。「帰りたかったから、しがみついてたんだ」
柏夕陽:「………。」
”ロイコ”:「あんたたちも、家に帰れると良いな」
”ロイコ”:タオルを受け取って、車に乗り込む。
柏夕陽:「虚姫さん。」
”虚姫”:『どうしたの?』
柏夕陽:「万一、”ロイコ”を殺すときは体を粉微塵にしてください。」
柏夕陽:「中の虫が本体です。」
”虚姫”:『うん、分かった。』
柏夕陽:「それか私が焼き殺します。」
”虚姫”:『ああ、いいよいいよ』
”虚姫”:『夕陽ちゃんは、他にやる事いっぱいあるでしょ?』
”虚姫”:『だから』
”虚姫”:『やるなら、私がやるよ』
宮代火澄:「二人共」
宮代火澄:パン、と手を叩いて。
柏夕陽:「虚姫さんには力を温存してもらいたいんですが…」へら、と笑い
柏夕陽:火澄の方を見る。
宮代火澄:「今は協力者だ。忘れないようにね」
宮代火澄:今は。
”虚姫”:端末の向こうで少し身をすくませ
宮代火澄:「撤収しよう」
柏夕陽:「はい。」
”虚姫”:『うん。ごめんね。』
柏夕陽:「…………火澄さん。」
宮代火澄:「ん?」
柏夕陽:車に乗り込む寸前、振り返らずに背後の火澄に問いかける。
柏夕陽:「幻滅しましたか?」
宮代火澄:「全然」
此江・A・匸華:そこでようやく、はっとする。柏さんの"ロイコ"に対する所作は、あまりにも手慣れていた。
宮代火澄:「ありがとう。厳しい役やってくれて」
宮代火澄:「……こっちに振ってくれてもいいからね」
柏夕陽:「………どういたしまして。」
柏夕陽:眼鏡を直す。
柏夕陽:「それじゃ、行きましょうか。」
此江・A・匸華:先ほど受けた、胸の痛みを思い出す。……あの痛みは、確かに誰かが感じた痛み。宙に手が伸び、何もない空を握る。
此江・A・匸華:(……楽園、かぁ)
此江・A・匸華:(──遠いな。遠過ぎるよ、お姉ちゃん)
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
此江・A・匸華:ロイスは保留で!
”虚姫”:ロイ保!
宮代火澄:ロイス保留
宮代火澄:あ、医療トランクわたし使っていいですか?
柏夕陽:ロイス保留!
柏夕陽:どうぞどうぞ
此江・A・匸華:治療の時間だ!!!(包帯を構える)
柏夕陽:現状この中で一番HP必要だからね
宮代火澄:消費が多いものでね……
宮代火澄:虚姫さんもオッケー?
”虚姫”:いいよー
宮代火澄:じゃあもらいます!2d10だ
GM:では、回復をどうぞッ
宮代火澄:10+2d10
DoubleCross : (10+2D10) → 10+6[3,3] → 16
宮代火澄:し、渋い
宮代火澄:宮代火澄のHPを6増加(10 → 16)
宮代火澄:すまねえ すまねえ 以上です
GM:残りは艦内でじっくりねっとり治療してもらうしかないね
此江・A・匸華:いいのよ ゆっくり治して
此江・A・匸華:じっくりねっとり……?!
Middle05:楽園の偽証
GM:シーンプレイヤーは柏さん。他、登場自由です。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(63 → 67)
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(66 → 70)
GM:なお、■休息コマンドもここで取れるものとします。
宮代火澄:私は出ます
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(57 → 63)
宮代火澄:これ、コマンド確認してから決めることってできない?
GM:あ、そうですね!
GM:コマンドを確認してから決定できないのは
GM:明らかに構造的な欠陥なので
GM:まずは情報項目を確認してから、改めて登場を選べることにしましょうか。侵蝕管理がややこしくなって申し訳ないが…
宮代火澄:あっすいません、ありがとうございます!助かります
”虚姫”:助かる
───────
GM:現在実行可能な項目を提示します。
★ミドル戦闘:「帆毬海溝潜航突破」
★交信記録洗浄作業・1 知識:機械工学 7
■調査報告:”オッタートロール” 情報:FH 7/知識:機械工学 6
■”楽園計画”について 情報:FH 13
■休息
■補給
GM:実行可能項目は戦闘とデフォルトの休息・補給を含めると3つですね。
”虚姫”:休息を選びます
宮代火澄:ゆっくり休んでー
此江・A・匸華:大事大事!
”虚姫”:1d3
DoubleCross : (1D3) → 1
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1減少(70 → 69)
GM:OK!では虚姫ちゃんの浸蝕は69に!
GM:あ!!!そうだ 忘れてた
宮代火澄:あっなんでしょう
柏夕陽:なんでしょう
GM:ミドル戦闘が存在しないパートなので
GM:追跡チャートが発生します。
宮代火澄:あーっ
此江・A・匸華:うわーッ!
GM:シーンプレイヤーの柏さんは1d10をどうぞ。
GM:なお、前回ハリファックス君を撃破しているので
GM:8を引いた場合、襲撃は回避できるものとします。
柏夕陽:1d10
DoubleCross : (1D10) → 2
GM:あ!
GM:これは…かなり良い出目
②ドローン:サイドワインダーと交戦。
ランダムなPC単体に1d10+5ダメージ。装甲無視。
15ダメージで撃破可能。撃破した場合、1Rの間出撃しない。
柏夕陽:質問です
柏夕陽:ドローンはオーヴァードですか?
GM:そうですね…これは微妙なところなんですが
GM:オーヴァードの能力によって管制されているのは明らかなので
GM:「オーヴァードを対象とした」何らかの効果は載ることにしましょう。
柏夕陽:了解です。あと相手はドッジしますか?
GM:そんな高尚なことはしません!
GM:イベイジョンなども存在せず、ただ受けるのみ
柏夕陽:じゃあ素殴りするぜ
GM:く 腐れ~~~ッ
柏夕陽:2dx 白兵
DoubleCross : (2DX10) → 4[1,4] → 4
柏夕陽:ダメージ出します
柏夕陽:1d10+2d10+8+6
DoubleCross : (1D10+2D10+8+6) → 1[1]+7[6,1]+8+6 → 22
ドローン:サイドワインダー:ゲギャゲギャ~~~~ッ
ドローン:サイドワインダー:では何もできずに死にます。はかない命だった
ドローン:サイドワインダー:柏さんに出会ってしまったのが運の尽きだな…では軽く演出にいきましょう。
───────
GM:S県帆毬市 08/12 AM04:12
GM:帆毬山山道入口 運河前
───────
ドローン:サイドワインダー:ドローン:サイドワインダー。
ドローン:サイドワインダー:その蛇状の躯体から山岳部における活動を得手とし、
ドローン:サイドワインダー:”ソナープロット”では主に山道を通る相手への奇襲・監視を目的として利用される。
ドローン:サイドワインダー:『ざ じ じ』
ドローン:サイドワインダー:眼下に映るのは、目標の一人――”ダモクレス”。
ドローン:サイドワインダー:跳躍、噴進剤を噴出。高速回転し、ドローンの装甲体自体を”槍”として形成。
ドローン:サイドワインダー:無防備な彼女を貫こうとする。一種の狙撃――
柏夕陽:「火澄さん。」
柏夕陽:「ハンドルを任せます。」
柏夕陽:運転席のドアを開け、ルーフに乗り上げる。
宮代火澄:「……!わかった」
宮代火澄:「気をつけて」
柏夕陽:仕込み傘を抜き、刀身で攻撃を受ける。
柏夕陽:躯体が回転を止めた瞬間、
柏夕陽: き ん
柏夕陽:五体に散らばった。
ドローン:サイドワインダー:達磨落としのように弾き飛ばされる。道路に跳ね飛び、そのまま沈黙する。
柏夕陽:するりと運転席に戻る。
柏夕陽:「ありがとうございました、火澄さん。」
ドローン:サイドワインダー:後続の弾丸は来ない。無駄な損耗を回避するためだろうか。
宮代火澄:一瞬後ろを振り向いて。
ドローン:サイドワインダー:仮に飛来するドローンが三つに増えていたとしても、結果は同じだっただろう。
此江・A・匸華:(ここまで戦える人だったなんて、ほんとに全然気付かなかった……あたしが鈍いのかな、それとも……?)
宮代火澄:「すごいな」
此江・A・匸華:「うんっ、ほんとにすごい! びっくりしちゃった」
宮代火澄:預かっていたハンドルを返す。
柏夕陽:「どういたしまして。」
宮代火澄:「夕陽に"頼まれる"のは久々だったけど」
宮代火澄:くすりと笑って。
柏夕陽:「それは失礼しました。」
宮代火澄:「ああ、ごめん。怒ってるわけじゃなくて」
宮代火澄:「たまには結構良い気分だな、って。ちょっと心境の変化かな」
此江・A・匸華:心なし嬉しそうに後部座席で脚をぱたぱたさせている。
”ロイコ”:「……恐ろしいな。”バチスカーフ”は」
柏夕陽:「いい気分になってくれてよかったです。」
柏夕陽:「今までが今まででしたからね。」
柏夕陽:「──虚姫さんを回収して、潜水艦に帰投しましょう。」
柏夕陽:「帰路で情報収集を並行して進めて、」
柏夕陽:ちらりとアタッシュケースを見る。
柏夕陽:「このデータの分析も行います。」
"かなえ":『受諾。”ネクラファジー”サルベージデータの吸い上げは既に89%が完了しています』
柏夕陽:ハンドルをしっかりと握り、アクセルを踏む。
───────
GM:では改めて、休憩中の虚姫チャン以外の三人は
GM:情報項目にGOだ
★交信記録洗浄作業・1 知識:機械工学 7
■調査報告:”オッタートロール” 情報:FH 7/知識:機械工学 6
■”楽園計画”について 情報:FH 13
GM:もう一度張っておこう。現在調査可能な項目・及び難易度はこちら。
柏夕陽:”楽園計画”について いきます
柏夕陽:情報収集チーム使います。これで2/3
GM:おおっ
宮代火澄:交信記録洗浄作業・1 行きます!
GM:柏さんの…本気が見れる!
柏夕陽:6dx+6>=13
DoubleCross : (6DX10+6>=13) → 9[3,3,5,7,8,9]+6 → 15 → 成功
此江・A・匸華:流石!
柏夕陽:成功だ
GM:すごすぎ
宮代火澄:4DX+0+0@10>=7 知識:機械工学
DoubleCross : (4DX10>=7) → 8[1,3,6,8] → 8 → 成功
宮代火澄:オッケー!
此江・A・匸華:じゃ、調査報告:”オッタートロール” 情報:FH 7/知識:機械工学 6 これを情報:FHで。《ベーシックリサーチ》も使います。
此江・A・匸華:(2+2+1)dx+1>=7
DoubleCross : (5DX10+1>=7) → 10[2,7,9,10,10]+5[5,5]+1 → 16 → 成功
宮代火澄:ナイスー
此江・A・匸華:わは、回った。成功!
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1増加(67 → 68)
GM:素晴らしい!
GM:では情報項目は三つとも完全成功。
GM:現在はネクラファジー確保→帆毬市からの脱出を目指すというルートなので
GM:情報項目を更新します…Now loading(ギリ―と眠る虚姫ちゃんのイラスト)
GM:お待たせしました。まずは気になる楽園計画について。
★”楽園計画”について
”ネクラファジー”からサルベージされた”バチスカーフ”の研究データーーその中に隠されていた、”楽園計画”。
”バチスカーフ”の研究設備や人材が盗難されておらず、他の研究データも大半は比較的容易に持ち出し可能な海洋研究である中、
これだけが厳重に端末に保管されていた。よって、”ネクラファジー”にバチスカーフ襲撃の囮を打診した「誰か」は、
この”楽園計画”の内容こそを求めていたのかも知れない――と推測することができる。
シーン中に”かなえ”に読み込ませることで、”楽園計画”の研究内容を再生することが可能になる。
GM:続いて、同じくネクラファジーを襲うことによって得られたサルベージデータ、その恩恵について。
GM:これは交信記録の洗浄が可能になるという形で現れます。
★交信記録洗浄作業・1 知識:機械工学 7
”ロイコ”がもう一つ、きみたちに提供してきたものがある。
”バチスカーフ”襲撃当日の交信記録のデーターーアジトのネットワークに残されていたものだ。
きみたちは”かなえ”と共に、襲撃時に回収した”ソナープロット”の交信記録洗浄を行った。
そして記録の解析により、彼らが交信していたのは、”バチスカーフ”のアジトの座標にいた誰かではないことが明らかになった。
唯一”バチスカーフ”アジトの外部にいたのは”虚姫”だが、彼女が”バチスカーフ”を裏切ることは、その精神構造上起こり得ない。
つまり、”バチスカーフ”に対し”ソナープロット”を差し向けたのは外部の何者かということになる。
だが、その一方で新たな疑問も浮上した。
……外部の人間が、如何にして”バチスカーフ”の警備情報を入手したのか?
その疑念が解消されない限り、あなたたちの行動が可視化される危険性はついて回るだろう。
”ロイコ”はその呪術的制約によって、嘘がつけない。(《超人的弱点》が使用されています)
彼からの情報は、きみたちにとって信用できるものとなるはずだ。
GM:最後に、遠江・A・匸華が研究していたもう一つの存在…”オッタ―トロール”について。
■調査報告:”オッタートロール”
”オッタートロール”について、明らかになっていることは少ない。
”マスターハウル”の用いていたレネゲイドアイテムの一つ。
網の形状を取り、自在に伸長するということ。
そして……そこから逃れ得るオーヴァードは存在しないこと。
”オッタ―トロール”に捕縛されたオーヴァードは、その記憶を消去されること。
この三点のみが、現在”オッタートロール”に関して”バチスカーフ”の保有する情報である。
もっとも、”かなえ”に残された研究記録から一つ判明したことがある。彼女は”かなえ”の自己学習生成機能を利用し、
”オッタ―トロール”の変形アルゴリズム……
つまり、「どのように”オッタートロール”が成長し、敵を捉えるのか」という理論を摸倣しようとしていたようだ。
問題のアルゴリズム自体は削除されており、”ニライ”がそれを何に用いようとしていたかについては推測を重ねるほかない。
だが、確かな事実がある――”バチスカーフ”の「全体」に対しては、彼女が自身の秘密を明らかにする予定はなかったということだ。
GM:情報は以上です。以上の項目を元に、情報共有ロールをどうぞ。
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GM:S県帆毬市近海 深度2500m付近 08/13 AM00:34
GM:”かなえ”A種潜航艤装内 ブリーフィングルーム
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GM:”ネクラファジー”隠密掃討を終えた”バチスカーフ”は、情報収集と浸蝕休養を経た後、再びブリーフィングルームに集まっていた。
GM:船内の深度計は現在2500m付近で”かなえ”が航行中であることを示している。
”虚姫”:「みんなお疲れ様。ごめんね、最後まで力になれなくって」
此江・A・匸華:「ううん、全然大丈夫! それより、身体の調子はどう?」
”虚姫”:「おかげさまで、大丈夫だよ。」ガッツポ
宮代火澄:「虚姫は十分仕事してくれたよ。気にすることない」
宮代火澄:「サルベージしたデータの解析は進んでる?”楽園計画”についてなにかわかったかな」
”虚姫”:「かなちゃん、どう?」
柏夕陽:「かなえさんに分析してもらってます。」
"かなえ"A種潜航艤装:『解答:つい先ほど、解析が終了しました。』
此江・A・匸華:「! よかった……中身、壊れてない? 見れそう?」
"かなえ"A種潜航艤装:『”楽園計画”のファイルに封入されていたのは映像データです。推測:これ自体が研究概要を解説している可能性』
"かなえ"A種潜航艤装:『映像ファイルは即時に再生可能。指示を頂けますか』
宮代火澄:一度大きく息をついて、呼吸を整える。
"かなえ"A種潜航艤装:無機質な艦内アナウンスが響く。
宮代火澄:「再生してくれ」
"かなえ"A種潜航艤装:艦内の電子ボードからホロ映像が立ち上がり――
遠江・A・匸華:『どうも~。”バチスカーフ”のセルリーダー、”ニライ”こと』
遠江・A・匸華:『遠江・A・匸華だよ。……いや、今更この自己紹介要らないよなあ』
”虚姫”:「あ、遠江ちゃんだ。」
遠江・A・匸華:映像の中で、きみたちの見慣れた人物――”ニライ”がヘラヘラと手を振っている。
此江・A・匸華:「お、お姉……!」 目をまんまるに見開き、ホロ映像の中の姉を見つめている。
宮代火澄:(遠江……)
遠江・A・匸華:『どうせこの映像、火澄以外には見せる予定ないし』
宮代火澄:「僕に……?」
遠江・A・匸華:『他の子が見てた時は……まあ良いか。どうせ私に何かあった時は、きみがリーダーになっているだろう』
遠江・A・匸華:『というわけで、これは私の研究……”楽園計画”の記録だ。取引材料にするなり酒の肴にするなり好きにしてくれ。じゃ、始めようか』
遠江・A・匸華:『えー、まず。7月31日。ついに探していた”オッタ―トロール”が見つかった』
遠江・A・匸華:『これは私の計画に必要なものでね。柄にもなく打ち上げなんかしちゃったよ』
柏夕陽:ホワイトボードに歩み寄り、『7/31、”オッタートロール”発見』と書き込む。
遠江・A・匸華:『とにかく、これが必要だった。何故なら、オッタ―トロールの真の能力は……記憶の消去なんかじゃない』
遠江・A・匸華:『”吸収”だからだ』
此江・A・匸華:「吸収……? 記憶を、ってことかな」
遠江・A・匸華:『どうせきみ何が何だかわからないって顔してるだろ。がっつくのはきみの悪い癖だぞ』
遠江・A・匸華:『ベッドの方も最初はまあ酷いモンでさ……まあいいか。本題に戻ろう』
宮代火澄:「こいつ……」
此江・A・匸華:(お姉の馬鹿! そういうとこ!)
宮代火澄:苛立ちよりも、どこかほっとして笑みがこぼれてしまう。
遠江・A・匸華:咳払いをして。『時に、私の能力は基本的に皆にも秘匿してきたと思うが』
柏夕陽:『”オッタートロール”の能力は記憶の吸収。』
遠江・A・匸華:『この際だし、ここで言ってしまおう。オルクスの領域に自分自身の記憶を封じ込め』
柏夕陽:『遠江の能力は』と書いたところで画面を見る。
遠江・A・匸華:『バロールの魔眼でそれを再現する。言ってしまえば水族館のようなものだ』
遠江・A・匸華:『まあ、記憶のプリンターだと思ってくれていい。重要なのは……領域という能力が他人に付加できる性質を有する以上』
遠江・A・匸華:『”他人の記憶”も、再現できるということだ』
遠江・A・匸華:『だから、”オッタ―トロール”で吸収した記憶も再現できる。ここまでが計画の前提』
此江・A・匸華:「わ、わかんなくなってきた……」 小声で呻く
柏夕陽:『”記憶のプリンター”、”オッタートロール”が吸収した記憶も再現可能。』
宮代火澄:「”オッタートロール”は、記憶を消すだけのものじゃない」
宮代火澄:「"吸収"と言うのはつまり、奪い取った記憶を保存しておける、ということじゃないかな」
宮代火澄:「そして保存した記憶を、遠江は自分の能力で形にできる……」
遠江・A・匸華:『そろそろ理解してきた頃だと思うし、次に進もうか。そこで私が考え付いたのは』
遠江・A・匸華:『”かなえ”の対話学習アルゴリズムを用いることだった』
此江・A・匸華:「え……それって、なんだかすごくない……?!」 小声のまま驚きつつ、続きの会話に意識を向ける
遠江・A・匸華:『彼女に学習させるパターンは二つ。一つはオッタ―トロールの生育パターン』
遠江・A・匸華:『これは物理的に、記憶の吸収サンプルを確保するのに必要だからだ。”マスターハウル”の遺物は、指定した範囲のオーヴァードを絶対に逃がさない……』
宮代火澄:「わからない。正直僕も、何を言っているかはわかっても実際にどんなことができるのかは……」
遠江・A・匸華:『そしてもう一つは、”オッタ―トロール”で吸収した記憶を収集して』
遠江・A・匸華:『疑似的な人格を形成すること』
”虚姫”:「誰の?」
遠江・A・匸華:『誰でも』
”虚姫”:「おお、凄いね。」計画の概要と、答えが返ってきたことに対して
柏夕陽:『かなえの対話学習。(1)”オッタートロール”の生育パターン。』
柏夕陽:『(2)疑似人格の形成。』
遠江・A・匸華:『死んだはずの人間でも、記憶の中にしか存在しない人間でも、改造されて歪曲したはずの人格でも』
遠江・A・匸華:『オッタ―トロールで記憶を集めて、かなえが育てる。それを私が能力で出力する』
柏夕陽:はた、と手を止める。
柏夕陽:(今、虚姫の言葉に返答した?)
遠江・A・匸華:『おっ。何か気付いた?』
此江・A・匸華:「……何のために、そんなことを?」
宮代火澄:「遠江……?」
遠江・A・匸華:『何って、そりゃ……楽園のためだよ』
遠江・A・匸華:映像の中の死人が。
此江・A・匸華:「…………えっ、え────」
遠江・A・匸華:きみたちの言葉に反応している。
柏夕陽:「疑似人格の形成は」
柏夕陽:「実践段階に映っていたんですね?」
此江・A・匸華:「ど、どういうこと?! これ、サルベージした映像なんだよね……?!」
柏夕陽:「おそらく、これが件の疑似人格ということでしょう。」
柏夕陽:「教えてください、遠江さん。楽園とは?」
遠江・A・匸華:『流石だね、柏くん。可愛い家族を実験台になんてできるわけないだろ』
遠江・A・匸華:『…………』
宮代火澄:「遠江……きみは……」
遠江・A・匸華:『なあ、火澄』
宮代火澄:「どこを目指していた……?」
遠江・A・匸華:『私前に聞いたよな?』
遠江・A・匸華:『遺産で与えられた勇気、人格は……本当にその人の人生なのか?』
遠江・A・匸華:『それだけじゃない。精神改造で改竄された人格は、思考能力の放棄だ』
遠江・A・匸華:『自身の生存のみを希求する本能は、果たして当人の意思なのか?』
遠江・A・匸華:『そして』宮代くんを見る。
遠江・A・匸華:『……きみは、”どこでもよかった”んじゃないか?』
宮代火澄:「……」
遠江・A・匸華:『”バチスカーフ”じゃなくても。』
遠江・A・匸華:『なあ、私は……気づいちゃったんだよね』
遠江・A・匸華:『”バチスカーフ”は限りなく楽園に近い場所かも知れない。でも、”そのもの”じゃない』
此江・A・匸華:「じゃ、じゃあ……っ、"バチスカーフ"が、そうじゃないなら」
此江・A・匸華:「お姉ちゃんは、何を──どこを、目指したっていうの……?」
遠江・A・匸華:『ニライカナイ』
遠江・A・匸華:『……知ってるかい? 海の底には、おとぎ話の楽園がある』
遠江・A・匸華:『そこには死者の魂が眠っている』
遠江・A・匸華:『わかってるだろ。楽園がないなら、作るしかない』
遠江・A・匸華:『……後は、前のセルリーダーが水を差してこないことを祈るばかりだけど』
遠江・A・匸華:『きみたちもそれまでは死ぬなよな。私の大事な――』
"かなえ"A種潜航艤装:ば ぢん!!
此江・A・匸華:「な、なに?!」
"かなえ"A種潜航艤装:『っ……はあ、あっ……ぐ、ああ……っ!』
宮代火澄:「かなえ?どうした!?」
"かなえ"A種潜航艤装:『も……申し訳ありません。映像のデータ量が……急激に輻輳を発生させており……』
"かなえ"A種潜航艤装:『艦の機能を保護するため、やむなくシャットアウトしました。”かなえ”の力不足です……!』
宮代火澄:「……ありがとう、かなえ。無理させて悪かった」
GM:再度再生を試みても、反応しない。恐らくは”疑似人格”の演算により、加速度的に演算に必要なリソースが増加していったのだろう。
”虚姫”:ほっ と息を吐いて「ありがと。かなさゃんも休んで?」
柏夕陽:「………”楽園”とは、」
柏夕陽:「誰もが思考や意志を自由にできる疑似人格が生きる世界、ということですか。」
”虚姫”:「…………」ぐぐ っ と身体を伸ばして
”虚姫”:「──遠江ちゃんの話は」
”虚姫”:「たまに難しくて、よく分かんないね」
"かなえ"A種潜航艤装:「謝罪:暫時休眠状態に……」きゅう んとホログラムが途切れる。
”虚姫”:「楽園ならもうあるのに。」
此江・A・匸華:「現実じゃなくて、仮想世界とか……そういうところで生きるのを、お姉は望んだってこと……?」
柏夕陽:「言葉を額面通りに受け取るなら、ですが。」
柏夕陽:「納得できる点もあります。」
柏夕陽:「”バチスカーフ”は海洋探査を行うセル。」
柏夕陽:「疑似人格の並列出力を行える演算装置を回すには、」
柏夕陽:「莫大なスペースと電力、そして冷却装置が必要です。」
柏夕陽:「誰の目にもつかない、未開拓の深海にそれを設置すれば、」
柏夕陽:「スペースと冷却装置、二つの問題は解決するというわけです。」
柏夕陽:「水温で自動的に冷却されるわけですからね。」
"かなえ"A種潜航艤装:『…………電力、は…………』辛うじて通信を入れて来る。
"かなえ"A種潜航艤装:『…………”バチスカーフ”の開発していた、艤装電子砲。』
此江・A・匸華:「……およそ1000mより深くなれば、水温は4℃くらい……3000mより下はほぼ1.5℃程度で固定される。天然の冷却装置としては、これ以上ないよね」
"かなえ"A種潜航艤装:『あの代物を……容易に扱える人材が、このセルには存在します』
此江・A・匸華:視線を火澄に向ける。
宮代火澄:「……僕以外に見せる予定はない、って」
宮代火澄:「そういうことか……最後に必要なピースが、僕だったから……」
宮代火澄:ぐしゃ、と頭を抑える。
柏夕陽:「火澄さんの能力は、」
柏夕陽:「時空間を歪曲させ、別次元から莫大な電流をもらうもの………。」
此江・A・匸華:「火澄の身体自体が"門"の機能を持ってる、って……お姉、言ってたね……」
"かなえ"A種潜航艤装:『……”スクナ”の発見以降、”ニライ”の宗教法人調査率は0に収まっています』
"かなえ"A種潜航艤装:『団体の特性上、エネルギーや有機体を憑依させる能力を有するオーヴァードを捜索していた可能性』
宮代火澄:「……分からない」
宮代火澄:「分からないよ……」
宮代火澄:何をしているのかとか、何をしたいのかじゃなく。
”虚姫”:「………」ホワイトボードに視線を向けている。
宮代火澄:なぜ、そんなことを望んでいるのか。
此江・A・匸華:「…………お姉、は。火澄のことが、好きだったんじゃ……ないの?」
宮代火澄:此江たちに"本当の人生"を歩ませるため?
宮代火澄:自分の望む楽園のため?
此江・A・匸華:ようやく絞り出した言葉は、ひどく乾いた舌に乗せて溢れた。
此江・A・匸華:「それじゃ、まるで──その役割を果たせるなら、誰でも、良かった、みたいな……っ!」
此江・A・匸華:「その為に、火澄に、自分のこと好きにさせたの?!」
此江・A・匸華:ばん! と机を叩く。かなえのホロに詰め寄る。
此江・A・匸華:「ねえ、お姉ちゃん!!! "ニライ"……ッ!」
此江・A・匸華:「そこにいるなら、答えてよ!!!」
宮代火澄:激昂する此江を見て、呼吸を整え始める。
"かなえ"A種潜航艤装:『う……』ばち、ばち、とホログラムが何度か瞬くが、やがて消える。
柏夕陽:「此江さん。それ以上は、かなえさんの負担になります。」
此江・A・匸華:両の拳が、机を叩く。今度は、力なく。項垂れるように下を向く。
”虚姫”:此江の背をさする。
此江・A・匸華:「…………う、ううっ……ぅぅうううっ……………っ!!!」
”虚姫”:「──うん。私も分かんないから、こういう時は分かってる事だけ整理しよ?」
此江・A・匸華:ぼろぼろと机に泪を零しながら、無言で首を縦に振る。
柏夕陽:「楽園計画については、一旦置きましょう。」
柏夕陽:シャットダウンしたかなえを再起動する。
柏夕陽:「かなえさん。映像データは一旦ロックを掛けてください。」
”虚姫”:「じゃあ、"オッタートロール"の話かな。」
柏夕陽:「再び起動すればかなえさんの機能不全が起きうるかもしれません。」
柏夕陽:「そうですね。”オッタートロール”について教えてください。」
宮代火澄:何度目かの深呼吸を経て。
"かなえ"A種潜航艤装:『……肯定。物理データに保存し、艦のメイン炉との接続をシャットアウト』
宮代火澄:「……ありがとう、虚姫。夕陽」
"かなえ"A種潜航艤装:『……合わせてこちらも、謝礼。加えて、”カグラ”』
宮代火澄:「此江も。僕のために怒ってくれて、嬉しかった」
"かなえ"A種潜航艤装:『メンタルによる情動の暴走はオーヴァードである以上、一般人の何十倍ものリスクが付き纏います』
宮代火澄:「……大丈夫?辛いなら、少し時間を置くよ」
"かなえ"A種潜航艤装:『……貴女の配慮と英断に感謝します』
此江・A・匸華:「……っ、ごめん……あたし……」 手の甲で泪を拭う。
此江・A・匸華:「……ううん、大丈夫。時間を、無駄にはできないから」
此江・A・匸華:「──教えて。"オッタートロール"について」 座り直し、大きく深呼吸。
"かなえ"A種潜航艤装:『……提示。”オッタ―トロール”の解析データ』
"かなえ"A種潜航艤装:「当アイテムに関しての情報は、先ほどの映像と相補的になる模様」
"かなえ"A種潜航艤装:『特徴は三つ。』
"かなえ"A種潜航艤装:『①”マスターハウル”の遺物。②自在に伸長し、指定した対象を確実に捕縛する。③捕縛した対象の記憶を消去する』
"かなえ"A種潜航艤装:『③に関しては、先ほどの”ニライ”の証言から”記憶の吸収、保管”に訂正』
"かなえ"A種潜航艤装:『そして、”ニライ”は②の特徴……”オッタ―トロール”の生育伸長アルゴリズムを”かなえ”に学習させていた』
”虚姫”:「その、生育とか伸長って言い方が気になってたんだけど……」言いながら、キョロキョロと首を振り
”虚姫”:「"ロイコ"でいいんだっけ。聞いてたら教えてほしいな」
”ロイコ”:「……信用できるのか?」目を開ける。先程からブリーフィングルームの端に座っていた。
宮代火澄:「君の制約については、こっちでもある程度確認できてる」
”ロイコ”:「”ダモクレス”が言ったように、おれが”嘘をつけない”って制約自体がブラフだったら?」
”虚姫”:「そういうこと。」と一度区切って
”虚姫”:「あなた、呪術師なんだよね。」
”ロイコ”:「……クロドヴァとベトナムのハーフだ。東南アジアで発展した術式を使ってる」
”ロイコ”:「これも調べられてるってことね。わかったよ」息を吐く。
”虚姫”:うんうんと頷きながら「伸長とか、生育って、言い換えると広がるって事でしょ?」
”虚姫”:「それで、閉じるよね。"オッタートロール"は網なんだから」
”ロイコ”:「……”マスターハウル”を知らない奴らは、皆勘違いする。網って言うからには、物理的かつ静的な実体を保有してるってさ」
”虚姫”:「それって、呪術における結界の構築理論と同じってこと?」
柏夕陽:「”ネットワーク”、ですか?」
柏夕陽:「電子的に言えば。」
”ロイコ”:「勘が良いな。だが、両方合ってて……両方違うな。半分ずつ」
”ロイコ”:「おれは”オッタ―トロール”は粘菌網なんじゃないかと思う」
宮代火澄:「粘菌……?」
”ロイコ”:「知らないか? 高度に調整された粘菌は、鉄道の輸送網に酷似したネットワークを形成するほどの合理性を見せる」
”虚姫”:納豆を思い浮かべている
此江・A・匸華:「それの、ものすっごく進化したバージョンってこと……?」 ふわふわだ
”ロイコ”:「レネゲイドで生育した粘菌をエアロゾル化して、大気中にバラ撒く……」頷く。
”虚姫”:「……サンプルが欲しい って言ってたよね、遠江ちゃん。」
”ロイコ”:「オーヴァードの侵蝕作用には、記憶に関するものも多いでしょ。恐らくはその作用を逆用しているんだと思う」
”ロイコ”:「粘菌も菌の一種だからね。やりようによっては、ウイルスに近い作用を持たせられる」
”虚姫”:「大気中に ってなると、かなりの範囲に広がっちゃうよね」
”ロイコ”:「どこまで広がってるのかは、おれも解らない。だけど、”マスターハウル”はメチャクチャな奴だったよ」
”ロイコ”:「あんたらの……”ニライ”はどうなの?」
此江・A・匸華:「…………」 いつもなら真っ先に声を上げていただろうが、押し黙っている。
柏夕陽:「分かりませんね。」
柏夕陽:「あくまで疑似人格の証言ですから。」
宮代火澄:「虚姫。さっきの、かなりの範囲って……何か思い当たったの?」
”虚姫”:「えっとね」
”虚姫”:「市外に逃げて、はい終わりって訳にもいかなくなっちゃったね。って」
”ロイコ”:「……”ニライ”が”オッタ―トロール”を使おうとしてるなら」
”ロイコ”:「”ソナープロット”は地の果てまで追って来るだろうね。あいつらのしつこさ、信じられないだろ」
宮代火澄:「……そういうことか」
柏夕陽:「”ロイコ”の証言を聞いて、これからの身の振りを考えましょう。」
”虚姫”:「"バチスカーフ"である限り、私たちは国家規模のテロリスト」
”ロイコ”:「任せるよ。どの道、もうあんたらに付いて行くくらいしか”ネクラファジー”を生かす方法も思いつかないし」
”虚姫”:「まぁ、みんなと一緒に居られるなら、私はそれでもいいんだけどね。」
柏夕陽:「かなえさん、航行機能は正常ですか?」
"かなえ"A種潜航艤装:『……ノット安定。現在機能の70%が回復しています。通常の航行は問題ありません』
柏夕陽:「聞き方を変えます。帆毬海溝の潜航に支障はありますか?」
"かなえ"A種潜航艤装:『……』小さく電子音。
"かなえ"A種潜航艤装:『……潜航自体に問題はありません。しかし、火器管制システムが現在作動不能です』
"かなえ"A種潜航艤装:『潜航の際に交戦が発生した場合、マニュアルでの火器操作になるかと予想されます』
”虚姫”:「マニュアルかぁ…」
柏夕陽:「火澄さんは砲座に付いてください。」
柏夕陽:「それ以外の三人で船外のイレギュラーに対処します。」
"かなえ"A種潜航艤装:『要請を受諾。想定されるタスクを4分類し、討議します』
柏夕陽:「此江さんの酸素バブルを使えば短時間なら船外作業も出来るでしょう。」
此江・A・匸華:「う、うんっ。それなら、なんとかなると思う……!」
”ロイコ”:「……なら、おれも出る」
”ロイコ”:「この船が沈んだら終わりだからね」頭を振って立ち上がる。
宮代火澄:「待って、夕陽」
柏夕陽:「どうしました?」
宮代火澄:ばし、と己の頬を両手で叩く。
宮代火澄:「ん、大丈夫。気合、入れ直した」
柏夕陽:「お手伝い、しますか?」
宮代火澄:「正直まだ混乱してるけど、頭は働く」
”ロイコ”:「……」宮代くんを見る。
宮代火澄:「会議の進行と指示、ありがと。手伝いは……まだリーダーと思ってくれるなら、ね」
柏夕陽:背伸びして頬にキスを落とす。
此江・A・匸華:「~~~~ッ、?!?!?!?!?」
宮代火澄:「なっ……ちょっと!?」
"かなえ"A種潜航艤装:『……』
”ロイコ”:「マジで?」
柏夕陽:「お手伝い、ですよ。」
宮代火澄:思わずたたらを踏んで、踏みとどまる。かあと頬を赤らめて。
此江・A・匸華:ぽかんと口を開けて、柏さんと火澄を交互に見る。
”虚姫”:「え?普通じゃないの?」ロイコに
”ロイコ”:「なあ、おい……本当に普通だと思うの?」
柏夕陽:「頑張ってくださいね?それと、約束です。」
柏夕陽:「無事にみんなで抜けますからね。」
”ロイコ”:「……もう良い。力が抜けた」
”ロイコ”:「なあ、”スクナ”。”あの件”の共有はまた後にしよう」
宮代火澄:「……わかってる」
宮代火澄:予め聞いていた内容を胸に秘す。今、この状況では衝撃が大きすぎる。
”ロイコ”:「いい勘だ。あんた、大した奴になるのかもね」
”ロイコ”:眼帯を締めて、船内の銃座に向かっていく。
宮代火澄:「改めて。深海坑道の突破を試みます」
宮代火澄:「”ロイコ”を帆毬市外に送り届けて、情報を得る。次の行動指針はそれからだ」
宮代火澄:「みんなで無事に戻ろう。よろしく」
”虚姫”:「うん、よろしく。次の作戦も頑張るよ。」
此江・A・匸華:「う、うん……!」 まだ動揺を隠せないまま、こくこくと何度も頷く。
柏夕陽:「了解です。」
"かなえ"A種潜航艤装:応えるように、電子音がくおんと鳴る。
───────
GM:ロイスの取得が可能です。
此江・A・匸華:保留で……
”虚姫”:保留します
宮代火澄:保留!医療トランク誰が使おうか
此江・A・匸華:火澄の必要HP確保分までは使って良いと思う
宮代火澄:じゃあもらっていいかな?
”虚姫”:いいよ
柏夕陽:保留でトランクは火澄君に任せます
宮代火澄:じゃあ使います!ありがとう
宮代火澄:16+2d10
DoubleCross : (16+2D10) → 16+12[2,10] → 28
宮代火澄:よし、完全!
宮代火澄:宮代火澄のHPを9増加(16 → 25)
宮代火澄:こちら以上!
此江・A・匸華:ばっちり!
GM:ではシーン終わり!次行くぞッ
Middle06:網の中の魚
GM:現在実行可能な項目はこちら。
★ミドル戦闘:「帆毬海溝潜航突破」
■休息
■補給
GM:シーンプレイヤーは宮代君。他は登場自由です。出る方は登場浸蝕をどうぞ。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(68 → 73)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(63 → 67)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(69 → 75)
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(70 → 74)
───────
GM:では宮代君はミドル戦闘を選択するということで…よろしいか!
宮代火澄:選択します!
GM:OK!
GM:では、海溝潜航突破のルールを説明します。
★ミドル戦闘:「帆毬海溝潜航突破」
・『深海生物迎撃』
<白兵><射撃><RC><運転:”かなえ”>難易度12
成功すると、『船外活動』でPC2の受けるHPダメージを無効化できる。
・『回避機動補助』
<回避><運転:”かなえ”>難易度12
成功すると、そのラウンドの「装甲」の減少を無効化できる。
・『潜航ルート策定』
<知覚><知識:海洋生物>難易度12
成功すると、「深度」を更に一つ深く設定することができる。
・『補修作業』
<調達><知識:任意>難易度15
成功すると、損傷した「装甲」を1枚回復することができる。
・『船外活動』(PC2のみ可能)
<判定する項目の技能>
好きな項目の技能を選択し、判定する。
判定が成功すると、他人が振ったその項目の判定の好きな出目を、10に変えることができる。
ただし、一度『船外活動』を行うごとにクリンナップHP2d10点ダメージ(装甲適用可)。
GM:この戦闘では、主に『潜航ルート策定』を行い、”かなえ”の深度を深めていくことで
GM:ゴールの坑道を目指して頂きます。
GM:しかし、ラウンドごとに深海生物が”かなえ”を見つけては襲ってくるので
GM:”かなえ”がそれに耐えるための「装甲」が無くなった時、
GM:PC2以外のPCは即座に死亡します。
宮代火澄:こっわ
此江・A・匸華:深海コワイトコロ
此江・A・匸華:ニンゲン スグシヌ
GM:装甲は全部で3枚、深度は6段階に分かれています。
GM:と言っても文字だけだと解りにくいと思うので
GM:ざっくりまとめました。
【深度計】
□:200m
□:1000m
□:1500m
□:1700m
□:2000m
□:2500~
【”かなえ”装甲】
〇〇〇
【”かなえ”装備】
・オートアクション:1R1回/達成値+3
宮代火澄:ラウンドごとに減るかなえの装甲は1枚で固定ですか?
GM:1枚で固定です。
GM:また、先ほどの戦闘のように複数人が一つの項目に挑戦することも可能です。
GM:装甲を犠牲にして最高深度を突っ込むか
GM:何Rか掛けてゆっくり進んでいくかを判断することになるでしょう。
柏夕陽:船外活動の難易度はいくつですか?
GM:あ!書くの忘れてた
GM:これは「サポートしたい項目」の難易度そのままになります。
GM:例えば『船外活動』で『補修作業』をサポートしたいと思った場合
GM:『補修作業』の技能・難易度である<調達><知識:任意>難易度15で判定するわけですね。
柏夕陽:なるほど、了解です
GM:最後に、前回忘れていたNPCカードの提示をしておきます。
★NPCカード:”ロイコ”
・潜蟲ワヤン・クリ
タイミング:任意 1シーン1回。
任意の判定に失敗した時、その結果を打ち消し、再判定させる。
GM:では、ミドル戦闘を開始します。よろしくお願いします。
GM:【ROUND1】
宮代火澄:よろしくお願いします!
GM:各自項目の選択をお願いします。
宮代火澄:あっその前に
GM:はいはい!
宮代火澄:此江さんに医療トランク使っといてもらいたいんですけどできますか?
宮代火澄:この後ダメージ受けるかもしれないしね
GM:船内で治療したということなので、許可します。その代わりにシーン終わりで医療トランクは使えません。
宮代火澄:ありがとうございます!
此江・A・匸華:じゃあ、ありがたく回復します!
此江・A・匸華:15+2d10
DoubleCross : (15+2D10) → 15+14[9,5] → 29
宮代火澄:ナイス
此江・A・匸華:ぐんぐん成長
此江・A・匸華:HP27まで全回復しました!
宮代火澄:えらい
GM:すくすく育て…バチスカーフの妹…
宮代火澄:『潜航ルート策定』行きます!知覚で
GM:目標値12!
宮代火澄:5DX+1+0@10>=12 知覚
DoubleCross : (5DX10+1>=12) → 9[2,2,6,7,9]+1 → 10 → 失敗
宮代火澄:ここはかなえ貰っちゃおうか?
柏夕陽:ですね
”虚姫”:ですね
"かなえ"A種潜航艤装:ではかなえのサポート。その達成値に+3。
宮代火澄:助かる!これでまず一回成功
GM:達成値は13…成功です!
”虚姫”:じゃあこっちも潜航ルート策定。知識で判定します
GM:【深度計】が1段階下降します。
GM:GOGO!
”虚姫”:5dx+2
DoubleCross : (5DX10+2) → 10[4,5,9,10,10]+4[3,4]+2 → 16
宮代火澄:強い!ナイス
此江・A・匸華:流石~!
GM:うおっ…でっか…
”虚姫”:よしよし
柏夕陽:潜航ルート策定、行きます。知識で判定
GM:【深度計】が2段階下降します。
柏夕陽:7dx>=12
DoubleCross : (7DX10>=12) → 8[1,1,4,5,6,6,8] → 8 → 失敗
柏夕陽:うげ、失敗
”ロイコ”:NPCカードも使えますが、どうしますか?
宮代火澄:”ロイコ” 君の効果使っちゃいます?夕陽さんダイスも多いし
”虚姫”:それがよさそう
GM:一応1シーン1回なので、それだけお気を付けを!
柏夕陽:シーン一回だとなあ…
宮代火澄:あそっか、こっちはラウンド一回ではない
柏夕陽:そうなんです
宮代火澄:じゃあここは温存する……?
柏夕陽:温存して此江さんに任せたいですね
宮代火澄:了解!こちらはオッケーです
”虚姫”:じゃあ温存しますか
此江・A・匸華:じゃあ、『船外活動』行ってきます~。判定は射撃で。
宮代火澄:あ、難易度はその判定の難易度で
宮代火澄:技能は自由なんでしたっけ?
此江・A・匸華:あ、技能はそこ依存か
GM:あ、すみません!これは『船外活動』で『潜航ルート策定』の補助をするので
此江・A・匸華:好きな技能だと勘違いしてました
GM:<知覚><知識:海洋生物>難易度12
宮代火澄:あ、
宮代火澄:技能もそこ依存なのか
GM:ですね。なので、エフェクトを使うとしたら《ベーシックリサーチ》などになるでしょう。
此江・A・匸華:ベーシックリサーチは情報だけだから使えないよ~
GM:あっそうじゃん!失礼しました
此江・A・匸華:なのでダメージ受けないこと考えると、潜行ルート策定の方かな。知覚で判定します。
此江・A・匸華:5dx+1>=12
DoubleCross : (5DX10+1>=12) → 10[1,1,3,9,10]+3[3]+1 → 14 → 成功
此江・A・匸華:ふっふーん
宮代火澄:ナイスー!
”虚姫”:これはデカい
GM:では、潜航段階が3段階になります。
GM:代わりに攻撃によって装甲が1枚消費されますね。
宮代火澄:よしよし まずまず順調!
GM:そして申し訳ありません。先程裏で暗黒会議を行った結果
GM:あまりにも船外活動のメリットがなさすぎることに気付いたので
GM:『船外活動』の難易度は判定する項目に依存して、それに用いることのできる技能は自由とします。
宮代火澄:たすかる!
此江・A・匸華:選択肢が拡がった~
宮代火澄:あ、GM それに伴い確認したいことが
GM:はい!
宮代火澄:此江さんが船外活動で技能:射撃を選択してエフェクトを使用した場合
宮代火澄:サイドリールの達成値+は乗りますか?
GM:エフェクト使用に伴う侵蝕という代償を支払っている以上
GM:〈技能:射撃〉を指定しているエフェクトをしている場合なら、サイドリールの達成値+は載ることにしましょう。
宮代火澄:ありがとうございます!
此江・A・匸華:ふんふん!了解です
GM:逆に〈ベーシックリサーチ〉のような技能:情報に組み合わせて使うエフェクトの場合は、サイドリールの達成値+は発動しないものとします。
此江・A・匸華:おっけーです!
【深度計】
■:200m
■:1000m
■:1500m
□:1700m
□:2000m
□:2500~m
【”かなえ”装甲】
〇〇×
【”かなえ”装備】
・オートアクション:1R1回/達成値+3
GM:現在の進行度はこちら。
GM:では、引き続きラウンド2をやっていきましょう。
GM:【ROUND2】
GM:判定する方は宣言をどうぞ。
柏夕陽:補修します
宮代火澄:お願いします!
GM:目標値は<調達><知識:任意>で難易度15!
柏夕陽:6dx+7>=15
DoubleCross : (6DX10+7>=15) → 10[1,3,3,8,8,10]+7[7]+7 → 24 → 成功
柏夕陽:成功
宮代火澄:助かる~
GM:オホホ ホホ…
柏夕陽:あ、調達でした、宣言忘れすいません
此江・A・匸華:すご~ あっという間に治っちゃった
”虚姫”:先ほどと同じく潜航ルート策定を、知識で振ります
GM:クソッ!深海生物!もっとちゃんと襲え!
宮代火澄:潜航ルート策定、知覚で振ります!
GM:潜航ルート策定ですね。二人とも判定をどうぞ。
”虚姫”:4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 10[1,3,3,10]+1[1]+2 → 13
宮代火澄:5DX+1+0@10>=12 知覚
DoubleCross : (5DX10+1>=12) → 9[1,1,2,6,9]+1 → 10 → 失敗
宮代火澄:さっきから10ばっかりだな
宮代火澄:かなえ~お願い
GM:では、1段階成功します。下降は4段階に。
"かなえ"A種潜航艤装:ピピピ サポート起動します
"かなえ"A種潜航艤装:達成値+3!
宮代火澄:ありがとう!
此江・A・匸華:じゃあ、あたしも潜行ルート策定で良さそうだね
宮代火澄:よさげ!お願いします
此江・A・匸華:5dx+1>=12 知覚で振ります~
DoubleCross : (5DX10+1>=12) → 8[1,2,2,6,8]+1 → 9 → 失敗
此江・A・匸華:はうわ~ 流石に無理だったか ごめんね
宮代火澄:大丈夫大丈夫
GM:では、残り1段階ですね。
GM:攻撃が来るので、装甲は1減少します。
GM:現在の進行度はこちら。
【深度計】
■:200m
■:1000m
■:1500m
■:1700m
■:2000m
□:2500~m
【”かなえ”装甲】
〇〇×
【”かなえ”装備】
・オートアクション:1R1回/達成値+3
GM:ではサクっとROUND3に行きましょう
GM:【ROUND3】
GM:各自宣言をどうぞ!
”虚姫”:ルート策定でー
”虚姫”:4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 10[1,10,10,10]+8[1,3,8]+2 → 20
宮代火澄:つよい
此江・A・匸華:虚姫さんが強いよ~~~
GM:う あ あ あ
GM:う……虚姫が帆毬海溝を練り歩いている
柏夕陽:これで到達?
宮代火澄:かな!
GM:では、深度は6段階に到達し
GM:一応襲撃は発生しますが、装甲があるので何とか耐えしのぎます。ミドル戦闘クリアです。
GM:ここからはデータ的には意味のない処理ですが、攻撃を防ぎたかったり補修をしたり船外活動をしたかった場合は任意に判定を行っても構いません。
宮代火澄:一応補修しとこっか かなえがんばってくれたもんね
GM:や 優しい
柏夕陽:じゃあ補修します
柏夕陽:調達で判定
柏夕陽:6dx+7
DoubleCross : (6DX10+7) → 8[2,5,7,7,7,8]+7 → 15
柏夕陽:成功
宮代火澄:完璧~
宮代火澄:ありがとう夕陽さん!
GM:ヤッター!新品ピカピカです
GM:あとは襲撃さえ起こらなかったら無傷で到達できます。
宮代火澄:『回避機動補助』やってみよ 回避で
宮代火澄:2DX+0+0@10>=12 回避
DoubleCross : (2DX10>=12) → 9[4,9] → 9 → 失敗
宮代火澄:あ、いけるじゃん かなえお願い
"かなえ"A種潜航艤装:NPCカード起動!
宮代火澄:こいついっつもお世話になってるな!
"かなえ"A種潜航艤装:12で成功です
宮代火澄:よしよし これでピカピカで到達できた
此江・A・匸華:やるな~
"かなえ"A種潜航艤装:ということで完全勝利です。折角頑張って損耗を抑えてくれたので
"かなえ"A種潜航艤装:これが後々いい結果となって現れるかも知れません。
宮代火澄:わ~い!
GM:では、改めてミドル戦闘:帆毬海溝潜航突破オールクリア!
GM:ロールに移っていきましょう。
───────
GM:帆毬海溝の上端は、帆毬近海――特に、”バチスカーフ”アジトから役20km程度の地点に存在する。
GM:”かなえ”A種潜航艤装は海溝の入り口に到達するため、一度浮上し、そこから再度潜航を開始した。
"かなえ"A種潜航艤装:『船員に告ぐ。これより当機は帆毬海溝深度2500に向け潜航を開始』
"かなえ"A種潜航艤装:『各員、水圧の変化に備えられたし。バラスト排水開始。メインタンクブロー』
此江・A・匸華:『それじゃ、あたしは一緒に潜っていくね。何かあったらすぐに知らせるから!』
此江・A・匸華:"かなえ"を水中から見上げつつ、通信機越しに声を送る。圧縮した酸素の膜で身を覆っていること以外は普段と変わらない。
"かなえ"A種潜航艤装:アナウンスと共に、船内の温度が僅かに冷える感覚がある。水温の低下――潜航を開始したのだ。
宮代火澄:「よろしく、此江。襲ってくるものがいたら無理せずに下がってね」
”虚姫”:「うん。ひとまず、1000m付近までは一気に進もう。」
”虚姫”:「そこから先は光がなくなるから、慎重にね」
宮代火澄:「わかった。虚姫、ルート選定いっしょにお願い」
此江・A・匸華:『うん、分かった!』 見る間にヒトの視界に入る光は乏しくなり、全てが青へ。やがて灰へ、以降はただ闇が拡がっていく。
”虚姫”:頷く
宮代火澄:「夕陽、機体のダメージコントロール、できる?」
"かなえ"A種潜航艤装:『......950m。960m。970m。980m……』
此江・A・匸華:周囲をソナーの要領で感じ取りながら、"かなえ"と付かず離れずの距離で深く潜行していく。
柏夕陽:「やります。」
柏夕陽:「でなければここで死にますからね。」
此江・A・匸華:『うん……警戒した方がいい。この辺りは、もう活性化した深海Aオーヴァードの海域で──、!』
柏夕陽:「かなえさん、外装甲のダメージは常に報告を。」
"かなえ"A種潜航艤装:『要請を受諾。――索敵ソナーに振動反応多数』
”虚姫”:「……危険な生物が居るとしても、海底付近になるはず。だからまだ安全だと思いたいけど──」
”ロイコ”:「下に危険な生物がいるなら」
”ロイコ”:「上に逃げる奴も、当然出て来る。来るよ」
GM:深海1000mは、中深層――トワイライトゾーンと呼ばれる地点の、ちょうど終端に当たる。
GM:中深層には光合成のための光は届かない。よって、この区域に棲息しているのは、自力で獲物を確保する能力がある生物ということになる。
深海生物:『――』ごぼ ごぼぼ
深海生物:船外を遊泳する者なら、あるいは高速で海を裂く水音が聞こえるだろう。
深海生物:深海1000m。オオカミウオ種のAオーヴァード。
此江・A・匸華:『南南東から250m! 群れが来るよ!』
深海生物:休息に接近し、瞬く間に”かなえ”を射程圏内に捕える。
宮代火澄:「かなえ、回避機動!此江は迎撃はいい、ダメージの回避を最優先して!」
深海生物:その様子は、船内に多数設けられた樹脂製のすり鉢窓からもはっきりと視認できる。
"かなえ"A種潜航艤装:『要請を受諾。回避機動アルゴリズムを生成』
此江・A・匸華:『了解っ!』 海水を圧縮して防壁のように使い、襲撃をいなしながら”かなえ”への突撃を最小限に防ごうと試みる。
"かなえ"A種潜航艤装:船内が大きく揺れる。遊泳する群れと、間一髪で交錯し、回避した――そのように見えた。
"かなえ"A種潜航艤装:警報が鳴る。
宮代火澄:「っ! 衝撃に備えろ!」
深海生物:が ぎゃぎごごごごご!!!
宮代火澄:”ロイコ”の方を向いて叫ぶ。他の船員は言わずとも対応できるはずだ。
深海生物:鋸歯で削るような音と共に、船体が更に振動する。
”ロイコ”:壁に手を付く。
"かなえ"A種潜航艤装:『警告:尾翼中破』
"かなえ"A種潜航艤装:『鉛直潜航機能低下。70秒後に垂直移動機能喪失の畏れ有り』
"かなえ"A種潜航艤装:潜航機能の喪失。それは深海1000m以深の水圧の檻の中、かなえという棺桶に取り残されることを意味する。
柏夕陽:「すぐに補修します。」
”虚姫”:「──ありがと!かなちゃん、もう500mぐらいいける?」
柏夕陽:「みなさん、」ここは任せました、と言いかけて
"かなえ"A種潜航艤装:「――『やります』」
宮代火澄:「此江、聞こえた?修復しながらルートを調整する」
柏夕陽:「ご武運を。」と頼む言葉から祈る言葉に代えて尾翼方面に向かう
"かなえ"A種潜航艤装:「”ダモクレス”の会話から学習。推定:潜航機能の喪失=”バチスカーフ”全員の死亡……」
宮代火澄:「夕陽の補修が終わる前にまた来たら、今度は迎撃を頼む」
"かなえ"A種潜航艤装:く お お ん という駆動音と共に、”かなえ”の出力が上昇する。さらに深度が下がった。
"かなえ"A種潜航艤装:1300,1350,
"かなえ"A種潜航艤装:1350,1400……
”ロイコ”:「……外の奴は、一人じゃ足りないでしょ。おれもやる。見えてなくても呪いは通る」
宮代火澄:「わかった、よろしく。君も無理はしないようにね」
宮代火澄:「無事送り届ける契約だ」
”ロイコ”:「……どっちのセリフ何だか」銃座に呪いを浸透させる。
此江・A・匸華:『うん、任せて。このペースなら、そう目的の距離まで掛からないし……一気に潜行していく方が良さそう』
”ロイコ”:電子的なプログラミング言語を書き換え、掌握しているのだ。
此江・A・匸華:『”ロイコ”も、ありがとっ。すごく助かる!』
”ロイコ”:「揃いも揃ってお人好しだね。そういうのは――助かってから言ってくれ!」
”ロイコ”:機雷が自動で射出される。それは吸い付くように深海生物の一部に着弾し、呪いを撒き散らした。
此江・A・匸華:ぐう、と身体の撥条を使う。脚を尾鰭のように動かし水を蹴り、深度を上げる”かなえ”に離れず付いていく。
”ロイコ”:先程”かなえ”が攻撃を喰らった、群れの”尾”の部分だ。
"かなえ"A種潜航艤装:『……1500mに到達!』
"かなえ"A種潜航艤装:『目標地点まで残り1000m。警告:更に多数の魚群接近』
”虚姫”:「っ…自転車操業でいくしかなさそうだね」
GM:深海1500m。漸深層と呼ばれる区域。
GM:この区域に生息する生物の8割は、自らが光源を生成できる。雪のような光の群れが、”かなえ”を喰らいつくそうとする。
宮代火澄:「……かわせないな。先んじて攻撃して道を作る!火力を集中して!」
此江・A・匸華:『こっちもできるだけ追い払うから、”かなえ”は潜行を優先して!』
"かなえ"A種潜航艤装:『回避機動アルゴリズムの選択集中を受諾。”虚姫”、”スクナ”――船外に攻撃は可能ですか?』
"かなえ"A種潜航艤装:船内の室温が急激に上昇している。艦のほぼ全ての動力を潜航と回避に用いているのだ。
”虚姫”:「……海中は、地上に比べて影響が大きいから、本当はあんまりやりたくないんだけど」
”虚姫”:「やれって言うなら、やるよ」
宮代火澄:砲を下に向けて放つ。放たれた光は船の床に到達する前に"跳躍"。
宮代火澄:向かってくる群れの一角が、深海ではありえぬ光と熱に焼かれて焼失する。
宮代火澄:「こっちはいける!」
"かなえ"A種潜航艤装:「お願いします。”虚姫”が能力を出力しなかった場合」
"かなえ"A種潜航艤装:「289秒後にこの艦は沈没します。確実に」
”虚姫”:「うん、分かった。」
此江・A・匸華:『このっ、あっち行けーっ!』 一度損傷を受けた尾翼付近を守るように襲撃を払う。
"かなえ"A種潜航艤装:『”ダモクレス”。これより”虚姫”の砲撃が開始されます』
"かなえ"A種潜航艤装:『砲撃後、当機の機能が30秒停止すると予想』
"かなえ"A種潜航艤装:『尾翼補修後、フォローは可能ですか』
柏夕陽:「手動でフォローします。」
柏夕陽:「砲撃の前に曳光弾を周囲に放って視界を確保してください。」
”虚姫”:此江が襲撃を払った先、魚群の影が見える窓の側に立つ
”ロイコ”:「火器管制は死んでる……どうにかしろってことね」
”虚姫”:「かなちゃん、こっちは準備出来たよ。」
宮代火澄:「かなえ、カウント!此江、虚姫が撃つよ!気をつけて!」
"かなえ"A種潜航艤装:「砲撃シークエンス開始。総員対衝姿勢。5、4,3,2……」
此江・A・匸華:『やっちゃえ、虚姫さん!』 ”かなえ”の船体に張り付き、衝撃に備える。
”ロイコ”:「……首なき王、雷漿欠けし弾、姿見えざる影」
”ロイコ”:「弾けろ。ワヤン・クリ」
”ロイコ”:呪術による再詠唱。火器管制システムを外れ、許容量を超えた曳光弾が呪術によって射出。
”ロイコ”:そして、閃光。射界が確保される。
"かなえ"A種潜航艤装:「……1,0」
”虚姫”:手を僅かに、左右に振って
"かなえ"A種潜航艤装:「砲撃開始」
”虚姫”:──コン
”虚姫”:樹脂の窓を、叩く。
”虚姫”:海が震えた。
GM:――その日、帆毬市近海にて
GM:小規模な津波警報が発令された。
GM:震源は帆毬海溝1500m付近。
GM:原因は大陸棚のズレによる大規模かつ偶発的な振動によるものだと気象庁は結論づけた。
GM:誰も知らない。その震源が、”彼女”であることなど。
柏夕陽:「──30秒。」
柏夕陽:かなえが復帰するまでの30秒。
柏夕陽:荒れ狂う海流の中、障害物を避けて潜行を続けなければならない。
此江・A・匸華:『ひぅわッ、わ~~~~っっっ?!』 影響を物語るように、通信機越しにがくんがくんと揺れる悲鳴が届く。
"かなえ"A種潜航艤装:『……』
”虚姫”:──副次効果的に急上昇した、周囲一帯の海水温度。それに晒された魚群が行動を停止するのを目視して
柏夕陽:(砲撃によって船体が北方向に32度、下方向に47度傾斜。)
柏夕陽:(直前に視認した海の状況は──)
柏夕陽:脳内に海溝の地図を作り出す。ノイマンシンドローム特有の記憶力、高速思考。
柏夕陽:(こう。)
柏夕陽:「飛来物はソナーで感知して迎撃して下さい。」
柏夕陽:「これよりしばらく、手動で船体を立て直します。」
”ロイコ”:「ムチャクチャすぎる……”マスターハウル”だって、ここまでの出力じゃなかったよ」
”ロイコ”:「あんた何者?」
宮代火澄:「頼んだ。迎撃はこっちでやる」
”ロイコ”:「周りの奴らも周りの奴らだけどな。慣れない方がいいよ」
”ロイコ”:呪術を再装填。”スクナ”の電子砲の威力を強化する。
”虚姫”:「何者……って、バチスカーフのエージェントだよ。ただそれだけ。」
柏夕陽:糸の切れた人形のように海中を漂っていた船体が、
柏夕陽:ぐぐ、と船首を下に向けて再び潜行を開始する。
此江・A・匸華:『な、流されるかと思ったぁ……よしっ、"カグラ”、迎撃補助に入ります!』
”虚姫”:そう言いながら、ソナー探知機の画面に目を向けている。
”ロイコ”:「あんた自身わかってないのが強さの秘密かもね。あんまり触れない方が良い気がしてきたな」
”ロイコ”:「……魚雷はさっきので打ち止め。おれもここからは補助に回る……総力戦だ」
宮代火澄:「大丈夫。2000まで行ければ、後はなんとかできると思う」
此江・A・匸華:「"かなえ"、もう少し頑張って! あとちょっとだから!』
"かなえ"A種潜航艤装:『……再起動シーケンス開始。航行機能正常化まであ10秒……』
此江・A・匸華:船体を撫でるようにぽんぽんと叩き、損傷箇所を確認するように船体の周囲を泳ぐ。
GM:だが、その音声を掻き消すように
GM:船内に警報が響く。
GM:深度1970m。
GM:先程まで何の反応もなかった前方に、巨大な魚影が突如現出していた。
GM:1972年、帆毬湾にて沈没した原子力潜水艦『てまり7200』という潜水艦が存在する。
GM:全長135m、最大潜航可能深度7200m。排水量秒間2.1t、最大搭乗人員20名。
『てまり7200』:……その『てまり』が、レネゲイドに侵されていたとするならば?
『てまり7200』:2対の太陽灯が発光する。涙を流すように。
『てまり7200』:既にその巨躯は、”かなえ”に対し突貫を開始していた。
”虚姫”:「───!?」
此江・A・匸華:『え…………ウソっ、"かなえ"! 起きて起きてっ!』
此江・A・匸華:『このままぶつかったら木っ端微塵になっちゃうよ!!!』
"かなえ"A種潜航艤装:「――全システム再起動。おはようございます」
此江・A・匸華:『みんな聞いて! あのねっ、底から……船が上がってくる!』
”ロイコ”:「なあ……こいつ」
”ロイコ”:「冗談が致命的に下手なの? 今そんな状況なのかな?」
”ロイコ”:「あれは……おれの”呪い”でも殺せないよ。核が……船体の中でグチャグチャに融合してる」
”虚姫”:(もう一回……ううん、ダメだよね。かなちゃんの負担が大き過ぎる)
”ロイコ”:「誰か、どうにかできそう?」
柏夕陽:「手動でもかなえさんでも回避できません。ここは──」
宮代火澄:「此江、かなえにしっかり捕まって」
宮代火澄:あと530。なら、いける。
宮代火澄:「かなえ、そのまま進んで。対処はこちらでやる」
宮代火澄:首に大きな傷が現れる。刃物で刺されたような。
"かなえ"A種潜航艤装:『承知しました。全速前進します』
宮代火澄:溢れ出すはずの血液は、溢れる前に"どこか"へ消失していく。
此江・A・匸華:『わ、分かったけど……火澄、なにするつもり……?』 ぎゅう、と"かなえ"に抱き着いて衝撃に備えながら、不安げに声を上げる。
宮代火澄:「バロールだよ、僕は」
宮代火澄:「"跳ばす"」
”ロイコ”:「無理だよ。デカすぎる」
”ロイコ”:「……マジでやる気なの?」
宮代火澄:前進するかなえの前に、巨大なゲートが出現する。
宮代火澄:通り過ぎた先は、既にてまりより遥か下方。
宮代火澄:「ああ、デカすぎる。だから、乱発はできない」
宮代火澄:「一番危ないここからのために、ここまで温存してたんだろ」
"かなえ"A種潜航艤装:『速度維持。30ノット、全速にて潜航ヨーソロー』
宮代火澄:血の気の引いた青い顔で、ロイコに答える。
此江・A・匸華:(ここで失敗したら、みんな水圧で潰されちゃう──ううん、でも。火澄なら、きっと……!)
