『ウォッチメイカー』キャンペーン:Task.0『ナチェルターニェ』


プレイエイド

ステージ『ウォッチメイカー』


PC1:“アルゲンタヴィス”カラジン・コチェタ(キャラシート)PL:ロケット商会
PC2:“タナトテリステス"レヒトツァイト・ベルゲンクリューン(キャラシート)PL:白金
PC3:“アクィリフェル”ダンテ・K・ヴェルミチェッリ(キャラシート)PL:ヤヒロギンジ
PC4:“サーティーン”ウィリアム・ジェイコブス(キャラシート)PL:猫口@
GM:カムリ

メインログ雑談ログ

目次

プリプレイ


■キャンペーントレーラー
昨日と同じ今日。
今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
だが日常の裏で、平穏を工作する者がいる。

1909年、ロバート・ピアリーの北極到達を契機として、
未知の病原体――「背教者」の名を冠するレネゲイドウイルスが世界に拡散する。
呼称”白いヴェール”事件。世界はその時から、在り様を変えた。
各国は”氷冠条約”を締結し、レネゲイドウイルスの秘匿を義務付ける。

同時に、国家間の諜報戦もまた熾烈を極めていく。
諜報機関にとって、オーヴァードは最高の諜報員であり、レネゲイドは最大の標的であるからだ。

バルカン戦争に勝利し、独立を勝ち取ったセルビア。
レネゲイドという火種の上で、未だその地位は薄氷の上にあったが――それを守る者たちが存在した。
セルビア独立諜報分遣隊”射手鷲”。各国のOV事案に積極的に介入する特殊部隊。
彼らの防衛目標は、揺らぎ続けるセルビアの日常。平穏な世界そのものである。

機密の調査、他国への防諜、紛争の阻止、対象の暗殺。
己を偽り、敵を裏切る戦いの果てに、歪んだ歴史の時計は何を示すのか。
鷲が見据える空の先を、今はまだ誰も知らない.

GM:では、『ウォッチメイカー』キャンペーン :Task.0『ナチェルターニェ』
GM:任務開始です。
GM:まずはPC順に、諜報員のプロファイル…もとい自己紹介から行って頂きましょう。
GM:【http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYkqvL6gQM】
GM:PC1!カラジン・コチェタ!
カラジン:はい!
GM:自己を…紹介せよ!
カラジン:カラジン・コチェタ。推定22歳。コードネームは”アルゲンタヴィス”。
カラジン:ブラックドッグ/オルクス。
カラジン:北アメリカはチャタ族の呪術師を名乗る男だが、チャタ族という部族は現存せず、存在を確認できない。
カラジン:理由として、カラジン本人の供述によれば、「邪悪な魔法使いに皆殺しにされた」とのこと。
カラジン:たった一人の人物、「青い舌の男」が氏族を滅ぼすのを目撃したという。
GM:魔術師なんてロクなヤツ居ねえぜ!
カラジン:性格はスパイとして問題があると言わざるをえないほど騒がしいが、能力は高い広域殲滅力を持つ。
カラジン:彼が体に入れている刺青こそが力の源であり、生きている精霊そのものであると主張している。
カラジン:……というわけで、以下スペック!得意技は「雨粒の矢」!
カラジン:オリジンレジェンドやハードワイヤードで達成値を稼いで、シーン攻撃する!
GM:バチバチにカッコいい設定 オレじゃなくても見逃さないね
GM:出た!固定値雨粒型!
GM:オルクス野郎がよ~~
カラジン:妖精の手を隠し持っており、どうしようもないときはこれも使う!サポートもできるというアピール!
カラジン:そして、見てくださいこの能力値……2232!
GM:ドンモモタロウはサポートも強い!
カラジン:苦手なことは何もない!滅多なことじゃ失敗しない、オールマイティなpower!
カラジン:そんな感じで、陽気なスパイとしてやっていきたいです!以上、宜しくお願い致します!
GM:精霊力(ちから)
GM:完璧な自己紹介!ありがとうございます
GM:陽気なスパイとして地球を回して行って下さい。では、カラジンさんのHOはこちら。

PC1:“アルゲンタヴィス“カラジン・コチェタ(PL:ロケット商会)
シナリオロイス:”ゲヴァイ”
推奨感情 P:庇護/N:食傷
====
きみは故郷を奪還し、仲間を弔うために”射手鷲”に所属する呪術工兵である。
きみが指令によりある篤志家――暗号名”ゲヴァイ”とその妻の保護を請け負ってから、一か月が経過した。
彼らは”射手鷲”のパトロンであるため信頼のおけるボディガードが必要だったのだ。
そしてそれは、何度目かの”ゲヴァイ”夫妻襲撃を退けたあとの出来事だった。
セーフハウスに戻った彼は、きみに一つの「夢」を打ち明ける。

カラジン:夢……酒池肉林かァ~?
GM:というわけで、射手鷲のスポンサーの警護に就いて頂きます。
GM:ゲヒャヒャ! ゴールドラッシュはワシのモンじゃア~~!!
カラジン:ゴールデンカムイになってきたぞ
GM:闇金持ちであろうとデスゲーム開催者であろうと、護衛対象であるからには守らなければならない!
GM:健闘に期待します。次!PC2!
GM:【http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYs5jE6wQM】
GM:レヒトツァイト・ベルゲングリューン!通称レヒトくん!
GM:自己を…紹介して貰おうかァ~!
レヒト:はい。神様、どーも。名前は言わなくて良いって事ね。
GM:ククク…タイピングするには長い本名だからな…
レヒト:コードはタナトテリステス。意味は辞書ググってで調べてみると良い。そんな知性のあるコードネームじゃないけど、在り方は気に入ってるよ。
レヒト:年齢は推定19歳。ブラックドッグ/エグザイル。
GM:スパイにうってつけのシンドロームだ
レヒト:地元の人間で、スカウトされてスパイやってる。ストリートじゃちょっとしたもんで、揉め事起こしまくってね。
レヒト:目をつけられたって訳だ。とにかく物を壊したり、台無しにするのが得意だよ。誰よりも迅速にね。
GM:恐ろしすぎる設定
レヒト:金と生活のためにやってるんで、思想はないけど、逆にそう言う方が扱いやすいでしょ。
レヒト:ただし舐められたり、俺の綺麗な顔をバカにしたやつは、腰の刺突剣で風穴を開けてやる。
レヒト:と言う事で、Dロイスは破壊者。それとエンブレムや防具で行動値を上げるだけ上げてます。
GM:洋画特有の行動値16暴力
GM:まあいくら行動値が低かろうと エンゲージさえ切っちまえば関係…
レヒト:刺突剣を使うのは、銃と違って弾切れが起きないのと弾代がかからないからですね。金のために働いてるのでケチです。そもそも足の方が、弾丸よりも速いという認識をこの男が持ってるのもある。
レヒト:そう。彼は他に《異形の転身》を所持しており、高速で接近の後にいつでもエンゲージを切れます。これを今回は使いたかった。
GM:う あ あ あ あ タナトテリステスがエンゲージを練り歩いている
レヒト:それと現時点ではスパイぽい技能やエフェクトはありませんが、これはこのキャンペーンの特殊ルール フリー経験点を使い倒すことで解決します。
GM:フリー経験点とは!そう……あるのだ そういうものが
GM:これについてはOPで解説する予定ですので、続報をお待ちください。宣伝ありがとうレヒトくん!
レヒト:取得のイージーは《セキュリティカット》と《超越者の眼力》。特に超越者の眼力はむっちゃ使いでがある無効化能力と認識しているのでガンガン使う予定。
レヒト:こんなところですかね。チーム最年少だけど、オーヴァード歴は生まれた時からのベテランでーす。.
GM:ヤバ 最強イージーエフェクト超越者の眼力
GM:そうなんですよね…レヒトくんは射手鷲の中でもかなり古株というバランスなので、働きに期待しています。
GM:ではHOカモン!

PC2:“タナトテリステス“レヒトツァイト・ベルゲングリューン(PL:白金)
シナリオロイス:”ジョン・スミス”
推奨感情 P:感服/N:敵愾心
====
きみは生存を希求し、”射手鷲”に所属する破壊工作員である。
破壊工作。その領分には、他国諜報員の破壊――すなわち暗殺も含まれる。
標的は”ジョン・スミス”。フリーの諜報員として名を馳せる戦略変数Aのオーヴァードだ。
きみは同僚の”キャラバン”と共に、確かに彼を追い詰め始末した……そのはずだ。
だがその翌日、きみに告げられたのは『”ジョン・スミス”が生きている』という奇妙な報告だった。

GM:というわけで、謎のA級スパイを同僚の”キャラバン”お姉さんと共に追って貰います。
レヒト:はいよ。まあ、この業界じゃよくある事さ!
クロエ:よろしく。お互い面倒なことに巻き込まれたわね
GM:では続いてPC3&4!これは順番に行きましょうか。
GM:【http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYuen08QQM】
GM:PC3、ダンテ・K・ヴェルミチェッリさん!
GM:自己を…紹介せよ!
ダンテ:了解した。
ダンテ:ダンテ・K・ヴェルミチェッリ。30歳男性。コードネームは"アクィリフェル"。
ダンテ:シンドロームはハヌマーン/ノイマン。父が日本人、母がイタリア人の日伊ハーフ。
ダンテ:欧州を中心に各国を渡り歩き、十年近くスパイとして活躍してきたベテランで、現在は"射手鷲"所属の上級諜報員。
ダンテ:潜入から破壊工作まで、あらゆる任務に高い適性を有し、事実として今日まで成功させ続けており、
ダンテ:スパイの理想形とも囁かれる"射手鷲"のトップエース……と、本人や上役の偉い人達は認識しています。
GM:ウワ~!イーサン・ハントかジェームズ・ボンドもかくやと言った感じだ
ダンテ:実際の所は、スパイのくせに子供じみたヒロイズムを持ち続けている青臭いおじさん。
ダンテ:非情な言葉を口にしつつも内心では常に罪なき弱者の助けになる機会を待ち望んでウズウズしており
GM:自分の中に毒を持ってる
ダンテ:そういったカッコいい任務に対してはテンションがアガりまくる反面、汚い手段に手を染めなければならない時はあからさまにやる気を無くし
ダンテ:挙句の果てに任務内容を捻じ曲げて殺すはずの相手を生かしたりとか平気でやります
GM:生かしておくべきでなさすぎる
ダンテ:そういう尻拭いを全部相棒のウィリアムさんがやってくれてるのと、過程は曲げても最終目標は達成する謎のバイタリティを発揮することで
ダンテ:結果的に凄腕スパイのように周囲から見られている危うい男。
GM:冴羽亮みたいなバイタリティだ
ダンテ:つまり全然スパイに向いてないです。
GM:おかしいな…PC1もスパイに向いてなかった気がするんだけど…
ダンテ:データとしては、そういったムラっけをDロイス【快男児】で表現。
ダンテ:戦闘では白兵射撃どちらも対応できる《電光石火》、それ以外ではあらゆる判定のクリティカル値を下げる《天性のひらめき》を使い
GM:なっばっそれはウィアードエイジ最強Dロイスの一つと名高い
ダンテ:やる気を出している間は何をやらせても大きな成果が期待できます。
GM:最強スパイの名に違わぬ性能だ
ダンテ:私のスペックを発揮できるカッコいい任務を期待するぜ
ダンテ:そんな感じで頑張ります!よろしくお願いします!
GM:努力未来A BEATIFUL STAR 存分にトムを遂行してくれ!
GM:では続いて…そんなダンテくんとバディを組むのはこの男~~~~~~~!!!!!
GM:【http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYoKrL6gQM】
GM:ウィリアム・ジェイコブズさん!自己を…紹介せよ!
ウィリアム:はーい、ウィリアムです。
ウィリアム:医者のカヴァーを持つスパイ。コードネームは”サーティーン”。
ウィリアム:つまりタロットの死神を意味するコードです。
ウィリアム:元はイギリス暗黒街を薬物で暗躍する闇一家の倅でしたが
ウィリアム:ロンドンの名探偵に悪事を暴かれスコットランドヤードに逮捕されました。
ウィリアム:その後、オーヴァードであることと主犯が父親であることを考慮され、
ウィリアム:スパイとして働くことで罪を帳消しにするという契約を呑み
GM:暗黒闇医者一家じゃねーか
ウィリアム:イギリス諜報機関”ルーム40”に所属、経験を積んで射手鷲に移籍しました。
ウィリアム:能力は社会特化型。
GM:良かった~ セルビアはご飯も美味しいし安心だね
ウィリアム:高社会と《竹馬の友》によって場に素早く馴染み
ウィリアム:情報を持ち帰ります。
GM:め…めちゃくちゃスパイをしている!
GM:やっぱ怖いスねソラリスシンドロームは
ウィリアム:有事の際の戦闘能力もあり、《活性の霧》で攻撃力をバフして《ディストーション:射撃》で
ウィリアム:社会で殴ることができます。
ウィリアム:諜報員キットの拳銃を基本的には使いますが、余裕があったら何か買うかも
ウィリアム:ちなみにFNブローニングM1910を持っているということにしてください。
GM:社会の暴力…
GM:え~っ良いじゃないですか!採用!
ウィリアム:サライェボ事件に使われた拳銃です。
GM:凶器じゃねーか
ウィリアム:ちなみに諜報員なのでDロイスは潜伏者。
ウィリアム:達成値が必要な場面では結構強みだぞ
ウィリアム:というわけで真っ当にスパイやっていこうと思います。
ウィリアム:よろしくお願いします!
GM:何か全部後乗せで+5出来るとかいうインチキ効果なんですけど…
GM:ウィリアム&ダンテ ふたりはエスピオナージ
ウィリアム:射撃に至っては+10だぞ
GM:ヤバすぎる
ダンテ:まるで真っ当じゃないスパイがいるみたいな口ぶりだな
GM:ではそんな二人のHOはこちら!

PC3:“アクィリフェル” ダンテ・K・ヴェルミチェッリ(PL:ヤヒロギンジ)
PC4:“サーティーン”ウィリアム・ジェイコブス(PL:猫口@)
シナリオロイス:『ナチェルターニェ』
推奨感情 P:好奇心/N:疑念
====
きみたちは”射手鷲”に所属する、ベテランの上級諜報員・援護工作員である。
きみたちの今回の任務は、セルビアの保有する外交機密文書――『ナチェルターニェ』、その原本の保護だ。
表向きには1840年代セルビア公国の政治方針を示した「覚書」とされているが、事実は異なる。
長官の”アピス”は『ナチェルターニェ』の開示と引き換えに、軍部よりその依頼を受諾しているようだ。
その執着は、果たして何を意味するのか。”射手鷲”の行く末を慎重に見極める必要がある。

GM:というわけで、射手鷲のボスのお姉さんと
GM:機密文書である『ナチェルターニェ』の原本を保護して貰いたいよ~って依頼を受ける感じでお話をして貰います。
GM:なかよく今後の射手鷲の行く末を決めるっピよ
ウィリアム:頑張るッピ
ダンテ:守ります、世界を
GM:気合十分!よろしくお願いします!
GM:では、最後にトレーラーを貼ってスパ活(※スパイ活動の意)を始めて行きましょう。
GM:====

■トレーラー

時計の針は壊れてしまった。
それでも世界は真実を隠し、仮初の営為を続けている。
だが――その平穏を守るために、暗躍する翼がある。

”氷冠条約”によりレネゲイドが徹底的に隠匿され、各国の情報戦が更に激化する1914年3月。
諜報機関による膠着状態が続く中、セルビア独立諜報分遣隊”射手鷲”はセルビア軍部より一つの指令を受諾する。

1840年代に作成された機密外交文書『ナチェルターニェ』、その原本の保護。
公開されれば国際社会が揺らぐと言われる、その”覚書”を守ることが”射手鷲”の任務だった。
『ナチェルターニェ』を狙うのは、最優の諜報員”ジョン・スミス”。

時を同じくして、示し合わせたように”射手鷲”の後援者の一人”ゲヴァイ”襲撃事件が発生。
この非常事態に、”射手鷲”長官である”アピス”は任務コード:『双頭の鷲』を発令する。
護衛、そして追跡――セルビア・ベオグラードにて展開される諜報作戦(エスピオナージ)。

裏切り。偽り。謀略。死。
二つの機密を巡る戦いは、やがて世界を戦乱の渦に巻き込んでゆく。

Double Cross The 3rd edition 
『ウォッチメイカー』キャンペーン
Task.0『ナチェルターニェ』

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OP1『豚商人の国/Land of Serbian』

GM:PC1のOP。カラジンくんは登場浸蝕をどうぞ。
カラジン:1d10+34
DoubleCross : (1D10+34) → 7[7]+34 → 41

GM:ギャッ
GM:====
GM:首都ベオグラード。セルビアの最大都市。
GM:『白い町』を意味し、ドナウ川を望むことのできる風光明媚な土地である。
GM:だが同時に……ローマ・ハプスブルク・オスマンーー宗教戦争の最前線であり、多くの文化が交雑するこの都市は、世界最大の背教者の処刑場でもあった。
GM:====
GM:ベオグラード スカダルリヤ地区 喫茶『天使の首』
GM:数々の詩人が歩いたと言われるベオグラードの閑静な住宅街、スカダルリヤ
GM:きみは当該地区のコーヒーハウス(※喫茶店兼サロンのような場所)『天使の首』で、一組の夫婦の警護任務に就いていた。
GM:暗号名“ゲヴァイ”。及び、その妻ゾフィー。
GM:“射手鷲”のスポンサーとして登録された、「篤志家」を名乗る中年男性である。
”ゲヴァイ”:「地獄のごとく黒く、死のように強く、恋のごとく甘くあるべし」
”ゲヴァイ”:「やはりこの地のコーヒーはたまらんね。格別だ」
”ゲヴァイ”:銅製のカップを揺らし、うっとりと息を吐く。
”ゲヴァイ”:「君も遠慮なく飲みたまえよ。コチェタ青年」
カラジン:「ええ? 俺はいいよ。よくそんな苦い水飲めるね、旦那」
カラジン:「酒はないの?」
カラジン:「蜂蜜酒が最強にキツくて、記憶がなくなるほど美味いって聞いてるから楽しみにしてたんだけど」
”ゲヴァイ”:「知らんのか。『天使の首』のコーヒーは砂糖を煮溶かして作ってある」
”ゲヴァイ”:「1カップで蜂蜜酒が5杯飲めるのだぞ」
カラジン:「絶対ウソだ。色が黒いもん」
カラジン:「黒いものは苦い。これは世界の真理だね、真理に触れた呪術師が言うんだ間違いない」
ゾフィー:「その位にしておきましょう、貴方」諫めるように、”ゲヴァイ”の隣に座る婦人が言う。
ゾフィー:「ほら、コチェタさんもこう言ってるじゃないですか」
ゾフィー:「それに、酔っていても……彼が私たちの護衛を失敗した所、一度でも見たことがありますか?」
ゾフィー:「ねえ?」最後はカラジンに。
GM:ゾフィー。”ゲヴァイ”の妻として、彼に同行している。
GM:”射手鷲”からの指令は、この二人を護衛することだった。任務開始から今日で一か月ほどになるだろうか。
カラジン:「そうですそうです、マダム! さすが話がわかる! 俺の守護精霊も『大丈夫』って言ってます。ほら」
カラジン:「ダイジョーブ」 首元の翼を指で押し広げたり縮めたりする
”ゲヴァイ”:苦く笑って、肩をすくめる。
”ゲヴァイ”:手にした新聞紙には、『歌姫マルグレーテ 6月にセルビア公演か』の見出し。
”ゲヴァイ”:「青年がそう言うのなら仕方あるまい。……おうい、店主。蜂蜜酒だ。一番良い奴をくれ」
”ゲヴァイ”:「恩人に呑ませるんだ。くれぐれも壜を割ったりするなよ!」
カラジン:「ありがたい! 旦那も肝が据わってますねえ。いやあ――世の中は平和だ」
GM:ほどなくして、店の奥からブリキのカップに入った琥珀色の酒が運ばれてくる。
ゾフィー:「ええ、ほんと…平和ねえ」
ゾフィー:「こんな日がいつまでも、続けば良いのに」
カラジン:「危険ってやつは、こっちから近づかなきゃそうそう寄ってきたりしないもんですよ」
ゾフィー:「あら。それ、呪術師としてのアドバイスかしら?」
カラジン:「まあまあ、そんなところです。去年、俺も超デカい豪華客船に乗るチャンスがあったんですけど、絶対酔うからやめといて正解でした」
カラジン:「嫌な予感がしたらさっさと逃げる事が重要です」
”ゲヴァイ”:「あの……アトラスではなく……」
ゾフィー:「タイタニック?」
”ゲヴァイ”:「それだ。……成程、含蓄に富んだ助言だな」
”ゲヴァイ”:「心に刻んでおこう――」
GM:その和やかな表情が、不意に強張る。
カラジン:「おん? どうした、旦那――」
GM:視線の先。カラジンには知覚できる。
GM:何人かの若者の集団が、噛み煙草を咥えながら『天使の首』のテラスへ乱暴に踏み入って来ていた。
暴徒:「おうおうおうおう」
カラジン:「……やだね~~~。向こうから近づいてくる危険!」
暴徒:「出たな。こいつが懸賞金掛けられてるオッサンか?」「刺青の占い師もノせたら4000ディナールだぜ」
暴徒:「よう」リーダーらしき若者が、ゆっくりと三人に近付く。
カラジン:「勘弁してくれよ、いま完全に仕事時間終わりかけてた流れだっただろ? あんたら見えない?」
カラジン:「俺の頭上に今日は閉店って書いてあるのが!」
暴徒:「インディアン野郎は引っ込んどけよ。悪いが一緒に来て貰おうか、オッサン」
暴徒:「女もだ。連れてけ!」
暴徒:乱暴にゾフィーと”ゲヴァイ”の腕を掴もうとする。
カラジン:「やめなよ。忠告だ。インディアン、嘘つかない。嘘つくのはてめーら白人だ」 その腕を掴み返す。
カラジン:「どうしてもやる?」
暴徒:「……警告はしたぜ」
暴徒:腰からボーウィ・ナイフを抜く。
暴徒:「やっちまえテメエら!」
暴徒:その合図を境に、何人かの若者がカラジンへ飛び掛かる。
暴徒:だが、オーヴァードであるきみには対処は容易い。回避も攻撃も可能だろう。
カラジン:「しゃあねえ」 すでにパイプをくわえている。火が灯る。一呼吸――
カラジン:その煙を吹きかけたとき、耐性のない非オーヴァードは倒れ伏すことになる。
カラジン:猛毒。ではない。意識を一時的に加速させ、身体はそれについてくることができず――結果的に、倒れる。
暴徒:「ゔ……」寄り目になり、神経過敏によって失禁しながら昏倒する。
カラジン:「良い旅路を! 逃げるぜ、旦那」 ゲヴァイを振り返る。
カラジン:「こいつらがここに来たってことは、居場所バレてんだ」
GM:ゾフィーと”ゲヴァイ”の傍の若者も、次々に昏倒する。
”ゲヴァイ”:「……全く頼もしいな、君は!」ゾフィーを庇うように立つ。
ゾフィー:「素敵だわコチェタさん!……ええ、逃げましょう。毎回ごめんなさいね、ほんと」
カラジン:「俺もそう思う! えーと、最寄りのセーフハウスどこだっけ!」
”アピス”:『……ポイントN-23』
”アピス”:≪空の楽器≫≪シークレットトーク≫≪声なき声≫
”アピス”:カラジンのパイプから、冷涼な女の声が響く。
”アピス”:”アピス”。”射手鷲”の長官。
”アピス”:『見事な腕だ、カラジン。避難して構わん』
カラジン:「おっ。ご教授どうも!」
”アピス”:『”.45LC”も向かわせてある。そこで合流だ』
カラジン:「ええ? カウボーイ爺さんが? 気が進まねえなあ」
”アピス”:『任務に私情を持ち込むな。打電終了』
GM:異様に機械的な対応と共に、”アピス”からの通信は途切れる。
カラジン:「あっ! クソ! 雑談ってものを知らねえのかな、あの人!」
カラジン:「”ゲヴァイ”の旦那に奥さん、急ぐよ。俺から離れん方がいいと思うね……なんていうか……」
カラジン:「よくない感じがする」
GM:……そうして、きみたちは指定された経路を縫うように、”射手鷲”がスカダルリヤに確保しているセーフハウスに辿り着く。
GM:かつてオスマン帝国占領時に使用されていた兵舎を居住区に改装したものだ。
GM:トルコ文様のタペストリーなどは、目立たない場所に敷かれている。
ワイアット・アープ:「よお、シャーマン」
GM:そのセーフハウスでカラジンを待っていたのは、壮年の男性だった。
ワイアット・アープ:「中々手際よく連れて来たみたいじゃねえか。感心したぜ」
ワイアット・アープ:「後はおれたちに任せな。タロットでも触っとくと良いさ」
カラジン:「カウボーイ爺さん。駆けつけた騎兵隊のつもりかよ」
カラジン:「俺はドク・ホリデイじゃねえし、タロットなんて触らねえ」
ワイアット・アープ:「バ~~カ。アイツの名前は出すんじゃねえよ」
ワイアット・アープ:「傷口に響くだろォが」
ワイアット・アープ:演技がかった口調で尻をさする。
カラジン:「そうだろうよ! ……で、この任務、これで終わりか?」
ワイアット・アープ:「別命あるまで待機おわり
カラジン:「冗談だろ! セルビアの賭場に顔を出す用事があるのに!」
ワイアット・アープ:「”アピス”の嬢ちゃんには何か考えあるみてェだ。良いから大人しくゲヴァイとレディの傍に居てやれ」
ワイアット・アープ:「外はおれたちが固める」
カラジン:「また交代なしか……ちくしょう」
”ゲヴァイ”:「むう……」気まずそうにカラジンを見る。
ゾフィー:「ねえ、貴方。また今度、コチェタさんを賭場に連れ出してあげましょうよ」
ゾフィー:「これじゃあんまりだわ」
カラジン:「気にすんな、旦那。終わったらあんたの奢りを期待してるよ」
”ゲヴァイ”:「……そうだな。すまない、コチェタ青年。感謝する」
”ゲヴァイ”:「コーヒーを腹一杯奢ってやるとも」
カラジン:「あっ、話が通じてらっしゃらねえな?」
カラジン:「酒だよ酒! まったく……狙われっぱなしってのは参るな」
カラジン:「他の連中は何やってんだ」
ワイアット・アープ:「レヒトは”ジョン”野郎探し」
カラジン:「じゃ、そろそろ片がつくころか?」
カラジン:「あの猛獣なら、獲物を見つけたらビューッと言ってガブッ!終わり!だろ」
ワイアット・アープ:「今日中にはな。”キャラバン”の姐さんも居る」
ワイアット・アープ:「ウィリアムとダンテはお嬢に呼ばれてる。あっちはしばらくかかンだろ」
ワイアット・アープ:「”トンボラ”は護衛が出来るタマじゃねえ」
ワイアット・アープ:「よって君が適任だ。占い師くん」
ワイアット・アープ:「せいぜいカスター将軍のようにならないよう努めてくれたまえ」
ワイアット・アープ:肩を竦めて見回りに出て行く。
カラジン:「うるせっ!」
カラジン:「ここが砦だとしたら、いい予感がしねえなあ」 寝転がり、パイプをくわえる。
ゾフィー:「……折角だし、お茶でも淹れましょうか! オーストリアから持って来た葉があるの」
ゾフィー:「待っててね、貴方、コチェタさん」
ゾフィー:空気を入れ替えるように微笑んで、厨房に引っ込む。
カラジン:「そりゃどーも。……”ゲヴァイ”さん、あんたも災難だね」
”ゲヴァイ”:「仕方あるまい。それに、こうして君たちが守ってくれている」
”ゲヴァイ”:「私はこれまでそれになりに気楽に生きて来た。そのツケと言う奴だ」
カラジン:「へへ! 有名人の気分はどうだい? 大スターじゃないか」
”ゲヴァイ”:「本物の大スターは歌姫マルグレーテのような人間を言うのさ」髯を撫でつける。
”ゲヴァイ”:「私は…運が良かったに過ぎない」
カラジン:「あんただって、行く先々で大人気。巡業に出ると行列ができる。よほど幸運だったんだな?」
”ゲヴァイ”:「……だが、そうだな。うん……この幸運は、活かすべきなのかも知れないな」
”ゲヴァイ”:「きみやゾフィーのような、若者のために」
”ゲヴァイ”:含みのある口調。
カラジン:「……何考えてるんだか知らんが、やめといたら? 自分の無事だけ考えときな」
カラジン:「今日は死ぬのにいい日だ。そうやって口癖みたいに言って朝起きて、本当に死んだやつもいる」
カラジン:「死ぬのにいい日なんてあるもんかね? やるべきことがあるなら、なおさらじゃないか?」
”ゲヴァイ”:「同感だな。死ぬのに良い日など、死んでも解るまい」
”ゲヴァイ”:「だが同時に、夢を叶えるのに死を恐れていては何も出来ない。そうだろう?」
”ゲヴァイ”:「飛行機も」窓から空を見上げる。「死を恐れずに飛んだから飛べたのだ」
カラジン:「夢に振り回されるのはまっぴらごめんだが、……旦那に、夢?」
カラジン:「あるの? たとえば……あの」
カラジン:「大陸横断レース企画した変人みたいな?」
”ゲヴァイ”:「あれは雑誌の出来事だぞ。君……仲間から妙な嘘を吹き込まれているのか?」噴き出す。
”ゲヴァイ”:「夢ならばあるとも」頷く。「実を言うと、その構想のために各地を漫遊してきた」
カラジン:「へえ。聞かない方がいいやつ?」
”ゲヴァイ”:「聞けば呪いになるかも知れんな」
”ゲヴァイ”:「さあ話すぞ。君は選べるか? 3,2,1……」
カラジン:「凡人は物事を呪いと恵みで捉える。戦士は挑戦として捉える。俺は――」 耳を塞ぐ。
カラジン:「呪術師は夢を聞かない。旦那に夢があるなら、実現してから見せてもらおう」
”ゲヴァイ”:「……ふふ、ふふふ。ふはは!」一しきり笑って髯を撫でつける。
”ゲヴァイ”:「今度は酒を奢ってやろう」
”ゲヴァイ”:「ただし、私が夢を叶えた祝いにだ」
GM:ピ イ ー ー ー
カラジン:「そりゃ楽しみだな……おっと」
GM:薬缶の沸騰する間の抜けた音。
ゾフィー:『あなたー? コチェタさーん? お茶沸いたわよ~』
ゾフィー:厨房から涼やかな呼び声が聞こえてくる。
カラジン:「時間切れ」
カラジン:「また後でな、夢見がちな旦那」 上半身を起こす。
カラジン:(夢があるのはいいことだ。夢歩きの技法も、俺にはもう使えない)
カラジン:(死んだ人間さえ出てこない)
カラジン:(俺の夢に現れるのは――) たった一人の男だけだ。あのときからずっと。
GM:====
GM:ロイスの取得が可能です。
カラジン:”ゲヴァイ” 庇護〇:憤懣 で!お願いします!
GM:====

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OP2『無銘/John Smith』

GM:PC2のOPです。レヒトくんは登場浸蝕ダイスをどうぞ。
レヒト:レヒトの侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (31 → 37)
GM:====
GM:“射手鷲”諜報員としての活動は多岐に渡る。
GM:追跡活動から標的の排除に作戦目標が移行するのもままあることだ。
GM:“ジョン・スミス”というオーヴァードの追跡も、そういう任務の一つだった。
GM:彼はセルビア国内で“何か”を探る動きを見せていたからだ。よって追跡指令が下され、エスピオナージがこれを実行する。
GM:シンプルな任務のはずだった。
GM:====
GM:ベオグラード サヴァマラ地区 セルビア国立博物館
GM:共和国広場に位置するドーム状の建屋は、1844年に建設されたセルビア最大の博物館であり、収蔵された展示物は実に40万点にものぼる。
GM:夜。人気のない薄闇に沈むのは、複葉戦闘機の模型。セルビア公国時代の建築残骸。養豚業器械のレプリカ。
GM:だが、それらも今は、きみたちの追撃戦を妨害する遮蔽物と化している。
”ジョン・スミス”:「……動きが早い。やはり厄介だな、”射手鷲”」
GM:するりと航空模型の下を抜け、追走を躱そうとする。
クロエ:「”タナトテリステス”」
レヒト:宝石のような青い瞳。染一つない白い肌。一目見るだけで、酔いが一発で醒める外見をした美青年は、癖はあるが汚れのない金色の髪を、くしゃくしゃと手で掻きながら苛立たしげに溜息をつく。
クロエ:「走り込みは任せたわよ。援護する」
レヒト:「援護?それって意味ある?だってさ……」
レヒト:女の声をバカにした若者の声(俺の事だ)は既に遠ざかっている。
レヒト:「弾丸なんぞ遅すぎるんだけどねぇ!」
”ジョン・スミス”:「理解してるさ、くそっ」コルトSAAを乱射。弾を”置き”、少しでも追走を鈍らせようとするが。
レヒト:消えた。そのように見える。ただ、声だけが存在を明らかにしている。
レヒト:引き金に手をかけるよりも速く間合いを詰める。それなりに必死だ。当然だ。まっすぐ走ってる間は避けられない。
レヒト:これは、もう、相手の予測位置を速度で裏切るしかない。
レヒト:複葉戦闘機の模型。セルビア公国時代の建築残骸。養豚業器械のレプリカも銃弾を妨害する遮蔽物となってくれるだろう。
”ジョン・スミス”:「早いな。果敢な判断力と、装備による速度……だけじゃないな」
”ジョン・スミス”:「突っ込んでもいいと思える裏技を持ってる。危険な相手だ」
レヒト幽霊ゲシュペンストのように障害をすり抜ける。
”ジョン・スミス”:舌打ちして拳銃を捨てる。銃はこの間合いでは機能しない。
レヒト:「危険な相手なんて冷静に分析してるのさぁ。ムカツクよな」
レヒト:この間合い、滑るように駆けて右ストレートを叩きこもうと画策する。
レヒト:「それって余裕があるって事だろ。おらっ、死ね」
”ジョン・スミス”:「僕も……必死さ!」首元を抑える。僅かに光が漏れる。
”ジョン・スミス”:開いた左手で、宙を触って――掴んでいるように見える。
レヒト:殺しても良い。それだけなら刺突剣を抜いて額に穴を開ければ済む。だが、相手が諜報員ならば生け捕りにした方が金の払いが良い。
”ジョン・スミス”:瞬間、空気が見えない爪のように歪む。カウンター狙いだ。
”ジョン・スミス”:射程が長い。”キャラバン”――クロエとレヒトを、同時に狙っている。
レヒト:更に死体の処理をしなくても済む。自分がする訳ではない時もあるが、その場合は嫌味がついてくるわけだ。
”ジョン・スミス”:「空気を触って、帯のように操るオーヴァードを見たことがある……”インビジブル・アウェイ”」
”ジョン・スミス”:「そいつの技を改良した。死ぬのはお前だ、”射手鷲”!」
レヒト:「そんな泥棒猫なんぞするから、殺されかけてるってわかんないかなぁ?」
レヒト:構わずに突っ込む。視線を外さないように顔だけを守る。
レヒト:(迎撃するために、足を止めたな)
レヒト:(つまりチャンスって事だよなぁ)
クロエ:「ああもうっ、何でこっち来るのよ」右肩が大きく抉られる。
レヒト:「後で労災降りるだろうが!羨ましいったらないね!」相手の言葉に返答だけはする。
クロエ:「あんた!これで倒さなきゃ」だが、右腕が樹脂のような物体に覆われ、傷を治すどころか――銃の形を形成する。
クロエ:点火。超軽量樹脂の弾丸が跳弾し、”ジョン・スミス”に炸裂する。
”ジョン・スミス”:ステップを踏んでいた足が止まる。
”ジョン・スミス”:「……”適応”、したか!こいつら二人とも――」
レヒト:足を止めた”ジョン・スミス”と視線が合う。その距離はわずか3インチ。
レヒト:「はっ。中々良い男じゃないか。俺程じゃないがね」
レヒト:ぺっと血唾を吐きながら、不敵に嘯く。
レヒト:最初の予定通り、想定外の負傷はしたがアドリブを挟む必要はない。
レヒト:真っ直ぐ行って、速度を一切緩めずに……右ストレートでぶっ飛ばした。
”ジョン・スミス”:「冗だ、ごばっ」
”ジョン・スミス”:展示物をなぎ倒しながら10Mほど吹き飛ぶ。沈黙。
”ジョン・スミス”:重度脳震盪。能力の基点が既に麻痺している。物理現象はリザレクトでも相殺できない。
クロエ:「うわ~」
クロエ:「あんた相変わらず荒っぽいわね。殺さないって別に”痛めつける”って意味じゃないのよ」
レヒト:「んだよ。慈悲がないって?そりゃ自白拷問されるよりは、一思いに殺してやる方が良いかもな」
クロエ:樹脂を形成し、手早く手足を固める。
クロエ:「確かに。あんた”射手鷲”うちの拷問喰らったことあるわよね」
クロエ:「捕まる時に」
レヒト:「人権運動家に転向してやろうかと思った」
レヒト:「入った後にボコボコに応報出来なかったら、俺は今頃革命家になってたね」
クロエ:「”トンボラ”でしょ? あの子雑なのよ」
レヒト:殴った方の手をぷらぷら振って夜空を見上げる。
レヒト:「それって諜報員としてマージでどうなんだよ」
クロエ:「あんたが革命家、案外良いんじゃない。顔も良いからカリスマもありそう」
レヒト:「スパイなんざよ、繊細で慎重なもんだろ。ウイリアムくらいしかいねえぞ、そういう奴。セルビアのお先は真っ暗だね」
クロエ:「”アピス”の前でも言ってみることね。今回は不問にしといてあげるわ」
クロエ:「あんたは悪くないバディだから、失うのは損」
レヒト:「別にチクっても構わねえよ。密告ってのは実にスパイらしい」
クロエ:言いつつ、”ジョン・スミス”を目の前に放りだす。
クロエ:「じゃあ私の気が変わらない内に帰投することね。車まで運ぶわ、手伝っ――」
レヒト:「うんで、これだけベラベラ喋って、何のリアクションも見せないんだ。しっかりオチてるか?」
”ジョン・スミス”:気絶した”ジョン・スミス”の首筋から、青白い光が漏れだしている。
レヒト:「あぁ?レネゲイド光か?」
GM:ここで知覚9の判定です。成功した場合、レヒトくんはその光の奥にあるものを詳細に見ることが出来ます。
GM:そして……ここで特殊ルールの説明!
GM:本セッションのPCはあらかじめフリー経験点という「セッション中に使える経験点」を有しており
GM:なんとセッション中に、技能やエフェクト・アイテムを取得・成長させることが可能です。
GM:0話は上限30点。上限はシナリオ中に登場する施設を成長させるごとに拡張されます。
GM:では改めて、判定行ってみましょう。成長させてもさせなくてもいいよ。
レヒト:それで、この判定に楽に成功できるかもしれないと言う事ですね。
レヒト:良いでしょう。僕は点数の抱え落ちはしない。
GM:完璧な理解
レヒト:この場合。技能の上限とかはありますか?
GM:0話時点では存在しません。極端な話30点全部近くに振っても大丈夫です。
GM:ただしこの先のセッションで上限が拡張された場合、フリー経験点で上昇させられる技能lvにも制限が設けられる場合があります。
GM:今はこんな所かな。
レヒト:では経験点8点使って、知覚を4LVに。
レヒト:2dx+4
DoubleCross : (2DX10+4) → 8[2,8]+4 → 12