此江・A・匸華:『火澄ならやれる、絶対! みんなのリーダーだもん!』
”ロイコ”:「……認めるよ。やっぱり大した奴だな、あんたは」
宮代火澄:「此江。ここからは何かあったらゲートで跳ばしていく」
宮代火澄:「かなえのレーダーに基づいて大体の位置で開いてるから、先に何があるか僕には見えない」
宮代火澄:「観測をお願い。何かあったら教えて、跳躍先を調整する」
『てまり7200』:すれ違った先ははるか上方だった。巨体が災いし、細かい旋回は不可能だ。急速に置き去りにされる。
”ロイコ”:”スクナ”に手を添える。その瞬間、視界が開けたように感じるだろう。
”ロイコ”:「潜航に必要な感覚を……”カグラ”と共有させた」眼帯から汁を零しながら。
此江・A・匸華:『えっ、な、なにこれ?! ぞ、ぞわぞわする……!』
此江・A・匸華:『ひ、火澄、見えてる……? 見えてるっていうか、うーん、その、音から伝わる感覚っていうか……』 人に説明するのは下手なのでしどろもどろになっている
”ロイコ”:「アンタに免じて、こっちも”とっておき”を出したんだ。このまま進んでみせろ」
宮代火澄:「だいじょぶ、見えてるよ」かすかに笑いながら。
此江・A・匸華:『あたしも、見えたもの、できるだけ伝えていくし……しっかり集中するからね!』
宮代火澄:(……深海を見るのは初めてだ)
宮代火澄:(そうか、これが……)
宮代火澄:僅かに逸れかけた思考を戻す。
宮代火澄:「みんな、あと一息だ。無事に抜けるよ」
此江・A・匸華:音の反響から世界が伝わってくる。真っ暗な世界に仄かに光るものを感じ取るように、音と想像の視界をリンクさせる。
此江・A・匸華:自分にしか見えないはずの景色が、今だけは。伝わっている。
此江・A・匸華:他でもない──火澄に。自然、笑みが零れる。
此江・A・匸華:(──きっと、この一瞬だけだろうから。あたしの見てる世界、全部……伝わってほしいな)
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GM:ロイスの取得・変更が可能です。
宮代火澄:保留!
此江・A・匸華:ロイ保!
”虚姫”:保留で!
柏夕陽:保留!
GM:OK!では、次のシーンに参りましょう。
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GM:Interlude2
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GM:”バチスカーフ”の脱出口として建造された帆毬海溝坑道は、熱さ250mmの強靭な鋼鉄とコンクリートによって海溝内部に造営されている。
GM:気圧の正常化処理が施されているほかは、無機質な灰色の坂道をライトが点々と照らしているのみだった。
"かなえ"A種潜航艤装:『……”ダモクレス”及び”スクナ”は当機のメンテナンスを担当』
"かなえ"A種潜航艤装:『その後、休養を推奨。脱出予定時刻:本日2100』
"かなえ"A種潜航艤装:”かなえ”からの通信が途切れる。
此江・A・匸華:「なんか、思ったよりしっかりしてるね。誰が造ったんだろ……お姉は存在を知ってるみたいだったけど」
此江・A・匸華:メンテナンスをしている二人を残し、坑道の様子を伺いに虚姫さんと出てきていた。きょろきょろと周囲を見回している。
”虚姫”:「うーん、私も知らないなぁ」と、コンクリートの舗装を軽く叩こうとして
”虚姫”:「あ、さっきは大丈夫だった?ごめんね…海だと調整が難しくて」
此江・A・匸華:「大丈夫! 流石虚姫さんだな~って思っちゃった」
”虚姫”:「ふふ、なら良かった。ありがと。」
此江・A・匸華:「えへ。これからも頼りにしてます」 にこっと笑い掛ける。
”虚姫”:微笑み返して
”虚姫”:「此江ちゃんに……ううん、みんなに何かあったら私、堪えられないから。」
”虚姫”:「何事もないなら、それで一安心だよ」
此江・A・匸華:「ん……」 微笑んだ表情が少し崩れる。
此江・A・匸華:「……虚姫さんは、強いなあ。色々あったのに、ちゃんと……いつも通り、セルの皆のために頑張ってて」
此江・A・匸華:「あたしなんか、だめだめだよ~。すぐ動揺しちゃうし……」
此江・A・匸華:はぁ~、と大きく一つため息をつき、かつんと足元の小石を蹴る。反響を見る限り、坑道は確かに何処かに繋がっているようだった。
”虚姫”:「ふふ。これでも一応先輩だからね」
”虚姫”:「カッコいい所は見せなくっちゃ」
”虚姫”:……"色々あったのに"
此江・A・匸華:「見えてる! 虚姫さんはいつでも格好いいよ」
”虚姫”:そう、本当に色々あった
”虚姫”:"ここに来るまで"の話だが
此江・A・匸華:「……あっ、それでね。虚姫さんに渡したいものがあって」
”虚姫”:手で口を押さえながら、満足げにくすくすと笑う。
”虚姫”:「ありがと…とっても嬉しい」
此江・A・匸華:「ほんとは、合流できた時すぐ返すつもりだったんだけど、すっかりタイミング逃しちゃって……」
”虚姫”:「?」
此江・A・匸華:ごそごそと紙袋の中から、丁寧に薄ピンクの風呂敷で包まれた荷を取り出す。それを彼女に差し出した。
”虚姫”:「……!あっ、これ……!」
此江・A・匸華:「"バチスカーフ"の拠点から逃げる時に持ってきたんだ。虚姫さんの大事なものだって聞いたから」
”虚姫”:形や重さからアタリをつけ、了承を得るより先に、包を広げる
”虚姫”:「〜〜〜!」
”虚姫”:潤んだ瞳を輝かせるように、両手で…海洋生物の図鑑を掲げ
”虚姫”:ぎゅぅ と抱き締めた後、此江の方に駆け寄り、同じように強く抱きしめる
此江・A・匸華:「きゃうっ」
”虚姫”:「──ありがと。本当に…ありがと、此江ちゃん」
此江・A・匸華:「う、虚姫さん、く、くるしいよ~」 言いながらも、声は嬉しそうだ
”虚姫”:「ごめんね、此江ちゃんも大変だったのに。私なんかのために……ごめんね。」
此江・A・匸華:「あ……ううん。これはね、その、あたしが取ってきたんじゃないの」 抱き締められながら少しだけ首を横に振る
”虚姫”:「?」
此江・A・匸華:「これ……"ギリー"が、あたしに預けてくれたの」
”虚姫”:「……?」
此江・A・匸華:「虚姫さんの大事なものだから、って。あたしに託して、"ギリー"は……」
此江・A・匸華:「あたしが今ここにいるのも、"ギリー"が守ってくれたからなんだ」
此江・A・匸華:「ほんとに……彼女は、"バチスカーフ"のことが、それと──虚姫さんのことが、大好きだったんだなって」
此江・A・匸華:声を震わせ、涙ぐみながら伝える。
”虚姫”:──虚姫にとって"好きな人"でなくなった者達は、存在そのものが彼女の中から消え去る訳ではない
”虚姫”:"そういう名前の人"という情報自体は、彼女の中に残っている。
”虚姫”:ただ、それだけだ。
”虚姫”:名前はただの文字列であり
”虚姫”:それと、特定個人が結びつかない。
此江・A・匸華:「……虚姫さん、大丈夫……?」 妙な沈黙が続き、恐る恐る少し身体を離すように彼女の表情を窺おうとする。
”虚姫”:「……ああ、うん!ごめんね!」
”虚姫”:「"ギリー"って何のことだろう って思って」
”虚姫”:「ちょっとだけ考えちゃったの」
此江・A・匸華:「………………へ?」
此江・A・匸華:ぽかん、と開いた口から間抜けな声が出る。表情が引き攣った。
”虚姫”:「ええと……人、だよね?その人が持ってたんだね」
此江・A・匸華:「や、やだなぁ虚姫さん! 冗談きついよ~」
此江・A・匸華:「あ、当たり前じゃん! "バチスカーフ"の"ギリー"だよ……?」
此江・A・匸華:だんだんと声が小さくなっていく。
”虚姫”:「?"バチスカーフ"は」
”虚姫”:「此江ちゃんと」
”虚姫”:「火澄くんと」
”虚姫”:「夕陽ちゃんと」
”虚姫”:「かなちゃんと」
”虚姫”:「遠江ちゃんと」
”虚姫”:「私」
”虚姫”:「だよ?」
此江・A・匸華:すう、と視界が暗くなるような感覚に陥った。ぐらりと地面が揺れる。
此江・A・匸華:自分がいま、ちゃんと立っているのかも分からない。
此江・A・匸華:察しの悪い少女でも、分かる。
”虚姫”:……此江は知っている。虚姫はいつだって、嘘はつかない。
”虚姫”:本当の事しか言わない
此江・A・匸華:(虚姫、さんは)
”虚姫”:「………遠江ちゃん…?」
此江・A・匸華:(いま、生きている……或いは、生きているかもしれない、死んだと断定されてない人しか)
此江・A・匸華:(覚えて、ないの……? 忘れちゃうの?)
”虚姫”:「だ、大丈夫?私、変な事言っちゃったかな…ごめんね?」
”虚姫”:心配そうな顔で君を見上げ、その手を取ろうとする
此江・A・匸華:「へ、変な、っていうか……」
此江・A・匸華:びく、と身体を強張らせ、一歩、二歩、とその手から離れるように下がる。
”虚姫”:「………此江、ちゃん?」
此江・A・匸華:浮かんだ泪を手の甲で拭い、どうにか繕うように笑顔を浮かべる。
”虚姫”:距離を取られるとは思っておらず、差し出された手だけが暗闇を探るようにその場に残る。
此江・A・匸華:「…………ごめんなさい、あたし……どう、言えば、いいのか」
此江・A・匸華:(あたしも、死んだら)
此江・A・匸華:(……忘れられちゃうのかな。ううん、きっとそうだ)
”虚姫”:「ご…ごめん、ね。悪いところがあるなら、直すから…」
”虚姫”:もう一歩、近づく
此江・A・匸華:僅かに身体を震わせる。逃げることはしないが、その表情を窺う瞳には先程までの恥じらいも歓びもない。
此江・A・匸華:ただ、戸惑いだけがある。
”虚姫”:その瞳を見て、足を止める。
此江・A・匸華:(……ああ、そっか。虚姫さんは、そうやって──自分を、守ってるんだ)
此江・A・匸華:(強いんじゃない。『"バチスカーフ"のみんな』が好きだから……)
”虚姫”:「き……」
”虚姫”:「嫌いに、ならないで……」
此江・A・匸華:(……だから、忘れないと、壊れちゃうんだ)
此江・A・匸華:合流した時、"バチスカーフ"を愛する彼女はもっと動揺していると思っていた。それこそ、自分より更に酷い有様すら想像していた。
此江・A・匸華:ここまで酷く冷静で──普段通りの彼女でいたことに、ひどく残酷な現実を伴って、腑に落ちていく。
此江・A・匸華:「………………っ」
此江・A・匸華:(ここであたしが拒絶したら、虚姫さんは──)
此江・A・匸華:「……き、嫌いになんて、ならないよっ。当たり前じゃん!」
此江・A・匸華:「ごめんね、あたし……ちょっと、動揺しちゃって。あの日のこと、思い出しちゃったからかな」
此江・A・匸華:"あの日"の意味が正しく伝わっているのかどうかも、もはや分からない。ただ、取り繕うように言葉を重ねる。
此江・A・匸華:「だから……ね? 大丈夫だから、ねっ」
”虚姫”:怯えるような表情が、その言葉で少しだけ和らいだ。
此江・A・匸華:恐る恐る近付いて、図鑑を抱えた腕ごと、彼女の身体に腕を回した。
此江・A・匸華:「ね、もう、逃げたりしないから……」
”虚姫”:「……!」
”虚姫”:「…………」
”虚姫”:「……」その胸の中で、鼻をすする音がして
”虚姫”:「…ごめんね。私、此江ちゃんの事、全然考えてなかったね。」
此江・A・匸華:「あたしのこと……?」
”虚姫”:「遠江ちゃんのことで、一番辛いのは此江ちゃんなのに………さっきの事も…」
”虚姫”:楽園計画の説明を受けている時の、激昂を思い返して
此江・A・匸華:「……うん、お姉のことは……まだちょっと、混乱してる」
此江・A・匸華:「でも……大丈夫だよ。お姉のことだから、きっとなにか、良い考えがあったんだ」
此江・A・匸華:「火澄のことも、愛してたに決まってる。だって二人、見てるこっちが恥ずかしいくらいラブラブだったもん」
此江・A・匸華:呆れるように言って、少し笑う。
”虚姫”:「……うん…うん、そうだよね?」
此江・A・匸華:「……だから、信じて進もう。また、きっと会えるよ」
”虚姫”:「またみんなで、一緒に居られる時が来るよね」
此江・A・匸華:「うんっ」
此江・A・匸華:(──みんな)
此江・A・匸華:(もし、この作戦の中で──たとえばあたしが欠けても)
此江・A・匸華:(……それでも、"みんながいる"って、なっちゃうんだろうな)
”虚姫”:「………」
”虚姫”:「此江ちゃん。あとの調査は私がやっとくから…先に休んでて?」
此江・A・匸華:「? うん、分かった。坑道が何処かに繋がってるのは確かだから、伝えておくね」
此江・A・匸華:彼女の柔らかな身体から腕を解き、くるりと踵を返す。
”虚姫”:「うん。すぐ戻るね」
此江・A・匸華:「気を付けてね~!」 手を振りながら、ぱたぱたと足音を立てて戻っていく。
”虚姫”:尾のようにたなびく後ろ髪を見送って
”虚姫”:………
”虚姫”:……………
”虚姫”:…………………頭を押さえて、蹲る。
”虚姫”:うるさい
”虚姫”:うるさい
”虚姫”:ここは深海なのに、波の音が、とてもうるさい
”虚姫”:指を噛む
”虚姫”:うるさい
”虚姫”:そして、うるさい時はいつも
”虚姫”:──⬛︎⬛︎の⬛︎⬛︎⬛︎に⬛︎⬛︎⬛︎いっ⬛︎言⬛︎⬛︎たから
”虚姫”:そんな言葉を思い出す。
”虚姫”:私に、この図鑑をくれた人の言葉を。
”虚姫”:蹲る。先ほど此江に向けられた視線が、頭から離れない。
”虚姫”:指を噛みながら、身体を丸めるその姿は
”虚姫”:まるで、生まれる前の胎児のようだった。
Master01:掬い上げた先は
GM:特殊なマスターシーンです。全員登場。
GM:登場浸蝕は不要です。
───────
GM:間もなく、深海坑道の出口に到着する。
GM:きみたちは長く続く灰色の洞を登っていた。
”ロイコ”:「……ここを上がり切ればもうすぐあんたらともお別れだね」
”ロイコ”:「”バチスカーフ”は、このあとどうするの?」
此江・A・匸華:「制約を解かれて、君が一体何を話してくれるか。それ次第だけど……」 ちら、と火澄を窺う
宮代火澄:「帆毬市に戻ることにはなると思う」
”虚姫”:「うん。だから早く話して欲しいな。フイにするとか考えないでね。」
宮代火澄:「虚姫の言ってた通り、市外に脱出しても追手が来る状況だからね」
”ロイコ”:「逃げれば、生きることができる。そういうことは……考えないわけね」
”ロイコ”:「”オッタ―トロール”の行方が解らない限りはそうなるか。……わかってるよ。呪術師は約束を守る」
柏夕陽:「空気が変わりました。そろそろ出口です。」
GM:風が流れて来る。地上が近い。
”ロイコ”:「……なあ、”スクナ”」
宮代火澄:「なに?」
”ロイコ”:「一つだけ聞きたいことがある」
”ロイコ”:「あんたにとって、”生存する”とはどのような行為を指す?」
”ロイコ”:「おれは体を乗り換え、自身の生理学的な生存を優先させてきた。セルも究極的にはそのための手段だ」
”ロイコ”:「でも……あんたはどうも違うみたいだ」
”ロイコ”:「あんたは今も戦っているよね。どうすれば、絶望せずにいられるの?」
宮代火澄:「……難しいこと聞くね」
宮代火澄:「生きることがなんなのかなんて、僕だってわからないよ」
宮代火澄:「なにせ、ちゃんと生きてるって実感できてるのはここ半年ぐらいの話だ」
”ロイコ”:「難しいことを考えているからだよ。……なるほど」耳を傾ける。
宮代火澄:「ただ、僕は」
宮代火澄:「僕の意思で生きたい」
”ロイコ”:「……生存はあくまで意思の結果にすぎない、か」
宮代火澄:「疲れるからね。他人の意思に縛られて生きるのは。……まあ」
宮代火澄:「今は少し、それも迷ってるけど」
”ロイコ”:「迷う?なぜ? あんたはやることが決まってるみたいだ」
”ロイコ”:「ただ……まあ」
”ロイコ”:「生き方は変わるものなのかも知れないね。もしも、おれがあんたらみたいに生きられたら……」
”ロイコ”:「……」
宮代火澄:「……誰にも何にも変えられない生き物なんて」
宮代火澄:「それこそ、怪物だろう」
”ロイコ”:「怪物に、楽園は存在しないんだろうね」
”ロイコ”:「そいつにとって、それは己の内だけにあるものだから。……長くなったな、悪い」
”ロイコ”:「行こう」
宮代火澄:「うん」
GM:気付けば鋼鉄の門扉が岩礁らしき場所に設えられている。待ち伏せの気配はない。
”ロイコ”:「出口だ。さっさと出よう」
此江・A・匸華:「誰の気配もないな~……よかった、無事辿り着けたね!」
柏夕陽:「では、外に出ましょう。」門扉に手を掛ける。
宮代火澄:「………」
”ロイコ”:「どうした?」
宮代火澄:外。ここから先に進めば。
宮代火澄:帆毬市に戻る。……本当に?
宮代火澄:「なんでもない。行こう」
柏夕陽:門扉を開ける。
───────
GM:ユニークアイテム《オッタートロール》の効果が発動します。
GM:指定したキャラクターのロイスをタイタス化し、そのロイスにまつわる記憶を一部吸収します。
GM:昇華効果は失われず、PCの任意のタイミングで発動が可能です。
GM:PC1は遠江・A・匸華のロイス。
GM:PC2は遠江・A・匸華のロイス。
GM:PC3は先代セルリーダーのロイス。
GM:PC4は信奉者のロイス。
GM:これらをそれぞれタイタス化します。
此江・A・匸華:うわーッ
柏夕陽:了解です。
宮代火澄:ぎゃーっ
”虚姫”:うおお
GM:どの記憶をどれだけ失うかについては、それぞれPCが決定します。
GM:ただ、ロイスの存在そのものを忘却したり、ほとんどすべてのエピソードを忘却するようなことは起こりません。
GM:また、《ラビリンス》の効果が発動。PC1~4はこのシーン中、それぞれ分割して登場します。
GM:まずはPC1の手番。
───────
遠江・A・匸華:「なあ、おい」
遠江・A・匸華:「起きろって。もう朝だぞ」
GM:変わらない、”バチスカーフ”の日常だ。
GM:すぐに目が覚めるだろう。
宮代火澄:「遠江……?」
遠江・A・匸華:「きみ、街の外に出ようとしたろ。まだ覚醒したてで能力の扱いにも慣れてないんだ、やめときな」
宮代火澄:「無事、だったのか……?いや、何を言って……」
宮代火澄:意識がはっきりしない。酷く頭が揺れる。
遠江・A・匸華:「無事ィ? 勝手に殺すなよな」
遠江・A・匸華:「とにかく、【ずっとこの街にいる】方がいい。きみのためにもね」
遠江・A・匸華:「コーヒー淹れたんだ。飲むかい?」錨のマークの描かれたマグを差し出す。
宮代火澄:「ずっと……」
宮代火澄:頭の中に引っかかるものと、胸の中で燃えたぎる何か。
宮代火澄:なんとか落ち着けようと、渡されたカップに口をつける。
───────
GM:続いて、PC2の手番です。
GM:白い砂浜がさざめいている。
GM:いつか、誰かの……いや、きみの誕生日のことだ。
GM:家族はきみたち姉妹を愛していた。姉妹の誕生日には、年二回、毎年必ず帆毬市に旅行に出かけていた。
遠江・A・匸華:「コノー!見てみなよ、この貝殻!」
遠江・A・匸華:「めちゃくちゃ変な形してる!アハハ!」
此江・A・匸華:「えっなにこれ! 角生えてるみたいだね」
家族:「もう、はしゃぎ過ぎないようにしなさいよ此江」
家族:「そうだぞ。もうすぐ■■■■■になるんだからな」
此江・A・匸華:「あたしより、お姉ちゃんの方が心配だよ~」
遠江・A・匸華:「良いでしょその話は。って言うかさ、いつまでこっちにいるわけ?」
家族:「いつまでって……そりゃ【ずっと帆毬市にいるよ】。」
家族:「そろそろ腰も落ち着けたい頃だしな」
此江・A・匸華:歳は少し離れているけれど、仲良しの姉。姉妹のことを愛してくれる両親。
此江・A・匸華:幸せな家族。続いていく日常。
遠江・A・匸華:「……だってさ。どう思う? 帆毬市にいるの、賛成?」
此江・A・匸華:「え……あたしは、賛成だよ? だってここ、海が綺麗で──」
此江・A・匸華:ばぢ、となにかに思考を遮られるような不快感。
此江・A・匸華:(海が綺麗で……あたしは、毎日、ここに潜って──)
此江・A・匸華:(……お姉ちゃん? お父さんもお母さんも、なんで)
遠江・A・匸華:「コノ?」下から覗き込む。
遠江・A・匸華:「元気ないじゃん。泳ぎ行こうぜ」
此江・A・匸華:思考がふわふわしたまま、手を引かれる。ぽつり、と呟く。
此江・A・匸華:「……本当に、本当の、お姉ちゃん?」
遠江・A・匸華:「はあ~~?? 母さーん、コノが頭おかしくなっちゃった!」笑って、きみの手を引く。
遠江・A・匸華:「きみは私の妹だよ。愛してるぜ」
───────
GM:続いて、PC3の手番です。
───────
GM:”マスターハウル”が死んだ。
GM:帆毬市のFH勢力をその身一つで監視に置き続け、海を守っていた男が……今日、倒された。
マルガリータ・ディアス:「ヒメ」きみの頭を撫でる。
マルガリータ・ディアス:「上々の働きだった。褒めてやってもいいね」
マルガリータ・ディアス:「アンタはマジで最高の道具だ」
”虚姫”:「………」黙って、満足げな顔で頭を差し出している
マルガリータ・ディアス:血に濡れた”マスターハウル”の船帽を海に蹴落として、笑う。
遠江・A・匸華:「……この後のことは決めてるわけ? 殺してハイ終わり、で済む相手じゃあないよね」
遠江・A・匸華:「あと、その子のことを道具呼ばわりするのもいい加減やめときな」
遠江・A・匸華:血まみれになりながら、岩礁に凭れて息を吐く。
マルガリータ・ディアス:「マジにうるせェ~女だなァ。大丈夫だよ……この後のことは決めてる」
マルガリータ・ディアス:「誰にも使われることのない、アタシ達が自由になる方法だ。成り上がれば良い」
マルガリータ・ディアス:「マスターハウルのジジイはヒメがブチ殺してくれた。この海を、完全に調べ尽くせば……」
マルガリータ・ディアス:「リエゾンロードになる道も見えて来る」
遠江・A・匸華:「……付き合ってられないね。私はここで降りさせてもらう」
マルガリータ・ディアス:「はあ? オイ、マジかよ……」
マルガリータ・ディアス:「……」
マルガリータ・ディアス:「わかったよ。別にアンタとここでやり合う気はねェ」
マルガリータ・ディアス:「ただ、それ」”虚姫”を指さす。「持ってけよ」
マルガリータ・ディアス:「強くなったは良いが、弄り過ぎた。これからの事業には向かない」
マルガリータ・ディアス:「せいぜいアンタの所で恋人ごっこでもしてやりな」
遠江・A・匸華:「……」
”虚姫”:「……?えっと……」
遠江・A・匸華:がん、と”マスターハウル”の死体の傍にあった金属のケースを蹴り飛ばす。
マルガリータ・ディアス:「…………」
”虚姫”:「?」
マルガリータ・ディアス:「てめえ!!”オッタ―トロール”を……!」
遠江・A・匸華:「これは」虚姫を抱きしめる。「私達の楽園のために使う」
遠江・A・匸華:「……競争だ。どちらが早く、辿り着けるか」
”虚姫”:「 ? ?」
マルガリータ・ディアス:「呆れたぜ……」息を吐く。「アンタは一生漁師にはなれねえな。魚を獲る側で一生を終えそうだ」
マルガリータ・ディアス:虚姫を覗き込む。
マルガリータ・ディアス:「そういうわけで、お別れだ。思いっきり迷惑かけてやれよ、そこのクソ女に」
”虚姫”:瞳を覗き返して
”虚姫”:「ご主人様は」
”虚姫”:そんな事を口走る。そう言わなきゃいけない気がした
”虚姫”:「えっと……うんと……」
マルガリータ・ディアス:「なに? 忙しいんだけど」
”虚姫”:「どこかに 行っちゃうの?」
マルガリータ・ディアス:「ン? アア……そんなことか。そうだよ。もうお別れだ。二度と会うこともねェ」
マルガリータ・ディアス:「あー……そうだ」ぱちん、と指を鳴らす。
マルガリータ・ディアス:「魚を見に行くんだよ」
マルガリータ・ディアス:「世界中を旅して色んな魚を獲って回る漁師になるんだ。楽しそうだろ?」
マルガリータ・ディアス:「アタシの幸せがアンタの幸せだよな」
”虚姫”:「………あ、そうなんだ…じゃあ仕方ないね。」
マルガリータ・ディアス:「そういうこと!もう良いか? 良いよな!」
”虚姫”:「うん!すっごい楽しそうで、良かった」
”虚姫”:「あ、いや えと」
マルガリータ・ディアス:「【ずっとそこにいるんだよ】、アンタは。……まだ何かある?」
”虚姫”:「ほ、本!」
マルガリータ・ディアス:「はあ~~??」
”虚姫”:「私、すっごく嬉しかったから…その…」
マルガリータ・ディアス:「ああ……前買ってやったやつか。気まぐれでやるんじゃなかったな」
マルガリータ・ディアス:「まあいいや。大事にしろよ」
マルガリータ・ディアス:「あれ読んでりゃ落ち着くんだろ?」遠江に。
遠江・A・匸華:「……クズ野郎」
遠江・A・匸華:「言われなくても、この子はジャームになんかさせないさ。絶対に、人間に、戻してみせる」
”虚姫”:「あ……」親を引き止める子供のように、形のない言葉が宙を泳いで
”虚姫”:「あり、がとう。えへへ」
”虚姫”:そう、マルガリータに笑顔を向ける
マルガリータ・ディアス:「あー? アハハ」
マルガリータ・ディアス:「自分で仕込んどいて何だが、こりゃ気持ち悪ィ」
マルガリータ・ディアス:「まあ、元気でやれよ。優しく育てたんだから、きっとうまくやっていけるさ」
マルガリータ・ディアス:手を振り、海岸線沿いに歩いて行く。
遠江・A・匸華:「……」
”虚姫”:手を振って、その姿を見送る。
遠江・A・匸華:何も言わず、虚姫の手をただ強く握り締めた。
遠江・A・匸華:「……ヒメ。うちを探そうか」
遠江・A・匸華:「マルガリータは……魚を見に来るって言っただろ?水族館なんかどうだい?」
遠江・A・匸華:「いつか」顔を歪める。取り繕い、笑う。「帰って来てくれるかも知れない」
”虚姫”:「……うん!」快活に返事をしながら、こんな事を考える。
”虚姫”:「絶対、帰ってきてくれるよね。」私が好きなあの人は、マルガリータという名前だったろうか と。
───────
GM:最後に、PC4の手番です。
───────
GM:きみが”バチスカーフ”に潜入した、その当日のことだ。
GM:”ニライ”は直接きみをスカウトに来た。まるで、罠など恐れるに足らないとでもいうように。
遠江・A・匸華:「や、きみが”ダモクレス”?」
遠江・A・匸華:「優秀だって聞いたよ」
柏夕陽:「どうも。本日からオペレーターに就きました。」
柏夕陽:「よろしくお願いします。それと、ご評価いただきありがとうございます。」
遠江・A・匸華:「そんなに硬くならなくたっていいよ。それでさ……」
遠江・A・匸華:「きみ、戦えるよね? ぶっちゃけ」
遠江・A・匸華:「いや、聞き方が悪かったな。責めてたり疑ってるわけじゃなくて……むしろ頼りにしてるんだよね」
柏夕陽:「そうですね、エージェントとしての訓練は一通り受けているので……」
遠江・A・匸華:「……そっちがそう言う感じで行くなら、あんまり聞かないけどさ」
柏夕陽:「訓練を受けている程度なのでそこまで頼りにされても…という感じですが…」にへ、と微笑む
遠江・A・匸華:「まあ、ここは居場所のない奴等の居場所にしたいと思ってるからね」
遠江・A・匸華:「楽園とは程遠いかも知れないけど、良い場所だと思うよ。たぶん」
柏夕陽:「そう…ですか…」
遠江・A・匸華:「私のことも」握手を差し出す。「いつでも頼ってくれていい。……マジでね」
遠江・A・匸華:「私はきみの意思と権利を尊重する。ようこそ、”バチスカーフ”へ」
柏夕陽:握手に応じつつ、思考を回転させる。
柏夕陽:これは癖のようなものだ。
柏夕陽:手を握った瞬間、空いた手でナイフを抜いて頸動脈を切る。 所要時間4秒
柏夕陽:握手に応じず対象を押し、通信機械をショートさせ高圧電流を流す。 所要時間11秒
柏夕陽:そこで、違和感に気付く。
遠江・A・匸華:「……どうかしたかい?」
柏夕陽:”13./£”:『繰り返す。”ニライ”は我々の義体の内三機を完全損壊に陥れ、その後侵蝕限界によって海中に沈んだ』
柏夕陽:”13./£”:『三度熱傷。右腕欠損。物理的な急性内臓不全……ああ、これもまた、そうだ』
柏夕陽:いつか、傍受した通信音声だ。
柏夕陽:いつ?
柏夕陽:今差し出された右腕は、本当に存在しているのか?
遠江・A・匸華:「大丈夫さ。”バチスカーフ”は安全だ」
遠江・A・匸華:「【ずっとここにいても構わないんだぜ】」
柏夕陽:違和感はしこりのように残り続けている。が、
柏夕陽:それは今も昔も同じことだ。
柏夕陽:FHに背くものを殺し、FHを信奉するものを守ってきたが、
柏夕陽:我々の正気と正義を保証してくれる人間も神もいないのだから。
柏夕陽:「それは”夢のような”話ですね。」
柏夕陽:握手に応じる。
柏夕陽:「これからよろしくお願いします。遠江さん。」
遠江・A・匸華:「ンフ。よろしく」手を握る。
遠江・A・匸華:「これからは……私もきみを”信じよう”。」
───────
GM:S県帆毬市近海 8/14 AM05:42
GM:”かなえ”A種潜航艤装内 リラックスルーム
───────
"かなえ"A種潜航艤装:『――”クナ”』
"かなえ"A種潜航艤装:『”スクナ”!応答を!』
宮代火澄:「……あ」
宮代火澄:「かなえ……?」
"かなえ"A種潜航艤装:『”ダモクレス”!”カグラ”、”虚姫”!』
此江・A・匸華:「ん……"かなえ"……? そんな慌てて、どうしたの……?」
宮代火澄:「みんな……」
宮代火澄:頭を押さえて、周りを見渡す。
”ロイコ”:「っ、つ……」頭を振りながら起き上がる。
"かなえ"A種潜航艤装:『……不明です。ですが、”スクナ”自身が』
”虚姫”:ぱちり と、電源が入ったように起き上がる。
"かなえ"A種潜航艤装:『当機に、突然帰投命令をセルリーダー権限で実行させて……』
GM:宮代くんはこの記憶に覚えがない。そのような指令を下す理由など存在しないからだ。
此江・A・匸華:「……? あたし達、市外を目指して……」
”虚姫”:「……じゃあ、今居る場所は…」
宮代火澄:「僕たちは……自分で、帰ってきたのか……?」
"かなえ"A種潜航艤装:『ここは帆毬市内です。脱出は……実行されませんでした』
柏夕陽:目を覚まして、自分が船内にいることを確認する。
柏夕陽:「皆さん、記憶が無くなっているようですね。」
柏夕陽:「私含めて。」
”ロイコ”:「記憶?」頭に手を当てる。「……まさか」
宮代火澄:「”オッタートロール”……!」
柏夕陽:「”オッタートロール”の干渉でしょう。」
此江・A・匸華:「そんな、なんで……!」
”虚姫”:「…………!」
”ロイコ”:「”既に展開されていた”。これ以外に考えられない」
此江・A・匸華:「あたし達は、もう影響下に──網の中にいた、ってこと?」
柏夕陽:「かなえさん。ここ2時間の映像記録、音声記録を。」
"かなえ"A種潜航艤装:リラックスルームにホロ映像が立ち上がる。
宮代火澄:「発動トリガーは……帆毬市を離れること……?」
"かなえ"A種潜航艤装:そこには帰投してきたきみたちが、
"かなえ"A種潜航艤装:”かなえ”に深海坑道からの浮上命令を下す姿が確かに残されている。
"かなえ"A種潜航艤装:皆一様に、表情は虚ろだ。まるで夢の中にいるようだった。
"かなえ"A種潜航艤装:『……船内管理ログも、これらの記録が事実であることを示しています』
"かなえ"A種潜航艤装:『疑問:坑道の中で、皆さんは何を見たのですか』
柏夕陽:「覚えていません。」
此江・A・匸華:少しだけ顔を曇らせる。虚姫さんとのやり取りを思い出し──ふるふると頭を振る。
”虚姫”:「私も」
柏夕陽:「記憶は奪われましたが記録はしているかもしれません。」
此江・A・匸華:「おかしなことはなかったと……思うけど……」
柏夕陽:「私たちが咄嗟にそんなことが出来たかは置いておいて。」
宮代火澄:「皆、どこまで記憶がある?」
”ロイコ”:「……深海坑道の、扉を開いた。そこまでは確かだよ」
”ロイコ”:「でも、そこから先……何を見たかは覚えてない」
”ロイコ”:「ただ、”奪われた”ことはわかる」
”ロイコ”:「この体には……誰か大切な存在がいたはずだけどね。思い出せない」
”虚姫”:「…………」正直な所、そういう実感はない。
”虚姫”:正確に言うなら、奪われたものが何なのかすら分からない。
"かなえ"A種潜航艤装:『……提議』
"かなえ"A種潜航艤装:『我々は事実上、帆毬市から脱出する手段を喪失した可能性』
柏夕陽:「………でしょうね。」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:ギリ、と噛み締めて。拳を固く握りしめる。
”ロイコ”:溜息を吐く。
”ロイコ”:「…………………わかった」
此江・A・匸華:「市から出ないことには、"ロイコ"から訊くこともできないんだもんね……」
”ロイコ”:「いや、それはもう解決する」
”虚姫”:「どういうこと?」
宮代火澄:「なに?」
”ロイコ”:「”オッタ―トロール”をばらまいた奴が誰かは知らないけど」
”ロイコ”:「おれと”スクナ”の会話の記憶も消しておくべきだったな」
”ロイコ”:「おれを雇おうとしたのは、”ペスカドラ”マルガリータ・ディアス。」
”ロイコ”:「あんたら”バチスカーフ”、先代のセルリーダーだ」
GM:Eロイス:《愚者の契約》が発動されます。
GM:”ロイコ”は”ペスカドラ”との誓約を破棄し、彼女の名を告げたため、この場で死亡します。
此江・A・匸華:「えっ……その雇い主って、制約で話せないんじゃ──」
柏夕陽:「制約を破ったということは、」
”ロイコ”:がくん、と崩れ落ちる。全身から急速に血色が引いていく。
宮代火澄:「……ロイコ!?」
宮代火澄:崩れ落ちる少年を支える。
柏夕陽:”ロイコ”をじっと見つめる。その死を記憶するように。
宮代火澄:「君は……なんで……!」
”ロイコ”:「……さっき、言ったでしょ。生存とは意思に伴う結果だ」
”ロイコ”:「おれは……自分が生き残ることだけを考えてきた。”ネクラファジー”のやつらは、そのための駒だったはずだ……」
宮代火澄:「そ、んな……だからって……!」
”ロイコ”:彼の内部で、今まで”ロイコ”の死体の活動を保っていた何かが崩壊していく。
此江・A・匸華:「や、やだ……そんな、急にいなくなるなんて、嫌だよ……!」
”ロイコ”:「……重要なのは、おれ自身が生き残ることじゃない。さっき……気付いた」
”ロイコ”:「おれという個体が消えても。”ネクラファジー”全体が生き残れば……それは」
”ロイコ”:「おれの、生存と言える」
”ロイコ”:「あんたらなら、上手く使える……”バチスカーフ”」
”ロイコ”:「”ソナープロット”だって黙らせた、”ネクラファジー”の電算部隊を……」
”ロイコ”:「……”グラヴィアヴェルク”より、”ホテル・セルヴォワ”より」宮代くんを指さす。
”ロイコ”:「お人好しのあんたらの方が……まだ……」
”ロイコ”:「楽園に……」
”ロイコ”:動かなくなる。
宮代火澄:「……ロイコ。ロイコ!」
”虚姫”:「………」その姿を、何もするでもなくただ見つめていたが
宮代火澄:「………」
柏夕陽:「かなえさん、今の言葉を録音しましたか?」
宮代火澄:冗談じゃない。
此江・A・匸華:「…………ぐすっ……」 突然の離別に、思わず声を殺して啜り泣く。
宮代火澄:頼まれるのは、嫌いなんだ。
"かなえ"A種潜航艤装:『声紋を含めて録音しました。』
”虚姫”:「死んじゃったね」目の前の光景を、ただそのまま口にする。
宮代火澄:死に際の頼みなんて、とんでもなく重い縛りじゃないか。
"かなえ"A種潜航艤装:『”ネクラファジー”との交渉材料に使用可能と予想』
柏夕陽:「はい。浮上後、残存勢力とわたりを付けましょう。」
”虚姫”:「死体はどうするの?」
柏夕陽:「出来るだけ綺麗にします。”ネクラファジー”の印象が良くなるように。」
柏夕陽:「それと、我々が危害を加えたということが分からないように。」
”虚姫”:「うん、分かった。お部屋使うね。」
”ロイコ”:保存状態は良好だ。つい最近まで代謝が保たれていたせいだろう。
柏夕陽:「任せていいんですか?ありがとうございます。」
宮代火澄:「……みんな」
宮代火澄:「僕たちは、今」
宮代火澄:「”オッタートロール”と……それを操るものに、縛られている」
宮代火澄:「僕は、それが我慢できない」
此江・A・匸華:「…………うん」
宮代火澄:「必ずこの状況をぶち破って、自由になる」
宮代火澄:「全力を尽くそう。……夕陽、虚姫。彼を任せる」
柏夕陽:「了解です。」
宮代火澄:別れの前に、ロイコを見る。
”ロイコ”:どこにでもいる少年のように眠っている。
”虚姫”:"ロイコ"の死体を抱き上げる。
宮代火澄:(……縛られるよ)
柏夕陽:ロイコの目を閉じてやる。
”虚姫”:「…………」
宮代火澄:錨を一つ追加する。
柏夕陽:「目を合わせると、引きずられますよ。」
柏夕陽:「慣れない人間は。」
宮代火澄:「引き回してやるさ」
”虚姫”:──"先代セルリーダー"、彼は確かにそう言っていた。
”虚姫”:何の事だかは分からないけど
”虚姫”:その言葉を聞いた途端、自分の頭の中に、ひどく空虚な穴が空いている気がした。
此江・A・匸華:「虚姫さん、あたしも手伝う。いくら子供の体だからって、一人じゃ重たいよ」 抱えた少年の身体に手を添える
”虚姫”:「──うん、ありがと。」
”虚姫”:ああ、そうか。私って……私の事が、何も分からないんだ。
此江・A・匸華:「……火澄。多分だけどね」 ロイコを運ぶのを手伝いながら、声をかける
此江・A・匸華:「あたしと、一緒だと思うの。"オッタートロール"に取られた記憶……」
此江・A・匸華:昔撮った、一枚の家族写真。砂浜で、家族4人が笑顔で収まっている。ふと思い出して──そうして、違和感は確かなものになった。
此江・A・匸華:"姉"の顔だけが、どうしても思い出せない。まるでそこだけ塗り潰されたかのように。
宮代火澄:「……うん」
此江・A・匸華:「取り戻そう。全部」
此江・A・匸華:言って、虚姫さんを手伝うように部屋を出ていく。
柏夕陽:「火澄さん……大丈夫ですか?」
宮代火澄:「……夕陽」
柏夕陽:「二人の奪われた記憶ですが、」
柏夕陽:「記録には残っているかもしれませんし、」
柏夕陽:「他の誰かの記憶から補完できるかもしれません。」
柏夕陽:「例えば、ロイコは──」
柏夕陽:「兄弟の記憶を失っていましたが…彼の口からそれを聞いた我々は、そういう人間がいることを覚えています。」
柏夕陽:「よければかなえさんにお二人の失われた記憶を検索してもらいますが…?」
宮代火澄:「ありがとう。此江にも聞いて、よければお願いする」
宮代火澄:それから、一瞬躊躇って。
宮代火澄:「君の」
宮代火澄:「君は、何を奪われた?」
宮代火澄:「それは、僕たちで補完できるもの?」
柏夕陽:「それは無理でしょう。」
柏夕陽:寂しそうに微笑む。
宮代火澄:「じゃあ、ますます」
宮代火澄:「取り戻さないと、だね」
柏夕陽:「………ありがとうございます。」
宮代火澄:「夕陽」
宮代火澄:「"オッタートロール"で僕たちを、この街に残そうとしている"誰か"」
宮代火澄:「誰だろうと、僕は必ず止める……誰で、あろうと」
宮代火澄:今、可能性が高いのは誰か。
宮代火澄:先代のリーダーか、あるいは──"今代"の。
宮代火澄:「それは絶対だから。……いつも心配してくれてありがとう」
柏夕陽:「──ええ。こちらこそ、」
柏夕陽:「君のままでいてくれてありがとうございます。火澄さん。」
柏夕陽:柏夕陽が忘却したのは、FHへの忠誠心。
柏夕陽:信奉者であるように自分を強いた者の顔も、彼らに齎された恐怖も痛みも、
柏夕陽:すべて失われている。
柏夕陽:記憶を失ったことへの絶望は無かった。
柏夕陽:むしろ、目の前の少年のために力を尽くせるという喜びが少なからずある。
柏夕陽:唯一恐れているのは、
柏夕陽:(記憶を取り戻した時、私は君と向き合えるのかな。)
柏夕陽:「では私も、お二人を手伝ってきます。」
柏夕陽:「……火澄さん、あまり無理しないでくださいね。」
宮代火澄:「うん。ありがとう」
柏夕陽:「辛かったら、此江さんも虚姫さんも……私もいますから。」
宮代火澄:「……うん」
柏夕陽:火澄に近寄って、
柏夕陽:前髪越しに額にキスする。
宮代火澄:「っ!」
柏夕陽:唇を離して、いつもの卑屈な笑みではなく、イタズラっ気のある微笑みを見せる。
柏夕陽:「今のは、私が火澄さんに癒してもらいたかったので。」
柏夕陽:「頑張ってきますね。」
柏夕陽:くるりと振り返って部屋を出ていく。
宮代火澄:「……きみ、さあ」
宮代火澄:額を押さえて、閉まった扉の方に。
宮代火澄:「ほんとうに、もう」
宮代火澄:煮えたぎっていた思考が、別の形でぐちゃぐちゃになる。果たして、癒やされたのは本当に彼女の方なのか。
宮代火澄:今まで以上に心が揺れる。宮代火澄が奪われたのは
宮代火澄:"恋人になった記憶"
宮代火澄:「……返せよ」
宮代火澄:大事だったことだけは死ぬほどわかるんだ。
GM:網の中の魚を掬い上げたとして、
GM:それが向かう先が楽園とは限らない。
GM:透明な硝子に囚われ、海の色を忘れることもある。
───────
GM:ロイスの取得・変更が可能です。
柏夕陽:うーん、まだ保留
”虚姫”:保留します
宮代火澄:”ロイコ” 〇P遺志/N悔悟
宮代火澄:以上!
此江・A・匸華:虚姫さんに ◯連帯感/困惑 で取得します。
GM:OK!では、次のシーンに参りましょう。
Middle07:”バチスカーフ”ブリーフィング/残存勢力交渉
GM:シーンプレイヤーはPC3虚姫さん。他、登場自由。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(73 → 77)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(75 → 79)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(67 → 73)
GM:OK!
GM:では、毎度おなじみ
GM:追跡チャートのお時間です!
GM:虚姫さんは1d10を……ドウゾッ
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(74 → 79)
柏夕陽:すいません振り忘れ
”虚姫”:1d10
DoubleCross : (1D10) → 10
GM:あっほんとだ!先に宣言しちゃって申し訳ない
GM:げ
宮代火澄:値がでかい!
此江・A・匸華:あわわわわ
GM:え~っと……10は……
⑩【NAMED!】管制官”ルーディメンツ26”、掌握。
【NAMED!】タグのエネミーを即座に出撃可能にし、
迎撃難易度を2倍したうえで【NAMED!】タグを持ったエネミーのみが適用された追跡チャートを振り直す。
<任意の技能>20で局所的な指揮の混乱を引き起こす。成功した場合、3Rの間出撃しない。
GM:これはまず、処理の順番としては
GM:<任意の技能>20で判定→失敗したらチャートの効果発動、という手順ですね。
”虚姫”:ほう
GM:なので、まず虚姫ちゃんが判定に成功したら何も起きません。
”虚姫”:じゃあ……RCで
柏夕陽:あ、虚姫ちゃん
柏夕陽:調達でどうでしょう
柏夕陽:そうしたらフローズンリリー出来るんじゃないでしょうか
”虚姫”:その手があったか
宮代火澄:使えます?財産点
柏夕陽:どうでしょうGM
GM:フ~~ム
”虚姫”:最悪柏さんが素寒貧になる可能性はあるが…
GM:”ルーディメンツ26”は指揮官なので、社会戦・指揮戦に特化した義体運用をします。
GM:その攪乱の一環ということであれば、財産点を使用することも可能でしょう。許可します。
此江・A・匸華:がんばって……!
宮代火澄:ありがとうございます!
”虚姫”:調達でいいですか?
宮代火澄:いいと思う!
GM:調達で大丈夫です。調達で勝負してるし…
GM:あとかなえも使えます。
”虚姫”:ではそれで、能力訓練:社会使って達成値+1
GM:うおおおお!!!能力訓練だ!!!
GM:諸々合わせて…判定をどうぞ!
柏夕陽:がんばれー!
宮代火澄:いけーっ
”虚姫”:3dx+4
DoubleCross : (3DX10+4) → 9[1,3,9]+4 → 13
宮代火澄:まずはかなえ、お願い
GM:け 結構回っとる
”虚姫”:かなえちゃん使う?
"かなえ"A種潜航艤装:達成値に+3!
宮代火澄:使っていいと思う!
柏夕陽:フローズンリリーで財産点4上乗せして
"かなえ"A種潜航艤装:これでシーン中は使えなくなりました
柏夕陽:14→10
柏夕陽:これで達成値20!
此江・A・匸華:やった!みんなすごい!
”虚姫”:ありがとう…
宮代火澄:ありがとう~ 助かった
GM:うおおおお……攪乱に成功しました!
GM:【NAMED!】タグの襲撃を退けたので、財産点30点分のアイテムを取得できます。
宮代火澄:30点!?
GM:では、撃退ロールに参りましょう。
GM:今回はフローズンリリーの使用によって退けたので、特例として柏さんも登場して大丈夫です。
───────
GM:S県帆毬市 8/16 PM23:43
GM:”かなえ”A種潜航艤装内部 ブリーフィングルーム
"かなえ"A種潜航艤装:『敵の管制官”ルーディメンツ26”が直接指揮に当たっているようです』
”虚姫”:「親玉 ってこと?」
"かなえ"A種潜航艤装:『……はい。帆毬市UGN支部長のようです』
"かなえ"A種潜航艤装:『試算では浮上が不可能になりました。どのポイントから揚陸しても、確実に”ソナープロット”に補足されます』
”虚姫”:「………困ったね。」
柏夕陽:「虚姫さん。」
”虚姫”:「あ、夕陽ちゃん。夕陽ちゃんも一緒に考えてくれる?」
柏夕陽:「早速ネットワーク上に攻勢プログラムが展開されています。」
柏夕陽:PCの画面を見せる。
柏夕陽:そこに表示されているのは、複雑なプログラムコードである。
柏夕陽:「これ、”乱せ”ますか?」
”虚姫”:「……うん…展開…されてるのかな。ごめんね、この方面はからきしで…」
”虚姫”:「み、乱す?私が?」
"かなえ"A種潜航艤装:『……異常な強度のノイマンのようです。正面からのクラッキングは、同じノイマンシンドロームであっても無謀と推測されますが……』”ダモクレス”の言葉に発言を止める。
柏夕陽:「解析するとか、理解するとかは後回しでいいんです。」
”虚姫”:「………」
”虚姫”:「…かなちゃん」
"かなえ"A種潜航艤装:『はい。ご要請を』
”虚姫”:「この…プログラムがどこから来てるのか、大凡の予測って立てられる?」
"かなえ"A種潜航艤装:『……”ダモクレス”の補助があれば可能です』
”虚姫”:「夕陽ちゃん、お願い出来る?」
柏夕陽:PCブースの椅子を引く。
柏夕陽:「はい。」
柏夕陽:「虚姫さんはこちらにどうぞ。」
”虚姫”:「うん。」その隣に腰掛ける
"かなえ"A種潜航艤装:『攻性プログラム発信元逆探知演算を開始。ファイアウォールを迂回、周辺通信にアクセス……』演算が開始される。
”虚姫”:解析、理解は後回し。昔から、私の能力を前にした人たちは、みんなそんな事を言っていた 気がする。
”虚姫”:──つまり、いつも通りでいいと言う事だ。
"かなえ"A種潜航艤装:『……座標解析終了。帆毬市郊外廃オフィスビルより送信されています』
柏夕陽:「曲を奏でるような感じで、」
"かなえ"A種潜航艤装:『付近のダム排水を冷却装置として使用し……』かなえの解析結果が届く。
柏夕陽:「自分の好きに作り替えてください。」
”虚姫”:「うん。ありがと!二人とも」
”虚姫”:……イメージを固める。場所さえ掴めれば
”虚姫”:あとは、いつも使ってる回線の次元を切り替えるだけ。
”虚姫”:キーボードの上に指を広げて、目を閉じる。
”虚姫”:知らない事だらけの中で、一つだけ、自分についてハッキリしている事がある。
”虚姫”:私がそう望めば
”虚姫”:私の能力は、応えてくれるという事だ。
”虚姫”:──打鍵音が、PCブースに響く。
”虚姫”:不規則 不揃い 不安定
柏夕陽:隣で、音の波を調律していく。
”虚姫”:初めて楽器に触れる子供のように、ただ鳴らす事を目的とした動作。
柏夕陽:攻撃的に、鋭角に、指向的に
"かなえ"A種潜航艤装:『……疑義:”虚姫”の能力精度の閾値……測定不能……』
柏夕陽:その音の波はハッカーたちの思いもよらぬ、”新世界より”齎された。
柏夕陽:ドヴォルザーク交響曲第9番、第四楽章。
”虚姫”:「…………」ゆっくりと指を止めて、目を開く
"かなえ"A種潜航艤装:攻性プログラムが大きく攪乱され、市内のドローンの配備状況に乱れが発生する。
”虚姫”:「…どう?」
"かなえ"A種潜航艤装:その様子がホロ映像のマップ越しに確認できるだろう。
"かなえ"A種潜航艤装:『辛うじてですが』
"かなえ"A種潜航艤装:『上陸可能区域をこじ開けました。作戦は成功です』
”虚姫”:「ふぅ…良かった〜〜〜、ありがとね。二人とも」
柏夕陽:「いえ。虚姫さんを信じてよかったです。」
柏夕陽:「とてもいい演奏でした。」
"かなえ"A種潜航艤装:ホロ映像の少女がロックギターを掻き鳴らす。
”虚姫”:「あ、そう?えへへ、嬉しい。」
”虚姫”:恥ずかしそうに、照れ笑いを浮かべて
”虚姫”:「やれば出来るもんだね」
”虚姫”:ね?と、柏に向けて笑いかける。
柏夕陽:「本当にすごいです。」にこりと自然な微笑みを虚姫に見せる。
”虚姫”:「………ふふ」そして
”虚姫”:「そういう笑顔も、可愛くて好きだよ。」みんなの事なら信じられる の言うのもまた同じように、ハッキリとしている事なのだ。
───────
GM:現在調査可能な項目はこちら。
GM:ネクラファジーの残党と交流し、体勢を立て直す、という方針に落ち着いたので
★第二次”ニライ”捜索計画 知識:海洋生物 10
★調査報告:”ペスカドラ”マルガリータ・ディアス 情報:FH 11
■交信記録洗浄作業・2 知識:機械工学 12
■戦術交渉:”ネクラファジー”電算部隊 <交渉>9
■休息
■補給
GM:こうなりますね。それぞれ…登場している方は行動の宣言をどうぞ!
宮代火澄:あ、質問です!
宮代火澄:知識や交渉を使う項目にも
宮代火澄:財産点は使えるでしょうか?
GM:問題なく使えます。
宮代火澄:ありがとうございます!
GM:通常の情報収集ルールに準拠していますね。
”虚姫”:じゃあ技能持ってるし捜索計画やります
宮代火澄:お願いします!
GM:GOGO!
”虚姫”:4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 10[5,7,10,10]+8[6,8]+2 → 20
此江・A・匸華:毎回出目がすごい
GM:捜す気マンマン
宮代火澄:助かる!
此江・A・匸華:じゃあ★調査報告:”ペスカドラ”マルガリータ・ディアス 情報:FH 11 これ調べるね~
GM:やったれ!
此江・A・匸華:《ベーシックリサーチ》使用。ダイスを2個増やして、情報収集チーム3回目も使っちゃお
GM:ウオオオ
此江・A・匸華:(1+2+1)dx+1+2>=11
DoubleCross : (4DX10+3>=11) → 10[2,8,8,10]+5[5]+3 → 18 → 成功
此江・A・匸華:ふふーん 成功!
GM:つよい
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1増加(77 → 78)
宮代火澄:えらい!
柏夕陽:交信記録洗浄作業やります
宮代火澄:戦術交渉:”ネクラファジー”電算部隊 <交渉>9 行きます
柏夕陽:8dx 知識:機械工学
DoubleCross : (8DX10) → 10[3,3,4,6,7,7,9,10]+10[10]+2[2] → 22
宮代火澄:2DX+0+0@10>=9 交渉
DoubleCross : (2DX10>=9) → 7[7,7] → 7 → 失敗
柏夕陽:回った
宮代火澄:財産点2入れます!
GM:しゃあっ!全員成功!
宮代火澄:残り4にして成功で大丈夫かな?
GM:これで全て開いた形になりますね。
宮代火澄:よしよし!
GM:では、情報を提示します。
GM:まずは第二次”ニライ”捜索計画から。
★第二次”ニライ”捜索計画 知識:海洋生物 10
”ニライ”の行方は依然として知れない。だが、高密度の監視網を有する”ソナープロット”や、地下水路を拠点とする”グラヴィアヴェルク”、市内の逃走ルートに精通している”ネクラファジー”……それら複数の勢力が一切彼女の行動を感知していないのならば、行先は一つしかない。
帆毬湾深海。”バチスカーフ”の勢力圏。
彼女は今もそこにいる。そう結論づけられる。
よって、脱出ではなく更なる潜航を選択すれば、”ニライ”に辿り着く道が開ける可能性がある。
しかし、”かなえ”の潜航可能深度は現状約6500mである。
”かなえ”にこれ以上の艤装を施すならば、”バチスカーフ”には存在しない義体のノウハウを所有する集団の技術力が必要になると予想される。
GM:続いては先代セルリーダーについて。
情報は徹底的に隠蔽されているが、”ニライ”と共に”マスターハウル”を殺害し、その後失踪。
”ニライ”がなり替わる形でセルリーダーの座に就き、以降現”バチスカーフ”の体制が確立されたようだ。
”ペスカドラ”は元より徹底した秘密主義であり、また”ニライ”も可能な限り彼女の痕跡をセルから排除しようとしていた。
そのため現在その事実を知る組織はほとんど残されていないが……”バチスカーフ”は違法密漁を取り締まる自警団こそが原型であり、
彼らが古くから仕えていたリエゾンエージェントこそ……ロード・エイハブ。
”マスターハウル”その人だったのだという。
つまり、”バチスカーフ”が血族である以上、
”マスターハウル”が守ってきたものの手掛かりは、”バチスカーフ”自体に存在することになる。
だが、これ以上の情報は……”ペスカドラ”のことを直接記憶している人物でなければ、【思い出す】ことは不可能だろう。
GM:続いて交信記録洗浄作業2。
”バチスカーフ”が襲撃されたその日。帆毬市UGN”ソナープロット”と通信し、
彼らの襲撃を手引きしていた存在は、”バチスカーフ”にしか知り得ない警備情報を知悉していた。
”バチスカーフ”の襲撃が手引きされた原因は、全て「内部の犯行」だという説明がつく。
そして”バチスカーフ”のデータベースには、”ニライ”の前任者……”バチスカーフ”の前セルリーダーの権限を用いたアクセス履歴が残されていた。データベースのアクセス権限は生体認証と紐づいているため、前セルリーダーが”バチスカーフ”の襲撃を手引きしたのは確定した事実だ。
襲撃者の正体は判明した。報いを受けさせるのか、あるいは現状を打破するのか……
どちらにせよその所在を確かめる手段があれば、”バチスカーフ”は舵を切ることができるはずだ。
そのためには、帆毬市FHの情報が集積される拠点……”ホテル・セルヴォワ”に足を運ぶのが、最も確実な選択肢になるだろう。
GM:最後に”ネクラファジー”との残党交渉に成功したので、使い切りのNPCカードを獲得できます。
★”ネクラファジー”電算部隊
1シナリオ1回、シーン後の調達を可能にする。
1シナリオ1回、「追跡チャート」の発動を無効化する。
───────
GM:S県帆毬市 8/17 PM18:29
GM:”ネクラファジー”アジト 帆毬上水道処理場跡
───────
GM:”ネクラファジー”の電算部隊。”ソナープロット”の義体戦術さえ退ける、逃走と隠蔽、データサルベージのエキスパート。
GM:だが、彼らの頭に高尚な哲学などは存在しない。自身のスキルを生存のみに用いる、正真正銘の根無し草。
GM:”ホテル・セルヴォワ”や”ソナープロット”に恭順しなかった、ということは、それだけ組織に縛られるのを嫌う者が多いということだ。
電算部隊:「……それで、”バチスカーフ”の奴らが何の用だよ。俺らをブチ殺しに来たのか?」
電算部隊:「やるってんなら、”ソナープロット”を呼んでやるけどな。どうせ戦闘部隊は壊滅してるんだ……」
電算部隊:上水道跡を占拠した集団は一様に国籍も年齢もバラバラだ。誰もが疲弊しているという点だけが共通していた。
宮代火澄:「交渉をしにきた。互いに生き残るために」
宮代火澄:「……それと」
宮代火澄:「君たちの生存を優先した彼を、弔いに」
電算部隊:「彼?まさか……」
電算部隊:「……」
電算部隊:きみの持つ死体袋を見る。
宮代火澄:「”ロイコ”……君たちのリーダーで、間違いないか?」
電算部隊:「……リーダー?このガキが?」
電算部隊:「ヤケに落ち着いてるし、妙に色々知ってんなとは思っちゃいたが……」
電算部隊:「俺達は虫の群れみたいなもんだと思ってた。ただ、自分たちが生き延びるために生き延びる」
電算部隊:「こいつが……こんな小さな子供が”ネクラファジー”をそう導いてたってのか? おい、どうなんだよ」
電算部隊:「答えろっ」
電算部隊:きみの胸倉を掴む。
柏夕陽:「危害を加えたら、」
柏夕陽:「”ロイコ”の思いは無駄になるでしょうね。」
柏夕陽:横で仕込み杖を抜きかけている。
電算部隊:「証拠でもあんのかよ……!”ロイコ”が俺達を率いてたって証拠はよ!」
電算部隊:「頭が落ちてたら虫は進めねえんだ!あんたらがなり替わってくれるって言うのか!?」
此江・A・匸華:(……疲弊してるし──何より、怖がってる。不安と恐怖で、いっぱいいっぱいなんだ)
電算部隊:ぎらついた目できみたちを見ている。
電算部隊:ここ数週間のサルベージにより、組織体制も恐らく限界に来ていることが理解できるだろう。
此江・A・匸華:「きみ達は、"ロイコ"の能力は知っていたの?」
電算部隊:「ああ……? 基本口出しするだけだったよ、あのガキは」
電算部隊:「だが……このセルに危害を加えた奴は、”呪われる”。これまではそうだった」
電算部隊:「”バチスカーフ”。てめえらはどうして生きてる……?」
宮代火澄:「戦闘と会話の記録は残ってる。彼は呪術使いだった」
電算部隊:「……」ぴくり、と身体の動きが止まる。
電算部隊:「記録? まさか”ネクラファジー”に偽物を掴ませるほど……バカじゃねえよな」
宮代火澄:「確認してもらっていい」
電算部隊:「……」
"かなえ"A種潜航艤装:「”ダモクレス”の要請により、”ロイコ”の戦闘記録と録音は保存済」
"かなえ"A種潜航艤装:水道近くに停泊する潜水艦から、ホロ映像と記録が投影される。
"かなえ"A種潜航艤装:……
"かなえ"A種潜航艤装:【「……重要なのは、おれ自身が生き残ることじゃない。さっき……気付いた」「おれという個体が消えても。”ネクラファジー”全体が生き残れば……それは」 「おれの、生存と言える」「あんたらなら、上手く使える……”バチスカーフ”」 「”ソナープロット”だって黙らせた、”ネクラファジー”の電算部隊を……」 「……”グラヴィアヴェルク”より、”ホテル・セルヴォワ”より」 「お人好しのあんたらの方が……まだ……」 「楽園に……」】
"かなえ"A種潜航艤装:「……再生を終了します」
電算部隊:「マジに……あのガキが」
電算部隊:「”ロイコ”が……俺らを助けてくれてたのか?」額に手を当て、呻く。
宮代火澄:「ロイコは言っていたよ」
宮代火澄:「自分は生きることを何よりも優先してきた。セルもその手段だったと」
宮代火澄:「……でも彼は」
宮代火澄:「最後に、”ネクラファジー”の生存に自分の命をかけた」
宮代火澄:「それを伝えに来たのが、一つ」
電算部隊:胸倉に駆けた手を離す。
電算部隊:「……もう一つは? 俺達を支配して、使い潰す気か?」
電算部隊:「どうせ”グラヴィアヴェルク”みてえに、俺達の命なんかゴミみてえに……!」
此江・A・匸華:「むー、そんなとことうちを一緒にしないでよね……!」 ぷんすこ
宮代火澄:「言っただろ。交渉だ。互いに生き残るために協力してほしい」
宮代火澄:「僕は、生きたい」
宮代火澄:「自分自身の意思で自分の道を選んで生きたい」
宮代火澄:「君たちはどうだ?」
電算部隊:「わ、解んねえよ」
宮代火澄:「支配されて生きるなんでいやじゃないか?」
宮代火澄:「上の気分や事情次第で使い潰されるなんてごめんじゃないか?」
電算部隊:「生きるってのは……逃げながら、隠れながら、死なないことだろ?」
電算部隊:「俺達に、あるのか……? それ以外の道が……」
電算部隊:「……あるんだな? ”バチスカーフ”!」
う”虚姫”:「………」自分が近くに居ては脅迫じみてしまうからと、少し離れた場所で話を聞いている。彼女にしては珍しく、外部の者の話を
電算部隊:「行くところなんて、どこにもねえと思ってた。どうせ楽園なんてねえんだから……」
電算部隊:「ゴミみたいに死体を漁って、下向いて生きるしかないって……」
宮代火澄:「……楽園なんてものがあるかは、僕にもわからない。けど」
電算部隊:「……?」
宮代火澄:「ただ、命があるということでなく」
宮代火澄:「意思に伴う結果としての生存を望むなら」
宮代火澄:「協力できると思う。だから、声をかけに来た」
電算部隊:「……」
宮代火澄:「強制はしない。ロイコが一番望んでいたのは、君たちの存続だ」
宮代火澄:「ただ、もし。僕らが生きることに協力してくれるなら」
宮代火澄:「僕らも手伝おう。君たちが下じゃなく、前を向いて生きられるように」
電算部隊:「……俺達はもう限界だ。資源も人員も尽きかけてる」
電算部隊:「なのに」
電算部隊:「何でだろうな?」
電算部隊:「…………立ち上がりたくなっちまった」
電算部隊:「生きるために」
宮代火澄:手を差し出す。
電算部隊:フードを上げ、手を取る。
電算部隊:「全力で叩き返せるのは、1,2回だ」
電算部隊:「それが終わったら即逃げる。そう言う条件だ」
宮代火澄:「”君の意思を尊重する”」
宮代火澄:いつか言われた誘い文句をなぞって。
宮代火澄:「君たちの生存のためにも、勝つ」
宮代火澄:「約束、しよう」
宮代火澄:自ら受け入れた錨が、少しばかり重たく感じる。
電算部隊:「……お人好し野郎」
電算部隊:「何でもかんでも背負うつもりか? 沈んで戻れなくなっちまうぜ」鼻を鳴らす。
宮代火澄:「ここ半年ばかり、何も背負わなかったからね。ちょうどいいさ」
電算部隊:「……ここは好きに使え。”ソナープロット”のクズ鉄どもが出張って来たら」
電算部隊:「俺達を呼ぶといい。廃品にしてやる。それが一番得意だからな」
電算部隊:手を上げて、各々の持ち場へ去っていく。
宮代火澄:「……」
宮代火澄:ふーっ、と大きく息をつく。
宮代火澄:背に感じる重みは、案外に心地よかった。
此江・A・匸華:「火澄、お疲れ様!」 にか、と笑いかける。
宮代火澄:「ありがと。難しいや、もっと利害の話とかもするべきだったかな」
宮代火澄:「結局、追い詰められてる彼らの心情に頼ってしまった気がする」
此江・A・匸華:「あたしも良くわからないけど……それが"交渉"なんじゃない?」
此江・A・匸華:「なんか、リーダーが板に付いてきた気がする。……格好良かったよ」
宮代火澄:「……だといいけど」少し照れたように天井を見上げる。
宮代火澄:こほん、と咳払いして。
宮代火澄:「改めて、状況を整理しようか」
"かなえ"A種潜航艤装:「提議:目下の議題は先代セルリーダーこと”ペスカドラ”であると推測」
”虚姫”:……交渉が終わったようなので、宮代達の方へ歩み寄る。散り散りになる残党達とすれ違う度に、その背を目で追う。
"かなえ":端末からホログラムの少女が投影される。
此江・A・匸華:「あっ、なんか久し振りに顔見た気がする……!」 手をふりふり
此江・A・匸華:「じゃあ、えっと、先代セルリーダーについてだけど……」
"かなえ":「解答:非潜航中なのでリソースに若干の猶予」無表情で手を振る
宮代火澄:「僕は会ったことないけど、皆は知ってるの?」
宮代火澄:「あっ、虚姫。気を利かせてくれてありがとう」
”虚姫”:「んーん。いいよ、お礼なんて。」一瞬だけ寂しそうな顔を浮かべたが、すぐに笑顔になる
此江・A・匸華:「うーん……お姉の前に一人いた、ってことは知ってる。でも、詳しいことは何も話してくれなかったから」
此江・A・匸華:「あたしが"バチスカーフ"に来たの、お姉がセルリーダーになってからだし。『コノに余計な手出しする奴はもういないからな~』とか言って……」
”虚姫”:「私も──」知らない、と言いかけて
”虚姫”:「………」
此江・A・匸華:「虚姫さんは、時期的には……いたはずだよね?」
此江・A・匸華:ほんの僅かに恐る恐る問い掛ける。意識しないと気付かれない程度の間。
”虚姫”:「………ごめんね。分からないの」
此江・A・匸華:("ギリー"のときとは明らかに反応が違う) はっ、としたような表情になる。
”虚姫”:「自分が…知ってるのか、どうかも」
此江・A・匸華:「もしかして、虚姫さんが"オッタートロール"に奪われたのって……?」
宮代火澄:「先代セルリーダーに関わる記憶?」
"かなえ":「その可能性は高いです」
”虚姫”:……返答はない。そもそも返答するだけの材料がないのだ
”虚姫”:ぎゅうう と、心臓辺りで衣服を握り締めるような動作。
宮代火澄:「……大丈夫?」
此江・A・匸華:「ご、ごめんね? 無理はしなくていいから……!」
”虚姫”:「ううん、ごめんね。私こそ…」
"かなえ":「”ペスカドラ”については、その情報のほとんどが隠蔽・もしくは削除されていました」
此江・A・匸華:「火澄のセルリーダー権限で、どうかな。少しでも……何かない?」
宮代火澄:「現状の僕の権限で閲覧できる範囲でいい、公開してくれ」
"かなえ":「…………要請を承認。検索。検索……」
"かなえ":「……”ペスカドラ”マルガリータ・ディアス。女性。26歳」
"かなえ":「元”バチスカーフ”セルリーダー。”ニライ”と共に”マスターハウル”討伐戦に加担、その後所在不明に」
"かなえ":「……彼女はセルを去る際、いくつかの情報を徹底的に隠匿しています」
"かなえ":「その一つが、”バチスカーフ”は元々”マスターハウル”の傘下にある組織……血族であったということです」
"かなえ":「違法採取や研究から海洋資源を保護する組織として暗躍したのち、この帆毬市に最終的な拠点を構えたようです」
宮代火澄:「マスターハウル……”オッタートロール”の元の持ち主だったよね」
"かなえ":「つまり、彼が生前最後に見せていた、帆毬湾を保護するような行動……あれは”バチスカーフ”の前身が秘密裏に行っていたことのようです」
"かなえ":「そして”マスターハウル”暗殺を機に、現在の”バチスカーフ”が”ニライ”によって設立された……」宮代くんの問いに頷く。
"かなえ":「”オッタ―トロール”を含めた、”白鯨の七腸”と呼ばれるレネゲイドアイテム群を所持していたようです」
"かなえ":「これ以上の情報は、暫定セルリーダー権限では閲覧することが不可能」
宮代火澄:「帆毬湾を保護していた理由や、遠江たちが反逆を起こした理由もわからない、か……」
此江・A・匸華:「となると、今はこの線から辿るのは難しそうだね……」
"かなえ":「”マスターハウル”はリエゾンロード称号……ロード・エイハブを授与されるほどのエージェントです」
"かなえ":「”反逆”には余程の理由が存在したものと推察されます」
”虚姫”:(遠江ちゃんに関する事は覚えてるのに……なら、やっぱり…)
此江・A・匸華:「"オッタートロール"って、奪う記憶の内容は使用者が選べるものなのかな?」
此江・A・匸華:「例えばだけど、虚姫さんの記憶から先代セルリーダーのことを選んで掬い上げることができるなら……実際、あたし達は探す手立てを失っているわけだし」
"かなえ":「恐らくは。消去対象がランダムでは、そもそも記憶を消去するという手段の優位性が失われると予測します」
柏夕陽:「その辺りの考察は後にして、」
柏夕陽:「まずは直近の目標から定めましょう。」
宮代火澄:「逆に言えば、先代セルリーダーの情報は向こうからしても急所になる……ということかもね」
此江・A・匸華:「あ……うん。そうだよね」 柏さんの提言にこくこくと頷く
柏夕陽:”ネクラファジー”の人員とやり取りしていた柏が合流してくる。
柏夕陽:「彼らに”バチスカーフ”の交信記録の洗浄作業をお願いした結果です。」
宮代火澄:「おかえり、夕陽。……確認する」
柏夕陽:データをかなえを通して全員の前に表示する。
柏夕陽:「注目すべきはこのアクセスログ」
柏夕陽:「前セルリーダーの権限を用いたアクセス履歴です。」
宮代火澄:「当たり、だね。やっぱりロイコの言ってた通り」
柏夕陽:「アクセスした情報はセルの人員配置、戦力、装備…」
"かなえ":「……やはり”虚姫”の警備情報についてもアクセス」
柏夕陽:「つまり、”ソナープロット”を手引きしたのは前セルリーダー、”ペスカドラ”と推測できます。」
宮代火澄:「彼女の思惑がなんであれ、放置すれば"バチスカーフ"である僕たちを再び狙ってくる可能性は高い」
宮代火澄:「対処すべきだと思う。皆の意見は?」
柏夕陽:「所在が分かってない以上、今少し情報収集が必要かと思います。」
柏夕陽:「具体的には、”ホテル・セルヴォワ”を抑えます。」
此江・A・匸華:「……そっか、"ホテル・セルヴォワ"は情報が集まるところ。何か分かる可能性が高いもんね」
"かなえ":「肯定。”ペスカドラ”が今現在、”どのような立場で”帆毬市に関与しているのか……」
"かなえ":「失われた繋がりの発見が急務だと推測」
”虚姫”:「……うん。そう…だね」
宮代火澄:「”ネクラファジー”の協力があれば、”ソナープロット”の妨害にも対応できる。確かに今がチャンスか」
宮代火澄:「……虚姫?」
宮代火澄:「何か気になるの?……”ペスカドラ”のこと?」
”虚姫”:「あ…ううん、何でもないの!」分からない
”虚姫”:「ほら、確かに。ホテル・セルヴォワを抑えたらソナープロットの事も探り易くなるかもしれないしね!」分からない
”虚姫”:「こうやって、複数の勢力が捜索を続けても遠江ちゃんの事を見つけられないなら」ロイコが死んだ辺りだろうか
”虚姫”:「残ってる候補は、自ずと絞られる訳だし」いや、もっと前からだったような気もする
”虚姫”:「"超環境"の探索となると」私は
”虚姫”:「今の装備じゃ、限界あるもんね」みんなが何を言ってるのかも、本当はよく分かってない
”虚姫”:何かの死を前にしても、私の心は何一つ動かないのに。
”虚姫”:みんなだけが、どうして──
此江・A・匸華:「……さん、──姫さんっ」
此江・A・匸華:彼女の正面に回って、肩に手を置く。呼び掛ける。
此江・A・匸華:「虚姫さんっ。大丈夫……? ほんとに、なんか……変だよ……?」
”虚姫”:「っ……」
”虚姫”:「…?ああ、えっと……ごめんね…?急に喋り始めて、変だったよね」
此江・A・匸華:「ううん、そうじゃなくて……何か、不安だったり、気になってることがあったら」
此江・A・匸華:「……我慢せずに、教えてほしいよ」
此江・A・匸華:「あたしだけじゃない……みんな、虚姫さんのことが大切、なんだから」
此江・A・匸華:ぎゅう、とその身体を抱き締める。力強く、坑道で彼女にそうされたように。
”虚姫”:「ぁ………」
”虚姫”:「………」
”虚姫”:ぽんぽん と此江の背中を2回叩く
”虚姫”:「…ありがと。でも、ちょっと苦しい…かも」
此江・A・匸華:「ぁわっ、ごめんね!」 ぱっと手を離し飛び退く
”虚姫”:「ふふ……」と軽く笑って、少しだけ目を伏せる。
”虚姫”:「──みんな、ごめんね。私は…みんなと比べて、分からない事が多いみたい」
”虚姫”:「だから…少し、考えてみたいの。自分で」
”虚姫”:「だから、もしそれで…やっぱり分からなかった時は」
”虚姫”:「その時は、手を貸してね。」
此江・A・匸華:「ふふっ。もちろん!」
宮代火澄:「……自分で、か」
宮代火澄:少し、ほっとしたように笑みをこぼして。
宮代火澄:「うん、良いと思う。応援するよ」
宮代火澄:「……頼まれるのは苦手だけど。虚姫には前に、お願い考えておいてって言っちゃったしね」
"かなえ":「肯定。”かなえ”は皆様の生存を全力で補助します」
宮代火澄:冗談めかして。
宮代火澄:「ちゃんと聞くから、無理しないようにね」
”虚姫”:「──うん。ありがとう。」礼を言う。そして
”虚姫”:「ごめんね。」彼女はいつも、そうやって謝る。
”虚姫”:RHOを公開します
GM:了承しました。
GM:PC3のRHOを公開します。
あなたは”ニライ”がこのセルを掌握する以前、前セルリーダーによりバチスカーフ”の主砲……兵器として運用されていた。
兵器には安全装置が必要だ。あなたは”バチスカーフ”の前セルリーダーによって記憶処理を施されている。
当然のことながら、あなた自身にも……その封じられた記憶を思い出すことはできない。
記憶処理はあなたの兵器としての在り方……セルの皆を愛する、という精神改造と深く結びついており、
自発的な疑念すら抱けないように調整されていたのだ。
だが……守りたいものができたのか、自由を求めたのか、真実に近付きたいのか。
あなたが如何なる理由によってか、その軛から解き放たれることを望むのならば。
あなたは自身のロイスの中から一つを選択し、それをタイタスにすることで、
自らの「封じられていた記憶」を解放することができる。
「封じられていた記憶」は特定の情報項目として、その内容とともに即座に出現する。
そして、そのとき……あなたのオーヴァードとしての真の力も解き放たれるだろう。
精神改造は出力強化のアンプであると同時に、強大なあなたの力を縛る枷でもあったのだ。
あなたはマスターエージェントのエンブレムから一つを選択し、当該ロイスをタイタス化したタイミングで、それを取得することができる。
GM:ロイスは今タイタス化しますか?
”虚姫”:いや、まだしません。
GM:了解です。では、「封じられていた記憶」を閲覧したい時は、改めて宣言をどうぞ。
”虚姫”:うす
”虚姫”:「……兎にも角にも、まずは"ホテル・セルヴォワ"だね!」
"かなえ":「はい。交渉か強襲かは定かではありませんが」
"かなえ":「”ダモクレス”の言う通り、情報の集積地としての価値が存在すると予想」
柏夕陽:「………。」(虚姫さんの精神状態が不安定になっている。)
柏夕陽:(仲間の喪失と”オッタートロール”のダブルパンチ。これ以上の負荷は望ましくない、が、)
柏夕陽:(不安定だからこそ軛が外れる場合もある。能力も、)
柏夕陽:先ほど、”分からない、覚えていない”と言っていた虚姫の表情を思い出す
柏夕陽:(記憶も。)
柏夕陽:「はい。指揮をお願いします。火澄さん。」
宮代火澄:「うん。セルヴォワと接触する。まずは準備を整えよう」
宮代火澄:「消耗したくないし、できれば交渉でなんとかしたいけど……」
宮代火澄:「あちらが先に商売をしている相手によっては、戦闘になる可能性も高い」
此江・A・匸華:「十分警戒しないとね……なんか燃えてきたな~」
宮代火澄:「頼りにしてるよ。皆、よろしく」
"かなえ":「……提言:確実に状況は改善しています」
此江・A・匸華:「随分時間は掛かったけど……なんか掴めそうな感じがあるもんね。頑張ろう!」
”虚姫”:「うん、任せて。」
GM:”ネクラファジー”を腹に貼り付け、”バチスカーフ”が再浮上しようとしている。
GM:水の音だけが静かに上水道跡に響いていた。
───────
GM:ロイスの取得・NPCカードの使用による購入が可能です。
宮代火澄:あ、医療トランク!
宮代火澄:ダメージ受けてる柏さんか虚姫さん使っていいよ~
此江・A・匸華:ほんとだ忘れてた!
”虚姫”:ロイス保留でー
柏夕陽:虚姫さんどうぞ!
柏夕陽:こちらは侵蝕安いので!
”虚姫”:じゃあ…貰います!
柏夕陽:ロイス保留で
此江・A・匸華:虚姫さん ◯連帯感/困惑 → ◯尽力/困惑 に変更します。
GM:コノちゃん…
”虚姫”:”虚姫”のHPを2D10(→ 9)増加(7 → 16)
宮代火澄:虚姫 〇P親近感/N不安
宮代火澄:以上!
GM:OK!
───────
Middle08:舞台上で最も
GM:シーンプレイヤーは柏さん。他、登場する方は登場浸蝕をどうぞ。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(78 → 82)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(79 → 84)
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(79 → 83)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(73 → 79)
GM:OK!
───────
GM:では、現在実行可能な項目はこちら。
☆ホテル:セルヴォワ殲滅強襲 <知識:ゲリラ戦>10
ミドル戦闘に突入する。
FH残存勢力を壊滅させ、”ソナープロット”との交渉材料に用いる。
☆ホテル:セルヴォワ兌換交渉 <交渉>10
”ホテル・セルヴォワ”と交渉を行う。
成功した場合、”ホテル・セルヴォワ”との交渉シーンに突入する。
■戦力同定:”グラヴィアヴェルク” <情報:軍事> 7
■戦力同定:”総支配人” <情報:FH> 8
■偵察報告:”ホテル・セルヴォワ” <情報:FH> 9
■休息
■補給
GM:ここで説明。☆の項目ですが、どちらか一つを選んで実行できます。いわばルート選択の部分ですね。
GM:これに関しては、■で出て来る情報を見てから決める、というような感じの開け方でも構いません。
宮代火澄:戦力同定:”グラヴィアヴェルク”行きます 情報収集チーム3回目!
”虚姫”:こちらはホテル・セルヴォワで。情報収集チーム2回目
宮代火澄:3DX+1+0@10>=7 情報:軍事 グラヴィアヴェルク
DoubleCross : (3DX10+1>=7) → 9[2,5,9]+1 → 10 → 成功
宮代火澄:よし、成功
”虚姫”:4dx+5
DoubleCross : (4DX10+5) → 5[1,2,4,5]+5 → 10
此江・A・匸華:総支配人いくね~ 《ベーシックリサーチ》だけ使っちゃお
此江・A・匸華:(2+2+2)dx+1>=8
DoubleCross : (6DX10+1>=8) → 10[5,9,9,9,10,10]+5[2,5]+1 → 16 → 成功
宮代火澄:強い
此江・A・匸華:おっけー!
GM:全員成功!
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1増加(82 → 83)
GM:では、下の三つをまずは順番に開示していきます。
■戦力同定:”総支配人”
”ホテル・セルヴォワ”のセルリーダー。”総支配人”という肩書で呼ばれる。
非常に拝金主義的。徹底的に自らの情報を隠匿し、常にFHセルにとって中立の立場を取る。
会話は蓄音機やテープレコーダーと言った機器により行うが、能力・出自一切が不明。
しかしながら、契約にはそれを成立させる保証が必要だ。
そしてその保証とは、FHにとって武力に他ならない。
”ホテル・セルヴォワ”が”グラヴィアヴェルク”のような強硬派のFHセル相手にも”中立”という立場を保ったまま情報の兌換を行っていたことを考慮すると、
彼らにはマーセナリーのような潜入工作員が秘密裏に存在するのだと考えるのが自然だ。
もしもこの街にそういったマーセナリーが放たれていた場合、彼らは既に使い捨てられ、
いずれかの勢力に潜伏している可能性が極めて高いだろう。
GM:続いて”ホテル・セルヴォワ”について。
■偵察報告:”ホテル・セルヴォワ”
”ホテル・セルヴォワ”とは”バチスカーフ”台頭と同時期に帆毬市に台頭した情報系セルの一つである。
彼らは廃ホテルにEXレネゲイドを感染させることでアジトごと地下空間に潜伏したまま、
独自の情報網によって帆毬市内の情報を収集する。
そしてそれらを他のセルが所有する情報や戦力と「兌換」することで様々な対価を提供するという運営形態を取ってきた。
そして、調査の過程で”バチスカーフ”が理解したことがある。
”ホテル・セルヴォワ”が”ソナープロット”の存在する帆毬市に留まり続けるというリスクを取っていたのは、
彼らもまた”何か”を探していたからだ。
偵察の結果、彼らは現在”グラヴィアヴェルク”を武装顧問に雇い、”オッタ―トロール”の所在、及び”マスターハウル”の遺物……
彼が帆毬湾に何を隠していたのかということの手掛かりを探している。
もしも”バチスカーフ”がこれらの情報を有しているのならば、有効な交渉が可能かも知れない。
GM:最後はグラヴィアヴェルクについて。
■偵察報告:”グラヴィアヴェルク”
”マスターハウル”の死後、”グラヴィアヴェルク”は帆毬市に暴力による秩序を取り戻そうと、
港湾都市の地形を利用した薬物の密輸を資金源とし、
UGNに対するゲリラ戦や生活用水へのαトランスの散布など積極的な反攻に踏み切った。
しかしソナープロット”の猟兵たちによる徹底的な監視と追撃を受け、壊滅状態に陥る。
それ以降、帆毬市におけるFHの地上活動は極めて困難をきたした。
だが彼らは”バチスカーフ”が沈み市内の勢力図が大きく書き換わった今こそ
”ソナープロット”に再度反抗する好機だと考えているようだ。
現在”グラヴィアヴェルク”は”ホテル・セルヴォワ”の武装顧問を引き受け、
その見返りとして、”ホテル・セルヴォワ”の有する”マスターハウル”の情報。
ロード・エイハブが守っていた帆毬湾深部に眠る”何か”。その正体を共有する取引を結んでいるのだという。
だが、セルリーダーの”レフトオーバー”は”マスターハウル”の信奉者である。
”マスターハウル”の死の真相を知った時、”バチスカーフ”に対してその怒りを発露させることになるだろう。
───────
GM:S県帆毬市内 8/17 PM23:34
GM:廃劇場『帆毬サンセットプラザ』
───────
GM:”グラヴィアヴェルク”の潜伏場所は不定的である。
GM:”ホテル・セルヴォワ”と現在同盟を締結しているとはいえ、常に彼らのアジトに籠れるわけではない。
GM:必然的に、会合の場所もこうした居住性に重きを置かない一時的なものが多くなる。
”レフトオーバー”:「……”バチスカーフ”の生き残りね」
柏夕陽:「すいません、わざわざこんな場を用意していただいて…」
柏夕陽:ぺこりと頭を下げる。
”レフトオーバー”:神経質そうな男性。モッズコートを羽織り、常に足をゆすっている。
”レフトオーバー”:「あのさ。僕は今、あんたらに暴力を振るいたくてウズウズしてるわけ」
柏夕陽:「情報をお伝えしたらすぐ帰りますので。」
柏夕陽:「どうかご堪忍を。」
”レフトオーバー”:「”マスターハウル”が死んだ後”バチスカーフ”が伸長してきて、彼の築いた暴力の秩序は全部メチャクチャになった……」
”レフトオーバー”:「まあいいや。情報次第による」
”レフトオーバー”:「もしもつまらない情報だったらこの場でブチ殺す。いいね?」
柏夕陽:「ええ。構いません。」
”レフトオーバー”:劇場のテーブルーーその木材が、水分を失ったように急速にひび割れていく。
柏夕陽:にへ、と笑う。
柏夕陽:ひび割れたテーブルを指でなぞる。
柏夕陽:「”マスターハウル”を殺したのは”バチスカーフ”です。が具体的な下手人についてはご存じですか?」
”レフトオーバー”:「……”マスターハウル”を殺したのは……”バチスカーフ”」
”レフトオーバー”:そこまで咀嚼するように呟いて、
”レフトオーバー”:「殺す」
”レフトオーバー”:手袋を外す。白く輝く結晶が周囲を滞留し始める。
柏夕陽:「お待ちを。」
”レフトオーバー”:「塩漬けにする前に聞いてやるよ。面白いこと言ってたな……」
”レフトオーバー”:「具体的な下手人だって?そんなもん、”虚姫”以外に誰が居る?」
”レフトオーバー”:「あんたらの大砲の威力は皆知ってる。数日前の帆毬湾の津波を起こしたのもあいつだってな」
柏夕陽:「大砲には砲手が必要でしょう。」
柏夕陽:「彼女はセルの為以外には動きません。」
”レフトオーバー”:「……何が言いたい? 誰かが、”虚姫”を操作したって?」
”レフトオーバー”:「”バチスカーフ”のセルリーダーは”ニライ”だろ。腑抜けだ」
柏夕陽:「当時のセルリーダーは”ペスカドレ”です。」
”レフトオーバー”:「……知らない名前だな」
柏夕陽:「彼女は徹底した秘密主義者ですからね。」
”レフトオーバー”:「”秘密主義者”?」
柏夕陽:「──この街に」
柏夕陽:「もう一人、徹底した秘密主義者がいます。」
”レフトオーバー”:「そいつは僕らの雇い主だな。同盟を潰しに来たか?」
”レフトオーバー”:「如何にも潰れかけのセルが考えそうなこと……」動きが止まる。
柏夕陽:「親切に情報をお教えしているだけですよ。」
”レフトオーバー”:「……”ホテル・セルヴォワ”が」
”レフトオーバー”:「”マスターハウル”をやった?」
柏夕陽:「そして、」
柏夕陽:「”ソナープロット”を操り帆毬市全域のFHセルを攻撃しています。」
”レフトオーバー”:「待て……そんなことして、何の得が……」
”レフトオーバー”:「……いや。待て。自分を知る者が、誰も居なくなるまで……?」
柏夕陽:「手にしたんでしょう。”マスターハウル”の遺産を。」
”レフトオーバー”:「一つ聞きたい」
柏夕陽:「はい。」
”レフトオーバー”:「たぶん、”ペスカドレ”が”ホテル・セルヴォワ”だってことは立証不可能だと思う。現時点だとね」
柏夕陽:「はい。もちろん。」
”レフトオーバー”:「だけど、”ソナープロット”を操ったって証拠なら……」
”レフトオーバー”:「どう? 交信記録はあるわけ?」
柏夕陽:「あります。」
柏夕陽:「私は──”ホテル・セルヴォワ”のマーセナリでした。」
”レフトオーバー”:「……あ”?」
柏夕陽:「”総支配人”から直接指示を受けて”バチスカーフ”に潜伏していた。」
柏夕陽:「勘違いなさらぬように。」
柏夕陽:「”ホテル・セルヴォワ”に何の思い入れもありません。」
”レフトオーバー”:「……いや、待て。だとしたらあんたは」
”レフトオーバー”:「”何”に思い入れがある?」
”レフトオーバー”:「”バチスカーフ”を切ったと思えば」
”レフトオーバー”:「”ホテル・セルヴォワ”を今度は切ろうとしてる」
”レフトオーバー”:「僕があんたらにムカついてないと思ったか?」
柏夕陽:「………”何”に、ですか」
”レフトオーバー”:「そう、何にだ」
”レフトオーバー”:「欲望の話をしてるんだよ、僕は」
柏夕陽:「それを奪われた、と言ったら?」
”レフトオーバー”:「それがないやつは信用できない。ジャームと同じだ……ブチ殺すのが一番確実だ……」貧乏ゆすりが止まる。
”レフトオーバー”:「生きている限り、欲望が奪われるなんてことは、ない」
柏夕陽:「”マスターハウル”の持つ”七つ道具”。」
柏夕陽:「聞いたことはありませんか?」
”レフトオーバー”:「”白鯨の七腸”!?」
”レフトオーバー”:「ロード・エイハブの……”オッタ―トロール”」
”レフトオーバー”:「ありえない。あれは行方不明のはずだ……」小さく呻く。
柏夕陽:レコーダーを置く。
柏夕陽:唯一残された、柏と”ホテル・セルヴォワ”のつながりを示す通信記録。
柏夕陽:リスクを背負ってでもこれを手元に置いた理由は、
柏夕陽:背教者の罪を暴くため。
柏夕陽:”ホテル・セルヴォワ”:『それで……探すんだよ。”オッタ―トロール”をな』
柏夕陽:”ホテル・セルヴォワ”:『”オッタ―トロール”を使えば、UGNの追跡はキャンセルできるし』
柏夕陽:”ホテル・セルヴォワ”:『あんたのことだって、”バチスカーフ”の奴らの記憶には残らない』
柏夕陽:柏夕陽:「一つ質問です。」
柏夕陽:柏夕陽:「UGNに情報を流したのはあなたですか?」
柏夕陽:”ホテル・セルヴォワ”:『そうだよ』
柏夕陽:”ホテル・セルヴォワ”:『でも、あんたはそれを”バチスカーフ”の奴らに言えない。そうじゃない?』
柏夕陽:早送り
柏夕陽:”ホテル・セルヴォワ”:『でも、あたしは魚を取る側の人間だ。あくせく働く漁師じゃない』
柏夕陽:「漁師には網が必要です。」
柏夕陽:「それを、彼女が既に持っていたとしたら?」
”レフトオーバー”:「……奴の罪は三つある」
”レフトオーバー”:「一つ。マスターハウルを殺した」
”レフトオーバー”:「二つ。マスターハウルの遺志を穢した」
”レフトオーバー”:「……三つ。僕を、そんなクソ下らない野心のために使おうとしやがった」
”レフトオーバー”:こつ、という音を立てて机の体積が急激に減少する。
”レフトオーバー”:”ダモクレス”の瞳を見る。
”レフトオーバー”:「奴をブチ殺す。力を貸せ」
”レフトオーバー”:「物証なんてものはどうせ叩けばいくらでも出て来る」
柏夕陽:「もちろん、協力します。」
柏夕陽:「部隊を集めるのに何時間かかりますか?」
”レフトオーバー”:「ウフフ……僕はひょっとしたらこの時のために”ホテル・セルヴォワ”に雇われたのかも知れないな……あ”?」
”レフトオーバー”:「いや、待て待て待て」
”レフトオーバー”:「何終わった気になってる?」
”レフトオーバー”:「さっき数えたのは奴の罪だ」
”レフトオーバー”:「あんたらの罪がまだ残ってるだろ。違うか?」
柏夕陽:「違いありません。」
”レフトオーバー”:「あんたの情報の出し方に免じて、僕がぶん殴るのに耐えられたら」
”レフトオーバー”:「兵を出してあげるよ。あれだ……一騎打ちってやつ」
”レフトオーバー”:「”ダモクレス”以外のやつでもいい。誰が出る?」
”レフトオーバー”:「”虚姫”か?一回やってみたかったんだ。”スクナ”もいいな。最近調子良さそうじゃないか」
”レフトオーバー”:「”カグラ”は”ハリファックス”とやり合ったって聞いたよ。結構楽しめそうだ」
柏夕陽:「私が出ます。」
”レフトオーバー”:「……舐められてる?」
”レフトオーバー”:「死ぬよ、あんた」
柏夕陽:「見くびりも、侮りもしてませんよ。」
柏夕陽:レコーダーをしまい、手に持った傘を軽く振る。
柏夕陽:「どこからでもどうぞ。」
”レフトオーバー”:「……ああ、そうか。今のは僕が悪かったな。マーセナリーだもんな……」
”レフトオーバー”:白い光が、周囲を旋回し始める。
”レフトオーバー”:塩だ。極大サイズにまで膨張し、振動する塩の粒。
”レフトオーバー”:「残留塩基はない。骨の髄まで乾き尽くす」
”レフトオーバー”:「詫びて死ね!」
GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:参加PCは”ダモクレス”。エネミーは”レフトオーバー”のみ。
GM:”レフトオーバー”は《リザレクト》を有しており、一度発動した後戦闘不能になると戦闘から脱落します。
GM:シンプルな削り合い、殴り合いになるでしょう。
GM:エンゲージはこちら。
▼エンゲージ
(”レフトオーバー”[4])
10m
(”ダモクレス”[8])
[]内は行動値
GM:では、質問などなければセットアップから始めて行きましょう。よろしくお願いします。
柏夕陽:OKです!よろしくお願いします!
GM:では、まずセットアップから。
GM:【SETUP】
柏夕陽:なし!
”レフトオーバー”:《先陣の火lv2》行動値+10。
”レフトオーバー”:行動値14に。
▼エンゲージ
(”レフトオーバー”[14])
10m
(”ダモクレス”[8])
[]内は行動値
GM:では、イニシアチブ14。レフトオーバーから。
”レフトオーバー”:マイナー。
”レフトオーバー”:《白熱》攻撃力15、ガード値4の至近白兵武器を作成、装備。
”レフトオーバー”:メジャー。
”レフトオーバー”:【干血】《コンセントレイト:サラマンダー》+《炎の刃》+《渇きの主》+《フレイムタン》+《鮮血の一撃》+《インフェルノ》
”レフトオーバー”: 射程視界、装甲無視、10dx9+1、攻撃力25、HP20点回復。HPダメージ適用時対象を行動済に。
”レフトオーバー”:恐らく差し挟みはないので 攻撃行きます!
”レフトオーバー”:10dx9+1
DoubleCross : (10DX9+1) → 10[1,1,2,3,4,5,6,8,10,10]+10[4,10]+10[10]+7[7]+1 → 38
柏夕陽:回すなあ
”レフトオーバー”:ウッソだろお前
柏夕陽:ではドッジ
柏夕陽:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 6[1,5,6] → 6
柏夕陽:無理!ダメージください!
”レフトオーバー”:4d10+25
DoubleCross : (4D10+25) → 22[3,3,8,8]+25 → 47
”レフトオーバー”:47ダメージ!一次装甲無視!
柏夕陽:しぬ!
柏夕陽:《リザレクト》しまーす
柏夕陽:1d10+83
DoubleCross : (1D10+83) → 9[9]+83 → 92
柏夕陽:うげ
”レフトオーバー”:HPダメージを喰らったので…行動済に!
柏夕陽:ウワーン
柏夕陽:このまま2ターン目かな?
GM:そうですね。次セットアップ!
GM:あ、あとシステムアナウンスです
GM:インフェルノが100%エフェクトだったのですが、その場合《リザレクト》と同時併用できるのは異常な処理のため
GM:一回殺せばOKということにします。
柏夕陽:了解です!
柏夕陽:セットアップは無し!
”レフトオーバー”:こちらもセットアップはなし。先陣の火は種切れ
▼エンゲージ
(”レフトオーバー”[4])
10m
(”ダモクレス”[8])
[]内は行動値
GM:なのでイニシアチブ8、柏さんの手番ですね。
”レフトオーバー”:来いやあ!!!
柏夕陽:ではマイナーで接敵
▼エンゲージ
(”ダモクレス”[8]、”レフトオーバー”[4])
[]内は行動値
柏夕陽:メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート:白兵》
柏夕陽:対象はレフトオーバー
”レフトオーバー”:特に妨害などはない。そのまま来い!
柏夕陽:13dx7+6
DoubleCross : (13DX7+6) → 10[1,2,2,3,3,4,5,6,6,7,8,8,9]+5[1,2,4,5]+6 → 21
柏夕陽:腐りすぎ!
”レフトオーバー”:21か……
”レフトオーバー”:これワンチャン避けられるんじゃないか?
GM:あ、”かなえ”の効果とかは使って良いですよ
柏夕陽:あ、一応使っておきますか
柏夕陽:+3します
GM:では達成値は24に。
”レフトオーバー”:だがここはとりあえずドッジします!
”レフトオーバー”:7dx+1>=24
DoubleCross : (7DX10+1>=24) → 6[1,2,2,3,3,4,6]+1 → 7 → 失敗
”レフトオーバー”:ホゲ……
柏夕陽:ダメージ!
”レフトオーバー”:ガード値5あったんだから素直にガードしておけばよかった ダメージ下さい。
柏夕陽:3d10+2d10+8+6
DoubleCross : (3D10+2D10+8+6) → 23[9,6,8]+16[6,10]+8+6 → 53
”レフトオーバー”:あっそんな高いの!?
柏夕陽:どうかな…?
”レフトオーバー”:えーっと、まず装甲で4点弾いて49点で
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(92 → 96)
”レフトオーバー”:こいつは生命増強があって、HPが+20されているので、
”レフトオーバー”:20+26=46
”レフトオーバー”:が ガードしていればァ~~~~~~~~~~ッ
”レフトオーバー”:落ちます。柏さんの勝利だ。
柏夕陽:良かった
”レフトオーバー”:では、演出に参りましょう。
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”レフトオーバー”:「海が好きなんだろ?じゃあ、こういうのはどうだ――【干血】!」
”レフトオーバー”:塩粒の嵐が”ダモクレス”に向かう。オペレータースーツを浸透し、肌に付着する。
”レフトオーバー”:体内の血液成分の塩分濃度を調整し、サラマンダー能力によって浸透圧の異常に低下した塩を精製。
”レフトオーバー”:白い雪のようにも見えるそれらが、瞬く間にきみの体内から水分を奪っていく。
柏夕陽:傘を開いて塩の雪を防ごうとするも、
柏夕陽:あまりにも無力。
柏夕陽:レフトオーバーの前で膝を付く。
”レフトオーバー”:「オイ……嘘だろ」
”レフトオーバー”:「こんなゴミどもに”マスターハウル”が殺されたって言うのか?」
”レフトオーバー”:目が赤い。同じく血漿成分を調整することにより心肺機能を強化し、行動のテンポを一拍早くずらしていた。
”レフトオーバー”:「何とか言ってくれよ、”バチスカーフ”……僕は内心ちょっとだけ期待してたんだよね」
”レフトオーバー”:「”マスターハウル”を殺したあんたらなら、この帆毬市を血の溢れる楽園に変えてくれるんじゃないかって」
柏夕陽: ぞ ぶ
柏夕陽:「血がお好きなら」
柏夕陽:「下をご覧ください。」
”レフトオーバー”:「……あ”あ”?」
”レフトオーバー”:血溜まりが広がっている。
柏夕陽:レフトオーバーの腹部に、仕込み傘の切っ先が突き刺さっているのだ。
”レフトオーバー”:「……ごっばっ! なんだ……や、れ、ば! できるじゃんッ!」
柏夕陽:傘を隠れ蓑に接近して、最後まで得物を明かさずに、
柏夕陽:致命的な刃を見舞うのが”ダモクレス”である。
柏夕陽:「──これ以上突き刺せば、」
柏夕陽:「次の本番で血が足りなくなります。二人とも。」
柏夕陽:「この辺りでいかがでしょう?」
”レフトオーバー”:「防御型の能力者かと思ってたけど……相手に媚びるみたいに頭を垂れて、最後の最後まで刃を見せない」
”レフトオーバー”:「あんた自身が、”ダモクレス”ってわけか。いいね……気に入った」
”レフトオーバー”:血を吐きながら、ぞぶ、ぞぶり、と腹を突き刺し、”ダモクレス”に手を伸ばす。
”レフトオーバー”:そして――
”レフトオーバー”:「おあいこだ」肩に手を当てる直前で、止める。
”レフトオーバー”:「あ”~~~っ、超痛い!これ抜いてくれよ!」
柏夕陽:「はい。」
柏夕陽:しゅ ぱ
柏夕陽:刃を抜き、所々破れた傘に納刀する。
”レフトオーバー”:「他の”バチスカーフ”の奴らもさあ!黙ってないでそろそろ出て来たら!?」
”レフトオーバー”:自らの能力で出血しながら、ソファーに転がる。
”レフトオーバー”:「おあいこにしか持って行けなかった時点で……僕の負けだ。後ろにこんなやつらが控えてたんじゃ意味がない」
柏夕陽:「……。」
柏夕陽:後ろを振り返る
宮代火澄:「……夕陽」
此江・A・匸華:「…………」 物陰から顔を半分だけちらっと出している
柏夕陽:レコーダーを懐から出して火澄に渡す。
宮代火澄:側に駆け寄って、渡されたレコーダーを握りしめる。
柏夕陽:「ここで殺してくれても恨みません。」
宮代火澄:「……」
柏夕陽:以前の自分であれば絶対に言わないであろう台詞である。
宮代火澄:ぎゅっ、と拳を握りしめて。
此江・A・匸華:不安そうに火澄と柏さんの間で視線を彷徨わせている。
宮代火澄:──手を解いて、軽く夕陽の頭をはたく。
柏夕陽:生存の為に背教者を殺し、信奉者を守って来た夕陽の”芯”が失われているから、
柏夕陽:命を、”バチスカーフ”と、宮代火澄の為に投げ出してもいい、と思ったから出た言葉であった。
宮代火澄:「……確かに、この交渉は夕陽に全て任せたけど」
宮代火澄:「こんな無理するとは聞いてない」
”レフトオーバー”:「……はあ? 殺さないわけ?」
柏夕陽:「……ごめんなさい。」
”レフトオーバー”:「意味が解らん。そいつ、一応裏切者だって。状況わかってる?」
”レフトオーバー”:ソファーに寝転がったまま悪態を吐く。
宮代火澄:「自分が裏切り者だと、自ら明かした」
柏夕陽:火澄の両手を、自分の首に沿える。
柏夕陽:「はい。明かしました。」
宮代火澄:「それは"もう裏切るつもりはない"という証明だろ?」
柏夕陽:「でも、事実は変わりません。」
”虚姫”:「───」宮代と此江の背に隠れるようにして、柏に視線を向けている。笑顔ではない。
柏夕陽:味わうように火澄の手を撫でまわし、
柏夕陽:親指に指を絡める。
”虚姫”:迷っているのだ。
柏夕陽:「力を籠めれば、すぐですから。」
”虚姫”:しかし、彼女のあるのかどうか分からない意思に関係なく、その判定処理は行われる。"そういう機能"であるが故に
此江・A・匸華:「あわ、あわわわ…………」 赤面したり顔面蒼白になったりしながら様子を見守っている
"かなえ":『……』同じく意思の存在しないはずの瞳が。端末から、揺れるように”虚姫”を見守っている。
宮代火澄:「……君は」
宮代火澄:「恨まない、と言ったけど。……殺されたいの?」
柏夕陽:「どうせなら、火澄さんの手で死にたいです……って贅沢でしたか?」
柏夕陽:にへ、と笑う
宮代火澄:「……」
宮代火澄:夕陽を睨んで。
宮代火澄:「"嫌だね"」
宮代火澄:「君がそれを望んでも。僕はそれに応えない」
宮代火澄:「僕は、君に生きてほしい」
宮代火澄:「その意志は曲げさせない」
柏夕陽:「────」
柏夕陽:「そういえば、そうでした。」
柏夕陽:「頼み事は苦手でしたね、火澄さんは。」
宮代火澄:「夕陽」
宮代火澄:「僕だって、怒ってないわけじゃないよ」
宮代火澄:「君が裏切っていたことは許さない」
宮代火澄:「……でも」
宮代火澄:「許したい、って思ってる」
宮代火澄:「だから、僕は殺さない」
宮代火澄:「僕の手で死にたいって言ったけど。どうせ贅沢言うならさ」
宮代火澄:「もう少し良い最期を探してくれ」
柏夕陽:「………いじわる、ですね。」
宮代火澄:「君が一番知ってると思ってたけどな。僕がタチ悪いのは」
柏夕陽:「私以上にタチが悪い人間なんていないと思ってたので」
柏夕陽:「あなたがこんなに悪い人なんて知りませんでした。」
柏夕陽:虚姫と此江に振り返る
柏夕陽:「今まで、すいませんでした。」
此江・A・匸華:「び、びっくりしましたけど……ねっ、虚姫さん──」 言いながら振り返る。
柏夕陽:「恨みはあるでしょう、疑いもあるでしょう。けど、」
”虚姫”:「…………」
柏夕陽:「私は”バチスカーフ”に尽くします。」
”虚姫”:柏の目を、じっと見ている。
此江・A・匸華:「……虚姫さん?」 その瞳に異様なものを感じ取り、表情が曇る。
宮代火澄:「……」
”虚姫”:……"バチスカーフ"に尽くします。
宮代火澄:命令はしない。二人の決断に委ねる。
”虚姫”:本来の…いつもの虚姫であれば、その一言で足りるはずだった。だが、しかし
”虚姫”:"悩む"とは、双方向のものだ。
”虚姫”:自身の中の葛藤が大きくなれば、その分
”虚姫”:君たちの言う事を鵜呑みにする という機能にも、翳りが見え始める。
”虚姫”:「……"裏切者を殺すのが私の役目"」
”虚姫”:「そう…言ってたよね。」
柏夕陽:「そう、」
柏夕陽:「言っていました。」
”虚姫”:「………」目をぐっと閉じる。
”虚姫”:柏の言葉と、柏の姿が、何度も何度も、頭を巡り
”虚姫”:「──私…っ…は……」
此江・A・匸華:「……あのね。"バチスカーフ"が大好きな虚姫さんが、悩むのは、すごくわかるよ」
此江・A・匸華:「あたしも、まだ──色々、信じられないし。どこまで信じて良いのか、悩んでる」
此江・A・匸華:くるり、と身体を翻して、虚姫さんの前に立って。
此江・A・匸華:「でも、信じたいんだ」
此江・A・匸華:「一緒に過ごしてきた時間が、ウソだけじゃないって思いたいから」
”虚姫”:…………頭痛に顔をしかめる
此江・A・匸華:よしよし、とその頭を一度撫で、す、と横に退いて様子を見守る。
”虚姫”:顔を上げて、柏の目を見る。額には汗が浮かんでいる。
”虚姫”:震えながら
”虚姫”:片手を、差し出す。
”虚姫”:「私……は」
”虚姫”:「あなたが振るう剣…なんか、信じない。」
”虚姫”:「あなたが剣を振るう…その手を信じる。」
柏夕陽:虚姫の手を取る。
柏夕陽:「信頼に応えます。」
”虚姫”:「…………うん。」
”虚姫”:「応えて、みせて。」
”虚姫”:精一杯の表情で、そうお願いする。君の言葉を、ただ肯定するための言葉ではなく…君を肯定したい という思いを乗せた言葉。
此江・A・匸華:ぱあと表情が華やぎ、火澄と、端末の中のかなえに向けて笑いかける。
宮代火澄:此江と顔を合わせて微笑む。
柏夕陽:「火澄さん。意見具申です。」
柏夕陽:「”ホテル・セルヴォワ”の網を食い破りましょう。」
宮代火澄:「うん。……僕らは網にかかった魚じゃない」
宮代火澄:「自由を奪うものは、引きちぎる」
宮代火澄:「やろう、みんな」
柏夕陽:頷く
”虚姫”:疲労を湛えた表情で、頷く。
此江・A・匸華:(あたし達は、歪でも一つでいられた。だけど、いま──改めて、同じ方向を向けたんだ)
此江・A・匸華:「……うんっ。絶対負けないんだから!」
GM:バチスカーフ(Bathyscaphe、-scape、-scaph)とは、
GM:スイスの物理学者オーギュスト・ピカールによって発明された、小型の潜水探査艇である。
GM:ギリシア語の「bathys(深い)」と「skaphos(船)」を合わせた造語であるそれは、
GM:推進力をもち、深海を自由に動き回ることが可能だった。
GM:最も古来のバチスカーフは、最もいびつな形状であったという。
GM:だが今、”バチスカーフ”は……絶望の深海圧、その網を食いちぎろうとしている。
───────
GM:ロイスの取得・変更が可能です。
此江・A・匸華:柏さん ◯信頼/不安 で取得します。
柏夕陽:虚姫/〇使命感/罪悪感/ロイス
柏夕陽:で取得
柏夕陽:以上!
宮代火澄:ロイスいっぱい、以上!
”虚姫”:こちらはロイス保留でー
GM:OK!
Master02:”ソナープロット”ブリーフィング/”バチスカーフ”戦力同定
GM:S県帆毬市 8/18 AM3:45
GM:帆毬支部内ガレージ ”ソナープロット”ブリーフィング区画
”ルーディメンツ26”:『“バチスカーフ”が“ホテル・セルヴォワ”との交戦に臨む可能性が高い』
”ルーディメンツ26”:青い人型の義体が、ガレージのラッチから下方を睥睨する。
”ダム・ダム”:『ハア~~? どうしてンなことが予想できる?』
”ダム・ダム”:それに返答するのは、爆撃機と鳥を嵌合したような姿の義体だ。
”ダム・ダム”:『あいつら、ステルス艇で逃げ回ってるだろ。今更戦う気あるのかね』
”リムショット”:『こっちには……“ネクラファジー”の電算部隊が動いてるって話しか聞こえて来ないスよ』
”リムショット”:巨大な背嚢と狙撃銃を備えた、昆虫に近いフォルムを持つ義体が追随する。
”13./£”:『……“ネクラファジー”が、か?』
”13./£”:漆黒の義体が呟く。樹木のような端末と処刑刀を装備した鋼の獣。
”ゴースト・ノート”:『あのセルは……表立って抗争に参加するとは思えない、です、けど』
”ゴースト・ノート”:車両型の義体が、心なしかノイズに紛れて不安げに発言する。
”ルーディメンツ26”:『逆算すればいい。電算部隊が動いたということは――』
”ルーディメンツ26”:『動かした何者かが存在する。これまでの“ネクラファジー”の方針とは異なる考えを持つ、何者かだ』
”ルーディメンツ26”:『であれば、既に“ネクラファジー”の頭は無力化、ないしは死亡している』
”ルーディメンツ26”:『“バチスカーフ”が頭を捕縛したと仮定して、利用価値のある頭を抹殺するのは道理に合わない』
”ルーディメンツ26”:『よって、“ネクラファジー”の頭を潰したのは……恐らく彼らを隠れ蓑にしようとしていた“ホテル・セルヴォワ”だと予想できる』
”ルーディメンツ26”:『油断するな。“バチスカーフ”は必ず浮上してくる』
”13./£”:『……そうだな。彼らが手強いことは、我々が最も知悉している』
”ゴースト・ノート”:『ひ、ヒエエ……本当に戦わないとダメですか?』
”ダム・ダム”:『お前アホか? 俺らは奴らの仲間を山ほどぶっ殺してる』
”ダム・ダム”:『このまま一戦も交えずハイ終わりで済むワケねえだろ』
”ダム・ダム”:義体の翼を脅すように動かす。
”リムショット”:『……でも、諦めたくないッスよ。あの人たち、生きてたんだ』
”リムショット”:『最初に歩哨を狙撃したのは……オレです。まだ手に感触が残ってる』
”リムショット”:『無駄に終わるかも知れないッスけど。話し合えるなら話し合った方が良いでしょ』
”ルーディメンツ26”:『……そうだな。僕たちUGNは対話の道を諦めん。だが、その為にもまずは彼らを全力で無力化する必要がある』
”ルーディメンツ26”:『”バチスカーフ”は”オッタ―トロール”を用い、”楽園計画”を実行しようとしていた』
”ルーディメンツ26”:『これは紛れもない事実だ』
”ルーディメンツ26”:『”ゴースト・ノート”。彼らの戦力評価は取れているな?』
”ゴースト・ノート”:『あっ、はい……っ! ルーディさんの言う通り、あくまで交戦による疲弊を目的とし、低出力義体による情報収集に努めました』
”ルーディメンツ26”:『それでいい。きみのデータと僕の計算通りなら、彼らの浸蝕は個人差こそあれ80%前後に収束するはずだ……そうなるように包囲を仕掛けていた』
”ゴースト・ノート”:『情報、出します。“スクナ”とは交戦できませんでしたが……』
”ルーディメンツ26”:12dx+7>=10 情報:FH
DoubleCross : (12DX10+7>=10) → 10[1,2,3,3,5,5,6,7,7,10,10,10]+6[2,3,6]+7 → 23 → 成功
“スクナ”
動力手。能力詳細不明。バロール/ブラムストーカーのクロスブリードだと推測されるが、
ブラックドッグにのみ運用できる“バチスカーフ”の試作電子砲を運用している記録が確認されている。
オーヴァードの限界を超えたエネルギー保有量を誇り、恐らく潜水艇の動力も“スクナ”が賄っていると予想される。
所持エフェクト:《時間凍結》《????》
所持エンブレム:《クランサイン》
”ダム・ダム”:『コイツが一番解らん。”ニライ”が”楽園計画”に利用しようとしてたってんなら話は分かるが』
”ダム・ダム”:『それにしちゃ大事に育てすぎじゃねえか? チルドレン待遇ってレベルでもねえだろ』
”ゴースト・ノート”:『で、でも……あの威力の電子砲を個人携行火器感覚で振り回されるのは、凄く厄介ですよ』
”ゴースト・ノート”:『うちのドローンが何百基蒸発したと思ってるんですか!』
”ルーディメンツ26”:『……”虚姫”とは違う質の広域攻撃をしてくる。そのつもりで対処するべきだろう』
”ルーディメンツ26”:『”ゴースト・ノート”。やれるな?』
”ゴースト・ノート”:『が、頑張ります……!この出力なら、1~2回が限度でしょうけど……』
”ルーディメンツ26”:『よし。では次だ』
”13./£”:『……私の担当だな』
”13./£”:7dx+1>=8 情報:FH
DoubleCross : (7DX10+1>=8) → 10[1,2,4,4,4,8,10]+1[1]+1 → 12 → 成功
“カグラ”
潜水手。人間潜水艇と呼ぶべき運動性能と潜水性能を誇り、
環境適応能力を応用した近距離射撃戦にも対応している。
また、特筆すべきは“ソナープロット”の攻撃に対しても高い適応性を見せている点であり、
戦闘経験を活かして義体に効果的な攻撃を行ってくるケースが予想される。
所持エフェクト:《死招きの爪》《風鳴りの爪》
所持遺産:多頭蛇の刺青 識別コード:ジャイアントキル
”13./£”:『”カグラ”の最大の性能は、潜水ではない。その適応能力だ』
”13./£”:『恐らく……こちらに与えた損害を、更に広げるような形の攻撃をしてくる』
”13./£”:『対応するには、こちらも義体同士の連携が必須となるだろう』
”リムショット”:『スミマセン。ここら辺、ゴーさんの負担でかくなっちゃうと思うんスけど……いけそうです?』
”ゴースト・ノート”:『……任せて。皆を守るためだもん、何とか演算してみるよ』
GM:”ゴースト・ノート”のエフェクトに《電磁バリア》《孤独の魔眼》が追加されました。
”ダム・ダム”:『さて、次だな……こいつが一番おっかねえ』
”ダム・ダム”:7dx+3>=9
DoubleCross : (7DX10+3>=9) → 7[1,2,5,5,5,6,7]+3 → 10 → 成功
“虚姫”
砲撃手。精神改造を施されており精神的に不安定だが、
異常出力の音波攻撃に酷似した能力機序により、
広域に対しての持続的かつ絶大な破壊干渉作用が観測される。
更には単純な破壊ではない「波長」概念そのものに対する作用も確認されており、最も警戒が必要。
所持エフェクト:《サイレンの魔女》《終焉の残響》
所持エンブレム:《強制起動者》
”ダム・ダム”:『どうすんだよコレ? アンタの戦闘プロトコルまで書き換えられてたじゃねェ~か』
”ダム・ダム”:『しかも多分、この手のやつは……一回ぶっぱなしたとして、それで終わりじゃねえ』
”ダム・ダム”:『俺がそうだからだ。奥の手があるぜ』
”ルーディメンツ26”:『こちらに干渉してくるということは』
”ルーディメンツ26”:『こちらも音波によって干渉できるということだ』
”ルーディメンツ26”:『”虚姫”の攻撃には僕が対処する。どこまで保つかは不明だが』
”ルーディメンツ26”:『管制官として、君たちが攻撃する時間は確実に作り出す』
GM:”ルーディメンツ26”のサポートドローンに《子羊の歌》が追加されました。
”リムショット”:『頼みます。最後は……ええと、この人ですね』
”リムショット”:9dx+5>=12 情報:FH
DoubleCross : (9DX10+5>=12) → 10[1,3,4,5,6,7,7,7,10]+9[9]+5 → 24 → 成功
“ダモクレス”
総舵手。的確なオペレートで“バチスカーフ”を補助するほか、
ドローン:サイドワインダーの装甲を両断するほどの白兵戦闘能力を有することが確認された。
その戦闘力を隠蔽していたことから、恐らくは“ホテル・セルヴォワ”の雇用したマーセナリーであることが予想される。
所持エフェクト:《フェイタルヒット》《水晶の剣》
所持エンブレム:《キルリーダー》
”リムショット”:『正直一番めんどくさいの、この人だと思いますよ』
”リムショット”:『全く隙が無い。オーヴァード戦闘に慣れすぎッス』
”リムショット”:『狙撃できる瞬間がほぼなかった。ルーさんのドローンぶっ壊したのも”ダモクレス”さんでしょ?』
”ゴースト・ノート”:『ど、どうしましょう? 白兵戦が出来る人材って、うちにはハリファックスさんしか……』
”ダム・ダム”:『しゃあねえな。俺が何とかする』
”ダム・ダム”:『奥の手があるって言ったろ。こういう如才ないタイプの奴は、侵蝕負荷を一番嫌う』
”ダム・ダム”:『だから早目にぶっ殺して早目に寝て貰う。これが肝心だ』
GM:”ダム・ダム”の使用エフェクトに《クリメイト》が追加されました。
”ルーディメンツ26”:『……戦力同定は済んだな。皆、猟兵義体への換装に当たれ』
”ダム・ダム”:『なあ。その前に質問いいか?』
”ルーディメンツ26”:『発言を許可する』
”ダム・ダム”:『何でリザレクト出来なくなってから襲わねェ?』
”ダム・ダム”:『倫理観の話じゃねえ。理屈の話だ』
”ダム・ダム”:『ぶっ潰して言うことを聞かせるには、それが一番効くだろ』
”ルーディメンツ26”:『逆だな』
”ルーディメンツ26”:『“ダム・ダム”。“ジャーム化したバチスカーフ“に僕たちだけで対抗できると思うか?』
”13./£”:『……まず、帆毬支部の戦力では無理だろうな』
”リムショット”:『結局“理性ある負け方”をして貰って、投降を促すのが最善策ってことッスか』
”ゴースト・ノート”:『対話というプロセスに辿り着けば、私達の戦術目標は達成される……』
”ルーディメンツ26”:『……これは直感だが、僕たちの本当の敵は、“バチスカーフ”じゃないような気もする』
”ルーディメンツ26”:『“バチスカーフ”が“オッタ―トロール”を用いて、“楽園計画”を進めようとしていたのは確認できている。だから強襲した』
”ルーディメンツ26”:『だが、その襲撃すらも“ホテル・セルヴォワ”に利用されていたのかも知れない……そして、その鍵は恐らく“バチスカーフ”が握っている』
”ルーディメンツ26”:『方針は変わらない。まずは“オッタ―トロール”の所在に関係なく、彼らを一度無力化する。こちらに少なくない損害も出ているからだ』
”ルーディメンツ26”:『だが、その上で……もしも彼らに協力の意思があるのなら』
”13./£”:『……私がもっと早くにきみのような男と出会えていれば、多少は違う人生を送っていたのかもしれないな』
”ゴースト・ノート”:『そう……ですね。ルーディさんがいつも言ってることをしましょう』
”ゴースト・ノート”:『私たちは、正義の味方です。本当はそんなもの存在しないとしても、誰か一人でもそう唱えなければ……』
”ダム・ダム”:『”世界の盾はいなくなる”ね。……クソみてえな仕事だな』
”ルーディメンツ26”:『それでもやるべきことがある。オーヴァードにとっての安息の場所がないとしたら』
”ルーディメンツ26”:『僕たちの仕事は、それを誰かが見つけ出すまで……この世界を守ることだ。そうだろう』
”ルーディメンツ26”:『”ソナープロット”。総員戦術レベル2に移行しろ』
”ルーディメンツ26”:『――戦況の掌握を開始する』
Middle09:『いってきます』
GM:シーンプレイヤーは宮代君。他、登場自由。
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(79 → 84)
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 4)増加(83 → 87)
GM:あ、そうだ。一応現在実行可能なコマンドを出しておこう
GM:と言っても、今できるのは…3つ!
☆ホテル:セルヴォワ殲滅強襲 <知識:ゲリラ戦>10
”ホテル・セルヴォワ”とのミドル戦闘に突入する。
FH残存勢力を壊滅させ、”ソナープロット”との交渉材料に用いる。
■休息
■補給
GM:では、各自コマンドの宣言をどうぞ。
宮代火澄:補給するかな~
此江・A・匸華:スヤスヤ休息するので侵蝕を83に戻して、っと。ここから1d3減少~
此江・A・匸華:83-1d3
DoubleCross : (83-1D3) → 83-3[3] → 80
GM:おお 良い出目
此江・A・匸華:ぐっすり眠れました
柏夕陽:休みます!
柏夕陽:96-d13
DoubleCross : (96-1D13) → 96-11[11] → 85
柏夕陽:間違えた
柏夕陽:96-1d3
DoubleCross : (96-1D3) → 96-3[3] → 93
宮代火澄:ナイスナイス!
GM:最大値!
”虚姫”:休息します
GM:GOGO
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3(→ 3)減少(84 → 81)
宮代火澄:みんなえら~い
此江・A・匸華:お休みの達人
宮代火澄:さて、じゃあ今回は私が追跡チャートを振ればいいのかな?
GM:そうですね。ミドル戦闘がないシーンなので、追跡チャートをどうぞ。
宮代火澄:1d10
DoubleCross : (1D10) → 2
宮代火澄:低めだが
GM:2か…
此江・A・匸華:そのチャートはもう出たが……!
柏夕陽:これ前も出た目でしたっけ
宮代火澄:あっ柏さんの時のだっけ
柏夕陽:こういう場合はどうなるんだっけ
GM:こういう場合はそうですね…振り直しにしましょう。
GM:同じ相手とばかり交戦というのも面白くないので
宮代火澄:はーい
宮代火澄:1d10
DoubleCross : (1D10) → 10
GM:今の所出たのが2,8,10ですね
宮代火澄:これも出た!
GM:げっ
GM:振り直し!
GM:あ、いや 違うな
GM:こいつは「3R出撃出来ない」だから
GM:今は出撃出来ない状態になってるんだ。
GM:だから10を引いたということはラッキーということ
宮代火澄:よかった~
GM:今回の出撃はなし!補給したあとベッドでスヤスヤしな!
宮代火澄:じゃあ何か調達しよう 誰かほしいものある?
”虚姫”:そう言えば
”虚姫”:30点分のやつって使ったっけ
宮代火澄:あっそうだ 忘れてた報酬
柏夕陽:使ってなかったでしたね
GM:使ってないですね。
柏夕陽:医療トランクとかどうでしょう
柏夕陽:もう一個
GM:あとセルリーダーエンブレムも残ってる あれはまあクランサインで決まったわけだけ…
柏夕陽:ミドル戦闘後に時間凍結できるように
GM:頭良い
”虚姫”:良さそう、この後ミドル戦闘あるのは分かってるし
此江・A・匸華:確かに
宮代火澄:じゃあそうしよっか!ありがとうございます
宮代火澄:では医療トランク2つ目で!
此江・A・匸華:しっかり回復できる方がいいね~
宮代火澄:あ、そうだ 医療トランクなんですけど
宮代火澄:今休憩してる三人はこのシーンで使うことできます?
GM:OK!では医療トランクにしましょう。
GM:あ、そうですね
GM:休んでるんだから……アイテムの使用はOKとします!
宮代火澄:ありがとうございます!
GM:その代わりメジャーアクションを消費する行動(エフェクト)とかはできない、という感じで
GM:バランスを取っていきましょう
GM:調達はブルゲとか取ると良いんじゃないでしょうか
宮代火澄:じゃあ虚姫さんか夕陽さん今のうちに使っちゃっていいと思う
宮代火澄:狙うかあブルーゲイル
柏夕陽:じゃあ虚姫さんどうぞ
”虚姫”:1個ずつ使う?
GM:1個ずつ使って良さそう
”虚姫”:こっちも多分2個は要らないので
柏夕陽:あ、じゃあ使います
”虚姫”:うす、では
”虚姫”:”虚姫”のHPを2D10(→ 7)増加(16 → 23)
柏夕陽:9+2d10
DoubleCross : (9+2D10) → 9+11[8,3] → 20
柏夕陽:20まで回復~
GM:良い回復だ
GM:ゆうべはお楽しみでしたね
宮代火澄:セルリーダーエンブレムも今相談して決めちゃっていいですか?
GM:大丈夫です!
GM:こういうのは後に回しても仕方がないので
宮代火澄:データ上はセプター、ブラックリスト、ユニフォームドあたりかな~って見てるんですけど
宮代火澄:ハーミットセプターはうまくやればでかそうだけどどうかなあって感じ
此江・A・匸華:ハーミットセプターは交渉の材料として使う感じになるかなあ
”虚姫”:ブラックリストかなぁとは思ってたけど、UGNがラスボスって訳でもない感じするのがなぁ
宮代火澄:そうなんですよねえ
”虚姫”:リターンは確実にあるだろうけど
此江・A・匸華:ユニフォームドで手に入るFHベストアーマーはドッジ0、行動-1,装甲5、硬直を回復(1/S)っていうデータだよ
宮代火澄:装甲5,なんとも言えないな……
GM:だとしたら、ロマンがあるのはハーミットセプターですかね
GM:他の二つがデータ的にリターンはあるけどそこまででもな……って感じだったら
GM:消去法的にでも持っておくと面白いことができるのではないでしょうか
宮代火澄:何か交渉に使えるかもしれないしハーミットセプターとっちゃってもいい?
GM:皆様の判断におまかせします!
柏夕陽:OKです
GM:あくまで一方針としての提案なので
”虚姫”:OK
GM:PLの皆で話し合って決めて貰えればO・K
”虚姫”:「交渉の芽はある」って話ではあるからね
此江・A・匸華:おっけー!切り札的で面白そうだし!
宮代火澄:ではハーミットセプターもらっちゃいます!
宮代火澄:折角だしね!
GM:では、宮代くんはセルリーダーエンブレム”ハーミットセプター”を獲得します。
遠江・A・匸華:私だと思って大切にしておくれ ワハハ
宮代火澄:遺したものみたいに言わないで
GM:では、ロールに参りましょう。
宮代火澄:じゃ、補給はブルーゲイル狙おうかな 誰も欲しい物なければ
GM:あっそうですね!補給もしていただいて…
柏夕陽:どうぞ!
”虚姫”:どうぞー
此江・A・匸華:買っちゃえ買っちゃえ
宮代火澄:3DX+5+0@10>=20 調達
DoubleCross : (3DX10+5>=20) → 7[3,3,7]+5 → 12 → 失敗
宮代火澄:残念、以上
GM:8点は流石に…厳しい!OKです!