レヒト:フリー経験点30→22
GM:あっ!しっかり経験点で成功させている!
GM:これぞスパイのひらめき……では
GM:レヒトくんは、”ジョン・スミス”の首筋に、熊を象った刺青があり
GM:そこから青白い光が発されていることに気づくでしょう。
”ジョン・スミス”:急激に周囲の大気が渦巻く。
レヒト:「アホか。カラジンみてえなもん彫ってるんじゃねえよ!」
”ジョン・スミス”:だがそれは外に発されるものではなく、むしろ内側、ジョン・スミスの内圧を高めているような――
レヒト:「キャラバン下がってろ。近づくんじゃねえぞ」
クロエ:「あんたも危ないでしょ!良いから」樹脂の盾をドームのように形成する。二人分。
レヒト:おそらく証拠隠滅の自爆だ。なら、巻き込まれるのは割に合わない。
”ジョン・スミス”:ぶ ばん!
”ジョン・スミス”:急激な内圧の変化。”ジョン・スミス”が十字に”爆ぜる”。
”ジョン・スミス”:骨や肉が散弾となって樹脂のドームを叩いた。
クロエ:「……気付けなかった。私のミスよ」
クロエ:ドームを解いて、爆発の方を見るが。
レヒト:「おー、おー、職業意識が高いな、これは。俺じゃ真似自爆は出来ても、真似はしないね」
レヒト:「良い心がけだ。報告書にもそう書いてくれると俺には面倒がない」
GM:誰の目から見ても絶命は明らかだった。青白い光も最早発されてはいない。
クロエ:「あんたね。人が折角しおらしくなってる時に…まあ良いわ」
レヒト:「だが、ま。死んだら死んだで面倒であっても、問題はねえだろ」
クロエ:「そうね」散らばった残骸の中のピアスを拾う。
レヒト:「優秀な敵側の諜報員様が天に召されました。ってのはこっちにとっちゃ損はないんだ」
クロエ:「帰投するわよ。せめて弔ってやりましょ」
クロエ:「同感ね。”アナスタシア”みたいのが何人も居られちゃたまんない」
レヒト:闇でも目立つ金色の髪を手で整える。
GM:セルビアにも記憶焼却大隊が配備されている。”氷冠条約”――各国にレネゲイドの隠匿を強いる条約で、そう義務付けられているからだ。
GM:入れ替わりに、トラックの音が聞こえるだろう。きみたちの上司、”アピス”は仕事が早い。
レヒト:「まったく。ジョン・スミス座でもつくるかね。適当な一等星を拝借しよう」
クロエ:「あんたこないだ貸した望遠鏡返しなさいよ」
クロエ:「蚤の市で買ったの高かったんだから……」
レヒト:「あー。返してなかったっけか」
レヒト:「気が向いたらな。今はそんな気分じゃねえや」
GM:”キャラバン”は答えない。ただ「もう少しだけだぞ」というように、肩を竦める。
GM:二人の諜報員の姿は闇に溶ける。そうして任務は終わったはずだった。だが。
GM:====
GM:???? “射手鷲”本部:潜水艦『UBⅤノーチラス』
GM:”射手鷲”本部の会議室。そこに、レヒトは呼び出されていた。
GM:”キャラバン”からの要請だ。”ジョン・スミス”の件。
クロエ:「まずいことになったわ」開口一番早口で言う。
レヒト:「ケチャップ使いすぎなんだよ」
レヒト:「後、サワークリーム余ったからなんにでも使ってりゃ、そりゃそうだろ」
クロエ:「あ、そうね。確かに私あんたに味見して貰ってなかった…」
クロエ:「…ぶん殴るわよ」
クロエ:溜息を吐く。
クロエ:「誰が今ストロガノフの話したいのよ。”ジョン・スミス”のことよ」
レヒト:「イギリス人なら美味い美味いって喜ぶかもしんねーよな」
クロエ:「ウィリアムの前で絶対それ言わない方が良いわよ」
レヒト:「案外大丈夫じゃねぇか?で、ジョンがどうしたって?」
クロエ:「……”生き返った”。というか、厳密には」
クロエ:「奴が自爆しても、痕跡がベオグラード各地で確認されている」
レヒト:「”ジョン・スミス”を殺す度に1000ディナール貰ってたら、俺は3年後には大富豪だな」
クロエ:「”射手鷲”の探索部門からの報告よ。……貯金箱が破裂しそうね」
クロエ:「”アピス”に指示を仰ぎに行くわ。どうせ把握してるでしょうし」
レヒト:「ま。なんか色々あるんだろ。整形かもしれないし、双子だったのかもしれん」
レヒト:「どっちにしろ。俺のタスクは終わってないって事になるのかよ。面倒臭いったらないね」
クロエ:「拗ねないの。終わったら一杯奢ってやるわ」
クロエ:「それに」髪を搔き上げる。
クロエ:「私とあんたならやれる。そうでしょ?」
クロエ:「それともコチェタとの方が良いかしら」立ち上がる。そのまま部屋を去ろうとする。
レヒト:「どっちもどっちだな」
クロエ:「最悪って意味じゃない、それ」
レヒト:「そうでもねえよ。本当に最悪なのは……」
レヒト:首を何度か曲げて皮肉気に笑う。
レヒト:「四人揃った時だろ」
GM:====
GM:ロイス取得可能。シナリオロイスは”ジョン・スミス”。
レヒト:”ジョン・スミス” 有意/不信感〇 で。
GM:OK!
GM:====

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OP3『巡航する鷲/Overwatch』

GM:PC3・4のOPです。登場浸蝕をそれぞれどうぞ。
ダンテ:ダンテの侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (32 → 39)
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (32 → 39)
GM:仲良し!
GM:====
GM:諜報活動の本質とは、情報を収集して潜在的な脅威を評価し、攻撃を阻止して優位に立つことだ。
GM:よって、他国より有利に立つには、通信を傍受する手段が必要不可欠になる。
GM:少なくとも、“射手鷲”長官である”アピス”――ドラグーティン・ディミトリイェヴナは、部下に向けてそのような姿勢を示していた。
GM:====
GM:???? “射手鷲”本部:潜水艦『UBⅤノーチラス』
GM:正式名称を『UボートⅤ型多目的浮動拠点ノーチラス』。
GM:バルカン戦争時の戦果を材料に、“射手鷲”の活動拠点としてロシアの伸長を警戒する西欧連合・及びセルビア軍に提供させた監視拠点にして策源地である。
GM:明らかに1914年に実現可能な技術を逸脱しているが、その由来も謎に包まれている。
GM:一つ確かなことは、海底ケーブル通信が交信の中心となっているこの時代に、
GM:所在を隠してケーブルに直接アクセスできる潜水艦は極めて稀有かつ脅威だということだ。
GM:”射手鷲”諜報員は、世界各地に配備された“端末”を通じ――この所在不明の『ノーチラス』内部へ転送される構造となっている。
GM:『ノーチラス』長官室。
GM:ダンテ・K・ヴェルミチェッリ、及びウィリアム・ジェイコブズは
GM:”射手鷲”長官――”アピス”からの召集を受け、『ノーチラス』へと帰投していた。
GM:きみたちは任務の中途にあったかも知れないし、休暇中だったのかも知れない。
ウィリアム:ノーチラスの長官室を歩き回る男が一人。
ウィリアム:身なりのよいスーツ。顎髭に茶の髪。
ウィリアム:椅子に置かれた医療鞄が、彼が医者である…正確には医者のカヴァーを持つ諜報員であることを物語っている。
ウィリアム:「何故今なんだ。」
ウィリアム:「私は今頃ベオグラードのクラブで優雅に高尚な音楽を楽しんでいるはずなのに」
ウィリアム:「何故予約が取れた翌日に召集を掛ける?」
ダンテ:その男の隣、直立不動の男。
ダンテ:スーツの上にトレンチコートを羽織り、艶のある黒髪を整然と後ろに撫でつけている。
ダンテ:黒いサングラスの下で、隣の相棒と眼の前の長官へ交互に視線を投げかけていた。
”アピス”:「我々が君たちのプライベートには関与しないことの証左だ」
”アピス”:「好意的に受け取ってくれても構わないと思うが。”サーティーン”」
”アピス”:水煙草のチューブを加え、煙を吐き出す。
”アピス”:その後髪煙草を口切り、煙を混ぜ合わせて
”アピス”:更に噛み煙草を口に含む。
ウィリアム:「………」喉まで出かかった舌打ちを飲み込む
ウィリアム:「ああ、そうですか。好意的、ね。」
ウィリアム:「予定を聞くくらいの干渉を許せぬほど狭量な男に見えたのなら、それは実に残念だ。」
ダンテ:「気にしなくて良い。長官殿」静かに口を開く。
ダンテ:「一言目に皮肉を交えないと実のある話ができない男だ」
”アピス”:「彼の性向は把握している。問題はない」
ダンテ:「なら良い。一々真面目に取り合っていたらキリがない。そもそも」
ダンテ:「楽しむはずだったのは音楽だけじゃないだろ。ウィリアム」
ウィリアム:「それに比べてお前は干渉が過ぎる。」
ウィリアム:ダンテの胸に人差し指を当てながら凄む
ウィリアム:「親か兄でも気取っているのか?気色の悪い。」
GM:その時ドアが開く。
ウィリアム:「第一誰がお前の後処理を毎度……」
ウィリアム:言葉を切ってドアの方を見る。
ダンテ:「心外だな。そう思うなら年長者らしい落ち着きを見せて欲しいんだが……」
ダンテ:つられてドアの方へ目を向ける。
ライラ:「んあー?先生にダンちゃんじゃ~ん」
ライラ:”トンボラ”。イタリア人の”射手鷲”エージェント。
ライラ:玩具商店主のカヴァーを持つ爆破工作員だ。
ライラ:「お疲れー。ま~たイチャついてんのキミら」
ウィリアム:「なんだ?新しい玩具でも見せに来たのか?」
ライラ:「あーんもう。玩具じゃなくて報告だよホ・ウ・コ・ク」
ダンテ:「気色の悪いことを言うな」
ライラ:「ナマ言ってるとこないだ先生がクラブの女の子にあげるボードゲーム買ってったの」
ライラ:「ダンテさんに言いつけ……」
ライラ:「やっぱ今のナシナシ」
ダンテ:「……」眉間を抑える。
”アピス”:「”トンボラ”」
”アピス”:「”サーティーン”は援護工作員だ。必要な出費の裁量は最大」
”アピス”:「彼がどこでガス抜きをしていようと、”射手鷲”の利益になるならば構わん」
”アピス”:「そうだろう?」
ウィリアム:「そうとも。」
ウィリアム:「諜報には兎角金がかかるもの。」
ウィリアム:「私が作る人脈はアリアドネーの糸。」
ウィリアム:「混迷極める世界情勢を打破する後押しになるのだからね。」
ライラ:「ホントかにゃ~。むしろ股が多すぎて雁字搦めにならない?」新作のボードゲームの箱をシャカシャカ振っている。
ライラ:異常気象によって進化したイカが、体液を撒き散らかして陣地を奪い合うというルールだ。
ダンテ:「物は言いようだとは感じるが」
ダンテ:「事実として、この男の人脈には何度も助けられている」
ダンテ:「その点は俺も認めているさ。多少はな」ライラに諭すように
”アピス”:「支持する。そして、今回もまた彼の人脈と、きみの行動力の助けを借りたい」
ライラ:「ダンちゃんが言うと説得力違うな~」
ウィリアム:「ふん。そこまで頼るなら話を聞こうじゃないか。」
ダンテ:「ミノタウロスを倒した褒美に拝む顔としては、余りに貧相ではある」嘆息して。
ウィリアム:「女に縁のない男のひがみなど聞こえないね。」
ライラ:「実際めちゃくちゃ優秀なはずなのにね。からかいたくなっちゃうの何でだろ」
ライラ:その箱の中からぽろりと書類が出てくる。
ライラ:「あったあった。はいアピスちゃん書類」
”アピス”:「書類は略式に則って提出することを強く推奨する」受け取る。
”アピス”:「……君たちは」煙を宙に浮かべて、紙煙草を灰皿ににじり消した。
”アピス”:「『ナチェルターニェ』という文書を知っているか?」
GM:知識7で判定できます。成功したら内容まで知悉していることでしょう。
ウィリアム:どんな知識でも?
GM:失敗しても、聞いたら思い出せるかも…?くらいの知名度で大丈夫です。
ウィリアム:知識:医療でも判定可?
GM:あ、じゃあやっぱり
GM:情報:”射手鷲”で目標7にしましょう!
ウィリアム:じゃあ判定します
ウィリアム:6dx+2>=7
DoubleCross : (6DX10+2>=7) → 10[1,2,3,4,5,10]+10[10]+5[5]+2 → 27 → 成功

ウィリアム:メチャクチャ知ってた
GM:全部知ってるじゃん
ダンテ:知りすぎている
GM:セルビアの未来は明るいなあ
ダンテ:私もやってみよう 特に弱者関係ないから補正無しで
ダンテ:3dx>=7
DoubleCross : (3DX10>=7) → 5[2,3,5] → 5 → 失敗

ダンテ:知らなかった…
GM:オラッウィリアム先生に教えてもらいな!
GM:では情報を公開します。
GM:『ナチェルターニェ』。1840年代に作成されたセルビアの外交機密文書。
GM:当時としては極めて先進的な知見で執筆されているのが特徴的。”予言書”と言っても差し支えがない。
GM:特にオスマン帝国が権勢を奮っていた年代にも関わらず、すでにその崩壊を予言するばかりか、
GM:ロシア・オーストリアの進駐を早くから危惧し、“大セルビア主義“と称されるセルビア人による独立国家建国までをも進言している。
GM:そうした方針を纏めて記したのが、この『ナチェルターニェ』…「覚書」という意味の書類だ。
ダンテ:「『ナチェルターニェ』。聞いたことはある……だが」
ダンテ:「任務に直接関係のない情報は忘れるようにしている。重要な機密なら尚更な」
ダンテ:「万一の事があっても、知らなければ漏らすこともない。早速アリアドネの出番という訳だ」悪びれる様子もなくウィリアムに促す。
ウィリアム:「1844年に書かれた、外務大臣イリア・ガラシャニンによる外交機密文書だ。」
ウィリアム:「オスマン帝国の崩壊を予期し、その先のセルビア…大セルビアの建国を進言する”覚書”だな。」
ライラ:「キショすぎる。何でそんなことまでスラスラ覚えてんだよ」
ライラ:「逆にダンちゃんのもそれはそれでスゲ~けど」
”アピス”:「完璧な理解だ。やはり君たちをバディで運用する方針は正解だな」
ウィリアム:「浅学な者の妬みは自身を貶めるぞ。」
ライラ:「褒めてんだよタコ!」
ライラ:中指を立てる。
”アピス”:「……だが、それはあくまで”表向き”の理解だ」無視して続ける。
”アピス”:「『ナチェルターニェ』。その”覚書”に、覚えてはならない”原本”が存在する」
ウィリアム:「…………。」
”アピス”:「これは重要機密だ。本来であれば、戦略変数A以上の諜報員に開示する決まりだが」
”アピス”:「後々組む人間のためにも、早期に情報を開示しておいた方が良いだろう」
”アピス”:艶めかしい手指を組み、ウィリアムとダンテを見据える。
”アピス”:「これはセルビア軍部からの正式な要請だ」
”アピス”:「私達”射手鷲”は、『ナチェルターニェ』の原本を保護する」
”アピス”:「そして、守り切った暁には……内容が我々の報酬となる」
”アピス”:「”原本”が、私の考えているようなものなら」
”アピス”:「それは”射手鷲”にとって、知っておかなければならないもののはずだ」
”アピス”:「何か質問は?」
”アピス”:器械的な対応。必要最低限の情報。
”アピス”:”アピス”はおおよそ、優秀であり…それでいて典型的な”冷血”とされる情報将校。
”アピス”:そういう印象を、大抵の部下からは抱かれているだろう。
ダンテ:「知る権利自体に、そこまでの価値があるということか……」
ウィリアム:「原本は今どこに?」
”アピス”:「セルビア政府だ。だが、諜報員がこれを狙っているという情報がある」
”アピス”:「国籍と所属は不明。これを調べるのも我々の業務だ」
”アピス”:ダンテに頷く。
”アピス”:「”キャラバン”と”タナトテリステス”がそいつを追っていた」
ウィリアム:「”死神その2”か。」
”アピス”:「もう一人の容疑者候補には”アルゲンタヴィス”を付かせている。”.45LC”もな」
ダンテ:「……要旨は理解した。より緊急性の高い任務故、我々に引き継ぐということだな」
ウィリアム:「……で、」
ウィリアム:「今の情報は共有していいのかい?」
”アピス”:「構わん。正確には」
”アピス”:「彼らと共同で捜査に当たって貰う」
ダンテ:「……『後々組む人間のためにも』とはそう言うことか」
”アピス”:頷く。
”アピス”:「クリアランスは不足しているが、”死神その2”の強度は君たちが良く知っているだろう」
ダンテ:「元よりウィリアムの戦略変数評価はA、私はS-」
ウィリアム:「腹立たしいことにな。」
ダンテ:「それで尚不足と判断される程の案件……」本当はC+~S-という変動評価を受けていることはさらりと無視して言う。
”アピス”:「”アルゲンタヴィス”は長く被疑者をプロファイルしている。あれの人を見る目は確かだ」
”アピス”:「OVや化学では説明できない……そういう直感を感じる」
”アピス”:「一つ教えておこう。優秀な諜報員は直感を無視しない」
ウィリアム:「でもこう続く。」
ウィリアム:「直感を支えるのは必要十分な知識と情報である。」
ライラ:「ンだよ。アピスちゃんが十分な情報渡してね~ってのかよ」
ダンテ:「……ああ、そうだな」
ダンテ:「まだ一つ、重要なことを聞いていない」人差し指を立てる。
”アピス”:「公開可能情報であれば回答する」
”アピス”:「自由に聞き給え、”アクィリフェル”。死に向かうエスピオナージには、誰であれその権利だけはある」
ダンテ:「なら問おう」
ダンテ:「"『ナチェルターニェ』の原本を保護する"。これを達成することは」
ダンテ:「一体、"誰のため"に必要なことか」
ダンテ:「セルビアの独立か?欧州の安定か?それとも……」
”アピス”:「――すべての」
”アピス”:「オーヴァードのため」澱みなく答える。
”アピス”:「私達”射手鷲”は、オーヴァードの諜報組織だ」
”アピス”:「この優先順位は逆転しない」
”アピス”:「つまり君たちの為でもある。これ以上は、”原本”を入手してからの話になる」
ウィリアム:「……ひとまず納得しておけ。」
”アピス”:「……だが、しかし」
”アピス”:「強きを挫き、弱きを助ける」
”アピス”:「そういう任務になるはずだ。恐らくはな」
”アピス”:「そうだろう?”サーティーン”」
ウィリアム:「違うな。」
ライラ:「んあ」
ウィリアム:「こいつが絡む任務は必ずそうなる。」
ウィリアム:「誰かが裏で糸を引いたところで、」
ウィリアム:「逆に糸を引っ張り返す。そういうことをしでかすのがこの男さ。」
ダンテ:「……ふん」面白くなさそうに鼻を鳴らして
ダンテ:しかし、ひとまずは及第点と言った様子で口元を歪ませる。
ダンテ:「承った」
ウィリアム:ダンテの様子を見て、医療鞄を手に取る。
ダンテ:「直ぐに出るぞ。ウィリアム」
ダンテ:「私の手綱を握るつもりなら、せいぜい遅れるな」
ダンテ:そう吐き捨てて踵を返す。
ウィリアム:「仕切るな。あと自覚があるなら自重しろ。」
”アピス”:「……”アルゲンタヴィス”、”タナトリステス”との合流地点は追って指示する」
”アピス”:「諸君らの検討を祈る」
ライラ:劇物を舐めたように苦い顔をしている。
GM:====
GM:ロイス取得が可能です。
GM:シナリオロイスは”ナチェルターニェ”。
ウィリアム:”ナチェルターニェ”/保護/〇猜疑心
ウィリアム:以上!
ダンテ:”ナチェルターニェ” 興味○/警戒
ダンテ:以上!
GM:====

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Append1『ゼンマイ仕掛け/Spring works』

”アピス”:「”トンボラ”」
ライラ:「何さ」
”アピス”:「あれが”アクィリフェル”と”サーティーン”」
”アピス”:「”射手鷲”うちのエースだ」珍しく、くつくつと声を漏らして笑う。
”アピス”:(……そうだな)
”アピス”:(ダンテ:「一体、"誰のため"に必要なことか」)
”アピス”:(きみはそう言う男だ。解っている)
”アピス”:「……”トンボラ”。”キャラバン”、”.45LC”と随伴して四人を援護しろ」
”アピス”:「彼らを失うわけには行かない。今は、まだ……」
ライラ:「……」鼻を鳴らす。
ライラ:「スパイって大変だねえ」
ライラ:「ま、良いよ。アピスちゃんの頼みだし」
ライラ:「”トンボラ”、任務了解」
ライラ:コートに仕舞っていた、ブリキの人形の螺子を巻き直す。
GM:====

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Middle01『最悪/Unwelcome Espionage』

GM:合流シーンです。全員登場。
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (39 → 43)
ダンテ:ダンテの侵蝕率を1D10(→ 10)増加 (39 → 49)
カラジン:1d10+41
DoubleCross : (1D10+41) → 8[8]+41 → 49

レヒト:レヒトの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (37 → 39)
GM:====
GM:“アピス”からの指示は単純明快だった。
GM:“射手鷲”はセルビア各地にセーフハウスや拠点を設置している。
GM:“アルゲンタヴィス”、“タナトテリストス”、“アクィリフェル”、“サーティーン”。
GM:以上四名は、各自指定した拠点にてそれぞれの情報を総合し、作戦の方針を決定するようにというものである。
GM:====
GM:ベオグラード ゼムン地区 船上クラブ『リントゥーコト・ドナウ』
GM:ゼムン地区は小高い丘のような構造をとっている。その丘の頂点――「ガルドシュ」と呼ばれる土地からはドナウを一望することができるだろう。
GM:白い石畳の小道を抜け、丘の梺まで足を下ろせば、ボードゲームの駒のように浮かぶ船上クラブやカフェがきみたちを出迎える。
クロエ:「……あれ? この”銃手”は”狙撃手”に有利なはずでしょ。どういう効果?」
ライラ:「陣地を塗ったから得点溜まって、”一発逆転”使えるようになってんの。良いゲームっしょ」
クロエ:”トンボラ”の持って来たボードゲームに興じている。
ウィリアム:「それで?ボードゲーム同好会に呼ばれた覚えは無いのだが。」
カラジン:「え、違うの?」
レヒト:ソファに座って小説を読んでいる。男が、ある朝目覚めると巨大な虫に変貌していた。などと言うストーリーだ。
ウィリアム:「それとも私が知らないだけでそうだったのかな?」
ライラ:「あっジンくんだ」「お~い」気軽に手を振っている。
カラジン:「そうだよ、ウィリアム氏は俺たちが単なるボードゲーム愛好家の仲良し集団だって知らなかったみたいだな」
カラジン:「よぉ、ライラさん! 元気元気」
ライラ:「うい~」拳を合わせる。「こないだ頼まれてたトーテムの彫り物仕入れたよ」
レヒト:どうも他人ごとではない内容ではある。まさか自伝か?周りの連中も同じような境遇であるハズだが、こいつらはどうも元気だな。と思ったりする。
クロエ:「悪かったわね、あんたの相棒を待ってんのよ」肩を竦めて立ち上がる。
レヒト:「ウイリアムは……ボードゲーム以外にやりたいことがあんの?」
ウィリアム:「………緊張感のない連中だ。ああ、やりたいこと?」
カラジン:「やったね、そいつは非常にご利益が……なんにもないぜ!」 両手をひらひら動かして、ウィリアムを振り返る。 「お。興味ある話題だね」
カラジン:「ウィリアム、自分のことぜんぜん打ち明けないからさあ。そういう話題で仲良くなっていこうぜ!」
ウィリアム:「オペラやクラシックなどを要求しても出てこないだろう。」
ウィリアム:「レコードも荷物になるから持ち歩けない。」
レヒト:「成程、そりゃ残念だ。ドナウは見渡せるんだけどな、此処」
ライラ:「うげ」歯磨き粉を呑み込んだような顔。「ハイソ過ぎる。そ~いうのは”アピス”に頼みなよ」
レヒト:「俺はレクリエイションでサラリーを貰えるなら、それは結構な事だと思うがね。趣味が高尚だと、苦労するよな」
カラジン:「オペラもクラシックもぜんぜんわかんねえ。人が歌ったり踊ったりするのを見て楽しいのかね」
カラジン:「レヒトはまた金の話ばっかり! 己の内なる生命力が遠のいちゃうぜ」
レヒト:「うっせー。俺はスピリュチアルよりもマテリアル!ビジョンよりもリアルなんだよ!」
ウィリアム:「クロード・ドビュッシーの素晴らしさが分からないのは損失だよ。」
ウィリアム:「去年のバレエ・リュスの公演も感嘆せざるを得なかった。唯一と言っていいほどまともなフランス人だ。」
ウィリアム:「芸術は腹を満たさないが」
ウィリアム:「胸に満ちる。」
カラジン:「へへ。ここに集ってるのは超忙しい、俺を筆頭にデキる男だらけだからな。そりゃ他人の歌や踊りを見てる余裕はないさ」
ダンテ:「それは結構だが、行儀の悪い客であることに変わりはない」VIPルームの扉が開く。トレンチコートを入り口のハンガーに掛けて部屋に入ってくる。
レヒト:「ウイリアム先生のバレエ談義の方が、なんぼか薫陶がある。それか、カラジン、お前の説教を本にしろ。そしたら読んで……お。遅かったじゃねえか。色男」
ライラ:「あ。来たね真打ち」
カラジン:「――おっと。もう一人の筆頭が来たな」
ウィリアム:「散歩は済んだか、ダンテ。」
クロエ:「……遅い!またお得意の単独行動?」
ダンテ:「ああ、遅くなった」左手にはワインのボトルを数本抱えている。
クロエ:「……」
ダンテ:「遅刻の代金じゃないが、土産だ」
ライラ:「やった~!イタリア産だよね!?」
カラジン:「やったぜ! パパ、大好き!」
レヒト:「はっ、こう言うスピリットなら大歓迎だね。お分かりか?カラジンくん」
ウィリアム:「お前にしてはいい目利きじゃないか。グラスを出そう。」
クロエ:「在り得ない。”アピス”はどうしてこんな奴に好きにやらせてるわけ?」
ダンテ:「ふん。腹と胸を満たすのならこれで事足りるのが人間だ」
レヒト:「失点を即座に取り戻す手土産が、出来る男って訳だな。ま、別に俺は見習いたくはねえが」
クロエ:「……散歩道で考えたにしては中々マシな言い訳ね。一杯貰うわよ」結んだ髪を乱雑に掻く。
ダンテ:「特に、今回はお前たちの報告を聞かないことには始まらないからな」
ダンテ:「気持ち良く語って貰うに越したことはない」
カラジン:「いやいや俺は反対しないぜ。まさにこれこそスピリット。酒は魂を解放する!」
ライラ:「さんせーい。アピちゃん居ないし飲んじゃお」
ライラ:「ワイアットのおっさんも来れば良かったのににゃ~」
カラジン:「カウボーイ爺さんなにやってんだ?」
ライラ:「んー。アピちゃんに頼まれて別の任務だって」
ウィリアム:各人の前にグラスを並べていく。
ライラ:「おっさんも古株だかんね~。ダンちゃんとは違った意味で信用されてんのにゃ」
ウィリアム:受け取ったワインを開け、軽く匂いを嗅ぐ。
ウィリアム:「どうぞ、レデイ。」
ウィリアム:グラスにワインを注ぐ。
クロエ:「どうも先生」グラスに対して。
カラジン:「ンだよ、俺らと扱いが違う!」
レヒト:酒を注いだグラスを軽く回し、まず香りを立てる。そして鼻腔で風味を愉しみ、口元でグラスを傾け味を楽しむ。
ダンテ:「放って置いてやれ、最早病気のようなものだ」
レヒト:「なんか黒いしでコーヒー拒否ったの根に持ってるんじゃねえの?」
レヒト:くくと笑う。
ウィリアム:「紳士の礼儀を”病気”とは。よほどの蛮地からお越しなのかな?」
カラジン:「マジかよ? 納得いかね~……レヒト、お前もそんなセコい飲み方で飲んだ気になるのか?」 がぶ飲みワインのように一気に呷る。
クロエ:「うわっ」うわって声に出たよ。
レヒト:「ウイリアム先生はそんなタマじゃねえな。ワインマナー勉強しろとよ。アピスに言われた」
レヒト:「金持ちんとこに潜入するのに必要なんだと」
レヒト:明るい金髪を弄りながらつまらなそうに言う。
クロエ:「顔立ちに品あるしね、あんた」くい、とグラスに空気を含ませるように飲む。
カラジン:「酒が俺たちを求めている以上、盛大に歓迎してやらなきゃ。……うめえなこれ」
ウィリアム:「……。」カラジンの飲み方を見て顔を顰めつつ、上品にグラスを傾ける。
カラジン:「マナー!? 信じられない。潜入任務ってそんな窮屈なのか? 背中の翼が萎れちまうね」
レヒト:「萎れたらどうなるんだ?興味あるな。二度と飛べなくなったり?」
カラジン:「そりゃもう萎れたら色々あるぜ。血行の悪化、睡眠不足、胃腸の不良……。……」
レヒト:「それよぉ。酒飲みすぎると同じ事が起こるんだが」
ウィリアム:「我々が相手にする紳士淑女は、無礼者の翼をへし折ることに抵抗はないぞ。」
ウィリアム:「最低限は抑えた方がいい。」
ダンテ:「あくまで最低限だがな。形だけの礼に無理に拘る必要もないだろう」
ダンテ:「蛮人には蛮人の美徳がある」
ダンテ:「大切なのは、必要以上に自分を偽らないこと。偽っていることを悟られないことだ」
ダンテ:「そこを履き違えると、どこぞの似非紳士のように全身から胡散臭さが匂い立つようになってしまう」
カラジン:「……まあ、紳士淑女が相手なら苦労しねえんだけどな。この国に着いてから乱暴なやつばっかりだ」
ウィリアム:グラスを置く。
クロエ:「”射手鷲”を相手にしてると諜報員がどういう職業なのか忘れそうになるわ……」カラジンを見て。
ウィリアム:「護衛対象が狙われたらしいな。」
ウィリアム:カラジンに。
カラジン:「偽っていることを悟られない……ってのは、そろそろ無理になりつつあるぜ。めちゃ狙われてるし、居場所も頻繁にバレる」
クロエ:「”ゲヴァイ”よね? 射手鷲のスポンサー」
カラジン:「”ゲヴァイ”の旦那がどんだけ重要人物か知らないが、乱暴な挨拶を受けまくってるんだよね」
ウィリアム:ダンテを無視してカラジンの言葉を聞く。
レヒト:「なんだ、そりゃ?諜報員の癖に誰ぞに内通されてんのかよ」
レヒト:ダンテとウイリアムを横目で見て。仲良いな、あんたら。と言う言葉を飲み込む。
クロエ:「諜報員の組織が一番内通リスクが高いでしょ。それで?敵の人数と装備は解る?」
カラジン:「みんなその辺で募集されたチンピラって感じだな。”俺たちみたいなやつ”とはまだ出会ってないね」
クロエ:「……訂正。まだ最悪なことにはなってないみたいね」レヒトに
レヒト:「最悪だろ。四人揃っちまってる。フォーカードが出来たら、勝負に出ろ。って事だぜ」
カラジン:「お? レヒト、なんかと出くわした? 大事だぜ、そういう出会いって」
レヒト:「相手の手が仮に上回っててもだよ。めんどくせー。俺の方はアレだ"ジョン・スミス"」
ウィリアム:「始末したんじゃないのか。」
レヒト:「死んだ人間が生きてたなんざ、珍しくもないだろ?」
レヒト:「珍しくもないが、生きてる限り始末はつけなきゃならねぇ。そいつが本人だろうが、他人だろうがだ」
レヒト:「そもそもがジョン・スミス。名前が"大勢の誰か"じゃねえか」
レヒト:忌々しげにグラスの中身を飲んで。
カラジン:「いーや、珍しい。レヒトが喉笛を噛み切ってもまだ生きてるんだ。なにか手品を使ってンな~?」
クロエ:「私とレヒトが揃ってるのよ。殺せないわけがない」
ダンテ:「有り触れた符丁ではあるな」
レヒト:「あぁ。そうだ。お前みてえな入れ墨入れてたぜ」
ライラ:「んえ? ジンくんみたいな?」
カラジン:「……入れ墨ィ? 最近、どいつもこいつも入れやがるからな……」 ちょっと眉を動かす。 「似たようなもんだと、仲良くできる気はしねえな」
レヒト:「一応、言っておくが。俺は極めて平和的に生け捕りにしようとしたからな。問答無用調停ではあったがよ」
ダンテ:「カラジン、君の入れ墨は、君が生まれ育った部族に伝わるものだったか?」
ダンテ:「もしジョン・スミスがその関係者なら、君に限ってはむしろ喜ばしいことのようにも思えるが」
カラジン:「そうだな。似たようなのはいくらでもあると思うけど……」
レヒト:「首筋に熊を象った刺青。青く光ったと思った"ボン"だ」
レヒト:手を握って開いて爆発するジェスチャーを。
クロエ:「気付けなかったのは私のミス。殺せたけど殺したかったわけじゃあない」
クロエ:「あんたの刺青も爆発するわけ?違うでしょ?」
ウィリアム:「悪いが呪術はさっぱりだ。何か分かるか?」
ウィリアム:カラジンに尋ねる。
カラジン:「見てもわかるかどうか。何しろ数が多いもんでね。俺のは自爆なんてしねえよ」
カラジン:「できるとしても、そんな仕掛け入れるやつは狂人だね。このご時世には多いけどさ」
レヒト:「ウイリアム先生の医術ノートに類例はなかったか。人体自爆現象とか奇病も過ぎるって訳だな」
ライラ:「あたしみたいに爆発性の領域装填してんのかな」
カラジン:「呪術には得意分野がある。俺たちのは温厚なもんさ。本来ならね。ただ、黄金の……なんか……そういう名前の団体なら、話は別だ」
カラジン:「ああいう連中はいまの時代にあった凶暴なのを使うからね」
カラジン:「要するに、それだけだとぜ~んぜんわからん! へへへ! 天才呪術師カラジン様もお手上げです」
レヒト:「黄金なんて言うんだからな。即物的で金になる手段に躊躇がないわけだ」
ダンテ:「呪術や魔術、旧世代の神秘の兵器化は、一度廃れ、レネゲイドの発見で息を吹き返した分野だからな。何が出てきてもおかしくはない」
ウィリアム:「少なくとも社交界に出入りするような人間ではなさそうだ。」
ウィリアム:「エドワード7世やジョージ5世のような例はあれど、基本的に上流階級には忌避されるからな。」
レヒト:「それで、俺達のソレと ダンテ、ウイリアムチームの今からやらかす事と、関係があんの?」
カラジン:「国外脱出とかなら、大いに手を貸すぜ。太平洋の諸島に高跳びなら望むところだ」
クロエ:「同僚の前で堂々と離反の話しないでよね」
ウィリアム:「ああ、今から話そう。」
ダンテ:「生憎と引退する気はまだ無い。必要とされている間はな」
カラジン:「お。解説の時間だ」
クロエ:「頼むわよウィリアム。”ルーム40”の時からブリーフィングはあんたの得意分野でしょ」
レヒト:「金が取れる授業が無料で聞けると思えば、内容はどうあれ真面目に聞く気にもなれるぜ」
ウィリアム:医療鞄を開く。
ウィリアム:医術書を取り出し、開くと
ウィリアム:そこに四角くくりぬかれた空間があり、指令書が詰まっている。
ウィリアム:「クライアントはセルビア軍部。」
ウィリアム:「我々の任務は『ナチェルターニェ』…外交機密文書の原本の保護。」
カラジン:「原本? そんな重要なものなのか」
ウィリアム:「依頼の報酬になるくらいにはな。」
ウィリアム:「”射手鷲”の未来を左右する内容らしい。」
レヒト:「100年後にはただの紙切れだろうがな。今はその未来の100年前って事な」
クロエ:「ダンテが言ってたでしょ。旧魔術や神秘がレネゲイドで武器になるように」
クロエ:「その”逆”も在り得る。つまり、1844年の『ナチェルターニェ』……太古の物品がレネゲイド関連だったってのは頷ける話」
クロエ:「遺産所持オーパーツ。”射手鷲”ではそういうコードで呼んでる」
カラジン:「予言書とか契約書って感じか? あんたらは文字残すの好きだねえ」
レヒト:「でも、それさぁ。陰謀戦だな。ダンテ向きの話じゃねえよ。カラジン何かねえのかよ?この事件に美しい貴婦人が巻き込まれてますよ。とか」
レヒト:「スペードのエースのモチベーションが低いと困るぜ」
ダンテ:「……向き不向きを任務に持ち込むほど未熟なつもりはない。鬼札はどのような役割を任せても腐らないものだ」あからさまに不機嫌になる。
ウィリアム:「”ナチェルターニェ”を狙う敵のエージェントというのが、」
ウィリアム:「”ジョン・スミス”だ。」
ウィリアム:「正確には容疑者か。」
ライラ:「ほ~ん。段々絵図が見えて来たね」
レヒト:「式が明確。学校行ってない俺でも一発で理解できた」
カラジン:「な?」
カラジン:「出会いってのは素敵なものなんだよ。やる気出てきた?」
ウィリアム:「………もう一人の容疑者候補は、」
ウィリアム:「君の護衛対象だよ。」
クロエ:ちらりとウィリアムを見る。
ウィリアム:「カラジン。」
ウィリアム:「出会いというのは素敵だな。」
カラジン:「いや~まさしく」
カラジン:「素敵な出会いだね」
カラジン:「……そいつを突き止めてどうにかするのが俺らの仕事ってわけか?」
ウィリアム:「そう。」
クロエ:「……カラジンに見張らせてたわけ? 護衛を装って、警戒を解かせてたって?」
クロエ:「性格が悪すぎる」舌打ちして呟く。
ウィリアム:「諸君、質問は?」
ライラ:挙手。
ウィリアム:「どうぞ、レディ。」
ライラ:「先生……や、ジンくんもだけど」
ライラ:「”ゲヴァイ”ってどんな人だったん?」
ライラ:「先生もキョーミあるでしょ。ジンくんの”占い”」懐から玩具のタロットカードを取り出す。
ライラ:これ見よがしにシャカシャカと振るが、目線は真剣だ。
カラジン:「タロットカードなんて使わねえって。……そうだな、”ゲヴァイ”は……」
カラジン:「すぐに死にそうなやつに見えたよ。しかし、しぶとい。それで拮抗してる」
カラジン:「なんだか”夢”があるんだとさ。そんなやつ、すぐに死にそうだろ? こんな世の中じゃあさ」
ウィリアム:ライラからタロットを取り上げる。
ライラ:「あっ何すんのさセンセー!」
カラジン:「でも、生き延びてる。いまんとこね。ありゃ相当に強力な何かが憑いてるね」
レヒト:「昨日までサンダーバードが憑いてた。ってお話かよ。自慢じゃねえか」
ウィリアム:そのままカードをシャッフルし、
ウィリアム:一番上のカードを表にしてテーブルに置く
ウィリアム:アルカナの13番。
ウィリアム:「今日からは死神が憑く。」
カラジン:「へへへ! それはそう。最強の呪術師カラジン様が――おっと」
カラジン:「面白い札だな。モンスターか、これ?」
レヒト:「おいおい容疑者の段階だぜ、まだ。ま、その時はジョンの野郎に憑けば良いか」
ウィリアム:「そういうことだ。図柄の意味は彼がよく知ってるよ。なあ、二号くん?」レヒトを見る。
レヒト:「そうだな。十三号先生。死神二人で挟み撃ちとなっちゃ運命から逃げる事もできねえさ」
レヒト:笑って肩を竦める。皮肉屋のジョンブルのこういう物言いは嫌いではない。
クロエ:「あんたの相棒、昔はこんなんじゃなかったわよ。絶対」
クロエ:「出てるんじゃない。旗持ちを近くで見過ぎた影響」ダンテにくつくつと笑う。
ウィリアム:「失礼、レディ。」札を揃えてライラに返す。
ダンテ:「かも知れないな。昔のことは語りたがらない」
ダンテ:「余程大きな恥をかかされたんだろう」
カラジン:「ハハハ! ウィリアム先生の回顧録の方が売れそうだ」
レヒト:「それで故郷から逃げてきたって噂。マジかよ?」
ライラ:「回顧録売れたらあたしがゲームにしたげるよ。センセ」ウインク。
ウィリアム:「私の醜態が記された回顧録なら、ロンドンで飛ぶように売れているよ。」
ウィリアム:「しかも、著者も医師だ。忌々しいことに。」
ウィリアム:「最後に確認だ。質問はこれで最後かね?」
クロエ:「”アピス”の性根の悪さと手際の良さを除けば」肩を竦める。
カラジン:「こっから先の質問は……、あれば自分で調べるよ」
レヒト:「ははーん。俺もこの仕事引退したら作家にでもなるかな。……俺からは特にねえな」
ウィリアム:灰皿をテーブルに置く。
ライラ:「non c'è problema問題なし」ひらひらと手を振る。
ダンテ:「……敢えて釘を刺す必要もないかもしれないが」席を立って、面々を見回す
ダンテ:「諸君」
カラジン:「お?」
ライラ:眼鏡を直す。
クロエ:腕を組む。
ウィリアム:ダンテを見る
レヒト:青い瞳の視線を飛ばす。
ダンテ:「我々が追っていた諜報員と、我々が護衛していた協力者」
ダンテ:「そして、我々が保護すべき機密文書。この三つが、今、一つの糸ではっきりと繋がった」
ダンテ:「優秀な諜報員ほど、直感を無視しない。このような運命の悪戯は往々にしてよく起こる。この世界ではな」
ダンテ:「しかし、真に優秀な諜報員はその直感をこそ欺く」
ダンテ:「我々が今掴んだ糸を手繰る者が、運命の女神であるか」
ダンテ:ウィリアムを一瞥し「はたまた蜘蛛か」
ダンテ:「常に自問し、都度判断することだ」
カラジン:「運命の女神か。そこまで言われると、期待に応えなきゃって気がしてくるなァーー」
ウィリアム:マッチを擦る。
ウィリアム:灯した火で指示書を燃やす。
ウィリアム:「いい演説だ。お前が真に優秀な諜報員ならもっと説得力があったろう。」
レヒト:「なんにせよ、火付けと壊しは俺が得意とするところだぜ。例外はねえよ。それが俺たち以外の思惑であってもな」
カラジン:「任せときな。俺がしっかり導くからさ! 偉大なる魂に栄光あれ!」
クロエ:「全員バラバラじゃない。チームワークは今の所最悪ね」
クロエ:カーテンを開ける。夕刻の陽がドナウに煌めき、ワインを透かして部屋に反射する。
クロエ:「まあ、頭が何個かあるみたいで良いんじゃないかしら」
レヒト:「役割分担がしっかりしてる。って言うんだよ。じゃあ始めるか。仕事の時間だ」
ウィリアム:灰皿の中の指示書の灰を念入りに潰す。
クロエ:頷く。「……”アピス”から作戦コードを預かってる」
クロエ:「コード『双頭の鷲』。発令」
クロエ:「各員、現時点を以て任務開始とする」
GM:====
GM:ロイスの取得が可能です。
レヒト:カラジンに取ってるしウイリアム先生に取ろう。 好意○/嫌気。 個人的には好きだけど、ジョンブル野郎だぜ!って事で。
カラジン:レヒトくんに 尽力〇:憤懣 で!
ダンテ:カラジン君に取ろうかな 感服○/隔意
ウィリアム:レヒトくんに取りましょう。親近感/〇不安
ウィリアム:以上!
GM:OK!
GM:====