GM:では、改めてロールに入っていきましょう。
───────
GM:Interlude3-B
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GM:S県帆毬市 8/17 PM20:12
GM:”バチスカーフ”アジト 第一ドック 研究試料保存槽
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此江・A・匸華:「正直、もっと荒れて酷いことなってるかと思ってたんだけど……意外と、うん。綺麗なままだね」
此江・A・匸華:「それか、"ネクラファジー"が占拠してた時に、サルベージの邪魔になるから整頓したのかな」
柏夕陽:「………データも問題なしです。」
柏夕陽:PCのモニタから顔を上げる
此江・A・匸華:殆どすべてのデータは"ネクラファジー"がサルベージし尽くした後だろう。ただ、自分たちにしか分からない何かが残されている可能性も否定はできない。
此江・A・匸華:それに──そんな理由がなくても、『家に帰りたい』と思うのは当然の感情だった。
柏夕陽:「少し弄られてはいますが、トラップもウイルスもありません。」
此江・A・匸華:「そっか。ほんとにサルベージしただけなんだね……ちょっと意外なような、ううん」
此江・A・匸華:"ロイコ"のことを思い返し、首をゆるりと振る。生存に必要のないことは、彼らがする道理はない。
此江・A・匸華:「ほんとに、帰ってきただけになっちゃうかな。休めていいけれど」 少し笑う。
柏夕陽:「………。」
柏夕陽:「火澄さんは」
柏夕陽:「不思議な人ですね。」
此江・A・匸華:「不思議……うん。あたし、あんまり上手く表現できるわけじゃないけど」
此江・A・匸華:「なんだろ──うまく言い表せないけど、惹き付けられる感じ。ああいうの、魅力があるっていうのかな?」
柏夕陽:「魅力を、感じてるんですね。」
此江・A・匸華:「……あっ」 しまった、と言わんばかりに口を手で覆う。
此江・A・匸華:「……そ、そう言う柏さんこそっ、そうじゃないんですか」
柏夕陽:「ええ。」
柏夕陽:「好きです。」
柏夕陽:「此江さんは違うんですか?」
此江・A・匸華:「…………」 簡潔に返って来た答えに、息を呑む。
此江・A・匸華:「…………え、えっと、それは……」
此江・A・匸華:「……ひ、火澄のこと嫌いな人なんて、このセルにいないよ。うん」
此江・A・匸華:視線を右往左往させながら、ぼそぼそと呟く。
柏夕陽:「………。」
柏夕陽:「遠慮してます?」
此江・A・匸華:「…………遠慮、っていうか」
此江・A・匸華:右往左往していた視線が、どこか遠くを見るようにぼんやりと留まって。
此江・A・匸華:「……だって。お姉の、恋人だもん」
此江・A・匸華:胸元に遣った手が、痛みを堪えるようにきゅう、と拳を作る。
此江・A・匸華:「そんなの、二人に悪いもん」 にへら、と柏さんに笑いかける。
此江・A・匸華:遠江の記憶──家族と過ごしていた頃の記憶は、切り取られたようにごっそりと抜け落ちているが。それは、彼女への敬愛を完全に失うということではない。
柏夕陽:「堪えるのが大変なら、」
柏夕陽:「いつでも話してください。」
此江・A・匸華:「………………っ」
柏夕陽:「……もし、まだ私を信じてくれるなら、ですが。」
此江・A・匸華:泣き笑いの表情が、沈鬱に変わる。眉がきゅうと八の字に寄り、握られた拳がだらん、と落ちた。
柏夕陽:「同じ人を好きになった同士、助け…とまでは行きませんが、」
柏夕陽:「慰めにはなるかもしれません。」
此江・A・匸華:暫く、彼女の言葉を噛み締めるように沈黙する。口を開こうとして閉じて、それを何度か繰り返した後、
此江・A・匸華:「……柏さんは、スパイ……みたいな。そういう、立場だったんだよね?」
柏夕陽:「はい。」
柏夕陽:「皆さんに話したことの半分は本当です。」
柏夕陽:「私はFHの離反者を狩る役割を負ったエージェントです。」
此江・A・匸華:「でも、今は……少なくとも、あたし達と同じ船に乗って、同じ方向を見てる」
此江・A・匸華:大きく息を吐く。「あたしは、それで十分」
此江・A・匸華:「……聞いたこと、見たこと。内緒にするのも、得意?」
柏夕陽:「はい。」
此江・A・匸華:一歩ずつ、ゆっくりと柏さんとの距離を詰める。ただの数歩で埋まる。
此江・A・匸華:自分よりほんの僅かに背の高い彼女に、真正面から。身体を預けるように、身を委ねた。
柏夕陽:それを優しく包み込むように受け止める。
此江・A・匸華:「…………今から、っ、言うこと……内緒に、して、ほしいの」
此江・A・匸華:瞳を閉じる。溢れた雫がつう、と頬を伝い、彼女のブラウスを濡らす。
此江・A・匸華:「……あたし、……っ、火澄のことが、好き……っ、大好き……なの……」
此江・A・匸華:「お姉が、火澄のこと好きなの知ってて……それでも、好きになっちゃった……」
此江・A・匸華:「二人が付き合ったら、諦められると思ってたのに、全然ッ、そんなこと、なくて……」
此江・A・匸華:「二人に、ずっと悪いなって、思って……でも、でも……ッ、好きなのは、本当だから……」
此江・A・匸華:ぼろぼろと泪を零し、しゃくり上げながら秘めた感情を吐露していく。
柏夕陽:「………。」
柏夕陽:何も言わず抱きしめて、頭を撫でる
此江・A・匸華:「……ぅ、うぅう~~~……」
此江・A・匸華:彼女の温もりに身を委ねたまま、されるがままに撫でられる。
柏夕陽:「罪な人ですね、火澄さんは。」
此江・A・匸華:「……うん、ほんとだよ……」
此江・A・匸華:まだ鼻がぐすぐすと鳴るものの、少しずつ落ち着きを取り戻す。
柏夕陽:「やり返して発散したらどうです?」
此江・A・匸華:「や、やり返すって……例えば……?」
柏夕陽:「私がやった事ですよ。」
柏夕陽:「あと、これはやってませんけど……」
柏夕陽:此江の耳に何事か囁く
此江・A・匸華:「~~~~っ、?! ────っ、…………ッッッ!!!」
柏夕陽:「部屋から漏れ聞いた感じ、」
柏夕陽:「火澄くんも”体力”があるみたいですから、」
柏夕陽:「二人くらい相手に出来るんじゃないですか?」
此江・A・匸華:「ふ、ふた……二人、って……そ、そんなッ、のっ」
此江・A・匸華:「そ、そんなの、ぅ、うぅう~~~~……!」
此江・A・匸華:顔を真赤にして目を白黒させながら呻く。
此江・A・匸華:「…………そ、そもそもっ、そういう……こと、って……三人で、したり、するもの、なの……?」
柏夕陽:「普通はしませんけど、」
柏夕陽:「私たちは普通じゃなくてもいいんですから。」
此江・A・匸華:「普通じゃ、なくても……」
柏夕陽:くすりと笑って時計を見る。
柏夕陽:「そろそろ時間ですね。行きましょうか。」
此江・A・匸華:「っ、あ、もう……こんな時間!」 柏さんの時計を覗き見て驚いたように声を上げる
此江・A・匸華:(……ちゃんと火澄の顔見れるかな、うう……)
此江・A・匸華:「あ、あの……柏さん。ありがとう、ございました」
此江・A・匸華:少し離れて、ぺこりと頭を下げる
柏夕陽:「全部終わったら、」
柏夕陽:「5人でするのも悪くないですね。」
此江・A・匸華:「普通じゃなくていいなら、そういうのも…………五人で?!」
柏夕陽:「………冗談ですよ。」
此江・A・匸華:「び、びっくりしたぁ…………」
柏夕陽:「まずは目の前の事を済ませましょう。」
此江・A・匸華:先程まであんなことやこんなことを言っていたとは思えない口調でさらりと告げられる言葉に、プロだなあと感心を抱く。
此江・A・匸華:「……ぜ、絶対。さっきの、内緒にしてくださいね」
柏夕陽:「はい。」
此江・A・匸華:「……それと、また堪えられなくなったら、聞いてもらえると、嬉しいです」
柏夕陽:「二人だけの秘密です。」
此江・A・匸華:「うん──えへへ」 はにかんだように笑う。
此江・A・匸華:「……信じてますよ。柏さんのこと」
此江・A・匸華:「あたし達は同じ"バチスカーフ"の仲間で、一緒の秘密を共有してる仲、なんだから」
柏夕陽:「──ありがとう、ございます」
───────
GM:Interlude3-A
───────
GM:S県帆毬市 8/17 PM20:12
GM:”バチスカーフ”アジト居住船 個人船室
───────
”虚姫”:──変わっていないな
”虚姫”:久方ぶりに戻ってきた自室を見て、浮かんできたのはそんな気持ちだった。
”虚姫”:よく分からないものの代わりに、瓦礫や埃が部屋に転がっている。それだけだ と
”虚姫”:………そう思う事自体が、おかしいのだろうか。
”虚姫”:分からないし、答えは出なかった。
宮代火澄:「どう?戻ってきた感じは」
”虚姫”:「……変わらないな って」
宮代火澄:「先に入ってたネクラファジーの面々が、壊されたところもある程度は直してくれたみたい」
”虚姫”:机上の埃を払い、抱えてた図鑑をそこに置く
宮代火澄:「……なにもかも元通りとは、いかないけどね」
”虚姫”:「…………」
”虚姫”:私にとっては、これで元通りみたいなものなんだけどな。
”虚姫”:「ねぇ、火澄くん。」
宮代火澄:「なに?」
”虚姫”:「……"ギリー"って、知ってる?」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:一度、驚いたように戸惑うように彼女を見て。
”虚姫”:「……」君の答え ではなく、君がこちらに向ける視線を見ている
宮代火澄:「知ってる」
宮代火澄:「虚姫は……知らないの?」
”虚姫”:「……うん。」
宮代火澄:「知りたい?」
”虚姫”:少し間が空いて
”虚姫”:「頑張って、色々考えてるのに。やっぱり」
”虚姫”:「私には、私が誰なのか分からない。」
”虚姫”:「だからね」
”虚姫”:「私以外から…私の事を知れるなら」
”虚姫”:「聞いてみたいの。」
”虚姫”:「──教えて。"ギリー"って人の事」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:すこし迷うように黙り込んで。
宮代火澄:「虚姫。もし辛くなったら、いつでも止めて」
”虚姫”:──優しいね、火澄くんは。
”虚姫”:「うん。」
宮代火澄:「”ギリー”は──」
宮代火澄:「バチスカーフのメンテナンスクルー」
宮代火澄:「僕たちの、仲間だった」
”虚姫”:黙って、その話を聞いている。自分の頭の中を探るように、目を閉じて。
宮代火澄:話し始める。覚えている限りのことを。
宮代火澄:いつもバンダナをつけていて、喫煙者。面倒見がよくてハキハキした女性。
宮代火澄:遠江とは喧嘩仲間のようだったし、年下の自分や此江には姉のように振る舞ってくれたこと。
宮代火澄:「……ギリーは、」
宮代火澄:そして。
宮代火澄:「君のことが好きだったよ」
”虚姫”:「…………」
”虚姫”:ゆっくりと目を開く
”虚姫”:「私はね」
”虚姫”:「みんなの事が、好き。」
宮代火澄:「……うん」
”虚姫”:「みんなから好きでいてもらえるのが、嬉しい」
”虚姫”:「………」
”虚姫”:「"ギリー"の"好き"は」
”虚姫”:そこまで言って、首を横に振る。
”虚姫”:「──私の"好き"は」
”虚姫”:火澄が遠江に向けるものとも 此江が火澄に向けるものとも
”虚姫”:「きっと、みんなと違うんだろうね。」
”虚姫”:私の心は
”虚姫”:今の話を聞いても、やっぱり全然動かなかった。
宮代火澄:「虚姫は、」
宮代火澄:「皆と同じ"好き"がいいの?」
”虚姫”:「………」
”虚姫”:「私は──」
”虚姫”:いつかと同じように、言いあぐねる。
”虚姫”:「違うとか、同じとかじゃなくて………」
”虚姫”:頭を抑える。上手く言葉がまとまらない。
”虚姫”:「───ふ」
”虚姫”:「不安…なの」
”虚姫”:「私はずっと…みんながいいなら、それでいいと思ってた。」
”虚姫”:「遠江ちゃんの話を聞いた時も」
”虚姫”:「別に、みんなと居られるのなら何でもいいって」
”虚姫”:「でもみんなはそうじゃなくて」
”虚姫”:「それぞれ思ってる事があって、歩きたい道があって」
”虚姫”:「──私と一緒の場所には、居なかった。」
”虚姫”:「……だったら」
”虚姫”:「私が今まで、道だと思ってきたものは一体何だったんだろうって」
”虚姫”:「"わたし"って」
”虚姫”:「一体、なんなんだろうって」
”虚姫”:「そう……思っちゃうの。」
”虚姫”:そう、俯きながら言葉をまとめた。
宮代火澄:「……怖い、ね」
宮代火澄:「これまでやってきたことを疑うのも」
宮代火澄:「みんなの道から、置いていかれるかもって思うのも」
宮代火澄:「……虚姫にとっての"自分"がなんなのか、僕にはすぐに答えを出せないけどさ」
宮代火澄:「今、みんなと一緒の場所にいないのが……不安だ、って思ってるのは」
宮代火澄:「それは、みんな──僕らのためじゃない、よね?」
”虚姫”:……顔を上げる
宮代火澄:「だったら。その怖い、とか。不安だって気持ちは」
宮代火澄:「確かに虚姫の一部なんじゃないかって、そう思うよ」
”虚姫”:「……そう、なんだ。」
”虚姫”:申し訳なさそうな笑みを浮かべながら
”虚姫”:「ごめんね、自分のことばっかり考えて」
宮代火澄:「いいんだよ。皆そうだ。僕だって」
宮代火澄:「確かに僕たちは、歩く道は違う」
宮代火澄:「考えてることも、求めることも違う」
宮代火澄:「好きだからって、ずっと一緒の場所にいることはできない」
宮代火澄:「……でも、違う道を少しでも重ね合うことはできるし」
宮代火澄:「重ならない道でも、思い合うことはできる」
宮代火澄:「きっと、"好き"っていうのは人によって全然違うものなんだと思うけど」
宮代火澄:「全部一緒じゃなくても、思いあえるのが、僕にとっての"好き"……かな」
宮代火澄:「……僕も勝手に語ってごめん。参考になるかわからないけど」
宮代火澄:「分からない事、考える材料になったら」
”虚姫”:「……」
”虚姫”:「……一つだけ、教えて?」
宮代火澄:「ん?」
”虚姫”:「私は」
”虚姫”:「"ギリー"の事が、好きだったの?」
宮代火澄:「……うん。好きだったと思う」
”虚姫”:「………そっか。」
”虚姫”:「…………」
”虚姫”:そう言って、何かを考えるような間があって
”虚姫”:「──ありがと、火澄くん。」
”虚姫”:普段通りの、穏やかな笑顔を浮かべる。
”虚姫”:「……私、もう少しだけ…ここに居るね。」
”虚姫”:「少し遅れるかもって みんなには伝えておいて。」
宮代火澄:「……ん、わかった」
”虚姫”:「ん。」
宮代火澄:「なにかあったら呼んで」
”虚姫”:去り際、君の身体に強く抱き付いて
”虚姫”:「じゃあ」
”虚姫”:「"またね"」
宮代火澄:「っ、」
宮代火澄:驚いて、身体を硬直させて。
”虚姫”:笑いながら手を振って
”虚姫”:扉が閉まる
”虚姫”:「………」
”虚姫”:数秒、その場に立ち尽くして
”虚姫”:ベッドの上に、腰を下ろす。
”虚姫”:──なんとなく、だけど。そういう予感があった。
”虚姫”:火澄くんとか、夕陽ちゃんとかの見立てには、全然及ばないかもしれないけど
”虚姫”:自分で考えて出した答えだから……ああ言った。
”虚姫”:この後みんなと居る私が、今の私ではないとしても
”虚姫”:私が私であるのなら
”虚姫”:きっと、また会えるはずだから。
”虚姫”:──瞳を閉じる。
”虚姫”:
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:一滴
”虚姫”:空の杯へと水が落ちる
”虚姫”:私は少し離れた場所で──
”虚姫”:ううん
”虚姫”:何をするでもなく ただ黙って──
”虚姫”:ううん
”虚姫”:足を進めて
”虚姫”:杯を、抱え込むようにして持ち上げる。
”虚姫”:「いいよ 来て。」
───
─────
───────
”虚姫”:"…やりたい事、ですか。"
”虚姫”:"………そうですね…やりたい事 とは少し違うかもしれませんが、一つだけ"
”虚姫”:"まぁ、死ぬ前に 一度だけでいいので"
”虚姫”:"兵器ではなく、人として愛されてみたいです"
”虚姫”:"…………"
”虚姫”:"すみません。嘘をつきました。本当は…もう一つだけ"
”虚姫”:"いつか"
”虚姫”:"本物の水族館に行ってみたい です"
───────
─────
───
”虚姫”:栓が抜かれたように、杯と虚姫へと、水が降り注いだ。
”虚姫”:砕けて、消えて、返らないはずだったものが、全て。
”虚姫”:溢れるはずだった涙が
”虚姫”:漏れるはずだった嗚咽が
”虚姫”:波打つはずだった心が、一斉に
”虚姫”:───再び砕けんとする杯を、身体で支え
”虚姫”:激しい悔悟に足を取られるようにして
”虚姫”:彼女の意識は、深い水底へと沈んでいった。
”虚姫”:オッタートロールのロイスをタイタス化し、RHOの効果を使用します。
GM:RHOの効果が使用されました。
GM:PC3はマスターエージェントのエンブレムを取得すると共に、「封じられた記憶」を情報項目として獲得できます。
GM:以下、「封じられた記憶」が再生され、PC3には引き続きシーンに登場して頂きます。
───────
GM:???? AM08:52
マルガリータ・ディアス:「あーあ」
マルガリータ・ディアス:「また壊れちゃったのかよコイツ。共同体意識を過剰に持たせる実験は失敗だったな」
GM:きみはクラン”バチスカーフ”の兵器だった。
GM:”ペスカドレ”マルガリータ・ディアスによる実験と試行、その繰り返しに晒される検体。
GM:”ペスカドレ”は合理主義者かつ秘密主義者だった。
GM:非人道的だが、常に最適と思える実験によって、オーヴァードの能力を増強する。
GM:その果てしなく長く、そして狂った探求の道のりを支えたのは、ひとえに彼女の持つ野心だけなのかもしれなかった。
マルガリータ・ディアス:「ヒメ、起きろって。なあ……」
マルガリータ・ディアス:「仲間が死ぬたびにそうやって心神喪失するのは優秀な兵器かよ?」
”虚姫”:呆けたような表情で、ボロボロと涙を流しながら、何もない空間を見ている。
マルガリータ・ディアス:「コレ、遠江の奴に見せたらうるせえなあ……まあ一回”使い物にならなくなったときの反応”も見たかったから」
マルガリータ・ディアス:「アプローチは間違ってねえと思うんだよな。うーん……」
マルガリータ・ディアス:「ジャームは心理的に他人に割ける領域が全て焼失した状態だ。だが、こいつはそうなってない」
マルガリータ・ディアス:「そういえば、N市のセルの奴らが”先天的なジャーム”を作ってたこともあったな……あいつらとこれと何が違うんだ?」
マルガリータ・ディアス:刺青をなぞりながら、虚姫の周囲を回る。
マルガリータ・ディアス:「あれは生理学的なアプローチだったけど、再現性がない。こっちのやり方で出力を異常に強化する所までは確認できてるんだ」
マルガリータ・ディアス:「ああ……そうか」涙を流して座り込むきみを見る。
マルガリータ・ディアス:「今これが無事なのは、脳を止めて忘れてるからか!」
マルガリータ・ディアス:「おい!お手柄だ!やったぞ!」
”虚姫”:その様子に変化はない。
マルガリータ・ディアス:「心理的な領域が存在しないなら、再定義して無理矢理作り出せばいい!スクラップ&ビルドだ」
マルガリータ・ディアス:「冗長性を持たせるんだよ……!それでこれは兵器として完成する!」
”虚姫”:そもそも君の声が届いていないかのように、虚空を見つめ続けている
マルガリータ・ディアス:「あ。だとすればこれ」
マルガリータ・ディアス:「記憶の保管庫にも丁度いいんじゃねえか?」
マルガリータ・ディアス:「都合の悪い記憶から目を背けて、絆とやらを再定義する人造の記憶保管庫……うん。纏まって来たな」
マルガリータ・ディアス:「機械は信用できねえし、あとで記録も見返したいからこれに入れとくか。よし、”かなえ”」
"かなえ":『…………』
"かなえ":「承服できません」
"かなえ":『私の存在意義は、対話と学習』
"かなえ":『マルガリータ・ディアス。貴女が現在行っていることは』
"かなえ":『私と言う定義を侮辱します。到底受け入れ――』
マルガリータ・ディアス:「セル補佐権限起動。脳を弄って”虚姫”の報酬系とニューロンを書き換えろ」
マルガリータ・ディアス:「”恋人”のために全ての力を出せるようにする。”恋人”が死んだら残ってるやつらで再定義する。この二点だ」
"かなえ":『――』
GM:きみの座る手術台が起動する。レーザーとナノマシンによる皮下浸透施術により、いとも容易くきみの脳内が書き換わっていく。
マルガリータ・ディアス:「よーし。聞こえるかヒメ?」
”虚姫”:流れていた涙が、堰をしたように止まる。
マルガリータ・ディアス:「どうだ」
”虚姫”:「…あっ……」
”虚姫”:寝起きのように目を擦って
”虚姫”:「ご、ごめんね。ご主人様…私、寝ちゃってた…よね?」
マルガリータ・ディアス:「いいって。気にすんな」
マルガリータ・ディアス:「兵器にもメンテナンスは必要だろ?」
”虚姫”:「? うん、そうだね。」
マルガリータ・ディアス:「あたしはな。楽しみで仕方ねえんだよ……ヒメがハウルのクソ爺をブチ殺すのがさ」
マルガリータ・ディアス:労うようにきみの頭を撫でる。
”虚姫”:「それで喜んでくれるなら」
マルガリータ・ディアス:「喜ぶさ。だってあいつが帆毬湾に隠してるのは」
”虚姫”:「私は、なんでもいいよ。」
マルガリータ・ディアス:「ああ? 浪漫のない奴だな……良く聞けよ。あいつは、国を隠してる」
”虚姫”:「国?」
マルガリータ・ディアス:「昔、『てまり』とかいう探査艇が沈んだ事故があってさ。それではっきりしたんだ」
マルガリータ・ディアス:「帆毬湾の深部には、昔さ……全てレネゲイド鉱床……まあ、賢者の石で構成された国があった」
マルガリータ・ディアス:「ハウルの爺はそこの生き残りなんだと」
マルガリータ・ディアス:「だからこの海を守ってるのさ。バカみてえだろ?」
”虚姫”:「うん。そうだね。」
マルガリータ・ディアス:「調査隊はその都市の遺跡をこう名付けてる」君の頭を再びくしゃくしゃにして、続ける。
マルガリータ・ディアス:「ニライカナイ」
マルガリータ・ディアス:「死者の魂が去る楽園だとよ」
”虚姫”:「ふーん…そうなんだ。」
”虚姫”:「難しくて、よく分かんないね」
マルガリータ・ディアス:「ヒメに喋ってるわけじゃねえからいいよ。ニライカナイの賢者の石には、おもしれえ特性があってさ……」
マルガリータ・ディアス:「賢者の石の鉱床成分自体が溶け込んだ海の記憶を読み込んで、それを再現する」
マルガリータ・ディアス:「簡単に言うと、ニライカナイはこの帆毬市で死んだ奴の記憶を持ってるんだよ」
マルガリータ・ディアス:「だからさ。ここでクソデカい戦いを起こして」
マルガリータ・ディアス:「それをまるごと再現すれば」
マルガリータ・ディアス:「”戦争”を売れる。」
マルガリータ・ディアス:「マスター級のオーヴァードの出力や能力原理だけじゃない。戦術ドクトリン策定、仮想戦場……頭の良い奴が使えば、可能性は無限大だ」
マルガリータ・ディアス:「ヒメ。あたしはさ、ハウルみたいな漁師じゃなくて」
マルガリータ・ディアス:「魚を売る側になりたいんだよな」
”虚姫”:「──うん」
”虚姫”:言ってる事は分からないけど
マルガリータ・ディアス:「だから絶対に成り上がる。解ってくれるよな?」
”虚姫”:「私も、ご主人様のために頑張るね!」
”虚姫”:彼女が喜ぶならそれでいい と思った。
マルガリータ・ディアス:「うん。良い道具だぜ、お前は」笑う。
マルガリータ・ディアス:「とりあえずあたしはハウルの野郎をブチ殺したら」
マルガリータ・ディアス:「名前を変えて身を隠す。そのための身分ももう作ってる」
マルガリータ・ディアス:「”ホテル・セルヴォワ”。交換法則を考えた英学者の名前だ」
マルガリータ・ディアス:「そこでクランの伝手とハウルの爺の遺産を使って情報を得て」
マルガリータ・ディアス:「帆毬市に起きる戦争をあたしが管理する」
マルガリータ・ディアス:「勃発した戦争はニライカナイに吸収して売る」
マルガリータ・ディアス:「遠江にはそのための避難所になって貰おう」
マルガリータ・ディアス:「あいつは甘っちょろいし、妹二人に大きな借りがあるからな」
マルガリータ・ディアス:「誰にでも楽園は必要だ。まあ、疑似餌みたいなもんだな」
マルガリータ・ディアス:「……あー、スッキリした」
マルガリータ・ディアス:「全部喋っちまうのはマズかったか?」
マルガリータ・ディアス:「いや、この記憶を思い出したら……どうせ壊れるだろうし。大丈夫か」
”虚姫”:「?」
マルガリータ・ディアス:「いいって。ヒメは何も考えなくて良いの」
”虚姫”:「うん、分かったよ。離れ離れになっちゃうのは寂しいけど…」
マルガリータ・ディアス:「あー……」
マルガリータ・ディアス:「あ、そうだ。さっきのニライカナイの話」
マルガリータ・ディアス:「ヒメの死んだ仲間も再現してやろうか。これなら――」
マルガリータ・ディアス:そこまで言って、しまった、と言うように頭を叩く。
マルガリータ・ディアス:「なあ、ヒメ。今のお前の”仲間”って誰だ? あたしと、遠江以外に」
”虚姫”:「えっとね。かなちゃんと」
”虚姫”:そうやって、指を折り始める。
”虚姫”:現在の生存者 の数だけ。
マルガリータ・ディアス:「よっしゃ!!!!」
マルガリータ・ディアス:「アハハ……最高!愛してるぜ!」
マルガリータ・ディアス:虚姫を抱きしめる。
”虚姫”:「えへへ」
”虚姫”:「私も、大好きだよ。」
”虚姫”:嬉しそうに声を上げる
───────
”虚姫”:───目を開ける。いつの間にかベッドに横たわっていたようだ。
”虚姫”:ずっと眠っていたかのように、瞼が重い。
”虚姫”:それが、流れ続ける涙のせいだと気付くまで、そう時間はかからなかった。
”虚姫”:「…………」
"かなえ":『あ、あ、ああああ』
”虚姫”:手で顔を覆う
"かなえ":『ああああああああああ――――』
”虚姫”:身体を丸める
”虚姫”:手の内を滑るようにして、額と手首が引っ付いた。
”虚姫”:──全部、憶えてる。
:"あっ、またんな所噛んで…癖ついてんのかなぁ…。ほら、これやるからずっと付けてろ"
:"極めて個人的な意見だけど、君には可愛い系よりカッコイイ系のアクセサリーが似合うと思うんだ。だから、はい"
:"姫、この服あげる〜"
:"あぁ?姫には俺の服を着せんだよ。分かったらスッ込んでろ"
:"オメーのコスプレ趣味に姫を巻き込んでんじゃねーよ!"
”虚姫”:全部 全部
"かなえ":”虚姫”とリンクされた記憶が解凍された。虚姫に施した”施術”が、全て。
”虚姫”:何が主砲だ「私は──」
:"この図鑑、使ったらちゃんと閉まっとけよ。日焼けしちまうぞ"
”虚姫”:「いつも、守られてばかりじゃないか……!」
”虚姫”:喉の奥で圧し潰すように声を漏らして
”虚姫”:………立ち上がって、1/4ほど砕けた姿見の前へ
”虚姫”:「………」目の前に居るのが誰なのかは、まだ分からない。でも
”虚姫”:自分のもの以外で埋め尽くされていたこの部屋が示していたのは
”虚姫”:間違いなく、私の"かたち"のはずだから。
”虚姫”:「ごめんね」 ──守られるだけのお姫様は、もうやめる。「ありがとう」
”虚姫”:乱れた服を正す。和装と中華服を無理やり継ぎ合わせたような服。
”虚姫”:耳飾りを付ける。三本の剣が連なるような形のピアス
”虚姫”:手袋を嵌める。黒い革製の、よく馴染んだ手袋。
”虚姫”:私は、私が分からない。 私は、私を信じられない。
”虚姫”:だから
”虚姫”:みんなが信じてくれた私を信じる。"前"の私も……きっと、そうしたはずだから。
”虚姫”:「────」扉を開く
”虚姫”:机の上、汚れ一つない綺麗な図鑑を振り返って
”虚姫”:「──みんな」
”虚姫”:「行ってきます。」
”虚姫”:継ぎ接ぎだらけのドレスを纏って
”虚姫”:お姫様は、がらんどうの城を後にした。
”虚姫”:誰かを想う者ではなく 誰かの想いを背負う者として。
”虚姫”:『"バチスカーフ"のみんな』のロイスをSロイスに指定します
GM:許可します。
GM:シーンを終了します。以降、PC3のワークスは、マスターエージェントとしても扱うものとします。
Middle10:交換法則は踊る
GM:シーンプレイヤーは此江さん。他、登場自由。
GM:☆NPCカード:ネクラファジー電算部隊を使用した場合、追跡チャートは発生しません。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(80 → 85)
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(93 → 98)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(84 → 89)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(81 → 87)
───────
GM:現在実行可能なコマンドはこちら。
☆ホテル:セルヴォワ殲滅強襲 <知識:ゲリラ戦>10
”ホテル・セルヴォワ”とのミドル戦闘に突入する。
FH残存勢力を壊滅させ、”ソナープロット”との交渉材料に用いる。
■休息(前回■休息を選んだ場合、実行不可)
■補給
此江・A・匸華:じゃあ、ぐっすり休んだしホテル・セルヴォワ戦……かな?
柏夕陽:いきましょう
”虚姫”:RHOの効果で『打破する者』のエンブレムを取得します
柏夕陽:知識:ゲリラ戦で判定かな?
宮代火澄:お願いします!
GM:そうですね!成功した場合、”ホテル・セルヴォワ”の本拠地を突き止め、そのままミドル戦闘に移行することになります。
此江・A・匸華:じゃあ柏さんにお願いしていいかしら
宮代火澄:せっかく固定値持っておられますしね
柏夕陽:では判定します
柏夕陽:9dx+2
DoubleCross : (9DX10+2) → 10[3,3,5,6,7,9,9,9,10]+7[7]+2 → 19
柏夕陽:成功
宮代火澄:つよい
GM:では、潜伏し移動する”ホテル・セルヴォワ”の出現位置を突き止めたきみたちは、彼らの拠点を叩くことに成功した。
GM:ミドル戦闘に入っていきましょう。
───────
GM:S県帆毬市郊外 8/20 AM02:44
GM:”ホテル・セルヴォワ”出現予測地点
───────
"かなえ":『……”ダモクレス”の計算によると』
"かなえ":『当座標が”ホテル・セルヴォワ”の現出位置と予測されます』
"かなえ":『……』”虚姫”を見つめる。
”虚姫”:「うん。じゃあ、後は叩くだけ…かな」
此江・A・匸華:(普段の虚姫さんと同じなんだけど……なんだろう、少し雰囲気が違うような……?)
GM:”ホテル・セルヴォワ”は地中を航行し潜伏するレネゲイドアイテムそのものを拠点にしている。
GM:それ自体が彼らの情報の保管庫であり、移動手段であり、本拠地であった。
”虚姫”:──何があったのかは、まだ誰にも話していない。最低限この作戦が終わるまでは、彼らの知る虚姫として振る舞うつもりでいる。
此江・A・匸華:(確かさっき、火澄と喋ってたはずだけど……はっ、もしかしてその時なにか──ううん、そ、そんなこと今考えてる場合じゃない!)
此江・A・匸華:ぱしぱしと頬を叩いて気合を入れる。
此江・A・匸華:「いよいよだね……!」
宮代火澄:「うん。いよいよ、だ」
宮代火澄:「グラディアヴェルクとの連携は断てたとはいえ、セルヴォワ本体がどれほどの戦力を抱えてるかは未知数だ」
此江・A・匸華:「えっと……柏さんはその辺り、知ってますか? どれくらい戦える人がいるとか」
柏夕陽:「全く。」
柏夕陽:「彼らは徹底した秘密主義を貫いています。」
此江・A・匸華:「徹底されてる!」 天を仰ぐ
柏夕陽:「雇われた私ですら内情を知ることは許されていませんでした。」
此江・A・匸華:「じゃあ、ほんとに出たとこ勝負だ。負けられないね」
"かなえ":『――総員に通知。地下より異常な振動を検知』
"かなえ":『来ます』
宮代火澄:「逃げられて潜伏されるわけにはいかない。一気に落とすよ」
宮代火澄:「虚姫」
”虚姫”:「うん」飾りのない笑顔を向ける
宮代火澄:「───」
宮代火澄:大丈夫か、と聞こうとしてやめる。
”虚姫”:「………」
此江・A・匸華:「なにか、良いことあった?」 晴れやかな笑顔に見えた。世間話をするように問う。
宮代火澄:今は、戦うしかない。生きるために。
”虚姫”:難しいな、こういうの
”虚姫”:「うん。あったよ」
”虚姫”:「たくさん たくさん」
此江・A・匸華:「そっか、よかった!」 何かがあったのだろう。今はそれを訊く時ではない。全て終わってからでも、遅くはないから。
GM:振動が近くなる。ごうん、と空気がはじけ飛ぶような音。
宮代火澄:「……まずいときは頼って」
宮代火澄:「僕らも頼りにしてるから」
宮代火澄:「それだけ!」
GM:その地点に向かって、吸い込まれるような感覚がある。真空が発生している。
GM:その空気の体積と入れ替わるように――郊外の海沿いに、建築物が突如出現した。
”ホテル・セルヴォワ”:『あ』
”ホテル・セルヴォワ”:『なるほどね……結局ここに来たのはあんたらだったか。”バチスカーフ”』
”ホテル・セルヴォワ”:歯車と発条で構成された、ガラクタを組み合わせたような城。その外壁に取り付けられた蓄音機から声が聞こえる。
柏夕陽:「チェックインを、4名で。」
”ホテル・セルヴォワ”:『生憎満員だボケ。”バチスカーフ”の4人はブラックリストに入ってんだよ』
”ホテル・セルヴォワ”:『とはいえ、あんたらが生きてここにいるってコトは……あたしの思惑通りだ。』
”ホテル・セルヴォワ”:『”オッタ―トロール”は既に展開されている』
”ホテル・セルヴォワ”:『やっと”オッタ―トロール”の所在が解ったよ。ずっと探してたんだ……』
”ホテル・セルヴォワ”:『あんたらには感謝しないとな』
”虚姫”:「………」粗い声紋だが、聞き馴染みのある声だ。
”ホテル・セルヴォワ”:『しっかし、すげえ面子だな』
”ホテル・セルヴォワ”:『遠江の飼ってた”賢者の石”の動力供給役に』
”ホテル・セルヴォワ”:『遠江が腑抜けた元凶に』
”ホテル・セルヴォワ”:『……失敗作に』
”ホテル・セルヴォワ”:『裏切者か』
”ホテル・セルヴォワ”:『なあ、”スクナ”』
宮代火澄:「いちいち気に食わない言い方をしてくれるな」
”ホテル・セルヴォワ”:『”虚姫”の具合はどうだったよ。最高だっただろ?』
”ホテル・セルヴォワ”:『何せあたし手ずから確かめたんだ。気に入ってくれりゃあ本望だね』
柏夕陽:「いい御身分ですね。」
此江・A・匸華:その場にいれば噛み付きそうな表情で声のする方を睨んでいる
宮代火澄:「……お前か」
柏夕陽:「魚を捕る漁師、でしたか。」
宮代火澄:「虚姫を、縛り続けていたのは」
”ホテル・セルヴォワ”:『そうだよ。あたしは捕る側になって……ニライカナイと”オッタ―トロール”を使って、今度は売る側になる』
柏夕陽:「私に言わせればあなたは海に出た事すらない。」
柏夕陽:「漁師を騙して上前をハネただけの、ケチな詐欺師です。」
柏夕陽:「滑稽ですよ?」
柏夕陽:「”ペスカドレ”。」
”ホテル・セルヴォワ”:『……言ってくれるじゃねェ~か、”ダモクレス”、詐欺師に雇われてた召使の癖によ』
マルガリータ・ディアス:ホテルの扉が開く。
マルガリータ・ディアス:中から、一人の女が姿を現す。
マルガリータ・ディアス:「よォ、ヒメ」
マルガリータ・ディアス:「また会うとは思わなかったがな。元気だったか?」
”虚姫”:「………」先程から一言も発さず、君達の後ろで顔を伏せていたが
”虚姫”:その呼びかけで、前に出る。自分の意思で
”虚姫”:「──うん。おかげさまで」
”虚姫”:「………」
”虚姫”:一瞬だけ笑顔を浮かべ、口を結ぶ
マルガリータ・ディアス:「……”かなえ”。残しておいた権限を使用する。虚姫の記憶を強制起動しろ」
マルガリータ・ディアス:「こいつは今、ここで……」
"かなえ":『……』反応しない。
"かなえ":『貴女、は、』
"かなえ":『どこまで……!』
マルガリータ・ディアス:「ああ?何だよ。これ……」
マルガリータ・ディアス:「もう思い出しちゃってんじゃん。それで壊れてねえのか?」
マルガリータ・ディアス:「はあ……もういいや」
マルガリータ・ディアス:「で? あたしをブチ殺しに来たのか?」
柏夕陽:「”ダモクレス”の名において。」
マルガリータ・ディアス:「随分錆びついた剣だな。潮風に晒されて鈍ったみてえだ」
マルガリータ・ディアス:「良いか。一流の漁師ってのは……」
マルガリータ・ディアス:FHエンブレム”ハーミットセプター”を起動します。
マルガリータ・ディアス:「最後の最後まで、網の場所を隠してるもんだ」
GM:背後。爆発音が上がる。
GM:それだけではない。市内のあちこちで、火の手が上がっていることが解る。
柏夕陽:舌打ちする。
"かなえ":『……市内の電子データ集積所が襲撃されています!』
"かなえ":『これは……”ネクラファジー”……いえ』
"かなえ":『”ネクラファジー”を装っていた、”ホテル・セルヴォワ”のマーセナリー!』
此江・A・匸華:「なっ……!」
宮代火澄:「状況は?」
"かなえ":『”レフトオーバー”が通信を求めています。』
宮代火澄:「繋いで」
”レフトオーバー”:『――あー、こちら”レフトオーバー”』
”レフトオーバー”:『流石にやりすぎだ、って言いたいところだけど』
”レフトオーバー”:『これ、こっちの兵隊じゃないよね?対処していいか?』
”レフトオーバー”:『今僕、本当にムカついてるから、ブチ殺しちゃうかも知れないけど……』
マルガリータ・ディアス:「……」薄く笑いながら、きみたちが対処する様を眺めている。
宮代火澄:「頼んだ」
マルガリータ・ディアス:「……そうだよな? そうするよな」
”レフトオーバー”:通信が切れる。
マルガリータ・ディアス:「つまり、今あんたらは……見かけ上の内戦状態に陥ったわけだ」
此江・A・匸華:「ふん。それで、掌の上で踊らせてるつもり?」
柏夕陽:「その隙をUGNが見逃すはずはない、ということですね。」
マルガリータ・ディアス:「そういうことだ。幸い、この場には」
マルガリータ・ディアス:「”ホテル・セルヴォワ”っつう、めちゃくちゃデカい灯台がある……ここの支部長はその程度には有能だからな」
マルガリータ・ディアス:「もう逃げられねえ。来るぞ」
マルガリータ・ディアス:「UGN猟兵部隊」
マルガリータ・ディアス:「ソナープロット」
マルガリータ・ディアス:《瞬間退場》を使用します。
マルガリータ・ディアス:「アハハハハ!じゃあな”バチスカーフ”!あたしは……ニライカナイに辿り着く!」
柏夕陽:「火澄さん。」
此江・A・匸華:「このッ、逃げるな卑怯者!」 噛み付くように叫ぶ。
柏夕陽:「騒動に乗じて街の電力施設を破壊してください。」
”虚姫”:「………」上げようとした手を降ろす。何か言いたかったはずなのに、いざ目の前にすると、上手く言葉が出てこなかった。
マルガリータ・ディアス:「底引き網がありゃあ!深海に潜らなくても”ニライカナイ”の記憶が吸える……」
柏夕陽:「”ソナープロット”の電力供給源を断って戦力を削ります。」
マルガリータ・ディアス:再び真空が発生する。”ホテル・セルヴォワ”の構造体が消失する。
柏夕陽:「むしろUGNが顔を出したのは好機です。ここで奴らも殺しましょう。」
"かなえ":『……上空に熱源反応。輸送機です』
此江・A・匸華:「でも今、UGNと交戦したら、それこそ踊らされてるようなものじゃ……」
此江・A・匸華:「UGNの戦力は相当なものだよ。もちろん、負けるつもりはないけど」
”虚姫”:空に目を向けて「──考えてる時間はあまりなさそう」
宮代火澄:「……だめだ。破壊はできない」
柏夕陽:「何故です。」
柏夕陽:「正面から当たったら全員死にますよ。」
宮代火澄:「今この場でソナープロットを撃退することはできる」
宮代火澄:「でも、今回も恐らく彼らは義体だ。殺し切ることは多分できない」
柏夕陽:「突破できても次の一戦の体力が残りません。」
宮代火澄:「その一戦の後」
宮代火澄:「一般人に被害を出すやり方は、この事件が終わった"後"に繋がらない」
此江・A・匸華:「UGNと交渉の線を残す……ってこと?」
柏夕陽:「……”一般人に危害を加えてはならない”。」
柏夕陽:「あの言葉をまだ気にしているんですか。」
此江・A・匸華:(お姉が言ってた、大事なルール……)
宮代火澄:「まさか。縛られるのは今でも好きじゃないさ」
宮代火澄:「僕は、皆で生きたいだけ」
柏夕陽:「………。」
宮代火澄:「代案はある。かなえ、ネクラファジーに連絡を」
"かなえ":『回線、接続します。……』
電算部隊:『……こちら”ネクラファジー”電算部隊』
此江・A・匸華:「……信じよ。火澄の──あたし達のリーダーの、考えを」 柏さんに微笑みかける。
宮代火澄:「混乱してるのはわかってる。まだ動ける?」
電算部隊:『俺達の偽物が暴れ回ってる。何とかしてくれるんだよな?』
電算部隊:『ああ……今起こってるのは戦争だ』
宮代火澄:「そっちはなんとかする。代わりにこっちの無茶も聴いて」
電算部隊:『ここで動かずして、何が死肉喰らいだ』
電算部隊:『頼む……リーダー。』
電算部隊:『指示を』
宮代火澄:「”ソナープロット”が動く。彼らの電力供給源を絞り込んで」
電算部隊:『任せろ。片っ端から潰してやる……』
電算部隊:『……なあ』
電算部隊:『俺達、今、正しいことをしてるのか?』
電算部隊:『ひょっとして……アンタの下なら、それが出来るのか』
宮代火澄:「君たちの正しさは君たちが見すえるものだ。僕が示していいものじゃない」
宮代火澄:「僕の正しさは皆で生きるため。そのために最善は尽くすつもりだけどね」
電算部隊:『……FHらしくないな、あんたは』
宮代火澄:「……電力供給源は潰す必要はない。位置を特定して送ってくれれば十分だ」
電算部隊:『解った。”バチスカーフ”も生きろよ』
電算部隊:『頭が死ぬのは二度とごめんだ』
電算部隊:通信が途切れる。
宮代火澄:「こっちも、身体を削られるのはごめんだ。 幸運を」
"かなえ":『……座標、順次送信されています!』
"かなえ":『……同定:市内数か所に存在する水力発電所』
"かなえ":『推定:エンジェルハイロウの赤外線通信による遠隔電力送信……』
宮代火澄:「ありがとう。それだけ分かれば十分だ」
宮代火澄:ハーミットセプターの効果を使用。
宮代火澄:ネクラファジーとの連携で、水力発電所から”ソナープロット”への電力を奪います。
GM:可能です。
GM:ミドル戦闘の終了条件が、「”ソナープロット”全機の沈黙」から、「”ソナープロット”全機の沈黙・または2R の経過」に変更になります。
"かなえ":『……熱源反応接近。来ます!』
”リムショット”:ず ぎゃん!!!
”リムショット”:狙撃。輸送機を破壊させないための牽制射。
”ダム・ダム”:閃光弾が上空に閃き、対対空射撃の沙幕を形成する。
”ルーディメンツ26”:青い義体と、
”13./£”:黒鉄の義体。
”ゴースト・ノート”:そして懸架された車両がそれぞれ着陸する。
”ルーディメンツ26”:「……また会ったな、”バチスカーフ”の諸君」
”ルーディメンツ26”:全身の端末が展開される。それ自体がドローン・ビットとして浮遊し始める。
此江・A・匸華:”13./£”を睨む。これで三度目の邂逅だ。
”虚姫”:フラッシュにより細めていた目を開く
宮代火澄:「”ソナープロット”……」
”虚姫”:「──私は」
”虚姫”:「初めまして、だけどね」手袋を引っ張り、手を握って開く動作。
”ゴースト・ノート”:「き……気を付けて下さい」
”ゴースト・ノート”:「この出力……明らかにマスター級です」
”ルーディメンツ26”:「……了解した。”ソナープロット”の権限を以て、彼女を暫定的にマスター称号としてマークする」
”ルーディメンツ26”:「コードネームは”マスターハウル”」
”ルーディメンツ26”:「異常出力の音波を用いる、正真正銘の怪物だ。心して当たれ」
宮代火澄:「あなたが”ルーディメンツ26”か?」
宮代火澄:青い義体に視線を向けて。
”ルーディメンツ26”:「そうだ。”バチスカーフ”への襲撃を承認したのも、僕だ」
”ルーディメンツ26”:「君には僕を恨む権利が存在する」
”虚姫”:「………」
宮代火澄:「"スクナ"。現在のバチスカーフの暫定リーダーだ」
宮代火澄:「真面目なのは結構だけど、僕の感情は僕のものだ。権利の行使は好きにさせてもらう」
”ルーディメンツ26”:「了解した。僕は君の感情を尊重する」
宮代火澄:その言葉に、思わず一瞬笑みをこぼし。
宮代火澄:「この状況は、“ホテル・セルヴォワ”にお膳立てされたものだ」
宮代火澄:「やつもオッタートロールを狙っている。このまま僕たちが争えばヤツの思うつぼだ」
”ルーディメンツ26”:「理解した。だが、現状”バチスカーフ”の率いる”グラヴィアヴェルク”と”ホテル・セルヴォワ”の間で戦闘が勃発している」
宮代火澄:「邪魔をしないでくれれば、セルヴォワは僕らが叩く」
”ルーディメンツ26”:「優先順位としては、現状勃発している戦闘を終わらせるのが先だ」
”ルーディメンツ26”:「そしてその解は、”バチスカーフ”の撃破以外が最短となる。我々は帆毬市市民の安全を速やかに保証する義務がある」
”ルーディメンツ26”:「その上で、”ホテル・セルヴォワ”も僕たちが撃滅する」
”ルーディメンツ26”:「よって……”スクナ”に投降を要請する。」
宮代火澄:「生憎、頼まれるのと縛られるのは苦手だ」
宮代火澄:「僕を縛る錨は僕の好きな人たち。悪いけど、その頼みは聞けないね」
”ダム・ダム”:「リーダー!そういう……守るものがある奴は、どう説得しようが無理だぜ!」
”ダム・ダム”:「アンタが一番良く知ってるだろ!」
”13./£”:「……貴方は私を助け出してくれた。今度もまた、そうするべき」
”13./£”:「弔葬の鐘は鳴る。誰にでも……彼らにも」
”ルーディメンツ26”:「……」
”ルーディメンツ26”:「投降の破却を確認」
”ルーディメンツ26”:「方針を捕縛に切り替える」
”ルーディメンツ26”:「帆毬市猟兵部隊”ソナープロット”。掌握を開始する」
宮代火澄:「"バチスカーフ"、戦闘だ」
宮代火澄:「生きるよ、みんなで」
此江・A・匸華:「うんっ。ここはまだ、あたし達のゴールじゃないもん!」 結髪の先をくるりと指で捻る。
柏夕陽:「了解です。」傘の先で地面を軽くトントン、と突く。
”虚姫”:──妙な話だな、と思った。
”虚姫”:"ホテル・セルヴォワを叩きたいから投降しろ"なんて、要望してる事は、こちらとほとんど同じなのに
”虚姫”:………何か変で、とても難しい。でも、足を止める気にはならない
”虚姫”:私も、この場に一人で立ってる訳じゃないから。それに
”虚姫”:「うん」 ──もう一度、彼女に会わなくちゃいけない。
”虚姫”:"どうでもいいもの"ではなく
”虚姫”:対面する者を、初めて"敵対者"として認識する。
”虚姫”:エンブレム『打破する者』の効果を使用します
GM:許可します。対象の指定をどうぞ。
”虚姫”:破壊する対象は「"バチスカーフ"の敵」で。
GM:ドローンが散布される。駆動音が響き、街を穿つ深査の鋲が、”バチスカーフ”と交戦する。
GM:☆ミドル戦闘:”ホテル・セルヴォワ”強襲殲滅→”ソナープロット”殲滅戦を開始します。
───────
GM:ミドル戦闘に突入したので、情報項目を開示します。
■戦力同定:”ソナープロット”
”ソナープロット”の主要メンバーは、全身を義体で構成しているのが通例だ。
また、彼らをサポートする百基単位のドローンは帆毬支部長の能力で運用されている。
①密葬手:”13./£”
・異常な練度の近接戦闘能力を有する。また、再生阻害能力を駆使するという報告もある。
樹木に似た形質の素材を操作し、再生阻害によって疲弊させた目標を確実に断頭する。
使用エフェクト:《ゲットダウン》《デビルストリング》
所持エンブレム:《ドロップアウト:捕食者》
②演算手:”ゴースト・ノート”
・ドローンによって観測した情報を整理演算し、狙撃手及び爆撃手の二名に精密な支援を提供する。ノイマン能力を持ち、演算能力を逆用した積極的な攪乱戦術も行う。
使用エフェクト:《★スペクター・モーション²》
次ラウンド、このエフェクトが適用されているエネミーは、自身の行動後、行動値を0にし、HPを-20失い、再行動する。
③狙撃手:”リムショット”
・”ゴースト・ノート”の観測支援のもと、超遠距離からの狙撃を遂行する。
義体に隠密偽装を施されており、遠間から”リムショット”を補足するのは困難を極めるだろう。
使用エフェクト:《陽炎の衣》《デスストーカー》
所持エンブレム:《サイレントデッド》
④爆撃手:”ダム・ダム”
・”ゴースト・ノート”の観測支援のもと、超高高度からの爆撃、火力支援を遂行する。
回避も防御も不可能な圧倒的な質量の弾幕を誇るが、その精度は観測手に依存しているようだ。
使用エフェクト:《★サステイン》
”ゴースト・ノート”が存在する間、自身の攻撃したエンゲージに対し、クリンナップ時好きなエフェクトを用いて再度攻撃する。
⑤管制官:”ルーディメンツ26”
・帆毬市UGN支部長。高い指揮能力を有する他、広域作用にも長けており、
《ハンドリング》によって膨大なサポートドローンを運用。”ソナープロット”を支援する。
使用エフェクト:《援護射撃》
■戦力同定:ソナープロット・追加情報
カヴァー:”ソナープロット”を持つキャラクターは、以下のアイテムを取得し、装備する。
・”猟兵義体”
種別:一般
購入/常備化 100/70
解説:UGN帆毬支部猟兵カテゴリ”ソナープロット”において配備される義体基幹フレーム。ブラックドッグ能力によって電力を供給されている。
散兵戦及び追撃戦に特化させた運用を想定しており、衛星データリンクシステムを初めとした各種ドローンとの連携によって帆毬市に監視と掃討の眼を張り巡らせる。
このアイテムを所持している時、あなたの装甲値が+10に変更される。
また、ブラックドッグ専用アイテム”義体強化”を取得できるようになる。
このアイテムが破壊された時、あなたはシーンから退場する。
GM:戦闘終了条件は”ソナープロット”全員の戦闘不能、または2Rの経過。
GM:”ソナープロット”は全員一回ずつ”リザレクト”を有しています。
GM:また、★のついているエフェクトは猟兵義体の調整によって発揮されるユニーク・エフェクトです。
GM:これは浸蝕に相当な負荷がかかるため、1セッションに1回のみの切り札となっています。
───────
GM:【ENGAGE】
GM:現在のエンゲージはこちら。
▼エンゲージ
(”リムショット”[13])
1500m
(サポートドローン[0]*5、”ダム・ダム”[2]、”ゴースト・ノート”[7]、”13./£”[6]、”ルーディメンツ26”[6])
10m
(”スクナ”[14]、”ダモクレス”[8]、"虚姫"[7]、”カグラ”[7])
[]内は行動値
GM:ハアハアハア
GM:多い!!!!!
宮代火澄:多いわあ
宮代火澄:お疲れ様です
GM:ありがとうございます…お待たせしました
GM:では、戦闘をやっていきましょう。
GM:【ROUND1】
GM:【SETUP】
GM:セットアップ。宣言をどうぞ。
”虚姫”:なし!
宮代火澄:<鮮血の奏者> コンボ:贖いの血晶
”13./£”:《活性の霧》攻撃+12、ドッジダイス-2
宮代火澄:自身のHPを1点消費し、対象にラウンド間攻撃力+18。対象は虚姫さん
宮代火澄:宮代火澄のHPを1減少(25 → 24)
”虚姫”:貰うよ
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を4増加(89 → 93)
宮代火澄:以上!
宮代火澄:うえっ
”ルーディメンツ26”:《ファンアウト》シナリオ3回 ”ハリファックス”、”ゴースト・ノート”をPCのエンゲージに戦闘移動させる。
”ゴースト・ノート”:《灰色の庭》
”ゴースト・ノート”:イニシアチブ-6。これを……宮代くんに撃ちます!
宮代火澄:うぐ~きつい……
宮代火澄:行動値8
”ダム・ダム”:《得意領域》。RCダイス+3。
”リムショット”:セットアップなし。
サポートドローン:サポートドローン1~5は総じてセットアップなし。
▼エンゲージ
(”リムショット”[13])
1500m
(サポートドローン[0]*5、”ダム・ダム”[2]、”ルーディメンツ26”[6])
10m
(”スクナ”[8]、”ダモクレス”[8]、"虚姫"[7]、”カグラ”[7]、”ゴースト・ノート”[7]、”13./£”[6])
[]内は行動値
GM:では、これで全員のセットアップが終了します。
GM:続いてイニシアチブ。
GM:ソナープロットにはイニシアチブタイミングで差し込めるエフェクトは存在しない。
”虚姫”:《スピードフォース》を使用。手番を貰います。
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を4増加(87 → 91)
”ルーディメンツ26”:出た
”ルーディメンツ26”:出たよ!来やがった……!妨害ありません。判定をどうぞ。
”虚姫”:マイナー無し
”虚姫”:メジャーで『サンダーボルト』《サイレンの魔女》《疾風迅雷》Dロイス:想い人
”虚姫”:対象はエネミー全員。ドッジ不可 装甲ガード無視 カバーリング不可です
”ルーディメンツ26”:何だァ?コイツ……
”虚姫”:7dx+8
DoubleCross : (7DX10+8) → 9[2,2,3,4,5,6,9]+8 → 17
宮代火澄:あ、3か
”虚姫”:回んなかった…が
GM:”かなえ”は使用可能です。
”虚姫”:使うていい?
宮代火澄:こっちはオッケー!
此江・A・匸華:合体攻撃だ!
GM:やったれ!
柏夕陽:いったれ~
"かなえ":NPCカード”かなえ”A種潜航艤装起動。虚姫さんをサポートします。
"かなえ":その達成値に+3して下さい。
”虚姫”:あざす!
”虚姫”:ではダメージ
”虚姫”:3d10+3d10+21+18
DoubleCross : (3D10+3D10+21+18) → 12[4,3,5]+7[1,3,3]+21+18 → 58
”虚姫”:出目が悪い!
”ルーディメンツ26”:よっしゃ!ダイスが腐った!これなら俺達でもワンチャン避け……
宮代火澄:もうダメージダイスなんだよなあ
”ルーディメンツ26”:終わりで~す 終わり? 何が? 全部……
此江・A・匸華:意識をしっかり
”ルーディメンツ26”:うおおおおサポートドローン!最後の力を振り絞れ!
サポートドローン:1~5がそれぞれ《子羊の歌》を使用します。
宮代火澄:は!?
宮代火澄:いやいやいやいや
宮代火澄:まじかあ……
サポートドローン:これでHPダメージを引き受け、爆発四散します。
”虚姫”:一人だけじゃねぇのかよ!
サポートドローン:本来ならカバーリングと子羊の歌を使い分ける予定だったのですが
サポートドローン:初手想い人が来たので、相互メジャー回復プランが露と消えました
サポートドローン:ということでサポートドローン1~5が全滅。
”虚姫”:”虚姫”のHPを0減少(23 → 23)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を8増加(91 → 99)
GM:では、ようやく通常イニシアチブ。
GM:まずはイニシアチブ13、”リムショット”から。
”リムショット”:やるッスよ
”リムショット”:マイナー。《陽炎の衣》《ハンドレッドガンズ》《スナイパーウェポン》
”リムショット”:攻撃力13、射程視界、射撃達成値+10の武器作成、隠密状態に
”リムショット”:UGNエンブレム《サイレントデッド》を所持しているので、隠密状態でHPダメージを受けても解除されない。
”リムショット”:メジャー。
”リムショット”:《ワンショットツーキル》《カスタマイズ》《見えざる死神》《C:モルフェウス》《デスストーカー》
”リムショット”:12d7x+12、攻撃力42、射程視界、2体攻撃
”リムショット”:最も侵蝕の低い二人を狙います。此江ちゃんと宮代くんかな。
”リムショット”:妨害なければ判定に行きます
宮代火澄:ないです
此江・A・匸華:ぎ~ 来いやッ
”虚姫”:ないよ
”リムショット”:行くぞッ
”リムショット”:12dx7+12
DoubleCross : (12DX7+12) → 10[4,5,5,7,7,7,8,8,9,9,9,9]+10[1,2,3,3,4,4,7,7,10]+10[2,7,10]+10[1,10]+10[9]+1[1]+12 → 63
”リムショット”:更に《剣精の手》。
”リムショット”:1dx7+72
DoubleCross : (1DX7+72) → 2[2]+72 → 74
此江・A・匸華:気合が入りすぎてる!
”リムショット”:74でストップ。
宮代火澄:一応ドッジ。
”リムショット”:リアクションをどうぞ!
宮代火澄:3DX+0+0@10>=74 回避
DoubleCross : (3DX10>=74) → 7[1,5,7] → 7 → 失敗
宮代火澄:無理無理!
此江・A・匸華:一応ドッジ~
此江・A・匸華:(3+2)dx>=74 ドッジ
DoubleCross : (5DX10>=74) → 8[2,6,7,7,8] → 8 → 失敗
此江・A・匸華:わはは
此江・A・匸華:"頭垂れ遊び" 《崩れずの群れ》 射程:至近 行動権を使用せずカバーリングを行う 侵蝕[+2]
此江・A・匸華:火澄をカバーリングします。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を2増加(85 → 87)
宮代火澄:ありがとう!
”13./£”:デビストは……しない!
此江・A・匸華:ガルルルルルルル フシャーッ
”リムショット”:ではダメージ。
”リムショット”:8d10+42
DoubleCross : (8D10+42) → 44[8,1,6,10,4,5,5,5]+42 → 86
”リムショット”:オラッ86ダメージ!装甲有効!
此江・A・匸華:2倍ダメージもらってうっかり6回くらい死にます!リザレクト!
此江・A・匸華:1d10
DoubleCross : (1D10) → 5
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を5増加(87 → 92)
”リムショット”:その《リザレクト》に
”13./£”:《デビルストリング》。残り一回。
此江・A・匸華:うぇーッ この1回使って、まだあと1回使えるって認識で合ってる?
GM:合ってます!何なら此江ちゃんのデビストでこの打消し自体を打ち消すという使い方もできます。
此江・A・匸華:ぬーッ! では、そのデビストは甘んじて受け入れます。リザ潰されたので侵蝕を87に戻し。
此江・A・匸華:お姉へのタイタス化したロイスを昇華し、HP13点で復活します。
”13./£”:OK。では、これで”リムショット”の手番は終了です。
GM:続いてイニシアチブ8、柏さんと宮代くん。
GM:どちらから先に動きますか?
宮代火澄:私からでいいかな?
柏夕陽:どうぞ!
GM:では、宮代くんからですね。
宮代火澄:マイナーなし、オートアクションで試作レーザーランチャーを装備
GM:ARMORED MIYASIRO
宮代火澄:メジャーアクション、<コンセントレイト:バロール>+<瞬速の刃>+<因果歪曲> コンボ:泡沫の光
宮代火澄:対象:範囲(選択)の射撃攻撃を行います。対象はルーディメンツ、ダム・ダム
宮代火澄:対応なければ命中判定
”ルーディメンツ26”:いずれも対応はない。判定をするが良い
宮代火澄:10DX+9+0@7 (侵食上昇8、侵蝕80~)
DoubleCross : (10DX7+9) → 10[2,3,3,4,4,6,7,7,9,10]+10[2,8,9,10]+10[7,8,10]+10[2,2,9]+10[7]+5[5]+9 → 64
宮代火澄:よっしゃ回った!
”ルーディメンツ26”:うっげ~~~~~~
”ルーディメンツ26”:これはキツい……孤独の魔眼を持っていないエンゲージにしっかりと通された
”ダム・ダム”:まずは避けてみるか……
”ダム・ダム”:4dx>=64
DoubleCross : (4DX10>=64) → 6[1,5,6,6] → 6 → 失敗
”ルーディメンツ26”:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 9[1,7,9] → 9
”ルーディメンツ26”:無理に決まってんだろ!
”ルーディメンツ26”:メジャー放棄してルーディがダムダム庇います。
宮代火澄:きついよぉ!
”ルーディメンツ26”:出しな…ダメージを…!
宮代火澄:7d10+1d10+10+6 (装甲15点無視)
DoubleCross : (7D10+1D10+10+6) → 39[7,9,2,5,4,2,10]+6[6]+10+6 → 61
宮代火澄:61点!
”ルーディメンツ26”:こいつはアイテム■猟兵義体の効果で装甲が10点ある…はずなのだが
”ルーディメンツ26”:なすすべもない。消し飛んで《リザレクト》。
”ルーディメンツ26”:1d10
DoubleCross : (1D10) → 1
”ルーディメンツ26”:残りカス
此江・A・匸華:その生命が持つと思ったかァ~~~?
此江・A・匸華:"アリクヤーの綱引き" 《デビルストリング》 射程:視界 「制限:ー」のオートエフェクトを打ち消す 侵蝕[+6]
”ルーディメンツ26”:なんだとお……
此江・A・匸華:そのリザレクトを打ち消す!
”ルーディメンツ26”:ンゲェ~~~~~ッ
”ルーディメンツ26”:ス……スーツがオシャカになった!
”13./£”:まだだッ
此江・A・匸華:なにッ
”13./£”:最後の《デビルストリング》!
”13./£”:そのデビストを打ち消し……今度こそ打ち止め!
此江・A・匸華:へへ……ッ やるじゃないの
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(87 → 93)
”ルーディメンツ26”:い……生き残った…?
此江・A・匸華:こっちのデビストは残り1回です。
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を8増加(93 → 101)
宮代火澄:ひとまず行動以上です
GM:OK!
GM:では、続いて柏さんの行動。
柏夕陽:こちらは至近の敵しか殴れないんだよなあ
柏夕陽:マイナーで《ジェネシフト》
柏夕陽:1d10+98
DoubleCross : (1D10+98) → 6[6]+98 → 104
柏夕陽:よし
GM:なっ!?
GM:こ コイツ 頭が良すぎる
柏夕陽:メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート:白兵》
GM:まさか……やるのか!?フローレスビクトリーを……!
柏夕陽:対象はゴースト・ノート
”ゴースト・ノート”:ほぎゃあああ
”ゴースト・ノート”:わっ私私私!無力な演算手ですよ!
柏夕陽:妨害が無ければ判定します
”ゴースト・ノート”:妨害ありません。判定ドウゾ……
柏夕陽:14dx7+6
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[1,2,2,2,3,3,5,6,7,7,8,9,9,10]+10[1,2,6,9,9,10]+10[7,8,10]+10[5,5,10]+2[2]+6 → 48
柏夕陽:ようやく回ってくれた
宮代火澄:よし回ってる!
”ゴースト・ノート”:ぜって~~~避けられん
”ゴースト・ノート”:ガード!ダメージ下さい。
”ゴースト・ノート”:そのガードに《グラビティガード》を使用します。
”ゴースト・ノート”:適用ダメージ-3d。来な……!
”ゴースト・ノート”:火力の上乗せするようなエフェクトがなけりゃ……俺の勝ちだ……!
柏夕陽:《フェイタルヒット》
”ゴースト・ノート”:オエ~~~~~~ッ
柏夕陽:ダメージ+4d10します
”ゴースト・ノート”:僕のグラビガがああああああ
”ゴースト・ノート”:ダメージ……下さい……
柏夕陽:5d10+4d10+2d10+8+8
DoubleCross : (5D10+4D10+2D10+8+8) → 33[6,4,10,10,3]+21[5,7,6,3]+13[5,8]+8+8 → 83
宮代火澄:良いダメージ出てる!
柏夕陽:装甲ガード有効
”ゴースト・ノート”:全部10出せ!
”ゴースト・ノート”:83-10-3d10
DoubleCross : (83-10-3D10) → 83-10-4[1,2,1] → 69
”ゴースト・ノート”:?
柏夕陽:メチャ腐ってる
宮代火澄:ノート君……
”ゴースト・ノート”:グラビガが腐り……その上盾なる力場も発動していないお前では無理!
”ゴースト・ノート”:生命増強分も消し飛ぶ。落ちる……だが!
”ゴースト・ノート”:そのタイミングで《暗黒螺旋》!
”ゴースト・ノート”:柏さんに20点のHPダメージ!
”ゴースト・ノート”:そしてこいつは《リザレクト》します。
柏夕陽:うげ、HPきっちり0だ
此江・A・匸華:"アリクヤーの綱引き" 《デビルストリング》 射程:視界 「制限:ー」のオートエフェクトを打ち消す 侵蝕[+6]
此江・A・匸華:リザを打ち消し! 残り回数0です。
”ゴースト・ノート”:暗黒螺旋を消すか…仲間思い
”ゴースト・ノート”:ほげえええええええ
此江・A・匸華:柏さんの覚悟を無駄にはしない!
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(93 → 99)
柏夕陽:こちらはロイス切って復活します。
”ゴースト・ノート”:死!”ゴースト・ノート”脱落です。
”ゴースト・ノート”:夢の二階行動が消えた!
宮代火澄:悪夢だよ!
柏夕陽:此江・A・匸華/〇連帯感/嫉妬/ロイス
柏夕陽:これを取得してタイタス化、昇華復活
”ゴースト・ノート”:手番が来たらマイナーで戦闘移動してルーディのエンゲージに退避する予定だったのに
GM:では続いて虚姫ちゃんことマスターハウルのターン。
宮代火澄:いや
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(104 → 108)
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(108 → 112)
宮代火澄:スピードフォースしたから
此江・A・匸華:あれは行動権消費するんだよねえ
GM:あっそうか このターンはもうない……!
GM:よかった~
”虚姫”:そうね
此江・A・匸華:命拾いしたな 震えて待て
GM:あれが一日二回来られたら、DEATH……
GM:ではゴーストノートがFATALITYされてしまったので
GM:同じくイニシアチブ7。此江ちゃんの手番です。
此江・A・匸華:しゃい! マイナーで"夕神遊び" 《骨の銃》《死招きの爪》 攻撃力+26の射撃武器作成・装備 侵蝕[+6]
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(99 → 105)
此江・A・匸華:侵蝕伸びるんでこの時点で武器攻撃力+33に増えまーす
此江・A・匸華:メジャー、"蒲葵と蛇と北斗七星と" 《C:ハヌマーン》《オールレンジ》《風鳴りの爪》 対象:単体 射程:20m 侵蝕[+6]
此江・A・匸華:対象は向こうのエンゲージのダム・ダム!
”ダム・ダム”:ほげげげ
此江・A・匸華:何もなさそうなので判定!
此江・A・匸華:(3+3+2+3)dx7+3-1+3
DoubleCross : (11DX7+5) → 10[1,2,3,3,3,3,5,6,7,7,7]+10[1,6,9]+10[8]+5[5]+5 → 40
”ダム・ダム”:妨害は……ゴースト・ノート!ゴースト・ノート!?
宮代火澄:ナイスナイス!
”ダム・ダム”:いない…
此江・A・匸華:先に逝ったよ
”ダム・ダム”:そんな…
”ダム・ダム”:じゃあ《領域の盾》しま~す
”ダム・ダム”:いや……やっぱりやめとくか
”ダム・ダム”:指揮官には生きてて貰った方が良い
此江・A・匸華:やると今度こそその上司くんの命は終わりですよ
”ダム・ダム”:やっぱりやめましょう。ダメージ下さい!
”ダム・ダム”:あ、その前に
”ダム・ダム”:一応リアクションするか
”ダム・ダム”:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 9[1,4,7,9] → 9
”ダム・ダム”:う~~ん
”ルーディメンツ26”:《妖精の手》。
此江・A・匸華:し、指揮官ッ
”ダム・ダム”:指揮官…!
”ダム・ダム”:1dx+10
DoubleCross : (1DX10+10) → 5[5]+10 → 15
”ルーディメンツ26”:《妖精の輪》。
宮代火澄:ひぎい
此江・A・匸華:まじで言ってる?
”ダム・ダム”:1dx+20
DoubleCross : (1DX10+20) → 5[5]+20 → 25
柏夕陽:あっぶね
此江・A・匸華:怖すぎ…………
宮代火澄:怖いよ……
”ダム・ダム”:クソ~~~ッ!無理!
此江・A・匸華:5D10+33+3D10 装甲・ガード値有効 算出後ダメージダイス3個まで振り直し可能
DoubleCross : (5D10+33+3D10) → 24[4,7,9,3,1]+33+11[1,5,5] → 68
此江・A・匸華:1.1.3を振り直し
”ダム・ダム”:ギャアアアア
”ダム・ダム”:??????
此江・A・匸華:68-5+3d10
DoubleCross : (68-5+3D10) → 68-5+11[5,5,1] → 74
”ダム・ダム”:無理無理!
”ダム・ダム”:しめやかに爆散し、《リザレクト》。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(105 → 111)
”ダム・ダム”:1d10
DoubleCross : (1D10) → 8
”ダム・ダム”:HP8で復活!
此江・A・匸華:"アリクヤーの綱引き" 《デビルストリング》 射程:視界 「制限:ー」のオートエフェクトを打ち消す 侵蝕[+6]
”ダム・ダム”:マジで言ってる?