【目次へ戻る】

Middle02『双頭の鷲/Reversible Operation』

GM:情報収集シーンです。シーンプレイヤーはカラジンくん。
GM:登場を希望する方は登場浸蝕ダイスをどうぞ。
カラジン:1d10+49 ヤーッ
DoubleCross : (1D10+49) → 1[1]+49 → 50

ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (43 → 49)
ダンテ:ダンテの侵蝕率を1D10(→ 10)増加 (49 → 59)
レヒト:レヒトの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (39 → 48)
GM:====
GM:では、現在情報収集可能な項目を張り出します。
GM:Now loading……(お酒を店先で選ぶダンテさんのスチル)

・情報収集項目
★“ジョン・スミス”について 《情報:裏社会》難易度10/18
※クライマックス時、範囲攻撃エネミーが2体→1体に減少。
★“ジョン・スミス”の潜伏経路 《知覚》または《情報:射手鷲》難易度11/15
※クライマックス時、カバーリングエネミーが《電磁反応装甲》を使用しない。
★『ナチェルターニェ』について 
※「移送計画」「逃走経路の封鎖」の情報収集判定を成功させたら判定可能。
★文書移送計画 《運転》難易度9
★逃走経路の封鎖 《交渉》難易度10
■セルビアの現状 《知識:セルビア》難易度7
■“ゲヴァイ”について 《情報:射手鷲》難易度11/150
※情報収集の段階が「操作」に達しなくてもデメリットはなし。
■「刺青」について 《知識:医療》または《情報:神秘》難易度11
※カラジン・コチェタが判定する場合、達成値+2

GM:こう!かなり項目が多い!
レヒト:150。
GM:★が必須項目、■が任意項目です。
レヒト:そうか。マスコネ持ちが必要。
カラジン:スラッシュで区切られた左と右の値はいったい…?
GM:フフ……説明しよう!
ダンテ:凄い差だぞぅ
GM:この『ウォッチメイカー』キャンペーンでは、達成値がある一定数に達すると
GM:特殊ルールとして、判定のステータスが「成功」から「操作」に変更される情報が存在します。
GM:つまり、その情報を元に、更に偽情報を流したり、しかるべき機関にリークしたりして
GM:敵を攪乱できる、というフレーバーなわけですね。
GM:この「操作」に成功すると、クライマックス・ミドル戦闘のエネミーが一部弱体化します。
GM:具体的には情報にある右側の難易度をクリアすれば「操作」に変化します。
GM:バランスとしては全部普通に成功したら普通に戦えるような戦闘に設計しているので、
GM:ボーナス感覚で積極的に狙っていくのが良いと思われます。抜かなかったら死ぬわけではない!
GM:以上!何か質問は!
レヒト:質問。情報以外の判定を選んだ場合。金銭の使用は可能?
GM:不可能です。情報以外は財産点の使用はできません。
レヒト:了解です。
GM:あ、そうだ
GM:代わりにイージーエフェクトの使用によるボーナスを多めに設定してあるので
GM:こちらも積極的に使っていくのがお勧めのプランです。
カラジン:へへっ、それならあっしに任せてくだせえ!■「刺青」について を暴き立ててやりまさあ!
ダンテ:お得だぜ
ダンテ:はい!現時点で、双頭の鷲作戦に係わる情報判定は無辜の人々の安全を守ることに繋がると仮定し
レヒト:まずは★文書移送計画 《運転》難易度9に挑戦します。運転技能持ってるし肉体が高いし必須なので。
ダンテ:快男児の効果対象になると考えて大丈夫でしょうか
”アピス”:許可する。私は確かに君の動機を誘発したつもりだ
ダンテ:流石長官話がわかる
カラジン:こっちは■「刺青」について を《情報:神秘》難易度11 で挑戦します。
カラジン:カラジンなので達成値+2!情報:神秘レベル1でさらに+1!コネ:オカルティストでダイス+2!
カラジン:4dx+3>=11
DoubleCross : (4DX10+3>=11) → 6[4,5,6,6]+3 → 9 → 失敗

GM:ウオオオ~~!!これが神秘のパワー
カラジン:財産を2使って成功させます!
カラジン:神秘パワー!
レヒト:マネーパワーじゃねえか!!
ウィリアム:★“ジョン・スミス”の潜伏経路 《知覚》または《情報:射手鷲》難易度11/15 やりましょうか
GM:財産の力が流れ込んでくるぞい 充電完了――
GM:ウィリアム先生もお出ましだ。各自判定をどうぞ。
カラジン:財産2→0
ウィリアム:必須だし社会必要だしクライマックスにも関わりますからね
ウィリアム:《竹馬の友》で聞き込みすることでボーナスはありますでしょうか?
GM:そう!正しくそう言う使い方を想定していた……!
GM:その判定に+2のボーナスを差し上げます。判定どうぞ。
ウィリアム:では判定
ウィリアム:6dx+4
DoubleCross : (6DX10+4) → 8[3,3,6,6,7,8]+4 → 12

ウィリアム:ウーム、財産3点突っ込んで操作まで行きます。
GM:おおっ
ウィリアム:財産12→9
GM:社会強者だな~
レヒト:社会キャラの強みだぜ。
レヒト:★文書移送計画 《運転》難易度9。これは実際に車を運転するのかな?
GM:そうですね。運転ないし車上での行動になるかと思われます。
レヒト:では検問とかを突破する難易度である。と思って良い?
GM:そうですね。少なくとも何らかの妨害は予想されるので
GM:そこを突破できるか、と言ったところです。
レヒト:では検問のセキュリティを破壊故障させたいです。《セキュリティカット》。
GM:おおっ
GM:これは……中々クリティカルな使用法だ
GM:+3あげます。
レヒト:5dx+5
DoubleCross : (5DX10+5) → 9[2,4,8,8,9]+5 → 14

レヒト:成功です。
GM:危なげなく成功!
GM:こいつらスパイとして優秀過ぎる
ダンテ:では実質的な最高難易度の★“ジョン・スミス”について 《情報:裏社会》難易度10/18 に挑戦してみよう
GM:おお…快男児が動くか
ダンテ:《暗号解読》でション・スミスについての機密情報を解読することはできますか?
カラジン:がんばれ!がんばれ!
GM:可能です。何らかの情報隠蔽はしていると考えられるので、ボーナスとして+2を差し上げます。
レヒト:快男児いけー!
ダンテ:よーし
ダンテ:《天性のひらめき》《暗号解読》で組み合わせます。
ダンテ:C値-3
GM:で……出た
ダンテ:9dx7+2>=10
DoubleCross : (9DX7+2>=10) → 10[2,4,4,5,5,6,6,7,8]+10[6,8]+10[10]+6[6]+2 → 38 → 成功

GM:で 出鱈目
ダンテ:完璧~
ウィリアム:tuyosugi
GM:何だコイツ!?
ダンテ:ダンテの侵蝕率を4(→ 4)増加 (59 → 63)
GM:情報欺瞞が何の意味もない……ステータスが「操作」に変更されます。
カラジン:perfectに勝利~
レヒト:流石スペードのエースだぜ。
GM:では、情報が開示・更新されます。

★“ジョン・スミス”について
諜報員筋なら誰しもが用いるありふれた偽名。それが“ジョン・スミス”だ。
だが、現時点でセルビアに侵入している“ジョン・スミス”は個人ではなく群体だと認識して良い。人間は移動する際に必ず行動粉塵を発生させるが、彼の場合はそれらが多すぎる――つまり、『複数』の“ジョン・スミス”が存在するのだ。
“.45LC”はその内の一体を単独で追跡、確保したが、こちらも自爆によって証拠を隠滅された。彼の報告によると、爆発した“ジョン・スミス”の一体は「鷹」の刺青を右腕に刻印された女性であり、つい最近まで覚醒の兆候すらなかった一般人だという。
能動的に自爆のタイミングを調整することが出来る以上、確保とは別のアプローチによって“ジョン・スミス”の正体に近付くほかないだろう。
→※クライマックス時、範囲攻撃エネミーが2体→1体に減少しました。

★文書移送計画
『ナチェルターニェ』の“原本”を保護するにあたり、ベオグラード陸軍省からより安全強度の高い『UBVノーチラス』への移管が命じられた。
警戒すべきはその中途である。道中にはセルビア最古の建築である、ベオグラード要塞が立ちはだかっている――つまり、待ち伏せには最適の場所だ。
敵もそれを理解しているだろう。囮となって敵を引き付けるか、単身“原本”を持って突破するかはきみ次第だ。
→【文書移送計画】の判定が可能になりました。
〈白兵〉または〈回避〉でそれぞれ12を出せば成功となります

★ジョン・スミス”の潜伏経路
 彼の装備を密売した武器商人経由で、“ジョン・スミス”の何人かがドナウ川を渡河し、セルビアを出国しようとしていることが判明した。
その先には、川越しに国境を接するオーストリア=ハンガリー帝国が存在する。
だが、判明している“ジョン・スミス”の身元はいずれも純セルビア人であり、工作員であった痕跡もない。何者かが「刺青」によって非OVを覚醒させ、操作していると考えるのが妥当だろう。
この情報が他国に漏れた場合、“ジョン・スミス”の裏にあるものが国家だとすれば、レネゲイドの隠匿を禁ずる条約――“氷冠条約”に抵触することは疑いようがない。
→※クライマックス時、カバーリングエネミーが《電磁反応装甲》を使用しなくなりました。

■「刺青」について
カラジン・コチェタならば理解できる。
「チャタ族」という民族が現存しているのかは不明だが、少なくともそれらは、きみに力を与えている「刺青」と同一の呪術的儀式を経て刻印されている。
きみの記憶が正確であれば、報告のあった「熊」、「鷹」の他にも「梟」「太陽」「月」「アビ」――「双頭の蛇」の7つが類似のパターンとして確認されていたはずだ。
そして、「双頭の蛇」は北米大陸の民話で「舌」に例えられることが多い。

レヒト:では【文書移送計画】の判定をしましょう。白兵で。
GM:目標値は12!判定どうぞ!
レヒト:5dx+4
DoubleCross : (5DX10+4) → 8[3,4,4,5,8]+4 → 12

レヒト:成功。危ない危ない。
GM:お、ぴったり!
GM:良いですね~。では、【文書移送計画】のシーンを軽くロールしましょうか。
GM:====
GM:ベオグラード カレメグダン地区 ベオグラード要塞
GM:紀元前4世紀にケルト人によって建築されたベオグラード要塞は、ドナウ-サヴァ川の合流地に位置し、異教との戦いの要衝として名を馳せてきた。
GM:“射手鷲”との合流地点に辿り着くには、一本道のこの要塞を突破しなければならない。かつて祖国を守った砲塁が、今きみ達に牙を剥こうとしている。
クロエ:『……聞こえる? ”タナトテリステス”』
レヒト:「残念ながらな。面倒くせぇ。帰りてぇ」
クロエ:『残念だったわね。多分、敵は十中八九あんたの所に来るわよ』
クロエ:『まあ、私も囮だけど』
クロエ:”アピス”のエフェクトによって、”射手鷲”隊員の通信ネットワークは保証されている。《空の楽器》。
レヒト:「知ってるよ。ま、でも、俺に安全に慎重に物を運べって言うのもな。適材適所って事で納得はしよう」
レヒト:「壊しと火付けが得意だが、楽が出来るように他の事も覚えるかな。そろそろ」
クロエ:『ついでに敵の戦力も削ってくれたら恩の字ね。お互い生きて帰りましょ』
クロエ:『料理でも覚える? 教えてやらなくもないわよ』
クロエ:『……そろそろ作戦開始時刻ね。”キャラバン”、出るわ』
レヒト:「1日で授業が終わりそうだな、それは。おら、行ってこい」
レヒト:言いながら、こちらも獰猛に舌なめずりをする。
クロエ:『どーいう意味よ。……幸運を、死神様』蒸気自動車のエンジン音。通信が途切れる。
レヒト:「数が出てくるなら、カラジンに露払いさせた方が良いんだけどよぉ」
レヒト:「ま。暴力振るってくっか。そう言うのは嫌いじゃねえや」
追手:同時に複数の排気音。追撃だ。
レヒト:囮などと言うのは、ある程度隠密に行動し、徹底的な部分で隙を見せることが肝要である。
レヒト:最初から派手な事をすれば、それは陽動だと宣伝してるようなものだ。
追手:要塞の城壁を蒸気二輪で越え、頭上からレヒトへと猟銃の狙いを構える。
追手:高所からの射撃。放たれた弾丸に血の翼が生え、標的を追尾していた。
レヒト:自動車を運転しながら、頭上に首を向ける。射撃に纏わりついたエフェクトから相手もオーヴァードと認識する。《ワーディング》と言う選択肢はなくなった。
レヒト:車のハンドルを切って、扉で弾丸を受ける。
レヒト:そのままアクセルを踏み込む。まずは逃げに撤する。
追手:「ち」手首から流れる血をマガジンに装填し、もう一度狙いをつける。
追手:ちらりと覗いた素肌からは、「太陽」を象った刺青が紅色に発光していた。
レヒト:「銃の射程に入れる為に車の方は全力疾走だよなぁ。見晴らしの良い一本道。そこでだ」
レヒト:相手に追いつかれる速度に徐々にスピードを緩めながら、急ブレーキ。
レヒト:同時にこちらは大きなトランクをこれ見よがしに持って車から飛び降りる。
追手:追尾していた弾丸が急制動に対応できず、見当違いの方向に着弾した。
追手:同時に二輪から飛び降り、ブーツ越しに血のスケートを形成。城壁を滑り降り、レヒトを狙う。
追手:「お前は……危険だ。確実に片付ける」
追手:ぱしゃり。血の分身が体に吸収され、腕に血刃を形成する。
レヒト:「よしよし、足を捨てたな。それじゃあ、俺の方が速いって訳よ。いい子だ」
レヒト:爪先をトントンと二回ならし、猛獣のような前傾姿勢を取る。即座に相手に迫る。
追手:対応できない。咄嗟に血中の鉄分を腕に凝集させ、防御姿勢を取るが――
レヒト:レヒトはオーヴァードの中でも常の速度に極めて優れる。速度に能力を振っていない相手ならば、間違いなく先手を取れる。
レヒト:そして、極めてシンプルに速度と破壊力を結び付けていた。
レヒト:速度を乗せて相手の腕を狙う。わざわざ、そこで受けてくれるとは親切なやつだ。などと嘲笑っている。
追手:「……猛獣だな」
追手:既に貫かれている。
追手:「……早、」吐血。「すぎるぞ、お前」
レヒト:「良く言われる。知ってるか?」
レヒト:爪のように開いた手で相手の腕の肉を掴み、石畳の上に叩きつけている。
レヒト:「動物様を一番絶滅させてる猛獣は人間って言うらしいぜ」
レヒト:「誰よりも人間的って意味で良いのか?今のはよ」
追手:「……人間でいたいのか? いじらしいな」刺青が強く発光する。
追手:「お前には……力でも、単純な速さでも」
追手:「対抗できないことがわかった。だが」
追手:「次はぼくが、お前を絶滅させる番だ」
追手:全身の内側から、太陽のフレアのように血の槍が生える。
レヒト:即座に蹴り飛ばす。蹴りに伴い電光が尾を引くような軌跡を見せる。
追手:吹き飛ぶ。既に絶命していた。
レヒト:「嫌だねぇ。何人いるんだか。こいつもジョンの一人って事なら、囮の役目はやれたよな」
レヒト:「手前の乗ってたバイクは有効に使ってやるよ」
レヒト:相手の乗ってたバイクに近づき《セキュリティカット》万が一の為に発信機などを潰しておき、接収する。
GM:====
GM:???? 『UBVノーチラス』会議室
GM:『ナチェルターニェ』の”原本”を無事に回収したきみたちは、『ノーチラス』内部にて文書を保護することとなった。
GM:内通者が存在しないことを前提とする限り、”射手鷲”の本拠地こそセルビア国内で最もセキュリティの厳重な場所であるからだ。
ダンテ:「ご苦労だった。"タナトテリステス"、"キャラバン"」
ダンテ:「君たちの陽動のお陰で、原本は無事回収できた」
ダンテ:遅れて到着した二人へ、労いの言葉を向ける。
レヒト:「ダンテのそういう所は好きだぜ。ぜってー育ちが良いだろ。ありがとうよ」
クロエ:「同感ね。イギリス勤めの時は礼も皮肉で返って来たわ」
ウィリアム:「こんな覚書程度で人が死ぬことになろうとはね。」
ウィリアム:「医者という仕事が虚しく感じるよ。」
レヒト:「自殺を止めるのはカウンセラーの仕事じゃねえかな?」
カラジン:「レヒトが乱暴なのはもう仕方ないとして……ウィリアムはスマートに終わらせたってわけか?」
レヒト:「カラジンは育ちが悪いな。本人を目の前にして堂々と言うかね」
レヒト:「今回も自爆。入れ墨は太陽だったね。能力は血液使い。どうもジョンには個体差があるみたいだな」
カラジン:「そりゃ俺は嘘つかねーから……ああ? 太陽? なるほどな……」
ウィリアム:「心当たりでも?」
ウィリアム:ブランデーをグラスに注ぎながら尋ねる
カラジン:「後で話すよ。きみらもなんか掴んできてるんだろ?」
カラジン:「もし違ったら恥ずかしいからさ」
ダンテ:「珍しく慎重だな。だがおそらく、その心配は杞憂だろう」
ダンテ:「レヒトが交戦した入れ墨のオーヴァードだが、あれで最後ではない」
クロエ:「というと?」
ダンテ:「ここ数日の間に、国外から"ジョン・スミス"へ送られた暗号指令を可能な限り集めた」
ダンテ:「方法については割愛する。私以外に再現性がない説明をしても意味はないからな」
クロエ:「マジで何したのよ。誰か聞いてくれない? 私は聞く勇気ないから」
カラジン:「そりゃそうだろうよ……」
ダンテ:「結論から言うと、単独の諜報員に宛てたものとしては多すぎる。"ジョン・スミス"自体は有り触れたコードだが、指令書の内容から判断しても偶然の重複とは考えにくい」
ダンテ:「つまり、"ジョン・スミス"は個人ではなくチーム。群体として行動しているということだ」
ダンテ:「無論、チームである以上は法則が存在する。レヒトの交戦記録と、“.45LC”の報告から考えると」
ウィリアム:ダンテの話を聞きながらテーブルに地図を広げ、重し代わりにブランデーのグラスを角に置く。
レヒト:「優秀な諜報員の直感を信じて、俺もどうやってやったか聞くのはよしておくよ。直感を裏切る算段もついてないもんで」
レヒト:「ダンテの仕事は何時も確かだし、万が一ケチをつけるのはウィリアム先生の領分だろ」
クロエ:「あんたら、何だってそんなに適応が早いのよ……まあ良いわ」
レヒト:ソファに腰かけて脚を組んで地図を見る。
ダンテ:「やはり、鍵となるのは入れ墨だろう。あれが単なる自爆装置だとは考えにくい」
クロエ:「複数のオーヴァード諜報員を使い捨てって、ちょっと眩暈のするくらい贅沢な話ね」
クロエ:確認された”ジョン・スミス”の出現地点にマーキングする。
レヒト:「自爆の際に『次はぼくが、お前を絶滅させる番だ』なんて言ってたからな。最後だったら変な言い回しだしな、情報の共有はしてるんじゃねーのかな」
カラジン:「じゃあ、入れ墨について解説が必要かね?」
レヒト:「おう。頼むわ」
ウィリアム:「頼む。呪術師としての専門的な意見が欲しいね。」
クロエ:「先生が何人も居るのは頼もしい限りね。結婚したら子供は”射手鷲”に通わせようかしら」
カラジン:「ふぉっふぉっふぉ。わしの見立てによるとじゃな……そいつは精霊だ。俺の刺青と原理は同じと見て間違いない」
カラジン:「呪術師の常として、俺は俺の氏族以外の術には詳しくないけどね。そういう入れ墨の使い手は、いくつかパターンがある……」
カラジン:「俺が知る限りでは、熊、鷹。太陽。……梟、月、アビーで」
カラジン:「双頭の蛇。…………この七種の刺青を入れる術があった」
カラジン:「よその魔術結社で似たようなことしてないか、調べてみたんだが、まあ……この線で間違いないだろ」
クロエ:「……その仮定が正しいとすると、今死んでる”ジョン”は、三人か」
クロエ:地図に入れたマークを辿る。ベオグラード要塞、セルビア国立博物館、オーストリア=ハンガリー国境地点。
クロエ:一人目の「熊」はレヒト、二人目の「太陽」もレヒト、三人目の「鷹」はワイアット・アープと交戦した。
ダンテ:「同じ入れ墨が存在しないと言う保証はないが、少なくとも後4人はいる可能性があるということか」
レヒト:「クソっ、分かっていたが。カラジンがインテリだと敗北感があるぜ。無学な貧乏人は俺だけかよ」
クロエ:「拗ねないの。いつか”アピス”が貴族のカヴァーを用意してくれるかもよ」
カラジン:「いいスコアだな。あと3人くらいはレヒトに片づけてもらってもいいぜ」
ウィリアム:「そうすれば我々も楽が出来る。」
レヒト:「一人とも交戦しないでスマートに片付けるのが理想だろうがよ」
ウィリアム:「……で、だ。その”ジョン”たちの所在だが、」
ウィリアム:「ダンテが集めた暗号指令の”根”はオーストリア=ハンガリー帝国を経由、あるいはそこから来ていると見るべきだ。」
クロエ:「まあ……あちらさんとは豚戦争からこっち、仲悪いからね。在り得ない話じゃないわ」
カラジン:「仲良くしろよ、白いやつら同士」
レヒト:「ジョン・スミスなんて名前からしてアメ公じゃねえか。仲良くしてやれよカラジン」
ダンテ:「肌の色で仲良くできるのなら、君の故郷は白人の物になってはいないさ」
カラジン:「俺はアメ公じゃねえっつーの!」
ウィリアム:「どちらとも仲良くすることで利益を得る奴もいる。」
ウィリアム:「武器商人だ。」
カラジン:「武器商人ってのは、そんなに偉い連中なのかい? ずいぶん幅をきかせてるんだな」
ウィリアム:「運ぶものは武器に限らない。」
ウィリアム:「敵の脚となる蒸気二輪、敵の耳目となる情報、」
ウィリアム:「そして、敵自身の身柄も当然含まれるだろう。」
ウィリアム:「奴らはドナウ川を渡ってセルビアを出ようとしている。」
ウィリアム:セルビアの地図の北端を流れる川を指差す。
クロエ:「アリスが賢かったなら、兎ではなくまず足跡を追っただろう、か」
カラジン:「いいのかね~、そんなの」
カラジン:「いくらなんでも、派手に動かしすぎじゃないか?」
カラジン:「俺に言われてるようじゃ相当なもんだよ」
ウィリアム:「もう一つ。」
ウィリアム:「”ジョン・スミス”はいずれもセルビア人だ。工作員でも諜報員でもない。」
クロエ:「はあ?」
クロエ:「……まさか」表情が険しくなる。
ダンテ:「“.45LC”の報告とも合致するな。追跡対象に過去工作員として働いた痕跡はなかった」
ウィリアム:「”刺青”によってOV化して操っているんだよ。無辜の市民を。」
ウィリアム:「──どうだ、逃がす訳にはいかなくなったろう。」
レヒト:「あぁ、それって、あれか人形遣いか?」
ダンテ:「レヒトに対して、今際の際に『僕が絶滅させる』と言い放ったのはそう言うことか」
クロエ:「……信じらんない。クソッ」
カラジン:「無辜の市民なんてのがこの世にいるかはさておいて、この入れ墨使い野郎、俺も俺で生かしちゃおけねえなァ」
クロエ:「珍しいわね。レヒトならともかく、あんたがそういう……」
カラジン:「聖なる精霊の力を悪事に使うなど、決して許されんのじゃ! って感じでな? へへ……レヒトもそう思うだろ?」
レヒト:「そこで無辜の市民を犠牲にするなんて許せない。なんて言うのはうちのスペードのエース様だと思うがね」
カラジン:「ダンテには聞くまでもねえ。だろ?」
レヒト:「俺も気にいらねえことに関しては同感だ。趣味が悪ぃ。仕事をしくじっても自爆させりゃ本体の自分は捕まらねえ」
レヒト:「人にババを引かせて、自分はうまい汁を吸う。人生を舐めてやがる。一杯食わせてやりたくなってきた」
クロエ:「明確に”氷冠条約”違反ね。完全に私たち”射手鷲”の敵だわ」
ダンテ:「……入れ墨によって、人為的にOV能力を付与する技術」
ダンテ:「更に、それを訓練無しに一端の戦闘員として運用可能にする操作能力」
ダンテ:「強力な武器だ。そして、強力過ぎる武器は常に、条約によって規制される宿命にある。毒ガスや軍艦がそうであったようにな」
ダンテ:「ならやはり、奴らが"覚書"を狙う目的は……」
ダンテ:「"氷冠条約"の破棄」
レヒト:「ウィリアム先生の見解も同じかい?」
ウィリアム:頷いてブランデーを傾ける。
レヒト:「じゃあ、そういう事で間違いはねえな」
ウィリアム:「冠が氷で出来てるんだ。いつかは溶ける日が来る。」
ウィリアム:「だが今日じゃない。」
レヒト:「はは。確かに。ブランデーの氷もまだ溶けてないのに、溶けようなんざ順番がおかしいやな」
ウィリアム:「溶ける前に代わりの冠の一つや二つ、用意すべきさ。」
カラジン:「同感だ。死ぬのにいい日なんて、どこにもねえよ」
ダンテ:「……」私の推理だけでは不十分なのか?という目をレヒトに向ける。サングラスに隠れて周囲からは見えない。
レヒト:「顔向けるなよ。二人の意見が合致してりゃ間違いはない。ってことだって」
レヒト:視線に気づき軽く笑う。二人の能力に信頼を置いているのは確かだ。
クロエ:「……決まりね。どこの国であれ、第二のアムリゴを産むのはごめんだわ」
カラジン:「まだ、どうにかなるはずだって思うよな? やるか? 俺は一人でもやるぜ」
カラジン:「入れ墨野郎を引きずり出してやる」
クロエ:「もう冠に赤いダイヤは飾らせない。……力貸すわよ」
クロエ:「あんたも」こつん、とカラジンを小突く。
クロエ:「ただでさえ諜報員っぽくないんだから。一人で先走らないの」
クロエ:「こいつらがあんたを一人にすると思う?そんな配慮の行き届いた奴らだった?」
カラジン:「心配すんなよクロエちゃん。いくら俺がかわいいからってさ。俺は超強いから生きて帰ってくるし、みんな仕事熱心だからさ……」
カラジン:「やるだろ」
ウィリアム:返事の代わりにカラジンの前にブランデーのグラスを滑らせる。
レヒト:「3人片付けろ。とか注文つけられたしな。そもそも双頭の鷲作戦の一環だろうが、それ」
ダンテ:「一人で当たらせるのが最も効果的であるのならそうする。正義や感傷の話ではなく、適正の問題としてだ」
ダンテ:「だが、今回は違う。相手は群体であるように見せているが」
ダンテ:「実質は一人だ。真に成果を挙げるチームというものは」
ダンテ:「各々が思考し、判断する人間の集団だ。人形では勝負にならないことを教えてやらなければならない」
ダンテ:「我々なら容易いことだと確信している」
クロエ:「綺麗に纏めてくれちゃって。配慮だのなんだの、保護者気取りしたのがアホみたいじゃない」
クロエ:「あーあ。こういう奴らよね」笑って肩を竦める。
レヒト:「カラジン意気込むのは良いけどよ。ゲヴァイの事も調べなきゃなんねぇの忘れてねえよな?」
カラジン:「”ゲヴァイ”のおっさんかァ~……まあ、あんまり気は進まねえが……」
ウィリアム:「それもひっくるめて、だ。」
ウィリアム:「要は”自分も好きにするから好きにやれ”と言いたいんだろう。」
カラジン:「そう! そういうこと!」
カラジン:「好きにやるさ。結局、それが一番強い」
GM:====
GM:ロイスの取得・調達が可能です。
レヒト:ダンテさんにロイスを取るぜ。 敬意〇/隔意 です。割と尊敬に近い感情を持っている。育ち良いのに僕を見下さないしなw
カラジン:ここは、ロイスをダンテさんに。 尊敬〇/脅威 で!
レヒト:初購入はどうしようかな。
ダンテ:レヒトくんに取ります 期待○/心配 私を手本にするんだぞ
ウィリアム:カラジンさんに
ウィリアム:有能/〇不可解
ウィリアム:これで!
ウィリアム:調達は…
カラジン:腐りにくい応急手当キットを買っておこう。購入低いしね!
カラジン:2dx>=8
DoubleCross : (2DX10>=8) → 10[7,10]+9[9] → 19 → 成功

カラジン:こういうときに限って…
ダンテ:私も応急を
カラジン:GET IT
GM:高級手当キット
レヒト:私はダメもとでシューターズジャケットを狙おう
レヒト:1dx
DoubleCross : (1DX10) → 10[10]+5[5] → 15

ダンテ:4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 10[2,7,8,10]+10[10]+3[3]+2 → 25

GM:う……嘘やろ こんな出目が許されるんか
レヒト:買えたので。ウィリアム受け取って!
ダンテ:凄いの買えた
ウィリアム:ウーン、いい銃買おうかな
GM:ノーチラスにICUが増設されそう
ウィリアム:アリガトー!
カラジン:オルカ号…
ウィリアム:ショットガンスラッグ買います
ウィリアム:6dx+4
DoubleCross : (6DX10+4) → 10[1,2,6,8,10,10]+10[9,10]+1[1]+4 → 25

ウィリアム:買えた!装備!
GM:先生が武田観ウィリアムになっちまった
GM:====

【目次へ戻る】

Middle03『打鍵の証明/How to Hound』

GM:シーンプレイヤーはレヒトくん。他、登場したい方は登場浸蝕をどうぞ。
レヒト:レヒトの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (48 → 58)
カラジン:1d10+50
DoubleCross : (1D10+50) → 10[10]+50 → 60

ダンテ:ダンテの侵蝕率を1D10(→ 7)増加 (63 → 70)
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を1D10(→ 10)増加 (49 → 59)
GM:バキバキやんけ
カラジン:狙い通りボーナスをGET
ウィリアム:ウワッ
レヒト:全員高いなー。
GM:現在調査可能な項目はこちら。

・情報収集項目
済)[Contralled]★“ジョン・スミス”について 《情報:裏社会》難易度10/18
※クライマックス時、範囲攻撃エネミーが2体→1体に減少。
済)[Contralled]★“ジョン・スミス”の潜伏経路 《知覚》または《情報:射手鷲》難易度11/15
※クライマックス時、カバーリングエネミーが《電磁反応装甲》を使用しない。
★『ナチェルターニェ』について 
※「移送計画」「逃走経路の封鎖」の情報収集判定を成功させたら判定可能。
済)★文書移送計画 《運転》難易度9
★逃走経路の封鎖 《交渉》難易度10
■セルビアの現状 《知識:セルビア》難易度7
■“ゲヴァイ”について 《情報:射手鷲》難易度11/150
※情報収集の段階が「操作」に達しなくてもデメリットはなし。
済)■「刺青」について 《知識:医療》または《情報:神秘》難易度11
※カラジン・コチェタが判定する場合、達成値+2

GM:我こそは!と思う者は、各自判定をどうぞ。
カラジン:カラジンがやるとしたら セルビアの現状 かな!
レヒト:逃走経路の封鎖はウィリアム先生の領域!
GM:フリー経験点も各自活用してOKよ~
ウィリアム:じゃあ交渉行こうかな
ダンテ:どの技能来ても良いように私は控えてようかな
ウィリアム:折角だし潜伏者使おう
GM:おおっ!良いですね
レヒト:じゃあゲヴァイについて振ります。
ウィリアム:交渉で判定。達成値+5
ウィリアム:6dx+5>=10
DoubleCross : (6DX10+5>=10) → 9[4,7,7,8,9,9]+5 → 14 → 成功

ウィリアム:成功
カラジン:みごと…
ダンテ:やるな
GM:凄い めちゃくちゃ交渉している
ウィリアム:潜伏者/残り回数2回
レヒト:さすがだぜ。
レヒト:コネを使ってゲヴァイの判定します。150は出ないだろうが。
レヒト:3dx+2
DoubleCross : (3DX10+2) → 10[1,8,10]+3[3]+2 → 15

レヒト:成功。
GM:OK!「操作」には達しませんが、問題なく成功します。
カラジン:セルビアの現状 知識判定ですが、イージーエフェクト「土くれの金貨」で内務省保安局の身分証を偽造し、情報を仕入れたいと思います。ボーナスありますか?
GM:おお!良い使い方ですね……身分証も財産の一つと言えるでしょう。
GM:+2のボーナスを差し上げます。判定をどうぞ。
カラジン:やるぞ!
カラジン:4dx+2>=7
DoubleCross : (4DX10+2>=7) → 10[4,7,8,10]+6[6]+2 → 18 → 成功

カラジン:実は我々……優秀なスパイなのでは!?
GM:エリートスパイだぜ
GM:では、情報を開示します。
GM:Now loading......(蓄音機でドビュッシーを聞くウィリアム先生のSDイラスト)

■セルビアの現状
セルビア公国。東欧に位置する小国。
近隣国に組織に属さないOVを多数抱えるカソビア・OV私兵”デザートミラージュ”を設立していたクロドヴァ・元より仮想敵国であったオーストリア=ハンガリー帝国などが存在し、仮初の平和の下には、内憂外患の火種が常に燻っている。
オスマン帝国からの独立を勝ち取ったものの、二度に渡るバルカン戦争によって財政は赤字化の一途を辿る。
よって、セルビア軍の方針は“射手鷲”を利用して他国からの外貨・援助を勝ち取る“積極派”と、多額の“射手鷲”への援助を打ち切り、経済を安定化させようとする“消極派”の二派に分裂しているようだ。
“射手鷲”が今後もセルビア国内で活動していくためには、その力を彼らに向けて示す必要があるだろう。

GM:続いて”ゲヴァイ”について。

■“ゲヴァイ”について
オーストリア=ハンガリー人の篤志家。その投資額は多額に上り、“射手鷲”内部でも「優先すべき」支援者としてその名前が挙げられる。
迫害された人種・民族の人権保護を動機としており、セルビアを含め世界各地を周遊しているのもその一環としての視察活動だったようだ。
よって、彼の容疑は晴れた。だが一方で、“アピス”は、「国際問題に発展する」として、“ゲヴァイ”についての情報操作を固く禁じたのだ。……つまり彼女が示唆しているのは、彼がオーストリアの皇族に連なる人間だという事実である。

GM:最後に逃走経路の封鎖。

★逃走経路の封鎖
“ジョン・スミス”が逃亡と“ナチェルターニェ”の奪取という矛盾した行動を同時にとっているのだとすれば、むしろ彼らの間には情報を共有する機構があるのではないか、ということにきみたちは気付いてもいい。
彼らを防ぐには手早い逃走経路の封鎖が必要だろう。つまり、軍部との連携が求められる。だが、それを阻む最大の障害はゲオルギ・トドロフ――歩兵連隊の指揮権を持ち、“消極派”の筆頭として名高い第二軍管区監察官だ。
“射手鷲”が作戦を成功させるには、まず彼を説き伏せる必要がある。
→【懐柔】シーンの判定が可能になりました。
〈情報:軍事〉または〈調達〉でそれぞれ12を出せば成功となります。

GM:そして、現在残っている項目はこちらとなります。

★【懐柔】シーン(ウィリアムのみ挑戦可能)
〈情報:軍事〉または〈調達〉でそれぞれ12を出せば成功
★『ナチェルターニェ』について 《情報:軍事》12/14 
※ミドル戦闘時、エネミーは《ファンアウト》を使用しない。

GM:この2つのみ。ウィリアムさんと手番の残っているダンテさんは、それぞれ判定をどうぞ。
ウィリアム:なるほどねー
ダンテ:では私は★『ナチェルターニェ』についてを
ウィリアム:調達は財産使えます?
GM:これはシーンのフレーバー的に可能とします。【懐柔】ということなので……つまり
GM:賢いウィリアム先生なら解りますよね……フフ……
ウィリアム:なるほど、懐柔なら《竹馬の友》も効果ありますかね?
ダンテ:なんだろう。えっちな要求かな
GM:有効でない道理がありませんね。良いでしょう。+1のボーナスを差し上げます。
カラジン:催眠術だ
ウィリアム:では判定します。調達!
ウィリアム:6dx+4+1>=12
DoubleCross : (6DX10+5>=12) → 10[2,4,6,8,9,10]+6[6]+5 → 21 → 成功

ウィリアム:成功!
ダンテ:セクシー懐柔
GM:ヤダ~~~ッ 懐柔されちまった
GM:では、最後はダンテさんの判定ですね。こちらもGOGO!
ダンテ:こちらは情報収集チームを使います 財産あるし素振りしよう
ダンテ:8dx+3>=14
DoubleCross : (8DX10+3>=14) → 10[1,2,4,6,7,7,9,10]+5[5]+3 → 18 → 成功

レヒト:我々、優秀なスパイなのでは?
ダンテ:危なげなし
GM:最初からGMはお前らを信じていたぜ……ヘヘッ
GM:では、全ての情報を開示します。

★『ナチェルターニェ』について 
“アピス”が執着している『ナチェルターニェ』の“原本”からは、レネゲイドの残滓を感じ取れる。《テクスチャーチェンジ》。非OVに内容が露見しないように外見が偽造されていたのだ。
つまりそれは、レネゲイドの大拡散……“白いヴェール”事件以前に、既に『ナチェルターニェ』の作成にOVが関与したという事実を意味する。
同時に、潜伏していた“ジョン・スミス”は作戦目標を変更した。
彼もまたセルビア政府、及び“射手鷲”の動向から、『ナチェルターニェ』はOVによって制作された物品だということを見抜き、その事実を彼の背後にある勢力に伝達しようとしている。
→★トリガーシーン【“ジョン・スミス”追走】が解放されました。

GM:以上です。では、最初に軽くウィリアム先生と軍の交渉シーンからやっていきましょう。
GM:====
GM:べオグラード スカダルリヤ地区 セルビア陸軍省
GM:二度に渡るバルカン戦争を戦い抜いたセルビアという国は、しかし急激な財政の欠乏に見舞われていた。
GM:戦勝国と言えども、既に窮乏したオスマン帝国、及び小国のブルガリアが相手では、
GM:賠償金によってその赤字を埋め合わせることも叶わなかったのだ。
GM:結果として、多額の予算を受給している”射手鷲”に対して敵意をむき出しにするものも居る。
GM:第二軍官区将軍、ゲオルギ・トドロフ。彼もまた、そういった”消極派”の重鎮の1人だった。
ゲオルギ・トドロフ:「断じて認められん」
ウィリアム:「何もそう邪険にしなくとも。」
ゲオルギ・トドロフ:銃弾の跡も生々しいデスクにふんぞり返り、高慢な態度で鼻を鳴らす大男。
ゲオルギ・トドロフ:「貴様ら”射手鷲”の連中に幾ら我々が投資しているか知っているか!?何なのだあの”アピス”とかいう小娘は!」
ゲオルギ・トドロフ:「お陰で私は娘にバレエ・リュスを見せに行くのが年に一度になってしまったのだぞ」
ゲオルギ・トドロフ:「その上兵を動かせなどと、認められるか」
ウィリアム:とんとん、と組んだ膝の上で指を叩く
ウィリアム:「何もただで兵を動かしてもらおうなどとは言いません。」
ゲオルギ・トドロフ:「何だとお……」
ウィリアム:「将軍。どうやら軍の予算は我々だけに流れているわけではなさそうですな。」
ゲオルギ・トドロフ:「なァ~~~~にが言いたい若造」
ウィリアム:数枚の書類をゲオルギに見せる。
ウィリアム:「ただでさえ少ない軍の予算が将軍のご家族の旅行費や遊行費になっている件。」
ゲオルギ・トドロフ:「ヴ」
ウィリアム:「それとこれは……おっと、ご夫人以外の女性との交際費も…」
ゲオルギ・トドロフ:「ア”ア”~~~ッ!貴様!」
ゲオルギ・トドロフ:「こここここここのような事実無根な情報を一体どこから」
ウィリアム:「さあ? しかし、」
ウィリアム:「医者として一言申し上げておくならば、このような膿は真っ先に切除すべきですな。」
ウィリアム:「それか…自浄することに期待するか。 どちらがよろしいと思います?」
ゲオルギ・トドロフ:「き……汚いぞ!カリマンツ会戦の英雄であるこの私に!」
ゲオルギ・トドロフ:「ググ……ググ……」
ゲオルギ・トドロフ:「し……仕方がないだろう……私の子供らは戦火しか知らんのだ」うなだれる。
ウィリアム:「作戦の成功の暁には将軍の働きが大きかったと上層部にお伝え申し上げます。」
ゲオルギ・トドロフ:軍を動員する指令に、判子を捺印しながら言う。
ゲオルギ・トドロフ:「……貴様、名前は」
ウィリアム:「ウィリアム。」
ウィリアム:「ウィリアム・ジェイコブスと申します。」
ゲオルギ・トドロフ:「覚えておくぞ……我が終生不倶戴天の敵としてなァ……」ギリギリ歯ぎしりをしながら。
ゲオルギ・トドロフ:「もう行け」
ゲオルギ・トドロフ:椅子をくるりと回す。
ウィリアム:「最後に一つ。」
ウィリアム:「愛人とは別れた方がよろしいかと。」
ウィリアム:「彼女は私の患者です…梅毒の。」
ゲオルギ・トドロフ:赤い顔がみるみる青く染まる。
ウィリアム:「体調に変化があればいつでもご連絡を。」医師としての名刺を置く。
ゲオルギ・トドロフ:「覚えておくぞ……私の主治医としてなァ……!」椅子を回して名刺を引っ掴んだ。
ウィリアム:にこりと笑って席を立つ。
GM:====
GM:???? UBVノーチラス 娯楽室
GM:ウィリアムの交渉後、ゲオルギは軍事演習というカヴァーを用いて速やかに兵を動員した。
GM:これで”ジョン・スミス”の逃走経路に対して”網”を張れただろう。彼らがワーディングの前に昏倒する非OVであったとしても、
GM:網が破れれば、そこには痕跡が現れる。
GM:銃後を整えたきみたちは、情報を再度共有するため、再び『ノーチラス』に集合していた。
”アピス”:「集まったか」ビリヤード台の傍に立つ面々を見る。
”アピス”:娯楽室は禁煙のため、棒付きのネグロと呼ばれる喉飴を転がしていた。
カラジン:「あ。だいたい片付いたって感じ?」 早めに情報収集が終わったので、ソファに転がってパイプを吸っていた。
ウィリアム:「将軍に喧嘩を売る羽目になるとはね。」
ウィリアム:医療鞄を机に置いてどかりと椅子に深く腰掛ける
レヒト:「でもウィリアムの事だ。言葉と書類と診察だろ?俺なら殴ってハンコ押させてたね」
カラジン:「レヒト、きみは物理的な手段に頼りすぎる……もっと心を開いて、通じ合わなきゃ」
ウィリアム:「カリマンツ会戦の英雄にそんなことが出来るか。」
ウィリアム:「私を殺す気か?」
カラジン:「ウィリアムだって、オープンなマインドで絆を結び、友情で話を聞いてきたんだろ?」
ウィリアム:「言葉と書類と診察だよ。」
”アピス”:「”穏当”な手段に感謝する。あれは非OV戦闘においては有用な男だ」
レヒト:「カラジン、それ皮肉で言ってるんじゃなかったら、酔っ払ってるのかよ?」
カラジン:「そんなわけないだろ。ウィリアムだってたまには……」
カラジン:「たまには、は滅多にないから大穴なんだよな」
レヒト:「ギャンブルはやめとけ。あれは確率で見ると胴元が勝つように出来てんだよ」
ウィリアム:「レヒト。君のカルテには”率直”と”短気”の文字がふさわしいな。」
レヒト:「おう!良い薬があるなら処方を頼むぜ。金出さねーけど!あ。治験って金貰えたりする?」
レヒト:ソファの上で胡坐をかきながら、割と真面目に金の事を考え。
ダンテ:「やめておけ。短期が治っても皮肉癖が感染っては元も子もない」
カラジン:「ハハハ! 感染性かよ」
ダンテ:いつものように、他の面々に遅れて部屋に入る
”アピス”:「”射手鷲”の給与体系について見直す必要があるなら私に直接談判したまえ……来たか、”アクィリフェル”」
レヒト:「ははは。薬の副作用の方が怖いね、そりゃ」
レヒト:「あー、でも俺はオーストリアの皇族じゃねえから、何時だって金が欲しいや」
ウィリアム:「ダンテが来たんだ。会議を始めてくれ。」
”アピス”:「後2分30秒遅れたら”キャラバン”に捜索に行かせる所だった」
”アピス”:言いながら、ウィリアムの言葉に頷く。
”アピス”:「”ゲヴァイ”を調べたか、”タナトテリステス”」
カラジン:「実は某国のスパイだった……とかでも驚かないよ」
レヒト:「おうよ。金持ちの人権運動家だよな。志だけは昔の俺と一緒だ。容疑者からは外して良い。つーか」
レヒト:「なぁアピス。これ情報操作もやばくない?」
”アピス”:「踏み留まるのが妥当だ」ガリ、とネグロを噛み砕く。
”アピス”:「オーストリア=ハンガリーは常に侵攻の機会を伺っている」
”アピス”:「皇族への名誉棄損は、正当な侵略の名分として国内に支持されるだろう。賢明な判断だ」
”アピス”:「”ゲヴァイ”の保護にあたり、情報操作は行えない、ということでもある」
レヒト:「つまり、あのおっさんの扱いは真っ当な外交の仕事で、俺達がどうこうする事じゃねえよ」
レヒト:「スポンサーの裏が取れたって事で、俺はこんなとこだね」
カラジン:「皇族? マジか?」
”アピス”:頷く。「その為にウィリアムが交渉に赴いた。後はゲオルギ将軍に任せるのが筋だろう」
ウィリアム:「………。」
ウィリアム:指を顎に当てて考え込む
ウィリアム:「カラジン。」
ウィリアム:「”ゲヴァイ”の奥方の名は確か、ゾフィーだったか?」
カラジン:「ああ。そう呼んでたね」
ウィリアム:「……………そうか。」
ウィリアム:「すまない、続けてくれ。」
ダンテ:「やれやれ。いつもの悪い癖か」ウィリアムを横目に
ウィリアム:「確証がない情報を口にしたくないだけだ。」ダンテに
ダンテ:「その台詞は小説に毒されすぎだ」嘆息する。
レヒト:「本当に重要だったら、喋るんだから、いいんじゃねえの。ウィリアムの思わせぶり仕草もよ」
カラジン:「なんだよ。瀕死の病人見たみたいな顔するなよ……。いや、ただでさえこの国、ヤバい状況なんだからね」
カラジン:「はっきり言って、外も内も敵だらけだ」
カラジン:「戦争を何度もやってるから赤字だらけ。いわゆる”積極派”と”消極派”で綱引き状態……」
カラジン:「積極派が鍵だな。俺らに賭け金を積ませないと、ここでの稼ぎがなくなる……だけじゃない」
カラジン:「敵だらけの状況で内政固めなんてできるわけないんだからな」
カラジン:「……俺が保安局で仕入れたのは、そんな感じの状況整理だよ」
レヒト:「戦争は勝ち馬に乗らねえと景気良くなんねえしな。もしかして今は泥沼?」
ウィリアム:「泥に腰まで浸かってる。」
カラジン:「溺れて死ぬ前になんとかしたいところだ。その焦点は……」
カラジン:「ナチェルターニェ。どういう代物なんだ? ただの紙の束じゃないんだろ」
”アピス”:「――ダンテ」
”アピス”:「……”アクィリフェル”だな。失礼」
ダンテ:「どちらでも良い」
ダンテ:「暗号は、知らない者がその場にいて初めて意味を持つ」
ダンテ:「互いの素性を知っているこの場においては、意識付け以外の意味はない」
ダンテ:「そして、我々はそのような自己催眠に左右されることはない。つまり、好みの問題ということだ」
”アピス”:「……そうだな。私は、きみを知っている」僅かに目を細める。新しい飴を取り出す。
ダンテ:「本題に入ろうか。"ナチェルターニェ"がどのようなものかだが」
ダンテ:「ただの紙の束であることには間違いない」
ダンテ:「少なくとも、普通の人間にとってはな」
ダンテ:テーブルに"原本"の写しの一部を拡げる。
”アピス”:「……」
ダンテ:書かれた文字の上に指を沿わせると、文字の並びが組み変わり、別の文章を形作る。
レヒト:「お。変わった。ダミーの表紙?」
ダンテ:「解析に回した原本から、微量のレネゲイド反応が検出された」
カラジン:「手品でもできないことはないけど、やっぱりこういう能力を使ったんだな」
ダンテ:「これは、その痕跡を元に解析班が再現したものだ」
ウィリアム:「”ナチェルターニェ”はOVが現れ始めた1909年より前の書類のはずだ。」
”アピス”:「”白いヴェール”事件だな」
ダンテ:やがて、文字のインクが揮発し、書類は白紙の紙束となる。
ダンテ:「ああ。”ナチェルターニェ”が綴られたのは1840年代。それは間違いない」
ダンテ:「そして、この書物にレネゲイドによる偽装が施されていることも事実」
レヒト:「それより前にオーヴァードがいた。さらに言えば、そいつらが実は歴史を操っていたのかもな」
レヒト:「陰謀系って言うのか?流行りそうな気がすんだよな、こういうの」
カラジン:「いるところにはいるんだな。俺のいた大陸じゃ、でかい斧持った自称・吸血鬼狩りの男と会ったぜ。吸血鬼も大昔からいるんだとさ」
”アピス”:「闇の血族ダークワンか……彼らにも機会があれば接触したいが」
ウィリアム:「なら、私を捕まえたロンドンの探偵もそうだな。」くくと笑いながら。
レヒト:「サンジェルマン伯爵とか関与してんじゃねえだろうな?ともかく、それが露見したら……金にはなるな」
カラジン:「俺たちみたいなやつが作った本。他にどんな仕掛けがあるかわかんねえ。だから狙われてるってわけか」
ダンテ:「オーヴァードそのものは、"白いヴェール"事件の以前から僅かながら存在していたことは知られている」
”アピス”:「『ナチェルターニェ』の解析には時間を要する」
”アピス”:「セルビア政府が提示してきた”報酬”は、どの道後払いにならざるを得なかった」
”アピス”:「だから彼らは素性定かならぬ我々に、”原本”の保護を依頼してきた。そういうことだろう」

→次回Task.1より、情報項目「『ナチェルターニェ』の解析 lv.1」が解放されました。

ダンテ:「"ナチェルターニェ"が、本来どのような目的で書かれたかは、最早問題ではない」
ダンテ:「問題は、今、オーヴァードが世界中で暗躍するこの時代に」
ダンテ:「オーヴァードによる予言書とも言える内容の書物が公表されることだ」
ダンテ:「仮にこれが、純粋に未来への警鐘として書かれた物だったとしても」
ダンテ:「レヒトの言うように、陰謀に結びつけることは簡単にできる。それは、氷冠条約そのものへの不信を生むだろう」
”アピス”:「当該文書は私達にとって、墓鐘とも福音とも成り得る」
”アピス”:「……オーヴァードの為だ。守り通す必要がある」
”アピス”:「将来生まれ得る差別を、戦乱を、摘むための任務だ」
レヒト:「なぁダンテ、この事にジョン野郎は気づいてると思うか?」
ダンテ:「気付いているだろうな」
ダンテ:「厳密に言えば、気付いた。か」
カラジン:「気づいてるとしたら、矛盾する二つの動きをしてるのが気になるね。俺たちから奪おうとしながら、逃げようともしている」
カラジン:「逃げるのはなんでだ? どこかに逃げ込めば状況が好転するって?」
ダンテ:「寧ろ、作戦目標を変更したと考えるべきだろう」
ウィリアム:「”ナチェルターニェ”奪還から情報の持ち帰りにシフトしたということか。」
ダンテ:「ああ。"ナチェルターニェ"の実情を知り、単独での任務遂行は困難と判断。本隊への報告、支援を受けての仕切り直し……諦めの良さは優秀なスパイの証だ」
カラジン:「げーっ。めんどうくせえ」
”アピス”:「強敵だな」
ウィリアム:ダンテと同時にほぼ同じ内容を言ってしまい、眉をしかめる
レヒト:「二人の意見が一致したなら、それで当たりだな」
レヒト:「いや面倒じゃねえよカラジン。ジョン野郎を殴れば全部解決しねえか?」
カラジン:「はい出た! それ! それだよレヒトくん!」
ダンテ:「そうだな。奴が"ナチェルターニェ"の奪取を諦め逃げに徹するのなら」
ダンテ:「我々も、狩りに全力を投じることができる」
カラジン:「その考え! 魂が獣に近づいている! ここは頭を使った華麗な作戦で……、え」
カラジン:「……結局それやるの?」
”アピス”:「……私が”ジョン・スミス”なら、こう考える」
”アピス”:「”ゲヴァイ”に罪を着せる」
ウィリアム:「私の予想が正しければ、」
ウィリアム:「”ゲヴァイ”は罪をかぶせるにうってつけの人間だ。」
ウィリアム:「敵から見ればな。」
カラジン:「”ジョン・スミス”を一人でも国外に逃がしたら、援軍が来る」
カラジン:「その前に全員やっつけなきゃな。つまり、要するに、戦略級天才呪術師カラジン様が働かなきゃってわけだ」
”アピス”:「……そう言うことだ。仮に彼が皇族だとして、わざわざ外様である我々に警護を依頼したのは何故だ?」
”アピス”:「わざわざ政情不安状態のセルビアへ渡航を黙認する理由は?」
”アピス”:「結論は一つ。彼は”餌”だ……本来ならば、本国に利用されるはずだった」
”アピス”:「故に君たちが動く必要がある」
レヒト:「成程な。こう言う擦りつけが頭を使った華麗な作戦って訳だ。ああ、だが結果的に俺が二人喰ったのは良かったかもな」
レヒト:「ジョンは妨害勢力つまり俺達の品定めもしてたんだろうが。俺の力しか見てない訳だ。こちらの手札を見ないで勝負をかけなきゃならん」
レヒト:「やっぱ物事は複雑な知略戦張っても限界はある。単純に素早く、なおも単純に。相手の戦略を裏切る事だな」
ダンテ:「悪くない心構えだ」
”アピス”:「……君をシンジケートから抜擢したのは正解だったようだな、”タナトテリステス”」
レヒト:「だっろー。褒めろ褒めろ。死神2号を。いい気になってやる。そう言う時の俺は強いしな」
”アピス”:「”キャラバン”も鼻が高いだろう」
カラジン:「じゃ、やることは……守りを固めるんじゃなくて、こっちから狙いに行くわけか」
ウィリアム:医療鞄からシリンジや薬箱に入った部品を組み立てる。
ウィリアム:出来上がったのは一丁の銃だ。
ウィリアム:「スマートなスパイは、銃弾なしで物事を解決するものだがね。」
ウィリアム:「そうも言ってられないか。」
レヒト:「患者が聞かん坊なら強引な手術もやるのが名医って事だよ。ほらロンドンの探偵だって、なんか怪しげな武術やってたんだろ?」
レヒト:頭脳労働者気取ってる奴なんてそんなもんだぜ。と言わんばかりの態度。
ダンテ:「諜報員と兵隊の戦術上の最大の違いは、その間合いにある」
ダンテ:「我々の戦いは、常に互いの喉元にナイフを、眉間に銃口を突きつけあった状態から始まる。後はどの様に手札を切るかだ」
レヒト:「入れ墨とはカラジンも因縁ありそうだしな。話がシンプルになってきたぜ」
ウィリアム:「君向けでいいじゃないか。存分に頼らせてもらうよ。」
カラジン:「……ただでさえ俺たちは、いろんな紐で自分を縛りたがるんだ……」
カラジン:「たまには一つくらい切り落とす機会がないとな」
”アピス”:「……決まったようだな」
”アピス”:四人を見る。
”アピス”:「解析不能、異常出力の呪術工兵シャーマン」カラジンに。
”アピス”:「最速、追跡不能の破壊工作員トゥームレイダー」レヒトに。
”アピス”:「あらゆる人脈を活路とする援護工作員アンダーカヴァー」ウィリアムに。
”アピス”:「……そして」僅かに目を伏せる。
”アピス”:「失敗しない諜報員エスピオナージ」ダンテに。
”アピス”:「君たちは鷲だ。縛るもの無き空の王者だ」
”アピス”:「それを、無銘の案山子に教えてやれ」
GM:====
GM:シーン終了。ロイスの取得と調達が可能です。
カラジン:クライマックスでもしかしたら誰か出てくるかもしれないので開けておいて……
ダンテ:私も保留しとこう
ウィリアム:ロイス開けておきます
ウィリアム:調達はどうしましょう
ウィリアム:何かいる人!
レヒト:ダンテちゃん武器なに使う?
レヒト:ストライクハーケン持ってた
ダンテ:ストライクハーケンは遠近両用だからこれあれば大丈夫だけど
ダンテ:あえてサブに持つならロケットランチャーとかかな?
ウィリアム:照準器と強化素材でストライクハーケン+2にする?
カラジン:ブルーゲイル買っておくか
ダンテ:白兵/射撃だとそれもできるのか
カラジン:カラジンとよくマッチするかも。難易度20!
カラジン:3dx>=20
DoubleCross : (3DX10>=20) → 9[2,4,9] → 9 → 失敗

カラジン:ぜんぜんだめなので普通に失敗
ウィリアム:じゃあブルーゲイル!
GM:クレジット全部使っても届かないニャンね
ウィリアム:6dx+4>=20
DoubleCross : (6DX10+4>=20) → 9[1,1,1,2,9,9]+4 → 13 → 失敗

ダンテ:そうだクレジットもある
ウィリアム:ウーン、スルーしておくか…
レヒト:僕はボディアーマーにチャレンジ
ウィリアム:追加情報もあるかもしれないし
ダンテ:じゃあ私が買ってみようか
レヒト:1dx
DoubleCross : (1DX10) → 8[8] → 8

レヒト:うーん。金つかって買おう。
レヒト:財産4消費残り2
ダンテ:貧しい仲間のためにヤクを買う…これは快男児的行動だと思いますがどうですかGM!
レヒト:これをダンテさんかカラジン君どっちか使いたまえ
カラジン:ダンテの兄ィ!
GM:ほ……本当かなァ~~~
GM:でも確かに……雪の日に忍者に追われた仲間を逃がした過去があったかも知れないし……
GM:良いでしょう。ダイスをプラスしなさい!
ダンテ:よっしゃ~!
カラジン:どっちかというとダンテさんが持ってた方がいいかも ハーケンのガード値あるし
カラジン:”侠”だw
ダンテ:あっじゃあもらおうかな
ダンテ:代わりにワシがブルゲ買ったるけん
ダンテ:7dx+2>=20
DoubleCross : (7DX10+2>=20) → 10[3,3,4,6,6,8,10]+4[4]+2 → 16 → 失敗

ダンテ:おっいい感じ
GM:回ってる!
ダンテ:財産4払って買います
GM:OK!
ダンテ:これでうまいもんでも食いな、カラ坊
ウィリアム:すごいぜ快男児
カラジン:いただきます!
GM:====

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Interlude1-A『翼折れるとも/No Time to Die』