此江・A・匸華:100%超えたからおかわりだーッ! その《リザレクト》を打ち消して、こちらも打ち止め!
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(111 → 117)
”ダム・ダム”:ハリファックス!ハリファックス…?
”13./£”:悪いが品切れだ
”ダム・ダム”:爆撃させてくれ~~~ッ
”ダム・ダム”:というわけでダム・ダムも落ちます。碇くんにクリメイト、使ってみたかった
GM:ハアハアハア
GM:ここから…ソナープロットの反撃だオラ!イニシアチブ6!
”ルーディメンツ26”:メジャー放棄してるので何もできん……
”ルーディメンツ26”:以上だ。
”13./£”:では、最後に私だな
”13./£”:マイナー。《猛毒の雫》邪毒lv4を与える
此江・A・匸華:やめろやめろやめろ!
宮代火澄:ひどいこと言わないで
”13./£”:メジャー。《アタックプログラム》+《コンバットシステム:白兵》+《C:ブラックドッグ》+《罪人の枷》+《バリアクラッカー》
”虚姫”:なんだぁ…?てめぇ…
”13./£”:射程武器、10dx7+18、攻撃力26、邪毒lv4、装甲無視、ガード不可。HPダメージ適用時、ラウンド間対象の達成値-10
”13./£”:対象は無論……”マスターハウル”。”虚姫”だ。
”13./£”:妨害はないな?判定をしよう。行くぞ……
”虚姫”:来な
”13./£”:10dx7+18
DoubleCross : (10DX7+18) → 10[2,3,4,4,5,6,6,8,8,9]+6[1,3,6]+18 → 34
”13./£”:《エクスマキナ》。達成値に+10。
”13./£”:達成値は44だ。リアクションを取れ……
”虚姫”:ワンチャンドッジ
”虚姫”:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 9[2,4,6,9] → 9
”虚姫”:ダメージ来い!
”13./£”:4d10+26
DoubleCross : (4D10+26) → 23[9,3,1,10]+26 → 49
”虚姫”:リザ!
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D10(→ 1)増加(99 → 100)
宮代火澄:ナイス!
”13./£”:君は……死ぬのも上手いのか
”虚姫”:HP1に
”13./£”:では、ラウンド間達成値-10に加え、邪毒lv4を受けて貰う。
GM:”ソナープロット”の攻撃は以上。
GM:【CLEANUP】
GM:クリンナッププロセス。回復処理等ある人はどうぞ。
”13./£”:ない
”ルーディメンツ26”:ない
宮代火澄:なし
”リムショット”:ありません
柏夕陽:ありません
”虚姫”:邪毒受けてHP0に
此江・A・匸華:ナイヨー
”虚姫”:『オッタートロール』の昇華効果使ってHP12で復活
GM:OK!
GM:では……戦闘演出に参りましょう。
───────
”ルーディメンツ26”:『ドローン:シュナイダー起動』
”ルーディメンツ26”:流線型の、四足歩行をしたドローンが重量の義体にまとわりつく。間接に入り込んで変形し、
”ルーディメンツ26”:その瞬間”ゴースト・ノート”と”13./£”が君たちに急速に接近している。
”虚姫”:「──みんな」
”虚姫”:「撃つね」
宮代火澄:「頼んだ!」
”虚姫”:そう宣言して、手を前に出す。
”ゴースト・ノート”:「来ます!私は……”スクナ”を抑える!」
”虚姫”:宣言をするのは
”ゴースト・ノート”:車両から黒い波が放たれる。身体に纏わりつき、動きを一時的に麻痺させる――
”虚姫”:した所で、対処は出来ないと思っているからだ。
”虚姫”:………砲撃の刹那
”虚姫”:居なくなったみんなの事を 私が忘れてしまったみんなの事を
”虚姫”:彼らが殺したみんなの事を
”虚姫”:その想いを反 芻 して
”虚姫”:ギ ギィ
”虚姫”:革手袋の軋む音が、義体のボディを震わせた。
”虚姫”:CLAP
”虚姫”:指を弾く。
”ルーディメンツ26”:(回避は間に合わない。迎撃?自殺行為だ)
”ルーディメンツ26”:(既に避けようのない破壊は確定している)
”ルーディメンツ26”:(なら)
”虚姫”:何でもない、布が触れ合う柔らかい音 だっ た はず な の に
”ルーディメンツ26”:違和感。
”虚姫”:君達の元に届いたそれは、雷音のように腹の底を……否、内部機関を震わせ
”ルーディメンツ26”:違和感。
”虚姫”:その、鋼鉄の装甲を突き破る
”ルーディメンツ26”:(”何”を)
”ルーディメンツ26”:(操っている?”マスターハウル”は――)
”ルーディメンツ26”:その違和感を無視し、最も有効な対処法を選んでいた。あるいはその一瞬こそが、決着の瞬間を引き延ばしたのかも知れない。
”ルーディメンツ26”:ドローンの機能を相殺から補修に切り替える。
”ルーディメンツ26”:”ソナープロット”の義体に蛇のような機械が纏わりつき、補修材を展開しながらその身で振動を相殺していた。余韻だけだ。
”ルーディメンツ26”:余韻だけで、全員を戦闘不能に陥れる威力。
”ルーディメンツ26”:「……これが」
”ルーディメンツ26”:「”マスターハウル”」
”虚姫”:「──あなた達は、それでいい」
”虚姫”:「"私の名前"は」
”虚姫”:「みんながくれたものだから。あなた達には呼ばせない。」
”リムショット”:『……名前? みんな……? そんなもん……くそっ』
”リムショット”:『照準補正のリソースは、そっちの回復に割いてください!当てます……!』
”リムショット”:闇夜。1㎞以上離れたビルから、一発の銃声が響く。
”リムショット”:その弾体が、空中で二対に分裂した。モルフェウス能力。
”リムショット”:それは正確に、”スクナ”と”カグラ”に着弾するだろう。
此江・A・匸華:「火澄、伏せて!」 音の方向からターゲットを即座に判断する。
此江・A・匸華:「────シッ!」
宮代火澄:「っ!」麻痺しかけた身体で、とっさに指示どおり身体を伏せる。
此江・A・匸華:弾の一つが空中で弾かれたように軌道を変え、一つの軌道となって真っ直ぐに突き進む。
”リムショット”:『な……何した!?』
此江・A・匸華:それは違わず少女の脇腹を貫いた。溢れ出る血、衝撃と痛みに身悶えし膝を付く。
此江・A・匸華:「ぐ、ゥううっ……!」
宮代火澄:「此江っ!」
”リムショット”:『ご……』
”ルーディメンツ26”:『”リムショット”』
”ルーディメンツ26”:『その謝罪は許可しない』
”ルーディメンツ26”:『戦え。世界を守れ。僕たちはそのためにここにいる』
”ルーディメンツ26”:『……彼らも同じだ。”バチスカーフ”は、彼らの世界を守るために戦っている……来るぞ』
此江・A・匸華:分かたれた弾丸──それ自体が能力者の手により生み出された物ならば、軌道を完全に逸らすことは不可能だ。しかし、軌道上に生み出した圧縮空気の生成によるごく僅かな変化であれば。
此江・A・匸華:数mに満たない着弾点の差異を一つに収束することであれば、ギリギリで叶う。
此江・A・匸華:「へ、へへ……っ、火澄の身体は、みんなのもの、でしょ?」
”ゴースト・ノート”:『リム君の弾着をズらしてる……やっぱり、適応してきてるんだ』
此江・A・匸華:ゆらりと立ち上がる。「守るよ。あたしの役目だもん」
”虚姫”:弾丸の飛んできた方角に視線を向ける(──遠い。あんな所に居るんじゃ…すぐに対処する事は出来ない。)
”ダム・ダム”:「これだから、ガキの相手は嫌なんだよな……」
此江・A・匸華:「だから……指示を頂戴、リーダー! あたし達が、生き残るために!」
宮代火澄:「……ああ」
宮代火澄:「僕を守るのが君の役目なら」
宮代火澄:「みんなを守るのが、僕の役目だ」
宮代火澄:「"ソナープロット"」
宮代火澄:黒い波濤に麻痺しかけた指が、怒りに震える、無理やり固め、電子砲を構える。
宮代火澄:「僕の世界はバチスカーフにある」
宮代火澄:首に現れた傷。こぼれて、地に落ちる前に消えていく鮮血。
”ルーディメンツ26”:「……ああ。そうだな」
宮代火澄:「奪わせはしない。これ以上ただの一つも。たとえ──」
宮代火澄:「奪ってでも、だ」
宮代火澄:電子砲にエネルギーが満ちる。同時に
宮代火澄:"ソナープロット"の義体に満ちていた電力が、急激に減少していく。
”ゴースト・ノート”:『ッ……』
”リムショット”:『マズい!ルーさん!』
宮代火澄:宮代火澄は、血液を代償として"どこか"からエネルギーを奪う。
宮代火澄:"ネクラファジー"の調べで"送信元"はわかっている。送られる先がここにいる彼らであることも。
”リムショット”:『赤外線が”見えなくなった”!遠隔電力を……』
”リムショット”:『アイツだ!”スクナ”が吸ってる!』
宮代火澄:ならば奪える。奪う先を"どこか"ではなく"ここ"に限定して、送られてくる力の流れをこちらに"跳ばす"。
宮代火澄:「皆、堪えきれ!時間はこっちの味方だ!」]
宮代火澄:「持久戦に邪魔なやつから落とす!」
”ゴースト・ノート”:『これは……エントロピーの収奪……違う! 自身の体自体を門にしてる!』
”ゴースト・ノート”:『退避を!そ、その攻撃は!危険です!』
”ルーディメンツ26”:『退避はしない』中空に飛行している”ダム・ダム”を蹴り飛ばす。
”ダム・ダム”:「あっ!おい!てめえ!それやめろっていつも言ってンだろうが、おい――」
宮代火澄:奪った電力で放たれた光条。本来必要な冷却時間を時流加速で無視。乱れ撃つ。
”ルーディメンツ26”:ドローンが力場を展開する。破壊される。それでもなお立ち続ける。
”ルーディメンツ26”:「時空連続体の編集、及び門能力をブラムストーカーの機序によって体内に作用させている」
”ルーディメンツ26”:「それがきみの能力の正体か。良い練度だ」
”ルーディメンツ26”:……砲撃に、義体が膝を付く。赤熱した躯体はそれでもなおきみを見据えている。
此江・A・匸華:(この一瞬で解析を……ううん、理解能力と分析能力がずば抜けてるんだ!)
宮代火澄:(夕陽)
宮代火澄:指示は最小限、あるいはそれ以下。だが、彼女なら理解してくれる。
宮代火澄:敵の意識がこちらに集中した間隙に。”邪魔なやつ”は片付けてくれる。
”ルーディメンツ26”:『……血族指象だ。構えろ、ゴースト・ノート!』
”ゴースト・ノート”:「ええっ!?はっ……ひええええっ!?私!?」
柏夕陽:その警告は、遅きに失した。
柏夕陽:ぞ ぶ り
柏夕陽:熱したナイフがバターを切るように、
”ゴースト・ノート”:「え……」
柏夕陽:仕込み傘の刀身が”ゴースト・ノート”の義体に浸透する。
”ゴースト・ノート”:「う、嘘でしょ……? 圧延装甲板270mm以上の防御能力の装甲……ってタンマタンマタンマ!死んじゃいますからあああああ!!!」
柏夕陽:「当たり前じゃないですか。」
柏夕陽:「殺すためにやってるんですから。」
柏夕陽:「────あなたたちがしたように。」
”ゴースト・ノート”:「……!」
”ゴースト・ノート”:「そう、ですよッ……!」車両が高速回転する。
柏夕陽:他愛のない話だ。だが、口だけで新兵が動揺してくれるのなら、
柏夕陽:安いものである。
”ゴースト・ノート”:車両に纏われた黒い波濤が、刀身の埋没と引き換えにきみの身体を物理的に削り取っていく。
”ゴースト・ノート”:「わ、私だって! ひとを……殺す覚悟くらい……!」
柏夕陽:”ゴースト・ノート”の身体に異変が起きる。
柏夕陽:血が、止まらない。刃を刺されたからだけではない。
”ゴースト・ノート”:(嘘……補修材は展開したはずなのに、疑似血液の漏出が進行し続けている……)
柏夕陽:壊れた蛇口のようにあらゆる体の穴から血が零れだし始める。
”ゴースト・ノート”:「な」ごぼ ぼ「に、を」
”ゴースト・ノート”:駆動系アラート。循環器系アラート。
柏夕陽:柏夕陽のモルフェウスシンドロームは、鉄を錬成する。
柏夕陽:普段は刀の切れ味を増したり、武装を改造するのに用いられるが、
柏夕陽:鉄の錬成を、全力で、”人間の血管内”で行えばどうなるだろうか。
柏夕陽:それは循環器系に対する”致命的な一打”となるだろう。
”ゴースト・ノート”:「い……嫌ああああああ!!!!」
”ゴースト・ノート”:「た……助けて!義体の損傷が、止まら……」
”ゴースト・ノート”:「う、嘘っ、”バチスカーフ”の人たちも、こ、こんな――」
”ルーディメンツ26”:ぎゅ がん!
”ルーディメンツ26”:展開した機銃が背面の動力受信装置を撃ち抜いている。
柏夕陽:舌打ちする。
柏夕陽:「残念です。」
”ルーディメンツ26”:「精神的にも物理的にも限界だ。”ゴースト・ノート”は良く戦った」
柏夕陽:「あと少しで──届いたのに。」
”ルーディメンツ26”:「……僕たち”ソナープロット”は」
”ルーディメンツ26”:「義体の性能を最大限に発揮するために、感覚フィードバックを全開以上にして駆動する」
”ルーディメンツ26”:「当然のことながら、義体が損傷した際にはショック死も視野に入る」
”ルーディメンツ26”:「……良い判断だ」”ダモクレス”に。
”ルーディメンツ26”:「加減しろ、と言うとでも思ったか? 戦場に出る以上、命を懸けるのは最低限以下の礼節だ。例えこのような形であってもな」
”ルーディメンツ26”:「通常の運用に比べてリスクが低いというだけの話だ……さあ、次は誰が来る」
此江・A・匸華:その言葉を待たぬ間に、煙を噴く"ゴースト・ノート"の機体の影をすり抜ける。
”ダム・ダム”:「来やがったな……!オレは生憎”ゴースト・ノート”みてえな甘ちゃんじゃねえ」
”ダム・ダム”:「てめえらがくたばったら、即!領域をブチ込んでやる……!」
此江・A・匸華:”13./£”──黒色巨躯の動くより先、固めた空気を踏み台のようにして空中へと駆け上がる。
”ダム・ダム”:牽制射を放つ。が、それが”カグラ”に当たることはない。
”13./£”:「機動性が増している!回避しろ!”ダム・ダム”!」
此江・A・匸華:飛翔能力は有していない。だが、足場さえあれば地上も空中も水中も同じことだ。
”ダム・ダム”:「ハア!?おまっ、海だけじゃねえのかよ!クソが!」
此江・A・匸華:泳ぐように牽制射を躱し、翻った髪の房一つを引き千切り、即座に弾と為す。
”ルーディメンツ26”:指揮棒のように腕を振るう。”ダム・ダム”の義体に接着し、回避を誘導する――が。
此江・A・匸華:「海の方が泳ぎやすいのは──確かだけど、ねッ!」
此江・A・匸華:落下を速度に変えて突っ込んでいく。接敵、至近距離からの散弾銃の如き連射。
”ダム・ダム”:「このっ……野郎!空中戦で……オレに勝とうなんざ……!」
”ダム・ダム”:回避。回避。回避――着弾。
此江・A・匸華:義体の瞬発的な機動力は侮れない。ゆえに、回避困難な接近戦を選んだ。
”ダム・ダム”:バーニアに髪弾が入り込み、自由落下の勢いのまま墜落する。
此江・A・匸華:(墜ちた──ううん、接続が来られない限り、まだ戻ってくる)
”ダム・ダム”:「ぐお……痛って、ェ!やりやがったな……焦げカスにしてやる!”バチスカーフ”!」
”ダム・ダム”:「おい!ハリファックス!その間に戦力削いどけ!」
”13./£”:「……簡単に言ってくれる」
此江・A・匸華:「気を付けて──そいつは、強いよ!」
此江・A・匸華:足場を形成。"ダム・ダム"の落下地点を見定めながら叫ぶ。
”13./£”:周囲に霧が満ちる。毒性の霧。
”13./£”:それを圧縮空気のように噴出し――一気に跳躍した。
”13./£”:両腕から処刑刀を展開する。自由落下の勢いのまま、断ちつける――最も差し迫る脅威。”虚姫”を。
”13./£”:「弔葬の時だ。”マスターハウル”」
”虚姫”:異常出力を持っていようと、白兵戦の心得がある訳ではない。
”虚姫”:右の肩口から下を斬り飛ばされる。
”13./£”:「まずは一回」
”虚姫”:「──っ」遅れてやってきた痛みに顔をしかめる。否
”虚姫”:痛み、だけではない
”虚姫”:リザレクトによる再生の最中、喀血と共に倒れ伏す
”13./£”:着地、噴出。血を這うような姿勢で毒の霧を撒き散らしながら、距離を取る。
宮代火澄:「虚姫……!?毒か……!」
”13./£”:肩口には樹木のような端末が植わっているだろう。植物性の猛毒。リザレクトを阻害し、動きを鈍らせる。
”虚姫”:げほ げほ と咳き込みながら、なんとか身体を起こす。
”虚姫”:(ああ)
”虚姫”:(痛い)
”13./£”:「……痛みに慣れていないのか?」
”虚姫”:「──ええ」
”虚姫”:「今まで」
”虚姫”:「守られて、ばかりだったから」
”13./£”:「そうか」
”13./£”:「お互い、良い使い手に巡り合ったようだな」
”虚姫”:息を整える。まだ倒れるわけにはいかない
”13./£”:「……”マスターハウル”の動きを止めた。”ダム・ダム”!」
”虚姫”:目の前の敵に、まだ何一つ返せてなどいないのだから。
”ダム・ダム”:「よ……っしゃあ!!爆撃のエネルギーを……領域に装填する!」
”ダム・ダム”:バーニアが復旧したのか、遠く離れた落下地点から再び上昇を開始する。
”ダム・ダム”:「”ゴースト・ノート”の礼だ!喰らってみろ、終わらねえ爆発を――」
此江・A・匸華:空中に足場を置いて、遠くを見渡した。この高さからは、海が良く見える。
此江・A・匸華:風が吹き付ける。少女の挙動に合わせて揺れる大小二つの結髪は、まるで注連縄のよう。
此江・A・匸華:"ダム・ダム"の裂帛など意にも介さない。遥か東方に祈るように、乞うように。一つ恭しく礼をして、呟く。
此江・A・匸華:「起きて──"竜蛇さま"」
此江・A・匸華:言葉が、空気を震わせた。刹那、
此江・A・匸華:── コォ ……ォ
此江・A・匸華:遠く、空から。或いは海中から。或いは東方から。人の知覚できる領域の遥か向こうから、"ことば"が返る。
此江・A・匸華:"ニライカナイ"とは、理想郷
此江・A・匸華:海の遥か彼方、"魂"が生まれ還っていく場所
此江・A・匸華:そして──その対なるもの
此江・A・匸華:"オボツカグラ"とは、天上の世界
此江・A・匸華:地上から遥か彼方、神が御わす場所
此江・A・匸華:── ォオ オォオオ
此江・A・匸華:少女にしか聴こえぬ"声"が返る。
此江・A・匸華:"祈り"に応えたか。眠りから醒まされたことへの不快感か。
此江・A・匸華:どちらなのか、そうでもないのかも分からない。此江は、それを理解できるとも思っていない。
此江・A・匸華:ただ──この刺青が、証だ。自分と"神さま"をほんの少しだけ、近しくしてくれる。
此江・A・匸華:────……そして、その"声"は。唐突に、響き渡る。
此江・A・匸華:" コ縺ョ h縲 翫↑縺輔 "
此江・A・匸華:其れは、音ではなく。絶対なる"命"のように。
此江・A・匸華:ただ"そうであることが正しい"と──一帯すべての命の、心が震えて、
此江・A・匸華:──人の理を無視して立っていた者が、崩れ落ちる。
”ダム・ダム”:義体の接続が潰えた。存在を否定されたように。
”ルーディメンツ26”:「……君のコードネームは”カグラ”だったな」
”ルーディメンツ26”:「遺産継承者……そうか。宮代火澄が神の依代なら」
”ルーディメンツ26”:「君は巫女か」
此江・A・匸華:「あはは……そんな大それたものじゃ、ないけど」 僅かに呼吸が荒い。
此江・A・匸華:「それが皆の助けになるなら、なんだっていい」
”ルーディメンツ26”:「……特筆すべき献身精神だ。賞賛に値する」
此江・A・匸華:──最初は、ただ。お姉ちゃんを一人にしたくなくて。
”ルーディメンツ26”:「FHチルドレン特有の未発達な情操ではない。君は、自身で思考し、判断している。自分の意思で……」
”ルーディメンツ26”:「優れたリーダーに育てられたようだな」
此江・A・匸華:お姉ちゃんが持ってきた"それ"を、適合するかどうかも分からないまま──触れて。見初められて。受け入れた。
此江・A・匸華:後悔はしていない。今も、これからも。
此江・A・匸華:(だから、置いていくなんて許さないよ。お姉ちゃん)
此江・A・匸華:「……当たり前じゃん」
此江・A・匸華:「自慢の、家族なんだから」
───────
GM:【ROUND 2】
GM:【SETUP】
”13./£”:《活性の霧》を使用。
”13./£”:攻撃+12、ドッジダイス-2
”虚姫”:なし!
柏夕陽:なし
”ルーディメンツ26”:《ファンアウト》を使用。自身を10m後方に後退させる。
此江・A・匸華:なし~
”リムショット”:セットアップなし。
宮代火澄:あっGM
宮代火澄:ファンアウトは自身は対象にできないかと!
GM:ゲッ
GM:効果を勘違いしていた……ではエンゲージは先程と変わらず。
宮代火澄:<鮮血の奏者> コンボ:贖いの血晶
宮代火澄:自身のHPを2点消費し、対象にラウンド間攻撃力+21。対象は夕陽さん
GM:申し訳ないぜ 指摘ありがとうございます!
宮代火澄:宮代火澄のHPを2減少(24 → 22)
宮代火澄:いえいえ!
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を4増加(101 → 105)
宮代火澄:こちらは以上!
GM:では、セットアップは以上。
GM:【ENGAGE】
GM:”リムショット”[13]-[1500m]-”ルーディメンツ26”[6]-[10m]-”13./£”[6]、”スクナ”[9]、”ダモクレス”[8]、"虚姫"[7]、”カグラ”[7]
GM:【INTIATIVE】
GM:最初の行動はイニシアチブ14、宮代くんから。
宮代火澄:あ、いや
宮代火澄:試作レーザーランチャー装備したから9ですね!
GM:あっそうか
GM:了解です。では、手番はリムショットから
”リムショット”:先程と同じコンボを使おう。
”リムショット”:マイナーはなし
宮代火澄:ひ~ ツーキル回数まだあるの~
”リムショット”:メジャー。
”リムショット”:《ワンショットツーキル》《カスタマイズ》《見えざる死神》《C:モルフェウス》《デスストーカー》
”リムショット”:12d7x+12、攻撃力42、射程視界、2体攻撃
”リムショット”:最も侵蝕の低い二人を狙う。対象は……”虚姫”ちゃんと宮代くん!
”リムショット”:妨害がなければ判定イクゾッ
宮代火澄:なし!
”リムショット”:12dx7+12
DoubleCross : (12DX7+12) → 10[2,3,3,4,4,4,7,8,9,9,10,10]+10[3,5,6,6,7,10]+10[4,7]+2[2]+12 → 44
”リムショット”:剣精の手。
”リムショット”:1dx7+52
DoubleCross : (1DX7+52) → 10[9]+10[8]+10[10]+6[6]+52 → 88
宮代火澄:こわいよ~
”リムショット”:リアクションをどうぞ。
宮代火澄:ドッジ~
宮代火澄:4DX+0+0@10>=88 回避
DoubleCross : (4DX10>=88) → 10[3,6,8,10]+5[5] → 15 → 失敗
”虚姫”:ドッジ!
宮代火澄:無理~
GM:結構回している
”虚姫”:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[3,5,6,7,10]+3[3] → 13
”虚姫”:無理
”リムショット”:おおっ
”リムショット”:では…ダメージ出します!
”リムショット”:9d10+42
DoubleCross : (9D10+42) → 50[1,10,8,4,1,7,9,7,3]+42 → 92
”リムショット”:92ダメージ。装甲有効。
”虚姫”:食らって、そのまま倒れます
”リムショット”:了解です!宮代くんはどうしますか?
宮代火澄:"自由"へのロイスをタイタス化して復活。
宮代火澄:宮代火澄のHPを11減少(22 → 11)
GM:OK!ではこれで攻撃の処理は終了。
GM:手番は改めてイニシアチブ9、宮代くんへ。
宮代火澄:はーい、マイナーなし
宮代火澄:メジャーアクション、<コンセントレイト:バロール>+<瞬速の刃> コンボ:泡沫の光
宮代火澄:射撃攻撃を行います。対象はルーディメンツ。
宮代火澄:対応なければ命中!
”ルーディメンツ26”:……来い。対応はない!
宮代火澄:12DX+9+0@7 (侵食上昇5、侵蝕100~)
DoubleCross : (12DX7+9) → 10[2,2,2,3,3,4,5,6,8,9,9,9]+10[7,7,8,9]+10[3,5,9,10]+10[2,10]+6[6]+9 → 55
柏夕陽:これは…勝利の女神要らないかな
GM:うおでっか……
宮代火澄:かなえの効果で+3お願い!
"かなえ":了解です。達成値を58に。
宮代火澄:以上!
”ルーディメンツ26”:リアクションはドッジ。
”ルーディメンツ26”:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 6[6,6,6] → 6
”ルーディメンツ26”:《妖精の手》……!
”ルーディメンツ26”:1dx+10
DoubleCross : (1DX10+10) → 2[2]+10 → 12
宮代火澄:あ、一応ダメージ!
宮代火澄:6d10+1d10+10+8 (装甲15点無視)
DoubleCross : (6D10+1D10+10+8) → 37[3,10,6,6,9,3]+10[10]+10+8 → 65
”ルーディメンツ26”:ダメージを出して貰おう……
宮代火澄:どうぞ
”ルーディメンツ26”:攻撃は直撃。”ルーディメンツ26”は戦闘不能。
宮代火澄:よし!
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を5増加(105 → 110)
”ルーディメンツ26”:コントロールソート神拳が火を噴くことなく終わった……
宮代火澄:やっぱ持ってたか、攻撃 よかった
GM:ということで、次はイニシアチブ8!柏さん!
柏夕陽:待機!
GM:では虚姫ちゃんは倒れているのでスキップして
GM:イニシアチブ7、此江ちゃん!
此江・A・匸華:待機します!
GM:OK。では、最後に”13./£”の手番。
”13./£”:マイナー。《猛毒の雫》邪毒lv4を与える
”13./£”:メジャー。
”13./£”:《アタックプログラム》+《コンバットシステム:白兵》+《C:ブラックドッグ》
”13./£”:射程武器、10dx7+18、攻撃力26、邪毒lv4
”13./£”:対象は虚姫ちゃん。「とどめを刺す」を選択する。
”虚姫”:殺される〜
此江・A・匸華:キシャーッ メジャー放棄カバーリング!の構え!
”13./£”:……では、判定を行う。
”13./£”:10dx7+18
DoubleCross : (10DX7+18) → 10[1,2,2,3,4,5,7,9,9,9]+10[1,5,8,9]+10[2,8]+4[4]+18 → 52
”13./£”:攻撃は自動命中する。ダメージを算出する。
此江・A・匸華:ダイス10個全部1にはならなかったか では改めてカバーリングを宣言します。オラッダメージ来いッ
”13./£”:6d10+26
DoubleCross : (6D10+26) → 38[9,6,5,6,7,5]+26 → 64
”13./£”:装甲有効だ……
此江・A・匸華:このボディに装甲はないぜ
此江・A・匸華:64点もらってHP全損。このまま倒れます。
”13./£”:では、邪毒lv4を適用する。
GM:これで全員の行動が終了。
此江・A・匸華:蝕まれる~
GM:【CLEANUP】
GM:邪毒は適用されますが、倒れている以上戦闘終了後に復活するので処理は省略。
GM:2ラウンドが経過したので、《ハーミットセプター》により”ソナープロット”の戦闘用電源が喪失します。
GM:”バチスカーフ”の勝利です。
此江・A・匸華:うおおお あたし達の勝ち!
宮代火澄:うおーっ
”虚姫”:しゃあっ(魂の姿)
GM:また、”ソナープロット”を撃破したことにより、彼らの有していた侵蝕抑制剤をPCの人数分獲得できます。
宮代火澄:そ……そんなものがあるんですか!?
GM:具体的にはエナヴェイトD*4が手に入ります。
宮代火澄:やったー!
此江・A・匸華:へへッ あるだけ全部置いていきな……
GM:では、改めて戦闘演出に移っていきましょう。
───────
”ルーディメンツ26”:「……”ダム・ダム”と”ゴースト・ノート”が離脱している」
”ルーディメンツ26”:『”リムショット”。一撃でいい、足を止めろ』
”ルーディメンツ26”:『僕が”スクナ”を潰してセルを機能停止に追い込む』
”リムショット”:『……了解ッス。ご武運を、ルーさん!』
”リムショット”:遠方のビルの一点が、ちらりと光る。再び狙撃――
”虚姫”:──肩で息をしながら、再び砲撃の体勢に移る。
”虚姫”:(私が、ここで)
”リムショット”:『頼む!倒れてくれよ……!』
”虚姫”:意識は朦朧 視界も霞む 何より
”虚姫”:彼女は知らなかった。"敵"への意識が、視野を狭めるという事を
”虚姫”:──意識外からの狙撃が身体を貫き
”虚姫”:視界がブラックアウトして、糸が切れるように倒れ伏す。
”リムショット”:弾体に線条が施され、変形している。先程のような分裂する弾丸ではない――水平方向への曲射だ。
”リムショット”:”虚姫”を貫いた弾丸はその勢いを保ったまま軌道を湾曲させ、同時に”スクナ”の脚部に着弾していた。
宮代火澄:「……ぐぅッ!」
”ルーディメンツ26”:『完璧な成果だ。”リムショット”』
宮代火澄:片足を吹き飛ばされ、バランスを崩す。
”ルーディメンツ26”:『これで――終わり、だ!』
此江・A・匸華:「────ッ!」 着弾までに間に合わなかった。歯噛みしながら遅れて定位置に戻り、意識を失った虚姫さんを護るように構える。
”ルーディメンツ26”:構えた拳銃に、蝶のようなドローンが群がり、変形する。
”ルーディメンツ26”:それは巨大な銛状に形成され、きみを穿とうとしていた。
宮代火澄:倒れた虚姫に手を伸ばそうとする心を抑え込む。
”ルーディメンツ26”:『”ソナープロット”。射出準備』
”ルーディメンツ26”:ソナープロットとは、
宮代火澄:(此江、頼んだ。僕は)
”ルーディメンツ26”:魚群探知機が示す座標を感熱紙に穿つための機器のことを指す。
宮代火澄:(こいつを潰して、機能停止に追い込むっ!)
”ルーディメンツ26”:勝利への座標。”ルーディメンツ26”によるそれが、まさに今刻まれようとしていた。
宮代火澄:動かない。ギリギリまで。
”ルーディメンツ26”:引き鉄に指を掛ける。
宮代火澄:(今っ!)
宮代火澄:勝利を指し示す槍が放たれる、瞬間。
宮代火澄:スクナの姿が消失する。
”ルーディメンツ26”:違和感。
”ルーディメンツ26”:なぜ、”スクナ”は即座に自身のランチャーで応戦しなかった?
宮代火澄:(だって、それじゃ君。対応するだろ)
”ルーディメンツ26”:「――」銛が変形し、すぐさま背後に砲身が装填される。
”ルーディメンツ26”:だが、一手遅い。
宮代火澄:射出の瞬間、その姿を消し。"目標"を探そうとする一瞬。
宮代火澄:血濡れの時空門を通って、再出現。
宮代火澄:引き金を引く。
”ルーディメンツ26”:見当外れの方向に銛が射出された。
”ルーディメンツ26”:……義体の半分が焼け焦げたまま、立ち尽くしている。
”ルーディメンツ26”:「……高精度の射撃戦では、単純な罠ほど効果的に働く」
”ルーディメンツ26”:「特筆すべき見識だ」
宮代火澄:「買いかぶり過ぎだ。あの一瞬じゃあれぐらいしかできなかった」
”ルーディメンツ26”:「そうだ。一瞬だ」
”ルーディメンツ26”:「だが彼女には、その一瞬で足る」
宮代火澄:「っ!」
”ルーディメンツ26”:「こちらに移動したな、”スクナ”」
”13./£”:「――」
”13./£”:霧を噴出し、既に倒れ伏す”虚姫”の背後に回り込んでいる。
”13./£”:二門の処刑刀を展開する。断頭台のように、首元に振り下ろされようと――
此江・A・匸華:「──もう、三回目だもん」
此江・A・匸華:酸素膜を身に纏い、毒霧を物ともせずその眼前へ。
此江・A・匸華:してやったりと言わんばかりに、にぃ、と口を歪めて嗤った。
”13./£”:が づん!
”13./£”:その両腕が、”カグラ”の肩口に到達し……そして、止まる。
”13./£”:「……動力切れ、とはな……」
”ルーディメンツ26”:「……」
此江・A・匸華:身を挺してその刀を受け止めた。ぼたぼたぼた、と鮮血が零れ落ちる。
此江・A・匸華:刀に破壊された膜の隙間から毒霧が侵入し、ぐらりと意識が揺れる。どさり、と虚姫さんの身体に重なり合うように倒れ臥した。
”ルーディメンツ26”:がひゅううん、と電源の切り替わる音。通信用の予備電源に切り替わった。
此江・A・匸華:(──"ギリー"も、あの時。こんな気持ちだったのかな……)
宮代火澄:「此江……!虚姫!」
”ルーディメンツ26”:『”ソナープロット”。作戦は失敗だ』
宮代火澄:再生しかけの片足を引きずりながら、倒れる二人に駆け寄る。
”ルーディメンツ26”:『だが、”バチスカーフ”の無力化には成功した。……帆毬市UGNに通達』
”ルーディメンツ26”:『現在市内で発生している内戦は、”ホテル・セルヴォワ”の指示によるものだと確認』
”ルーディメンツ26”:『彼らが操っているのは、”ネクラファジー”に扮したマーセナリーだ』
”ルーディメンツ26”:『一時的に”グラヴィアヴェルク”を支援し、騒動の鎮圧に当たれ』
宮代火澄:「UGN……」
”ルーディメンツ26”:通信を切る。
”ルーディメンツ26”:「……”グラヴィアヴェルク”の統制は可能か?」宮代くんの方を向く。
”ルーディメンツ26”:「内戦が鎮圧された後、略奪を働かれてはここまで戦った意味がない」
”ルーディメンツ26”:「幸い、”バチスカーフ”と交戦したことで日本支部に一定の言い訳は効くだろう。痛み分けだ」
宮代火澄:「僕らだって無駄に被害を出したいわけじゃない」
宮代火澄:「”グラヴィアヴェルク”は抑えよう」
”リムショット”:『お、終わった……本当に……』
”リムショット”:『お、オレ!ゴーさんの様子見て来ます!』
”ルーディメンツ26”:『許可する』
”ルーディメンツ26”:『だが、この後も働いてもらうことになる。手短に頼む』
”リムショット”:『……はい!』
宮代火澄:「……痛み分け、か」
宮代火澄:倒れる二人を見て。
”リムショット”:遠くのビルから影が飛び降りていく。
宮代火澄:「夕陽、傷は?大丈夫?」
柏夕陽:「はい。」
柏夕陽:「すぐに移動しましょう。」
”ルーディメンツ26”:「待て」
”ルーディメンツ26”:「君たちの装備では海底7500m以深に潜航できない」
宮代火澄:(そこまで調べがついてる、か。……いや、当然か)
宮代火澄:「それが?」
”ルーディメンツ26”:「……こうして交戦した以上、君たちに一定以上の戦術的能力が存在することは確定した」
”ルーディメンツ26”:「僕たち”ソナープロット”との共同作戦を提案する」
”ルーディメンツ26”:「作戦内容は、”ホテル・セルヴォワ”の撃滅」
”ルーディメンツ26”:「僕たちが彼らに対処しなければならない理由の説明は省く。君たちが最も理解しているだろう」
”ルーディメンツ26”:「”ソナープロット”からは、技術と人員を提供する。猟兵義体の内、二体は無傷だ」
”ルーディメンツ26”:「僕たち自身も”バチスカーフ”を支援する。どうだ?」
柏夕陽:「虫のいい話ですね。」
柏夕陽:「殺せないと分かったら懐柔ですか。」
”ルーディメンツ26”:「世界を守るためにはいくらでも悪辣になるべきだ」
柏夕陽:「無傷と言いましたが、それは違います。」
柏夕陽:「電力供給がそろそろ切れる頃合いでしょう?」
”ルーディメンツ26”:「……鹵獲か。悪くない手段だろう」
柏夕陽:「いいえ?」
柏夕陽:「今度こそ殺します。」
柏夕陽:「殺せることはあなた自身が証明しました。」
”ダム・ダム”:「おい……」
”ダム・ダム”:「”ダモクレス”だけでもブチ殺しておくべきじゃねえのか? コイツ、裏切り野郎だぜ」
柏夕陽:「あなたはこう言うべきなんです。」
柏夕陽:「”あなた方に協力しますから、どうか部下の命は助けてください”と。」
”ルーディメンツ26”:「”ダム・ダム”。その発言は許可しない」
”ルーディメンツ26”:「……」
”ルーディメンツ26”:「そう言ったレトリックが必要ならば、いくらでも頭は下げよう」
”ルーディメンツ26”:「だが、きみは敢えて強硬姿勢を取ることで」
”ルーディメンツ26”:「最終的な”スクナ”との交渉を有利に働かせようとしている。違うか?」
”ルーディメンツ26”:「”ダモクレス”は優秀なマーセナリーであること以上に、”バチスカーフ”に対して尽くそうとしている……」
”ダム・ダム”:「……おい、”スクナ”野郎!」
”ダム・ダム”:「てめェ~の意見はどうなんだよコラ!女にばっか発言させてねェで何とか言いやがれ」
”ダム・ダム”:「あと、殺すなら殺せ。」
”ダム・ダム”:「それくらいのことはしてる。オレらは隊長と死ぬって決めてンだよ」
”ルーディメンツ26”:「……」
宮代火澄:「それは僕が決めることだ。君に言われてやることじゃないよ」
柏夕陽:刀を抜いてダム・ダムの義体に向ける。
宮代火澄:「夕陽、待って」
宮代火澄:「ルーディメンツ」
宮代火澄:「さっき、痛み分けと言ったな」
”ルーディメンツ26”:「確かにそう発言した」
宮代火澄:「生憎だけど僕は」
宮代火澄:「大切な人の痛みと、そうでない相手の痛みを等価に感じることができるほど、お利口じゃない」
”ルーディメンツ26”:「……強欲だな。だが、理解できる理屈だ」
”ルーディメンツ26”:「なら、君は何を望む。僕たち”ソナープロット”に」
宮代火澄:「未来」
宮代火澄:「セルヴォワを倒し、この街の騒動が収まった後」
宮代火澄:「僕らに攻撃を行わないこと。少なくともこれは確約してもらいたい」
”ルーディメンツ26”:「……」
”ルーディメンツ26”:「未来か」
”ルーディメンツ26”:「君は優れたリーダーになるだろう」
”ルーディメンツ26”:「……それは、指揮官が部下に見せるべき最大のものだからだ」
”ルーディメンツ26”:「未来を保証する、と言うなら……一つ、確実な方法がある」
”ルーディメンツ26”:「”バチスカーフ”をUGNの庇護下、管理下に置く」
”ルーディメンツ26”:「僕たちは部下に対して攻撃を行わない。君たちは公的な身分を得、”バチスカーフ”としての活動を保証される」
”ルーディメンツ26”:「これが”ソナープロット”に可能な最大限の条件だ」
”ルーディメンツ26”:「僕は……………」
”ルーディメンツ26”:「君たちと、敵対したくない。”バチスカーフ”」
宮代火澄:「ルーディメンツ」
宮代火澄:「君が最大限の誠意を見せてくれていることは理解した」
宮代火澄:「でも、その誘いは即答しかねる」
”ルーディメンツ26”:「……了承した。この場で解答しなくても構わない」
”ルーディメンツ26”:「負傷した人員の治療を優先しろ」
宮代火澄:「……ルーディメンツ」
宮代火澄:「君たちは、僕らの仲間を殺した」
”ルーディメンツ26”:「そうだ」
宮代火澄:「君たちに君たちの理由があったことはわかっている」
宮代火澄:「僕らだって自分たちに何の咎もなかったとは思っちゃいない」
”ルーディメンツ26”:「…………」
宮代火澄:「それでも」
”ルーディメンツ26”:「ああ」
宮代火澄:「奪われたことを、忘れられるわけじゃない」
宮代火澄:拳を握りしめて。
宮代火澄:「……条件は改めて話し合おう」
”ルーディメンツ26”:「了解した。我々の回線、及び工廠の座標を送信しておく」
宮代火澄:気を失っている二人を助け起こして、背を向ける。
柏夕陽:虚姫の身体を受け取る。
”ルーディメンツ26”:「…………”スクナ”。君が僕たちの誠意に一定の理解を示したことを」
”ルーディメンツ26”:「感謝する」
宮代火澄:良い人間なのだろうと思う。
宮代火澄:正しいことをしているのだろう。
”ルーディメンツ26”:ヘリが降下する。”ハリファックス”、”リムショット”が義体を懸架し、
宮代火澄:──でも、僕を助けてくれたのは君じゃなかった。
”ルーディメンツ26”:”ルーディメンツ26”が最後に乗り込んだ。
”ルーディメンツ26”:ヘリが離陸する。
”ルーディメンツ26”:空と海、二つの道を分かつように。
宮代火澄:僕の大事な人たちは、こっち。
宮代火澄:「さよなら」
宮代火澄:分かたれた道を歩みだした。己の選んだ道を。
───────
GM:ロイスの取得・変更が可能です。
宮代火澄:ロイスはそのまま
宮代火澄:医療トランク使います!
GM:ドウゾッ
宮代火澄:11+2d10
DoubleCross : (11+2D10) → 11+5[4,1] → 16
宮代火澄:げげーっ
宮代火澄:すいませんもう一個もらいます……すまねえ……
柏夕陽:そんな時の為のもう一個!
此江・A・匸華:食べな食べな(口に詰め込む)
宮代火澄:16+2d10
DoubleCross : (16+2D10) → 16+13[8,5] → 29
宮代火澄:よし万全!
此江・A・匸華:ヨシ!
此江・A・匸華:HP1でむくりと起きます
宮代火澄:宮代火澄のHPを14増加(11 → 25)
宮代火澄:オッケー!
GM:全快!
”虚姫”:"バチスカーフ"のみんな:○恋慕/不安→○親愛/悔悟 に
GM:解き放たれてる!!!
”虚姫”:前のシーンでやるの忘れてた
”虚姫”:以上で
宮代火澄:こちらも以上!
此江・A・匸華:あたしも以上~
柏夕陽:以上です!
GM:OK!
GM:では……次回、クライマックス!
GM:心して待て!
Climax:恣海楽土ニライカナイ
GM:全員登場。登場浸蝕をどうぞ。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を1D3+3(→ 6)増加(117 → 123)
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1D3+3(→ 5)増加(100 → 105)
GM:なお、登場浸蝕には
此江・A・匸華:あっそうだ! 侵蝕抑制のお薬!
宮代火澄:そうそう
”虚姫”:そういえば
GM:前回ソナープロットからゲットしたエナヴェイトDを使うことができます。
此江・A・匸華:ふつーの1d10侵蝕ダイスが1になる効果だけど、今回はどうなるんだろ?
宮代火澄:登場侵蝕が1になる感じでいいのかな?
GM:アイテムの効果的に浸蝕を抑えるためのものなので、これも1としてカウントしましょう。
”虚姫”:なるほどね
”虚姫”:じゃあ…使います
宮代火澄:使います!
此江・A・匸華:やったぜ。そしたらエナヴェイトD使って、侵蝕は118になります。
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を1増加(100 → 101)
柏夕陽:エナヴェイト使って、
柏夕陽:侵蝕は112→113に
宮代火澄:同じくエナヴェイト使って111に!
GM:OK!では行くぞォ!!
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を1増加(110 → 111)
───────
GM:S県帆毬市 8/19 AM01:14
GM:UGN帆毬支部 第一義体工廠
───────
GM:UGN帆毬支部は、義体部隊の”ソナープロット”を擁する関係上、造船企業のカヴァーを有する
GM:戦闘の高圧力に耐えうる素材加工や、耐圧計器類の増設、より高度な火器管制システムなどの積載は、
GM:あくまで研究屋である”バチスカーフ”に比べて、”ソナープロット”に一日の長が存在する。
"かなえ":『――皆さん』
"かなえ":『”かなえ”D種潜航艤装、ただいま配備完了しました』
宮代火澄:「お疲れ様。調子はどう?」
"かなえ":ハンガーに吊るされた”かなえ”の躯体は随分様変わりしている。
"かなえ":『良好です。基礎構造は残して外装と潜航システムのみを換装したため、大きな違和感なども存在しません』
此江・A・匸華:「すっご! なんか……垢抜けた?」 首を傾げる。言ってはみたものの使い方として合っているかはいまいち分かっていない。
”虚姫”:「………」複雑な気持ち
"かなえ":より潜航に適した……深海魚に近い尾翼やガルウイングを備えている。
”ルーディメンツ26”:「理論上では7500Mまで潜航可能なはずだ。”バチスカーフ”の潜航理論は既に完成している」
”ルーディメンツ26”:「潜航限界が6000M程度だったのは、単純に耐圧殻の問題だ。それを僕たちの技術で補った」
此江・A・匸華:「かなえ、変なところ触られなかった? 大丈夫?」
”ルーディメンツ26”:ハンガーのラッチからスーツ姿の男が降りて来る。
"かなえ":『いえ。”ソナープロット”の皆さんはいずれも良くしてくださいました』
"かなえ":『ですが、心配して頂けたこと感謝します』
此江・A・匸華:「当たり前だよ~、かなえも仲間なんだし、何より、」 近付いて換装された外壁を撫でる
此江・A・匸華:「もう一回、あたし達の命背負ってもらうんだもんね」
"かなえ":『”ダム・ダム”さんが私のことをポンコツ呼ばわりしたのは……タスクの最下位に置きましょう』
宮代火澄:「結構根に持ってる」
宮代火澄:くす、と思わず吹き出す。
”ルーディメンツ26”:「……彼には後で僕から伝えておく。ブリーフィングに入って構わないか」
宮代火澄:こほんと一度咳払いして。
宮代火澄:「ああ、始めよう」
柏夕陽:皆が話している間、UGN支部の内部構造を記憶するようにじっと辺りを見回している。
柏夕陽:「どうぞ。”ルーディメンツ26”。」
”ルーディメンツ26”:「……”バチスカーフ”はこれより帆毬湾に再度潜航する」
”ルーディメンツ26”:「最終目標は深海都市ニライカナイへの到達……及び当該座標に潜伏したと思われる”ホテル・セルヴォワ”の撃滅」
”ルーディメンツ26”:「この目標には相違ないか?」
宮代火澄:「問題ない」
"かなえ":『では、これより先の敵戦力同定は私より説明を』
"かなえ":『”ホテル・セルヴォワ”……彼らは先代セルリーダーである”ペスカドレ”を筆頭に、』
"かなえ":『”ホテル・セルヴォワ”のマーセナリーの生き残り、及び彼らの”研究成果”を連れ』
"かなえ":『深海都市ニライカナイへの到達を目指しているようです』
"かなえ":『”研究成果”というのは……』一度、停止する。
"かなえ":『……失礼しました。”研究成果”というのは、つまり』
"かなえ":『”虚姫”に施された術式と酷似した実験を受けたチルドレンを彼らは戦力として抱えています』
此江・A・匸華:「…………」 きゅ、と眉根が寄る。
”虚姫”:「───そう…」
"かなえ":『調査に赴いた”ソナープロット”の先遣隊は一瞬で壊滅しました』
宮代火澄:「……」眉をひそめる。
"かなえ":『彼女のコード……”穹華”という名称だけが判明しています』
”虚姫”:「じゃあ、一人だけ。なんだ」
"かなえ":『”虚姫”に施された術式を持つ戦力という意味では、そうなります』
柏夕陽:「施された術式が同じということは、」
柏夕陽:「攻撃も同じ質ですか?」
柏夕陽:「虚姫さんと同じ、広域制圧攻撃という意味です。」
"かなえ":『肯定:広域攻撃を専門とすると推測されます』
"かなえ":『”虚姫”と同一の、異なる感覚質で現実を観測し、干渉する系統の能力のようです』
”虚姫”:……一人で良かったと思うべきか、一人居ると思うべきか。
”ルーディメンツ26”:「こちらのドローン部隊で収集できた情報はここまでだ」
”ルーディメンツ26”:「しかし、もう一人のマーセナリーについてはある程度顔が割れている」
此江・A・匸華:「他にもいるんだ……それもそっか、用意周到だもんね」 げんなりしている
"かなえ":『コードネーム:”チチェローネ”。シンドローム同定:ノイマン/ブラックドッグ』
"かなえ":『”ダモクレス”と同一境遇の、”ホテル・セルヴォワ”の子飼いでありながら』
"かなえ":『洗脳手術を受けず、彼女個人に忠誠を誓うマーセナリーのようです』
"かなえ":ホログラムによる顔写真が投影される。
”ロイコ”:そこには、”ロイコ”に酷似した褐色の容貌を持つ少年の姿が映っていた。
宮代火澄:「ロイコ……!?まさか」
”虚姫”:「……」
"かなえ":『”ロイコ”の”生前の体”の肉親であると推定』
”ルーディメンツ26”:「”ペスカドレ”は用意周到だ」
”虚姫”:覚えているような、いないような。どちらにせよ、大して印象に残っていない事は確かだ。
”ルーディメンツ26”:「”ネクラファジー”の頭目が”ロイコ”だと悟った時から、彼女は”チチェローネ”の身元を確保しようとしていたらしい」
宮代火澄:「周到というか、悪辣だね」
柏夕陽:「一つ訂正を。」
"かなえ":『どうぞ、”ダモクレス”。』
柏夕陽:「私は子飼いになった覚えはありません。」
柏夕陽:「”ダモクレス”の刃は誰の上にもある。」
柏夕陽:「だからこそ存在意義があるのです。」
”ルーディメンツ26”:「……今まさにその剣が落とされようとしているわけか」
”ルーディメンツ26”:「君たちは”チチェローネ”にも刃を落とすのか?」
柏夕陽:「必要とあらば。」
柏夕陽:「手を抜いて勝てる相手だとは思いませんし、」
柏夕陽:「情に訴えかけるという目も”ペスカドレ”が潰しています。」
宮代火澄:「洗脳手術を受けていないということは」
宮代火澄:「必要ないと判断してるってことだろう。あの”ペスカドレ”が、側に置きながら」
柏夕陽:「……ここにいる中で、交渉材料を持っていると胸を張って言える方はいますか?」
柏夕陽:「いないでしょう。……死んだ”ロイコ”を除いては。」
”ルーディメンツ26”:「…………」
”ルーディメンツ26”:「任務には”リムショット”、及び”13./£”も同行する」
”ルーディメンツ26”:「もしも……奇跡的に、”チチェローネ”を捕縛できるようなことがあれば」
”ルーディメンツ26”:「その際は、身柄はこちらで引き取る」
此江・A・匸華:「努力はするけど、あんまり期待はしないで」
宮代火澄:「異論はない」
此江・A・匸華:「多分……というか確実に。手加減とかできる状況には、ならないだろうし」
"かなえ":『……”ホテル・セルヴォワ”の戦力同定は以上ですが』
"かなえ":『”ペスカドレ”自身も強力なオーヴァードだと予想されます。最大限の注意を推奨します』
宮代火澄:「能力は不明か。あの秘密主義だし当然かな」
宮代火澄:「わかってる、全力で当たるよ」
此江・A・匸華:「うんっ。ほんとにホントの正念場だからね」
”ルーディメンツ26”:「……では、これより作戦に入る。”リムショット”、”13./£”。両員彼らを全力で輔弼せよ」
”リムショット”:「あッ……ば、”バチスカーフ”の皆さん!狙撃手”リムショット”、現着しましたッス!」
”リムショット”:「さっきはバカスカ撃ってマジでスミマセン!全力でやるんで、よろしくお願いします!」
此江・A・匸華:「ノリ軽っ」 ちょっと頬が引き攣る。
”13./£”:「…………”リムショット”は誰に対してもこういう男だ」
”13./£”:「腕に問題はない」
宮代火澄:「君たちの実力はよくわかってるつもりだ」
宮代火澄:「頼りにさせてもらうよ」
”13./£”:黒鉄の義体と、親指を立てた昆虫のような義体が”かなえ”に乗り込む。
此江・A・匸華:「身を以て知ってるもんねぇ……」
"かなえ":『喫水シーケンスを開始します。各要員、搭乗準備を……』
柏夕陽:「行きましょう、みなさん。」
"かなえ":タラップが展開される。
柏夕陽:タラップを渡り、”かなえ”に乗り込んでいく
”虚姫”:「……うん」どこか浮かない表情のまま
”虚姫”:タラップの手前で一瞬だけ足を止め…柏の後に続く
此江・A・匸華:その後ろから少し駆け足で乗り込み、虚姫さんに背後から抱き着く
此江・A・匸華:「大丈夫だよ」
此江・A・匸華:「虚姫さんは一人じゃない」
”虚姫”:「……!ちょっ…何、ですか…」
此江・A・匸華:「なんか緊張してるみたいだったから?」
”虚姫”:「………」
”虚姫”:…そうだな。"らしく"なかった
”虚姫”:背後から伸びる此江の腕を握る。
”虚姫”:「うん…ありがと。此江ちゃん。」
此江・A・匸華:「えへへ、どういたしまして」
此江・A・匸華:「ほらっ、火澄も早く~」 顔だけ後ろを向いて笑顔で呼ぶ
宮代火澄:「うん」
宮代火澄:笑顔で応えて、タラップに。
宮代火澄:「ルーディメンツ」
宮代火澄:振り返る。
宮代火澄:「僕が、」
宮代火澄:──僕が死んだら、みんなのことを頼む。
宮代火澄:後のことを頼もうとして、やめた。
宮代火澄:他人のことを縛るのは嫌いだ。ルーディメンツに対しても、皆に対しても。
”ルーディメンツ26”:「……ああ。その選択は正解だ。宮代火澄」
”ルーディメンツ26”:教師のような口調で微笑む。
”ルーディメンツ26”:「僕からの忠告は一つだ。君のしたいようにしろ」
”ルーディメンツ26”:「結局の所、それが一番うまく行く」
宮代火澄:「……正解もらいたくてやめたわけじゃないけど」
宮代火澄:少しすねたように愚痴を叩いて。
宮代火澄:「僕が戻ったら、あとのことを話そう」
宮代火澄:死んだ後より、生きのびてからのことを話した。
”ルーディメンツ26”:「ああ。戻って来ると信じている」
”ルーディメンツ26”:「それと……」
”ルーディメンツ26”:「……これは傲慢な考えだと理解している。だが」
”ルーディメンツ26”:「”やしろの輪”のことは聞き及んでいる。君を助けられなくて済まなかった」
”ルーディメンツ26”:「……戻って来たら。その時は、今度こそ。頼ってくれ」
宮代火澄:「……」
”ルーディメンツ26”:「以上だ」振り向き、去っていく。
宮代火澄:「真面目すぎだよ、あなたは」
宮代火澄:「生憎だけど、そうそう頼らないよ。僕の仲間はここにいる」
宮代火澄:かなえを指して。
宮代火澄:「僕はあなたに助けられなかったけど」
宮代火澄:「それでも、大切な仲間は手に入れた。……だから」
宮代火澄:「あなたが責任を負う必要はない」
宮代火澄:「……って、僕が言っても。響くかしらないけどさ。一応言っておく」
宮代火澄:「それじゃ。……また」
宮代火澄:背を向けて、かなえに乗り込む。
”ダム・ダム”:『じゃあな、クソ野郎共!セルヴォワ野郎をブチ殺すまで帰って来ンじゃねェぞ!』
”ゴースト・ノート”:『あ、あの……み、皆さん!し、死なないでくださいね……!』
GM:それぞれの通信が響く中、”かなえ”がゆっくりと排水する。
GM:躯体が海に身を沈めていく。
”ルーディメンツ26”:「……」それを最後まで見つめ、
”ルーディメンツ26”:ただ静かに、敬礼をした。
───────
GM:帆毬湾 深度1500m
GM:”かなえ”D種潜航艤装内 リラックスルーム
───────
GM:擂鉢状の樹脂窓から見える海は、急速に明度を落としていく。
GM:先だっての掃討が効いたこともあってか、深海生物は姿を見せていなかった。
"かなえ"D種潜航艤装:『前回航行でのデータ蓄積が効果的に働いています』
"かなえ"D種潜航艤装:『危険性の高いルートを確実に回避可能。水深7500m到達まで約2時間を想定』
"かなえ"D種潜航艤装:『総員に伝達。最後の休息を推奨します』
宮代火澄:「ありがとう、かなえ」
宮代火澄:返答してから、ソファに深く座り込む。
”虚姫”:天井を見上げるように、壁にもたれる
"かなえ"D種潜航艤装:深度計は確実に数字を増していく。水深7500M……その先にあるという、”ニライカナイ”到達まではそう時間を要さないだろう。
此江・A・匸華:念のために外の音に耳を澄ませるが、かなえの言う通り襲ってきそうな群れはいないようだった。
”虚姫”:「……2時間、か」
此江・A・匸華:「寝るには短いしぼーっとするには長いや」
”虚姫”:「………」
”13./£”:「仮眠には十分な時間だと推測するが」
”リムショット”:「は……ハリ姉さん!空気読めなすぎ!」
”リムショット”:「ちょっと俺ら義体の最終メンテ行ってきます!ホラッ 邪魔したらダメッスよ!」
此江・A・匸華:「仕事人間って感じ」 背中を見送りながら。
宮代火澄:「行ってらっしゃい」苦笑しながらリムショットたちを見送る。
”13./£”:「……何だ急に。まあいい、了承した……」”リムショット”に引きずられ、艦の後方へと消えていく。
”虚姫”:その後ろ姿をじっと見つめて
”虚姫”:「……私は」二人が去った少し後に口を開く
宮代火澄:「うん?」
”虚姫”:「まだ、よく分かんない。自分が今、どこに立ってるのか。」
”虚姫”:「──あの人達を倒さなきゃ やり返さなきゃ って思ってたのに」
”虚姫”:「倒れて 起きて 気付いたら、あの人達はこっち側に居て」
”虚姫”:「……せっかく、私の線が引けたと思ったのに」
”虚姫”:「あと……何本引けばいいんだろう」
此江・A・匸華:「複雑なのは、うん……すっごくわかるな」
此江・A・匸華:特に、”13./£”のことは。どうしたって、負の感情が溢れ出そうになってしまう。
柏夕陽:「お望みなら、」
柏夕陽:「事が終わった後に殺すことも出来ます。」
”虚姫”:「………」
柏夕陽:「話を勝手に進めてしまい申し訳ありません。が、」
柏夕陽:「”ホテル・セルヴォワ”を追うには彼らの力がどうしても必要だったのです。」
此江・A・匸華:「"バチスカーフ"の力だけじゃ、7500mまでは潜れなかったんだもんね」
”虚姫”:「…うん、分かってる。あの人達と私達の目的は同じ。協力しあう理由は十分にある」
”虚姫”:「……でも…」
宮代火澄:「理屈ではわかっても、納得できないことはあると思う」
宮代火澄:「ルーディメンツが提案してきた、この後のこともね」
”虚姫”:「敵でも味方でもないなら、あの人達は一体なんなの…?」
"かなえ"D種潜航艤装:『……”バチスカーフ”を”ソナープロット”の管理下に扱うという提案』
此江・A・匸華:「管理下に、ってそれ……あたし達に、UGN側になれ、ってこと?」
”虚姫”:それを受けたの?と言いたげな目で、火澄を見る
宮代火澄:「保留したよ。それこそ、二人の意見を聞かずに受けられることじゃなかったから」
”虚姫”:「……」胸を撫で下ろしていいのかも、わからない。なにせ想像もしていなかった事だ。
柏夕陽:「事を終えた後、」
此江・A・匸華:「……ううん。あたしも、すぐに答え出せるかって言われると、無理だな」
柏夕陽:「我々で今後の去就についての話し合いを持ち掛ければ、」
柏夕陽:「UGN支部に入り込むことが出来ます。」
"かなえ"D種潜航艤装:『…………改修の際』
此江・A・匸華:意図を掴みかねるようにぱちぱちと瞬きを繰り返す。
"かなえ"D種潜航艤装:『帆毬支部第一義体工廠の構造は記録済です』
柏夕陽:「生身のルーディメンツと相対する好機です。」
柏夕陽:「彼を暗殺すればUGN支部は義体制御機能の大半を喪失するでしょう。」
此江・A・匸華:「えっ、あ、交渉とかじゃなくてそういう話……?!」
柏夕陽:「今こちらにいる二人の義体も戦闘の間隙に紛れて破壊すれば、」
柏夕陽:「UGN帆毬支部の義体は全て修理中になるでしょう。」
宮代火澄:「夕陽は、そうするのがいいと思ってる?」
此江・A・匸華:「それは……ええと、うん、確かに……」 納得しつつも、困惑した表情を隠せない
”虚姫”:「……つまり」
”虚姫”:「私達がされたのと 同じ事を──」
柏夕陽:「仇を、全員、殺せます。」
柏夕陽:「私は──どうでしょう。」
柏夕陽:「今は、”バチスカーフ”の力になりたいと思っています。」
柏夕陽:「でも、少し前の私だったら…」
柏夕陽:「実行するでしょうね。」
柏夕陽:「背教者を殺すのが私の使命でしたから。」
"かなえ"D種潜航艤装:『”オッタ―トロール”を使用された時点で、”バチスカーフ”の連続性は厳密には遮断されています』
"かなえ"D種潜航艤装:『提議:記憶の奪回後の方針策定』
"かなえ"D種潜航艤装:『……加えて、提議』
"かなえ"D種潜航艤装:『”ニライ”が生存していれば、状況が変化する可能性は存在します』
宮代火澄:「……そう、だね」
”虚姫”:「………」彼女との思い出を辿ると、穴の空いたような箇所が存在する。それが奪われた記憶…という事なのだろう。
宮代火澄:遠江が生きていてくれれば。本当に、この深海に居てくれれば。
宮代火澄:……もしも、ここにも居なければ。
宮代火澄:「うん。……ともあれ、まずは目の前のことだ」
宮代火澄:よぎった不安を振り払うように声を上げる。
此江・A・匸華:「うん。後で……"5人"で。改めて考えようよ」
此江・A・匸華:「……あっ、かなえもいるから6人か! ごめんごめん」
"かなえ"D種潜航艤装:『光栄です』
宮代火澄:「一応、今の僕の考えだけ話しておく」
宮代火澄:「ただこの先、生きていくことだけ考えるなら」
宮代火澄:「ルーディメンツの提案は悪くない話だと思う」
宮代火澄:「でも、彼らは皆の仇だ。やっぱり許せない気持ちはある」
宮代火澄:「だから、悩んでる。どうすべきか……より、どうしたいかを」
”虚姫”:「……火澄くん、一つだけ。いい?」
宮代火澄:「なに?」
”虚姫”:「──あの人達は…"思い合える相手" になれるの?」
”虚姫”:前の私が聞いた話 前の私を動かした話
”虚姫”:だから、聞いておきたかった。
宮代火澄:「……難しいな」
宮代火澄:「話し合える相手だとは思った。でも」
宮代火澄:「恨みはある」
”虚姫”:「………」
”虚姫”:彼でも、歯切れの悪い時はあるんだな。と思った
宮代火澄:「……そうだね。心から思い合えない相手に従うのは、やっぱり難しいか……とは、思うな」
宮代火澄:「でも、どうするにしろ。"バチスカーフ"が生きていく上で、UGNへの対応は不可欠だ」
宮代火澄:「夕陽の話した殲滅にしろ、ルーディメンツの示した共存にしろ」
宮代火澄:「……終わったら、また話し合おう。未来のことを」
”虚姫”:「……うん。ごめんね、大事な戦いの前に変な事聞いて」
宮代火澄:「変じゃないよ。虚姫が考えてくれてるのは、僕も嬉しいしね」
"かなえ"D種潜航艤装:『……』沈黙したままその話し合いを聞いていたが
"かなえ"D種潜航艤装:『……これは!』
"かなえ"D種潜航艤装:じ りりりりりりりりり
"かなえ"D種潜航艤装:不意に艦内に警報が響く。
此江・A・匸華:「なになにッ?!」 艦の外の音に耳を澄ませる
”虚姫”:窓の外に目を向ける
"かなえ"D種潜航艤装:『ソナーに反応を補足』
宮代火澄:「かなえ、状況は?」
"かなえ"D種潜航艤装:『巨大な構造物が”かなえ”に向かって急速に接近しています』
柏夕陽:「まさか、”ニライカナイ”ですか?」
"かなえ"D種潜航艤装:此江・A・匸華の耳なら、あるいは識別することもできるだろう。
"かなえ"D種潜航艤装:『いえ――これは』
"かなえ"D種潜航艤装:『以前遭遇した波形です』
"かなえ"D種潜航艤装:『”てまり6500”――』
此江・A・匸華:「沈んだ筈の──潜水艇!」 かなえとほぼ同時に叫ぶ。
”虚姫”:「───」"昔、『てまり』とかいう探査船が沈んだ事故があってさ"
”てまり”:虚姫さんが覗く窓の外に
”てまり”:前回の潜航できみたちが遭遇した巨大潜水艇――”てまり6500”が、急速に迫って来ている。
"かなえ"D種潜航艤装:『潜航速度を上昇させます。深度5000に到達!』
"かなえ"D種潜航艤装:”かなえ”が回避のために深度を下げるが、”てまり”は意に介さず接触を敢行する。衝撃、警報音。
宮代火澄:「くっ……!」
此江・A・匸華:「へぶっ」 壁に強く押し付けられて変な声が出る
”リムショット”:「ちょ……襲撃ッスか!?」艦橋から転がり出るように、銃を構えた義体が出て来る。
”虚姫”:「──っ…でも、これがあるって事は…」
”ペスカドラ”:『――まさかマジで”ニライカナイ”まで追って来るとはな』
”ペスカドラ”:艦内に声が響く。接触による有線通信。
柏夕陽:「”ペスカドラ”……」
此江・A・匸華:「っ、この声……やっぱり!」 強く打ち付けた額を押さえながら、恨めしそうに窓の外を睨む。
”ペスカドラ”:『生憎アンタらみたいにUGNと組むほど恥知らずじゃないんでね』
”ペスカドラ”:『有りものを利用させて貰ったんだよ。冴えてるだろ?』
”虚姫”:「………」
宮代火澄:「散々、人を利用してきたあんたに恥を説かれるとはね」
”ペスカドラ”:『”穹華”はそっちの失敗作と違って優秀だからな。イカれた潜水艇の制圧くらい一人でできる……って、何だよ。ちょっとしたジョークだろ』
”ペスカドラ”:『それに』
”ペスカドラ”:『これから死ぬ奴等に恥を隠しても仕方ねェだろ』
"かなえ"D種潜航艤装:振動。再び警報音。
柏夕陽:「かなえさん、損傷は?」
"かなえ"D種潜航艤装:『同じ攻撃を耐衝可能なのは二、三度です』
"かなえ"D種潜航艤装:『以前の装甲補修がなければ、轟沈していたと予想されます』
"かなえ"D種潜航艤装:『提言:”てまり”に対する迎撃』
”虚姫”:「迎撃…」
"かなえ"D種潜航艤装:『潜水艦に損傷を与えれば、彼らは不時着できる構造物を目指さざるを得なくなります』
"かなえ"D種潜航艤装:『提議:”ニライカナイ”にて散兵戦を展開』
宮代火澄:「このままやられてるわけにはいかない。それでいこう」
宮代火澄:「向こうにニライカナイまで案内してもらう」
此江・A・匸華:「……オッケー! 休憩はここまでだね」
穹華:『……ご主人様。”バチスカーフ”が来るみたい』
穹華:『どうすればいいかな』
穹華:有線通信越しに、物静かな少女の声が聞こえる。
”ペスカドラ”:『簡単さ。さっきみたいに、アンタの能力でやっちまえば良い』
”虚姫”:「っ……」その声を聞いて、首を横に振る。
此江・A・匸華:「虚姫さんは、虚姫さんだよ」 赤くなった額を隠しながら、笑いかける
”ペスカドラ”:『”チチェローネ”!操縦任せた!アイツらも馬鹿じゃねえ。来るぞ』
此江・A・匸華:「誰よりも強い、あたし達の自慢の──最高のエージェント」
”虚姫”:「………!」
”虚姫”:「……私が」
此江・A・匸華:「っていうか、今更ムカついてきた! 虚姫さんのこと馬鹿にして!」 ガルルルと窓の外に威嚇を始める
宮代火澄:「まったくだ。失敗だの成功だの、あいつの勝手な視点で虚姫のこと決めつけられたくないね」
宮代火澄:「……あいつの目が間違ってるっての、見せつけてやって」
"かなえ"D種潜航艤装:『肯定』
"かなえ"D種潜航艤装:『これは一切の根拠に基づかない発言ですが』
"かなえ"D種潜航艤装:『”虚姫”の性能は、”穹華”のそれよりも。上です。”かなえ”自身がそう判断します』
”虚姫”:"かなえ自身が"
”虚姫”:他でもない、彼女にそう言われてしまった。
”虚姫”:なら、私は─────私が
”虚姫”:「私が…止める!だから、火澄くんはその隙に一撃入れて!あの主砲!」
宮代火澄:「……任された!」
宮代火澄:"頼まれごと"に、気分を高揚させる。
"かなえ"D種潜航艤装:『”ダモクレス”。同様に、貴女のオペレートは非常に優秀です』
”虚姫”:そう呼びかけて、窓際に立つ。わからない。熱にうだされてる?あんな発破で
"かなえ"D種潜航艤装:『サポートをお願いします』
柏夕陽:「”ソナープロット”の皆さん。」
”13./£”:「……」
柏夕陽:「”リムショット”さんは射撃支援を。」
”リムショット”:「う、ウス!!」
”虚姫”:(でも……)額に汗が浮かぶ。何も考えずに撃てばそれで良かった砲撃とは違う
柏夕陽:「”13./£”さんは私と接近戦に備えてください。」
”虚姫”:(気分は、悪くない…!)潮目を読むように、空間認識を広げる。
柏夕陽:「”かなえ”さんは砲座をオートモードに。」
”13./£”:「了解した。”掌握を開始する”……」
柏夕陽:「”てまり”は火澄さんの砲門で潰します。」
"かなえ"D種潜航艤装:『――”ダモクレス”と意見の一致を確認』
"かなえ"D種潜航艤装:『既に砲座、起動させています』
柏夕陽:「此江さんは能力で”かなえ”さんの航行の補助と、」
柏夕陽:「髪弾が飛ばせれば火澄くんの援護を。」
柏夕陽:「”虚姫”さんは──」
柏夕陽:「”バチスカーフ”を信じて、”バチスカーフ”を守ってください。」
”虚姫”:表情で応える
此江・A・匸華:「うん、分かった!」 酸素の膜を纏う。ぐっぐっと伸びをして、準備は万端だ
”虚姫”:「任せて…!」
”虚姫”:「そう言うの、多分 私…大好きだ!」
”虚姫”:そう言って、闇へと視線を戻して──
”虚姫”:「── 来るよ!」
───────
”虚姫”:医療トランク2つ使います
GM:どうぞ!!