GM:???? 『UBVノーチラス』 食堂
GM:兵站はあらゆる戦争において勝敗を左右しうる要因となる。
GM:多国籍で編成される”射手鷲”には、潜水艦という閉鎖空間でのストレス値を軽減すべく、
GM:各国の民族食料、特殊なメニューが可能な限り提供されていた。
カラジン:「セルビアに来て、唯一&最高に美味かったのがコレだな……」 素手でよく揚がったシュニッツェルを摘まみ上げる。
カラジン:「これ考えたやつ頭よすぎじゃない? 薄くてサクサクしててさあ……ヨーロッパにも精霊に導かれし者はいるようだな」
ダンテ:「栄養効率としては悪くないな。少々脂が多いのは難点だが」
ダンテ:カラジンの向かいの席に座り、小鉢をかき混ぜている。
カラジン:「栄養効率考えてメシ食わねえって。ダンテこそ何喰ってるんだよ、それ」
カラジン:「漢方の薬草でも煎じてんのか? センドー?」
ダンテ:手に持っているのは、東アジアで使われる二本の細長い棒、箸。
ダンテ:目の前に置かれている椀には、炊きたての五穀米が盛られている。
ダンテ:そして、先程から糸を引きながらかき混ぜられている小鉢の中身は
ダンテ:「納豆だ」
カラジン:「!」
カラジン:「の、呪われてる! そんな豆食ったら死ぬぞ!」
カラジン:「やめとけ。俺が見たところ、その豆はもはや新鮮ではない……!」
カラジン:「くそっ、兵站部! 責任者を問い詰めるぞ、こんなもん食わせようとしやがって」
ダンテ:「……推察の通り、納豆は大豆を発酵させた食品だが」
ダンテ:「携行性と保存性に優れた完全栄養食だ。断じて呪われてはいない」
カラジン:「発酵ォ~~~~~?」
カラジン:「チーズと似たようなもんだって言いたいのか、そのドロドロした豆が!」
ダンテ:ご飯の上にゆっくりと納豆を垂らしていく。
ダンテ:「その通り、チーズやヨーグルトと原理は同じだ」
ダンテ:「私からすれば、あんなカビの生えた食物を口に入れる人間の方が気が知れん」
カラジン:「ダンテ……俺はあんたのことを、”射手鷲”で一番諜報員らしい諜報員だと思ってる……だから言わせてもらうが」
カラジン:「俺を騙そうとしてないよな???」
カラジン:「情報操作してる???」
ダンテ:「その土地の文化にとっては常識であっても、外から見れば神秘そのものとしか思えない事例は山ほどある」
ダンテ:「カラジン、君の故郷の文化と同じようにな」
ダンテ:「つまり、真実だ」
カラジン:「そうかね? 俺から見りゃ、あんたは最大級の神秘だね。こんな危ない仕事を、延々と続けてる……」
カラジン:「”失敗しない男”って呼ばれるようになるには、それ相応の場数を踏んでなきゃならねえし、普通はそんな場数踏もうとも思わねえ」
カラジン:「仕事やめて楽しく穏やかに暮らす準備くらい、できてるんじゃないか?」
ダンテ:「続けていると言っても、たかだか10年程度に過ぎん。私より余程超人じみた、不死身としか言えないような連中はいくらでもいる」
ダンテ:「それに、この仕事は性に合っている」
ダンテ:「必要とされる限りは続けるさ」
カラジン:「性に合ってるってのは、この……次の瞬間には死んでるかもしれないって仕事が? いつ誰に裏切られるかもわかんない仕事が?」
カラジン:「スリルを感じる興奮で頭をやられちまったやつもいた。あんたもそうなのか?」
カラジン:「俺が出くわした、ソーヤーとフィンって二人は、完全にそのクチだった。スリルの興奮がなきゃ生きていけないってな」
ダンテ:「気の毒な話だな」ガツガツと納豆ご飯をかき込む。醤油の香りに混じって、納豆特有の芳醇な香りが漂ってくる。
ダンテ:「生憎私は、任務にスリルを求めたことはない」
カラジン:「じゃあ、何を?」
ダンテ:「特に何も。日々の食事と同じ様に、適切な分量を、適切なタイミングでこなす」
ダンテ:「そうすることで、世界もまた適切に回っていく」
ダンテ:「私は求めない。求められた任務を遂行するのがスパイの役割だ」
カラジン:「おいおい……それじゃあ何だ? あんた、世界を守るために、命をかけてるってのか?」
ダンテ:「フッ……冗談はよせ」珍しく表情が綻ぶ
ダンテ:「スパイなんてものは、所詮日の当たらない社会の裏側だ。世界の行く末を決められるのは」
ダンテ:「日々を真っ当に生きている無辜の民達だ。そうでなくてはならない」
カラジン:「……無辜の民なんてのがこの世にいるのか、俺には何も言えねえ。でも、そういうことか」
カラジン:「あんた、やっぱりどうかしてんな? そういうやつのことを、世の中ではさ……」
カラジン:「……いや、なんも思いつかねえ。あんたスパイだよ。筋金入りの。そのために死んでもいいってのか?」
ダンテ:「死んで良い日などない」
ダンテ:「だがそれでも……やむを得ず死んでしまうのなら仕方ない」
ダンテ:「そういった存在があるとしたら、スパイはその代表例だろうな」
カラジン:「なんで俺があんたのことを怖いと感じたのか、いまわかった……」
カラジン:「普通はそこまで割り切れねえよ」
カラジン:「ドクター・ウィリアムの気持ちが少しわかるね」
ダンテ:「……なぜそこで奴の名前が出てくる」憮然として
ダンテ:「他人事ではないぞ。君もまた、そのような世界にいる」
ダンテ:「進んで死ぬ必要はないが、仮に明日死ぬとしたら」
ダンテ:「何と引き換えにするか、考えて置いて損はない」
カラジン:「お、おい! 俺をあんたやウィリアムやレヒトみたいな面白ニンゲンと一緒にするな。俺にはちゃんと目的があるんだよ」
カラジン:「レヒトも口じゃ金が目的だって言ってるけどな、……まあいいや。本人に聞かれたら面倒だ。俺は別! 目的と手段が逆転したりしてない!」
ダンテ:「なら聞いておこうか。その目的とやらを」
ダンテ:「そういったものは、できるだけ共有した方がいい。いざという時の不確定要素を減らすためにもな」
カラジン:「土地だよ。金もらって、でかい土地を買う」
カラジン:「あんたら白いやつらが始めたゲームだ。そのゲームのルールで、俺は俺の目的を果たす」
カラジン:「おお~~~きな土地がいい。未来永劫、誰にも土足で踏み込まれないような」
カラジン:「普通だろ?」
ダンテ:「普通に生きるのが一番難しい」口元を綻ばせて
ダンテ:「忠告するが、大きければ大きいほど、守りきるのは難しくなるぞ」
ダンテ:「幼い頃、天津に居たことがある。清国の領土がもっと小さければ、あの街はああはなっていなかっただろう」
カラジン:「かもな。だから金がいるんだよ。きっちりその分の金さえ稼ぎきれば――」
カラジン:「広い大地のどこかで、空飛ぶコンドルでも見送って過ごす。……引き際だよ、東の方の国家にしても、人間にしても」
カラジン:「間違えると足抜けできない。そう思わない?」
ダンテ:「ああ、そうだな」
ダンテ:「間違える度に、そいつの肩には間違えた責任がのしかかる」
ダンテ:「そしてやがては、正解を選ぶことすらできなくなる」
カラジン:「いま、この道がすでに間違ってる可能性もあるね」 最後の一切れを食べ終えて、ワインを一息に飲む。
カラジン:「取り返しのつかない、世界的な破滅への道を歩いている。そんな可能性もあるかもな」
ダンテ:「かも知れないな」殻になった椀を置いて。
ダンテ:「今進んでいる道が、底のない泥濘であったとして」
ダンテ:「人は歩みを止めることは出来ない。沈まないためには、歩き続けるしかない」
ダンテ:「仮に馬であったとしても同じことだな。だが」
ダンテ:「鷲は飛べる」
カラジン:「へへ」
カラジン:「ははははははははは! 地に足がついてねえやつの台詞だな! でも、そうか。そうだね」
カラジン:「現実なんて知るか。俺たちはオーヴァードだ。……覚えとくよ、あんたのこと」
カラジン:「この後、何がどうなろうともね」
ダンテ:「私も、そうしよう」
ダンテ:「きっと君とは、短い付き合いになるだろうからな」
カラジン:「さあ、それはどうかな」
カラジン:「日本とアメリカ。長い付き合いになるかもしれないぜ」
ダンテ:「君の精霊がそう言っているのか?」
カラジン:「俺の願望。せめて戦うことにならなきゃいい。いまはそう思う」 空になったグラスを掲げる。
ダンテ:「そこに異論はない。先ずそれには」食堂の奥のスタッフに向けて手を挙げる。
ダンテ:少しして、お代わりの納豆とご飯が運ばれてくる。
カラジン:「……まだ食べるの? それ?」
ダンテ:「納豆は完全栄養食だ。いくら食べても問題ない」
ダンテ:ねちゃねちゃと納豆をかき混ぜて、カラジンへ向ける。「そして、相互理解の機会は多い方が良い」
ダンテ:「食わず嫌いは良くないぞ。カラジン」
カラジン:「……」 細長いため息をついて、皿を掲げる。 「呪いの豆で俺を殺せると考えてるなら、大間違いだ」
カラジン:「やってやる! 来な!」
GM:====

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Interlude1-B『駒の行方/To the Player』

GM:???? 『UBVノーチラス』 娯楽室
GM:『UBVノーチラス』の娯楽室もまた、諜報員たちのストレス値を低減するための重要なファクターだ。
GM:食堂から酒類を持ち込むことも許可されており、休暇中は娯楽室でビリヤードやダーツに耽る者も数多い。
GM:特に”トンボラ”は娯楽室の常連であり、部屋には彼女の置いて行った数々のボードゲームがトロフィーのように並んでいる。
ウィリアム:キューの先にチョークを塗りつけている。
レヒト:「ナインボールルールで良いか?」キューを扱う姿は様になっている。最も外見だけ見れば貴族的な男なのだが。
ウィリアム:「ああ、いいとも。」
ウィリアム:「お先にどうぞ。」
レヒト:「へっ。賭けビリヤードで鍛えた俺に先行渡していいんかよ?」
レヒト:端正すぎる顔を崩して獰猛に笑う。
レヒト:「余裕こいてると痛い目見るぜ先生」
ウィリアム:「実際余裕だからだよ。」
ウィリアム:片頬を歪めて微笑む。
レヒト:「お。言うねぇ。やる気が出てきた!」そう言って綺麗な姿勢から繰り出されたブレイクショットは、3つをポケットに入れる。
ウィリアム:そう言ってサンドイッチを食べる。
ウィリアム:「君は食べなくても良かったのかね?」
ウィリアム:「食堂組についていくか、私のようにサンドイッチでも頼めばよかったものを。」
レヒト:「2番を当てて4番をサイドポケットに……仕事の前だしな。遊びは良いけど、飯はやめとく」
レヒト:「腹が溜まってると速く走れねえよ。あ、くそ、女神のキスに嫌われたか」
レヒト:舌打ちして場を譲る。
ウィリアム:サンドイッチを食べ終わり、キューを握る。
ウィリアム:「11番をコーナーポケットに。」
レヒト:「そっちの番だけどよ。先生はそういや名探偵に負けてこっち来たって言うけど、なに?マジで国にいられなくなったわけ」
ウィリアム:白球を突き、的確に11番のボールを射抜く。
ウィリアム:11番はそのままポケットへ。
ウィリアム:「ショットの前に話しかけるのはマナー違反だよ。」
ウィリアム:「……逆だ。」
ウィリアム:「国にいたければスパイになれと言われた。」
ウィリアム:「14番をサイドポケットに。」
レヒト:「お行儀の良いやり方だ。こちとら酒飲みながらやるもんだったからよ。悪いね」
レヒト:「つまりスパイになんぞなりたくなかった?」
ウィリアム:白球を突き、壁に当てながら14番のボールをポケットに押し込む。
ウィリアム:「誰が好き好んでこんな仕事をやるかね。」
レヒト:「今やってんじゃん。しかも、他人の国でよ」
ウィリアム:ため息を吐く。
ウィリアム:「責任は重い、自由は無い、精神衛生によくない…」
ウィリアム:「この能力で楽して暮らせた未来もあったはずなのだが…」
ウィリアム:「9番をサイドポケットに。」
レヒト:「しかも人を疑うのがお仕事だ。今こうやって話してる人間もってな」
ウィリアム:白球を突く。9番のボールに当てるが…
レヒト:「あっ。くそ。このおっさん。遊びが全然ねえ。でも実際、意外だよな」
ウィリアム:ポケットの縁に弾かれる。
ウィリアム:「上手くいかないものだよ。」
レヒト:「そう。俺も外れるとは思わなかった。今の玉も、あんたの人生も」
レヒト:キューをくるりと回しながら言う。
ウィリアム:不機嫌そうに椅子に座る。
レヒト:「あんたは俺の知ってる中で一番頭の出来が良い、次点はダンテな。何が最適で、何が無駄かを良く知ってる」
レヒト:「楽して暮らせた未来を、掴まない。なんてマジであり得るのか?」
ウィリアム:「実例を見ても信用できないのか?」
レヒト:「9番をサイドポケットに。俺はこうやって頭の良い人間のおこぼれを預かる訳だが」
レヒト:スコーンと快音を立てて9番ボールはポケットに。
レヒト:「信用できるかって言うとな。あまりに都合が良すぎて騙されてる気分になるよ」
レヒト:「だから、興味はあるね。あんたを神聖視してる訳でもねぇが。なんでだろうな?ってな」
レヒト:「アピスあたりは知ってそうだがよ。あ。しまった、そう言う賭けにしときゃ良かったわな」
ウィリアム:「フ。」
ウィリアム:「楽して暮らせた未来を掴まない理由か。」
レヒト:自分の目から見ると、目の前の医者は、全てに恵まれた人間だ。頭が良く教養があり、専門医療技術に加えて修羅場もこなす。
レヒト:望めば全てを労せずに手に入る。そう思う。国を追われたにせよスタートの位置が他人とは違う。
レヒト:「そう。金持ちの道楽。なんて言ったらぶっ飛ばすけどな」からから笑う。
レヒト:「ま。あんたも言ったように碌な稼業じゃねえよ。俺みたいなゴミ溜めにいた人間ならともかく」
ウィリアム:「ここが私のいたゴミ溜めよりはマシというだけさ。」
ウィリアム:「君と同じ理由だったかい?」
レヒト:「それって地獄って、ああそうか。本場かロンドン・イン・フロム・ヘル。そうだな。連続殺人鬼ジャックがいないだけマシ。だが、その程度のゴミ溜めだよ」
レヒト:「おまけに俺は学もねえし、親もいねえ。頼れるのは暴力だけだったしな。ここは3食屋根付きでマシって話よ」
ウィリアム:「………。」
ウィリアム:「じゃあ別の理由を。」
ウィリアム:ブランデーをグラスに注いで、口を付ける。
ウィリアム:「私は親の駒でね。」
ウィリアム:「この能力を知られて以来、ずっと利用され続けていた。」
ウィリアム:「犯罪を暴かれて解放されたと思いきや、今度は国の駒になった。」
ウィリアム:「将棋。……ああ、確か極東にそんなチェスがあってね。」
ウィリアム:「駒は主をとっかえひっかえ、その戦場で死ぬことも許されず使い減らされるのだ。」
レヒト:「そこにもあるな。トンボラの私物だけどよ。確か、取った駒を自分の兵隊として使えるってルールだ」
ウィリアム:「私は指し手になりたいんだよ。」
ウィリアム:「使われる側から使う側に”成り”たいのさ。」
ウィリアム:ブランデーを飲み干す。
レヒト:「やっぱ、あんたは頭良いわ。俺はポーンがクイーンになる、それくらいの事で満足してた。と言うか、状況を打破した気になってたろうが」
レヒト:くくくと笑う。
レヒト:「指し手になろうとはね。あれだ。この国を治検体にしてんだな、あんた」
レヒト:「最高。ははは。いや、カラジンと話し合うかもよ」
レヒト:動機はどうあれ、それは復讐に近いベクトルだと思う。
ウィリアム:「君はどうかな?」
レヒト:「わかんねぇな。今は飯が食えれば良い。けど」
レヒト:「あんたの駒にはなりたかねぇな」などと陰りなく笑う。
レヒト:「利用されないように、うまく立ち回るとするよ。教師の当ては幾らでもいそうだしよ」
レヒト:目の前の"先生"に指をさし。
ウィリアム:「診察ならいくらでも。死神二号くん。」
GM:====

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Middle04『刻印/Tatoos』

GM:トリガーシーンです。シーンプレイヤーはダンテさん。
GM:他、登場希望の方は浸蝕をどうぞ。
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を1D10(→ 3)増加 (59 → 62)
カラジン:1d10+60
DoubleCross : (1D10+60) → 4[4]+60 → 64

ダンテ:ダンテの侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (70 → 74)
レヒト:レヒトの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (58 → 67)
GM:====
GM:では、トリガーシーンの説明を行います。
GM:このシーンは、逃走した”ジョン・スミス”についての手掛かりを集めるシーンです。
GM:現在”ジョン・スミス”はそれぞれ”月”、”双頭の蛇”、”アビー”、”梟”の四人が独立して活動を行っているため、
GM:クライマックスシーンに移行するためには、彼らを一か所に誘導する必要があります。
GM:・★”月”・”双頭の蛇”の誘導 白兵/射撃 難易度30
・★”アビー”・”梟”の誘導 RC/交渉 難易度30

GM:4人でそれぞれこのどちらかの項目に挑戦して頂き、難易度30に達すればトリガーシーンはクリアとなります。
レヒト:達成値が累積するって事だね?
GM:1Rで達成できなかった場合、クリンナッププロセスに2d10のHP消費が発生します。
GM:そうです!エフェクトも使用可能!
GM:1d10の浸蝕を払えば再挑戦が可能です。何か質問は!
ウィリアム:こちらは大丈夫です
カラジン:いけます!
ダンテ:OK!
レヒト:了解だぜ。
GM:OK。では、各自判定をどうぞ。
レヒト:では私は白兵に行くぜ。
レヒト:★”月”・”双頭の蛇”の誘導だ。
カラジン:ふっ…RCなら任せてください。
カラジン:★”アビー”・”梟”の誘導 をやります。
ウィリアム:射撃に行きましょう
カラジン:万一撃ち漏らしたらお願いします!
ダンテ:私は失敗しない男。フォローは任せな
ウィリアム:あ、やっぱカラジンさんの方行った方がいいか
カラジン:たぶん素振りでやってもらえるはず
レヒト:ウィリアムさんは交渉が強いからのぉ。
カラジン:なので、先行します! マイナーでオリジン:レジェンド!
カラジン:侵食率64→67
カラジン:精神を使った判定の達成値+10、スキル4、RCブースターで+6.合計+20
カラジン:4dx+20
DoubleCross : (4DX10+20) → 9[1,3,7,9]+20 → 29

GM:うおおおお
ウィリアム:殆どやってしまったw
カラジン:おねがいしま~~~す!
ダンテ:あと1点!
ウィリアム:じゃあカラジンさんの詰めをやりましょう。交渉!
ウィリアム:7dx 交渉
DoubleCross : (7DX10) → 4[1,1,2,2,3,4,4] → 4

ウィリアム:アッブネ
レヒト:うお。ひくっ。すげーびびるやつ
GM:せ…成功!
ダンテ:危なかった
カラジン:これ、すごい確率の低さですねw
ダンテ:7個振って4て
レヒト:バクトラじゃなくて良かったよ。
レヒト:では次は白兵/射撃チームの判定しましょう。私から行くぜ。
レヒト:《アタックプログロム》のみ使用。67→69
レヒト:6dx+14
DoubleCross : (6DX10+14) → 9[2,3,3,6,8,9]+14 → 23

GM:良い感じ
ダンテ:いい感じだ
ダンテ:後詰めは任せてもらおう
ダンテ:《蝙蝠の耳》で逃走するジョン・スミスの動きを完全に把握することは可能ですか?
GM:お!ここでイージーエフェクトを使う…!
GM:彼もまたOV諜報員とは言え、他人の身体を使っています。熟練したハヌマーン能力者の追撃を完全に振り切ることは不可能でしょう。
GM:+1の補正を差し上げます。
ダンテ:よしよし
ダンテ:白兵で判定します。念のため《電光石火》使おう
ダンテ:9dx+3
DoubleCross : (9DX10+3) → 9[4,4,6,6,6,7,9,9,9]+3 → 12

ダンテ:ダンテの侵蝕率を3(→ 3)増加 (74 → 77)
ダンテ:ダンテのHPを1d10(→ 9)減少 (26 → 17)
GM:ゴリっと減ったが
GM:成功は成功!
GM:では、無事に2方面の誘導は成功します。情報を開示しますので少々お待ちください。

★”双頭の蛇”・“月”の誘導
“双頭の蛇”は“月”と共に運河で国境地帯を目指していた。
聞き込みか、“ジョン・スミス”の協力者を問い詰めたのか、きみたちは彼らの能力について耳にする機会がある。 ・“双頭の蛇”……エグザイル能力者。“ジョン・スミス”の一派の司令塔として動く。広域攻撃能力に優れ、他人のレネゲイドを急激に亢進させる自壊戦術を行う。
だが、彼が”刺青”を刻印した本人なのか断定するには、まだ材料が少なすぎる。
・“月”……バロール能力者。ベクトル偏向の魔眼を操作する。“双頭の蛇”と組んで動き、敵の足止めや妨害などを行う。

★”アビー”・”梟”の誘導
“アビー”は“梟”と共に陸路で国境を目指していた。
聞き込みか、“ジョン・スミス”の協力者を問い詰めたのか、きみたちは彼らの能力について耳にする機会がある。
・“アビー”……ソラリス能力者。典型的な身体活性を得手とし、戦局に合わせて蘇生・強化などの適切な補助工作を行う。
・“梟”……ブラックドッグ能力者。羽根の形の電磁力場を操作し、確実に相手を仕留める一撃を投射する。
また羽根そのものが他者に対する防御機能も備えているようだ。

GM:以降のシーンで、クライマックスへの移動が可能となりました。
GM:以上の情報を踏まえて、共有ロールなどあればどうぞ。
GM:====
GM:ベオグラード ゼムン地区 旧国道
GM:“アビー”は“梟”と共に陸路で国境を目指していた。
GM:彼らの作戦も大詰めに入っている。だが、国境付近に逗留しているということは……それだけ多くの痕跡を残すことに他ならない。
GM:潜伏している彼らを見付けるのは、”射手鷲”ならば不可能ではないだろう。
”梟”:「参ったな。やっぱり追って来たか」蒸気自動車の後部座席に”アビー”を乗せている。
ダンテ:蒸気自動車のミラーに、大型バイクが追走してくるのが見える。
”アビー”:「おいおい、マジか……」うんざりした顔で呟く。
ダンテ:ヘルメットとゴーグルで顔を隠した二人組。ダンテとレヒトだ。
レヒト:「流石にそろそろ気付くわな。ダンテの見立て通り、案の定二手に分かれてやがった」
ダンテ:「このまま合流地点まで追い込むぞ」
レヒト:「あいよ。適当にちょっかいかけて、合流しなけりゃヤバイ、合流すれば勝てる。程度に思わせるってことな」
レヒト:「うわ。言ってて面倒くせえな。ついでに多少の能力も暴いておきたいが」
”梟”:雷が瞬く。翼のように瞬き、車のドア越しに展開される。
”梟”:機銃のように鋭く、紫電の波が放たれた。牽制射撃。
ダンテ:「深追いは禁物だ。敵の背後を探るためにも、ここで自爆されるのは避けたい」
レヒト:「分かってるよ。俺の理解力も大したもんだ。思考力がトップスパイに追いついてきてらぁ」
レヒト:「それは良いけど、あれ避けれる?」
ダンテ:その射線が初めからわかっていたかのように、ハンドルを切って僅かに進路を変える。
ダンテ:「誰に言っている」雷がすぐ横を掠める。
レヒト:「御見それしました」
”梟”:牽制射撃は意味がないと判断したのか、翼が球場に変形。自動車を守るように展開される。
ダンテ:「スピードを上げるぞ。追い詰めるのは一度だけだ」アクセルを捻り込む。
ダンテ:「一撃で力の差を理解させろ」
レヒト:「OK。あそこの交差点で仕掛けようぜ。左に曲がらせれば俺達の勝ちだ」
レヒト:「並走してくれれば、上手くやるぜ」
ダンテ:「良いだろう。合わせろよ」
ダンテ:エンジンが唸りを上げ、車との距離が詰まっていく。
GM:そして、二輪と四輪がほとんど横並びになる。接敵エンゲージ
ダンテ:「3、2……」
レヒト:応えるように、ダンテの背後で刺突剣を抜く。
”梟”:「……またお前かよ!」
ダンテ:「……1」合図と同時に、バイクの車体を車の側面に接触させる。
レヒト:「よう。今度は女かよ。寝覚めが悪ぃな……0!」
レヒト:横っ飛びにバイクから自分を蹴り出し射出する。
”梟”:剣の間合いを想定していた。迎撃の雷礫の狙いが外れる。
レヒト:弾丸のような勢いで蒸気自動車に刺突剣を突き立てて、取り付いた。
レヒト:運転手は自分を振り落とそうと蛇行するだろう。
”梟”:「クソッ……”アビー”!」
レヒト:後は自分の動きとダンテが誘導して、国道を左に曲がるように仕向ければ良い。
レヒト:「おら。車が穴だらけになる前に振り落とせよー」刺突剣がハンドルを掠めるように、窓外から何度も突き放たれる。
”アビー”:「そんなに叫ばなくても解ってるよ。同じぼくなんだから当たり前だろ、気に入らない……!」
”アビー”:技術的に未熟なホイールは急激な蛇行に対応できない。それを無理矢理、
”アビー”:薬物の放射。酸で地面を泥濘ませ、強引にハンドルを切る。
GM:ぎゃ ぎゃぎゃ
ダンテ:ぬかるんだ地面を飛び越える。車の右側面にピッタリと取り付き、右への進路を塞いでいる。
GM:刺突剣と車の装甲の間にも酸を仕掛けていた。急なスイングに、ついにレヒトが弾き飛ばされる。
”梟”:「どんな動きだよ!?……めちゃくちゃだ、こっち行くしかないなっ」
GM:”梟”の言葉通り、車両は旧国道の交差点を左に曲がる。誘導は成功したとみて良いだろう。
レヒト:「おおっと、そうこなくちゃな!」弾き飛ばされる時に扉に手を引っ掛け、駄目押しに動きを誘導し、後方へ吹き飛んでいく。
レヒト:振り落とされ宙を舞う体。地面に激突すれば《リザレクト》は免れまい。
ダンテ:車がハンドルを切った瞬間、近くに立つ標識へとワイヤー付きのナイフを投げ、巻き付かせる。
ダンテ:標識を起点にして急速に旋回し、レヒトの落下地点へとバイクを滑り込ませた。
ダンテ:急停止。片腕でレヒトを受け止める。
レヒト:「へへっ、サンキュー。信じてたぜ」
ダンテ:「悪くない動きだった」
レヒト:「そっちこそな。ま、ほら、少しはピンチになった方が遣り甲斐も出てくるだろ?」
レヒト:「あんたと組むなら無茶した方がむしろ効率が良いから、やりやすいぜ」
ダンテ:「カバーリングは然程得手ではないんだがな……ある程度は許容するが、度が過ぎれば見捨てるぞ」
レヒト:「見誤らないように気を付けるよ。調子に乗るのが悪い癖なのは自覚もしてるしな。しかし……」
レヒト:「あー、ちょっと良いか?」
ダンテ:懐中時計を取り出し「構わん」
ダンテ:「元々、少し間を置いて追いかける段取りだ。相手を休ませず、かと言って追い詰めない距離でな」
レヒト:「飯食う時間は与えても、眠る時間は与えないってね。あ、でさ」
レヒト:「あいつらってそもそも、入れ墨仕込まれた一般人な訳だろ?やるのに抵抗ねえ?」
ダンテ:「入れ墨を得た経緯によるな」
ダンテ:「自分から求めたのなら、命を落としたとしても自業自得だろう」
レヒト:「問題はそうじゃなかった時のことだよな」
ダンテ:「同意がなければ能力が定着しない可能性ある。だが……」
ダンテ:「そうだな。その場合は事情が異なるか」
レヒト:自分はいざとなれば金の為に割り切れるだろうが。手を下すのは胸糞悪い話ではある。
ダンテ:「前提として、我々は"氷冠条約"の保護のためにあらゆる超法規的活動が許可されている」
ダンテ:「世界の安定のためには、多少の犠牲は容認されているということだ」
ダンテ:「何百万人が死ぬような……世界規模の戦争に発展することを防ぐためであれば」
ダンテ:「無関係の市民数人が命を落とすことなど、顧みる必要すらないだろう」
レヒト:「多少の犠牲ってか。ひでえ話だな。相変わらず」
レヒト:「それで飯がまずくなるのは、現場の諜報員様なんだよなぁ」
ダンテ:「今日殺す相手がプロの諜報員でも、連続殺人犯でも、無辜の市民であろうと」
ダンテ:「夕食の味が変わることはない。私の場合はな」
レヒト:相変わらず模範的な回答だと思う。それを好むか。そしてその通りに実行するかはまた別の話だが。
レヒト:「腐った豆喰うもんな、あんた。あれ味変わるの?ま、そういう事にしておくが」
ダンテ:「納豆は完全栄養食だ」
ダンテ:「殺す必要があったから殺した。無駄に死ぬ命がなかったのならそれで納得すべきだ」
ダンテ:「……しかし」
ダンテ:「私が良くても、仲間である君が良くないのなら問題だ」
ダンテ:「チームの精神衛生に務めるのも、上級諜報員の責務の内だろうからな」
レヒト:「ああ、うん。そう言うことで良い。殺す必要がねえなら、そっちの方がスマートだ。違うか?」
ダンテ:「君の見解は正しい。レヒト」
ダンテ:「今回のケースに限っては、対象は殺さない方がより多くの利益を得られる」
ダンテ:「入れ墨に仕込まれた自爆装置は、彼らの口を封じるためのものだ」
ダンテ:「これを起動させず生け捕りにすれば、尋問や調査でジョン・スミスの背後関係を明らかにできる目もあるだろう」
レヒト:「封じるには、封じるだけの理由がある。って事だもんな。なんとか生け捕りにしたいもんだ」
ダンテ:「ただ殺すより難易度は高いがな。できるか?」
レヒト:「俺の場合は、夕食の味にも関わるしな」
レヒト:「やるだけは、やるさ。後で愚痴りたくねぇ。上手く行くようだったら協力してくれや」
ダンテ:「良いだろう。死に急ぐのをフォローするよりは、余程意義がある苦労だしな」
レヒト:「ふっ、それに気づいたが」
レヒト:「おそらく、あんたを笑わせるよりは難易度は低いだろうぜ」
レヒト:常に冷静な仏頂面の男を見て笑って頷く。
ダンテ:「……フン」何か言いたげに一息ついて、ヘルメットを被り直す。
ダンテ:「時間だ。行くぞ」
レヒト:「はいよ。あいあいさーってな」
GM:====
GM:ベオグラード ゼムン地区 港湾地帯
GM:”双頭の蛇”は”月”と共に、運河で国境地帯を目指していた。
”月”:ベクトル偏向の魔眼を推進剤代わりに利用している。通常のパドルシップよりよほど早い。
”双頭の蛇”:「……もうすぐだ。もうすぐで国境地帯に入る」
”双頭の蛇”:「『ナチェルターニェ』。やっぱり、僕たちが思い描いていた通りのものだった……アレさえあれば、きっと」
”双頭の蛇”:呟きの最中、背後に気配を感じて振り向く。
カラジン:「ウィリアム! もうちょい丁寧にできないの? 俺、めちゃくちゃ船酔いするタイプなんですけど!」
ウィリアム:「スピード重視だ!吐くなら敵にするがいい!」
カラジン:「んんん! 相手も結構速ェなァ……ウィリアム、こっから拳銃撃って届いたりする?」
ウィリアム:二人の背後にモーターボートが迫る。
”双頭の蛇”:「……この分だと、陸の方も追われてるな」
カラジン:「俺、ダンテがこのくらいの距離でトウモロコシの種粒を吹っ飛ばしてるところ見たよ」
ウィリアム:「私をあんなびっくり人間と一緒にするな。」
ウィリアム:数発銃弾を射撃。
”月”:静かに目隠しの布を外す。
カラジン:「おおっ! 当たれ! 沈めろ!」
”月”:弾丸の軌道が歪曲する。
”月”:瞳に刻印された”月”の刺青が黒く瞬いていた。ボートに届くことはなく、そのまま別の方向へと跳ね跳ぶ。
ウィリアム:「ちっ…あれは君の専門だ。」
カラジン:「うう……」
ウィリアム:「”目”を使わせている間に何とかしろ!」
ウィリアム:尚も射撃!
カラジン:「非常に気が進まないんだけど……このまま追っかけっこしてると、たぶん逃がしちゃうよね……?」
ウィリアム:「そうだ! こんなことならマシンガンでも積んでおくんだった!」
ウィリアム:しゃがみ込んでリロードしつつ叫ぶ
”双頭の蛇”:”月”の防御に合わせて、鎖骨付近に入った砂漠色の紋章が明滅する――腕が蛇のように捩じれ、運動エネルギーを貯め込んでいるのが解る。
カラジン:「しょうがねぇ。これがうまくいった場合……俺は使い物にならなくなる……!」 パイプをくわえる。
カラジン:「空、雲、かたち、風と雨。ふるまい、なりたち」 パイプから煙を吐き出す。黒い煙だ――それは見る間に膨張していく。
カラジン:たちまちのうちに雨雲を作り出し、その中に雷光が走る。カラジンの首筋に刻まれた刺青の翼が動いて、羽ばたく。
カラジン:「行け」 暴風雨が吹き荒れる。運河が波立ち、船を飲み込むようなうねりを生む。
”双頭の蛇”:「……」
”双頭の蛇”:「まさか」目を細める。
ウィリアム:「うおっ」
ウィリアム:モーターボートにしがみつく
”月”:「――『雷の翼』!」
”月”:ベクトルの変形を、ボートの保護に向ける。
カラジン:「俺の見える範囲はぜんぶ射程距離だ。寄せてくれ!」
”月”:だが、水没を防ぐのが限界だった――推進力を失った船は、そのまま風雨に流され、急激に速度を減じる。
カラジン:カラジンとウィリアムの乗るボートの、行く先だけが凪ぐ。それも数秒のことでしかないが、十分だと感じていた。
カラジン:「いけるだろ。……たぶん」
ウィリアム:舵を切り、敵のボートに迫る
”月”:「防御を」
ウィリアム:「この距離なら」
カラジン:「これなら届く。よな?」 すでに青白い顔で再びパイプを吸い込み、吐き出す。黒雲。
ウィリアム:「私でも当たる。」
ウィリアム:射撃。
ウィリアム:狙いは、敵のモーターボートのガソリンタンク。
カラジン:「俺のも当たる」 稲妻が走る。防御の魔眼を弾き飛ばす。
”月”:「その……精度!やっぱり」
”双頭の蛇”:撓められていた、発条仕掛けの腕を解き放ち迎撃する。だが、弾丸の方が早い。
”双頭の蛇”:爆風。足場が水没する。
”月”:「……離脱する」
カラジン:「なんだ? 知ってんのか? おい……待て! この」
”月”:「相手が誘導を仕掛けて来ているなら、むしろ好都合だ」
”月”:「”月”、”双頭の蛇”、”アビー”、”梟”。七つの内四つは……まだ失われてはいない」
”月”:重力偏向。全ての力を解き放ち、”月”と”蛇”が吹き飛ぶ。
”月”:偏差熱によって蒸発した水蒸気が、彼女たちが去ったことを告げていた。
カラジン:「ぶわっ……げ、げほっ!」
GM:……飛び去った方向には、合流地点のアヴァラ山が存在する。誘導の任務自体は成功したと言えるだろう。
カラジン:「さ、最悪……! 水の上はいいことがない!」 ボートの縁を掴んで、盛大に吐く。
カラジン:「こ、これだから……使いたくなかったんだ……」
ウィリアム:「任務は成功だ。君の胃液と引き換えにね。」
カラジン:「ウィリアム、いますぐ超かわいいカタギの女の子のお医者さん連れて来てくれる……?」
ウィリアム:「娼館にでも行け。」
カラジン:「むちむちしてる感じの……いや、カタギって言ってるじゃん! そういうのじゃないんだよ!」
ウィリアム:「そんな優良物件がいたら私が先に手を付ける。」
カラジン:「だよな。この仕事、出会いがぜんぜん皆無だし、出会いがそもそも信用できねえし」
カラジン:「この世界にはスパイ以外いないのかって気になってこない? 普通の人ってどこにいるの?」
ウィリアム:鼻で笑う「いるにはいるだろうよ。」
ウィリアム:「我々はそんな奴らの平和を守るために汚れ仕事をやってるんだ。」
ウィリアム:「今更嫌になったのかね?」
カラジン:「へへ! 嫌になるも何も……おいおい、あんたもだいぶ影響受けてるな」
カラジン:「ダンテと同じこと言ってやがる。まさか、本気じゃないよな?」
ウィリアム:「まさか。」
ウィリアム:「本気にしてるのは奴くらいなものだろう。」
カラジン:「この世には『無辜の人々』がいる……か」
カラジン:「俺はもうそんなの信用できないね。どいつもこいつも、ゲームで勝とうとしてる」
カラジン:「乗ってやることにしたよ。だから嫌にはなってない……これはこれで面白いからな。あんたは?」
ウィリアム:「君と同じさ。」
ウィリアム:「ゲームの勝敗に左右される側ではなく、左右する側になる。」
カラジン:「ははははは! 国でも作るのか?」
カラジン:「そうすれば、自由に遊べるって?」
ウィリアム:「私には創作意欲というものはないからな。」
ウィリアム:「既存のものを”とる”。」
ウィリアム:煙草を咥えて、マッチで火を点けようとするが
ウィリアム:湿気ているせいで点かない。
カラジン:「よくそんなんでダンテと仲良くやってるな。あんたらの関係が一番ナゾだぜ」 パイプの煙を吐き出す。稲妻と火花が走る。
ウィリアム:「どうも」
ウィリアム:「………ふん。仲がいいものか。」
カラジン:「嘘つけ!」
ウィリアム:「奴の好物を見ただろう? あんな男と仲良くなれるヨーロッパ人はいないぞ。」
カラジン:「……呪われた男が、呪われたものを食ってる」
ウィリアム:「私は同席して10分で胃の中のブレークファストを戻しそうになった。」
カラジン:「あんたの呪いも、このゲームに勝つことで解けるといいな」
ウィリアム:「君のもな。」
カラジン:「……これだから」
カラジン:「……いや、いい」
カラジン:「行こうぜ。そろそろこの仕事を終わらせちまおう」
ウィリアム:「君は、」
ウィリアム:「人の内面は見透かすが、自分の内面に踏み込まれるのを嫌がる傾向があるな。」
カラジン:「あんたに言われたくねぇ~~~! と言いたいところだが、そうだよ」
カラジン:「俺は未熟でね。悲しい被害者エピソードで虐げられし者のイキドオリをぶつけたくなるんだ」
カラジン:「一度でも深く眠れれば、そんな記憶も薄れそうなんだがね。……やることをやらないと、どうもな。眠れねえ」
ウィリアム:「フェノバルビタールなら処方してやれんこともないが。」
ウィリアム:煙草をふかしながら船の舳先に座り、カラジンと視線を合わせる。
カラジン:「それで解決できると思うかい? ……いいんだよ」
カラジン:「すぐに終わらせるから。今回の仕事はだいぶ近づいてる気がする」
カラジン:「あんたもしくじるつもりなんてないだろ」
ウィリアム:「ないね。君が目的を前に暴走しないかがほんの少しだけ気になっただけだ。」
カラジン:「俺は大丈夫さ……本当にヤバくなったら」
カラジン:「後ろから撃てよ。得意だろ?」
ウィリアム:「それなら、我々の中で一番上手く出来る。」
ウィリアム:「安心したまえ。」
カラジン:「ははははは! なら安心だ。任せたぜ」
カラジン:「行こう。みんな待ってる……これで終わらせる」
ウィリアム:(強い目的を与えることも疾患の治療の救けになる、か。)
ウィリアム:(シュナイダー医師の見解はどうやら正しいらしい。)
ウィリアム:「ああ、行こうか。」
ウィリアム:陸へと舵を切る。
GM:====
GM:ロイスの取得・調達が可能です。
GM:調達はこれで最後となります。
ダンテ:ロイスは保留。
レヒト:ロイスは最後の一つだが保留しておこう
カラジン:保留したかったがウィリアムさんにとるしかない。
ウィリアム:ロイス保留で調達!
ダンテ:電光石火で失ったHPを回復します!ウィリアム先生の医療トランク使っていいかな?
カラジン:信頼〇/憤懣 で取ります。
レヒト:で購入。ブルゲ狙ってやるか。
レヒト:2dx
DoubleCross : (2DX10) → 7[3,7] → 7

レヒト:無理でした。以上。
ウィリアム:ブルゲ!
ウィリアム:潜伏者使っちゃお
GM:おお
カラジン:UGNボディアーマー。一応チャレンジ。
ウィリアム:7dx+4+5>=20
DoubleCross : (7DX10+9>=20) → 10[4,5,6,8,8,9,10]+10[10]+9[9]+9 → 38 → 成功

GM:?
ウィリアム:成功
カラジン:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 7[3,5,7] → 7 → 失敗

カラジン:以上おわり!
ウィリアム:潜伏者、残り一回
レヒト:さっきの4は何だったんだw
GM:イカサマダイスだ……!貴様Tekeyを買収したな!
ウィリアム:なんのことやら…
レヒト:バランスは取れてるんだけどさぁw
レヒト:カラジンお金は?
GM:ウィリアム先生は医療トランクはどうしますか?
ウィリアム:という訳でこれをカラジン君に渡して、
ダンテ:じゃあ私もボデマチャレンジしてみるか。成功したらカラジンさんにあげます
レヒト:僕たち+5の財産があるじゃん
GM:クレジットあるよ!
ウィリアム:ダンテくんに医療トランクしましょう
ダンテ:わ~い
ウィリアム:パス!
ダンテ:17+2d10
DoubleCross : (17+2D10) → 17+11[9,2] → 28

カラジン:あ、ほんとだ
ダンテ:完全回復
カラジン:財産5を使ってGET! 装備!
GM:全てが揃っている
ダンテ:じゃあ私は強化素材!
レヒト:これが白人の資本主義社会
カラジン:つよぃ…
ダンテ:4dx+2>=15
DoubleCross : (4DX10+2>=15) → 6[1,3,3,6]+2 → 8 → 失敗

ダンテ:うーん、最後の購入なら全部吐き出すか
ダンテ:手持ちの2点とクレジットの5点を使って買います。
ダンテ:攻撃力13。以上!
GM:OK!
GM:====

Climax『墓鐘/Nacertagne』

GM:クライマックスシーン。全員登場。
GM:登場浸蝕をそれぞれどうぞ。
レヒト:レヒトの侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (69 → 76)
カラジン:1d10+67
DoubleCross : (1D10+67) → 1[1]+67 → 68

カラジン:計画と違う
ダンテ:ダンテの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (77 → 83)
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を1D10(→ 5)増加 (62 → 67)
GM:始めはじっくり……終わりもじっくり行っている
GM:====
GM:ベオグラード アヴァラ山 無名戦士の墓地
GM:ゼムン地区の「カルドシュ」と並び、ベオグラードにはアヴァラ山と呼ばれる山岳地帯が存在する。
GM:バルカン戦争にて散った、無名の英雄、兵士たちを弔う霊廟。そしてそれこそが、
GM無銘ジョン・スミスを名乗る諜報員の終着点だった。
”アピス”:『……総員、配置に着いたな』
”アピス”:《空の楽器》《声なき声》《シークレットトーク》
ダンテ:「"アクィリフェル"。問題ない」
”アピス”:”アピス”の能力の一端は、悠にベオグラード全域を覆う通信網だった。
レヒト:「待たされすぎて、欠伸がでらぁ」
ウィリアム:「こちらも問題ない。」
カラジン:「無敵の”アルゲンタヴィス”。腹が減ってきた」
レヒト:「やめろよ。俺ぁ昼飯抜いてんだぞ」
ワイアット・アープ:『”.45LC”、狙撃地点に付いてる。チリコンカルネでも引っ掛けたいところだね』
GM:”アピス”の通信網から、ワイアット・アープの音声が流れてくる。
”アピス”:『了解した。”トンボラ”と”キャラバン”はバックアップ』
カラジン:「ちっ。カウボーイ爺さんまでこっちか……さっさと終わらせようぜ」
”アピス”:『この四人で、”ジョン・スミス”を捕える』
”アピス”:『リザレクトの一、二度は構わん。喉笛に喰らいついてやれ』
”アピス”:『成果を期待する。打電終了』
レヒト:「この期に及んでの質問は受け付けないってか。何時ものこったな」
レヒト:腰に吊った刺突剣を弄りながら言う。
ダンテ:「現場の判断を信用しているということだ。こちらとしても面倒がなくて良い」
GM:通信が途切れ、沈黙が落ちる。薄暮もまた、墓地を浸していた。これより先は暗闇の死地だ。
レヒト:「あぁ、カラジンよ。あの入れ墨って剥がせたりするもんかね?なるべく自爆はさせたかねぇ」
カラジン:「無理だと思うね」
カラジン:「入れ墨はそれ自体が誓約だ。一生身体から外せない……」
カラジン:「そういう覚悟を示すもんだ。それをどうやって外すか、なんにも思いつかないね」
ウィリアム:「皮でも剥ぐかい? 私は嫌だけどね。」
ダンテ:「一度発症した後、常人に戻ったオーヴァードは未だ確認されていない。おそらく、入れ墨を消すことに意味は無いだろう」
レヒト:「植皮手術は医者の領分だと思うがな。ま、ひでぇ話だ。しばらくモツ喰えそうにねぇかもな」
カラジン:「繊細なふりしてるやつがいるぞ~」
ダンテ:「自爆をさせないと言うだけならやりようはある」
ダンテ:「敵の司令塔は"双頭の蛇"だ。奴を最優先で無力化する」
レヒト:「繊細なんだよ。血を見るとトマトを避ける程度には!」
ダンテ:「爆破刻印が自動的に発動するものでなければ、奴の意識さえ奪えば無効化できると見て良いだろう」
ワイアット・アープ:『――タイミングが見えたら、おれを呼びな』
ワイアット・アープ:『外さねえからよ。知ってるだろ?』
カラジン:「……」
ウィリアム:「頼んだ。」
ウィリアム:「適材適所だよ。ここは任せるがいい、カラジン。」
カラジン:「しょうがねえ。それでいくか」
レヒト:「ダンテの見立てに賭けてみっかな。俺の美味いディナーのために」
レヒト:「嫌な事は早く終わらせようぜ、カラジン」

★NPCカード『ワイアット・アープ』を獲得しました。
・クライマックス戦闘中、特定の判定に成功することで、刺青の自爆命令
(エグザイルのエフェクト:《ブレインハック》が使用されています)を無効化することが可能になります。

カラジン:「うるせっ。わかってる、美味いシュニッツェル食ってやる!」
ワイアット・アープ:『こっちも一人目の前でボン!ってなモンで、うんざりしてんだ』
ワイアット・アープ:『やれるか?やれるよなァ、シャーマン。偉いんだろ』
カラジン:「この俺に対して不遜な物言いだな!」
カラジン:「俺はカラジン・コチェタ。最後の呪術師で、最強の呪術師だぞ!」
レヒト:「おら、いちゃつくな、いちゃつくな。腹に響くんだよ」
レヒト:精神的減量状態で身体は軽く、非常に攻撃的になっている。敵を叩くには理想的だ。まだ目の前に敵はいないのが問題だが。
カラジン:「レヒト、きみの魂の清浄のためにそんな物言いはお薦めしねえな~。ってかどこだよ、敵は。バレてんじゃねえだろうな?」
レヒト:「山の空気じゃ腹は膨れねえんだよ。……俺はバレてて欲しいがね」
ダンテ:「……」サングラスの奥の瞳が微かに動く。
GM:銃声。紛れもなくきみ達に向けたものだ。
GM:墓場の奥から、四人の人影が姿を現す。
”双頭の蛇”:「お望み通り……出て来てやったよ。どうせ逃げ切れないし」白い髪の女。
”双頭の蛇”:「全然上手く行かないな。『雷の翼』が居なかったら、もっとうまく行ってたでしょ……多分」
”月”:傍に付き従う三人の男女。
”梟”:そのいずれもが、自我を失ったかのように生気のない瞳を湛えている。
”アビー”:操作されているのだ。複数行動にあたって、便宜的に分かたれていた自我が、
”双頭の蛇”:今は”双頭の蛇”に還元されているのだということを理解できる。
カラジン:「クソ蛇。来たか? ……だが……なんだアレ? 女ァ?」
”双頭の蛇”:「誰の身体を使ったってぼくの自由でしょ。っていうか……」
”双頭の蛇”:ぐるりと周囲を見渡す。
”双頭の蛇”:「考えようによっては、ぼくは幸運なのかもな」
”双頭の蛇”:「セルビア最強のオーヴァード戦力4人が目の前にいる」
”双頭の蛇”:「ちょうど良い機会だ。”夢子”でどこまでやれるか、試してみよう」
ウィリアム:「試す?」鼻で笑う
カラジン:「! あいつ……憑いてンのか? くそ。舐めてんなァ」
レヒト:「なんで俺達の知合う女にゃ、マトモなカタギのヤツがいないのかね。あ。何、あれも本体じゃねえのか?」
ウィリアム:「これは驚いた。勝つ気でいるとは。」
ウィリアム:「その楽天的思考には感服するよ。」
カラジン:「そんな気がする。のこのこ自分自身で出てくる……そんなリスクを冒すアホは俺くらいかもな」
カラジン:「あいつ、擂り潰してやる」
ダンテ:「奇襲の好機をわざわざ捨てたのは、自信の現れか」地面に残った銃痕を見て
”双頭の蛇”:「そんなわけないでしょ。そっちの狙撃手が狙ってるんだ……解るよ」
”双頭の蛇”:「僕は結構臆病なんだ」
”双頭の蛇”:「君たちを道連れにできる距離まで、最低限近付かなきゃ安心できない……」
”双頭の蛇”:「残念だな。そういう意味では、ウィリアム先生」
”双頭の蛇”:「貴方はぼくと一番近いと思ってたのにな」
”双頭の蛇”:「そこの」カラジンを指さす。「シャンバラに渡れなかった出来損ないとは違う」
”双頭の蛇”:「……”指し手”になることの出来る一人だと思ってたよ」
カラジン:「何を馬鹿なことを言ってやがる……」
カラジン:「シャンバラ? てめえらの考えてる天国か? ……超バカバカしい……!」
ウィリアム:「………なるほど。」
ウィリアム:「事情を聴く必要がありそうだ。」
ウィリアム:「工作員の内情をどこで知り得たのか、」
ウィリアム:「じっくりとね。 ……今のうちに別れを惜しむといい。」
ウィリアム:「手足の指の爪にね。」
レヒト:「ジョン・スミスじゃなくてジェーン・ドゥに変えてやる。と思ったけどよ。こいつこそ生け捕りにしてえな」
レヒト:「いいぜ。真っ先に食ってやる、死神の挟み撃ちだ」
ダンテ:「……揃って安い挑発に乗るんじゃない」
ダンテ:「我々は"射手鷲"だ。ただ粛々と、任務を遂行する」
ダンテ:「狩りを始めよう」
GM:獲物はどちらか。流れるのは誰が血か。
GM:夕闇は過ぎ行く。無名墓地の墓鐘が、葬送のように厳かに木霊する。
GM:====
GM:クライマックス戦闘を開始します。
”双頭の蛇”:”双頭の蛇”の敵意。明確な殺戮の意思を秘めた《ワーディング》が、君たちの衝動を喚起する。
GM:衝動判定。目標は意思で11。
レヒト:100点セッションなのに高い!wよかろう。
カラジン:うおーっ
レヒト:2dx
DoubleCross : (2DX10) → 9[4,9] → 9

カラジン:4dx+1>=11
DoubleCross : (4DX10+1>=11) → 8[3,5,6,8]+1 → 9 → 失敗

ウィリアム:がんばるぞい
カラジン:BOU-SOU!
ダンテ:何故か持ってる春日一族効果で意志判定にはめっぽう強い
ウィリアム:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 10[7,8,10]+9[9] → 19

カラジン:2d10+68
DoubleCross : (2D10+68) → 12[7,5]+68 → 80

レヒト:1d10+1D10+76
DoubleCross : (1D10+1D10+76) → 7[7]+6[6]+76 → 89

GM:あ!フリー経験点で意思成長させてもいいよ
ウィリアム:おお、成功
ダンテ:9dx+4>=11
DoubleCross : (9DX10+4>=11) → 10[1,3,6,7,7,9,10,10,10]+9[4,7,9]+4 → 23 → 成功

ウィリアム:すげーつよい人がいる
GM:振っちゃった人は成長させて振り直しも可です これはこっちが言うのが遅れたので
ダンテ:鋼鉄の意志
カラジン:もともとリアクションで何かする私ではない…なので、このままいきます!
ウィリアム:2d10+67
DoubleCross : (2D10+67) → 13[10,3]+67 → 80

GM:親に向かって何だその意思は
レヒト:暴走。成長させる意味も特にないので大丈夫だぜ。
ダンテ:2d10
DoubleCross : (2D10) → 11[7,4] → 11

ダンテ:ダンテの侵蝕率を11(→ 11)増加 (83 → 94)
GM:OK!ではこのままで行きましょう。
GM:今日はここまで!お疲れさまでした!

【目次へ戻る】

GM:====
GM:このセッションでは、特定の戦闘時に特殊ルールとして【サブタスク】を使用します。
GM:これは簡単に言うと、戦闘中に特定の条件や行動を取ることで
GM:今後シナリオを優位に進めて行く設備を拡張するためのトークン「設備費」が貰えるよ、というものです。
GM:要するにサブミッションですね。
GM:今回のクライマックスのサブタスクはこちら!
GM

【SUB TASK】

・3R以内にエネミー全員を戦闘不能にする……設備費+2点
・”双頭の蛇”の捕獲に成功する……設備費+1点
S評価:サブタスクを全て達成 設備費+2点
A評価:サブタスクを1つ達成 設備費+1点
B評価:サブタスク達成ナシ 設備費+0点

GM:失敗しても特にゲーム上のペナルティはないので、ボーナス感覚で狙っていくのが良いかと思われます。何か質問は!
レヒト:捕獲の方法は?
GM:NPCカードの『ワイアット・アープ』の使用ですね。データ的に言うと、”双頭の蛇”の自爆を防いだまま戦闘不能にすれば、
GM:その時点で「捕獲」扱いとなります。
ダンテ:完全に理解したぜ
レヒト:うおーー!!敵の配置を頼むぜー!!
GM:OK!
カラジン:やります!
GM:Now loading...(レヒトくんとチェスをするカラジンくんのいらすと)
GM:====
GM:【SETUP】
GM:この時点でフリー経験点で獲得するエフェクトがある人、セットアップ時のエフェクトを使う方は宣言をどうぞ。
ウィリアム:こちらはなし
カラジン:ブルーゲイルを使用します。行動値を7→12へ。 侵食率は80→85
レヒト:ないぜー
ダンテ:なし!
カラジン:あ、フリー経験点の使用はオートで可能なんでしたっけ?
カラジン:自分の手番のマイナー前とかに取得してもOK?
GM:オート扱いとします。タイミングは自由に使うのが想定されているのでね!
カラジン:了解!ではセットアップ以上!
”アビー”:《アクセルlv5》
”アビー”:”双頭の蛇”のイニシアチブを5→15に
”月”:《灰色の庭》。カラジンくんのイニシアチブを-6。
双頭の蛇:セットアップは無し。
”梟”:こちらもセットアップは無し。
ダンテ:いやらしいぜ
GM:【ENGAGE】

(”双頭の蛇”[15]、”月”[8])-5m-(カラジン[6]、レヒト[16]、ダンテ[]6、ウィリアム[4])-5m-(”梟”[8]、”アビー”[4])

GM:では、手番はイニシアチブ16のレヒトくんから。行動をどうぞ。
レヒト:我が行動は決まった。
レヒト:マイナーで双頭の蛇のエンゲージまで移動。
レヒト:メジャーで《テンポ・ジュスト》蛇に攻撃します。《アタックプログラム》+Rエンハンサー。
GM:妨害ナシ。攻撃をどうぞ。
レヒト:7dx+15
DoubleCross : (7DX10+15) → 9[3,4,4,5,7,8,9]+15 → 24

双頭の蛇:リアクションはガード。命中します。
双頭の蛇:ダメージをどうぞ。
双頭の蛇:あ!
双頭の蛇:ガード時《スプリングガード》。バトルガーディアン込みでガード値17。
レヒト:ではダメージを出します。
双頭の蛇:ダメージをどうぞ。フリー経験点で取得したオートエフェクトでのダメージ上乗せも可能です。
レヒト:3d10+1d10+1d10+11
DoubleCross : (3D10+1D10+1D10+11) → 23[6,8,9]+2[2]+6[6]+11 → 42

双頭の蛇:げええええ めちゃくちゃ普通に高い
レヒト:89→92 なんとこれで3
双頭の蛇:ヤバ火力
ダンテ:安くて強い
双頭の蛇:17点差し引いても25点喰らいます。結構ガッツリ行った
GM:では演出。
GM:====
レヒト:「それじゃ、斥候してくるわ。相手の手札を見て、勝負手決めろよ?手前ら?」爪先で地面の感触を確かめながら、刺突剣を抜いて、手首を捩じるように構え切先を緩やかに回す。
双頭の蛇:「”月”、”アビー”」
双頭の蛇:「足を止めろ。ぼくの攻撃が届けば……勝機はある」
”月”:重力偏向の魔眼。カラジン・コチェタの足元の腐葉土が陥没する。
ウィリアム:「ではこちらは」
ウィリアム:「最強の呪術師殿にオールインだ。」煙草に火を点ける。
”アビー”:同時に”双頭の蛇”に対して刺青が共鳴する。
ウィリアム:吐き出した紫煙がカラジンに吸い込まれていく。
ウィリアム:薬物によるレネゲイドの強化。
ウィリアム:攻撃に対する反応速度が鈍る代わりにその刃は鋭くなる。
カラジン:「おいおいおいおい」
カラジン:「目が回るな、こいつは」 己のパイプを吸う。足元の腐葉土に沈む足が止まる。
カラジン:背中に翼が生えたように見える――
ダンテ:「回しても構わないが、閉じるなよ」
ダンテ:「味方の我々の眼が追いきれなくては、斥候の意味がない」
レヒト:「それじゃ、ま、行くぜ。始まりの一球ブレイクショットだ!」
レヒト:狙いは頭、司令塔を速攻で潰す。双頭と言うからには二つあるかもしれないが、一つは食い殺す気満々だ。
レヒト:地面を蹴り出し、始動する爪先。
レヒト:加速してゆく残像と飛び跳ねる影。まるで達人ハスラーが打つトリックショット。
レヒト:目の前にいると認識したら、いつの間にか空中に跳び上がっている。
レヒト:地を歩く筈の生物が、宙を駆けて回るその矛盾。人の形をした猛禽が舌なめずりをしながら獲物を狙う。
双頭の蛇:「……アビーの支援を受けても追いきれないか。めちゃくちゃだな」
レヒト:「計算ずくだ。ボールゲームってのはそういうもんだぜ?」
レヒト:着地と同時に体は地を這うように屈み、その極めて低い体勢から再び跳びあがるように刺突剣を煌かせた。
レヒト:獣のような野蛮で獰猛な動きは、敵を倒すと言う動作としては、これ以上ない程に洗練されている。
レヒト:跳躍の体重移動で、重さと速さが剣に存分に乗っている、本能が導き出す破壊の最適解。
双頭の蛇:最初から目視によって捉えられるとは思っていない。咄嗟にあたりを付けた方向に肉の盾を展開する。
レヒト:蛇の喉、心臓、肝臓、眉間を襲う鋼の閃光。
レヒト:タタ、タタタン。音が重なる程の鋭さで、防御などお構いなしに四度敵を貫く。
双頭の蛇:そのぶん、防御としては雑な物となった。刃の嵐に主要部分が貫かれる。
双頭の蛇:「”射手鷲”の破壊工作員……なるほど、確かに、ぼくの戦略は既に大分破壊されたな」
双頭の蛇:「だが、ここからだ。耐えれるか?」
GM:====
レヒト:「堅い堅い。こっちの手が痺れた。刀身は……曲がってねぇな」
双頭の蛇:では続いて”双頭の蛇”の手番。
双頭の蛇:マイナー:《堕落の爪lv10》
双頭の蛇:この攻撃で一点でもHPを失った場合、即座に侵蝕を+10する。
ダンテ:嫌過ぎる
カラジン:邪悪!
双頭の蛇:メジャー:《伸縮腕》+《C:エグザイル》+《オールレンジ》+《異形の祭典》
双頭の蛇:対象は……当然カラジン・ダンテ・ウィリアムの三人のエンゲージ。
双頭の蛇:妨害がなければ判定行きます。
カラジン:どんとこ~い
双頭の蛇:11dx7
DoubleCross : (11DX7) → 10[1,1,2,3,4,4,8,8,9,10,10]+10[3,6,7,8,10]+3[1,2,3] → 23

双頭の蛇:達成値は23。それぞれ対応をどうぞ。
カラジン:ガードします。これはどちらかというと当たっておきたい。
ウィリアム:ウーム、ではガード
ダンテ:ダメージ腐るのを期待してガードしようかな
双頭の蛇:ではダメージ。
双頭の蛇:3d10+31
DoubleCross : (3D10+31) → 17[2,9,6]+31 → 48

双頭の蛇:まずまずの出目。DD追加はなしなのでこれで!
ウィリアム:死んでしまった!
カラジン:なすすべもない。リザレクト!
ウィリアム:リザレクトです
ダンテ:死にました
GM:処理としては
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を1D10(→ 1)増加 (83 → 84)
カラジン:1d10+85
DoubleCross : (1D10+85) → 9[9]+85 → 94

GM:侵蝕10上げる→リザレクトの浸蝕を上げる、でいきましょうか。
ウィリアム:ごめんなさい。では93→94です
カラジン:あ、じゃあ95になってさらに+9,なので104です。
ダンテ:侵食上がって100超えるので、双頭の蛇に標的○/驚異でロイスを取って昇華復活
ダンテ:ダンテの侵蝕率を10(→ 10)増加 (94 → 104)
双頭の蛇:では軽く演出。
GM:====
双頭の蛇:「そうだな……”夢子”の攻撃は単純にならざるを得ない。結局のところ、術師が前線に出るっていう儀式を踏み倒してる」
双頭の蛇:「だが、四体組んで運用すれば――ぼくの一撃を、確実に届かせることくらいは」
双頭の蛇:ばらりと腕が繊維状に解ける。水晶質の刃が埋め込まれていた。
双頭の蛇:腕が樹木のように振るわれる。同時に、先ほどの《ワーディング》と同一のレネゲイド喚起能力が作用する。
カラジン:「マジか? 追いつかねえって、そんなの!」
双頭の蛇:単純すぎる――典型的なエグザイル能力だ。だが、恐るべき精度で運用されていた。
ウィリアム:「だろうな。」
ウィリアム:「そういう薬を吸わせた。」カラジンに告げつつ自分も切り裂かれる。
カラジン:「つ、次から効能とか用法を事前に告知してくれッ! ゲホッ!」
ダンテ:「傷つけた対象のレネゲイドを活性する力。入れ墨の原理もこれの応用か……」自分の傷口を見ながら冷静に分析する。
カラジン:「コンセンサスがとれてねぇぞ……くそ!」
レヒト:自らの高速運動で攻撃範囲から離脱していたのは、純粋にただの幸運だろう。
レヒト:「倍返しだ。倍返し。それが出来る処方箋だろ」
GM:====
”月”:続いて手番は”月”。こいつの行動は凄く単純。
”月”:そうだな……ここは
”月”:マイナーはなし。
”月”:メジャー:《黒星の門》+《C:バロール》+《死神の瞳》
”月”:対象はダンテさん。喰らった場合、次に受けるダメージが+3d10されます。
ダンテ:うわっこっち来た
”月”:判定イクゾッ
”月”:8dx7+1
DoubleCross : (8DX7+1) → 10[4,5,5,6,7,8,10,10]+10[2,3,8,9]+10[7,8]+10[2,10]+10[8]+3[3]+1 → 54

”月”:お前…
ダンテ:たっかいな
ダンテ:ダメージが発生しなくて助かったぜ
ダンテ:一応ドッジ!
”月”:GOGO!
ダンテ:7dx>=54
DoubleCross : (7DX10>=54) → 9[2,3,3,4,5,7,9] → 9 → 失敗

ダンテ:グヌヌ…効果を受けるぜ
”月”:では次のダメージに+3d10しな!
”月”:軽く演出。
GM:====
双頭の蛇:「……刺青の原理に気付いたな。精神的支柱も多分あいつだ」
双頭の蛇:「翼をへし折れ。仕留める」
”月”:眼帯をずり下ろす。瞳に刻印された”月”が橙色に瞬いた。
”月”:これも――バロールとしては一般的なベクトル偏向の魔眼だ。
”月”:だがそれは対応できるという事実を意味しない。周囲の空間が指向性の重力を帯び、装備そのものがギリギリとダンテの身体を締め付ける。
ダンテ:「───む」
ダンテ:月に魅入られた身体に重圧が圧し掛かる。
ダンテ:それ自体は致命となるようなものではないが……
ダンテ:「邪視の類か。厄介だが」
ダンテ:「これ以上当たらなければどうと言うことはない」
GM:====
GM:続いて手番はカラジン-ダンテペア。一応梟もだけどPC優先なので先にそちらからどうぞ。
レヒト:イニシアチブで行動します。《異形の転身》。92→97
レヒト:梟たちのエンゲージに移動。
GM:うわっ 変な移動!!最悪
”梟”:ギャ~~~こっち来やがった
カラジン:なら、カラジンが先に動くのがいいかな?
ダンテ:ここはカラジンさんに一発かましてもらうのが良いと思うぜ!
カラジン:先に行かせてもらおう!
カラジン:行動します!
GM:しゃあっ
ウィリアム:カラジンさんたのむぜ!
カラジン:まずはフリー経験点を使って、シングインザレインを3LVで取得。
カラジン:雨粒の矢のリミットエフェクトだ。25点を使います。
GM:ぜ…全力!
カラジン:そして、マイナーでオリジン:レジェンド。達成値を+12
カラジン:侵食率104→106
カラジン:で、メジャーで雨粒の矢+シングインザレイン。対象はエネミー4人、全員です。
カラジン:妨害とかあれば……こいっ
”月”:その攻撃は流石にまずい……ここは使わせて貰おう。
”月”:オートで《孤独の魔眼》。対象を月1人に変更します。
GM:先にアナウンスしておくと、これ以上の妨害はありません。
ダンテ:孤独の魔眼は範囲攻撃にしか使えないぜ
カラジン:そうなのだ
レヒト:シーン攻撃は孤独の魔眼出来ないぜ。そう。
GM:ああっ!?
GM:ほ……本当だ どうしようかなこれ……
GM:決めた。妨害内容を変更します。
”月”:《時の棺》。その判定を失敗させる!
GM:本当にこれ以上の妨害はありません。差し込みあればどうぞ。
カラジン:これは消せない! 判定失敗
カラジン:です!
”月”:だがこれでこちらの妨害も種切れだ
カラジン:侵蝕104→110
カラジン:違う違う、106→112
GM:では演出に行きましょう。
GM====
カラジン:「レヒト。捕まえろ!」
”梟”:「ち。カバーを――」”梟”が駆け出そうとするが。
レヒト:「まったく。人使いが荒すぎんだよ!」
カラジン:地面に手を触れる。入れ墨が蠢き、地を這う。
レヒト:タナトテリステスの恐るべきは一瞬で間合いに飛び込んだ肉食獣じみた敏捷性。
レヒト:──ではない。
レヒト:一直線に、稲妻の如く間合いを蹂躙する。相手の認識を超える瞬発速度。肩から先より繰り出される、機関砲の破壊力に匹敵する刃剣の正確無比な狙撃。
レヒト:そのどれもが人間の達人では到達できない領域である。だが、それだけならば、むしろオーヴァードにとっては見飽きる程に飛び交う並の技だ。
レヒト:真に恐るべき現象は、その刺突の直後に起こっている。
レヒト:突きを放った張本人の姿が、既に蛇たちの眼前から消えていた。
レヒト幽霊ゲシュペンスト
レヒト:オーヴァードをして異形の反射神経と足捌きは、肉盾を以って進軍を止めようとする相手を嘲笑う様にすり抜けて、遥か後方に、その身を置いている。
双頭の蛇:「そいつは人間大の戦車だ。とにかく間合い」
双頭の蛇:「を」
レヒト:その技こそがあり得ない。征くも神速ならば、退くも同じく神速。
”梟”:「な……」
レヒト:陣形の破壊。間合いの概念を陳腐化し、敵陣を自在に移動する一方的な暴力行使。それがこの男の異形の能力エフェクトだった。
レヒト:「よう。足止めさせてもらうぜ」
双頭の蛇:(なんだ? こいつは)
双頭の蛇:(単純な速度であれば、”梟”なら対応できた……)
カラジン:「よし。その位置」 地面を這う入れ墨が、巨大な鷲を形作る。
双頭の蛇:「まずい」
双頭の蛇:「――『雷の翼』」
カラジン:「上等だ。ひれ伏せサンシタども!」 地上の鷲が羽ばたくと、大気がうねる。雨が降り始めている。
カラジン:束の間のスコール。それは稲光を伴う嵐になって、敵を捕食する巨鳥のように荒れ狂った。
”月”:咄嗟に眼帯を破り捨てる。
”月”:その嵐に向かって、全力で上方ベクトルへの無重力を発現させた。プールのように空に雨溜まりが形成され、
”月”:直後爆発する。続く雷光に耐えることができなかった。
カラジン:「わははははは! これが無敵の呪術使いの真骨頂! 誰も逃れられ――おわっ」
”月”:同時に、瞳が水晶のようにひび割れる。熱を持ち、水蒸気があふれ出ていた。
双頭の蛇:「一瞬止めるので精一杯か。クソ……」
カラジン:「ンだよ、せっかくいいとこだったのに……ちくしょう、俺が前座とはね」
カラジン:「こっちも止めたぜ。あと頼む」
GM:====
GM:続いてイニシアチブ6のダンテさん。
ダンテ:マイナーはなし
ダンテ:ここで新たにエフェクトを取得します。
GM:なにっ
ダンテ:あっ違った
ダンテ:マイナーで双頭の蛇のエンゲージに移動します。これやらないと意味なかった。
双頭の蛇:イヤッ イヤ~ッ
ダンテ:そしてエフェクト取得。《獅子奮迅》LV1。
ダンテ:メジャー《電光石火》LV4《コンセントレイト:ハヌマーン》LV4《獅子奮迅》LV2 ストライクハーケンで攻撃。
ダンテ:対象は月と蛇じゃ!
”月”:月はイベイジョン15。妨害は無し。
双頭の蛇:ガード。《スプリングシールド》を使用。ガード値+17
ダンテ:12dx7
DoubleCross : (12DX7) → 10[1,1,2,2,5,5,5,5,6,7,10,10]+6[2,6,6] → 16

ダンテ:あっぶな
レヒト:あぶにゃにゃ。
GM:では二人とも命中します。ダメージを…どうぞ!
ウィリアム:オートでフリー経験点を25点使用。《力の霊水》をLV3で取得して使用。ダメージダイス+3D
ダンテ:先生!
ダンテ:友情パワーで攻撃します!行くぞ!
ダンテ:2d10+13+3d10
DoubleCross : (2D10+13+3D10) → 9[7,2]+13+23[5,8,10] → 45

GM:ゲ~~~~
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を4(→ 4)増加 (94 → 98)
ダンテ:悪くない
ダンテ:ダンテの侵蝕率を9(→ 9)増加 (104 → 113)
ダンテ:ダンテのHPを1d10(→ 7)減少 (11 → 4)
”梟”:オートで《電磁バリア》。月に対して使用。
レヒト:待った。
レヒト:15点使います。《デビルストリング》
GM:ギャ~~~~!!!!
GM:完璧なコンボを決められた
レヒト:97→103
”梟”:では《電磁バリア》は打ち消されます。
カラジン:やはりデビルストリングは決まると嬉しい
レヒト:抱え落ちも多いエフェクトですしね。フリーだと死ぬほど使いやすい。
双頭の蛇:蛇は28ダメージ。まだ生きているがかなりキツい
”月”:月は45ダメージ素通し。倒れます。
ダンテ:よし!
GM:コイツに対しては復活エフェクトなどもない。安らかに眠れ…
ウィリアム:ナイス!
GM:では演出に行きましょう。
GM:====
双頭の蛇:(『雷の翼』の動きを止めた。なら……)
ダンテ:「ウィリアム」魔眼に拘束されたままの腕を、ぎこちなく動かす。
ダンテ:「寄越せ」
ウィリアム:新しい煙草に火を点ける
ウィリアム:紫煙がたなびく。
ウィリアム:縛られたダンテの四肢に力が行き渡り、
ウィリアム:相手を屠るのに最適な肉体へと作り替えていく。
ウィリアム:「仰せのままに…。」
ダンテ:ほんの束の間、覚醒した脳髄が邪視の重圧を忘れ去る。
ダンテ:引き伸ばされた時間間隔の中で、制圧目標との間合いを測る。猶予は5秒。
”月”:「ぐ」魔眼を再起動しようとするが――オーバーヒートが発生している。能力の冷却が必要だった。
双頭の蛇:「本当なら……あと3秒猶予があるはずだった。それを一撃でぶっ壊したのが、あいつらだって言うのか」
ダンテ:それを超えれば、再び魔眼の拘束に追いつかれるだろう。しかし……
ダンテ:「……充分だ」
双頭の蛇:「死ぬ気で冷やせ!攻撃が」
カラジン:「無理。死なないようにがんばれよ」
ダンテ:1秒。両腕がしなり、射出されたワイヤーナイフが"蛇"と"月"の両脇を掠める。
ダンテ:2秒。それは二人の背後に建つ墓地の柱を起点にして回り込み、二人に絡みつく。
ダンテ:3秒。二人が巨大な柱に括り付けられると同時に、ワイヤーが巻き取られている。空中で3本目のナイフを構えながら飛びかかる。
”梟”:刺青が発光する。それは雷の翼の形を取り、球体をとって”月”を守ろうとする。
レヒト:「させねぇよ。……ショットの最中に話しかけるのは、マナー違反だそうだぜ。うちの医者が言ってたんだがな」
レヒト:飛翔する電撃体に向けて、金属の塊である刺突剣を投擲した。
レヒト:即席の避雷針。相手の妨害を読んでいたわけではなく、獰猛な本能がその反応速度を叩きだした。
双頭の蛇:「アースか!くそっ」
ウィリアム:「覚えのいい生徒で助かるよ。」また新たな煙草とマッチを取り出しかけたが、それを見てやめる。
”梟”:雷が飛翔体に誘導され、行き場を失う。
双頭の蛇:(あと二秒?間に合うか?ダンテ・K・ヴェルミチェッリ相手に?)
双頭の蛇:「無理だな」
ダンテ:4秒。雷の翼が霧散する中、勢いを緩めることなく肉薄。
ダンテ:「……5秒。仕留めきれず、か」
ダンテ:柱ごと双頭の蛇を蹴り砕く。しかし、寸前で防御態勢を取られたことを察する。
”月”:「……!」無言で崩れ落ちる。
レヒト:「何言ってんだかな。最初に一匹落としたのは、あんたじゃねえか。流石だよ」
双頭の蛇:即座に防御を選択していた。皮膚を海綿化させ、辛うじて勢いを殺している。
双頭の蛇:「ぐ、ぼぶっ」
ダンテ:再び全身に重圧が圧しかかる。片腕には、いつの間にか昏倒させた"月"の身体を抱えている。
ウィリアム:「一番厄介なのが落ちたな。これで──」
ウィリアム:空を見上げて紫煙を吐く。
ウィリアム:「天気が変わる。」
双頭の蛇:「……」
カラジン:「よーし……」 「残り3。まだ俺の勝ちの目は残ってんな!?」
GM:====
GM:続いて”梟”のターン。
”梟”:マイナー。Dロイス【傍らに立つ影】で取得したオリジン:レジェンドを使用。精神達成値+10。
”梟”:メジャーで《雷の槍》。対象は……
”梟”:ここはウィリアム先生にしよう。
ウィリアム:ゲゲッ
ウィリアム:カモン!
”梟”:オラッ洗礼を受けろ!
”梟”:7dx+10+4
DoubleCross : (7DX10+14) → 10[2,3,3,5,6,9,10]+8[8]+14 → 32