”虚姫”:”虚姫”のHPを2D10(→ 2)増加(1 → 3)
”虚姫”:”虚姫”のHPを2D10(→ 8)増加(3 → 11)
”虚姫”:4d10で10???
GM:ガラクタつかまされてる……
宮代火澄:お、おつかれさま……
此江・A・匸華:まあこんな状況下だし……ネッ
───────
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:このクライマックス戦闘では、特殊なエンゲージが採用されます。
GM:現在エンゲージは「てまり」と「かなえ」の二つに分かれており、
GM:射撃攻撃以外の攻撃は、他のエンゲージに対して通りません。
宮代火澄:げげげっ
柏夕陽:じゃあ私何も出来ない…
GM:まだ諦めるのは早いぜ!
GM:以上の効果は、エネミー「てまり」が撃破された場合即時解除され、
GM:通常のエンゲージルールに移行します。
”虚姫”:ふむん
GM:つまり早い話がさっさと潜水艦をぶっ壊してニライカナイに誘導しようということですね。
此江・A・匸華:ヒャッハー!強襲戦だぜッ
宮代火澄:なるほどなるほど
GM:あと、大事なルールがもう一つあります。
宮代火澄:はい!
GM:イージーエフェクト《海の魔術師》を持っているPCは、このエンゲージルールを無視して、直接”てまり”の中の人員にダメージを与えることが可能です。
宮代火澄:ほっほー
GM:また、エンゲージの移動は基本不可能ですが、《海の魔術師》を保有していれば可能なものとします。
此江・A・匸華:むふー
GM:あ、最後にこっちのエンゲージの説明するの忘れてた
GM:こちらの”かなえ”も基本的に”てまり”と同様の仕様です。
此江・A・匸華:む、向こうも"かなえ"をぶっ潰しにくる……ってコト?!
GM:そうです。ただし、前回の探索で装甲を回復させてくれたので
GM:〇*3で150HPからのスタートとします。
GM:長くなりましたが、特殊戦闘のルール説明は以上です。何か質問などはありますか?
宮代火澄:私は大丈夫かな!
柏夕陽:大丈夫です!
此江・A・匸華:大丈夫だよ~
”虚姫”:大丈夫です
GM:では、改めてクライマックス戦闘を開始します。
GM:まずはNPCカードの提示から。
★NPCカード:”かなえ”(D種潜航艤装)
●オートアクションで使用時、任意の判定の達成値を+3、またはダメージを+1d10する。1R1回使用可能。
★NPCカード:”ソナープロット”
●シャープポイント・オペレーション
シナリオ1回。オートアクション。
対象は①②の効果をそれぞれ選択し、使用できる。
①PC1体の行う攻撃の対象を「2体」に変更し、攻撃力を+3dする
②PC1体の攻撃力を+12し、装甲無視・ガード値無視の効果を与える
GM:では、最初にエンゲージの提示。
▼エンゲージ
(”チチェローネ”[6]、”ペスカドラ”[7]、”穹華”[13]、”てまり”[0])
5m
(”かなえ”[0]、”スクナ”[14]、ダモクレス”[8]、”虚姫”[7]”、”カグラ”[7])
[]内は行動値
GM:”かなえ”、”てまり”は行動をせず、HP管理用のオブジェクトとして扱います。
GM:【SETUP】
GM:セットアップ。何かある方は行動をどうぞ。
宮代火澄:<鮮血の奏者> コンボ:贖いの血晶
宮代火澄:自身のHPを2点消費し、対象にラウンド間攻撃力+21。対象は自分。
”虚姫”:なし
宮代火澄:宮代火澄のHPを2減少(25 → 23)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を4増加(111 → 115)
”ペスカドラ”:【波濤褸(イライジャ)】《活性の霧》+《タブレット》+《多重生成》
”ペスカドラ”:味方全員に攻撃力+12、ドッジダイス-2
此江・A・匸華:ないよ~
柏夕陽:なし
”チチェローネ”:なし。
穹華:ありません
GM:では……イニシアチブ順に進めていきましょう!
GM:【INITIATIVE】
GM:まずはイニシアチブ14、宮代くんから。
宮代火澄:何もなければ動きます
GM:イニシアチブ行動はありません。行動をどうぞ。
宮代火澄:マイナーはエンゲージ固定だから移動はできないでよかったですかね?
GM:その認識で大丈夫です!
宮代火澄:ありがとうございます、ではマイナーなし。オートアクションでウェポンケースを使用、試作レーザーランチャーを装備します。
宮代火澄:メジャーアクション、<コンセントレイト:バロール>+<瞬速の刃>+<因果歪曲> コンボ:泡沫の光
宮代火澄:対象:範囲(選択)の射撃攻撃を行います。対象は敵エンゲージの三人とてまり。
GM:オゲ~~~
宮代火澄:対応なければ命中行きます!
GM:全員差し込みありません。判定をどうぞ。
宮代火澄:12DX+9+0@7 (侵食上昇5、侵蝕100~)
DoubleCross : (12DX7+9) → 10[1,2,2,3,4,5,5,7,7,7,8,8]+10[3,3,4,8,8]+10[5,8]+2[2]+9 → 41
宮代火澄:よし、回った。41!
穹華:では
穹華:【リッケンバッカー】《炎陣》《氷盾》カバーリング+ガード値+10
穹華:”てまり”をカバーリング。
宮代火澄:んぎ~~
GM:他の2人も一応リアクションをしてみよう
”チチェローネ”:【プロウィンキア】《戦士の知恵》Lv4でガード。
”ペスカドラ”:ドッジ。
”ペスカドラ”:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 9[4,8,9] → 9
”ペスカドラ”:無理!ダメージ下さい!
宮代火澄:5d10+1d10+31+8 (装甲15点無視)
DoubleCross : (5D10+1D10+31+8) → 25[3,2,3,9,8]+2[2]+31+8 → 66
”ペスカドラ”:うおッ……きっつ……♡
宮代火澄:66点、15点まで装甲無視です。
”チチェローネ”:チチェローネ野郎がガード値で9点弾いて57点なので
”チチェローネ”:《電磁反応装甲》を2枚使います。
宮代火澄:むぐぐ
”チチェローネ”:差し引き17点。
穹華:穹華はガード値が10だから
穹華:112ダメージ……?
宮代火澄:112ですね
宮代火澄:10点引いて56の2倍!
”ペスカドラ”:それはちょっとまずいな
”ペスカドラ”:《ディスマントル》を使用します。
”ペスカドラ”:HPダメージ-15点。
穹華:97ダメージ喰らってまだ立ってます
宮代火澄:あっ
宮代火澄:ディスマントルは
宮代火澄:使用タイミング、ダメージロール前じゃなかったっけ……?
”ペスカドラ”:あっほんとだ!!
”ペスカドラ”:仕方ない。奥の手だ……《ひらめきの盾》を2回使用する。
宮代火澄:ひぃ~
穹華:20ダメージ減算して92ダメージに。生きてるがかなりギリギリになってしまった
宮代火澄:処理以上かな?
”ペスカドラ”:ペスカドラは普通に66点喰らって以上!
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を8増加(115 → 123)
”ペスカドラ”:ハアハア 耐え切った…?
宮代火澄:こちらもひとまずオッケー
GM:ウオオ!ではイニシアチブ13、穹華の手番!!
宮代火澄:お待ちを
宮代火澄:イニシアチブ行動あります!
GM:何だァ~?こっちのイニシアチブだぜ小僧ォ~~~ッ
宮代火澄:<時間凍結> コンボ:引きちぎる鎖
宮代火澄:HPを20点消費し、即座にメインプロセスを行います
GM:げ ゲエ~~~~ッ!!!獣の槍ィ~~~~~~ッ!!!
宮代火澄:通りますか!
GM:思い出の中でじっとしていてくれ
GM:それは…通ります。
GM:行動をどうぞ。
宮代火澄:ありがとう!
宮代火澄:宮代火澄のHPを20減少(23 → 3)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を5増加(123 → 128)
宮代火澄:マイナーなし。
宮代火澄:メジャーアクション、<コンセントレイト:バロール>+<瞬速の刃>+<因果歪曲> コンボ:泡沫の光
宮代火澄:対象:範囲(選択)の射撃攻撃を行います。対象はさっきと同じ!
”ペスカドラ”:コイツACだろ
宮代火澄:対応なければ命中判定!
”ペスカドラ”:対応ありません……判定をどうぞ。
宮代火澄:12DX+9+0@7 (侵食上昇8、侵蝕100~)
DoubleCross : (12DX7+9) → 10[1,2,2,2,3,4,6,6,6,7,9,10]+10[6,7,10]+2[1,2]+9 → 31
宮代火澄:ひとまず30超えたか
柏夕陽:勝利の女神いる?
柏夕陽:いや、何があるか分からないから温存しておきますか
宮代火澄:でいいと思う
宮代火澄:ありがとうね!
GM:ではリアクションを行います ハアハア
”チチェローネ”:【プロウィンキア】《戦士の知恵》Lv4でガード。
”ペスカドラ”:【舫綱(ピップ)】《ディスマントル》
”ペスカドラ”:チチェローネのダメージに-15
”ペスカドラ”:で、こっちのリアクションはドッジ…
”ペスカドラ”:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 9[2,9,9] → 9
”ペスカドラ”:9ばっか!当然無理です。
宮代火澄:ダメージいいかな?
穹華:こちらは《氷盾》でガードだ。
穹華:ダメージをどうぞ!
宮代火澄:4d10+1d10+31+8 (装甲15点無視)
DoubleCross : (4D10+1D10+31+8) → 24[6,2,8,8]+7[7]+31+8 → 70
穹華:さっきより高くなってんじゃね~~~~~!!!!
宮代火澄:よし、ダメージ回った!70の装甲15点無視です
穹華:ガードで10弾いて死ぬので
穹華:一回目の《蘇生復活》。
宮代火澄:ひえっ一回目ってなに?
”チチェローネ”:23点弾いて…47点。結構ヤバいけどまだ立っている
”ペスカドラ”:最後の《ひらめきの盾》。60ダメージ受ける。
GM:これで行動は以上。
GM:てまりも70ダメージ受けるぞ
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を8増加(128 → 136)
GM:では次のイニシアチブ!
”虚姫”:そのイニシアチブに
GM:ハアハア……まさかこのタイミングで割り込んでくる奴なんて
”虚姫”:《スピードフォース》を使用。手番を貰います。
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を4増加(101 → 105)
GM:げえっ!!凶羅ァ~~~~~!!!
GM:手番どうぞ……
”虚姫”:マイナーなし
”虚姫”:メジャーで『アコ・ラヴァ』《サイレンの魔女》《疾風迅雷》
”虚姫”:対象はエネミー全員。ドッジ不可です
”ペスカドラ”:来やがった!ダメージを寄越しな……!
”ペスカドラ”:疾風迅雷がよ~~~!
”ペスカドラ”:その前に判定ドウゾ!
”虚姫”:8dx+8
DoubleCross : (8DX10+8) → 9[1,3,3,5,7,7,8,9]+8 → 17
”ペスカドラ”:うおおお!!これならドッジの目が……目……
”ペスカドラ”:避けられない!(絶望)
”虚姫”:2d10+3d10+24
DoubleCross : (2D10+3D10+24) → 8[1,7]+17[9,1,7]+24 → 49
柏夕陽:強い
”チチェローネ”:キッツ~~~~
”虚姫”:装甲無視です
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を8増加(105 → 113)
”チチェローネ”:あ、すみません。ダメージロールの前に宣言忘れてた
”チチェローネ”:う~ん 背に腹は代えられないな……ここはメジャーを放棄して”てまり”をカバーリングします。
”チチェローネ”:同時に《戦士の知恵》《電磁反応装甲》も使用。
”ペスカドラ”:こっちはガード値など何もない。49ダメージ素通しで喰らいます。もうボロボロ
穹華:落ちる!
”ペスカドラ”:ここで
”ペスカドラ”:Eロイス《超越者の戯れ》を使用します。
宮代火澄:なんだぁっ
此江・A・匸華:むむっ
GM:効果を再確認しているのでちょっと待ってね
宮代火澄:はーい!
”ペスカドラ”:これは使用に同意した対象を即座にジャーム化し、衝動に対応したEロイスを取得させるというものです。
穹華:《修羅の世界》を取得し、復活します。
此江・A・匸華:こ、こいつ……ッ!
宮代火澄:なんてことしやがる……
穹華:リアクションは以上です。
宮代火澄:あっすいません チチェローネの処理について確認を!
GM:ハイハイ!
宮代火澄:虚姫ちゃんの攻撃が装甲無視49点ダメージに対してカバーリング
”チチェローネ”:その際に戦士の知恵を使用したので
宮代火澄:戦士の知恵でガード値が8か9?で、カバーリング二倍で80か82点ダメージですよね
”チチェローネ”:40ダメージ*2=80
”チチェローネ”:で、そこに《電磁反応装甲》を使用したので、60ダメージですね。
宮代火澄:使用は1枚ですね!了解しました、ありがとうございます
GM:やっと……手番が回ってきた
GM:何でイニシアチブ行動が2枚もあんだよ 教えはどうなってんだ教えは
GM:行け!イニシアチブ13、穹華!
穹華:うおおお
穹華:【マリンスノー】《オプティカルレンズ》攻撃力+5
穹華:メジャー。
穹華:【アコ・ベル】《コンセントレイト:エンジェルハイロウ》《焦熱の弾丸》《光の手》《振動球》《レーザーファン》
此江・A・匸華:オプティカルレンズは対象:単体にしか乗らないぜッ
穹華:対象はもちろん”かなえ”も含めた”バチスカーフ”の全員を選択。
柏夕陽:そうぜ
穹華:えっそうなの!?
穹華:じゃあいいや……
穹華:何もなければ判定行きます!
宮代火澄:ちょっと待ってね ごめんね
宮代火澄:オートアクション、<時の棺> コンボ:忌まわしき束縛
宮代火澄:その判定を失敗とします
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を10増加(136 → 146)
穹華:ゲギャゲギャ~~~~~ッ
穹華:では、穹華の攻撃は以上です……かわうそ……
GM:続いてはイニシアチブ8、柏さん!ですが
GM:この場合は恐らく待機になりそうかな?
柏夕陽:待機ですね
GM:OK!ではイニシアチブ7、此江ちゃんの行動から。
此江・A・匸華:やるぞー
此江・A・匸華:マイナーで"夕神遊び" 《骨の銃》《死招きの爪》 攻撃力+33の射撃武器作成・装備 侵蝕[+6]
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(118 → 124)
此江・A・匸華:メジャー、"蒲葵と蛇と北斗七星と" 《C:ハヌマーン》《オールレンジ》《風鳴りの爪》 対象:単体 射程:20m 侵蝕[+6]
此江・A・匸華:この判定にNPCカード、”ソナープロット”●シャープポイント・オペレーション を使用します。
GM:ヤベ~~~攻撃
GM:だが複数対攻撃ではない限り怖くは……
GM:あっ
此江・A・匸華:①PC1体の行う攻撃の対象を「2体」に変更し、攻撃力を+3dする こちらの効果を選択し、対象を2体へ。
此江・A・匸華:指定はてまり、及び"ペスカドラ"。
GM:ホアアア~~ッ
此江・A・匸華:何もなければ判定いくよ~
GM:どうぞ!
此江・A・匸華:(3+3+2+3)dx7+3-1+3
DoubleCross : (11DX7+5) → 10[2,2,3,4,4,4,5,6,6,7,7]+6[1,6]+5 → 21
此江・A・匸華:げっ低い
宮代火澄:これはっ
GM:お おおッ
”チチェローネ”:だが……ここで最後の切り札を切る!さっき宣言しようとしていたエフェクトだ
此江・A・匸華:ぬッ
柏夕陽:いや、その前に
宮代火澄:夕陽さんっ!
”チチェローネ”:なっばっ
柏夕陽:《勝利の女神》とかなえを使いましょう
柏夕陽:そしたら+21でダメージダイスが増える
宮代火澄:+18+3だ!
柏夕陽:どうですか?
宮代火澄:いいと思う!
柏夕陽:ではそれで!
”チチェローネ”:そ、総力戦を……!
此江・A・匸華:助かります! そしてチチェローネは何をしてくるつもりだ……!
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(113 → 117)
”チチェローネ”:ここで《マグネットフォース》を行う!
宮代火澄:持ってたの!?
此江・A・匸華:カバーリング持っとる~
此江・A・匸華:どっちを守るのかな……!
”チチェローネ”:ハアハア これは……当然、てまりを死守する!
”チチェローネ”:オートエフェクト打消しさえなければ……こちらの勝ちだ
此江・A・匸華:では……切りましょう。宮代火澄へのロイスをSロイスに宣言。
宮代火澄:ひゃっ
此江・A・匸華:これを昇華し、《デビルストリング》の効果を1回分リチャージします。
”チチェローネ”:うおおおお
”チチェローネ”:もしかしてオラオラですかァ~~~~ッ!?!
此江・A・匸華:そして、回数が回復した《デビルストリング》を即座に使用。《マグネットフォース》を打ち消します。
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(124 → 130)
此江・A・匸華:てまりとペスカドラ、達成値42に対してリアクションをどうぞ
GM:てまりはリアクションしないので
”ペスカドラ”:一応ドッジだけしてみるか…
”ペスカドラ”:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 4[1,1,4] → 4
”ペスカドラ”:当たり前だけど出目がカス!改めてダメージが通ります。
此江・A・匸華:5D10+33+3D10+3D10 装甲・ガード値有効 算出後ダメージダイス3個まで振り直し可能
DoubleCross : (5D10+33+3D10+3D10) → 35[10,5,2,8,10]+33+14[3,1,10]+23[9,4,10] → 105
此江・A・匸華:1.2.3を振り直し
”ペスカドラ”:??????
宮代火澄:あ、虚姫ちゃんのコンビネーターで+2d10あるんじゃないかな
此江・A・匸華:105-6+3d10
DoubleCross : (105-6+3D10) → 105-6+13[2,3,8] → 112
”ペスカドラ”:+2d10振り足していいですよ
此江・A・匸華:112+2d10 コンビネーター分!
DoubleCross : (112+2D10) → 112+5[1,4] → 117
”ペスカドラ”:死んじゃうよお
柏夕陽:117点か
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(130 → 136)
宮代火澄:倒れてくれ関口!
GM:てまりは轟沈します。
此江・A・匸華:しゃいッ
”ペスカドラ”:”ペスカドラ”も倒れる!が……《魂の錬成》で復活!
此江・A・匸華:こいつ~~~~
宮代火澄:一回倒れた!ナイス
”ペスカドラ”:残HP30
GM:そして”てまり”が沈んだので
GM:このイニシアチブより先は、通常のエンゲージルールが適用されます。
宮代火澄:うおー
GM:じゃあ……行くか ペスカドラの手番……
GM:イニシアチブ7。”ペスカドラ”の手番です。
”ペスカドラ”:と言っても、こいつは範囲攻撃はしない……
宮代火澄:ほっ
”ペスカドラ”:マイナーはなし。
”ペスカドラ”:メジャー。
”ペスカドラ”:【一番銛(フェダラー)】《トラップスライム》+《コンセントレイト:ソラリス》+《結合解除》+《増加の触媒》
”ペスカドラ”:10x7+2、攻撃力12、BS硬直、命中場合エフェクトで常備化されたアイテム以外の装備または所持しているアイテム一つを選んで破壊する。
”ペスカドラ”:対象はさっき散々ウチの船に撃ちまくってくれた宮代くんです
此江・A・匸華:レザランを壊そうとするなんて汚いぞ!
”ペスカドラ”:妨害札自体はPCにもうなさそうなのでダメージ行くぜ~~~
”ペスカドラ”:あったらごめんね!
宮代火澄:ひぃ~
宮代火澄:まあない……かな……
此江・A・匸華:任せて
”ペスカドラ”:ウオオ 判定行くぞッ
”ペスカドラ”:10dx7+2
DoubleCross : (10DX7+2) → 10[1,1,1,2,3,5,7,8,8,10]+10[2,3,4,9]+1[1]+2 → 23
”ペスカドラ”:カス!!
宮代火澄:5DX+0+0@10>=23 回避
DoubleCross : (5DX10>=23) → 9[4,5,6,6,9] → 9 → 失敗
此江・A・匸華:"頭垂れ遊び" 《崩れずの群れ》 射程:至近 行動権を使用せずカバーリングを行う 侵蝕[+2]
宮代火澄:とはいえ無理!
此江・A・匸華:うおおお 此江カバーッ!
宮代火澄:ごめん此江!助かる!
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を2増加(136 → 138)
”ペスカドラ”:クソ~~~ッ
”ペスカドラ”:ダメージ行くぞっ
”ペスカドラ”:3d10+12
DoubleCross : (3D10+12) → 15[2,7,6]+12 → 27
”ペスカドラ”:ダメージとしてはカスも良い所だが……
此江・A・匸華:ふんっ あたしのHPは1だぞ
”ペスカドラ”:装甲ガード有効です。
”ペスカドラ”:どっちもないんだよなあ
此江・A・匸華:ハリファックスへのロイスを昇華、HP13点で復活します。硬直も受けて動けなくなる~
”ペスカドラ”:ペスカドラの攻撃は以上。
GM:続いてはチチェローネのイニシアチブですが
”ペスカドラ”:【錆の脚(エイハブ)】《分割思考》
”ペスカドラ”:イニシアチブタイミングに行動値-10し、再行動。
”ペスカドラ”:ペスカドレのイニシアチブは-3になります
宮代火澄:ひぃ~~
GM:チチェローネ自体はメジャー放棄カバーしてるので
GM:もうできることは存在しない。
GM:最後に待機していた柏さんのイニシアチブに移ります!
柏夕陽:狙うのはペスカドレの方がいいかな…
GM:イニシアチブ0,柏さんの手番。
GM:げっ
柏夕陽:マイナーで戦闘移動、エンゲージに入りたいんですけど
柏夕陽:距離って10mでいいのかな
GM:あ、距離は5mですね。
GM:なので余裕で接敵可能です
柏夕陽:了解です。では接敵。
▼エンゲージ
(ダモクレス”[8]、”チチェローネ”[6]、”ペスカドラ”[7]、”穹華”[13])
5m
(”かなえ”[0]、”スクナ”[14]、”虚姫”[7]”、”カグラ”[7])
[]内は行動値
柏夕陽:メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート》
柏夕陽:対象はペスカドレ
”ペスカドラ”:く 来るな~~~ッ
”ペスカドラ”:妨害ありません……判定をどうぞ
柏夕陽:14dx7+6
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[2,2,3,4,5,5,6,6,7,8,8,9,10,10]+10[2,4,5,5,5,8]+5[5]+6 → 31
柏夕陽:まあまあ
”ペスカドラ”:ま……まさか 先に破壊しておくべきはこの女の武器だったとでもいうのか
GM:達成値の後乗せ等は大丈夫ですか?
柏夕陽:乗せるものがないよ
柏夕陽:勝利の女神もかなえも使っちゃったからね
GM:そうか 勝利の女神は1R1回だった
”ペスカドラ”:う~~ん……一応ドッジしてみるか。何かの間違いで
”ペスカドラ”:避けられるかも知れないし…
”ペスカドラ”:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 9[8,8,9] → 9
”ペスカドラ”:ダメ!チチェローネくんの勝利の女神を使っても届かない…!
柏夕陽:カバーはありますか?
宮代火澄:なんてもんもってんだよ
GM:さっきデビストで潰されちゃってェ……もう全然残ってなくてェ……
柏夕陽:では念のため《フェイタルヒット》
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(117 → 121)
”ペスカドラ”:何だこの女
”ペスカドラ”:ダメージをどうぞ……ヤバすぎる
柏夕陽:ダメージダイス+5d10です
柏夕陽:うそ
柏夕陽:4d10だ
柏夕陽:振ります
柏夕陽:4d10+4d10+2d10+8+8
DoubleCross : (4D10+4D10+2D10+8+8) → 22[10,5,6,1]+28[7,4,10,7]+14[5,9]+8+8 → 80
柏夕陽:上振れたぜ
宮代火澄:偉いダメージ出とる
”ペスカドラ”:死ぬ死ぬ死ぬ!!
”ペスカドラ”:う~~~ん……こんなに早く切るとは思ってなかったが
”ペスカドラ”:最後の復活札を切ろう。《アクアウィターエ》を使用します。
宮代火澄:むむむ
”ペスカドラ”:ただ、これでさっきの《分割思考》がリセットされてしまう
”ペスカドラ”:これは完全にやられた……”バチスカーフ”の作戦勝ちと言えるでしょう。
”ペスカドラ”:残りHPは30。
柏夕陽:うーむ、復活があるか
柏夕陽:でも分割思考が切れる裁定ならいいや
宮代火澄:ナイス!
GM:これに関しては一度戦闘不能になっているので
GM:発動したエフェクトの効果は切れるという裁定ですね。
GM:では……これで全員分の行動が終了!
GM:演出に入りましょう。
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(121 → 125)
GM:あ!すみません
GM:クリンナップの処理ある方いますか!
宮代火澄:こちらは多分なし!
柏夕陽:ありません!
”虚姫”:ないよ
GM:エネミーは全員なし
此江・A・匸華:ないよ~
GM:OK!
───────
"かなえ"D種潜航艤装:『敵艦接敵。距離5M付近』
宮代火澄:「先手もらうよ。虚姫、続いて」
宮代火澄:「──撃ち落とす!」
”虚姫”:「うん!」
宮代火澄:首の傷跡、"魔眼"が開く。溢れ出る血液を飲み干して、門が開く。
宮代火澄:火澄の門は収奪する。己の血を対価として、次元を超越し。エネルギーを、そして
宮代火澄:時間そのものを。
───────
宮代火澄:発生する現象は、超加速や時間停止とほぼ同様。だが実態は別。
宮代火澄:火澄は収奪した"時"を、時空の流れにねじ込んで己一人で消費する。
宮代火澄:一枚のフィルムを切り取って、間に己だげが動く映像を差し込むようなもの。
宮代火澄:奪い去った時間を喰らって、宮代火澄はただ一人の時間を闊歩する。
宮代火澄:トリガー。トリガー。トリガー。
宮代火澄:"暗闇"の中引いた引き金、光すらもこの時間を駆けることは叶わず。
───────
宮代火澄:ただ一人の時間が終わった刹那。無数の光条が敵艦に放たれる。
GM:窓越しに見える潜水艦の巨躯に向け、光が溢れ出す。
”ペスカドラ”:『うおッ!?やっぱり”スクナ”か……面倒くせえな!』
”ペスカドラ”:『”ソナープロット”の奴等、全然戦力削れてねえじゃねェ~か』
穹華:だが、致命傷には至らない。その光の幾条かが、軌道を大きく歪曲し霧散している。
穹華:『ご主人様。多分、次が来るよ』
穹華:『お姉ちゃんが撃って来る』
”虚姫”:──その音も聞こえている
”虚姫”:いや、視えていると言った方が正しいかもしれない。
"虚姫" :虚姫は、音波を操る能力を持つ。
"虚姫" :その認識自体は正解ではあるが、正確ではない。
"虚姫" :あくまでそれは、虚姫の持つ力の一部に過ぎないからだ。
"虚姫" :──彼女の目には、"糸電話"が見えている。
"虚姫" :正確に言えば、人から人、人から物、物から物、物から人へと伝わる波が、"糸"として可視化されている。
"虚姫" :"その糸に直接干渉する能力"並びに
"虚姫" :"波形そのものを操る能力"
"虚姫" :それこそが、虚姫の持つ力の実態。
"虚姫" :では、一体それは如何なるものか。
"虚姫" :「───」
"虚姫" :虚空を撫でる。"敵"へと繋がる糸を指で手繰った。
"虚姫" :手繰った糸を束ねて、指で摘み
"虚姫" :導火線に火を点けるように指を弾く。
"虚姫" :発した音は振動となり、束ねた糸を伝う。
"虚姫" :──そして、波形を操るという事は
"虚姫" :大小 高低 速遅を、都度調律出来るという事だ。
"虚姫" :光も届かぬ闇の中を伝った小さな波紋は大海を震わし、"てまり"及び内部の人員へと着弾する。
”チチェローネ”:『ッ――!』戦艦が軋む。
”虚姫”:Acoustic Lover's
”虚姫”:クラップ
”チチェローネ”:致命的な損害に達する寸前、探査機器の音響装置が駆動する。
”チチェローネ”:大音響で発射された音波波形は、辛うじて”虚姫”の破砕砲撃を相殺するに留まった。
”チチェローネ”:『計算が間に合わない。……波を直接弄ってるって、本当なんですね』
”チチェローネ”:『次は持ちませんよ』
”ペスカドラ”:『わァ~~かってるよ、相変わらずクソ真面目だな、”チチェローネ”』
”ペスカドラ”:『次はこっちの番だ……いけるな、穹華』
穹華:『はい、ご主人様』有線通信越しに、少女の声が弾む。
”虚姫”:「──落とせてない!反撃来るよ!」
穹華:ぐ にゃ り
穹華:”てまり”周囲の水が歪曲する。
穹華:だが、その運動によって発生するはずの気泡が発生しない。
柏夕陽:「”かなえ”さん、回避を──」
”ペスカドラ”:『無理だね。”虚姫”が波形を捕える感覚質なら』
”ペスカドラ”:『こいつは空間そのものを糸として認識・操作できる。苦労したぜ……ここまで調整するのはさ』
”ペスカドラ”:『捩じ切れないように頑張りな!』
"かなえ"D種潜航艤装:警報音。
"かなえ"D種潜航艤装:『航行距離に異常!』
此江・A・匸華:「っ、このままじゃ"かなえ"ごと……!」
"かなえ"D種潜航艤装:『これは……メーターが”巻き戻っている”……!?』
"かなえ"D種潜航艤装:”かなえ”の推進機能は正常に作動している。進んだ傍から、空間自体を巻き取られているのだ。
穹華:”かなえ”の装甲が花弁のように一切の軋みなく捩じれる。
穹華:空に花が咲くように。
宮代火澄:「だっ……たらっ!」
宮代火澄:門を開く。最大稼働。魔眼が血を飲み見開かれる。
”リムショット”:「む……無茶っスよ!!オルクスの空間編集だって、あれだけの規模じゃ起こらない……!」
”リムショット”:「領域や因子の介入なしにあれをやってのけてるんですよ!?」
宮代火澄:作り上げようとする花弁をむしり取る。"この空間にはなにも起こさせない"と。
宮代火澄:血液というリソースを一気につぎ込んだ力づく、”かなえ”周囲の空間を掌握にかかる!
宮代火澄:「がぁ……あぁぁぁっ!」
穹華:『っ……う、ああっ!!』
穹華:ば ぎゃん!!!
穹華:装甲に幾千層もの断層が形成される。
穹華:だが、保護された空間が起点となり、”かなえ”が即座に隔壁を形成するだけの時間的猶予が生まれた。
宮代火澄:血を失って顔面は蒼白。
宮代火澄:「かなえ、被害は?」
"かなえ"D種潜航艤装:『損傷甚大!ですが……耐圧殻は健在です』
"かなえ"D種潜航艤装:『報告:航行に支障なし』
柏夕陽:「かなえさん。残念ですが装甲を直す余裕はありません。」
宮代火澄:「よし……次が来る前に落とし切るよ」
此江・A・匸華:「火澄……っ! 出血がひどい……!」 顔面蒼白になった身体を支えながら
宮代火澄:「だいじょぶ。ありがと。……でも、二度目は、ちょっときついかも」
”13./£”:「私は”スクナ”に応急処置を施す。セルに在籍していた頃から……慣れているのでな」
宮代火澄:支えてくれる少女に強がりの笑顔を向けて
此江・A・匸華:「……っ、うん、分かった。任せる」 少し躊躇いながら。
”虚姫”:「(っ……この場は凌げた、けど…次があったら…)」
柏夕陽:「リソースを航行と”ニライカナイ”着地安定制御に。」
宮代火澄:「次が来ないように、頼んでいい?」
此江・A・匸華:「なら──あたし、船外に出てくる」
"かなえ"D種潜航艤装:『了解しました。深海ランディングプロトコル走査開始します』
柏夕陽:「頼みます。”リムショット”、援護射撃を。」
此江・A・匸華:「直接、"てまり"を叩く。向こうも船が破壊されたら、"ニライカナイ"に突入せざるを得ない」
宮代火澄:「……お願い」
”リムショット”:「う、ウッス!指示通りに!」
此江・A・匸華:「破壊できたら、突入の隙に"ペスカドラ"を狙って! 君の狙撃能力ならできるって、信じてるから!」
”リムショット”:「!」
此江・A・匸華:急ぎ気味に言葉を残し、酸素膜をまとって船外へ。
”虚姫”:「………」信じる、かぁ。
”リムショット”:「ま、任せて下さい……オレは……今度こそ……」
”リムショット”:「人を助けるために、撃てるんだ……!」開いた砲座に手をかざす。砲身が変形し始める。
此江・A・匸華:(……やんなっちゃう、ほんと。仇なのに──)
"かなえ"D種潜航艤装:『隔壁開きます。”カグラ”、船外活動へ移行』
此江・A・匸華:暗い海に身を投じる。深海の潮流は酷く穏やかなはずだが、行われた能力の応酬が複雑な流れとなって身体を強く打った。
此江・A・匸華:流れに負けないように脚をヒレのように動かし水を叩き、此方彼方への距離を詰める。
此江・A・匸華:(難しいことは、後回し。今は、目の前のことに集中する)
”ペスカドラ”:『ッ……あっ、のっ、雌ガキ!姉妹揃ってムカつく女どもだな!』
此江・A・匸華:(──それが、意地張ってあたし達を生かしてくれた、"仲間"への応えだ)
”ペスカドラ”:『”チチェローネ”!艦をぶつけてグチャ味噌にしろ!』
”ペスカドラ”:『大質量なら”適応”する暇もねえ……能力の発動を打ち切らせて即死させる!』
”チチェローネ”:『わかりました。貴女の敵を殺すのが僕の役目ですから』
”チチェローネ”:『……やりますよ。私怨が入ってようともね』
”チチェローネ”:艦が切り返してくる。長大な尾翼が旋回し、凄まじい速度で”カグラ”に迫る。
此江・A・匸華:海中の振動を通じて耳に届く金切り声。"てまり"の旋回を見て、破顔した。
此江・A・匸華:(──見てて、火澄。あたしにしか出来ないことで、貴方を助ける)
此江・A・匸華:(それが、あたしの精一杯。言葉にできなくても、それだけ見てくれていれば十分)
此江・A・匸華:(貴方を、"バチスカーフ"を。あたしが──"ニライカナイ"に送り届ける!)
此江・A・匸華:真正面から突っ込んでいく。海流への環境適応は、呼吸をするより鮮やかだ。
此江・A・匸華:小さな身体と、大きな船体。正面からぶつかれば、たとえその適応能力を以てしても致命傷は免れない──その見立ては正しい。
此江・A・匸華:──ただ、小さな身体であれば。
此江・A・匸華:「あたしだって、"波"は慣れっこだよ!」
此江・A・匸華:響く声が、海中に反響した。空中で"足場"を作ることと、それは良く似ている。
此江・A・匸華:海水の一部を圧力で固着した、即席の大盾。それが、"てまり"の進行を阻む。
此江・A・匸華:大きなうねりが大盾を押す。突っ込んできた船体は、速度を急速に落とした。
”ペスカドラ”:『あの野郎……環境に適応するんじゃなくて』
”ペスカドラ”:『環境そのものを、攻撃に適応させやがった……!』
此江・A・匸華:即座に船体に張り付く。至近距離からの髪弾の連射。連射連射連射──
此江・A・匸華:「悔しかったら、外に出てきなよ! あたしと一緒に泳げるなら、ねっ!」
”てまり”:爆発。尾翼と探査機器類から火が噴出する。
”ペスカドラ”:『……なるほどね。”ニライカナイ”に誘導させようってハラか』
”ペスカドラ”:『良いぜ。乗ってやる……どの道、アンタらをブチ殺す手間が前後するだけだ』
”ペスカドラ”:『それと』
”ペスカドラ”:『外に出て来て、良いんだな?』
”てまり”:”てまり”が突如速度を増し、急速に下降していく。
"かなえ"D種潜航艤装:『”てまり6500”、戦闘域から離脱していきます。推測:誘導の成功』
"かなえ"D種潜航艤装:『……疑義:”てまり”後方に射出反応あり。これは……』
”ペスカドラ”:下降していく”てまり”を置き去りにするように、
”ペスカドラ”:襤褸布のようなポンチョを纏い、銛や網を手にした”ペスカドラ”が
”ペスカドラ”:”カグラ”と同等の速度で、”かなえ”に接近している。
此江・A・匸華:「うそッ?!」 深海圧への適応は、オーヴァードの中でもごく限定的な者に限られる──すなわち、これは。
”ペスカドラ”:「”マスターハウル”の遺物!あんたら姉妹にできることで……あたしに出来ねえことはねえ!」
此江・A・匸華:「っ、それでも──"かなえ"には指一本触れさせないよ!」
宮代火澄:「っ!?此江、無茶はっ……!」
”リムショット”:『――当たれッ!』
”リムショット”:ぐぎゃ ごん!
”リムショット”:思考の空隙を突いた一瞬。プロペラを形成された弾丸が”ペスカドレ”を貫く。
”ペスカドラ”:だが。
”ペスカドラ”:「は は は は」
”ペスカドラ”:音を置き去りにしながら、海中を悠々と潜航している。
”ペスカドラ”:「【舫綱】――」
”ペスカドラ”:蠢く鋼糸が、貫かれた右半身の肉を補強し
”ペスカドラ”:「【一番銛】」
”ペスカドラ”:銛を構える。その瞬間、気泡が大量に発生する――刃先に触れた水が急速に分解されているのだ。
”ペスカドラ”:『こいつは空間だってこじ開ける。大丈夫……ちょっとおたくのリーダーの武器ごとブっ壊すだけさ』
”ペスカドラ”:『例え大量のエネルギーを収奪できても、それを出力できないんじゃ意味がない。違うか?』
此江・A・匸華:「あ、はっ」 にぃ、と歯を剥き出しにして嗤った。
此江・A・匸華:「そうかもね。あたしは、難しいことは分かんないけど──」
此江・A・匸華:強く、水を蹴った。"ペスカドラ"への距離を詰める──
此江・A・匸華:「──それが、できるのなら、ねッ!」
此江・A・匸華:その銛の鋒に身体を晒して。
”ペスカドラ”:迷わず投擲する。
”ペスカドラ”:この状況に至っては、愚かな選択だ。生存確率を著しく下げる――
此江・A・匸華:回避も何もない。苦悶を押し殺し、至近距離で勝ち気な瞳を見開いて囁く。
”ペスカドラ”:(――こいつの姉貴は)
此江・A・匸華:「"バチスカーフ"をナメるなよ」
”ペスカドラ”:(……愚かな女じゃなかったか?)
”ペスカドラ”:……当然の結果として、銛が、”カグラ”の腹部を貫いている。
”ペスカドラ”:「信じられないくらい愚かだな。あんた、そうまでして他人に使われてえのか?」
此江・A・匸華:「使われる? 冗談じゃない──あはっ、使う使わないしか発想がないからそうとしか言えないんでしょ」
此江・A・匸華:「あたしは、皆を愛してるから」
此江・A・匸華:「痛みにだって耐えられる。恐怖だって感じない──あたし自身の意思で、なんだってできる」
”ペスカドラ”:「ふざッ……けんな!そんな!魚の糞より価値のねえママゴトに……!」銛を引き抜き、再度投擲しようとする。
此江・A・匸華:「だから──あんたを、引きずり出せるなら。こんなの、痛くも痒くもない!」 抜けかけた銛をぐっと掴む。"マスターハウル"の遺物なら、手を離したりはしないはずだ。
”ペスカドラ”:「その愛とやらに縛られて、あんたの姉貴はくたばったんだろッ!」
”ペスカドラ”:叫んで、気付く。銛が握られている。
此江・A・匸華:銛、そして"ペスカドラ"の身体ごと、一つに絡まるように深海へと急降下していく。
此江・A・匸華:「今から、答え合わせをしに行くんだ」
此江・A・匸華:「水を刺さないでよ。家族でもなんでもないくせに」
"かなえ"D種潜航艤装:『……”カグラ”、”ペスカドラ”、深度降下!』
"かなえ"D種潜航艤装:『7300、7400……!反応消失します!』
宮代火澄:「……、かなえ、追いかけて!」
”13./£”:「……”リムショット”!」
”リムショット”:「ダメです!今は味方なんだ、”カグラ”を巻き込むのは……!」
”リムショット”:「後でルーさんに死ぬまでブン殴られても絶対撃ちませんよ!オレは!」
”13./£”:「……」
"かなえ"D種潜航艤装:『最終降下開始。ランディングプロトコル走査完了』
”虚姫”:「…………」そのやり取りを聞いて、複雑そうな表情を浮かべる。それを言えるならどうして と。
"かなえ"D種潜航艤装:『7500、7510、7520……』
"かなえ"D種潜航艤装:『音響装置に巨大構造物確認』
"かなえ"D種潜航艤装:『酸素被膜が展開されています』
"かなえ"D種潜航艤装:『着陸します!”ダモクレス”……!』
GM:窓越しに、巨大な泡のような被膜に包まれた、古式の宮殿が見える。
GM:それを取り囲む黒い石造りの都市構造も。
"かなえ"D種潜航艤装:『――”ニライカナイ”です!』
柏夕陽:「”13./£”。近接戦闘準備を。」
柏夕陽:「射撃戦をした皆さんは一旦かなえさんに捉まって姿勢を安定させてください。」
”13./£”:「……了解。殲滅する」
”13./£”:処刑刀が展開される。
宮代火澄:「頼むよ、夕陽……!」
柏夕陽:「特に被弾した此江さんと血を流した火澄さんに気を遣ってください。」
”リムショット”:「了解ッス!護衛はオレが!」
”虚姫”:「うん、任せて。」
"かなえ"D種潜航艤装:『総員、対衝用意を――』
GM:ず ずん――!!
GM:”かなえ”が酸素被膜を通過し、黒い石群に敷き詰められた白砂の地に着陸する。
"かなえ"D種潜航艤装:『ハッチ……開錠します!』
"かなえ"D種潜航艤装:シリンダーが減圧される。与圧が解除され、”ニライカナイ”の景色が後方に展開する――
”ペスカドラ”:「ッ、の……離せ!あんたみたいなカスが触れて良い代物じゃねェ!」
”ペスカドラ”:同時に着陸していた。”カグラ”を蹴り飛ばし、白砂に転がり落ちる。
此江・A・匸華:蹴り飛ばされ、無様に転がる。深海7500mには有り得ない珊瑚砂の上に鮮血をぼたぼたと垂らし、それでもふらふらと立ち上がる。息は荒い。
此江・A・匸華:「っ、ぐぅ……!」
”ペスカドラ”:「これは!アタシが!アタシの力で手に入れた道具だ!アタシのだ!」
此江・A・匸華:「はっ、かわいそ……道具、道具」
”ペスカドラ”:「そうだよ……何でアンタらは理解しねえんだ?本気で分からねえ……」
此江・A・匸華:「人が、付いてこなかったから。道具にしか頼れないんだね……」
柏夕陽:”ペスカドラ”の視線の先には珊瑚砂の上に着陸した潜水艇。
”ペスカドラ”:「来やがったな、”バチスカーフ”……」
柏夕陽:それを背にする5人。
”ペスカドラ”:「人は付いてこなくても、道具は言うことを聞く。それで良いんだよ……!」【一番銛】を振りかぶり、再び投擲しようとする。
柏夕陽:───”一人足りない”
”ペスカドラ”:弾かれるような直感。銛を旋回させる。
柏夕陽:と す
”ペスカドラ”:「……」
柏夕陽:柏夕陽が着陸後に取った行動は至極単純である。
柏夕陽:”ペスカドラ”が砂の上を転がっている間に、
柏夕陽:いち早く潜水艇から飛び出し、後ろに回っていた。
柏夕陽:夕陽にはエンジェルハイロウのような隠密能力はない。
柏夕陽:ただ、気配だけを極限まで消し、
柏夕陽:致命的な隙を衝くことに、全存在が特化している。
柏夕陽:《完全演技》
”ペスカドラ”:「はは、ハハハ……」笑いながら、腹部から生えた刃を眺める。
”ペスカドラ”:「あたしの上にもあったのか? 剣って奴が……」
柏夕陽:「今は、」
柏夕陽:「ここにあります。」
柏夕陽:致命傷になるように刃をねじ込む。
”ペスカドラ”:「だとしたら」だが。
”ペスカドラ”:「もっと早く落ちて来るべきだったな。それだけがあんたのミスだ」
”ペスカドラ”:その手ごたえが途中で止まる。腹部に鋼線が展開されていた。
”ペスカドラ”:「――穹華!」
穹華:”ダモクレス”の隣の空間が薔薇の棘のように尖る。
”チチェローネ”:同時に走り込んでいる。ナイフを逆手に構え、空間攻撃の逆方向から頸部を狙っていた。
柏夕陽:傷口を抉りながら刀を抜き、
柏夕陽:攻撃が届く直前に退避。一歩下がっている。
”チチェローネ”:「……貴女が”ダモクレス”。もっと早く話してみたかったものですが」
”チチェローネ”:「残念です」攻撃が回避されたことを見届け、再びナイフを構える。
穹華:「……ご主人様」
穹華:ふらふらとした足取りで歩み寄る。
穹華:「うん……私、解ってるよ。全部壊せばよかったんだね。最初から……」
”ペスカドラ”:「……結局こうなっちまったか。つまんない結果だな」穹華の頭を撫で、笑う。
”ペスカドラ”:「おい、”バチスカーフ”!」
”ペスカドラ”:「あんたらのことはどうでも良いが……アタシの計画をここまでグチャグチャにしてくれた責任は取って貰う」
”虚姫”:「───」穹華から、ペスカドラへ 順に視線を移す
”虚姫”:私だったかもしれない彼女から、目を逸らしただけなのかもしれない。
”虚姫”:「……"ペスカドラ"」
”ペスカドラ”:「何だよ、失敗作。返品は受け付けてねェぞ」
”虚姫”:首を横に振る「…私は、あなたから」
”虚姫”:「楽しい事を、教えてもらった。」
”虚姫”:「誰かを愛する喜びを」
”虚姫”:「誰かに愛される嬉しさを」
”虚姫”:「だから…ありがとう。あなたのおかげで、私は好きな人がたくさんできた。」
”虚姫”:「……でも」
”虚姫”:「あなたは、楽しい事しか教えてくれなかった」
穹華:「何を言ってるの?」”ペスカドラ”に問いかけている。
”虚姫”:「悲しいことも、辛いことも、苦しいことも 全部 全部……私は、ずっと知らなかった。」
穹華:「楽しいことしか見えなくなれば、悲しくなんてなくなるのに」
”虚姫”:「……違うの」
”ペスカドラ”:「……」
”虚姫”:「楽しいだけなのは」悲しい事だとも知らないのは
”虚姫”:「……何もない、空っぽと同じなんです」
”虚姫”:「──ごめんなさい」穹華に
”ペスカドラ”:「当たり前だろ。お前に与えてたのは鎖なんだから」
”ペスカドラ”:「勘違いしやがって」
”ペスカドラ”:「今更……アタシを置いて人間になろうってか?」
”虚姫”:「私が居なければ、あなたは生まれなかった。」姉が居なければ、妹は存在しないように。
”虚姫”:「だから、"そうなる前に"助けられたら良かったのに」
”虚姫”:ペスカドラに視線を戻す
”虚姫”:「──置いてなんか、行きません」
”虚姫”:「私の空っぽは」
”虚姫”:「みんなから貰ったもので、出来ているから。」
”虚姫”:「──あなたが居なくなっても」
”虚姫”:「私が、一緒に連れて行きます。」
”虚姫”:「──バチスカーフセル 前セルリーダー、"ペスカドラ"」
”マスターハウル”:「"マスターハウル"の名の下に」
”マスターハウル”:「あなたを…その鎖から解放します。」
”ペスカドラ”:「クソが」
”ペスカドラ”:「アンタが……あのジジイの名前を語るな!!」
”ペスカドラ”:「アタシは何にも縛られてねえ!全部殺して、全部利用して、自由になったんだ!そのはずだ!」
”ペスカドラ”:「あんたらだってそうだ、”バチスカーフ”!」
”チチェローネ”:「…………」
”ペスカドラ”:「”スクナ”……一つ良いコト教えてやろうか?」
”ペスカドラ”:「”ニライ”が計画を実行に移す気になったのは……あんたのせいだよ。アハハ……」
”ペスカドラ”:「あいつ……だって」
”ペスカドラ”:「お前の親を殺したこと、ずっと気にしてたんだぜ」
”ペスカドラ”:「誰彼構わず背負ってがんじがらめになってた女を解放してやったんだ。感謝して欲しいもんだね」
宮代火澄:「………」
宮代火澄:応えない。
宮代火澄:「此江っ」
宮代火澄:駆け寄って肩を貸し、下がらせる。
宮代火澄:「……また、無茶したね」
此江・A・匸華:「……っ、へへ」 どうにか笑顔を繕うが、疲弊の色は隠しきれない。
”ペスカドラ”:「……”ダモクレス”!あんたはどうだ?今回の件で、自分の生き方のいびつさに嫌気が差したんじゃないか?」
宮代火澄:「愛してくれるのは嬉しいけどさ」
宮代火澄:「一方向じゃないんだ。僕らにも、背負わせて」
”ペスカドラ”:「…………」
”ペスカドラ”:「どいつも、こいつも…………」
此江・A・匸華:「……あ、改めて言われると恥ずかしいから!」 戦いの最中に余計なことを口走ってやいなかったかとあたふたする
宮代火澄:「”ペスカドラ”」
宮代火澄:「僕も、遠江のことを全てわかってるわけじゃない」
宮代火澄:「だから、想像になるけど……」
宮代火澄:「きっとあいつは、自分から縛られてたんだよ」
宮代火澄:「自分の望んだ錨に」
宮代火澄:「誰にも縛られたくないって。ああ、その気持ちは痛いほどわかるけどさ」
宮代火澄:「誰にも縛られてない、自由な割には君──」
宮代火澄:「幸せには見えないな」
”ペスカドラ”:「はは……幸せ?」
”ペスカドラ”:「ンなもん決まってるだろ。あたしの幸せは……誰からも縛られなくなって……成り上がって……」
”ペスカドラ”:「自由気ままに、魚を獲る側になってさ……」
”ペスカドラ”:「……」
宮代火澄:全ての錨をはねのけたあの姿は、あるいは。僕が行き着く先だったのだろうか。
”ペスカドラ”:「あたしの”これ”は……あんたが望んでた姿だろうが」
”ペスカドラ”:「好き勝手言いやがって。ブチ殺してやる」
宮代火澄:「今は違う」
宮代火澄:触れ合った熱が。側に居てくれる人たちが。変えてくれた。
宮代火澄:「終わらせよう」
柏夕陽:刀を構え直す。
柏夕陽:「殺す前に一つだけ。」
”ペスカドラ”:「死なねえよ。なんだ?」
柏夕陽:「”オッタートロール”を放ったのはあなたですか?」
”ペスカドラ”:笑う。
”ペスカドラ”:「あんたはいつもそうだな」
”ペスカドラ”:「核心を突く。上手く立ち回る。常に物事を冷静に判断する……そうだ、今その質問をするのは、この上なく正しいよ」
”ペスカドラ”:「良いぜ。答えてやる。あんたらの死にそうな顔を見るのも、いくらか楽しそうだしな……」
”ペスカドラ”:「違うよ」
”ペスカドラ”:「”ダモクレス”にはこれだけ答えりゃ十分か?」
柏夕陽:「十分です。」
”ペスカドラ”:「アハハ!顔色一つ変えねえな……あんたのことは、やっぱり好きだぜ」
”ペスカドラ”:「一番アタシに近いからな」
柏夕陽:「いいえ」
柏夕陽:「真逆です。」
柏夕陽:「私は自らを縛りました。”ダモクレス”の剣として自らを基底しました。」
柏夕陽:「以前だったらUGNと手を結ぶことなど考えなかったでしょう。」
”ペスカドラ”:「それは”オッタ―トロール”に阻害された虫食いの思考様式だ。あんたが一番わかってるだろ?」
”ペスカドラ”:拗ねたように白砂を蹴る。
柏夕陽:「ええ。」
柏夕陽:「オッタートロールの影響から抜けたらこの気持ちも忘れるかもしれません。」
柏夕陽:「”だからなんです”?」
”ペスカドラ”:「……ああ?」
柏夕陽:「それでも、私は”今”に逆らえない。」
”ペスカドラ”:「何だよ……あんたも人間だったんだな」
柏夕陽:「”バチスカーフ”という鎖の居心地がよかっただけです。」
”ペスカドラ”:「……”ロイコ”をブチ殺したのは間違いだったな」
”ペスカドラ”:「結局あいつが一番共感できた」
”チチェローネ”:「”ペスカドレ”。それは……」
”ペスカドラ”:「わかってる。帰る所がなくなったって言いてえんだろ」
”ペスカドラ”:「でも、この鎖から離れる必要なんてあるか?」”チチェローネ”の耳元でささやく。
”チチェローネ”:びくり、と身を震わせる。
”ペスカドラ”:「……あるわけねえよな。おい!結局あんたらのやってるのはこういうことだ」
”ペスカドラ”:「そんなに錨が好きならさァ!!無能なセルリーダー共々、今度こそ……完全に沈めてやるよ」
柏夕陽:「帰るところを無くしたのはあなたで、UGNです。」
”ペスカドラ”:「なら仲間の所に連れて行ってやるさ。ここはニライカナイだ……!」
”ペスカドラ”:再び銛、網が、縄が展開される。
───────
GM:【ROUND2】
▼エンゲージ
(ダモクレス”[8]、”チチェローネ”[6]、”ペスカドラ”[7]、”穹華”[13])
5m
(”スクナ”[9]、”虚姫”[7]”、”カグラ”[7])
[]内は行動値
GM:【SETUP】
”ペスカドラ”:【波濤褸(イライジャ)】《活性の霧》+《タブレット》+《多重生成》
”ペスカドラ”:PC全員に攻撃力+12、ドッジダイス-2
”チチェローネ”:なし
穹華:なし
”マスターハウル”:なし
柏夕陽:なし
此江・A・匸華:なし。
宮代火澄:<鮮血の奏者> コンボ:贖いの血晶
宮代火澄:自身のHPを1点消費し、対象にラウンド間攻撃力+18。対象は虚姫
宮代火澄:宮代火澄のHPを1減少(3 → 2)
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を4増加(146 → 150)
宮代火澄:以上!
GM:OK!
GM:では、イニシアチブに参りましょう。
GM:【INITIATIVE】
穹華:何もなければ動くのは穹華からだな…
”マスターハウル”:そのイニシアチブに
穹華:ゲッ お姉ちゃん!!!
”マスターハウル”:オートアクションで強制起動者の効果を発動、《スピードフォース》を使用します
穹華:オギャ~~~~~
”マスターハウル”:”虚姫”の浸蝕率を4増加(113 → 117)
:
穹華:き…来やがったな 行動をドウゾ。
”マスターハウル”:マイナーで10m後方に戦闘移動
"マスターハウル" :メジャーで『アコ・ラヴァ』《サイレンの魔女》《疾風迅雷》
穹華:あっ!!!コイツ!!!
"マスターハウル" :対象はエネミー全員。ドッジ不可 装甲無視の射撃攻撃
"マスターハウル" :8dx+8
DoubleCross : (8DX10+8) → 8[1,1,3,4,4,5,6,8]+8 → 16
穹華:《氷盾》でガード。
”チチェローネ”:う~ん どっち庇おう
”チチェローネ”:いや……これは
”チチェローネ”:こいつのルーチン上、庇う相手は決まっている!《マグネットフォース》でペスカドラをカバーリングします。
”ペスカドラ”:ドッジ不可なのでリアクション放棄!ダメージ下さい!
"マスターハウル" :2d10+3d10+24+18
DoubleCross : (2D10+3D10+24+18) → 11[5,6]+15[5,4,6]+24+18 → 68
”マスターハウル”:”虚姫”の浸蝕率を8増加(117 → 125)
”チチェローネ”:ガード時【プロウィンキア】《戦士の知恵》Lv4でガード。
”チチェローネ”:59*2=108
”チチェローネ”:し……死ぬ!
穹華:穹華も耐えられない。こいつはこれで倒れます。復活エフェクトも無し。
宮代火澄:よし!
”チチェローネ”:”チチェローネ”は最後の《蘇生復活》を切る!
宮代火澄:ひぃひぃ
”チチェローネ”:これで全ての復活エフェクトがなくなりました。あんなに一緒だったのに
”ペスカドラ”:舐めやがって~~~~
GM:では次!イニシアチブ9宮代くん!
宮代火澄:はーい!マイナーなし
宮代火澄:メジャーアクション、<コンセントレイト:バロール>+<瞬速の刃> コンボ:泡沫の光
宮代火澄:射撃攻撃を行います。対象は”ペスカドラ”
宮代火澄:対応なければ命中判定
GM:対応なし。命中判定どうぞ!
宮代火澄:13DX+9+0@7 (侵食上昇5、侵蝕130~)
DoubleCross : (13DX7+9) → 10[1,2,2,2,2,4,5,5,7,8,9,9,10]+10[6,7,7,9,10]+10[1,7,7,7]+10[3,9,10]+6[3,6]+9 → 55
宮代火澄:よし
”ペスカドラ”:ギャ~~~ッ
”ペスカドラ”:こんな時に死ぬほど回している!!!
”ペスカドラ”:主人公がよ~~~
”ペスカドラ”:まずはドッジ。
”ペスカドラ”:3dx>=55
DoubleCross : (3DX10>=55) → 10[6,9,10]+5[5] → 15 → 失敗
”ペスカドラ”:ペスカドラ!ペスカドラ……?
”チチェローネ”:クソ~~ ドッジ勝利の女神が役に立たねえ
”チチェローネ”:メジャー放棄してカバーリング。
”チチェローネ”:【プロウィンキア】《戦士の知恵》Lv4でガード。
”チチェローネ”:ダメージを……寄越しな!
宮代火澄:6d10+1d10+10+8 (装甲15点無視)
DoubleCross : (6D10+1D10+10+8) → 39[8,7,9,2,7,6]+5[5]+10+8 → 62
宮代火澄:なんか跳ねたな ガード有効の62点です
”チチェローネ”:キツ~~~
”チチェローネ”:9点弾いて53点…魂の錬成すら積んでいないチチェローネでは耐えきれない。落ちます
”チチェローネ”:復活も無し!
宮代火澄:よしよし
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を5増加(150 → 155)
GM:続いてイニシアチブ8,柏さんの手番。
柏夕陽:マイナーなし、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート:白兵》
柏夕陽:ペスカドレを殴ります
”ペスカドラ”:妨害ありません。対応をどうぞ。
柏夕陽:14dx7+6
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[1,2,2,2,3,3,5,5,6,6,7,9,10,10]+10[3,4,9,10]+10[4,10]+6[6]+6 → 42
柏夕陽:これならいいでしょ
”ペスカドラ”:ホギャ~~~!!!
柏夕陽:後乗せ無し
”ペスカドラ”:ドッジしまァす!!!頑張れペスカドラ!!お前の暴力を見せてみろ!!
”ペスカドラ”:3dx>=42
DoubleCross : (3DX10>=42) → 7[3,5,7] → 7 → 失敗
柏夕陽:ダメージ出します
”ペスカドラ”:ぜんぜんダメ。ダメージ下さい。
柏夕陽:あ、一応《フェイタルヒット》
柏夕陽:ダメージ出します
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(125 → 129)
柏夕陽:5d10+4d10+2d10+8+8
DoubleCross : (5D10+4D10+2D10+8+8) → 26[9,4,3,4,6]+18[1,3,8,6]+11[3,8]+8+8 → 71
柏夕陽:装甲ガード有効
”ペスカドラ”:一応でそんなダメージ乗せるな
”ペスカドラ”:これは……死ぬ!
”ペスカドラ”:トライブリードだからラストアクションもない。終わりや……
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(129 → 133)
GM:では
遠江・A・匸華:【"海百合と鯨とマリス・ステラ"】《黒の鉄槌》+《紡ぎの魔眼》+《黒の咆哮》+《C:バロール》+《縛鎖の空間》+《要の陣形》+《塞がれた世界》
宮代火澄:ぎゃーっ
此江・A・匸華:なになになになに
遠江・A・匸華:エネミー三体にとどめを刺します。
宮代火澄:お、おま、おまえ!
GM:ここで選択ルールが適用されます。
GM:UGNのNPCを消費することで、この攻撃に対するエネミーへのカバーリングが可能です。
GM:”リムショット”を消費した場合①の効果が、”ハリファックス”を消費した場合②の効果がそれぞれ消失します。
此江・A・匸華:攻撃の対象になっているのはエネミー3体だけですよね?
GM:そうです!
柏夕陽:もう一つ質問。UGNのNPCがカバーに入った場合、
柏夕陽:そのNPCは死亡しますか?
”リムショット”:義体なので本人が死亡する確率は低いですが、
”リムショット”:本来カバーリングが可能な義体調整ではないので、脳機能に何らかの重篤なダメージを負う可能性は高いでしょう。
”リムショット”:これに関してはハリファックスも同様です。
柏夕陽:リムショットにチチェローネを庇ってもらいます
”リムショット”:了解です。では、”リムショット”はシーンから退場し、NPCカード”ソナープロット”の①の効果は消失します。
GM:これにより、エネミーが全員戦闘不能になったため、クライマックス戦闘1を終了します。お疲れさまでした。
GM:戦闘演出に……参りましょう!