”梟”:お前…
”梟”:ダメージ行くぞッ
ウィリアム:あ、リアクション!
ウィリアム:暴走してないからね!
ウィリアム:ドッジ!
カラジン:避けにワンチャン!
”梟”:あっそうじゃん!避けてみんしゃい
ウィリアム:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 9[5,8,9] → 9

ウィリアム:無理!
”梟”:フハハ
ウィリアム:ダメージください!
”梟”:やったるで~~~
”梟”:14+4d10
DoubleCross : (14+4D10) → 14+24[9,3,7,5] → 38

”梟”:君凄いね
”梟”:単体38ダメージ。装甲有効です。
ウィリアム:HP1しかないよ!
ウィリアム:リザレクト!
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (98 → 107)
GM:では、軽く演出に行きましょう。
GM:====
双頭の蛇:「”梟”は……一番術式が安定してる”夢子”だ」
双頭の蛇:「『雷の翼』っていうのは、単一の呪いじゃない。複数の術式群の総体を指してる」
双頭の蛇:「嵐。雨。雷、雲……」
双頭の蛇:「だが奴はその中でも、雷の術式を抽出させた。射撃に特化させてるんだよ……避けてみろ」
”梟”:拳銃を構える。刺青が躍動し、銃身に浸透する。
”梟”:同時に轟音が鳴り響いた。雷の槍そのものの射出。
ウィリアム:「ちっ……!」
ウィリアム:ジャケットが血に染まる。
”梟”:目標は――最も戦場を動かず、しかし巧みに戦術負荷を操作していた男だった。
双頭の蛇:「やっと一殺。嫌になるな……オーヴァードってのは」
ウィリアム:「───同感だ。」
ウィリアム:鎮痛、止血、活性。
ウィリアム:体内に薬物を巡らせて立ち上がる。
ウィリアム:「多少の小細工など出力で乗り越えていく。」
ウィリアム:「私ごとき非才の身には余る戦場だよ。」
カラジン:「いやあ、『雷の翼』を分割するなんて考えたこともなかったね……。面白いケースを見せてもらってるよ」
GM:====
GM:続いてイニシアチブ4。アビー・ウィリアム組。
GM:ウィリアムさんの手番です。行動をどうぞ。
ウィリアム:マイナーなし。メジャーで《コンセントレイト:オルクス》《ディストーション:射撃》
GM:対象は!
ウィリアム:対象は…梟!
”梟”:ヤダ~~~ッ
”梟”:クソッ 来やがれ
ウィリアム:行きます!
ウィリアム:買ったばっかのショットガンスラッグで叩くぜ!
ウィリアム:9dx7+2
DoubleCross : (9DX7+2) → 10[2,2,3,4,4,5,6,6,7]+5[5]+2 → 17

ウィリアム:グエエ
”梟”:こ……これは避けられるのでは……?
”梟”:コイツはドッジもガードも両方ある程度はできる。奇跡に懸けてみよう
”梟”:7dx+1>=17
DoubleCross : (7DX10+1>=17) → 10[1,2,2,4,8,9,10]+9[9]+1 → 20 → 成功

ウィリアム:グエ…
”梟”:振り足しはありますか!
レヒト:こいつ!やりやがる!!
”梟”:これで我が身の安全は保障された…最後の出目を10に変えるエフェクトなんぞ無ければなァ~~~
カラジン:あっ見逃してた!
カラジン:妖精の手間に合いますか!?
GM:なにっ
GM:アルゲン野郎~~~~!!!許可します。オートだからね
カラジン:妖精シマス… ウィリアムさんの2回目の5を10に変えてくだサァイ!
カラジン:侵蝕112→116
ウィリアム:アリガトー!
”梟”:オギャ…
ウィリアム:1dx7+22
DoubleCross : (1DX7+22) → 2[2]+22 → 24

ウィリアム:グエ…
”梟”:それは避けられない!ダメージをどうぞ。
ウィリアム:3d10+5
DoubleCross : (3D10+5) → 7[2,4,1]+5 → 12

ウィリアム:しょ、ショボ……
”梟”:12ダメージ通したけどまだ生存。
GM:では……演出に参りましょう!
GM:====
”梟”:攻撃を予測する。咄嗟に”アビー”を庇う様子を見せるが――
カラジン:「借りてる分、戻す。……目を閉じるなって言ったが……」 目を閉じる。 「俺には別の”目”がある」
カラジン:カラジンが瞑目すると、ウィリアムの知覚が活性化される。
カラジン:カラジンに与えた薬効が、逆流してくるような感覚がある。
レヒト:「まったく理解できねぇが。それで実際何かが変わってっからな」
ウィリアム:「助かるよ。誰かさんのように精密射撃に自信がないのでな。」
ウィリアム:「だから小細工をする。」
ウィリアム:一つの墓碑に足を掛け、力を込めて踏みしめる。
ウィリアム:ボコッ と飛び出したのは、
ウィリアム:ショットガン。ウィンチェスターM1897。
ウィリアム:「『不必要な苦痛を与える兵器』だろうが、」
ウィリアム:「我々(オーヴァード)にとっては火力不足もいいところだな、全く。」
ウィリアム:銃をキャッチして梟に向けて射撃。コッキング。射撃。コッキング。
ウィリアム:弾が切れるまで散弾を浴びせ続ける。
”梟”:「ぐ。ぶ」
”梟”:電磁場を”アビー”に回していた。虚を突かれる形で、肉体をぶちまけられる。
”梟”:射撃。再生。射撃。再生。
双頭の蛇:「……カウボーイの銃か!味な真似をするな」
”梟”:全身から再生の蒸気を上げながら、なおも健在だ。
GM:====
”アビー”:最後は”アビー”。こいつはどうしようかな……
”アビー”:ここは攻めよう。マイナーで同じくDロイス【傍らに立つ影】で取得したオリジン:レジェンド。
”アビー”:精神達成値を+10。
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を4(→ 4)増加 (107 → 111)
”アビー”:メジャーで《更なる力》+《タブレット》。対象は当然”双頭の蛇”。
ダンテ:最悪!
”アビー”:判定。
”アビー”:6dx+10>=20
DoubleCross : (6DX10+10>=20) → 8[3,5,6,8,8,8]+10 → 18 → 失敗

”アビー”:ぐ
”アビー”:ぐああああ
レヒト:まった。
ウィリアム:あっぶね!
ダンテ:フハハハ
カラジン:ケケーッ!
”アビー”:よ…妖精くれない?
レヒト:あ。良かった。届いてねえや。デビスト確認してたぜ。
カラジン:誰がやるもんか!
”アビー”:クソッ!ではこいつの攻撃は以上。
”アビー”:成功していないので演出の意味もなし!
ダンテ:悪いなアビ太この妖精は一人用なんだ
GM:====
GM:クリンナップ。処理はありますか!
レヒト:なしです。
ダンテ:なし!
ウィリアム:なし!
カラジン:なし!
GM:OK!
GM:====
GM:【ROUND2】
レヒト:セットアップはなし。
ダンテ:なし!
カラジン:イニシアチブが7に回復。セットアップ行動はなし!
ウィリアム:《活性の霧》カラジンくんに
”アビー”:《アクセル》。蛇の行動値を+10。
カラジン:いただきます!
ウィリアム:攻撃力+18、ドッジダイス-2!
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を3(→ 3)増加 (111 → 114)
GM:ゲ~~ッ
双頭の蛇:セットアップなし。
”梟”:こちらもセットアップはなし。
GM:【ENGAGE】

(”双頭の蛇”[15]、ダンテ[6])-5m-(カラジン[7]、ウィリアム[4])-5m-(レヒト[16]、”梟”[8]、”アビー”[4])

GM:====
双頭の蛇:ではイニシアチブ16、”タナトテリステス”の手番。
カラジン:おっと、先にレヒトくんですね
レヒト:うむ。
GM:そうじゃん!ごめんね先にレヒトくんの手番!
レヒト:マイナーで暴走解除。メジャーでコンボ《テンポ・ジュスト》対象は梟。
レヒト:《アタックプログラム》+Rエンハンサー
”梟”:来やがったな…妨害は無し。判定をどうぞ。
レヒト:8dx+17
DoubleCross : (8DX10+17) → 9[2,2,4,4,5,6,7,9]+17 → 26

レヒト:103→106
”梟”:奇跡よもう一度起こってくれ…!正直レヒト君の攻撃を素受けしたくない!
”梟”:ドッジします。
”梟”:7dx+1>=26
DoubleCross : (7DX10+1>=26) → 10[3,4,5,6,6,8,10]+10[10]+10[10]+2[2]+1 → 33 → 成功

レヒト:こいつ。すげえな。
”梟”:こ…こいつ
ウィリアム:コイツ…
カラジン:うっそ……
ダンテ:なんだコイツ
”梟”:スーパースパイだったのかも
カラジン:宝くじスクラッチだよ
”梟”:振り足しはありますか?
ダンテ:梟辞めて射手鷲になりなよ
レヒト:実は妖精は相手の出目を見てからでは駄目なんだぜ。
カラジン:そう…さっきは完全に遅れてましたが、今回は
ダンテ:そうなのよね
レヒト:振った直後なのだな。本来は。
カラジン:見てから「まあ大丈夫でしょ」って思ってしまった
カラジン:油断……
GM:た……確かに判定前だもんな普通
GM:では今回はそういう処理で行きましょう。演出をどうぞ!
GM:====
レヒト:手首で切先を軽く回し、弾丸のように突き込む。この戦場において自分を超える反応速度の者はいないのは確信した。
レヒト:その一撃は先程と同様に、無慈悲に風に穴を開け絶叫させる死の先触れだ。
レヒト:万が一、奇跡でも起きなければ躱せる代物ではあるまい。
”梟”:刈り取るような死神の穂先。幾度も穿たれたそれに、死を直感している。
”梟”:故に、奇跡に懸けた。
”梟”:雷が落ちる。梟に向けて。
”梟”:「が、ぎっ」
”梟”:落雷による不随意運動。耐性があるとはいえ、捨て身の回避。
”梟”:それが辛うじて、剣の切っ先を回避する。天文学的な確率の運だ。
レヒト:「こいつ!?ま、俺に当てられねえんだったら、他の奴でも無理だろうよ」
カラジン:「うぇえ? ツキまくりだな、こいつ……」
”梟”:「フーッ……しゅるる」全身を焦がしながら、四人を見据える。
レヒト:「なにツキじゃなくツケたんだよ。命の払いをな」
レヒト:「取り立ての予行練習だ、カラジン。上手くやれよ。色んなモンを白人に貸してんだろ?」
カラジン:「はは、でけえ支払いだな! 取り立ての仕方はよく見たから知ってる。あいつらのやり方でね……」
カラジン:「やつらが始めたゲームだ」
ウィリアム:「私は君にベットしてるんだ。」
ウィリアム:「頼んだぞ。」マッチを擦る。
GM:====
双頭の蛇:イニシアチブは15。蛇の手番。
双頭の蛇:ここは奥の手を使おう。
双頭の蛇:オートでアナザーセルフ。異形の祭典の使用回数を回復します。
双頭の蛇:120%だからデビストも出来まい!
双頭の蛇:マイナー:《堕落の爪lv10》
双頭の蛇:メジャー:《伸縮腕》+《C:エグザイル》+《オールレンジ》+《異形の祭典》
双頭の蛇:対象はPC4人じゃ!
双頭の蛇:妨害なければ判定行きます。
レヒト:きなさい。
カラジン:もはや余力なし
双頭の蛇:うおおお
双頭の蛇:11dx7
DoubleCross : (11DX7) → 10[1,1,3,4,5,6,6,6,8,9,10]+5[3,3,5] → 15

ダンテ:腐れ!
双頭の蛇:オエ・・・・
ダンテ:腐った
カラジン:チャンス!!!
双頭の蛇:ハアッハアッハアッ
カラジン:あっ暴走解除してなかった
レヒト:一応ドッジします。
ダンテ:《守りの弾》
双頭の蛇:リアクションドウゾ!
レヒト:お!!
双頭の蛇:うわ!守りの弾!
カラジン:サラサラサラサラ……(崩れ落ちる音)
カラジン:守りの弾!
ダンテ:これをLV1で取得し使用します
レヒト:ダンテさん格好良いー!!
カラジン:ここでこんなとは! 頭脳プレイ!
ウィリアム:ダンテさん…!
ダンテ:リアクションと組み合わせられるので…《電光石火》も使うぞ!
レヒト:15なら。妖精が1発ある状況ならほぼ成功
双頭の蛇:ヤダ~~~~~ッ
双頭の蛇:全部1出ろ!
カラジン:妖精の残弾は1発、もう1発なら増やせる このために15点も支払っておいたのだ
ダンテ:やってやるぜ
ダンテ:12dx=<15
ダンテ:あれっ 普通にふるか…
ダンテ:12dx
DoubleCross : (12DX10) → 10[1,1,2,2,3,3,3,5,6,6,9,10]+2[2] → 12

GM:よっしゃああああ
カラジン:妖精の手を使います。
ダンテ:ぐぬぬぬぬぬぬ
GM:クソ~~~~~!!!!
ダンテ:よっしゃ!
ウィリアム:ナイス!
カラジン:侵蝕116→120
ダンテ:1dx+20
DoubleCross : (1DX10+20) → 1[1]+20 → 0 (ファンブル)

レヒト:やったぜー!これがチームワーク!
GM:妖精さんさえ居なければ~~~~ッ
カラジン:1が出るならロイスによる振りたしじゃなくてよかったw
ダンテ:これは20ってことかな
レヒト:21の筈よ
ダンテ:21か
双頭の蛇:攻撃は失敗します。だがこれでダンテさんの行動も潰れた……!
ダンテ:オラッ!成功ジャイ!
ダンテ:ダンテの侵蝕率を9(→ 9)増加 (113 → 122)
ダンテ:ダンテのHPを1d10(→ 7)減少 (4 → -3)
ダンテ:反動で死にました
双頭の蛇:このまま倒れても良いんスよ
ダンテ:いや……上級諜報員として倒れるわけにはいかない……
ダンテ:ウィリアム先生のロイスを消化して復活します
GM:うおおお
GM:では……演出に参りましょう。
GM:====
双頭の蛇:「確かに、これは……君たちが始めたゲームだ」
双頭の蛇:「それでも構わない。最後に差し手の椅子に座っているのは、”射手鷲”でも、ましてや”アピス”でもない――」
双頭の蛇:「ぼくだ」
双頭の蛇:再び異形のレネゲイド活性能力を装填している。樹状の触腕。
双頭の蛇:今度はレヒトを射程に捉えた。過たず、触手の海が”射手鷲”を襲うだろう。
レヒト:「大人気だな。椅子。フルーツバスケットって命がけでやるもんかね」
レヒト:端正の顔を獰猛に歪め犬歯を剝き出しに待ち構える。
ダンテ:しかし、蛇が構えた大樹は、それ以上延びることはなかった。
カラジン:「残念だね。すべてが一つながりの、絶え間ない嵐の渦ってことを……信じることができない……」 雷から生まれた翼が閃く。
カラジン:「それさえ認識できれば、宇宙すべてが味方する。……もっとも、俺だって信じてないがね。援護するよ、旦那」 雷の小鳥が飛ぶ。
ダンテ:触腕が枝分かれする寸前、逆に根本から朽ち、腐れ落ちる
レヒト:精々が多少体を捻って急所を躱すくらいしかできないのなら、無駄な事はしない。
レヒト:それに、まあ、向こうに奇跡が起きるなら、こちらに起きる事もあるだろう。
レヒト:例えば、弱きを助け強きを挫くヒーローが目の前に顕れて、少年のピンチを救う。とかそういう現象だ。
レヒト:「ん?誰が弱いか!?」
ダンテ:「東洋の五行思想に曰く」
ダンテ:崩れ落ちた触腕の中から、ナイフがこぼれ落ちる。先程の交錯の瞬間、人知れず打ち込まれていた。
双頭の蛇:「月をダウンさせながら……こんな芸当までこなしてたのか!?」
ウィリアム:煙草を咥え、火を点ける。
ウィリアム:能力発動の為ではない。ただの一服。
ダンテ:「雷は木気に属するらしい。それは樹木の生育を司る概念ではあるが」
ダンテ:「枯渇もまた生育の延長線上にあるものだ」
ダンテ:ナイフを拾い上げる。カラジンの放った雷の残滓が微かに刃に残っている。
双頭の蛇:致命であったはずの蛇が、形を失っていく。
双頭の蛇:「時計の針を回しまくったってわけか。確かに……それは効果的だ。すごくね」
レヒト:「東洋人訳わかんねーな。稲妻が木ぃ?落ちてくるからかよ?やっぱ、普段の読書量増やさないと駄目だな」
ウィリアム:「要するに」
ウィリアム:「また貴様が”なんとかした”わけか。」
ウィリアム:「出番だけは見逃さないな、目立ちたがりめ。」
ダンテ:「台本通りで良いのなら、我々は最初からここにはいないさ」
ダンテ:「歴史の筋書きを変えるのは、常に貪欲なまでの人の意志だ」
GM:====
GM:続いてイニシアチブ7 ”アルゲンタヴィス”。
カラジン:やるぞ!
GM:IREZUMI BREAKER
カラジン:一応、マイナーで油断なく暴走を解除 さっきは油断していた…
カラジン:もはや油断はない!
カラジン:メジャーで雨粒の矢+シングインザレイン。 マイナーのオリジン:レジェンドは1R目で使ったのでまだ有効。
カラジン:対象は敵全員! 蛇、梟、アビー!
カラジン:6dx+22
DoubleCross : (6DX10+22) → 8[3,4,6,7,7,8]+22 → 30

カラジン:妖精の手。
カラジン:1dx+32
DoubleCross : (1DX10+32) → 10[10]+8[8]+32 → 50

ウィリアム:スゲー!
カラジン:回ってしまったな~~~!油断のなさが!
レヒト:これはやったな!!
ダンテ:完璧~
カラジン:侵食率120→130
GM:う わ あ あ 達成値50がエンゲージを練り歩いている
GM:リアクションを取ろう……何とかしてみせるッ
双頭の蛇:まず双頭の蛇は《スプリングガード》を選択。
双頭の蛇:ガード値17でガード。
”アビー”:イベイジョン15で命中する……ので
”梟”:梟はアビーをカバー。
カラジン:カバッ!?
レヒト:行動放棄カバーかな?
”梟”:《マグネットフォース》があります!とはいえダメージ軽減はない。そのまま受ける!
”梟”:それぞれダメージをどうぞ。
ウィリアム:オートで《力の霊水》。ダメージダイス+4D
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を4(→ 4)増加 (114 → 118)
レヒト:《デビルストリング》
GM:オエ~~~~ッ
カラジン:いただき!
レヒト:マグネットフォースを消す。
GM:な……何が起こった……
ダンテ:その手があった!
カラジン:デビストも決まった…
ウィリアム:すごいぜデビスト!
ダンテ:デビスト名人
レヒト:くくく。だから聞いたのよー!
レヒト:106→112
”梟”:で……では、カバーは失敗します!チクショ~~~!!!
GM:では対象は予定通り三人です。ダメージをどうぞ。
カラジン:ダメージダシマス
カラジン:10d10+12+16+15
DoubleCross : (10D10+12+16+15) → 57[8,10,5,7,4,7,2,1,8,5]+12+16+15 → 100

カラジン:諸々有効!
ウィリアム:スゲーダメージが出てしまった
レヒト:100かぁ。
GM:経験点100+(30)の姿か?これが……
GM:え~っと
カラジン:シーン攻撃火力にほぼすべてのリソースをつぎ込み、さらに援護も得ていますからね
GM:まずアビーと梟が死にます。耐えられるわけねーだろ!
GM:梟とアビーに復活エフェクトはない……
双頭の蛇:当然蛇も死ぬ。そして《蘇生復活》。
ダンテ:追い詰めたぜ!
カラジン:瀕死復活かッ
レヒト:ウィリアム先生が残っておるわー!
双頭の蛇:復活時、オートアクションで特殊行動《自爆》を発動します。
ウィリアム:ゲッ
カラジン:ここか!
カラジン:NPCカード『ワイアット・アープ』の出番だ
ダンテ:いかん!止めろー!
カラジン:お願いします、用心棒の先生
レヒト:冒涜的だなぁ。カラジンの中の人が言うとw
GM:ではNPCカードの効果により、《自爆》への対抗判定が明らかになります。
GM:《自爆》の察知は、メジャーアクションを消費し、〈知覚〉または〈意思〉難易度15の判定を成功することで
GM:これを解除することができます。
ウィリアム:メジャーアクション残ってるのは…自分か!
GM:解除に失敗した場合、”双頭の蛇”を含めたエネミーは死亡し、後のシナリオに一部変化が生じます。
レヒト:カラジンちゃんフリー経験点余ってる?
カラジン:本当ならカラジンが得意中の得意なのだが……
カラジン:もう残ってないです!!!!
カラジン:いまので最後!!!
ダンテ:ここは先生に託す他なし
ウィリアム:なるほど
レヒト:GM。色ロイスは使えるかい?
ウィリアム:ではフリー経験点4点を使って意思を2レベル上げます。
GM:色ロイスは許可します!
ウィリアム:さらに残しておいた最後の潜伏者。
GM:うおおお
ウィリアム:達成値+5
カラジン:なるほど、潜伏者
ダンテ:これを見越していたかのように!
レヒト:すげえぜ。行ける
カラジン:ロイスの残りを考えると、勝利の確率は……極めて高い!
ウィリアム:ロイス斬ります。ナチェルターニェを切って判定ダイス+10
ウィリアム:では判定。
ウィリアム:意思で判定ね!
GM:男だ……!判定をドウゾ!
ウィリアム:15dx+7>=15
DoubleCross : (15DX10+7>=15) → 10[1,4,5,7,7,8,8,8,8,9,9,10,10,10,10]+6[5,5,5,6]+7 → 23 → 成功

ウィリアム:成功。
カラジン:パーフェクトに勝利~!
ウィリアム:かんぺき~
GM:GOT IT
ダンテ:計算通り!
レヒト:自爆を防ぐのが医者キャラなの美しさがありますね。
GM:では……オートアクションの自爆は無効化されます。これでSUB TASKも達成!
GM:後は蛇を戦闘不能にするだけだ!
GM:では、カラジンくんの範囲攻撃→ウィリアム先生の自爆ストップの順で演出をどうぞ。
GM:====
カラジン:おす!
ウィリアム:合図のように煙草を地面に放り、新しい煙草を咥える。
ウィリアム:「吸い過ぎだな、今日は。」
カラジン:「待てよ。一番の目立ちたがり屋を忘れてないか? そう! 最強の呪術師が残ってる……つまり」 空を指差す。雷雲が流れている。
カラジン:「派手にやるってのは、こういうことだ!」 空を指差したのは、単なるミスディレクションにすぎない。呪術師がやる、己の儀式を派手に見せる仕草。
双頭の蛇:「そう来るか! シャンバラにも渡れなかった成り損ないが……!」
カラジン:スコールのような雨が、唐突に降り注いだ――と思った瞬間には、雷が大気を満たしている。
双頭の蛇:「”梟”!一番でかいのが来る!”アビー”を護れ!」
カラジン:稲妻と雨が物理法則を嘲笑うように、自由な軌道で敵を打ち据える。何度も。引き裂くように。
”梟”:「ぎ」雷に打たれながら、既に動き出していた。界雷を渡るように跳ね跳び、”アビー”の前に躍り出る。球電が発生し、それが盾となるかと思われた。
レヒト:「あのよぉ。スパイが目立ってどうすんだよ。ってのは言いたくなるぜ、なぁ」
レヒト:言いながら、最小限の動作で足を出す。雷速で跳躍する梟の足を正確に引っかけていた。”アビー”の前に躍り出る事はない。自分が作成した球電に頭から突っ込ませる。
レヒト:「こういう風に地味に出来んもんかね?」
双頭の蛇:「ッ、”タナト”、テリ、ステスッ……!貴様ァ!」
カラジン:「それのどこが地味だ――おい、聞こえてるか”蛇”野郎。俺が買い取る大地には足りないものがあるんだ」
カラジン:「てめーの墓穴だ。特等席空けて待ってるぜ!」 雷鳴が轟いた。
双頭の蛇:「ガッーーぶあああああああッ!!!」
双頭の蛇:異形の盾が、ついに雷に引き裂かれる。膝を付く。
レヒト:「火葬もしてやるとは、サービスが効いてるな。俺にはやんなよ」
双頭の蛇:「ぼ……墓穴、か」
双頭の蛇:口と目から黒煙を吐き出しながら、嘲笑うように呟く。
カラジン:「心配しなくてもレヒトには別のサービスが……おい! 妙な真似をすんなよ!」
カラジン:「いまのは何回でも叩き込めるんだ。諦めて大人しく焼け死ね!」
双頭の蛇:「もう遅い。どこまでやれるか試すというのは、こういうことだ」刺青が輝く。
双頭の蛇:「お前も一緒に逝くんだよ、『雷の翼』ァ……!」
ダンテ:「───やはり、このタイミングか」手元の刃に光が反射する。それが狙撃手への合図だ。
ウィリアム:息を吐く。
ウィリアム:灰色の煙が雨に溶ける。
ウィリアム:それだけで、”双頭の蛇”の刺青の輝きが消える。
ウィリアム:「死に方を、」
ウィリアム:「選ぶ権利があると思っているのか?」
ウィリアム:「目の前に死神が二人いるというのに。」
双頭の蛇:「な………………」絶句する。刺青が不規則に発光するが、その輝きは弱い。
双頭の蛇:ヒューズの切れた電球のように瞬いて、消える。
カラジン:「ひゅっ」 顎の下の汗を拭う。 「……だよな? わ、わかってたぜ!」
ウィリアム:「お前を一度”殺した”。正確には、そう身体が感じるよう仕向けた。」
ウィリアム:「最新の擬死薬だよ。」
ウィリアム:「名を、灰色の生贄(グレイ・サクリファイス)という。」
ウィリアム:「それが、お前に与える処方箋だ。」
GM:合わせるように。立て続けに三度、銃声が響く。
ワイアット・アープ:通常の弾頭ではない。薬包弾だ。
レヒト:「死が起動条件なら、条件を満たして刺青が発動するが、だが正確には肉体は生きている。バグが発生するって訳だ」
レヒト:「俺達が関与する隙が発生すると」
ウィリアム:「正解だ。死神二号くん。」
ワイアット・アープ:『いきなりアピスに頼んで、妙な弾頭を作らせたと思ったら――』
ワイアット・アープ:『まさか疑死薬とはな。死神サマには恐れ入る』
レヒト:「物覚えの良い生徒で先生も満足だろ?無料で勉強させてる甲斐もあるってな」
カラジン:「え……あの薬、そんなヤバいものなの? いざとなったら飲めって言われてたんだけど、ゾッとしねえな~~~」
ワイアット・アープ:『ならよ、この鐘はサービスだ。トランぺッターよろしく、刈り取ってくれよ』
ワイアット・アープ:『てめえが一番早ェ』
GM:ご お お お お ん
GM:銃弾に弾き飛ばされた、墓鐘が再び鳴り響く。
GM:死神たちの狩場に。
GM:====
GM:クリンナップなし。
GM:【ROUND 3】
GM:【ENGAGE】

(”双頭の蛇”[5]、ダンテ[6])-5m-(カラジン[7]、ウィリアム[4])-5m-(レヒト[16])

GM:セットアップ。
カラジン:なし!
双頭の蛇:アビー……アビー!?アクセルは!?
ダンテ:なし!
ウィリアム:《活性の霧》対象はレヒト。
レヒト:なしだぜ。
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を3(→ 3)増加 (118 → 121)
ウィリアム:攻撃力+18、ドッジダイス-2です
双頭の蛇:こちらはなし。行動値5のウーパールーパーになってしまった
レヒト:ありがとうー。
GM:====
GM:では……イニシアチブ16。”タナトテリステス”。
レヒト:ではマイナーで移動。双頭の蛇のエンゲージ。攻撃は双頭の蛇。
双頭の蛇:異常に早いよ~~~
双頭の蛇:妨害なし。攻撃をどうぞ。
レヒト:ロイスも取得しましょう。双頭の蛇。 感服/憐憫〇
レヒト:コンボ《テンポ・ジュスト》 《アタックプログラム》+Rエンハンサー
レヒト:8dx+17
DoubleCross : (8DX10+17) → 8[1,1,2,4,4,5,6,8]+17 → 25

双頭の蛇:これは……活性の霧の固定値があるから喰らうとまずい……!
双頭の蛇:いや だがDDが腐る可能性の方が高い……奇跡に懸けてみよう。。
双頭の蛇:ロイスを取られている…ここで迎え撃つ!ガード!
ウィリアム:《力の霊水》ダメージダイス+4D
双頭の蛇:オートで《スプリングガード》使用。ガード値17。
ウィリアム:ウィリアムの侵蝕率を4(→ 4)増加 (121 → 125)
双頭の蛇:うおおお
レヒト:ではダメージ! 侵蝕112→115
双頭の蛇:な……何てことするんだ
双頭の蛇:来い!耐えきってやる……!
レヒト:3D10+2d10+4d10+11+18
DoubleCross : (3D10+2D10+4D10+11+18) → 16[8,7,1]+11[2,9]+12[1,1,5,5]+11+18 → 68

双頭の蛇:ぜんぜん無理でした。戦闘不能。
双頭の蛇:復活エフェクトもなし。倒れます。
GM:クライマックス戦闘終了。PCの勝利です。
ダンテ:我々の勝利だ!
GM:では……レヒトくんと先生!最後の演出をお願いします!
GM:====
ウィリアム:銃弾を受け、抵抗しようとする双頭の蛇に声を掛ける。
ウィリアム:「ご安静に。」
ウィリアム:「中和剤が無ければ昏睡状態に陥るほどの量だ。」
ウィリアム:「無理に動くと体に毒だよ。……ま、」
ウィリアム:「毒を盛ったのは私だが。」
双頭の蛇:「こ……の」ぐらりと体が傾ぐ。「闇医者風情が……」
レヒト悪辣な医師一人目の死神の言葉の終わり、獰猛な獣二人目の死神が鐘の音と共に踵を上げた。
レヒト:「死に方は選べないが、行先は選んで良いぜ?」
レヒト:ずだんっ!
レヒト:と言う激しい音は──
レヒト:12ヤードを一跳びで詰める彼の踏み込みと、そして同時に繰り出してきた、刺突剣が空を叩く炸裂音だった。
レヒト:「あんたが天国に行こうが地獄に行こうが、煉獄に留まろうが知ったこっちゃねえよ」
レヒト:後ろ脚と、腕は真っ直ぐに伸び切っている。
レヒト:「死神は殺す迄が仕事だ。そこから先は管轄外。そこまでは追わねえよ」
双頭の蛇:音と同時に、皮膚を海綿状に変形させ、樹状の盾を展開した。そうするだけの瞬発力と判断力があった。
双頭の蛇:全てが遅い。死神の鎌の前に、ただ貫かれている。
レヒト:樹状の盾を貫通した刺突剣は、胸の真ん中に、それこそ樹木が生えたように突き刺さっていた。
双頭の蛇:「ば……馬鹿だな」血を吐く。
双頭の蛇:「この世界が……そうじゃないとでも思ってるのか?」
双頭の蛇:「地獄じゃないとでも?」
双頭の蛇:「今はそう思わなくても、いずれそうなる……」
レヒト:「あぁ、あの言葉は本当だな?」
レヒト:「希望を捨てた奴から死んでいく」
レヒト:「あんたは、死神に会う前から、命運が尽きてたのさ」
双頭の蛇:「……覚えてるさ」突剣に手をかける。
双頭の蛇:「絶滅させてやる。タナトテリステス」
双頭の蛇:「だが……この体は、もう限界だな」
レヒト:刺突剣を引き抜き、血振りを行う。
双頭の蛇:「嫌な気分にさせたくなった……一つ教えてやるよ。僕の今使ってる体は、少なくとも……”希望”を探そうとしてた」
カラジン:「……なんだ? おい待て、何が言いたい……?」
双頭の蛇:「……探してみろ。得意なんだろ? 歴史を変えられるはずだ……」体が横に倒れる。その瞬間に、カラジン・コチェタの瞳を見る。
双頭の蛇:その首にある、『雷の翼』を。
双頭の蛇:「ヴィクター・フランケンシュタイン」
双頭の蛇:「それが”この体”の名だ」
双頭の蛇:次の瞬間、刺青が燃える。
GM:その焔に熱はない。だが、”月”も、”梟”も、”アビー”の刺青も……その燃焼に伴い、消えて行く。
GM:まるで氷が融けるかのように。
レヒト:「人の心を動かしたきゃ、手前の口で直接言って欲しいもんだぜ」
レヒト:謎かけのような物言いに、辟易したように言う。
カラジン:「わかんねえな……」
カラジン:「なに考えてんだ、こいつは」
ダンテ:「……気配が変わった。操作を打ち切ったか」
ダンテ:先程まで"双頭の蛇"だった女の身体を抱き抱える。
ウィリアム:「さぁな。だが、”ヴィクター”は答えてくれるかもしれん。」
ウィリアム:「スイートルームに招待してさしあげろ。」
カラジン:「お医者さんごっこは任せた。……引き上げか」
カラジン:「寒ィな」
GM:エネミーに使用されていたエネミーエフェクト”ブレインジャック”が解除されました。
GM:これ以降、”双頭の蛇”はNPC”フランケンシュタイン”として扱います。
クロエ:『”キャラバン”、状況終了。お疲れ様』”アピス”による通信網。
ライラ:『”トンボラ”、状況終了! ジョン野郎が雇ってたザコは全員片しといたよ~』
レヒト:「損傷点を最小限に留めた俺の腕を褒めるやつはいないのかね?結局、俺が1、ダンテが1、カラジンが2」
レヒト:「ウィリアムがオールアシストかよ。MVPはウィリアム先生かぁ?」
ウィリアム:「功績の話か?」鼻で笑う「全員0で横並びさ。」
ウィリアム:「なぜなら、我々がスパイだからだ。」
GM:……そうして、諜報員エスピオナージはまた影に溶け行く。
GM:翼を隠し、爪を偽り、己さえも騙しながら。
GM:夜になっていた。三月のベオグラードの風はまだ冷気を孕んでいる。
GM:====
GM:【BACKTRACK】
GM:今回のEロイスはなし。
GM:Dロイスはジョン・スミス全員がそれぞれ【傍らに立つ影】を所持していました。
GM:バックトラック前にロイス取得宣言ある方はどうぞ。
ウィリアム:バクトラ前にロイス取得。
ウィリアム:ヴィクター・フランケンシュタイン/〇興味/憐憫/ロイス
ウィリアム:これで残りは5コ
GM:OK!
GM:では各自バックトラックなどをどうぞ~
レヒト:僕は今回は1倍で。6個あるし。侵蝕も115だ。
レヒト:115-6d10
DoubleCross : (115-6D10) → 115-26[1,5,1,7,6,6] → 89