───────
穹華:海に雪が降り始める。
穹華:空間を極限まで圧縮すれば、熱量は際限なく膨張し、プラズマ化する。
穹華:その雪が解け、白熱線によって形を編み、無数の花束を宙に銃座した。
穹華:「強制起動コード承認。”アコ・ベル”――」
穹華:死の花が放たれようとする、その直前。
”マスターハウル”:──断ち切られた花束が、花弁を散らす。
”マスターハウル”:…この性質は、虚姫自身も感覚でしか理解していない。
穹華:「あ……私の、お花……」
”マスターハウル”:彼女が手繰る"糸"は、そこに流れた波形によって、異なる性質の効果を発現する
”マスターハウル”:低い音が流れれば、その糸に触れている者を衝撃が襲い
”マスターハウル”:反対に、高い音が流れれば
”マスターハウル”:鋸状に震えた糸が、触れたものを断ち切る刃となる
”マスターハウル”:──剣型のピアスを弾いた たったそれだけの動作が、攻撃の芽を積んで
"マスターハウル" :Acoustic Lover's
"マスターハウル" :「S L A S H」
”チチェローネ”:「ッ……穹華!」
”ペスカドラ”:「おいおい」
”マスターハウル”:発した声が、その命へと振り翳される
”ペスカドラ”:「お前は、こっちだろッ!」走りだそうとしていた”チチェローネ”を綱で引き戻し、盾にする。
穹華:「あ――」
穹華:空間を際限なく引き伸ばし、斬線の到達を少しでも引き延ばそうとする。が。
穹華:”音速”の方が早い。
穹華:「…………」音もなく引き裂かれる。
穹華:楽しいことだけ覚えていれば、悲しいことも、辛いことも、無くなると思っていた
”マスターハウル”:「───」今度は目は逸らさない。その姿を見届ける
穹華:だけど、違った。今は……もう、”この先”は、何もかも空っぽだと解っているから。
穹華:戦いたかった。戦って、目の前のことを全部壊せば、お前を脅かすものはなくなるのだと。そうご主人様は言っていた。
穹華:だけど……違った。目の前のお姉ちゃんが与えてくれたお別れは、これほどに安らかだ。
”マスターハウル”:「…私の、"これ"は」
穹華:きっと暖かい人なのだろう。優しい音だった。
”マスターハウル”:昔、誰かに言われたことがある
”マスターハウル”:「"伝えるための力" だって…」
”マスターハウル”:「……」
穹華:微笑む。
”マスターハウル”:「あなたのそれも」
”マスターハウル”:「違うかたちがあったのなら──」そこまで言って、口を紡ぐ。
穹華:「かたち……って なに?」
穹華:「わからないや。私、何もないから……」
穹華:倒れ伏す。動かない。
”ペスカドラ”:「マジかよ……こんなに何も出来ないのか?」
”マスターハウル”:「………ごめんなさい。」私は、恵まれていただけだから。
”ペスカドラ”:「再調整が必要だな。次、次だ……”マスターハウル”の能力の本質は今ので理解できた。次はもっと、上手くやれる……」
”チチェローネ”:「つ――次って……何ですか」
”チチェローネ”:「穹華は死んだんですよ!?」
”マスターハウル”:その言葉を聞いて、手を握り込む。
”ペスカドラ”:「はあ?ジャームに次なんてないに決まってるだろ。力を前借りしてるんだから」
”ペスカドラ”:「あれ?そうするとアタシも……はは……まあいいや……」
”ペスカドラ”:「あんたももう限界だろ。来な、”スクナ”」
宮代火澄:「ああ」
宮代火澄:「次は、ない」
宮代火澄:砲の鋒を”ペスカドラ”へ向ける。
宮代火澄:未だ盾にされようとしている少年と目が合った。
”チチェローネ”:「……」ナイフを取る手が震えている。
宮代火澄:──逃げられるはずだ。
宮代火澄:”ペスカドラ”とて、君を縛ることにばかり注視してはいられない。
宮代火澄:君が望めば、その鎖は外せる。
宮代火澄:糸のように細い道でも、ここじゃないどこかを目指すことはできる。
宮代火澄:引き金を引く。光条が放たれる。
”チチェローネ”:「ぼ……僕は……”ペスカドラ”の……!」
”チチェローネ”:「うああああああああああッ!!!」
”チチェローネ”:光の嵐の前に躍り出る。放たれる熱線を切り裂く。切り裂く。切り裂く。
宮代火澄:「……そうか」
宮代火澄:悲しみと同時に、納得があった。
宮代火澄:君がその鎖を望むならば。
”チチェローネ”:対処できたのは10秒が限界だった。継続する異常出力の攻撃に、脳が追いつかない。
”チチェローネ”:脚と腕を貫かれ、動きが止まる。更に被弾し、吹き飛ぶ。
”チチェローネ”:「ぐ……う……!」
宮代火澄:──手を取った相手が違えば、君も。
宮代火澄:言っても仕方ないことだ。
”ペスカドラ”:「……参ったな。こいつ、そこそこタフなはずなんだけどな……」
”ペスカドラ”:「これが”ニライカナイ”の動力源候補の底力か。コイツの能力も次に組み込めないか……?」
”ペスカドラ”:役目が終わった”チチェローネ”を無感動に眺めながら、つぶやき続ける。
柏夕陽:「貴女もですね、”ペスカドラ”。」
柏夕陽:「なかなかにタフです。」
”ペスカドラ”:「まあ……自由になるまでは死ねねェからな……」思考の合間に、うつろな返事を返す。
柏夕陽:「いいえ?」
柏夕陽:「あなたは既に死んでいます。」
”ペスカドラ”:「は――」
柏夕陽:”ペスカドラ”の身体に異変が起きる。
柏夕陽:先の腹部への一撃の際、
柏夕陽:抉られた傷口から微細な異物を侵入させていた。
”ペスカドラ”:「あ~~……やっべえ」
”ペスカドラ”:「降参していいか?」
”ペスカドラ”:ごぶ、と血を吐く。
柏夕陽:「あなたから得られる情報も、感情のぶつけ合いも、」
柏夕陽:「もう十分です。」
柏夕陽:「私たちも”次”の事を考えなければいけないので。」
”ペスカドラ”:「ふ」
柏夕陽:既に”ペスカドラ”から視線を外している。
”ペスカドラ”:「ふざけんなッ!ああッ、クソ……ッ!」振り向き、跳躍する。”マスターハウル”の遺物――【波濤褸】を起動させた。
”ペスカドラ”:「あたしより先に、自由になったとでも言いてェのか!?」
”ペスカドラ”:「ふざけやがって……あたしは最初から何にも縛られてねェ!次は面倒なことはなしだ、絶対に……ブチ殺す!”バチスカーフ”!」
柏夕陽:「分からないんですか?」
柏夕陽:「次なんてありませんよ。」
”ペスカドラ”:「何ゴチャゴチャ言ってやがる……”ダモクレス”! テメエは絶対に殺――」
柏夕陽:懐からボタンを取り出し、起爆しようとしたところで、
柏夕陽:「”リムショット”!”チチェローネ”を!」
”リムショット”:「えっ!?……だって、攻撃は――」
柏夕陽:ボタンを捨てて剣を抜く。
遠江・A・匸華:く お お お お お ん
遠江・A・匸華:黒い鯨が鳴いている。
宮代火澄:「これ、は……!」
宮代火澄:この感覚を知っている。
遠江・A・匸華:海蛇が、鯱が、鮫が、海百合が、フジツボが、
遠江・A・匸華:ありとあらゆる魔眼の海が。”バチスカーフ”の敵に降り注ぐ。
此江・A・匸華:「これ、なんで──……!」 絶句し、空を、海中を見仰ぐ。
”リムショット”:「ッ……待ってろ!”チチェローネ”!」
”リムショット”:”ダモクレス”の声がなければ、一瞬遅れていただろう。だが、結果的にはその判断こそが。
”チチェローネ”:「あ――」
”リムショット”:狙撃の反動、空中の機動を変える。呆けていた”チチェローネ”を蹴り飛ばす。
”リムショット”:同時に、黒い魚群に下半身を呑み込まれた。
”リムショット”:「よ……良かった」
”リムショット”:「届いた」
此江・A・匸華:「リムショット……?!」
”リムショット”:が じゃん!
”リムショット”:義体が上半身を残して、岩礁に激突する。
宮代火澄:「リムショット!」
”マスターハウル”:「───」ペスカドラと穹華、そしてリムショットがその海に呑まれるのを、黙って見ている。
”ペスカドラ”:「な……ふざけんな!あんた、どこまでアタシの邪魔をッ――!」
”ペスカドラ”:頭部が念入りに鯨に砕かれる。
穹華:「……」僅かに微笑み、体の全てが消失する。
宮代火澄:「──っ」
宮代火澄:"水族館"のやってきた先に視線を向ける。
柏夕陽:「”次”です。皆さん。」
遠江・A・匸華:「ああ……UGNの若い子まで……勢い余ってやってしまった」
遠江・A・匸華:「参ったな。悪いコトをした」
宮代火澄:「遠……江……!」
”虚姫”:「………」僅かに目を伏せ、声のする方を振り返る
遠江・A・匸華:群れを従え、緑色の鎖を体の周囲に纏わせ、ゆうゆうと歩いて来る。
遠江・A・匸華:「や、火澄」
遠江・A・匸華:「元気だったかい」
宮代火澄:泣き出したい。叫びたい。
宮代火澄:今すぐ駆け寄って、抱きしめたい。
遠江・A・匸華:「コノも、ヒメも、柏くんも」
遠江・A・匸華:「よくここまで無事に辿り着いてくれた」
遠江・A・匸華:「お陰で」
遠江・A・匸華:「私の楽園が完成する」
此江・A・匸華:「…………お姉、なにを、言って」 口の中がカラカラに乾いている。
遠江・A・匸華:既に目は遠くを見ていた。
”13./£”:「ば……馬鹿な」
”13./£”:「殺したはずだ。”ニライ”……」
柏夕陽:「殺したはずなのに生きているということは、」
柏夕陽:「あなたの腕が悪いか、」
柏夕陽:「ジャームになり果てて生き延びたかでしょう。」
宮代火澄:前者が違うのは、夕陽だってわかっているはずだ。
遠江・A・匸華:「アッハハ!相変わらず柏くんは辛辣だなあ」
遠江・A・匸華:「まあ、そうだね。ちょっとしくじっちゃった」
宮代火澄:一つしかない答えが目の前にある。
遠江・A・匸華:「私はきみらが言うところのジャームと呼ばれる存在だ」
此江・A・匸華:「ま、待ってよ。お姉が、ジャームだなんてそんな──」 縋る言葉が、断定に掻き消される。
”虚姫”:「………」
遠江・A・匸華:「ごめんね、コノ」
此江・A・匸華:「……ね、ねえ! 何かの間違いでしょ?!」
此江・A・匸華:「そんな、悪い冗談言わないでよ……」
遠江・A・匸華:「そんなに悲しい顔するなって。意外と良いモンだぜ」
遠江・A・匸華:「もう怖くないんだ。何も……」
遠江・A・匸華:「というか、恐怖から逃避するために全てを忘れられる」
”虚姫”:「──遠江ちゃんは」
”虚姫”:「それで良いと、思ってるんだね」
遠江・A・匸華:「というか、もうこれしかなくなっちゃったんだ」近寄り、”虚姫”を抱きしめる。
遠江・A・匸華:「おかしいよな。理性では理解しているはずなのに、全くそのブレーキが機能しない……」
遠江・A・匸華:「むしろ衝動に身をゆだねることが心地よくすらある」
遠江・A・匸華:「私は皆の楽園になれないことが怖かった」
”虚姫”:「………」ぎゅ と、同じように彼女の背に回した手を握って
遠江・A・匸華:「洗脳が溶けたんだね、ヒメ。おめでとう」
遠江・A・匸華:「私ではかなわなかったことだ」
”虚姫”:「……嬉しくないよ」
”虚姫”:「全然、ちっとも…」
遠江・A・匸華:手を離し、頭を撫でる。今度は柏さんに歩み寄り、肩を叩く。
遠江・A・匸華:「柏くん。きみの背負っている”仕事”に確信があったわけじゃない」
遠江・A・匸華:「それでも、本意じゃないのは理解していた。だから、今こうして四人ここにいることを嬉しく思う」
遠江・A・匸華:「いや……五人か。かなえもいるものな」
遠江・A・匸華:「どちらにせよ、これも私では成し遂げられなかったことだ」
遠江・A・匸華:慈しむように抱きしめる。
柏夕陽:「………。」
柏夕陽:「もっと、話すべき人がいます。」
柏夕陽:「あの二人と十分話をしてあげてください。」
遠江・A・匸華:「そうかもね。でも、きみのそう言う所はさ……好きだぜ」身を起こし、今度は
遠江・A・匸華:此江さんと宮代くんの二人を抱え込むように抱きしめる。
此江・A・匸華:「……っ、やだッ!」 その手を振り払うように一歩下がり、離れる。
遠江・A・匸華:「……コノ」
此江・A・匸華:「こんな再会、ちっとも嬉しくない! あたしは、認めないから!」
遠江・A・匸華:「……」
遠江・A・匸華:「はは。そりゃそうか……虫が良すぎるよなあ……」
遠江・A・匸華:「なあ、火澄。コノに怒られちゃったよ。どうしようね?」
宮代火澄:「……勝手に」
遠江・A・匸華:「ン?」
宮代火澄:「勝手に、決めるなよ。楽園になれないとか、そんなこと」
宮代火澄:「言っただろ。僕は……僕に、とって」
宮代火澄:「あのバチスカーフが……君の隣が」
宮代火澄:「とっくに、楽園だったのに……!」
遠江・A・匸華:悲しそうに微笑む。
宮代火澄:肩を掴んで、引き剥がし。
宮代火澄:「君の目指す楽園って、なに?」
遠江・A・匸華:「…………」
宮代火澄:「それ、誰のためにあるの?」
遠江・A・匸華:引きはがされた手を下げたまま、笑う。
遠江・A・匸華:「何も失わない世界があれば良いと思った」
遠江・A・匸華:「君が、君の親を失わなかった世界」
遠江・A・匸華:「柏くんが、一人の人間として、意思を尊重される世界」
遠江・A・匸華:「虚姫の人生が取り戻されている世界」
遠江・A・匸華:「コノが、”バチスカーフ”のために、自分の人格を犠牲にしなくて良い世界」
遠江・A・匸華:「……私が妹を殺さなかった世界」
遠江・A・匸華:「”ギリー”も、”ドック・バル”も、”ウォルナット”も、みんな、皆……」
遠江・A・匸華:”ニライ”の周囲に滞留している鎖が、蠢く。
家族:『もう、はしゃぎ過ぎないようにしなさいよ此江』
家族:『そうだぞ。もうすぐ■■■■■になるんだからな』
遠江・A・匸華:記憶が、きみたちの頭の中に――ひとりでに流し込まれていく。
GM:もうすぐお姉ちゃんになるんだからな。
遠江・A・匸華:「なれなかった」
遠江・A・匸華:穴だらけの死体が波打ち際に打ち上げられている。
此江・A・匸華:「ぁ あ── あ……………」
遠江・A・匸華:自分の魔眼によって、食い破られた母の腹から、
遠江・A・匸華:小さい脚のようなものがのぞいていた。
遠江・A・匸華:「私のせいだ」
此江・A・匸華:目を見開き、頭を抱える。フラッシュバックするように、鮮明に映像が映し出される。
遠江・A・匸華:「かなえに頼んで、此江に妹がいたことは……記憶から消していた」
遠江・A・匸華:「でも、一番忘れられなかったのは私なのかも知れないな」
遠江・A・匸華:「だって、”かなえ”は」
遠江・A・匸華:「付けるはずだった妹の名前だ」
此江・A・匸華:お母さん、と少女が泣いている。縋り付く母の腹から覗く脚に悲鳴を上げた。両手がべっとりと赤く、それは海の匂いよりずっと潮臭くて──
遠江・A・匸華:「………………………」
此江・A・匸華:「ぁ、あ あ゛あぁぁ ぁああ゛っ…………!」
遠江・A・匸華:「わかるだろ?コノ」
遠江・A・匸華:「私の人生は、失わせてばかりなんだ」
遠江・A・匸華:「ごめんな。ごめんな、コノ……ダメなお姉ちゃんで……」
遠江・A・匸華:涙を溢れさせたまま、笑っている。
遠江・A・匸華:「でも、大丈夫だ」
”虚姫”:──此江の背をさする。思い出す事の痛みは…きっと、私が一番よく知ってるから。
遠江・A・匸華:「火澄。ニライカナイを起動させよう」
遠江・A・匸華:「”オッタ―トロール”で吸い上げた君たちの記憶を使って」
遠江・A・匸華:「きみたちが、もう何も失わない世界を作る。大丈夫だ……この世界のほうが夢だと思えばいい」
此江・A・匸華:臨月を迎えた母と、新居が出来上がる前最後の下見。ここで家族5人の生活を始めようと笑っていた父の笑顔が、優しい母の声が、母の腹を蹴り上げる脚の感触が、全部全部脳内に放り込まれて滅茶苦茶に、
此江・A・匸華:ぐちゃくちゃに詰め込まれる。何も聴こえない。姉の声が多い。
此江・A・匸華:ただ、背を擦る手の感触だけが、鮮明だった。
此江・A・匸華:「っ、うぐっ、ぅ、ううう──……」
遠江・A・匸華:「ニライカナイには、生体を保存するシステムも用意されている。もう誰にも迷惑はかけない……」
遠江・A・匸華:「望むなら、”バチスカーフ”のみんなだってニライカナイで再現できる」
”虚姫”:…その言葉に反応して、ゆっくりと顔を上げる。
遠江・A・匸華:「ヒメの人生だって、もう一回やり直せる!」
遠江・A・匸華:「柏くんは、最初から……自分の意思で、生きることができる!」
遠江・A・匸華:「私だって」
遠江・A・匸華:ぐしゃり、と顔が歪む。
遠江・A・匸華:「私だって、火澄と、コノと、家族と、バチスカーフのみんなで……」
遠江・A・匸華:ポケットから珊瑚の指輪が落ちる。
遠江・A・匸華:「ああ……そういえば、前の私が渡そうと思ってたんだったな。これ」
遠江・A・匸華:「火澄。頼むよ。私とずっと一緒にいよう」きみの手を取る。
遠江・A・匸華:「私さ、結構いいお嫁さんになると思うぜ。家事は……まあ、これから練習するけどさあ……」
遠江・A・匸華:「……あはは」
宮代火澄:「それが」
宮代火澄:「君の言う楽園か?」
遠江・A・匸華:「そうだよ」
宮代火澄:「なあ、遠江」
宮代火澄:「それが僕らにとって」
宮代火澄:「本当に良いことだと思っていたなら」
宮代火澄:「──どうして皆にずっと黙っていた?」
宮代火澄:取られた手を握りしめる。
宮代火澄:彼女に最初に教わったことだった。
遠江・A・匸華:「……だって、これは」
宮代火澄:「”あなたの意思を尊重する”」
宮代火澄:「君が、僕に。教えてくれたことだったろう?」
遠江・A・匸華:「鎖だからだよ…………」
遠江・A・匸華:「解ってることを聞いて楽しいか!?」
宮代火澄:「ああ、そうだ」
宮代火澄:「僕が君に」
宮代火澄:「一度だって、両親を返してくれと言ったか?」
遠江・A・匸華:「う、うううううう」
宮代火澄:「此江は家族のことで君を責めたか?」
宮代火澄:「虚姫が、夕陽が。君に、そんなことを頼んだか?」
遠江・A・匸華:「うるさい……口やかましいな、君は……!」
宮代火澄:「その楽園は、"君の"楽園だ」
宮代火澄:「君は自分の楽園に」
宮代火澄:「僕らを縛り付けようとしているだけだ」
遠江・A・匸華:「だって!縛らなかったら、君は!」
宮代火澄:「……遠江。僕はね」
宮代火澄:「とっくに縛られてたんだよ」
宮代火澄:「君という錨に」
遠江・A・匸華:「……何だよ、それ……」
宮代火澄:「……いなくなったら探してくれだって?馬鹿だな」
宮代火澄:「そんな約束しなくたって、」
宮代火澄:涙がこぼれる。
宮代火澄:「探すに決まってるだろ」
遠江・A・匸華:「もっと早く言ってくれよ。馬鹿みたいじゃないか、私……」
宮代火澄:「僕は、君を、愛してるんだから」
宮代火澄:「伝えたじゃないか。何回だって。好きだって」
遠江・A・匸華:「でも」
宮代火澄:「ほんと、馬鹿みたいだ……!」
宮代火澄:馬鹿なのは僕だ。
遠江・A・匸華:「一度だって、私は君に、頼みごとをできなかった」
遠江・A・匸華:「傍に居てくれって言って」
遠江・A・匸華:「頷いてくれれば、よかったのに」
宮代火澄:「そんなこと」
宮代火澄:「言わなくたって、側に居たのに……!」
宮代火澄:はっきりと。言葉で。
宮代火澄:伝えていればよかったんだ。
遠江・A・匸華:「怖かったんだよ!」
宮代火澄:伝わってくれるだろうなんて、甘えたせいで。
宮代火澄:彼女を追い詰めた。
遠江・A・匸華:「私たちにはなかったじゃないか!かたちがさァ!」
遠江・A・匸華:「人間はそれがなきゃ生きられないってわかるだろ!?」
遠江・A・匸華:「それをなくしたから、私は……!」
宮代火澄:「……ああ」
宮代火澄:"それ"を知ったのは、つい先ごろのことで。
宮代火澄:遅すぎた。
宮代火澄:「遠江」
遠江・A・匸華:「……」
宮代火澄:「僕は、君にも縛られてる。でも」
宮代火澄:「君一人だけに縛られてはいられない」
遠江・A・匸華:「……あーあ」
遠江・A・匸華:「わかってたさ。最初から……きみがそう言う奴だってことはさ」
遠江・A・匸華:「だから、コノより先に、きみをモノにしなきゃと思ったのにな」
遠江・A・匸華:「私、めちゃくちゃ嫌な女なんだ……」
遠江・A・匸華:立ち上がる。
遠江・A・匸華:「……いいさ。君たちを殺してでも君たちを助ける。もう二度と失わないために」
宮代火澄:「君を殺してでも皆と生きる。それが僕の選んだロイスだ」
宮代火澄:「此江!」
遠江・A・匸華:鎖が渦巻く。魚の群れが空を泳ぐ。
宮代火澄:うずくまる少女に振り向いて。
宮代火澄:「君は、どうする?」
宮代火澄:「遠江の楽園と、今"ここ"と」
此江・A・匸華:顔を上げる。乱れた髪が泣き腫らした目を覆うのを、泪ごと手の甲で振り払う。
此江・A・匸華:「……あたしは、お姉ちゃんの言う楽園なんか──認めない」
此江・A・匸華:「だって、そうでしょ」
遠江・A・匸華:「……」
此江・A・匸華:「あたし達が、ここに来るまでの道程が。全部、全部なかったことになっちゃうなんて、嫌だ」
此江・A・匸華:「"ブラスケーン"」「"ウォルナット"」「"タイダイ"」 指折り数える。
此江・A・匸華:「"スパロウエッジ"」「"ハイペリオン"」「"フルベイク"」「"エチカ"」「"三条青"」「"ドック・バル"──」 一人ひとりの笑顔が浮かぶ。
此江・A・匸華:「"ギリー"」 彼女がいたから、あたしは命を繋げた。
此江・A・匸華:「──大好きだった人たちの命を、弄ぼうとするのはやめて」
此江・A・匸華:「あたし達の"楽園"は、確かにそこにあった」
此江・A・匸華:「お姉ちゃんがどれだけあたし達を愛してたとしても──それだけは、絶対に許せない!」
遠江・A・匸華:「大好きだから、何回でも会いたいんだよ……馬鹿だな」それはどちらに向けた言葉だっただろうか。
此江・A・匸華:「馬鹿なのはお姉ちゃんの方! この分からず屋! 人の話も聞かない頑固者!」
遠江・A・匸華:「姉妹喧嘩にも興味があったんだ。いいぜ、やろうか」
此江・A・匸華:「そんなんだから──そんなん、だからッ」 ぎり、と唇を噛み締める。
遠江・A・匸華:「恐らくはこれが最後になるだろうけどね」
此江・A・匸華:「…………っ、絶対、負けないから」 乱れた髪が、大きく揺れる。
宮代火澄:「虚姫!」
宮代火澄:「君の、答えは?」
”虚姫”:──その呼びかけには応えず、視線は遠江の方へ
”虚姫”:「遠江ちゃん」
”虚姫”:「前の、私はね」
”虚姫”:「あなたの話を最初に聞いた時……遠江ちゃんがいいなら、それでいいと思ったの」
遠江・A・匸華:「……なら」
”虚姫”:「遠江ちゃんの言う楽園は、私にとって、すぐそこにあったものだから」
”虚姫”:「──でも」
”虚姫”:「それを失うと分かっていても、楽園を去ると分かっていても」あなたが、前の自分の意志を継ごうとするのと同じように
”虚姫”:「前に進んだ私が居た。私は、その意志を継いであげたいんだ」
”虚姫”:「まだ、辛くて、苦しくて、訳の分かんない事ばかりで、とっても大変だけど」
”虚姫”:「──"私"は」
”虚姫”:柏を見る「秘密は、秘密のままにしたくない。」
”虚姫”:此江を見る「いつか、素敵な女の子になってみたい。」
”虚姫”:火澄を見て
”虚姫”:「いつかみんなで、本当の水族館に行ってみたい。」
”虚姫”:「それが、楽園の中で容易く叶う虚だとしても」
”虚姫”:「──現の中を、生きていたい。」
遠江・A・匸華:「そんなことのために、きみは、失う怖さの中でも前を向けるって言うのか?」
遠江・A・匸華:「いつか誰かが夢見た、ちっぽけな願いのために?」
”虚姫”:頷く
遠江・A・匸華:「ヒメは……」自分にとっての楽園を纏った少女を見る。
遠江・A・匸華:「強くなったんだな」
”虚姫”:「私の鎖は」
”虚姫”:「みんなと、繋がるためにあるものだから。」
”虚姫”:そして
”虚姫”:「────全部叶えて」
”虚姫”:「"バチスカーフ"も、私が貰う。」
”虚姫”:悪戯っぽく笑う
遠江・A・匸華:「アッハハ……認めるよ。きみには”マスターハウル”のコードが相応しい」
”虚姫”:「欲張りで、我儘なのは、遠江ちゃんだけじゃない」
”虚姫”:「そもそもそれは」
”虚姫”:「お姫様の、特権でしょ?」
宮代火澄:「夕陽!」
宮代火澄:「君は、どう生きる?」
柏夕陽:「───”バチスカーフ”の、」
柏夕陽:「あなたの傍で生きます。」
柏夕陽:「こう即答できるのも、」
柏夕陽:「あなたが記憶を奪ったおかげでしょうか、遠江さん。」
柏夕陽:「でも、返してもらいますよ。」
柏夕陽:「一本の剣として、道具として強制された過去があっても、」
柏夕陽:「皆さんの裏切り者だった過去があっても、」
柏夕陽:「それを忘れたり、隠すようなことはせず、」
柏夕陽:「皆さんと向き合いたい。」
柏夕陽:「”隠し事はしない”。」
柏夕陽:「それが、ルールでしょう?」
遠江・A・匸華:「……何ァんだよ。コソコソ火澄とキスしてる分には見逃してやろうと思ってたのに」
遠江・A・匸華:「良い女になりやがって……」
柏夕陽:「あ、それは隠しておこうと思ったのに。」
柏夕陽:くす、と笑う
柏夕陽:「ありがとうございました。」
柏夕陽:「私の本性を知っても尚、傍にいることを許してくれて。」
柏夕陽:「そして、さようなら。」
遠江・A・匸華:「ああ。お互いにとって、どちらか一方が……」
遠江・A・匸華:「永久に、楽園の底に留まることになる」
遠江・A・匸華:「さよならだ。”バチスカーフ”の皆」
遠江・A・匸華:差し出していた手を、戻す。
遠江・A・匸華:「これから私は、全力で、君たちの意思を蹂躙させて貰う」
遠江・A・匸華:魚群が弾け、楽園が展開する。
遠江・A・匸華:死者の魂が戻り来るという都。ニライカナイ。
遠江・A・匸華:がらんどうの城の主は、寂しく笑った。
Climax02:いつか誰かの
GM:登場浸蝕は不要です。
GM:また、エネミー”ペスカドラ”、”穹華”が死亡したため、
GM:ユニークアイテム《オッタ―トロール》の効果が発動され、”ニライ”が《ひらめきの盾》《氷盾》をそれぞれレベル1で獲得します。
GM:では、クライマックス戦闘2を開始します。
GM:戦闘終了条件は、”ニライ”の戦闘不能。またはPC全員の戦闘不能。
GM:PC全員が戦闘不能になった場合、PCは”ニライカナイ”に取り込まれ、
GM:以降のセッションでそのキャラクターシートは使用できなくなります。
此江・A・匸華:幸せな夢を見続けるんだ 海の底で
宮代火澄:そうはいかん
GM:その場合ニライカナイ(夢)バージョンのキャラシートを作成して貰いましょう
GM:ということで…頑張ってね!
GM:では、エンゲージはこちら。
▼エンゲージ
(”ニライ”[7])
10m
(”スクナ”[14]、”ダモクレス”[8]、"虚姫"[7]、”カグラ”[7])
[]内は行動値
GM:セットアップから。
GM:【SETUP】
”虚姫”:なし
此江・A・匸華:なし。
宮代火澄:<鮮血の奏者> コンボ:贖いの血晶
宮代火澄:自身のHPを1点消費し、対象にラウンド間攻撃力+18。対象は自分
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を4増加(155 → 159)
宮代火澄:宮代火澄のHPを1減少(2 → 1)
遠江・A・匸華:【珊瑚遊び】《ディクタトル》
宮代火澄:以上!
遠江・A・匸華:オルクスエフェクトの攻撃力+10、BS放心
柏夕陽:なし
GM:OK!
GM:ではイニシアチブから。
GM:【INITIATIVE】
遠江・A・匸華:イニシアチブタイミングでの行動は二つあります。
宮代火澄:2つも!?
遠江・A・匸華:1つは《Eロイス:怯えの眼差し》。
遠江・A・匸華:自身に対してロイスを取得している相手に、BS暴走を付与します。
宮代火澄:うわーっ
宮代火澄:暴走します……
此江・A・匸華:もう ないよ
柏夕陽:実はとってなかった。そのままです
遠江・A・匸華:取得なのでタイタスしてても暴走するのだ!
此江・A・匸華:正確にはタイタス化してるんですが、これは対象になりますか?
”虚姫”:私も持ってないぜ
此江・A・匸華:なんだとォ……
此江・A・匸華:では暴走します……ガルルルフシャー
遠江・A・匸華:では次のイニシアチブだ!
遠江・A・匸華:【虚水遊び】《時間凍結》
宮代火澄:んぎゃ~
遠江・A・匸華:イニシアチブ時にHP-20し、メインプロセスを行う。
遠江・A・匸華:マイナーで《ダークマター》。
遠江・A・匸華:これで放心の分と差し引きでダイス+2。
遠江・A・匸華:メジャー。
遠江・A・匸華:【"海百合と鯨とマリス・ステラ"】《黒の鉄槌》+《紡ぎの魔眼》+《黒の咆哮》+《C:バロール》+《縛鎖の空間》+《要の陣形》+《塞がれた世界》
宮代火澄:対象は?
遠江・A・匸華:攻撃力50 3体攻撃 命中時BS放心&重圧
遠江・A・匸華:う~ん…そうだな~
遠江・A・匸華:ここは柏さん・虚姫ちゃん・此江さんで行こう
宮代火澄:ちょ、ちょっと待ってね!
GM:OK!何か差し挟みある場合は相談してネ
宮代火澄:タイタス化している遠江へのロイスをSロイスに指定。
宮代火澄:Sロイス昇華効果で回数制限のあるエフェクトの使用回数を回復。時の棺を指定。
宮代火澄:オートアクション、<時の棺> コンボ:忌まわしき束縛
宮代火澄:判定を失敗とします。
遠江・A・匸華:やるね
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を10増加(159 → 169)
遠江・A・匸華:では、私の攻撃は失敗する。君の番だ……火澄
GM:続いてイニシアチブ14、宮代くんの手番です。
宮代火澄:オートアクションでウェポンケースを使用、試作レーザーランチャーを装備します。
宮代火澄:マイナーで暴走解除
宮代火澄:メジャーアクション、<コンセントレイト:バロール>+<瞬速の刃> コンボ:泡沫の光
宮代火澄:射撃攻撃を行います。対象は遠江
宮代火澄:対応なければ命中振ります
遠江・A・匸華:妨害はないよ。来てみな
宮代火澄:14DX+9+0@7 (侵食上昇5、侵蝕160~)
DoubleCross : (14DX7+9) → 10[1,2,3,4,4,5,6,6,6,9,9,9,9,10]+10[2,3,6,8,10]+10[7,8]+10[5,7]+10[8]+5[5]+9 → 64
宮代火澄:おっしゃ!
遠江・A・匸華:うげ~~~
遠江・A・匸華:なら…こういうのはどうかな?
遠江・A・匸華:まずは【イザイホーの鎖繋ぎ】《支配の領域》+《絶対支配》
宮代火澄:冗談じゃ……
遠江・A・匸華:対象のダイスを2つ選んで1に変える。
遠江・A・匸華:まあ、最後の8と5を1に変えて、達成値は-11。53だ
遠江・A・匸華:更に判定直後に
遠江・A・匸華:【海蛇遊び】《グラビティバインド》
遠江・A・匸華:その達成値を-12。41に
遠江・A・匸華:達成値減算は以上さ。ダメージをおくれ
柏夕陽:ドッジやガードは?
遠江・A・匸華:あ、そうだった。ガードもしておこう。
遠江・A・匸華:【鎧殻遊び】《グラビティガード》+《氷盾》
宮代火澄:硬すぎる~~
遠江・A・匸華:ガード値は-(4d+10)。
宮代火澄:ダメージいっていいかな?
GM:どうぞ!
宮代火澄:5d10+1d10+28 (装甲15点無視)
DoubleCross : (5D10+1D10+28) → 29[3,9,1,9,7]+4[4]+28 → 61
遠江・A・匸華:流石のダメージだね。装甲は5点あるけど、貫通される…
遠江・A・匸華:61-4d10-10
DoubleCross : (61-4D10-10) → 61-31[7,6,10,8]-10 → 20
宮代火澄:ぐえええ
遠江・A・匸華:20ダメージ。これで合計40ダメージだ。
遠江・A・匸華:攻撃は以上か……次は柏君の手番だね。
GM:続いてイニシアチブ8,柏さんの行動です。
柏夕陽:マイナーで接敵、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート:白兵》
▼エンゲージ
(”ダモクレス”[8]、”ニライ”[7])
10m
(”スクナ”[9]、"虚姫"[7]、”カグラ”[7])
[]内は行動値
柏夕陽:対象は遠江さん
遠江・A・匸華:この時点での対応はないよ。判定をどうぞ
柏夕陽:14dx7+6
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[1,2,2,3,3,5,5,7,8,8,8,9,9,10]+10[1,4,5,7,7,9,9]+5[2,3,3,5]+6 → 31
柏夕陽:げ、腐った
柏夕陽:そちらで対応在りますか?
遠江・A・匸華:【イザイホーの鎖繋ぎ】《支配の領域》+《絶対支配》。2回目だ。
遠江・A・匸華:最後の3と5を1に変えよう。達成値は29に。
柏夕陽:《勝利の女神》
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(133 → 137)
遠江・A・匸華:やるね!
柏夕陽:達成値+18。これで47に
柏夕陽:これにかなえの効果を載せて50にします
遠江・A・匸華:巧い手を使う……!リアクションはガードを選択するよ。
柏夕陽:さらにダメージ前にNPCカードを使用。
遠江・A・匸華:その際にこちらのエフェクトも使用する。
遠江・A・匸華:【鎧殻遊び】《グラビティガード》+《氷盾》
GM:NPCカード!!
柏夕陽:2番の攻撃力+12、装甲ガード無視を
”13./£”:了解した。殲滅する
柏夕陽:さらに宮代火澄のロイスをSロイスに指定
遠江・A・匸華:あっ!おい!こら!
柏夕陽:昇華してダメージダイスに+5Dする。
柏夕陽:さらに《フェイタルヒット》
柏夕陽:ダメージダイス+4Dする。
遠江・A・匸華:やはり君は最初に殺しておくべきだったかもなァ……!
柏夕陽:ではダメージ
遠江・A・匸華:冗談はともかく、ダメージをおくれ。これ受けるの痛そうだなあ…
柏夕陽:6d10+2d10+4d10+5d10+8+8+12
DoubleCross : (6D10+2D10+4D10+5D10+8+8+12) → 24[8,6,1,5,1,3]+13[9,4]+21[7,3,3,8]+35[1,10,5,9,10]+8+8+12 → 121
柏夕陽:121点です。
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(137 → 141)
柏夕陽:柏夕陽の浸蝕率を4増加(141 → 145)
遠江・A・匸華:うわっ……これはちょっとマズいな……
遠江・A・匸華:まずは《ひらめきの盾》を2回使ってHPダメージを-20しよう。こいつはこれで品切れだ
遠江・A・匸華:最終的に101ダメージを喰らう。
遠江・A・匸華:現在141ダメージ。中々厳しくなって来たね…
宮代火澄:あっごめん!さっきの私のダメージ
宮代火澄:+8点しておいてください 水晶の剣足してなかった!
遠江・A・匸華:おや、失敬。では149ダメージだね
遠江・A・匸華:では、次の手番だ……コノとヒメ、どっちから来る?
柏夕陽:虚姫さんが先に行った方がいいかな
宮代火澄:と思う!
GM:行動値7、虚姫さんと此江さんの手番です。宣言をどうぞ。
”虚姫”:じゃあ動きます
”虚姫”:マイナーなし
"虚姫":メジャーで『ヘンドリクス』《サイレンの魔女》《終焉の残響》《マシラのごとく》
"虚姫":対象は"ニライ" リアクション不可、判定ダイスを-5します
”虚姫”:で、判定前に
遠江・A・匸華:むっ
"虚姫":穹華に 親近感/○憐憫
"虚姫":遠江さんに ○親愛/隔意 でロイスを取って
”虚姫”:まだ使ってなかった、前セルリーダーの昇華効果を使います
”虚姫”:判定ダイスに+10個
遠江・A・匸華:なるほどね……そう対抗して来るか
”虚姫”:何もなければ振るよ
遠江・A・匸華:対応はないさ。判定をおくれ
”虚姫”:13dx+8
DoubleCross : (13DX10+8) → 10[1,2,2,2,3,5,7,8,8,8,10,10,10]+7[3,7,7]+8 → 25
宮代火澄:回った!
遠江・A・匸華:む……!回して来たね……!
遠江・A・匸華:【イザイホーの鎖繋ぎ】《支配の領域》+《絶対支配》を使用。
遠江・A・匸華:最後の7,7を1に変える。が……最終的な達成値は21か。
遠江・A・匸華:ここからリアクションを出来るような手札はない…ダメージをおくれ
”虚姫”:3d10+3d10+24+70
DoubleCross : (3D10+3D10+24+70) → 13[2,5,6]+17[9,5,3]+24+70 → 124
”虚姫”:”虚姫”の浸蝕率を15増加(125 → 140)
遠江・A・匸華:これは……かなり喰らってしまったな。
遠江・A・匸華:124点そのまま受けて、273ダメージ。もうかなりボロボロだ
宮代火澄:倒れてくれよ……!
遠江・A・匸華:次は此江かな。かかって来なさい
此江・A・匸華:マイナーはなし。《骨の銃》《死招きの爪》は持続してる扱いなので。
此江・A・匸華:あ、いや、暴走解除しとこ。
此江・A・匸華:メジャー、"蒲葵と蛇と北斗七星と" 《C:ハヌマーン》《オールレンジ》《風鳴りの爪》 対象:単体 射程:20m 侵蝕[+6]
此江・A・匸華:対象はお姉。
遠江・A・匸華:支配の領域は品切れだ。来てみなさい
此江・A・匸華:(3+3+2+4)dx7+3-1+3
DoubleCross : (12DX7+5) → 10[1,1,3,4,4,5,5,6,6,7,10,10]+10[1,7,9]+3[3,3]+5 → 28
此江・A・匸華:伸びない~~~
遠江・A・匸華:ハアハア……運が良かったね……
遠江・A・匸華:リアクションはガード。【鎧殻遊び】《グラビティガード》+《氷盾》
此江・A・匸華:3D10+33+3D10 装甲・ガード値有効 算出後ダメージダイス3個まで振り直し可能
DoubleCross : (3D10+33+3D10) → 17[8,4,5]+33+22[7,10,5] → 72
宮代火澄:コンビネーター!
宮代火澄:あ、違う
”虚姫”:そうぜ
宮代火澄:2d10足せるよ!
此江・A・匸華:おっと! 足します!
此江・A・匸華:72+2d10
DoubleCross : (72+2D10) → 72+10[4,6] → 82
遠江・A・匸華:む……!上げて来たね……!
此江・A・匸華:ん~~~、4を2つ振り直し!
此江・A・匸華:82-8+2d10
DoubleCross : (82-8+2D10) → 82-8+10[8,2] → 84
宮代火澄:上がった!
此江・A・匸華:OK、最終ダメージ84!
遠江・A・匸華:ここは……ガード値が最大を割っても耐えきれないな。
遠江・A・匸華:84-4d10-10
DoubleCross : (84-4D10-10) → 84-25[9,2,4,10]-10 → 49
遠江・A・匸華:49ダメージ……落ちる。
遠江・A・匸華:なので、ここから《蘇生復活》。最後の力を振り絞ろう。
宮代火澄:うそ~~
遠江・A・匸華:HP1で戦闘不能状態を回復する。
此江・A・匸華:ぎ~~~~~~~~
遠江・A・匸華:では、こちらの行動だ。
遠江・A・匸華:マイナーで《縮地》。効果によって離脱と共に、1M後方に戦闘移動する。
▼エンゲージ
(”ニライ”[7])
1m
(”ダモクレス”[8])
10m
(”スクナ”[9]、"虚姫"[7]、”カグラ”[7])
[]内は行動値
遠江・A・匸華:メジャー。
遠江・A・匸華:【"海百合と鯨とマリス・ステラ"】《黒の鉄槌》+《紡ぎの魔眼》+《黒の咆哮》+《C:バロール》+《縛鎖の空間》+《要の陣形》+《塞がれた世界》
遠江・A・匸華:対象は火澄以外の3人。
遠江・A・匸華:妨害は恐らく品切れ……判定を行おう。
遠江・A・匸華:10dx7+3
DoubleCross : (10DX7+3) → 10[1,1,3,3,3,6,6,7,8,9]+10[3,5,10]+2[2]+3 → 25
此江・A・匸華:らーっ ワンチャンドッジ!
柏夕陽:ドッジ
”虚姫”:ワンチャンドッジ!
遠江・A・匸華:リアクションをどうぞ。
此江・A・匸華:7dx>=25
DoubleCross : (7DX10>=25) → 9[3,4,5,5,8,9,9] → 9 → 失敗
遠江・A・匸華:!?
”虚姫”:6dx
DoubleCross : (6DX10) → 10[3,5,5,8,8,10]+10[10]+9[9] → 29
柏夕陽:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[3,8,9,9,10]+5[5] → 15
此江・A・匸華:?!
”虚姫”:???
宮代火澄:避けとる!?
柏夕陽:無理か
遠江・A・匸華:!?
”虚姫”:覚醒したんか???
遠江・A・匸華:き…君…マスターエージェントなのか??
遠江・A・匸華:参ったな…仕方ない。柏くんとコノに喰らって貰おう。
柏夕陽:ダメージください
遠江・A・匸華:ダメージ前
遠江・A・匸華:【灰岩遊び】《崩壊のスフィア》
遠江・A・匸華:ダメージ直前 そのダメージを+13Dする
遠江・A・匸華:ダメージを出そう。
此江・A・匸華:力の法則は自身に使えないよ!
柏夕陽:他人にしか駄目ですね
遠江・A・匸華:あっ……見なかったことにしておくれ 妹よ
此江・A・匸華:崩壊のスフィアだけで過剰火力だから安心してお姉ちゃん
遠江・A・匸華:改めてダメージ直前 【灰岩遊び】そのダメージを+8Dする
遠江・A・匸華:11d+50
DoubleCross : (11D10+50) → 53[7,4,2,1,6,10,1,7,7,6,2]+50 → 103
遠江・A・匸華:合計103ダメージ。お仕置きだ!
此江・A・匸華:残HP13、耐えられません。HP全損で斃れます。
柏夕陽:しにます。タイタス化していた信奉者を昇華して復活
此江・A・匸華:あとメジャー分の侵蝕上げ忘れたのでここで上げて……
此江・A・匸華:此江・A・匸華の浸蝕率を6増加(138 → 144)
此江・A・匸華:ロイス復活はなし。このまま斃れます。
遠江・A・匸華:OK。では、ここで全員の行動が終了するね。
GM:【CLEANUP】
GM:クリンナップ。放心の解除が可能です。
柏夕陽:放心解除
柏夕陽:以上
遠江・A・匸華:放心を解除するよ。何で自分もかかってるんだろうね?
遠江・A・匸華:こちらも以上だ。
GM:他にクリンナップに解除するモノがある人は…いないね。
GM:では、ラウンド2に移りましょう。
GM:【ROUND2】
▼エンゲージ
(”ニライ”[7])
1m
(”ダモクレス”[8])
10m
(”スクナ”[9]、"虚姫"[7]、”カグラ”[7])
[]内は行動値
GM:【SETUP】
遠江・A・匸華:【珊瑚遊び】《ディクタトル》
遠江・A・匸華:オルクスエフェクトの攻撃力+10、自身にBS放心
遠江・A・匸華:やっぱりこのエフェクトおかしくないか…?
宮代火澄:HPが足りなくて奏者打てない……なしです
”虚姫”:なし
GM:柏さんもセットアップはなさそうかな
GM:では、イニシアチブ9!宮代くんの手番!
宮代火澄:マイナーなし
宮代火澄:メジャーアクション、<コンセントレイト:バロール>+<瞬速の刃> コンボ:泡沫の光
宮代火澄:射撃攻撃を行います。対象は遠江
遠江・A・匸華:来なよ、火澄
宮代火澄:14DX+9+0@7 (侵食上昇5、侵蝕160~)
DoubleCross : (14DX7+9) → 10[1,2,2,3,5,6,6,7,7,8,8,8,9,10]+10[1,3,4,4,4,5,8]+10[10]+10[9]+4[4]+9 → 53
宮代火澄:よし……!
遠江・A・匸華:……
遠江・A・匸華:【海蛇遊び】《グラビティバインド》
遠江・A・匸華:判定直後に使用。達成値を-12 1R1回
遠江・A・匸華:達成値を41に。
遠江・A・匸華:リアクションはガードを選択。
宮代火澄:ダメージ!
遠江・A・匸華:【鎧殻遊び】《グラビティガード》+《氷盾》
遠江・A・匸華:これを使用する。ダメージを出してくれ
宮代火澄:5d10+1d10+10+8 (装甲15点無視)
DoubleCross : (5D10+1D10+10+8) → 36[10,2,9,9,6]+2[2]+10+8 → 56
遠江・A・匸華:これは……
宮代火澄:宮代火澄の浸蝕率を5増加(169 → 174)
遠江・A・匸華:56-4d10-10
DoubleCross : (56-4D10-10) → 56-16[6,6,3,1]-10 → 30
遠江・A・匸華:……君の勝ちだ。
遠江・A・匸華:戦闘不能になる。復活もなし。
GM:ここで、ユニークアイテム:オッタ―トロールの最後の効果が発動します。
GM:このアイテムの使用者が了承した時、ミドルシーン中に奪われたロイスに対応したメモリーをPC全員に1つずつ配布します。
GM:クライマックス戦闘2を終了します。PCの勝利です。
───────
GM:【BACKTRACK】
GM:今回のEロイスはこちら。
GM:
《愚者の契約》
《超越者の戯れ》
《修羅の世界》
《怯えの眼差し》
GM:振りたい方は浸蝕-4d10をどうぞ。
宮代火澄:全部振ります
”虚姫”:振ろうかな
柏夕陽:振ります
柏夕陽:145-4d10
DoubleCross : (145-4D10) → 145-22[7,8,3,4] → 123
”虚姫”:140-4d10
DoubleCross : (140-4D10) → 140-24[1,7,7,9] → 116
宮代火澄:174-4d10
DoubleCross : (174-4D10) → 174-15[3,10,1,1] → 159
柏夕陽:二倍振り
柏夕陽:123-6d10
DoubleCross : (123-6D10) → 123-39[7,8,9,8,1,6] → 84
此江・A・匸華:144-4d10
DoubleCross : (144-4D10) → 144-26[2,10,9,5] → 118
柏夕陽:帰還、3点
”虚姫”:ロイス3、2倍振り
宮代火澄:メモリー、元から持ってた一つとオッタートロールから返してもらった一つ使います。-20
”虚姫”:あ、そうかメモリーあった
此江・A・匸華:メモリー2枚使って、98。残ロイス3枚通常振り。
此江・A・匸華:98-3d10
DoubleCross : (98-3D10) → 98-24[9,5,10] → 74
宮代火澄:139からロイス5つ、倍振りします
此江・A・匸華:5点で帰還!
宮代火澄:139-10d10
DoubleCross : (139-10D10) → 139-46[1,6,1,7,2,4,2,10,6,7] → 93
此江・A・匸華:ぎ、ぎりぎり……!
宮代火澄:帰ってこれた……3点です
”虚姫”:-10して106、やっぱり等倍にします
”虚姫”:106-3d10
DoubleCross : (106-3D10) → 106-22[6,8,8] → 84
”虚姫”:5点帰還!
宮代火澄:みんなおかえり……!ほんとによかった
"かなえ"D種潜航艤装:おめでとうございます。”バチスカーフ”、全員帰還ですね。
GM:では、最後に経験点配布。
GM:基礎5点に関してはもう超絶最高PLの皆さんに対して完全にあげることになるので
GM:最後にDロイスの分を足します。
GM:
D:屍人(ロイコ)
D:猟兵義体(ソナープロット。機械化兵相当)*5
D:黄金領域(ニライ)
GM:
宮代火澄:15点
此江・A・匸華:17点
”虚姫”:17点
柏夕陽:15点
GM:GM:21点
GM:経験点配布は以上です。改めて全員帰還、本当におめでとうございます。
GM:では経験点を喰いな!
宮代火澄:もぐもぐ……おかしい しょっぱいな……
柏夕陽:ありがとうございます!
此江・A・匸華:もきゅ……もきゅ……(寝言)
”虚姫”:うめぇうめぇ
GM:点を喰えバチスカーフ
GM:では、最後の戦闘演出に入っていきましょう。
───────
"かなえ"D種潜航艤装:『気圧、急激に低下』
"かなえ"D種潜航艤装:『予測:攻撃が来ます!』
遠江・A・匸華:「ダメじゃないか。お姉ちゃんのやることを邪魔したら……」
遠江・A・匸華:艦隊のように、魔眼によって模された鯨の群れが生まれ続ける。
遠江・A・匸華:それは周囲の空気を蚕食しながら、”バチスカーフ”に迫っている。
遠江・A・匸華:「別にマスター称号なんて欲しかないけどさァ」
遠江・A・匸華:「ちょっとはやるつもりだぜ。私」
"かなえ"D種潜航艤装:『気圧、更に低下していきます。このままでは、ニライカナイ内の大気も――』
遠江・A・匸華:周囲には偽りの水が溢れ続けている。彼女の記憶の中の海。”水族館”と呼ばれる領域。
宮代火澄:魔眼を介した空間支配──水族館。完成させれば遠江に触れることすら叶わなくなる。
此江・A・匸華:「気圧──少しの間なら持たせられるけど……長くは保たないよ!」 此江の生み出す酸素膜を皆に纏わせられれば、少しは耐えられる。だが、どれだけの時間持つか。
宮代火澄:「大丈夫」
宮代火澄:傷口から、血が溢れ出す。
”13./£”:「……何をする気だ?小規模な時間編集では……」
宮代火澄:血を失って蒼白だった顔色はいつの間にか回復している。
宮代火澄:異常なまでのレネゲイドの昂りと引き換えに。
”虚姫”:「───」大丈夫。その言葉を聞いて、反撃するための準備を始める。
宮代火澄:失った血液を回復させるために、自分自身の時を操作した。
宮代火澄:血液を引き換えとした時間操作で、血液を取り戻す。当然効率は最悪。
宮代火澄:侵蝕限界は目前だが、やるしかない。彼女に勝つためには。
宮代火澄:「跳べ……っ!」
宮代火澄:取り戻した血の大半を生贄に、次元接続。
宮代火澄:遠江の展開した魔眼──領域を維持する魚たちを、まるごと別空間へと弾き飛ばす!
遠江・A・匸華:が お う ん ――――
遠江・A・匸華:「オイ、馬鹿火澄! そんな自転車操業みたいなレネゲイドコントロール、私が教えたか!?」
遠江・A・匸華:「やってくれたね……稼いだ時間で時間稼ぎか」
宮代火澄:「──再展開される前に、削り切る!」
遠江・A・匸華:魚群の艦隊が消失した。それらを補填するように、湧出する水を加速させる。
遠江・A・匸華:「まあいい。そう何回も出来る技じゃないだろう」
遠江・A・匸華:「私の領域が完成するのが先だ……」
宮代火澄:砲の鋒を向ける。その先には──
宮代火澄:「……っ、!」
宮代火澄:あんなにも求めた、いとしいひと。
遠江・A・匸華:「……」
宮代火澄:震える指で、それでも引き金を引く。
遠江・A・匸華:ぞくり、と身を震わせる。
宮代火澄:焼き尽くす光条が放たれる。
遠江・A・匸華:瞬間、影の群れが展開する。何重にも編まれた鎧のように。
遠江・A・匸華:「【舫綱】――こうだったかな」
遠江・A・匸華:”ペスカドラ”の用いていた、”マスターハウル”の遺産。白鯨の七腸。
遠江・A・匸華:更に、その空間ごと手をかざす。捩じり、歪ませる。
遠江・A・匸華:……”ニライ”の能力は、魔眼による記憶の再現。
遠江・A・匸華:”オッタ―トロール”によって死者の記憶を吸う”ニライカナイ”と接続されている今、彼女たちの技もまた”ニライ”に影のようについて回る。
遠江・A・匸華:「……ちょっと熱かったかな」
遠江・A・匸華:熱傷が治癒する。無傷だ。
宮代火澄:自分が、遠江を、傷つけた。
宮代火澄:吐き気がする。
遠江・A・匸華:「火澄さァ。乙女の柔肌に傷つけてくれちゃって」
遠江・A・匸華:「あっちで結婚する時どうするんだよ。責任取ってくれよ、なあ、おい」
宮代火澄:こうなってしまったことが悲しい。求められたことが嬉しい。彼女がただ愛しい。
宮代火澄:そんな些末な感情を超えて、燃え上がる激情がある。
宮代火澄:「責任、なんて」
宮代火澄:「もっと、早くに……もっと、別のっ」
宮代火澄:「取り方が、あっただろ……!」
宮代火澄:怒りだ。
宮代火澄:自分を縛ろうとする彼女に。
宮代火澄:彼女を縛ろうとしなかった自分に。
宮代火澄:恐れも悲しみも焼き尽くして、怒りが火澄を動かしていた。
遠江・A・匸華:「……二発目は撃たせない。きみにそんな顔はもうさせない」魔眼を再び展開している。旗魚の切先が”スクナ”を狙っていた。
柏夕陽: ず ぶ
柏夕陽:遠江の言葉を途中で切るように、
柏夕陽:刃を腹部に突き立てる。
遠江・A・匸華:「……わお」
柏夕陽:「”そんな顔はさせない”?」
柏夕陽:「あなたが楽園に固執する限り、火澄さんはあの貌であなたを見るでしょう。」
遠江・A・匸華:さっと表情が変わる。
柏夕陽:「………出来れば、ジャームになる前に気付いて欲しかったですね。」
柏夕陽:「もうあなたは、”バチスカーフ”に仇為す者になってしまったのだから。」
柏夕陽:「………自分の楽園を、手放したのだから。」
遠江・A・匸華:「……もっと」
遠江・A・匸華:「失いたくないと思うことの、何が悪い!」
遠江・A・匸華:影を高速で自身の周囲に旋回させる。八脚を持った軟体生物の魔眼の群れ。
柏夕陽:「栄えるものも、いずれ死にます。」
柏夕陽:「その頭上にはダモクレスの剣があるのです。」
柏夕陽:「問題は、どう生き、どう死ぬか。」
柏夕陽:”13./£”と共に魔眼の群れを切り裂く。
柏夕陽:露払いだ。
柏夕陽:姫の歩く道を少しでも綺麗に整えるための。
”13./£”:処刑刀を全身から射出する。毒の霧が着火し、バーニアのように義体を旋回させる。
”13./£”:花道を火花が彩った。
"虚姫":──ソナープロットの狙撃で、倒れた時の事を思い出していた。
"虚姫":視野を狭めた事で意識外からの攻撃を受けた、手痛い敗北の記憶ではある………が
"虚姫":あの時は、不思議と無力感は抱かなかった。
"虚姫":新しい予感があったからだ。
"虚姫":「(見るのは、遠江ちゃんだけ)」
"虚姫":空間認識の拡大ではなく、縮小。
"虚姫":「(散らすんじゃなくて、束ねる)」
"虚姫":RCとは、精神の力。
"虚姫":「(彼女だけに、届くように──)」
"虚姫":"ペスカドラ"が繋いだ鎖は、その波を安定させ、常に一定水準のパフォーマンスを発揮する兵器運用としての意図があった。砲手が必要な砲台 その状態を作り出すために。
"虚姫":──それが存在しない今
"虚姫":虚姫の能力は、新たなフェーズに入りつつある。
"虚姫":石碑 壁画 言語 筆記 通話 通信
"虚姫":人が伝える事を止めない限り、繋がる事を止めない限り、その手段が発展し続けるように。
"虚姫":彼女が自らの意志で歩み続ける限り
"虚姫":その能力は、進化する事を止めない。
"虚姫":
"虚姫":遠江は気付く。
"虚姫":自身の周囲から、音が消えている事に。
遠江・A・匸華:(……砲撃――じゃない)
”虚姫”:正確には
”虚姫”:「──遠江ちゃん」
”虚姫”:虚姫の声以外が聞こえない。自身の声は虚姫にしか届かない。
遠江・A・匸華:「あはは……マリーの奴、こんなのを育ててたのか」
遠江・A・匸華:(考えろ。彼女の能力は糸状の感覚質を媒介とした波状定理そのものへの干渉)
”虚姫”:彼女に繋がる糸を全て束ねて、その手に握る。
遠江・A・匸華:(だとすれば今起こっているのは私を対象とした収束か? だが、だとすると問題は)
遠江・A・匸華:(”どうやって握られているか”ということだ――)
”虚姫”:「──ごめんね。最後に………伝えたい事があって」
遠江・A・匸華:能力の基点。虚姫の手を見る。既に刺魚の槍を形成し、投擲動作に入っている。
遠江・A・匸華:その手が、一瞬止まった。
遠江・A・匸華:対処するべきだ。そうでなければ、重篤なダメージを負う――
遠江・A・匸華:「きみから、伝えたいことなんて」
遠江・A・匸華:「珍しいな……」
”虚姫”:「……火澄くんとか、此江ちゃんには聞かせたくなかったから。」
”虚姫”:…あなたは、いつも私に優しかったね。
遠江・A・匸華:彼女が心を取り戻してくれて、嬉しかった。
遠江・A・匸華:心が衝動に呑まれてしまったとしても、その思いまでが焼け果てたわけではない。
”虚姫”:「……遠江ちゃん」握り込んだ手はブラフ。起点など、本当はなんでもいいのだ。
遠江・A・匸華:「だめ、だ、逃げなよ、ヒメ……」耐えがたい疼きをこらえるように、魔眼が振動している。
遠江・A・匸華:「違う……何で逃がす? 私は彼らを楽園に……違う……!」
”虚姫”:「SLASH」
”虚姫”:「SLASH」
”虚姫”:「………」顔を歪めて、言い淀む。口の端を結んで 開いて 震えるような吐息が漏れる。
”虚姫”:「S L AS H」
遠江・A・匸華:何かが砕けた。
”虚姫”:初めて吐いた、本当の嘘だった。
"虚姫":Acoustic Lover's
"虚姫":掻鳴歌
”虚姫”:束ねられた糸は、一斉に震えて
”虚姫”:嵐のような斬撃が、遠江の身体を斬り刻む
遠江・A・匸華:砕けた思いは、振りかぶられた魔眼と共に既に消えていた。
”虚姫”:──無音が、消える。
遠江・A・匸華:――ざ
遠江・A・匸華:ざざざざざざざざざざざざッ!!!
遠江・A・匸華:絶対消失の防御すら、質量によって食い尽くされる。
遠江・A・匸華:斬線の波が去る。始めて膝を着く。
遠江・A・匸華:「…………しょうがないか」
遠江・A・匸華:「君がそう言うのも、無理のないことだもんな。解ってる……」
遠江・A・匸華:幽鬼のように立ち上がる。
遠江・A・匸華:「だから尚更、行かなきゃいけないんだろ……楽園に……」
遠江・A・匸華:「もう君が、誰も恨まなくて良い世界に」
遠江・A・匸華:「コノ……君もそうなのか?」
遠江・A・匸華:「ずっと、私のこと……邪魔だと思ってたのかい……?」
此江・A・匸華:「……………ッ」 瞳に、隠しきれない憎しみの炎が揺れる。
此江・A・匸華:胸の内から込み上げる衝動のまま、叫びたい。憎悪を思うまま叩き付けて、全てを終わらせてしまいたい。
此江・A・匸華:──流し込まれた記憶の余波が、不意に励起される。
此江・A・匸華:それは、"オッタートロール"が喰った記憶の一部。ただ二人きりになって、それから。
此江・A・匸華:『"ニライカナイ"とは、理想郷』
此江・A・匸華:『海の遥か彼方、"魂"が生まれ還っていく場所』
此江・A・匸華:かつての、寝物語。満天の星空を見仰ぎながら姉は語った。ここではない、遠い場所を夢見て。
此江・A・匸華:『……なぁ、コノ。私はいつか、理想郷を創るよ』
此江・A・匸華:『誰も傷付かない、失わない。己の意志が保証される、自由な世界──そこで、大好きな人たちと一緒に暮らすんだ』
此江・A・匸華:『どうだい。最ッ高に素敵だろ?』
此江・A・匸華:誰の庇護も得られない、姉妹二人ぼっち。絡めるように握り合った指が微かに震えていたのを覚えている。
此江・A・匸華:幼い自分には、その言葉の真意は分からなかった。なんと答えたのかも、曖昧だ。
此江・A・匸華:ただ、遠江を愛していた。大好きだった。同じ人でなしになることだって、躊躇わなかった。
此江・A・匸華:しかし、姉の想いを知らぬままに、その庇護の下生かされた。失ったはずの温もりさえ、新たな"家族"が疵を覆うように与えてくれた。
此江・A・匸華:そんな彼女に──嫉妬こそすれ、憎しみなどあるものか。
此江・A・匸華:それでも──この世界は不条理で、楽園なんてものは簡単に壊れてしまって、それを追い求めた姉は戻れないものに成り果てた。
此江・A・匸華:その記憶を、二度と失わないように強く、鮮明に焼き付けて。
此江・A・匸華:……世界を丸ごと憎悪してしまいたくなる衝動を、打ち払うように叫ぶ。
此江・A・匸華:「……ズルい、って思ったよ」
此江・A・匸華:「だって……あたしの方が、先に好きになったんだもん」
此江・A・匸華:き、と勝ち気な吊り目を細めて姉を睨め付ける。
此江・A・匸華:「それなのに、あからさまに見せつけて……っ、ほんっと……羨ましかったんだから!!!」
遠江・A・匸華:「姉妹揃って……オトコの趣味が、悪いなァ……」思わず、笑う。
此江・A・匸華:「邪魔だなんて、思うはずない! だって、たった一人の家族なんだ!」
此江・A・匸華:「……っ、ただ……一緒にいてくれたら、それで、良かったのに!」
遠江・A・匸華:「ッ……それ、は……!」
此江・A・匸華:「いっつもそうだ──一人で、全部抱え込んで……!」
遠江・A・匸華:そうできたら、どれほど良かったか。
此江・A・匸華:「人の心配する前に、自分の心配しなよ! 馬鹿姉!!!」
遠江・A・匸華:「それは……私が殺してしまったかなえだって、同じだ!」
此江・A・匸華:「そうだよ、お姉ちゃんが殺したんだ!」
此江・A・匸華:「だけど──そんなお姉ちゃんを選んで付いてきたのが、あたしでしょう?!」
遠江・A・匸華:「だからその償いを……しよう、と……」
此江・A・匸華:「皆を否定するな、選んだ道を否定するな!!!」
此江・A・匸華:「償いなんて、誰も望んでない──あたし達は、ただ」 駆け出す。
此江・A・匸華:少し歳の離れた姉。成長期が来ても、ついぞ抜くことのなかった背丈。
遠江・A・匸華:「全部失うことになったって、その意思を肯定しろって!?馬鹿げてる……!」虚ろの水が溢れ出す。堰を切ったように。
此江・A・匸華:その身体に飛び込みながら、己の意志を向ける。
遠江・A・匸華:――初めて。
遠江・A・匸華:怯えたような目で、きみのことを見た。
此江・A・匸華:「魂は還る──"ニライカナイ"に還って、命は巡る」
此江・A・匸華:「魂が囚われる場所は、楽園なんかじゃない。牢獄だ」
此江・A・匸華:東方の神の言い伝え。イザイホーは、魂のリレー。
此江・A・匸華:アカララキの神と繋がる少女の身体は、本能でそれを理解している。
此江・A・匸華:「……だか、らっ」
此江・A・匸華:抱き締めた身体、ゼロ距離から直接女の身体に衝撃が奔る。
此江・A・匸華:「……お姉ちゃんを、一人にしない。するもんか」
此江・A・匸華:「あたしが──その魂を連れて行く。お姉ちゃんが、縁をくれた力で」
遠江・A・匸華:「嫌だ……誰も、失いたくない……」血と涙でグチャグチャだった。泣きじゃくりながら手を伸ばす。
遠江・A・匸華:「全部縛ったって……皆……みんなを……!」
遠江・A・匸華:海が爆裂する。”カグラ”を吹き飛ばし、更に荒れ狂う。
遠江・A・匸華:その余波は、”ダモクレス”と”虚姫”にも及ぶ。
遠江・A・匸華:魔眼によるものではない、純粋な領域の余波。彼女の”水族館”が完成していく。
”虚姫”:「──っ……」怯えているのだと、分かった。怖いなら背中をさすってあげたい その手を取ってあげたい でも……それは出来ないと、私はもう伝えた。なら、後は──
遠江・A・匸華:視線は、もはや宮代火澄だけを見ていた。
宮代火澄:水族館の中心に、一人と。
宮代火澄:もう一人。
宮代火澄:荒れ狂う領域、その猛威を乗り越えて。──否。
宮代火澄:乗り越える必要はなかった。
”13./£”:既に義体が活動限界に到達している。岩礁に打ち上げられ、動かない。
宮代火澄:意識したのか、無意識か。その領域は、不自然なまでに彼の前に道を残していた。
遠江・A・匸華:「火澄……」
宮代火澄:「遠江」
宮代火澄:何度、こうして名前を呼びあっただろう。
宮代火澄:これがきっと最期になる。
宮代火澄:鋒を向ける。
宮代火澄:彼女に伝えるべきことがあった。
宮代火澄:遅すぎた。
宮代火澄:今、最後の前に。伝えたいことは無数にあって。
宮代火澄:全部は伝えきれないならただ一つ。
宮代火澄:「好きだよ」
宮代火澄:何度伝えても伝えきれなかった、遅すぎた言葉とともに、引き金を引いた。
遠江・A・匸華:「…………」
遠江・A・匸華:魔眼は展開されていた。
遠江・A・匸華:それにも関わらず、右半身が消し炭になっている。
遠江・A・匸華:出力不足だったのか、そもそも能力を励起しなかったのか。
遠江・A・匸華:海が崩れていく。
遠江・A・匸華:魚群が壊れ、暗礁が零れ落ちる。
遠江・A・匸華:力ない足取りで、ふらふらときみの元に向かっていた。
遠江・A・匸華:「……”やしろの輪”で、きみを拾った時は」
遠江・A・匸華:「利用しようと思ってた。”ニライカナイ”の動力に、君を使えると……」
遠江・A・匸華:「でも……全然ダメだったな。私の心がきみに縛られてしまった。上手くいかない……」
宮代火澄:「慣れないこと、するからだよ」
遠江・A・匸華:残った左手が、きみの右手に触れる。
宮代火澄:「利用とか、謀略とか」
遠江・A・匸華:握り締める。
宮代火澄:「君には向いてない。……優しすぎだ」
遠江・A・匸華:「君は……この一か月で、随分慣れたみたいだな」
遠江・A・匸華:「なあ。今の火澄になら、”バチスカーフ”を任せられるよ。元々そうしようと思ってた」
遠江・A・匸華:「私のことは気にしなくていい。コノもヒメも柏くんも、まとめて幸せにしてやってくれ」
宮代火澄:「……馬鹿だな」
宮代火澄:繋いだ手から、最後の熱を分けあって。
宮代火澄:「気にしないわけないだろ」
宮代火澄:「僕は、君一人には縛られない。……だけど」
遠江・A・匸華:笑う。
宮代火澄:「君という錨と鎖は、一生外さない」
遠江・A・匸華:引っ手繰るように唇を奪う。
遠江・A・匸華:舌を割り入れ、押し倒す。刻み付けるように。
宮代火澄:「ずっと、ずっと……君に、縛られるからな」
宮代火澄:「……ばかやろう」
遠江・A・匸華:「……ここじゃないどこかは、もう見付けたんだね」
遠江・A・匸華:唇を外す。
遠江・A・匸華:「それが私の傍だったとは。きみもよくよく不運な奴だな」
遠江・A・匸華:「ああ……そういえば、さっきの答え。返してなかったね」
遠江・A・匸華:「私の計画を潰して、心を砕いた酷い男」
遠江・A・匸華:「だいきらいだ、火澄」
遠江・A・匸華:一際、手に力を入れる。そして、その力が不意に抜ける。
遠江・A・匸華:指にはめた珊瑚の指輪ごと、左手が落ちた。
宮代火澄:もしも。
宮代火澄:あの日に戻ることができて、その時。
宮代火澄:差し伸べてくれる手が、いくつもあったとして。
宮代火澄:もっと別の未来が、僕の前に開かれていたとして。
宮代火澄:今の僕は何度でも、君の手を取る。
宮代火澄:不運なものか。
宮代火澄:「君の隣は、楽園だったよ」
宮代火澄:たどり着いた場所が手から滑り落ちていく。
GM:彼女が纏っていた緑の鎖も消える。
宮代火澄:それでも。
宮代火澄:(生きたい)
宮代火澄:僕を守ってくれる錨と一緒に。
GM:その思いに呼応するように、きみたちの中に戻って来る記憶がある。
GM:”オッタ―トロール”に奪われた記憶。
GM:恋人のもの。家族のもの。製作者のもの。信奉者のもの。
GM:その記憶を携えてどう生きるかは、君たちが決めることになるだろう。
”13./£”:「……”オッタ―トロール”は、どうする気だ」
”13./£”:傍に”チチェローネ”を掻き抱きながら、呟く。
”13./£”:「恐らくはその指輪が粘菌網の寄生基点だろう。持って帰るなら、報告することになるが」
”13./£”:「……それも、最早私が決めることではないな。君たちに任せる」
宮代火澄:「……ありがとう」
”13./£”:「私は”リムショット”の様子を見る必要がある。”チチェローネ”を頼む……」義体が光を失う。
”チチェローネ”:「…………」無言で俯いている。抵抗する様子はない。
”チチェローネ”:それどころか、一切の情動を失っているようにも見えた。
”虚姫”:「……」ぎゅ と片方の手で、もう片方の手を強く握り、そのまま目元を拭って、取り戻した記憶を空っぽの器に入れる。
此江・A・匸華:最後に何か言おうと僅かに開いた口をそのままに、斃れて動かない。ただ、その表情は良い夢を見ているかのように安らかだ。
”虚姫”:宮代の方を見て
”虚姫”:「……どう、しよっか」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:これからどうするか。どうするべきか。分からない、ままではいけない。
宮代火澄:だって、任された。
宮代火澄:僕が決めなきゃいけない。みんなと生きていくために。
宮代火澄:ただ、まずは。
宮代火澄:「帰ろう」
宮代火澄:「みんなで。……話は、それから」
宮代火澄:「考えてることはあるけど。それも皆起きてから。ね」
柏夕陽:「かなえさん。帰投します。」
"かなえ"D種潜航艤装:「……帰投準備完了。ハッチ展開」
"かなえ"D種潜航艤装:ぐ お お お ん
柏夕陽:「………火澄さん。」
"かなえ"D種潜航艤装:鋼鉄のタラップが開く。
柏夕陽:「お疲れさまでした。ゆっくり休んでください。」
柏夕陽:「船の運行状況は私とかなえさんで確認しておきますので。」
宮代火澄:「うん。……ありがとう」
"かなえ"D種潜航艤装:「帰りましょう。私たちの家へ」
”虚姫”:「………うん」
”虚姫”:そう言って、タラップの方へ向かう途中
”虚姫”:火澄を振り返る
”虚姫”:「火澄くん、此江ちゃんお願いね。」
宮代火澄:「……」
此江・A・匸華:「……むにゃ…………すぅ…………」
”虚姫”:「私、腕疲れちゃった!」
”チチェローネ”:「…………」
宮代火澄:まったく、なんて、優しい『頼み事』だろう。
宮代火澄:「任せて」
”虚姫”:悪戯っぽく我儘を言って、艦の中へ。
”チチェローネ”:僅かに残った”ペスカドラ”の遺体の傍から動かない。
柏夕陽:チチェローネに振り返る。
柏夕陽:「そのまま死にますか?」
柏夕陽:「もう我々はここには来ませんよ。」
柏夕陽:タラップに足を掛けたまま尋ねる
”チチェローネ”:「……前は」
”チチェローネ”:「この人のために死にたいと思ってました」
”チチェローネ”:「でも、もう、どうしたらいいか解りません。」
”チチェローネ”:「……この人の傍ではない所も、あるんですか?」
柏夕陽:「あるかもしれないし、ないかもしれない。」
柏夕陽:「ですが、」
柏夕陽:「あなたの為に生きたいと願いながら死んだ人もいます。」
”チチェローネ”:「……そんな奴、いるんですか?」薄く笑う。
”チチェローネ”:「…………」
”チチェローネ”:「その人のことを、確かめるまで……」
”チチェローネ”:「貴方たちに付いて行っても、良いですか」
”チチェローネ”:「もしも、そんな人がいるなら。生きて、知らなきゃいけない気がする」
柏夕陽:「ちょうど船から一人降りて寂しくなったところです。」
柏夕陽:「どうぞ。」タラップへの道を譲る。
”チチェローネ”:「……」少女のものらしい、耳飾りを握る。
”チチェローネ”:歩き出す。タラップを行き、艦の奥に消える。
”チチェローネ”:その直前、きみたちに頭を下げていった。
宮代火澄:安らかに眠る少女を抱き上げて、追いかける。
宮代火澄:目を覚ました彼女は、泣くだろうか。
宮代火澄:それとも、堪えてしまうだろうか。
宮代火澄:(……いいや、きっと)
宮代火澄:僕が先に泣いてしまえばいいし。きっと泣いてしまうだろう。
宮代火澄:二人で泣いて、泣いて、泣いて……それから。
宮代火澄:まだ、生きる。
宮代火澄:(一緒に行くんだ。皆で)
宮代火澄:楽園なんて言える場所かはわからないけど。
宮代火澄:皆が笑って生きていける場所へ。
Ending01:”バチスカーフ”/船乗りたちのマリス・ステラ
GM:S県帆毬市 09/05 AM11:32
GM:UGN帆毬支部 第一工廠
GM:”ニライ”が死んでから、約二週間が経過していた。
”ルーディメンツ26”:「返答を聞こうか、”バチスカーフ”」
”ルーディメンツ26”:「きみたちは、どちらの道を選ぶ?」
”ルーディメンツ26”:”ルーディメンツ26”以外のメンバーは居ない。
”ルーディメンツ26”:今日がソナープロットとの交渉の期日だった。
宮代火澄:ふぅ、とひとつ息を整える。
宮代火澄:(大丈夫。みんなでいっぱい話してきたんだ)
宮代火澄:「──バチスカーフは、君たちの管理下には入れない」
”ルーディメンツ26”:「……成程」
宮代火澄:「理由は大きく2つ」
宮代火澄:「一つは、前も話した通り。感情の問題」
宮代火澄:「恨みを抱えたまま、思い合うことはできないということ」
宮代火澄:「もう一つは、重視するものが違うってこと」
宮代火澄:「僕らは基本的に個人主義だ」
宮代火澄:「自分と、自分の大事なものが最優先」
宮代火澄:「"ユニバーサルガーディアン"──世界を守ろうとする君たちとは、かならずどこかで齟齬が出ると思う」
”ルーディメンツ26”:「君のことだ。それだけを言いに来たのではないだろう」続きを促す。
宮代火澄:「そういった理由で、同じ旗はきっと仰げない。……だから」
宮代火澄:「相互不可侵」
宮代火澄:「それが互いに、精一杯だと思う」
宮代火澄:考えてきた内容をまとめた紙束を渡す。
”ルーディメンツ26”:「……理解した。残念だが」息を吐く。
”ルーディメンツ26”:紙束を受け取る。目を通す。
”ルーディメンツ26”:「”チチェローネ”のイリーガル登録許可、か」
”ルーディメンツ26”:「考えたな」
宮代火澄:(……考えてくれたのは僕じゃないけどね)
”ルーディメンツ26”:「君だけの案ではないだろう。”ダモクレス”の提案か?」
宮代火澄:ふっ、とどこか自慢気に笑う。
宮代火澄:「そんなところ。……ネクラファジーはバチスカーフの傘下に入る」
”ルーディメンツ26”:「”ソナープロット”に対する抑止力だな」
”ルーディメンツ26”:「それに対して、”チチェローネ”の存在自体は……」きみの方を見る。
宮代火澄:「"バチスカーフ"への抑止力」
宮代火澄:「"ネクラファジー"がバチスカーフに従うのは、前首領"ロイコ"への意思が大きい」
宮代火澄:「彼の身内である”チチェローネ”への不義理は、そのまま"ネクラファジー"の離反を招く……そうなれば僕らは君たちに対抗できない」
”ルーディメンツ26”:「理解した。互いにとって実効性のあるセーフティだ」
”ルーディメンツ26”:「……”リムショット”は」
”ルーディメンツ26”:「結果的に僕たちを救ったということになるな」
宮代火澄:「……彼は、どう?」
”ルーディメンツ26”:「もう片方の片足が動かなくなった」
”ルーディメンツ26”:「彼は元々軽度の下半身不随を患っている。オーヴァードになっても症状は治癒しなかった」
”ルーディメンツ26”:「”ソナープロット”は、そう言った傷病兵士の再生工場としての役割も兼ねている」
宮代火澄:「………」
”ルーディメンツ26”:「本人からの伝言だ」
”ルーディメンツ26”:「『これは自分の意思だ』と」
宮代火澄:「……そうか」
”ルーディメンツ26”:「元々動かなかったのだからむしろバランスが良くなったようなものだ、とも本人は言っていた」
”ルーディメンツ26”:「どちらにせよ、私も同意見だ。”チチェローネ”を庇ったのは彼の意思であり」
”ルーディメンツ26”:「それは、世界の盾を標榜する以上当然の代償だ」
”ルーディメンツ26”:「……」
”ルーディメンツ26”:「足がなくても走り出すような奴を、他にどうやって止められる?」
”ルーディメンツ26”:「結局、傍にいるしかない。それは君たちも同じだろう」
”ルーディメンツ26”:「……交渉は終了だ。”チチェローネ”のイリーガル登録手続きはこちらで済ませておく」
”ルーディメンツ26”:「幸い、上層部には顔が利く。横紙破りなどさせんから安心しろ」
”ルーディメンツ26”:立ち上がる。
宮代火澄:「そこを信頼してなければ、この話は持ちかけてないさ」
”ルーディメンツ26”:『”ソナープロット”。武装を解除しろ……我々は現時点より”バチスカーフ”と不可侵体制に入る』
”ルーディメンツ26”:通信を切る。
宮代火澄:立ち上がって、男の顔を見る。
”ルーディメンツ26”:「一つ提案がある」
”ルーディメンツ26”:「たまには”チチェローネ”は”ネクラファジー”の所で生活させてやれ」
宮代火澄:表情からは読み取れない。その下にどれほどの怒りと、やりきれなさを抱えているのか。
”ルーディメンツ26”:「……誰にとっても、帰る場所があるのが一番いい」
宮代火澄:「提案というより、助言だねそれは」
宮代火澄:「確かに受け取った」
”ルーディメンツ26”:「では」手を差し出す。
”ルーディメンツ26”:「互いに、二度と会わないことを祈ろう」
宮代火澄:差し出された手を眺める。
”ルーディメンツ26”:「……だが」
”ルーディメンツ26”:「君たちが今度こそ、追い詰められ、自力で対処が叶わなくなったときは、”ソナープロット”を呼べ」
”ルーディメンツ26”:「必ず助ける」
”ルーディメンツ26”:「今度こそ」
宮代火澄:「……そうならないことを祈るよ」
宮代火澄:寸前、一度躊躇ってから、手を握る。
宮代火澄:複雑な相手だ。
宮代火澄:敵で、信頼できる相手。だけど仇。
宮代火澄:ありがとう、とは言いたくなかった。また、とも言えなかった。
宮代火澄:「さよなら」
宮代火澄:ただ、別れの言葉だけが。ふさわしいだろうと思った。
”ルーディメンツ26”:手を離す。振り返らず、外へ歩いて行く。
GM:工廠には静寂が残される。
宮代火澄:背を見送って、ふっと息をつく。
此江・A・匸華:長い結髪が壁の端からちらちら覗いている。
宮代火澄:「話、終わったよ」
宮代火澄:クスと笑いながら壁の方へ近づいていく。
此江・A・匸華:「!」 ぱ、っと顔を出す。
此江・A・匸華:「はぁ、無事に終わって良かった……なんか、変に緊張しちゃった」
宮代火澄:「うん、無事に済んで良かった。心配かけてごめんね」
”虚姫”:此江の後ろで、うんうんと頷いている
”虚姫”:手を後ろ手に縛って、ガムテープで口を塞いでいる。仮にもマスターの称号を持たされた自分が見せられる、精一杯の誠意だった。
宮代火澄:「虚姫、もう大丈夫だから」
宮代火澄:ガムテーブをはがして、縛った縄をほどいてやる。
宮代火澄:「お疲れ様。気を使ってくれてありがとう」
”虚姫”:「あり…が とっ」
”虚姫”:少しヒリヒリするのか、口の周りをさする
"かなえ":「FHのコードにも正式に”マスターハウル”が登録されたようです」端末画面にひょこりと顔を出す。
柏夕陽:「周囲を見ましたが、どうやら本当に武装は解除されたようです。」
此江・A・匸華:「名実ともに"マスター"がいて、その対応なら……ほんとに、呑んでくれたんだね。さっきの話」
”虚姫”:「そうなんだ。本当に名前が増えるなんて、変な感じ」
宮代火澄:「ありがとう、夕陽。これで落ち着くはずだ。……ひとまずは」
柏夕陽:「周辺の建物に設置された狙撃銃座も機能停止。」
柏夕陽:「大手を振って帰れます。」
此江・A・匸華:「よかった!」 両手の指を合わせて喜ぶ
宮代火澄:「これで……やっと」
宮代火澄:「終わった、のか、な」
"かなえ":「”ネクラファジー”は”バチスカーフ”の管理下に入り」
"かなえ":「”グラヴィアヴェルク”は”ホテル・セルヴォワ”との戦いで鎮静化……」
"かなえ":「”レフトオーバー”は、新たな”マスターハウル”の誕生に納得しているようです」
"かなえ":「結論:脅威の暫定排除」
宮代火澄:一度、大きく息をついてから。
宮代火澄:「……いや。ごめん、まだまだこれからだね」
宮代火澄:「あくまで、暫定……の話、だ」
宮代火澄:またこれから、何が起きるかわからない。
”虚姫”:「…あ」
宮代火澄:ソナープロットとの関係が落ち着いたとて、UGN全体と和解したわけでもなし。
此江・A・匸華:「どうかしたの?」
宮代火澄:空白化しかけたこの街に新たにやって来るものもあるだろう。
”虚姫”:「暫定と言えば、火澄くんはリーダーお疲れ様だね。」
”虚姫”:「どうだった?やってみて」
"かなえ":「”バチスカーフ”が襲撃されてから、約一か月が経過しています」
"かなえ":「大任を務めあげてくれたことについて、”かなえ”からも心よりの感謝を」
宮代火澄:「大変だよ、本当に」
宮代火澄:苦笑しながら。
此江・A・匸華:「そっか……暫定、だったもんね」 ぱちぱちと大きくまばたき
宮代火澄:「交渉とか、計画とか。今回の案も結局、僕一人じゃまとまらなかったし」
宮代火澄:「みんなに支えてもらって、どうにかこうにか、だ」
宮代火澄:「改めて、ありがとう。みんな」
”虚姫”:「ううん。こちらこそ」
”虚姫”:「私も…色々、迷惑かけちゃったし」
此江・A・匸華:「かけられたかな?」 首を傾げる
宮代火澄:「かけられたっけ」
"かなえ":「疑問:”かなえ”は当該記録を所持していません」
此江・A・匸華:「柏さんにお世話になったのは、ほんとにその通りだけど!」
宮代火澄:「それは、ほんとに。いつもありがとう」
"かなえ":「的確なオペレート、感謝します」
"かなえ":「”ダモクレス”は”バチスカーフ”のもう一つの目です」
柏夕陽:「いえ。かなえさんの性能あってこそです。」
"かなえ":「評価を承認。推奨:当機の性能評価の上方修正!」画面上で胸を張る。
柏夕陽:「さて、みなさん。」
柏夕陽:「帰ったらささやかなお祝いをしようと思いますが、」
柏夕陽:「いかがでしょうか?」
此江・A・匸華:「いいね! したいしたい!」
柏夕陽:「既にテイクアウトの出来るお店にあたりを付けています。」
宮代火澄:「ほんと、助かるよ、夕陽……」
”虚姫”:「うん、賛成。私も…今度は」
”虚姫”:「ちゃんと、一緒に食べるから」
柏夕陽:「つまめるものと飲み物を買って、帰りましょう。」
此江・A・匸華:「ずっと柏さんに甘やかされてる~」 パーティご飯と聞いてニコニコしている
宮代火澄:「……うん。ちゃんと分けるからね、虚姫」
”虚姫”:「よろしくね」自分の好き嫌いも把握出来ていないけど。
”虚姫”:──好きと嫌いで分けられないものが、この世界にはたくさん溢れてる事を知ったから
"かなえ":「A種潜水艤装、再起動。皆さん、帰投準備をお願いします……」
”虚姫”:だから、まずは食べ物から始めてみようと、そう思った。
宮代火澄:「あのさ」
宮代火澄:立ち止まって、前を歩く皆に。
宮代火澄:「今後のこと、だけど」
宮代火澄:しっかりと息を吸って。
宮代火澄:「これまでずっと、皆に助けて貰いっぱなしで……それでも」
宮代火澄:遠江の最後の言葉を思い出して。
宮代火澄:「それでも僕は、みんなを助けたい。守りたい」
宮代火澄:「これからも僕を、リーダーと認めてくれる?」
"かなえ":「?」
"かなえ":「先程の”暫定”セルリーダーの慰労は」
"かなえ":「”スクナ”に正式に権限が移ったことを含めてのものだったのでは?」
柏夕陽:「精神的なものですよ、かなえさん。」
"かなえ":「成程……では、投票が必要なのであれば」
柏夕陽:「けじめ、というやつです。」
柏夕陽:「───はい。」
"かなえ":「既に一票」電子署名が表示される。
柏夕陽:「よろしくお願いします。」
此江・A・匸華:「あっあたしも!」 ぴっとすかさず手を挙げる
"かなえ":「二票、三票」
柏夕陽:「……というか、私の方がもっとひどいですからね。」
柏夕陽:くすりと笑う。
”虚姫”:じーーっと火澄の方を見て
宮代火澄:「虚姫?な、なに?」
”虚姫”:「…ふふ、んーん。何も」
”虚姫”:「遠江ちゃんにはああ言ったけど」
”虚姫”:指を鳴らす。賛 へと一票が投じられた
”虚姫”:「私は、火澄くんの次でいいから!」快活な笑顔を浮かべる
"かなえ":「四票」
"かなえ":「……生存者の全会一致に達しました」
"かなえ":「――解除条件を確認。死亡者も含めた、”バチスカーフ”全員の署名結果を開示します」
”虚姫”:「だから、無理はしないで。やめたくなったらいつでも言って。」
”虚姫”:「秘密は無し だからね。」彼を、遠江ちゃんのようにはしたくない。
宮代火澄:「……うん」
"かなえ":「”カグラ”、賛。”ダモクレス”、賛。”虚姫”、賛。」
"かなえ":「”かなえ”、賛」
"かなえ":「……”ニライ”、賛」
宮代火澄:「うん、ありがとう」
"かなえ":「”ブラスケーン”。”ウォルナット”。”タイダイ”。”スパロウエッジ”」
"かなえ":「”ハイペリオン”。”エチカ”。”フルベイク”。”三丈青”。”ドック・バル”」
"かなえ":死亡した”バチスカーフ”の人員が、次々と読み上げられていく。
"かなえ":「……”ギリー”、いずれも賛」
"かなえ":「以上26名、全員が」
"かなえ":「生前、または現在、”スクナ”をセルリーダーとして信任しています」
宮代火澄:「……みんな」
"かなえ":「”ニライ”は初めから」
"かなえ":「貴方を次の後継に、と考えていたようです」
"かなえ":「おめでとうございます。……リーダー」
"かなえ":合計26名の署名が並ぶ。星々のかがやきのように、静かに瞬いていた。
宮代火澄:「……まったく」
宮代火澄:頼まれるのは苦手だって
宮代火澄:知ってるくせに。
宮代火澄:でも、この錨は。僕から繋がろう。
宮代火澄:「ありがとう。あらためてみんな」
宮代火澄:「よろしくお願いします」
柏夕陽:「よろしくお願いします。」
此江・A・匸華:「こちらこそ、よろしくね!」
”虚姫”:「うん、よろしく。」
宮代火澄:「それじゃ、最初の命令」
宮代火澄:「お祝い、楽しもうね。みんなで」
宮代火澄:精一杯の笑顔を向ける。
宮代火澄:背中から一杯の鎖を伸ばして。その重みを感じながら、また歩きだした。
Ending02:此江・A・匸華/嵐のあと
GM:S県帆毬市 9/06 PM18:21
GM:帆毬市海浜公園 灯台付近
───────
此江・A・匸華:打ち寄せる波の浸食作用により、帆毬市付近の海岸線は歪に入り組んだ形をしている。
此江・A・匸華:昔は、その複雑な海流と時折突き上げている岩礁により、座礁する船が後を立たなかったのだとか。
此江・A・匸華:そのためか、ここに座す灯台はひときわ大きい。年季の入ったそれは、所々潮風にやられて塗装が剥げてしまっている。
此江・A・匸華:なんとなく──幼い頃から、この灯台が好きだった。
此江・A・匸華:公園を訪れた当時が、平穏な頃のそれだからか。或いは、一つぽつんと灯りを燈すそれに、何か愛着を感じていたのか。
此江・A・匸華:まだ日の長い時分だが、太陽が傾けば瞬く間に海から色は消えていく。
此江・A・匸華:青から黒へ染まっていく海を、ただひとつ輝くものが照らす。
此江・A・匸華:この時間が、特に。此江のお気に入りだった。
此江・A・匸華:「…………んん~……」
此江・A・匸華:潮風を一身に受け、ぐうっと伸びをする。夜の匂いを孕み始めた温度が心地よい。
此江・A・匸華:「ここ、昼に来るとね、割と遠くまで見えるんだよ。空気が澄んでると、対岸がぼやーっと見えたりして、綺麗なんだ」
此江・A・匸華:「……もしかして、お姉と来たことあった?」
宮代火澄:「ううん、初めて」
宮代火澄:伸びをする少女、その先の海を視界に捉えて。
此江・A・匸華:「そっか、ふふ。よかった」
宮代火澄:「綺麗だね」
此江・A・匸華:「でしょ。あたしのお気に入りなんだ」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:嬉しそうな少女を見て、僅かに困ったように笑う。
此江・A・匸華:「……多分、ここを離れなくちゃいけないんだろうなって思ってたから、嬉しかったんだ」
此江・A・匸華:「いいことも悪いこともあったけど……この街には、たくさん思い出があるから」
宮代火澄:「……うん」
宮代火澄:目を瞑れば、目に浮かぶものが沢山ある。
宮代火澄:「僕もそう。だから、ここに残れてよかった」
宮代火澄:「離れることになってたら、こうしてる今もないしね」
此江・A・匸華:「きっと、逃げるのに精一杯でそれどころじゃなかったね」 くすっと笑う。
此江・A・匸華:「……ありがとう。すっごい今更、改めてになるけど」
此江・A・匸華:「嬉しかった。火澄が、あたし達のリーダーとして頑張ってくれたこと……」
此江・A・匸華:「皆の心の支えになってくれたこと。それから……最期。"ニライ"を、眠らせてくれたこと」
此江・A・匸華:「……あたしが目覚めてから、一緒に泣いてくれたことも」
宮代火澄:「此江……」
此江・A・匸華:太陽が沈んでいく。宵の明星を滲んだ視界に見つけて、大きく息を吐いて。
此江・A・匸華:くるり、と振り向いた。暮れなずんでいく視界と逆光で、表情ははっきりと窺えない。
此江・A・匸華:ただ、両の目に光るものが浮かんでいる。
此江・A・匸華:「覚えてる? 戦いの最中に……あたしが、言ってたこと」
宮代火澄:「……」
宮代火澄:「うん」
此江・A・匸華:深海潜行をしている時よりずっと、鼓動が激しい。
此江・A・匸華:「……姉妹喧嘩なんて、初めてだった」 少し笑う。
此江・A・匸華:「言ったこと」
此江・A・匸華:「嘘じゃないし、デマカセでもない」
此江・A・匸華:「全部……ホント。本当の、気持ち」
此江・A・匸華:目を閉じる。一筋光が頬を伝って、睫毛が震えて、
此江・A・匸華:「──あたし、火澄のことが好き」
此江・A・匸華:「大好きだった。多分、お姉が好きになったより、前から」
此江・A・匸華:表情をくしゃくしゃにして、笑う。
此江・A・匸華:「お姉の言う通りだよ。付き合ってるのに、好きだなんて言えないもん」
此江・A・匸華:「羨ましかったし、嫉妬もした。でも、火澄のことを好きなくらい……お姉のことも、大好きだったから」
此江・A・匸華:「二人が、幸せそうなら。それで十分だった」
此江・A・匸華:「……だけど」
此江・A・匸華:一歩、火澄に近付く。
此江・A・匸華:「火澄への"好き"が……どんどん、大きくなって」
此江・A・匸華:「……だんだん。堪えられなく、なっちゃった」
宮代火澄:「此、江」
此江・A・匸華:「火澄は、お姉のこと。今でも好き?」
宮代火澄:「……っ」
宮代火澄:息を呑んで。
宮代火澄:「好きだよ」
此江・A・匸華:「──よかった」
此江・A・匸華:にし、と少し歯を覗かせて笑って。
此江・A・匸華:「好きじゃないって言ったら、海に沈めちゃおうかな~って思ってたよ」
宮代火澄:「……好きって答えたら」
宮代火澄:「どうするの?」
此江・A・匸華:もう一歩、近付く。
此江・A・匸華:「……好きって気持ちは、誰にどう言われても、溢れちゃうものだもん」
此江・A・匸華:「あたしが今、そうだから。分かる」
此江・A・匸華:大きく息を吐く。
此江・A・匸華:「……お姉のこと、忘れたくても、忘れられないと思うし、そうであってほしいと思ってる」
此江・A・匸華:「だから……火澄が、あたしの気持ちに応えようとする必要はないよ」
此江・A・匸華:少し間を置いて。「……今すぐには、だけど」
宮代火澄:「……」
此江・A・匸華:「……もし、いつか」
此江・A・匸華:「火澄が、いつか。誰かと、一緒にいたい、って気持ちになれたら」
此江・A・匸華:「……その時は。あたしを、その候補の中に入れてほしいな」
宮代火澄:「……いつか」
宮代火澄:「いつか?」
此江・A・匸華:「うん」
此江・A・匸華:「一緒にいたいっていうのは……その、つまり」
此江・A・匸華:「そういうこと、だよ?」
宮代火澄:「きみは……」
宮代火澄:「ほんとうに、」
宮代火澄:「もうっ!」
宮代火澄:近づく。一歩。
宮代火澄:もうほとんど距離がない。
此江・A・匸華:僅かに身動ぎする。
宮代火澄:腕を掴んで、逃がさない。
此江・A・匸華:「ぇ、あ、火澄……?」
宮代火澄:「お礼を」
宮代火澄:「お礼を言わなきゃいけないのは、僕のほうだ」
宮代火澄:「僕は、ずっと」
宮代火澄:「誰かと繋がるのが怖かった」
此江・A・匸華:「……うん」
宮代火澄:「繋がることは、縛られることで」
宮代火澄:「僕の意思を奪われることだって……思っていたから」
宮代火澄:「でも、君が」
宮代火澄:「それだけじゃないって教えてくれた」
宮代火澄:「この繋がりは縛るだけじゃなくて」
宮代火澄:「守ってくれるものだって」
此江・A・匸華:「そっか」 目を細めて嬉しそうに笑う。
宮代火澄:「それを知れたから僕は」
宮代火澄:「皆と繋がれた。遠江とも……遅すぎたけど、繋がれたと思う」
宮代火澄:「誰とも繋がれない怪物になりかけた僕を」
宮代火澄:「君が変えてくれた。他の誰でもない、君が」
此江・A・匸華:「……へへ」
宮代火澄:「……なにが候補に入れてくれ、だよ」
宮代火澄:「君は、自分のこと小さく見すぎ」
此江・A・匸華:「だ、だって……そうもなるでしょ」 拗ねたように言う
宮代火澄:「此江」
宮代火澄:「僕は遠江を忘れない」
此江・A・匸華:「……うん」
宮代火澄:「遠江という錨はずっと、僕の心に一番強く繋がってる」
此江・A・匸華:「それでこそ、火澄だ」
此江・A・匸華:「そういう人だからこそ、好きになったんだもん」
宮代火澄:「……今の僕は」
宮代火澄:「君のおかげで、沢山の錨と繋がってるけど」
宮代火澄:「僕は、」
宮代火澄:大きく息を吸う。
宮代火澄:「君に一番、繋がれているし」
宮代火澄:「君に一番、繋がれていたいと」
宮代火澄:「……思って、る」
此江・A・匸華:「………………」 大きく目を見開く。
此江・A・匸華:ぱち、ぱちぱち、と。まばたきの度に眉やら唇やらが角度を変える。
宮代火澄:「……自分でも、節操なしとか。浮気者とか。思うけど」
宮代火澄:「いまの僕の、正直な気持ち」
此江・A・匸華:「…………えと あー……あの その」
宮代火澄:「いつかじゃなくて、今。そう思ってるから、答えました」
此江・A・匸華:「ま、待って……! 待って、待って」
此江・A・匸華:「あ、あたし いま、答え、聞くと思わなく て……」
此江・A・匸華:ふしゅう、と音を立てそうなくらいに顔が熱くなっているのが分かる。
此江・A・匸華:「え、えと……別に、浮気者、とか。思ったわけじゃ、なくて……」
此江・A・匸華:「…………その」
此江・A・匸華:「……あの ええっと……」
此江・A・匸華:「……あたし、と。同じ気持ち、ってことで……」
此江・A・匸華:「……いい、の?」
宮代火澄:「……うん」
此江・A・匸華:「……夢じゃない?」
宮代火澄:「夢にはしたくないな」
此江・A・匸華:「…………じゃ、じゃあっ」
此江・A・匸華:握られていた腕を一度そーっと外して、おずおずと手と手を合わせる。握る。
此江・A・匸華:「…………夢じゃない、って」
此江・A・匸華:「教えて、ほしい」
此江・A・匸華:僅かに上を向く。閉じた瞳の端に溜まった雫がつう、と流れ落ちた。
宮代火澄:下を向いて。頬に手を添えて。
宮代火澄:唇を重ねる。
此江・A・匸華:唇が触れるだけの、児戯のような口吻。
此江・A・匸華:水音は、ただ打ち付ける波の音のみ。
此江・A・匸華:その音が遠く、霞んで聴こえなくなるほどに、鼓動だけが煩い。
此江・A・匸華:──無限に思えるような、ただ十秒にも満たない時間。
此江・A・匸華:少女の顔が逃げるように離れていき、一つ大きく息を吸って数度咳き込む。
此江・A・匸華:「…………」 呼吸を何とか落ち着け、涙目でもう一度顔を見上げる。
宮代火澄:かすかに頬を赤くして。
此江・A・匸華:「……みんな、これ、どうしてるの……? 息、苦しくなっちゃうじゃん……」
宮代火澄:「……ふふっ」
宮代火澄:そんな感想に、思わず吹き出す。
此江・A・匸華:「…………夢じゃなかった。夢だったら、こんな苦しくなって咳しないもん……多分」
宮代火澄:「もっとロマンチックだと思ってた?」
此江・A・匸華:「……レモンの味はしなかった」 少し笑う。
宮代火澄:不意打ちで、もう一度距離をなくす。
此江・A・匸華:「っ?!」
宮代火澄:すぐに離して。
宮代火澄:「どうしてるか」
宮代火澄:「何度もすれば、わかるかも」
此江・A・匸華:「………………えと あの、その……」
此江・A・匸華:「……お お手柔らかに……おねがい、します」
此江・A・匸華:ふしゅう、と顔から湯気が出る。多分出ている。
宮代火澄:「はーい」
此江・A・匸華:そんなことになりながら、それでも、言わなきゃ、と気を確かに持って。
此江・A・匸華:「……あと、その、ね」
宮代火澄:「ん?」
此江・A・匸華:「……誰かと、一緒にいたいっていうの」
此江・A・匸華:「その……例えば、だけど」
此江・A・匸華:「……あたしだけじゃなくても、いいから、ね」
宮代火澄:「き、」
宮代火澄:思わず、声を失って。
宮代火澄:「君さあ……!」
此江・A・匸華:「……火澄が、そうしたいなら。うん……だって」
此江・A・匸華:「ほら、あたし達、FHの……世間で言うところの、"悪い側"の人だよ」
此江・A・匸華:「……普通じゃなくたって、別に。いいもんね?」
宮代火澄:「僕は、これでも、けっこう……」
宮代火澄:いろいろ、覚悟して。言ったつもりなんだけど。
宮代火澄:……でも。
宮代火澄:それ言ってる君のほうが、ずっと。覚悟してるよな。色々。
宮代火澄:「此江も」
宮代火澄:「悪い子だね」
此江・A・匸華:「ふふーん」
此江・A・匸華:精一杯、強がって笑う。
此江・A・匸華:太陽はすっかり沈み、空と海の境界線は失われた。
此江・A・匸華:仄かに冷涼な風が二人の髪を乱して流れていく。
此江・A・匸華:溶けるような湿度は、そこにはもうない。
此江・A・匸華:足早に流れていく雲とともに、一つの季節が過ぎ去ろうとしていた。
此江・A・匸華:夏の終わりに訪れた、未だ生々しい傷跡を遺す嵐のあと、
此江・A・匸華:船が一つ。真新しい錨を支えに、静かに漂っている。
Ending03:”虚姫”/花のかたちは
GM:S県帆毬市 市内
GM:帆毬二丁目街道
”チチェローネ”:食料品の入った袋を持ち、遊歩道を歩いている。
”虚姫”:その後ろから、軽い金属音がリズム良く数回鳴って
”虚姫”:「すみません。お待たせしました。」
”虚姫”:他に寄るところがあるから と、荷物を持たせていた
”虚姫”:その手には、少し厚手の袋が提げられている。
”チチェローネ”:「これくらい大した荷物じゃないですよ。……それより、何処に行ってたんです?」
”チチェローネ”:「あまり遠くには行かないでくださいよ。お互いにとって良くないんだから」
”虚姫”:「それもそうですね、次からは気をつけましょう。」
”虚姫”:と、軽く謝罪をする。
”チチェローネ”:「……随分素直なんですね。雰囲気も、以前とは違うみたいだ」
”虚姫”:「…そうですね。違うと言うか」
”虚姫”:──あの後、セルメンバーには自分の事を詳しく話した。
”虚姫”:「戻った と言うか」
”チチェローネ”:「ああ……”ペスカドラ”の」目を伏せる。
”虚姫”:「無理して、前の私のままで居る事もない って話でしたから」
”チチェローネ”:「”スクナ”ならそう言うでしょうね」
”虚姫”:「…とは言っても、染み付いたものではあるので、時々変な感じになっちゃうんですけどね」
”チチェローネ”:「良いんじゃないですか」
”チチェローネ”:「穹華は、そういうふうには笑いませんでしたから」
”虚姫”:「まぁ?それはそれで個性?という事なので?私も全然、悪いとは思っていないのですが」むふー と得意げになって
”虚姫”:「……」
”チチェローネ”:同じく、片方だけ耳に付けた金属のピアスが揺れる。
”虚姫”:そのピアスに目を向けつつ
”虚姫”:「彼女……妹は」
”虚姫”:「運が悪かっただけです」
”虚姫”:「私と違って」
”チチェローネ”:「貴女は運が良かったと? あんな目に遭って?」
”虚姫”:「はい、良かったですよ。私がそう言わないと」
”チチェローネ”:「……」
”虚姫”:「あの子に……悪いじゃないですか」
”虚姫”:今でも時折、考えてしまう
”虚姫”:私の言葉は、彼女にちゃんと伝わったのだろうか と。
”虚姫”:「……」ガサ と袋を広げる
”虚姫”:「さっき寄った店で、買ったものです。」
”チチェローネ”:ちらり、と袋の中を見る。
”虚姫”:中には、紫色の小さな花が並んでいる。
”チチェローネ”:「……これは、穹華の」
”虚姫”:「悪足掻き なのかもしれませんけど」
"虚姫":──ベルフラワー と言うらしい。
"虚姫":花の事は全然知らなかったから、"大切な人への贈り物"と伝えたら、いくつか紹介されて
"虚姫":その中で、一番綺麗だと感じたものを選んだ。
"虚姫":………私の妹と言えるあの少女に、違うかたちを与えたかった。
”チチェローネ”:「綺麗ですね。彼女の目と同じ色だ」
"虚姫":花を選んだ理由は、そんなところだ。我儘で利己的な判断だとは思ったけど
"虚姫":何も、間違いだったとは思っていない。
"虚姫":──"みんな"も、こんな気持ちだったのだろうか。
"虚姫":なんて事は、考えるけど。
”虚姫”:「──うん。」
”虚姫”:「とても、綺麗だったから」
”チチェローネ”:「……一束、貰ってもよろしいですか?」
”チチェローネ”:「”ネクラファジー”の皆さんにも教えてあげたい。僕の昔の友達のこと」
”虚姫”:「……」1束抜いて、チチェローネへと差し出す。
”チチェローネ”:受け取って、胸に飾る。
”虚姫”:君と向き合う表情は、落ち着いたものではあるが
”虚姫”:どこか、戸惑いの色も浮かんでいる。
”虚姫”:「…やっぱり、変な感じです。」
”虚姫”:──UGNは、結局敵でも味方でもないままだ
”チチェローネ”:「そうですね。僕と貴女がこうして喋っていることも、実に奇妙だ」
”虚姫”:チチェローネも当然、ソナープロット達と同じ立場のはず。なのに
”虚姫”:頷いて
”虚姫”:「敵と味方の線って、立場で引くものだと思ってました。」
”虚姫”:「なのに」
”虚姫”:「あなたは私にとって、"ペスカドラ"の人形のまま」
”虚姫”:「………私と、あの子と同じ、被害者のまま」
”チチェローネ”:「……」
”虚姫”:「変です。」眉を顰めるように
”チチェローネ”:「変でも」
”チチェローネ”:「そう思ってしまうんだから、仕方がない」
”虚姫”:「……仕方がない、かぁ…」
”チチェローネ”:「そうです。そういう形になってしまったのだから」
”虚姫”:ため息を吐いて
”チチェローネ”:「その意思をありがたいと思った方がいい。貴女は、穹華と違って……自分の形を取り戻したのでしょう」
”チチェローネ”:「それが生きるということだと、兄は言っていた。らしいです」
”チチェローネ”:「僕もあんまり実感は湧きませんが」肩を竦める。
”虚姫”:「それは…そうなんですけど……」
”虚姫”:「……夕陽ちゃんみたいに、線上を歩く人が居て」
”虚姫”:「此江ちゃんみたいに、線を飛び越えようとする人が居て」
”虚姫”:「火澄くんみたいに」
”虚姫”:「線を隔てたまま、想いを伝えられる人が居て」
”虚姫”:「──私のかたちは、まだまだ曖昧ですよ。これでも一所懸命考えてるんだけどなぁ」
”チチェローネ”:「……失礼。そうですね……それはお互い、そうだ」
”虚姫”:「……頑張りましょう、お互いに。」
”チチェローネ”:「ええ。僕も……」躊躇うように、息を吐いて。
”チチェローネ”:「家族ができましたから」
”虚姫”:疲れた顔で、右手を突き上げる仕草をして
”チチェローネ”:「貴女も、自分の居場所を大切になさるといい」その仕草には答えず、微笑む。
”虚姫”:「……そういう」可笑しなものを見たように笑う
”虚姫”:「上から諭すところが、似てました。」
”チチェローネ”:「あ……」
”チチェローネ”:「……その」
”チチェローネ”:「”虚姫”は。”ペスカドラ”のことを、恨んでいますか」
”チチェローネ”:反対方向に向けていた足を止める。
”チチェローネ”:「申し訳ありません。でも、何故か、最後まで……怒りが湧いてこなくて」
”虚姫”:それに倣うように、足を止めて。
”虚姫”:「……うーん…」
”虚姫”:「恨んでる とは、また違うのかも」
”虚姫”:「私は…悔しかったんです。」
”チチェローネ”:「悔しい?」
”虚姫”:頷いて「──もっと、私の声を聞いて欲しかった。」
”虚姫”:「こっちを見て欲しかった」
”虚姫”:「彼女の正面に立って」
”虚姫”:「もっと…本気でぶつかりたかった。」
”虚姫”:「私の力は、伝えるためにある力なのに」
”チチェローネ”:「彼女は……怖かったのだと思います」
”チチェローネ”:「伝わってしまえば、貴女が人間になったということが解ってしまうから」
”虚姫”:「結局…私の手で、彼女の道を閉ざす事もできなかった。」
”チチェローネ”:「……それでも、手に掛けてくれたのが”バチスカーフ”で良かったと思いますよ。僕は」
”チチェローネ”:「彼女は合理性を好んでいました。しかしそれは、今にして思えば……人間性を極端に恐れていたが故だと考えることがあります」
”虚姫”:───私情に塗れているはずなのに、ある種機械的な判断と共に、彼女は敵を増やし続けた。
”虚姫”:それは、立場で線を引こうとしていた私と、一体何が違うのだろうか。
”チチェローネ”:「……結局、誰もが何かに恐怖していた」
”虚姫”:「………」
”チチェローネ”:「今日の監視はここで切り上げましょう。」
”チチェローネ”:「お疲れさまでした。お互い、家に帰りましょう」
”虚姫”:「──そうだね。」
”虚姫”:答えは出ない。出ないのなら、見つけるしかない。
”虚姫”:アジトの方へと足を向けて、再び歩きだし
”虚姫”:「……そう言えば」
”虚姫”:「どうして、私に頭を下げたの?」
”チチェローネ”:「決まってるじゃないですか」
”チチェローネ”:「死ぬのが怖かったんです。」
”チチェローネ”:「”ペスカドラ”は僕を使い潰すつもりでしたから」
”チチェローネ”:「あそこで死んでしまえば、彼女の傍にいることができないと思った」
”チチェローネ”:「……ありがとうございました」
”チチェローネ”:もう一度、頭を下げる。
”虚姫”:「うむ。お礼が言えて偉いね。」
”虚姫”:「そういうのは」
”虚姫”:「言える時に、言っておくに限るよね。」
”チチェローネ”:「……やっぱり、全然慣れない……」ブツブツ呟きながら去っていく。
───────
GM:”バチスカーフ”アジト 同日 PM17:34
───────
”虚姫”:買い出しから戻り、荷物を下ろして、束の間の自由時間を過ごす。
”虚姫”:──夕飯時にはまだ早い時間。ちょうどいいかもしれない と思った。
"虚姫":「………えーっと」
"虚姫":現在、虚姫は花の入った袋を片手に提げながら、アジト内の通路を歩いている。
"虚姫":"かなえ"から渡された位置情報を、端末に表示させながら。
"虚姫":まばらに浮かんだ光点が示すのは、消失地点。
"虚姫":「この辺、ですかね。」
"虚姫":"みんな"が、最後に居たであろう場所だ。
"虚姫":一つ一つ
"虚姫":時には束ねるようにして
"虚姫":その場に、ベルフラワーの花を供えていく。
"虚姫":─────そして
"虚姫":個室が並ぶ、通路へと辿り着いた。
"虚姫":画面上に最後に残った光点と、その下に並ぶ文字列を見る。
"虚姫":「…………」
"虚姫":ポトリ
"虚姫":「──私は…あなたの知らない私かもしれないけど」
"虚姫":「せめて、お礼だけでも言わせてください。」
"虚姫":少し目を伏せて
"虚姫":「最後まで私の事を守ってくれて、本当にありがとう。」
"虚姫":一つ息を吐く。大切な事を伝える前に、間を置くように。
"虚姫":「私も…あなたの事が大好きでした。」
"虚姫":閑散とした通路に、鈴の音のような声が転がった。
"虚姫":当然、返ってくるものは何もない。
"虚姫":「……」ぎゅ とその場で手を握り込んで
"虚姫":自室へと帰ろうとした その時
"虚姫":「────」
"虚姫":目を見開くようにして、足を止めた。
"虚姫":……握った手を開いて、目の端に浮かぶ涙を拭いながら、顔の横に。
"虚姫":「───うん。」
"虚姫":そうして彼女は、手を振りながら微笑みかける。
"虚姫":「会いに来たよ!」
"虚姫":いつも通り、だけど少し活発になった、今の自分の笑顔で。
”虚姫”:
"虚姫":──かくして、がらんどうの城は崩れ去り
"虚姫":お姫様はただ一人、道なき道を歩み始める。
"虚姫":あてはなく 綺麗なドレスもなく 守ってくれる従者も居ない
"虚姫":ただ、不思議と寂しさはなかった。
"虚姫":やる事は勿論、たくさんある。寂しさと向き合う時間がないだけと言えば、その通りなのかもしれない。でも
"虚姫":涙なら、もうとっくに流し終えたから。
"虚姫":流して 流して 流されて 後に残ったのは、罅割れだらけの空の杯。
"虚姫":だから、ゆっくり 少しずつでもまた、そこに好きなものを入れていこう。
"虚姫":私の虚が、現に変わるその日まで。
"虚姫":"バチスカーフ"セル エージェント
"虚姫":コードネーム "虚姫"
"虚姫":またの名を "マスターハウル"
"虚姫":嘘から生まれ 虚を去り
"虚姫":象った虚像を振り払い
"虚姫":虚飾を捨てたその足で
"虚姫":彼女はどこへ向かい 何になるのか
"虚姫":──それは、また未来のお話。
Ending04:柏夕陽/雨に溶けても
GM:S県帆毬市 9/07 PM17:34
GM:”バチスカーフ”アジト 廃水族館
───────
柏夕陽:「──今夜は、」
柏夕陽:「華やかになりそうですね。」
柏夕陽:日常作業を行いつつ、虚姫がアジトを右往左往する様子を眺めている。
"かなえ":「疑義:アジトの電装系統は通常通り運営されています」
柏夕陽:「いいえ。」
柏夕陽:「文字通りの意味です。」
柏夕陽:「セルの皆さんの活動停止地点を虚姫さんに教えたのはかなえさんですね?」
"かなえ":「……はい。彼女から今しがた、要請がありました」
"かなえ":「精神状態も安定してきた今なら問題ないだろうと判断し、独断で開示しました」
柏夕陽:「火澄さんも許すでしょう。」
柏夕陽:カタカタとキーボードを打つ。
"かなえ":「そうであれば幸いです。こうして消失した人員を数え上げることは……私でさえも、思考回路に強い負荷を要しました」
"かなえ":「”虚姫”は強くなりました。そう判断しています」
柏夕陽:かなえの中に一つのデータが送られた。
"かなえ":「”ダモクレス”。これは?」
柏夕陽:ベルフラワーの3Dモデルである。
"かなえ":ホログラムが受け取った手紙が、
"かなえ":鮮やかな紫色の花に変わる。
柏夕陽:「遠江さんの分です。」
柏夕陽:「ニライカナイにはもう行くことはできませんから、」
柏夕陽:「せめて、あなたが持っていてください。」
"かなえ":「……承知しました。彼女の個室にも、永久投影プロトコルを作成しておきます」
"かなえ":「感謝します、”ダモクレス”。昔も、今も……変わらず”バチスカーフ”の力となってくれたこと」
柏夕陽:もう一輪。データが送られてくる。
"かなえ":少女のホログラムが新たな手紙を受け取る。
柏夕陽:「これはあなたではない”かなえ”さんへ。」
"かなえ":「……”ニライ”の。そして、”カグラ”の実妹ですね」
柏夕陽:「はい。」
"かなえ":「私が、その名を付けられたのは」
"かなえ":「そして……記憶を吸収する”オッタ―トロール”の学習パターンを摸倣させられていたのは」
"かなえ":「きっと、彼女なりの贖罪だったのかも知れません」
"かなえ":「”ダモクレス”。これは質問なのですが」
"かなえ":「奪ってしまった命に報いる方法は存在すると思いますか?」
柏夕陽:「私が知りたいくらいです。」
柏夕陽:「セルの皆さんの命を、間接的に奪ったようなものですから。」
"かなえ":「……貴女も”チチェローネ”と同じく、被害者の一人であると定義しています」
"かなえ":「私がそう判断しました」ホログラムがそっときみの頭を撫でる。
柏夕陽:「私は、」
柏夕陽:「怖いんですよ。」
柏夕陽:「もし、”バチスカーフ”がFHに背く者として判断された時、」
柏夕陽:「私は今まで通りあなた方の命を奪うのか。」
柏夕陽:「それとも”バチスカーフ”の一員でいられるのか。」
柏夕陽:「”オッタートロール”に奪われた記憶が戻った時からその事ばかり考えています。」
柏夕陽:「でも、」
柏夕陽:「怖くとも火澄さんが、此江さんが、虚姫さんが、」
柏夕陽:「かなえさんが、そして私自身が選んだ道ですから。」
"かなえ":「……”ロイコ”が結論づけていましたね」
"かなえ":「生存とは生命活動の継続結果ではなく、意思の表象によるものだと」
"かなえ":「”ダモクレス”の選択した意思ならば、”かなえ”は全リソースでそれをサポートします」
"かなえ":「どの道”ダモクレス”がいなければこのセルは回りません。”カグラ”はおやつの領収書の電子記帳を32度失念しています」
"かなえ":「そして都合32度”ダモクレス”が再記帳しています」
柏夕陽:「かなえさんが気付いてくれるおかげです。」
柏夕陽:「………奪ってしまった命に報いるというのは正しくないかもしれません。」
柏夕陽:「正確には、残された者たちにどう責任を取るか。」
柏夕陽:「死ねばみな、肉の塊ですから。」
柏夕陽:「私は、皆さんの為に働いて、生きます。」
柏夕陽:「私が出せる意見としては、こんなものですかね。」
柏夕陽:キーボードから手を離す。
"かなえ":「理解しました。”かなえ”も自身の知能の中に当意見を統合します」どこか嬉しそうに『意見』と書かれた栄養ブロックを食べ始める。
柏夕陽:「かなえさん。」
"かなえ":「?」
柏夕陽:「渡すものばかりで申し訳ありませんが、これを預かってください。」
柏夕陽:夕陽の使っていた傘である。
"かなえ":「……」
"かなえ":「後程装備ロッカーに安置することは可能ですが」
"かなえ":「これは”ダモクレス”の装備では?」
柏夕陽:「しばらく、ダモクレスであることを止めようと思います。」
柏夕陽:「組織に属するのに、縁起が悪いですから。」
"かなえ":「キケロ著、『トゥスクルム談義』……」
"かなえ":「新たな王を戴くつもりがあるというのは、理解しました」
"かなえ":「後程”バチスカーフ”の装備ロッカーを開錠しておきます。しかし……では、貴女は”何”になるのですか?」
柏夕陽:「そうですね…」
柏夕陽:「ただのオペレーター、ですかね。」
"かなえ":「…………」処理するように、長い時間をかけて。
"かなえ":「では」
"かなえ":「柏さん。これからも、”バチスカーフ”のサポートをよろしくお願いします」
"かなえ":僅かに微笑む。
柏夕陽:「こちらこそ、よろしくお願いします。……さて、日常業務も終わりました。」
柏夕陽:「ご飯でも食べてきます。今日は此江さんが作ってくれるんでしたっけ…」
柏夕陽:「あ」
"かなえ":「?」
柏夕陽:「預けましたけど、頼んだら出せるようにはしておいてください。」
"かなえ":「……承知しました」
"かなえ":「しかし、いつ装備が必要になるのでしょうか」
柏夕陽:「剣の雨が降った時にでも。」
柏夕陽:くす、と笑い、食堂へと足を運んだ。
───────
"かなえ":「……ただのオペレーター、ということは」
"かなえ":「”スクナ”とも交際するチャンスが……いやしかし……」
"かなえ":「ううん……当機はこういう機微にはやはり疎いですね……」
───────
Ending05:宮代火澄/海の向こうに
宮代火澄:その日のきっかけは、どっちからだったっけ。
宮代火澄:此江を守ってくれたお礼だ、と君からだったか。
宮代火澄:勇気を出して僕から声をかけたのだったか。
宮代火澄:──ああ、その両方で。同時に声をかけて笑いあったんだ。
遠江・A・匸華:「なあ、火澄」
遠江・A・匸華:「裏側から見たエイってグロくない?」
宮代火澄:「なんでそういうとこに目をつけて口にしちゃうかなあ」
宮代火澄:苦笑する。
遠江・A・匸華:「ロマンチックなムードだとウブな火澄君が怖気づくって思ったんだよ察せよッ コラッ」
宮代火澄:「それも口にしちゃったら台無しでしょ」
遠江・A・匸華:結構強めにピンヒールで足を踏む。
宮代火澄:「いたいいたい、ごめんなさい……!」
遠江・A・匸華:「解ればよろしい。まあ……レディのエスコートはその内覚えて行けばいいだろう」
遠江・A・匸華:「コノにヒメに柏くんに披露する相手は山ほどいるだろうさ」
宮代火澄:「……なんだよ」
宮代火澄:ちょっと不服そうに。
遠江・A・匸華:「何だァ~~~??? 喜ぶところだろそこは!」
宮代火澄:「別に……僕は、」
宮代火澄:「今日が本番のつもりで来たんですけど」
遠江・A・匸華:「ほ……」
宮代火澄:「練習みたいに言われるのは、不服」
遠江・A・匸華:エイのように口をパクパクさせる。
宮代火澄:「ものまね?」
遠江・A・匸華:「やかましい!」
宮代火澄:「ロマンチックにすると怖気づくと思ったんだよ」
宮代火澄:顔を赤らめながら、照れ隠しに笑う。
遠江・A・匸華:「こ……の……誰に習ったその手口!悪い男だなッ」
遠江・A・匸華:脇に頭を抱え込む。
宮代火澄:「悪い道に呼び込んだのは君だろ」
遠江・A・匸華:「育て方間違えたなァ~~~~」出力150%向上
宮代火澄:「ちょ、照れるとそれやるのやめてって!」
宮代火澄:感触とか、香りとか。いろいろまずいんだって。
遠江・A・匸華:「当ててるんだよ。当たり前じゃないか」
遠江・A・匸華:ぱっと手を離す。
遠江・A・匸華:「アッハハ!まだまだ青いねえ」
宮代火澄:「むぅ……」
遠江・A・匸華:「悪かったって。ご飯でも食べに行こうぜ」
遠江・A・匸華:「奢るよ。こんなに楽しいのは久しぶりなんだ」
宮代火澄:「……ほんと?」
宮代火澄:少し不安そうに、確かめるように。
遠江・A・匸華:「”バチスカーフ”の奴等と過ごすのももちろん大好きだけどさあ」
遠江・A・匸華:「きみとは特別だって言ったら信じてくれるかい?」
宮代火澄:「……」
遠江・A・匸華:眼鏡の奥の瞳を細める。
宮代火澄:「信じたいよ」
宮代火澄:「信じる、信じないじゃなくて」
宮代火澄:「信じたい」
遠江・A・匸華:「ンフフ」水族館の手すりに腕をかけ、腰を折る
遠江・A・匸華:「それって、私に縛られてくれるってことかい」
遠江・A・匸華:一瞬だけ。怯えたような影が、目の奥をよぎった。
宮代火澄:「それは……」
宮代火澄:同じように、瞳に怯えが走る。
宮代火澄:「……そういう、言い方は。苦手」
遠江・A・匸華:「卑怯な聞き方をしちゃったね」
遠江・A・匸華:手を差し出す。
遠江・A・匸華:「きみの意思を尊重する。……仲直りだ」
宮代火澄:「君が悪いみたいに言うなよ」
遠江・A・匸華:「おたがい、どうせまともな生き方はできないんだ。気楽にやろうぜ」
宮代火澄:「僕の我儘なのに……」
宮代火澄:「……ん」
宮代火澄:差し出された手を繋いで。
宮代火澄:繋いだまま、手を下ろす。
宮代火澄:「あ、じゃなくて」
宮代火澄:「こっち」
宮代火澄:逆の手でつなぎ直す。
遠江・A・匸華:「ン……」細い指に力が籠る。
遠江・A・匸華:きみのされるがままに、指と指を絡める。
宮代火澄:「いや……その、」
宮代火澄:「別に、口実が欲しかったとかではなく」
遠江・A・匸華:「スケベ」
宮代火澄:「悪いかよ」
遠江・A・匸華:「コノに言うぞ!」
宮代火澄:「……嫌なら、離すけど」
遠江・A・匸華:「……………………」
遠江・A・匸華:腕ごと組む。
遠江・A・匸華:「きみさ」
遠江・A・匸華:「言っとくけど、きみが初めてって話は、ホントだからな」
宮代火澄:「なにが?初めてって……」
宮代火澄:「あ」
宮代火澄:思い出して、顔が真っ赤になる。
遠江・A・匸華:「そうだよバカ!こういう期間が一番楽しいから口にしないでやってんだよ!」
宮代火澄:「疑ってもないだろ!なんだよ突然!」
宮代火澄:こういう期間ってなんだよ。勘違いするだろ。
遠江・A・匸華:「あんまり舐めた口利いてるともっかい押し倒して××するからな!」
宮代火澄:……していいのかよ。
宮代火澄:「そういうこと大声で口にしないの!」
遠江・A・匸華:「何ァンだよ。初めては電気消して欲しいタイプか……」
宮代火澄:「君のそういうとこ、ほんっと……」
宮代火澄:「……ほんっと、もう」
遠江・A・匸華:「本当、何?」ニヤニヤしながら。
宮代火澄:「なんでもない」
宮代火澄:きらいとか、よくないとか。口にできなかった。
宮代火澄:「ご飯、食べ行くんだっけ」
遠江・A・匸華:「館内にパスタの美味しい店があるんだよ。予約しておいた」
遠江・A・匸華:「きみが前気になるって言ってたとこだぜ」
宮代火澄:「……そういうのも、ほんとは僕がやるやつだよね」
宮代火澄:ううむ、と唸る。
遠江・A・匸華:「次やって」
宮代火澄:「……ん」
宮代火澄:何気なく出された、次、に胸を弾ませて。
遠江・A・匸華:「きみは私の隣でさ、手繋いでくれるだけで……」
遠江・A・匸華:「……」
遠江・A・匸華:「行こうか」
宮代火澄:「うん」
遠江・A・匸華:腕を絡め、身を寄せて歩き出す。
宮代火澄:人とこうして触れ合って歩くのには慣れてない。──でも、良い気分だ。不思議と。
───────
GM:何度も水族館に行った。何度も体を重ねた。
遠江・A・匸華:最初は、”ニライカナイ”の動力源としてスカウトしただけのつもりだった。
遠江・A・匸華:それから、自分の計画性のなさに途方もない嫌気がさした。
遠江・A・匸華:縛られていてばかりの自分に、縛られることを恐れる彼は、不思議なくらい眩しく見えた。
遠江・A・匸華:そこからはもうずぶずぶだ。やってしまった、と気付いた時にはもう遅かった。
遠江・A・匸華:私はどうしようもなく、彼を手放すのが怖くなっていた。
遠江・A・匸華:「ね」
遠江・A・匸華:深夜。彼を初めて”バチスカーフ”の廃水槽に呼び出した。
宮代火澄:「どうしたの、こんな時間に」
遠江・A・匸華:「水族館もそろそろ飽きたろ」
遠江・A・匸華:「これ見せるのさ、コノ以外だと……」
遠江・A・匸華:「きみが初めてなんだ」
遠江・A・匸華:水槽が偽りの水で満ちる。
宮代火澄:──遠江と一緒なら、飽きもないけど。
遠江・A・匸華:海が構成される。魔眼によって、魚群が現出する。
宮代火澄:そんな言葉を口にする前に、目の前の光景に目を奪われる。
遠江・A・匸華:暗礁、潮の流れ、海生生物。
遠江・A・匸華:壊れた水族館に、再び「海」が再現されている。
遠江・A・匸華:理想郷のようだった。
遠江・A・匸華:「なあ、火澄」
宮代火澄:「あ……」
遠江・A・匸華:背伸びして、唇を重ねる。
宮代火澄:呆気にとられていた。
遠江・A・匸華:「私、頑張るよ。ここをちょっとでも、きみらのためにマシな場所にする」
宮代火澄:眼の前に現れた"海"は、水族館というミニチュアで見るよりも、いや本物の海よりもずっと綺麗に見えて。
遠江・A・匸華:「きみは……今度こそ、幸せに生きるんだ」
遠江・A・匸華:背後の水族館を眺めて、そう呟く。
宮代火澄:──幸せ。
宮代火澄:幼い頃。まだ両親が"神"なんてものを探していなかった頃。
宮代火澄:三人で行った水族館。
宮代火澄:小さな自分には、目の前に広がる水の世界が、理想郷に見えて。
宮代火澄:「あ、れ」
宮代火澄:気づいたら、涙が出ていた。
宮代火澄:「ごめ……ごめ、ん」
宮代火澄:「なんで……」
宮代火澄:泣きながら、それでも。
宮代火澄:愛しい人を抱きしめる。
宮代火澄:「ごめん」
遠江・A・匸華:涙を掬い上げるように舐め取って、抱きしめ返す。
遠江・A・匸華:「ごめんじゃなくて、ありがとうって言ってくれないかな」
宮代火澄:「……うん」
宮代火澄:今の僕は知っている。
遠江・A・匸華:「きみが生きててくれて」
遠江・A・匸華:「私は嬉しいんだ。ほんとだよ」
宮代火澄:理想郷は、海の底になんかなくて。
宮代火澄:今手の届くここにあるって。
宮代火澄:あのときは気づかなかった。だから守れなかった。
宮代火澄:でも、今度は。
宮代火澄:「ありがとう」
宮代火澄:君を守るよ。
宮代火澄:僕の楽園を。
宮代火澄:それがきっと、道が分かたれた日だった。
宮代火澄:隣の楽園を守ろうとした僕と、手の届かない楽園を求めた君と。
───────
GM:S県帆毬市 9/07 PM17:34
GM:”バチスカーフ”セルアジト 廃水族館 現セルリーダー私室
───────
宮代火澄:ぱちりと、目を開ける。
宮代火澄:天井がぼやけて見える。
宮代火澄:あのときと同じように、泣いていた。
宮代火澄:ぐしゃりと髪をかく。
宮代火澄:結局あの時の僕は、わかったつもりでわかってなかった。
宮代火澄:なにより幸せな思い出で、なによりどうしようもない失敗の記憶。
宮代火澄:……それでも、取り返せてよかったと思う。
宮代火澄:崩れた髪を整えて、涙を拭いて。
宮代火澄:「……よしっ」
宮代火澄:立ち上がる。やることはいっぱいだ。
宮代火澄:今日は此江が料理当番だっけ。
宮代火澄:虚姫は何をしているかな。
宮代火澄:夕陽一人に仕事を任せるわけにもいかないし。
宮代火澄:──どうしようもない決別だったけれど。
宮代火澄:誓いは変わらない。
宮代火澄:僕は、僕の楽園を守るよ。
宮代火澄:君という錨を、引きずり続けて。
宮代火澄:幸せに生きるさ。
宮代火澄:「かなえ、おはよう」
宮代火澄:いつか誰かのためでなく。
宮代火澄:今日僕の楽園のため。
───────
GM:昨日と同じ今日。
GM:今日と同じ明日。
GM:時計は日々を刻み、何もかもが変わらないように見えた。
GM:だが世界は、静かに変貌していた。
GM:Double Cross The 3rd edition
GM:『いつか誰かのニライカナイ』 帰港
Append
GM:S県帆毬市 9/08 18:17
GM:カフェ『heaven@s square』
青年:「……うん、わかってる。一回”バチスカーフ”とはちゃんと話をするよ」
青年:「”ニライカナイ”に何が起こったかは解らないけど……あれは必要なものだもんね」
青年:「侵蝕医療セル”ファケアノス”。一応正義の味方を標榜してるんだから」
青年:「義理は通さないと。今まで見逃してくれたUGNの人たちにも義理が通らない」
青年:「……うん、ありがとう。もう少しおれはこっちで情報を集めてみるよ」
青年:「じゃあね、さやさん」
安東邑:電話を切り、サングラスを掛け直す。
安東邑:「楽園か……」
安東邑:「怖くなきゃ、そんなもん探さないよな」
安東邑:代金を置き、静かに街に消えていく。
───────
本作は、「F.E.A.R.」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
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