ダンテ:侵食122、残ロイス4。怖いので倍振りしよう
カラジン:2倍振りします!
ダンテ:122-8d10
DoubleCross : (122-8D10) → 122-48[3,10,7,9,7,3,8,1] → 74

ウィリアム:ウーム、二倍振り!
ダンテ:3点!
カラジン:130-12d10
DoubleCross : (130-12D10) → 130-63[1,4,5,7,6,3,10,7,1,7,5,7] → 67

ウィリアム:125-10d10
DoubleCross : (125-10D10) → 125-58[5,3,3,10,9,3,6,1,9,9] → 67

ウィリアム:3点!
GM:なかよし
カラジン:3点!
GM:では経験点を配布します。

【RESULT】
SESSION COMPLETE……5点
SUB TASK S級評価達成……5点
Dロイス【傍らに立つ影】*4……4点

GM:これにいつもの5点を加えて19点。
GM:これで、19点に皆さんのバクトラ経験点を加えたものが今回得られる恒常経験点となります!
ダンテ:22点!
カラジン:22!点!
レヒト:24点。
GM:ウィリアムさんは22点かな
GM:で、GMはこれを3で割って……
GM:30点!頂きます!
ウィリアム:あ、22点です!いただきます!
GM:ワオワオ!
GM:また、今回得られる【設備費】は5点となります。
GM:ED後に拠点の拡張が可能となるので、皆で話し合って使い道を決めてネ!
GM:====


ED1『逆写像/Inverse Mapping』

GM:???? UBVノーチラス 長官室
GM:”ジョン・スミス”、および”ナチェルターニェ”を巡る一連の事件は……首謀者と思しき刺青の女性の捕縛によって収束を迎えた。
GM:きみたちは『ノーチラス』の長官室にて、”アピス”に事件の顛末を報告することになる。
GM:こうしたミ―ティングは、もっぱら”アクィリフェル”と”サーティーン”のペアで行うことが通例だった。
====
ウィリアム:スコッチを開け、グラスに注ぐ。
ダンテ:「……以上が、対"ジョン・スミス"戦のあらましになる」帰還までの短い時間でまとめた報告書を片手に、説明を終えた。
”アピス”:「御苦労だった。『ナチェルターニェ』の確保、及び敵性工作員の捕縛」
”アピス”:「これでセルビア政府の権勢は”積極派”に大きく傾くだろう。我々の権限も必然的に拡大することが予想される」
”アピス”:天使の羽の刻印が押された葉巻を吸い、ゆっくりと煙を吐き出す。
”アピス”:東欧の小国、カソビア産の葉巻だ。一本でウイスキー1パイントほどの値段が張るだろう。
ウィリアム:香りを楽しんでから、喉に流し込む。
ウィリアム:基本的な報告はダンテが行い、都度ウィリアムが修正、あるいは補足を入れるのが決まりとなっていた。
ダンテ:「結果的に、長官殿の思惑通りになったというわけか」
”アピス”:「全てが計算通りというわけではなかった。特に、”ジョン・スミス”の能力……レネゲイド能力の分配と自我の共有は」
”アピス”:「いずれの国の諜報部も欲しがる技術体系だろう。明らかに既存のシンドロームを逸脱している」
”アピス”:「直接戦闘に携わった君たちの意見を聞きたい。彼らの背後には、誰が居ると思う」
ダンテ:「だろうな。他社のレネゲイドとの親和性の高いウロボロスでも、意図的に能力を植え付けるのは難しい」
ダンテ:「背後?」
”アピス”:「刺青を刻印された者が存在するなら」
ウィリアム:「彫師もいる。」
”アピス”:頷く。
ダンテ:「……"双頭の蛇"の口ぶりからして、彼女自身も誰かに操られている様に見えた」
ダンテ:「単純に考えれば、その人形師が、彫師でもある……と推察できるが」
”アピス”:再び葉巻に火を点ける。「その通りだ。刺青……”アルゲンタヴィス”と同系統の……」
”アピス”:「だが」ダンテとウィリアムに葉巻を見せる。
”アピス”:「例えば、カソビア公国……天使信仰が根強い国では、オーヴァードのことを翼持つ者アレータと呼称する」
”アピス”:「私は最初、彼らの刺青も、そう言った民族上の誤謬に連なる物ではないかと考えた」
”アピス”:「世界のどこかに、そう言った技術体系を有している民族ないしは国家が存在し……そして、”ジョン・スミス”の背後関係もそこに集約されるのだと」
”アピス”:「全て考え違いだった」
ダンテ:「……どういうことだ?」
”アピス”:「”アルゲンタヴィス”の呼称する、”チャタ族”という民族は存在しない。世界中のどこを探してもな」
ウィリアム:グラスを置く。
ダンテ:「彼の事情については聞かされている」
ダンテ:「滅ぼされたのだろう?彼が最後の生き残りなら、民族としてのチャタ族はもう存在しないに等しい」
ダンテ:「そう言う意味ではないのか?」
”アピス”:首を振る。
”アピス”:「そういった段階にはない。”チャタ族”の痕跡そのものが発見されていない」
”アピス”:「私が……彼を手元に置いているのは」
”アピス”:「最初は純粋な、諜報員としての実力を買ったからだ。だがそれは次第に、監視の名目へ置き換わった」
ウィリアム:「馬鹿な。」
ウィリアム:「家出した子どもとは話が違うぞ。”民族”を消すと言うことは、」
ウィリアム:「周辺の土地に与えた影響、風俗、文化、歴史、全てを消すということ。」
ウィリアム:「どんな力があればそんなことが出来る。」
ウィリアム:「それか……」
ウィリアム:「カラジンが嘘を付いていることになるな。」
”アピス”:「解らない。だからこそ、彼を籠の外に解き放ってはならない」
”アピス”:「さしずめ古代ローマの記録抹殺刑だ。……だが、唯一確かな手掛かりは、彼の身体に刻まれている」
ダンテ:「雷の翼。か」
ウィリアム:「刺青を入れ、架空の部族の文化まで創作して我々を騙していたのなら、逆に感服するところだな。」
ウィリアム:「さながらジョルジュ・サルマナザールだ。」
ダンテ:「私見だが、彼がそのような嘘をつく……もとい」
ダンテ:「我々のような諜報組織の只中で、嘘を突き通せるほど器用な人間とは考え難い」
ダンテ:「……だが、方法が全く無いわけではない」
”アピス”:「方法?」
ダンテ:「奇しくも我々は、人格を乗っ取り、書き換えるオーヴァードと対決したばかりだ」
ダンテ:「彼自身が、本来の彼ではない……或いは、本来の彼のものではない記憶を植え付けられている」
ダンテ:「そういった可能性は否定出来ないだろう」
ダンテ:「だが、それなら尚更、先程の結論はおかしい」
ダンテ:「ジョン・スミスの背後にあるのは国家では無いと言ったな」
ダンテ:「仮にジョン・スミスと、カラジンに何らかの、彼の言う因縁とは別の関連性があるとして」
ダンテ:「国家の後ろ盾も思惑もなく、どうやって運用できる」
”アピス”:「諜報員は、それ単体で世界の変革がなし得るような駒ではない」
”アピス”:「獲得した情報を『使う者』が存在し、初めて運用価値が発生する。何故ならその情報を用いるのも国家だからだ」
”アピス”:「よって、考え得るのは」
”アピス”:「国家相当の力を持つ個人、ということになる」
ダンテ:「……」
”アピス”:「今回の襲撃の裏にはオーストリアの影があった。だが、彼の国を首魁と断ずるには早計過ぎる」
”アピス”:「情報を集める必要がある……よって、君たちに見極めて貰いたい」
”アピス”:「カラジン・コチェタは、誰なのかを」
”アピス”:席を立つ。「”フランケンシュタイン”への尋問もじきに可能になるだろう。まだ昏睡状態らしいがな」
ウィリアム:「……了解。」
”アピス”:「……」
”アピス”:「私を冷酷と思うか?」
ダンテ:「……そう在ろうとするのなら、その質問はするべきではない」憮然として嘆息する。
ウィリアム:「いえ?」
ウィリアム:「不確定要素は警戒するに越したことはないでしょう。」
ウィリアム:「あなたが”ゲヴァイ”を警戒したように。」
ウィリアム:「疑った理由は、」
ウィリアム:「彼にも刺青があるからでしょう。」
ウィリアム:「ヨーロッパの貴族の間では、日本旅行の際は刺青を入れるのが流行りだったとか。」
”アピス”:「……”ゲヴァイ”は結局のところ、シロだった」
”アピス”:「彼もまたそうであることを願おう」
”アピス”:「”サーティーン”。君は彼の正体に気付いているな」ウィリアムに肩を竦める。
”アピス”:「死にたくなければ深入りしないことだ」
”アピス”:「それと、”アクィリフェル”」わずかに眉根を寄せる。
”アピス”:「君は一か月減俸だ」
ダンテ:「……」眉間に皺を寄せて
”アピス”:葉巻の火を揉み消して、長官室から出て行く。
ダンテ:「……一つ、許可を頂きたい」
ダンテ:扉が閉まる直前。背中に声をかける。
”アピス”:「……減給はジョークだが?」振り返らずに立ち止まる。
”アピス”:「許可、か」
ダンテ:「……カラジンは」
ダンテ:「我々"射手鷲"の仲間だ。今はな。そうでなければ背中は預けられない」
”アピス”:「我々は英雄ではない。明日はその背を刺され、旗を取り落とす日が来るかも知れない」
”アピス”:「それでも構わないなら、私も好きにしろと言おう」
ダンテ:「分かっている。だから言われた通り疑い、見極めよう。雇用主の命令だからな」
ダンテ:「その結果、彼が裏切り者ダブルクロスであったのなら……」
ダンテ:「その場で処理する。良いな?」
”アピス”:「…………」一瞬だけ、視線を落とす。
”アピス”:「問題ない。許可する」
”アピス”:「”射手鷲”に、翼を縫い留める十字架は不要だ」
ダンテ:「感謝する。長官殿」
”アピス”:答えない。そのまま長官室から去って行く。
ウィリアム:その背を見届けて
ウィリアム:「出来もしないことを言うんじゃない。」
ウィリアム:グラスを持ってスコッチを咽喉に流し込む
ダンテ:「……ふん」
ダンテ:「そんなことは、やってみなければわからん」空いたグラスを手に取って、ウィリアムに向ける。
ウィリアム:スコッチを開け、ダンテのグラスに注ぐ。
ウィリアム:「出来もしないことをやろうとするから毎回私に泣きつくんだろうが。」
ダンテ:「いつ私がお前に泣きついた。勝手に世話役を気取っているのはそっちだろう」
ウィリアム:「後処理をしないと全てご破算になるからだこの鉄面皮男。」
ウィリアム:「…………。」スコッチを傾ける。
ダンテ:「言っていろ。その鉄面皮に皺を刻むことができるのだから、お前の皮肉も大した切れ味だ」
ウィリアム:「大した誉め言葉だ。光栄だよ。」
ウィリアム:「……で、だ。」
ウィリアム:「カラジンはシロか、クロか。」
ウィリアム:「それともお前の言うようなグレーか。」
ウィリアム:「お前の直感を参考に聴いてやる。」
ダンテ:「人間の理性は視野狭窄だが、直感は俯瞰して物事を見る」
ダンテ:「下手に理屈をつけるよりは、直感に頼った方が正鵠を射る事が多い。と私は考える」
ダンテ:「シロだ」
ウィリアム:「意見が合ったな。」
ダンテ:「お前の屁理屈も捨てたものではないということだな」
ウィリアム:「二人とも騙されていたら…奴は大した役者だよ。褒めてやる。」
ウィリアム:スコッチを飲み干して立ち上がる。
ウィリアム:「酒が回った。今日は医者もスパイも閉店だ。」
ダンテ:「それは気の毒だな。お前から医者とスパイを取ったら何が残る」
ダンテ:自分もスコッチを一気に飲み干して、グラスを置く。
ウィリアム:「ただのハンサムな男になる。」
ウィリアム:「ご婦人にはそれで十分なのさ。」
ウィリアム:言い捨てて部屋の外へ。
ダンテ:「……」呆れた様子で暫く出口の方を見て
ダンテ:「……ふ」
ダンテ:鉄面皮の端に珍しく笑みを浮かべて、グラスに二杯目の酒を注ぐ。
ダンテ:「できもしないことを……だと?」
ダンテ:それを再び、一気に飲み干して
ダンテ:「できるさ……不可能を可能にするくらいでなければ」
ダンテ:「オーヴァードで在る甲斐がない」
====
GM:???? UBVノーチラス 娯楽室
”アピス”:「……」ドアを開ける。
ライラ:「うわ」
ライラ:「メチャクチャ顔怖いよ。どったのアピちゃん」
ライラ:「……ぜ~~ったいダンちゃんに何か言われたでしょ」
ライラ:言いながら、ボードゲームの箱を寄せる。
”アピス”:無言で卓に着く。
”アピス”:「……可能にするとも」
”アピス”:《空の楽器》。
”アピス”:たった一人、長官室に残るダンテの言葉を聞いていた。
”アピス”:「私は……」
”アピス”:「彼を英雄にしてみせる」駒を取り、一つ進める。


ED2『楽園は四つ/Path to Heaven』

GM:ベオグラード スカダルリヤ地区 喫茶『天使の首』
GM:”ゲヴァイ”の警護は満了した。それに伴い、彼は明日ベオグラードを去る。
GM:カラジン・コチェタと、相棒であるレヒトは、謝礼も兼ねて喫茶『天使の首』に呼び出されていた。
====
レヒト:「いいね。ただ飯ってのは、俺がこの世で一番好きな言葉だぜ」
カラジン:「この国、肉料理も美味いけどデザートもうまいな」
カラジン:「特にヨーグルトとベリーは最高だね。レヒト、お肉ばっかり食べてると魂が綺麗にならないぞ」
レヒト:「金があればな!こんな料理もデザートも金持ちしか食えねーよ」
レヒト:「そしてな。一番高い料理は肉料理な訳?わかる?」
”ゲヴァイ”:「ははは!若人の景気の良い食べっぷりに乾杯!」
ゾフィー:「ごめんなさいね、二人とも……あ、レヒトさん、野菜よそってあげるわ」
カラジン:「こんな機会はそうそうないって? まあな! ”ゲヴァイ”の旦那、気前いいな~」
レヒト:「俺は俺の魂のポリシーに懸けて肉食ってるんでお構いなく。優しいおばちゃん!」
カラジン:「まさか、明日がこの世の終わりじゃないよな?」
カラジン:「最終戦争が勃発したり隕石が降ってきたり、そういうのは御免だね」
レヒト:「この世の終わりなんて、個人の命の終わりで完成するだろ。世界を巻き込むなよ」
レヒト:「誰かがお前の胸に7発銃弾撃ち込めば、それでこの世は終わるぞ、まじで」
ゾフィー:「ウッフフ!お上手ね、断り方にも品があって」
ゾフィー:「でもダメよう。壊血病になっちゃうわ、ほら貴方とコチェタさんも」ぽこぽこと野菜を盛って強制的にそれぞれの所へ寄せる。
カラジン:「俺を殺したら、まあ、それは世界の終わりだね」
カラジン:「平和を守る最強の男が消えるわけだろ? 大ピンチじゃん」
”ゲヴァイ”:「終わられては困るな。六月にもまたこちらに戻ってくるのだが……」
”ゲヴァイ”:「歌姫マルグレーテの公演もある。君らの同僚にも音楽を嗜む人間が居るのだろう?」
レヒト:「あー。あー。成程。理屈としては通ってるわな。真実はどうかとして」
カラジン:「ええ? まだこの辺をウロウロするつもりなの? こんだけ命狙われてたのに、懲りねえなァ」
レヒト:「怪しい動きはすんじゃねえぞ」
レヒト:「って言うかよぉ。ちょろちょろ動いて良い身分でもねえだろ」
”ゲヴァイ”:「君たちに追われるのは勘弁願いたいな!」鷹揚に笑う。
ゾフィー:「ねえ、貴方……別に私、気にしないわよ。言っても」
カラジン:「身分? どっかの長ってこと?」
カラジン:「大富豪ならわかるけど、階級ってやつはまだよくわかんねえな」
”ゲヴァイ”:「……」腕を組んで考え込む。
”ゲヴァイ”:「大富豪と言えば……大富豪かも知れん」
”ゲヴァイ”:「皇族としての特権はないに等しいが、個人としての財産は……確かにあるからな」
カラジン:「皇族? 偉い人の血筋ってやつか?」
カラジン:「おいおいおいおい、大物じゃん!」
”ゲヴァイ”:「あまり大声で喧伝しないでくれたまえ……些か気恥ずかしいのだ」
レヒト:肉をナイフで切りながら、カラジンを見やり。
レヒト:「そ。身分はどうあれ、こんなとこで飯食ってるのが御望みなんだ。畏まる必要はねえってな」
カラジン:「こっちの大陸じゃあ、相当な大物っていう話だろ? なんか……色々とさア……っていうか」
ゾフィー:「うふふ……この人ね。皇族でもない私と結婚するために、自分からぽいって身分を投げ捨てちゃったのよ」
カラジン:「それならなおさら気になってきたことがあるな……」
ゾフィー:「今更この人たちに言っても……って、なあにコチェタさん」
ゾフィー:ヨーグルトを美しい所作で掬いながら。
カラジン:「え? ああ。前言ってたやつ」
”ゲヴァイ”:「夢、か」
カラジン:「そう」
カラジン:「あんたの夢ってなんだい、旦那」
レヒト:「夢ぇ?」
”ゲヴァイ”:「そうだな……今回もまた、生き残った」
”ゲヴァイ”:ちらり、とカラジンの肌を見やる。
レヒト:物凄い懐疑的な目で見ている。
”ゲヴァイ”:「全ての民族が」
”ゲヴァイ”:「……平和に暮らせる理想郷を作ること」
カラジン:「ああ、なるほどな」
カラジン:「それは居心地が良さそうだ」
”ゲヴァイ”:「かつて、フランスでも似たような理念を掲げて組織を設立しようとする動きがあったが」
”ゲヴァイ”:「……頓挫した。彼らは結局オーヴァードの力を盾として使うことなく、西欧連合に編入して他国への楔と為した」
レヒト:「立派だと思うし、戦争よりはマシだわな。問題は平和的に達成は出来そうにはねえって事だが」
レヒト:「フランス野郎どもの気持ちはわかるぜ」
カラジン:「この辺の国のことはよくわからないが、戦争しないって方針はよくわかる」
カラジン:「得するやつが少なすぎるからな」
カラジン:「要するに……あんたの考える天国ってやつか。どこにそんな理想郷を作るつもりだ?」
”ゲヴァイ”:「……少なくとも、我が国ではないことだけは確かだろう」
カラジン:「違うの!? 肉もデザートもこんなに美味いのに。そりゃ魚はもっと頑張ってほしいけど……」
”ゲヴァイ”:「皇族には責務というものがある。臣民に対して、思いとは違う姿勢を取らなければならないこともある」
レヒト:「お前な。昨日殺し合いしたばっかの土地なんですけどねぇ、此処」
”ゲヴァイ”:頷く。
”ゲヴァイ”:「まだ、誰のものでもない土地が必要だ」
”ゲヴァイ”:「例えば……そう、北極」
カラジン:「なるほど。そういうのがあんたの考える理想郷なら、きっとそれはそうなんだろう。っていうかそれ以外ない」
カラジン:「楽園の存在の証明は難しいからな。楽園に到達したら誰も帰ってこないしね」
レヒト:「少なくとも、肉もデザートも魚も期待できそうにねぇな」
レヒト:「楽園からわざわざ離れる奇特な奴はいねぇからか。人間は富を分配したがらねえからなぁ」
カラジン:「あんたの夢はよくわかったよ。もしも理想郷ができたら、俺も呼んでくれ」
カラジン:「やること終わらせたら、そこで暮らすことにするからさ」
”ゲヴァイ”:「その時は、鹿でも一緒に狩らないか、コチェタ青年」
カラジン:「鹿肉は美味いからね。そのときまでダイエットしときな」
”ゲヴァイ”:「私はトロフィーハンティングが好きでね。”ゲヴァイ”という暗号名も、鹿の角を指していてだな……はは!耳が痛いな」
カラジン:「健康が第一」
カラジン:「長生きするんだぜ、旦那」
レヒト:肉を食う。二人の事を醒めた目で見ている。
”ゲヴァイ”:「貴方たちも、良い旅を。射手鷲の諸君」
”ゲヴァイ”:「……」レヒトを見る。
”ゲヴァイ”:「そういえば、君は……」
”ゲヴァイ”:「どこかで……」
レヒト:「あん?」
カラジン:「お?」
レヒト:「俺は知らねぇから、気のせいだろ。こう見えても仕事柄、金持ちの顔はよく覚えてるもんだが」
カラジン:「生き別れの兄弟?」
ゾフィー:「あなた。いくらレヒトさんの顔が歌劇屋さんみたいだからって」頬をつねる。
ゾフィー:「あんまりじろじろ見るのは失礼よ……ごめんなさいね。この人、仕事柄色んな人によく会うの」
”ゲヴァイ”:「こら、つねるな。すまんね……いや、どこかで見た顔だと思っていたのだが」
レヒト:「いいって、いいって。男に言われたのは初めてだがね」
カラジン:「お前、変な子から近づかれるもんな~。任務に支障をきたすぞそのうち」
レヒト:「似た奴がいるなら、興味あるな。生き別れの兄弟だったら、金せびれねえかな?」
ゾフィー:「あのクロエって子は? 結構レヒトさんのこと、気にかけてたわよ」
レヒト:「勘弁してくれ。俺の事一番下っ端だと思ってやがんだ、あのアマ」
レヒト:「近づいてくる変な子の筆頭みたいなもんだ」
カラジン:「で? どうしても思い出せない?」
”ゲヴァイ”:「ううむ……」首を捻る。「どこかの晩餐会で見た気はする」
ゾフィー:「それって”思い出せない”じゃない。もう良いわ……」
ゾフィー:「あと!レヒトくんはそんなこと言っちゃ駄目よ、女の子相手に!」
ゾフィー:「いくら顔が良いからって邪険にしてたらその内本当に変なのしか寄って来なくなるわよ……」
レヒト:「でねぇと、そこのおっさんみたいにモテねえって?忠告は受けておくよ」
レヒト:「うちにはレディに優しいのが二人いるからバランスは良いと思うけどな」
カラジン:「たしかに俺とダンテは優しい」
レヒト:「あ。お前もそっちのカテゴリーに入れて良いのな」
カラジン:「ウィリアムはまったく優しくない」
”ゲヴァイ”:「何を言う!私はフランツ・フェルディナント・フォン・ハプスブルク=ロートリンゲンなるぞ」モテないという発言に。
”ゲヴァイ”:「求婚の申し出もそれは十や二十……あっ」
GM:フランツ・フェルディナント・フォン・ハプスブルク=ロートリンゲン。オーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者。
カラジン:「こっちの大陸の偉い人ってなんでみんなこんな名前長いんだ…」
レヒト:「うっかりで殺されんなよ」
レヒト:「マジで心配になってきた。金で買えない数少ないもんが命だからな」
カラジン:「そうそう。せいぜい気をつけろよ」
ゾフィー:「この人は私と出会った時点で、運命ぜんぶ使っちゃってるもんねえ」
カラジン:「ハハハハ! そりゃそうか!」
ゾフィー:「ほら、占い師さんのお墨付き」
レヒト:「ごちそうさま」
レヒト:タイミングとして肉が喰い終わるのと同時である。
カラジン:「ゾフィーさんを悲しませるなよ。あんた、俺たちみたいなのと違うみたいだし!」
”ゲヴァイ”:「違いなどないさ。皆同じ人間だ」
”ゲヴァイ”:「だが……」ちらりとゾフィーを見る。「忠告は受けておこう」
”ゲヴァイ”:「友人としてな」肩を竦める。
”ゲヴァイ”:「私はそろそろ行こう。積もる話もあるだろう、君たちは」
カラジン:「同じ人間、同じ宇宙。それを信じられるなら……、うん。そうだな」
カラジン:「ウロウロしてないで、まっすぐ帰りなよ」
”ゲヴァイ”:「支払いはこちらで持っておく。遠慮なくやりたまえ」
”ゲヴァイ”:頷く。
ワイアット・アープ:「よお」その背後からひょろりとテンガロンハットが見える。
ワイアット・アープ:「誰が帰りの護衛すると思ってんだ? おう」
カラジン:「黙って護衛してろ、カウボーイ野郎!」
レヒト:「ゾフィーさん口説くなよ保安官」
ワイアット・アープ:「200ヤード先でもハチの巣だぜ!仲良くやれよ、短射程の若輩ども!」ゲラゲラ笑いながら”ゲヴァイ”とゾフィーの道先を促す。
レヒト:「どうもウチの大人共は軽い」
カラジン:「軽すぎる」
ゾフィー:「やだ~、ちょっと!そんな年じゃないわよ、もう……それじゃあね、レヒトさん、コチェタさん」
ゾフィー:「貴方たちも元気で!」
”ゲヴァイ”:軽く片手を上げて、その後に続く。
レヒト:「長生きしな。飯奢ってくれたあんたは、まだマシな金持ちだぜ」
レヒト:軽く手を振って見送り。
カラジン:「ああ。また会う日まで!」 片手を振って、椅子にふんぞり返る。
カラジン:「ッくぁ~~~~~。今回も大仕事だったな」
カラジン:「なんでこうトラブルが多いんだ? みんな戦争大好きなのか? こっちの大陸から来たやつらは」
レヒト:「ジョン・スミスなんてのは超有名人だからなぁ。良くやり合ったもんだ」
カラジン:「人から何か奪わなきゃ生活できねえのかよ!」
レヒト:「そんなのお前が一番知ってると思うが。そうなんだろ」
レヒト:「金も土地も物資も人も、取り合い奪い合いなんだよ」
レヒト:椅子に寄り掛かって面倒臭く答える。
カラジン:「本当にそれだけか? 悲しいことを言うなよ、レヒト。そんな調子だと魂のステージが上がらないぞ」
カラジン:「せっかくお前はいい魂を持ってるんだから勿体ないぜ」
レヒト:「しかも金持ちは手前の手は動かさねぇ。貧乏人を使って自分じゃやりたくない事させるわけ」
レヒト:「ま、中には人を殺すのが大好きだって狂人もいるようだがよ」
レヒト:「で、なんだよ?その魂の色ってのは、俺みたいな貧乏人のガキがそんなの綺麗な訳ねえだろ」
カラジン:「だからだよ」
カラジン:「右に行ったことがなければ、左には行けない。下に行ったことがなければ上には行けない」
カラジン:「何が貧しいってことか嫌になるほどわかってなければ、そうじゃない世界を想像できない」
カラジン:「そう思わない?」
レヒト:「最初から見識経験が多いってか?」
カラジン:「一度も最悪の最悪の最悪って状況を経験してないよりは、そうだと思うよ」
カラジン:「本人からすりゃたまったもんじゃないかも?」
レヒト:「地獄の酷さを知らなけりゃ、本当の天国が作れないんだとしたら」
レヒト:「楽園を作るのは俺のような人間が相応しい。はは、冗談としては笑えねえな」
カラジン:「地獄や天国ってのは、俺にはちょっと難しくてわからないけど、楽園ならわかる……」
カラジン:「そこにいるやつが、”こういうのがいい”ってへらへら笑いながら言えるような場所のことなんじゃないか? どうだ?」
カラジン:「ダンテはまだ難しい顔してるかもしれないけどな」
レヒト:「ムカツクから、反論を考えてるんだが」
レヒト:顎に指をあてて考えている。
レヒト:「俺が良いと思える場所が楽園だと言う事を否定すると、俺は手前から幸せを逃そうとする奇人になっちまうな」
レヒト:「この詐欺師が!良い演説ぶちやがるぜ」
レヒト:唇の端をあげて笑う。
カラジン:「おいっ、俺はお前のスピリチュアルアドバイザーだぞ!」
カラジン:「……駄賃ついでに、一個だけ聞いてもいい?」
レヒト:「あいよ。何でも聞きな」
カラジン:「レヒトくん、夢とかある?」
カラジン:「あの旦那みたいなさ。ちょっと聞きたくなった」
レヒト:「夢ねぇ…夢か」
レヒト:「明日の飯とか、温かい寝床とか、そういうんじゃねえやつだよな」
カラジン:「あったり前だろ! 一生スパイで暮らす覚悟ができてるんなら聞かないけどさ」
カラジン:「なんかあるだろ?」
レヒト:結構、深刻に考えている。
レヒト:夢。夢とは。
レヒト:「やべえ。思いつかねえ」
カラジン:「ははははははははははははは!」
カラジン:「いいね。マジかよ。筋金入りだな」
レヒト:「おまっ、人が真剣に考えてやってんのに」
レヒト:「仕方ねーだろ。明日の飯と今日の命で精一杯だっつーの」
カラジン:「真剣に考えてそれなら、俺はやっぱりお前から目を離せないね」
カラジン:「面白いから」
レヒト:「はぁ!?」
レヒト:「期待に沿えねえ答えだと思ったんだがな。しかし、夢なんて持ってる方が良いもんかよ」
レヒト:「お前も、ウィリアムも、ダンテも持ってる訳?」
レヒト:「いや、お前の夢は土地を取り戻して、楽園を作るだったっけか」
カラジン:「いいや…………ウィリアムにはある。ダンテはもう叶ってる。俺にはない。夢、見れなくなってるからね」
カラジン:「土地を買い取って、大きな墓を作る。それは俺の最低限の仕事だ」
カラジン:「レヒトにはまだないっていうか、決めてないっていうかさ……まだ白紙なんだ」
カラジン:「それを見届けたいと思ってる」
カラジン:「強いて言うなら、それが夢かも?」
レヒト:「俺は珍獣か。構わねえけどよ。金になんねーぞ」
カラジン:「なるかもしれないだろ! レヒトツァイト・ベルゲングリューンの冒険……」
カラジン:「いい響きじゃないか?」
レヒト:「なるわ!金に!印税の半分寄越せよ。そう言う事なら良い結末になるように生きても良い」
レヒト:「毒虫になった挙句に射殺されたら、お前の一人勝ちになっちまうしな」
カラジン:「おっ。いいところに気づいたね」
カラジン:「そうだ。俺が勝ち逃げしないように生き延びてもらおうか」
レヒト:「そして、生きるからにゃ、お前の仕事も手伝うハメになるんだろうな」
カラジン:「当然……」 傍らの酒を一気に呷る
レヒト:面倒臭そうに溜息をつく。
レヒト:「俺には夢はまだねぇが。生き方は一つ決めている」
カラジン:「お。言ってみ? 気になるな」
レヒト:「俺は金の為に生きているが、金の為に裏切る奴だとは思われたくはない」
レヒト:「だから、お前ら仕事仲間には信頼されてぇとは思ってるのさ」
レヒト:「そういう生き方はしてやる」
カラジン:「……うん」
カラジン:「自分がどんな人間でありたいか」
カラジン:「何よりも重要なことだな。誰だって、自分自身からは逃げられない」
カラジン:「当てにしてる」
レヒト:「へぇへぇ。そこで皮肉を返さないのがお前の偉いとこだよ」
レヒト:「バランスが良くて助かる」
カラジン:「そうだろ? ……帰って飲みなおそうぜ」
カラジン:「ボードゲームが待ってる」
レヒト:「金使いたくねぇな。医者と色男に奢らせよう」
レヒト:「負けた奴が奢りって話に持っててよ」
レヒト:などと笑って席を立つ。
カラジン:「たまにはウィリアムに奢らせたいもんだな――」
カラジン:「行こうぜ」
GM:====
GM:昨日と同じ今日。
今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
だが日常の裏で、平穏を工作する者がいる。
”射手鷲”と呼ばれる彼らは、こうして一つ時計の針を進めた。
だが、その針が何を目指して進んでいるのか。
時計職人ウォッチメイカーならぬ彼らに未だ明日は見えず、されど空は続いていく。

GM:『ウォッチメイカー』キャンペーン
GM:Task.0 『ナチェルターニェ』 状況終了
GM:Next Task:Task.1『サラエヴォ』
GM:====
GM:では……皆さんお疲れさまでした
GM:最後に
GM:【設備費】の説明をして、今セッションを締めくくりましょう。
ダンテ:設備費!
GM:説明ッ!
GM:今回のセッションにおいて、PCは【設備費】5点を獲得しました。
GM:それを踏まえて、『ノーチラス』の施設を【設備費】を用いて成長させることができます。
GM:セッション中の様々な有利な効果が得られるため、何を成長させるか皆で仲良く話し合ってね!
GM:内訳はコチラ!

【NAUTILUS EQUIPMENT】
設備費3点で1lv上昇 最大lv3
・能力編纂室lv.0[0/3] フリー経験点+[lv*5]点
・聴音室lv.0[0/3] ミドル時、常時情報収集ダイス+[lv]個
・娯楽室lv.0[0/3] 調達判定達成値+[lv] ライラが張り切る

GM:Taskごとに得られる設備費も変動するので、今はとりあえず振りたい所に振っちゃって良いと思います。
レヒト:5点だからどれかをまずは1レベルにするしか出来んと言う訳だね
GM:そう!
GM:1lvに上げた上で、設備費の継ぎ足しも可能です。編纂室をlv.1[2/3]まで上げることもできる
GM:ではどこを上げるか宣言するのだ!
レヒト:では編纂室に5点全部ブッパします。
GM:OK!

【NAUTILUS EQUIPMENT】
設備費3点で1lv上昇 最大lv3
・能力編纂室lv.1[2/3] フリー経験点+[5]点
・聴音室lv.0[0/3] ミドル時、常時情報収集ダイス+[lv]個
・娯楽室lv.0[0/3] 調達判定達成値+[lv] ライラが張り切る

GM:では、能力編纂室が1lv上がりました。
GM:PCたちの行動はこれで全工程終了!お疲れさまでした!
カラジン:お疲れさまでした。
ダンテ:お疲れ様でした!楽しかった~!
ウィリアム:お疲れさまでした!
レヒト:お疲れさまでした。今年は此処から忙しくなっちゃうけど、来年の早いうちに1話やりたいですねー。
レヒト:楽しかったよー
GM:最高の0話でした。ありがとうございました
GM:この四人で遊べて本当に良かったです……!
GM:次回もセルビアで僕と握手!


Append2『砂丘の影/Awaken Shade』

GM:クロドヴァ公国 首都ティネラ アム=アレス湾岸基地
GM:首都ティネラ。壮麗な港町、工芸品のような船の数々が立ち並ぶ有数のクロドヴァ港湾地帯。
GM:その、黒海を望む最前線にアム=アレス湾岸基地は建っている。今は解体された、とある部隊の拠点として。
????:「……”鷲”が」
????:年若い、何の特徴もない声。
????:「『ナチェルターニェ』を奪った」
????:「うん……そうなんだ。”夢子”じゃだめだった」
????:「無茶苦茶だよな……あいつら……」
????:だが、聞く者が足を止めて聞けば、微かな摩擦音がそこに混ざっていることに気付くだろう。
????:「特に……”タナトテリステス”には、三人やられた」
????:「戦略変数Dって言うから、”夢子”で各個撃破できるかと思ったのに。当てにならないな」
????:「話が長い?そうだね……よく言われたよ、あいつにも」
????:「手短に行こう。仕事を頼みたいんだ」
????:「クロドヴァは”デザートミラージュ”を復活させたい。国防の為にも、スペリオルは必要だろ?解るよ、怖いもんな」
????:「うん……そうだ。全員呼び戻してくれて良い」
????:「”撃墜王”も」
????:「”戦場の死神”も」
????:「全員だ。あいつらは徹底的に殺す」
????:「”アルゴ”は……良いよ。絶対面倒なことになる」
????:「カソビアとやり合いたくない」
????:「うん。頼むよ……」
????:「1914年6月。サラエヴォで”ゲヴァイ”を殺す……」
????:「その時に、必ずあいつらが邪魔になるんだ。そうなってる」
????:「って……”ウォッチメイカー”の1人が言ってた」
????:「僕?」
????:「僕はただの雇われだよ。まあ……楽園にいるんだから、気楽な身分ではあるけどさ」
????:「『青い舌』。今はそう呼ばれてる」蛇のような呼吸音に混ざって、時計の音が響く。